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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093534
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】エッジ調整体
(51)【国際特許分類】
   B65H 23/02 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
B65H23/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209972
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000104777
【氏名又は名称】クインライト電子精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(74)【代理人】
【識別番号】100142376
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】野▲崎▼ 隆士
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 良平
【テーマコード(参考)】
3F104
【Fターム(参考)】
3F104CA01
3F104CA03
3F104CA21
3F104FA01
3F104FA08
3F104FA09
3F104JB01
(57)【要約】
【課題】長尺のシート材の端部の位置を整える。
【解決手段】エッジ調整体はガイド板の対と位置決め体24と一方ローラ26と一方ローラ支持部とを備える。ガイド板の対が互いに沿うように対向する。位置決め体24が平坦な板間対向面40を有する。板間対向面40はガイド板の対の間に対向する。ガイド板の対の一方が一方孔形成部を有している。一方ローラ26の一部が、ガイド板の対の一方の一方孔形成部が形成する孔を介してガイド板の対の間に配置される。一方ローラ支持部は、一方ローラ26を回転自在に支持する。回転軸方向406と板間対向面40が延びる方向408とが斜めに交差する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに沿うように対向するガイド板の対と、
前記ガイド板の対の間に対向する平坦な板間対向面を有する位置決め体とを備えるエッジ調整体であって、
前記ガイド板の対の一方が、孔を形成する一方孔形成部を有しており、
前記ガイド板の対の一方の前記一方孔形成部が形成する前記孔を介して前記ガイド板の対の間に一部が配置される一方ローラと、
前記一方ローラを回転自在に支持する一方ローラ支持部とをさらに備えており、
前記一方ローラの回転軸が延びる方向である回転軸方向と前記板間対向面が延びる方向とが斜めに交差することを特徴とするエッジ調整体。
【請求項2】
前記ガイド板の対の他方が、孔を形成する他方孔形成部を有しており、
前記ガイド板の対の他方の前記他方孔形成部が形成する前記孔を介して前記ガイド板の対の間に一部が配置される他方ローラと、
前記他方ローラの回転軸が前記一方ローラの回転軸に沿うように前記他方ローラを回転自在に支持する他方ローラ支持部とをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のエッジ調整体。
【請求項3】
前記他方ローラ支持部が、前記他方ローラが回転自在となるよう前記他方ローラを貫通し、前記一方ローラの回転軸に沿うように延び、かつ、前記ガイド板の対の間に配置される前記他方ローラの前記一部が前記ガイド板の対の間に配置される前記一方ローラの前記一部と共に前記板間対向面が延びる方向に並ぶよう前記他方ローラを配置する他方回転自在貫通体を有していることを特徴とする請求項2に記載のエッジ調整体。
【請求項4】
前記他方ローラ支持部が、
前記他方回転自在貫通体を前記回転軸方向と交差する方向への移動自在に前記一方ローラ支持部へ接続する移動自在接続体と、
前記移動自在接続体が前記回転軸方向と交差する方向へ移動した場合に前記移動自在接続体を移動前の位置へ近づける接近部とを前記他方回転自在貫通体に加えて有していることを特徴とする請求項3に記載のエッジ調整体。
【請求項5】
前記接近部が、作動流体が供給されると前記移動前の位置へ近づく方向の力を前記移動自在接続体に加える、前記移動自在接続体に接続されるアクチュエータを有していることを特徴とする請求項4に記載のエッジ調整体。
【請求項6】
前記ガイド板の対の少なくとも一方が、前記一方孔形成部から離れるにつれ前記板間対向面が延びる方向から離れるように拡がる引込部をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載のエッジ調整体。
