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特開2024-93829椅子及びこれに使用する背もたれパネル
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  • 特開-椅子及びこれに使用する背もたれパネル 図1
  • 特開-椅子及びこれに使用する背もたれパネル 図2
  • 特開-椅子及びこれに使用する背もたれパネル 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093829
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】椅子及びこれに使用する背もたれパネル
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/40 20060101AFI20240702BHJP
   A47C 9/10 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
A47C7/40
A47C9/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210415
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏樹
【テーマコード(参考)】
3B084
3B095
【Fターム(参考)】
3B084EC06
3B084FA01
3B095AC07
(57)【要約】
【課題】WEB会議における画像の背景を美麗に形成できる技術を開示する。
【解決手段】椅子に平板状の背もたれパネル3を設ける。背もたれパネル3は、座1の左右幅よりも大きい左右幅で上端は座面よりも95cm程度以上の高さであり、かつ、前面は、凹凸がない平坦面でグリーンのような人肌と補色関係の色の表皮材7で構成されている。WEB会議で参加者を撮影したりクロマキー合成用の基礎動画をカメラで撮影したりするに際して、人物Mの外側の余白を全て背もたれパネル3で満たすことができる。従って、背もたれパネル3を単なる背景として使用する場合は美麗な状態に保持できる一方、クロマキー合成により背景を作成する場合は、背景の作成を高精度で容易に行える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一人の人が腰掛ける座と、前記座の後ろに配置された平板状の背もたれパネルとを有し、
前記背もたれパネルは、前記座の左右幅よりも大きい横幅で上端は座面から95cm以上の高さを有しており、かつ、前面は単一色に設定されている、
椅子。
【請求項2】
複数人が左右に並んで腰掛け得る座と、前記座の後ろに配置された平板状の背もたれパネルとを有し、
前記背もたれパネルは、前記座の左右幅と同じ程度の左右幅で上端は座面から95cm以上の高さを有しており、かつ、前面は単一色に設定されている、
椅子。
【請求項3】
前記背もたれパネルの前面は、人の肌との補色関係にあるグリーン系又はブルー系の単一色に設定されている、
請求項1又は2に記載した椅子。
【請求項4】
前記背もたれパネルは、基板とその前面に配置されたクッション材とその前に配置された単色の表皮材とを有し、前記表皮材は前記クッション材の弾性力を利用して張った状態に保持されている、
請求項1又は2に記載した椅子。
【請求項5】
前記背もたれパネルは、鉛直線に対して15°以内の範囲で後傾している、
請求項1又は2に記載した椅子。
【請求項6】
椅子の背もたれに後付けされる平板状の背もたれパネルであって、
前記椅子が一人掛けの場合は、座の左右幅よりも大きい左右幅で高さは座面から95cm以上に設定されて、前記椅子が複数人掛けのソファである場合は、座の左右幅と同じ左右幅で高さは座面から95cm以上に設定されており、
かつ、前面は平坦面で単一色に設定されている、
椅子用背もたれパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、WEB会議に好適な椅子及び背もたれパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、打合せや商談などの様々な用途でWEB会議が多用されている。WEB会議では、リアル会議に近づけるために、各参加者をカメラで撮影してその画像を各参加者のモニターに表示していることが多いが、この場合、参加者の背景がそのまま撮影されるとプライバシーの面で好ましくない場合がある問題や、背景が雑然としていると気恥ずかしいといった問題がある。
