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特開2024-93831情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093831
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/12 20200101AFI20240702BHJP
   G06F 30/13 20200101ALI20240702BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240702BHJP
【FI】
G06F30/12
G06F30/13
G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210418
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】399077135
【氏名又は名称】生活産業研究所株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】石川 健
(72)【発明者】
【氏名】山田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 拓雄
【テーマコード(参考)】
5B050
5B146
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA06
5B050BA09
5B050BA18
5B050BA19
5B050BA20
5B050CA01
5B050EA19
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA13
5B050FA14
5B050FA15
5B146AA04
5B146DC05
5B146DG02
5B146DG07
5B146EC04
(57)【要約】
【課題】天空率の基準(指標)に適合する建築物を容易に計画できるようにすること。
【解決手段】サーバ1は、3Dモデル作成部202、天空図作成部203、天空率算定部204を備える。3Dモデル作成部202は、所定土地で斜線制限に適合する適合建築物64と、当該所定土地に建築される計画建築物61とを重畳させて表示させる制御を実行する。天空図作成部203は、例えば図9の天空図71等に対して、適合建築物64が占める領域73と、計画建築物61が占める領域72とを重畳表示させる制御を実行する。天空率算定部204は、適合建築物64の天空率を基準天空率とし、計画建築物61の天空率を対象天空率として、当該対象天空率と基準天空率との差分を例えば図8の天空率算定画面65の測定点「7」の「計-適」欄の数値「-0.055」等(破線66内)としてユーザ端末2に表示させる制御を実行する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定土地で斜線制限に適合する指標建築物の3Dモデルと、当該所定土地に建築される対象の対象建築物の3Dモデルとを重畳させて表示させる制御を実行する第1表示制御手段と、
天空図に対して、前記指標建築物が占める指標領域と、前記対象建築物が占める対象領域とを重畳表示させる制御を実行する第2表示制御手段と、
前記指標建築物の天空率を基準天空率とし、前記対象建築物の天空率を対象天空率として、前記基準天空率と前記対象天空率の差分を差分天空率として表示させる制御を実行する第3表示制御手段と、
前記第2表示制御手段の制御により表示されている前記対象領域の中から、天空率を変更させるための加工の候補となる領域を加工候補領域として指定する操作を受け付ける加工候補受付手段と、
を備え、
前記加工候補受付手段により前記加工候補領域の指定が受け付けられた場合、
前記第1表示制御手段は、前記対象建築物に対して、前記加工候補領域に対応する部分が加工された3Dモデルを、加工後対象建築物の3Dモデルとして表示させる制御を実行し、
前記第3表示制御手段は、前記加工候補領域に対応する部分が加工された前記対象建築物の天空率を加工後対象天空率として、前記基準天空率と前記加工後対象天空率との差分を加工後差分天空率として表示させる制御を実行する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記加工候補受付手段は、前記加工候補領域として、前記対象領域の中から切削領域の指定を受け付け、
前記第1表示制御手段は、前記対象建築物に対して、前記切削領域に対応する部分が削られた3Dモデルを、切削後対象建築物の3Dモデルとして表示させる制御を実行し、
