(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093734
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】車両確認支援装置、中央車両確認支援装置、車両確認支援方法、および中央車両確認支援方法
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240702BHJP
【FI】
G07B15/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210292
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹林 泰弘
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA45
3E127CA22
3E127DA11
3E127DA16
(57)【要約】
【課題】収受員の車種判別を支援する技術を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る車両確認支援装置であって、広角レンズ搭載カメラによって撮影された撮影画像を記憶する記憶部と、撮影画像の湾曲を補正して平面図を生成する湾曲補正部と、平面図から車両を認識する車両認識部と、車両の先端が平面図の中央より上流に設定された前面切出し基準ラインに到達したときに車両の前面図を切出し、所定のルーチンにより車両の側面図を切出し、平面図の中央より下流に設定された後面切出し基準ラインに車両の後端が進んだときに車両の後面図を切出す画像切出し制御部と、切出された前面図、側面図、および後面図を3面図として出力装置に表示させるように制御する表示制御部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広角レンズ搭載カメラによって撮影された撮影画像を記憶する記憶部と、
撮影画像の湾曲を補正して平面図を生成する湾曲補正部と、
前記平面図から車両を認識する車両認識部と、
前記車両の先端が前記平面図の中央より上流に設定された前面切出し基準ラインに到達したときに前記車両の前面図を切出し、所定のルーチンにより前記車両の側面図を切出し、前記平面図の中央より下流に設定された後面切出し基準ラインに車両の後端が進んだときに前記車両の後面図を切出す画像切出し制御部と、
前記切出された前面図、側面図、および後面図を3面図として出力装置に表示させるように制御する表示制御部と、
を備える車両確認支援装置。
【請求項2】
前記車両の位置を判定し、前記車両の位置に応じて前記車両が料金所のどの位置にいるかを鳥瞰図で示す情報を生成する車両位置判定部をさらに備える、
請求項1に記載の車両確認支援装置。
【請求項3】
前記前面切出しラインよりも上流に設定された車両番号認識基準ラインに前記車両の先端が到達したとき、前記平面図から前記車両の車両番号画像を切出す車両番号認識部をさらに備え、
前記表示制御部は、認識された前記車両の車両番号画像を出力装置に表示させるように制御する、
請求項1に記載の車両確認支援装置。
【請求項4】
前記前面切出しラインよりも下流に設定された車両全体検出基準ラインに前記車両の先端が到達したとき、前記車両の後端が前記車両全体検出基準ラインよりも上流に設定された車長判定基準ラインよりも上流または下流にあるかどうかに応じて前記車両の車長を判定する車長判定部をさらに備える、
請求項3に記載の車両確認支援装置。
【請求項5】
前記画像切出し制御部は、前記車両の後端が前記車長判定基準ラインよりも下流にある場合、前記車両が前記平面図の中心に来た際に前記側面図を切出す、
請求項4に記載の車両確認支援装置。
【請求項6】
前記画像切出し制御部は、前記車両の後端が前記車長判定基準ラインよりも上流にある場合、前記車両の先端が前記平面図の前記車両全体検出基準ラインに到達したときの第1の範囲および前記第1の範囲の上流側に隣接する第2の範囲を認識し、前記第1の範囲にある第1の画像を切出し、前記第2の範囲にある車両の映像が前記第1の範囲に進んできたときに、前記第1の範囲にある第2の画像を切出し、前記第1の画像および前記第2の画像を繋ぎ合わせて前記側面図を切出す、
請求項4に記載の車両確認支援装置。
【請求項7】
前記画像切出し制御部は、収受員による操作信号に応じて、前記第1および第2の範囲を含む第3の領域を認識し、前記第3の領域の画像を前記第1の画像および前記第2の画像に繋ぎ合わせて前記側面図を切出す、
請求項6に記載の車両確認支援装置。
【請求項8】
前記操作信号は、前記車両が発進制御機の前で停車した場合に受信する、
請求項7に記載の車両確認支援装置。
【請求項9】
前記側面図から前記車両の軸数を検出する軸数検出部と、
前記軸数が3軸以上であった場合に、前記側面図から前記車両のタイヤがリフトアップされているかどうかを判定するリフトアップ検出部と、
をさらに備える、請求項1に記載の車両確認支援装置。
【請求項10】
前記リフトアップ検出部は、前記タイヤの輪郭を検出し、前記検出された輪郭から前記タイヤの中心を検出し、前記タイヤの中心間の車軸の傾斜を割り出し、前記車両の形状の車両の傾斜を割り出し、前記車軸の傾斜と前記車両の傾斜が所定の規則性を有するかどうかに基づいて前記タイヤがリフトアップしているかどうか検出する、
請求項9に記載の車両確認支援装置。
【請求項11】
前記画像切出し制御部は、前記前面図、前記側面図、および前記後面図を切出した平面図から所定の時間分の平面図から複数の前面図、複数の側面図、および複数の後面図をそれぞれ切出し、
前記記憶部は、前記複数の前面図、前記複数の側面図、および前記複数の後面図を記憶する、
請求項1に記載の車両確認支援装置。
【請求項12】
前記画像切出し制御部は、タイミング調整信号を受信すると、前記記憶部に記憶された前記複数の前面図、前記複数の側面図、または前記複数の後面図の少なくとも1つを取得し、前記表示制御部は、前記複数の前面図、前記複数の側面図、前記複数の後面図の少なくとも1つを前記出力装置に表示するように制御する、
請求項11に記載の車両確認支援装置。
【請求項13】
前記車両番号認識部は、前記車両番号画像を認識した平面図から、所定の時間分だけずれた平面図それぞれから車両番号画像を認識し、前記記憶部は、認識された複数の車両番号画像を記憶する、
請求項3に記載の車両確認支援装置。
【請求項14】
前記車両番号認識部は、タイミング調整信号を受信すると、前記記憶部に記憶された複数の車両番号を取得し、
前記表示制御部は、前記複数の車両番号を前記出力装置に表示するように制御する、
請求項13に記載の車両確認支援装置。
【請求項15】
前記車両の車両番号を取得する取得部と、
前記取得した車両番号を中央車両確認支援装置に送信し、前記車両番号に対応した車種についての情報を含む車両情報および3面図を受信する通信制御部と、
をさらに備える請求項1に記載の車両確認支援装置。
【請求項16】
車両確認支援装置に接続された中央車両確認支援装置であって、
車両の車両番号に紐付けされた車種についての情報を含む車両情報を記憶する車両情報記憶部と、
前記車両の車両番号に紐付けされた前記車両の前面図、側面図、および後面図を含む3面図を記憶する3面画像記憶部と、
車線を通行している通行車両の車両番号を受信する受信部と、
前記通行車両の車両番号に基づいて、前記車両情報記憶部から車両情報を検索する車両情報検索部と、
前記通行車両の車両番号に基づいて、前記3面画像記憶部から3面図を検索する3面図検索部と、
前記検索された車両情報および前記検索された3面図を前記車両確認支援装置に送信する送信部と、
を備える中央車両確認支援装置。
【請求項17】
車両確認支援方法であって、
車両確認支援装置の記憶部が、広角レンズ搭載カメラによって撮影された撮影画像を記憶するステップと、
前記車両確認支援装置の湾曲補正部が、撮影画像の湾曲を補正して平面図を生成するステップと、
前記車両確認支援装置の車両認識部が、前記平面図から車両を認識するステップと、
前記車両確認支援装置の制御部が、前記車両の先端が前記平面図の中央より上流に設定された前面切出し基準ラインに到達したときに前記車両の前面図を切出すステップと、
前記制御部が、所定のルーチンにより前記車両の側面図を切出すステップと、
前記制御部が、前記平面図の中央より下流に設定された後面切出し基準ラインに車両の後端が進んだときに前記車両の後面図を切出す画像切出すステップと、
前記車両確認支援装置の表示制御部が、前記切出された前面図、側面図、および後面図を3面図として出力装置に表示させるように制御するステップと、
を備える、車両確認支援方法。
【請求項18】
中央車両確認支援装置の車両情報記憶部が、車両の車両番号に紐付けされた車種についての情報を含む車両情報を記憶するステップと、
前記中央車両確認支援装置の3面画像記憶部が、前記車両の車両番号に紐付けされた前記車両の前面図、側面図、および後面図を含む3面図を記憶するステップと、
前記中央車両確認支援装置の受信部が、車線を通行している通行車両の車両番号を受信するステップと、
前記中央車両確認支援装置の車両情報検索部が、前記通行車両の車両番号に基づいて前記車両情報記憶部から車両情報を検索するステップと、
前記中央車両確認支援装置の3面図検索部が、前記通行車両の車両番号に基づいて前記3面画像記憶部から3面図を検索するステップと、
前記中央車両確認支援装置の送信部が、前記検索された車両情報および前記検索された3面図を車両確認支援装置に送信するステップと、
