(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093550
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】エレベーターシステム、判定装置、及びエレベーター制御方法
(51)【国際特許分類】
B66B 1/06 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
B66B1/06 Z
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210005
(22)【出願日】2022-12-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒川 典昭
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502HB10
3F502HC10
3F502JA92
3F502KA26
3F502KA43
(57)【要約】
【課題】エレベーターの運行効率の低下を抑制しながら昇降路内の飛行体の移動を管理するために有利な技術を提供する。
【解決手段】エレベーターの昇降路内を移動するかごの昇降動作と、昇降路内に進入して飛行する飛行体の飛行動作とを制御する。典型的には、かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求を取得する。飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求を取得する。第一移動許可要求と第二移動許可要求とに基づいて、飛行体の移動及びかごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する。この際、第一移動範囲が第二移動範囲と干渉しない場合にかごの移動及び飛行体の移動を許可する。また、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する場合、かごの移動と飛行体の移動の何れか一方を許可する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内に設置されたエレベーターの昇降路内を移動するかごの昇降動作を制御するエレベーター運転制御部と、
前記昇降路内に進入して飛行する飛行体の飛行動作を制御する飛行体運転制御部と、
前記かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求と、前記飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求とに基づいて、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する移動許否判定部と、を備え、
前記エレベーター運転制御部は、前記移動許否判定部において前記かごの移動が許可された場合に前記かごを前記第一移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記移動許否判定部において前記かごの移動が許可されない場合に前記かごを前記第一移動範囲の現在位置で待機させるように構成され、
前記飛行体運転制御部は、前記移動許否判定部において前記飛行体の移動が許可された場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記移動許否判定部において前記飛行体の移動が許可されない場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の現在位置で待機させるように構成され、
前記移動許否判定部は、前記第一移動範囲が前記第二移動範囲と干渉しない場合に前記かごの移動及び前記飛行体の移動を許可する
ように構成されるエレベーターシステム。
【請求項2】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の現在位置が前記第一移動範囲に包含される場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項3】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含されない場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項4】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第一移動範囲の行先階が前記第二移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項5】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項6】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と同方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含される場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項7】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と同方向であり、且つ前記第一移動範囲の行先階が前記第二移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項8】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と同方向であり、且つ前記第二移動範囲の現在位置が前記第一移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項9】
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合に前記かごの移動を先行して許可するか前記飛行体の移動を先行して許可するかの優先順位を利用者が設定するための設定部を更に備え、
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記優先順位に従い前記かごの移動を先行して許可するか或いは前記飛行体の移動を先行して許可するかを判定するように構成される
請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項10】
前記移動許否判定部は、前記第一移動許可要求及び前記第二移動許可要求を定期的に取得するように構成され、
前記移動許否判定部は、前記第一移動許可要求及び前記第二移動許可要求を取得する毎に、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する
ように構成される請求項1から請求項9の何れか1項に記載のエレベーターシステム。
【請求項11】
前記移動許否判定部は、前記かごの移動を許可する場合に第一移動許可情報を前記エレベーター運転制御部に送信し、前記飛行体の移動を許可する場合に第二移動許可情報を前記飛行体運転制御部に送信するように構成され、
前記エレベーター運転制御部は、前記第一移動許可情報を受信した場合に前記かごを前記第一移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記第一移動許可情報を受信しない場合に前記かごを前記第一移動範囲の現在位置で待機させるように構成され、
前記飛行体運転制御部は、前記第二移動許可情報を受信した場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記第二移動許可情報を受信しない場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の現在位置で待機させるように構成される
請求項1から請求項9の何れか1項に記載のエレベーターシステム。
【請求項12】
建物内に設置されたエレベーターの昇降路内を移動するかごの移動の許否と、前記昇降路内に進入して飛行する飛行体の移動の許否を判定する判定装置であって、
前記かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求を取得する第一取得部と、
前記飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求を取得する第二取得部と、
前記第一取得部によって取得された前記第一移動範囲と前記第二取得部によって取得された前記第二移動範囲とに基づいて、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する移動許否判定部と、を備え、
前記移動許否判定部は、前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉しない場合に、前記かごを前記第一移動範囲の行先階に向けて移動させること、及び前記飛行体を前記第二移動範囲の行先階に向けて移動させることを許可する
ように構成される判定装置。
【請求項13】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の現在位置が前記第一移動範囲に包含される場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項14】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含されない場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項15】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第一移動範囲の行先階が前記第二移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項16】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項17】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と同方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含される場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項18】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と同方向であり、且つ前記第一移動範囲の行先階が前記第二移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項19】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と同方向であり、且つ前記第二移動範囲の現在位置が前記第一移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項20】
