(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093612
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/1097 20220101AFI20240702BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20240702BHJP
【FI】
H04L67/1097
H04L67/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210120
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(74)【代理人】
【識別番号】100227857
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 圭
(72)【発明者】
【氏名】中尾 優花
(72)【発明者】
【氏名】滝口 梨花
(57)【要約】
【課題】 スキャンデータの保存先を設定できないスキャナにおいても、簡易に保存先を設定すること
【解決手段】 データの保存先の設定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けた保存先に対応するコードを発行する発行手段と、
データのファイル名から所定の文字列を抽出する抽出手段と、
前記前記抽出手段により抽出された文字列に対応するコードを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたコードに対応する保存先に、前記データを保存するよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの保存先の設定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けた保存先に対応するコードを発行する発行手段と、
データのファイル名から所定の条件を満たす文字列を抽出する抽出手段と、
前記前記抽出手段により抽出された文字列に対応するコードを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたコードに対応する保存先に、前記データを保存するよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記特定手段は、前記抽出手段により抽出された文字列と一致するコードを特定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記抽出手段は、前記ファイル名の先頭から所定の文字数を抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記発行手段による発行されるコードは有効期限が設定されることを特徴とし、
前記特定手段は、前記有効期限の切れていないコードから前記抽出された文字列に対応するコードを特定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
情報処理システムの受付手段が、データの保存先の設定を受け付ける受付工程と、
前記情報処理システムの発行手段が、前記受付工程により受け付けた保存先に対応するコードを発行する発行工程と、
前記情報処理システムの抽出手段が、データのファイル名から所定の条件を満たす文字列を抽出する抽出工程と、
前記情報処理システムの特定手段が、前記前記抽出工程により抽出された文字列に対応するコードを特定する特定工程と、
前記情報処理システムの制御手段が、前記特定工程により特定されたコードに対応する保存先に、前記データを保存するよう制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータを、
データの保存先の設定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けた保存先に対応するコードを発行する発行手段と、
データのファイル名から所定の条件を満たす文字列を抽出する抽出手段と、
前記前記抽出手段により抽出された文字列に対応するコードを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたコードに対応する保存先に、前記データを保存するよう制御する制御手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2022年から施行されている電子帳簿保存法の改正や、2026年を目途に公文書の作成から移管まですべて電子化すると政府が目標を示したことから、現在の日本でデジタル化への対応が強まっていることは明確である。また改正地球温暖化対策推進法では、2050年までの脱炭素社会の実現が明記されている。これらによって期待されているメリットは、業務の効率化だけでなく、改ざんや不正の防止、省エネルギーおよび省スペース化にも繋がり、これは私企業におけるデータ電子化の意義と同様である。
【0003】
このような電子化の動きの一つとして代表的なシステムはスキャンである。前述の通り、紙を電子化してペーパーレス化を推進すると様々な利点がある。
【0004】
特許文献1には、複合機等のスキャナ機能を備えた装置において紙文書をスキャンして得られたデータについて、管理者が設定したデータの保存先が選択可能に表示される画面と、ユーザが入力欄から保存先を設定する画面を表示する仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、複合機等のスキャナ機能を備えた装置によっては、スキャンデータの保存先を設定できないものも多く、そのような場合には、保存先に係る情報を記載した台紙を出力し、台紙とスキャン対象の文書を一緒にスキャンすることで、スキャンデータの保存先を指定することが行われている。
【0007】
しかし、このような仕組みは、台紙を出力するという手間がかかりユーザの負担が大きいだけでなく、紙使用量削減を目指すデジタル化に逆行している仕組みであると言える。
【0008】
そこで、本発明は、スキャンデータの保存先を設定できないスキャナにおいても、簡易に保存先を設定することを可能とする仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
データの保存先の設定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けた保存先に対応するコードを発行する発行手段と、
データのファイル名から所定の文字列を抽出する抽出手段と、
前記前記抽出手段により抽出された文字列に対応するコードを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたコードに対応する保存先に、前記データを保存するよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スキャンデータの保存先を設定できないスキャナにおいても、簡易に保存先を設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】クライアント端末等のハードウエア構成を示す図