を備える中央車両確認支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両確認支援装置、中央車両確認支援装置、および車両確認支援方法、および中央車両確認支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路の通行料金は、一般に通行距離や車種別に定められている。有料道路の通行料金の収受方法を大まかに分けると、入口料金所で通行券を受け取り出口料金所で通行券の情報に基づいて現金等で料金を支払う料金収受システムと、有料道路の入口料金所と出口料金所において、料金所の車線を通行する車両に搭載された車載器と無線通信することにより通行料金を収受するETCシステムとに分けられる。
【0003】
現状では、ETCシステムを利用可能な車両(以下、単にETC車と記載する)の増加のためETCシステムの利用が大半を占めるようになった。しかしながら、ETCに対応していない車両(以下、単に非ETC車と記載する)も、少なからず存在する。
【0004】
また、非ETC車への課金のための料金収受システムでは、入口側の料金所で車種判別を行い、入口IC、通過時刻、判別された車種を記録した通行券を発行する。そして、出口料金所では、入口料金所で受け取った通行券に基づき、通行料金を確定し、非ETC車のドライバーは、現金等で支払いを行う。
【0005】
このために、非ETC車への課金のための料金収受システムでは、入口料金所および出口料金所の各車線にブースを設置して、ブース内の収受員が通過車両の車種を目視等で判断し、入口料金所での通行券の発行や、出口料金所での料金収受を行っていた。
【0006】
今後、ETCシステムを利用可能な車両がさらに増加するが、ETCシステムを利用しない非ETC車は残り続けるため、非ETC車に対する対応を考慮する必要がある。しかしながら、ETCシステムを利用しない車両は、減少していくことになるため、高価な車種判別装置を出口側の料金所に設置するのはコストの面から現実的ではない。
【0007】
また、最近、省人化および遠隔対応化で、車線に設置されたブースに収受員を配置せずに車線には自動料金収受機を設置し、車線から離れた料金所事務所または料金所から離れた遠隔地に収受員を配置し、カメラ画像のみに基づいて収受員が車種を判断する場合が増えてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001-216598号公報
【特許文献2】特開2018-142834号公報
【特許文献3】特開2001-055101号公報
【特許文献4】特開2005-085091号公報
【特許文献5】特開2017-175206号公報
【特許文献6】特開2016-213759号公報
【特許文献7】特開2019-082968号公報
【特許文献8】特開2019-197314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、車線から離れた料金所事務所または料金所から離れた遠隔地から、カメラ画像のみから車種判別を行おうとすると、例えば、軸数で車種区分が分かれる特大車と大型車のように、車種判別が難しい車両もある。しかしながら、収受員は、迅速に料金収受を行うために、車線を通行する全ての車両に対して画像を監視して、車種判断して準備しておく必要があり、収受員に対する負担が重かった。このため、当該収受員に対する負担を低減する必要がある。
【0010】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、少ない機器構成で車両の特徴を表示し、収受員の車種判別を支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態に係る車両確認支援装置は、広角レンズ搭載カメラによって撮影された撮影画像を記憶する記憶部と、撮影画像の湾曲を補正して平面図を生成する湾曲補正部と、前記平面図から車両を認識する車両認識部と、前記車両の先端が前記平面図の中央より上流に設定された前面切出し基準ラインに到達したときに前記車両の前面図を切出し、所定のルーチンにより前記車両の側面図を切出し、前記平面図の中央より下流に設定された後面切出し基準ラインに車両の後端が進んだときに前記車両の後面図を切出す画像切出し制御部と、前記切出された前面図、側面図、および後面図を3面図として出力装置に表示させるように制御する表示制御部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態に係る有料道路料金処理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る出口料金所の車線への設置される車線機器の構成例を示す上面図および側面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る有料道路料金処理システムの車線機器の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る車両確認支援装置の概略構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る中央車両確認支援装置の概略構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態を適用した場合の料金支払いに関する一連の流れの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、出力装置のディスプレイに表示される表示画像の一例を示した図である。
【
図8】
図8は、出力装置のディスプレイに表示される表示画面生成手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、湾曲を補正した後の平面図の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、車両認識部が車両を認識する一例を示す図である。
【
図11】
図11は、
図8で示したステップST105のトレース処理をより詳細に説明したフローチャートである。
【
図12】
図12は、出力装置のディスプレイに表示される鳥瞰図の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、平面図から車両の車両番号画像を切出す一例を示した図である。
【
図14】
図14は、平面図から車両の前面図を切出す一例を示した図である。
【
図15】
図15は、車長判定部が車両の車長が所定の長さより長いかどうかを判定する一例を示す図である。
【
図16】
図16は、出力装置のディスプレイに表示される3面図の一例を示した図である。
【
図17】
図17は、平面図から車両の側面図を切出す一例を示した図である。
【
図18】
図18は、平面図から車両の側面図を切出すための手順の一例を示した図である。
【
図19】
図19は、平面図から車両の側面図を切出すための手順の一例を示した図である。
【
図20】
図20は、平面図から車両の後面図を切出す一例を示した図である。
【
図21】
図21は、平面図から車両が料金所から退出する一例を示した図である。
【
図22】
図22は、出力装置のディスプレイに表示される表示画像の一例を示した図である。
【
図23】
図23は、出力装置のディスプレイに表示される表示画像の一例を示した図である。
【
図24】
図24は、出力装置のディスプレイに表示される表示画像の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本実施形態の車両確認支援装置および車両確認支援方法について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重複する説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0014】
[実施形態]
(構成)
図1は、実施形態に係る有料道路料金処理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
有料道路料金処理システムは、大まかに分けると、有料道路の入口料金所と出口料金所において、料金所の車線を通行する車両に搭載された車載器と無線通信することにより通行料金を収受するETCシステムと、入口料金所で通行券を受け取り出口料金所で通行券の情報に基づいて現金等で料金を支払う料金収受システムに分けられる。さらに、本実施形態では、料金所事務所等に配置された収受員が、遠隔から通行車両の車種判別を支援するための車両確認支援システムが設けられている。
【0015】
図1に示すように、車種の判別を支援するために車両確認支援システムは、中央側に備えられる中央車両確認支援装置6と、各料金所(料金所事務所)に設けられる車両確認支援装置3と、車線機器4から構成される。ここで、車両確認支援システムは、料金収受システムの出口料金所において、通行車両の車種判別に有効となるが、入口料金所における車種判別に利用してもよい。
【0016】
車両確認支援装置3は、収受員が車種判定を行うための支援のための装置である。車両確認支援装置3は、路側装置に設けられた広角レンズ搭載カメラ421による撮影タイミングを制御することで、車線に進入してくる車両の車両番号や車両(車軸を含む)の画像から車両の3面図を作成し、さらに車種判定の参考とするための車両の特徴情報を表示する。車両確認支援装置3は、出口料金所の料金所事務所に設けられ、中央車両確認支援装置6と接続され、中央車両確認支援装置6との間で各種情報を交換する。
【0017】
さらに、車両確認支援装置3は、料金収受装置2、車線サーバ5cとも接続され、料金収受装置2、車線サーバ5cとの間で各種情報を交換する。
【0018】
中央車両確認支援装置6は、
図1の例では、1つの車両確認支援装置3と接続される例を示しているが、実際には、出口料金所それぞれに設置された複数の車両確認支援装置3と接続される。そして、中央車両確認支援装置6は、車両確認支援装置3と各種情報を交換する。
【0019】
有料道路料金処理システムは、中央側に備えられる中央料金収受システム1と、各料金所の料金所事務所に備えられる料金収受装置2と、料金所の車両が走行する車線毎に備えられた車線機器4とから構成される。
【0020】