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合に前記かごの移動を先行して許可するか前記飛行体の移動を先行して許可するかの優先順位を利用者が設定するための設定部を更に備え、
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記優先順位に従い前記かごの移動を先行して許可するか或いは前記飛行体の移動を先行して許可するかを判定するように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項21】
前記第一取得部は、前記第一移動許可要求を定期的に取得するように構成され、
前記第二取得部は、前記第二移動許可要求を定期的に取得するように構成され、
前記移動許否判定部は、前記第一取得部及び前記第二取得部が前記第一移動許可要求及び第二移動許可要求を取得する毎に、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する
ように構成される請求項12から請求項20の何れか1項に記載の判定装置。
【請求項22】
建物内に設置されたエレベーターの昇降路内を移動するかごの昇降動作と、前記昇降路内に進入して飛行する飛行体の飛行動作とを制御するエレベーター制御方法であって、
前記かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求を取得する第一ステップと、
前記飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求を取得する第二ステップと、
前記第一移動許可要求と前記第二移動許可要求とに基づいて、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する第三ステップと、
前記かごの移動が許可された場合に前記かごを前記第一移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記飛行体の移動が許可された場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の行先階に向けて移動させる第四ステップと、を備え、
前記第三ステップは、前記第一移動範囲が前記第二移動範囲と干渉しない場合に前記かごの移動及び前記飛行体の移動を許可する
ように構成されるエレベーター制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターのかごが昇降する昇降路を利用して飛行体を移動させるエレベーターシステム、判定装置、及びエレベーター制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、荷物を配送する無人航空機をエレベーターのかごに誘導する技術が開示されている。この技術のシステムでは、屋上に設けられた乗場から屋上に停止しているエレベーターのかごに無線通信を用いて無人航空機を誘導する。無人航空機がかご内に着陸すると、かごは荷受人が荷物を受け取る目的階に移動される。
に警告を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、無人航空機はかご内に着陸して目的階まで移動するため、無人飛行機の移動中はかご内にエレベーター利用者が同乗できない。このように、特許文献1の技術では、無人航空機がかごを占有している間、エレベーター利用者を待たせることとなり、エレベーター利用者の運行効率が低下するという課題がある。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、エレベーターの運行効率の低下を抑制しながら昇降路内の飛行体の移動を管理するために有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のエレベーターシステムは、建物内に設置されたエレベーターの昇降路内を移動するかごの昇降動作を制御するエレベーター運転制御部と、昇降路内に進入して飛行する飛行体の飛行動作を制御する飛行体運転制御部と、かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求と、飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求とに基づいて、飛行体の移動及びかごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する移動許否判定部と、を備える。エレベーター運転制御部は、移動許否判定部においてかごの移動が許可された場合にかごを第一移動範囲の行先階に向けて移動させ、移動許否判定部においてかごの移動が許可されない場合にかごを第一移動範囲の現在位置で待機させるように構成される。飛行体運転制御部は、移動許否判定部において飛行体の移動が許可された場合に飛行体を第二移動範囲の行先階に向けて移動させ、移動許否判定部において飛行体の移動が許可されない場合に飛行体を第二移動範囲の現在位置で待機させるように構成される。移動許否判定部は、第一移動範囲が第二移動範囲と干渉しない場合にかごの移動及び飛行体の移動を許可するように構成される。
【0007】
また、本開示の判定装置は、建物内に設置されたエレベーターの昇降路内を移動するかごの移動の許否と、昇降路内に進入して飛行する飛行体の移動の許否を判定する判定装置であって、かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求を取得する第一取得部と、飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求を取得する第二取得部と、第一取得部によって取得された第一移動範囲と第二取得部によって取得された第二移動範囲とに基づいて、飛行体の移動及びかごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する移動許否判定部と、を備える。移動許否判定部は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉しない場合に、かごを第一移動範囲の行先階に向けて移動させること、及び飛行体を第二移動範囲の行先階に向けて移動させることを許可するように構成される。
【0008】
更に、本開示のエレベーター制御方法は、建物内に設置されたエレベーターの昇降路内を移動するかごの昇降動作と、昇降路内に進入して飛行する飛行体の飛行動作とを制御するエレベーター制御方法であって、かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求を取得する第一ステップと、飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求を取得する第二ステップと、第一移動許可要求と第二移動許可要求とに基づいて、飛行体の移動及びかごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する第三ステップと、かごの移動が許可された場合にかごを第一移動範囲の行先階に向けて移動させ、飛行体の移動が許可された場合に飛行体を第二移動範囲の行先階に向けて移動させる第四ステップと、を備える。第三ステップは、第一移動範囲が第二移動範囲と干渉しない場合にかごの移動及び飛行体の移動を許可するように構成される。
【発明の効果】
【0009】
本開示の技術によれば、エレベーターの運行効率の低下を抑制しながら昇降路内の飛行体の移動を管理するために有利な技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態のエレベーターシステムの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施の形態に係るエレベーターシステムの制御構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図3】判定部の移動許否判定部において実行される処理のルーチンを示すフローチャートである。
【
図4】エレベーター装置のエレベーター運転制御部において実行される処理のルーチンを示すフローチャートである。
【
図5】飛行体制御装置の飛行体運転制御部において実行される処理のルーチンを示すフローチャートである。
【
図6】移動許否判定処理の第一実施例について説明するための図である。
【
図7】移動許否判定処理の第二実施例について説明するための図である。
【
図8】移動許否判定処理の第三実施例について説明するための図である。
【
図9】エレベーター制御装置のハードウェア資源の例を示す図である。
【
図10】エレベーター制御装置のハードウェア資源の他の例を示す図である。
【
図11】変形例のエレベーター装置における移動許否判定処理の実施例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
実施の形態.
1.エレベーターシステムの構成
図1は、本実施の形態のエレベーターシステムの構成の一例を示す図である。エレベーターシステムは、エレベーターの昇降路内において、かごの移動と無人の飛行体の移動との連携を行うシステムである。エレベーターシステム100は、エレベーター装置10と、飛行体装置20と、を備えている。
【0013】
