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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093554
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】照射装置
(51)【国際特許分類】
   B41F 23/04 20060101AFI20240702BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240702BHJP
   H01L 23/467 20060101ALI20240702BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20240702BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B41F23/04 B
H05K7/20 G
H05K7/20 H
H01L23/46 C
H01L33/64
B41J2/01 127
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210015
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】307015301
【氏名又は名称】武藤工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】征矢 明彦
(72)【発明者】
【氏名】大場 義明
(72)【発明者】
【氏名】飯山 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】武藤 一博
(72)【発明者】
【氏名】桃井 みどり
(72)【発明者】
【氏名】小池 利夫
【テーマコード(参考)】
2C020
2C056
5E322
5F136
5F142
【Fターム(参考)】
2C020CB01
2C020CB02
2C056EA04
2C056HA40
2C056HA44
2C056HA60
5E322AA01
5E322BA01
5E322BA03
5E322BA04
5E322BA05
5E322BC01
5F136BA03
5F136CA03
5F136DA33
5F136FA02
5F136FA03
5F142AA12
5F142AA42
5F142BA32
5F142CB23
5F142CF13
5F142CF32
5F142CF42
5F142DB02
5F142GA31
(57)【要約】
【課題】放熱能力に優れながら、照射ムラが小さい照射装置を提供すること。
【解決手段】本発明の照射装置1Aは、一方の面3aに複数のLED素子2が配列された基板3と、他方の面3bの側に設けられたヒートシンク4と、基板3からみてヒートシンク4を挟んだ位置に設けられた冷却用ファン5と、照射開口61と、透光性カバー67と、を有する筐体6と、を備え、筐体6の内部に、ヒートシンク4によって区切られた放熱空間72と照射空間71と、を有し、筐体6には、外部の空気を放熱空間72に吸い込む空気吸込口62と、放熱空間72の空気を排出する空気排出口64と、照射空間71の空気を排出する副空気排出口65が設けられ、複数のLED素子2が連続的に配列され、照射空間71内の空気は、LED素子配列面3aに沿って流れて副空気排出口65から排出されるように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に複数のLED素子が配列された基板と、
前記基板の他方の面の側に設けられ、前記基板と熱的に接続され、前記基板と反対側に多数のフィンを有するヒートシンクと、
前記基板からみて前記ヒートシンクを挟んだ位置に設けられた冷却用ファンと、
前記基板及び前記ヒートシンクが内部に収納され、前記基板の前記LED素子に対向する照射開口と、前記照射開口を覆う透光性カバーと、を有する筐体と、
を備え、
前記筐体の内部に、前記ヒートシンクによって区切られた、前記ヒートシンクが配置される放熱空間と、前記基板が配置される照射空間と、を有し、
前記筐体に、外部の空気を前記放熱空間に吸い込む空気吸込口と、前記放熱空間の空気を排出する空気排出口と、前記照射空間の空気を排出する副空気排出口が設けられた、
照射装置であって、
前記複数のLED素子は、連続的に配列され、
前記照射空間内の空気は、前記一方の面に沿って流れて前記副空気排出口から排出されるように構成されている
ことを特徴とする照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照射装置において、
前記ヒートシンクの横を通って、前記放熱空間と前記照射空間とを連通させる分岐路が設けられ、
前記フィンからの放熱による熱を含む前記放熱空間の空気の一部が分岐し、前記分岐路を通って前記照射空間に誘導され、前記照射空間内を前記基板の横から前記基板の前記一方の面に沿って流れて前記副空気排出口から排出されるように構成されている
ことを特徴とする照射装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照射装置において、