中央料金収受システム1は、非ETC車の料金収受を管理するためのサーバである。そのため、中央料金収受システム1は、各料金所に設けられた料金収受装置2から徴収した通行料金情報等の各種データを受信し、管理する。
【0021】
料金収受装置2は、非ETC車との間で通行券を用いて、出口料金所で通行料金の料金収受を行うための装置である。料金収受装置2は、入口料金所および出口料金所の料金所機械室に設けられ、非ETC車が通行可能な各車線に設置された車線機器4のうちの料金収受装置2に関連付けられた機器と接続される。また、料金収受装置2は、支払われた通行料金等の情報を中央料金収受システム1に送信する。
【0022】
ETCシステムは、中央側に備えられるETC中央装置5aと、各料金所(料金所機械室)に備えられる料金所サーバ5bと、各車線の車線機器4を管理制御する車線サーバ5cと、料金所の車両が走行する車線毎に備えられた車線機器4とから構成される。
【0023】
ETC中央装置5aは、各料金所等に設けられた料金所サーバ5bに接続され、ETC車に関する料金計算や課金処理を行う装置である。また、ETC中央装置5aは、各料金所サーバ5bの間で各種データを交換する。
【0024】
料金所サーバ5bは、入口料金所および、出口料金所に設置された車線サーバ5cを管理するためのサーバである。そのため、料金所サーバ5bは、車線サーバ5cとの間で各種データを交換する。
【0025】
車線サーバ5cは、ETC車が通行可能な車線に対応して、入口料金所および出口料金所の料金所機械室に設けられ、ETC車が通行可能な各車線に設置された車線機器4と接続される。そして、車線機器4のうちの車線サーバ5cに関連付けられた機器から送信されるセンサデータ等に基づき車線機器4を制御する。
【0026】
また、車線サーバ5cは、設置されている出口料金所の出口情報を記憶し、さらに、ETC中央装置5aから配信された区間別および車種別の料金テーブルを記憶するサーバである。車線サーバ5cは、車載器情報、ETCカード情報、入口情報、出口情報、および車種判別により得られる車種情報から、料金テーブルを参照して通行料金を算出する。また、車線サーバ5cは、料金所サーバ5bを介して、ETC中央装置5aへ通行料金を送信する。
【0027】
車線サーバ5cは、車線機器4へ算出された通行料金を送信する。
【0028】
ETC車に搭載される車載器は、搭載された車両の車種情報等を記憶する。ここで、車種情報は、小型車、普通車、または大型車等の車種を示す情報である。
【0029】
次に、料金所の構成について、説明する。ここでは、出口料金所の構成を例として説明する。
【0030】
図2は、実施形態に係る出口料金所の車線に設置される車線機器4の設置例を示す上面図および側面図である。
【0031】
図2に示すように、出口料金所は、アイランド40により区切られた車両が走行する車線が設けられており、車両は、これらの車線を上流から下流に向かって走行する。また、本実施形態において、車線は、ETCを利用するETC車も現金等で料金の支払いも行う非ETC車も通行可能な併用レーンとする。
【0032】
また、アイランド40には、車線の上流から下流に向けて順に、広角レンズ搭載カメラ421、第1の車両検知器S1、第2の車両検知器S2、自動料金収受機424、インターフォン422、路側表示器423、発進制御機425と発進制御バー4251、第3の車両検知器S4、および車線監視カメラ426が設けられる。なお、広角レンズ搭載カメラ421と第1の車両検知器S1の位置が逆転してもよい。
【0033】
また、2つのアイランド40には、車線を跨いで、上流から下流に向かって順に2つのアンテナ設置用ゲートが設けられる。1つ目のアンテナ設置用ゲートには、第1アンテナ411が設けられる。2つ目のアンテナ設置用ゲートには、リカバリアンテナ413が設けられる。
【0034】
図3は、実施形態に係る有料道路料金処理システムの車線機器4の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
図3において、車線機器4は、料金収受関係、ETC関係、車種確認支援関係の機器が併存している。
【0036】
車両確認支援装置3関係の車線機器4としては、広角レンズ搭載カメラ421(撮影部)421が設けられ、料金所事務所の車両確認支援装置3に接続される。
【0037】
ETC関係の車線機器4は、インタフェース集約部401を介して、第1アンテナ411、リカバリアンテナ413、第1の車両検知器S1、第2の車両検知器S2、第3の車両検知器S4、インターフォン422、路側表示器423、発進制御機425、および車線監視カメラ426を備える。
【0038】
料金収受関係の路側機器としては、自動料金収受機424が設けられており、料金所事務所に設置された料金収受装置2と接続されている。さらに、料金収受装置2と発進制御機425も接続される。
【0039】
また、車両確認支援装置3関係の車線機器4として、広角レンズ搭載カメラ(撮影部)421が設けられており、料金所事務所に設置された車両確認支援装置3に接続される。
【0040】
最初に、料金収受関係の路側機器について説明する。
自動料金収受機424は、現金精算を行うための装置である。非ETC車の運転者は、入口料金所で受け取った通行券を自動料金収受機424に挿入すると通行料金が計算され自動料金収受機424に表示される。非ETC車の運転者は、表示された通行料金の現金を(或いはクレジットカード等により)入金することで、精算処理を実行することができる。
【0041】
次に、車両確認支援装置3関係の路側機器について説明する。
広角レンズ搭載カメラ421は、車両確認支援システムとして動作するため、車両確認支援装置3と接続される。車両確認支援装置3との接続は、直接接続しても、インタフェース集約部401を介して接続されてもどちらでも良い。
【0042】
広角レンズ搭載カメラ421は、
図2のように、第1の車両検知器S1の近傍にあって、第2の車両検知器S2の設置位置よりも、第1の車両検知器S1の設置位置の近くに設けられる。広角レンズ搭載カメラ421は、第1の車両検知器の設置位置を基準として、車線が延びる方向に沿って所定の長さ(例えば2m)の範囲内に設けられる。
【0043】
また、広角レンズ搭載カメラ421の路面からの高さは、車両からの泥はねを考慮しつつ、車軸(タイヤ)を正面に撮影できる高さ(例えば路面から30cm~100cm程度)が望ましいが、広角レンズの特性により路面からの高さは自由に設定できる。
【0044】
広角レンズ搭載カメラ421は、標準レンズより画角の広い広角レンズ(焦点距離が短いレンズ)を搭載し、車線の所定範囲を撮影する。撮影対象となる車線の所定範囲は、第1の車両検知器S1により車両の到達が検知される第1の地点、および第2の車両検知器S2により車両の到達が検知される第2の地点を含む。例えば、広角レンズ搭載カメラ421は、広角レンズ搭載カメラ421の設置位置を基準として、車線上流側方向および下流側方向に15m程度(合計30m程度)の所定範囲を撮影する。広角レンズは、車線を走行する様々な車種(軽自動車、普通車、中型車、大型車、および特大車など)の車両側面の全体が撮影できることが望ましく、設置環境によるが180°程度の範囲を撮影できるレンズ(魚眼レンズ)であることが望ましい。
【0045】
広角レンズ搭載カメラ421が動画を撮影するカメラの場合、車両確認支援装置3からの第1の撮影指示(撮影開始指示)に基づき撮影を開始し、第2の撮影指示(撮影終了指示)に基づき撮影を終了し、撮影開始指示から撮影終了指示までの間の動画撮影を継続し撮影された動画を出力する。
【0046】
最後に、ETC関係の路側機器について説明する。
インタフェース集約部401は、各部からの情報を集約して車線サーバ5cへ出力するとともに、車線サーバ5cからの情報を各部へ出力する集約部である。
【0047】
インタフェース集約部401は、料金収受装置2および車線サーバ5cと接続される。インタフェース集約部401は、車両検知信号ONまたは車両検知信号OFFを車線サーバ5cへ出力する。
【0048】
ここで、第1の車両検知器S1は、車線の車両の進入検出する位置(第1の地点)に到達する車両を検知する検知器である。第1の車両検知器S1が車両の進入を検知すると、
第1アンテナ411は、車両の車載器と通信し、車載器から送信される車載器情報、ETCカード情報、および入口情報等の各種情報を受信する。第1アンテナ411と車載器との通信ができなかった場合は、車両は、第1の地点より下流の第2の地点に到達してしまう。
【0049】
インターフォン422は、ETCシステムでトラブル発生時等に、運転者が収受員等と会話するための装置である。ここでトラブルとはETCの作動異常とか、ETC専用レーンに非ETC車か誤って侵入した等の対応である。
【0050】
第2の車両検知器S2は、前記第2の地点に到達する車両を検知する検知器である。第1アンテナ411と車載器との通信ができなかった場合は、一旦車両を停止して、収受員対応となる。運転者と収受員がインターフォン422等で会話したのち、収受員の操作によりリカバリアンテナ413を動作させる。そうすると、リカバリアンテナ413と車載器が通信を開始し、車載器から送信される各種情報を受信する。
【0051】
路側表示器423は、車両の運転者に対して、インタフェース集約部401から出力される通行料金および車種情報等を表示する。
【0052】
発進制御機425は、インタフェース集約部401からの発進制御情報に基づき発進制御バー4251の開閉を制御する。発進制御バー4251は、閉鎖した状態において車両の通行(車線からの退出)を物理的に阻止し、開放した状態において車両の通行を許可する。
【0053】
第3の車両検知器S4は、車両がレーンの出口(第2の地点より下流の第3の地点)に到達したことを検知する検知器である。第3の車両検知器S4か車両の検知しなくなると、車両がレーンを出たと判断し、次の車両のために発進制御機425を閉じる。
