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特開2024-93743翻訳エンジン評価システム及び翻訳エンジン評価方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093743
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】翻訳エンジン評価システム及び翻訳エンジン評価方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/51 20200101AFI20240702BHJP
【FI】
G06F40/51
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210307
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】522120576
【氏名又は名称】ポケトーク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川竹 一
【テーマコード(参考)】
5B091
【Fターム(参考)】
5B091CD11
(57)【要約】
【課題】翻訳に用いられている翻訳エンジンがユーザの好みに合っているか否かを把握できる翻訳エンジン評価システム及び翻訳エンジン評価方法を提供する。
【解決手段】翻訳エンジン評価システム1は、翻訳前テキストと翻訳後テキストとが対応付けられた対訳のリストを端末100に表示させる対訳リスト表示制御部と、リストに含まれる複数の対訳のうちからの選択を受け付ける対訳リスト選択受付部と、選択される対訳に含まれる翻訳前テキストを第2の言語に翻訳した比較翻訳後テキストを代替翻訳エンジンに生成させる比較翻訳部と、比較翻訳後テキストを端末100に表示させる比較翻訳リスト表示制御部と、端末100のユーザによる比較翻訳後テキストに対する評価を表す個別評価情報を取得する個別評価情報取得部と、を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に入力される第1の言語の音声を表す翻訳前テキストを第2の言語に翻訳した翻訳後テキストをデフォルト翻訳エンジンに生成させるデフォルト翻訳手段と、
前記翻訳後テキストを前記端末に表示させる翻訳後テキスト表示制御手段と、
前記翻訳前テキストと前記翻訳後テキストとが対応付けられた対訳のリストを前記端末に表示させる対訳リスト表示制御手段と、
前記リストに含まれる複数の前記対訳のうちからの選択を受け付ける選択受付手段と、
選択される前記対訳に含まれる前記翻訳前テキストを前記第2の言語に翻訳した比較翻訳後テキストを代替翻訳エンジンに生成させる比較翻訳手段と、
前記比較翻訳後テキストを前記端末に表示させる比較翻訳後テキスト表示制御手段と、
前記端末のユーザによる前記比較翻訳後テキストに対する評価を表す個別評価情報を取得する個別評価情報取得手段と、
を含むことを特徴とする翻訳エンジン評価システム。
【請求項2】
前記比較翻訳手段は、前記選択の受付に応じて前記代替翻訳エンジンに前記比較翻訳後テキストを生成させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の翻訳エンジン評価システム。
【請求項3】
前記比較翻訳手段は、複数の前記代替翻訳エンジンのそれぞれに前記比較翻訳後テキストを生成させ、
前記比較翻訳後テキスト表示制御手段は、前記複数の前記代替翻訳エンジンによってそれぞれ生成される複数の前記比較翻訳後テキストがランダムに配置されたリストを前記端末に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の翻訳エンジン評価システム。
【請求項4】
前記比較翻訳手段は、複数の前記代替翻訳エンジンのうちからランダムに選択される前記代替翻訳エンジンに前記比較翻訳後テキストを生成させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の翻訳エンジン評価システム。
【請求項5】
前記デフォルト翻訳エンジンは、複数の前記端末のいずれについても、当該端末に入力される前記第1の言語の音声を表す前記翻訳前テキストを前記第2の言語に翻訳した前記翻訳後テキストを生成する翻訳エンジンであり、
前記デフォルト翻訳エンジンを変更するデフォルト翻訳エンジン変更手段、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の翻訳エンジン評価システム。
【請求項6】
前記代替翻訳エンジンの追加、変更、又は、削除のうちの少なくとも1つを実行する代替翻訳エンジン設定手段、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の翻訳エンジン評価システム。
【請求項7】
複数の前記端末のそれぞれに係る前記個別評価情報に基づいて、総合評価情報を生成する総合評価情報生成手段、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の翻訳エンジン評価システム。
【請求項8】
端末に入力される第1の言語の音声を表す翻訳前テキストを第2の言語に翻訳した翻訳後テキストをデフォルト翻訳エンジンに生成させることと、
前記翻訳後テキストを前記端末に表示させることと、
前記翻訳前テキストと前記翻訳後テキストとが対応付けられた対訳のリストを前記端末に表示させることと、
前記リストに含まれる複数の前記対訳のうちからの選択を受け付けることと、
選択される前記対訳に含まれる前記翻訳前テキストを前記第2の言語に翻訳した比較翻訳後テキストを代替翻訳エンジンに生成させることと、
前記比較翻訳後テキストを、前記端末に表示させることと、
前記端末のユーザによる前記比較翻訳後テキストに対する評価を表す個別評価情報を取得することと、
を含むことを特徴とする翻訳エンジン評価方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、翻訳エンジン評価システム及び翻訳エンジン評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、端末から音声データを受け付けて、当該音声データが表す音声の音声認識結果であるテキストを他の言語のテキストに翻訳し、その翻訳結果を表すテキスト、及び、当該テキストが表す音声を当該端末に送信するサーバが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2017-563628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のサーバで特定の翻訳エンジンを用いた翻訳が行われている状況において、この翻訳エンジンによる翻訳結果がユーザの好みに合っていないことがある。例えば、新たに開発された翻訳エンジンによる翻訳結果の方がユーザの好みに合っていることがある。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術では、翻訳に用いられている翻訳エンジンがユーザの好みに合っているかどうかを把握することができなかった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的の1つは、翻訳に用いられている翻訳エンジンがユーザの好みに合っているか否かを把握できる翻訳エンジン評価システム及び翻訳エンジン評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る翻訳エンジン評価システムは、端末に入力される第1の言語の音声を表す翻訳前テキストを第2の言語に翻訳した翻訳後テキストをデフォルト翻訳エンジンに生成させるデフォルト翻訳手段と、前記翻訳後テキストを前記端末に表示させる翻訳後テキスト表示制御手段と、前記翻訳前テキストと前記翻訳後テキストとが対応付けられた対訳のリストを前記端末に表示させる対訳リスト表示制御手段と、前記リストに含まれる複数の前記対訳のうちからの選択を受け付ける選択受付手段と、選択される前記対訳に含まれる前記翻訳前テキストを前記第2の言語に翻訳した比較翻訳後テキストを代替翻訳エンジンに生成させる比較翻訳手段と、前記比較翻訳後テキストを前記端末に表示させる比較翻訳後テキスト表示制御手段と、前記端末のユーザによる前記比較翻訳後テキストに対する評価を表す個別評価情報を取得する個別評価情報取得手段と、を含む。