前記分岐路は、前記ヒートシンクと前記筐体の内壁との間に設けられている
ことを特徴とする照射装置。
【請求項4】
請求項2に記載の照射装置において、
前記分岐路は、前記筐体の外に設けられている
ことを特徴とする照射装置。
【請求項5】
請求項1に記載の照射装置において、
前記ヒートシンクの横を通って、前記放熱空間と前記照射空間とを連通させる分岐路が設けられ、
前記冷却用ファンによって吸い込まれた空気の一部が分岐し、前記分岐路を通って前記照射空間に誘導され、前記照射空間内を前記基板の横から前記基板の前記一方の面に沿って流れて前記副空気排出口から排出されるように構成されている
ことを特徴とする照射装置。
【請求項6】
請求項1に記載の照射装置において、
副冷却用ファンを更に備え、
前記筐体には、外部の空気を吸い込む副空気吸込口が更に設けられ、
前記副冷却用ファンによって前記副空気吸込口から吸い込まれた空気が、前記照射空間に入り、前記照射空間内を前記基板の横から前記基板の前記一方の面に沿って流れて前記副空気排出口から排出されるように構成されている
ことを特徴とする照射装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の照射装置において、
前記空気排出口から排出される空気と、前記副空気排出口排出される空気とが合流する合流排出路が更に設けられている
ことを特徴とする照射装置。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか記載の照射装置において、
前記筐体は、更に透光性カバー抜差口を有し、
前記ヒートシンクは、前記基板の側に突起を有し、
前記基板は、前記一方の面に板バネを有し、
前記透光性カバーは、前記透光性カバー抜差口を通して抜き差し可能で、前記突起によって前記照射開口を覆う所定位置に案内され、前記板バネによって前記筐体の内壁方向に押しつけられる、ように構成されている
ことを特徴とする照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED素子(Light Emitting Diode素子、発光ダイオード素子)を用いた照射装置が実用化されるようになった。LED素子を用いると、ランプを用いた場合に比べて、照射装置を小型化できる、発光素子が破損しにくい、取り扱いやすい等の利点があるが、照射をするためにLED素子を駆動するとLED素子が高温になりその寿命が著しく短くなる等の問題がある。特に、紫外線(UVインクの硬化用)を放射するLED素子を備えた照射装置をUVプリンターに使用する場合、UVインクを早く硬化させるため紫外線量(照射強度等)を大きくするとLED素子が発熱して高温になりその寿命が著しく短くなる問題がある。
【0003】
これを解消するため、特許文献1では、照射装置(1)の筐体(2)の内部を、ヒートシンク(32)によって、放熱ユニット(40)が配置される放熱空間(140)と、光源ユニット(30)が配置される照射空間(130)と、に仕切る。ヒートシンク(32)には、放熱空間(140)と、照射空間(130)とに連通する連通口(150)を設ける。そして、筐体(2)に、ファン(20)を設ける第1通風口(51)と、放熱空間(140)を筐体(2)の外部に連通させる第2通風口(52)と、照射空間(130)を筐体(2)の外部に連通させる第3通風口(53)と、を設けた照射装置(1)が提案されている(特許文献1の図1図7等参照)。
特許文献1で提案された照射装置(1)は、照射装置を大型化することなく放熱能力を高めようとする点で好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-092755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の照射装置(1)のように、光源ユニット(30)と、ヒートシンク(32)と、放熱ユニット(40)とからなる照射モジュール(5)を、その間に隙間(G1)を有するようにして列状に複数並べて筐体(2)の内部に収容し、放熱空間(140)と照射空間(130)とに連通する連通口(150)を、隣り合う照射モジュール(5)間の隙間(G1)によって構成すると(特許文献1の図5等参照)、発光素子(34)の列が隙間(G1)によって途切れる。そのため、大きな照射ムラが生じやすい。
【0006】
そこで、本発明は、放熱能力に優れながら、照射ムラが小さい照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明の照射装置は、
一方の面に複数のLED素子が配列された基板と、
前記基板の他方の面の側に設けられ、前記基板と熱的に接続され、前記基板と反対側に多数のフィンを有するヒートシンクと、
前記基板からみて前記ヒートシンクを挟んだ位置に設けられた冷却用ファンと、
前記基板及び前記ヒートシンクが内部に収納され、前記基板の前記LED素子に対向する照射開口と、前記照射開口を覆う透光性カバーと、を有する筐体と、
を備え、
前記筐体の内部に、前記ヒートシンクによって区切られた、前記ヒートシンクが配置される放熱空間と、前記基板が配置される照射空間と、を有し、
