(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093645
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】食事提案システム、食事提案方法、及び食事提案プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/60 20180101AFI20240702BHJP
【FI】
G16H20/60
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210159
(22)【出願日】2022-12-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135518
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】森山 卓也
(72)【発明者】
【氏名】金岡 尚利
(72)【発明者】
【氏名】山木 修一郎
(72)【発明者】
【氏名】椎葉 竜生
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザの食習慣への影響をより小さくしながら、食事を改善するための提案を行う食事提案システムを提供すること。
【解決手段】食事提案サーバ1と、複数のユーザ端末2とが、ネットワークNWを介して接続される食事提案システムSにおいて、食事提案サーバ1は、ユーザ端末2より取得したユーザの食事の記録を示す記録情報と、ユーザの栄養摂取量の目標を示す目標情報と、ユーザによる飲食物の飲食の習慣性及びユーザの飲食物の嗜好のうち、少なくとも何れか一方を示すユーザ情報と、に基づいて、ユーザが飲食した飲食物のうち、ユーザが食事から外すことを許容し、目標の達成を阻害する阻害飲食物を特定する。そして、ユーザが摂った食事のうち、特定された阻害飲食物を含む食事から阻害飲食物を外すための提案であって、ユーザの栄養摂取量を、目標を基準として改善させる提案を示す提案情報を、ユーザ端末2へ送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが摂った食事の記録として前記食事に含まれる飲食物を識別可能に示す記録情報を、前記ユーザが利用する端末装置から取得する記録情報取得手段と、
前記取得された記録情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記ユーザの栄養摂取量の目標を示す目標情報を取得する目標情報取得手段と、
前記ユーザによる飲食物の飲食の習慣性及び前記ユーザの飲食物の嗜好のうち、少なくとも何れか一方を示すユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、
前記記憶された記録情報と、前記取得された目標情報と、前記取得されたユーザ情報と、に基づいて、前記ユーザが飲食した前記飲食物のうち、前記目標の達成を阻害する阻害飲食物であって、前記ユーザが前記食事から外すことを許容する阻害飲食物を特定する特定手段と、
前記ユーザが摂った食事のうち、前記特定された阻害飲食物を含む食事から該阻害飲食物を外すための提案であって、前記ユーザの栄養摂取量を、前記取得された目標情報により示される前記目標を基準として改善させる提案を示す提案情報を、前記端末装置へ送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする食事提案システム。
【請求項2】
前記記憶された記録情報及び前記取得された目標情報に基づいて、前記特定された阻害飲食物と異なる飲食物のうち、前記阻害飲食物から置き換えられることで前記ユーザの栄養摂取量を改善させる置換先飲食物を決定する決定手段を更に備え、
前記送信される提案情報は、前記特定された阻害飲食物を、前記決定された置換先飲食物に置き換えることを示すことを特徴とする請求項1に記載の食事提案システム。
【請求項3】
前記決定手段は、前記阻害飲食物と類似する飲食物の中から、前記置換先飲食物を決定することを特徴とする請求項2に記載の食事提案システム。
【請求項4】
前記決定手段は、前記記憶された記録情報に基づいて、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を置き換えない場合における前記ユーザの食習慣を示す第1の数値と、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を、前記阻害飲食物と異なる複数の置換先飲食物候補それぞれに置き換えた場合における前記ユーザの食習慣を示す第2の数値と、を計算し、前記計算された第1の数値及び第2の数値に基づいて、前記複数の置換先飲食物候補の中から前記置換先飲食物を決定することを特徴とする請求項2に記載の食事提案システム。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記ユーザと異なる少なくとも一の第2ユーザが摂った食事の記録として前記食事に含まれる飲食物を識別可能に示す第2記録情報を更に記憶し、
前記決定手段は、前記記憶された第2記録情報に基づいて、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を置き換えない場合における前記少なくとも一の第2ユーザの食習慣を示す第3の数値と、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を、前記阻害飲食物と異なる複数の置換先飲食物候補それぞれに置き換えた場合における前記少なくとも一の第2ユーザの食習慣を示す第4の数値と、を更に計算し、前記計算された第3の数値及び第4の数値に更に基づいて、前記複数の置換先飲食物候補の中から前記置換先飲食物を決定することを特徴とする請求項4に記載の食事提案システム。
【請求項6】
前記計算される各数値は、1回の食事に含まれる飲食物が属するカテゴリの数の平均値であることを特徴とする請求項4又は5に記載の食事提案システム。
【請求項7】
前記計算される各数値は、飲食物単位での又は飲食物のカテゴリ単位での、飲食物の飲食頻度であることを特徴とする請求項4又は5に記載の食事提案システム。
【請求項8】
前記計算される各数値は、飲食物の組み合わせ単位での又は飲食物のカテゴリの組み合わせ単位での、同一の食事での飲食物の組み合わせの飲食頻度であることを特徴とする請求項4又は5に記載の食事提案システム。
【請求項9】
前記決定手段は、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を置き換えない場合における前記ユーザの栄養摂取量と、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を、前記阻害飲食物と異なる複数の置換先飲食物候補それぞれに置き換えた場合における前記ユーザの栄養摂取量と、前記目標とに基づいて、前記複数の置換先飲食物候補の中から前記置換先飲食物を決定することを特徴とする請求項4又は5の何れか一項に記載の食事提案システム。
【請求項10】
前記決定手段は、複数の前記置換先飲食物を決定し、
前記送信手段は、前記複数の置換先飲食物を示す前記提案情報を送信することを特徴とする請求項2又は3に記載の食事提案システム。
【請求項11】
前記取得される目標情報により示される前記目標は、所定期間内における一又は複数の食事単位での前記栄養摂取量の目標を含み、
前記特定手段は、前記ユーザが飲食したことによって、前記一又は複数の食事単位での前記栄養摂取量の目標が達成されなかった頻度が所定値以上である飲食物の中から、前記阻害飲食物を特定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の食事提案システム。
【請求項12】
前記取得されるユーザ情報は、所定回数の食事あたりにおける前記ユーザによる飲食物の飲食回数を示し、
前記特定手段は、前記飲食回数が所定の第1回数以下である前記飲食物の中から、前記阻害飲食物を特定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の食事提案システム。
【請求項13】
前記特定手段は、前記飲食回数が所定の第2回数から前記第1回数までの範囲内にある前記飲食物の中から、前記阻害飲食物を特定し、
前記第2回数は、2回以上であり且つ前記第1回数以下であることを特徴とする請求項12に記載の食事提案システム。
【請求項14】
前記ユーザ情報として、前記食事から外すことが不可である飲食物として前記ユーザにより指定された指定飲食物を示す指定飲食物情報を取得する指定飲食物情報取得手段を更に備え、
前記特定手段は、前記取得された指定飲食物情報により示される前記指定飲食物と異なる飲食物の中から、前記阻害飲食物を特定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の食事提案システム。
【請求項15】
前記送信手段は、前記特定された阻害飲食物を含む前記食事から該阻害飲食物を削除することで、前記ユーザの栄養摂取量が改善する場合、前記阻害飲食物を前記食事から削除することを示す前記提案情報を送信することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の食事提案システム。
【請求項16】
コンピュータにより実行される食事提案方法において、
ユーザが摂った食事の記録として前記食事に含まれる飲食物を識別可能に示す記録情報を、前記ユーザが利用する端末装置から取得する記録情報取得ステップと、
前記取得された記録情報を記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、
前記ユーザの栄養摂取量の目標を示す目標情報を取得する目標情報取得ステップと、
前記ユーザによる飲食物の飲食の習慣性及び前記ユーザの飲食物の嗜好のうち、少なくとも何れか一方を示すユーザ情報を取得するユーザ情報取得ステップと、
前記記憶された記録情報と、前記取得された目標情報と、前記取得されたユーザ情報と、に基づいて、前記ユーザが飲食した前記飲食物のうち、前記目標の達成を阻害する阻害飲食物であって、前記ユーザが前記食事から外すことを許容する阻害飲食物を特定する特定ステップと、
前記ユーザが摂った食事のうち、前記特定された阻害飲食物を含む食事から該阻害飲食物を外すための提案であって、前記ユーザの栄養摂取量を、前記取得された目標情報により示される前記目標を基準として改善させる提案を示す提案情報を、前記端末装置へ送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする食事提案方法。
【請求項17】
コンピュータを、
ユーザが摂った食事の記録として前記食事に含まれる飲食物を識別可能に示す記録情報を、前記ユーザが利用する端末装置から取得する記録情報取得手段と、
前記取得された記録情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記ユーザの栄養摂取量の目標を示す目標情報を取得する目標情報取得手段と、
前記ユーザによる飲食物の飲食の習慣性及び前記ユーザの飲食物の嗜好のうち、少なくとも何れか一方を示すユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、
前記記憶された記録情報と、前記取得された目標情報と、前記取得されたユーザ情報と、に基づいて、前記ユーザが飲食した前記飲食物のうち、前記目標の達成を阻害する阻害飲食物であって、前記ユーザが前記食事から外すことを許容する阻害飲食物を特定する特定手段と、
前記ユーザが摂った食事のうち、前記特定された阻害飲食物を含む食事から該阻害飲食物を外すための提案であって、前記ユーザの栄養摂取量を、前記取得された目標情報により示される前記目標を基準として改善させる提案を示す提案情報を、前記端末装置へ送信する送信手段、
として機能させることを特徴とする食事提案プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの食事を改善するための提案を行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによる食事の記録や履歴に基づいて、食事の内容を提案する方法が知られている。例えば、特許文献1には、ユーザの食事内容の履歴を参照して、1週間ごとの食事内容の栄養価を算出して、先週の食事内容で不足していた栄養素を補うように、次週の食事内容を決定することが開示されている。また、特許文献1には、ユーザが頻繁に通っている店舗のメニューや食品の中から食事内容を決定したり、ユーザが予定する出張先や旅行先の店舗のメニューや食品の中から食事内容を決定したりすることが開示されている。また、特許文献1には、ユーザが過去に好んで食べた料理を含む食事内容を定期的に決定することで、栄養価や健康状態を考慮した食事を行いつつ、定期的にユーザの嗜好に合った食事を行うことができることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くのユーザは食習慣を有する。ユーザは、その食習慣に合わせて食事内容を決める場合が多い。提案された食事内容がユーザの食習慣から大きく離れていると、ユーザは、提案通りの食事を続けにくい。そのため、ユーザが好んで食べた料理を含む食事内容を提案することにも一理はあるかもしれない。しかしながら、ユーザが好んで食べた料理を含む食事内容を定期的に決定したとしても、従来の技術では、その食事以外の食事については、ユーザの嗜好に合わない食事内容が提案される可能性がある。そのため、それらの食事内容が、ユーザの食習慣から大きく離れることを抑止することができない。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、その課題の一例は、ユーザの食習慣への影響をより小さくしながら、食事を改善するための提案が可能な食事提案システム、食事提案方法、及び食事提案プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(適用例1)本適用例に係る食事提案システムは、ユーザが摂った食事の記録として前記食事に含まれる飲食物を識別可能に示す記録情報を、前記ユーザが利用する端末装置から取得する記録情報取得手段と、前記取得された記録情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記ユーザの栄養摂取量の目標を示す目標情報を取得する目標情報取得手段と、前記ユーザによる飲食物の飲食の習慣性及び前記ユーザの飲食物の嗜好のうち、少なくとも何れか一方を示すユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、前記記憶された記録情報と、前記取得された目標情報と、前記取得されたユーザ情報と、に基づいて、前記ユーザが飲食した前記飲食物のうち、前記目標の達成を阻害する阻害飲食物であって、前記ユーザが前記食事から外すことを許容する阻害飲食物を特定する特定手段と、前記ユーザが摂った食事のうち、前記特定された阻害飲食物を含む食事から該阻害飲食物を外すための提案であって、前記ユーザの栄養摂取量を、前記取得された目標情報により示される前記目標を基準として改善させる提案を示す提案情報を、前記端末装置へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、ユーザが食事で飲食した飲食物のうち、そのユーザの栄養摂取量の目標の達成を阻害する阻害飲食物が特定される。そして、ユーザが摂った食事のうち、阻害飲食物を含む食事から、その阻害飲食物を外すための提案を示す提案情報が送信される。この提案は、ユーザの栄養摂取量を、目標を基準として改善させる提案である。特定される阻害飲食物は、ユーザが食事から外すことを許容する飲食物である。ユーザの飲食の習慣性又は飲食物の嗜好から、食事から外すことが許容される飲食物を推定可能である。ユーザが食事から外すことを許容する飲食物を外すための提案であれば、ユーザがその提案を受け入れても、食習慣の変化は小さいと考えられる。ユーザは、阻害飲食物を含まない食事の内容を変えなくてもよいかもしれない。そのため、ユーザの食習慣への影響をより小さくしながら、食事を改善するための提案が可能となる。
【0008】
