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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093513
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】物品管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20240702BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20240702BHJP
   G06Q 30/0645 20230101ALI20240702BHJP
【FI】
G06Q10/087
G06Q10/20
G06Q30/0645
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209944
(22)【出願日】2022-12-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】渋川 翔太
(72)【発明者】
【氏名】小林 宥華
(72)【発明者】
【氏名】下川 真人
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L030BB68
5L049AA16
5L049BB68
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】物品の管理性を向上させた物品管理システムを提供すること。
【解決手段】物品管理システムは、保管倉庫に保管する複数の物品を管理する物品管理部16Aと、物品を貸出した使用履歴を含む使用履歴情報を管理する使用履歴管理部16Bと、使用履歴情報に基づいて、一定期間内の物品毎の貸出の稼働率を算出する制御部11と、を備える。制御部11は、物品名と共に当該物品の算出した稼働率を出力する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管倉庫に保管する複数の物品を管理する物品管理部と、
前記物品を貸出した使用履歴を含む使用履歴情報を管理する使用履歴管理部と、
前記使用履歴情報に基づいて、一定期間内の前記物品毎の貸出の稼働率を算出する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記物品名と共に当該物品の前記算出した稼働率を出力する、
物品管理システム。
【請求項2】
前記貸出の稼働率は、前記一定期間のうち前記保管倉庫に存在しなかった期間を前記一定期間で割り、100を乗算して求める、
請求項1記載の物品管理システム。
【請求項3】
さらに、前記物品毎の点検時期を示す点検時期情報を管理する点検時期管理部を備え、
前記制御部は、前記稼働率、及び前回の前記点検時期に基づいて、次回の前記物品毎の点検時期を判断し、さらに、当該物品の前記次回の点検時期を前記物品に関連付けて出力する、
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項4】
前記使用履歴情報は、前記物品毎に、過去から現在の貸出先を示す情報を含み、
前記制御部は、前記稼働率、並びに、前記過去から現在の貸出場所を示す情報に基づいて、前記物品毎の貸出されている状態が正しいか否かを判断し、前記物品と共に、前記判断結果を出力する、
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記物品の稼働率を物品の種類毎に平均した平均稼働率と、当該物品の種類毎の保有数と、に基づいて、前記物品の種類毎の保管数が適正か否かを判断し、前記判断した結果を出力する、
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記保管倉庫毎、かつ、前記物品の種類毎に、前記稼働率を平均した平均稼働率を算出し、当該算出した平均稼働率と、前記物品の種類毎の保管数と、に基づいて、各前記保管倉庫の前記物品の保管数を算出し、当該算出した各前記保管倉庫の前記物品の再配置に関する情報を出力する、
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項7】
さらに、前記物品を保有する施設の前記保管倉庫、及び貸出先の情報を含むマップ情報を管理するマップ情報管理部を備え、
前記制御部は、前記保管倉庫毎、かつ、前記物品の種類毎に、前記稼働率を算出し、当該算出した前記保管倉庫毎、かつ、前記物品の種類毎の稼働率と、前記物品の種類毎の保管数と、に基づいて、各前記保管倉庫の前記物品の保管数を算出し、当該算出した各前記保管倉庫の前記物品の再配置が達成されるように、当該物品の返却先を変更する、
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記一定期間より短い所定期間において、前記物品種類毎の稼働率を算出し、当該算出した物品の種類毎の稼働率のうち閾値を超えた物品の種類を出力する、
請求項1に記載の物品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、物品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
管理端末にて検索された複数のレコードのうち、所在が貸出し可能な場所を示している各レコードを、レコードの有する劣化度の小さい順に並べ、その並び順で、レコードごとに、レコードが有する名称、識別情報および管理場所を、表示部に表示する。これにより、劣化度の小さい貸出し対象が、検索結果の上位に表示され、また、その貸出し対象の管理場所が表示されるようになる技術が知られている。
【0003】
また、スマートフォンのアプリを利用して、備品をカメラで撮影することにより、備品を登録し、備品を管理するシステムも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-241415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
病院や介護施設等の施設においては、貸出されたマットレス、点滴スタンド、及び見守りセンサなどの物品をそれぞれ複数倉庫に保有している。これらの物品は、利用者(患者・入所者)の状態に合わせて使い分けるため、利用者が入院等した場合、あるいは、利用者の状態が変化する毎に、倉庫から施設内の各部屋に向けて物品の貸出しを行い、各部屋から倉庫に物品の返却が行われる。つまり、倉庫内の物品の出し入れが頻繁に行われる。例えば、通常はウレタンマットレスを利用するが、褥瘡のリスクがある利用者にはエアマットレスをあてがうため、ウレタンマットレスを倉庫に返却し、エアマットレスを当該利用者に貸出しする作業が行われる。このように物品の貸出し、返却を行う場合には、施設の看護師、介護士等の作業員が貸出し、返却の内容をホワイトボード、管理台帳等に記載することにより、行われている。このような仕組みにより、物品の貸出先、保管場所など物品の現在地がわかるため、作業員が物品を探す手間を削減することができ、物品の管理の簡略化が可能となっている。
【0006】
ここで、施設等で管理する物品は多くの種類があり、大きな病院等の施設になるほど物品の種類毎に保管する物品数も多くなる。このため、複数の物品を取り扱っていくうちに、集中して利用される個体、長期間利用されたままの個体、仕入れてから長く保有されている個体などが生じる。このように利用が多くされた個体は、利用が少ない個体と比べて劣化状況が異なってくる。劣化が進んだ物品は製品本来の性能を発揮できず、最悪の場合事故の原因となりうる。しかしながら、スタッフがホワイトボード、管理台帳等に記載して管理する仕組みでは、このような個体の劣化を可視化することができない。
【0007】
また、複数種類の物品を取り扱っていくうちに、使用頻度が高い物品と、使用頻度が低い物品と、が現れる。使用頻度が極端に高い物品は、物品が不足する可能性があるため、追加購入などを促す必要がある。一方、使用頻度が低い物品は、保管場所をひっ迫し、他の物品の出し入れを阻害する可能性があり、職員の作業負担の原因となりうる。
【0008】
本発明の実施形態は、物品の管理性を向上させた物品管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、物品管理システムは、保管倉庫に保管する複数の物品を管理する物品管理部と、前記物品を貸出した使用履歴を含む使用履歴情報を管理する使用履歴管理部と、前記使用履歴情報に基づいて、一定期間内の前記物品毎の貸出の稼働率を算出する制御部と、を備える。前記制御部は、前記物品名と共に当該物品の前記算出した稼働率を出力する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態は、物品の管理性を向上させることができる物品管理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ネットワークの構成の一例を示す図。
図2図1に示すネットワーク構成を配置する病院の一例を示す模式図。
図3】2次元コードを付したウレタンマットレスの一例を示す図。
図4図3で示す2次元コード部を拡大した図。
図5】管理サーバの構成の一例を示す図。
図6】物品管理部の一例を示す図。
図7】使用履歴管理部の一例を示す図。
図8】期間管理部の一例を示す図。
図9】稼働率算出部の一例を示す図。
図10】稼働率管理部の一例を示す図。
図11】耐用年数管理部の一例を示す図。
図12】点検時期管理部の一例を示す図。
図13】マップ管理部の一例を示す図。
図14】作業者管理部の一例を示す図。
図15】作業履歴管理部の一例を示す図。
図16】端末装置の構成の一例を示す図。
図17】貸出処理の一例を示すフローチャート。
図18】返却処理の一例を示すフローチャート。
図19】一覧出力処理の一例を示すフローチャート。
図20】点検時期出力処理の一例を示すフローチャート。
図21】点検推奨日の表示の一例を示す図。
図22】保管状態出力処理の一例を示すフローチャート。
図23】表示部の表示の一例を示す図。
図24】表示部の表示の一例を示す図。
図25】保管数再設定出力処理の一例を示すフローチャート。
図26】情報の一例のテーブルを示す図。
図27】表示部の表示の一部を示す図。
図28】返却先誘導出力処理の一例を示すフローチャート。
図29】情報の一例のテーブルを示す図。
図30】保管状態出力処理の一例を示すフローチャート。
図31】処理結果の一例を示す図。
図32】表示画面の一例を示す図。
図33】貸出作業の処理の一例を示すフローチャート。
図34】表示画面の一例を示す図。
図35】確認画面の一例を示す図。
図36】表示画面の一例を示す図。
図37】表示画面の一例を示す図。
図38】返却作業の処理の一例を示すフローチャート。
図39】表示画面の一例を示す図。
図40】確認画面の一例を示す図。
図41】表示画面の一例を示す図。
図42】表示画面の一例を示す図。
図43】表示画面の一例を示す図。
図44】表示画面の一例を示す図。
図45】表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、ネットワーク1の構成の一例を示す図である。当該ネットワーク1は、本実施形態では、病院に設置される場合で説明する。ネットワーク1の設置場所は、病院に限らず、介護施設等の他の施設でもよく、さらにいえば、物品を管理することが必要な施設であればよい。
【0014】
図1に示すように、ネットワーク1には、物品管理システムである管理サーバ10と、複数の無線通信機20と、複数の管理装置31,32,33と、複数の端末装置40と、が含まれる。例えば、管理サーバ10と、複数の無線通信機20と、複数の管理装置31,32と、がそれぞれローカル・エリア・ネットワーク(LAN)2により通信可能に接続される。さらに、例えば、管理サーバ10と、管理装置33と、がインターネット3を介して通信可能に接続される。
【0015】