【
図3】スキャナ機能を備える複合機のハードウエア構成を示す図
【
図4】スキャンコードの発行処理を示すフローチャート
【
図5】スキャンデータの送信処理を示すフローチャート
【
図7】スキャンコードを通知する画面の一例を示す図
【
図8】スキャンコードと保存先に係る情報とを対応付けたデータを示す図
【
図9】ファイル名の入力を受け付ける画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明の情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0013】
図1に示す通り、クライアント端末101、スキャナ102、管理サーバ103、ファイルサーバ104、認証サーバ105が通信可能に接続されている。
【0014】
クライアント端末101は、ユーザからの操作を受け付け、ユーザに対して各種の通知をする端末である。スマートフォンやノートPCのような可搬の端末であってもよい。
【0015】
スキャナは紙媒体の書類をスキャンすることで電子データ化する装置である。プリント機能やコピー機能などを備えた複合機でも良い。
【0016】
管理サーバ103は、スキャンコードの発行やスキャンコードと保存先とを対応付けた情報などを記憶する装置である。
【0017】
ファイルサーバ104は、スキャンデータの格納先となるサーバ装置である。
【0018】
認証サーバ105は、本システムを利用するユーザの認証処理を行う装置である。
【0019】
図2は、本発明のクライアント端末101、管理サーバ103、ファイルサーバ104、認証サーバ105として適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、情報処理装置は、システムバス200を介してCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶装置204、入力コントローラ205、音声コントローラ206、ビデオコントローラ207、メモリコントローラ208、よび通信I/Fコントローラ209が接続される。
【0021】
CPU201は、システムバス200に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0022】
ROM202あるいは外部メモリ213は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本情報処理方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0023】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ213からRAM203にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0024】
入力コントローラ205は、キーボード210や不図示のマウス等のポインティングデバイス等の入力装置からの入力を制御する。入力装置がタッチパネルの場合、ユーザがタッチパネルに表示されたアイコンやカーソルやボタンに合わせて押下(指等でタッチ)することにより、各種の指示を行うことができることとする。
【0025】
また、タッチパネルは、マルチタッチスクリーンなどの、複数の指でタッチされた位置を検出することが可能なタッチパネルであってもよい。
【0026】
ビデオコントローラ207は、ディスプレイ212などの外部出力装置への表示を制御する。ディスプレイは本体と一体になったノート型パソコンのディスプレイも含まれるものとする。なお、外部出力装置はディスプレイに限ったものははく、例えばプロジェクタであってもよい。また、前述のタッチ操作を受け付け可能な装置については、入力装置も提供する。
【0027】
なおビデオコントローラ207は、表示制御を行うためのビデオメモリ(VRAM)を制御することが可能で、ビデオメモリ領域としてRAM203の一部を利用することもできるし、別途専用のビデオメモリを設けることも可能である。
【0028】
メモリコントローラ208は、外部メモリ213へのアクセスを制御する。外部メモリとしては、ブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、および各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク)、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等を利用可能である。
【0029】
通信I/Fコントローラ209は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信やISDNなどの電話回線、および携帯電話の4G回線、5G回線等を用いた通信が可能である。
【0030】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ212上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ212上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0031】
次に、
図3を用いて、
図1に示したスキャナ102を制御するコントローラユニットのハードウェア構成について説明する。
【0032】
図3は、
図1に示したスキャナ102のコントローラユニットのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ部314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LANや公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0034】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。
【0035】
302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムネットワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0036】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラムや、画像データ等を格納する。
【0037】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部308とのインタフェース部であり、操作部308に表示する画像データを出力する。
【0038】
【0039】
また、操作部I/F307は、操作部308からユーザが入力した情報(例えば、ユーザIDやユーザパスワード等のユーザ情報等)をCPU301に伝える役割をする。
【0040】