(適用例2)本適用例に係る食事提案システムは、前記記憶された記録情報及び前記取得された目標情報に基づいて、前記特定された阻害飲食物と異なる飲食物のうち、前記阻害飲食物から置き換えられることで前記ユーザの栄養摂取量を改善させる置換先飲食物を決定する決定手段を更に備え、前記送信される提案情報は、前記特定された阻害飲食物を、前記決定された置換先飲食物に置き換えることを示すことを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、阻害飲食物を食事から外すこととして、その食事について、その阻害飲食物を、ユーザの栄養摂取量を改善させる飲食物に置き換える提案が提示される。そのため、食事から飲食物が減ることを抑制することができる。
【0010】
(適用例3)本適用例に係る食事提案システムは、前記決定手段は、前記阻害飲食物と類似する飲食物の中から、前記置換先飲食物を決定することを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、阻害飲食物を、その阻害飲食物に類似する飲食物に置き換える提案が提示される。そのため、ユーザの食習慣への影響を小さくすることができる。
【0012】
(適用例4)本適用例に係る食事提案システムは、前記決定手段は、前記記憶された記録情報に基づいて、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を置き換えない場合における前記ユーザの食習慣を示す第1の数値と、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を、前記阻害飲食物と異なる複数の置換先飲食物候補それぞれに置き換えた場合における前記ユーザの食習慣を示す第2の数値と、を計算し、前記計算された第1の数値及び第2の数値に基づいて、前記複数の置換先飲食物候補の中から前記置換先飲食物を決定することを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、阻害飲食物を置き換えない場合におけるユーザの食習慣を示す第1の数値が計算される。すなわち、第1の数値は、ユーザの実際の食習慣を示す。また、阻害飲食物を置換先飲食物候補に置き換えた場合におけるユーザの食習慣を示す第2の数値が計算される。すなわち、第2の数値は、阻害飲食物の代わりに置換先飲食物候補をユーザが飲食したと仮定した場合のユーザの食習慣を示す。そして、第1の数値及び第2数値に基づいて、複数の置換先飲食物候補の中から前記置換先飲食物が決定される。そのため、ユーザの食習慣への影響が小さい置換先飲食物候補を、置換先飲食物に決定することができる。
【0014】
(適用例5)本適用例に係る食事提案システムは、前記記憶手段は、前記ユーザと異なる少なくとも一の第2ユーザが摂った食事の記録として前記食事に含まれる飲食物を識別可能に示す第2記録情報を更に記憶し、前記決定手段は、前記記憶された第2記録情報に基づいて、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を置き換えない場合における前記少なくとも一の第2ユーザの食習慣を示す第3の数値と、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を、前記阻害飲食物と異なる複数の置換先飲食物候補それぞれに置き換えた場合における前記少なくとも一の第2ユーザの食習慣を示す第4の数値と、を計算し、前記計算された第3の数値及び第4の数値に基づいて、前記複数の置換先飲食物候補の中から前記置換先飲食物を決定することを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、阻害飲食物を置き換えない場合において、提案先のユーザと異なる少なくとも一の第2ユーザの食習慣を示す第3の数値が計算される。すなわち、第3の数値は、第2ユーザの実際の食習慣を示す。また、阻害飲食物を置換先飲食物候補に置き換えた場合における少なくとも一の第2ユーザの食習慣を示す第4の数値が計算される。すなわち、第4の数値は、阻害飲食物の代わりに置換先飲食物候補を第2ユーザが飲食したと仮定した場合の第2ユーザの食習慣を示す。そして、第1の数値、第2の数値、第3の数値及び第4の数値に基づいて、複数の置換先飲食物候補の中から前記置換先飲食物が決定される。そのため、提案先のユーザと異なるユーザの食習慣をも考慮することで、他のユーザから見ても違和感のない置換先飲食物に決定することができる。
【0016】
(適用例6)本適用例に係る食事提案システムは、前記計算される第1の数値及び第2の数値は、1回の食事に含まれる飲食物が属するカテゴリの数の平均値であることを特徴とする。
【0017】
本適用例によれば、ユーザの実際の1回の食事に含まれる飲食物が属するカテゴリの数の平均値と、阻害飲食物の代わりに置換先飲食物候補をユーザが飲食したと仮定した場合のユーザの1回の食事に含まれる飲食物が属するカテゴリの数の平均値と、に基づいて、置換先飲食物が決定される。そのため、ユーザが1回の食事にどれだけの数のカテゴリの飲食物を飲食するかという食習慣への影響を小さくすることができる。
【0018】
(適用例7)本適用例に係る食事提案システムは、前記計算される第1の数値及び第2の数値は、飲食物単位での又は飲食物のカテゴリ単位での、飲食物の飲食頻度であることを特徴とする。
【0019】
本適用例によれば、ユーザによる実際の飲食物の飲食頻度と、阻害飲食物の代わりに置換先飲食物候補をユーザが飲食したと仮定した場合のユーザによる飲食物の飲食頻度と、に基づいて、置換先飲食物が決定される。そのため、ユーザの飲食物の飲食頻度への影響を小さくすることができる。
【0020】
(適用例8)本適用例に係る食事提案システムは、前記計算される第1の数値及び第2の数値は、飲食物の組み合わせ単位での又は飲食物のカテゴリの組み合わせ単位での、同一の食事での飲食物の組み合わせの飲食頻度であることを特徴とする。
【0021】
本適用例によれば、ユーザによる実際の同一の食事での飲食物の組み合わせの飲食頻度と、阻害飲食物の代わりに置換先飲食物候補をユーザが飲食したと仮定した場合のユーザによる同一の食事での飲食物の組み合わせの飲食頻度と、に基づいて、置換先飲食物が決定される。そのため、ユーザの同一の食事での飲食物の組み合わせの飲食頻度への影響を小さくすることができる。
【0022】
(適用例9)本適用例に係る食事提案システムは、前記決定手段は、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を置き換えない場合における前記ユーザの栄養摂取量と、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を、前記阻害飲食物と異なる複数の置換先飲食物候補それぞれに置き換えた場合における前記ユーザの栄養摂取量と、前記目標とに基づいて、前記複数の置換先飲食物候補の中から前記置換先飲食物を決定することを特徴とする。
【0023】
本適用例によれば、ユーザの実際の食事で摂取された栄養素量と、阻害飲食物の代わりに置換先飲食物候補をユーザが飲食したと仮定した場合のユーザの食事で摂取される栄養素量と、栄養摂取量の目標と、に基づいて、置換先飲食物が決定される。そのため、ユーザの栄養摂取量を改善させる置換先飲食物を、適切に決定することができる。
【0024】
(適用例10)本適用例に係る食事提案システムは、前記決定手段は、複数の前記置換先飲食物を決定し、前記送信手段は、前記複数の置換先飲食物を示す前記提案情報を送信することを特徴とする。
【0025】
本適用例によれば、ユーザの栄養摂取量を改善させる複数の置換先飲食物が提示される。従って、ユーザは、複数の置換先飲食物の中から所望の置換先飲食物を選択することが可能である。そのため、阻害飲食物を置換先飲食物に置き換えることによるユーザの食習慣への影響を小さくすることができる。
【0026】
(適用例11)本適用例に係る食事提案システムは、前記取得される目標情報により示される前記目標は、所定期間内における一又は複数の食事単位での前記栄養摂取量の目標を含み、前記特定手段は、前記ユーザが飲食したことによって、前記一又は複数の食事単位での前記栄養摂取量の目標が達成されなかった頻度が所定値以上である飲食物の中から、前記阻害飲食物を特定することを特徴とする。
【0027】
本適用例によれば、ユーザの栄養摂取量の目標の達成を阻害する飲食物を、適切に特定することができる。
【0028】
(適用例12)本適用例に係る食事提案システムは、前記取得されるユーザ情報は、所定回数の食事あたりにおける前記ユーザによる飲食物の飲食回数を示し、前記特定手段は、前記飲食回数が所定の第1回数以下である前記飲食物の中から、前記阻害飲食物を特定することを特徴とする。
【0029】
本適用例によれば、特定される阻害飲食物は、所定回数の食事あたりにおける飲食回数が第1回数以下である飲食物である。従って、ユーザが習慣的に頻繁には飲食していない飲食物を外すことの提案が提示可能となる。そのため、ユーザの食習慣への影響を小さくすることができる。
【0030】
(適用例13)本適用例に係る食事提案システムは、前記特定手段は、前記飲食回数が所定の第2回数から前記第1回数までの範囲内にある前記飲食物の中から、前記阻害飲食物を特定し、前記第2回数は、2回以上であり且つ前記第1回数以下であることを特徴とする。
【0031】
本適用例によれば、特定される阻害飲食物は、所定回数の食事あたりにおける飲食回数が第2回数以上であり且つ第1回数以下である飲食物である。第2回数は2回以上である。そのため、ユーザが習慣的に頻繁には飲食していない飲食物のうち、所定回数の食事で2回以上は飲食される飲食物を外すことの提案が提示される。そのため、ユーザの食習慣への影響を小さくしながら、阻害飲食物を外すことによる栄養摂取量の改善の効果を高めることができる。
【0032】
(適用例14)本適用例に係る食事提案システムは、前記ユーザ情報として、前記食事から外すことが不可である飲食物として前記ユーザにより指定された指定飲食物を示す指定飲食物情報を取得する指定飲食物情報取得手段を更に備え、前記特定手段は、前記取得された指定飲食物情報により示される前記指定飲食物と異なる飲食物の中から、前記阻害飲食物を特定することを特徴とする。
【0033】
本適用例によれば、特定される阻害飲食物は、ユーザにより指定された飲食物と異なる飲食物である。そのため、ユーザは、食事から外したくない飲食物を指定することができる。
【0034】
(適用例15)本適用例に係る食事提案システムは、前記送信手段は、前記特定された阻害飲食物を含む前記食事から該阻害飲食物を削除することで、前記ユーザの栄養摂取量が改善する場合、前記阻害飲食物を前記食事から削除することを示す前記提案情報を送信することを特徴とする。
【0035】
本適用例によれば、栄養摂取量が改善されるのであれば、食事から阻害飲食物を削除することの提案が提示される。そのため、阻害飲食物が削除されるだけであれば、ユーザの食習慣への影響を小さくすることができる。
【0036】
(適用例16)本適用例に係る食事提案方法は、コンピュータにより実行される食事提案方法において、ユーザが摂った食事の記録として前記食事に含まれる飲食物を識別可能に示す記録情報を、前記ユーザが利用する端末装置から取得する記録情報取得ステップと、前記取得された記録情報を記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、前記ユーザの栄養摂取量の目標を示す目標情報を取得する目標情報取得ステップと、前記ユーザによる飲食物の飲食の習慣性及び前記ユーザの飲食物の嗜好のうち、少なくとも何れか一方を示すユーザ情報を取得するユーザ情報取得ステップと、前記記憶された記録情報と、前記取得された目標情報と、前記取得されたユーザ情報と、に基づいて、前記ユーザが飲食した前記飲食物のうち、前記目標の達成を阻害する阻害飲食物であって、前記ユーザが前記食事から外すことを許容する阻害飲食物を特定する特定ステップと、前記ユーザが摂った食事のうち、前記特定された阻害飲食物を含む食事から該阻害飲食物を外すための提案であって、前記ユーザの栄養摂取量を、前記取得された目標情報により示される前記目標を基準として改善させる提案を示す提案情報を、前記端末装置へ送信する送信ステップと、を含むことを特徴とする。
【0037】
(適用例17)本適用例に係る食事提案プログラムは、コンピュータを、ユーザが摂った食事の記録として前記食事に含まれる飲食物を識別可能に示す記録情報を、前記ユーザが利用する端末装置から取得する記録情報取得手段と、前記取得された記録情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記ユーザの栄養摂取量の目標を示す目標情報を取得する目標情報取得手段と、前記ユーザによる飲食物の飲食の習慣性及び前記ユーザの飲食物の嗜好のうち、少なくとも何れか一方を示すユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、前記記憶された記録情報と、前記取得された目標情報と、前記取得されたユーザ情報と、に基づいて、前記ユーザが飲食した前記飲食物のうち、前記目標の達成を阻害する阻害飲食物であって、前記ユーザが前記食事から外すことを許容する阻害飲食物を特定する特定手段と、前記ユーザが摂った食事のうち、前記特定された阻害飲食物を含む食事から該阻害飲食物を外すための提案であって、前記ユーザの栄養摂取量を、前記取得された目標情報により示される前記目標を基準として改善させる提案を示す提案情報を、前記端末装置へ送信する送信手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、ユーザの食習慣への影響をより小さくしながら、食事を改善するための提案が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】一実施形態に係る通信システムSの概要構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係る食事提案サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】食事提案サーバ1のデータベースに記憶される情報の例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る食事提案サーバ1におけるシステム制御部11の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図8】複数の評価値を用いた組み合わせ候補に対する評価の一例を示す。
【
図9】一の置換飲食組み合わせのみが決定された場合におけるユーザ端末2の画面例を示す図である。
【
図10】複数の置換飲食組み合わせが決定された場合におけるユーザ端末2の画面例を示す図である。
【
図11】一実施形態に係る通信システムの処理例を示すシーケンス図である。
【
図12】一実施形態に係る食事提案サーバ1のシステム制御部11による置換元候補特定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】一実施形態に係る食事提案サーバ1のシステム制御部11による組み合わせ候補決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】一実施形態に係る食事提案サーバ1のシステム制御部11による評価値計算処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
[1.第1実施形態]
[1-1.通信システムの構成]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る通信システムSの構成及び機能概要について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る通信システムSの概要構成の一例を示す図である。
図1に示すように、通信システムSは、食事提案サーバ1と、複数のユーザ端末2と、を含んで構成される。食事提案サーバ1及び各ユーザ端末2はネットワークNWに接続される。ネットワークNWは、例えばインターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
【0041】