前記筐体に、外部の空気を前記放熱空間に吸い込む空気吸込口と、前記放熱空間の空気を排出する空気排出口と、前記照射空間の空気を排出する副空気排出口が設けられた、
照射装置であって、
前記複数のLED素子は、連続的に配列され、
前記照射空間内の空気は、前記一方の面に沿って流れて前記副空気排出口から排出されるように構成されている
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の照射装置によれば、特許文献1のように隣り合う照射モジュール(5)間の隙間によって連通口(150)を構成することが不要で、複数のLED素子を連続的に配列したまま放熱することができるため、照射ムラを小さくすることが可能である(照射の均一化の程度が向上する)。
また、照射空間内の空気は、基板のLED素子配列面に沿って流れて排出されるように構成されているため、特許文献1のように照射モジュール(5)間の隙間(G1)からLED素子配列面に対して垂直方向に空気が流れる場合に比べて、LED素子近傍の熱せられた空気を効率よく排出することが可能である。
このように、複数のLED素子が連続的に配列されたまま、放熱空間のみならず照射空間からも空気を効率よく排出するため、放熱能力に優れながら照射ムラが小さい照射装置を提供することが可能となる。
【0009】
換言すると、特許文献1の場合、照射ムラを小さくしようとすると、隣り合う照射モジュール(5)間の隙間(G1)を小さくしなければならないため、連通口(150)が小さくなり、照射空間(130)の放熱能力が小さくなる。一方、照射空間(130)の放熱能力を大きくしようとすると、隣り合う照射モジュール(5)間の隙間(G1)を大きくしなければならないため、複数のLED素子は、隣り合う照射モジュール(5)間で一層不連続になり、照射ムラが大きくなる。しかし、本発明では上記した理由によりそのような不具合は生じない。
【0010】
また、LED素子が多数ある場合にLED素子近傍の熱せられた空気を排出する場合、特許文献1のように照射モジュール(5)間の隙間(G1)からLED素子配列面に対して垂直方向に空気を流すと、熱せられた空気を充分排出するためには多数の隙間が必要となる故、その分、照射効率が低下する。これに対し、本発明では、照射空間内の空気が基板のLED素子配列面に沿って流れて排出されるように構成するため、特許文献1のような隙間(G1)は不要である。そのため、照射効率を低下させずに照射空間からLED素子近傍の熱せられた空気を効率よく排出することが可能となる。
このように、本発明の照射装置によれば、放熱能力に優れながら照射ムラが小さい照射装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係る照射装置1Aを説明するために示す外観斜視図。
図2】実施形態1に係る照射装置1Aを説明するために示す分解組立図。
図3】実施形態1に係る照射装置1Aにおける空気の流れを説明するために示す図。
図4】実施形態1に係る照射装置1Aで透光性カバー67の抜き差しを説明するために示す図。
図5】実施形態2に係る照射装置1Bを説明するために示す図。
図6】実施形態3に係る照射装置1Cを説明するために示す図。
図7】実施形態4に係る照射装置1Dを説明するために示す図。
図8】実施形態5に係る照射装置1Eを説明するために示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の照射装置について、図を用いて説明する。各図面は模式図であり、必ずしも実際の構造、空気の流れ、大きさ、長さ、形状等を厳密に反映するものではない。各実施形態は、特許請求の範囲を限定するものではない。各実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明に必須であるとは限らない。実質的に同等とみなせる構成要素に関しては実施形態をまたいで同じ符号を用い、再度の説明を省略する場合がある(一部の説明が重複する場合もある)。
なお、特許文献1の説明では当該文献中の符号をそのまま使用するため、本発明の説明で使用する符号と一部重複する場合がある。両者を区別するため、特許文献1の説明で使用する符号は「(符号)」のように括弧で囲って使用し、本発明の説明で使用する符号は括弧で囲わずに使用する。
【0013】
本発明の照射装置(実施形態1に係る照射装置1A等)についてわかりやすく説明するため、照射装置(1A等)の多くは照射開口61を上向きに描いているが、本発明の照射装置は、多くの場合、照射開口61を下向き(重力方向)にして照射光8を出すようにしたり、照射開口61を横向きにして横方向(水平方向)に照射光8を出すようにして使用される。
【0014】
[実施形態1]
[照射装置1A]
図1は実施形態1に係る照射装置1Aを説明するための外観斜視図であり、図1(a)は正面方向からみたときの外観斜視図であり、図1(b)はその反対側の背面方向からみたときの外観斜視図である。
図2は実施形態1に係る照射装置1Aを説明するために示す分解組立図であり、図2(a)は正面斜め上方からみたときの分解組立図であり、図2(b)は背面斜め下方からみたときの分解組立図である。
図3は、実施形態1に係る照射装置1Aにおける空気の流れを説明するために示す図(図1(a)のA-A’断面図)である。
