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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093670
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】意匠用スメクタイト水分散体
(51)【国際特許分類】
   C09D 17/00 20060101AFI20240702BHJP
   C01B 33/40 20060101ALI20240702BHJP
   C09C 1/42 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
C09D17/00
C01B33/40
C09C1/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210195
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000104814
【氏名又は名称】クニミネ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002631
【氏名又は名称】弁理士法人クオリオ
(74)【代理人】
【識別番号】100076439
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 敏三
(74)【代理人】
【識別番号】100161469
【弁理士】
【氏名又は名称】赤羽 修一
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 道也
【テーマコード(参考)】
4G073
4J037
【Fターム(参考)】
4G073CM14
4G073CN10
4G073FB29
4G073FD04
4G073GA11
4G073UA08
4G073UB14
4J037AA08
4J037DD05
4J037FF03
(57)【要約】
【課題】調製が簡単で、大容積の展示ケース等への充填も容易で、気泡が混入した際の脱泡処理も簡単にでき、粘度調整や光透過性の調整も可能で、展示対象物を支持、固定することができ、大気を模倣したリアルな光散乱特性や発色を発現させることができ、さらに長期保存安定性を示す、非硬化型(非硬化反応型)の大気表現用材料及びこれを用いる展示物を提供する。
【解決手段】スメクタイトを水中に分散してなる、展示物の大気表現として用いるための、意匠用スメクタイト水分散体。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スメクタイトを水中に分散してなる、展示物の大気表現として用いるための、意匠用スメクタイト水分散体。
【請求項2】
前記スメクタイトの粒子径が、20~120nmである、請求項1に記載の意匠用スメクタイト水分散体。
【請求項3】
前記スメクタイトが合成スメクタイトである、請求項2に記載の意匠用スメクタイト水分散体。
【請求項4】
前記意匠用スメクタイト水分散体中のスメクタイトの含有量が0.1~20質量%である、請求項3に記載の意匠用水分散体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の意匠用スメクタイト水分散体を大気表現として用いる展示物。
【請求項6】
スメクタイトを含有する、展示物の大気表現用分散質剤。
【請求項7】
前記スメクタイトが合成スメクタイトである、請求項6に記載の大気表現用分散質剤。
【請求項8】
前記スメクタイトの粒子径が20~120nmである、請求項6又は7に記載の大気表現用分散質剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、意匠用スメクタイト水分散体に関する。
【背景技術】
【0002】
模型、ジオラマ等の展示物において、空中を飛行している航空機などの飛翔体や、鳥類、昆虫類等の飛翔生物を表現することで、展示の多様性、リアリティを高めたいニーズがある。これら空中を飛行(飛翔)している飛翔体や飛翔生物(これらをまとめて飛翔体等という)を展示物として表現するには、例えば航空機などの飛翔体等の模型に支持棒を接続して地面に設置するか、飛翔体等の模型に吊り紐を括り付けて天井や展示容器の上部から吊るす方法等が採られている。
