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特開2024-93590制御回路、スイッチ素子の制御方法及びスイッチング電源
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093590
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】制御回路、スイッチ素子の制御方法及びスイッチング電源
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
H02M3/28 H
H02M3/28 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210082
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 史典
(72)【発明者】
【氏名】久田 茂
(72)【発明者】
【氏名】品川 盛治
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS01
5H730BB26
5H730BB57
5H730BB66
5H730DD03
5H730DD04
5H730EE03
5H730EE07
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD11
5H730FD51
5H730FF02
5H730FF19
5H730FG05
5H730XX04
5H730XX15
5H730XX27
5H730XX35
(57)【要約】
【課題】スイッチング電源の出力電圧変動が小さく、共振外れが発生することによる出力電圧の低下が起こりにくいスイッチ素子の制御回路を提供する。
【解決手段】駆動部10と、発振部20と、スイッチング電流情報取得部30と、デューティ情報生成部40とを備え、駆動部10は、スイッチ素子SW1,SW2のオンオフを行い、発振部20は、発振器の電圧Ctに基づいて負荷状態情報を生成し、当該負荷状態情報をデューティ情報生成部40に出力するとともに、デューティ情報に基づいて調整されたタイミングで制御信号を駆動部10に出力し、スイッチング電流情報取得部30は、スイッチング電流情報に基づいてスイッチング電流検出信号をデューティ情報生成部40に出力し、デューティ情報生成部40は、負荷状態情報とスイッチング電流検出信号とに基づいてデューティ情報を生成することを特徴とする制御回路1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイサイド側の第1スイッチ素子、ローサイド側の第2スイッチ素子を制御する制御回路において、
前記制御回路は、駆動部と、発振部と、スイッチング電流情報取得部と、デューティ情報生成部と、を備え、
前記駆動部は、前記発振部から出力された前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子をオンオフする制御信号に基づいて前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子のオンオフを行い、
前記発振部は、発振器の電圧に基づいて負荷状態を判別するための負荷状態情報を生成し、当該負荷状態情報を前記デューティ情報生成部に出力するとともに、前記デューティ情報生成部で生成されるデューティ情報に基づいて調整されたタイミングで前記制御信号を前記駆動部に出力し、
前記スイッチング電流情報取得部は、前記第1スイッチ素子又は前記第2スイッチ素子のスイッチング電流情報を取得し、当該スイッチング電流情報に基づいてスイッチング電流検出信号を前記デューティ情報生成部に出力し、
前記デューティ情報生成部は、前記負荷状態情報と前記スイッチング電流検出信号とに基づいて前記デューティ情報を生成することを特徴とする制御回路。
【請求項2】
前記発振部は、前記デューティ情報に基づいて前記発振器の電圧の放電開始電圧及び前記発振器の電圧の増加率を調整することにより、前記制御信号を前記駆動部に出力するタイミングを調整することを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記スイッチング電流情報取得部は、前記スイッチング電流情報として、前記第1スイッチ素子又は前記第2スイッチ素子に流れる電流を電圧に変換したスイッチング電圧を取得し、当該スイッチング電圧がゼロになるタイミングで前記スイッチング電流検出信号を前記デューティ情報生成部に出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御回路。
【請求項4】
前記デューティ情報生成部は、前記デューティ情報として、前記スイッチング電流検出信号を受信したタイミングにおける前記発振器の電圧に関する情報を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御回路。
【請求項5】
前記制御回路は、応答速度調整コンデンサと接続された端子をさらに有し、
前記デューティ情報生成部は、前記デューティ情報として、前記スイッチング電流検出信号を受信したタイミングにおける前記発振器の電圧に関する情報を生成し、前記デューティ情報に基づいて前記応答速度調整コンデンサの充電電圧を調整し、
前記発振部は、前記応答速度調整コンデンサの充電電圧に基づいて調整されたタイミングで前記制御信号を前記駆動部に出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御回路。
【請求項6】
前記スイッチング電流情報取得部によって取得された前記第1スイッチ素子又は前記第2スイッチ素子の前記スイッチング電流情報に基づいて前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子の過電流を検出する過電流検出部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御回路。
【請求項7】
ハイサイド側の第1スイッチ素子及びローサイド側の第2スイッチ素子を制御するスイッチ素子の制御方法において、
発振器の電圧に基づいて負荷状態を判別するための負荷状態情報を生成する負荷状態情報生成工程と、
前記第1スイッチ素子又は前記第2スイッチ素子のスイッチング電流情報を取得し、当該スイッチング電流情報に基づいてスイッチング電流検出信号を出力するスイッチング電流検出信号出力工程と、
前記負荷状態情報及び前記スイッチング電流検出信号に基づいてデューティ情報を生成するデューティ情報生成工程と、
前記デューティ情報生成工程で生成された前記デューティ情報に基づいて調整されたタイミングで前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子をオンオフする制御信号を駆動部に出力する制御信号出力工程と、
前記制御信号出力工程で駆動部に出力された前記制御信号に基づいて前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子のオンオフを行うスイッチ素子駆動工程とを含むことを特徴とするスイッチ素子の制御方法。
【請求項8】
ハイサイド側の第1スイッチ素子と、