【請求項7】
前記エッジ調整体が、前記回転軸方向を自在に調整できるように前記一方ローラを前記エッジ調整体が接続される物へ接続する傾斜自在接続部をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のエッジ調整体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッジ調整体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はシート材綴じ装置を開示する。このシート材綴じ装置は、次に述べられる表紙材をヒータにより加熱して綴じるものである。その表紙材は、このシート材綴じ装置が備える固定ガイド板と可動ガイドとに保持される。その保持の際、シート材の端部が熱接着性接着剤を介してその表紙材の底部に挿入されている。このシート材綴じ装置は、ヒータに揺動を加えるヒータジョギングモータをさらに備える。特許文献1に開示されたエッジ調整体は、シート材と表紙材との綴じ状態を良好にし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2-253994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたシート材綴じ装置には、長尺のシート材の端部の位置を整えることが困難という問題点がある。本発明は、このような問題を解決するものである。本発明の目的は、長尺のシート材の端部の位置を整えることができるエッジ調整体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
図面に基づき本発明のエッジ調整体が説明される。なおこの欄で図中の符号を使用したのは発明の内容の理解を助けるためであって内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
【0006】
上述された課題を解決するために、本発明のある局面に従うと、エッジ調整体10は、ガイド板20,22の対と、位置決め体24とを備える。ガイド板20,22の対が、互いに沿うように対向する。位置決め体24が、平坦な板間対向面40を有する。板間対向面40はガイド板20,22の対の間に対向する。ガイド板20,22の対の一方が、孔を形成する一方孔形成部50を有している。エッジ調整体10は、一方ローラ26と、一方ローラ支持部28とをさらに備えている。一方ローラ26の一部が、ガイド板20,22の対の一方の一方孔形成部50が形成する孔を介してガイド板20,22の対の間に配置される。一方ローラ支持部28は、一方ローラ26を回転自在に支持する。次に述べられる方向である回転軸方向406と板間対向面40が延びる方向408とが斜めに交差する。その回転軸方向406は、一方ローラ26の回転軸402が延びる方向である。
【0007】
長尺のシート材300が板間対向面40に対してこれに沿うよう相対運動させられるとする。その際、長尺のシート材300が板間対向面40に沿いガイド板20,22の間を通るとする。その際、長尺のシート材300が進む方向400は、板間対向面40が延びる方向408が一方ローラ26の回転軸402と鈍角をなす側から板間対向面40が延びる方向408が一方ローラ26の回転軸402と鋭角をなす側へ向かう方向であるとする。このように相対運動をさせられる場合、その相対運動に伴って一方ローラ26は長尺のシート材300により回転させられる。その回転に伴い、一方ローラ26によるころがり摩擦が長尺のシート材300にかかることとなる。一方、回転軸方向406と板間対向面40が延びる方向408とが斜めに交差する。長尺のシート材300が板間対向面40に沿うよう相対運動させられる場合、一方ローラ26によるころがり摩擦は、回転軸方向406の分力410を有することとなる。その分力410を受けることにより、その長尺のシート材300は板間対向面40に近づき接する。その結果、その長尺のシート材300の端部の位置が整えられることとなる。
【0008】
また、上述されたガイド板20,22の対の他方が、孔を形成する他方孔形成部70を有していることが望ましい。この場合、エッジ調整体10が、他方ローラ30と、他方ローラ支持部32とをさらに備えていることが望ましい。他方ローラ30の一部が、ガイド板20,22の対の他方の他方孔形成部70が形成する孔を介してガイド板20,22の対の間に配置される。他方ローラ支持部32は、他方ローラ30を回転自在に支持する。他方ローラ30は、他方ローラ30の回転軸414が一方ローラ26の回転軸402に沿うように支持される。