前記第3表示制御手段は、前記切削領域に対応する部分が削られた前記対象建築物の天空率を切削後対象天空率として、前記基準天空率から前記切削後対象天空率を減算した比率を切削後差分天空率として表示させる制御を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
所定土地で斜線制限に適合する指標建築物の3Dモデルと、当該所定土地に建築される対象の対象建築物の3Dモデルとを重畳させて表示させる制御を実行する第1表示制御ステップと、
天空図に対して、前記指標建築物が占める指標領域と、前記対象建築物が占める対象領域とを重畳表示させる制御を実行する第2表示制御ステップと、
前記指標建築物の天空率を基準天空率とし、前記対象建築物の天空率を対象天空率として、前記基準天空率と前記対象天空率の差分を差分天空率として表示させる制御を実行する第3表示制御ステップと、
前記第2表示制御ステップにおける制御により表示されている前記対象領域の中から、天空率を変更させるための加工の候補となる領域を加工候補領域として指定する操作を受け付ける加工候補受付ステップと、
を含み、
前記加工候補受付ステップにおいて前記加工候補領域の指定が受け付けられた場合のステップとして、
前記第1表示制御ステップは、前記対象建築物に対して、前記加工候補領域に対応する部分が加工された3Dモデルを、加工後対象建築物の3Dモデルとして表示させる制御を実行するステップを含み、
前記第3表示制御ステップは、前記加工候補領域に対応する部分が加工された前記対象建築物の天空率を加工後対象天空率として、前記基準天空率と前記加工後対象天空率との差分を加工後差分天空率として表示させる制御を実行するステップを含む、
情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータに、
所定土地で斜線制限に適合する指標建築物の3Dモデルと、当該所定土地に建築される対象の対象建築物の3Dモデルとを重畳させて表示させる制御を実行する第1表示制御ステップと、
天空図に対して、前記指標建築物が占める指標領域と、前記対象建築物が占める対象領域とを重畳表示させる制御を実行する第2表示制御ステップと、
前記指標建築物の天空率を基準天空率とし、前記対象建築物の天空率を対象天空率として、前記基準天空率と前記対象天空率の差分を差分天空率として表示させる制御を実行する第3表示制御ステップと、
前記第2表示制御ステップにおける制御により表示されている前記対象領域の中から、天空率を変更させるための加工の候補となる領域を加工候補領域として指定する操作を受け付ける加工候補受付ステップと、
を含む制御処理を実行させ、
前記加工候補受付ステップにおいて前記加工候補領域の指定が受け付けられた場合、
前記第1表示制御ステップとして、前記対象建築物に対して、前記加工候補領域に対応する部分が加工された3Dモデルを、加工後対象建築物の3Dモデルとして表示させる制御を実行するステップを含み制御処理を実行させ、
前記第3表示制御ステップとして、前記加工候補領域に対応する部分が加工された前記対象建築物の天空率を加工後対象天空率として、前記基準天空率と前記加工後対象天空率との差分を加工後差分天空率として表示させる制御を実行するステップを含む制御処理を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物を適法に設計する上で、斜線制限(高さ制限)という仕様規定がある。
近年では、斜線制限を超えて建築物を設計可能な天空率の指標を用いた設計手法が導入されつつある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-191954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1を含む従来技術のみでは、天空率の指標に合わない計画建築物を計画した場合、計画建築物のどの部分を設計変更(削る又は盛る等)すればよいかといった検討が容易ではなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、天空率の指標に適合する建築物を容易に計画できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
所定土地で斜線制限に適合する指標建築物の3Dモデルと、当該所定土地に建築される対象の対象建築物の3Dモデルとを重畳させて表示させる制御を実行する第1表示制御手段と、
天空図に対して、前記指標建築物が占める指標領域と、前記対象建築物が占める対象領域とを重畳表示させる制御を実行する第2表示制御手段と、