また、上記以外の方法としては、例えば硬化型の透明樹脂材料を用いて、前記飛翔体等の模型を樹脂材料中に固定し、大気(空気)を模した樹脂材料中を飛翔体等が飛行している様子を表現する方法が知られている。前記硬化型の透明樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂及びウレタン樹脂等の2液型の硬化型透明樹脂や、湿気硬化型アクリル樹脂及びUV(紫外線)硬化型アクリル樹脂等の1液型の硬化型透明樹脂が用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記のように支持棒や吊り紐を用いて模型を支持する方法では、飛翔体等が飛行している様子を示す展示物を簡単に作製することができるが、支持棒や吊り紐を細くし、また透明な材料等を使用したとしても、支持棒や吊り紐の存在感を完全になくすことはできず、結果として展示物のリアリティに欠け、実感を損ねる。
【0004】
2液型の硬化型透明樹脂を用いて飛翔体等が飛行(飛翔)している様子を示す展示物を作製する場合には、主材(主剤)に硬化剤を入れた時点で硬化反応が開始するため、主材と硬化剤とを混合した状態で作り置くことができない。したがって、主材と硬化剤とを、都度、特定量比で均一混合する必要があり、作業の煩雑性は否めない。さらに可使時間は温度により影響を受ける等、2液型の硬化型透明樹脂を使用する場合には、ある程度の技術と経験が必要となる。また1液型の硬化型透明樹脂を用いる場合、硬化のトリガーとなる湿度付加の担保やUVライトの到達強度の観点から、大型の硬化物の調製には不向きである。また複数の模型を、各模型の高さを変えながら配する場合には、模型を配置する高さまで樹脂を充填してから硬化させ、硬化後に模型を配置し、さらに樹脂を充填するという一連の操作を繰り返す必要があり、展示物の作製が完了するまでにかなりの時間を要す。
さらに上記硬化型透明樹脂に共通の問題として、硬化前の樹脂溶液が高粘度であることも挙げられる。高粘度樹脂溶液は展示ケース等への充填操作が困難であり、また充填時に気泡が混入しやすく、混入した気泡の除去も困難性を伴う。気泡が混入したまま硬化すると、気泡の存在によりむしろ水中を連想させることになり、空や大気の表現としてはリアリティに欠け、著しく実感を損なう。上記硬化型透明樹脂は硬化後に再溶解することができないため、硬化後では混入した気泡を除去することができず、また使用した模型も再利用ができない。そのため、気泡が混入していない展示物を新たに作り直す場合には、模型自体の調製(作製)からやり直す必要がある。
さらに、上記硬化型透明樹脂は、有機系材料特有の臭気が発生する場合もある。
【0005】
上記の問題を解決する方法として、例えば上記硬化型透明樹脂に代えて、セルロース系化合物などの水溶性樹脂を含水ゲル化状態として用いて模型を支持、固定することが考えられる。しかし、セルロース系化合物等の有機系材料は、含水状態で保管することによりカビや藻などが発生しやすく、長期に亘り、展示物として用いるには不向きである。
【0006】
また自然界において大気には微小の塵などの浮遊物が存在し、当該浮遊物に光が反射することで光散乱(ミー散乱)が生じ、例えば筋状の光路(いわゆる薄明光線、天使の梯子)が観察される場合がある。さらに、レイリー散乱により、空が青空、朝焼け、夕焼け等やこれらの遷移状態のグラデーションの色調変化を生じる。しかし、上記の透明硬化型樹脂や水溶性樹脂では、このような自然界の大気等で見られる光散乱特性を再現できず、よりリアリティのある大気表現を伴う展示物の実現には制約があった。
【0007】
本発明は、調製が簡単で、大容積の展示ケース等への充填も容易で、気泡が混入した際の脱泡処理も簡単にでき、粘度調整や光透過性の調整も可能で、展示対象物を支持、固定することができ、大気と同様の光散乱特性や発色を発現させることができ、さらに長期保存安定性を示す、非硬化型(非硬化反応型)の大気表現用材料及びこれを用いる展示物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、粘土鉱物の一種であるスメクタイトを含有する水分散体を、そのまま展示物の大気表現に用いることで、上記課題を解決できることを見出した。
本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0009】
本発明の上記課題は、下記の手段により解決された。
〔1〕
スメクタイトを水中に分散してなる、展示物の大気表現として用いるための、意匠用スメクタイト水分散体。
〔2〕
前記スメクタイトの粒子径が、20~120nmである、前記〔1〕に記載の意匠用スメクタイト水分散体。
〔3〕
前記スメクタイトが合成スメクタイトである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の意匠用スメクタイト水分散体。
〔4〕
前記意匠用スメクタイト水分散体中のスメクタイトの含有量が0.1~20質量%である、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の意匠用水分散体。
〔5〕
前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の意匠用スメクタイト水分散体を大気表現として用いる展示物。