ローサイド側の第2スイッチ素子と、
前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子を制御する制御回路とを備え、
前記制御回路は、請求項1又は2に記載の制御回路であることを特徴とするスイッチング電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御回路、スイッチ素子の制御方法及びスイッチング電源に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電流共振型のスイッチング電源において軽負荷時の効率を改善するために非対称制御を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図12は、特許文献1に記載の制御回路の動作説明に用いるグラフである。図12中、符号Ctは発振器の電圧を示し、VGHはハイサイド側のスイッチ素子のスイッチングパルスを示し、VGLはローサイド側のスイッチ素子のスイッチングパルスを示し、IDHはハイサイド側のスイッチ素子のドレイン電流を示し、CSはスイッチング電圧を示す。特許文献1に係る制御回路においては、軽負荷と重負荷とを判別し、軽負荷と判別された場合には、ローサイド側のスイッチ素子のオン期間の幅を最低周波数で決まる最大のオン幅まで広げることで、ハイサイド側のスイッチ素子のオン期間の幅とローサイド側のスイッチ素子のオン期間の幅とが非対称となるように制御している(図12のVGLの波形参照)。
【0004】
具体的には、特許文献1の制御回路においては、発振器の電圧Ctが所定の閾値Ct(th)のときのタイミングが、スイッチング電圧が0になるタイミングよりも早い(図12においてスイッチング電圧CSのゼロクロス点が一点鎖線の左側にある)ときは、通常‐重負荷であると判断し、対称制御を行う。スイッチ素子を流れる電流のゼロクロス点が発振器の電圧Ctの閾値Ct(th)のときのタイミングとほぼ一致するときには、軽負荷であると判断し、制御回路は、ローサイド側のスイッチ素子のオン期間の幅を最低周波数で決まる最大のオン幅まで広げる(図12のVGLの波形参照)。これにより、ハイサイド側のスイッチ素子のオン期間の幅とローサイド側のスイッチ素子のオン期間の幅とが非対称となる(図12のVGH及びVGLの波形参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5016511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の制御回路においては、軽負荷と判別した瞬間にローサイド側のスイッチ素子のオン期間の幅が急激に広がるため、出力電圧変動が大きくなり、場合によっては(例えば、周辺回路の定数設定によっては)共振外れが発生して出力電圧が低下するおそれがある、という課題がある。
【0007】
図13は、特許文献1に記載の制御回路の軽負荷時において共振はずれが発生したときのグラフである。図13において、符号IDLはローサイド側のスイッチ素子のドレイン電流を示す。特許文献1の制御回路において、時刻t1において軽負荷と判断されると、ローサイド側のスイッチ素子のオン期間を最低周波数で決まる最大のオン幅まで広げる(図13の時刻t2~t3参照)。すると、共振回路の条件から外れる共振外れが起こり、IDL、CSともにフィードバック制御が不安定になり(図13の電圧CSの波形参照)、出力電圧が低下する場合がある(図13の出力電圧の波形参照)。またハイレベルのスイッチ素子にはローサイドのオフ時のリカバリー電流による貫通電流(図13の符号B参照)が発生する場合がありスイッチング素子にストレスを与える場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、スイッチング電源の出力電圧変動が小さく、共振外れが発生することによる出力電圧の低下が起こりにくいスイッチ素子の制御回路を提供することを目的とする。また、そのような制御回路を有するスイッチング電源を提供することを目的とする。さらにまた、そのようにスイッチ素子を制御するスイッチ素子の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の制御回路は、ハイサイド側の第1スイッチ素子、ローサイド側の第2スイッチ素子を制御する制御回路において、前記制御回路は、駆動部と、発振部と、スイッチング電流情報取得部と、デューティ情報生成部と、を備え、前記駆動部は、前記発振部から出力された前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子をオンオフする制御信号に基づいて前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子のオンオフを行い、前記発振部は、発振器の電圧に基づいて負荷状態を判別するための負荷状態情報を生成し、当該負荷状態情報を前記デューティ情報生成部に出力するとともに、前記デューティ情報生成部で生成されるデューティ情報に基づいて調整されたタイミングで前記制御信号を前記駆動部に出力し、前記スイッチング電流情報取得部は、前記第1スイッチ素子又は前記第2スイッチ素子のスイッチング電流情報を取得し、当該スイッチング電流情報に基づいてスイッチング電流検出信号を前記デューティ情報生成部に出力し、前記デューティ情報生成部は、前記負荷状態情報と前記スイッチング電流検出信号とに基づいて前記デューティ情報を生成することを特徴とする。
【0010】
本発明のスイッチ素子の制御方法は、ハイサイド側の第1スイッチ素子及びローサイド側の第2スイッチ素子を制御するスイッチ素子の制御方法において、発振器の電圧に基づいて負荷状態を判別するための負荷状態情報を生成する負荷状態情報生成工程と、前記第1スイッチ素子又は前記第2スイッチ素子のスイッチング電流情報を取得し、当該スイッチング電流情報に基づいてスイッチング電流検出信号を出力するスイッチング電流検出信号出力工程と、前記負荷状態情報及び前記スイッチング電流検出信号に基づいてデューティ情報を生成するデューティ情報生成工程と、前記デューティ情報生成工程で生成された前記デューティ情報に基づいて調整されたタイミングで前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子をオンオフする制御信号を駆動部に出力する制御信号出力工程と、前記制御信号出力工程で駆動部に出力された前記制御信号に基づいて前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子のオンオフを行うスイッチ素子駆動工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明のスイッチング電源は、ハイサイド側の第1スイッチ素子と、ローサイド側の第2スイッチ素子と、前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、本発明の制御回路であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の制御回路及びスイッチング電源によれば、デューティ情報生成部は、負荷状態情報とスイッチング電流検出信号とに基づいてデューティ情報を生成し、発振部は、デューティ情報生成部で生成されるデューティ情報に基づいて調整されたタイミングで制御信号を駆動部に出力するため、軽負荷時において第1スイッチ素子のオン期間の幅と第2スイッチ素子のオン期間の幅との比率を細かく変化させることができる。その結果、出力電圧変動が大きくなることを防ぐことができる。また、共振外れが発生し難く出力電圧が低下し難くなる。