エレベーター装置10は、かご12と、巻上機14と、主ロープ16と、エレベーター制御装置18と、図示しない釣合い錘と、を備えている。巻上機14は、モーターと、シーブと、を備えている。巻上機14のモーターは、駆動力を発生させる装置である。巻上機14のシーブは、モーターが発生させた駆動力によって回転する装置である。主ロープ16は、巻上機14のシーブに巻きかけられる。主ロープ16は、巻上機14のシーブの回転に追従して移動する部材である。主ロープ16の一端は、例えばかご12に設けられる。主ロープ16の他端は、例えば釣合い錘に設けられる。かご12は、主ロープ16の移動に追従して昇降路3の内部を鉛直方向に走行することで、建築物の複数の階床の間で利用者などを輸送する装置である。
【0014】
エレベーター制御装置18は、巻上機14を制御する。即ち、かご12の移動は、エレベーター制御装置18によって制御される。エレベーター制御装置18は、例えばエレベーター装置10の機械室に設置される。典型的には、エレベーター制御装置18は、利用者によって登録される呼びを受け付ける。エレベーター制御装置18は、登録された呼びに応じて、かご12を行先階へ移動させるための動作信号を巻上機14に出力する。
【0015】
飛行体装置20は、飛行体22と、飛行体制御装置24と、を備えている。飛行体装置20は、例えば飛行体制御装置24からの指示に従い飛行体22の姿勢及び位置を把握しながら無人で飛行することができる。飛行体装置20は、上下方向の移動、水平方向の移動、ヨー方向の移動、及びこれらの組み合わせによって飛行する。飛行体装置20は、一般的にドローンとも呼ばれる。例えば、飛行体装置20は、飛行体制御装置24から指示された行先階に向かって昇降路3内を自律飛行するように飛行体22の位置及び姿勢を制御する。
【0016】
なお、飛行体22が昇降路3内に進入及び退出する出入口の構成、及び出入口の開閉制御に限定はない。また、飛行体装置20の構成及び飛行制御にも限定はない。すなわち、飛行体の構成及びその飛行制御は、既に多くの文献において提案されている。ここでは、無人の飛行体における周知の構成及び周知の飛行制御を採用することができる。飛行体制御装置24は、例えばエレベーター装置10の機械室に設置される。或いは、飛行体制御装置24は、遠隔地のクラウドサーバに設置されててもよいし、飛行体22内に内蔵されていてもよい。飛行体制御装置24は、エレベーター制御装置18との間で通信可能に構成されている。
【0017】
2.エレベーターシステムの機能構成
図2は、本実施の形態に係るエレベーターシステムの制御構成を説明するための機能ブロック図である。本実施の形態に係るエレベーターシステム100は、エレベーター制御装置18と、飛行体制御装置24と、を備える。エレベーター制御装置18は、機能ブロックとしてのエレベーター運転制御部121と、判定部30と、を備えている。判定部30は、エレベーター制御装置18によるかご12の移動の許否の判定及び飛行体制御装置24による飛行体の移動の許否の判定を行うための判定装置としての機能ブロックである。判定部30は、第一取得部32と、第二取得部34と、移動許否判定部36と、を備える。
【0018】
第一取得部32は、エレベーター運転制御部121から第一移動許可要求を取得するための機能ブロックである。第一移動許可要求は、かご12の昇降路3内の昇降動作の許可を求める要求であって、かご12の現在位置、行先階、及び行先階までの移動に要する移動時間を含む。
【0019】
第二取得部34は、飛行体運転制御部241から第二移動許可要求を取得するための機能ブロックである。第二移動許可要求は、飛行体装置20の昇降路3内の昇降動作の許可を求める要求であって、飛行体22の現在位置、行先階、及び行先階までの移動に要する移動時間を含む。
【0020】
移動許否判定部36は、取得した第一移動許可要求及び第二移動許可要求に基づいて、昇降路3内のかご12の移動の許否及び昇降路3内の飛行体22の移動の許否を判定するための機能ブロックである。
図3は、判定部30の移動許否判定部36において実行される処理のルーチンを示すフローチャートである。
図3に示すルーチンは、判定部30が第一移動許可要求又は第二移動許可要求を取得した場合に実行される。なお、
図3に示すルーチンの処理は、エレベーター制御方法の一部を表してもいる。
【0021】
ステップS100において、移動許否判定部36は、昇降路3内においてかご12と飛行体22とが干渉しないように、かご12及び飛行体22の移動許否をそれぞれ判定する。この処理は、以下、「移動許否判定処理」と呼ばれる。移動許否判定部36における移動許否判定処理の具体例については説明を後述する。移動許否判定処理が実行されると、処理はステップS102に進む。
【0022】
ステップS102では、移動許否判定部36は、ステップS100の移動許否判定処理においてかご12の移動が許可されたかどうかを判定する。その結果、かご12の移動が許可された場合、処理はステップS104に進み、かご12の移動が許可されない場合、処理はステップS106に進む。
【0023】
ステップS104では、移動許否判定部36は、かご12の行先階への移動を許可することを示す第一移動許可情報を生成し、エレベーター運転制御部121に送信する。ステップS104の処理が実行されると、処理はステップS106に進む。
【0024】
ステップS106では、移動許否判定部36は、移動許否判定処理において飛行体装置20の飛行体22の移動が許可されたかどうかを判定する。その結果、飛行体22の移動が許可された場合、処理はステップS108に進み、飛行体22の移動が許可されない場合、処理はステップS110に進む。
【0025】
ステップS108では、移動許否判定部36は、飛行体22の行先階への移動を許可することを示す第二移動許可情報を生成し、飛行体運転制御部241に送信する。ステップS108の処理が実行されると、処理はステップS110に進む。
【0026】
ステップS110では、かご12又は飛行体装置20の移動が完了したかどうかを判定する。ここでは、かご12の現在位置が行先階に到達した場合に、かご12の移動が完了したと判定する。或いは、飛行体装置20の現在位置が行先階に到達した場合に、飛行体装置20の移動が完了したと判定する。ステップS110の判定が実行されると、処理はステップS112に進む。ステップS112では、移動許否判定部36は、移動が完了した対象の移動許可要求を削除する。
【0027】
エレベーター運転制御部121は、エレベーター装置10のかご12の昇降動作を制御するための機能ブロックである。
図4は、エレベーター装置10のエレベーター運転制御部121において実行される処理のルーチンを示すフローチャートである。エレベーター運転制御部121は、
図4に示す処理を定期的に実行することにより、かご12の昇降動作を制御する。なお、
図4に示すルーチンの処理は、エレベーター制御方法の一部を表してもいる。
【0028】
ステップS10において、エレベーター運転制御部121は、エレベーター装置10のかご12の呼び登録を受信する。呼び登録は、かご12の現在位置及び行先階を含む。呼び登録は、例えば、エレベーター利用者によって各階床の乗場に設置された乗り場操作盤から入力される。或いは、呼び登録は、エレベーター利用者によってかご12内のかご操作盤から入力される。ステップS10の処理が実行されると、処理はステップS12に進む。
【0029】
ステップS12において、エレベーター運転制御部121は、受信した呼び登録に基づいてかご12を移動させることを求める第一移動許可要求を生成し、判定部30へ送信する。ステップS12の処理が実行されると、処理はステップS14に進む。
【0030】
ステップS14において、エレベーター運転制御部121は、第一移動許可情報を受信したかどうかを判定する。この判定処理は、第一移動許可情報を受信するまで繰り返し実行される。ステップS14において第一移動許可情報を受信した場合、処理はステップS16に進む。ステップS16において、エレベーター運転制御部121は、呼び登録に基づいて、かご12を出発階から行先階へと移動させるための動作信号を生成し、巻上機14へ送信する。これにより、巻上機14は、受信した動作信号に基づいて、かご12を昇降させる。
【0031】
飛行体制御装置24は、飛行体装置20を制御するための機能ブロックとしての飛行体運転制御部241を備えている。
図5は、飛行体制御装置24の飛行体運転制御部241において実行される処理のルーチンを示すフローチャートである。飛行体運転制御部241は、
図5に示す処理を定期的に実行することにより、飛行体22の飛行動作を制御する。なお、
図4に示すルーチンの処理は、エレベーター制御方法の一部を表してもいる。
【0032】
ステップS20において、飛行体運転制御部241は、飛行体装置20の飛行要求を受信する。飛行要求は、飛行体22の現在位置及び行先階を含む。飛行要求は、例えば、その目的に応じて飛行体利用者が所持する端末装置から入力される。ステップS20の処理が実行されると、処理はステップS22に進む。
【0033】
ステップS22において、飛行体運転制御部241は、受信した飛行要求に基づいて、飛行体22を現在位置から行先階へと移動させる第二移動許可要求を生成し、判定部30へ送信する。ステップS22の処理が実行されると、処理はステップS24に進む。
【0034】
ステップS24において、飛行体運転制御部241は、第二移動許可情報を受信したかどうかを判定する。この判定処理は、第二移動許可情報を受信するまで繰り返し実行される。ステップS24において第二移動許可情報を受信した場合、処理はステップS26に進む。
【0035】
ステップS26において、飛行体運転制御部241は、飛行体22を飛行要求に従い飛行させるための動作信号を生成し、飛行体22へ無線送信する。これにより、飛行体22は、受信した動作信号に基づいて、飛行体22の各種アクチュエータを駆動する。
【0036】
3.移動許否判定処理の具体例
次に、移動許否判定部36において実行される移動許否判定処理の具体例について説明する。移動許否判定処理では、移動許否判定部36は、第一取得部32が取得した第一移動許可要求に基づいて、かご12の現在位置から行先階までの移動範囲である第一移動範囲と、その移動方向を特定する。また、移動許否判定部36は、第二取得部34が取得した第二移動許可要求に基づいて、飛行体22の現在位置から行先階までの移動範囲である第二移動範囲と、その移動方向を特定する。昇降路3内におけるかご12及び飛行体22の移動形態は、第一移動範囲と第二移動範囲とこれらの移動方向に応じて幾つかのパターンに分類することができる。移動許否判定部36は、これらのパターンごとに定められた判定基準に従い、かご12及び飛行体22の移動許否を判定する。以下、これらのパターンにおける移動許否判定処理の判定基準について説明する。