【0054】
車線監視カメラ426は、常時撮影しており、例えば、車線への車両の進入するまたは退出する車両の撮影画像を車線サーバ5cに出力する。
【0055】
次に、料金所事務所に設けられる車両確認支援装置3の構成について、説明する。
【0056】
図4は、実施形態に係る車両確認支援装置3の概略構成の一例を示す図である。
また、車両確認支援装置3は、路側装置に設けられた広角レンズ搭載カメラ421の撮影タイミングを制御することで、車線に進入してくる車両の車両番号や車両(車軸含む)の画像から、これら画像から車軸数、および車長(料金区分の決定するための車種毎の基準に超えているか)を判定し、表示する装置である。
【0057】
車両確認支援装置3は、1台または複数台のコンピュータであり、制御部31、プログラム記憶部32、データ記憶部33、通信インタフェース34、入出力インタフェース35、入力装置36、および出力装置37を備える。
【0058】
制御部31は、車両確認支援装置3を制御する。制御部31は、中央処理ユニット(CPU)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、制御部31は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0059】
制御部31は、画像取得部3101と、湾曲補正部3102と、車両認識部3103と、車両位置判定部3104と、車長判定部3105と、車両番号認識部3106と、画像切出し制御部3107と、軸数検出部3108と、リフトアップ検出部3109と、表示制御部3110と、通信制御部3111と、を備える。また、データ記憶部13は、撮影画像記憶部331と、車両情報記憶部332と、3面画像記憶部333と、を備える。
【0060】
画像取得部3101は、車線機器4の広角レンズ搭載カメラ421が出力した撮影画像を取得する取得部である。画像取得部3101は、取得した撮影画像を表示制御部3110および湾曲補正部3102に出力する。また、画像取得部3101は、取得した撮影画像を撮影画像記憶部331に記憶させて良い。
【0061】
湾曲補正部3102は、撮影画像の湾曲を補正した平面図を生成する補正部である。湾曲補正部3102は、撮影画像の湾曲を補正した平面図に変換し、車両認識部3103に出力する。また、湾曲補正部3102は、平面図を撮影画像記憶部331に記憶させて良い。
【0062】
車両認識部3103は、車両を認識するかどうかを判定する判定部である。なお、車両の進入の有無の判定の詳細は、後述する。そして、車両認識部3103は、車両が来た場所に応じて各種信号を各部に出力する。
【0063】
車両位置判定部3104は、平面図に基づいて車両がどの位置にいるかを判定する判定部である。車両位置判定部3104は、判定結果に基づいて車両の位置を鳥瞰図で示すために必要な情報を生成することで、車両が平面図上のどこにいるのかを判定する。
【0064】
車長判定部3105は、車両が所定の長さより長いかどうかを判定する判定部である。例えば、平面図の所定の位置(所定のライン)に車両の先端が到達した際に平面図の端部側に設定されたラインに車両の後端が来ていない場合、車長判定部3105は、車両が所定の長さよりも長いと判定する。
【0065】
逆に、車長判定部3105は、所定のラインに車両の先端が到達した際に、平面図の端部側に設定されたラインよりも下流に車両の後端が来ている場合は、車両が所定の長さよりも短いと判定する。
【0066】
車両番号認識部3106は、取得した平面図の車両の前面に配置されたナンバープレート、すなわち車両番号画像を切出す。また、車両番号認識部3106は、切出したナンバープレートから車両番号を認識しても良い。
【0067】
画像切出し制御部3107は、車両の3面図のいずれかを切出す最適な位置に車両が進んできた際、車両の3面図(前面図、側面図、および後面図)のうちのいずれかを切出す制御部である。なお、切出し方の詳細は、後述する。
【0068】
軸数検出部3108は、画像切出し制御部3107が切出した側面図から車両の軸数を検出する検出部である。例えば、軸数検出部3108は、AI技術を用いてタイヤを検出し、検出したタイヤに基づいて軸数を検出して良い。軸数検出部3108は、検出した軸数および側面図をリフトアップ検出部3109に出力する。
【0069】
リフトアップ検出部3109は、タイヤがリフトアップされているかどうかを検出する検出部である。ここで、リフトアップとは、大型トラックやトレーラー等の大型車で、空車時または積載重量が少ないときに、一部の車軸を上げて、タイヤが地面に設置していない状態で走行することを指す。リフトアップすることで、燃費の向上、地面に接地していないタイヤおよびブレーキパッドの損耗の減少に有効な方法として知られている。また、高速道路等の有料道路の料金は、特大車と大型車の区別の条件に車軸数も含まれており(例えば、特大車は4軸以上、大型車は3軸まで)、この軸数にはリフトアップされた車軸か数えないこととなっている。このため、料金所における、車種判別では、軸数の検知は重要になっている。
【0070】
ここで、リフトアップ検出部3109で行われるタイヤがリフトアップされているかどうかを検出は、車軸の中心から算出した傾斜(以下、「車軸の傾斜」という)と、車両の形状から算出した傾斜(以下、「車両の傾斜」という)の規則性を比較し、所定の規則性に該当するかどうかで判定する。所定の規則性に該当する場合、リフトアップ検出部3109は、タイヤがリフトアップされていないと判定する。一方、所定の規則性に該当しない場合、リフトアップ検出部3109は、タイヤがリフトアップされていると判定する。
【0071】
車両情報検索部3112は、データ記憶部33の後述する車両情報記憶部332から、一致する車両情報を検索し、該当する車両に対応する車両情報を検索する検索部である。ここで、車両情報は、車両の過去に決定された車種、軸数等を含んで良い。
【0072】
3面図検索部3113は、必要な際に、車両の特徴や車両番号等に基づいて、後述する3面画像記憶部333に記憶された3面画像を取得する検索部である。
【0073】
表示制御部3110は、出力装置37のディスプレイに表示される表示画像を、車両が料金所を進んでいく毎に制御する制御部である。ここで、表示画像は、車線映像、車両番号画像、鳥瞰図、3面図、車両情報等である。
【0074】
通信制御部3111は、通信インタフェース34を通じて、中央車両確認支援装置6と各種情報の送受信をするための制御部である。具体的には、通信制御部3111は、各制御部が取得した車線映像、車両番号画像、鳥瞰図、3面図、車両情報等を中央車両確認支援装置6に送信するための制御を行う。また、通信制御部3111は、車両番号画像、鳥瞰図、3面図、車両情報等がうまく認識できない等の場合は、中央車両確認支援装置6に対して検索依頼を行い、中央車両確認支援装置6に保存されている車線映像、車両番号画像、鳥瞰図、3面図、車両情報等を受信するための制御を行う。
【0075】
プログラム記憶部32は、制御部31が各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。記憶媒体として、例えば、EPROM、HDD、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。
【0076】
データ記憶部33は、制御部31がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するための記憶部である。記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。
【0077】
データ記憶部33は、撮影画像記憶部331と、車両情報記憶部332と、3面画像記憶部333と、を備える。
【0078】
撮影画像記憶部331は、第1の撮影指示(撮影開始指示)を受信してから第2の撮影指示(撮影終了指示)を受信するまでに画像取得部3101が取得した撮影画像および湾曲補正部3102が補正した平面図を全て記憶する記憶部である。
【0079】
車両情報記憶部332は、車両番号認識部3106が認識した車両番号を記憶するために用いられる。
【0080】
3面画像記憶部333は、画像切出し制御部3107が切出した車両の3面図を記憶する記憶部である。
通信インタフェース34は、中央車両確認支援装置6、料金収受装置2、および車線サーバ5cと有線または無線接続する通信モジュールである。
【0081】
入出力インタフェース35は、入力装置36および出力装置37との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。なお、入出力インタフェース35は、通信インタフェース34と一体であってもよい。
【0082】
入力装置36は、例えば、収受員または車両確認支援装置3を管理する管理者が車両確認支援装置3に対して、画像検索等各種指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力装置36は、プログラム記憶部32またはデータ記憶部33に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0083】
出力装置37は、車両確認支援装置3から収受員または管理者に提示するべき出力データを表示するディスプレイや、それを印刷するプリンタ等を含む。
【0084】
図5は、実施形態に係る中央車両確認支援装置6の概略構成の一例を示す図である。
中央車両確認支援装置6は、各料金所の料金所事務所に設けられた車両確認支援装置3中央車両確認支援装置6は、1台または複数台のコンピュータであり、制御部61、プログラム記憶部62、データ記憶部63、通信インタフェース64、入出力インタフェース65、入力装置66、および出力装置67を備える。
【0085】