【0008】
本発明の一態様では、前記比較翻訳手段は、前記選択の受付に応じて前記代替翻訳エンジンに前記比較翻訳後テキストを生成させる。
【0009】
本発明の一態様では、前記比較翻訳手段は、複数の前記代替翻訳エンジンのそれぞれに前記比較翻訳後テキストを生成させ、前記比較翻訳後テキスト表示制御手段は、前記複数の前記代替翻訳エンジンによってそれぞれ生成される複数の前記比較翻訳後テキストがランダムに配置されたリストを前記端末に表示させる。
【0010】
本発明の一態様では、前記比較翻訳手段は、複数の前記代替翻訳エンジンのうちからランダムに選択される前記代替翻訳エンジンに前記比較翻訳後テキストを生成させる。
【0011】
本発明の一態様では、前記デフォルト翻訳エンジンは、複数の前記端末のいずれについても、当該端末に入力される前記第1の言語の音声を表す前記翻訳前テキストを前記第2の言語に翻訳した前記翻訳後テキストを生成する翻訳エンジンであり、前記デフォルト翻訳エンジンを変更するデフォルト翻訳エンジン変更手段、をさらに含む。
【0012】
本発明の一態様では、前記代替翻訳エンジンの追加、変更、又は、削除のうちの少なくとも1つを実行する代替翻訳エンジン設定手段、をさらに含む。
【0013】
本発明の一態様では、複数の前記端末のそれぞれに係る前記個別評価情報に基づいて総合評価情報を生成する総合評価情報生成手段、をさらに含む。
【0014】
また、本発明に係る翻訳エンジン評価方法は、端末に入力される第1の言語の音声を表す翻訳前テキストを第2の言語に翻訳した翻訳後テキストをデフォルト翻訳エンジンに生成させることと、前記翻訳後テキストを前記端末に表示させることと、前記翻訳前テキストと前記翻訳後テキストとが対応付けられた対訳のリストを前記端末に表示させることと、前記リストに含まれる複数の前記対訳のうちからの選択を受け付けることと、選択される前記対訳に含まれる前記翻訳前テキストを前記第2の言語に翻訳した比較翻訳後テキストを代替翻訳エンジンに生成させることと、前記比較翻訳後テキストを、前記端末に表示させることと、前記端末のユーザによる前記比較翻訳後テキストに対する評価を表す個別評価情報を取得する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る翻訳エンジン評価システムの全体構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る端末の外観の一例を示す図である。
図3】対訳リスト表示画面の一例を示す図である。
図4】対訳確認画面の一例を示す図である。
図5】比較翻訳リスト表示画面の一例を示す図である。
図6】総合評価情報表示画面の一例を示す図である。
図7A】本発明の一実施形態に係る端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図7B】本発明の一実施形態に係る翻訳ポータルのハードウェア構成の一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る翻訳エンジン評価システムの機能ブロック図である。
図9】本発明の実施形態に係る端末の通常動作に係る詳細機能ブロック図である。
図10】対訳リストデータの一例を示す図である。
図11】本発明の実施形態に係る翻訳ポータルの通常動作に係る詳細機能ブロック図である。
図12】本発明の実施形態に係る音声処理システムの詳細機能ブロック図である。
図13】本発明の実施形態に係る端末の評価動作に係る詳細機能ブロック図である。
図14】本発明の実施形態に係る翻訳ポータルの評価動作に係る詳細機能ブロック図である。
図15】総合評価情報データの一例を示す図である。
図16】翻訳エンジン評価システムの対訳リスト生成処理を示すフロー図である。
図17】翻訳エンジン評価システムの比較翻訳リスト生成処理を示すフロー図である。
図18】翻訳エンジン評価システムの総合評価情報生成処理を示すフロー図である。
図19】比較翻訳リスト表示画面の変形例である比較翻訳後テキスト表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る翻訳エンジン評価システム1の全体構成の一例を示す図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る翻訳エンジン評価システム1には、複数の端末100、翻訳ポータル200、音声処理システム300、複数の翻訳エンジン400(400a、400b、400c、400d、・・・)が含まれている。端末100、翻訳ポータル200、音声処理システム300、翻訳エンジン400は、インターネット等のコンピュータネットワーク500に接続されている。端末100、翻訳ポータル200、音声処理システム300、翻訳エンジン400は互いに、コンピュータネットワーク500を介して通信可能となっている。複数の端末100は、別々のユーザが使っていてもよい。
【0019】
以下、翻訳エンジン400aは翻訳エンジンAとも呼び、その識別子は「0001」とする。また、翻訳エンジン400bは翻訳エンジンBとも呼び、その識別子は「0002」とする。また、翻訳エンジン400cは翻訳エンジンCとも呼び、その識別子は「0003」とする。また、翻訳エンジン400dは翻訳エンジンDとも呼び、その識別子は「0004」とする。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態に係る端末の正面の外観の一例を示す図である。本実施形態に係る端末100は、翻訳機である。図2には、翻訳対象の音声を入力する際に押下される翻訳ボタン100da、電源のオンやオフを行うための電源ボタン100db、同図には示されていないスピーカ100g(図7A参照)から出力される音声の音量調整を行うための音量調整部100dcが示されている。翻訳ボタン100daは、端末100の前面に設けられているタッチパネル100eの下側に配置されている。電源ボタン100db、及び、音量調整部100dcは端末100の右側面に配置されている。ユーザによって端末100に設定操作が行われることで、端末100に入力される音声の言語である翻訳前言語と、当該音声が翻訳される言語である翻訳後言語と、が設定されている。以下の説明では、翻訳前言語として日本語が設定され、翻訳後言語として英語が設定されていることとする。
【0021】
ユーザが端末100に日本語の音声を入力すると、図2に示すように、音声認識結果である翻訳前の日本語テキスト及び日本語テキストを英語に翻訳した翻訳後の英語テキストがタッチパネル100eに表示され、英語テキストの内容を表す英語の音声が出力される。この一連の動作を通常動作と呼ぶ。通常動作で使用される翻訳エンジンは、翻訳エンジン評価システム1に含まれる複数の端末で共通であり、当該翻訳エンジンをデフォルト翻訳エンジンと呼ぶ。本実施形態では、デフォルト翻訳エンジンは、複数の端末100のいずれについても、入力される日本語の音声を表す日本語テキストを英語に翻訳した英語テキストを生成する翻訳エンジンであるとする。デフォルト翻訳エンジンは変更することができ、以下で説明する評価動作によってどの翻訳エンジンに変更するか決定することができる。なお、以下の説明では、翻訳エンジンAをデフォルト翻訳エンジンとする。
【0022】