【0037】
3-1.移動許否判定処理の第一実施例
図6は、移動許否判定処理の第一実施例について説明するための図である。移動許否判定処理の第一実施例は、第一移動範囲と第二移動範囲とが昇降路3内において干渉していない4つのパターンの例示である。具体的には、図中パターン1-Aは、かご12が上昇方向であり飛行体22が下降方向であるパターンの例示である。図中パターン1-Bは、かご12が下降方向であり飛行体22が上昇方向であるパターンの例示である。図中パターン1-Cは、かご12及び飛行体22が共に上昇方向であるパターンの例示である。図中パターン1-Dは、かご12及び飛行体22が共に下降方向であるパターンの例示である。なお、これらのパターンの例においては、かご12が飛行体22よりも上方の階床に位置するパターンを図示しているが、飛行体22がかご12よりも上方の階床に位置するパターンでも同様である。
【0038】
第一実施例の状況では、共通の昇降路3内においてかご12と飛行体22とを同時期に移動させたとしても、これらの移動が互いに妨げられることはない。そこで、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲が干渉しない場合、第一移動許可情報及び第二移動許可情報の両方を生成する。このような移動許否判定処理によれば、かご12と飛行体22とを同時に移動させることができるので、エレベーター装置10の運行効率の低下を抑えながら昇降路3を利用した飛行体装置20の移動を実現することができる。
【0039】
なお、判定部30において第一取得部32が第一移動許可要求を取得し、第二取得部34が第二移動許可要求を取得していない場合、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉していないといえる。そこで、この場合、移動許否判定部36は第一移動許可情報のみを生成して送信すればよい。同様に、判定部30において第二取得部34が第二移動許可要求を取得し、第一取得部32が第一移動許可要求を取得していない場合、第二移動範囲と第一移動範囲とが干渉していないといえる。そこで、この場合、移動許否判定部36は第二移動許可情報のみを生成して送信すればよい。
【0040】
3-2.移動許否判定処理の第二実施例
図7は、移動許否判定処理の第二実施例について説明するための図である。移動許否判定処理の第二実施例は、かご12の移動方向と飛行体22の移動方向とが逆方向であり、且つ第一移動範囲と第二移動範囲とが昇降路3内において干渉する4つのパターンの例示である。図中パターン2-Aは、飛行体22の現在位置が第一移動範囲に含まれ、飛行体22の行先階が第一移動範囲に含まれていないパターンの例示である。図中パターン2-Bは、飛行体22の現在位置及び行先階が共に第一移動範囲に含まれるパターンの例示である。図中パターン2-Cは、飛行体22の現在位置が第一移動範囲に含まれず、飛行体22の行先階が第一移動範囲に含まれるパターンの例示である。図中パターン2-Dは、飛行体22の現在位置及び行先階が共に第一移動範囲に含まれていないパターンの例示である。なお、これらのパターン例においては、かご12の移動方向が上昇方向であり飛行体22の移動方向が下降方向であるパターンを図示しているが、かご12の移動方向が下降方向であり飛行体22の移動方向が上昇方向であるパターンでも同様である。
【0041】
第二実施例の状況では、第一移動範囲と第二移動範囲とが昇降路3内において干渉しているため、かご12と飛行体22とを終始同時に移動させることができない。そこで、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉している間は、第一移動許可情報及び第二移動許可情報の何れか一方のみを生成する。これにより、かご12及び飛行体22の何れか一方の昇降路3内の移動が許可される。
【0042】
その後、第一移動範囲と第二移動範囲との干渉が解消された場合、移動許否判定部36は、取得した移動許可要求に対して移動許可情報を生成する。例えば、第一移動範囲と第二移動範囲との干渉が解消された場合において、第一移動許可要求及び第二移動許可要求の双方を取得している場合、移動許否判定部36は、第一移動許可情報及び第二移動許可情報の双方を生成する。或いは、第一移動許可要求のみを取得している場合、移動許否判定部36は、第一移動許可情報のみを生成する。或いは、第二移動許可要求のみを取得している場合、移動許否判定部36は、第二移動許可情報のみを生成する。このような移動許否判定処理によれば、エレベーター装置10の運行効率の低下を抑えながら昇降路3を利用した飛行体装置20の移動を実現することができる。
【0043】
なお、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する場合において、かご12及び飛行体22のうちの何れの移動を許可するかは、例えば上記パターンの特性に応じて以下のように判断してもよい。
【0044】
3-2-1.パターン2-A
図中のパターン2-Aでは、飛行体22の行先階がかご12の現在位置よりも下方に位置するため、飛行体22はかご12の移動に先行して行先階へ移動することができない。そこで、図中のパターン2-Aでは、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間において第一移動許可情報のみを生成する。これにより、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間はかご12の移動が先行して許可される。かご12が飛行体22の現在位置を通過すると、第一移動範囲と第二移動範囲が干渉しない
図6中のパターン1-Aとなる。そこで、移動許否判定部36は、かご12が飛行体22の現在位置を通過したことを受けて第一移動許可情報と第二移動許可情報の両方を生成する。これにより、かご12の移動に加えて飛行体22の移動が開始される。このような移動許否判定処理によれば、かご12の移動と飛行体22の移動が干渉する間はかご12のみを移動させ、かご12の移動と飛行体22の移動が干渉しない状態に移行した後はかご12と飛行体22とを同時に移動させることができる。これにより、エレベーター装置10の運行効率の低下を抑えながら昇降路3を利用した飛行体装置20の移動を実現することができる。
【0045】
3-2-2.パターン2-B
図中のパターン2-Bでは、かご12及び飛行体22の何れを先行して移動させても双方をそれぞれの行先階に移動させることができる。そこで、図中のパターン2-Bでは、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間において、例えば第一移動許可情報のみを生成する。これにより、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間はかご12の移動が先行して許可される。かご12が飛行体22の現在位置を通過すると、第一移動範囲と第二移動範囲が干渉しない
図6中のパターン1-Aとなる。そこで、移動許否判定部36は、かご12が飛行体22の現在位置を通過したことを受けて第一移動許可情報と第二移動許可情報の両方を生成する。これにより、かご12の移動に加えて飛行体22の移動が開始される。このような移動許否判定処理によれば、かご12の移動と飛行体22の移動が干渉する間はかご12のみを移動させ、かご12の移動と飛行体22の移動が干渉しない状態に移行した後はかご12と飛行体22とを同時に移動させることができる。これにより、エレベーター装置10の運行効率の低下を抑えながら昇降路3を利用した飛行体装置20の移動を実現することができる。
【0046】
或いは、図中のパターン2-Bでは、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間において、第二移動許可情報のみを生成してもよい。これにより、例えば昇降路3を利用した飛行体装置20の移動を優先させたい状況において、かごの移動に先行して飛行体装置20の移動を行うことができる。
【0047】
3-2-3.パターン2-C
図中のパターン2-Cでは、かご12の行先階が飛行体22の第二移動範囲に位置するため、かご12が先行して行先階へ移動すると、飛行体22は現在位置から行先階へ移動することができない。そこで、図中のパターン2-Cでは、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間において第二移動許可情報のみを生成する。これにより、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間は飛行体22の移動が先行して許可される。そして、移動許否判定部36は、飛行体22が行先階において昇降路3から退出したことを受けて第一移動許可情報を生成する。これにより、かご12の移動が開始される。このような移動許否判定処理によれば、飛行体22の移動を先に完了させて、その後にかご12を移動させることができる。これにより、エレベーター装置10の運行と昇降路3を利用した飛行体装置20の移動の双方を実現することができる。
【0048】
3-2-4.パターン2-D
図中のパターン2-Dでは、かご12の行先階及び到着階が飛行体22の第二移動範囲に位置するため、かご12の移動前後に係わらず、飛行体22は行先階へ移動することができない。そこで、図中のパターン2-Dでは、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間において第一移動許可情報のみを生成する。これにより、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間はかご12の移動が許可される。そして、移動許否判定部36は、新たな第一移動要求を受信するまで、飛行体22を現在位置で待機させる。これにより、少なくともエレベーター装置10の運行効率を低下させることなく飛行体22の移動の機会を待つことができる。