【0013】
また、本発明の制御回路及びスイッチング電源によれば、上記した構成を有するため、負荷状態を細かく判別し、オン期間の幅を連続的に(細かく調整して)変化させることができる。従って、一次側の励磁電流ピークを細かく調整することになり、損失の増加を防ぐことができるため、高効率のスイッチング電源とすることができる。また、発振器の電圧に基づいて負荷状態を判別するため、対称制御・非対称制御切替端子が不要となる。
【0014】
また本発明のスイッチ素子の制御方法によれば、負荷状態情報及びスイッチング電流検出信号に基づいてデューティ情報を生成するデューティ情報生成工程と、デューティ情報生成工程で生成されたデューティ情報に基づいて調整されたタイミングで第1スイッチ素子及び第2スイッチ素子をオンオフする制御信号を駆動部に出力する制御信号出力工程とを含むため、軽負荷時において第1スイッチ素子のオン期間の幅と第2スイッチ素子のオン期間の幅との比率を細かく変化させることができる。その結果、出力電圧変動が大きくなることを防ぐことができる。また、共振外れが発生し難く出力電圧が低下し難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係るスイッチング電源100を示す回路図である。
図2】実施形態に係る制御回路1を説明するために示すブロック図である。
図3】実施形態に係る制御回路1の動作説明に用いるグラフである。
図4】発振部20において負荷状態を判別することを説明するために示す図である。
図5】スイッチング電流情報取得部30について説明するために示す図である。
図6】デューティ情報生成部40によって応答速度調整コンデンサを充電する様子を説明するために示す図である。
図7】応答速度調整コンデンサC4の充電電圧に基づいて発振器の電圧に関する情報を生成する様子を説明するために示す図である。
図8】発振部20においてデューティ情報に基づいて調整されたタイミングで制御信号を駆動部に出力する様子を説明するために示す図である。
図9】駆動部10を説明するために示す図である。
図10】実施形態に係るスイッチ素子の制御方法を示すフローチャートである。
図11】実施形態に係る制御回路1の軽負荷時の動作説明に用いるグラフである。
図12】特許文献1に記載の制御回路の動作説明に用いるグラフである。
図13】特許文献1に記載の制御回路に共振外れが発生したときのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の制御回路、スイッチ素子の制御方法及びスイッチング電源について、図に示す実施形態に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
[実施形態]
1.実施形態に係るスイッチング電源100の構成
図1は、実施形態に係るスイッチング電源100を示す回路図である。実施形態に係るスイッチング電源100は、図1に示すように、ハイサイド側の第1スイッチ素子SW1と、ローサイド側の第2スイッチ素子SW2と、トランスTと、共振コンデンサC2と、制御回路1とを備えるLLC電流共振回路である。なお、スイッチング電源100は、AS端子を用いて対称制御と非対称制御などの制御切替を行うことができる。
【0018】
電源入力端子101は、入力電源ライン103に接続され、電源入力端子102は接地されている。スイッチング電源100の電源入力端子101と102との間には平滑コンデンサC1が接続されている。入力電源ライン103と接地間には、第1スイッチ素子SW1と第2スイッチ素子SW2が直列に接続されており、これと並列に、抵抗R1と抵抗R2とが直列に接続されている。第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2は、実施形態1においては、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であるが、IGBTでもよいし、その他適宜のスイッチ素子を用いることができる。
【0019】
第1スイッチ素子SW1と第2スイッチ素子SW2の接続点は、トランスTの一次側の巻線T1の一方端と接続されている。トランスTの一次側の巻線T1の他方端は、共振コンデンサC2及び抵抗R3を介して接地されている。
【0020】
制御回路1は、ハイサイド側の第1スイッチ素子SW1、ローサイド側の第2スイッチ素子SW2を制御する。制御回路1は、VGH端子を介して第1スイッチ素子SW1のゲート電極と接続されており、第1スイッチ素子SW1をオンオフするスイッチングパルスを第1スイッチ素子SW1のゲート電極に出力する。また、VGL端子を介して第2スイッチ素子SW2のゲート電極と接続されており、第2スイッチ素子SW2をオンオフするスイッチングパルスを第2スイッチ素子SW2のゲート電極に出力する。
【0021】
また、制御回路1は、VSEN端子を介して抵抗R1と抵抗R2との接続点と接続されており、抵抗R1と抵抗R2の接続点の入力検出電圧が入力される。また、VS端子を介して第1スイッチ素子SW1と第2スイッチ素子SW2の接続点と接続されており、第1スイッチ素子SW1の基準電圧が入力される。また、制御回路1は、AS端子を介して応答速度調整コンデンサC4と接続されている。また、制御回路1は、CS端子を介して共振コンデンサC2及び抵抗R3の接続点と接続されており、第1スイッチ素子SW1又は第2スイッチ素子SW2のスイッチング電圧が入力される。さらにまた、Ct端子を介して発振調整用のコンデンサC5及び発振調整用の抵抗R4,R5と接続されている。抵抗R4,R5はフォトカプラPC2と接続されており、フォトカプラPC2には二次側のフォトカプラPC1を介して出力検出回路の検出結果が入力される。
【0022】
トランスTの二次側の巻線T2の一方端は、整流ダイオードD1のアノードに接続されており、トランスTの二次側の巻線T3の他方端は、整流ダイオードD2のアノードに接続されている。整流ダイオードD1のカソード及び整流ダイオードD2のカソードは出力電源ライン104と接続されている。
【0023】
二次側の巻線T2と二次側の巻線T3との接続点は、出力電源ライン105と接続されている。出力電源ライン104と出力電源ライン105との間には平滑コンデンサC3が接続されている。また、出力電源ライン104と出力電源ライン105との間に負荷106が接続される。出力電源ライン104と出力電源ライン105との間の出力は、出力検出回路107で検出され、検出結果はフォトカプラCP1を介して制御回路にフィードバックされる。
【0024】
2.実施形態に係る制御回路1の構成
図2は、実施形態に係る制御回路1を説明するために示すブロック図である。制御回路1は、図2に示すように、駆動部10と、発振部20と、スイッチング電流情報取得部30と、デューティ情報生成部40と、過電流検出部50とを備える。なお、発振部20と、スイッチング電流情報取得部30と、デューティ情報生成部40と、過電流検出部50とで制御信号生成部を構成する。