【0003】
これらの点については、参加者の背後にカーテンを配置して見られたくないものを隠したり、クロマキー合成(例えば特許文献1)によって背景画像を作成したりして対処している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3022185号のCD-ROM
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
参加者の背景をカーテンで隠すのは単純でプライバシー保護の点で確実であるが、カーテンを吊るすハンガーを設ける必要があって必ずしも容易とは云えないし、カーテンに皺がよっていると却って見苦しくなることがある。
【0006】
他方、クロマキー合成による背景画像の作成は、美麗でかつ様々な背景を設定できる利点があるが、基本になる動画を専用のスタジオで撮影せねばならないため、簡便性に欠けるという問題がある。
【0007】
本願発明はこのような現状を背景に成されたものであり、WEB会議にモニターに表示される参加者の背景を、椅子を利用して簡易かつ美麗に作成できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は様々な構成を含んでおり、その典型を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は1人掛けの椅子を対象にするもので、
「一人の人が腰掛ける座と、前記座の後ろに配置された平板状の背もたれパネルとを有し、
前記背もたれパネルは、前記座の左右幅よりも大きい横幅で上端は座面から95cm以上の高さを有しており、かつ、前面は単一色に設定されている」
という構成になっている。
【0009】
請求項1(及び請求項2)において、背もたれパネルを昇降式に構成して上端の高さを調節できるようにすることが可能である。すなわち、背もたれパネルの後面に可動ガイド部を設けてこれを座や背支柱に設けた固定ガイド部に上下動自在に取り付けることにより、背もたれパネルの高さを段階的に又は無段階的に調節できる。
【0010】
請求項2の発明はソファタイプの椅子に適用したもので、
「複数人が左右に並んで腰掛け得る座と、前記座の後ろに配置された平板状の背もたれパネルとを有し、
前記背もたれパネルは、前記座の左右幅と同じ程度の左右幅で上端は座面から95cm以上の高さを有しており、かつ、前面は単一色に設定されている」
という構成になっている。
【0011】
請求項3の発明は請求項1又は2の好適な展開例であり、
「前記背もたれパネルの前面は、人の肌との補色関係にあるグリーン系又はブルー系の単一色に設定されている」
という構成になっている。
【0012】
請求項4の発明も請求項1又は2を好適に展開したもので、
「前記背もたれパネルは、基板とその前面に配置されたクッション材とその前に配置された単色の表皮材とを有し、前記表皮材は前記クッション材の弾性力を利用して張った状態に保持されている」
という構成になっている。
【0013】
請求項5の発明も請求項1又は2の展開例であり、
「前記背もたれパネルは、鉛直線に対して15°以内の範囲で後傾している」
という構成になっている。
【0014】
請求項6の発明は椅子の背もたれに後付けされる平板状の背もたれパネルに係るもので、
「前記椅子が一人掛けの場合は、座の左右幅よりも大きい左右幅で高さは座面から95cm以上に設定されて、前記椅子が複数人掛けのソファである場合は、座の左右幅と同じ左右幅で高さは座面から95cm以上に設定されており、
かつ、前面は平坦面で単一色に設定されている」
という構成になっている。
【0015】
請求項6において、ソファタイプに適用する場合は、背もたれパネルは座の後端に乗せて背もたれに立て掛けたらよい。他方、独り掛けの椅子に適用する場合は、姿勢を安定的に保持しつつ背もたれに固定する必要があるが、例えば、背もたれパネルの下端に前向きのブラケットを設けてこれを座で支持しつつ、背面にバンド類を設けてこれで背もたれを抱持したらよい。
【発明の効果】
【0016】