図3は、評価動作で表示される対訳リスト表示画面の一例を示す図である。通常動作により、日本語テキストと日本語テキストを翻訳した英語テキストが対応付けられ、対訳として端末100に記憶される。端末100は、記憶された対訳に基づいて対訳リスト表示画面10を生成する。対訳リスト表示画面10は対訳表示領域10a~10bを含む。端末10は、図3の対訳リスト表示画面10をタッチパネル100eに表示する。評価動作は、通常動作によって生成された対訳リストを用いて行われる。
【0023】
ユーザは、端末100に所定の操作を行うことで表示される対訳リストから、1つの対訳を選択することで、翻訳エンジンの評価に参加することができる。ユーザが対訳を選択すると、次に説明する図4の画面がタッチパネル100eに表示される。
【0024】
図4は、評価動作で表示される対訳確認画面の一例を示す図である。対訳確認画面12は、ユーザが図3の画面で選択した対訳及び他の翻訳を試すかどうか選択する対訳確認受付ボタン12aを含む。ユーザは対訳確認受付ボタン12aを選択することで、選択した対訳に係る日本語テキストを、デフォルト翻訳エンジン以外の翻訳エンジンによって翻訳した英語テキストを確認することができる。
【0025】
図5は、評価動作で表示される比較翻訳リスト表示画面の一例を示す図である。
比較翻訳リスト表示画面14は、ユーザが図4の画面で選択した日本語テキストを、デフォルト翻訳エンジンで翻訳した英語テキストと、複数の他の翻訳エンジンで翻訳した英語テキストを含む。ここで、比較翻訳リスト表示画面14に表示されている英語テキストを比較翻訳テキスト14a~14dと呼ぶ。なお、比較翻訳テキスト14aは、日本語テキストを翻訳エンジンAで翻訳したテキストである。また、比較翻訳テキスト14bは、日本語テキストを翻訳エンジンBで翻訳したテキストである。また、比較翻訳テキスト14cは、日本語テキストを翻訳エンジンCで翻訳したテキストである。また、比較翻訳テキスト14dは、日本語テキストを翻訳エンジンDで翻訳したテキストである。比較翻訳リスト表示画面14は、比較翻訳テキスト14a~14dが上からランダムに配置されている。例えば、図5では、比較翻訳テキスト14d、14b、14c、14aの順に配置されている。翻訳エンジンはそれぞれ、異なる事業者から提供されているため、翻訳のアルゴリズムも異なっており、同じ日本語テキストを翻訳しても、少しずつ異なる英語テキストに翻訳される。
【0026】
ここで、デフォルト翻訳エンジン以外の翻訳エンジンを代替翻訳エンジンと呼ぶ。つまり、翻訳エンジンB、翻訳エンジンC、及び翻訳エンジンDは代替翻訳エンジンである。
【0027】
ユーザは、比較翻訳リストの中から、好みに合った翻訳結果である英語テキストを1つ選択することができる。ユーザは比較翻訳テキスト14a~14dに対するタップ等の選択操作により、比較翻訳リストから1つを選択し、比較翻訳テキスト選択受付ボタン14eをタップ等の操作を行う。すると、端末100はユーザの選択結果を個別評価情報として生成し、翻訳ポータル200に送信する。翻訳ポータルは、翻訳エンジン評価システム1に含まれる複数の端末100から個別評価情報を取得し、総合評価情報を生成する。このようにすることで、ユーザの好みを反映した翻訳エンジンの総合評価情報を生成することができる。
【0028】
図6は、システム管理者が確認する総合評価情報表示画面の一例を示す図である。上記の評価動作により取得した個別評価情報に基づいて、翻訳ポータル200は、デフォルト翻訳エンジン及び代替翻訳エンジンの総合評価情報を生成する。図6は、日本語から英語に翻訳する翻訳エンジンの総合評価情報管理画面20の一例である。翻訳エンジンごとにID、ユーザ選択回数、端末表示回数、デフォルト、及び、表示対象候補の情報が関連付けられて表示される。翻訳エンジン評価システム1の管理者は、翻訳ポータル200が生成した総合評価情報管理画面20を見ることで、デフォルト翻訳エンジン及び代替翻訳エンジンの評価状況を確認することができ、デフォルト翻訳エンジンを変更するかどうかを決定できる。
【0029】
このようにして、本実施形態によれば、管理者は通常動作の翻訳に用いられているデフォルト翻訳エンジンがユーザの好みに合っているか否かを把握することができる。また、管理者は、デフォルト翻訳エンジンを変更するか否か、どの代替翻訳エンジンをデフォルト翻訳エンジンに変更するかを決定することができる。
【0030】
以下に、上記の翻訳エンジン評価システム1を実現するためのハードウェア構成について説明する。
【0031】
図7Aは、本発明の一実施形態に係る端末100のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態に係る端末100は、図7Aに示すようなコンピュータである。コンピュータにインストールされたソフトウェアによって、入力された日本語の音声を表す日本語テキスト及び当該日本語テキストを翻訳した英語テキストを表示するとともに、当該英語テキストを音声合成した音声を出力する翻訳機能を実現している。本実施形態の端末100の一例を図7Aに示すように、例えば、プロセッサ100a、記憶部100b、通信部100c、操作部100d、タッチパネル100e、マイク100f、スピーカ100gが含まれる。
【0032】
プロセッサ100aは、例えば端末100にインストールされるプログラムに従って動作するマイクロプロセッサ等のプログラム制御デバイスである。
【0033】
記憶部100bは、例えばROMやRAM等の記憶素子などである。記憶部100bには、プロセッサ100aによって実行されるプログラムなどが記憶される。
【0034】
通信部100cは、例えばコンピュータネットワーク500を介して音声処理システム300との間でデータを授受するための通信インタフェースである。ここで通信部100cに、基地局を含む携帯電話回線を経由してインターネット等のコンピュータネットワーク500と通信を行う無線通信モジュールが含まれていてもよい。また通信部100cに、Wi-Fi(登録商標)ルータ等を経由してインターネット等のコンピュータネットワーク500と通信を行う無線LANモジュールが含まれていてもよい。
【0035】
操作部100dは、例えばユーザが行った操作の内容をプロセッサ100aに出力するボタンやタッチセンサ等の操作部材である。
【0036】
タッチパネル100eは、例えばタッチセンサと液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のディスプレイとが一体となったものである。タッチパネル100eは、端末100の前面に設けられており、プロセッサ100aが生成する画面などを表示させる。
【0037】
マイク100fは、例えば受け付ける音声を電気信号に変換する音声入力デバイスである。ここでマイク100fが、端末100に内蔵されている、人混みでも人の声が認識しやすいノイズキャンセリング機能を備えたデュアルマイクであってもよい。
【0038】
スピーカ100gは、例えば音声を出力する音声出力デバイスである。ここでスピーカ100gが、端末100に内蔵されている、騒がしい場所でも使えるダイナミックスピーカーであってもよい。
【0039】
本実施形態に係る翻訳ポータル200は、図7Bに示すように、例えば、プロセッサ200a、記憶部200b、通信部200cが含まれる。翻訳ポータル200は、本実施形態では例えば、端末100に入力される音声を表す音声データ、当該音声の音声認識結果を表す翻訳前テキスト(日本語テキスト)、当該音声の翻訳結果を表す翻訳後テキスト(英語テキスト)、翻訳後テキストを音声合成した英語の音声データなどを中継するサーバコンピュータ等のコンピュータシステムである。
【0040】
プロセッサ200aは、例えば翻訳ポータル200にインストールされるプログラムに従って動作するCPU等のプログラム制御デバイスである。
【0041】
記憶部200bは、例えばROMやRAM等の記憶素子やソリッドステートドライブやハードディスクドライブなどである。記憶部200bには、プロセッサ200aによって実行されるプログラムなどが記憶される。
【0042】