制御部61は、中央車両確認支援装置6を制御する制御部である。制御部61は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサを備える。
【0086】
制御部61は、車両情報検索部611と、3面図検索部612と、通信制御部613と、を備える。
【0087】
車両情報検索部611は、データ記憶部63の後述する車両情報記憶部631から、一致する車両情報を検索し、該当する車両に対応する車両情報を検索する検索部である。ここで、車両情報は、車両の過去に決定された車種、軸数等を含んで良い。
【0088】
3面図検索部612は、車両確認支援装置3で必要な際に、車両番号に基づいて、後述する3面画像記憶部632に記憶された3面画像を取得する検索部である。
【0089】
通信制御部613は、料金所事務所に設けられた車両確認支援装置3との通信を行うための通信制御部である。通信制御部613は、車両確認支援装置3からの転送依頼に対し、車両情報検索部611が取得した車両情報の送信や、面図検索部612が取得した3面画像の送信を行うための制御を行う。また、通信制御部613は、それぞれの車両確認支援装置3から、車両情報および車両の3面図を受信するための制御を行う。
【0090】
プログラム記憶部62は、各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。このため、制御部61は、プログラム記憶部62に格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種制御および動作を実現し得る。
【0091】
データ記憶部63は、制御部61が各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するため記憶部である。データ記憶部63は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。また、データ記憶部63は、車両情報記憶部631と、3面画像記憶部632と、を備える。
【0092】
車両情報記憶部631は、車両確認支援装置3および他の中央車両確認支援装置6から受信した、出口料金所を車両が通行した際の車両情報を記憶するために用いる。
【0093】
3面画像記憶部632は、車両確認支援装置3および中央車両確認支援装置6から受信した、出口料金所を通行した際の車両の3面図を記憶するために用いる。
【0094】
通信インタフェース64は、各料金所の料金所事務所に設けられた車両確認支援装置3と有線または無線接続する通信モジュールである。
【0095】
入出力インタフェース65は、入力装置66および出力装置67との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。なお、入出力インタフェース65は、通信インタフェース64と一体であってもよい。
【0096】
入力装置66は、例えば、中央車両確認支援装置6を管理する管理者が中央車両確認支援装置6に対して各種指示を入力するため装置であり、キーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力装置66は、プログラム記憶部62またはデータ記憶部63に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0097】
出力装置67は、中央車両確認支援装置6から管理者に提示するべき出力データを表示するディスプレイや、それを印刷するプリンタ等を含む。
【0098】
(動作)
最初に本実施形態を適用した場合の本実施形態の動作について説明する。本実施形態では、広角レンズ搭載カメラ421により撮影される動画に基づいて収受員に表示するための表示画面を生成する処理動作を説明する。
【0099】
図6は、本実施形態を適用した場合の料金収受に関する、出口料金所での一連の流れの一例を示す図である。ここでは、料金収受装置2を利用する、非ETC車の動作を中心に説明する。
【0100】
図6の(1)に示すように、非ETC車が出口料金所に設置された車線機器4に進入する。
【0101】
続いて、
図6の(2)に示すように、当該車両は、発進制御機425の前で停車する。そして、運転者は、入口料金所で受け取った通行券を、自動料金収受機424に挿入する。この時、車両確認支援装置3は、広角レンズ搭載カメラ421で撮影された車両画像を取得する。
【0102】
この時、
図6の(3)に示すように、車両確認支援装置3は、広角レンズ搭載カメラ421で撮影した画像から3面図を作成し、出力装置37のディスプレイに車線映像および車両の3面図を表示する。
【0103】
次に、
図6(4)で示すように、収受員は、車両確認支援装置3の表示を参考に、車両の車種を確認する。そして、車両の運転者と収受員は、車種の確認等のために、自動料金収受機424に含まれるインターフォン等を介して会話を行う。
【0104】
そして、
図6(5)で示すように、収受員は、確認された車種を、料金収受装置2に入力する。これに対して運転者は、自動料金収受機424に料金を支払う。料金の支払いが確認されたら、発進制御機425を開き、車両はレーンを退出していく。
【0105】
図6(6)に示すように、収受員の料金収受装置2への入力に対応して、車両確認支援装置3から、中央車両確認支援装置6に対して、入口/出口番号情報、車種情報を含む出口利用明細および3面図を送信する。
【0106】
料金所の車線に自動料金収受機424が設置されていない場合は、後日、車両の持ち主に対して通行料金の請求を行う。
【0107】
この場合は、
図6(7)に示すように、車両のナンバー等の情報から車両の持ち主を特定し、後日、通行料金を後徴収することになる。
【0108】
図7は、出力装置37のディスプレイに表示される表示画像の一例を示した図である。
図7に示すように、出力装置37には、車線映像、車両番号画像(前後の一方または両方であって良く、
図7の例では前後の両方の車両番号を表示)、鳥瞰図、3面図、車両情報等が表示される。収受員は、これらの情報に基づいて、非ETC車の車種を決定することになる。なお、車両番号画像の取得は、前方の車両番号画像のみでなく、車両の後方の車両番号画像も取得して出力装置37のディスプレイに表示するようにしても良い。
【0109】
図8は、出力装置37のディスプレイに表示される表示画面生成手順の一例を示すフローチャートである。
車両確認支援装置3は、広角レンズ搭載カメラ421に対して第1の撮影指示(撮影開始指示)を出力すると、広角レンズ搭載カメラ421が車線の撮影を開始し、撮影画像を車両確認支援装置3に出力する。
【0110】
このフローチャートでは、広角レンズ搭載カメラ421が車両の進行方向の左側に配置された、すなわち撮影画像の右(上流側)から左(下流側)に車両が進む例を示している。しかしながら、広角レンズ搭載カメラ421が車両の進行方向右側に配置された、すなわち撮影画像の左(上流側)から右(下流側)に車両が進む場合にも適用可能なのは勿論である。
【0111】
ステップST101で、画像取得部3101は、広角レンズ搭載カメラ421が出力した撮影画像を取得し、取得した撮影画像を表示制御部3110および湾曲補正部3102に出力する。ここで、画像取得部3101は、取得した撮影画像を撮影画像記憶部331に記憶させて良い。
【0112】
ステップST102で、
図7の(a)で示すように、表示制御部3110は、取得した撮影画像を出力装置37に出力し、出力装置37のディスプレイに表示される車線映像を更新するように制御する。
【0113】
ステップST103で、湾曲補正部3102は、撮影画像の湾曲を補正し、平面図に変換する。ここで、湾曲補正部3102は、平面図を撮影画像記憶部331に記憶させて良い。
【0114】
図9は、湾曲を補正した後の平面図の一例を示す図である。
図9に示すように、撮影画像は、画像の中心から端にいくほど、物体の歪みは大きいため、補正後であっても、若干の歪みが残る。
【0115】
図8に戻り、ステップST104で、車両認識部3103は、車両を認識するかどうかを判定する。
【0116】
図10は、車両認識部3103が車両を認識する一例を示す図である。
図10に示すように、車両認識部3103は、車両が進入してくる方向である平面図の入口側端部に設定された車両の進入の有無を認識するラインであるAのライン(以下、「車両進入判定ライン」とする)に、動く物体の先端が来た場合、当該動く物体を車両と判断することになる。ここで、車両進入判定ラインは、平面図の中央より上流(入口側)に設定された所定のラインである。
図8に戻り、ステップST104車両認識部3103は、車両進入判定ラインに動く物体が写っていない場合、車両認識部3103は、車両を侵入していないと判断し、処理は、ステップST101に戻る。
【0117】
一方、平面図の車両進入判定ラインに動く物体が写っていた場合、車両認識部3103は、車両を認識したと判定し、処理は、ステップST105に進む。
【0118】
ステップST105で、車両認識部3103は、物体(車両)のトレース処理を開始したこと示す信号を車両位置判定部3104に出力する。なお、ステップST105のトレース処理の詳細は、
図11を用いて、後述する。
【0119】
ステップST106で、制御部31は、撮影終了指示を受信したかどうか判定する。撮影終了指示を受信しない場合、処理は、ステップST101に戻る。一方、撮影終了指示を受信すると、広角レンズ搭載カメラ421に当該指示を出力し、処理は終了する。
【0120】
図11は、
図8で示したステップST105のトレース処理をより詳細に説明したフローチャートである。
ステップST201で、表示制御部3110は、車両のトレースを開始したことを示す信号を車両認識部3103から受信すると、車両位置判定部3104は、車両がアイランド40のどの位置にいるかを判定する。この際、ステップST202の処理を実行する前に、制御部31は、撮影画像の取得、車線映像の更新、湾曲の補正、および鳥瞰図の更新、すなわち、