前記指標建築物の天空率を基準天空率とし、前記対象建築物の天空率を対象天空率として、前記基準天空率と前記対象天空率の差分を差分天空率として表示させる制御を実行する第3表示制御手段と、
前記第2表示制御手段の制御により表示されている前記対象領域の中から、天空率を変更させるための加工の候補となる領域を加工候補領域として指定する操作を受け付ける加工候補受付手段と、
を備え、
前記加工候補受付手段により前記加工候補領域の指定が受け付けられた場合、
前記第1表示制御手段は、前記対象建築物に対して、前記加工候補領域に対応する部分が加工された3Dモデルを、加工後対象建築物の3Dモデルとして表示させる制御を実行し、
前記第3表示制御手段は、前記加工候補領域に対応する部分が加工された前記対象建築物の天空率を加工後対象天空率として、前記基準天空率と前記加工後対象天空率との差分を加工後差分天空率として表示させる制御を実行する。
これにより、ユーザは、加工後対象天空率の値が良くなるように天空図上で加工候補領域を指定操作することで、天空率の基準(指標)に適合する建築物を容易に計画することができる。
本発明の一態様の上記情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、天空率の指標に適合する建築物を容易に計画することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバを含む情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図1の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図2に示したハードウェア構成を備えるサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4図2及び図3に示すサーバの動作を示すフローチャートである。
図5図2及び図3に示すサーバの表示制御によりユーザ端末に表示される天空率検討用の画面の一例を示す図である。
図6図2及び図3に示すサーバの表示制御によりユーザ端末に表示される天空率の検討を行う対象の計画建築物の3Dモデルの一例を示す図である。
図7図2及び図3に示すサーバの表示制御によりユーザ端末に表示される天空率算定領域の一例を示す図である。
図8図2及び図3に示すサーバの表示制御によりユーザ端末に表示される天空率算定結果の一例を示す図である。
図9図2及び図3に示すサーバの表示制御によりユーザ端末に表示される検討用の天空図の一例を示す図である。
図10図9の天空図上で切削領域を指定する操作と切削領域の天空率の表示例を示す図である。
図11図10の操作により指定された切削領域が反映された3Dモデルを示す図である。
図12】加工後の計画建築物の3Dモデルと平面図の表示例を示す図である。
図13図12の加工後の計画建築物に対して天空率を再計算した天空率算定結果の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の第1実施形態について、図面を用いて説明する。
まず、図1を参照して、本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバを含む情報処理システムについて説明する。
図1は、本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバを含む情報処理システムを示す図である。
【0010】
図1の情報処理システムは、サーバ1とユーザ端末2とを含むように構成されている。
サーバ1とユーザ端末2は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。
なお、ネットワークNは、その形態は特に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、LAN(Local Area Network)、インターネット等を採用することができる。
【0011】
サーバ1は、例えばシステム管理者(図示せず)により管理される情報処理装置である。サーバ1は、ユーザ端末2と適宜通信をしながら、各種処理を実行する。
なお、システム管理者としての業務を行う者は特に限定されない。例えば、ユーザのうち、所定の者が、システム管理者としての業務を行ってもよい。
【0012】
ユーザ端末2は、ユーザにより操作される情報処理装置である。具体的には、例えばユーザ端末2は、例えばタブレット、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ等であり、ディスプレイと、入力デバイスと、サーバ1との通信機能とが備えられている。