管理サーバ10と、複数の無線通信機20と、複数の管理装置31,32と、は、本実施形態では、病院内に設置される。病院は、例えば、2つの病棟から構成される。複数の無線通信機20は、各病棟の種々の場所、例えば、診察室、病室、物品の保管倉庫等に設置される。よって、病院内の種々の場所において、端末装置40から無線通信機20を介して管理サーバ10に情報を送信することができると共に、端末装置40は無線通信機20を介して管理サーバ10から情報を受信することができる。管理装置31,32は、それぞれ、LAN2を介して管理サーバ10に情報を送信することができると共に、管理装置31,32はLAN2を介して管理サーバ10から情報を受信することができる。管理装置33は、インターネット3を介して管理サーバ10に情報を送信することができると共に、管理装置33はインターネット3を介して管理サーバ10から情報を受信することができる。
【0016】
図2は、図1に示すネットワーク1を配置する病院の一例を示す模式図である。
本実施形態では、病院は、第1病棟101Aと、第2病棟101Bと、を含む。第1病棟101A、及び第2病棟101Bは、それぞれ地上4階、地下1階で同様な構成になっている。第1病棟101A、及び第2病棟101Bは、中央部分に地下1階から地上4階まで移動可能なエレベータEA,EBが設置されている。これにより、作業者が管理対象となる物品を各階に移動することができる。作業者は、例えば、看護師等の病院の職員、及び物品の保守を行う保守員などである。
【0017】
第1病棟101Aの1階には、診察室R111A,R112A、R114A,R115A、受付場所R113A,R116A、及び第11保管装置SWA1が配置される。2階には、病室R121A~R124A、及び第12保管倉庫SWA2が配置される。3階には、病室R131A~R134A、及び第13保管倉庫SWA3が配置される。4階には、病室R141A~R144A、及び第14保管倉庫SWA4が配置される。地下1階には、第15保管倉庫SWA5、及び第16保管倉庫SWA6が配置される。第2病棟101Bには、第1病棟101Aと同様に、診察室R111B,R112B、R114B,R115B、受付場所R113B,R116B、病室R121B~R144B、及び第21保管倉庫SWB1~第26保管倉庫SWB6が配置される。
【0018】
各診察室R111A,R112A、R114A,R115A、及び病室R114A~R144A、並びに各診察室R111B、R112B、R114B,R115B、及び病室R114B~R144Bには、第11保管倉庫SWA1~第16保管倉庫SWA6、及び第21保管倉庫SWA1~第26保管倉庫SWA6から貸出される物品が配置される。物品は、入院者が症状に合わせて用いる医療器具等である。例えば、物品は、ウレタンマットレス、第1エアマットレス、第2エアマットレス、点滴スタンド、サイドレール、介助バー、ポジショニングピロー、見守りセンサユニットである。管理対象となる物品は、これらの医療器具に限られない。また、本実施形態では、1社から提供される物品だけではなく、当該1社以外の他社から貸し出される物品も管理対象とする。
【0019】
第11保管倉庫SWA1~第14保管倉庫SWA4、及び第21保管倉庫SWB1~第24保管倉庫SWB4は、1階~4階にそれぞれ配置されている。各保管倉庫SWA1~SWA4,SWB1~SWB4は、各階に配置される病室には、それぞれ近いが、物品の収納スペースが小さい。一方、第15,第16保管倉庫SWA5,SWA6、及び第25,第26保管倉庫SWB5,SWB6は、地下に配置されるため、各階の病室には、それぞれ遠いが、収納スペースは大きい。
【0020】
ウレタンマットレスは、ウレタンを材料として用いたマットレスである。第1エアマットレスは、複数のエアセルを含み、エアセルの圧力を調整することができマットレスである。第2エアマットレスは、第1エアマットレスとタイプの異なるエアマットレスである。点滴スタンドは、使用者が点滴を受けつつ歩行をする際に用いるスタンドである。サイドレールは、使用者がベッドから落ちないようにベッドの側面に配置するレールである。介助バーは、使用者の起き上がりや立ち上がり、車椅子への移乗動作の補助を目的とした、ベッドに取り付けられる手すりである。ポジショニングピローは、使用者の体の向き等を調整するための道具である。見守りセンサユニットは、使用者の心拍数、脈拍数等を検知するユニットである。
【0021】
物品の管理は、本実施形態では、2次元コードを用いることとする。図3は、2次元コードを付したウレタンマットレスの一例を示す図である。図4は、図3で示す2次元コード部を拡大した図である。
【0022】
図3に示すように、ウレタンマットレスUMの側面の端部に2次元コード部Lが付される。このように、使用者がウレタンマットレスを使用する際に、邪魔にならない位置に2次元コード部Lが付される。図4に示すように、2次元コード部Lは、2次元コードL1と隣接して、2次元コードの内容である保有者L2、及び管理番号L3が記載される。本実施形態では、保有者L2は、PB病院であり、管理番号L3は、NT100040である。PB病院は、第1病棟101A、及び第2病棟102Bを有する病院の名称である。NT100040は、物品を管理する管理番号の一例である。なお、本実施形態では、2次元コードを用いて物品を管理する場合で説明するが、これに限るものではなく、例えば、バーコード、無線タグ(RFIDタグ)、及びビーコンを使用して、物品を一意に管理するようにしてもよい。
【0023】
図5は、管理サーバ10の構成の一例を示す図である。
図5に示すように、制御部11、通信部12、通信部13、表示部14、入力部15、及び記憶部16を含む。
制御部11は、CPU、ROM、RAM等を含む。CPUがROM、RAMを使用して、記憶部16に記憶されたプログラムを実行することにより、後述する各種処理等を実行する。通信部12は、LAN2に接続するためのインターフェイスである。通信部13は、インターネット3に接続するためのインターフェイスである。表示部14は、例えば、ディスプレイであり、作業者に情報を表示する。入力部15は、例えば、マウスやキーボードを含み、作業者の指示を受け付ける。
【0024】
記憶部16は、例えば、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)やソリット・ステート・ドライブ(SSD)であり、各種データを保存する。記憶部16は、本実施形態では、物品管理部16A、使用履歴管理部16B、期間管理部16C、稼働率算出部16D、稼働率管理部16E、耐用年数管理部16F、点検時期管理部16G、マップ管理部16H、作業者管理部16I、作業履歴管理部16J、物品画像管理部16K、及び物品管理プログラム管理部16Lを含む。
【0025】
図6は、物品管理部16Aの一例を示す図である。物品管理部16Aは、第11保管倉庫SWA1~第16保管倉庫SWA6、及び第21保管倉庫SWB1~第26保管倉庫SWB6から診察室111A,112A,114A,115A、111B,112B,114B,115B、及び病室121A~144A、及び121B~144Bに貸出される物品を管理する。
【0026】
物品管理部16Aにおいては、物品名16A1、管理番号16A2、保管倉庫16A3、貸出先16A4、及びステータス16A5を示す情報が対応づけられて管理される。物品名16A1は、上述した物品の名称を示す。管理番号16A2は、物品に対して一意に付される番号を示す。保管倉庫16A3は、物品が保管される倉庫を示す。貸出先16A4は、物品が貸出されている診察室、または病室を示す。ステータス16A5は、物品の状態を示す。本実施形態では、ステータスは、「使用中」、「貸出可」、「廃棄」、「停止中」のいずれかである。使用中は、現在、診察室、または、病室に貸出されていることを示す。貸出可は、現在、保管倉庫に保管されており、貸出すことが可能であることを示す。廃棄は、破損等により廃棄したことを示す。停止中は、修理等のために一時的に貸出が不可になっていることを示す。
【0027】
図6に示すように、例えば、物品名16A1「ウレタンマットレス」の管理番号16A2「NT10001」で特定されるウレタンマットレスは、保管倉庫16A3が「第11保管倉庫」であり、貸出先16A4として「病室142A」に貸出されているため、ステータス16A5が「使用中」であることが示されている。このように、物品管理部16Aは、物品毎に、保管倉庫、貸出先、及びスタータスを管理することができる。
【0028】
また、本実施形態では、物品管理部16Aは、物品管理を提供する会社が自社の物品の管理を行うだけでなく、他社の物品を管理することができる。図6に示すように、他社物品のフィールドに、他社がPB病院に貸出している物品を登録することができる。登録する方法としては、例えば、予め他社物品用の2次元コード、及び2次元コードの内容(管理番号)を記載した2次元コード部(例えば、ラベル)を作成しておく。物品管理を行う作業員が他社物品の所定箇所に当該2次元コード部を貼り付ける。そして、2次元コードまたは管理番号を用いて物品管理部16Aに当該物品を登録する。これにより、物品管理部16Aにより、他社物品を管理することが可能になる。この際、物品名は、作業員が手入力により入力すればよい。
【0029】
図7は、使用履歴管理部16Bの一例を示す図である。使用履歴管理部16Bは、物品毎の使用された履歴、つまり、貸し出された履歴を含む情報を管理する。
使用履歴管理部16Bは、管理番号16B1、保有開始16B2、注意事項16B3、確認事項16B4と共に、貸出日時16B5、返却日時16B6、貸出先16B7、メモ16B8を示す情報が対応付けられて管理される。
【0030】
管理番号16B1は、既述のように物品を一意に特定する番号を示す。保有開始16B2は、当該物品の保有を開始した時期を示す。例えば、レンタルされた物品であればレンタル開始日であり、購入した物品であれば購入日である。確認事項16B4は、例えば、当該物品の取り扱いに関して注意する内容を示す。確認事項16B4は、作業員に注意を促す内容を示す。例えば、物品の耐用年数が近づいた場合に注意を促す内容を示す。貸出日時16B5は、当該物品をいずれかの保管倉庫から診察室、または病室に貸出した日時を示す。返却日時16B6は、当該物品が貸出されていた診察室、または、病室から保管倉庫に返却された日時を示す。貸出先16B7は、当該物品を貸出した診察室、または病室を示す。メモ16B8は、当該物品を診察室、または病室に貸出した場合、または、当該物品を診察室、または病室から保管倉庫に返却された場合、当該物品に関して作業者が入力した情報を示す。貸出日時16B5、返却日時16B6、及びメモ16B8には、IDのフィールドが対応付けられている。IDは、後述する作業者管理部16Iで管理される作業者を特定するIDである。これにより、貸出作業、返却作業、メモの入力を行った作業者を特定することができる。
【0031】
図7に示すように、例えば、管理番号16B1「MT10001」で特定される物品は、保有開始16B2が「2020/xx/xx」であり、注意事項16B3が「リハビリテーション病棟専用マットレス。他の棟には貸出さないこと。」であることが示されている。確認事項は16B4、まだ、入力されていない。さらに、当該物品は、貸出日時16B5「2020/xx/xx xx:xx」に貸出され、返却日時16B6「2020/yy/yy yy:yy」に返却された使用履歴があること、及びメモ16B8「破れている箇所がある。」が入力されていることが示されている。貸出日時16B5、返却日時16B6、及びメモ16B8には、ID「1」が対応付けられているため、ID「1」の作業者によって、物品の貸出、返却が行われ、メモの内容が入力されたことが示されている。
【0032】
図8は、期間管理部16Cの一例を示す図である。期間管理部16Cは、後述する物品の稼働率を算出する期間を設定する。図8に示すように、例えば、本実施形態では、30日とする。期間は、30日に限るものではなく、一定期間であればよい。
【0033】
図9は、稼働率算出部16Dの一例を示す図である。稼働率算出部16Dは、一定期間における物品の稼働率を算出する仕組みを記憶する。