食事提案サーバ1は、食事の改善等、健康に関する情報を提供する情報提供サービスに関する処理を実行するサーバ装置であってもよい。食事提案サーバ1は、実際には複数のサーバ装置で構成されるシステムであってもよい。情報提供サービスにおいて、食事提案サーバ1は、各ユーザ端末2から、ユーザの食事の記録を示す食事記録情報を受信して記憶してもよい。食事提案サーバ1は、食事記録情報に基づいて、ユーザの食事を改善するための提案を示す提案情報を、ユーザ端末2へ送信してもよい。提案情報により示される提案は、例えばユーザが摂った何れかの食事に含まれる何れかの飲食物を、他の飲食物に置き換えることであってもよい。置き換えによって食事から外される方の飲食物を、置換元飲食物という。置き換えによって食事に追加される方の飲食物を、置換先飲食物という。或いは、この提案は、その食事から何れかの飲食物を削除することであってもよい。食事に含まれる各飲食物は、飲料及び食物のうち何れか一方であってもよい。各飲食物は、例えば料理であってもよいし、商品であってもよい。食事提案サーバ1は、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)等のプロトコルを用いて、各ユーザ端末2との間で情報を送受信してもよい。
【0042】
各ユーザ端末2は、情報提供サービスを利用可能なユーザが利用する端末装置である。ユーザ端末2の例として、パーソナルコンピュータ、セットトップボックス、スマートフォン、その他の携帯電話、ウェアラブルコンピュータ、タブレット式コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)等が挙げられる。各ユーザ端末2には、ウェブブラウザがインストール可能であってもよい。また各ユーザ端末2には、情報提供アプリのインストールが可能であってもよい。情報提供アプリは、情報提供サービスをユーザが利用するためのアプリケーションである。各ユーザ端末2は、ウェブブラウザ又は情報提供アプリに従って、食事提案サーバ1から送信されてくる情報を受信して、その情報を画面に表示してもよい。
【0043】
[1-2.食事提案サーバの構成]
次に、食事提案サーバ1の構成について、
図2及び
図3を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係る食事提案サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、食事提案サーバ1は、システム制御部11と、システムバス12と、入出力インタフェース13と、記憶部14と、通信部15と、を備えている。システム制御部11と入出力インタフェース13とは、システムバス12を介して接続されている。
【0044】
システム制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、RAM(Random Access Memory)11c等により構成されている。
【0045】
入出力インタフェース13は、記憶部14及び通信部15とシステム制御部11との間のインタフェース処理を行う。
【0046】
記憶部14は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部14には、カテゴリDB14a、飲食物DB14b、栄養テーマDB14c、ユーザ基本属性DB14d、食事記録DB14e、提案記録DB14f、重みDB14g等のデータベースが記憶されてもよい。「DB」は、データベースの略語である。少なくとも一のデータベースは、食事提案サーバ1と異なるサーバ装置に記憶されてもよい。食事提案サーバ1は、そのサーバ装置を介してデータベースにアクセス可能であってもよい。
【0047】
図3は、食事提案サーバ1のデータベースに記憶される情報の例を示す図である。
図3に示すように、カテゴリDB14aには、飲食物のカテゴリに関するカテゴリ情報が、カテゴリごとに記憶されてもよい。飲食物のカテゴリは、階層的に定義されていてもよい。そして、カテゴリ情報は、最下層のカテゴリごとに記憶されてもよい。複数の階層のうち一の階層のカテゴリは、例えば飲食物が発祥した地域、文化若しくは調理法等により飲食物が分類されるカテゴリであってもよい。そのようなカテゴリの例として、和食、中華、フレンチ、イタリアン、エスニック等が挙げられる。また、複数の階層のうち一の階層のカテゴリは、食事の中での役割により飲食物が分類されるカテゴリであってもよい。そのようなカテゴリの例として、主食、主菜、副菜、果物、汁物、飲料水等が挙げられる。これらのカテゴリの下位のカテゴリとして、飲食物に含まれる食材の種類等により分けられるカテゴリが挙げられる。例えば、主食の下位のカテゴリの例として、ごはん、丼もの、麺類、パン、シリアル等が挙げられる。以降においては、説明の便宜上、カテゴリの階層は2階層であるとする。これらの階層のうち、上位の方の階層を、飲食物が発祥した地域等でより飲食物が分類されるカテゴリであるとする。下位の方の階層を、飲食物に含まれる食材の種類等により飲食物が分類されるカテゴリであるとする。上位の方の階層のカテゴリを第1カテゴリといい、下位の方の階層のカテゴリを第2カテゴリという。カテゴリDB14aには、カテゴリ情報として、第1カテゴリID、第1カテゴリ名、第2カテゴリID、第2カテゴリ名等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。第1カテゴリIDは、第1カテゴリを識別する識別情報である。第1カテゴリ名は、第1カテゴリの名称である。第2カテゴリIDは、その第1カテゴリの下位の第2カテゴリを識別する識別情報である。第2カテゴリ名は、第2カテゴリの名称である。第1カテゴリ間で、それらのカテゴリの下位の第2カテゴリとして、互いに同一の第2カテゴリを含んでもよい。例えば、和食及び中華それぞれのカテゴリとして、丼もの、麺類等があってもよい。その場合、第2カテゴリID及び第2カテゴリ名も、それらの第1カテゴリ間で同一であってもよい。
【0048】
飲食物DB14bには、各飲食物に関する飲食物情報が記憶されてもよい。例えば、飲食物DB14bには、飲食物情報として、飲食物ID、飲食物名、第1カテゴリID、第2カテゴリID、及び含有栄養素量情報等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。飲食物IDは、飲食物を識別する識別情報である。第1カテゴリIDは、その飲食物が属する第1カテゴリを示す。第2カテゴリIDは、その飲食物が属する第2カテゴリを示す。含有栄養素量情報は、その飲食物に含まれる栄養素に関する情報である。例えば、含有栄養素量情報は、栄養素ごとに、栄養素IDとその栄養素の含有量を含んでもよい。栄養素IDは、栄養素を識別する識別情報である。栄養素の例として、炭水化物、タンパク質、脂肪、各種ビタミン、各種ミネラル等が挙げられる。
【0049】
栄養テーマDB14cには、各栄養テーマに関する栄養テーマ情報が記憶される。栄養テーマは、例えばユーザが食事を改善するテーマ又は目的を示してもよい。栄養テーマの例として、「ダイエットする」、「筋肉を付ける」、「栄養をバランスよく摂る」等が挙げられる。栄養テーマDB14cには、栄養テーマ情報として、例えば栄養テーマID、栄養テーマ名、及び栄養目標情報等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。栄養テーマIDは、栄養テーマを識別する識別情報である。栄養目標情報は、その栄養テーマに応じた目的を達成するための、所定の目標達成判定期間あたりにおける栄養摂取量の目標を示す情報であってもよい。例えば、栄養テーマに応じた1又は複数の栄養素それぞれについて、その栄養素の栄養素IDと、目標摂取量情報とを含んでもよい。目標摂取量情報は、栄養素の目標摂取量を示す。例えば、目標摂取量情報は、栄養摂取量が所定値であることを示してもよいし、栄養摂取量が所定値以上であることを示してもよいし、栄養摂取量が所定値以下であることを示してもよいし、栄養摂取量が第1の所定値から第2の所定値までの範囲内であることを示してもよい。目標達成判定期間の長さは、例えば栄養テーマごとに予め定められてもよい。所定の目標達成判定期間の長さの例として、1日、1週、2週、1ヶ月等が挙げられる。或いは、目標摂取量情報は、朝食、昼食、及び夕食それぞれの目標摂取量の条件を示してもよい。また目標摂取量情報は、目標達成判定期間あたりにおける栄養摂取量の目標を示すとともに、朝食、昼食、及び夕食それぞれの目標摂取量の条件を示してもよい。この場合、朝食、昼食、及び夕食の目標摂取量の合計が、1日あたりの目標摂取量に相当してもよい。例えば、目標達成判定期間は1週間であり、1週間あたりのタンパク質の目標摂取量が420グラムであるとする。従って、1日あたりの平均目標摂取量は60グラムである。この場合、朝食、昼食、及び夕食それぞれの目標摂取量は、25グラム、15グラム、及び20グラム等に定められていることがあってもよい。
【0050】
ユーザ基本属性DB14dには、各ユーザの基本的な属性を示すユーザ基本属性情報が記憶されてもよい。例えば、ユーザ基本属性DB14dには、ユーザ基本情報として、ユーザID、生年月日、性別、嗜好情報、置換不可飲食物情報、栄養テーマID等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。ユーザIDは、ユーザを識別する識別情報である。嗜好情報は、ユーザが好きな飲食物や興味がある飲食物のカテゴリを示す情報であってもよい。置換不可飲食物情報は、ユーザの食事から外すことが不可である飲食物としてそのユーザにより指定された1又は複数の飲食物を示す。例えば、置換不可飲食物情報は、指定された各飲食物の飲食物IDを含んでもよい。ユーザにより指定される飲食物は、例えばそのユーザが好きな飲食物であったり、そのユーザが比較的に頻繁に飲食する飲食物であったりしてもよい。ユーザが好きな飲食物であって、且つ、そのユーザが頻繁には飲食しない飲食物が指定されてもよい。例えば、ユーザは、ユーザ端末2を操作して、食事から外すことが不可である飲食物を選択してもよい。ユーザ端末2は、選択された飲食物の飲食物IDを食事提案サーバ1へ送信してもよい。食事提案サーバ1は、受信された飲食物IDを、ユーザ基本属性DB14dにおいてそのユーザのユーザIDに関連付けられた置換不可飲食物情報に追加してもよい。栄養テーマIDは、ユーザにより選択された栄養テーマを示す。例えば、ユーザは、ユーザ端末2を操作して、栄養テーマを選択してもよい。ユーザ端末2は、選択された栄養テーマの栄養テーマIDを食事提案サーバ1へ送信してもよい。食事提案サーバ1は、受信された栄養テーマIDを、そのユーザのユーザIDに関連付けて、ユーザ基本属性DB14dに記憶させてもよい。
【0051】
食事記録DB14eには、各ユーザが摂った食事の記録として、その食事に含まれる飲食物を識別可能に示す食事記録情報が記憶されてもよい。例えば、食事記録DB14eには、食事記録情報として、ユーザID、食事日、食事区分ID、飲食物リスト、及び栄養摂取量情報等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。ユーザIDは、食事を摂ったユーザを示す。食事日は、食事が摂られた日付を示す。食事区分IDは、摂られた食事の区分を識別する識別情報である。食事区分は、食事が摂られるおおよその時間帯で食事が分類される区分であってもよい。例えば、食事区分として、朝食、昼食、及び夕食があってもよい。また、食事区分として、更におやつや夜食等があってもよい。飲食物リストは、その食事に含まれる飲食物の飲食物IDのリストである。栄養摂取量情報は、その食事で摂取された栄養素ごとの栄養摂取量を示す。
【0052】
提案記録DB14fには、食事の提案の記録を示す提案記録情報が、食事提案サーバ1により決定された置換元飲食物と置換先飲食物との組み合わせごとに記憶されてもよい。例えば、提案記録DB14fには、提案記録情報として、ユーザID、提案日時、置換元飲食物ID、置換先飲食物ID、栄養評価値、食事多様性評価値、食事趣向性評価値、食べ合わせ評価値、重み情報、最終評価値、採用フラグ等が、互いに関連付けて記憶されてもよい。ユーザIDは、提案情報の送信先のユーザを示す。提案日時は、提案情報が送信された日時を示す。置換元飲食物IDは、置換元飲食物の飲食物IDである。置換先飲食物IDは、置換先飲食物の飲食物IDである。栄養評価値、食事多様性評価値、食事趣向性評価値、及び食べ合わせ評価値は、食事に含まれる置換元飲食物を置換先飲食物に置き換えた場合におけるユーザの食事に対する評価を示す。これらの評価値の詳細は後述する。重み情報は、栄養評価値、食事多様性評価値、食事趣向性評価値、及び食べ合わせ評価値それぞれに加えられる重みを示す。最終評価値は、栄養評価値、食事多様性評価値、食事趣向性評価値、及び食べ合わせ評価値に、重み情報により示される重み付けした後の、それらの評価値の平均値であってもよい。採用フラグは、提案情報により示される飲食物の置き換えの提案が、ユーザにより採用されたか否かを示す。
【0053】
重みDB14gは、重み情報の履歴が記憶されてもよい。例えば、重みDB14gは、重み情報が更新されるごとに、更新日時及び重み情報が、互いに関連付けて記憶されてもおい。更新日時は、重み情報が更新された日時を示す。例えば、飲食物の置き換えの提案に対するユーザによる採用状況に基づいて、重み情報が更新されてもよい。
【0054】
[1-3.機能概要]
次に、
図4乃至
図10を参照して、食事提案サーバ1におけるシステム制御部11の機能概要について説明する。
図4は、本実施形態に係る食事提案サーバ1におけるシステム制御部11の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部11は、CPU11aが、サーバプログラムに含まれる各種プログラムコードを読み出し実行することにより、
図4に示すように、食事記録情報取得部1101、食事記録情報登録部1102、目標情報取得部1103、ユーザ情報取得部1104、阻害飲食物特定部1105、置換先飲食物決定部1106、提案情報送信部1107、及び重み更新部1108等として機能してもよい。
【0055】
[1-3-1.情報の取得]
食事記録情報取得部1101は、ユーザ端末2から、そのユーザ端末2を利用するユーザの食事記録情報を取得してもよい。例えば、ユーザは、ユーザ端末2に食事の記録を入力する。例えば、ユーザは、食事日及び食事区分を選択してもよい。更に、ユーザは、キーワード検索等により飲食物を検索して、検索結果から、食事に含まれる飲食物を選択してもよい。ユーザ端末2は、選択された食事日、選択された食事区分の食事ID、選択された飲食物の飲食物IDの飲食物リスト、及びそのユーザのユーザIDを含む食事記録情報を、センターサーバ1へ送信してもよい。食事記録情報取得部1101は、ユーザ端末2から送信されてきた食事記録情報を取得してもよい。
【0056】
食事記録情報登録部1102は、食事記録情報取得部1101により取得された食事記録情報を、食事記録DB14eに記憶させてもよい。このとき、食事記録情報登録部1102は、飲食物リストに含まれる各飲食物IDについて、その飲食物IDに関連付けられた含有栄養素量情報を、飲食物DB14bから取得してもよい。食事記録情報登録部1102は、含有栄養素量情報に基づいて、各栄養素について含有栄養素量の合計を計算することにより、栄養摂取量情報を生成してもよい。食事記録情報登録部1102は、この栄養摂取量情報を、食事記録DB14eに記憶された食事記録情報に追加してもよい。
【0057】
目標情報取得部1103は、提案情報の送信先となるユーザの栄養目標情報を取得する。提案情報の送信先のユーザを、提案先ユーザという。例えば、目標情報取得部1103は、ユーザ基本属性DB14dから、提案先ユーザのユーザIDに関連付けられた栄養テーマIDを取得してもよい。目標情報取得部1103は、取得された栄養テーマIDと一致する栄養テーマIDに関連付けられた栄養目標情報を、栄養テーマDB14cから取得してもよい。
【0058】