〔6〕
スメクタイトを含有する、展示物の大気表現用分散質剤。
〔7〕
前記スメクタイトが合成スメクタイトである、前記〔6〕に記載の大気表現用分散質剤。
〔8〕
前記スメクタイトの粒子径が20~120nmである、前記〔6〕又は〔7〕に記載の大気表現用分散質剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明の意匠用スメクタイト水分散体は、非硬化型の大気表現用材料であり、調製が簡単で、大容積の展示ケース等への充填も容易で、気泡が混入した際の脱泡処理も簡単にでき、粘度調整や高透過性の調整も可能で、展示対象物を支持、固定することができ、空の各種状態(青空、朝焼け、夕焼け、薄明光線、等やこれらの組み合わせ等)を再現したリアルな光散乱特性や発色を発現させることができ、さらに長期保存安定性を示す。
また本発明の展示物の大気表現用分散質剤はスメクタイトを含有し、水に分散させることで上記の特性を有する大気表現用材料を得ることができる。
また本発明の展示物は、リアルな大気表現を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施例1の空ジオラマについて、正面から見たときの各模型の配置を示す概略図である。
図2図2は、実施例1の空ジオラマについて、真上から見たときの各模型の配置を示す概略図である。
図3図3は、実施例1の空ジオラマに対し、上面から白色のLEDライトを照射した際の様子を示す、図面代用写真である。
図4図4は、実施例1の空ジオラマに対し、背面から電球色のLEDライトを照射した際の様子を示す、図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態について具体的に説明するが、本発明で規定すること以外はこれらの形態に限定されるものではない。
【0013】
本発明ないし本明細書において、「大気表現」とは、例えば空気(大気)、空(青空、朝焼け、夕焼け等)、薄明光線等の光の表現、曇天、霧、嵐、砂塵などの気象を模倣、表現することを意味する。
また本発明ないし本明細書において、「意匠用」とは、ヒトの視覚を通した感覚(見た目があたかも本物のように感じる現実感(錯覚)や美感など)に訴えかけることを意味する。
【0014】
[意匠用スメクタイト水分散体]
本発明の意匠用スメクタイト水分散体(以下、「本発明の意匠用水分散体」とも称す。)は、スメクタイト及び水を含有する組成物である。本発明の意匠用水分散体において、スメクタイトは分散質を、水は分散媒を構成する。前記スメクタイト成分は、水分散系において十分な透明性(高い光透過性)を維持しつつ、水をゲル化ないし高粘度化することにより、展示対象物である模型などの位置を保持(固定)し、また沈降を防止することができる。また、本発明の意匠用水分散体におけるスメクタイト成分は水に対して溶解しているのではなく、微粒子状に分散していることにより特殊な光散乱を生じる。そのため、本発明の意匠用水分散体を用いることで、大気を模倣した光散乱特性を表現することができる。例えば光(白色光)を照射した際には、レイリー散乱により意匠用水分散体自体が自然な青色を呈するため、空特有の青い光(色彩)を表現することができる。また、例えば展示物の上部に雲を模した綿等を配置し、さらに展示物の上面から光を照射した際には、綿等の隙間から入射した光の光路が散乱光として現れる(チンダル現象)。よって、このような展示物は、自然界に見られる大気での薄明光線(天使の梯子)を模した大気表現をも可能とする。さらに本発明の意匠用水分散体におけるスメクタイト成分は、水を強力に保持することができるため、水の揮発速度を抑えることで、長期の状態維持が可能である。また、スメクタイトの防カビ及び防藻特性により、カビや藻などの発生を抑え、長期に亘り高い品質を保持することができる。さらに、硬化型透明樹脂等の硬化物とは異なり、本発明の意匠用水分散体中に配した模型を任意の位置に移動し、または取出し、交換する等の作業を容易に行うことができる。
【0015】
(スメクタイト)
前記スメクタイトの種類は特に限定されず、目的に応じて適宜に設定することができる。スメクタイトそれ自体は公知であり、市販もされている。
スメクタイトとしては天然型のスメクタイトや合成スメクタイトが知られており、スメクタイトに含まれる不純物の含有量を抑えて水分散時の分散液の光透過性を高める観点から、本発明の意匠用水分散体には合成スメクタイトを用いることが好ましい。
スメクタイトは、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、及びスチブンサイトから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイトから選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましい。特に、上記各スメクタイトは透明性、光散乱特性、粘度等において異なる特性を持つため、これらを調整するために複数のスメクタイトを併用することができる。例えば、モンモリロナイトは単独で使用した場合に透明性が低いが、モンモリロナイトと他の合成スメクタイト併用することにより、曇天や霧、砂塵などの特殊な状態などを表現することもできる。
