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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093541
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】移動式作業台
(51)【国際特許分類】
   E04G 1/22 20060101AFI20240702BHJP
   E04G 1/24 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
E04G1/22 Z
E04G1/24 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209987
(22)【出願日】2022-12-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年12月9日 (仮称)大宮桜木町1丁目計画工事の現場にて移動式作業台を公開 令和4年12月12日 (仮称)大宮桜木町1丁目計画工事の現場にて移動式作業台を公開
(71)【出願人】
【識別番号】597144484
【氏名又は名称】ジー・オー・ピー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522026854
【氏名又は名称】株式会社ベルニック
(74)【代理人】
【識別番号】100117857
【弁理士】
【氏名又は名称】南林 薫
(72)【発明者】
【氏名】千田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚人
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 隼也
(72)【発明者】
【氏名】土岐 亮太
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 義秀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 洋祐
(72)【発明者】
【氏名】柳田 克巳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 輝彦
【テーマコード(参考)】
2E003
【Fターム(参考)】
2E003BA01
2E003CA01
2E003CC01
(57)【要約】
【課題】高所作業の効率化を図ることを目的とする。
【解決手段】本発明の移動式作業台10は、1つの作業台本体100から構成される本体構成部100Uaと、本体構成部100Uaを移動させる移動部200と、を備える。本体構成部100Uaは、足場となる天板構成部110Uaと、天板構成部110Uaを支持するとともに床面に接地される脚構成部130Uaとを有する。移動部200は、上側から見て、天板構成部110Uaと重なり合うように位置しており、作業者の指示に応じて本体構成部100Uaを床面に沿って全方向に移動させることから、高所作業の効率化を図ることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの作業台本体または複数の作業台本体から構成される本体構成部と、前記本体構成部を移動させる移動部と、を備える移動式作業台であって、
前記本体構成部は、足場となる天板構成部と、前記天板構成部を支持するとともに床面に接地される脚構成部とを有し、
前記移動部は、上側から見て、前記天板構成部と重なり合うように位置しており、作業者による指示に応じて前記本体構成部を床面に沿って全方向に移動させることを特徴とする移動式作業台。
【請求項2】
前記移動部は、
作業者による指示に応じて前記本体構成部を鉛直線の軸線回りに旋回させることを特徴とする請求項1に記載の移動式作業台。
【請求項3】
前記移動部は、作業者が移動を指示するための操作部を有し、
前記操作部は、
前記天板構成部に作業者を載せた状態のままで操作可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の移動式作業台。
【請求項4】
前記天板構成部の作業領域の略中央に、前記天板構成部に載った作業者が掴むことができる支持部材を有し、
前記支持部材は、前記天板構成部に対して着脱可能であることを特徴とする請求項3に記載の移動式作業台。
【請求項5】
前記脚構成部は、
主脚と、前記主脚に沿って摺動可能な伸縮脚と、を備え、
前記移動部は、前記伸縮脚または前記伸縮脚を摺動するときに前記伸縮脚と同期して移動する部材に着脱可能な固定部を介して固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の移動式作業台。
【請求項6】
前記固定部の少なくとも一部は、前記移動部の直上に位置することを特徴とする請求項5に記載の移動式作業台。
【請求項7】
前記固定部が固定された前記移動部に対して、前記本体構成部を上方から固定することにより、前記移動部が前記本体構成部の荷重の一部を受けた状態で前記固定部を介して前記本体構成部に固定されることを特徴とする請求項5に記載の移動式作業台。
【請求項8】
前記移動部に対して、前記固定部が固定された前記本体構成部を上方から固定することにより、前記移動部が前記本体構成部の荷重の一部を受けた状態で前記固定部を介して前記本体構成部に固定されることを特徴とする請求項5に記載の移動式作業台。
【請求項9】
前記移動部は、
複数の車輪と、
前記複数の車輪を床面に付勢する付勢部材と、
前記付勢部材による付勢を一時的に停止させる規制部材と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の移動式作業台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動式作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高所作業を行うための作業台が知られている。特許文献1には、作業者が載って作業を行なう天板と、天板の下面側四隅部に配設された四本の主脚のうち天板の各妻側端部で左右に対向する両主脚を中間部及び下部側のツナギ材でつなぐことによって形成される前後一対の主脚体を備えた作業台が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-181343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の作業台において、広範囲で高所作業を行いたい場合には、作業者が作業台から一度、降りて作業台を移動させる必要があるために、高所作業の効率化を図ることができないという問題がある。一方、多数の作業台を並べておくことで、広範囲で高所作業を行うことができるものの、多数の作業台を予め並べておく必要があるために、高所作業の効率化を図ることができないという問題がある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、高所作業の効率化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の移動式作業台は、1つの作業台本体または複数の作業台本体から構成される本体構成部と、前記本体構成部を移動させる移動部と、を備える移動式作業台であって、前記本体構成部は、足場となる天板構成部と、前記天板構成部を支持するとともに床面に接地される脚構成部とを有し、前記移動部は、上側から見て、前記天板構成部と重なり合うように位置しており、作業者による指示に応じて前記本体構成部を床面に沿って全方向に移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高所作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態の移動式作業台の構成の一例を示す図である。
図2】移動式作業台の構成の一例を示す平面図である。
図3】移動式作業台の構成の一例を示す側面図である。
図4】移動式作業台の構成の一例を示す正面図である。
図5】移動式作業台の構成の一例を示す断面図である。
図6】移動部の内部構成の一例を示す図である。