ユーザ情報取得部1104は、提案先ユーザによる飲食物の飲食の習慣性及び提案先ユーザの飲食物の嗜好のうち、少なくとも何れか一方を示すユーザ情報を取得してもよい。例えば、ユーザ情報取得部1104は、ユーザ情報として、所定回数の食事あたりで提案先ユーザが飲食物を飲食した飲食回数を示してもよい。所定回数の食事あたりの特定の飲食物の飲食の回数は、その飲食物の飲食頻度に相当する。この飲食頻度は、食事記録DB14eに記憶された提案先ユーザの食事記録情報に基づいて、計算可能である。後述するように、所定の評価期間内の食事日の食事記録情報に基づいて、その評価期間内に提案先ユーザが飲食した飲食物の中から、提案先ユーザの栄養摂取量の目標を阻害する阻害飲食物が特定される。ユーザ情報取得部1104は、提案先ユーザが評価期間内に飲食した各飲食物の飲食頻度を計算してもよい。後述するように、提案先ユーザが評価期間内に飲食した飲食物の中から、阻害飲食物が特定される。飲食頻度の分母としての食事の回数は、例えば評価期間内で摂ることが可能な食事の回数に相当してもよい。例えば、評価期間が1週間である場合、食事の回数は21回である。或いは、分母としての食事の回数は、評価期間内で提案先ユーザが実際の摂った食事の回数であってもよい。提案先ユーザは、幾つかの食事を抜くかもしれない。その場合、抜かれた食事の食事記録情報は、食事記録DB14eに記憶されない。各飲食物の飲食頻度は、提案先ユーザによる飲食物の飲食の習慣性を示すということができるかもしれない。また、飲食頻度が高い飲食物ほど、提案先ユーザはその飲食物を好む可能性がある。そのため、飲食頻度は、提案先ユーザの飲食物の嗜好を示すかもしれない。評価期間の長さの例として、1週間、2週間、1ヶ月等が挙げられる。評価期間の長さは、全栄養テーマ及び全ユーザで共通に予め定められていてもよい。或いは、評価期間の長さは、栄養テーマごとに定められてもよい。例えば、栄養テーマDB14cに、評価期間の長さを示す情報が記憶されてもよい。評価期間の長さは、栄養テーマに応じて定められた目標達成判定期間の長さと同一であってもよいし、目標達成判定期間の長さの倍数であってもよい。例えば、評価期間の長さが1週であるとする。この場合、目標達成判定期間は、例えば1週間であってもよいし、1日であってもよい。評価期間の長さが1週であり、目標達成判定期間の長さが1日である場合、評価期間内の各日について、栄養摂取量の目標が達成するか否かが判定されてもよい。評価期間の終了日は、予め定められていてもよい。評価期間の終了日の例として、昨日、前週の末日、前月の末日等が挙げられる。或いは、提案先ユーザが、評価期間の長さ及び終了日を指定可能であってもよい。
【0059】
ユーザ情報取得部1104は、ユーザ情報として、提案先ユーザの置換不可飲食物情報を取得してもよい。置換不可飲食物情報により示される飲食物は、提案先ユーザの食事から外すことが不可である飲食物として、その提案先ユーザにより指定された飲食物である。提案先ユーザは、その提案先ユーザが好む飲食物を指定するかもしれないし、その提案先ユーザが習慣的に飲食する飲食物を指定するかもしれない。
【0060】
[1-3-2.阻害飲食物の特定]
阻害飲食物特定部1105は、食事記録情報登録部1102により食事記録DB14eに記憶された食事記録情報と、目標情報取得部1103により取得された栄養目標情報と、ユーザ情報取得部1104により取得されたユーザ情報と、に基づいて、提案先ユーザが飲食した飲食物のうち、阻害飲食物を特定してもよい。阻害飲食物は、栄養目標情報により示される目標の達成を阻害する飲食物であって、且つ、提案先ユーザが食事から外すことを許容する飲食物であってもよい。特定された阻害飲食物は、提案先ユーザに提案される置換元飲食物の候補となってもよい。置換元飲食物の候補を、置換元候補という。
【0061】
目標の達成を阻害する飲食物の特定には、主として食事記録情報及び栄養目標情報が用いられてもよい。阻害飲食物特定部1105は、評価期間内の食事日を含む食事記録情報を用いてもよい。そして、阻害飲食物特定部1105は、評価期間内に飲食された飲食物の中から、置換元候補を特定してもよい。例えば、栄養目標情報により示される栄養摂取量の目標が、評価期間内における一又は複数の食事単位での栄養摂取量の目標を含むとする。一の食事単位の例として、食事区分に関係なく食事単位、朝食単位、昼食単位、及び夕食単位が挙げられる。複数の食事は、1日の食事に含まれる2以上の食事であってもよい。複数の食事の単位の例として、朝食と昼食との組み合わせ単位、朝食と夕食との組み合わせ単位、昼食と夕食との組み合わせ単位、及び、朝食と昼食と夕食との組み合わせ単位が挙げられる。複数の食事の単位が、朝食と昼食と夕食との組み合わせ単位である場合、その栄養摂取量の目標は、1日あたりの栄養摂取量の目標である。複数の食事の単位での栄養摂取量の目標は、提案先ユーザの栄養テーマに応じた目標達成判定期間あたりの栄養摂取量の目標であってもよい。阻害飲食物特定部1105は、少なくとも1つ以上の栄養素について、一又は複数の食事単位での栄養摂取量の目標が達成されなかった食事単位において、提案先ユーザに飲食された頻度が所定値以上である飲食物を、目標の達成を阻害する飲食物として特定してもよい。この頻度を、目標未達成頻度という。阻害飲食物特定部1105は、ある飲食物が、評価期間内にて提案先ユーザによって飲食された食事の回数を、当該飲食物の飲食回数として計算してもよい。また、阻害飲食物特定部1105は、ある飲食物が飲食された食事を含む一又は複数の食事単位で、その一又は複数の食事に含まれる飲食物の含有摂取量の合計を栄養素ごとに計算してもよい。阻害飲食物特定部1105は、少なくとも1つ以上の栄養素について、含有摂取量の合計が栄養摂取量の目標を満たさない回数を、目標未達成回数として計算してもよい。阻害飲食物特定部1105は、目標未達成回数を飲食回数で除算することにより、目標未達成頻度を計算してもよい。
【0062】
図5は、置換元候補の特定例を示す図である。
図5には、提案先ユーザの過去1週間における各食事で飲食された飲食物が示されている。この1週間が、評価期間であるとする。例えば、提案先ユーザは、サンドイッチ、コーラ、ごはん、納豆、ラーメン、ハンバーガー、フライドチキン、フライドポテト、カレー、ナン、サラダ、カツ丼、味噌汁、及びステーキを食べている。ここで、例えば食事単位での目標未達成頻度が2分の1以上である飲食物が、目標の達成を阻害する飲食物であるとする。例えば、カレーは3回の食事で食べられている。これらの食事のうち、目標が達成されなかった食事の回数はゼロであるとする。従って、カレーは置換元候補から除外される。また例えば、ごはんは5回の食事で食べられている。これらの食事のうち、目標が達成されなかった食事の回数は3回である。従って、目標未達成頻度の観点からは、ごはんは置換元候補から除外されない。こうして、例えばカレー、ナン、サラダ、及びステーキが、置換元候補から除外されるとする。
【0063】
提案先ユーザが食事から外すことを許容する飲食物の特定には、主としてユーザ情報が用いられてもよい。例えば、ユーザ情報から、提案先ユーザが食事から外すことを許容する飲食物を推定可能であってもよい。ユーザ情報は、提案先ユーザによる飲食物の飲食の習慣性及び提案先ユーザの飲食物の嗜好のうち、少なくとも何れか一方を示す。習慣的に飲食されていない飲食物は、提案先ユーザが食事から外すことを許容する飲食物である可能性が高い。提案先ユーザが好みではない飲食物も、提案先ユーザが食事から外すことを許容する飲食物である可能性が高い。
【0064】
例えば、ユーザ情報が、所定回数の食事あたりで、提案先ユーザがある飲食物を飲食した飲食回数を示すとする。その場合、阻害飲食物特定部1105は、例えば所定回数の食事あたりで提案先ユーザが飲食した回数が所定の上限回数以下である飲食物を、食事から外すことが許容される飲食物として特定してもよい。上限回数は、例えば2回以上の何れかの回数であってもよい。提案先ユーザが評価期間内に飲食する回数が多いほど、その飲食物は、ユーザが好きな飲食物であったり、ユーザが飲食する習慣がある飲食物であったりする可能性が高くなる。そうした飲食物は、提案先ユーザが食事から外すことを許容しない飲食物である可能性が高い。
【0065】
ここで、阻害飲食物特定部1105は、所定回数の食事あたりで、提案先ユーザが飲食した回数が、所定の下限回数から上限回数までの範囲内にある飲食物を、置換元候補として特定してもよい。下限回数は、2回以上の何れかの回数であって、且つ、上限回数以下の回数であってもよい。阻害飲食物は、評価期間内に1回以上は飲食される飲食物である。後述するように、評価期間内の全ての食事から、置換元飲食物としての阻害飲食物が外されることが提案される。阻害飲食物が外される食事の回数が少ないと、食事の改善の度合いが小さくなる。そこで、下限回数が定められることで、提案先ユーザが食事から外すことを許容する可能性が高く、且つ、食事から外した場合に食事の改善の度合いが高くなる飲食物が特定される。
【0066】
例えば、1週間の食事に相当する21回の食事のうち、2回から4回までの範囲内で飲食された飲食物が、置換元候補になり得るとする。
図5に示すように、ラーメンは6回食べられている。従って、ラーメンは置換元候補から除外される。また例えば、ステーキは1回のみ食べられている。従って、ステーキは置換元候補から除外される。また例えば、カツ丼は3回食べられている。従って、飲食回数について、カツ丼は置換元候補からは除外されない。こうして、例えばラーメン、ハンバーガー、フライドチキン、フライドポテト、ステーキ、及びごはんが置換元候補から除外される。
【0067】
ユーザ情報が、置換不可飲食物情報を含むとする。その場合、阻害飲食物特定部1105は、置換不可飲食物情報により示される飲食物と異なる飲食物を、食事から外すことが許容される飲食物として特定してもよい。提案先ユーザにより指定された飲食物と異なる飲食物は、提案先ユーザがそれほど好みではない飲食物であったり、提案先ユーザが習慣的には飲食していない飲食物であったりする可能性がある。そうした飲食物は、提案先ユーザが食事から外すことを許容する飲食物である可能性が高い。
【0068】
例えば、提案先ユーザが、食事から外すことが不可である飲食物として、コーラを指定したとする。
図5に示すように、コーラは3回の食事で飲まれている。コーラは、置換元候補から除外される。
【0069】
阻害飲食物特定部1105は、ユーザ情報として、食事記録情報及び置換不可飲食物情報のうち、何れか一方、またはそれらの両方を用いてもよい。なお、別の実施形態として、阻害飲食物特定部1105は、提案先ユーザが食事から外すことを許容する飲食物であるか否かに関わらず、設定された栄養テーマに含まれる栄養目標情報の目標の達成を阻害する飲食物を、阻害飲食物として特定してもよい。
【0070】
[1-3-3.置換先飲食物の決定]
置換先飲食物決定部1106は、食事記録DB14eに記憶された食事記録情報、及び、目標情報取得部1103により取得された栄養目標情報に基づいて、阻害飲食物特定部1105により特定された置換元候補と異なる飲食物であって、飲食物DB14bに飲食物情報が記憶された飲食物のうち、栄養摂取量の目標を基準として提案先ユーザの栄養摂取量を改善させる飲食物を、置換先飲食物として決定してもよい。例えば、置換先飲食物決定部1106は、提案先ユーザの食事に含まれる置換元候補を置き換えない場合における提案先ユーザの栄養摂取量と、その食事に含まれる置換元候補を、別の飲食物に置き換えた場合における提案先ユーザの予想栄養摂取量と、栄養摂取量の目標とに基づいて、置換先飲食物を決定してもよい。栄養摂取量の目標は、栄養テーマに対応する1又は複数の栄養素それぞれについて定められていてもよい。例えば、或る栄養素の摂取の目標は、その栄養素を所定値以上の量摂取することであってもよい。また例えば、或る栄養素の摂取量の目標は、その栄養素の摂取量を所定値未満に抑えることであってもよい。また例えば、或る栄養素の摂取量の目標は、その栄養素を、第1の所定値から第2の所定値までの範囲内の量摂取することであってもよい。
【0071】
置換先飲食物決定部1106は、提案先ユーザの栄養摂取量を目標に近付ける飲食物を、置換先飲食物として決定してもよい。栄養摂取量が目標に近くなれば、提案先ユーザの栄養摂取量は改善する。例えば、置換先飲食物決定部1106は、少なくとも1つ以上の栄養素について、置換元候補を別の飲食物に置き換えた場合の栄養摂取量と目標との差が、置換元候補を置き換えない場合の栄養摂取量と目標との差よりも小さいその飲食物を、置換先飲食物として決定してもよい。置換先飲食物決定部1106は、例えば評価期間内において、置換元候補特定部1104により特定された置換元候補を含む食事を含む1又は複数の食事単位で、その食事に含まれる飲食物の含有栄養素量の栄養素ごとの合計を、置換前栄養摂取量として計算してもよい。置換前栄養摂取量は、例えば評価期間に含まれる目標達成判定期間のうち、その置換元候補を含む食事が摂られた日を含む各目標達成判定期間に飲食された飲食物の栄養素ごとの含有栄養素量の合計であってもよい。例えば、評価期間が1週間であり、目標達成判定期間が1日であるとする。提案先ユーザは、1週間のうち3日、置換元候補を飲食したとする。この場合、置換元候補が飲食された日それぞれについて、その日の含有栄養素量の合計が計算されてもよい。置換元候補特定部1104は、それらの置換前栄養摂取量の平均値を計算してもよい。そして、置換先飲食物決定部1106は、各栄養素について、平均置換前栄養摂取量と栄養目標情報により示される目標摂取量との差を、置換前栄養摂取量差として計算してもよい。ここで、目標が、栄養摂取量が目標摂取量以上であることを示す場合において、置換前栄養摂取量が目標摂取量を超えている場合、置換先飲食物決定部1106は、その栄養素については目標達成と判定する。また、目標が、栄養摂取量が目標摂取量以下であることを示す場合において、置換前栄養摂取量がその目標摂取量未満である場合、置換先飲食物決定部1106は、その栄養素については目標達成と判定する。また、目標が、栄養摂取量が第1の目標摂取量から第2の目標摂取量までの範囲内であることを示す場合において、置換前栄養摂取量がそれらの目標摂取量の範囲内にある場合、置換先飲食物決定部1106は、その栄養素については目標達成と判定する。置換先飲食物決定部1106は、置換先飲食物の候補を抽出してもよい。置換先飲食物の候補を、置換先候補という。置換先候補は、例えば置換元候補以外の全ての飲食物であってもよいし、所定条件に基づいて抽出される飲食物であってもよい。例えば、置換先飲食物決定部1106は、提案先ユーザの嗜好情報に基づいて置換先候補を抽出してもよい。置換先飲食物決定部1106は、評価期間内の食事のうち、置換元候補を含む食事において、その置換元候補を置換先候補に置き換えた場合におけるその食事を含む1又は複数の食事単位で、その食事に含まれる飲食物の栄養素ごとの含有栄養素量の合計を、置換後栄養摂取量として計算してもよい。置換後栄養摂取量は、予想栄養摂取量である。置換先飲食物決定部1106は、それらの置換後栄養摂取量の平均値を計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、各栄養素について、平均置換後栄養摂取量と目標摂取量との差を、置換後栄養摂取量差として計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、置換後栄養摂取量差が置換前栄養摂取量差よりも小さい置換先候補のうち、少なくとも一の置換先候補を、それぞれ置換先飲食物として決定してもよい。このとき、置換先飲食物決定部1106は、その置換先飲食物との間で置換後栄養摂取量差と置換前栄養摂取量差とを比較した置換元候補を、置換元飲食物として決定してもよい。
【0072】
置換先飲食物決定部1106は、置換元候補を別の飲食物に置き換えた場合の目標未達成頻度が、置換元候補を置き換えない場合の目標未達成頻度よりも小さいその飲食物を、置換先飲食物として決定してもよい。目標未達成頻度の計算方法は前述の通りである。目標未達成頻度が小さくなれば、提案先ユーザの栄養摂取量は改善される。
【0073】
置換先飲食物決定部1106は、提案先ユーザの栄養摂取量を改善させる置換先候補を、そのまま置換先飲食物として決定するのではなく、その置換先候補と、その置換先飲食物と組み合わせて栄養摂取量が改善されるか否かが判定された置換元候補と、の組み合わせを、組み合わせ候補として決定してもよい。そして、置換先飲食物決定部1106は、組み合わせ候補の中から、置換元飲食物と置換先飲食物との組み合わせを少なくとも一つ決定してもよい。置換元飲食物と置換先飲食物との組み合わせを、置換飲食物組み合わせという。
【0074】
組み合わせ候補を決定するとき、置換先飲食物決定部1106は、置換元候補と類似する飲食物の中から、その置換元候補と組み合わせられる置換先候補を決定してもよい。これにより、提案先ユーザの各食事内容が大幅に変わることが抑制されることが期待される。置換元候補と類似する飲食物は、例えば置換元候補のカテゴリと一致するカテゴリの飲食物であってもよい。各カテゴリに属する複数の飲食物は、そのカテゴリに応じた共通の又は類似する属性を有する。一致が判定されるカテゴリは、例えば第1カテゴリであってもよいし、第2カテゴリであってもよい。