【0009】
他方ローラ30の一部が、他方孔形成部70が形成する孔を介してガイド板20,22の対の間に配置される。他方ローラ30は、他方ローラ30の回転軸414が一方ローラ26の回転軸402に沿うように支持される。これにより、長尺のシート材300は、ころがり摩擦の回転軸方向406の分力410をガイド板20,22の対の一方側と他方側とから受けることとなる。そのように分力410を受けることで、その長尺のシート材300が板間対向面40に近づきやすくなる。
【0010】
また、上述された他方ローラ支持部32が、他方回転自在貫通体130を有していることが望ましい。他方回転自在貫通体130は、他方ローラ30が回転自在となるよう他方ローラ30を貫通する。他方回転自在貫通体130は、一方ローラ26の回転軸402に沿うように延びる。他方回転自在貫通体130は、他方ローラ30を配置する。この場合、他方ローラ30は、ガイド板20,22の対の間に配置される他方ローラ30の一部がガイド板20,22の対の間に配置される一方ローラ26の一部と共に板間対向面40が延びる方向に並ぶよう配置される。
【0011】
ガイド板20,22の対の間に配置される他方ローラ30の一部がガイド板20,22の対の間に配置される一方ローラ26の一部と共に板間対向面40が延びる方向408に並ぶよう他方ローラ30は配置される。これにより、一方ローラ26に接触する箇所と他方ローラ30に接触する箇所とで長尺のシート材300にその表面と直交する方向への力がかかることとなる。長尺のシート材300にその力がかかると、長尺のシート材300はころがり摩擦の回転軸方向406方向の分力410を受けやすくなる。その分力410を受けやすくなるので、その長尺のシート材300が板間対向面40に近づきやすくなる。
【0012】
もしくは、上述された他方ローラ支持部32が、移動自在接続体132と接近部134とを他方回転自在貫通体130に加えて有していることが望ましい。移動自在接続体132は、他方回転自在貫通体130を一方ローラ支持部28へ接続する。この場合、他方回転自在貫通体130は、回転軸方向406と交差する方向412への移動自在に接続される。接近部134は、移動自在接続体132が回転軸方向406と交差する方向412へ移動した場合に移動自在接続体132を移動前の位置へ近づける。
【0013】
他方回転自在貫通体130は、回転軸方向406と交差する方向412への移動が自在となるように接続される。これにより、他方回転自在貫通体130が貫通する他方ローラ30もまた同じ方向412へ移動自在となる。他方ローラ30がその方向412へ移動自在となるので、長尺のシート材300の相対運動に伴って他方ローラ30が移動することがある。他方ローラ30が移動すると、他方ローラ30は一方ローラ26から離れる。他方ローラ30が離れると、長尺のシート材300にかかるその表面と直交する方向への力は小さくなる。その力が小さくなると板間対向面40に近づく方向について長尺のシート材300が受ける力も小さくなる。板間対向面40に近づく方向について長尺のシート材300が受ける力が小さくなると、長尺のシート材300が板間対向面40に押付けられて長尺のシート材300が変形する恐れは小さくなる。接近部134は、移動自在接続体132が回転軸方向406と交差する方向412へ移動した場合に移動自在接続体132を移動前の位置へ近づける。これにより、他方ローラ30が一方ローラ26から離れたままとなることは防止される。離れたままとなることが防止されるので、長尺のシート材300の端部を板間対向面40に接する位置に整える機能が抑えられたままとなることが防止される。その結果、長尺のシート材300が変形する恐れを抑えつつ長尺のシート材300の端部を板間対向面40に接する位置に整える機能が維持される。
【0014】
もしくは、上述された接近部134が、アクチュエータを有していることが望ましい。アクチュエータは、作動流体が供給されると移動前の位置へ近づく方向の力を移動自在接続体132に加える。アクチュエータは、移動自在接続体132に接続される。
【0015】
アクチュエータが移動自在接続体132に接続される。アクチュエータは、作動流体が供給されると移動前の位置へ近づく方向の力を移動自在接続体132に加える。これにより、長尺のシート材300にかかる力を作動流体の供給に基づいて定常化することが可能になる。
【0016】
また、上述されたガイド板20,22の対の少なくとも一方が引込部54,74をさらに有していることが望ましい。引込部54,74は、一方孔形成部50から離れるにつれ板間対向面40が延びる方向408から離れるように拡がる。
【0017】