通信部200cは、例えばネットワークボードなどの通信インタフェースなどである。通信部200cは、例えばコンピュータネットワーク500を介して端末100、音声処理システム300、及び、翻訳エンジン400との間でデータを授受する。
【0043】
音声処理システム300は、例えば、端末が受け付ける音声データが表す音声の音声認識や、翻訳後テキストの音声合成等の音声処理を実行するサーバコンピュータ等のコンピュータシステムである。なお、音声処理システム300が、1台のコンピュータから構成されていてもよいし、複数台のコンピュータから構成されてもよい。
【0044】
翻訳エンジン400は、第1の言語のテキストを第2の言語のテキストに翻訳する処理を実行するサーバコンピュータ等のコンピュータシステムである。例えば、本実施形態では、例えば、第1の言語である日本語のテキストを第2の言語である英語のテキストに翻訳する。なお、翻訳エンジン400が、1台のコンピュータから構成されていてもよいし、複数台のコンピュータから構成されてもよい。なお、翻訳エンジンA、翻訳エンジンB、翻訳エンジンC、及び、翻訳エンジンDはそれぞれ別の事業者から提供されていてよい。
【0045】
図8は、本発明の実施形態に係る翻訳エンジン評価システム1の機能ブロック図である。翻訳エンジン評価システム1は、主に通常動作及び評価動作を行う。
【0046】
図8に示すように、端末100は端末通常動作部100A及び端末評価動作部100Bを含み、翻訳ポータル200はポータル通常動作部200A及びポータル評価動作部200Bを含んでいる。
【0047】
通常動作は、端末通常動作部100A、ポータル通常動作部200A、音声処理システム300、及び、デフォルトである翻訳エンジンAによって実行される。以下に、通常動作の処理について説明する。
【0048】
ユーザが、端末通常動作部100Aに日本語の音声を入力すると、日本語の音声データがポータル通常動作部200Aに送信される。ポータル通常動作部200Aは、受信した日本語の音声データを音声処理システム300に送信する。
【0049】
音声処理システム300は、受信した音声データを音声認識し、音声認識結果である日本語のテキスト(翻訳前テキスト)を生成する。そして、音声処理システム300は、日本語テキストをポータル通常動作部200Aに送信する。
【0050】
そして、ポータル通常動作部200Aは、受信した日本語テキストをデフォルト翻訳エンジンである翻訳エンジンAに送信する。翻訳エンジンAは、受信した日本語テキストを翻訳し、英語テキストを生成する。翻訳エンジンAは、英語テキストをポータル通常動作部200Aに送信する。ポータル通常動作部200Aは、英語テキストを音声処理システム300に送信する。
【0051】
音声処理システム300は、英語テキストを音声合成し、英語テキストの内容を表す英語音声を生成する。また、音声処理システム300は、英語音声をポータル通常動作部200Aに送信する。
【0052】
そして、ポータル通常動作部200Aは、日本語テキスト、英語テキスト、及び、英語音声データを端末通常動作部100Aに送信する。
【0053】
端末通常動作部100Aは、図2に示すように、日本語テキスト及び英語テキストを表示し、英語音声を出力する。また、端末通常動作部100Aは、日本語テキスト及び英語テキストを対応付けた対訳として記憶する。
【0054】
次に、評価動作は、端末評価動作部100B、ポータル評価動作部200B、翻訳エンジンB、翻訳エンジンC、及び、翻訳エンジンDによって実行される。以下に、評価動作の処理について説明する。
【0055】
通常動作により、端末通常動作部100Aには日本語テキスト及び英語テキストが対訳として保存されている。
【0056】
ユーザが所定の操作を行うと、端末評価動作部100Bは、図3に示すように、対訳リストを表示する。対訳リスト表示画面10は、対訳表示領域10a及び10bに、別々の対訳を配置することで生成される。
【0057】
ユーザは、端末評価動作部100Bに表示される対訳リストの内から1つを選択する。すると端末評価動作部100Bは、図4に示すように、ユーザが選択した対訳及び対訳確認受付ボタン12aが配置された対訳確認画面12を表示する。ユーザが対訳確認受付ボタン12aを選択すると、端末評価動作部100Bは対訳に係る日本語テキストをポータル評価動作部200Bに送信する。
【0058】
次に、ポータル評価動作部200Bは、代替翻訳エンジンである翻訳エンジンB、翻訳エンジンC、及び、翻訳エンジンDに日本語テキストを送信する。代替翻訳エンジン402~404は、日本語テキストを英語に翻訳した比較翻訳後テキストをポータル評価動作部200Bに送信する。
【0059】
ポータル評価動作部200Bは、受信した複数の比較翻訳後テキストを端末評価動作部100Bに送信する。
【0060】
端末評価動作部100Bは、受信した複数の比較翻訳後テキスト(英語テキスト)及び翻訳前テキスト(日本語テキスト)を比較翻訳テキスト表示領域14a~dに配置することで、図5に示すように、比較翻訳リスト表示画面14を表示する。
【0061】
そして、ユーザが好みに合った翻訳結果である英語テキストを1つ選択し、比較翻訳テキスト選択受付ボタン14eを選択すると、端末評価動作部100Bはユーザの選択結果を個別評価情報として生成する。例えば、表示された翻訳エンジンのIDと選択された翻訳エンジンのIDを個別評価情報としてよい。そして、端末評価動作部100Bは、個別評価情報をポータル評価動作部200Bに送信する。
【0062】
ポータル評価動作部200Bは、翻訳エンジン評価システム1に含まれる複数の端末評価動作部100Bから個別評価情報を取得し、デフォルト翻訳エンジン及び代替翻訳エンジンの総合評価情報を生成し、記憶する。
【0063】
ポータル評価動作部200Bは、図6に示すように、翻訳エンジン評価システム1の管理者が確認する総合評価情報表示画面を表示する。管理者は、総合評価情報表示画面を見て、デフォルト翻訳エンジンである翻訳エンジンAや代替翻訳エンジンである翻訳エンジンC、及び、翻訳エンジンDの評価状況を確認することができる。
【0064】
このようにして、本実施形態によれば、管理者は通常動作の翻訳に用いられているデフォルト翻訳エンジンが、ユーザの好みに合っているかを把握することができる。また、管理者は、デフォルト翻訳エンジンを変更するか否か、どの代替翻訳エンジンをデフォルト翻訳エンジンに変更するかを決定することができる。
【0065】
次に、図8に示した、端末通常動作部100A、端末評価動作部100B、ポータル通常動作部200A、ポータル評価動作部200B、及び、音声処理システム300について、詳細に説明する。
【0066】
図9は、本実施形態に係る端末通常動作部100Aの詳細機能ブロック図である。
【0067】
同図に示すように、本実施形態に係る端末通常動作部100Aには、機能的には例えば、ボタン操作入力受付部102、音声入力受付部104、入力送信部106、テキスト受信部108、対訳リストデータ生成部112、音声データ受信部114、音声出力部116、及び、対訳リストデータ記憶部118が含まれる。ボタン操作入力受付部102は、プロセッサ100a、操作部100d、及び、タッチパネル100eを主として実装される。音声入力受付部104は、プロセッサ100a、及び、マイク100fを主として実装される。入力送信部106、テキスト受信部108及び音声データ受信部114は、通信部100cを主として実装される。対訳リストデータ生成部112は、プロセッサ100a、及び、タッチパネル100eを主として実装される。対訳リストデータ記憶部118は、記憶部100bを主として実装される。
【0068】
以上の機能は、コンピュータである端末100にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ100aで実行することにより実装される。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介して端末100に供給される。