【0075】
図6は、組み合わせ候補の例を示す図である。例えば
図5に示す判定の結果、置換元候補として、サンドイッチ、納豆、カツ丼、及び味噌汁が特定されたとする。特定された置換元候補それぞれについて、置換先候補が決定されてもよい。例えば、
図6に示すように、カツ丼に対して、親子丼、プルコギ丼、牛丼、及び海鮮丼が、置換先候補として決定されてもよい。従って、4個の組み合わせ候補が決定される。これらの飲食物は、丼ものであるという点で、共通する属性を有する。サンドイッチ、納豆、及び味噌汁についても、同様の方法で置換先候補が決定されてもよい。
【0076】
置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせ候補について、提案先ユーザの食事に含まれる置換元候補を置換先候補に置き換えた場合の組み合わせ候補に対する1又は複数の評価値を計算してもよい。そして、置換先飲食物決定部1106は、評価値に基づいて、複数の組み合わせ候補の中から、置換飲食物組み合わせを少なくとも一つ決定してもよい。阻害飲食物特定部1105により置換元候補が一つのみ特定される場合、置換先飲食物決定部1106は、その置換元候補と置き換えられる置換先飲食物となる置換先候補を決定すればよい。置換元候補が複数特定される場合、置換元候補ごとに、1又は複数の組み合わせ候補が存在する場合がある。そのため、置換先飲食物決定部1106は、それらの組み合わせ候補の中から、置換飲食物組み合わせを決定してもよい。説明の便宜上、算出される各評価値は、置換飲食物組み合わせの不適切さを示す指標とする。つまり、各評価値の値が低いほど、置換元候補を置換先候補に置き換える組み合わせ候補としての評価が高いものとする。この場合、1又は複数の評価値の合計、平均値若しくは加重平均値を最小化する組み合わせ候補が、最も評価が高い組み合わせ候補となる。組み合わせ候補の各評価値が低いほど、その組み合わせ候補が、置換飲食物組み合わせに決定される確率が高くなる。
【0077】
置換先飲食物決定部1106は、提案先ユーザの食事に含まれる置換元候補を置き換えない場合における提案先ユーザの食事から、提案先ユーザの食事に含まれる置換元候補を置換先候補に置き換えた場合における食事への、目標を基準とした提案先ユーザの予想栄養摂取量の改悪度を、栄養評価値として計算してもよい。栄養評価値が低いほど、提案先ユーザの栄養摂取量が改善する。例えば、置換先飲食物決定部1106は、各栄養素について、前述した平均置換前栄養摂取量及び平均置換後栄養摂取量、並びに目標摂取量に基づいて、各栄養素に関する栄養評価値を計算してもよい。置換前栄養摂取量差及び置換後栄養摂取量差は、下記の式により計算される。
置換前栄養摂取量差=|平均置換前栄養摂取量-目標摂取量|
置換後栄養摂取量差=|平均置換後栄養摂取量-目標摂取量|
【0078】
次に、置換前栄養摂取量差割合及び置換後栄養摂取量差割合が、下記の式により計算される。
置換前栄養摂取量差割合=置換前栄養摂取量差/目標摂取量
置換後栄養摂取量差割合=置換後栄養摂取量差/目標摂取量
【0079】
そして、栄養評価値が、下記の式により計算される。
栄養評価値=1/2*((置換後栄養摂取量差割合-置換前栄養摂取量差割合)+1)
【0080】
ここで、栄養評価値が0.5となる場合、提案先ユーザの栄養摂取量は改善も改悪もしない。栄養評価値が0.5よりも低い場合、栄養摂取量は改善する。栄養評価値が0.5よりも高い場合、栄養摂取量は改悪する。そのため、置換先飲食物決定部1106は、栄養評価値が0.5未満となる組み合わせ候補の中から、置換飲食物組み合わせを決定してもよい。なお、上述の栄養評価値は、栄養素ごとに計算されるが、置換飲食物組み合わせを決定するにあたり、1つの栄養素についての栄養評価値に基づいてもよく、各栄養素について栄養評価値を平均した値に基づいてもよい。または、そのどちらでもなくてもよく、少なくとも1つ以上の栄養素についての栄養評価値に基づいて決定していればよい。
【0081】
置換先飲食物決定部1106は、食事記録DB14eに記憶された食事記録情報に基づいて、提案先ユーザの食事に含まれる置換元候補を置き換えない場合における提案先ユーザの食習慣を示す第1の数値と、提案先ユーザの食事に含まれる置換元候補を、複数の置換先候補それぞれに置き換えた場合における提案先ユーザの食習慣を示す第2の数値と、を計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、計算された第1の数値及び第2の数値に基づいて、複数の置換先候補の中から置換先飲食物を決定してもよい。提案先ユーザの食事記録情報の履歴には、その提案先ユーザの食習慣が現れやすいと考えられる。第1の数値及び第2の数値から、置換元候補が置換先候補に置き換えられることによる食習慣の変化を推定することができる。第1の数値及び第2の数値のそれぞれは、統計量であってもよい。
【0082】
例えば、置換先飲食物決定部1106は、第1の数値及び第2の数値に基づいて、評価値を計算してもよい。例えば、置換先飲食物決定部1106は、第1の数値と第2の数値との差の絶対値を、評価値として計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、組み合わせ候補の評価値が低いほど、その組み合わせ候補が置換飲食物組み合わせに決定される確率を高くしてもよい。第1の数値と第2の数値との差が小さいほど、飲食物の置き換えによる提案先ユーザの食習慣の変化が小さくなる。そのため、提案先ユーザが置き換えを受け入れやすい。
【0083】
置換先飲食物決定部1106は、評価期間内に提案先ユーザが摂った食事について第1の数値を計算してもよい。また、置換先飲食物決定部1106は、評価期間と異なる参照期間内に提案先ユーザが摂った食事について第1の数値を計算してもよい。従って、参照期間内で摂った食事の食事記録情報から、提案先ユーザの現状の食習慣が推定されることになる。評価期間の長さと参照期間の長さとは一致してもよいし、一致しなくてもよい。参照期間の長さが長いほど、提案先ユーザの食習慣を適切に推定することができる可能性が高くなる。評価期間と参照期間とは連続していてもよいし、連続しなくてもよい。参照期間は、評価期間よりも前の期間であってもよいし、評価期間よりも後の期間であってもよい。複数の参照期間が互いに離れて設定されてもよい。或いは、評価期間と参照期間とは一致してもよい。
【0084】
図7は、評価期間及び参照期間の例を示す。例えば、今日が2月8日の月曜日であるとする。
図7に示すように、評価期間として、2月1日から2月7日までの1週間が設定された。一方、参照期間として、1月1日から1月31日までの1ヶ月間が設定された。置換元候補の一つがカツ丼であり、置換先候補の一つが親子丼であるとする。置換先飲食物決定部1106は、1月1日から1月31日までの間に摂られた食事に含まれるカツ丼を親子丼に置き換えない状態で、第1の数値を計算する。また、置換先飲食物決定部1106は、2月1日から2月7日までの間に摂られた食事に含まれるカツ丼を親子丼に置き換えた状態で、第2の数値を計算する。
【0085】
第1の数値及び第2の数値は、それぞれ1回の食事に含まれる飲食物が属するカテゴリの数の平均値であってもよい。置換先飲食物決定部1106は、カテゴリの数の平均値の差の絶対値を、食事多様性評価値として計算してもよい。カテゴリ数の計算に用いられるカテゴリの種類は、第1カテゴリ又は第2カテゴリであってもよいし、第1カテゴリと第2カテゴリとの組み合わせであってもよい。例えば、食事がカツ丼と味噌汁を含むとする。第1カテゴリが用いられる場合、カツ丼も味噌汁も和食である。従って、カテゴリ数は1である。一方、第2カテゴリが用いられる場合、カツ丼は主食であり、味噌汁は汁物である。従って、カテゴリ数は2である。ユーザは、1回の食事において、1の飲食物を飲食し、または複数の飲食物を組み合わせてそれらを飲食する。ユーザによって、1回の食事に含まれる飲食物のカテゴリの数に傾向が見られる場合がある。飲食物の置換前後で、1回の食事に含まれる飲食物が属するカテゴリの数の平均値の差が小さいほど、提案先ユーザの食習慣の変化が小さい。
【0086】
第1の数値及び第2の数値は、それぞれ飲食物単位での飲食物の飲食頻度であるか、または飲食物のカテゴリ単位での飲食物の飲食頻度であってもよい。置換先飲食物決定部1106は、飲食頻度の差の絶対値を、食事趣向性評価値として計算してもよい。ユーザによって、各飲食物の飲食頻度又は各カテゴリの飲食頻度に傾向が見られる場合がある。例えば、飲食頻度が高いほど、提案先ユーザはその飲食物を習慣的に飲食しているか、または提案先ユーザはその飲食物を好きである可能性が高い。また、飲食物の価格と、提案先ユーザが飲食にかけられる金額とによっても、飲食頻度が変わる可能性がある。飲食物の置換前後で、飲食頻度の差が小さいほど、提案先ユーザの食習慣の変化が小さい。置換先飲食物決定部1106は、参照期間及び評価期間それぞれに提案先ユーザが飲食した飲食物それぞれについて飲食頻度を計算するか、またはそれらの飲食物が属するカテゴリそれぞれについて、そのカテゴリの飲食物の飲食頻度を計算してもよい。或いは、置換元候補が置換先候補に置き換えられた場合に飲食頻度が変化する飲食物は、置換元候補及び置換先候補である。従って、置換先飲食物決定部1106は、置換元候補及び置換先候補それぞれについて飲食頻度を計算するか、または置換元候補が属するカテゴリ及び置換先候補が属するカテゴリそれぞれについて、そのカテゴリの飲食物の飲食頻度を計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、飲食物ごとに又はカテゴリごとに、飲食頻度の差を計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、計算された飲食頻度の差のうち、例えば最も大きい差を、食事趣向性評価値として計算してもよいし、計算された飲食頻度の差のベクトルの大きさを、食事趣向性評価値として計算してもよい。
【0087】
第1の数値及び第2の数値は、飲食物の組み合わせ単位での同一の食事における飲食物の組み合わせの飲食頻度であるか、または飲食物のカテゴリの組み合わせ単位での同一の食事における飲食物の組み合わせの飲食頻度であってもよい。置換先飲食物決定部1106は、飲食物の組み合わせの飲食頻度の差の絶対値を、食べ合わせ評価値として計算してもよい。飲食物の組み合わせは、例えば2個の飲食物の組み合わせ、または2個のカテゴリの飲食物の組み合わせであってもよい。例えば、或る食事が、ステーキと玉子かけごはんとサラダを含むとする。この場合、置換先飲食物決定部1106は、ステーキと玉子かけごはんとの組み合わせ、ステーキとサラダとの組み合わせ、及び、玉子かけごはんとサラダとの組み合わせが飲食されたと判定してもよい。第1カテゴリの組み合わせ単位で組み合わせを特定する場合、ステーキとサラダは欧米料理であると仮定する。玉子かけごはんは和食である。そこで、置換先飲食物決定部1106は、欧米料理と和食との組み合わせ、欧米料理と欧米料理との組み合わせ、及び、欧米料理と和食との組み合わせが飲食されたと判定してもよい。第2カテゴリの組み合わせ単位で組み合わせを特定する場合、置換先飲食物決定部1106は、肉料理とごはんものとの組み合わせ、肉料理と野菜料理との組み合わせ、ごはんものと野菜料理との組み合わせが飲食されたと判定してもよい。個別の飲食物の飲食頻度と同様に、ユーザによって、如何なる飲食物を組み合わせて飲食するかという点について傾向が見られる場合がある。飲食物の置換前後で、組み合わせの飲食頻度の差が小さいほど、提案先ユーザの食習慣の変化が小さい。置換先飲食物決定部1106は、参照期間及び評価期間それぞれに提案先ユーザが飲食した飲食物の組み合わせそれぞれについて飲食頻度を計算するか、またはそれらの飲食物の組み合わせに対応するカテゴリの組み合わせそれぞれについて、そのカテゴリの組み合わせの飲食物の飲食頻度を計算してもよい。或いは、置換元候補が置換先候補に置き換えられた場合に飲食頻度が変化する組み合わせは、置換元候補及び置換先候補のうち少なくとも何れか一方を含む組み合わせである。従って、置換先飲食物決定部1106は、置換元候補及び置換先候補それぞれを含む各組み合わせについて飲食頻度を計算するか、または置換元候補が属するカテゴリ及び置換先候補が属するカテゴリについて、そのカテゴリの飲食物を含む各組み合わせについて飲食頻度を計算してもよい。組み合わせの飲食頻度の分母は、その組み合わせに含まれる2個の飲食物のうち何れか一方の飲食物の飲食回数又はその飲食物が属するカテゴリの飲食物の飲食回数であってもよい。例えば、分母は、2個の飲食物又は2個のカテゴリの飲食物それぞれの飲食回数のうち、より多い方の飲食回数又はより小さい方の飲食回数であってもよい。組み合わせが、置換元候補又は置換先候補を含む場合、分母は、その置換元候補又は置換先候補の飲食回数であるか、その置換元候補又は置換先候補が属するカテゴリの飲食物の飲食回数であってもよい。置換先飲食物決定部1106は、組み合わせごとに、飲食頻度の差を計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、計算された飲食頻度の差のうち、例えば最も大きい差を、食べ合わせ評価値として計算してもよいし、計算された飲食頻度の差のベクトルの大きさを、食べ合わせ評価値として計算してもよい。
【0088】
評価値の計算に用いられるカテゴリの種類は、各置換元候補と組み合わせられる置換先紀候補の決定に用いられるカテゴリの種類と異なってもよい。例えば、置換元候補と組み合わせられる置換先紀候補の決定に第1カテゴリが用いられる場合、評価値の計算には第2カテゴリが用いられてもよい。
【0089】
カテゴリ数、個別の飲食物の飲食頻度、飲食物の組み合わせの頻度を計算する場合、置換先飲食物決定部1106は、食事区分に関係なく全ての食事についてそれらの数値を計算してもよい。或いは、置換先飲食物決定部1106は、評価期間内において、置換元候補が飲食された区分の食事を少なくとも含めてそれらの数値を計算する一方で、置換元候補が飲食されなかった区分の食事を含めずに、それらの数値を計算してもよい。例えば、評価期間において、置換元候補が昼食のみに飲食されていたとする。この場合、置換先飲食物決定部1106は、朝食と昼食と夕食の全ての食事を含めて数値を計算してもよいし、昼食のみで数値を計算してもよいし、朝食と昼食のみ若しくは昼食と夕食のみについて数値を計算してもよい。
【0090】
一の評価値のみを用いて置換飲食物組み合わせを決定する場合、置換先飲食物決定部1106は、その評価値が最も小さい組み合わせ候補を、置換飲食物組み合わせに決定してもよい。或いは、置換先飲食物決定部1106は、評価値が最も小さい順に、2以上の組み合わせ候補を置換飲食物組み合わせに決定してもよい。例えば、置換先飲食物決定部1106は、所定数の置換飲食物組み合わせを決定してもよいし、評価値が所定値未満である組み合わせ候補を置換飲食物組み合わせに決定してもよい。
【0091】
複数の評価値を用いて置換飲食物組み合わせを決定する場合、置換先飲食物決定部1106は、それらの評価値に基づいて、最終評価値を計算してもよい。そして、置換先飲食物決定部1106は、最終評価値が最も小さい組み合わせ候補を置換飲食物組み合わせに決定してもよいし、最終評価値が最も小さい順に2以上の組み合わせ候補を置換飲食物組み合わせに決定してもよい。置換先飲食物決定部1106は、例えば複数の評価値の平均値又は加重平均値を、最終評価値として計算してもよい。各評価値に対する重みは予め設定されていてもよい。各重みは、後述するように更新されてもよい。
【0092】
図8は、複数の評価値を用いた組み合わせ候補に対する評価の一例を示す。
図8に示すように、組み合わせ候補として、カツ丼と親子丼との組み合わせ、カツ丼とプルコギ丼との組み合わせ、カツ丼と牛丼との組み合わせ、カツ丼と海鮮丼との組み合わせが決定されたとする。栄養評価値について、栄養摂取量の目標は、例えば或るビタミンの摂取量が所定値以上であることを含むとする。プルコギ丼は、そのビタミンの含有量が、他の丼ものと比較して多い。従って、
図8に示すように、プルコギ丼に対する評価は良く、他の丼ものに対する評価は中程度である。
【0093】