一方孔形成部50から離れるにつれ板間対向面40が延びる方向408から離れるように引込部54,74が拡がる。これにより、ガイド板20,22の間を通される長尺のシート材300の各箇所は、板間対向面40へ近づくにつれ、引込部54,74から摩擦力を受けやすくなる。その摩擦力は、長尺のシート材300にかかる力特に板間対向面40へ近づく方向の力を緩和するように作用する。その結果、長尺のシート材300が変形する恐れを抑える。
【0018】
また、上述されたエッジ調整体10が傾斜自在接続部34をさらに備えていることが望ましい。傾斜自在接続部34は、回転軸方向406を自在に調整できるように一方ローラ26をエッジ調整体10が接続される物350へ接続する。
【0019】
エッジ調整体10が傾斜自在接続部34をさらに備えることにより、回転軸方向406を自在に調整できることとなる。これにより、長尺のシート材300が相対運動させられるにあたりその相対運動の方向が変更できない場合にも、回転軸方向406とその相対運動の方向400との角度を調整できることとなる。その調整が可能になると、長尺のシート材300における一方ローラ26および他方ローラ30によるころがり摩擦の分力410が調整可能となる。その結果、長尺のシート材300を板間対向面40に近づける力が調整可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、長尺のシート材の端部の位置を整えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明のある実施形態にかかるエッジ調整体の側面図である。
図2】本発明のある実施形態にかかる一方ガイド板と一方ローラと一方ローラ支持部とが示される図である。
図3】本発明のある実施形態にかかる一方ガイド板の斜視図である。
図4】本発明のある実施形態にかかる他方ガイド板の斜視図である。
図5】本発明のある実施形態にかかる一方ローラおよび一方ローラ支持部の側面図である。
図6】本発明のある実施形態にかかる他方ローラおよび他方ローラ支持部の斜視図である。
図7】本発明のある実施形態にかかるエッジ調整体を長尺のシート材が通過中にその長尺のシート材が受ける力を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明が図面に基づき詳細に説明される。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付される。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0023】
[構成の説明]
図1は、本実施形態にかかるエッジ調整体10の側面図である。図2は、本実施形態にかかる一方ガイド板20と一方ローラ26と一方ローラ支持部28とが示される図である。図1および図2に基づいて、本実施形態にかかるエッジ調整体10の構成が説明される。
【0024】
本実施形態の場合、エッジ調整体10はベース体350へ接続されている。ベース体350はエッジ調整体10が接続されそのエッジ調整体10を保持する物である。
【0025】
本実施形態にかかるエッジ調整体10は、一方ガイド板20と、他方ガイド板22と、位置決め体24と、一方ローラ26と、一方ローラ支持部28と、他方ローラ30と、他方ローラ支持部32と、傾斜自在接続部34とを備える。
【0026】
本実施形態の場合、一方ガイド板20と他方ガイド板22とは、位置決め体24を介して互いに沿うように対向する。位置決め体24は一方ガイド板20の付け根側の端と他方ガイド板22の付け根側の端との間に挟まれる。位置決め体24は、平坦な板間対向面40を有する。板間対向面40は一方ガイド板20と他方ガイド板22との間に対向する。本実施形態の場合、一方ガイド板20と他方ガイド板22と位置決め体24とは、図示されない周知のボルトおよびナットによって一体化されている。他方ガイド板22は他方ローラ支持部32に固定されている。
【0027】
一方ローラ26は、一方ガイド板20と他方ガイド板22との間を長尺のシート材300が通過すると回転する。これは一方ローラ26が長尺のシート材300から転がり摩擦に基づく摩擦力を受けるためである。一方ローラ支持部28は、一方ローラ26を回転自在に支持する。一方ローラ支持部28の具体的な構成は後述される。
【0028】
他方ローラ30も、一方ガイド板20と他方ガイド板22との間を長尺のシート材300が通過すると回転する。これは他方ローラ30が長尺のシート材300から転がり摩擦に基づく摩擦力を受けるためである。他方ローラ支持部32は、他方ローラ30を回転自在に支持する。他方ローラ30の具体的な構成は後述される。
【0029】