【0013】
次に、図2を用いて上述した情報処理システムを構成するサーバ1のハードウェア構成の一例について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0014】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0015】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0016】
CPU11、ROM12及びRAM13はバス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0017】
入力部16は、例えばキーボード、マウス等の入力デバイスにより構成され、各種情報が入力される。
出力部17は、液晶表示装置等のディスプレイやプリンタ、スピーカ等により構成され、種情報が出力される。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば図1図3のユーザ端末2等)との間で通信を行う。
【0018】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0019】
なお、図示はしないが、図1のユーザ端末2も、この図2に示すサーバ1のハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。従って、ユーザ端末2の構成の説明については省略する。
【0020】
次に、図3を参照して、上記図2に示したハードウェア構成を有するサーバの機能的構成について説明する。
図3は、図2に示したハードウェア構成を備えるサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0021】
サーバ1は、所定の土地における斜線制限に適合する建築物(以下「適合建築物」と称す)と、所定の土地に建築する建築物(以下「計画建築物」と称す)を作成するための情報処理装置であり、図3に示すように、サーバ1の記憶部18の一領域には、建築物設計用のデータが格納された設計DB40が記憶されている。
具体的には、設計DB40には、所定の土地の所在地のデータ、土地、建築物の形状を示すCADデータ(土地、建築物を含む平面のデータや立体図形(3Dモデル)のデータ等を含む)、建築物を天空図に展開するための天空図データ、測定点のデータ等が記憶されている。
【0022】
この他、計画建築物のCADデータを加工する際に、設計DB40には、天空図71図9参照)に対して、斜線制限に適合する適合建築物64が占める領域73(指標領域)と、加工前の計画建築物61が占める領域72(対象領域)等と、加工される計画建築物61の3Dモデルの状況(図11参照)や加工後の計画建築物61a(図12参照)のCADデータ等が記憶される。
【0023】
また、図3に示すように、サーバ1のCPU11においては、計画建築物に対する天空率検討のための処理が実行される際に、受付部201と、3Dモデル作成部202と、天空図作成部203と、天空率算定部204と、が機能する。
【0024】
受付部201は、ユーザ端末2の画面に対するユーザの操作を受け付ける。
具体的には、ユーザ端末2において、例えば計画対象の建築物のCADデータ(ファイル)を読み出す操作がユーザにより行われた場合、受付部201は、ファイルの読出操作を受け付けて、その旨を3Dモデル作成部202へ出力する。
ユーザ端末2の天空率計算定規画面51(図10参照)において、メニュー欄の「領域指定」のボタン53が操作されると、受付部201は、その操作を受け付け、天空図作成の指示を天空図作成部203へ出力する。
その後、天空図が表示された画面において、天空図のうち対象領域の中から、天空率を変更させるための加工の候補となる領域を加工候補領域として指定する操作が行われると、受付部201は、その操作を受け付ける。
また、受付部201は、ユーザ端末2において、ユーザにより、天空率算定画面65(図8参照)を表示させるためのボタン操作等が行われると、その操作を受け付ける。
【0025】
3Dモデル作成部202は、受付部201により受け付けられた操作に応じて、3Dモデルの作成処理を実行する。
3Dモデル作成部202は、例えば図7に示すように、所定土地で斜線制限に適合する適合建築物64と、当該所定土地に建築される計画建築物61とを重畳させて表示させる制御を実行する。
具体的には、3Dモデル作成部202は、受付部201により計画建築物のCADデータに対する読出操作があった場合、当該CADデータ(ファイル)を設計DB40から読み出し、3Dモデルや平面図等としてユーザ端末2に表示させる。