図9に示すように、例えば、本実施形態では、稼働率[%]は、(一定期間のうち保管倉庫になかった期間)/(一定期間)×100により求める。この図9に示す例は、物品が保管倉庫にない期間を当該物品が使用中である期間として、稼働率を算出している。本実施形態では、稼働率管理部16Eで管理される情報に基づいて、管理サーバ10が稼働率を算出する場合で説明するが、次のように稼働率を算出してもよい。例えば、保管倉庫の出入口付近に無線タグの識別端末を設けると共に識別端末をLAN2に接続する。物品には少なくとも管理番号の情報が記憶された無線タグを設ける。管理サーバ10は、識別端末による無線タグの識別結果に基づいて、当該物品が保管倉庫になかった期間を管理する。この管理結果に基づいて、管理サーバ10は、稼働率を算出するようにしてもよい。なお、稼働率の算出方法は、これに限るものではない。
【0034】
図10は、稼働率管理部16Eの一例を示す図である。稼働率管理部16Eは、一定期間の物品毎の稼働率を管理する。本実施形態では、稼働率管理部16Eは、当日、及び1日前から30日前までの30日の期間の各物品の稼働率を管理する。
図10に示すように、例えば、稼働率管理部16Eは、各物品について、本日から30日前までの30日の期間、「使用」(貸出中)か、「-」(保管中)かを管理すると共に当該期間の稼働率を管理する。「使用中」または、「-」は、例えば、物品管理部16Aのステータス16A5の管理内容に基づいて、記憶される。また、稼働率は、制御部11が稼働率算出部16Dに記憶される算出方法によって算出する。例えば、30日の期間全て「使用中」である場合、稼働率は100%である。また、例えば、30日の期間の半分の日が「使用中」である場合、稼働率は50%である。このように算出した稼働率が物品毎に稼働率管理部16Eに記憶される。なお、本実施形態では、1日単位で「使用中」,「-」を区別して稼働率を算出することとするが、使用履歴管理部16Bの貸出日時16B5、返却日時16B6に記憶される日時を用いて、時間単位で稼働率を算出してもよい。
【0035】
図11は、耐用年数管理部16Fの一例を示す図である。耐用年数管理部16Fは、物品の種類毎の耐用年数を記憶する。図11に示すように、例えば、ウレタンマットレス「10年」、第1エアマットレス「10年」、介護バー「8年」、サイドレール「5年」、・・・、のように物品の種類毎に耐用年数が管理される。
【0036】
図12は、点検時期管理部16Gの一例を示す図である。点検時期管理部16Gは、物品毎の点検時期を管理する。例えば、本実施形態では、図12に示すように、前々回、前回の点検時期を管理する。なお、本実施形態では、前々回、前回の点検時期を管理する場合で説明するが、少なくとも前回の点検時期が管理されればよい。例えば、図12においては、管理番号「MT00001」の物品の前々回の点検時期は、「2020/10/1」であり、前回の点検時期は、「2021/10/1」であることが示されている。
【0037】
図13は、マップ管理部16Hの一例を示す図である。マップ管理部16Hは、マップ情報を管理する。マップ情報は、病院内の診察室、病室、保管倉庫、エレベータ等の配置に加え、PB病院内の各診察室R111A,R112A、R114A,R115A、及び病室R114A~R144A、及び各診察室R111B、R112B、R114B,R115B、及び病室R114B~R144Bから第11~第26保管倉庫SWA1~SWB6までの距離を管理する。図13示すように、例えば、病室R141Aから第11~第16保管倉庫SWA1~SWA6、及び第21~第26保管倉庫SWB1~SWB6までの距離が対応付けられている。図示は省略しているが、他の診察室、及び病室から第11~第16保管倉庫SWA1~SWA6、及び第21~第26保管倉庫SWB1~SWB6までの距離も対応付けられている。なお、マップ管理部16Hは、各診察室、及び各病室から各保管倉庫までのそれぞれの距離については、距離として管理しなくても、移動時間として管理してもよい。
【0038】
図14は、作業者管理部16Iの一例を示す図である。作業者管理部16Iは、物品の貸出、返却等の作業を行う作業者を管理する。作業者管理部16Iは、作業者を識別するIDと、作業者の名前と、を対応付けて管理する。図14に示すように、例えば、ID「1」と、名前「貸出 太郎」のように対応付けられる。
【0039】
図15は、作業履歴管理部16Jの一例を示す図である。作業履歴管理部16Jは、作業者が行った物品の貸出、及び返却といった作業内容の履歴を時系列で管理する。作業履歴管理部16Jは、作業日時16J1、貸出/返却16J2、作業者名16J3、管理番号16J4、物品名16J5、貸出先/返却先16J6、及びメモ16J7の情報が対応付けられて管理される。作業履歴管理部16Jにより管理される情報は、物品管理部16A、及び使用履歴管理部16B等でも管理される内容と重複するが、本実施形態では、作業履歴管理部16Jにより、作業日時16J1、貸出/返却16J2、作業者名16J3、管理番号16J4、物品名16J5、貸出先/返却先16J6、及びメモ16J7の情報を作業履歴管理部16Jとして管理する。なお、作業履歴管理部16Jが管理する内容は、図15に示す内容に限るものではない。
【0040】
作業日時16J1は、貸出作業を行った日時、または、返却作業を行った日時を示す。貸出/返却16J2は、作業が物品の貸出、または、返却であるかを示す。作業者名16J3は、作業を行った作業者を示す。管理番号16J4は、物品の管理番号を示す。物品名16J5は、物品の種類の名称を示す。貸出先/返却先16J6は、物品の貸出先、または、返却先を示す。メモ16J7は、作業者が入力したメモの内容を示す。
【0041】
図15に示すように、例えば、作業日時16J1「2022/06/10 13:00」に、貸出/返却16J2に示す「貸出」が、作業者名16J3「運部花子」により行われていること、その物品は、管理番号16J4「NT00001」の物品名16J5「ウレタンマットレス」であり、貸出先/返却先16J6に示す「第1病棟101A 142A」に貸出されていること、及びメモ16J7に「太郎さんに依頼された内容。・・・」というメモの内容が示されている。
【0042】
物品画像管理部16Kは、物品の種類毎の画像を記憶する。
【0043】
物品管理プログラム管理部16Lは、物品管理プログラムを管理する。物品管理プログラムは、物品管理部16A、使用履歴管理部16B、期間管理部16C、稼働率算出部16D、稼働率管理部16E、耐用年数管理部16F、点検時期管理部16G、マップ管理部16H、作業者管理部16I、作業履歴管理部16J、及び物品画像管理部16Kを管理すると共に、後述する貸出処理、返却処理、一覧出力処理、点検時期出力処理、保管状態出力処理、保管数再設定処理、返却先誘導処理、及び不足状況防止処理を実行するためのプログラムを含む。貸出処理、返却処理、一覧出力処理、点検時期出力処理、保管状態出力処理、保管数再設定処理、返却先誘導処理、及び不足状況防止処理の詳細については、後述する。
【0044】
図16は、端末装置40の構成の一例を示す図である。
図16に示すように、端末装置40は、制御部41、通信部42、タッチパネル43、カメラ部46、及び記憶部47を備える。また、タッチパネル43は、表示部44、及び入力部45を含む。
【0045】
制御部41は、CPU、ROM、RAM等を含む。CPUがROM、RAMを使用して、記憶部47に記憶されたプログラムを実行することにより、例えば、後述するような各種処理を実行する。通信部42は、無線通信機20を介してLAN2に接続するためのインターフェイスである。タッチパネル43の表示部44は、作業者に情報を表示する。タッチパネル43の入力部45は、タップ、スワイプ等の作業者の指示を受け付ける。カメラ部46は、作業員から撮影開始の指示を受け付けると、画像を撮影する。
【0046】
記憶部47は、コード解析プログラム管理部47A、表示入力プログラム管理部47B、物品画像管理部47C、及び作業履歴管理部47Dを含む。
コード解析プログラム管理部47Aは、コード解析プログラムを管理する。コード解析プログラムは、カメラ部46で撮影した撮影画像に含まれる2次元コードを解析する処理を行うためのプログラムである。この処理により、2次元コードが付された物品の保有者(PB病院)、及び管理番号を取得することができる。
【0047】
表示入力プログラム管理部47Bは、表示入力プログラムを管理する。表示入力プログラムは、コード解析プログラム管理部47A、物品画像管理部47C、及び作業履歴管理部47Dを管理する。また、表示入力プログラムは、物品の貸出作業、返却作業、及び物品の一覧表示に関する画面を表示部44に表示すると共に、表示部44に表示した画面から作業者の指示、及び入力を受け付ける処理を実行するためのプログラムを含む。ここで、物品の一覧表示は、例えば、物品一覧、物品一覧(ステータス)、物品一覧(稼働率)、及び物品詳細の表示である。製品一覧、物品一覧(ステータス)、物品一覧(稼働率)、及び物品詳細の表示内容、及び表示入力プログラムの詳細は、後述する。
【0048】
物品画像管理部47Cは、物品の種類毎の画像を記憶する。作業履歴管理部47Dは、作業員の作業履歴の内容を管理する。物品画像管理部47C、及び作業履歴管理部47Dには、管理サーバ10が管理する物品画像管理部16K、及び作業履歴管理部16Jと同一の内容が管理されるため、図示及び詳細な説明を省略する。
【0049】
管理装置31,32,33は、例えば、パーソナル・コンピュータ(PC)である。管理装置31,32はLAN2、を介して、管理装置33は、インターネット3を介して管理サーバ10と通信可能になっている。管理装置31,32,33は、管理サーバ10に指示を送信し、例えば、、一覧出力処理、点検時期出力処理、保管状態出力処理、保管数再設定処理、返却先誘導処理、及び不足状況防止処理を実行させ、当該処理結果を表示することができる。
【0050】
次に、管理サーバ10が実行する処理について説明する。
管理サーバ10は、入力部15、端末装置40、または、管理装置31,32,33から指示を受け付けることにより、処理を実行する。各処理は、制御部11が物品管理プログラム管理部16Lから物品管理プログラムを読みだして実行することにより実現される。以下では、管理サーバ10が実行する処理のうち、貸出処理、返却処理、一覧出力処理、点検時期出力処理、保管状態出力処理、保管数出力処理、保管数再設定処理、返却先誘導処理、及び不足状況防止出力処理について、それぞれ説明する。また、物品管理部プログラムは、点検時期出力処理、保管状態出力処理、保管数出力処理、保管数再設定処理、返却先誘導処理、及び不足状況防止出力処理の全ての処理を物品管理プログラムの処理として実現できなくてもよく、例えば、少なくとも1つの処理を実現できればよい。
【0051】
まず、貸出処理について説明する。この処理は、端末装置40から貸出作業の入力情報が送信されて実行される。図17は、貸出処理の一例を示すフローチャートである。
貸出作業の入力情報を端末装置40から受信した場合(ST11)、制御部11は、入力情報を物品管理部16A、及び使用履歴管理部16Bに登録する(ST12)。ここで、入力情報には、貸出される物品の管理番号、貸出日時、作業者、保管倉庫、及び貸出先を示す情報が含まれる。具体的には、制御部11は、受け付けた管理番号に対応する物品管理部16A内の貸出先16A4を、例えば「病室R142A」(保管倉庫の変更がある場合は、保管倉庫16A3の内容)を登録すると共に、ステータス16A5を「使用中」に変更する。また、制御部11は、受け付けた管理番号に対応する使用履歴管理部16B内の貸出日時16B5を作業者のIDと対応付けて登録する。作業員のメモがある場合は、メモ16B8にメモの内容を作業者のIDと対応づけて登録する。
【0052】
次に、制御部11は、受け付けた管理番号に対応する稼働率管理部16Eの本日のフィールドを「-」から「使用中」に変更する(ST13)。稼働率管理部16Eを更新した後、制御部11は、貸出の登録が完了したことを示す完了情報を端末装置40に送信する(ST14)。完了情報には、例えば、作業履歴管理部16Jの更新内容が含まれる。さらに、制御部11は、現在稼働している他の端末装置40に対しても、作業履歴管理部16Jの更新内容を含む情報を送信する(ST15)。これにより、管理サーバ10と、貸出作業の入力情報を送信した端末装置40に加え、現在、稼働している他の端末装置40と、の間でも作業履歴管理部47Dの管理内容が同期される。なお、稼働していない端末装置40は、起動時に、作業履歴管理部47Dの管理内容を管理サーバ10の作業履歴管理部16Jの管理内容に同期させる処理を行えばよい。