【0025】
駆動部10は、図2に示すように、発振部20から出力された第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2をオンオフする制御信号に基づいて第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2のオンオフを行う。駆動部10は、発振部20から制御信号が入力され、第1スイッチ素子SW1をオンオフするスイッチングパルスを端子VGHを介して第1スイッチ素子SW1のゲート電極に出力し、第2スイッチ素子SW2をオンオフするスイッチングパルスを端子VGLを介して第2スイッチ素子SW2のゲート電極に出力する。駆動部10は、端子VSを介して第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2の接続点に接続されている。
【0026】
発振部20は、発振器21(図4参照)の電圧に基づいて負荷状態を判別するための負荷状態情報を生成し、当該負荷状態情報をデューティ情報生成部40に出力するとともに、デューティ情報生成部40で生成されるデューティ情報に基づいて調整されたタイミングで制御信号を駆動部10に出力する。また、発振部20は、AS端子を介して応答速度調整コンデンサC4と接続されており、応答速度調整コンデンサC4の充電電圧に基づいてデューティ情報を取得し、デューティ情報に基づいて発振器21の電圧の放電開始電圧及び発振器21の電圧の増加率を調整することにより、制御信号を駆動部10に出力するタイミングを調整する。
【0027】
スイッチング電流情報取得部30は、第1スイッチ素子SW1又は第2スイッチ素子SW2のスイッチング電流情報を取得し、当該スイッチング電流情報に基づいてスイッチング電流検出信号をデューティ情報生成部40に出力する。スイッチング電流情報取得部30は、スイッチング電流情報として、第1スイッチ素子SW1又は第2スイッチ素子SW2に流れる電流を電圧に変換したスイッチング電圧を端子CSを介して取得し、当該スイッチング電圧がゼロになるタイミングでスイッチング電流検出信号をデューティ情報生成部40に出力する。
【0028】
デューティ情報生成部40は、発振部20から入力された負荷状態情報とスイッチング電流情報取得部30から入力されたスイッチング電流検出信号とに基づいてデューティ情報を生成する。デューティ情報生成部40は、AS端子を介して応答速度調整コンデンサC4と接続されており、デューティ情報として、スイッチング電流検出信号を受信したタイミングにおける発振器の電圧Ctに関する情報を生成し、デューティ情報に基づいて応答速度調整コンデンサC4の充電電圧をスイッチング電流検出信号を受信したタイミングにおける発振器の電圧値Ctと同じ電圧となるように調整する。
【0029】
以上のように、制御回路1は、応答速度調整コンデンサC4と接続された端子をさらに有し、デューティ情報生成部40は、デューティ情報として、スイッチング電流検出信号を受信したタイミングにおける発振器21の電圧に関する情報を生成し、デューティ情報に基づいて応答速度調整コンデンサC4の充電電圧を調整し、発振部20は、応答速度調整コンデンサC4の充電電圧に基づいて調整されたタイミングで制御信号を駆動部10に出力する。
【0030】
過電流検出部50は、スイッチング電流情報取得部30によって取得された第1スイッチ素子SW1又は第2スイッチ素子SW2のスイッチング電流情報(CS電圧)に基づいて第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2の少なくとも一方の過電流を検出する。
【0031】
図3は、実施形態に係る制御回路1の動作説明に用いるグラフである。
実施形態に係る制御回路1は、図3に示すように、発振器の電圧(Ct電圧)の所定範囲2.0V~2.5Vの範囲(Ct(l-bottom)からCt(l-top)の範囲)にあるときを軽負荷であると判定し(図3の符号A参照。なお、符号Aの段階では、負荷が小さい微小負荷となっている。)、当該範囲においてスイッチング電圧CSが所定の値(実施形態においては0)となるタイミング(図3の符号B参照)のCt電圧を検出し、当該電圧と同じ電圧をAS端子の電圧(応答速度調整コンデンサC4の充電電圧)とし(図3の符号C参照)、当該AS端子の電圧に基づいて発振器の電圧Ctの放電開始電圧及び発振器の電圧Ctの増加率を調整する(図3の符号D参照)ことにより軽負荷時において第2スイッチ素子のオン期間の幅をAS端子の電圧に応じた幅となるように第2スイッチ素子のオン期間を調整する(図3の符号E参照)。このようにして、第1スイッチ素子のオン期間の幅と第2スイッチ素子のオン期間の幅との比率を細かく変化させることができる。
【0032】
3.実施形態に係る制御回路1の各構成要素の構成及び動作
次に、実施形態に係る制御回路1の各構成要素の構成及び動作を説明する。
【0033】
(1)負荷状態情報生成
図4は、発振部20において負荷状態を判別することを説明するために示す図である。図4(a)は発振部20の一部を示す回路図であり、図4(b)は発振器の電圧Ct、第1スイッチ素子SW1のスイッチングパルスVGH、第2スイッチ素子SW2のスイッチングパルスVGL、通常‐重負荷・対称判定期間、軽負荷・線形非対称判定期間及び軽負荷・非対称判定期間を示すタイミングチャートである。
【0034】
発振部20は、まず、発振器21の電圧(Ct電圧)に基づいて負荷状態を判別するための負荷状態情報を生成する。発振部20は、第1スイッチ素子SW1がオンのときにおいて発振器の電圧Ctが、Ct(l-bottom)未満のときを通常‐重負荷・対称判定期間にあると判定し、所定の電圧範囲Ct(l-bottom)からCt(l-top)にあるときを軽負荷・線形非対称判定期間にあると判定し、Ct(l-top)を超える電圧範囲にあるときを、軽負荷・非対称判定期間にあると判定する(図4(b)参照)。発振部20は、発振器21と、コンパレータ22,23と、NOTゲート24,26と、ANDゲート25,27,28,29を有する。
【0035】
発振器21はCt電圧に応じた発振周波数でスイッチングパルスを生成する。発振器の電圧Ctは、Ct端子に接続されている発振調整用のコンデンサC5及び発振調整用の抵抗R4,R5によって設定される(図1参照)。発振器21の電圧Ctは、コンパレータ22,23によって検出される。コンパレータ22には、Ct(l-bottom)(例えば2.0V)のリファレンス電圧が供給され、コンパレータ23には、Ct(l-tоp)(例えば2.5V)のリファレンス電圧が供給される。
【0036】
図4に示すように、発振器の電圧Ctの電圧がCt(l-bottom)(例えば2.0V)未満のとき、コンパレータ22はローレベルとなり、NOTゲート26によってハイレベルとなる。従って、第1スイッチ素子SW1のスイッチングパルスVGHがハイレベルになるときにはANDゲート27がハイレベルとなり、通常‐重負荷と判定され、第1スイッチ素子SW1のオン幅と第2スイッチ素子SW2とのオン幅とが対称に制御が行われる期間であると判定される(通常-重負荷対称判定期間)。