【0069】
ボタン操作入力受付部102は、本実施形態では例えば、ユーザが翻訳ボタン100daを指で押下する操作や翻訳ボタン100daから指を離す操作などといった端末通常動作部100Aに対する操作入力を受け付ける。
【0070】
音声入力受付部104は、本実施形態では例えば、ボタン操作入力受付部102の翻訳ボタン100daが押されている間、マイク100fを介してユーザにより入力される音声を受け付ける。
【0071】
入力送信部106は、本実施形態では例えば、音声入力受付部104に入力される音声を表す音声データを後述するポータル通常動作部200Aのデフォルト翻訳部202に送信する。
【0072】
テキスト受信部108は、後述するポータル通常動作部200Aのデフォルト翻訳部202から受信した日本語テキスト及び英語テキストを翻訳後テキスト表示制御部110に送信する。
【0073】
翻訳後テキスト表示制御部110は、図2に示すように、翻訳前テキストである日本語テキスト及び翻訳後テキストである英語テキストを端末100のタッチパネル100eに表示させる。
【0074】
対訳リストデータ生成部112は、テキスト受信部108が受信した日本語テキスト及び英語テキストに基づいて、対訳リストデータを生成し、対訳リストデータ記憶部118に記憶させる。
【0075】
対訳リストデータは、図10に示すように、日本語テキスト及び英語テキストの対訳を蓄積したデータである。通常動作が行われる度に、新たな対訳が追記され、対訳リストデータは更新される。
【0076】
音声データ受信部114は、後述するポータル通常動作部200Aの音声データ中継部208から受信する。
【0077】
音声出力部116は、音声データ受信部114が受信した翻訳後音声データが表す音声をスピーカ100gから音声出力させる。
【0078】
対訳リストデータ記憶部118は、対訳リストデータ生成部112が生成した対訳リストデータを記憶する。
【0079】
次に図11を用いて、翻訳ポータル200に係るポータル通常動作部200Aについて説明する。図11は、本実施形態に係るポータル通常動作部200Aの詳細機能ブロック図である。
【0080】
同図に示すように、本実施形態に係るポータル通常動作部200Aには、機能的には例えば、デフォルト翻訳部202、デフォルト翻訳エンジン設定記憶部204、及び、音声データ中継部208が含まれる。デフォルト翻訳部202、及び、音声データ中継部208は、通信部200cを主として実装される。デフォルト翻訳エンジン設定記憶部204は記憶部200bを主として実装される。
【0081】
以上の機能は、コンピュータである翻訳ポータル200にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ200aで実行することにより実装される。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介して翻訳ポータル200に供給される。
【0082】
デフォルト翻訳エンジン設定記憶部204は、通常動作で使用されるデフォルト翻訳エンジンの設定を記憶する。
【0083】
デフォルト翻訳部202は、本実施形態では例えば、端末通常動作部100Aの入力送信部106から送信される音声データを受け付ける。そして、デフォルト翻訳部202は、受け付けた音声データを、後述する音声処理システム300の音声認識部302に送信する。例えば、デフォルト翻訳部202は、入力送信部106からストリーム送信される音声データのパケットを受信して、当該パケットを音声処理システム300の音声認識部302に送信する。
【0084】
また、デフォルト翻訳部202は、本実施形態では例えば、デフォルト翻訳エンジン設定記憶部204に記憶されているデフォルト翻訳エンジン設定に基づいて、受信した日本語テキストを翻訳エンジンAに送信する。つまり、デフォルト翻訳部202は、端末100に入力される日本語の音声を表す日本語テキストを英語に翻訳してなる英語テキストを、デフォルト翻訳エンジンである翻訳エンジンAに生成させる。
【0085】
デフォルト翻訳部202は、本実施形態では例えば、翻訳エンジンAから受信した英語テキストを、後述する音声処理システム300の音声合成部304に送信する。
【0086】
また、デフォルト翻訳部202は、翻訳前テキストである日本語テキスト及び翻訳後テキストである英語テキストを端末通常動作部100Aのテキスト受信部108に送信する。
【0087】
音声データ中継208は、後述の音声処理システム300の音声合成部304から受信した翻訳後音声データを端末通常動作部100Aの音声データ受信部114に送信する。
【0088】
次に、図12は、本実施形態に係る音声処理システム300の詳細機能ブロック図である。
【0089】
また、同図に示すように、本実施形態に係る音声処理システム300には、機能的には例えば、音声認識部302及び音声合成部304が含まれる。
【0090】
音声処理システム300の音声認識部302は、本実施形態では例えば、ポータル通常動作部200Aのデフォルト翻訳部202から送信される音声データのパケットを受信する。
【0091】
そして、音声処理システム300の音声認識部302は、本実施形態では例えば、受信する音声データが表す音声に対して音声認識処理を実行して、当該音声の音声認識結果を表す音声認識結果テキストを生成する。当該音声認識結果テキストは、翻訳前の音声を表すテキストであり、本実施形態の例では、日本語テキストである。
【0092】
音声合成部304は、本実施形態では例えば、音声合成処理を実行し、受信した英語テキストを表す音声である翻訳後音声を合成してもよい。
【0093】
また、音声合成部304は、ポータル通常動作部200Aの音声データ中継部208に翻訳後音声データを送信してもよい。
【0094】
次に、通常動作で記憶した対訳リストデータを用いる評価動作について、説明する。
【0095】
評価動作は、端末評価動作部100B、ポータル評価動作部200B、並びに、代替翻訳エンジンである翻訳エンジンB、翻訳エンジンC、及び、翻訳エンジンDによって実行される。
【0096】
図13は、本実施形態に係る端末評価動作部100Bの詳細機能ブロック図である。
【0097】
また、同図に示すように、本実施形態に係る端末評価動作部100Bには、機能的には例えば、対訳リスト表示制御部120、対訳リスト選択受付部122、翻訳前テキスト送信部124、テキスト受信部126、比較翻訳リスト生成部128、比較翻訳リスト表示制御部130、比較翻訳テキスト選択受付部132、個別評価情報生成部134、及び、個別評価情報送信部136、が含まれる。対訳リスト表示制御部120、対訳リスト選択受付部122、比較翻訳リスト表示制御部130、及び、比較翻訳テキスト選択受付部132は、プロセッサ100a及びタッチパネル100eを主として実装される。翻訳前テキスト送信部124、テキスト受信部126、及び、個別評価情報送信部136は、通信部100cを主として実装される。比較翻訳リスト生成部128及び個別評価情報生成部134は、プロセッサ100aを主として実装される。
【0098】
以上の機能は、コンピュータである端末100にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ100aで実行することにより実装される。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介して端末100に供給される。
【0099】
対訳リスト表示制御部120は、本実施形態では例えば、通常動作によって生成された対訳リストデータを、対訳リストデータ記憶部118より取得する。対訳リスト表示制御部120は、対訳リストデータに基づいて、翻訳前の日本語テキストと翻訳後の英語テキストとが対応付けられた対訳のリストを生成し、端末100に表示する。
【0100】