【0016】
本発明で用いるスメクタイトの層間陽イオン種は特に制限がない。水中で膨潤、増粘することで模型等の位置を固定するとともに、光散乱による光路や発色を発現させる観点から、本発明で用いるスメクタイトの層間陽イオン種は、水に対する膨潤が容易であり層間陽イオン固有の発色が少ないナトリウムイオンやリチウムイオンであることが好ましい。また、前記スメクタイトの陽イオン交換容量(CEC:Cation Exchange Capacity)は、水分散時の膨潤性を向上させる観点から、20meq(ミリ当量)/100g以上が好ましく、25meq/100g以上がより好ましく、30meq/100g以上がさらに好ましい。また通常、本発明に用いるスメクタイトの陽イオン交換容量は250meq/100g以下である。
【0017】
本発明の意匠用水分散体中の前記スメクタイトの含有量(濃度)は特に制限がなく、スメクタイトが十分に水に膨潤し高い粘度特性を発現できるように適宜設定することができる。例えば、増粘性の付与、透明性、及び光散乱特性の観点から、本発明の意匠用水分散体中のスメクタイトの含有量は0.1~20質量%であることが好ましく、0.5~15質量%とすることもでき、1~10質量%としてもよく、1.2~5質量%としてもよい。
【0018】
本発明において「スメクタイト」と言う場合、微粒子状のスメクタイトを意味する。より具体的には、前記スメクタイトは、その粒子径(一次粒子径)が5~500nmであることが好ましく、10~250nmであることがより好ましく、15~200nmであることがさらに好ましく、20~120nmであることが特に好ましい。前記スメクタイトの粒子径を上記好ましい範囲内とすることにより、水分散体とした際に所望の増粘性を付与することができ、大気を模した本発明の意匠用水分散体中に配する模型等を分散体中の任意の位置に保持(固定)することができる。また、粒子径を上記の好ましい範囲内とすることにより、分散系を略透明とすることができ、大気をリアルに表現することができる。
なお、本発明において水分散体中の前記スメクタイトの「粒子径」とは、体積基準のメディアン径である。この粒子径は、例えばレーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置により決定することができる。
【0019】
前記スメクタイトの粒子径を上記好ましい範囲とすることにより、スメクタイトの水分散体に、レイリー散乱由来の発色を発現させることができると考えられる。レイリー散乱は、入射光がその波長に比べて十分に小さい微粒子によって散乱する現象である。レイリー散乱を効率よく生じさせることにより、人間が認識できる自然な空模様を模倣することができる。例えば、本発明の意匠用水分散体は、日中の太陽光を直視したような黄色の発色や、晴天時の青空のような青色の発色、朝焼けや夕焼け時のオレンジ色~赤色の発色を発現(再現)することができる。また、本発明の意匠用水分散体が有するスメクタイトの粒子径を調整することにより、日中の曇りの日のような空模様を模倣し、白色に濁ったような発色を発現させることもできる。
【0020】
自然界において、例えば塵成分が多い空気中に光を通した際にはチンダル現象が観察される。チンダル現象とは、微粒子の分散系に光を通したときに、光がミー散乱等によって散乱され、光路に対して斜めや横から観察したときでも、光路が光って見える現象を指す。また、例えば食塩水のような真の溶液では粒子が十分に大きくないため、溶液中に光を通してもチンダル現象は生じない。本発明の意匠用水分散体を構成する前記スメクタイトの粒子系を上記の範囲内とすることにより、少なくとも一部のスメクタイト粒子が照射された光を散乱させることにより、チンダル現象を生じさせると考えられる。このような本発明の意匠用水分散体の特性により、空中模型や空ジオラマ等において空、大気、大気と宇宙空間の境界(大気層)に見られる散乱光等を模したリアルな大気表現をすることができる。
【0021】
(水)
本発明の意匠用水分散体は、分散媒として水を含有する。使用する水には特に制限はなく、一般の水道水の他に精製水として蒸留水、イオン交換水等の水中のイオン成分を除去したものも用いることができる。本発明の意匠用水分散体に用いる水は、透明度の高い水であることが好ましい。例えば、500nmの波長の光が1cmの距離を通過する際の透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、99%以上であることがさらに好ましい。光透過率は、例えば実施例に記載の方法で測定することができる。なお、意匠性の観点で嵐、濃霧、砂塵等の透明度の低い大気を表現したい場合には、分散媒として予め濁った水や、着色した水等を使用することもできる。