図7A】移動部による移動方法を説明するための図である。
図7B】移動部による移動方法を説明するための図である。
図8】操作部の操作方法を説明するための図である。
図9A】作業台を組み立てる方法を説明するための図である。
図9B】作業台を組み立てる方法を説明するための図である。
図10】第2の実施形態の移動部の構成の一例を示す斜視図である。
図11】付勢部材による付勢を停止させる前後の状態を示す図である。
図12】第3の実施形態の移動式作業台の構成の一例を示す平面図である。
図13】移動式作業台の構成の一例を示す側面図である。
図14】移動式作業台の構成の一例を示す正面図である。
図15】移動式作業台の構成の一例を示す断面図である。
図16】第4の実施形態の作業台の構成の一例を示す図である。
図17】支持部材を天板部に着脱可能に取り付ける状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態に係る移動式作業台について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の移動式作業台10は、作業者が高所作業を行うための作業台である。移動式作業台10(作業台10)は、作業者(ユーザ)の指示に応じて移動することができる、いわゆる自走型である。本実施形態の移動式作業台10は、床面から後述する天板部110までが例えば略700mm~略1950mmの高さであるものを想定している。
【0009】
図1は、作業台10の構成の一例を示す斜視図である。
本実施形態の作業台10は、作業台本体100と、移動部200と、タラップ部300と、補助手摺部400等を備えている。
作業台本体100は、作業台10のうち作業者が高所作業を行うときの主となる部位である。作業台本体100は、作業台10が1つの作業台本体100で構成されるときの本体構成部100Uaの一例に対応する。作業台本体100の構成については、図2図4を参照して後述する。
移動部200は、作業者の指示に応じて作業台本体100を移動させるための部位である。移動部200の構成については、図2図8を参照して後述する。
【0010】
タラップ部300は、作業台本体100に対して着脱可能である。図1では、タラップ部300は、作業台本体100の天板部110の短手側の端部に装着しているが、長手側の端部に装着してもよい。タラップ部300を装着することで作業者が作業台本体100の天板部110と床面との間を昇降することができる。タラップ部300は、梯子部310と、手掛部320とを備える。梯子部310は、作業者が昇降する部位であり、2本の脚部材と、複数の踏み桟とを有する。2本の脚部材は、下端にそれぞれキャスター311a、311bを有しており、キャスター311a、311bを介して床面に接地する。手掛部320は、作業者が梯子部310を昇降するときに手を掛ける部位である。
【0011】
補助手摺部400は、作業台本体100に着脱可能である。補助手摺部400は、作業台本体100の短手方向の長さと略一致する補助手摺部410aと、作業台本体100の長手方向の長さと略一致する補助手摺部410bとを有する。ここでは、補助手摺部410aが天板部110の短手側の端部のうちタラップ部300が装着されていない端部に装着され、補助手摺部410bが天板部110の長手側の端部に装着されている。ただし、補助手摺部410aはタラップ部300が装着されている端部にも装着してもよい。補助手摺部400を装着することで、作業台本体100の作業領域が補助手摺部400により取り囲まれる。作業者が作業領域で作業しているときに作業者の身体の一部が補助手摺部400に接触することで、作業者は作業領域の端であることを認識できる。
【0012】
次に、作業台本体100および移動部200の構成について図2図7A図7Bを参照して説明する。なお、図2図5では、タラップ部300および補助手摺部400を離脱させた作業台10を示している。
図2は、作業台10の構成の一例を示す平面図である。図3は、作業台10の構成の一例を示す側面図である。図4は、作業台10の構成の一例を示す正面図である。なお、説明を容易にするために、各図には必要に応じて、前側をFr、後側をRr、右側をR、左側をLとして示している。
【0013】
まず、作業台本体100について説明する。
作業台本体100は、天板部110と、脚部130と、補助接地部190とを有する。
【0014】
天板部110は、高所作業を行う作業者の足場として機能する。天板部110は、作業台10が1つの作業台本体100で構成されるときの天板構成部110Uaの一例に対応する。天板部110は、上側から見て前後方向に長い矩形状である。天板部110は、前後方向が例えば略1500mmの長さであり、左右方向が例えば略1000mmの長さである。天板部110は、例えば、アルミニウム合金製の複数の長尺状の天板部材が連結して構成される。また、天板部110は、作業面となる上面に滑り止めとしての複数の突起112を有する。
【0015】
また、天板部110は、4隅に近接した位置に複数の連結部材114を有する。連結部材114は、隣接する他の作業台本体100を連結する部材である。図2の拡大斜視図において二点鎖線で示すように、連結部材114はバー状であって、側方から見て略コ字状に曲げた形状である。連結部材114は、基軸115、把持部116、連結軸117を有する。基軸115は把持部116の一端から鉛直方向に沿った軸であり、天板部110内に収容される方向に付勢される。把持部116は上側から見て略へ字状あるいは略V字状に曲げられ、作業者が連結部材114を引き上げるときに把持する。連結軸117は把持部116の他端から鉛直方向に沿った軸であり、天板部110を他の作業台本体100に連結させる。図2の拡大斜視図において実線で示すように、連結する作業台10がない場合には、連結部材114は基軸115および連結軸117が天板部110の内部に収容される。一方、連結部材114を他の作業台本体100に連結するには、作業者は把持部116を引き上げて連結軸117の下端を露出させる。次に、図2の拡大斜視図の二点鎖線で示すように、作業者は、基軸115を中心にして軸回りに回動させることで、上側から見て、連結軸117を天板部110の外周縁よりも外側に位置させる。次に、作業者は連結軸117を、他の作業台本体100の後述する連結孔118に上側から挿入することで、他の作業台本体100を連結することができる。
【0016】
また、天板部110は、外周縁に近接した位置に複数の被連結部としての連結孔118を有する。連結孔118は、他の作業台10と連結するための孔である。連結孔118は、長手側の端部に例えば6つ、短手側の端部に例えば4つ形成される。また、天板部110は、外周縁に近接した位置に、補助手摺部400を取り付けるための複数の手摺用孔を有する。
【0017】
脚部130は、天板部110の荷重を支持したり、天板部110で作業する作業者の荷重を支持したりする機能を有する。脚部130は、作業台10が1つの作業台本体100で構成されるときの脚構成部130Uaの一例に対応する。脚部130は、天板部110の下側で連結される。
具体的に、脚部130は4本の脚部材131a~131dを有する。なお、図3では、脚部材131dは脚部材131cによって隠れ、図4では、脚部材131dは脚部材131bによって隠れるため、図示されていない。脚部材131a、131bは、前後方向における後側に位置し、天板部110から床面に向かって延びる。また、脚部材131aと脚部材131bとは、互いに左右方向に離れて位置する。脚部材131c、131dは、前後方向における前側に位置し、天板部110から床面に向かって延びる。また、脚部材131cと脚部材131dとは、互いに左右方向に離れて位置する。
【0018】
脚部材131a~131dは、主脚132と、伸縮脚133と、走行部180とを有する。
主脚132は、脚部材131a~131dの主とする部材である。主脚132は、例えば、アルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。また、主脚132は、例えば、中空状の断面略矩形の部材である。
【0019】