【0049】
3-3.移動許否判定処理の第三実施例
図8は、移動許否判定処理の第三実施例について説明するための図である。移動許否判定処理の第三実施例は、かご12の移動方向と飛行体22の移動方向とが同方向であり、且つ第一移動範囲と第二移動範囲とが昇降路3内において干渉する4つのパターンの例示である。図中パターン3-Aは、飛行体22の行先階が第一移動範囲に含まれ、飛行体22の現在位置が第一移動範囲に含まれていないパターンの例示である。図中パターン3-Bは、飛行体22の現在位置及び行先階が共に第一移動範囲に含まれるパターンの例示である。図中パターン3-Cは、飛行体22の現在位置が第一移動範囲に含まれ、飛行体22の行先階が第一移動範囲に含まれないパターンの例示である。図中パターン3-Dは、飛行体22の現在位置及び行先階が共に第一移動範囲に含まれていないパターンの例示である。なお、これらのパターン例においては、かご12及び飛行体22の移動方向が共に上昇方向であるパターンを図示しているが、かご12及び飛行体22の移動方向が共に下降方向であるパターンでも同様である。
【0050】
第三実施例の状況では、第一移動範囲と第二移動範囲とが昇降路3内において干渉しているため、かご12と飛行体22とを終始同時に移動させることができない。そこで、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉している間は、第一移動許可情報及び第二移動許可情報の何れか一方のみを生成する。かご12及び飛行体22のうちの何れの移動を許可するかは、例えば第一移動範囲とその移動時間、及び第二移動範囲とその移動時間に応じて判断してもよい。これにより、かご12及び飛行体22の何れか一方の昇降路3内の移動が許可される。
【0051】
その後、第一移動範囲と第二移動範囲との干渉が解消された場合、移動許否判定部36は、取得した移動許可要求に対して移動許可情報を生成する。例えば、第一移動範囲と第二移動範囲との干渉が解消された場合において、第一移動許可要求及び第二移動許可要求の双方を取得している場合、移動許否判定部36は、第一移動許可情報及び第二移動許可情報の双方を生成する。或いは、第一移動許可要求のみを取得している場合、移動許否判定部36は、第一移動許可情報のみを生成する。或いは、第二移動許可要求のみを取得している場合、移動許否判定部36は、第二移動許可情報のみを生成する。このような移動許否判定処理によれば、エレベーター装置10の運行効率の低下を抑えながら昇降路3を利用した飛行体装置20の移動を実現することができる。
【0052】
なお、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する場合において、かご12及び飛行体22のうちの何れの移動を許可するかは、例えば上記パターンの特性に応じて以下のように判断してもよい。
【0053】
3-3-1.パターン3-A
図中のパターン3-Aでは、飛行体22の行先階がかご12の現在位置よりも上方に位置するため、飛行体22はかご12の移動に先行して行先階へ移動することができない。そこで、図中のパターン3-Aでは、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間において第一移動許可情報のみを生成する。これにより、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間はかご12の移動が先行して許可される。かご12が飛行体22の行先階を通過すると、第一移動範囲と第二移動範囲が干渉しない
図6中のパターン1-Cとなる。そこで、移動許否判定部36は、かご12が飛行体22の行先階を通過したことを受けて第一移動許可情報と第二移動許可情報の両方を生成する。これにより、かご12の移動に加えて飛行体22の移動が開始される。このような移動許否判定処理によれば、かご12の移動と飛行体22の移動が干渉する間はかご12のみを移動させ、かご12の移動と飛行体22の移動が干渉しない状態に移行した後はかご12と飛行体22とを同時に移動させることができる。これにより、エレベーター装置10の運行効率の低下を抑えながら昇降路3を利用した飛行体装置20の移動を実現することができる。
【0054】
3-3-2.パターン3-B
図中のパターン3-Bでは、かご12及び飛行体22の何れを先行して移動させても双方をそれぞれの行先階に移動させることができる。そこで、図中のパターン3-Bでは、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間において、例えば第一移動許可情報のみを生成する。これにより、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間はかご12の移動が先行して許可される。かご12が飛行体22の行先階を通過すると、第一移動範囲と第二移動範囲が干渉しない
図6中のパターン1-Cとなる。そこで、移動許否判定部36は、かご12が飛行体22の現在位置を通過したことを受けて第一移動許可情報と第二移動許可情報の両方を生成する。これにより、かご12の移動に加えて飛行体22の移動が開始される。このような移動許否判定処理によれば、かご12の移動と飛行体22の移動が干渉する間はかご12のみを移動させ、かご12の移動と飛行体22の移動が干渉しない状態に移行した後はかご12と飛行体22とを同時に移動させることができる。これにより、エレベーター装置10の運行効率の低下を抑えながら昇降路3を利用した飛行体装置20の移動を実現することができる。
【0055】
或いは、図中のパターン3-Bでは、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間において、第二移動許可情報のみを生成してもよい。これにより、例えば昇降路3を利用した飛行体装置20の移動を優先させたい状況において、かごの移動に先立って飛行体装置20の移動を行うことことができる。
【0056】
3-2-3.パターン3-C
図中のパターン3-Cでは、かご12の行先階が飛行体22の第二移動範囲に位置するため、かご12が先行して行先階へ移動すると、飛行体22は現在位置から行先階へ移動することができない。そこで、図中のパターン3-Cでは、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間において第二移動許可情報のみを生成する。これにより、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間は飛行体22の移動が先行して許可される。そして、移動許否判定部36は、飛行体22がかご12の行先階を通過したことを受けて第一移動許可情報と第二移動許可情報の両方を生成する。これにより、飛行体22の移動に加えてかご12の移動が開始される。このような移動許否判定処理によれば、かご12の移動と飛行体22の移動が干渉する間は飛行体22のみを移動させ、かご12の移動と飛行体22の移動が干渉しない状態に移行した後はかご12と飛行体22とを同時に移動させることができる。これにより、エレベーター装置10の運行効率の低下を抑えながら昇降路3を利用した飛行体装置20の移動を実現することができる。
【0057】
3-3-4.パターン3-D
図中のパターン3-Dでは、かご12の行先階及び到着階が飛行体22の第二移動範囲に位置するため、かご12の移動前後に係わらず、飛行体22は現在位置から行先階へ移動することができない。そこで、図中のパターン3-Dでは、移動許否判定部36は、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間において第一移動許可情報のみを生成する。これにより、第一移動範囲と第二移動範囲とが干渉する間はかご12の移動が許可される。そして、移動許否判定部36は、新たな第一移動要求を受信するまで、飛行体22を現在位置で待機させる。これにより、少なくともエレベーター装置10の運行効率を低下させることなく飛行体22の移動の機会を待つことができる。
【0058】
4.エレベーターシステムの変形例
本実施の形態に係るエレベーターシステム100は、以下のように変形した態様を適用してもよい。
【0059】
4-1.判定部30の機能配置
エレベーター制御装置18及び飛行体制御装置24の機能配置に限定はない。すなわち、エレベーター制御装置18及び飛行体制御装置24の機能の全部または一部は、遠隔地のクラウドサーバ内に配置されていてもよい。また、判定部30の機能は、エレベーター制御装置18に配置されている例に限らず、例えば飛行体制御装置24内に配置されていてもよいし、遠隔地のクラウドサーバ内に配置されていてもよい。エレベーター制御装置18及び飛行体制御装置24の機能、或いは判定部30の機能がクラウドサーバに配置されている場合、クラウドサーバは、インターネット等の通信ネットワークを介してデータの送受信を行う。
【0060】
4-2.エレベーター制御装置18のハードウェア資源
図9は、エレベーター制御装置18のハードウェア資源の例を示す図である。エレベーター制御装置18は、ハードウェア資源として、プロセッサ181とメモリ182とを含む処理回路183を備える。処理回路183に複数のプロセッサ181が含まれても良い。処理回路183に複数のメモリ182が含まれても良い。
【0061】
本実施の形態において、エレベーター制御装置18が備える機能は、プログラムとして記述されたソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現できる。当該プログラムは、メモリ182に記憶される。エレベーター制御装置18は、メモリ182に記憶されたプログラムをプロセッサ181(コンピュータ)によって実行することにより、各機能を実現する。
【0062】
プロセッサ181は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、或いはDSPともいわれる。メモリ182として、半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、或いはDVDを採用しても良い。採用可能な半導体メモリには、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、及びEEPROM等が含まれる。
【0063】