【0015】
図1等に示すように、照射装置1A(その筐体6)は略直方体の形状をしている。その各面について、ここでは、図1(a)おけるX軸正方向の面を正面、X軸負方向の面を背面、Y軸正方向の面を右側面、Y軸負方向の面を左側面、Z軸正方向の面を上面、Z軸負方向の面を下面ということとする(各軸の矢印方向が正方向で、その逆方向が負方向)。なお、どの面を正面等とするかは任意であり、便宜的に「正面」等というものである。
また、X軸とY軸とを含む平面をXY平面、X軸とZ軸とを含む平面をXZ平面、Y軸とZ軸とを含む平面をYZ平面ということとする。
【0016】
実施形態1に係る照射装置1Aは、図1図3に示されるように、一方の面3a(LED素子配列面)に複数のLED素子2が配列された基板3と、基板3の他方の面3b(ヒートシンク側の面)の側に設けられ、基板3と熱的に接続され、基板3と反対側に多数のフィン43を有するヒートシンク4と、基板3からみてヒートシンク4を挟んだ位置に設けられた冷却用ファン5と(または、ヒートシンク4の基板3と反対側に設けられた冷却用ファン5と)、ヒートシンク4を挟む位置に設けられた冷却用ファン5と、基板3及びヒートシンク4が内部に収納され、基板3のLED素子2に対向する照射開口61と、照射開口61を覆う透光性カバー67と、を有する筐体6と、を備える。なお、透光性カバー67が、照射開口61を、気密性をもって覆うように構成されていることが好ましい。
【0017】
この照射装置1Aは、筐体6の内部に、ヒートシンク4によって区切られた、ヒートシンク4が配置される放熱空間72と、基板3が配置される照射空間71と、を有し、筐体6には、外部の空気を放熱空間72に吸い込む空気吸込口62と、放熱空間72の空気を排出する空気排出口64と、照射空間71の空気を排出する副空気排出口65が設けられている。
【0018】
そして、複数のLED素子2は、連続的に配列され、照射空間71内の空気は、一方の面3a(LED素子配列面)に沿って流れて副空気排出口65から排出されるように構成されている。
LED素子2から放射された光(例えば紫外線。但し紫外線に限るものではない)は照射開口61を通って主にZ軸正方向に照射する照射光8となる(後述する実施形態2~5、図5~8でも同様)。
【0019】
また、実施形態1に係る照射装置1Aには、ヒートシンク4の横(X軸正方向側)を通って、放熱空間72と照射空間71とを連通させる分岐路75が設けられ、フィン43からの放熱による熱を含む放熱空間72の空気の一部が分岐し、分岐路75を通って照射空間71に誘導され、照射空間71内を基板3の横から基板3の一方の面3a(LED素子配列面)に沿って流れて副空気排出口65から排出されるように構成されている。
【0020】
なお、実施形態1に係る照射装置1Aでは、分岐路75は、ヒートシンク4と筐体6の内壁との間に設けられている。
分岐路75は、筐体6の正面のY軸方向中央部に、ヒートシンク4と筐体6(内壁)との間に流路がZ軸方向となるように設けられている。分岐案内板等で構成される分岐路75は、Z軸負方向の先端部が放熱空間72内でX軸負方向に曲がり、Z軸正方向の先端部が照射空間71内でX軸負方向に曲がるように構成されている。このようにすると、空気は、放熱空間72から分岐路75へ誘導されやすくなり、分岐路75から照射空間71へも誘導されやすくなる。
【0021】
実施形態1に係る照射装置1Aについて少し詳しく説明する。
[照射装置1Aの構造]
照射装置1Aの構造は、図1図3に示すようになっており、基板3、ヒートシンク4及び冷却用ファン5は、この順番でZ軸負方向に、筐体6の内部に配置されている。基板3の基板面は、XY平面に平行な平面となっている。
【0022】
基板3の一方の面3aには、X軸方向及びY軸方向に複数のLED素子2が連続的に配列されている。複数のLED素子2の連続的な配列の仕方は任意であり特に制限はないが、例えば、図1等に示すように、Y軸方向に連続的に配列されたLED素子2の数の方が、X軸方向に連続的に配列されたLED素子2の数より多くなるように配列してもよい。また、LED素子2のY軸方向の配列長さの方が、X軸方向の配列長さより長くなるように配列してもよい。また、この例では、複数のLED素子2は、全体が概長方形となるようにマトリックス状に配列されているが、当該形状に限定されるものではない。
実施形態1では、LED素子2は基板3上(一方の面3a上)でX軸方向の概中央部に配置され、LED素子2を挟んだ両側には板バネ35が設けられている。また、図2(a)等に示されるように、基板3にはヒートシンク4に設けられた突起45が貫通する穴(又は切り欠け)が設けられている。
【0023】
実施形態1では、ヒートシンク4は、第1ヒートシンク板41(基板側4a)と、第2ヒートシンク板42(基板3と反対側4b)と、が一体化されて構成されている。第2ヒートシンク板42には多数のフィン43が形成されている。第1ヒートシンク板41や第2ヒートシンク板42は、例えば、入手しやすさ等を考慮して、前者を銅、後者をアルミニウム(又は前者をアルミニウム、後者を銅)のように異なる金属で構成してもよいが、両者を同じ金属(例えば、銅又はアルミニウム)で構成してもよい。