伸縮脚133は、脚部材131a~131dを長手方向に沿って伸縮させる部材である。伸縮脚133は、主脚132の内部に嵌まり込み、主脚132の長手方向に沿って摺動可能である。伸縮脚133は例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。伸縮脚133は、主脚132の下端から突出させる長さを変更することにより脚部材131a~131dの長さを伸縮させる。
伸縮脚133により脚部材131a~131dを伸縮させることで、天板部110の高さを調整することができる。脚部130は高さ方向に例えば、0mmから400mmまでの間を例えば略50mmや略100mmのピッチで段階的に調整することができる(図3および図4では最も伸ばした状態を二点鎖線で示し、最も縮めた状態を実線で示している)。
【0020】
また、主脚132はロック機構135を有する(図4を参照)。ロック機構135は、伸縮脚133が主脚132の下端から突出させる長さを段階的にロックする。ロック機構135は、脚部材131aと脚部材131bとが対向する側面および脚部材131cと脚部材131dとが対向する側面に取り付けられる。
【0021】
また、脚部材131aと脚部材131bとの間、および、脚部材131cと脚部材131dとの間には、水平方向に沿って横架部材137a、137bが架け渡される。横架部材137a、137bは、脚部材131a~131dの剛性を向上させる部材である。
図4に示すように、脚部材131aと脚部材131bとの間には、鉛直方向に間隔を空けて複数の横架部材137a、137bが架け渡される。具体的には、脚部材131aの主脚132と脚部材131bの主脚132との間には複数(3本)の横架部材137aが配置され、脚部材131aの伸縮脚133と脚部材131bの伸縮脚133との間には1本の横架部材137bが配置される。横架部材137aは主脚132にブラケットを介してボルトやリベット等を用いて固定される。一方、横架部材137bは伸縮脚133にブラケットを介してボルトやリベット等を用いて固定される。
【0022】
横架部材137a、137bは例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。また、横架部材137a、137bは、例えば中空状または中実状の断面略矩形または断面多角形の部材である。なお、横架部材137bは、伸縮脚133に固定されているために、横架部材137bを鉛直方向に移動させることで伸縮脚133を主脚132から突出する長さを変更することができる。
ここでは、脚部材131aと脚部材131bとの間に架け渡される横架部材137a、137bについて説明したが、脚部材131cと脚部材131dとの間でも、同様の構成および同様の高さに横架部材137a、137bが架け渡される。
【0023】
このように、横架部材137a、137bが脚部材131aと脚部材131bとの間、および、脚部材131cと脚部材131dとの間に架け渡されることで、脚部材131aと脚部材131bが一つのユニット、すなわち第1の脚体140Aとし、脚部材131cと脚部材131dとが一つのユニット、すなわち第2の脚体140Bとして構成される。脚部130は、一対の脚体140A、140Bが前後方向で対向するように配置される。
ここで、脚体140Aと脚体140Bとは、天板部110に対して重なり合うようにして折り畳むことができる。すなわち、脚部材131a、131bは天板部110に対して回動可能に連結され、脚部材131c、131dは天板部110に対して回動可能に連結されている。脚体140Aと脚体140Bとを折り畳むことにより、作業台本体100の搬送性を向上させることができる。
【0024】
走行部180は、移動部200が作業台本体100を移動させるときに、天板部110を支持しながら作業台本体100を円滑に移動させる機能を有する。
具体的には、走行部180は4つのキャスター181a~181dを有する。なお、図3では、キャスター181dはキャスター181cによって隠れ、図4では、キャスター181dはキャスター181bによって隠れるため、図示されていない。キャスター181a~181dは、それぞれ脚部材131a~131dの伸縮脚133の下端で鉛直方向の軸回りに旋回可能に連結される。なお、キャスター181a~181dは、それぞれ作業者の操作に応じて車輪の回転を固定することができるストッパ付キャスターであってもよく、ストッパなしキャスターであってもよい。また、本実施形態のキャスター181a~181dは、作業台本体100が容易に移動できるように、それぞれ2つの車輪183を有する。
【0025】
補助接地部190は、天板部110の外周縁に上側から力が掛かったときに、作業台本体100の傾倒を防止するアウトリガーとして機能する。ここで、補助接地部190は、上側から見て天板部110の外周縁からはみ出して配置される。
具体的には、補助接地部190は4つの補助脚部材191a~191dを有する。なお、図3では、補助脚部材191dは補助脚部材191cによって隠れ、図4では、補助脚部材191dは補助脚部材191bによって隠れるため、図示されていない。補助脚部材191a~191dは、それぞれ脚部材131a~131dの伸縮脚133に取り付けられる。
【0026】
また、本実施形態の補助脚部材191a~191dは、上側から見て天板部110の外周縁からはみ出す第1の状態と、天板部110の外周縁からはみ出さない第2の状態とに遷移可能である。具体的には、作業者は、補助脚部材191a~191dが床面に向かって延出した状態から、ロックを解除して補助脚部材191a~191dを上方に回動することで、補助脚部材191a~191dが略鉛直方向に沿った状態に遷移する(図4に示す二点鎖線を参照)。
【0027】
第1の状態では、図4に示すように、正面視において、補助脚部材191a~191dは、天板部110の外周縁を通る鉛直線Eからはみ出す。また、第1の状態では、第2の状態よりも補助脚部材191a~191dの先端が床面に近接している。ここでは、補助脚部材191a~191dの先端が床面から僅かに離れるように設定されている。したがって、天板部110の外周縁のうち長手側の端部の何れかの位置で上側から力が掛かったとしても、力が掛かった位置に近い補助脚部材191b~191dが床面に接地することで作業台本体100の傾倒を防止することができる。ただし、補助脚部材191a~191dの先端は床面から離れている場合に限られず、床面に接していてもよい。
一方、第2の状態では、図4に示すように、正面視において、補助脚部材191a~191dは、天板部110の外周縁を通る鉛直線Eからはみ出さない。また、第2の状態では、第1の状態よりも補助脚部材191a~191dの先端が床面から離れている。したがって、作業台本体100を移動させるときに、補助脚部材191a~191dの先端が接する可能性がなくなる。また、第2の状態のように、上側から見て、補助脚部材191a~191dを天板部110の外周縁からはみ出さない状態にすることで、狭い場所でも補助脚部材191a~191dが邪魔にならずに作業台本体100を移動させることができる。
なお、補助脚部材191a~191dは脚部材131a~131dのうち伸縮脚133に取り付けられていることで、天板部110の高さを調整するために伸縮脚133を伸縮させた場合でも影響を受けることなく、作業台本体100の傾倒を防止することができる。
【0028】
次に、移動部200について図2図8を参照して説明する。
図5は、図4のI-I線を切断して矢印方向から見た断面図である。図6は、移動部200の内部構成を示す図である。図7Aおよび図7Bは、移動部200による移動方法を説明するための図である。図8は、操作部240の操作方法を説明するための図である。
移動部200は、作業者の指示に応じて作業台本体100を移動させる。具体的に、移動部200は自ら床面に沿って移動することにより、移動部200が固定された作業台本体100も移動部200と同一方向に移動する。移動部200は、作業台本体100に作業者を載せた状態のまま、作業台本体100を移動させることができる。
【0029】
移動部200は、本体部210と、車輪部230と、操作部240と、非常停止部250とを有する。
本体部210は、移動部200の駆動部として機能する。本体部210は、作業台本体100の天板部110の下側に位置する。本体部210は、前後方向に長い直方体状の筐体211内に構成部品が配設される。本体部210は、例えば、前後方向が略700mmの長さであり、左右方向が略300mmの長さであり、高さ方向が略200mmの高さである。