また、対訳リスト表示制御部120は、図3に示すように、対訳リストに基づいて、日本語テキストとそれに対応する英語テキストの両方を対訳表示領域10a及び10bに配置し、対訳リスト表示画面10を生成する。
【0101】
対訳リスト表示制御部120は、タッチパネル100eに対訳リスト表示画面10を表示させる。
【0102】
対訳リスト選択受付部122は、リストに含まれる複数の対訳のうちからの選択を受け付ける。対訳リスト選択受付部122は、タッチパネル100eに表示された対訳リスト表示画面10について、ユーザによる対訳表示領域10に対するタップ等の選択操作により対訳の選択を受け付ける。
【0103】
そして、対訳リスト表示制御部120は、図4に示すように、ユーザが選択した対訳及び対訳確認受付ボタン12aを配置した対訳確認画面12を生成し、タッチパネル100eに表示させる。
【0104】
対訳リスト選択受付部122は、対訳確認画面12の対訳確認受付ボタン12aの選択を受け付ける。
【0105】
なお、対訳リスト表示制御部120は、対訳リスト選択受付部122の選択に応じて、図4に示す対訳確認画面12を表示せずに、図5に示す比較翻訳リスト表示画面14を表示してもよい。
【0106】
翻訳前テキスト送信部124は、対訳リスト選択受付部122の選択受付に応じて、翻訳前テキストである日本語テキストを、後述するポータル評価動作部200Bの比較翻訳部218に送信すると共に、翻訳後テキストである英語テキストを比較翻訳リスト生成部128に送信する。
【0107】
テキスト受信部126は、代替翻訳エンジンである翻訳エンジンB、翻訳エンジンC、及び、翻訳エンジンDで翻訳された英語の比較翻訳後テキストを、後述のポータル評価動作部200Bの比較翻訳部218より受信する。
【0108】
そして、テキスト受信部126は、受信した英語の比較翻訳後テキストを比較翻訳リスト生成部128に送信する。
【0109】
比較翻訳リスト生成部128は、翻訳前テキスト送信部124から受信した翻訳後テキスト及びテキスト受信部126から受信した比較翻訳後テキストに基づいて、比較翻訳リストを生成する。そして、比較翻訳リスト生成部128は、そして、比較翻訳リストを比較翻訳リスト表示制御部130に送信する。
【0110】
比較翻訳リスト表示制御部130は、比較翻訳後テキストを端末100に表示させる。本実施形態では例えば、比較翻訳リスト表示制御部130は、図5に示す比較翻訳リスト表示画面14を生成し、タッチパネル100eに表示させる。比較翻訳リスト表示画面14は、ユーザが図4の画面で選択した日本語テキストを、翻訳エンジンAに翻訳させた翻訳後テキスト並びに、翻訳エンジンB、翻訳エンジンC及び翻訳エンジンDに翻訳させた比較翻訳後テキストを含む。本実施形態では、図5に示すように、比較翻訳リスト表示画面14には、上から比較翻訳テキスト14d、14b、14c、14aとランダムに配置されている。
【0111】
比較翻訳リスト表示制御部130は、複数の代替翻訳エンジンによってそれぞれ生成される複数の比較翻訳後テキストがランダムに配置されたリストを端末100に表示させてもよい。このようにすると、リストの上部に表示されたテキストが選ばれやすい傾向があるとして、常に上部に配置される翻訳エンジンがあるとすると、その翻訳エンジンの評価が翻訳結果の内容にかかわらず、高くなってしまう。そういった配置場所に依存した評価の傾向による翻訳エンジンの評価の偏りを防ぐことができる。
【0112】
比較翻訳テキスト選択受付部132は、比較翻訳リスト表示画面14のうちから、1つの比較翻訳テキストの選択を受け付ける。ユーザはタップ等の選択操作によって、1つの比較翻訳テキストを選択し、比較翻訳テキスト選択受付ボタン14eで選択を決定する。
【0113】
個別評価情報生成部134は、比較翻訳リスト表示画面14での選択に応じて、個別評価情報を生成する。個別評価情報には、複数の表示ID及び選択IDが含まれてもよい。表示IDとは、評価動作における比較翻訳リスト表示画面14に表示される比較翻訳後テキストを翻訳した翻訳エンジンの識別子のことである。また、選択IDとは、比較翻訳リスト表示画面14に表示される比較翻訳後テキストの中からユーザに選択された翻訳後テキストを翻訳した翻訳エンジンの識別子のことである。
【0114】
図5において、翻訳後テキスト14dが選択された場合を例として説明する。図5に示すように、比較翻訳リスト表示画面14には、翻訳エンジンA~Dが翻訳した比較翻訳後テキストが表示されているため、表示IDは「0001」~「0004」となる。翻訳後テキスト14dが選択された場合、翻訳後テキスト14dは翻訳エンジンDによって翻訳されているため、選択IDは「0004」となる。したがって、表示IDである「0001」~「0004」及び選択IDである「0004」が個別評価情報として生成される。
【0115】
個別評価情報送信部136は、生成した個別評価情報を後述のポータル評価動作部200Bの個別評価情報取得部210に送信する。
【0116】
図14は、本実施形態に係るポータル評価動作部200Bの詳細機能ブロック図である。
【0117】
同図に示すように、本実施形態に係るポータル評価動作部200Bには、機能的には例えば、個別評価情報取得部210、総合評価情報生成部212、総合評価情報記憶部214、総合評価情報管理部216、及び、比較翻訳部218、が含まれる。個別評価情報取得部210及び比較翻訳部218は、通信部200cを主として実装される。総合評価情報記憶部214は記憶部200bを主として実装される。総合評価情報生成部212及び総合評価情報管理部216は、プロセッサ200aを主として実装される。
【0118】
以上の機能は、コンピュータである翻訳ポータル200にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ200aで実行することにより実装される。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介して翻訳ポータル200に供給される。
【0119】
個別評価情報取得部210は、端末100のユーザによる比較翻訳後テキストに対する評価を表す個別評価情報を端末評価動作部100Bより受信し、総合評価情報生成部212に送信する。
【0120】
総合評価情報生成部212は、端末100のそれぞれに係る個別評価情報に基づいて、総合評価情報を生成する。具体的には、総合評価情報生成部212は、翻訳エンジン評価システム1内の複数の端末から個別評価情報を集計して、図15に示す総合評価情報を生成する。
【0121】
個別評価情報取得部210から送信された個別評価情報が、表示IDが「0001」~「0004」で、選択IDが「0004」であったとする。この場合は、表示IDである「0001」~「0004」の識別子を持つ翻訳エンジンA~Dの端末表示回数を1増やす。そして、選択IDである「0004」の識別子を持つ翻訳エンジンDのユーザ選択回数の値を1増やす。すなわち、端末表示回数とは、評価動作において、当該翻訳エンジンが翻訳したテキストが端末100で表示されたのべ回数のことである。また、ユーザ選択回数とは、評価動作において、当該翻訳エンジンによって翻訳された比較翻訳後テキストが端末100に表示されたときに、ユーザに選択されたのべ回数のことである。このように個別評価情報を集計し、図15に示すような、総合評価情報を生成する。総合評価情報を生成することで、それぞれの翻訳エンジンの人気を把握することができる。
【0122】
そして、総合評価情報記憶部214は、生成された総合評価情報を記憶する。
【0123】
総合評価情報管理部216は、総合評価情報記憶部214に記憶された総合評価情報の管理を行う。特に総合評価情報管理部216は、デフォルト翻訳エンジン設定部216aと代替翻訳エンジン設定部216bを含む。デフォルト翻訳エンジン設定部216aは、総合評価情報に基づいて、通常動作に係るデフォルト翻訳エンジンを変更する。代替翻訳エンジン設定部216bは、代替翻訳エンジンの追加、変更、又は、削除の少なくとも1つを行う。総合評価情報管理部216は、図6に示すような総合評価情報管理画面20を表示する。