305はネットワークインタフェース(Network I/F)で、ネットワーク112に接続し、データの入出力を行う。306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、ファクシミリ(以下、FAX)の送受信等のデータの入出力を行う。
【0041】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394、プリンタポート、RS-232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証処理で必要となるICカードを読み取るカードリーダ319が外部I/F318に接続されている。
【0042】
そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能であることとする。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0043】
320はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0044】
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0045】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0046】
また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ部314とコントローラユニット316とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0047】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。
【0048】
また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0049】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。
【0050】
原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、ユーザが操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ部314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0051】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式や、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。
【0052】
尚、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0053】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。
【0054】
また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0055】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時等に用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。
【0056】
また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、ユーザのユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部308からの設定を初期化する時に用いる。
【0057】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、ICカード(例えば、ソニー社のフェリカ(FeliCa(登録商標))内に記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0058】
以上のような構成によって、複合機108は、スキャナ部314から読み込んだ画像データをネットワーク112上に送信したり、ネットワーク112から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力することができる。
【0059】
また、スキャナ部314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力することできる。
【0060】
次に
図4のフローチャートを用いてスキャンコードの発行処理について説明する。
【0061】
ステップS401、S404、S405、S407~S409、S411はクライアント端末101のCPU201が所定の制御プログラムを読み出して実行する処理であり、S402、S403は認証サーバ105のCPU201が所定の制御プログラムを読み出して実行する処理であり、S406,S410は管理サーバ103のCPU201が所定の制御プログラムを読み出して実行する処理である。
【0062】
ステップS401では、ログイン画面を表示して、ログインに必要な情報(ユーザID、パスワード等)の入力を受け付ける。そして、入力された情報を認証サーバに送信する。
【0063】
ステップS402では認証処理を行う。具体的には、ステップS401で取得したユーザ情報が認証サーバに登録済みであるか判定すること等により認証を行う。
【0064】
ステップS403では認証処理の結果を判定する。認証に成功した場合(S403:YESは処理をステップS405に移行する。認証に失敗した場合(S403:NO)は処理をステップS404に移行する。
【0065】
ステップS404では、認証失敗の情報を受け取ると、認証に失敗した場合の画面(エラー画面等)を表示する。そして、再度ログイン情報の入力を受け付ける画面を表示する。
【0066】
ステップS405では、スキャンデータの保存先の情報を管理サーバに対して要求する。
【0067】
ステップS406では、ステップS405の要求に応じて、スキャンデータの保存先となる情報を送信する。この保存先情報は、予め管理サーバにおいて登録された保存先であり、ステップS407において、例えば
図6に示す一覧情報が表示される。
【0068】
ステップS408では、ステップS407で表示された保存先の一覧から、スキャンデータの保存先とするものの選択を受け付ける。
【0069】
なお、本実施形態においては、保存先情報について管理サーバで管理された情報を取得し、その中から選択する構成としたが、クライアント端末において任意の保存先の入力を受け付けても良い。その場合はS405~S408の処理は実行されず、保存先の入力を受け付ける処理が実行される。
【0070】
ステップS409では、選択された保存先(または入力された保存先)に係る情報と、スキャンコードの発行依頼とを管理サーバに対して送信する。
【0071】
ステップS410では、スキャンコードの発行を行う。この際、発行したスキャンコードと受信した保存先に係る情報とを対応付けて登録しておく。