【0030】
図6に示すように、本体部210は、制御部212、バッテリユニット213、電圧測定ユニット215、スイッチングレギュレータ216a、216b、モータドライバ217a~217d、モータ218a~218d、ギアボックス219a~219dを有する。
【0031】
制御部212は、移動部200全体を制御する。制御部212は、作業者の指示に応じて作業台本体100を移動させるように移動部200を制御する。具体的には、制御部212は、操作部240から送信された指示信号に基づいて、モータドライバ217a~217dに対して制御信号を送信することで、モータ218a~218dを回転させる。
【0032】
バッテリユニット213は、制御部212やモータドライバ217a~217d等に電源を供給する。バッテリユニット213は、着脱可能な複数のバッテリ214a、214bを有する。バッテリ214a、214bは、例えばリチウムイオン電池等を用いることができる。
電圧測定ユニット215は、バッテリユニット213の電圧を測定して、測定した電圧の情報を制御部212に送信する。
【0033】
スイッチングレギュレータ216a、216bは、バッテリユニット213からの入力電圧を所定の電圧に変換して、制御部212およびモータドライバ217a~217dに出力する。
モータドライバ217a~217dは、制御部212からの制御信号に基づいて、モータ218a~218dを駆動させる。具体的には、モータドライバ217a~217dは制御部212からモータ218a~218dに対する回転方向の信号および回転速度の信号を受信して、受信した回転方向および回転速度になるようにモータ218a~218dのモータコイルに対して通電(U、V、W)する。このとき、モータドライバ217a~217dは、モータ218a~218dのロータの位置を検出するホールセンサからのホール信号(Hu、Hv、Hw)に基づいて通電を制御する。
【0034】
モータ218a~218dは、モータドライバ217a~217dから通電されることにより制御部212からの信号に応じた回転方向および回転速度で回転する。
ギアボックス219a~219dは、モータ218a~218dの回転速度を減速させた状態で車輪部230に伝達する。したがって、本体部210では作業者の指示に応じて車輪部230を駆動させることができる。
【0035】
車輪部230は、例えば複数(4つ)の車輪231a~231dを有する。車輪231a~231dは、本体部210の右側または左側に位置する。具体的に、車輪231aが左前側に位置し、車輪231bが右前側に位置し、車輪231cが左後側に位置し、車輪231dが右後側に位置する。車輪231a~231dは、何れの車軸の軸線方向も左右方向に沿っている。
本実施形態の移動部200は、車輪部230の各車輪231a~231dの回転によって床面に沿って全方向に移動可能に構成されている。更に、本実施形態の移動部200は、車輪部230の各車輪231a~231dの回転によって鉛直線の軸線回りに旋回可能に構成されている。
【0036】
具体的に、車輪231a~231dは、それぞれ車軸の軸線方向を中心に複数の樽状のローラ232が配置されている(後述する図7A(a)を参照)。ローラ232は、例えば、合成樹脂製である。複数のローラ232は、それぞれ車軸の軸線方向に対して45度の角度で傾いている。ここでは、車輪231aのローラ232と車輪231dのローラ232とが同方向に傾いており、車輪231bのローラ232と車輪231cのローラ232とが同方向に傾いている。車輪231aのローラ232と車輪231bのローラ232とは異なる方向に傾いている。
【0037】
図7Aおよび図7Bは、車輪231a~231dの回転方向と移動部200の移動方向および旋回方向との関係を示す図である。
図7A(a)は、移動部200を前進移動させるときの車輪231a~231dの回転方向を示す図である。移動部200を前進移動させるには車輪231a~231dをそれぞれ前側(第1の方向)に回転させる。
図7A(b)は、移動部200を後進移動させるときの車輪231a~231dの回転方向を示す図である。移動部200を後進移動させるには車輪231a~231dをそれぞれ後側(第2の方向)に回転させる。
【0038】
図7A(c)は、移動部200を右平行移動(右横移動)させるときの車輪231a~231dの回転方向を示す図である。移動部200を右平行移動させるには車輪231a、231dを前側(第1の方向)に回転させて、車輪231b、231cを後側(第2の方向)に回転させる。
図7A(d)は、移動部200を左平行移動(左横移動)させるときの車輪231a~231dの回転方向を示す図である。移動部200を左平行移動させるには車輪231a、231dを後側(第2の方向)に回転させて、車輪231b、231cを前側(第1の方向)に回転させる。
【0039】
図7B(a)は、移動部200を右斜め前移動させるときの車輪231a~231dの回転方向を示す図である。移動部200を右斜め前移動させるには車輪231a、231dを前側(第1の方向)に回転させて、車輪231b、231cを回転させない。
図7B(b)は、移動部200を左斜め前移動させるときの車輪231a~231dの回転方向を示す図である。移動部200を左斜め前移動させるには車輪231b、231cを前側(第1の方向)に回転させて、車輪231a、231dを回転させない。
【0040】
図7B(c)は、移動部200を左斜め後移動させるときの車輪231a~231dの回転方向を示す図である。移動部200を左斜め後移動させるには車輪231a、231dを後側(第2の方向)に回転させて、車輪231b、231cを回転させない。
図7B(d)は、移動部200を右斜め後移動させるときの車輪231a~231dの回転方向を示す図である。移動部200を右斜め後移動させるには車輪231b、231cを後側(第2の方向)に回転させて、車輪231a、231dを回転させない。
【0041】
ここでは、前進、後進、右平行移動、左平行移動、右斜め前移動、左斜め前移動、左斜め後移動および右斜め後移動の8方向の移動について説明したが、車輪231a~231dの各回転速度を制御することにより移動部200は360°任意の方向に移動可能である。
【0042】
図7B(e)は、移動部200を右旋回させるときの車輪231a~231dの回転方向を示す図である。移動部200を右旋回させるには車輪231a、231cを前側(第1の方向)に回転させて、車輪231b、231dを後側(第2の方向)に回転させる。
図7B(f)は、移動部200を左旋回させるときの車輪231a~231dの回転方向を示す図である。移動部200を左旋回させるには車輪231a、231cを後側(第2の方向)に回転させて、車輪231b、231dを前側(第1の方向)に回転させる。
【0043】
操作部240は、作業者が操作可能であり、移動部200の制御部212に対して移動を指示するための部位である。操作部240は、移動部200の本体部210とケーブル245を介して接続される。ケーブル245は、作業者が作業台本体100の天板部110に載った状態のまま十分に操作できる程度の長さを有する。ただし、操作部240と本体部210とは無線により通信可能であってもよい。
【0044】
操作部240は、いわゆるジョイスティックタイプが用いられる。操作部240は、鉛直方向に起立したスティック241を有する。スティック241は、起立した状態から360°の任意の方向に傾倒させることができる。また、スティック241は、起立した状態のまま軸線回りに右あるいは左に回動させることができる。
【0045】
図8は、操作部240の操作方法を説明するための図であり、スティック241の軸線方向に沿って見た図である。
作業者がスティック241を前側に傾倒させることにより本体部210に対して移動部200を前進させる指示信号が送信され、後側に傾倒させることにより本体部210に対して移動部200を後進させる指示が送信される。
作業者がスティック241を右側に傾倒させることにより本体部210に対して移動部200を右平行移動させる指示信号が送信され、左側に傾倒させることにより本体部210に対して移動部200を左平行移動させる指示信号が送信される。
【0046】