【0053】
次に、返却処理について説明する。この処理は、端末装置40から返却作業の入力情報が送信されて実行される。図18は、返却処理の一例を示すフローチャートである。
返却作業の入力情報を端末装置40から受信した場合(ST21)、制御部11は、入力情報を物品管理部16A、及び使用履歴管理部16Bに登録する(ST22)。ここで、入力情報には、返却される物品の管理番号、返却日時、作業者、保管倉庫、及び返却先を示す情報が含まれる。具体的には、制御部11は、受け付けた管理番号に対応する物品管理部内の貸出先16A4を、例えば「-」(保管倉庫の変更がある場合は、保管倉庫16A3の内容)を登録すると共に、ステータス16A5を「貸出可」に変更する。また、制御部11は、受け付けた管理番号に対応する使用履歴管理部16B内の返却日時16B6を作業者のIDと対応付けて登録する。作業員のメモがある場合は、メモ16B8にメモの内容を作業者のIDと対応づけて登録する。
【0054】
次に、制御部11は、受け付けた管理番号に対応する稼働率管理部16Eの本日のフィールドを「使用中」から「-」(使用中でない)に変更する(ST23)。稼働率管理部16Eを更新した後、制御部11は、返却の登録が完了したことを示す完了情報を端末装置40に送信する(ST24)。完了情報には、作業履歴管理部16Jの更新内容が含まれる。さらに、制御部11は、現在稼働している他の端末装置40に対しても、作業履歴管理部16Jの更新内容を含む情報を送信する(ST25)。これにより、管理サーバ10と、返却作業の入力情報を送信した端末装置40に加え、現在、稼働している他の端末装置40と、の間でも作業履歴管理部47Dの管理内容が同期される。なお、稼働していない端末装置40は、起動時に、作業履歴管理部47Dの管理内容を管理サーバ10の作業履歴管理部16Jの管理内容に同期させる処理を行えばよいのは、貸出作業の場合と同様である。
【0055】
次に、一覧出力処理について説明する。この処理は、入力部15、端末装置40、及び管理装置31,32,33のいずれかから一覧表示の指示情報を受信して実行される。以下では、端末装置40から指示がされた場合について説明する。図19は、一覧出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0056】
図19に示すように、物品の種類の一覧表示の指示情報を端末装置40から受信した場合(ST31)、制御部11は、物品種類の一覧表示に必要な情報を物品管理部16Aから収集する(ST32)。ここで、必要な情報は、例えば、物品の種類毎の保有数、及び物品の種類毎の貸出可能数である。制御部11は、物品管理部16Aを参照し、物品の種類毎の保有数、及び物品の種類毎の貸出可能数を収集すると、収集した情報を端末装置40に出力する(ST33)。これにより、端末装置40の表示部44に物品の種類の一覧が表示される(後述する図42)。
【0057】
次に、制御部11は、作業者により物品の種類のいずれかがタップされたか否かを判断する(ST34)。タップされたか否かは、例えば、制御部11は、物品の種類を示す種類情報を受信したか否かに基づいて判断する。種類情報を受信しない場合(ST34:NO)、制御部11は、ステップST33の状態を継続する。つまり、表示部44の表示は変更されない。また、タップされたと判断した場合(ST34:YES)、制御部11は、当該物品の種類に含まれる物品の一覧表示に必要な情報を物品管理部16A、及び使用履歴管理部16Bから収集する(ST35)。ここで、必要な情報は、例えば、管理番号、ステータス、貸出先を示す情報である。制御部11は、収集した情報を端末装置40に出力する(ST36)。これにより、端末装置40の表示部44に、作業員により指定された種類の物品の一覧が表示される(後述する図43図44)。
【0058】
次に、作業員により物品のいずれかがタップされたか否かを判断する(ST37)。タップされたか否かは、例えば、制御部11は、物品を特定する物品特定情報を受け付けたか否かに基づいて判断する。物品特定情報を受信しない場合(ST37:NO)、制御部11は、ステップST36の状態を継続する。つまり、表示部44の表示は変更されない。また、タップされたと判断した場合(ST37:YES)、制御部11は、当該物品特定情報で特定される物品の情報、例えば、本実施形態では、保有開始日、保有終了日(例えば、レンタルされた物品で期限がある場合)登録日、メモ等の情報を使用履歴管理部16B等から収集する(ST38)。そして、制御部11は、収集した情報を端末装置40に出力する(ST39)。これにより、端末装置40の表示部44に、作業員により指定された物品の詳細一覧が表示される(後述する図45)。このように、作業員は端末装置40を操作することにより、物品の種類、物品、物品の詳細について視認することができる。
【0059】
次に、点検時期出力処理について説明する。この処理は、例えば入力部15、または管理装置31,32,33のいずれから指示があった場合に実行される。以下では、作業員が管理サーバ10の入力部15を操作して、点検時期出力処理を管理サーバ10に指示した場合で説明する。また、この処理は、例えば、全ての物品単位、物品の種類単位、または、物品単位で指示することが可能である。本実施形態では、全ての物品単位での出力が指定された場合で説明する。図20は、点検時期出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0060】
点検時期出力処理の指示を入力部15から受信した場合(ST41)、制御部11は、全ての物品の前回の点検時期を点検時期管理部16Gから収集すると共に、全ての物品の稼働率を稼働率管理部16Eから収集する(ST42)。次に、制御部11は、全ての物品の点検推奨日を算出する(ST43)。例えば、本実施形態では、点検推奨日は、所定日数に、予め規定した規定日数に(稼働率[%]/100)を乗算した日数を加えた日数を算出し、この算出した日数を前回の点検時期から加算した日とする。なお、所定日数、及び規定日数は、物品の種類毎に規定してもよい。
【0061】
次に、制御部11は、保管状態が条件を満たすか否かを判断する(ST44)。本実施形態では、条件は、全ての物品について、直近30日間同じ場所に貸出されているか否かである。例えば、制御部11は、使用履歴管理部16Bで管理される物品毎の直近30日間(1日前から30日前まで)の貸出場所を示す情報に基づいて、物品の貸出状態が正しいか否かを判断する。例えば、本実施形態では、制御部11は、貸出先が30日間同じ場所に貸出されているか否かを判断する。条件を満たす、つまり、30日間同じ場所に貸出されていると判定した場合(ST44:YES)、制御部11は、アラート情報を読み出し、当該物品にアラート情報を付加する(ST45)。次に、制御部11は、算出した点検推奨日、及びアラート情報(ST44でYESの場合のみ)を表示部14に出力する(ST46)。
【0062】
図21は、表示部14に表示される物品毎の点検推奨日の表示の一例を示す図である。図21に示すように、表示部14には、第2エアマットレス「MT00001」、「MT00002」、…、「MT00040」の点検推奨日等が表示される。例えば、表示部14の画面を横方向に画面をスクロールすることにより、全ての物品の点検推奨日等を視認できる。また、他の物品の種類については、縦方向に表示部14の画面をスクロールすることにより、全ての種類の物品の点検推奨日等を視認することができる。
【0063】
第2エアマットレス「MT00001」については、直近30日間の稼働率が90%であること、前回の点検日が「2022/11/21」であること、次回の点検推奨日が「2023/1/21」であることが表示される。第2エアマットレス「MT00002」については、直近30日間の稼働率が20%であること、前回の点検日が「2022/10/21」であること、次回の点検推奨日が「2023/2/1」であることが表示される。稼働率が低くなっているため、「MT00001」より、「MT00002」の第2エアマットレスの方が前回の点検時から次回の点検推奨日までの日数が長くなっている。さらに、第2エアマットレス「MT00040」については、直近30日の稼働率が100%であること、前回の点検日が「2022/11/21」であること、次回の点検推奨日が「2023/1/11」であることに加え、直近30日間貸出先の変更がないため、アラートメッセージが表示される。例えば、本実施形態では、アラートメッセージは、「同じ場所に貸出されたままになっています。使用状況を確認してください」である。また、稼働率が100%であるため、稼働率90%の「MT00001」より、「MT00040」の第2エアマットレスの方が前回の点検時から次回の点検推奨日までの日数が短くなっている。これにより、作業員は、所望の物品の点検推奨日を視認することができる。また、30日間同じ場所に貸出されている物品については、物品が放置、もしくは、貸出先で紛失している可能性がある。このような物品については、アラートメッセージを視認した作業員が、物品が正しく管理できているかを確認することが可能になる。
【0064】
次に、保管状態出力処理について説明する。この処理は、例えば入力部15、または管理装置31,32,33のいずれかから指示があった場合に実行される。以下では、作業員が管理サーバ10の入力部15を操作して、保管状態出力処理を管理サーバ10に指示した場合で説明する。また、この処理は、例えば、保管倉庫単位で処理が実行される。図22は、保管状態出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0065】
保管状態出力処理の指示を入力部15から受信した場合(ST51)、制御部11は、第11~第16保管倉庫SWA1~SWA6、及び第21~第26保管倉庫SWB1~SWB6毎に、かつ、物品の種類毎に、保管している物品数を物品管理部16Aから収集し(ST52)、この収集した複数の物品の平均稼働率を稼働率管理部16Eに管理される稼働率を用いて保管倉庫単位で算出する(ST53)。
【0066】
次に、制御部11は、条件を満たさないない物品の種類を抽出する(ST54)。ここで、条件は、例えば、本実施形態では、平均稼働率が低く、かつ、保管している物品数が多い物品の種類である。例えば、抽出の条件となる値は、平均稼働率が40%以下であり、かつ、保管している物品数が30個とする。この値は、任意に変更してもよい。例えば、保管数は、物品の大きさによって物品毎に変更してもよいし、保管倉庫の収納スペースの大きさによって変更してもよい。
【0067】
次に、制御部11は、条件を満たさないない物品の種類があるか否かを判断する(ST55)。条件を満たさない物品の種類があると判定した場合(ST54:YES)、制御部11は、アラート情報を読み出す(ST56)。条件を満たさない物品の種類がないと判定した場合(ST55:NO)、制御部11は、アラート情報を読み出さない。次に、制御部11は、保管する物品の種類に応じた画像を物品画像管理部16Kから読み出し(ST57)、表示部14に各保管倉庫の保管状態を出力する(ST58)。保管状態を出力する場合、制御部11は、条件を満たさない物品の種類については、アラート情報を付加して出力する。アラート情報は、作業員に確認を促す確認マーク、及びメッセージ等の情報を含む。
【0068】
図23は、保管状態が出力された表示部14の表示の一例を示す図である。図23は、第11保管倉庫SWA1の場合を示しているが、入力部15の操作を受け付けて、制御部11は、他の保管倉庫の保管状態を表示部14に出力することができる。
【0069】