【0026】
天空図作成部203は、天空図(図9参照)に対して、適合建築物が占める領域73と、計画建築物が占める領域72とを重畳表示させる制御を実行する。
具体的には、天空図作成部203は、受付部201によりユーザによる天空図作成操作が受け付けられると、設計DB40より天空図データと適合建築物及び計画建築物のCADデータを読み出して、天空図上に領域73と領域72とを重畳表示させる。
【0027】
天空率算定部204は、計画建築物61の天空率を対象天空率として、当該対象天空率と基準天空率との差分を差分天空率として表示させる制御を実行する。
具体的には、天空率算定部204は、受付部201によりユーザによる天空図作成操作が受け付けられると、設計DB40から読み出したデータを用いて、測定点「1」乃至「14」毎に天空率を計算し、例えば図8の天空率算定画面65に測定点「1」乃至「14」等の夫々の天空率算定結果を表示する。例えば天空率算定画面65の破線66内の測定点「7」、「8」の「計-適」欄の数値が共に「-0.055」、「判定」欄の記号「×」等が表示されており、これら2つの測定点「7」と「8」の天空率が、基準天空率(適合建築物64の天空率)を満たしていないことが分かる。
【0028】
ここで、天空図作成部203の制御により表示されているユーザ端末2の天空率計算定規画面51(図10参照)において、ユーザにより「領域指定」のボタン53が操作されると、受付部201は、ボタン53の操作を受け付けて、天空図作成部203に「領域指定」をする旨を通知する。これにより、天空図71の領域72が編集(削るや盛る等)可能とされる。
【0029】
ここで、ユーザは、天空率算定画面65の測定点「7」と「8」の数値をよくする(この例では「-」(マイナス)をなくす)ように、天空図71上で領域72のうちの所望の領域を指定する操作を行う。例えば図10の切削領域74等を加工候補領域として指定する操作を行ったものとする。
【0030】
すると、受付部201は、天空図71の領域72の中から、天空率を変更(増加又は減少)させるための加工の候補となる領域、例えば図10の切削領域74等を加工候補領域として指定する操作を受け付ける。
【0031】
受付部201により切削領域74の指定が受け付けられた場合、3Dモデル作成部202は、計画建築物に対して、加工候補領域に対応する部分が加工された3Dモデルを、例えば図12の計画建築物61a(加工後対象建築物の3Dモデル)として表示させる制御を実行する。この際に、切削領域74(加工候補領域)の天空率が3Dモデル作成部202により計算されて、図10の天空率計算定規画面51に、例えば「0.92%」等と表示される。
【0032】
また、天空率算定部204は、図10の切削領域74に対応する部分が加工された計画建築物の天空率を加工後対象天空率として、当該加工後対象天空率と基準天空率との差分を加工後差分天空率として表示させる制御を実行する。例えば図13の天空率算定画面65の破線66内の測定点「7」の「計-適」欄の数値が「0.869」と変更されて「判定」欄に記号「〇」が表示される。また、測定点「8」の「計-適」欄の数値も「0.708」と変更されて「判定」欄に記号「〇」が表示される。
なお、加工候補領域を指定した結果、「判定」欄に記号「〇」が付与されることによって基準(指標)を満たしたことが分かるが、「計-適」欄の数値に「-」の符号がなくなったことでも基準(指標)を満たしたことが分かる。
【0033】
加工候補領域の加工状況を確認した結果、ユーザが「よし」と判断した場合は、ファイルの保存操作により、加工後のCADデータで元のCADデータを上書きしたり、元のファイルとは別のファイル名を付けて、加工後のCADデータを新規保存することができる。
【0034】
このようにサーバ1の構成によれば、3Dモデルと天空図の夫々で基準建築物と計画建築物とを重畳表示することで、互いの差異を視覚的に捉え易くすると共に、天空率算定画面65に互いの差分の数値(プラス、マイナスを含む)と、指標を満たしているか否かの判定結果を「〇」、「×」の符号で表示することで、加工候補領域を指定した状況が数値的にも視覚的にも分かる。
また、天空図71上で、加工候補領域の影響状況が、図11の3Dモデルのような多方向から表示される他、加工候補領域を直接編集(加工)した結果が、図12の計画建築物61a等のように加工後の計画建築物の3Dモデルとして表示されるので、ユーザは、計画建築物が実際にどのようの形状になるのかを視覚的に理解することができる。
【0035】
続いて、図4を参照してサーバの動作を説明する。
図4は、図3に示した機能的構成のサーバの動作を示すフローチャートである。