作業者がスティック241を右斜め前に傾倒させることにより本体部210に対して移動部200を右斜め前移動させる指示信号が送信され、左斜め前に傾倒させることにより本体部210に対して移動部200を左斜め前移動させる指示信号が送信される。
作業者がスティック241を左斜め後に傾倒させることにより本体部210に対して移動部200を左斜め後移動させる指示信号が送信され、右斜め後に傾倒させることにより本体部210に対して移動部200を右斜め後移動させる指示信号が送信される。
【0047】
ここでは、スティック241を8方向に傾倒させる場合について説明したが、360°任意の方向に傾倒可能である。作業者がスティック241を任意の方向に傾倒させることにより、当該方向に移動部200を移動させる指示信号が送信される。
【0048】
また、作業者がスティック241を起立させた状態のままスティック241を軸線回りに右に回動させることにより本体部210に対して移動部200を右旋回させる指示信号が送信され、左に回動させることにより本体部210に対して移動部200を左旋回させる指示信号が送信される。
【0049】
非常停止部250は、作業者が移動部200に対して駆動の停止を指示するためのボタンである。例えば、図1に示すように、非常停止部250は、移動部200の本体部210とケーブル255を介して接続される。ケーブル255は、作業者が作業台本体100の天板部110に載った状態のまま十分に操作できる程度の長さを有する。ただし、非常停止部250と本体部210とは無線により通信可能であってもよい。
【0050】
図3図5に示すように、移動部200は、着脱可能な固定部500を介して作業台本体100に固定される。固定部500は、天板部110の高さを調整した場合でも移動部200が床面に常に接するように、作業台本体100の脚部130のうち主脚132側ではなく、伸縮脚133側に移動部200を固定させる。
固定部500は、脚固定部501と、中間部503と、本体固定部504とを有する。
【0051】
脚固定部501は、脚部130のうち主脚132側ではなく、伸縮脚133側に固定される。脚固定部501は、前後方向に延出する棒状部材であり、前後に対向して位置する一対の横架部材137bに架け渡される。脚固定部501は、例えば、アルミニウム合金製である。脚固定部501の両端部が横架部材137bに対してクランプ部材502を介して固定される。また、脚固定部501は横架部材137bの下端に固定される。ここでは、2つの脚固定部501が移動部200を間に挟むようには左右に離れて位置する。なお、脚固定部501は、横架部材137bに固定される場合に限られず、伸縮脚133に固定してもよい。また、脚固定部501は、伸縮脚133を主脚132に沿って摺動させるときに伸縮脚133と同期して移動する部材に固定してもよい。なお、図3に示すように、側面視において、脚固定部501は天板部110の外周縁を通る鉛直線Eからはみ出さないように位置しており、作業台本体100が移動したときに脚固定部501が周囲のものに接触したり、通行者が脚固定部501に接したりすることを防止することができる。
【0052】
中間部503は、脚固定部501と本体固定部504とを接続する。中間部503は、例えば、アルミニウム合金製である。一対の脚固定部501には、それぞれ2つの中間部503が固定される。2つの中間部503は、脚固定部501の前後に離れた位置に固定され、脚固定部501から上側かつ前後方向における中心側に向かって互いに近づくように斜めに延出する。このように、2つの中間部503を斜めに延出させるのは、移動部200の車輪231a~231dとの干渉を避けるためである。なお、中間部503は、移動部200と干渉しなければ、脚固定部501から上側にのみ延出してもよい。
【0053】
本体固定部504は、移動部200の本体部210の筐体211に固定される。本体固定部504は、左右方向に延出する棒状部材であり、左右に対向して位置する一対の中間部503に架け渡される。本体固定部504は、例えば、アルミニウム合金製である。例えば、本体固定部504の中央部が移動部200の本体部の筐体211の上面に結合されたクランプ部材505を介して固定される。ここでは、2つの本体固定部504は筐体211の直上に位置し、筐体211から左右方向にはみ出すように延出している。本体固定部504は、筐体211を上から押さえつけるように固定することから筐体211の浮き上がりを防止することができる。
固定部500によって作業台本体100に固定された移動部200は、上側から見て、作業台本体100に重なり合うとともに、天板部110の外周縁からはみ出さないように位置する。移動部200が、上側から見て、天板部110の外周縁からはみ出さないように位置することにより、作業台本体100が移動したときに移動部200が周囲のものに接触したり、通行者が移動部200に接したりすることを防止することができる。
なお、固定部500は、クランプ部材502を介して横架部材137bに固定され、クランプ部材505を介して移動部200に固定される場合について説明したが、この場合に限られず、クランプ部材以外で固定してもよい。すなわち、固定部500は移動部200を作業台本体100に固定できるように構成されていればよく、上述した構成に限られない。
【0054】
ここで、作業台本体100と移動部200とを固定部500を介して固定し、作業台10を組み立てる方法について説明する。
図9Aは、第1の組み立て方法を説明するための図である。
第1の組み立て方法では、図9Aに示すように、予め、移動部200の筐体211の上面に対してクランプ部材505を介して固定部500を固定し、固定部500が固定された移動部200を床面に載置する。次に、作業台本体100を持ち上げて、固定部500のクランプ部材502と作業台本体100の横架部材137bとが上下に対向するように配置する。次に、作業台本体100を移動部200の上方から徐々に降下させていき、固定部500のクランプ部材502上に横架部材137bを当接させクランプ部材502で横架部材137bを固定することで、作業台10を組み立てる。このように組み立てられた作業台10は、作業台本体100の荷重の一部が横架部材137b、固定部500を介して上方から移動部200で受けることになる。したがって、移動部200は固定部500を介して作業台本体100から下方に向かって押圧されることで、移動部200の車輪231a~231dと床面との間の摩擦力を増大させることができ、車輪231a~231dのグリップ力を向上させることができる。
【0055】
図9Bは、第2の組み立て方法を説明するための図である。
第2の組み立て方法では、図9Bに示すように、予め、作業台本体100の横架部材137bにクランプ部材502を介して固定部500を固定する。一方、移動部200は単体のまま床面に載置する。次に、固定部500が固定された作業台本体100を持ち上げて、固定部500の本体固定部504と作業台本体100に結合されたクランプ部材505とが上下に対向するように配置する。次に、作業台本体100を移動部200の上方から徐々に降下させていき、移動部200のクランプ部材505上に固定部500の本体固定部504を当接させクランプ部材505で本体固定部504を固定することで、作業台10を組み立てる。このように組み立てられた作業台10は、作業台本体100の荷重の一部が横架部材137b、固定部500を介して上方から移動部200で受けることになる。したがって、移動部200は固定部500を介して作業台本体100から下方に向かって押圧されることで、移動部200の車輪231a~231dと床面との間の摩擦力を増大させることができ、車輪231a~231dのグリップ力を向上させることができる。
【0056】
このように移動部200が固定部500を介して作業台本体100に固定されていることから、移動部200が移動することにより作業台本体100は移動部200の移動方向と同期して移動する。すなわち、移動部200は作業者の指示に応じて作業台本体100を床面に沿って移動させることができる。
具体的に、高所作業を行う場合、予め作業者は伸縮脚133により脚部材131a~131dを伸縮させることで、天板部110の高さを調整しておく。作業者は作業台本体100の天板部110に載って高所作業を行い、当該作業位置における高所作業を終了させる。次に、作業者は天板部110に載った状態のまま、操作部240を操作して次の作業位置への移動を指示する。