図23に示すように、第11保管倉庫においては、保管している第2エアマットレス、ポジショニングピロー、及びサイドレールが画像と共に表示されている。第2エアマットレスについては、「平均稼働率70%」であり、保管数として「20個保管」であることが表示されている。ポジショニングピローについては、「平均稼働率20%」であり、保管数として「30個保管」であることが表示されている。サイドレールについては、「平均稼働率40%」であり、保管数として「60個保管」であることが表示されている。ポジショニングピロー、及びサイドレールについては、既述の条件を満たすため、確認マークM1がそれぞれの物品の画像近傍に表示されている。表示部14の下側には、確認マークM1が若干大きく表示されると共に、アラートメッセージM2が表示されている。アラートメッセージM2は、本実施形態では、「稼働率の低い物品が多数保管されています。移送、もしくは、廃棄してください。」である。これにより、作業員は、平均稼働率と、保管数と、が見合わない物品の種類、言い換えると、各保管倉庫で滞留している物品を保管倉庫単位で視認することができる。この視認により、作業員は、アラートが表示された物品を他の保管倉庫に置き換える等の措置をとることができる。空いた収納スペースには、平均稼働率の高い物品を保管することにより、保管倉庫の収納スペースを有効に活用することができる。
【0070】
図24は、図23に示す物品の種類が選択された場合における、表示部14の表示の一例を示す図である。図24においては、図23において、ポジショニングピローが選択された場合を示している。
【0071】
図24に示すように、表示部14の上側に、ポジショニングピローの文字と共に、ポジショニングピローを示す画像が表示されている。この表示の下側には、平均稼働率が20%であること、及び確認マークM1と共に「保有数が過剰です」というメッセージM3が表示されている。さらに、物品毎の平均稼働率が並べられて表示されている。作業員は、当該表示を視認することにより、稼働率の高い物品を、当該物品の稼働率の低い保管倉庫に移動するようにしてもよい。これにより、稼働率の高かった物品の稼働率を下げることができ、物品毎の稼働率の平均化を図ることができる。また一方で稼働率が低い物品がどれであるか特定できるため、それらの物品を廃棄することで保管倉庫の収納スペースに余裕をもたせることができる。稼働率が低い物品の保存状態が良い場合は、頻繁な利用によるダメージの多い稼働率の高い物品を優先して廃棄し、稼働率の低い物品を入れ替えて補うこともできる。
【0072】
次に、保管数再設定処理について説明する。この処理は、例えば入力部15、または管理装置31,32,33のいずれかから指示があった場合に実行される。以下では、作業員が管理サーバ10の入力部15を操作して、保管状態出力処理を管理サーバ10に指示した場合で説明する。図25は、保管数再設定出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
保管数再設定処理の指示を入力部15から受信した場合(ST61)、制御部11は、保管倉庫毎、かつ、物品の種類毎に、稼働率を平均した平均稼働率を算出する(ST62)。物品毎の稼働率は、稼働率管理部16Eで管理される稼働率を用いればよい。次に、制御部11は、物品の種類毎に、保管倉庫での保管数を物品管理部16Aから収集する(ST63)。図26は、ステップST62,ST63により収集した情報の一例のテーブルD1を示す図である。図26においては、第2エアマットレスの物品数、及び平均稼働率の一例を示している。図26に示すように、第11~第16保管倉庫SWA1~SWA6、及び第21~第26保管倉庫SWB1~SWB6毎の物品数、及び保管倉庫毎の平均稼働率が示されている。なお、他の物品の種類についても同様な情報が収集される。
【0074】
次に、制御部11は、図26に示す情報に基づいて、保管倉庫に保管する物品の再配置が必要か否かを判断する(ST64)。この判断は、予め定められたアルゴリズムに基づいて、判断すればよい。例えば、制御部11は、第1病棟101Aの各保管倉庫SWA1~SWA6の物品数と、平均稼働率と、を乗算することにより稼働に必要な物品数を算出すると共に、第2病棟101Bの各保管倉庫SWB1~SWB6の物品数と、平均稼働率と、を乗算することにより稼働に必要な物品数を算出する。制御部11は、これらの算出値と、実際に保管している物品数とを比較する。図26の例においては、第1病棟101Aにおいては、稼働に必要な第2エアマットレスの物品数は、125台であり、保管数は、140台である。また、第2病棟101Bにおいては、稼働に必要な第2エアマットレスの物品数は、56台であり、保管数は、140台である。つまり、第1病棟101A全体での平均稼働率は、89%であり、第2病棟101B全体での平均稼働率は、40%である。この比較結果に基づいて、例えば、制御部11は、平均稼働率が第1病棟、及び第2病棟でほぼ同じになるような台数を再配置の台数の最大値として、第2エアマットレスの保管の再配置が必要であると判断する。このような判断は、物品の種類毎に行われる。また、本実施形態では、第1病棟101A、及び第2病棟101Bでの物品数の変更を判断する例を挙げて説明したが、各保管倉庫単位での物品の変更が必要か否かを判断してもよい。
【0075】
再配置が必要であると判断した場合(ST64:YES)、制御部11は、図26で説明した内容、保管数の変更が必要である旨、及びその具体的な内容を表示部14に出力する(ST65)。図27は、表示部14の表示の一部を示す図である。図27には、第2エアマットレスを〇〇台、第2病棟から第1病棟へ再配置することを推奨する旨のメッセージが表示されている。作業員は、当該表示を視認することにより、第2エアマットレス〇〇台を第2病棟101Bから第1病棟101Aの保管倉庫、例えば、収納スペースの大きい第15,16保管倉庫SWA15,WA16に再配置することができる。なお、再配置が必要でないと判断した場合は(ST64:NO)、制御部11は、図26で説明した内容と共に、保管数の再設定が必要でない旨を表示部14に出力する(ST66)。
【0076】
これにより、第2エアマットレスを病棟単位で適切に再配置することができる。よって、病棟間での物品の貸出・返却を行う事態を回避することが可能になり、作業員の貸出・返却に用する労力・時間を低減することが可能になる。このような効果は、病棟内での保管倉庫の物品の再配置について行う場合も同様である。
【0077】
次に、返却先誘導処理について説明する。この処理は、例えば入力部15、または管理装置31,32,33から指示があった場合に実行される。以下では、作業員が管理サーバ10の入力部15を操作して、返却先誘導処理を管理サーバ10に指示した場合で説明する。図28は、返却先誘導出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0078】
返却先誘導処理の指示を入力部から受信した場合(ST71)、制御部11は、保管倉庫毎、かつ、物品の種類毎に、稼働率を平均した平均稼働率を算出する(ST72)。物品毎の稼働率は、稼働率管理部16Eで管理される稼働率を用いればよい。次に、制御部11は、物品の種類毎に、保管倉庫での保管数を物品管理部16Aから収集する(ST73)。このステップST72,ST73の処理は、既述のステップST62,ST63と同一の処理である。図29は、ステップST72,ST73により収集した情報の一例のテーブルD2を示す図である。図29においては、ウレタンマットレスの物品数、及び平均稼働率の一例を示している。図29に示すように、第11~第16保管倉庫SWA1~SWA6、及び第21~第26保管倉庫SWB1~SWB6毎の物品数、及び保管倉庫毎の平均均稼働率が示されている。なお、他の物品の種類についても同様な情報が収集される。
【0079】
次に、制御部11は、図29に示す情報に基づいて、保管倉庫に返却する物品の返却先の誘導処理が必要か否かを判断する(ST74)。この判断は、予め定められたアルゴリズムに基づいて、判断すればよい。例えば、制御部11は、各保管倉庫のうち平均稼働率が高い(例えば、90%以上の)保管倉庫をサーチし、当該保管倉庫の近くの保管倉庫から当該物品の平均稼働率が低い(例えば、20%以下の)保管倉庫があるか否かを判断する。返却先の誘導が必要であると判断した場合(ST74:YES)、制御部11は、対象となる保管倉庫を抽出する(ST75)。図29の例においては、第22,第23保管倉庫SWB2,SWB3のウレタンマットレスの平均稼働率が100%で90%以上であり、この第22,第23保管倉庫SWB2,SWB3の近くの保管倉庫のうちウレタンマットレスの平均稼働率が低い保管倉庫は、第25保管倉庫の平均稼働率が10%で20%以下である。のため、当該例においては、第25保管倉庫SWB5が抽出される。なお、保管倉庫が近いか、遠いかの判断については、制御部11が、マップ管理部16Hで管理されるマップ情報に基づいて判断すればよい。
【0080】
次に、制御部11は、抽出された保管倉庫から貸出されている物品の保管倉庫を変更する(ST76)。例えば、図29で示した場合においては、制御部11は、物品管理部16Aを参照し、保管倉庫が第25保管倉庫SWB5となっていて、かつ、いずれかの診察室、または病室に貸し出されているウレタンマットレスの保管倉庫16A3を、「第25保管倉庫」から「第22保管倉庫」、または、「第23保管倉庫」に変更する。第25保管倉庫SWB5から貸出されているウレタンマットレスは、現在、4台(40台の10%)であるため、例えば、制御部11は、保管倉庫16A3を2台ずつ「第25保管倉庫」から「第22保管倉庫」、及び「第23保管倉庫」に変更すればよい。最後に、制御部11は、処理完了を表示部14に出力する(ST77)。処理の完了は、保管倉庫を変更した場合は(ST74:YES、ST75,ST76)、その内容と共に変更完了が出力される。また、保管倉庫を変更しなかった場合は(ST74:NO)、その旨が出力される。
【0081】
このように平均稼働率が低い保管倉庫から貸出されている物品が、当該物品の平均稼働率が高い保管倉庫に返却されるように誘導することができる。物品の返却作業を行う場合、後述するように、物品管理部16Aの保管倉庫16A3の内容が物品の保管倉庫、つまり、返却先として端末装置40の表示部44に表示されるからである。例えば、第25保管倉庫から貸出されているウレタンマットレスの保管倉庫が、第22保管倉庫、または、第23保管倉庫と端末装置40の表示部44に表示されるため、作業員がウレタンマットレスを第22保管倉庫、または、第23保管倉庫に返却するように誘導することができる。これにより、物品の稼働率の低い保管倉庫から当該物品の稼働率の高い保管倉庫に、作業員が物品をまとめて移動する手間や、その移動を実施するか否かの判断を省き、返却作業のついででスムーズに物品を最適な保管場所へ移動させることができる。このため、作業員の物品を移動する労力を低減することができる。
【0082】
次に、不足状況防止処理について説明する。この処理は、例えば入力部15、または管理装置31,32,33から指示があった場合に実行される。また、予め決まったタイミング(例えば、1日1回所定時間)になったタイミングで実行されるようにしてもよい。このタイミングは、記憶部16の所定の領域に記憶さればよい。なお、処理を実行するタイミングは、管理サーバ10により任意に変更できるようにしてもよい。以下では、作業員が管理サーバ10の入力部15を操作して、不足状況防止処理を管理サーバ10に指示した場合で説明する。図30は、保管状態出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0083】
不足状況防止出力処理の指示を受信した場合(ST81)、制御部11は、稼働率管理部16Eで物品の稼働率を管理する30日間(一定期間)より短い所定期間において、物品の種類毎の稼働率を算出する(ST82)。所定期間は、任意に設定可能であるが、例えば、患者が物品を使用する平均使用期間以下としてもよい。本実施形態では、直近7日の稼働率を算出することとする。
【0084】