【0024】
なお、ヒートシンク4は1つのヒートシンク板で構成してもよいが、図2等に示すように、第1ヒートシンク板41と第2ヒートシンク板42のように別体にすると、一部分の加工不良で全部が廃棄されるのを回避することが可能になる。また、例えば、両者を銅で構成すると、一方又は両者をアルミニウムで構成する場合より、ヒートシンク4全体の熱伝導率を高くすることが可能となる。
【0025】
実施形態1では、フィン43は、個々の形が板状(XZ平面に平行な平面上で、長辺がZ軸方向、短辺がX軸方向の長方形で、厚さがY軸方向)をしており、それがY軸方向に多数配列されたフィン列を形成し、当該フィン列がX軸方向に複数並んで形成された構造をしている。Y軸方向のフィン間、及びX軸方向のフィン列間には、空隙が設けられている。
【0026】
[冷却用ファン5]
冷却用ファン5(通風機又は送風機ともいう)は、モーターによる駆動で回転する羽根車で空気に流動エネルギーを与えるものであり、軸流ファン、多翼ファン、貫流ファン等のいずれの形式でもよい。外部の空気を、空気吸込口62から吸い込み、放熱空間72に送る。
冷却用ファン5は、冷却に必要な数、配置される。例えば、Y軸方向に沿って2つ配置される。冷却用ファン5は、ファン取付部66(筐体6の下面)に取り付けられる。
【0027】
[空気吸込口62等]
空気吸込口62は、筐体6の下面に設けられている。例えば、筐体6にリブで区分けされた複数の穴(4つの穴等)を設け、各々の冷却用ファン5に対応する空気吸込口62を構成するようにしてもよい。
筐体6の正面及び背面には、空気排出口64が設けられている。空気排出口64は、放熱空間72のフィン43に対応する位置に設けられている。空気排出口64は、筐体6に形成された穴によって構成されている。空気排出口64は、フィン43の形状、配列方向、高さ等に合わせて、穴形成可能な範囲で筐体6に設けられる。例えば、Y軸方向が長く、Z軸方向が短い長方形状の穴を、正面及び背面に2つずつ設ける(1つ又は3つ以上でもよい)。
正面の空気排出口64は、分岐路75を避け、その両側に設けられている。背面には分岐路75がないため、背面の空気排出口64はY軸方向に長く設けられている。
【0028】
筐体6の背面には、副空気排出口65が設けられている。副空気排出口65は、照射空間71に対応する位置で、照射空間71に空気を流入させる側(この例では正面側)以外の側(背面側、右側面側又は左側面側)に設ける。例えば、基板3をX軸負方向に延長した位置(背面側)に設ける。副空気排出口65は、照射空間71の空気の流れにより排出に必要な大きさ、数、形状等で設ける。例えば、図2(a)等に示すように、Y軸方向が長く、Z軸方向が短い長方形状又は楕円形状の穴(Z軸方向の長さは、空気排出口64のZ軸方向の長さより短い)を、背面に2つ設ける。
【0029】
[空気の流れ(図3等参照)]
空気吸込口62から吸い込まれた空気は、Z軸正方向に進み、フィン43の間を通って第2ヒートシンク板42に当たって、フィン43の間をXY平面に平行な方向に進む。
フィン43の熱を吸収した放熱空間72の空気は、正面及び背面の空気排出口64から排出される。図3では筐体6の背面の空気排出口64から派出される空気をX軸負方向の矢印(実線)で示し、正面の空気排出口64から派出される空気をX軸正方向の矢印(破線)で示している。
【0030】
冷却用ファン5により生じる空気の流れには勢いがあるため、放熱空間72に送り込まれた空気の一部は分岐して分岐路75から照射空間71に誘導され、基板3の一方の面3a(LED素子配列面)に沿って(X軸やY軸の正方向及び負方向に)流れて筐体6の背面の副空気排出口65から排出される(図3左上の矢印参照)。
なお、照射空間71内の空気温度は、通常、放熱空間72内の空気温度より高い。
【0031】
[透光性カバー67の抜き差し]
図4は、実施形態1に係る照射装置1Aで透光性カバー67の抜き差しを説明するために示す図(図1(a)のB-B’断面図)である。
図4に示されるように、実施形態1に係る照射装置1Aでは、筐体6は更に透光性カバー抜差口68を有し、ヒートシンク4は基板3の側(基板側4a)に突起45を有し、基板3は一方の面3a(LED素子配列面)に板バネ35を有し、透光性カバー67は透光性カバー抜差口68を通して抜き差し可能で突起45によって照射開口61を覆う所定位置に案内され板バネ35によって筐体6の内壁方向に押しつけられる、ように構成されている。なお、透光性カバー67は、気密性を有するように押しつけられるのが好ましい。
透光性カバー67としては、例えば、石英ガラス、鉛ガラス、ホウ珪酸ガラス、結晶化ガラス、化学強化ガラス、これらに類似する特性を有するガラス等を板状したものを用いてもよい。
【0032】
図4に示す突起45は、円柱状の形状をしている(断面が四角形、六角形等のような角柱状の形状をしていてもよい)。突起45の先端部(図上の上部)は筐体6(の内壁)に当接し、ヒートシンク4(基板3)と筐体6の内壁との間隔を所定間隔に保つ。
透光性カバー67が透光性カバー抜差口68からY軸正方向に挿入されると、その横方向(X軸正方向及び負方向)は両側の突起45で規制される。挿入方向の前方には筐体6の一部を利用したストッパー69(挿入停止用)があり、透光性カバー67は所定位置で停止する。