傾斜自在接続部34は、一方ガイド板20と、他方ガイド板22と、位置決め体24と、一方ローラ26と、一方ローラ支持部28と、他方ローラ30と、他方ローラ支持部32とをベース体350へ接続する。本実施形態にかかる傾斜自在接続部34は、一端が切り欠かれ長孔が形成されたL型鋼42と孔が形成された板材44とボルト46,46と図示されないナットとを有している。前者の長孔と後者の孔とをそのボルトが貫通することにより、後者のいずれかの位置から見た前者の向きが調製可能となっている。その結果、本実施形態にかかる傾斜自在接続部34は、回転軸方向406を自在に調整できるように、一方ガイド板20と、他方ガイド板22と、位置決め体24と、一方ローラ26と、一方ローラ支持部28と、他方ローラ30と、他方ローラ支持部32とを接続する。これに伴い、本実施形態にかかる傾斜自在接続部34は、回転軸方向406を自在に調整できるように一方ローラ26をベース体350へ接続できることとなる。なお、回転軸方向406とは、一方ローラ26の回転軸402が延びる方向のことである(図7参照)。
【0030】
図3は、本実施形態にかかる一方ガイド板20の斜視図である。図3に基づいて、本実施形態にかかる一方ガイド板20の構成が説明される。
【0031】
本実施形態にかかる一方ガイド板20は、一方孔形成部50と、一方対間対向部52と、一方引込部54とを有している。
【0032】
一方孔形成部50は、一方ガイド板20と他方ガイド板22との間に一方ローラ26が進入するための孔を形成する。その孔を介して、一方ガイド板20と他方ガイド板22との間に一方ローラ26の一部が配置される。
【0033】
一方対間対向部52は、他方ガイド板22との間で形成される隙間に直接対向するよう配置される。一方対間対向部52は、一方ローラ26および他方ローラ30の回転軸が延びる方向と板間対向面40が延びる方向とに沿うように拡がる。
【0034】
一方引込部54は、一方対間対向部52に連なる。一方引込部54は、板間対向面40から離れるにつれ板間対向面40が延びる方向から離れるように拡がる。
【0035】
図4は、本実施形態にかかる他方ガイド板22の斜視図である。図4に基づいて、本実施形態にかかる他方ガイド板22の構成が説明される。
【0036】
本実施形態にかかる他方ガイド板22は、他方孔形成部70と、他方対間対向部72と、他方引込部74とを有している。
【0037】
他方孔形成部70は、一方ガイド板20と他方ガイド板22との間に他方ローラ30が進入するための孔を形成する。その孔を介して、一方ガイド板20と他方ガイド板22との間に他方ローラ30の一部が配置される。
【0038】
他方対間対向部72は、一方ガイド板20との間で形成される隙間に直接対向するよう配置される。他方対間対向部72は、一方ローラ26および他方ローラ30の回転軸が延びる方向と板間対向面40が延びる方向とに沿うように拡がる。
【0039】
他方引込部74は、他方対間対向部72に連なる。他方引込部74は、板間対向面40から離れるにつれ板間対向面40が延びる方向から離れるように拡がる。
【0040】
図5は、本実施形態にかかる一方ローラ26および一方ローラ支持部28の側面図である。図5に基づいて、本実施形態にかかる一方ローラ支持部28の構成が説明される。
【0041】
本実施形態にかかる一方ローラ支持部28は、一方回転自在貫通体90と、基体92と、スライダ94と、反力用距離調整継手96と、固定用距離調整継手98とを有している。一方回転自在貫通体90は、一方ローラ26が回転自在となるよう一方ローラ26を貫通する。基体92は、一方回転自在貫通体90、スライダ94、反力用距離調整継手96、および、固定用距離調整継手98が固定されるための板状物体である。基体92の一端には反力用距離調整継手96が接続されるためのブラケットが設けられている。基体92の他端には固定用距離調整継手98が接続されるためのブラケットが設けられている。スライダ94は、レール110と、一端側テーブル112と、他端側テーブル114とを有する。レール110は基体92に固定される。レール110は、一端側テーブル112および他端側テーブル114が自在に走行するための軌道となる。一端側テーブル112に他方ローラ支持部32が固定される。他端側テーブル114に傾斜自在接続部34の板材44が固定される。反力用距離調整継手96は、基体92の一端に固定される。反力用距離調整継手96は、他方ローラ支持部32から力を受けると反力を他方ローラ支持部32へ加える。反力用距離調整継手96は、基体92の一端と他方ローラ支持部32との距離を調整する。固定用距離調整継手98は、基体92の他端に固定される。固定用距離調整継手98は、傾斜自在接続部34へ接続される。固定用距離調整継手98は、基体92の他端と傾斜自在接続部34との距離を調整する。
【0042】