図8のステップST101~ステップST103およびステップST201の処理を実行する。
【0121】
図12は、出力装置37のディスプレイに表示される鳥瞰図の一例を示す図である。
図12では、アイランド40上の広角レンズ搭載カメラ421が配置された場所と広角レンズ搭載カメラ421が撮影している範囲を示している。
図12の例では、車両が右から左に進んでいっている場合の鳥瞰図の例を示している。
【0122】
図12(a)は、車両を認識した際の鳥瞰図を示す。認識した車両(104番目の車両)が画面の右側に表示されている。当該番号は、車両が認識されると車両認識部3103により認識された車両に対して付与される。
【0123】
図12(b)は、車両が広角レンズ搭載カメラ421の前を通行している鳥瞰図を示す。認識した車両(104番目の車両)が画面の中央部に移動して表示されている。
【0124】
図12(c)は、発進制御機425の手前で停車している鳥瞰図を示す。認識した車両(104番目の車両)が画面の中央部より少し左側に表示されている。
【0125】
また、
図12(d)は、車両が発進制御機425を通行した鳥瞰図例を示す。認識した車両(104番目の車両)が画面の左側に表示されている。
【0126】
図12(e)は、後続車である車両(105番目)が新たに認識された例を示す。
【0127】
上述したように、車両位置判定部3104は、平面図に基づいて車両がどの位置にいるかを判定する。そして、車両位置判定部3104は、判定結果に基づいて車両の位置を鳥瞰図で示すために必要な情報を生成し出力装置37に出力する。
【0128】
図11に戻り、ステップST202で、車両認識部3103は、平面図の車両の車両番号画像を切出す際に使用されるライン(後述する
図13のBのラインであり、以下、「車両番号認識基準ライン」という。)に車両の先端が進んでいるかどうかを判定する。ここで、車両番号認識基準ラインは、車両進入検出ラインより下流(出口側)に設定されたラインである。もし、車両が車両番号認識基準ラインまで進んでいなかった場合、処理は、ステップST202の判定処理に戻る。
【0129】
ここで、平面図の車両番号認識基準ラインまで車両の先端が進んでいたと判定した場合、車両認識部3103は、車両が車両番号認識基準ラインまで進んだことを示す信号を車両番号認識部3106に出力する。そして、処理は、ステップST203に進む。
【0130】
ステップST203で、車両番号認識部3106は、車両の車両番号画像を切出す。車両番号認識部3106は、平面図の車両の前面に配置されたナンバープレートを含む車両番号画像を切出す。そして、認識した車両番号画像を表示制御部3110に出力する。
【0131】
図13は、平面図から車両の車両番号画像を切出す一例を示した図である。
図13に示すように、車両が車両番号認識基準ライン(
図13では、Bのライン)に車両の先端が進んできた際、車両番号認識部3106は、平面図の車両の前面に配置されたナンバープレートを含む車両番号画像を切出す。
【0132】
ここで、車両番号認識部3106は、車両番号を切出した平面図から所定の時間分だけ前後の平面図を撮影画像記憶部331から取得して良い。ここで、所定の時間は、例えば、数コマ分であって良い。そして、車両番号認識部3106は、取得した平面図それぞれから車両番号画像を切出して良い。そして、車両番号認識部3106は、切出した車両番号画像を車両情報記憶部332に記憶させて良い。
【0133】
例えば、車両番号認識基準ラインに車両が進んだ際に取得した平面図が外的な要因(雨、夜間等)によりぼやけている場合もある。このような場合に、前後の複数の平面図から車両番号画像を切出すことにより、車両番号認識部3106は、収受員がより認識しやすい、車両番号画像を切出すことが可能になる場合がある。
【0134】
図11に戻り、ステップST204で、表示制御部3110は、車両番号画像を更新する。表示制御部3110は、車両番号認識部3106から受信した車両番号画像を出力装置37に出力する。すなわち、表示制御部3110は、出力装置37のディスプレイに車両番号画像を表示するように制御する。
【0135】
ここで、切出した車両番号画像が外的な要因(雨、夜間等)によりぼやけている場合もある。
【0136】
このような場合、収受員は、入力装置36の車両番号検知タイミング調整のボタンを押す。入力装置36は、車両番号検知タイミング調整ボタンを押されると、制御部31に車両番号検知タイミング調整信号を出力する。この場合、制御部31の車両番号認識部3106は、車両情報記憶部332に記憶された車両番号画像を取得し、取得した車両番号画像を表示制御部3110に出力する。表示制御部3110は、受信した車両番号画像を出力装置37のディスプレイに表示するように制御する。
【0137】
これにより、収受員は、より認識しやすい車両番号画像から車両番号を確認することが可能になる。
【0138】
ここで、取得部として動作する制御部31は、車両番号画像から収受員が認識した車両番号の入力を受け付けて良い。すなわち、取得部として動作する制御部41は、車両番号を取得する。そして、通信制御部3111は、通信インタフェース34を通じて、取得した車両番号を中央車両確認支援装置6に送信する。中央車両確認支援装置6の車両情報検索部611は、データ記憶部63の車両情報記憶部631から、一致する車両番号を検索し、該当する車両に対応する車両情報を取得して良い。ここで、車両情報は、車両の過去に決定された車種、軸数等を含んで良い。そして、車両情報検索部611は、通信制御部613に当該車両情報を出力する。また、3面図検索部612は、車両番号に対応する3面図を3面画像記憶部632から検索し、該当する3面図を取得して良い。そして、3面図検索部612は、通信制御部613に当該3面図を出力しても良い。
【0139】
通信制御部613は、通信インタフェース64を通じて、車両情報を車両確認支援装置3に送信して良い。表示制御部3110は、受信した車両情報および3面図を出力装置37に表示するように制御して良い。
【0140】
上述したように、中央車両確認支援装置6の車両情報検索部611の機能を車両確認支援装置3が有している場合、車両確認支援装置3が上記の処理を行っても良いのは勿論である。例えば、車両情報検索部3112は、車両情報記憶部322から一致する車両番号を検索し、該当する車両に対応する車両情報を取得して良い。また3面図検索部3113は、車両番号に対応する3面図を3面画像記憶部333から検索し、該当する3面図を取得して良い。そして、車両情報検索部3112および3面図検索部3113はそれぞれ取得した画像を表示制御部3110に出力する。表示制御部3110は、出力装置37のディスプレイに表示するように制御する。
【0141】
このように、過去の車両についての情報(車両情報および3面図)を出力装置37のディスプレイに表示することにより、収受員は、車両の車種を決定しやすくなる。
【0142】
ここで、制御部31は、撮影画像の取得、車線映像の更新、湾曲の補正、および鳥瞰図の更新、すなわち、
図8のステップST101~ステップST103およびステップST201の処理を実行する。
【0143】
次にステップST205で、車両認識部3103は、平面図の車両の前面を切出す際に使用されるライン(後述する
図14のCのラインであり、以下「前面切出基準ライン」という。)に車両の先端が進んでいるかどうかを判定する。ここで、前面切出基準ラインは、車両進入検出ラインおよび車両番号認識基準ラインより下流に設定されたラインである。
【0144】
もし、車両が前面切出基準ラインまで進んでいなかった場合、処理は、ステップST205の判定処理に戻る。
【0145】
平面図の前面切出基準ラインまで車両の先端が進んでいたと判定した場合、車両認識部3103は、車両が前面切出基準ラインまで進んだことを示す信号を画像切出し制御部3107に出力する。そして、処理は、ステップST206に進む。
【0146】
ステップST206で、画像切出し制御部3107は、前面図を切出す。画像切出し制御部3107は、車両の前面図を切出すための最適な位置に車両が進んできたと判定し、車両の前面図を切出す。画像切出し制御部3107は、切出した前面図を表示制御部3110に出力する。
【0147】
図14は、平面図から車両の前面図を切出す一例を示した図である。
図14に示すように車両が前面切出基準ライン(
図14では、Cのライン)に車両の先端が進んできた際、画像切出し制御部3107は、車両の前面図を切出す。ここで、車両の前面図は、エリアC1またはエリアC2のいずれかであって良い。
【0148】
エリアC1は、車の大きさに関係なく車両の前面図が撮影可能な範囲である。そのため、エリアC1のように切出すことで、車両の大きさを他の車両と比較可能になる。エリアC2は、車両の前面を可能な限り拡大したエリアとなる。例えば、エリアC2は、車両の前面の縦または横の長い方に合わせて正方形に切出してよい。そのため、エリアC2のように切出すことで、車両の前面の特徴を捉えやすくなる。
【0149】
このエリアC1で切出すまたはエリアC2で切出すかは収受員によって切り替え可能であって良い。すなわち、この処理フローが開始される前に収受員によってどちらのエリアで切出すかを設定して良い。
【0150】
ここで、画像切出し制御部3107は、前面図を切出した平面図から所定の時間分だけ前後の平面図を取得して良い。ここで、所定の時間は、例えば、数コマ分であって良い。そして、画像切出し制御部3107は、取得した平面図それぞれから前面図を切出して良い。
【0151】
そして、画像切出し制御部3107は、切出した前面図を3面画像記憶部333に記憶させて良い。例えば、前面切出基準ラインに車両が進んだ際に切出した前面図が外的な要因によりぼやけている場合もある。このような場合に、前後の複数の平面図から前面図を切出すことにより、画像切出し制御部3107は、収受員がより認識しやすい、前面図を取得することが可能になる場合がある。