一般成人の座高は平均で90cm程度であるので、本願発明のように背もたれパネルの上端を座面から95cm以上の高さに設定すると、背もたれパネルをカメラの撮像エリアの上下に収めることができる。また、本願発明の背もたれパネルの左右幅は、椅子に腰掛けた人の左右幅よりも相当に大きいため、人の左右両側に背もたれパネルの撮像範囲を広げて、カメラの視野(撮像範囲)の全体を背もたれパネルで満たすことができる。座面からの高さが100cm以上あると、特に好適である。
【0017】
既述のように背もたれパネルを高さ調節式に構成すると、使用者の身長が高くても、頭の上方に背もたれパネルによる背景を必要な高さで形成できる。
【0018】
従って、WEB会議において単に背もたれパネルを背景として使用する場合は、参加者の背景を背もたれパネルのみで構成できる。これにより、美麗な背景を実現できる。他方、クロマキー合成を利用して背景を別途作成する場合も、人の左右両側と上方とは背もたれパネルのみの画像で構成されるため、背もたれパネルの画像を抜き取って他の画像と置き換えることを確実に実現できる。
【0019】
従って、本願発明では、椅子の背もたれパネルを利用して、一々カーテンを吊るす手間を掛けることなく美麗な背景に設定できると共に、クロマキー合成による背景を欲する場合は、スタジオセットを用意することなく簡単に背景用画像を作成できる。
【0020】
なお、WEB会議では、一般に参加者の胸よりも上の部分がカメラで撮影されるため、背もたれパネルの下端は座面付近に位置していたら十分である(カメラを搭載したパソコンはテーブルに配置しているため、椅子の座はテーブルで遮られて撮像されないことが普通であり、従って、背もたれパネルの下端は、机上面よりも低い高さであれば十分である。)。
【0021】
背もたれパネルの前面の色について、請求項3のようにグリーン系又はブルー系に設定すると、人の肌色との補色関係にあるため、背もたれパネルの画像の切り取りを正確に行える。従って、クロマキー合成の画像を作成するに当たって好適である。
【0022】
背もたれパネルをクロマキー合成画像撮影用の背景色と成す場合、反射や光のうねりを無くして均一な色合いに撮影できるのが好ましい。この点のみから見たら、例えば背もたれパネルを木製板や金属板、樹脂板のような板材で構成すれば機能を達成できるが、この場合は人の身体に対する当たりが悪くて、使用感に劣る。
【0023】
この点、請求項4のようにクッション材を利用して表皮材を張った状態に保持すると、使用者の身体に対する当たりの柔らかさは保持しつつ表皮材を張った状態に保持して反射やうねりがない均一な状態に撮影できる。従って、クッション機能を損なうことなくクロマキー合成用画像を作成できる。
【0024】
背もたれパネルの前面をカメラで撮影するに当たって、背もたれパネルの前面を反射等がない状態に綺麗に撮影するためには、カメラの光軸が背もたれパネルの前面と直交しているのが好ましい。この場合、カメラの姿勢には多少のバラツキがあり得るが、一般的には、光軸を水平に近い姿勢に配置していることが多いと云える。
【0025】
他方、椅子に腰掛けた人にとっては、背もたれは少し後傾しているのが使いやすい。この点、請求項5のように 前記背もたれパネルを鉛直線に対して15°以内の範囲で後傾させると、椅子の使用者は上半身を少し後傾させてWEB会議を行えるため、安楽姿勢を保持しつつクロマキー合成用画像を作成できる。なお、背もたれパネルの表面が布のように反射性が悪い素材からなる場合は、後傾角度は20°程度でも均一な画像を作成できると解される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態を示す図で、(A)は斜視図、(B)は使用状態の正面図、(C)は(A)のC-C視断面図である。
図2】第2実施形態を示す図で、(A)は斜視図、(B)は正面図である。
図3】第3実施形態を示す図で、(A)は前方から見た斜視図、(B)は第4実施形態を前から見た斜視図、(C)は第4実施形態を後ろから見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(1).第1実施形態
図1では、一人掛けの椅子に適用した第1実施形態を示している。椅子は、座1と脚装置2と背もたれパネル3とを備えている。脚装置2は、複数の脚羽根とガスシリンダよりなる脚支柱4を有しており、脚羽根の先端にはキャスタを設けている。従って、実施形態の椅子は回転椅子である。座1は、脚支柱4の上端に設けたベースとこれに固定された基板とその上に配置されたクッション材とを備えており、クッション材は織地や編地からなる表皮材で覆われている。