図10は、エレベーター制御装置18のハードウェア資源の他の例を示す図である。
図10に示す例では、エレベーター制御装置18は、プロセッサ181、メモリ182、及び専用ハードウェア184を含む処理回路183を備える。
図10は、エレベーター制御装置18が有する機能の一部を専用ハードウェア184によって実現する例を示す。エレベーター制御装置18が有する機能の全部を専用ハードウェア184によって実現しても良い。専用ハードウェア184として、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらの組み合わせを採用できる。
【0064】
なお、飛行体制御装置24のハードウェア資源についても、上記同様のプロセッサとメモリとを含む処理回路を備える。そして、飛行体制御装置24は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサ(コンピュータ)によって実行することにより、各機能を実現する。
【0065】
また、エレベーター制御装置18、飛行体制御装置24、及び判定部30の機能の全部または一部がクラウドサーバに配置される場合、クラウドサーバのハードウェア資源についても、上記同様のプロセッサとメモリとを含む処理回路を備える。そして、クラウドサーバは、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサ(コンピュータ)によって実行することにより、各機能を実現する。
【0066】
4-3.第一移動範囲
昇降路3内においてロープ類或いは制御ケーブル類が飛行体22の飛行の妨げになることも考えられる。そこで、移動許否判定部36は、昇降路3内において飛行体22の飛行の妨げになる部品が存在する範囲は第一移動範囲とみなして移動許否判定処理を実行してもよい。このような制御によれば、昇降路3内において飛行体22がこれらの部品に接触することを防ぐことができる。
【0067】
4-4.呼び登録の追加、変更、更新
エレベーター運転制御部121は、新たな呼び登録を受信した場合、
図4に示すルーチンを再度実行して新たな第一移動許可要求を判定部30に送信することとしてもよい。このような制御によれば、呼び登録の追加、変更、更新に対応した移動許否判定処理を実行することができる。
【0068】
4-5.飛行体22の数量
飛行体制御装置24によって制御される飛行体22の数量に限定はない。すなわち、飛行体制御装置24が複数の飛行体22を制御する場合、飛行体制御装置24は、複数の飛行体22のそれぞれに対応する第二移動許可要求を生成すればよい。
【0069】
4-6.単一の昇降路内に複数のかごを並列に備えるエレベーター装置
エレベーター装置10が単一の昇降路3内に複数のかご12を並列に備える場合、移動許否判定部36は、昇降路3内において飛行体22を横移動させることも選択肢に入れて複数のかご12と飛行体22とが干渉しないように、複数のかご12及び飛行体22の移動許否をそれぞれ判定することとしてもよい。
【0070】
図11は、変形例のエレベーター装置における移動許否判定処理の実施例について説明するための図である。変形例のエレベーター装置10は、単一の昇降路3内に第一かご12aと第二かご12bとを並列に備える。以下の説明では、第一かご12aが昇降する昇降路3の側を「第一昇降路3a」と表記し、第二かご12bが昇降する昇降路3の側を「第二昇降路3b」と表記する。第一昇降路3aと第二昇降路3bとは区画されていないため、飛行体22は、第一昇降路3aと第二昇降路3bとの間を自由に横移動可能である。
【0071】
図11の変形例では、第一かご12aの移動方向が上昇方向であり、第二かご12b及び飛行体22の移動方向が下降方向である。また、飛行体22の現在位置が第一かご12aの第一移動範囲に含まれ、飛行体22の行先階が第二かご12bの第一移動範囲に含まれている。さらに、第一かご12aの現在位置と第二かご12bの現在位置との間には、飛行体22が移動方向可能な空間がある。
【0072】
図11の変形例の状況では、共通の昇降路3内において第一かご12aと第二かご12bと飛行体22とを同時期に移動させたとしても、第一かご12aと第二かご12bとの間で飛行体22を横移動させることとすれば、これらの移動が互いに干渉することはない。そこで、移動許否判定部36は、第一昇降路3aにおける第一かご12aの移動を許可する第一移動許可情報と、第二昇降路3bにおける第二かご12bの移動を許可する第一移動許可情報と、を生成する。また、移動許否判定部36は、第一かご12aの第一移動範囲と飛行体22の第二移動範囲とが干渉する間は、第二昇降路3bにおける飛行体22の移動を許可する第二移動許可情報を生成し、飛行体22が第一かご12aを通過したら第一昇降路3aにおける飛行体22の移動を許可する第二移動許可情報を生成する。これにより、飛行体22は、移動する第一かご12a及び第二かご12bとの干渉を避けながら移動することができるので、エレベーター装置10の運行効率の低下を抑えながら昇降路3を利用した飛行体装置20の移動を実現することができる。
【0073】
4-7.飛行体運転制御部
かご12の現在位置が飛行体22の第二移動範囲に含まれる場合、飛行体22は現在位置から行先階まで移動することができない。このような状況では、飛行体運転制御部241は、第二移動要求を生成して判定部30に送信した後、かご12が第二移動範囲外に移動するまで第二移動許可情報を受信できず、飛行体22の待機時間が長期化することも考えられる。そこで、飛行体運転制御部241は、第二移動要求を判定部30に送信した後、第二移動許可情報を受信することなく予め定められた待機時間を経過した場合、昇降路3内の移動を断念して建物の階段、エスカレータ、野外空間等を利用して行先階へ移動するように、飛行体22の運転を制御してもよい。
【0074】
4-8.優先順位の設定
エレベーターシステム100は、かご12の移動と飛行体22の移動とが干渉する場合に、優先して移動させる優先順位を利用者が予め設定する設定部の機能を備えていてもよい。設定部の機能は、例えば判定部30に配置することができる。この場合、移動許否判定部36は、かご12の第一移動範囲と飛行体22の第二移動範囲とが干渉する間は、設定された優先順位に従い、第一移動範囲情報又は第二移動範囲情報を生成する。このような構成によれば、かご12の移動及び飛行体22の移動の優先順位について、利用者の希望を反映することができる。
【0075】
5.その他
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、本開示は上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0076】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0077】
(付記1)
建物内に設置されたエレベーターの昇降路内を移動するかごの昇降動作を制御するエレベーター運転制御部と、
前記昇降路内に進入して飛行する飛行体の飛行動作を制御する飛行体運転制御部と、
前記かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求と、前記飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求とに基づいて、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する移動許否判定部と、を備え、
前記エレベーター運転制御部は、前記移動許否判定部において前記かごの移動が許可された場合に前記かごを前記第一移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記移動許否判定部において前記かごの移動が許可されない場合に前記かごを前記第一移動範囲の現在位置で待機させるように構成され、
前記飛行体運転制御部は、前記移動許否判定部において前記飛行体の移動が許可された場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記移動許否判定部において前記飛行体の移動が許可されない場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の現在位置で待機させるように構成され、
前記移動許否判定部は、前記第一移動範囲が前記第二移動範囲と干渉しない場合に前記かごの移動及び前記飛行体の移動を許可する
ように構成されるエレベーターシステム。
(付記2)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の現在位置が前記第一移動範囲に包含される場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記3)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含されない場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記4)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第一移動範囲の行先階が前記第二移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記5)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記6)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と同方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含される場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記7)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と同方向であり、且つ前記第一移動範囲の行先階が前記第二移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記8)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と同方向であり、且つ前記第二移動範囲の現在位置が前記第一移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記9)