図4に示すように、サーバ1では、ステップS11において、3Dモデル作成部202は、所定土地で斜線制限に適合する適合建築物64と、当該所定土地に建築される計画建築物61とを重畳させてユーザ端末2に表示させる制御を実行する。
【0036】
ステップS12において、天空図作成部203は、例えば図9の天空図71等に対して、適合建築物64が占める領域73(指標領域)と、計画建築物61が占める領域72(対象領域)とを重畳表示させる制御を実行する。
【0037】
ステップS13において、天空率算定部204は、適合建築物64の天空率を基準天空率とし、計画建築物61の天空率を対象天空率として、当該対象天空率と基準天空率との差分を、例えば図8の天空率算定画面65の測定点「7」の「計-適」欄の数値「-0.055」等(破線66内)としてユーザ端末2に表示させる制御を実行する。
【0038】
ステップS14において、受付部201は、ユーザにより加工候補領域が指定されるのを待機する。
そして、ユーザにより例えば図10の切削領域74等の加工候補領域が指定されると、受付部201により切削領域74の指定が受け付けられる(ステップS14のYES)。
【0039】
この場合、ステップS15において、3Dモデル作成部202は、計画建築物に対して、切削領域74に対応する部分が加工された計画建築物(図11の多方向から閲覧可能な3Dモデル参照)を、加工後の計画建築物61a(図12等)として表示させる制御を実行する。
【0040】
ステップS16において、天空率算定部204は、例えば図10の切削領域74等に対応する部分が加工された計画建築物の天空率を加工後対象天空率として、基準天空率と加工後対象天空率との差分を加工後差分天空率(例えば図13(A)の天空率算定画面65の破線66の領域(測定点「7」の「計-適」欄の数値「0.869」、「判定」欄の記号「〇」等))として表示させる制御を実行する。
【0041】
この実施形態のサーバ1の動作によれば、3Dモデル作成部202は、所定土地で斜線制限に適合する適合建築物64と、当該所定土地に建築される計画建築物61とを重畳させて表示させる制御を実行し、天空図作成部203は、例えば図9の天空図71等に対して、適合建築物64が占める領域73と、計画建築物61が占める領域72とを重畳表示させる制御を実行し、天空率算定部204は、計画建築物61の天空率を対象天空率として、当該対象天空率と基準天空率との差分を、例えば図8の天空率算定画面65の測定点「7」の「計-適」欄の数値「-0.055」等(破線66内)としてユーザ端末2に表示させる制御を実行することで、ユーザは、加工後対象天空率の値が良くなるように天空図71上で図10の切削領域(加工候補領域)を指定操作することで、斜線制限を超えた計画建築物について、基準天空率に適合する計画建築物を容易に計画(設計)することができる。
【0042】
以下、図5乃至図13を参照して情報処理システムにおけるサーバにおける計画建築物(3Dモデル)の計画順序を具体的に説明する。
まず、図5及び図6を参照して天空率検討用の画面について説明する。
図5は、本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバの表示制御によりユーザ端末に表示される天空率検討用の画面の一例を示す図である。
図6は、天空率の検討を行う対象の計画建築物の3Dモデルの一例を示す図である。
【0043】
図5に示す天空率計算定規画面51は、天空率検討用の画面(パレット画面)であり、画面上部のメニュー欄に、例えば「ホーム」、「作成」、「削除」、「天空率作成」、「領域指定」、「領域削除」等のボタン配置されている。
「ホーム」ボタンは、図示しないホーム画面を表示するためのボタンである。「作成」ボタンは、天空率の検討を始めるにあたり、検討対象の建築物の3Dモデルを読み出すためのボタンである。「削除」ボタンは、読み出した3Dモデルを削除するためのボタンである。「天空率作成」ボタンは、3Dモデルの天空率作成処理を実行するためのトリガとなるボタンである。「領域指定」ボタンは、天空図の中から加工候補領域を指定するためのボタンである。「領域削除」ボタンは、指定した加工候補領域を削除するためのボタンである。
【0044】
図6に、処理対象の計画建築物61の3Dモデルと平面図を示す。
図6(A)には、処理対象の計画建築物61の3Dモデルと、敷地内の制限領域62とが示されている。図6(B)には、図6(A)の計画建築物61と制限領域62の平面図が示されている。
【0045】
図7は、図2及び図3に示すサーバの表示制御によりユーザ端末に表示される天空率算定領域の一例を示す図である。