【0028】
背もたれパネル3は平板状になっており、分図(C)に示すように、合板等の剛性板からなる背板5とその前面に配置されたクッション材6とを備えており、クッション材6は織地や編地等の布よりなる表皮材(張地)7で手前から覆われている。従って、表皮材7は、クッション材6の弾性力によってピンと張った状態に保持されている。
【0029】
表皮材7は、標準的なグリーンに設定されている。表皮材7の外周縁は背板5の周縁部後面に固定されているが、背板5の後面全体を表皮材7で覆うことも可能である。また、表皮材7の周縁をエッジ材で背板に固定すると、皺を防止できて好適である。背板4は、座1の基板にブラケット(図示せず)を介して固定されている。
【0030】
座1の左右幅は例えば50cm程度であるが、背もたれパネル3は、座1の左右幅よりも大きい幅寸法であり、例えば、座1の左右両側に10cm程度広がって70cm程度になっている。他方、背もたれパネル3の上端は座面から95cm以上(例えば、95~110cm)の高さになっている。
【0031】
一般成人の座高は平均で90cm程度であるので、座からの高さが95cmあると、通常の場合は、背もたれパネル3は着座した人の頭の上方に広がっている。カメラの視野9の調整によって人物の上方の余白部分は調整できるが、背もたれパネル3の上端が座面から100cm以上あると、カメラの視野9はあまり狭めることなく、人物の上方に背もたれパネル3よりなる適度の背景を作成できて好適である。
【0032】
図1(B)に示すように、人Mはテーブル7に載置したパソコン(図示せず)を使用してWEB会議を行うが、パソコンに設けたカメラの視野9は、例えば点線で表示した状態になる。そして、背もたれパネル3の左右幅は座1の左右幅よりも大きくて、背もたれパネル3の高さは座面よりも95cm以上の高さであるため、よほどの高身長の人でない限り、通常の場合は、カメラの視野9は全て背もたれパネル3に含めることができる。
【0033】
従って、背もたれパネル3を単に画像の背景として使用する場合は、人物像の背景は背もたれパネル3のみで構成されているため、室内の様子が背景に映り込むことはない。従って、プライバシーが保護されると共に、背景を美麗で見栄えがよい状態に設定できる。カメラの視野9が背もたれパネル3で構成されるため、背もたれパネル3を使用してクロマキー合成用の基本画像を撮影することも可能である。この場合、背もたれパネル3の表皮材7はピンと張っているため、背景部分を正確に切り取って他の背景画像に置き換えることができる。
【0034】
上記の説明は、実施形態の椅子をWEB会議で使用することを前提にしていたが、本実施形態の椅子はクロマキー合成の基本画像を撮影するために使用して、WEB会議は通常の椅子を使用して行うことも可能である。この場合は、オフィス用の場合は、実施形態の椅子は特定人の専用品ではなくて、クロマキー合成動画作成用の共有椅子として使用できる。他の実施形態も同様である。
【0035】
そして、クロマキー合成を使用してWEB会議の画像の背景を作成する場合は、カメラの視野のうち人物像の外側の余白部分はすべて背もたれパネル3の色で構成されており、かつ、背もたれパネル3の前面の色は人の肌と補色関係にあるグリーンに設定されているため、余白部分の切り取りを正確に行える。従って、他の背景画像への変更を容易かつ美麗に行える。
【0036】
背もたれパネル3は、高さと後傾角度とのうちいずれか一方又は両方を変更可能に構成することができる。背もたれパネル3の下端が座面より相当高くても視野9の範囲内に収まるため、背もたれパネル3を昇降式に構成しても画像が切れるようなことはない。
【0037】
(2).第2実施形態
図2に示す第2実施形態は、ソファタイプの椅子(長椅子)に適用している。すなわち、第2実施形態の椅子は、2人又は3人の人が掛けることができる横長の座1と、これを支持する4本の棒脚10と、座1の後ろに配置した平板状の背もたれパネル3とを有している。座1は、第1実施形態と同様に座板とクッション材と表皮材とを備えており、背もたれパネル3も、背板5とクッション材6と表皮材7とを備えている。背板5は図示しないブラケットを介して座1の基板に固定されている。