透光性カバー67は、板バネ35(基板3に設置)で筐体6の内壁に押しつけられ(図上の上方向に押しつけられ)、照射開口61を覆う(塞ぐ)。そして、透光性カバー67・基板3間に所定間隙を有する照射空間71が形成される。
【0033】
[実施形態1の効果]
実施形態1に係る照射装置1Aによれば、放熱するために、特許文献1のように複数のLED素子2間に放熱用の隙間を設ける必要がなく、複数のLED素子2は連続的に配列したままでよいため、照射ムラを小さくすることが可能である(照射の均一化の程度が向上する)。
また、照射空間71内の空気は、一方の面3a(LED素子配列面)に垂直方向に流れるのではなく、当該面に沿って流れて副空気排出口65から排出されるように構成されているため、LED素子2近傍の照射空間71の温度上昇を抑えて空気を効率よく排出することが可能である。
このように、複数のLED素子2を連続的に配列したまま、放熱空間72のみならず照射空間71からも空気を効率よく排出して放熱するため、放熱能力に優れながら照射ムラが小さい照射装置1Aを提供することが可能となる。
【0034】
また、ヒートシンク4の横を通って、放熱空間72と照射空間71とを連通させる分岐路75が設けられ、フィン43からの放熱による熱を含む放熱空間の72空気の一部が分岐し、分岐路75を通って照射空間71に誘導されるように構成されていると、空気吸込口62から放熱空間72内に吸い込まれた空気をそのまま空気排出口64から全部排出するのではなく、その一部を照射空間71に分岐することによって、照射空間71の放熱に使用することが可能となる。
また、分岐路75がヒートシンク4の横を通るようにするため、特許文献1のように照射モジュール間に放熱用の隙間を設ける(つまり、複数のLED素子2間に放熱用の隙間を設ける)場合に比べて、複数のLED素子2の配列の連続性を保ち照射ムラを小さくしつつ、照射空間71を流れる空気の風量を大きくすることが可能である。
【0035】
また、分岐路75が、ヒートシンク4と筐体6の内壁との間に設けられていると、筐体6の外に分岐路75による凸凹がなく、すっきりした外観にしやすい。
また、放熱空間72・照射空間71間の距離を短くできるため、冷却用ファン5によって放熱空間72内に吸い込まれた空気の勢いを大きく削ぐことなく、照射空間71に流入させることも可能である。
【0036】
また、筐体6が更に透光性カバー抜差口68を有し、ヒートシンク4が基板3の側(基板側4a)に突起45を有し、透光性カバー67が透光性カバー抜差口68を通して抜き差し可能で、突起45によって照射開口61を覆う所定位置に案内される、ように構成されていると、透光性カバー67を所定位置に容易に案内することが可能となる。
また、照射装置1Aを製造する場合に、筐体6内(内部)に基板3、ヒートシンク4等を設置後の工程(最終段階の製造工程)で、透光性カバー67を透光性カバー抜差口68に挿入すればよいため、製造過程で透光性カバー67が汚れたり傷ついたりするのを抑制することが可能である。また、透光性カバー67の交換や汚れ取り作業が容易であり、照射開口61からの良好な照射を維持できる。
【0037】
また、基板3が一方の面3a(LED素子配列面)に板バネ35を有し、透光性カバー67が板バネ35によって筐体6の内壁方向に押しつけられる、ように構成されていると、基板3と透光性カバー67とで挟まれた照射空間71を容易に形成することが可能となる。板バネ35の圧力によって、透光性カバー67配置部からの空気漏れや、照射空間71への異物等の侵入を抑制することが可能となる。
例えば、UVプリンター(紫外線を照射させることで硬化するUVインクを使用するプリンター)の紫外線照射に照射装置1Aを使用する場合、UVインクにLED素子2、基板3等に悪い影響を与える有機溶媒等が含まれているときでも、板バネ35の圧力によって透光性カバー67が筐体6に押し当てられるため、照射空間71への有機溶媒等の侵入を抑制する等が可能となる。
【0038】
[実施形態2]
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係る照射装置1Bを説明するために示す図であり、図5(a)は照射装置1Bを正面斜め上方からみたときの分解組立図であり、図5(b)は空気の流れを説明するために示す図(図5(a)のA-A’断面図)である。
実施形態2に係る照射装置1Bは、基本的には、実施形態1に係る照射装置1Aと同様であるが、実施形態1では分岐路75がヒートシンク4と筐体6(内壁)との間(つまり筐体6内、筐体6内部)に設けられているのに対し、実施形態2では分岐路75が筐体6の外(外側)に設けられている点が異なる。
【0039】
つまり、図5(a)、(b)に示されるように、実施形態2に係る照射装置1Bは、分岐路75は筐体6の外(外側)に、筐体6の外壁に沿って設けられている。フィン43の熱を吸収した放熱空間72の空気の一部は、筐体6の外(外側)に設けられた分岐路75を通って照射空間71に入る。
【0040】
[実施形態2の効果]
実施形態2に係る照射装置1Bによれば、分岐路75が筐体6の外(外側)に設けられているため、熱を含む放熱空間72の空気を、分岐路75を通る途中で一層冷やして照射空間71に送ることが可能である。