図6は、本実施形態にかかる他方ローラ30および他方ローラ支持部32の斜視図である。図6に基づいて、本実施形態にかかる他方ローラ支持部32の構成が説明される。
【0043】
本実施形態にかかる他方ローラ支持部32は、他方回転自在貫通体130と、移動自在接続体132と、接近部134とを有している。
【0044】
他方回転自在貫通体130は、他方ローラ30が回転自在となるよう他方ローラ30を貫通する。他方回転自在貫通体130は、一方ローラ26の回転軸に沿うように延びる。他方回転自在貫通体130は、他方ローラ30の一部を一方ガイド板20と他方ガイド板22との間に配置する。これにより、他方ローラ30のうち一方ガイド板20と他方ガイド板22との間に配置される一部は、一方ガイド板20と他方ガイド板22との間に配置される一方ローラ26の一部と共に、板間対向面40が延びる方向に並ぶこととなる。
【0045】
移動自在接続体132は、一方ローラ支持部28のスライダ94の一端側テーブル112に固定される。上述されるように、その一端側テーブル112はレール110上を自在に走行する。これにより、移動自在接続体132は他方回転自在貫通体130を一方ローラ支持部28へ接続することとなる。他方回転自在貫通体130は、回転軸方向406と交差する方向への移動自在に接続されることとなる。
【0046】
接近部134は、移動自在接続体132が回転軸方向406と交差する方向へ移動した場合に移動自在接続体132を移動前の位置へ近づける。本実施形態の場合、接近部134は、周知のアクチュエータと図示されない周知の供給装置とを有する。そのアクチュエータは、移動自在接続体132に接続される。そのアクチュエータは、作動流体が供給されると移動前の位置へ近づく方向の力を移動自在接続体132に加える。供給装置は、アクチュエータへ作動流体を供給する。
【0047】
[製造方法の説明]
本実施形態にかかるエッジ調整体10は、これを構成する各部品を周知の方法で接続することで製造される。それら各部品は周知の方法で製造される。
【0048】
[使用方法の説明]
本実施形態にかかるエッジ調整体10は、一方ガイド板20と他方ガイド板22との間に長尺のシート材300を通過させるという方法で使用される。これにより、その長尺のシート材300の一端は位置決め体24の板間対向面40に接しかつこれに沿って進むこととなる。これにより、その長尺のシート材300の端部の位置が整えられることとなる。長尺のシート材300を通過させるための具体的な手段は特に限定されない。本実施形態にかかるエッジ調整体10を周知の走行装置に接続してその走行装置を走行させてもよいし、長尺のシート材300を引っ張ってもよい。
【0049】
2枚以上の長尺のシート材300の一端を揃えるためには、本実施形態にかかるエッジ調整体10がそれら長尺のシート材300の枚数に応じて用意される。床面からの、それらのエッジ調整体10の板間対向面40の高さは同一となるよう調整される。1枚の長尺のシート材300が1台のエッジ調整体10の一方ガイド板20と他方ガイド板22との間を通過する。これにより、2枚以上の長尺のシート材300の一端の床面からの高さが揃う。
【0050】
[効果の説明]
本実施形態にかかるエッジ調整体10は、長尺のシート材300の端部の位置を整えることができる。図7は、本実施形態にかかるエッジ調整体10を長尺のシート材300が通過中にその長尺のシート材300が受ける力を示す概念図である。以下、図7に基づいて、長尺のシート材300の端部の位置が整えられる理由が説明される。
【0051】
長尺のシート材300が板間対向面40に対して相対運動させられるとする。その際、長尺のシート材300が板間対向面40に沿い一方ガイド板20と他方ガイド板22との間を通るとする。長尺のシート材300が進む方向400は、板間対向面40が延びる方向408が一方ローラ26の回転軸402と鈍角をなす側から板間対向面40が延びる方向408が一方ローラ26の回転軸402と鋭角をなす側へ向かう方向であるとする。この場合、その相対運動に伴って一方ローラ26および他方ローラ30は長尺のシート材300により回転させられる。その回転に伴い、一方ローラ26および他方ローラ30からの摩擦力404が長尺のシート材300にかかることとなる。一方、回転軸方向406と板間対向面40が延びる方向408とが斜めに交差する。これにより、一方ローラ26および他方ローラ30からの摩擦力404は、回転軸方向406についての分力410を有することとなる。その分力410を受けることにより、その長尺のシート材300は板間対向面40に近づき接する。これにより、その長尺のシート材300の端部の位置が整えられる。
【0052】