【0038】
背もたれパネル3は、座1と同じ左右幅に設定されている。他方、背もたれパネル3の高さは、座面から95cm以上の高さ(95~110cm程度でよい)に設定されている。表皮材7は、第1実施形態と同様に標準的なグリーンに設定されている。
【0039】
この実施形態では、横長のテーブル8を使用して複数人が同時にWEB会議に参加できる。そこで、モニターには横長の視野9の画像が表示されるが、人物像の外側の余白は全て背もたれパネル3で構成されているため、背もたれパネル3を単に背景として使用するにしても、クロマキー合成のための基礎動画を撮影するにしても、美麗な背景にすることができる。
【0040】
WEB会議を行うに当たって、各モニターに1人ずつの画像のみが表示されていると、発言者ごとに画像を切り替えるのが面倒であるが、実施形態のように複数人掛けのソファタイプ椅子を使用すると、複数人を1つの画像に表示できるため、画像を切り替える手間を無くすことができる。従って、WEB会議を円滑に行える。
【0041】
なお、実施形態の椅子は複数掛けであるが、WEB会議を行うにしてもクロマキー合成用の基礎動画を撮影するにしても、椅子を1人だけで使用することは可能である。他方、テーブル8に2台のカメラを左右に離して配置して、それぞれ別々の人のためのクロマキー合成用動画を撮影することも可能である。
【0042】
図3(A)に示す第3実施形態では、椅子は左右横長のソファタイプであり、前面が約0°程度後傾した基礎背もたれ11を備えている。
【0043】
そして、この実施形態では、ソファタイプの椅子の基礎背もたれ11に、後付けの背もたれパネル3をもたれ掛けて配置している。背もたれパネル3は、WEB会議での単なる背景として使用したり、クロマキー合成の基礎動画撮影の背景として使用したりすることができる。このため、前面はグリーン系の色に設定されている(第4実施形態も同様である。)。椅子における基礎背もたれ11の前面は後傾しているため、背もたれパネル3と基礎背もたれ11にもたれ掛けただけで、安定した状態に保持できる。
【0044】
通常のソファのクッション構造はまちまちであり、前面が膨らんでいたり、表皮材引き込み用の凹所が点在していたりする場合もあるし、使用によって色落ちしている場合もある。従って,そのままでは画像の背景として使用し難い場合がある。しかし、実施形態のように後付け式の背もたれパネル3を使用すると、基礎背もたれ11の状態に関係なく、美麗な背景を作成できる。
【0045】
ソファは、大きさ(左右幅)や高さもまちまちであるが、本実施形態の背もたれパネル3を使用すると、ソファの左右幅や高さがまちまちであっても、必要な大きさの背景を美麗に作成できる。従って、背もたれパネル3は、基礎背もたれ11の左右外側や上方にはみ出ていたり、逆に、基礎背もたれ11の内側に入り込んでいたりしてもよい。
【0046】
図3(B)(C)に示す第4実施形態では、背もたれパネル3は一人掛けの椅子に後付けできるようになっている。この実施形態では、背もたれパネル3の前面の下端部に、椅子の座1の後部の左右側縁に載るブラケット13を設けて、背もたれパネル3の後面には、椅子の背もたれを抱持する弾性ベルト14を設けている。弾性ベルト14に代えて、バックル付きの非弾性ベルトも使用可能である。
【0047】
この実施形態では、例えばオフィスにおいて、多くの人が背もたれパネル3を共用できる。或いは個人用として、WEB会議を行うときやクロマキー合成の基礎動画を作成するときだけ背もたれパネル3を使用して、通常は背もたれパネル3が取り付いていない椅子を使用することも可能である。
【0048】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、肘掛け装置付きの椅子にも具体化できる。また、座の高さを変更できないパイプ椅子などにも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本願発明は、カメラ撮影用の椅子として具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0050】
1 座
2 脚装置
3 背もたれパネル
5 背板
6 クッション材
7 表皮材
8 テーブル
9 カメラの視野
11 基礎背もたれ
図1
図2
図3