【0152】
図11に戻り、ステップST207で、表示制御部3110は、3面図を更新する。表示制御部3110は、前面図を出力装置37のディスプレイに表示するように制御する。そして、処理し、
図8のステップST106に進むことになる。
【0153】
図16は、出力装置37のディスプレイに表示される3面図の一例を示した図である。
図16(a)に示すように、ステップST206で前面図が切出されると、出力装置37のディスプレイに表示される3面図のうち前面図のみが表示されることになる。なお、
図16(b)および(c)は、後述する。
【0154】
ここで、制御部31は、撮影画像の取得、車線映像の更新、湾曲の補正、および鳥瞰図の更新、すなわち、
図8のステップST101~ステップST103およびステップST201の処理を実行する。
【0155】
次に、ステップST208で、車両認識部3103は、平面図の所定の車長以下の車両の全体が平面図内に入る位置(後述する
図15のhのラインであり、以下「車両全体検出基準ライン」という。)に車両の先端が進んでいるかどうかを判定する。ここで、車両全体検出基準ラインは、平面図の中央より上流であり、且つ前面切出基準ラインより下流に設定されたラインである。そのため、車両の全体が平面図内に入る位置に設定される車両全体検出基準ラインは、車両を認識するための車両進入検出ラインと比較して平面図の中央に近い位置に設定されて良い。
【0156】
もし、車両が車両全体検出基準ラインまで進んでいなかった場合、処理は、ステップST208の判定処理に戻る。
【0157】
平面図の車両全体検出基準ラインまで車両の先端が進んでいたと判定した場合、車両認識部3103は、車両が車両全体検出基準ラインまで進んだことを示す信号を車長判定部3105に出力する。
【0158】
次に、ステップST209で、車長判定部3105は、車両が所定の長さ(例えば、車長が6m)より長いかどうかを判定する。
【0159】
図15は、車長判定部3105が車両の車長が所定の長さより長いかどうかを判定する一例を示す図である。
図15に示すように、車長判定部3105は、hのライン(車両全体検出基準ライン)に車両の先端が到達した際に、当該車両の後端がiのライン(車長判定基準ライン)の上流または下流にあるかを判定する。ここで、車長判定基準ラインは、車両全体検出基準ラインより上流(入口側)に設定されたラインであり、車両進入検出ラインより上流または下流に設定されていて良い。また、車長判定基準ラインは、所定の車長、例えば、車長が6mより長いかどうかを判定することが可能な位置に設定されて良い。すなわち、車長判定部3105は、車長が6mより長いかどうかを判定する。ここで、車両全体検出基準ラインは、判定したい車長の長さに応じて調整できるのは勿論である。
【0160】
ここで、ステップST209において、車両の後端がiのライン(車長判定基準ライン)よりも下流にある場合は、車長判定部3105は、車長が所定の長さよりも短い(ステップST209、NO)と判定し、処理は、ステップST210に進む。
【0161】
ここで、ステップST210の処理を実行する前に、制御部31は、撮影画像の取得、車線映像の更新、湾曲の補正、および鳥瞰図の更新、すなわち、
図8のステップST101~ステップST103およびステップST201の処理を実行する。
【0162】
次に、ステップST210で、車両認識部3103は、車両の中心が平面図の中央の位置(以下、「第1の位置」という)に進んだかどうかを判定する。ここで、車両の中心が平面図の中央の位置とは、車両の先端と平面図の先端との距離と、車両の後端と平面図の後端との距離が同じである位置を指す。
【0163】
もし、車両が前面切出基準ラインまで進んでいなかった場合、処理は、ステップST210の判定処理に戻る。
【0164】
車両が第1の位置にいると判定した場合、車両認識部3103は、画像切出し制御部3107に車両が第1の位置に進んだことを示す信号を出力する。そして、処理は、ステップST211に進む。
【0165】
ステップST211で、画像切出し制御部3107は、ベストポジションの側面図を切出す。画像切出し制御部3107は、第1の位置が車両の側面図を切出すベストポジションであるとして車両の側面図を切出す。画像切出し制御部3107は、切出された側面図を軸数検出部3108、リフトアップ検出部3109、および表示制御部3110に出力する。
【0166】
図17は、平面図から車両の側面図を切出す一例を示した図である。
図17に示すように、平面図の先端から車両の先端までの距離(
図17の例では、dで示される)と、平面図の後端から車両の後端の距離(
図17の例では、eで示される)との距離が同じに位置における車両の側面図を切出す。
【0167】
ここで、画像切出し制御部3107は、側面図を切出した平面図から所定の時間分だけ前後の平面図を取得して良い。ここで、所定の時間は、例えば、数コマ分であって良い。そして、画像切出し制御部3107は、取得した平面図それぞれから側面図を切出して良い。そして、画像切出し制御部3107は、切出した側面図を3面画像記憶部333に記憶させて良い。
【0168】
例えば、第1の位置に車両が進んだ際に切出した前面図が外的な要因によりぼやけている場合もある。このような場合に、前後の複数の平面図から側面図を切出すことにより、画像切出し制御部3107は、収受員がより認識しやすい、側面図を取得することが可能になる場合がある。
【0169】
図11に戻って、ステップST209において、車両の後端がiのラインよりも上流にある場合、車長判定部3105は、車長が所定の長さよりも長い(ステップST209、YES)と判定する。この場合、処理は、ステップST212へ進む。
【0170】
ステップST212で、画像切出し制御部3107は、継ぎ合わせた側面図を生成する。車長が所定の長さより長い場合、平面図から側面図を切出す際に、平面図の端部での湾曲が大きくなり、平面図の端部の映像がぼやけてしまう。そこで、画像切出し制御部3107は、端部の湾曲を補正した側面図を切出す。最初に、画像切出し制御部3107は、撮影画像記憶部331に記憶された車両の平面図を取得する。取得する平面図は、例えば、ステップST215で、車両を認識してから取得した平面図全てであって良い。
【0171】
図18および
図19は、車長が長い場合に、平面図から車両の側面図を切出すための手順の一例を示した図である。
図18に示すように画像切出し制御部3107は、最初に、h(1)のラインに車両に先端が進んできた際の平面図を取得する。ここで、h(1)は、
図13で示したhのライン(車両全体検出基準ライン)と同じラインであっても良い。
【0172】
そして、画像切出し制御部3107は、jの範囲を特定し、jの範囲の画像を切出す。ここで、jの範囲は、jの範囲の画像を繋ぎ合わせることにより、タイヤの形状が十分確認可能な範囲に設定して良い。
【0173】
さらに、画像切出し制御部3107は、jの範囲に隣接したkの範囲を特定する。そして、画像切出し制御部3107は、取得した平面図において、kの範囲がjの範囲に進んだ平面図を取得する。
【0174】
そして、画像切出し制御部3107は、kの範囲の画像を切出す。そして、切出された画像と前に切出された画像を繋ぎ合わせる。
【0175】
図19(a)~(c)に示すように、画像切出し制御部3107は、jの範囲の平面図を繋ぎ合わせて車両の側面図を生成する。画像切出し制御部3107は、切出された側面図を軸数検出部3108、リフトアップ検出部3109、および表示制御部3110に出力する。
【0176】
一方、車両の車長があまりにも長い場合、車両が発進制御機425の前に到達し、車両が停車してしまう場合もある。すなわち、車両がjの範囲を通過し終えずに停車してしまう場合がある。
【0177】
このような場合、収受員が入力装置36の所定のボタンを押す。当該ボタンが押されたことを示す信号を受信した場合、画像切出し制御部3107は、現在の平面図を取得する。そして、画像切出し制御部3107は、
図18に示されるlの範囲の画像を取得する。lの範囲は、例えば、18m以下の車両の後端までが映る範囲であって良い。
【0178】
そして、
図19の(d)に示すように、直前までに作成された側面図にlの範囲の画像を繋ぎ合わせた側面図を生成する。すなわち、収受員のボタン操作により、画像切出し制御部3107は、側面図を生成して良い。
【0179】
図11に戻り、ステップST213で、軸数検出部3108は、側面図から車両の軸数を検出する。ここで、軸数検出部3108は、AI技術を用いてタイヤを検出し、検出したタイヤに基づいて軸数を検出しても良い。
【0180】
ステップST214で、リフトアップ検出部3109は、タイヤがリフトアップされているかどうかを検出する。リフトアップ検出部3109は、側面図からタイヤの輪郭および中心部を割り出す。
【0181】
例えば、
図17に戻り、
図17の点線は、各傾斜を算出するために用いるための補助線を示している。そして、リフトアップ検出部3109は、隣接したタイヤの中心部を結んだ傾斜(車軸の傾斜)を算出する。また、車両の形状の傾斜(車両の傾斜)を算出する。そして、リフトアップ検出部3109は、車軸の傾斜と車両の傾斜の規則性を比較し、所定の規則性に該当するかどうかを判定する。
【0182】
所定の規則性に該当する場合、リフトアップ検出部3109は、タイヤがリフトアップされていないと判定する。例えば、車軸の傾斜と車両の傾斜が同じ方向の傾斜を持っている場合、リフトアップ検出部3109は、所定の規則性を有すると判定する一方、車軸の傾斜と車両の傾斜が異なる傾斜を持っている場合、リフトアップ検出部3109は、所定の規則性を有していないと判定して良い。
【0183】
一方、所定の規則性に該当しない場合、リフトアップ検出部3109は、タイヤがリフトアップされていると判定する。
【0184】