【0037】
発振器の電圧Ctの電圧がCt(l-bottom)(例えば2.0V)以上Ct(l-tоp)(例えば2.5V)以下のとき、コンパレータ22がハイレベルとなり、コンパレータ22のハイレベルの出力がNOTゲート26によりローレベルとなる。従って、ANDゲート27はローレベルとなる。一方、コンパレータ23がローレベルとなり、NOTゲート24によりハイレベルとなる。よって、ANDゲート25でハイレベルとなる。従って、第1スイッチ素子SW1のスイッチングパルスVGHがハイレベルになるときにはANDゲート28がハイレベルとなり、比較的通常-重負荷に近い軽負荷と判定され、第1スイッチ素子SW1のオン幅と第2スイッチ素子SW2のオン幅とで線形非対称制御が行われる期間であると判定される(軽負荷・線形非対称判定期間)。
【0038】
発振器の電圧Ctの電圧がCt(l-tоp)(例えば2.5V)を超えるとき、コンパレータ23はハイレベルとなり、コンパレータ23のハイレベルの出力がNOTゲート24によりローレベルが出力される。よって、ANDゲート25でローレベルとなり、ANDゲート28はローレベルとなる。一方、コンパレータ23はハイレベルなので、第1スイッチ素子SW1のスイッチングパルスVGHがハイレベルになるときにはANDゲート29がハイレベルとなり、比較的微小負荷である軽負荷と判定され、第1スイッチ素子SW1のオン幅と第2スイッチ素子SW2のオン幅とで非対称制御が行われる期間であると判定される(軽負荷・非対称判定期間)。
【0039】
(2)スイッチング電流検出信号出力
図5は、スイッチング電流情報取得部30について説明するために示す図である。
図5(a)はスイッチング電流情報取得部30を示す回路図であり、図5(b)は発振器の電圧Ct、第1スイッチ素子SW1のスイッチングパルスVGH、第2スイッチ素子SW2のスイッチングパルスVGL、スイッチング電圧Cs、スイッチング電流検出信号S&H_PLSを示すタイミングチャートである。
【0040】
スイッチング電流情報取得部30は、スイッチング電流情報を取得し、当該スイッチング電流情報に基づいてスイッチング電流検出信号を出力する。スイッチング電流情報取得部30は、端子CSからスイッチ素子に流れる電流を電圧に変換したスイッチング電圧を検出し、検出されたスイッチング電圧が抵抗分圧決定部31で定められた所定の電圧値となったときにスイッチング電流検出信号を生成し、デューティ情報生成部40へ出力する。
【0041】
具体的には、スイッチング電流情報取得部30は、第1スイッチ素子SW1又は第2スイッチ素子SW2のスイッチング電流情報として、CS端子の電圧値を取得し、抵抗R6及びR7で分圧する。次に、抵抗R6及びR7で分圧された値と、抵抗分圧決定部31で定められた値とをコンパレータ32で比較し、CS端子の電圧値が0になるときにハイレベルとなる。ANDゲート33で第1スイッチ素子SW1がオン、かつ、CS端子の電圧値が0になるときにワンショット回路34によってスイッチング電流検出信号S&H_PLSを生成し(図5(b)参照)、デューティ情報生成部40へ出力する。
【0042】
なお、抵抗R6と抵抗R7との接続点には、第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2の少なくとも一方の過電流を検出する過電流検出部50が接続されている。
【0043】
(3)デューティ情報生成-1
図6は、デューティ情報生成部40について説明するために示す図である。図6(a)はデューティ情報生成部40の一部を示す回路図であり、図6(b)は通常―重負荷・対称判定期間、軽負荷・線形非対称判定期間、軽負荷・非対称判定期間、スイッチング電流検出信号S&H_PLS、AS電圧充電信号ASchg及びAS電圧放電信号ASdischgを示すタイミングチャートであり、図6(c)はAS端子の電圧と発振器の電圧Ctとの関係を示すグラフである。
【0044】
デューティ情報生成部40は、発振部20から出力された負荷状態情報(通常―重負荷・対称判定期間、軽負荷・線形非対称判定期間又は軽負荷・非対称判定期間かどうかの信号)及びスイッチング電流情報取得部30から発信されたスイッチング電流検出信号S&H_PLSに基づいてデューティ情報を生成する。デューティ情報生成部40は、スイッチング電流検出信号を受信したタイミングにおける発振器の電圧Ctに関する情報に基づいて応答速度調整コンデンサC4の充電電圧ASを調整する。このため、AS端子の電圧が1.5V(AS(bottom))以上であるか否かの信号(AS>1.5V)及びAS端子の電圧が2.5V(AS(l-top))以上であるか否かの信号(AS>2.5V)を受信する。
【0045】
デューティ情報生成部40は、コンパレータ41,48,49と、ANDゲート43,45と、ORゲート42と、NOTゲート44と、スイッチ46,47と、コンデンサC6とを有する。
【0046】
(3-1)通常―重負荷・対称判定期間1
まず、通常―重負荷・対称判定期間内にスイッチング電流検出信号S&H_PLSを受信したとき(図6(b)のS&H_PLSにおける左から1つ目のパルスのとき)、AS電圧は1.5Vであるため(図6(b)のAS参照)、AS>1.5Vの信号、及び、AS>2.5Vはいずれもローレベルである(図6(b)参照)。従って、図6(a)のANDゲート43の出力ASchg及びANDゲート45の出力ASdischgはいずれもローレベルとなる。従って、コンパレータ49によりAS電圧は1.5Vが維持され、対称制御が行われることとなる(図6(b)AS及び図6(c)参照)。
【0047】
(3-2)軽負荷・線形非対称判定期間
次に、軽負荷・線形非対称判定期間内にスイッチング電流検出信号S&H_PLSを受信したとき(図6(b)のS&H_PLSにおける左から2つ目のパルスのとき)、軽負荷・線形非対称判定期間の信号がハイレベルとなるため、ORゲート42がハイレベルとなる。また、AS>2.5Vの信号はローレベルとなるが、NOTゲート44によってハイレベルが出力される。従って、ANDゲート43の出力ASchgがハイレベルになる(図6(b)のASchg参照)。従って、スイッチ46がオンになり、発振器の電圧Ctがコンパレータ48へ入力され、AS端子の電圧も発振器の電圧Ctと同じ電圧が印加される。ここで、軽負荷・線形非対称判定期間において、発振器の電圧CtはCt(l-bottom)=2.0VからCt(l-top)=2.5Vの間を線形に増加するため(図4(a)参照)、AS電圧もAS(l-bottom)=2.0VからAS(l-top)=2.5Vの間を線形に増加することとなり、AS電圧の値はこの範囲内の発振器の電圧Ctに対応した値となる(図6(b)のAS参照)。すなわち、線形非対称制御が行われることとなる。なお、図6(c)に示すように、発振器の電圧CtとAS電圧との関係も線形の増加する関係となる。従って、この期間においては、第2スイッチ素子SW2のオン幅が、Ct電圧に応じた幅となっている。
【0048】
(3-3)軽負荷・非対称判定期間1