図5に示すように、評価期間において、3回の食事でカツ丼は食されており、それらの何れの食事においても、カツ丼と味噌汁との組み合わせが飲食されている。そこで、食事多様性評価値、食事趣向性評価値、及び食べ合わせ評価値は、夕食のみを考慮して計算することとする。また、食事多様性評価値の計算に、第1カテゴリが用いられるとする。この場合、カツ丼、親子丼、牛丼、及び海鮮丼は和食である。プルコギ丼は、韓国料理である。カツ丼を含む食事それぞれに含まれる飲食物のカテゴリ数は1である。カツ丼が、親子丼、牛丼又は海鮮丼に置き換えられた場合、カテゴリ数は1のままである。一方、カツ丼がプルコギ丼に置き換えられた場合、カテゴリ数は2となる。これまでに、提案先ユーザが夕食に飲食する飲食物のカテゴリ数が1である場合が多かったと仮定する。この場合、親子丼、牛丼、及び海鮮丼に対する評価は良く、プルコギ丼に対する評価は悪くなる可能性がある。
【0094】
食事趣向性評価値について、評価期間の夕食におけるカツ丼の飲食頻度は7分の3である。参照期間における親子丼の飲食頻度は約7分の3であるとする。従って、親子丼に対する評価は良い。プルコギ丼及び牛丼の飲食頻度は、それぞれ約7分の2及び約7分の4であるとする。従って、プルコギ丼及び牛丼に対する評価は中程度である。海鮮丼の飲食頻度は約7分の1であるとする。従って、海鮮丼に対する評価は悪い。
【0095】
食べ合わせ評価値について、評価期間内において、カツ丼が食された夕食のうち、カツ丼が味噌汁とともに食された頻度は100パーセントである。提案先ユーザが、これまで親子丼、牛丼、または海鮮丼を食べる場合に、味噌汁とともに食べる頻度がほぼ100%であるとすると、それらの飲食物に対する評価は良い。一方、提案先ユーザがプルコギ丼を食べる場合に、味噌汁とともに食べることがほとんどなかった場合、プルコギ丼に対する評価は悪い。
【0096】
以上説明したような評価に基づくと、全体的に評価が良い親子丼が置換先飲食物に決定される確率が高い。但し、栄養評価値に対する重みが他の評価値に対する重みよりも相当程度大きい場合、プルコギ丼が置換先飲食物に決定される可能性もある。
【0097】
置換先飲食物決定部1106は、これまでに説明された4個の評価値のうち、一の評価値のみを用いてもよいし、2以上の評価値を用いてもよい。或いは、置換先飲食物決定部1106は、何れの評価値も用いずに、置換先飲食物又は置換飲食物組み合わせを決定してもよい。
【0098】
[1-3-4.提案情報の送信]
提案情報送信部1107は、提案先ユーザが摂った食事のうち、阻害飲食物特定部1105により特定された阻害飲食物を含む食事からその阻害飲食物を外すための提案を示す提案情報を、提案先ユーザのユーザ端末2へ送信してもよい。提案情報は、提案先ユーザの栄養摂取量を、目標情報取得部1103により取得された栄養目標情報により示される目標を基準として改善させる提案を示す提案情報であってもよい。
【0099】
阻害飲食物特定部1105により特定された阻害飲食物は、提案先ユーザが食事から外すことを許容する飲食物である。そのような飲食物が実際に食事から外されても、提案先ユーザの食習慣に与える影響は小さいと考えられる。また、阻害飲食物以外の飲食物は、提案先ユーザの食事から外さなくてもよい。また、評価期間内の食事のうち、阻害飲食物を含まない食事の内容を提案先ユーザが変更しなくても、栄養摂取量は改善する。そこで、提案先ユーザは、阻害飲食物を外すことを除いて、評価期間内に摂った食事と同様の食事を摂ればよい。この点においても、阻害飲食物が食事から外されることによる提案先ユーザの食習慣に与える影響は小さいと考えられる。
【0100】
提案情報は、置換元飲食物としての阻害飲食物を、置換先飲食物決定部1106により決定された置換先飲食物に置き換えることを示す情報であってもよい。この場合の提案情報は、例えば置換元飲食物及び置換先飲食物それぞれの飲食物名、飲食物ID、画像のURL(Uniform Resource Locator)等を含んでもよい。食事提案サーバ1から提案情報を受信したユーザ端末2は、この提案情報に基づいて、その提案の内容を画面に表示してもよい。
【0101】
図9は、一の置換飲食組み合わせのみが決定された場合におけるユーザ端末2の画面例を示す図である。例えば
図9に示すように、ユーザ端末2は情報提供アプリの画面100を表示させる。画面100には、提案先ユーザの食事に関する情報や、その他健康に関する情報が表示されてもよい。更に画面100には、置換提案領域200が表示されてもよい。例えば、提案先ユーザが食事の提案を要求する操作を行ったタイミング、情報提供アプリが起動したタイミング、または提案先ユーザが食事の記録を入力したタイミング等で、置換提案領域200が表示されてもよい。置換提案領域200は、置換元飲食物情報210及び置換先飲食物情報220を含んでもよい。置換元飲食物情報210は、置換元飲食物を示す情報である。置換先飲食物情報220は、置換先飲食物を示す情報である。
図9の例において、置換元飲食物はカツ丼であり、置換先飲食物は親子丼である。置換元飲食物情報210及び置換先飲食物情報220は、それぞれ飲食物名、飲食物の画像、及び評価期間内における飲食回数等を含んでもよい。
【0102】
図10は、複数の置換飲食物組み合わせが決定された場合におけるユーザ端末2の画面例を示す図である。
図10において、
図9と同一の要素については同一の符号が付されている。
図10に示すように、画面100には、置換先飲食物提案領域300が表示されてもよい。置換先飲食物提案領域300は、複数の置換先飲食物情報310を含んでもよい。置換先飲食物情報310は、置換先飲食物を示す情報である。
図10の例では、親子丼、焼き鮭、及びプルコギ丼のそれぞれについて、置換先飲食物情報310が表示されている。親子丼及びプルコギ丼は、カツ丼から置き換えられる置換先飲食物である。焼き鮭は、納豆から置き換えられる置換先飲食物である。各置換先飲食物情報310は、それぞれ飲食物名及び飲食物の画像等を含んでもよい。提案先ユーザが、ユーザ端末2を操作して、何れかの置換飲食物を選択すると、ユーザ端末2は、置換提案領域200を表示して、選択された置換先飲食物の置換先飲食物情報220と、その置換先飲食物と組み合わせられた置換元飲食物の置換元飲食物情報210とを表示してもよい。例えば、提案先ユーザが親子丼を選択すると、
図9に示す置換提案領域200が表示される。なお、置換先飲食物提案領域300には、各置換飲食物組み合わせについて、置換元飲食物及び置換先飲食物それぞれを示す情報が表示されてもよい。
【0103】
提案情報送信部1107は、阻害飲食物を含む食事から、その阻害飲食物を削除することを示す提案情報を送信してもよい。そして、ユーザ端末2は、提案として、その阻害飲食物を削除することを表示してもよい。例えば、阻害飲食物を削除することにより、提案先ユーザの栄養摂取量が、栄養目標情報により示される目標を基準として改善すると置換先飲食物決定部1106が判定した場合、提案情報送信部1107は、その阻害飲食物の削除を示す提案情報を送信してもよい。置換先飲食物決定部1106は、置換先飲食物を決定する方法と同様の方法で、阻害飲食物を削除することを提案するか否かを判定してもよい。例えば、便宜上、「無し」という飲食物が定義されていてもよい。飲食物「無し」は、何れの飲食物でもない。また、飲食物「無し」は、何れのカテゴリにも属するものとする。更に、飲食物「無し」の全ての栄養素の含有量はゼロである。飲食物DB14bには、飲食物「無し」の飲食物情報が記憶されてもよい。置換先飲食物決定部1106は、例えば置換候補を決定する方法と同様の方法で、阻害飲食物を飲食物「無し」に置き換えた場合に栄養摂取量が改善すると判定した場合、飲食物「無し」を置換先候補に決定してもよい。置換先飲食物決定部1106は、他の置換先候補と同様に、飲食物「無し」について評価値を計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、評価値に基づいて、阻害飲食物を削除するか、またはその阻害飲食物を別の飲食物に置き換えるかを判定してもよい。
【0104】
重み更新部1108は、提案情報送信部1107により送信された提案情報により示される提案を、提案先ユーザが採用したか否かに基づいて、複数の評価値に対する重みを更新してもよい。例えば
図10に示すように、置換先飲食物提案領域300が表示されている状態で、提案先ユーザが何れかの置換先飲食物を選択したとする。この場合、ユーザ端末2は、選択された置換先飲食物の飲食物IDと、その置換元候補と組み合わせられる置換先候補の飲食物IDと、その置換先飲食物からその置換先候補への置換を採用したことを示す情報とを、提案サーバ1へ送信してもよい。重み更新部1108は、飲食物IDの組み合わせにより示される置換飲食物組み合わせが提案先ユーザにより採用されたと判定してもよい。また、重み更新部1108は、採用された置換飲食物組み合わせ以外の組み合わせは、提案先ユーザにより採用されなかったと判定してもよい。
【0105】
一の置換飲食組み合わせのみが決定された場合、例えば
図9に示すように、置換提案領域200が表示されている状態で、提案先ユーザは、置換提案領域200に示される提案を採用するか否かを選択する操作が可能であってもよい。例えば、画面100には、提案の採用を選択するためのボタンが表示されてもよい。ユーザが、このボタンを押下する操作を行ったとする。この場合、ユーザ端末2は、置換先飲食物の飲食物IDと、置換先候補の飲食物IDと、置換を採用したことを示す情報とを、提案サーバ1へ送信してもよい。重み更新部1108は、飲食物IDの組み合わせにより示される置換飲食物組み合わせが提案先ユーザにより採用されたと判定してもよい。重み更新部1108は、これまで提案された各評価値の重みと、各重み採択時における置換飲食物組み合わせの採用状況と、に基づいて、例えばベイズ最適化により各評価値の重みを決定してもよい。提案情報が送信されるごとに重みが更新されてもよいし、所定の期間が経過するごとに重みが更新されてもよい。
【0106】
[1-4.通信システムの動作]
次に、通信システムの動作について、
図11乃至
図14を参照して説明する。食事提案サーバ1のシステム制御部11は、サーバプログラムに含まれる各種プログラムコードに従って、
図11乃至
図14に示す処理を実行してもよい。
【0107】
図11乃至
図14に示す処理は例示であり、目的が達成されるのであれば、如何なる処理が実行されてもよい。処理の順序は、
図11乃至
図14に示される順序に限定されない。また、
図11乃至
図14に示されるステップのうち少なくとも一のステップは実行されなくてもよい。
【0108】
図11は、本実施形態に係る通信システムSの処理例を示すシーケンス図である。例えば、提案先ユーザは、ユーザ端末2を操作して、栄養テーマを選択する(ステップS101)。ユーザ端末2は、この選択の操作を検出すると、提案先ユーザのユーザID及び選択された栄養テーマの栄養テーマIDを、食事提案サーバ1へ送信する(ステップS102)。目標情報取得部1103は、ユーザ端末2から受信した栄養テーマIDを、提案先ユーザのユーザIDに関連付けて、ユーザ基本属性DB14dに記憶させる(ステップS103)。
【0109】
また、提案先ユーザは、必要なタイミングで、食事の記録を入力する(ステップS104)。ユーザ端末2は、この入力の操作を検出すると、入力された食事の記録を示す食事記録情報を、食事提案サーバ1へ送信する(ステップS105)。食事記録情報登録部1102は、ユーザ端末2から受信された食事記録情報を、食事記録DB14eに記憶させる(ステップS106)。ステップS104~S106が複数回実行されてもよい。
【0110】
次いで、所定のタイミングで、システム制御部11は、食事の提案のための処理を開始する。例えば、阻害飲食物特定部1105は、置換元候補特定処理を実行する(ステップS107)。
【0111】
図12は、本実施形態に係る食事提案サーバ1のシステム制御部11による置換元候補特定処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、阻害飲食物特定部1105は、評価期間内に提案先ユーザにより飲食された飲食物を抽出する(ステップS201)。例えば、阻害飲食物特定部1105は、食事記録DB14eから、提案先ユーザのユーザIDと、評価期間内の食事日とを含む食事記録情報を検索してもよい。阻害飲食物特定部1105は、検索された食事記録情報の飲食物リストに含まれる各飲食物IDを、飲食された飲食物の飲食物IDとして取得してもよい。
【0112】
次いで、阻害飲食物特定部1105は、抽出された各飲食物について、評価期間内における目標未達成頻度を計算する(ステップS202)。例えば、目標情報取得部1103は、ユーザ基本属性DB14dから、提案先ユーザのユーザIDに関連付けられた栄養テーマIDを取得してもよい。目標情報取得部1103は、この栄養テーマIDに関連付けられた栄養目標情報を、栄養テーマDB14cから取得してもよい。阻害飲食物特定部1105は、検索された食事記録情報に基づいて、抽出された各飲食物の飲食回数を計算してもよい。阻害飲食物特定部1105は、各飲食物について、その飲食物を含む食事の食事記録情報から、栄養摂取量情報を取得してもよい。阻害飲食物特定部1105は、栄養摂取量情報に基づいて、各飲食物について、その飲食物が摂られた食事単位又はその食事を含む複数の食事単位で、栄養素ごとの栄養摂取量を計算してもよい。阻害飲食物特定部1105は、その飲食物が摂られた食事ごとに、各栄養素について、栄養摂取量が栄養目標情報に含まれる目標摂取量情報により示される条件を満たすか否かを判定してもよい。阻害飲食物特定部1105は、少なくとも1つ以上の栄養素について、栄養摂取量が条件を満たさない回数を、その飲食物の飲食回数で除算することにより、目標未達成頻度を計算してもよい。次いで、阻害飲食物特定部1105は、抽出された飲食物のうち、目標未達成頻度が所定値未満である飲食物を、置換元候補から除外する(ステップS203)。
【0113】
次いで、阻害飲食物特定部1105は、抽出された飲食物のうち、飲食頻度が所定の下限値未満である飲食物を、置換元候補から除外する(ステップS204)。次いで、阻害飲食物特定部1105は、抽出された飲食物のうち、飲食頻度が所定の上限値を超える飲食物を、置換元候補から除外する(ステップS205)。
【0114】
次いで、阻害飲食物特定部1105は、ユーザ基本属性DB14dから、提案先ユーザのユーザIDに関連付けられた置換不可飲食物情報を取得する(ステップS206)。次いで、阻害飲食物特定部1105は、抽出された飲食物のうち、置換不可飲食物情報に含まれる飲食物IDにより示される飲食物を、置換元候補から除外する(ステップS207)。そして、阻害飲食物特定部1105は、抽出された飲食物のうち、ステップS203、S204、S205、及びS207の何れにおいても除外されなかった飲食物を、置換元候補として特定して、置換元候補特定処理は終了する。
【0115】
置換元候補特定処理が終了すると、
図11に示すように、置換先飲食物決定部1106は、組み合わせ候補決定処理を実行する(ステップS108)。
【0116】
図13は、本実施形態に係る食事提案サーバ1のシステム制御部11による組み合わせ候補決定処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示すように、置換先飲食物決定部1106は、置換先候補を抽出する(ステップS301)。例えば、置換先飲食物決定部1106は、提案先ユーザの年齢、性別、嗜好情報等に基づいて、置換先候補を抽出してもよい。また、置換先飲食物決定部1106は、飲食物DB14bに飲食物情報が記憶されている飲食物のうち、置換元候補と特定された飲食物以外の飲食物を置換先候補として抽出してもよい。
【0117】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、各置換元候補について、置換元候補とカテゴリが同一である置換先候補を、1又は複数特定する(ステップS302)。例えば、置換先飲食物決定部1106は、各置換元候補及び各置換先候補について、飲食物DB14bから、その飲食物の飲食物IDに関連付けられた第1カテゴリID又は第2カテゴリIDを取得してもよい。置換先飲食物決定部1106は、取得されたカテゴリIDに基づいて、特定を行ってもよい。