前記水は、スメクタイトの膨潤を迅速に行い、粘度上昇を促進する観点から、水中のイオンが除去された水であることが好ましく、具体的には水のイオン伝導度が10μS/m以下が好ましく、5μS/m以下がより好ましく、2μS/m以下がさらに好ましい。
【0022】
本発明の意匠用水分散体のpHは特に制限がない。層間陽イオンがナトリウムイオンやリチウムイオンであるスメクタイトを水に分散させた場合、pHは一般に弱アルカリ領域の9~11程度になる。本発明の意匠用水分散体は弱アルカリのまま用いても良いし、酸成分を共存させてpHを中性~酸性領域に調整して用いても良い。展示対象物(模型等)の長期保存の観点や、展示対象物の設置作業時の作業者の安全性の観点から、pHを4~11の弱酸から弱アルカリの範囲に調整して用いることが好ましい。
【0023】
本発明の意匠用水分散体は、模型などの展示対象物の位置を固定する観点から、一定の粘度を有することが好ましい。好ましい粘度としては、例えばレオメーターでの15s-1での粘度測定値が200~10000mPa・sであることが好ましく、400~8000mPa・sであることがより好ましく、800~6000mPa・sであることがさらに好ましい。本発明の意匠用水分散体の粘度を上記の範囲内とすることにより、模型を展示ケース中の任意の位置に固定することができ、また展示ケースへの移送が容易で、混入した気泡も容易に除去することができる。
【0024】
(その他の成分)
本発明の意匠用水分散体は、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含んでもよい。例えば、水溶解性を持つ絵具などの染料的な着色剤の他、顔料などのより多様な意匠性を付与できる材料を溶解、又は分散させても良い。これ以外にも分散剤、界面活性剤、消泡剤、湿潤剤などの公知慣用の添加材を用いてもよい。
さらに本発明の意匠用水分散体は、スメクタイトの水膨潤性を妨げない範囲で他の溶媒(溶剤)を分散媒として併用しても良い。他の溶媒を添加することにより、分散系の粘度や屈折率を変化させて光散乱特性を調整したり、分散媒の沸点を高めたりすることによって経時による揮発防止などの効果を得ることができる。本発明の意匠用水分散体に用い得る他の溶剤としては、例えば水と混和しやすい溶剤、屈折率が水よりも高い溶媒、沸点が高く揮発しにくい溶剤、透明性が高い溶剤、有害性や臭気の低い溶剤が挙げられる。具体的には、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングルコールや各種アミン系の有機溶剤などが挙げられる。本発明の意匠用水分散体が水以外に他の溶媒を含む場合、他の溶媒の含有量は、スメクタイトの膨潤特性を妨げない観点から、溶媒全量中50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
【0025】
[展示物]
本発明の意匠用水分散体は、展示物の大気表現として用いる。本発明の意匠用水分散体を展示物の大気表現に用いることにより、ヒトの視覚を通じて、展示物中に、自然界の大気(空気)、空や、場合により宇宙空間などを、よりリアルに感じさせることができる。展示物としては、例えば空模型や空ジオラマ(情景模型)などが挙げられる。展示物には、例えば航空機、ヘリコプター、気球、飛行船、凧、ドローン、ミサイル、ロボット、宇宙戦艦、UFO、鳥、昆虫、雲(綿)、木の葉、月等の模型又は実物を配することができる。
【0026】
本発明の意匠用水分散体は、例えば意匠用水分散体をプラスチックケース、ガラスケースなどの少なくとも1面が透明の容器(展示ケース)に注ぎ、その中に模型などの展示対象物を入れることで、リアルな大気表現の中に模型などの展示対象物を配することができる。本発明の意匠用水分散体におけるスメクタイト濃度を上記好ましい範囲内とすることにより、本発明の意匠用水分散体をチキソトロピー(チクソ性)の高い分散体とすることができる。このようなチキソトロピーの高い分散体は、容器に注ぐ前に撹拌するなどして分散体に剪断応力を加えることにより低粘度化し、容器に簡単に注ぐことができる一方で、静止状態になると高粘度化するという性質を有する。そのため、容器に注いだ後に一定時間静置させることで、大型の模型などを水分散体中の任意の位置に、固定具などをもちいずに固定することができる。