次に、軽負荷・非対称判定期間内にスイッチング電流検出信号S&H_PLSを受信したとき(図6(b)のS&H_PLSにおける左から3つ目のパルスのとき)には、軽負荷・非対称判定期間の信号がハイレベルとなるため、ORゲート42がハイレベルとなる。また、AS電圧が2.5Vになっていないことから、AS>2.5Vはローレベルとなり、NOTゲート44によってハイレベルが出力される。従って、ANDゲート43の出力ASchgがハイレベルになり(図6(b)のASchg参照)、スイッチ46がオンになり、AS電圧が2.5Vになるまで印加される。
【0049】
(3-4)軽負荷・非対称判定期間2
軽負荷・非対称判定期間内にスイッチング電流検出信号S&H_PLSを受信したとき(図6(b)のS&H_PLSにおける左から4つ目のパルスのとき)において、AS電圧が2.5Vを超えるとAS>2.5Vはハイレベルとなり、NOTゲート44によってローレベルが出力されることから、スイッチ46がオフになる。従って、以後、AS電圧は2.5Vを維持することとなる。従って、発振器の電圧Ctが2.5Vを超えた場合でもAS電圧はAS(l-top)=2.5Vを維持した状態となる。従って、この期間においては、Ct電圧が増加してもAS電圧は一定の値となり(図6(c)参照)、ひいては、第2スイッチ素子SW2のオン幅が、所定の値をとることとなり、非対称制御が行われることとなる。
【0050】
(3-5)通常―重負荷・対称判定期間2
次に、軽負荷・線形非対称判定期間を経て、通常―重負荷・対称判定期間内にスイッチング電流検出信号S&H_PLSを受信したとき(図6(b)のS&H_PLSにおける左から5つ目のパルスのとき)には、ORゲート42はローレベルとなり、ANDゲート43の出力ASchgがローレベルとなるため、スイッチ46がオフになる。また、AS>1.5Vの信号はハイレベルとなることから、ANDゲート45の出力ASdischgがハイレベルになる(図6(b)のASdischg参照)。従って、スイッチ47がオンになり、コンパレータ48の非反転入力端子(+)に入力される電圧は大幅に低下する。これにより、AS電圧には、コンパレータ49により、1.5Vの電圧が印加される。従って、コンパレータ49によりAS電圧は1.5Vが維持され、対称制御が行われることとなる(図6(b)AS及び図6(c)参照)。
【0051】
(4)デューティ情報生成―2
図7は、デューティ情報生成部40によってAS電圧に基づいて発振器の電圧に関する情報を生成する様子を説明するために示す図である。図7(a)はデューティ情報生成部40の一部を示す回路図であり、図7(b)はAS端子の充電電圧、AS-ON信号、AS信号及びASLIN信号を示すタイミングチャートである。
【0052】
発振部20は、応答速度調整コンデンサC4の充電電圧(AS端子の電圧)に基づいて発振器の電圧Ctに関する情報を生成する。具体的には、コンパレータ61,62及び抵抗R8,R9によってAS端子の電圧ASに応じた大きさの電圧ASLINVthを出力する。また、コンパレータ63,64、NOTゲート65及びANDゲート66によってAS-ON信号、AS信号及びASLIN信号を決定する。なお、図7(b)に示すように、AS-ON信号はAS端子の電圧が2.0Vを超えたときにハイレベルとなり、AS信号は、AS端子の電圧がAS(l-top)2.5Vを超えたときに(言い換えると、AS端子の電圧の増加が終了したとき、あるいはリニア期間の終了のときに)ハイレベルとなり、ASLIN信号は、AS端子の電圧が増加している期間ハイレベルとなる。
【0053】
(5)制御信号出力
図8は、発振部20においてデューティ情報に基づいて調整されたタイミングで制御信号を駆動部に出力する様子を説明するために示す図である。図8(a)は発振部20の一部を示す回路図であり、図8(b)は発振器の電圧Ct、発振器のクロック信号OSCCLK、第1スイッチ素子SW1のスイッチングパルス、第2スイッチ素子SW2のスイッチングパルスを示すタイミングチャートであり、図8(c)はAS電圧と電流源71,72から流れる電流Ict(chg)1及び電流Ict(chg)2の和との関係を示すグラフであり、図8(d)はAS電圧と発振器の電圧Ctとの関係を示すグラフである。
【0054】
発振部20は、デューティ情報に基づいて発振器21の電圧Ctの放電開始電圧及び発振器21の電圧Ctの増加率を調整する。
図8(a)に示すように、発振部20においては、第1電流源71及び第2電流源72の両方によって発振器21に電力を供給しており、スイッチ73、74のオンオフによって発振器21に供給する電流量を調整しているが、コンパレータ76及びANDゲート75により、発振器の電圧Ctが3.5Vを超えたときにスイッチ73をオフにして第1電流源71からの電力の供給をオフにする。これにより、発振器の電圧Ctが3.5Vを超えたときに発振器の電圧Ctの増加率を小さくすることができる(図8(c)参照)。また、アナログスイッチ77,78,79,80及びNANDゲート82、によって、発振器の電圧Ctの最大値を決定する。これにより、発振器21の電圧Ctの放電開始電圧及び発振器21の電圧Ctの増加率を調整することができる。なお、発振器の電圧Ctの最小値Ct(bоttоm)は、アナログスイッチ81により固定で1.5Vとなる。
【0055】
(5-1)AS電圧が2.0V以下(AS(l-bottom)以下)のとき
図7(b)に示すように、AS電圧が2.0V以下(AS(l-bottom)以下)のときは、AS-ON信号、AS信号及びASLIN信号はいずれもローレベルとなる。
従って、図8(a)及び図8(d)に示すように、アナログスイッチ79,80により、発振器21の電圧Ctの放電開始電圧Ct(tоp)は、Ct(tоp1)3.5Vとなる。
【0056】
一方、Ct電圧が3.5V以下のとき、図8(a)のコンパレータ76によってローレベルが出力され、AS-ON信号がローレベルなので、ANDゲート75からハイレベルが出力される。従って、スイッチ73はオンされ、第1電流源71から発振器21に電力が供給される。一方、スイッチ74は、発振器21のオンオフによって制御されるため、発振器21のクロック信号OSCCLKがハイレベルのとき(図8(b)のOSCCLK参照)、スイッチ74はオンされ、第2電流源72からも発振器21に電力が供給される。
従って、第1電流源71及び第2電流源72の両方によって発振器21に電力を供給しているため(図8(a)及び図8(c)参照)、発振器の電圧Ctの増加率は所定の傾きで一定となる。
【0057】
従って、図8(b)の発振器の電圧Ctの左から1~4番目の波形が示すように、いずれも同じ周期で増加・減少を繰り返しており、発振器21のクロック信号OSCCLKが示すように、左から1~4番目の波形はすべて同じ波形となっている。第1スイッチ素子SW1と第2スイッチ素子SW2は交互にオンオフしているため、第1スイッチ素子SW1のスイッチングパルスVGH-ONの左から1番目及び2番目の波形、並びに、第2スイッチ素子SW2のスイッチングパルスVGL-ONの左から1番目及び2番目の波形は同じ波形となっている。
【0058】
(5-2)AS電圧が2.0V~2.5Vのとき(AS(l-tоp)~AS(l-bottom)のとき)
図7(b)に示すように、2.0V~2.5Vのとき(AS(l-tоp)~AS(l-bottom)のとき)、AS-ON信号及びASLIN信号はハイレベルになり、AS信号はローレベルとなる。