【0057】
例えば、作業者が作業台本体100を右平行移動させたい場合には、作業者は操作部240のスティック241を右側に傾倒させることにより、操作部240から移動部200の本体部210に対して移動部200を右平行移動させる指示信号が送信される。
移動部200の本体部210の制御部212は、右平行移動の指示信号に応じて、車輪231a、231dを前側に回転させて、車輪231b、231cを後側に回転させるように、モータドライバ217a~217dに対して制御信号を送信することで、移動部200が右平行移動する。
移動部200が右平行移動することにより、固定部500を介して移動部200を固定している作業台本体100も移動部200に同期して右平行移動する。このように、作業台10は、作業台本体100に作業者を載せた状態のまま、作業者の指示に応じて移動部200が作業台本体100を床面に沿って移動させる。
【0058】
本実施形態の作業台10によれば、作業者の指示に応じて移動部200が作業台本体100を移動させることから、作業者が作業台本体100を自ら移動させたり、予め広範囲で作業台本体100を並べておいたりする必要がないために高所作業の効率化を図ることができる。
【0059】
また、本実施形態の作業台10は、天板部110を支持するとともに床面に接地される脚部130を備えることから、作業台本体100や作業者の荷重を移動部200が支持する負担が軽減される。したがって、移動部200を過剰に強固にする必要がないとともに、高い駆動力を必要としないために作業台10の製造コストを削減することができる。
【0060】
また、本実施形態の移動部200は、脚部材131a~131dを伸縮させるときに伸縮脚133と同期して移動する横架部材137bに対して固定される。したがって、移動部200が作業台本体100を移動させるときに影響を与えることなく、天板部110の高さを調整することができる。
【0061】
また、本実施形態の移動部200は、着脱可能な固定部500を介して作業台本体100に固定される。したがって、作業現場に作業台10を搬送する場合に作業台本体100と移動部200とを別々に搬送し、移動部200を固定部500を介して作業台本体100に固定することにより、作業現場で作業台10を組み立てることができる。このとき、作業台10を作業現場まで、脚体140Aと脚体140Bとを天板部110に対して折り畳んだ状態で搬送することにより、作業台20の搬送性を向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態の移動部200は、停止している状態では移動部200自体のブレーキ機能により作業台本体100の移動が防止される。したがって、作業者は4つのキャスター181a~181dに対して車輪の回転を固定するためのストッパ(ロック)を掛ける必要がないために高所作業の効率化を図ることができる。
【0063】
なお、作業台本体100の補助接地部190は、第1の状態では補助脚部材191a~191dの先端が床面から僅かに離れるように設定されていることから、移動部200が作業台本体100を水平な床面に沿って移動させるときに、補助接地部190は床面と接しない。一方、床面に凹凸があるような水平でない場合や作業台本体100が狭い場所を移動しようとする場合には、補助接地部190が床面や障害物と接しないように、作業者は補助接地部190を第2の状態にして床面から離しておくことが好ましい。
【0064】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の移動部260は、車輪231a~231dが床面から受ける衝撃を緩和させるために車輪231a~231dを床面に向かって付勢する機能を有している。また、第2の実施形態の移動部260は、車輪231a~231dを床面に向かって付勢する機能を一時的に停止させることができる。
【0065】
図10は、移動部260の構成の一例を示す斜視図である。図11は、移動部260の構成の一例を示す正面図である。なお、ここでは第1の実施形態と異なる構成を中心に説明し、第1の実施形態と同様の構成は適宜、説明を省略する。
移動部260の本体部270は、揺動部材271と、付勢部材274(図11を参照)と、規制部材275とを有する。
【0066】
揺動部材271は、揺動軸272を中心にして車輪231a~231dを上下方向に揺動可能に支持する。揺動部材271は、車輪231a~231dと筐体211との間に位置する。揺動部材271は、規制部材275と係止するための被係止部273を有する。揺動部材271は、例えば板状の部材を用いることができる。
【0067】
付勢部材274は、車輪231a~231dが床面から受ける衝撃を緩和させるために車輪231a~231dを床面に対して押し当てるように付勢する。付勢部材274は、筐体211内で車輪231a~231dにそれぞれ近接して配置される。付勢部材274は、揺動部材271を上方から付勢することにより車輪231a~231dが揺動部材271を介して床面に向かって付勢される。付勢部材274は、例えばコイルスプリングを用いることができる。
【0068】
規制部材275は、付勢部材274による付勢を一時的に停止させる。規制部材275は、筐体211に取り付けられており、車輪231a~231dにそれぞれ近接して配置される。作業者は、作業台10を組み立てる場合に規制部材275を用いて付勢部材274による付勢を停止させる状態にし、作業台10を組み立てた後に規制部材275を用いて再び付勢部材274により付勢させる状態に戻すように操作する。規制部材275は、例えばトグルクランプを用いることができる。
【0069】
図11(a)、(b)は、規制部材275を用いて付勢部材274による付勢を停止させる前後の移動部260の状態を示す図である。具体的に、図11(a)は付勢部材274による付勢を停止させる前の移動部260の単体の状態を示す図であり、図11(b)は付勢部材274による付勢を停止させたときの移動部260の単体の状態を示す図である。
【0070】
規制部材275は、作業者が操作する規制レバー276と、規制部材275を移動部260の筐体211に取り付けるための取付部277と、規制レバー276から垂下する係止部278とを有する。規制レバー276は、取付部277に対して回動軸279を中心に回動可能である。
図11(a)に示すように、作業台10を組み立てる前では、規制部材275を用いて付勢を停止していないために付勢部材274による付勢によって浮き上がるように筐体211が位置する。
作業台10を組み立てる場合には、作業者は係止部278を被係止部273に引っ掛けることで係止させ、規制レバー276を筐体211側に向かう方向に回動させる。規制レバー276の回動に伴い、揺動部材271が付勢部材274の付勢に抗して引き上げられる。
【0071】
図11(b)に示すように、規制レバー276を筐体211上まで回動させることにより、係止部278が回動軸279を超えて筐体211側に移動して、規制レバー276の位置が保持され、付勢部材274が縮んだ状態で維持される。ここで、付勢部材274が縮んだ状態で維持されるとは、付勢部材274による付勢を停止させることをいうものとする。
規制部材275を用いて付勢部材274による付勢を停止しているために、筐体211は付勢部材274による付勢を停止していない状態よりも低く位置する。
【0072】
作業者は、上述した第1の組み立て方法または第2の組み立て方法により、規制部材275を用いて付勢部材274による付勢を停止させた移動部260と作業台本体100とを固定部500を介して組み立てる。
作業台10を組み立てた後に、作業者は規制部材275の規制レバー276を筐体211から離れる方向に回動させた上で、揺動部材271の被係止部273に係止した係止部278を被係止部273から取り外すことで、再び付勢部材274により付勢させる状態に戻す。付勢部材274により付勢させる状態に戻すことにより、図11(a)のように付勢部材274が伸張しようとするが、移動部200は上方から作業台本体100の荷重を受けていることから、移動部200の筐体211は浮き上げることが抑制される。移動部200の筐体211が浮き上がらない分、付勢部材274は車輪231a~231dを床面に向かって付勢することになる。したがって、移動部200の車輪231a~231dと床面との間の摩擦力を増大させることができ、車輪231a~231dのグリップ力を向上させることができる。