また、本発明の意匠用水分散体の層の厚みを一定以上とすることで、スメクタイト特有の光散乱特性により、水分散体を着色しなくても、水分散体に青空のような青みがかった色を発色させることができる。また、光路長を調整するなどして、朝焼けや夕焼けを作り出すこともできる。さらに、透明容器の外部より発光ダイオード、蛍光灯、白熱電球などにより光を照射することで、本発明の意匠用水分散体中に分散したスメクタイトの微粒子による光散乱が生じ、照射光による光路を発現させることができ、あたかも薄明光線(天使の梯子)のような現象を表現することができる。
【0027】
本発明の意匠用水分散体を用いた展示物では、上面を透明プラスチック板や透明フィルムなどの透明材料などで覆うことで、水の揮発を抑制し、長期間の展示に供することもできる。
【0028】
[展示物の大気表現用分散質剤]
本発明の展示物の大気表現用分散質剤(以下、「本発明の大気表現用分散質剤」とも称す。)は、スメクタイトを含有する。このスメクタイトの好ましい形態は、本発明の意匠用水分散体において説明したスメクタイトと同じである。本発明の大気表現用分散質剤は、スメクタイトからなるものでもよく、スメクタイト以外の成分を含んでもよい。スメクタイト以外の成分としては、上述した「その他の成分」が挙げられる。すなわち、染料、顔料、分散剤、界面活性剤、消泡剤、潤滑剤などを含んでもよい。また、水などの液媒体を含んでいてもよい。本発明の大気表現用分散質剤が液媒体を含む場合、本発明の大気表現用分散質剤を、水などの媒体でさらに希釈するなどして、本発明の意匠用水分散体を得ることができる。また、本発明の大気表現用分散質剤が液媒体を含まない場合には、本発明の大気表現用分散質剤を、水を含む液媒体と混合し、液媒体中にスメクタイトを分散させることにより、本発明の意匠用水分散体を得ることができる。
本発明の大気表現用分散質剤中のスメクタイトの含有量は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。また、当該含有量は50質量%以上とすることも好ましく、60質量%以上とすることも好ましく、70質量%以上とすることも好ましく、80質量%以上とすることも好ましく、90質量%以上であってもよい。
【0029】
[意匠用スメクタイト水分散体の製造方法]
本発明の意匠用水分散体は、分散質であるスメクタイトを、水を含む分散媒と混ぜて分散媒中に分散させることにより製造することができる。スメクタイトを水に分散させる方法については特に制限はなく、目的とする意匠用水分散体の粘度等を考慮し、公知慣用のバッチ式、連続式分散装置等を適宜用いて分散することができる。
また、この分散工程において、必要により、上述したスメクタイト以外の成分を配合することもできる。
また、上述した通り、本発明の大気表現用分散質剤と、水を含む液媒体とを混合したり、水を含む液媒体で希釈したりして、液媒体中にスメクタイトを所望の含有量で分散させることにより、本発明の意匠用水分散体を得ることもできる。
【0030】
(意匠用スメクタイト水分散体の脱泡工程)
本発明の意匠用水分散体は、脱泡処理により気泡を除去してもよい。脱泡処理の方法としては、本発明の意匠用水分散体中の気泡を抜くことができれば特に制限は無い。例えば、撹拌しつつ減圧脱泡する方法や、自公転ミキサーを用いた撹拌脱泡、超音波照射などの方法が挙げられる。また、脱泡工程のタイミングは、スメクタイトを分散させた後の分散液を脱泡しても良いし、スメクタイトを分散させる前の水を予め減圧処理などにより脱泡し、スメクタイト分散時の気泡の発生を抑制しても良い。
【実施例0031】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
[空ジオラマの作製]
(実施例1)
密閉容器に、スメクトン-SA(製品名、合成サポナイト、クニミネ工業株式会社製)と蒸留水を、表1に記載の配合比(配合組成)で合計4100gとなるように、5L万能混合機(株式会社小平製作所製)に入れた。回転数140rpmで90分間撹拌し、その後撹拌物を24時間放置して、スメクタイト1質量%濃度の水分散体(本発明の意匠用水分散体)を得た。得られた分散体を約1000mLずつ、2000ml容量の吸引濾過瓶にスターラーチップと共に移し入れ、吸引口を減圧ポンプ(研究用マルチエアーポンプ、型番:LMP-100、アズワン株式会社製)に接続し、濾過瓶上部の開口部分をゴム栓で閉鎖し、10kPaで減圧しつつスターラーチップを回転させて撹拌し、2時間減圧脱泡処理を行った。
脱泡処理後の水分散体を用いて、実施例1の空ジオラマ(展示物)を作製した。空ジオラマにおける各模型の配置の概略図を図1及び図2に示す。図1は実施例1の空ジオラマを正面から見たときの各模型の位置を示す概略図であり、図2は実施例1の空ジオラマを真上から見たときの各模型の位置を示す概略図である。脱泡処理後の水分散体を、3mm厚のアクリル板で作られた透明容器(1、横幅245mm×奥行120mm×高さ150mm、良品計画社製)に気泡が含まれないようにゆっくり注いだ。容器の底から高さ140mmのところまで水分散体を注ぎ5分間静置した後に、模型3(1/144スケール、零戦21型、スイート社製)を、透明容器の高さのほぼ半分の位置にピンセットで沈めた。また、雲に見立てた綿5を、前記模型3よりも後方に配置した。さらに、模型4(1/700スケール日本海軍機セット、零戦21型、ピットロード社製)を3機ずつ2編隊飛行のように配列したものを、前記模型3よりも後方であり、かつ配置した綿5の上側に配置した。最後に透明容器全体を揺することで各模型を配した際にできた水分散体表面の凹凸を水平方向に均一化し、容器上面の内径に合わせた0.5mm厚の透明プラスチック板6で蓋をして、実施例1の空ジオラマを得た。