次に、制御部11は、当該算出した物品の種類毎の所定期間の平均稼働率のうち閾値を超えた物品の種類を出力する(ST83)。閾値は、予め設定されており、例えば、90%としてもよい。本実施形態では、複数の物品のうち第2エアマットレスの平均稼働率が閾値を超えた場合で説明する。図31は、表示部14に出力された処理結果の一例を示す図である。図31に示すように、表示部14の上側には、第2エアマットレス、及び当該第2エアマットレスの画像が表示される。その表示の下側には、直近7日間の平均稼働率が90%であること、及び物品不足になる可能性を促すメッセージM12「物品不足の恐れがあります。」が表示されている。
【0085】
これにより、作業員は、不足する可能性がある物品を視認することができる。作業員は、物品を発注等することにより、PB病院内で必要な物品が不足する状況を回避することができる。また、所定期間を患者が物品を使用する平均使用期間以下に設定することにより、同一物品を使用する患者が急減に一時的に増えるような場合にも、物品が不足する状況を回避することができる。
【0086】
次に、作業員が物品の貸出、または返却をする場合の処理について説明する。
図32は、端末装置40の表示部44に表示される表示画面44Aの一例を示す図である。
図32に示すように、表示画面44Aの下側には、貸出ボタン51、返却ボタン52、履歴ボタン53、一覧ボタン54、及び設定ボタン55の5つのボタンが表示されている。この5つのボタンのいずれかを作業者がタップすることにより、貸出、返却、履歴、一覧、及び設定のいずれかの処理を行う画面が表示される。図32においては、作業者により貸出ボタン51がタップされた場合の一例を示している。
【0087】
物品の貸出作業を行う表示画面44Aにおいては、表示画面44Aの上側に、「貸出」の文字が表示される領域がある。「貸出」が表示される領域の背景色は、第1色(例えば、黄色)で表示される。この領域の下側に、2次元コードM11の表示と共に「タップでカメラを起動」という文字が表示されている。これらが表示されている領域A11を作業者がタップすることにより、貸出作業の処理が開始される。また、表示画面44Aの中段には、管理番号を入力する領域A12が設けられている。領域A12をタップすることにより、作業者は、管理番号を入力することが可能になる。例えば、2次元コードを読み取ることができない場合に、利用される。
【0088】
図33は、貸出作業の処理の一例を示すフローチャートである。以下では、表示部44の表示例を適宜示しつつ説明する。この処理は、制御部41が表示入力プログラム管理部47Bから表示入力プログラムを読み出して実行することにより、実現される。
【0089】
図33に示すように、貸出の表示画面44Aで作業者の領域A11のタップにより、カメラ部46が起動され、カメラ部46は撮影を開始する(ST101)。カメラ部46で撮影した撮影画像は、コード解析プログラムの処理により解析される。これにより、制御部41は、貸出の対象となる物品を保有する施設であるPB病院、及び管理番号の情報を取得することができる(ST102)。
【0090】
次に、制御部41は、取得した管理番号を管理サーバ10に送信し(ST103)、管理サーバ10から管理番号で特定される物品の情報を取得する(ST104)。ここで、管理サーバ10から取得する情報は、物品管理部16A、使用履歴管理部16B、及び作業者管理部16I等により管理される情報である。当該情報には、例えば、当該物品の物品名16A1(第2エアマットレス)、当該物品が保管される保管倉庫16A3、注意事項16B3、及び確認事項16B4に管理される情報に加え、全ての保管倉庫、貸出先(診察室、及び病室)、及び作業者を示す情報が含まれる。
【0091】
次に、制御部41は、貸出の対象となる物品の情報等を表示部44に表示し(ST105)、貸出作業に関する情報の入力を受け付ける(ST106)。
図34は、表示部44に表示された貸出の対象となる物品の情報を入力する表示画面44Bの一例を示す図である。
【0092】
図34に示すように、表示画面44Bの上側部分の領域A21に、管理番号「MT00017」、及び物品名「第2マットレス」が表示されると共に、当該物品の注意事項「リハビリテーション病棟専用マットレス。他の棟には貸し出さないこと。」が表示される。
この領域A21の下側に、日時を入力する領域A22、作業者を入力する領域A23、保管場所を入力する領域A24、及び貸出先を入力する領域A25が上側からこの順で表示されている。日時を入力する領域A22には、作業時刻(現在時刻)が表示される。作業者を入力する領域A23には、作業者の名前が表示される。作業者が、当該領域A23の右側部分をタップすることにより、作業者管理部16Iに管理されている作業者の名前が表示される。このように表示される作業者名の中から表示されている作業者の名前を変更してもよい。保管場所の領域A24には、管理サーバ10から受信した物品の保管倉庫が表示される。当該物品の保管倉庫が表示と異なった保管倉庫である場合は、作業者は貸出対象の物品の保管倉庫が間違っていることに気づく。保管倉庫を変更する場合は、当該領域A24の右側部分をタップすることにより、全ての保管倉庫が表示されるため、作業者は当該表示の中から正しい保管倉庫を選択する。貸出先の領域A25には、物品の貸出先を入力する。作業者は、当該領域A25の右側部分をタップすることにより表示される全ての貸出先(診察室、病室)から、貸出先を入力する。
さらに貸出先の領域A25の下側には、貸出ボタン51Aが表示される。貸出ボタン51Aは、貸出作業の入力を決定するボタンである。貸出ボタン51Aの背景色は、第1色(例えば、黄色)で表示される。
【0093】
作業者は、貸出作業に関する情報の入力を終えると貸出ボタン51Aをタップする。制御部41は、この貸出ボタン51Aの入力の有無を判定し(ST107)、貸出ボタン51Aの入力を受け付けたと判定すると(ST107:YES)、図35に示す表示画面(以下、確認画面とも称する。)を表示する(ST108)。貸出ボタン51Aの入力があったと判定しない場合(ST107:NO)、制御部41は、貸出作業に関する情報の入力を受け付ける状態を継続する(ST106)。
【0094】
図35は、表示部44に表示される確認画面44Cの一例を示す図である。
図35に示すように、確認画面44Cの中央部の領域A31には、貸出作業に関する情報として、管理番号「MT100017」、物品名「第2エアマットレス」、保管倉庫「第15保管倉庫」、貸出先の病室名「第1病棟」、及び「病室R142A」が表示される。また、「戻る」ボタン56A、及び「OK」ボタン56Bが表示される。この確認画面44Cを視認することにより、作業者は、入力内容を確認することができる。作業者は、入力内容が間違っている場合、「戻る」ボタン56Aをタップし、入力内容が正しい場合、「OK」ボタン56Bをタップする。
【0095】
制御部41は、「戻る」ボタン56Aが入力されたか否かを判定する(ST109)。「戻る」ボタン56Aが入力されたと判定した場合(ST109:YES)、制御部41は、ステップST106の処理に戻り、図34に示す表示画面44Bを表示部44に表示する。これにより、作業者は、入力誤りを修正することができる。一方、「OK」ボタン56Bが入力されたと判定した場合(ST109:NO)、制御部41は、貸出作業の情報(管理番号、日時、作業者名、保管倉庫、及び貸出先を示す情報)を管理サーバ10に送信する(ST110)。管理サーバ10は、既述のように、受信した貸出作業の入力情報に基づいて、物品管理部16A、使用履歴管理部16B、作業履歴管理部16J、及び、稼働率管理部16Eの内容を更新した後、更新完了を示す完了情報を端末装置40に送信する。ここで、完了情報には、作業履歴管理部16Jで更新された内容が含まれる。また、作業履歴管理部16Jで更新された内容を示す更新情報は、稼働している全ての端末装置40に送信される。これにより、稼働している端末装置40で作業履歴管理部16Jの内容を同期することができる。
【0096】
端末装置40は、完了情報を管理サーバ10から受信した場合(ST111)、作業履歴管理部47Dの内容を更新した後(ST112)、貸出の登録が完了した旨を示すメッセージ「登録しました」を表示部に表示する(ST113)。図36は、表示部44の表示画面(以下、登録完了画面とも称する。)の一例を示す図である。図36に示すように、登録完了画面44Dの中央部の領域A41に「登録しました」というメッセージが表示されている。これにより、作業者は、貸出作業の完了を視認できる。このようにして、作業者による物品の貸出作業が完了する。作業者が、領域A41をタップすることにより、表示部44の表示は、表示画面44Aに戻る。
【0097】
次に、返却作業について説明する。図37は、図32において、作業者により返却ボタン52がタップされた場合の表示画面44Eの一例を示す図である。表示画面44Eの下側には、貸出ボタン51、返却ボタン52、履歴ボタン53、一覧ボタン54、及び設定ボタン55の5つのボタンが表示されているのは、貸出作業の表示画面44Aと同様である。
【0098】
物品の返却作業を行う表示画面44Eにおいては、貸出作業の場合と同様に、表示画面44Eの上側に、「返却」の文字が表示される領域がある。「返却」が表示される領域の背景色は、第2色(例えば、青色)で表示される。2次元コードM11の表示と共に「タップでカメラを起動」という文字が表示されている。これらが表示されている領域A51を作業者がタップすることにより、返却作業の処理が開始される。また、表示画面44Eの中段には、管理番号を入力する領域A52が設けられているのは、貸出作業の表示画面44Aと同様である。
【0099】
図38は、返却作業の処理の一例を示すフローチャートである。以下では、表示部44の表示例を適宜示しつつ説明する。この処理は、制御部41が表示入力プログラム管理部47Bから表示入力プログラムを読み出して実行することにより、実現されるのは、貸出作業の処理の場合と同様である。
【0100】
図38に示すように、返却の表示画面44Eで作業者のタップにより、カメラ部46が起動され、カメラ部46は撮影を開始する(ST201)。カメラ部46で撮影した撮影画像は、コード解析プログラムの処理により解析される。これにより、制御部41は、返却の対象となる物品を保有する施設であるPB病院、及び管理番号の情報を取得することができる(ST202)。
【0101】
次に、制御部41は、取得した管理番号を管理サーバ10に送信し(ST203)、管理サーバ10から管理番号で特定される物品の情報を取得する(ST204)。ここで、管理サーバ10から取得する情報は、物品管理部16A、使用履歴管理部16B、及び作業者管理部16I等により管理される情報である。当該情報には、例えば、当該物品の物品名(第2エアマットレス)、当該物品が保管される保管倉庫16A3、注意事項16B3、及び確認事項16B4に示す情報に加え、全ての保管倉庫、貸出先(診察室、及び病室)、及び作業者を示す情報が含まれる。
【0102】
次に、制御部41は、返却の対象となる物品の情報等を表示部44に表示し(ST205)、返却作業に関する情報の入力を受け付ける(ST206)。
図39は、表示部44に表示された返却の対象となる物品の情報の表示画面44Fの一例を示す図である。
図39に示すように、表示画面44Fの上側部分の領域A61に、管理番号「MT00017」、及び物品名「第2エアマットレス」が表示されると共に、当該物品の注意事項「リハビリテーション病棟専用マットレス。他の棟には貸し出さないこと。」が表示される。
この領域A61の表示の下側に、日時を入力する領域A62、作業者を入力する領域A63、保管場所を入力する領域A64、及び返却先を入力する領域A65が上側からこの順で表示されている。日時を入力する領域A62には、作業時刻(現在時刻)が表示される。作業者を入力する領域A63には、作業者の名前が表示される。保管場所の領域A64には、管理サーバ10から受信した物品の保管倉庫が表示される。返却先の領域A64には、物品の返却先を入力する。領域A63、領域A64,領域A65は、右側の部分をタップすることにより、作業者、保管場所、貸出先を変更することが可能になっているのは、貸出作業の場合と同様である。
さらに返却先の領域A65の下側には、返却ボタン52Aが表示される。返却ボタン52Aは、返却作業の入力を決定するボタンである。返却ボタン52Aの背景色は、第2色(例えば、青色)で表示される。
【0103】