【0073】
本実施形態の移動部260によれば、車輪231a~231dを床面に付勢する付勢部材274による付勢を規制部材275により一時的に停止させることができる。作業者は、規制部材275を用いて車輪231a~231dを床面に付勢する付勢部材274による付勢を停止させた状態で、移動部260と作業台本体100とを固定部500を介して組み立てる。作業者は、作業台10を組み立て後に規制部材275を用いて、付勢部材274による付勢を戻すことにより車輪231a~231dのグリップ力を向上させることができる。
なお、本実施形態では規制部材275としてトグルクランプを用いる場合について説明したが、この場合に限られず、付勢部材274による付勢を一時的に停止させることができる他の機構を用いることができる。
【0074】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の作業台20は、一対の作業台本体100を隣接した状態で連結させ、上側から見て移動部200を一対の作業台本体100にそれぞれ重なり合うとともに、上側から見て、一対の作業台本体100を合わせた外周縁から移動部200をはみ出さないように位置させたものである。
【0075】
図12は、作業台20の構成の一例を示す平面図である。図13は、作業台20の構成の一例を示す側面図である。図14は、作業台20の構成の一例を示す正面図である。図15は、図14のII-II線を切断して矢印方向から見た断面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成は、同一符号を付して適宜、説明を省略する。
本実施形態の作業台20は、一対の作業台本体100a、100bと、1つの移動部200等を備えている。作業台本体100a、100bは、第1の実施形態の作業台本体100と同様の構成である。
作業台本体100aおよび作業台本体100bは、作業台20が複数の作業台本体100a、100bで構成されるときの本体構成部100Ubの一例に対応する。また、作業台本体100aの天板部110および作業台本体100bの天板部110は、作業台20が複数の作業台本体100a、100bで構成されるときの天板構成部110Ubの一例に対応する。また、作業台本体100aの脚部130および作業台本体100bの脚部130は、作業台20が複数の作業台本体100a、100bで構成されるときの脚構成部130Ubの一例に対応する。
【0076】
作業台本体100aと作業台本体100bとを連結するには作業台本体100aのうち作業台本体100bに近接した連結部材114を引き上げて回動させ、作業台本体100bの連結孔118に挿入する。同様に、作業者は作業台本体100bのうち作業台本体100aに近接した連結部材114を引き上げて回動させ、作業台本体100aの連結孔118に挿入する。したがって、図9に示すように、作業台本体100aと作業台本体100bそれぞれの連結部材114が、互いに異なる作業台本体100bと作業台本体100aに連結される。このように、作業台本体100a、100bを連結することで、作業台本体100a、100bが一体となって移動する。
【0077】
なお、図14に示すように、作業台本体100aと作業台本体100bの補助脚部材191a~191dのうち、対向していない補助脚部材191a~191dを天板部110の外周縁を通る鉛直線Eからはみ出すように第1の状態にする。一方、互いに干渉しないように、互いに対向する補助脚部材191a~191dを天板部110の外周縁を通る鉛直線Eからはみ出さない第2の状態にする。
【0078】
移動部200は、固定部600を介して作業台本体100a、100bに固定される。固定部600は、天板部110の高さを調整した場合でも移動部200が床面に常に接するように、作業台本体100a、100bの脚部130のうち主脚132側ではなく、伸縮脚133側に移動部200を固定させる。
固定部600は、脚固定部601と、中間部603と、本体固定部604とを有する。
【0079】
脚固定部601は、脚部130のうち主脚132側ではなく、伸縮脚133側に固定される。脚固定部601は、前後方向に延出する棒状部材であり、作業台本体100aの前後に対向して位置する一対の横架部材137bに架け渡されるとともに、作業台本体100bの前後に対向して位置する一対の横架部材137bに架け渡される。脚固定部601の両端部が横架部材137bに対してクランプ部材602を介して固定される。また、脚固定部601は横架部材137bの下端に固定される。ここでは、2つの脚固定部601が移動部200を間に挟むようには左右に離れて位置する。なお、脚固定部601は、横架部材137bに固定される場合に限られず、伸縮脚133に固定してもよい。また、脚固定部601は、伸縮脚133を主脚132に沿って摺動させるときに伸縮脚133と同期して移動する部材に固定してもよい。
【0080】
中間部603は、脚固定部601と本体固定部604とを接続する。一対の脚固定部601には、それぞれ2つの中間部603が固定される。2つの中間部603は、脚固定部601の前後に離れた位置に固定され、脚固定部601から上側に向かって延出する。
【0081】
本体固定部604は、移動部200の本体部210の筐体211に固定される。本体固定部604は、左右方向に延出する棒状部材であり、左右に対向して位置する一対の中間部603に架け渡される。本体固定部604の中央部が移動部200の本体部の筐体211の上面に対してクランプ部材605を介して固定される。ここでは、2つの本体固定部604は筐体211の直上に位置し、筐体211から左右方向にはみ出すように延出している。
【0082】
移動部200は、固定部600によって作業台本体100aと作業台本体100bとに跨る位置に固定される。移動部200は、上側から見て、一対の作業台本体100にそれぞれ重なり合うとともに、上側から見て、一対の作業台本体100を合わせた外周縁からはみ出さないように位置する。移動部200が、上側から見て、天板部110の外周縁からはみ出さないように位置することにより、作業台本体100aと作業台本体100bとが移動したときに移動部200が周囲のものに接触したり、通行者が移動部200に接したりすることを防止することができる。
【0083】
このように移動部200が固定部600を介して作業台本体100a、100bに固定されていることから、移動部200が移動することにより作業台本体100a、100bが一体で移動部200の移動方向と同期して移動する。すなわち、移動部200は作業者の指示に応じて作業台本体100a、100bを床面に沿って移動させることができる。なお、固定部600は移動部200を作業台本体100a、100bに固定できるように構成されていればよく、上述した構成に限られない。
【0084】
本実施形態の作業台20によれば、作業者の指示に応じて移動部200が作業台本体100a、100bを移動させることから、作業者が作業台本体100a、100bを自ら移動させたり、予め広範囲で作業台本体100a、100bを並べておいたりする必要がないために高所作業全体の効率化を図ることができる。
また、本実施形態の作業台20は、作業台本体100aと作業台本体100bとが連結されていることから、作業領域を広く確保することができる。なお、本実施形態の作業台20は、タラップ部300と、補助手摺部400等を省略したが、作業台本体100a、100bを合わせた作業領域を取り囲むように補助手摺部400を装着したり、タラップ部300を装着したりしてもよい。
また、本実施形態でも、連結させた作業台本体100a、100bを移動部200の上方から徐々に降下させていくことにより、第1の実施形態で説明した第1の組み立て方法および第2の組み立て方法と同様に作業台20を組み立てることができる。
【0085】
(第4の実施形態)
第4の実施形態の作業台30は、一対の作業台本体100を隣接した状態で連結させたものであり、作業台本体100に作業者を載せた状態のまま作業台本体100を床面に沿って移動させるときに、作業者がふらつかないようにすることができる。