ここで、天空率検討のため、ユーザにより適合建築物の表示操作が行われると、図7に示すように、計画建築物61と適合建築物64とが重畳した3Dモデル(図7(A))と平面図(図7(B))とがユーザ端末2に表示される。ユーザ端末2の3Dモデルと平面の夫々には、測定点63が表示される。測定点63は、天空率を算定するポイントであり、例えば「1」乃至「14」等の複数の測定点が存在する。
適合建築物64は、所定土地で斜線制限に適合する仮想的な建築物の領域を示すものである。
【0046】
図8は、図2及び図3に示すサーバの表示制御によりユーザ端末に表示される天空率算定結果の一例を示す図である。
ここで、ユーザにより、天空率計算の操作が行われると、天空率作成部203により計算天空率の計算が実行されて、指標を満たしているか否かの判定結果としての天空率算定結果が、図8に示す平面図(図8(A))と天空率算定画面65(図8(B))とでユーザ端末2に表示(提示)される。
【0047】
図8(B)に示す天空率算定画面65には、測定点「1」乃至「14」の夫々の空率算定結果が表示される。
天空率算定画面65において、例えば破線66の部位の測定点「7」、「8」の「計-適」欄の数値が共に「-0.055」、「判定」欄の記号「×」等が表示されている。
「計-適」欄の数値は、計画建築物61の天空率(対象天空率)から指標に適合する適合建築物64の天空率(基準天空率)を差し引いた数値であり、0.0000(閾値)以上になれば適合と言える。従って、2つの測定点「7」、「8」の天空率算定結果については、基準天空率を満たしていないことが分かる。このため、計画建築物61の形状(形態)を検証する必要がある。
【0048】
そこで、ユーザにより、図5に示した天空率計算定規画面51の「天空図作成」ボタンが押下操作されると、受付部201は、当該ボタンの操作を受け付けて、天空図作成部203に対して天空図作成処理を実行するよう指示する。これにより、天空図作成部203は、指定された測定点(例えば測定点「7」等)を起点とする天空図の作成処理を実行し、ユーザ端末2の画面に、図9に示す天空図71を表示する。
図9は、図2及び図3に示すサーバの表示制御によりユーザ端末に表示される検討用の天空図の一例を示す図である。
【0049】
天空図とは、測定点と建築物の端部を結んだ際に発生する仮想半球上の点を垂直に円形の水平投影面(東西南北の方向指標あり)に描くことによる正射影投影法にて作図した平面図である。水平投影面の面積から建築物投影面積を引いた割合で天空率(空の見える割合)を求めることができる。
図9に示す天空図71には、適合建築物64が占める領域73と、計画建築物61が占める領域72とが重畳して表示されているので、ユーザは、互いの差分の部位が視覚的に分る。この例では、領域72を削る必要があることが分る。
【0050】
図10は、図9の天空図上で切削領域を指定する操作と切削領域の天空率の表示例を示す図である。
ユーザが、天空図71により領域72、73の差異を確認した後、図10に示す天空率計算定規画面51の「領域指定」ボタンを押下操作すると、天空図作成部203は、編集機能をアクティブ(編集可能)にして、天空図71において加工候補領域(切削領域又は盛付領域)をユーザが指定することができるようになる。
ここで、ユーザが、計画建築物61の領域72から削れそうな領域を、天空図71上で切削領域74として指定すると、天空率計算定規画面51の「領域1」の欄52に切削領域74の天空率が表示される。この例では、例えば「0.92%」等と表示される。
【0051】
図11は、図10の操作により指定された切削領域が反映された3Dモデルを示す図である。
天空図71上で指定した切削領域74は、3Dモデルや平面図にも反映されるため、図11に示す3Dモデルの表示画面において、切削領域74に対応する切削部位81と、測定点63を起点とする切削投影領域82とが計画建築物61及び適合建築物64に重畳して表示される。
計画建築物61の領域72の中の切削部位81は、領域72とは異なる色で表示されるので、2つの建築物(計画建築物61及び適合建築物64)が重畳した3Dモデルの表示状態での切削部位81の形状も確認することができる。
【0052】
これにより、ユーザは、指定した切削領域74を平面図や3Dモデルを閲覧しながら計画建築物61の形状と照らし合わせて変更部分を検討することができる。
具体的には、天空図71で指定した切削領域74が、平面図や3Dモデルで表示されるので、どこを削ればよいのか視覚的に確認することができる。
また、このような自由な形状で加工候補領域を指定して計画建築物の変更か所を検討できるようになることで、設計の自由度が増し、利便性の向上に寄与することができる。
【0053】
図12は、加工後の計画建築物の3Dモデルと平面図の表示例を示す図である。