【0124】
総合評価情報管理画面20では、翻訳エンジンごとに、ID、ユーザ選択回数、端末表示回数、デフォルト、及び、表示対象候補という項目が管理されていてもよい。例えば、図15に示すように、翻訳エンジンAのIDは「0001」であり、ユーザ選択回数は7回であり、端末表示回数は10回であり、デフォルト及び表示対象候補が1であることが紐づけられて記録されている。
【0125】
図6に示す総合評価情報管理画面20のデフォルトの列は、どの翻訳エンジンがデフォルト翻訳エンジンであるかを表している。例えば、図6に示す例では、デフォルトの値が1である翻訳エンジンAがデフォルト翻訳エンジンであることを示している。
【0126】
また、図6に示す総合評価情報管理画面20の表示対象候補の列は、評価動作時に比較翻訳後テキストを翻訳するための代替翻訳エンジンに選ばれるかどうかを示している。この欄の値が1である翻訳エンジンを、比較翻訳後テキストを翻訳するための代替翻訳エンジンとして選択する。図6に示す例では、翻訳エンジンA、翻訳エンジンB、翻訳エンジンC、翻訳エンジンDは表示対象候補となっている。
【0127】
デフォルト翻訳エンジン設定部216aは、デフォルト翻訳エンジンを変更する。例えば管理者の所定の操作によって、デフォルト翻訳エンジンを変更してもよい。本実施形態では、例えば、図6の表のデフォルトの行の値を書き換えることによって、デフォルト翻訳エンジンを変更してもよい。デフォルト翻訳エンジンが変更されると、デフォルト翻訳エンジン設定部216aは、ポータル通常動作部200Aに係るデフォルト翻訳エンジン設定記憶部204のデフォルト翻訳エンジン設定を変更する。
【0128】
このようにすれば、翻訳エンジン評価システム1に含まれる複数の端末100に係る通常動作時に係るデフォルト翻訳エンジンを変更することができる。
【0129】
代替翻訳エンジン設定部216bは、代替翻訳エンジンの追加、変更、又は、削除のうちの少なくとも1つを実行する。代替翻訳エンジン設定部216bは、例えば管理者の所定の操作により、総合評価情報管理画面20から翻訳エンジンの変更又は削除を実行してもよい。代替翻訳エンジンの変更とは、例えば、翻訳エンジンDが表示対象候補でなかった場合に、表示対象候補へと変更することである。具体的には、表示対象候補の値を「0」から「1」に書き換えることで、翻訳エンジンDを代替翻訳エンジンの候補に変更することができる。
【0130】
次に、代替翻訳エンジンの削除とは、例えば、表示対象候補である翻訳エンジンDを代替翻訳エンジンの候補から削除することである。具体的には、翻訳エンジンDの表示対象候補の値を「1」から「0」に書き換えることで、代替翻訳エンジンを削除することができる。
【0131】
また、代替翻訳エンジン設定部216bは、例えば、総合評価情報管理画面20の表中の空白行に設けられた翻訳エンジン追加ボタン20aの選択操作によって、新たな翻訳エンジンを追加してもよい。新たな翻訳エンジンを追加すると、表中の行が一行増えてもよい。新たな翻訳エンジンの名称が表示され、ユーザ選択回数、端末表示回数及びデフォルトの値は「0」、表示対象候補の値は「1」と設定されてもよい。
【0132】
このようにすれば、新しい翻訳エンジンが登場したときや、ユーザの好みに合わない翻訳エンジンを削除したいときに、管理者が適宜使用する翻訳エンジンを変更することができる。
【0133】
比較翻訳部218は、選択される対訳に含まれる翻訳前の日本語テキストを英語に翻訳した比較翻訳後テキストを代替翻訳エンジンに生成させる。
【0134】
比較翻訳部218は、総合評価情報記憶部214の総合評価情報に基づいて、表示対象候補となっている翻訳エンジンの中から代替翻訳エンジンを決定する。例えば、図6に示すように、表示対象候補の値が1となっている翻訳エンジンの中から代替翻訳エンジンを決定する。
【0135】
比較翻訳部218は、複数の代替翻訳エンジンのそれぞれに比較翻訳後テキストを生成させる。本実施形態では例えば、比較翻訳部218は、表示対象候補の値が1となっている翻訳エンジンB、翻訳エンジンC、及び、翻訳エンジンDを代替翻訳エンジンと決定している。
【0136】
比較翻訳部218は、決定した代替翻訳エンジンである翻訳エンジンB、翻訳エンジンC、及び、翻訳エンジンDに、端末評価動作部100Bに係る翻訳前テキスト送信部124から受信した日本語の翻訳前テキストを送信する。
【0137】
なお、比較翻訳部218は、対訳リスト選択受付部122の選択の受付に応じて、代替翻訳エンジンに比較翻訳後テキストを生成させる。このため、常に翻訳前テキストを複数の代替翻訳エンジンに翻訳させるのと比較して、システムの処理負荷を軽減することができる。
【0138】
そして、比較翻訳部218は、翻訳エンジンB、翻訳エンジンC、及び、翻訳エンジンDから受信した比較翻訳後テキストである英語テキストを、端末評価動作部100Bに係るテキスト受信部126に送信する。
【0139】
なお、比較翻訳部218は、複数の代替翻訳エンジンのうちからランダムに代替翻訳エンジンを選択し、選択された代替翻訳エンジンに比較翻訳後テキストを生成させる。具体的には、比較翻訳部218は、総合評価情報管理画面20に係る表示対象候補の値が1である翻訳エンジンの中から、ランダムに代替翻訳エンジンを決定してもよい。このように、代替翻訳エンジンをランダムに決定することによって、複数の翻訳エンジンを満遍なく妥当に評価することができる。
【0140】
ここで、端末通常動作部100A及びポータル通常動作部200Aで実行される通常動作の対訳リストデータ生成処理の流れの一例を図16に示すフロー図を参照しながら説明する。なお、ここでは一実施形態として、端末100で入力される音声を一括でデフォルト翻訳部202へ送信する場合について記載しているが、音声を逐次送信してもよい。
【0141】
本処理例では、端末通常動作部100Aの音声入力受付部104が音声入力を受け付ける(S101)。音声入力受付部104が音声入力を受け付けると、入力送信部106が音声データをポータル通常動作部200Aに係るデフォルト翻訳部202に送信する(S102)。
【0142】
ポータル通常動作部200Aのデフォルト翻訳部202は、音声データを受信する(S201)。デフォルト翻訳部202は音声処理システム300の音声認識部302に音声データを送信する(S202)。
【0143】
そして、デフォルト翻訳部202は、音声認識部302からS202の処理で送信した音声データの音声認識結果である翻訳前テキストを受信する(S203)。
【0144】
デフォルト翻訳部202は、音声認識部302から翻訳前テキストを受信すると、当該テキストをデフォルト翻訳エンジンである翻訳エンジンA及び端末通常動作部100Aのテキスト受信部108に送信する(S204)。
【0145】
端末通常動作部100Aのテキスト受信部108は、翻訳前テキストを受信する(S103)。
【0146】
ポータル通常動作部200Aのデフォルト翻訳部202は、S204の処理で送信した翻訳前テキストを翻訳エンジンAが翻訳した翻訳後テキストを受信する(S205)。
【0147】
ポータル通常動作部200Aのデフォルト翻訳部202は、翻訳エンジンAから翻訳後テキストを受信すると、S205の処理で受信した翻訳後テキストを音声処理システム300の音声合成部304に送信する(S206)。
【0148】
ポータル通常動作部200Aの音声データ中継部208は音声合成データを受信する(S207)。そして、端末通常動作部100Aの音声データ受信部114に音声データを送信し、デフォルト翻訳部202は端末通常動作部100Aのテキスト受信部108に翻訳後テキストを送信する(S208)。
【0149】