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合に前記かごの移動を先行して許可するか前記飛行体の移動を先行して許可するかの優先順位を利用者が設定するための設定部を更に備え、
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記優先順位に従い前記かごの移動を先行して許可するか或いは前記飛行体の移動を先行して許可するかを判定するように構成される
付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記10)
前記移動許否判定部は、前記第一移動許可要求及び前記第二移動許可要求を定期的に取得するように構成され、
前記移動許否判定部は、前記第一移動許可要求及び前記第二移動許可要求を取得する毎に、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する
ように構成される付記1から付記9の何れか1項に記載のエレベーターシステム。
(付記11)
前記移動許否判定部は、前記かごの移動を許可する場合に第一移動許可情報を前記エレベーター運転制御部に送信し、前記飛行体の移動を許可する場合に第二移動許可情報を前記飛行体運転制御部に送信するように構成され、
前記エレベーター運転制御部は、前記第一移動許可情報を受信した場合に前記かごを前記第一移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記第一移動許可情報を受信しない場合に前記かごを前記第一移動範囲の現在位置で待機させるように構成され、
前記飛行体運転制御部は、前記第二移動許可情報を受信した場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記第二移動許可情報を受信しない場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の現在位置で待機させるように構成される
付記1から付記10の何れか1項に記載のエレベーターシステム。
(付記12)
建物内に設置されたエレベーターの昇降路内を移動するかごの移動の許否と、前記昇降路内に進入して飛行する飛行体の移動の許否を判定する判定装置であって、
前記かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求を取得する第一取得部と、
前記飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求を取得する第二取得部と、
前記第一取得部によって取得された前記第一移動範囲と前記第二取得部によって取得された前記第二移動範囲とに基づいて、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する移動許否判定部と、を備え、
前記移動許否判定部は、前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉しない場合に、前記かごを前記第一移動範囲の行先階に向けて移動させること、及び前記飛行体を前記第二移動範囲の行先階に向けて移動させることを許可する
ように構成される判定装置。
(付記13)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の現在位置が前記第一移動範囲に包含される場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される付記12に記載の判定装置。
(付記14)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含されない場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される付記12に記載の判定装置。
(付記15)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第一移動範囲の行先階が前記第二移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される付記12に記載の判定装置。
(付記16)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される付記12に記載の判定装置。
(付記17)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と同方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含される場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される付記12に記載の判定装置。
(付記18)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と同方向であり、且つ前記第一移動範囲の行先階が前記第二移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される付記12に記載の判定装置。
(付記19)
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲の移動方向が前記第二移動範囲の移動方向と同方向であり、且つ前記第二移動範囲の現在位置が前記第一移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される付記12に記載の判定装置。
(付記20)
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合に前記かごの移動を先行して許可するか前記飛行体の移動を先行して許可するかの優先順位を利用者が設定するための設定部を更に備え、
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記優先順位に従い前記かごの移動を先行して許可するか或いは前記飛行体の移動を先行して許可するかを判定するように構成される付記12に記載の判定装置。
(付記21)
前記第一取得部は、前記第一移動許可要求を定期的に取得するように構成され、
前記第二取得部は、前記第二移動許可要求を定期的に取得するように構成され、
前記移動許否判定部は、前記第一取得部及び前記第二取得部が前記第一移動許可要求及び第二移動許可要求を取得する毎に、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する
ように構成される付記12から付記20の何れか1項に記載の判定装置。
(付記22)
建物内に設置されたエレベーターの昇降路内を移動するかごの昇降動作と、前記昇降路内に進入して飛行する飛行体の飛行動作とを制御するエレベーター制御方法であって、
前記かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求を取得する第一ステップと、
前記飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求を取得する第二ステップと、
前記第一移動許可要求と前記第二移動許可要求とに基づいて、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する第三ステップと、
前記かごの移動が許可された場合に前記かごを前記第一移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記飛行体の移動が許可された場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の行先階に向けて移動させる第四ステップと、を備え、
前記第三ステップは、前記第一移動範囲が前記第二移動範囲と干渉しない場合に前記かごの移動及び前記飛行体の移動を許可する
ように構成されるエレベーター制御方法。
【符号の説明】
【0078】
3 昇降路、 3a 第一昇降路、 3b 第二昇降路、 10 エレベーター装置、 12 かご、 12a 第一かご、 12b 第二かご、 14 巻上機、 16 主ロープ、 18 エレベーター制御装置、 20 飛行体装置、 22 飛行体、 24 飛行体制御装置、 30 判定部、 32 第一取得部、 34 第二取得部、 36 移動許否判定部、 100 エレベーターシステム、 121 エレベーター運転制御部、 181 プロセッサ、 182 メモリ、 183 処理回路、 184 専用ハードウェア、 241 飛行体運転制御部
【手続補正書】
【提出日】2023-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内に設置されたエレベーターの昇降路内を移動するかごの昇降動作を制御するエレベーター運転制御部と、
前記昇降路内に進入して飛行する飛行体の飛行動作を制御する飛行体運転制御部と、
前記かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求と、前記飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求とに基づいて、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する移動許否判定部と、を備え、
前記エレベーター運転制御部は、前記移動許否判定部において前記かごの移動が許可された場合に前記かごを前記第一移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記移動許否判定部において前記かごの移動が許可されない場合に前記かごを前記第一移動範囲の現在位置で待機させるように構成され、
前記飛行体運転制御部は、前記移動許否判定部において前記飛行体の移動が許可された場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記移動許否判定部において前記飛行体の移動が許可されない場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の現在位置で待機させるように構成され、