従って、NANDゲート82はローレベルとなり、アナログスイッチ79はオフになる。また、AS信号はローレベルなのでアナログスイッチ77もオフになる。そして、ASLIN信号はハイレベルなので、アナログスイッチ78においては電圧ASLINVthをアナログスイッチ80に出力する。従って、発振器の電圧Ctの放電開始電圧Ct(tоp)はASLINVthで決定される値となる。なお、放電開始電圧Ct(tоp)は、3.5V~4.5Vの範囲内にある。
【0059】
Ct電圧が3.5V以下のときは、AS電圧が2.0V以下の場合と同様に、第1電流源71及び第2電流源72の両方によって発振器21に電力を供給しているため(図8(a)及び図8(c)参照)、発振器の電圧Ctの増加率は所定の傾きで一定となる。そして、Ct電圧が3.5Vになると、第1電流源71から供給される電力が遮断され、第2電流源72のみから電力が供給される(図8(c)参照)。これにより、Ct電圧が3.5VからCt(tоp)までの範囲内では、発振器の電圧Ctの増加率(傾き)が小さくなっている(図8(b)参照)。
【0060】
これにより、発振器のクロック信号OSCCLKの波形が立ち下がるタイミングが遅くなり、OSCCLKの波形の幅が長くなる。従って、図8(b)の発振器の電圧Ctの左から5番目の波形が示すように、発振器の電圧Ctが3.5Vになった後も傾きが小さいながらも放電開始電圧Ct(tоp)まで上昇を続けた後、急激に立ち下がる。従って、第2スイッチ素子SW2のスイッチングパルスVGL-ONの左から3番目のオン幅が1番目及び2番目の波形よりも長くなっている。なお、スイッチングパルスVGL-ONの左から3番目のオン幅は、後述する4番目のオン幅よりも短くなっており、AS電圧、ひいては、軽負荷の度合いに応じてオン幅が調整されていることがわかる。また、第1スイッチ素子SW1のオン幅は変化させないため、スイッチングパルスVGH-ONの左から3番目のオン幅は、1番目及び2番目のものと変わらない。
【0061】
(5-3)AS電圧が2.5V(AS(l-tоp))を超えるとき
図7(b)に示すように、AS電圧が2.5V(AS(l-tоp))を超えるとき、AS-ON信号及びAS信号はハイレベルになり、ASLIN信号はローレベルとなる。
従って、NANDゲート82はローレベルとなり、アナログスイッチ79はオフになる。また、ASLIN信号はローレベルなので、アナログスイッチ78もオフになる。そして、AS信号はハイレベルなのでアナログスイッチ77がオンになる。従って4.5Vをアナログスイッチ80に出力する。従って、発振器の電圧Ctの放電開始電圧Ct(tоp)はCt(tоp2)=4.5Vで固定された値となる。
【0062】
上記(5-2)と同様に、Ct電圧が3.5V以下のときは、第1電流源71及び第2電流源72の両方によって発振器21に電力を供給しているため(図8(a)及び図8(c)参照)、発振器の電圧Ctの増加率は所定の傾きで一定となる。そして、Ct電圧が3.5Vになると、第1電流源71から供給される電力が遮断され、第2電流源72のみから電力が供給される(図8(c)参照)。これにより、Ct電圧が3.5VからCt(tоp)までの範囲内では、発振器の電圧Ctの増加率(傾き)が小さくなっている(図8(b)参照)。
【0063】
これにより、発振器のクロック信号OSCCLKの波形が立ち下がるタイミングが遅くなり、OSCCLKの波形の幅が長くなる。従って、図8(b)の発振器の電圧Ctの左から7番目の波形が示すように、発振器の電圧Ctが3.5Vになった後も傾きが小さいながらも放電開始電圧Ct(tоp2)=4.5Vまで上昇を続けた後、急激に立ち下がる。従って、第2スイッチ素子SW2のスイッチングパルスVGL-ONの左から4番目のオン幅が1~3番目の波形よりも長くなっている。
【0064】
発振器21から上記(A)~(C)のように調整されたOSCCLK信号(発振器21からのクロック信号)をOSCロジック回路83に出力し、OSCCLK信号を基にOSCロジック回路83で制御信号としてのスイッチングパルスVGH-ON及びスイッチングパルスVGL-ONを駆動部10に出力する。
【0065】
(6)スイッチ素子駆動
図9は、駆動部10を説明するために示す図である。図9(a)は駆動部10を示す回路図であり、図9(b)はAS電圧と第1スイッチ素子SW1のスイッチングパルスVGH-ON及び第2スイッチ素子SW2のスイッチングパルスVGL-ONのオン幅との関係を示す図である。
【0066】
駆動部10は、制御信号に基づいて第1スイッチ素子及び第2スイッチ素子のオンオフを行う。具体的には、第1スイッチ素子SW1のスイッチングパルスVGH-ONが入力されたときは、駆動制御部11によりレベルシフト回路12を介してスイッチ素子13,14で構成されるゲートドライバ回路により、第1スイッチ素子SW1がオンされる。また、第2スイッチ素子SW2のスイッチングパルスVGL-ONが入力されたときは、スイッチ素子15,16で構成されるゲートドライバ回路により、第2スイッチ素子SW2がオンされる。
【0067】
このとき、第2スイッチ素子SW2については、(5)制御信号出力で記載したように、
発振部20によってスイッチングパルスVGL-ONのオン幅が軽負荷の度合いによって調整されているため、図9(b)に示すように、AS電圧によって第1スイッチ素子SW1のオン幅と第2スイッチ素子SW2のオン幅が調整される。
【0068】
4.実施形態に係るスイッチ素子の制御方法
図10は、実施形態に係るスイッチ素子の制御方法を示すフローチャートである。実施形態に係るスイッチ素子の制御方法は、図10に示すように、発振器の電圧(Ct電圧)に基づいて負荷状態を判別するための負荷状態情報を生成する負荷状態情報生成工程と、第1スイッチ素子SW1又は第2スイッチ素子SW2のスイッチング電流情報を取得し、当該スイッチング電流情報に基づいてスイッチング電流検出信号を出力するスイッチング電流検出信号出力工程と、デューティ情報生成工程で生成されたデューティ情報(AS電圧)に基づいて調整されたタイミングで第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2をオンオフする制御信号を駆動部10に出力する制御信号出力工程と、制御信号出力工程で駆動部10に出力された制御信号に基づいて第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2のオンオフを行うスイッチ素子駆動工程とをこの順序で含む。
【0069】
5.実施形態に係る制御回路、スイッチ素子の制御方法及びスイッチング電源の効果
実施形態に係る制御回路1及びスイッチング電源100によれば、デューティ情報生成部40は、負荷状態情報とスイッチング電流検出信号とに基づいてデューティ情報を生成し、発振部20は、デューティ情報生成部40で生成されるデューティ情報に基づいて調整されたタイミングで制御信号を駆動部10に出力するため、軽負荷時において第1スイッチ素子SW1のオン期間の幅と第2スイッチ素子SW2のオン期間の幅との比率を細かく変化させることができる。その結果、出力電圧変動が大きくなることを防ぐことができる。
【0070】
図11は、実施形態に係る制御回路1の軽負荷時の動作説明に用いるグラフである。