【0086】
図16は、第4の実施形態の作業台30の構成を示す図である。なお、第3の実施形態と同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。また、図16では補助手摺部400を二点鎖線で示している。
作業台30は、天板部110上に載った作業者が手で掴むための支持部材40を有する。
支持部材40は、一対の作業台本体100を合わせた作業領域の略中央に立設される。本実施形態では、支持部材40が作業台本体100aと作業台本体100bとの境界あるいは境界に近接して位置する。
【0087】
支持部材40は上下方向に長い棒状の部材であり、上端が補助手摺部400の高さよりも上方に位置する。支持部材40は、例えば、天板部110からの高さが1000mm~1700mmである。また、支持部材40は、例えば、直径が40mm~70mmの円柱状であり、金属製のパイプを用いることができる。また、支持部材40は、作業者がふらついたときに直ぐに目に付いて掴むことができるように、天板部110の表面とは異なる色が付されている。天板部110の表面の色がシルバーである場合には、例えば、支持部材40の外周面の視認性を高めるべく、支持部材40は彩度が高い暖色系の色である黄色、赤色、オレンジ等が付されていることが好ましい。
【0088】
図17は、支持部材40を天板部110に着脱可能に取り付ける状態を示す斜視図である。
支持部材40は、フランジ部41と、取付軸42とを有する。
フランジ部41は、支持部材40を天板部110に取り付けたときに、下面が天板部110の上面に接して接触面積を増やすことで、支持部材40を安定した状態にすることができる。
取付軸42は、フランジ部41(あるいは支持部材40)の下端から下側に向かって延出する雄ネジである。
【0089】
一方、作業台本体100aの天板部110および作業台本体100bの天板部110には、挿入孔113が形成されており、挿入孔113内には図示しない雌ネジが設けられている。したがって、作業者は、支持部材40の取付軸42を挿入孔113に挿入して、支持部材40を軸回りに回転させることにより、取付軸42の雄ネジと挿入孔113の雌ネジとの間で螺合され、支持部材40を天板部110に対して取り付けることができる。一方、作業者は、支持部材40を軸回りの反対方向に回転させることにより、取付軸42の雄ネジと挿入孔113の雌ネジとの間の螺合が外れ、支持部材40を天板部110から取り外すことができる。
【0090】
このように作業台30は、天板部110上に載った作業者が手で掴むための支持部材40が天板部110の作業領域の略中央に位置する。したがって、移動部200が移動することにより作業台本体100a、100bが同期して移動するときに、作業者が支持部材40を手で掴むことにより、作業者が天板部110上でふらつくことを防止あるいは抑制することができる。
また、支持部材40が天板部110の作業領域の略中央に位置することにより、作業者が操作部240を操作するときに、天板部110の端部ではなく略中央寄りに載ることから移動部200が移動したときに作業者が受ける遠心力の影響を抑制することができる。また、作業者が略中央寄りに載ることにより、作業者の荷重を移動部200の車輪231a~231dに対して略均等に分散できることから、移動部200の操作性を向上させることができる。
また、支持部材40は着脱可能であることから、作業者が高所作業をするときに邪魔になる場合には取り外すことにより、容易に高所作業を行うことができる。
【0091】
なお、本実施形態では、支持部材40は雄ネジと雌ネジとによる螺合による着脱方式について説明したが、この場合に限られず、他の機構による着脱方式を用いてもよい。
また、本実施形態では、支持部材40が作業台本体100aと作業台本体100bとの境界あるいは境界に近接して位置する場合について説明したが、作業台が1つの作業台本体100により構成される場合には、支持部材40は作業台本体100の天板部110の略中央に位置させることができる。
【0092】
以上、本発明を上述した実施形態により説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能であり、各実施形態を適宜、組み合せてもよい。
【0093】
上述した実施形態では、移動部200が4つの車輪231a~231dを備えており、車輪231a~231dがそれぞれ車軸の軸線方向を中心に複数の樽状のローラ232を有する、いわゆるメカナムホイールを用いる場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、移動部200は、4つの車輪を備えたり、上側から見て三角形の頂点に配置した3つの車輪を備えたりする、いわゆるオムニホイールを用いてもよい。その他、移動部200は360°任意の方向に移動可能に構成されていればよく、移動部200の構成は限定されない。
【0094】
上述した実施形態では、キャスター181a~181dが2つの車輪183を有する場合について説明したが、この場合に限られず、1つの車輪183のみを有していてもよい。
上述した実施形態では、脚部材131a~131dは伸縮脚133を有する場合について説明したが、この場合に限られず、伸縮脚133を有していなくてもよい。脚部材131a~131dが伸縮脚133を有していない場合には、移動部200は固定部500を介して、主脚132側であって、例えば横架部材137aに固定することができる。
【0095】
上述した実施形態では、連結部材114が上側から見て略へ字状あるいは略V字状である場合について説明したが、この場合に限られず、隣接する作業台本体100の連結部材114が干渉するのを防止できるように曲がっていれば、どのような形状であってもよい。
上述した実施形態では、補助接地部が第1の状態では床面から離れた状態である場合について説明したが、この場合に限られず、床面に接していてもよい。
【0096】
上述した実施形態では、2つの作業台本体100a、100bを連結する場合について説明したが、3つ、4つ、5つまたは6つ以上の作業台本体100a、100bを連結して、1つの移動部200で構成してもよい。また、2つの作業台本体100a、100bが別体である場合に限られず、一体であってもよい。
【0097】
上述した実施形態では、移動部200が操作部240を有する場合について説明したが、移動部200は作業者の音声による指示に応じて、作業台本体100を床面に沿って移動させるようにしてもよい。この場合、移動部200の制御部212は、作業者により、例えば「前進移動」等の発声を受信する。制御部212は指示に応じて車輪231a~231dを前側に回転させるようにモータドライバ217a~217dに対して制御信号を送信することで前進移動させる。一方、制御部212は、作業者により、例えば「停止」等の発声を受信することにより、車輪231a~231dを前側に回転させているモータドライバ217a~217dに対する制御信号を停止することで前進移動を停止させる。
【0098】
上述した実施形態では、操作部240がジョイスティックタイプである場合について説明したが、この場合に限られず、他のタイプのコントローラであってもよい。例えば、操作部240は、押しボタン式のコントローラであってもよく、スマートフォンやタブレットのような携帯型通信装置のタッチパネルによるコントローラであってもよい。
【0099】
なお、本実施形態では作業台本体100と、作業台本体100に作業者を載せた状態のまま、作業者の指示に応じて作業台本体100を床面に沿って移動させる移動部と、を備える場合について説明したが、この場合に限られず、課題等に応じて適宜、変更することが可能である。
【符号の説明】
【0100】
10、20:移動式作業台 100、100a、100b:作業台本体 100Ua、100Ub:本体構成部 110:天板部 110Ua、110Ub:天板構成部 130:脚部 130Ua、130Ub:脚構成部 131a~131d:脚部材 132:主脚 133:伸縮脚 180:走行部 181a~181d:キャスター 200:移動部 210:本体部 230:車輪部 240:操作部 500、600:固定部 40:支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17