端末通常動作部100Aのテキスト受信部108及び音声データ受信部114は、それぞれ、翻訳後テキスト及び音声合成データを受信する(S104)。翻訳後テキスト表示制御部110は、翻訳前テキスト及び翻訳後テキストをタッチパネル100eに表示する(S105)。音声出力部116は、音声合成データの受信後、音声を出力する(S106)。
【0150】
対訳リストデータ生成部112は、S103及びS104の処理で受信した翻訳前テキスト及び翻訳後テキストに基づいて、対訳リストデータを生成する(S107)。
【0151】
対訳リストデータ記憶部118は、対訳リストデータ生成部112がS107の処理で生成した対訳リストデータを記憶し(S108)、本処理例に示す処理は終了される。
【0152】
次に、端末評価動作部100B及びポータル評価動作部200Bで実行される評価動作の比較翻訳リスト生成処理の流れの一例を図17に示すフロー図を参照しながら説明する。本処理は、S108の処理で記憶された対訳リストデータに基づいて生成された対訳リスト表示画面10が端末100のタッチパネル100eに表示されたところから開始する。
【0153】
対訳リスト選択受付部122は、ユーザが対訳リスト表示画面10で対訳の1つを選択するのを受け付ける(S301)。
【0154】
対訳の1つを選択するのを受け付けた後、翻訳前テキスト送信部124は、翻訳前テキストを比較翻訳部218に送信する(S302)。
【0155】
翻訳ポータルの比較翻訳部218は、翻訳前テキストを受信する(S401)。
【0156】
翻訳ポータルの比較翻訳部218は、翻訳前テキストを受信すると、総合評価情報記憶部214の総合評価情報に基づいて決められた代替翻訳エンジンに翻訳前テキストを送信する(S402)。
【0157】
比較翻訳部218は、代替翻訳エンジンから比較翻訳後テキストを受信する(S403)。また、比較翻訳部218は、受信した比較翻訳後テキストを端末評価動作部100Bのテキスト受信部126で送信する(S404)。
【0158】
端末評価動作部100Bのテキスト受信部126は、比較翻訳部218から比較翻訳後テキストを受信する(S303)。
【0159】
比較翻訳リスト生成部128は、翻訳前テキスト送信部124から受信した翻訳後テキスト及びテキスト受信部126から受信した比較翻訳後テキストに基づいて、比較翻訳リストを生成する(S304)。
【0160】
比較翻訳リスト表示制御部130は、比較翻訳リスト生成部128が生成した比較翻訳リストを端末100のタッチパネル100eに表示して(S305)、本処理例に示す処理は終了される。
【0161】
次に、端末評価動作部100B及びポータル評価動作部200Bで実行される評価動作の総合評価情報生成処理の流れの一例を図18に示すフロー図を参照しながら説明する。
【0162】
端末評価動作部100Bの比較翻訳リスト表示制御部130が、S304の処理で生成された比較翻訳リストに基づいて、比較翻訳リスト表示画面14を生成し、端末100のタッチパネル100eに表示する(S501)。
【0163】
比較翻訳テキスト選択受付部132は、比較翻訳リストのいずれかの比較翻訳テキストが選択されるのを受け付ける(S502)。
【0164】
そして、個別評価情報生成部134が、比較翻訳テキスト選択受付部132の選択に応じて、個別評価情報を生成する(S503)。
【0165】
個別評価情報送信部136は、個別評価情報生成部134がS503の処理で生成した個別評価情報をポータル評価動作部200Bの個別評価情報取得部210に送信する(S504)。
【0166】
そして、ポータル評価動作部200Bの個別評価情報取得部210は、個別評価情報送信部136から個別評価情報を受信する(S601)。
【0167】
そして、総合評価情報生成部212は、受信した個別評価情報に基づいて総合評価情報を生成する(S602)。
【0168】
そして、総合評価情報記憶部214が、総合評価情報を記憶して(S603)、本処理例に示す処理は終了される。
【0169】
本実施形態において、図5の比較翻訳リスト表示画面14の変形例として、図19の比較翻訳後テキスト表示画面16を示す。比較翻訳後テキスト表示画面16は、1つの代替翻訳エンジンにより日本語テキストを翻訳させた英語テキスト16a及び比較翻訳後テキスト選択受付ボタン16b~16cを含む。ユーザが、比較翻訳後テキスト選択受付ボタン16b~16cのいずれかを選択すると、端末評価動作部100Bに係る個別評価情報生成部134により個別評価情報が生成される。
【0170】
比較翻訳後テキスト表示画面16を表示した場合には、比較翻訳後テキスト16aを翻訳した代替翻訳エンジンのID及び比較翻訳後テキスト選択受付ボタン16b~16cのいずれかが選択されたかを個別評価情報としてもよい。
【0171】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本実施形態においては、日本語を英語に翻訳する翻訳エンジンを例に説明したが、その他の言語対に関しても、同様に翻訳エンジンを評価することができる。
【0172】
例えば、端末100、翻訳ポータル200、音声処理システム300、及び、翻訳エンジン400の役割分担は、以上で説明したものには限定されない。例えば、音声認識結果テキスト(翻訳前テキスト)が翻訳ポータル200を経由することなく、当該音声認識結果テキストに対する翻訳処理が音声処理システム300において実行されてもよい。
【0173】
例えば、端末100の機能は専用端末以外のコンピュータ等に実装されていてもよい。
【0174】
また、上記の具体的なテキストや数値及び図面中の具体的なテキストや数値は例示であり、これらのテキストや数値には限定されない。
【符号の説明】
【0175】
1 翻訳エンジン評価システム、10 対訳リスト表示画面、10a~b 対訳表示領域、12 対訳確認画面、12a 対訳確認受付ボタン、14 比較翻訳リスト表示画面、14a~14d 比較翻訳テキスト、14e 比較翻訳テキスト選択受付ボタン、16 比較翻訳後テキスト表示画面、16a 比較翻訳後テキスト、16b~16c 比較翻訳後テキスト選択受付ボタン、20 総合評価情報管理画面、20a 翻訳エンジン追加ボタン、100 端末、100a プロセッサ、100b 記憶部、100c 通信部、100d 操作部、100da 翻訳ボタン、100db 電源ボタン、100dc 音量調整部、100e タッチパネル、100f マイク、100g スピーカ、100A 端末通常動作部、100B 端末評価動作部、102 ボタン操作入力受付部、104 音声入力受付部、106 入力送信部、108 テキスト受信部、110 翻訳後テキスト表示制御部、112 対訳リストデータ生成部、114 音声データ受信部、116 音声出力部、118 対訳リストデータ記憶部、120 対訳リスト表示制御部、122 対訳リスト選択受付部、124 翻訳前テキスト送信部、126 テキスト受信部、128 比較翻訳リスト生成部、130 比較翻訳リスト表示制御部、132 比較翻訳テキスト選択受付部、134 個別評価情報生成部、136 個別評価情報送信部、200 翻訳ポータル、200a プロセッサ、200b 記憶部、200c 通信部、200A ポータル通常動作部、200B ポータル評価動作部、202 デフォルト翻訳部、204 デフォルト翻訳エンジン設定記憶部、208 音声データ中継部、210 個別評価情報取得部、212 総合評価情報生成部、214 総合評価情報記憶部、216 総合評価情報管理部、216a デフォルト翻訳エンジン設定部、216b 代替翻訳エンジン設定部、218 比較翻訳部、300 音声処理システム、302 音声認識部、304 音声合成部、400a 翻訳エンジンA、400b 翻訳エンジンB、400c 翻訳エンジンC、400d 翻訳エンジンD、500 コンピュータネットワーク。

図1
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【手続補正書】
【提出日】2023-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/111346号