ところで、特許文献1に記載の制御回路においては、軽負荷と判断したときに、ローサイド側のスイッチ素子のオン期間を最低周波数で決まる最大のオン幅まで広げる(図13の時刻t2~t3参照)ことから、場合によっては(例えば、周辺回路の定数設定によっては)共振回路の条件から外れる共振外れが起こる場合があり(図13の電圧CSの波形参照)、この場合には出力電圧が低下する(図13の出力電圧の波形参照)。
これに対して、実施形態に係る制御回路1及びスイッチング電源100によれば、デューティ情報生成部40は、負荷状態情報とスイッチング電流検出信号とに基づいてデューティ情報を生成し、発振部20は、デューティ情報生成部40で生成されるデューティ情報に基づいて調整されたタイミングで制御信号を駆動部10に出力するため、軽負荷時において第1スイッチ素子SW1のオン期間の幅と第2スイッチ素子SW2のオン期間の幅との比率を細かく変化させることができる(図11参照)。すなわち、図11の時刻t1で軽負荷と判断したときに、スイッチング電圧CSが0になるとき(スイッチング電流情報)における発振器の電圧Ct(負荷状態情報)に基づいてデューティ情報を生成し、ローサイド側の第2スイッチ素子のオン期間を当該デューティ情報に基づいたオン幅で広げる(図11の時刻t2~t3参照)ことから、共振回路の条件から外れる共振外れが起こりにくく(図11の電圧CSの波形参照)、出力電圧を一定に維持することができる(図11の出力電圧の波形参照)。
【0071】
また、実施形態に係る制御回路1及びスイッチング電源100によれば、上記した構成を有するため、負荷状態を細かく判別し、第2スイッチ素子SW2のオン期間の幅を連続的に変化させることができる。従って、二次側の励磁電流を細かく調整することになり、損失の増加を防ぐことができるため、高効率のスイッチング電源とすることができる。また、発振器の電圧Ctに基づいて負荷状態を判別することから、対称制御期間(通常‐重負荷期間)と非対称制御期間(軽負荷期間)が判別でき、切替端子が不要となる。
【0072】
また、実施形態に係る制御回路1及びスイッチング電源100によれば、発振部20は、デューティ情報に基づいて発振器の電圧Ctの放電開始電圧及び発振器の電圧Ctの増加率を調整することにより、制御信号を駆動部10に出力するタイミングを調整するため、負荷状態に応じて発振器の電圧Ctの増加期間、すなわち、第2スイッチ素子SW2のオン期間を細かく制御することが可能となる。
【0073】
また、実施形態に係る制御回路1及びスイッチング電源100によれば、スイッチング電流情報取得部30は、第1スイッチ素子SW1又は第2スイッチ素子SW2のスイッチング電流情報として、第1スイッチ素子SW1に流れる電流を電圧に変換したスイッチング電圧を取得し、当該スイッチング電圧がゼロになるタイミングでスイッチング電流検出信号をデューティ情報生成部40に出力するため、明確な基準でスイッチング電流検出信号を出力することができる。
【0074】
また、実施形態に係る制御回路1及びスイッチング電源100によれば、デューティ情報生成部40は、デューティ情報として、スイッチング電流検出信号を受信したタイミングにおける発振器の電圧Ctに関する情報を生成するため、軽負荷における詳細な負荷状態(微小負荷なのか軽負荷なのか等)を検出することができ、詳細に検出した負荷状態に対応して第1スイッチ素子SW1のオン期間の幅と第2スイッチ素子SW2のオン期間の幅との比率を細かく変化させることができる。
【0075】
また、実施形態に係る制御回路1及びスイッチング電源100によれば、デューティ情報生成部40は、デューティ情報として、スイッチング電流検出信号を受信したタイミングにおける発振器の電圧Ctに関する情報を生成し、デューティ情報に基づいて応答速度調整コンデンサC4の充電電圧を調整し、発振部20は、応答速度調整コンデンサC4の充電電圧に基づいて調整されたタイミングで制御信号を駆動部10に出力するため、アクティブスタンバイ機能などに用いる端子及びコンデンサにデューティ情報を伝達する機能をも持たせることができる。従って、アクティブスタンバイ機能を有する制御回路にさらに別途端子及びコンデンサを追加する必要がない。もっと言えば、AS端子、過電流検出に用いるCS端子及びCt端子をすでに有している制御回路を使用しているスイッチング電源に対しては、端子構成に変更がないため、制御回路の周囲の構成を変更することなく、実施形態1に係る制御回路に置き換えることができる。
【0076】
また、実施形態に係る制御回路1及びスイッチング電源100によれば、スイッチング電流情報取得部30によって取得された第1スイッチ素子SW1又は第2スイッチ素子SW2のスイッチング電流情報(CS電圧)に基づいて第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2の少なくとも一方の過電流を検出する過電流検出部50を備えるため、スイッチング電流情報取得部30に用いる端子と過電流検出に用いる端子を別々に準備する必要がない。また、すでに過電流検出部を有する制御回路に対して、別途スイッチング電流情報取得部30に用いる端子を準備する必要がなく共用とすることができる。
【0077】
また、実施形態に係るスイッチ素子の制御方法によれば、負荷状態情報及びスイッチング電流検出信号に基づいてデューティ情報を生成するデューティ情報生成工程と、デューティ情報生成工程で生成されたデューティ情報に基づいて調整されたタイミングで第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2をオンオフする制御信号を駆動部10に出力する制御信号出力工程とを有するため、軽負荷時において第1スイッチ素子SW1のオン期間の幅と第2スイッチ素子SW2のオン期間の幅との比率を細かく変化させることができる。その結果、出力電圧変動が大きくなることを防ぐことができる。また、共振外れが発生し難く出力電圧が低下し難くなる。
【0078】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0079】
(1)上記各実施形態(各変形例も含む。以下同じ。)において記載した位置、接続、個数等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
【0080】
(2)上記各実施形態においては、第1スイッチ素子SW1のオン幅を固定して第2スイッチ素子SW2のオン幅を調整したが、本発明はこれに限定するものではない。第1スイッチ素子SW1のオン幅を調整してもよいし、第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2の両方のオン幅を調整してもよい。
【0081】
(3)上記各実施形態においては、スイッチング電源として、LLC共振回路を用いたが、本発明はこれに限定するものではない。2つのスイッチ素子が直列に接続されている適宜の回路に用いることができる。
【符号の説明】
【0082】
1…制御回路、10…駆動部、20…発振部、21…発振器、30…スイッチング電流情報取得部、40…デューティ情報生成部、50…過電流検出部、100…スイッチング電源、C4…応答速度調整コンデンサ、SW1…第1スイッチ素子、SW2…第2スイッチ素子
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