【0033】
(実施例2~5)
水分散体の配合組成を、下記表1に記載の配合とした以外は、実施例1と同様にして実施例2~5の空ジオラマを得た。なお、実施例4では溶媒として蒸留水とグリセロールの混合溶媒を用いたが、これらは予め混合した後にスメクタイトと混合した。
【0034】
実施例1~5に用いた各種原料の詳細は以下の通りである。
(スメクタイト)
・スメクトン-SA(製品名、合成サポナイト、クニミネ工業株式会社製、粒子径:100nm)
・スメクトン-ST(製品名、合成スチブンサイト、クニミネ工業株式会社製、粒子径:35nm)
・スメクトン-SWN(製品名、合成ヘクトライト、クニミネ工業株式会社製、粒子径:70nm)
・スメクトン-SWF(製品名、合成ヘクトライト、クニミネ工業株式会社製、粒子径:80nm)
・LAPONAITE―XLG(製品名、合成ヘクトライト、BYK株式会社製、粒子径:40nm)
いずれのスメクタイトも層間陽イオンはナトリウムイオンである。

(その他)
・蒸留水 イオン電導度0.5μS/cm
・水道水 イオン電導度60μS/cm
・グリセロール(特級試薬、関東化学株式会社製)
【0035】
(比較例1)
クリスタルレジンNEO(大橋塗料株式会社製、成分2液硬化型エポキシ樹脂)の主剤と硬化剤(樹脂液)とを、配合比が2:1となるように密閉容器に入れ、実施例1と同様にして混合した。得られた混合物(樹脂)を、透明容器(1、横幅245mm×奥行120mm×高さ150mm、良品計画社製)に気泡が混入しないように、容器の底から70mmの高さまでゆっくり注ぎ入れて硬化させた。樹脂硬化後、前記模型3及び綿5を、真上から見て図2に示す位置関係となるように設置した。上記と同様にして混合物を調製して、前記透明容器に、前記硬化した樹脂の表面から35mm(容器の底から105mm)の高さまで混合物をゆっくり注ぎ入れて硬化させた。樹脂硬化後、さらに前記模型4を、真上から見て図2に示す位置関係となるように設置し、上記と同様にして混合物を調製して、再び容器の底から140mmの高さまでゆっくり注ぎ入れた。そのまま常温で48時間静置して樹脂を硬化させ、比較例1の空ジオラマを得た。
【0036】
(比較例2)
前記クリスタルレジンNEOに代えて、NEWモデリング・ウオーター(品番:MW-01、成分変性シリコーン樹脂、株式会社光栄堂製)を用いた以外は、比較例1と同様にして比較例2の空ジオラマを得た。
【0037】
(比較例3)
リアリスティック・ウォーター(品番:24-338、株式会社カトー製、成分1液湿気硬化型アクリル樹脂)を透明容器(1、横幅245mm×奥行120mm×高さ150mm、良品計画社製)の底から10mmの高さまで充填した後、1時間放置して硬化反応を進めた。この操作を繰返してリアリスティック・ウォーターを70mmの高さまで充填した後に、前記模型3及び綿5を、真上から見て図2に示す位置関係となるように設置した。その後、リアリスティック・ウォーターを、前記と同様にして容器の底から105mmの高さまで充填させて硬化させ、前記模型4を、真上から見て図2に示す位置関係となるように設置した。最後に、リアリスティック・ウォーターを、前記と同様にして容器の底から140mmの高さまで充填し、そのまま常温で24時間静置して樹脂を硬化させ、比較例3の空ジオラマを得た。
【0038】
(比較例4)
スメクトン-SAの代わりにカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(品番:1190、ダイセルミライズ株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、均一な略透明水溶液を得た。当該水溶液を用いて、実施例1と同様にして展示対象物である各模型及び綿を図1及び図2に示す位置関係となるように沈め、容器上部を厚み0.5mmの透明プラスチック板6で蓋をして、比較例4の空ジオラマを得た。
【0039】
[評価]
(光散乱特性の評価1(光路発生))