そして、リフトアップ検出部3109は、リフトアップされた軸数を除いた、最終的な軸数を表示制御部3110に出力する。
【0185】
なお、ステップST214は、オプションであって良い。例えば、ステップST214で、リフトアップ検出部3109は、軸数が3以上であった場合のみ、タイヤのリフトアップがあるかどうかを検出するようにして良い。
【0186】
ステップST215で、表示制御部3110は、側面図および軸数を出力装置37に出力する。例えば、
図16(b)を参照して、出力装置37のディスプレイの3面図には、前面図に加えて側面図が表示されることになる。
【0187】
ステップST216の処理を実行する前に、制御部31は、撮影画像の取得、車線映像の更新、湾曲の補正、および鳥瞰図の更新、すなわち、
図8のステップST101~ステップST103およびステップST201の処理を実行する。
【0188】
そして、ステップST216で、車両認識部3103は、平面図の車両の後面図を切出す際に使用されるライン(後述する
図20のfのラインであり、以下「後面切出基準ライン」という。)に車両の後端が進んでいるかどうかを判定する。
もし、車両が後面切出基準ラインまで進んでいなかった場合、処理は、ステップST216の判定処理に戻る。
【0189】
平面図の後面切出基準ラインまで車両の後端が進んでいたと判定した場合、車両認識部3103は、車両が後面切出基準ラインまで進んだことを示す信号を画像切出し制御部3107に出力する。そして、処理は、ステップST217に進む。
【0190】
ステップST217で、画像切出し制御部3107は、後面図を切出す。画像切出し制御部3107は、車両の後面図を切出すための最適な位置に車両が進んできたと判定し、車両の後面図を切出す。画像切出し制御部3107は、切出した後面図を表示制御部3110に出力する。
【0191】
図20は、平面図から車両の後面図を切出す一例を示した図である。
図20に示すように車両が後面切出基準ライン(
図20では、fのライン)に車両の後端が進んできた際、画像切出し制御部3107は、車両の後面図を切出す。
【0192】
図11に戻り、ステップST218で、表示制御部3110は、3面図を更新する。表示制御部3110は、車両の後面図を出力装置37に出力する。すなわち、表示制御部3110は、出力装置37のディスプレイに後面図を表示するように制御する。
【0193】
図16の(c)で示すように、ステップST218により、3面図は、前面図、側面図、および後面図の全てが表示されることになる。
【0194】
ここで、出力装置37のディスプレイに表示した3面図が外的な要因によりぼやけている場合もある。このような場合、収受員は、入力装置36の所定のボタンを押す。
【0195】
所定のボタンを押されたことを検知した入力装置36は、3面図タイミング調整信号を制御部31に出力する。この場合、画像切出し制御部3107は、車両情報記憶部332に記憶された車両情報、3面画像記憶部333に記憶された前面図、側面図、および後面図を取得し、取得した情報を表示制御部3110に出力する。
【0196】
表示制御部3110は、受信した車両番号画像、前面図、側面図、および後面図を出力装置37のディスプレイに表示するように制御する。これにより、収受員は、より認識しやすい3面図で車両の車種を確認することが可能になる。
【0197】
なお、3面図の全てを変更するだけでなく、3面図のうち少なくとも1つを変更することが可能であるのは勿論である。
【0198】
ここで、通信制御部3111は、通信インタフェース34を通じて、3面図を中央車両確認支援装置6に送信して良い。中央車両確認支援装置6の3面図検索部612は、受信した3面図を3面画像記憶部632に記憶させて良い。3面図検索部612は、他の車両確認支援装置3で必要な際に3面画像記憶部132に記憶された3面画像を取得してよい。そして、通信制御部613は、当該他の車両確認支援装置3に取得した3面画像を送信して良い。
【0199】
また、このフローチャートでは、示していないが、後面図を切出した後、上で説明したのと同様の方法により、車両後部の車両番号画像を切出して良いのは勿論である。
【0200】
ステップST219の処理を実行する前に、制御部31は、撮影画像の取得、車線映像の更新、湾曲の補正、および鳥瞰図の更新、すなわち、
図8のステップST101~ステップST103およびステップST201の処理を実行する。
【0201】
そして、ステップST219で、車両認識部3103は、平面図の車両が料金所から退出したかどうかを判定する際に使用されるライン(後述する
図21のgのラインであり、以下「車両退出検出ライン」という。)に車両の後端が進んだかどうかを判定する。ここで、車両退出検出ラインは、後面切出基準ラインより下流に設定され、且つ平面図の出口側端部に設定された所定のラインである。
【0202】
図21は、平面図から車両が料金所から退出する一例を示した図である。
図21に示すように、車両が車両退出検出ライン(
図21では、gのライン)に車両の後端が進んできた際、車両認識部3103は、車両が料金所から退出したと判定する。
【0203】
ここで、車両が車両退出検出ラインまで進んでいなかった場合、処理は、ステップST219の判定処理に戻る。
【0204】
一方、ステップST219において、車両が車両退出検出ラインまで進んでいる場合は、処理は、ステップST220に進む。
【0205】
ステップST220で、車両認識部3103は、車両のトレースを終了し、そして、
図8のステップST106に進むことになる。
【0206】
次に、出力装置37のディスプレイに表示される表示画像の例について説明する。上述したように、出力装置37のディスプレイに表示される表示画像は、車両が進むことにより、各種情報が更新されていくことになる。
【0207】
図22、
図23、および
図24は、出力装置37のディスプレイに表示される表示画像の一例を示した図である。
図22の例では、車線映像に加えて3面図にのみが表示されている例を示している。また、
図22の例では、どの車線の画像かを示す情報も表示されている。
【0208】
図23の例では、4つの車線の表示画像を出力装置37のディスプレイに表示している。このように、通常、収受員は、複数の車線を監視しており、各車線の情報を1つのディスプレイ上に表示することが可能である。また、表示制御部3110は、収受員が
図23のうちの1つの車線についての情報を表示するように要求する場合、
図22の例のように1つの車線についての表示に切り替えることが可能であって良い。
【0209】
図24の例では、車線映像および3面図に加えて、各車線の鳥瞰図を表示する例を示している。
【0210】
(実施形態の作用効果)
実施形態によれば、所定のラインで切出された3面図を車両の特徴として出力装置37に表示および記憶することができる。これにより、車両の特徴を判断するための情報量が増加するため、収受員による車種の判定が容易になる。
【0211】
さらに、1台の広角レンズ搭載カメラ421により3面図を作成することが可能であり、複数台のカメラを用意する必要がなく、コストが低減される。
【0212】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0213】
例えば、車両確認支援装置3を構成するハードウェア構成およびソフトウェア構成は、中央車両確認支援装置6内に構成しても良い。すなわち、車両確認支援装置3が実行する処理は、中央車両確認支援装置6内で実行しても良い。
【0214】
また、例えば、中央車両確認支援装置6を構成するハードウェア構成およびソフトウェア構成は、中央料金収受システム1または料金収受装置2内に構成しても良い。すなわち、中央車両確認支援装置6が実行する処理は、中央料金収受システム1または料金収受装置2が実行しても良い。
【0215】
また、例えば、
図8および
図11を参照して説明したフローチャートの動作の全てを実行しなくても良い。
【0216】
例えば、収受員が車種を判別することができた段階で、入力装置36にある処理の中止を示すボタンを押しても良い。
【0217】
例えば、前面図および側面図のみで車種を判別することができ、後面図を必要としない場合、収受員は、処理の中止のボタンを押してよい。この場合、
図11に示されたステップST215以降の処理を実行せずに車両のトレースを終了し、ステップST106に進んで良い。
【0218】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0219】
1…中央料金収受システム
2…料金収受装置
3…車両確認支援装置
31…制御部
3101…画像取得部
3102…湾曲補正部
3103…車両認識部
3104…車両位置判定部
3105…車長判定部
3106…車両番号認識部
3107…画像切出し制御部
3108…軸数検出部
3109…リフトアップ検出部
3110…表示制御部
3111…通信制御部
3112…車両情報検索部
3113…3面図検索部
32…プログラム記憶部
33…データ記憶部
331…撮影画像記憶部
332…車両情報記憶部
333…3面画像記憶部
34…通信インタフェース
35…入出力インタフェース
36…入力装置
37…出力装置
4…車線機器
40…アイランド
401…インタフェース集約部
411…第1アンテナ
413…リカバリアンテナ
421…広角レンズ搭載カメラ
422…インターフォン
423…路側表示器
424…自動料金収受機
425…発進制御機
4251…発進制御バー
426…車線監視カメラ
S1…車両検知器
S2…車両検知器
S4…車両検知器
5a…ETC中央装置
5b…料金所サーバ
5c…車線サーバ
6…中央車両確認支援装置
61…制御部
611…車両情報検索部
612…3面図検索部
613…通信制御部
62…プログラム記憶部
63…データ記憶部
631…車両情報記憶部
632…3面画像記憶部
64…通信インタフェース
65…入出力インタフェース
66…入力装置
67…出力装置