なお、実施形態2に係る照射装置1Bは、実施形態1に係る照射装置1Aと分岐路75の配置位置が異なるが、その他の点については実施形態1と同様であり、同様の点については実施形態1と同様の効果を有する。
【0041】
[実施形態3]
図6は、実施形態3に係る照射装置1Cを説明するために示す図であり、図6(a)は照射装置1Cを正面斜め上方からみたときの分解組立図であり、図6(b)は空気の流れを説明するために示す図(図6(a)のA-A’断面図)である。
実施形態3に係る照射装置1Cは、基本的には、実施形態1に係る照射装置1Aと同様であるが、実施形態1では放熱空間72の空気の一部を分岐して照射空間71に送るように構成されているのに対し、実施形態3では冷却用ファン5から吸い込まれた空気の一部を(フィン43の間を経由させずに、主として、空気が吸い込まれた場所で)分岐して照射空間71に送るように構成されている点が異なる。
【0042】
つまり、図6(a)、(b)に示されるように、実施形態3に係る照射装置1Cは、ヒートシンク4の横を通って、放熱空間72と照射空間71とを連通させる分岐路75が設けられ、冷却用ファン5によって吸い込まれた空気は、(大部分が放熱空間72に送られ、フィン43の熱を吸収して空気排出口64から排出されるが、)その一部が(フィン43に送られるのではなく、主として、空気が吸い込まれた場所で)分岐され、分岐路75を通って照射空間71に誘導され、照射空間71内を基板3の横から基板3の一方の面3a(LED素子配列面)に沿って流れて副空気排出口65から排出されるように構成されている。
【0043】
なお、実施形態3では、図6(b)に示されるように、冷却用ファン5によって吸い込まれた空気の一部が放熱空間72に行かずに分岐して照射空間71に誘導されるように、分岐路75に近い箇所のフィン43の高さを低くして、そこに図示されるような斜めの仕切り板を配置して、放熱空間72と分岐路75とを分けている。
仕切り板は、基板3のX軸正方向端部から、低いフィン43の横を通って、冷却用ファン5近傍に延びるように配置され、冷却用ファン5の空気は、仕切り板・筐体6(内壁)間に形成された分岐路75を通って、照射空間71に誘導される。
【0044】
[実施形態3の効果]
実施形態3に係る照射装置1Cによれば、外部の冷却用の空気が放熱空間72を通ることによってその熱を含むことなく、外部の冷却用の空気が直接、照射空間71に誘導されるため、LED素子2の冷却効率を一層高めることが可能である。
なお、実施形態3に係る照射装置1Cは、実施形態1に係る照射装置1Aと分岐路75に誘導する空気の吸い込み位置が異なるが、その他の点については実施形態1と同様であり、同様の点については実施形態1と同様の効果を有する。
【0045】
[実施形態4]
図7は、実施形態4に係る照射装置1Dを説明するために示す図であり、図7(a)は照射装置1Dを正面斜め上方からみたときの分解組立図であり、図7(b)は空気の流れを説明するために示す図(図7(a)のA-A’断面図)である。
実施形態4に係る照射装置1Dは、基本的には、実施形態1に係る照射装置1Aと同様であるが、実施形態1では冷却用ファンとして冷却用ファン5のみ備えるのに対し、実施形態4では冷却用ファン5の他に更に副冷却用ファン52を備える点が異なる。
【0046】
つまり、図7(a)、(b)に示されるように、実施形態4に係る照射装置1Dは、(冷却用ファン5の他に)副冷却用ファン52を更に備え、筐体6には、外部の空気を吸い込む副空気吸込口63が更に設けられ、副冷却用ファン52によって副空気吸込口63から吸い込まれた空気が、(そのまま)照射空間71に入り、照射空間71内を基板3の横から基板3の一方の面3a(LED素子配列面)に沿って流れて副空気排出口65から排出されるように構成されている。
【0047】
[実施形態4の効果]
実施形態4に係る照射装置1Dによれば、外部の冷却用の空気を、放熱空間72で熱を含ませることなく、直接、照射空間71に誘導するため、LED素子2の冷却効率を一層高めることが可能である。
また、放熱空間72及び照射空間71に流れる風量を別々に調整することも可能である。
なお、実施形態4に係る照射装置1Dは、実施形態1に係る照射装置1Aに対し更に副冷却用ファン52を備える点が異なるが、その他の点については実施形態1と同様であり、同様の点については実施形態1と同様の効果を有する。
【0048】
[実施形態5]
図8は、実施形態5に係る照射装置1Eを説明するために示す図(空気の流れを示す図。図1(a)のA-A’断面図と同様な断面図)である。
実施形態5に係る照射装置1Eは、基本的には、実施形態1に係る照射装置1Aと同様であるが、実施形態5では、空気排出口64から排出される空気と、副空気排出口65から排出される空気と、が合流する合流排出路645、が更に設けられている点が異なる。
【0049】
図8(a)~(d)は、いずれも合流排出路645が設けられた照射装置1Eを示す図であるが、合流排出路645の構成がそれぞれ一部異なる。
図8(a)及び図8(b)に示す照射装置1Eでは、合流排出路645の排出路の方向(空気の排出方向)は、空気排出口64の手前における空気の方向(及び副空気排出口65の手前における空気の方向)とほぼ同じ方向になるように構成されている。