作業者は、返却作業に関する情報の入力を終えると、返却ボタン52Aをタップする。制御部41は、この返却ボタン52Aの入力の有無を判定し(ST207)、返却ボタン52Aの入力を受け付けたと判定すると(ST207:YES)、図40に示す表示画面(以下、確認画面とも称する。)を表示する(ST208)。返却ボタン52Aの入力があったと判定しない場合(ST207:NO)、制御部41は、返却作業に関する情報の入力を受け付ける状態を継続する(ST206)。
【0104】
図40は、表示部44に表示される確認画面44Gの一例を示す図である。
図40に示すように、確認画面44Gの中央部の領域A71には、返却作業に関する情報として、管理番号「MT100017」、物品名「第2エアマットレス」、貸出先「第1病棟 病室R142A」、及び返却先の「第15保管倉庫」が表示される。また、「戻る」ボタン57A、及び「OK」ボタン57Bが表示される。この確認画面44Gを視認することにより、作業者は、入力内容を確認することができる。作業者は、入力内容が間違っている場合、「戻る」ボタン57Aをタップし、入力内容が正しい場合、「OK」ボタン57Bをタップする。
【0105】
制御部41は、「戻る」ボタン57Aが入力されたか否かを判定する(ST209)。「戻る」ボタン57Aが入力されたと判定した場合(ST209:YES)、制御部41は、図39に示す表示画面44Fを表示部44に表示する。これにより、作業者は、入力誤りを修正することができる。一方、「OK」ボタン57Bが入力されたと判定した場合(ST209:NO)、制御部41は、返却作業の入力情報(管理番号、日時、作業者名、保管倉庫、返却先を示す情報)を管理サーバ10に送信する(ST210)。管理サーバ10は、既述のように、受信した返却作業の入力情報に基づいて、物品管理部16A、使用履歴管理部16B、作業履歴管理部16J、及び稼働率管理部16Eの内容を更新した後、更新完了を示す完了情報を端末装置40に送信する。ここで、完了情報には、作業履歴管理部16Jで更新された内容が含まれる。また、作業履歴管理部16Jで更新された内容を示す更新情報は、稼働している全ての端末装置40に送信される。これにより、稼働している端末装置40で作業履歴管理部16Jの内容を作業履歴管理部47Dに同期することができる。
【0106】
端末装置40は、完了情報を管理サーバ10から受信した場合(ST211)、作業履歴管理部47Dの内容を更新した後(ST212)、返却の登録が完了した旨を示すメッセージ「登録しました」を、図36の場合と同様に、表示部44に表示する(ST213)。これにより、作業者は、返却作業の完了を視認できる。このようにして、作業者による物品の返却作業が完了する。
【0107】
次に、貸出作業、及び返却作業の履歴について説明する。図32において、作業者により履歴ボタン54がタップされると、制御部41は、作業履歴管理部47Dにより管理されている作業履歴を表示部44に表示する。図41は、履歴ボタン54がタップされた場合の表示部44の表示画面44Hの一例を示す図である。
【0108】
図41に示すように、表示画面44Hにおいては、上側に、「履歴」の文字が表示される領域がある。「履歴」が表示される領域の背景色は、第3色(例えば、白色)で表示される。表示画面44Hにおいて、作業履歴の内容を示す矩形状の領域A81~A86が複数表示されている。1つの領域に1つの作業履歴の内容が表示される。各領域A81~A82それぞれの左側に、貸出作業の作業履歴を示す「貸出」、返却作業の作業履歴を示す「返却」が表示されている。「貸出」の文字の背景色は、第1色(例えば、黄色)であり、「返却」の文字の背景色は、第2色(例えば、青色)である。このように、「貸出」を示す色を貸出作業での表示に用いる色と同じ第1色とし、「返却」を示す色を返却作業での表示に用いる色と同じ第2色とすることで、作業の内容を区別し易くしている。
【0109】
例えば、領域A81には、貸出作業の履歴が表示されている。領域A81には、管理番号「MT00001」、物品名「第2エアマットレス」、作業日時「06/10 13:40」、作業者「運部 花子」、及び貸出先「第1病棟 R122A」を示す情報が表示されると共に、第2エアマットレスを示す画像が表示される。
【0110】
また、例えば、領域A82には、返却作業の履歴が表示されている。領域A82には、管理番号「MT00014」、物品名「ウレタンマットレス」、作業日時「06/10 13:30」、作業者「作業 太郎」、貸出先「第2病棟 R132B」を示す情報が表示されると共に、ウレタンマットレスを示す画像が表示される。
【0111】
作業者は、表示画面44Hに表示される作業履歴により、どのような作業が行われたかを視認することができる。なお、図41においては、作業履歴の領域は領域A81~領域A86の6つしか表示されていないが、作業者が表示画面44Hを上方向にスワイプすることにより、当該領域以前の作業履歴が表示される。これにより、作業者は、全ての作業履歴を視認することが可能になる。また、図41においては、時系列(作業時間の近い順)で表示されているが、病棟単位や、階数単位で表示するように設定してもよい。このような設定の変更は、設定ボタン55をタップした後、設定内容の変更によって行うようにしてもよい。
【0112】
次に、PB病院が保有する物品の一覧を表示部44に表示する場合について説明する。図32において、作業者により一覧ボタン53がタップされると、制御部41は、物品の一覧を表示するための情報を管理サーバ10に要求する。既述のように、管理サーバ10は、当該要求に従って、例えば、物品管理部16A等で管理される内容に基づいて、PB病院が保有する物品の保有数、貸出し状況を収集する。そして、管理サーバ10は、収集した物品に関する情報を、当該要求を送信した端末装置40に送信する。端末装置40は、管理サーバ10からPB病院が保有する物品に関する情報を取得し、当該情報を表示部44に表示する。図42は、一覧ボタン53がタップされた場合の表示部44の表示画面44Iの一例を示す図である。
【0113】
表示画面44Iにおいて、物品の種類毎に、貸出可能な物品数、及び保有している物品数が表示される。図42に示すように、表示画面Hの領域A91,A92,A93には、物品「ウレタンマットレス」、「エアマットレス」、「その他」がそれぞれ表示される。1つの領域には、1つの種類で複数の機種がある場合には、1つの領域内にまとめて表示される。また、本実施形態では、複数の物品の種類を「その他」の領域A93にまとめることができるようになっている。当該設定は、設定ボタン55をタップした後、設定内容の変更によって行うことが可能である。また、各物品の種類毎に、図示の左側に、物品の種類を示す画像が表示され、その右側に物品名が表示される。物品名に隣接して「貸出可能/全て」が表示される。「貸出可能」は、貸出可能な物品数であり、「全て」は、PB病院が保有している当該物品の数が示されている。
【0114】
例えば、領域A91には、「ウレタンマットレス」について、貸出可能数が「10」であり、保有数が「80」であることが示されている。これにより、作業者は、ウレタンマットレスの総数が80台であり、10台貸出すことが可能であり、70台貸出されていることが視認できる。また、例えば、領域A92には、「第1エアマットレス」について、貸出可能数が「10」であり、保有数が「80」であることが示されている。「第2エアマットレス」の2つのエアマットレスについて、貸出可能数が「10」であり、保有数が「80」であることが示されている。これにより、作業者は、エアマットレスには、2種あり、第1エアマットレスの総数は、80台であり、10台貸出すことが可能であり、70台貸出されていること、及び第2エアマットレスの総数は、80台であり、10台貸出すことが可能であることが視認できる。
【0115】
ここで、図42に示す表示画面44Iにおいて、作業者が物品名をタップする。このように物品名がタップされると、端末装置40は、タップされた物品の種類の各物品に関する情報を管理サーバ10に要求する。管理サーバ10は、既述のように、当該物品名の各物品の情報を物品管理部16A等から収集し、収取した各物品の情報を、当該要求を送信した端末装置40に送信する。端末装置40は、管理サーバ10から受信した情報を表示部44に表示する。
【0116】
図43は、各物品のステータスを表示する表示画面44Jの一例を示す図である。なお、図43は、図42において、第2エアマットレスが作業者によりタップされた場合を示している。つまり、表示画面44Jは、PB病院が保有する80台の第2エアマットレス80について表示する場合を示している。
【0117】
図43に示すように、表示画面44Jの上側に、物品名「第2エアマットレス」が表示されている。この表示の下側の領域A101には、第2エアマットレスの画像、及び貸出可能数が表示される。第2エアマットレス貸出可能数は、保有数「80」に対する貸出可能な台数「10」を示している。領域A101に、領域A102、領域A103、及び領域A104が隣接して設けられる。領域A101には、使用病棟「全て」、領域A102には、保管場所「全て」、及び領域A104には、「管理番号」が表示され、これにより管理番号順にソートされている。物品の表示は、保管場所、及び使用病棟を選択することにより、限定して表示することが可能になっている。領域A101~領域A104の下側には、領域A105が設けられる。領域A105には、物品のステータスか、1か月の使用履歴を指定するボタンが表示される。図43においては、物品のステータスを表示する「ステータス」のボタンが入力された状態を表示しているが、「1か月の使用履歴」のボタンを入力することにより、ステータスに代えて1か月の使用履歴を表示することも可能になっている。
【0118】
領域A105の下側には、領域A106には、第2エアマットレスが管理番号順に並べられて表示されている。各管理番号には、ステータス、貸出先が対応付けて表示されている。本実施形態では、ステータスは、「使用中」、「貸出可」、「廃棄」、「停止中」のいずれかである。例えば、作業者は、管理番号「MT00001」の第2エアマットレスは、「使用中」であり、「第1病棟 R142a」に貸出されていることが視認できる。なお、領域A106の右側に表示されているマークM21は、当該製品に確認事項があることを示している。
【0119】
図43に示す表示画面44Jにおいて、作業者により、領域A105の「1か月の使用履歴」のボタンがタップされ、表示が「ステータス」から「1か月の使用履歴」に変更されると、図44に示す表示画面が表示部44に表示される。図44は、各物品の1か月の使用履歴を表示する表示画面44Kの一例を示す図である。
【0120】
図44に示すように、領域A101~領域A105の表示内容は、図43と同一である。一方、領域A106の表示に代えて領域A107の内容が表示される。各管理番号に対応付けて1か月の使用履歴(本実施形態では、30日を1か月として表示することとする。)が表示されている。
【0121】
1か月の使用履歴は、横方向に延びる棒グラフで示されている。棒グラフは、30日分を表しており、貸出されて使用されている日を黒色で示し、使用されず保管倉庫にある状態の日を白色で示しており、斜線は貸出を停止している状態、または、破棄されている状態の日を示している。グラフの右側には、既述の稼働率が表示されている。例えば、「MT00001」の第2エアマットレスは、棒グラフが全て黒く表示されている。これは、30日間全て使用されていることを示している。よって、グラフの右側に稼働率が100%と表示されている。また、例えば、「MT00002」の第2エアマットレスは、グラフが2日、及び1日の3日分、白く表示されている。このため、稼働率が90%と表示されている。なお、棒グラフの下側にある、Rのマークは、第2エアマットレスの貸出場所が変更されたことを示している。なお、作業員が表示画面44Kを上方向にスワイプすることにより、さらに、他の管理番号の第2エアマットレスの1か月の使用履歴を表示することができるようになっている。
【0122】
領域A106、または、領域A107の管理番号毎の領域を作業員がタップすると、タップされた物品の詳細情報が表示される。図45は、物品の詳細情報が表示された表示画面44Lの一例を示す図である。本実施形態では、「MT00001」の第2エアマットレスがタップされた場合で説明する。