また、上述されたように、本実施形態にかかるエッジ調整体10の他方回転自在貫通体130は、回転軸方向406と交差する方向412への移動が自在となるように一方ローラ支持部28へ接続される。これにより、他方回転自在貫通体130が貫通する他方ローラ30もまた同じ方向412へ移動自在となる。他方ローラ30がその方向412へ移動自在となるので、長尺のシート材300の相対運動に伴って他方ローラ30が移動することがある。他方ローラ30が移動すると、他方ローラ30は一方ローラ26から離れる。他方ローラ30が離れると、板間対向面40に近づく方向について長尺のシート材300が受ける力は小さくなる。その力が小さくなると、長尺のシート材300が板間対向面40に押付けられて長尺のシート材300が変形する恐れは小さくなる。接近部134は、移動自在接続体132が回転軸方向406と交差する方向412へ移動した場合に移動自在接続体132を移動前の位置へ近づける。これにより、他方ローラ30は一方ローラ26から離れたままとなることが防止される。離れたままとなることが防止されるので、長尺のシート材300の端部を板間対向面40に接する位置に整える機能が抑えられたままとなることが防止される。その結果、長尺のシート材300が変形する恐れを抑えつつ長尺のシート材300の端部を板間対向面40に接する位置に整える機能が維持される。
【0053】
また、本実施形態にかかるエッジ調整体10の接近部134が移動自在接続体132に接続される。これにより、長尺のシート材300にかかる力を定常化することが可能になる。
【0054】
また、本実施形態にかかるエッジ調整体10の一方引込部54および他方引込部74は、一方孔形成部50から離れるにつれ板間対向面40が延びる方向から離れるように拡がる。これにより、一方ガイド板20と他方ガイド板22との間を通される長尺のシート材300の各箇所は、板間対向面40へ近づくにつれ、一方引込部54および他方引込部74から摩擦力を受けやすくなる。その摩擦力は、長尺のシート材300にかかる力特に板間対向面40へ近づく方向の分力410を緩和するように作用する。その結果、長尺のシート材300が変形する恐れを抑える。
【0055】
〈変形例の説明〉
上述されたエッジ調整体10は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものである。上述されたエッジ調整体10は、本発明の技術的思想の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
【0056】
例えば、本発明にかかるエッジ調整体は、他方ローラ30と、他方ローラ支持部32と、傾斜自在接続部34とを備えていなくてもよい。この場合、他方ガイド板22は、他方孔形成部70を有していなくてもよい。したがって、他方ローラ支持部32と傾斜自在接続部34との構成は特に限定されない。
【0057】
また、一方ガイド板20および他方ガイド板22の構成は上述したものに限定されない。したがって、一方ガイド板20は一方引込部54を有していなくてもよい。他方ガイド板22は他方引込部74を有していなくてもよい。
【0058】
また、接近部134の構成は特に限定されない。したがって、接近部134は例えばコイルバネといった弾性体を有していてもよい。
【0059】
また、一方ローラ支持部28の構成は特に限定されない。したがって、板材44は基体92に直接固定されてもよい。この場合、レール110は図1,2,5に図示されたものより短くてもよい。一方ローラ支持部28は固定用距離調整継手98を有していなくてもよい。また、板材44は基体92と一体になっていてもよい。この場合も、レール110は図1,2,5に図示されたものより短くてもよい。一方ローラ支持部28は固定用距離調整継手98を有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…エッジ調整体
20…一方ガイド板
22…他方ガイド板
24…位置決め体
26…一方ローラ
28…一方ローラ支持部
30…他方ローラ
32…他方ローラ支持部
34…傾斜自在接続部
40…板間対向面
42…L型鋼
44…板材
46…ボルト
50…一方孔形成部
52…一方対間対向部
54…一方引込部
70…他方孔形成部
72…他方対間対向部
74…他方引込部
90…一方回転自在貫通体
92…基体
94…スライダ
96…反力用距離調整継手
98…固定用距離調整継手
110…レール
112…一端側テーブル
114…他端側テーブル
130…他方回転自在貫通体
132…移動自在接続体
134…接近部
300…シート材
350…ベース体
402,414…回転軸
404…摩擦力
406…回転軸方向
410…分力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7