図8(a)に示す照射装置1Eでは、合流排出路645は、その入口から出口に至る排出路の断面積(排出方向と垂直方向の断面積)が変わらないように構成されている。
それに対し、図8(b)に示す照射装置1Eでは、合流排出路645は、その入口から出口に進むにつれて、排出路の断面積(排出方向と垂直方向の断面積)が除去に小さくなるように構成されている。
【0050】
図8(c)及び図8(d)に示す照射装置1Eでは、合流排出路645の排出路の方向(空気の排出方向)は、空気排出口64の手前における空気の方向(及び副空気排出口65の手前における空気の方向)と交差する方向(例えば直交方向)となるように構成されている。つまり照射空間71内を副空気排出口65を目指してX軸負方向に流れた空気(及び放熱空間72内を空気排出口64を目指してX軸負方向に流れた空気)は、筐体6のYZ平面に平行な壁面に沿って設けられた合流排出路645によってZ軸方向(Z軸負方向)に流れを変え、(空気排出口64及び副空気排出口65から排出される空気が合流して)排出される。
なお、図8(c)及び(d)に示す照射装置1Eでは、合流排出路645は、排出路の断面積(排出方向と垂直方向の断面積)が空気排出口64の断面積と副空気排出口65の断面積との合計断面積より小さくなるように構成されている。
【0051】
[実施形態5の効果]
このように、空気排出口64から排出される空気と、副空気排出口65から排出される空気と、が合流する(合流して排出される)合流排出路645、が更に設けられていると、空気排出口64から排出される空気(放熱空間72の空気)の流れを利用して(流れに乗じて)、照射空間71内の空気を排出することが可能になる。
例えば、副空気排出口65からの空気(照射空間71の空気)の排出流れが悪い場合であっても、空気排出口64からの空気(放熱空間72の空気)の排出流れ(比較的流れがよい)に乗って排出されるので、照射空間71からの空気の流れがよくなり、放熱効果を一層高めることが可能となる。
なお、実施形態5に係る照射装置1Eは、実施形態1に係る照射装置1Aに対し合流排出路645、が更に設けられている点が異なるが、その他の点については実施形態1と同様であり、同様の点については実施形態1と同様の効果を有する。
【0052】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能である。例えば、下記に示すような変形も可能である。
【0053】
(1)実施形態1においては、筐体6の形状は、Y軸方向の長さがX軸方向やZ軸方向の長さより長く、Z軸方向の長さがX軸方向の長さより長い、概六面体であるが、本発明の照射装置は、筐体6の形状がそのような形状に限定されるものではない。例えば、Y軸方向の長さとX軸方向の長さとが概等しい、Y軸方向の長さとZ軸方向の長さとが概等しい、又はZ軸方向の長さとX軸方向の長さとが概等しいような概六面体であってもよい。また、それらの全てがほぼ等しい概正六面体であってもよい。また、概六面体の対向する一対の面が台形形状等であってもよい。
【0054】
(2)実施形態1においては正面及び背面に空気排出口64及び副空気排出口65をそれぞれ2つずつ形成したが、本発明の照射装置はそれらの数が2つに限定されるものではない。空気排出口64又は副空気排出口65は1つでもよく、3つ以上の複数でもよい。
【0055】
(3)実施形態1においては冷却用ファン5の数は2つであるが、本発明の照射装置は冷却用ファン5の数が2つに限定されるものではない。1つまたは3つ以上であってもよい。
【0056】
(4)実施形態4においては副冷却用ファン52は1つであるが、本発明の照射装置は副冷却用ファン52の数が1つに限定されるものではない。2つ以上であってもよい。
【0057】
(5)実施形態1においてはヒートシンク4は第1ヒートシンク板41及び第2ヒートシンク板42(フィン43付き)で構成されているが、本発明の照射装置はそのような構成に限定されるものではない。例えば、ヒートシンクが、第2ヒートシンク板42(フィン43付き)だけで構成されていてもよい。または、3つ以上のヒートシンク板で構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1A…照射装置(実施形態1)、1B…照射装置(実施形態2)、1C…照射装置(実施形態3)、1D…照射装置(実施形態4)、2…LED素子、3…基板、3a…一方の面(LED素子配列面)、3b…他方の面(ヒートシンク側の面)、35…板バネ、4…ヒートシンク、4a…基板側、4b…基板と反対側、41…第1ヒートシンク板、42…第2ヒートシンク板、43…フィン、
45…突起、5…冷却用ファン、52…副冷却用ファン、6…筐体、61…照射開口、62…空気吸込口、63…副空気吸込口、64…空気排出口、65…副空気排出口、645…合流排出路、66…ファン取付部、67…透光性カバー、68…透光性カバー抜差口、69…ストッパー、71…照射空間、72…放熱空間、75…分岐路、8…照射光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8