【0123】
図45に示すように、表示画面44Lの上側には、図43で示した「MT00001」の第2エアマットレスの使用状況、つまり、「MT00001」「使用中」、「第1病棟 R142A」が表示されると共に、確認事項M21が表示されている。これらの表示の下側の領域A111に、確認事項M21の内容が表示されている。本実施形態では、「耐用年数が近づいています。」というメッセージが表示される。当該メッセージは、例えば、保有開始日と、当該保有した物品の耐用年数管理部16Fに管理される物品毎の耐用年数と、から耐用年数までの期間が所定期間を下回った場合に、サーバ10により使用履歴管理部16B確認事項16B4に格納されるメッセージである。領域A112には、保有開始日「2020/10/01」、保有終了日「2025/10/01」、登録日「2020/10/01」、及び保管場所「第15保管倉庫」が表示されている。これらの下側の領域A113には、メモの内容が表示される。例えば、使用履歴管理部16Bのメモ16B3に記憶される内容が表示される。なお、これらの表示に限らず、他の情報も表示するようにしてもよい。例えば、製品コード、購入日等をさらに表示し、保有開始日、保有終了日をそれぞれレンタル開始日、レンタル終了日としてもよい。さらに、領域A113の下側の領域A114には、直近の使用履歴が表示される。本実施形態では、管理番号「MT00014」の第2エアマットレスが、6月10日 13;00に、運部 花子さんにより、病室142Aに返却されたという内容の使用履歴が表示されている。最も下側の領域115には、貸出停止、廃棄の文字が表示されている。物品の利用を一時停止する際は「貸出停止」をタップし、物品のステータスを「停止中」に切り替える。また物品を廃棄した際は「廃棄」をタップし、物品のステータスを「廃棄」に切り替える。それぞれはもう一度タップされることで解除され、「貸出可」のステータスに戻すこともできる。
【0124】
以上のように、作業員が端末装置40を操作することにより、物品の貸出、返却を管理サーバ10に登録することができるようになっていると共に、登録した物品の情報を閲覧することが可能になる。これにより、管理サーバ10は、物品の管理性を向上させることができる。
【0125】
なお、上記実施形態では、端末措置40は、貸出作業、及び返却作業の入力を行い、物品情報の閲覧を行う場合で説明したが、端末装置40から点検時期出力処理、保管状態出力処理、保管数出力処理、保管数再設定処理、返却先誘導処理、及び不足状況防止出力処理の実行指示を管理サーバ10に送信し、その処理結果を受信し、表示部44に表示するように構成することも可能である。さらに、管理サーバ10で管理される物品管理部16A、使用履歴管理部16B、期間管理部16C、稼働率算出部16D、稼働率管理部16E、耐用年数管理部16F、点検時期管理部16G、マップ管理部16H、作業者管理部16I、及び物品管理プログラム管理部16Lを記憶部47に設けることにより、管理サーバ10と同様に、端末装置40は、点検時期出力処理、保管状態出力処理、保管数出力処理、保管数再設定処理、返却先誘導処理、及び不足状況防止出力処理を実行することも可能である。
【0126】
なお、上記実施形態は稼働率を図9に示す式により算出することとしているが、以下のように稼働率を求めてもよい。
例えば、物品が使用場所にあった(言い換えると、ステータスが「貸出」となっている)期間を当該物品が使用中である期間として、稼働率を算出してもよい。この場合、稼働率[%]は、(一定期間のうち使用場所にあった期間)/(一定期間)×100により求められる。これにより、物品のステータスが、「貸出」以外のとき、例えば、「停止中」であるときには、稼働時間に加算されない。このため、管理サーバ10は、物品の正確な使用時間に基づいて、稼働率を算出することが可能になる。また、次のように、稼働時間を管理してもよい。例えば、病室、診察室等の物品を使用する部屋の出入口付近に無線タグの識別端末を設けると共に識別端末をLAN2に接続する。物品には少なくとも管理番号の情報が記憶された無線タグを設ける。管理サーバ10は、識別端末による無線タグの識別結果に基づいて、管理サーバ10は、当該物品が使用される部屋に存在した期間を管理する。この管理結果に基づいて、管理サーバ10は、使用中の時間(稼働時間)を算出し、上記算出式により、稼働率を算出するようにしてもよい。
【0127】
また、例えば、物品が電気製品である場合、物品に電源が入っている期間を当該物品が使用中である期間として、稼働率を算出してもよい。この場合、稼働率[%]は、(一定期間のうち物品に電源が入っている期間)/(一定期間)×100により求められる。当該物品を、例えば、LAN2に接続しておき、当該物品の電源の起動(電源ON)/停止(電源OFF)をサーバ10が管理すればよい。また、物品の電源の起動/停止を検知する受信端末をLAN2に接続し、この受信端末が物品の起動/停止を検知するようにしてもよい。この場合、受信端末の検知結果に基づいて、管理サーバ10は、物品に電源が入っているか否かを管理すればよい。例えば、物品は第2エアマットレスであり、受信端末は電動式ベッドである。第2エアマットレスは、電動式ベッドに電気的に接続されて使用される。このように電気的に接続されて使用される物品群については、管理サーバ10は、1つの物品を介して他の物品等を管理することが可能になる。
【0128】
さらに、例えば、物品が保管倉庫以外で機能している期間を当該物品が使用中である期間として、稼働率を算出してもよい。この場合、稼働率[%]は、(一定期間のうち保管倉庫以外で機能していた期間)×100により求められる。例えば、物品に位置特定部を設け、管理サーバ10は、位置特定部が設けられた物品の位置を取得できるようにする。位置特定部は、例えば、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)である。このような位置特定部の機能による位置情報の変化と、マップ管理部16Hで管理されるマップ情報と、に基づいて、管理サーバ10は、保管倉庫以外で物品が機能(例えば、保管倉庫以外で移動していること)を管理する。物品は、例えば、点滴スタンド、介護バー、電動式ベッドである。なお、位置特定部は、Bluetooth Low Energy(BLE)を用いてもよい。
加えて、物品の可動部に位置検知部を設けてもよい。物品は、例えば、電動式ベッドである。電動式ベッドは、背上げ機構等の機構を有し、背上げ機構によりフレームを動作させることが可能になっている。位置特定部をフレームにも設けることにより、管理サーバ10は、物品の移動による稼働時間とは別に、物品の可動部についても稼働時間を管理することが可能になる。
既述の位置特定部に代えて、物品に検知部を設けてもよい。この検知部からの検知情報を、例えば、LAN2を介して管理サーバ10が受信する。これにより、管理サーバ10は、検知部の検知情報を管理することが可能になる。検知部は、例えば、静電センサである。静電センサは、例えば、介護バーのグリップに取り付けられる。これにより、利用者が介護バーを握ると、静電センサの静電容量が変化する。この静電容量の変化に基づいて、管理サーバ10は、保管倉庫以外で介護バーが機能しているか否かを管理することができる。このように、管理サーバ10は、稼働時間を管理して、稼働率を算出してもよい。
【0129】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、管理サーバ、及び端末装置に含まれる処理部、及び管理部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0130】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0131】
その他、本発明の実施形態として上述した管理サーバ、及び端末装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての管理サーバ、及び端末装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0132】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0133】
実施形態は、以下の態様を含む。
【0134】
(付記1)
保管倉庫に保管する複数の物品を管理する物品管理部と、
前記物品を貸出した使用履歴を含む使用履歴情報を管理する使用履歴管理部と、
前記使用履歴情報に基づいて、一定期間内の前記物品毎の貸出の稼働率を算出する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記物品名と共に当該物品の前記算出した稼働率を出力する、
物品管理システム。
【0135】
(付記2)
前記貸出の稼働率は、前記一定期間のうち前記保管倉庫に存在しなかった期間を前記一定期間で割り、100を乗算して求める、
付記1記載の物品管理システム。
【0136】
(付記3)
さらに、前記物品毎の点検時期を示す点検時期情報を管理する点検時期管理部を備え、
前記制御部は、前記稼働率、及び前回の前記点検時期に基づいて、次回の前記物品毎の点検時期を判断し、さらに、当該物品の前記次回の点検時期を前記物品に関連付けて出力する、
付記1または2に記載の物品管理システム。
【0137】
(付記4)
前記使用履歴情報は、前記物品毎に、過去から現在の貸出場先を示す情報を含み、
前記制御部は、前記稼働率、並びに、前記過去から現在の貸出場所を示す情報に基づいて、前記物品毎の貸出されている状態が正しいか否かを判断し、前記物品と共に、前記判断結果を出力する、
付記1~3のいずれか1つに記載の物品管理システム。
【0138】
(付記5)
前記制御部は、前記物品の稼働率を物品の種類毎に平均した平均稼働率と、当該物品の種類毎の保有数と、に基づいて、前記物品の種類毎の保管数が適正か否かを判断し、前記判断した結果を出力する、
付記1~4のいずれか1つに記載の物品管理システム。
【0139】
(付記6)
前記制御部は、前記保管倉庫毎、かつ、前記物品の種類毎に、前記稼働率を平均した平均稼働率を算出し、当該算出した平均稼働率と、前記物品の種類毎の保管数と、に基づいて、各前記保管倉庫の前記物品の保管数を算出し、当該算出した各前記保管倉庫の前記物品の再配置に関する情報を出力する、
付記1~5のいずれか1つに記載の物品管理システム。
【0140】
(付記7)
さらに、前記物品を保有する施設の前記保管倉庫、及び貸出先の情報を含むマップ情報を管理するマップ情報管理部を備え、
前記制御部は、前記保管倉庫毎、かつ、前記物品の種類毎に、前記稼働率を算出し、当該算出した前記保管倉庫毎、かつ、前記物品の種類毎の稼働率と、前記物品の種類毎の保管数と、に基づいて、各前記保管倉庫の前記物品の保管数を算出し、当該算出した各前記保管倉庫の前記物品の保管数の再配置が達成されるように、当該物品の返却先を変更する、
付記1~6のいずれか1つに記載の物品管理システム。
【0141】
(付記8)
前記制御部は、前記一定期間より短い所定期間において、前記物品種類毎の稼働率を算出し、当該算出した物品の種類毎の稼働率のうち閾値を超えた物品の種類を出力する、
付記1~7のいずれか1つに記載の物品管理システム。
【符号の説明】
【0142】
1…ネットワーク、2…LAN、3…インターネット、10…管理サーバ、11…制御部、14…表示部、15…入力部、16…記憶部、16A…物品管理部、16B…使用履歴管理部、16C…期間管理、16D…稼働率算出部、16E…稼働率管理部、16F…耐用年数管理部、16G…点検時期管理部、16H…マップ管理部、16I…作業者管理部、16J…作業履歴管理部、16L…物品プログラム管理部、31,32,33…管理装置、40…端末装置、41…制御部、44…表示部、44A~44L…表示画面、47…記憶部、47A…コード解析プログラム管理部、47B…表示入力プログラム管理部、47C…物品画像管理部、47D…作業履歴管理部

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