【0118】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、各置換元候補について、特定された置換先候補ごとに、その置換元候補の飲食物IDとその置換先候補の飲食物IDとを関連付けて、組み合わせ候補を決定する(ステップS303)。ステップS303が終わると、組み合わせ候補決定処理は終了する。
【0119】
組み合わせ候補決定処理が終了すると、
図11に示すように、置換先飲食物決定部1106は、評価値計算処理を実行する(ステップS109)。
【0120】
図14は、本実施形態に係る食事提案サーバ1のシステム制御部11による評価値計算処理の一例を示すフローチャートである。
図14に示すように、置換先飲食物決定部1106は、決定された組み合わせ候補のうち少なくとも一の組み合わせ候補に含まれる置換元候補ごとに、各栄養素についての参照期間内での平均置換前栄養摂取量差を計算する(ステップS401)。例えば、置換先飲食物決定部1106は、食事記録DB14eから、提案先ユーザのユーザIDと、参照期間内の食事日とを含む食事記録情報を検索してもよい。置換先飲食物決定部1106は、検索された食事記録情報の飲食物リストに基づいて、各置換元候補を含む食事を特定してもよい。置換先飲食物決定部1106は、置換元候補特定処理におけるステップS202と同様の方法で、各置換元候補について、その置換元候補が摂られた食事単位又はその食事を含む複数の食事単位で、各栄養素についての栄養摂取量を計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、各栄養素についての栄養摂取量と目標摂取量との差を計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、各置換元候補について、各栄養素についての栄養摂取量と目標摂取量との差の平均値を計算してもよい。
【0121】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、決定された組み合わせ候補ごとに、置換元候補を置換先候補に置き換えた場合における評価期間内での平均値置換後栄養摂取量差を栄養素ごとに計算する(ステップS402)。例えば、置換先飲食物決定部1106は、組み合わせ候補ごとに、評価期間内の食事日を含む各食事記録情報のコピーを生成してもよい。置換先飲食物決定部1106は、各食事記録情報のコピーの飲食物リストについて、その飲食物リストに含まれる置換元候補の飲食物IDを、置換先候補の飲食物IDに書き換えてもよい。置換先飲食物決定部1106は、飲食物IDが書き換えられた食事記録情報のコピーに基づいて、参照期間内に摂られた食事のうち、置換先候補を含む食事を特定してもよい。そして、置換先飲食物決定部1106は、ステップS401と同様の方法で、各栄養素について、予想栄養摂取量と目標摂取量との差の平均値を計算してもよい。
【0122】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、前述した計算方法で、組み合わせ候補ごとに栄養評価値を計算する(ステップS403)。次いで、置換先飲食物決定部1106は、栄養評価値が0.5以上である組み合わせ候補を、置換飲食物組み合わせと決定され得る組み合わせから除外する(ステップS404)。なお、前述の通り、1つの栄養素についての栄養評価値を用いてもよく、各栄養素について栄養評価値を平均した値を用いてもよい。または、そのどちらでもなくてもよく、少なくとも1つ以上の栄養素についての栄養評価値を用いてもよい。
【0123】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、参照期間内での1食に含まれる飲食物の平均カテゴリ数を計算する(ステップS405)。例えば、置換先飲食物決定部1106は、参照期間内の食事日を含む食事記録情報の飲食物リストから、飲食物IDを取得してもよい。置換先飲食物決定部1106は、取得された各飲食物IDに関連付けられた第1カテゴリID又は第2カテゴリIDを、飲食物DB14bから計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、取得されたカテゴリIDに基づいて、各食事記録情報についてカテゴリ数を計算して、それらのカテゴリ数の平均値を計算してもよい。
【0124】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせ候補について、置換元候補を置換先候補に置き換えた場合における評価期間内での1食に含まれる飲食物の平均カテゴリ数を計算する(ステップS406)。飲食物IDが書き換えられた食事記録情報のコピーを用いることを除き、平均カテゴリ数の計算方法は、ステップS405と同一であってもよい。
【0125】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせ候補について、参照期間内での平均カテゴリ数と評価期間内での平均カテゴリ数との差を、食事多様性評価値として計算する(ステップS407)。
【0126】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、参照期間における各飲食物の飲食頻度を、飲食物単位で又はカテゴリ単位で計算する(ステップS408)。例えば、置換先飲食物決定部1106は、参照期間内に摂られた食事の回数を計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、参照期間内における各飲食物の飲食回数又は各カテゴリの飲食物の飲食回数を計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、飲食回数を食事回数で除算することにより、飲食頻度を計算してもよい。
【0127】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせ候補について、置換元候補を置換先候補に置き換えた場合における評価期間内での各飲食物の飲食頻度を、飲食物単位で又はカテゴリ単位で計算する(ステップS409)。飲食物IDが書き換えられた食事記録情報のコピーを用いることを除き、飲食頻度の計算方法は、ステップS408と同一であってもよい。
【0128】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせ候補について、食事趣向性評価値を計算する(ステップS410)。例えば、置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせ候補について、参照期間内での飲食頻度と評価期間内での飲食頻度との差を、飲食物ごと又はカテゴリごとに計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせ候補について、最も大きい差を、食事趣向性評価値として決定してもよい。
【0129】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、参照期間における飲食物の組み合わせの飲食頻度を、飲食物の組み合わせ単位で又はカテゴリの組み合わせ単位で計算する(ステップS411)。例えば、置換先飲食物決定部1106は、参照期間内の食事日を含む食事記録情報に基づいて、飲食物の各組み合わせを抽出してもよい。置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせについて、参照期間内でのその組み合わせの飲食回数を計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、その組み合わせの飲食回数を、その組み合わせ候補に含まれる飲食物のうち、何れか一方の参照期間内での飲食回数で除算することにより、飲食頻度を計算してもよい。
【0130】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせ候補について、置換元候補を置換先候補に置き換えた場合における評価期間内での飲食物の組み合わせの飲食頻度を、飲食物の組み合わせ単位で又はカテゴリの組み合わせ単位で計算する(ステップS412)。飲食物IDが書き換えられた食事記録情報のコピーを用いることを除き、飲食頻度の計算方法は、ステップS411と同一であってもよい。
【0131】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせ候補について、食べ合わせ評価値を計算する(ステップS413)。例えば、置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせ候補について、参照期間内での飲食物の組み合わせの飲食頻度と評価期間内での飲食物の組み合わせの飲食頻度との差を、飲食物の組み合わせごと又はカテゴリの組み合わせごとに計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせ候補について、最も大きい差を、食べ合わせ評価値として決定してもよい。
【0132】
次いで、置換先飲食物決定部1106は、各組み合わせ候補について、最終評価値を計算する(ステップS414)。例えば、置換先飲食物決定部1106は、重みDB14gから、最新の更新日時に関連付けられた重み情報を取得してもよい。置換先飲食物決定部1106は、重み情報により示される重みで、栄養評価値、食事多様性評価値、食事趣向性評価値、及び食べ合わせ評価値を重み付けしてもよい。置換先飲食物決定部1106は、重み付けされた評価値の平均値を、最終評価値として計算してもよい。ステップS414が終わると、評価値計算処理は終了する。
【0133】
評価値計算処理が終了すると、
図11に示すように、置換先飲食物決定部1106は、最終評価値に基づいて、置換飲食物組み合わせを決定する(ステップS110)。例えば、置換先飲食物決定部1106は、組み合わせ候補の中から、最終評価値が低い順に複数の組み合わせ候補を、置換飲食物組み合わせとして選択してもよい。置換先飲食物決定部1106は、各置換飲食物組み合わせについて、提案記録DB14fに提案記録情報を記憶させてもよい。提案記録情報は、現在日時、提案先ユーザのユーザID、提案元飲食物の飲食物ID、提案先飲食物の飲食物ID、計算された各評価値、「未採用」に設定された採用フラグを含んでもよい。
【0134】
次いで、提案情報送信部1107は、ユーザ端末2へ提案情報を送信する(ステップS111)。提案情報は、各置換飲食物組み合わせについて、提案元飲食物及び提案先飲食物それぞれの飲食物ID、飲食物名、及び画像のURLを含んでもよい。ユーザ端末2は、提案情報に基づいて、置換先飲食物提案領域300に、各飲食物組み合わせに対応する置換先飲食物情報310を表示させる(ステップS112)。例えば、提案情報送信部1107は、各飲食物組み合わせについて、置換先飲食物の画像及び飲食物名を表示してもよい。
【0135】
提案先ユーザは、置換先飲食物提案領域300が表示された置換先飲食物のうち、何れかの置換先飲食物を選択する(ステップS113)。ユーザ端末2は、この選択の操作を検出すると、置換提案領域200を表示して、この置換提案領域200内に、置換元飲食物情報210及び置換先飲食物情報220を表示させる(ステップS114)。例えば、置換先飲食物提案領域300は、選択された置換先飲食物及びその置換元飲食物と組み合わせられた置換元飲食物それぞれの画像及び飲食物名を表示させてもよい。
【0136】
また、ユーザ端末2は、食事提案サーバ1へ採用通知を送信する(ステップS115)。採用通知は、提案先ユーザのユーザID、選択された置換飲食物組み合わせに含まれる提案元飲食物及び提案先飲食物それぞれの飲食物IDを含んでもよい。重み更新部1108は、採用通知を受信すると、各評価値の重みを更新する(ステップS116)。例えば、重み更新部1108は、提案記録DB14fに記憶された提案記録情報のうち、採用通知に含まれるユーザID及び飲食物IDの組み合わせと、最新の提案日時とを含む提案記録情報を検索してもよい。重み更新部1108は、検索された提案記録情報に含まれる採用フラグを「採用」に変更してもよい。重み更新部1108は、これまでに提案記録DB14fに記憶された提案記録情報に含まれる各評価値及び採用フラグに基づいて、重みを更新してもよい。重み更新部1108は、更新された重みを示す重み情報を、現在日時に関連付けて、重みDB14gに記憶させてもよい。
【0137】
以上説明したように、本実施形態において、食事提案サーバ1が、食事記録情報をユーザ端末2から取得してもよい。また、食事提案サーバ1が、食事記録情報を食事記録DB14eに記憶させてもよい。また、食事提案サーバ1が、栄養目標情報を取得してもよい。また、食事提案サーバ1が、ユーザ情報を取得してもよい。また、食事提案サーバ1が、食事記録情報と、栄養目標情報及びユーザ情報に基づいて、提案先ユーザが飲食した飲食物のうち、目標の達成を阻害する阻害飲食物であって、提案先ユーザが食事から外すことを許容する阻害飲食物を特定してもよい。また、食事提案サーバ1が、阻害飲食物を含む食事からその阻害飲食物を外すための提案であって、提案先ユーザの栄養摂取量を、栄養目標情報により示される目標を基準として改善させる提案を示す提案情報を、ユーザ端末2へ送信してもよい。この場合、提案先ユーザが食事から外すことを許容する飲食物を外すための提案であれば、提案先ユーザがその提案を受け入れても、食習慣の変化は小さいと考えられる。そのため、提案先ユーザの食習慣への影響をより小さくしながら、食事を改善するための提案が可能となる。
【0138】
ここで、食事提案サーバ1が、食事記録情報及び栄養目標情報に基づいて、阻害飲食物と異なる飲食物のうち、阻害飲食物から置き換えられることで提案先ユーザの栄養摂取量を改善させる置換先飲食物を決定してもよい。また、食事提案サーバ1が、阻害飲食物を置換先飲食物に置き換えることを示す提案情報を送信してもよい。この場合、阻害飲食物を食事から外すこととして、その食事について、その阻害飲食物を、提案先ユーザの栄養摂取量を改善させる飲食物に置き換える提案が提示される。そのため、食事から飲食物が減ることを抑制することができる。
【0139】
ここで、食事提案サーバ1が、阻害飲食物と類似する飲食物の中から置換先飲食物を決定してもよい。この場合、阻害飲食物を、その阻害飲食物に類似する飲食物に置き換える提案が提示される。そのため、提案先ユーザの食習慣への影響を小さくすることができる。
【0140】
また、食事提案サーバ1が、食事記録情報に基づいて、食事に含まれる阻害飲食物を置き換えない場合における提案先ユーザの食習慣を示す第1の数値と、食事に含まれる阻害飲食物を、その阻害飲食物と異なる複数の置換先候補それぞれに置き換えた場合における提案先ユーザの食習慣を示す第2の数値と、を計算してもよい。また、食事提案サーバ1が、第1の数値及び第2の数値に基づいて、複数の置換先候補の中から置換先飲食物を決定してもよい。この場合、第1の数値は、提案先ユーザの実際の食習慣を示す。また、第2の数値は、阻害飲食物の代わりに置換先候補を提案先ユーザが飲食したと仮定した場合の提案先ユーザの食習慣を示す。そして、第1の数値及び第2数値に基づいて、複数の置換先候補の中から置換先飲食物が決定される。そのため、提案先ユーザの食習慣への影響が小さい置換先候補を、置換先飲食物に決定することができる。
【0141】
ここで、食事提案サーバ1が、阻害飲食物を置き換えない場合における1回の食事に含まれる飲食物が属するカテゴリの数の平均値と、阻害飲食物を、その阻害飲食物と異なる複数の置換先候補それぞれに置き換えた場合における1回の食事に含まれる飲食物が属するカテゴリの数の平均値と、を計算してもよい。この場合、提案先ユーザの実際の1回の食事に含まれる飲食物が属するカテゴリの数の平均値と、阻害飲食物の代わりに置換先候補を提案先ユーザが飲食したと仮定した場合の提案先ユーザの1回の食事に含まれる飲食物が属するカテゴリの数の平均値と、に基づいて、置換先飲食物が決定される。そのため、提案先ユーザが1回の食事にどれだけの数のカテゴリの飲食物を飲食するかという食習慣への影響を小さくすることができる。
【0142】
また、食事提案サーバ1が、阻害飲食物を置き換えない場合における飲食物単位での又は飲食物のカテゴリ単位での飲食物の飲食頻度と、阻害飲食物を、その阻害飲食物と異なる複数の置換先候補それぞれに置き換えた場合における飲食物単位での又は飲食物のカテゴリ単位での飲食物の飲食頻度と、を計算してもよい。この場合、提案先ユーザによる実際の飲食物の飲食頻度と、阻害飲食物の代わりに置換先候補を提案先ユーザが飲食したと仮定した場合の提案先ユーザによる飲食物の飲食頻度と、に基づいて、置換先飲食物が決定される。そのため、提案先ユーザの飲食物の飲食頻度への影響を小さくすることができる。