【0072】
図8はスキャンコードと保存先に係る情報とを対応付けたデータを示すテーブルである。また、
図8に示すように、スキャンコードの有効期限(発行から所定時間等)も対応付けて登録されるものとする。
【0073】
ステップS411では、ステップS410で発行されたスキャンコードを受信し、画面に表示するなどによってユーザに通知する(通知画面の一例を
図7に示す)。この際、後述のファイル名に係るルールを通知しても良い。これにより、ユーザがステップS501でファイル名を入力する際に、どのようなファイル名を付与すれば良いか分かりやすくなり、不適切なファイル名の入力を低減することが可能となる。
【0074】
以上の処理により、スキャンコードとスキャンデータの保存先の情報とを対応付けて登録される。
【0075】
次に
図5のフローチャートを用いて、スキャンデータの送信処理について説明する。
【0076】
図5のステップS501、S502、S506はスキャナ102のCPUが所定の制御プログラムを読み出して実行する処理であり、S503~S505、S507~S508、S513の処理は管理サーバ103のCPUが所定の制御プログラムを読み出して実行する処理であり、S509~S512の処理はファイルサーバ104のCPUが所定の制御プログラムを読み出して実行する処理である。
【0077】
ステップS501では、スキャンデータのファイル名の入力を受け付ける。このとき、後述のルールに従って、ステップS410で発行されたスキャンコードを含むファイル名の入力を受け付けるものとする。
【0078】
ファイル名の入力を受け付ける画面の一例を
図9に示す。
図9に示す例ではファイル名の「01234」がスキャンコードである。
【0079】
ステップS502では、紙文書をスキャンしてスキャンデータを生成する。生成されたスキャンデータにはステップS501で受け付けたファイル名を付与して、管理サーバに送信する。
【0080】
ステップS503では、スキャンデータを受信する。
【0081】
ステップS504では、受信したスキャンデータのファイル名から、所定のルールに従ってスキャンコードを取得する。ルールとしては、例えば、スキャンコードはファイル名の「冒頭の5文字」であったり、「末尾の5文字」であったり、「最初のアンダーバーまで」といったルールである。そして、ステップS410で登録された情報に基づき、取得したスキャンコードに対応する保存先を特定する。
【0082】
ステップS505では、スキャンコードが有効であるか(例えば有効期限内であるか)を判定する。
【0083】
有効ではない場合は、スキャンデータの送信は行わずステップS506で送信失敗の通知をする。
【0084】
有効な場合は処理をステップS507に移行する。
【0085】
ステップS507では、スキャンデータのファイル名を編集する。具体的には、上述したファイル名に関するルールに基づき、スキャンコードを削除する(ルールによってはアンダーバー等のスキャンコードとファイル名を区別するための文字・記号も含めて削除する)。
【0086】
ステップS508では、ステップS507によって編集されたファイル名を付与したスキャンデータをファイルサーバ(ステップS504で特定された保存先に対応するフォルダ)に送信する。
【0087】
ステップS509では、スキャンデータを受信し、所定のフォルダ(ステップS504で特定された保存先に対応するフォルダ)に格納する。
【0088】
ファイルの保管に成功した場合は、管理サーバに記憶されたスキャンコード等の情報を削除する。失敗した場合は送信失敗した旨の通知等を行い、本フローチャートの処理を終了する。
【0089】
以上の処理により、ユーザは予め発行されたスキャンコードをファイル名に入力することで、スキャンデータを所望の保存先に送信することが可能となる
【0090】
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、クライアント端末で保存先を指定し、管理サーバではスキャンコードと保存先とを対応付けておき、スキャン時に入力されたファイル名からスキャンコードを抽出して保存先を特定する処理について説明した。
【0091】
第2の実施形態においては、クライアント端末においてスキャンデータのファイル名の入力を受け付ける構成について説明する。
【0092】
具体的には、
図4のS408までにクライアント端末においてスキャンデータのファイル名の入力を受け付ける。そして、スキャンコード発行依頼(S408)と一緒に管理サーバにファイル名を送信し、管理サーバでは発行したスキャンコードと保存先とファイル名とを対応付けて登録しておく。
【0093】
そして、S501において、ユーザはスキャンコードのみをファイル名として入力し、スキャンを実行する。
【0094】
ステップS504では、管理サーバにおいて、ファイル名からスキャンコードを取得し、取得したスキャンコードに対応付けられた保存先を特定する。そして、S507において、取得したスキャンコードに対応するファイル名を特定し、当該特定されたファイル名をスキャンデータに付与する。
【0095】
第2の実施形態に係る構成によれば、ユーザはスキャン時にスキャンコードのみ入力するだけよいため、スキャン時におけるユーザの手間をより低減させることが可能となる。
【0096】
以上、実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0097】
また、本発明におけるプログラムは、
図4,
図5に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は
図4,
図5の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは
図4,
図5の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0098】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0099】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0100】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、DVD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0101】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0102】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0103】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0104】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0105】
101 クライアント端末
102 スキャナ
103 管理サーバ
104 ファイルサーバ
105 認証サーバ