前記移動許否判定部は、前記第一移動範囲が前記第二移動範囲と干渉しない場合に前記かごの移動及び前記飛行体の移動を許可する
ように構成されるエレベーターシステム。
【請求項2】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の現在位置が前記第一移動範囲に包含される場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項3】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含されない場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項4】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と逆方向であり、且つ前記第一移動範囲の行先階が前記第二移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項5】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項6】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と同方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含される場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項7】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と同方向であり、且つ前記第一移動範囲の行先階が前記第二移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項8】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と同方向であり、且つ前記第二移動範囲の現在位置が前記第一移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項9】
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合に前記かごの移動を先行して許可するか前記飛行体の移動を先行して許可するかの優先順位を利用者が設定するための設定部を更に備え、
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記優先順位に従い前記かごの移動を先行して許可するか或いは前記飛行体の移動を先行して許可するかを判定するように構成される
請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項10】
前記移動許否判定部は、前記第一移動許可要求及び前記第二移動許可要求を定期的に取得するように構成され、
前記移動許否判定部は、前記第一移動許可要求及び前記第二移動許可要求を取得する毎に、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する
ように構成される請求項1から請求項9の何れか1項に記載のエレベーターシステム。
【請求項11】
前記移動許否判定部は、前記かごの移動を許可する場合に第一移動許可情報を前記エレベーター運転制御部に送信し、前記飛行体の移動を許可する場合に第二移動許可情報を前記飛行体運転制御部に送信するように構成され、
前記エレベーター運転制御部は、前記第一移動許可情報を受信した場合に前記かごを前記第一移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記第一移動許可情報を受信しない場合に前記かごを前記第一移動範囲の現在位置で待機させるように構成され、
前記飛行体運転制御部は、前記第二移動許可情報を受信した場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記第二移動許可情報を受信しない場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の現在位置で待機させるように構成される
請求項1から請求項9の何れか1項に記載のエレベーターシステム。
【請求項12】
建物内に設置されたエレベーターの昇降路内を移動するかごの移動の許否と、前記昇降路内に進入して飛行する飛行体の移動の許否を判定する判定装置であって、
前記かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求を取得する第一取得部と、
前記飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求を取得する第二取得部と、
前記第一取得部によって取得された前記第一移動範囲と前記第二取得部によって取得された前記第二移動範囲とに基づいて、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する移動許否判定部と、を備え、
前記移動許否判定部は、前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉しない場合に、前記かごを前記第一移動範囲の行先階に向けて移動させること、及び前記飛行体を前記第二移動範囲の行先階に向けて移動させることを許可する
ように構成される判定装置。
【請求項13】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の現在位置が前記第一移動範囲に包含される場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項14】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含されない場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項15】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と逆方向であり、且つ前記第一移動範囲の行先階が前記第二移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項16】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と逆方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項17】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と同方向であり、且つ前記第二移動範囲の行先階が前記第一移動範囲に包含される場合、前記かごの移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項18】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と同方向であり、且つ前記第一移動範囲の行先階が前記第二移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項19】
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記第一移動範囲を移動する前記かごの移動方向が前記第二移動範囲を移動する前記飛行体の移動方向と同方向であり、且つ前記第二移動範囲の現在位置が前記第一移動範囲に包含される場合、前記飛行体の移動を先行して許可する
ように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項20】
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合に前記かごの移動を先行して許可するか前記飛行体の移動を先行して許可するかの優先順位を利用者が設定するための設定部を更に備え、
前記移動許否判定部は、
前記第一移動範囲と前記第二移動範囲とが干渉する場合において、前記優先順位に従い前記かごの移動を先行して許可するか或いは前記飛行体の移動を先行して許可するかを判定するように構成される請求項12に記載の判定装置。
【請求項21】
前記第一取得部は、前記第一移動許可要求を定期的に取得するように構成され、
前記第二取得部は、前記第二移動許可要求を定期的に取得するように構成され、
前記移動許否判定部は、前記第一取得部及び前記第二取得部が前記第一移動許可要求及び第二移動許可要求を取得する毎に、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する
ように構成される請求項12から請求項20の何れか1項に記載の判定装置。
【請求項22】
建物内に設置されたエレベーターの昇降路内を移動するかごの昇降動作と、前記昇降路内に進入して飛行する飛行体の飛行動作とを制御するエレベーター制御方法であって、
前記かごの現在位置から行先階までの第一移動範囲の情報を含む第一移動許可要求を取得する第一ステップと、
前記飛行体の現在位置から行先階までの第二移動範囲の情報を含む第二移動許可要求を取得する第二ステップと、
前記第一移動許可要求と前記第二移動許可要求とに基づいて、前記飛行体の移動及び前記かごの移動を許可するか否かをそれぞれ判定する第三ステップと、
前記かごの移動が許可された場合に前記かごを前記第一移動範囲の行先階に向けて移動させ、前記飛行体の移動が許可された場合に前記飛行体を前記第二移動範囲の行先階に向けて移動させる第四ステップと、を備え、
前記第三ステップは、前記第一移動範囲が前記第二移動範囲と干渉しない場合に前記かごの移動及び前記飛行体の移動を許可する
ように構成されるエレベーター制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
特許文献1には、荷物を配送する無人航空機をエレベーターのかごに誘導する技術が開示されている。この技術のシステムでは、屋上に設けられた乗場から屋上に停止しているエレベーターのかごに無線通信を用いて無人航空機を誘導する。無人航空機がかご内に着陸すると、かごは荷受人が荷物を受け取る目的階に移動される。