【0143】
また、食事提案サーバ1が、阻害飲食物を置き換えない場合における飲食物の組み合わせ単位での又は飲食物のカテゴリの組み合わせ単位での同一の食事での飲食物の組み合わせの飲食頻度と、阻害飲食物を、その阻害飲食物と異なる複数の置換先候補それぞれに置き換えた場合における飲食物の組み合わせ単位での又は飲食物のカテゴリの組み合わせ単位での同一の食事での飲食物の組み合わせの飲食頻度と、を計算してもよい。この場合、提案先ユーザによる実際の同一の食事での飲食物の組み合わせの飲食頻度と、阻害飲食物の代わりに置換先候補を提案先ユーザが飲食したと仮定した場合の提案先ユーザによる同一の食事での飲食物の組み合わせの飲食頻度と、に基づいて、置換先飲食物が決定される。そのため、提案先ユーザの同一の食事での飲食物の組み合わせの飲食頻度への影響を小さくすることができる。
【0144】
また、食事提案サーバ1が、食事に含まれる阻害飲食物を置き換えない場合における提案先ユーザの栄養摂取量と、食事に含まれる阻害飲食物を、阻害飲食物と異なる複数の置換先候補それぞれに置き換えた場合における提案先ユーザの栄養摂取量と、栄養摂取量の目標とに基づいて、複数の置換先候補の中から置換先飲食物を決定してもよい。この場合、提案先ユーザの実際の食事で摂取された栄養素量と、阻害飲食物の代わりに置換先候補を提案先ユーザが飲食したと仮定した場合の提案先ユーザの食事で摂取される栄養素量と、栄養摂取量の目標と、に基づいて、置換先飲食物が決定される。そのため、提案先ユーザの栄養摂取量を改善させる置換先飲食物を、適切に決定することができる。
【0145】
また、食事提案サーバ1が、複数の置換先飲食物を決定してもよい。また、食事提案サーバ1が、複数の置換先飲食物を示す提案情報を送信してもよい。この場合、提案先ユーザの栄養摂取量を改善させる複数の置換先飲食物が提示される。従って、提案先ユーザは、複数の置換先飲食物の中から所望の置換先飲食物を選択することが可能である。そのため、阻害飲食物を置換先飲食物に置き換えることによる提案先ユーザの食習慣への影響を小さくすることができる。
【0146】
また、食事提案サーバ1が、目標未達成頻度が所定値以上である飲食物の中から、阻害飲食物を特定してもよい。この場合、提案先ユーザの栄養摂取量の目標の達成を阻害する飲食物を、適切に特定することができる。
【0147】
また、食事提案サーバ1が、所定回数の食事あたりにおける提案先ユーザによる飲食物の飲食回数を取得してもよい。また、食事提案サーバ1が、飲食回数が所定の上限回数以下である飲食物の中から、阻害飲食物を特定してもよい。この場合、提案先ユーザが習慣的に頻繁には飲食していない飲食物を外すことの提案が提示される。そのため、提案先ユーザの食習慣への影響を小さくすることができる。
【0148】
ここで、食事提案サーバ1が、飲食回数が所定の下限回数から上限回数までの範囲内にある飲食物の中から、阻害飲食物を特定してもよい。この場合、提案先ユーザが習慣的に頻繁には飲食していない飲食物のうち、所定回数の食事で2回以上は飲食される飲食物を外すことの提案が提示される。そのため、提案先ユーザの食習慣への影響を小さくしながら、阻害飲食物を外すことによる栄養摂取量の改善の効果を高めることができる。
【0149】
また、食事提案サーバ1が、置換不可飲食物情報を取得してもよい。また、食事提案サーバ1が、置換不可飲食物情報により示される飲食物と異なる飲食物の中から、阻害飲食物を特定してもよい。この場合、提案先ユーザは、食事から外したくない飲食物を指定することができる。
【0150】
また、食事提案サーバ1が、阻害飲食物を含む食事からその阻害飲食物を削除することで、提案先ユーザの栄養摂取量が改善する場合、その阻害飲食物を食事から削除することを示す提案情報を送信してもよい。この場合、阻害飲食物が削除されるだけであれば、提案先ユーザの食習慣への影響を小さくすることができる。
【0151】
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態において、置換先飲食物決定部1106は、提案先ユーザの食事記録情報に基づいて、提案先ユーザの食習慣を示す第1の数値及び第2の数値を計算していた。本実施形態において、置換先飲食物決定部1106は、食事多様性評価値、食事趣向性評価値、及び食べ合わせ評価値のうち、少なくとも一の評価値について、提案先ユーザと異なる少なくとも一のユーザの食事記録情報に基づいて、第1の数値及び第2の数値のそれぞれに対応する数値として、その少なくとも一のユーザの食習慣を示す第3の数値及び第4の数値を更に計算してもよい。置換先飲食物決定部1106は、第1の数値、第2の数値、第3の数値及び第4の数値に基づいて、置換先飲食物を決定してもよい。提案先ユーザと異なるユーザは、如何なるユーザであってもよい。例えば、提案先ユーザと異なるユーザは、情報提供サービスを利用可能な全てのユーザであってもよいし、一部のユーザであってもよい。計算に用いられる食事記録情報が、誰の食事記録情報であるかという点を除き、第3の数値及び第4の数値の計算方法は、第1の数値及び第2の数値それぞれの計算方法と同一であってもよい。また、他のユーザについての評価値の計算方法は、提案先ユーザについての評価値の計算方法と同一であってもよい。評価値の重みとして、提案先ユーザについての評価値の重みと、提案先ユーザと異なるユーザについての評価値の重みとが別々に設定されてもよい。
【0152】
以上説明したように、本実施形態によれば、食事提案サーバ1が、提案先ユーザと異なる少なくとも一のユーザの食事記録情報に基づいて、食事に含まれる阻害飲食物を置き換えない場合における少なくとも一のユーザの食習慣を示す第3の数値と、食事に含まれる阻害飲食物を、阻害飲食物と異なる複数の置換先候補それぞれに置き換えた場合における少なくとも一のユーザの食習慣を示す第4の数値と、を更に計算する。この場合、第1の数値、第2の数値、第3の数値及び第4の数値に基づいて、複数の置換先候補の中から置換先飲食物が決定される。そのため、提案先ユーザと異なるユーザの食習慣をも考慮することで、他のユーザから見ても違和感のない置換先飲食物に決定することができる。
【0153】
(付記1)ユーザが摂った食事の記録として前記食事に含まれる飲食物を識別可能に示す記録情報を、前記ユーザが利用する端末装置から取得する記録情報取得手段と、前記取得された記録情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記ユーザの栄養摂取量の目標を示す目標情報を取得する目標情報取得手段と、前記ユーザによる飲食物の飲食の習慣性及び前記ユーザの飲食物の嗜好のうち、少なくとも何れか一方を示すユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、前記記憶された記録情報と、前記取得された目標情報と、前記取得されたユーザ情報と、に基づいて、前記ユーザが飲食した前記飲食物のうち、前記目標の達成を阻害する阻害飲食物であって、前記ユーザが前記食事から外すことを許容する阻害飲食物を特定する特定手段と、前記ユーザが摂った食事のうち、前記特定された阻害飲食物を含む食事から該阻害飲食物を外すための提案であって、前記ユーザの栄養摂取量を、前記取得された目標情報により示される前記目標を基準として改善させる提案を示す提案情報を、前記端末装置へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする食事提案システム。
【0154】
(付記2)前記記憶された記録情報及び前記取得された目標情報に基づいて、前記特定された阻害飲食物と異なる飲食物のうち、前記阻害飲食物から置き換えられることで前記ユーザの栄養摂取量を改善させる置換先飲食物を決定する決定手段を更に備え、前記送信される提案情報は、前記特定された阻害飲食物を、前記決定された置換先飲食物に置き換えることを示すことを特徴とする付記1に記載の食事提案システム。
【0155】
(付記3)前記決定手段は、前記阻害飲食物と類似する飲食物の中から、前記置換先飲食物を決定することを特徴とする付記2に記載の食事提案システム。
【0156】
(付記4)前記決定手段は、前記記憶された記録情報に基づいて、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を置き換えない場合における前記ユーザの食習慣を示す第1の数値と、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を、前記阻害飲食物と異なる複数の置換先飲食物候補それぞれに置き換えた場合における前記ユーザの食習慣を示す第2の数値と、を計算し、前記計算された第1の数値及び第2の数値に基づいて、前記複数の置換先飲食物候補の中から前記置換先飲食物を決定することを特徴とする付記2又は3に記載の食事提案システム。
【0157】
(付記5)前記記憶手段は、前記ユーザと異なる少なくとも一の第2ユーザが摂った食事の記録として前記食事に含まれる飲食物を識別可能に示す第2記録情報を更に記憶し、前記決定手段は、前記記憶された第2記録情報に基づいて、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を置き換えない場合における前記少なくとも一の第2ユーザの食習慣を示す第3の数値と、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を、前記阻害飲食物と異なる複数の置換先飲食物候補それぞれに置き換えた場合における前記少なくとも一の第2ユーザの食習慣を示す第4の数値と、を更に計算し、前記計算された第3の数値及び第4の数値に更に基づいて、前記複数の置換先飲食物候補の中から前記置換先飲食物を決定することを特徴とする付記4に記載の食事提案システム。
【0158】
(付記6)前記計算される各数値は、1回の食事に含まれる飲食物が属するカテゴリの数の平均値であることを特徴とする付記4又は5に記載の食事提案システム。
【0159】
(付記7)前記計算される各数値は、飲食物単位での又は飲食物のカテゴリ単位での、飲食物の飲食頻度であることを特徴とする付記4乃至6の何れか一に記載の食事提案システム。
【0160】
(付記8)前記計算される各数値は、飲食物の組み合わせ単位での又は飲食物のカテゴリの組み合わせ単位での、同一の食事での飲食物の組み合わせの飲食頻度であることを特徴とする付記4乃至7の何れか一に記載の食事提案システム。
【0161】
(付記9)前記決定手段は、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を置き換えない場合における前記ユーザの栄養摂取量と、前記食事に含まれる前記阻害飲食物を、前記阻害飲食物と異なる複数の置換先飲食物候補それぞれに置き換えた場合における前記ユーザの栄養摂取量と、前記目標とに基づいて、前記複数の置換先飲食物候補の中から前記置換先飲食物を決定することを特徴とする付記4乃至8の何れか一に記載の食事提案システム。
【0162】
(付記10)前記決定手段は、複数の前記置換先飲食物を決定し、前記送信手段は、前記複数の置換先飲食物を示す前記提案情報を送信することを特徴とする付記2乃至9の何れか一に記載の食事提案システム。
【0163】
(付記11)前記取得される目標情報により示される前記目標は、所定期間内における一又は複数の食事単位での前記栄養摂取量の目標を含み、前記特定手段は、前記ユーザが飲食したことによって、前記一又は複数の食事単位での前記栄養摂取量の目標が達成されなかった頻度が所定値以上である飲食物の中から、前記阻害飲食物を特定することを特徴とする付記1乃至10の何れか一に記載の食事提案システム。
【0164】
(付記12)前記取得されるユーザ情報は、所定回数の食事あたりにおける前記ユーザによる飲食物の飲食回数を示し、前記特定手段は、前記飲食回数が所定の第1回数以下である前記飲食物の中から、前記阻害飲食物を特定することを特徴とする付記1乃至11の何れか一に記載の食事提案システム。
【0165】
(付記13)前記特定手段は、前記飲食回数が所定の第2回数から前記第1回数までの範囲内にある前記飲食物の中から、前記阻害飲食物を特定し、前記第2回数は、2回以上であり且つ前記第1回数以下であることを特徴とする付記12に記載の食事提案システム。
【0166】
(付記14)前記ユーザ情報として、前記食事から外すことが不可である飲食物として前記ユーザにより指定された指定飲食物を示す指定飲食物情報を取得する指定飲食物情報取得手段を更に備え、前記特定手段は、前記取得された指定飲食物情報により示される前記指定飲食物と異なる飲食物の中から、前記阻害飲食物を特定することを特徴とする付記1乃至14の何れか一に記載の食事提案システム。
【0167】
(付記15)前記送信手段は、前記特定された阻害飲食物を含む前記食事から該阻害飲食物を削除することで、前記ユーザの栄養摂取量が改善する場合、前記阻害飲食物を前記食事から削除することを示す前記提案情報を送信することを特徴とする付記1乃至15の何れか一に記載の食事提案システム。
【0168】
(付記16)コンピュータにより実行される食事提案方法において、ユーザが摂った食事の記録として前記食事に含まれる飲食物を識別可能に示す記録情報を、前記ユーザが利用する端末装置から取得する記録情報取得ステップと、前記取得された記録情報を記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、前記ユーザの栄養摂取量の目標を示す目標情報を取得する目標情報取得ステップと、前記ユーザによる飲食物の飲食の習慣性及び前記ユーザの飲食物の嗜好のうち、少なくとも何れか一方を示すユーザ情報を取得するユーザ情報取得ステップと、前記記憶された記録情報と、前記取得された目標情報と、前記取得されたユーザ情報と、に基づいて、前記ユーザが飲食した前記飲食物のうち、前記目標の達成を阻害する阻害飲食物であって、前記ユーザが前記食事から外すことを許容する阻害飲食物を特定する特定ステップと、前記ユーザが摂った食事のうち、前記特定された阻害飲食物を含む食事から該阻害飲食物を外すための提案であって、前記ユーザの栄養摂取量を、前記取得された目標情報により示される前記目標を基準として改善させる提案を示す提案情報を、前記端末装置へ送信する送信ステップと、を含むことを特徴とする食事提案方法。
【0169】
(付記17)コンピュータを、ユーザが摂った食事の記録として前記食事に含まれる飲食物を識別可能に示す記録情報を、前記ユーザが利用する端末装置から取得する記録情報取得手段と、前記取得された記録情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記ユーザの栄養摂取量の目標を示す目標情報を取得する目標情報取得手段と、前記ユーザによる飲食物の飲食の習慣性及び前記ユーザの飲食物の嗜好のうち、少なくとも何れか一方を示すユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、前記記憶された記録情報と、前記取得された目標情報と、前記取得されたユーザ情報と、に基づいて、前記ユーザが飲食した前記飲食物のうち、前記目標の達成を阻害する阻害飲食物であって、前記ユーザが前記食事から外すことを許容する阻害飲食物を特定する特定手段と、前記ユーザが摂った食事のうち、前記特定された阻害飲食物を含む食事から該阻害飲食物を外すための提案であって、前記ユーザの栄養摂取量を、前記取得された目標情報により示される前記目標を基準として改善させる提案を示す提案情報を、前記端末装置へ送信する送信手段、として機能させることを特徴とする食事提案プログラム。
【符号の説明】
【0170】
1 食事提案サーバ
2 ユーザ端末
11 システム制御部
12 システムバス
13 入出力インタフェース
14 記憶部
14a カテゴリDB
14b 飲食物DB
14c 栄養テーマDB
14d ユーザ基本属性DB
14e 食事記録DB
14f 提案記録DB
14g 重みDB
15 通信部
1101 食事記録情報取得部
1102 食事記録情報登録部
1103 目標情報取得部
1104 ユーザ情報取得部
1105 阻害飲食物特定部
1106 置換先飲食物決定部
1107 提案情報送信部
1108 重み更新部
NW ネットワーク
S 通信システム