実施例1~5、及び比較例1~4の空ジオラマの上方から、光源として昼白色60WのLED電球をセットしたクリップライト(品番:CLC40X01BK、ヤザワコーポレーション株式会社製)を用いて、白色光を照射した。なお、光源はジオラマ上部表面から高さ約5cmの位置に配し、ジオラマ上部の一定の範囲に対して白色光を照射した。各空ジオラマを前方(正面)から見た際の、水分散体、樹脂又は水溶液中の光の筋(光路、チンダル現象)の発生の有無を目視により観察した。光路が発生した場合を「〇」、発生しなかった場合を「×」とした。
【0040】
(光散乱特性の評価2(青色発色の有無))
実施例1~5、及び比較例1~4の空ジオラマの背面に濃灰色の背景紙を置き、各空ジオラマの上方から光源として白色LEDライト(品番:ライトアップ300、水作株式会社製)を用いて、ジオラマ上部全体に白色光を照射し、前方(正面)から水分散体、樹脂又は水溶液中の色調を観察した。光散乱により、自然界の青空に近い青色に発色した場合を「〇」、発色しなかった場合を「×」とした。
なお、実施例1の空ジオラマに対し、上面全体に白色光のLEDライトを照射した場合の正面写真を図3として示す。
【0041】
(光散乱特性の評価3(オレンジ有発色の有無)
実施例1~5、及び比較例1~4の空ジオラマの背面から光源として電球色40WのLED電球をセットしたクリップライト(品番:CLC40X01BK、ヤザワコーポレーション株式会社製)を用いて、ジオラマ後方(背面)の一定の範囲に対して電球色光を照射し、前方(正面)から水分散体、樹脂又は水溶液中の色調を観察した。レイリー散乱に起因する光散乱により、自然界の夕焼けに近いオレンジ色に発色した場合を「〇」、発色しなかった場合を「×」とした。
なお、実施例1の空ジオラマに対し、背面から電球色のLEDライトを照射した場合の正面写真を図4として示す。
【0042】
(綿の設置の可否)
実施例1~5、及び比較例1~4の空ジオラマで設置した綿について、雲を模した綿の形状を維持したままジオラマ内に設置することが出来た場合を「〇」、綿の形状を維持したまま設置することが出来なかった場合を「×」とした。
【0043】
(光透過性の評価)
実施例1~5、及び比較例1~4の空ジオラマの作製に用いた水分散体、水溶液又は硬化前の樹脂を、幅1cmのプラスチックセルに注いだ。比較例1~3で用いた樹脂は、プラスチックセル中で比較例1~3と同様の硬化反応を行うことで完全に硬化させた。これらを分光光度計ASV11D-H(アズワン株式会社製)を用い、500nmの波長での光透過率を測定した。
【0044】
(分散液での分散粒子径の評価)
実施例1~5の空ジオラマの作製に用いた水分散体を、分散質の濃度が0.01質量%となるように蒸留水を用いて希釈した。これを、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-950V2(株式会社堀場製作所製)を用いて、平均分散粒子径(体積基準のメディアン径)を測定した。
【0045】
(長期放置後の状態変化)
実施例1~5、及び比較例1~4の空ジオラマを2か月間常温で放置し、展示対象物である各模型、綿の位置の移動の有無、カビや藻の異物発生の有無を目視により観察した。
【0046】
(気泡の有無)
実施例1~5、及び比較例1~4の空ジオラマ中で、目視で明らかに認識できる粗大な気泡数をカウントし、下記評価基準に基づき評価した。気泡数が多いと展示物の意匠性に劣ることを意味する。

-評価基準-
目視可能な気泡数が4個以下:〇
目視可能な気泡数が5個以上9個以下:△
目視可能な気泡数が10個以上:×
【0047】
得られた結果を下記表1及び2にまとめて示す。下表中の配合量の記載は、質量部(質量比)である。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
硬化性樹脂又は水溶性樹脂の水溶液を用いた比較例1~4の空ジオラマでは、いずれも光照射によっても光路が生じず、また、自然界の青空のような青色の呈色や、夕焼けのようなオレンジ色を示さなかった。比較例1及び2の空ジオラマでは樹脂中に多数の気泡が確認され、比較例3の空ジオラマでも、実施例に比べてより多くの気泡が確認され空ジオラマとしての実感を損ねた。また、比較例1~3の空ジオラマでは綿を使った雲の表現が実質的に不可能であった。さらに、比較例4の空ジオラマでは、2ヶ月間保管することでカビ及び藻が発生した。
これに対し、本発明の意匠用水分散体を用いた実施例1~5の空ジオラマでは、光照射により光路が確認され、未着色にも関わらず光散乱由来の青色発色や、オレンジ色の発色を呈した。また、当該意匠用水分散体は光透過率が80%以上であり、従来の硬化樹脂と同等あるいはそれ以上の透明性を示した。また、チキソトロピー性の発現により静置状態で長期間、多数の模型の位置を任意の場所で保持でき、意匠性を妨げるカビ/藻類の発生や、気泡の残存も抑えられていた。加えて材料の位置移動などが容易であり、綿を使った雲の表現も容易であった。
【符号の説明】
【0051】
1 透明容器
2 水分散体
3 模型
4 模型
5 綿
6 透明プラスチック板
図1
図2
図3
図4