上記検討の結果、ユーザが確定操作を行うことで、計画建築物61の領域72から切削領域74が削られた加工後の状態の計画建築物61a(図12参照)が表示されると共に、そのCADデータが3Dモデル作成部202により作成され、設計DB40に保存される。
【0054】
図13は、図12の加工後の計画建築物に対して天空率を再計算した天空率算定結果の表示例を示す図である。
加工後の計画建築物61aに対して、天空率を再計算する場合、ユーザにより、天空率計算の操作が行われると、天空率作成部203により計算天空率の計算が実行されて、指標を満たしているか否かの判定結果としての天空率算定結果が、図13(A)に示す天空率算定画面65と、天空図71とがユーザ端末2に表示(提示)される。
図13(A)に示す天空率算定画面65には、測定点「1」乃至「14」の夫々の空率算定結果が表示される。
今回の天空率算定画面65の、例えば破線66の部位の測定点「7」の「計-適」欄の数値は「0.869」、「判定」欄の記号「〇」が表示されている。また測定点「8」の「計-適」欄の数値は「0.708」、「判定」欄の記号「〇」が表示されている。
「計-適」欄の数値は、0.0000(閾値)以上になれば適合とされるため、2つの測定点「7」、「8」の天空率算定結果については、基準天空率を満たしていることが分かる。
また、天空図71上に表示される加工後の計画建築物61aの領域72は、切削領域74の部位だけが削られた状態となっており、天空率算定結果が優利になっていることが分かる。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0056】
上述の実施形態では、天空率算定結果を数値「-0.XXX」と、記号「×」、「〇」等で表示したが、天空率算定結果の表示形態は、これに限定されず、様々な表示形態であってもよく、実施形態の例のみに限定されない。
【0057】
また、図4に示した機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に図4の例に限定されない。
【0058】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図4に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0059】
各機能ブロック及びデータベースの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0060】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0061】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明の一態様の情報処理装置(例えば図3のサーバ1等)は、
所定土地で斜線制限に適合する指標建築物の3Dモデル(例えば図9の適合建築物64等)と、当該所定土地に建築される対象の対象建築物の3Dモデル(例えば図9の計画建築物61等)とを重畳させて表示させる制御を実行する第1表示制御手段(例えば図3の3Dモデル作成部202等)と、
天空図(例えば図9の天空図71等)に対して、前記指標建築物が占める指標領域(例えば図9の領域73等)と、前記対象建築物が占める対象領域(例えば図9の領域72等)とを重畳表示させる制御を実行する第2表示制御手段(例えば図3の天空図作成部203等)と、
前記指標建築物の天空率を基準天空率とし、前記対象建築物の天空率を対象天空率として、前記基準天空率と前記対象天空率の差分を差分天空率(例えば図8の天空率算定画面65の測定点「7」の「計-適」欄の数値「-0.055」、「判定」欄の記号「×」等)として表示させる制御を実行する第3表示制御手段(例えば図3の天空率算定部204等)と、
前記第2表示制御手段(例えば図3の天空図作成部203等)の制御により表示されている前記対象領域(例えば図10の領域72等)の中から、天空率を変更(増加又は減少)させるための加工の候補となる領域を加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)として指定する操作を受け付ける加工候補受付手段(例えば図3の受付部201等)と、
を備え、
前記加工候補受付手段(例えば図3の受付部201等)により前記加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)の指定が受け付けられた場合、
前記第1表示制御手段(例えば図3の3Dモデル作成部202等)は、前記対象建築物に対して、前記加工候補領域に対応する部分が加工された3Dモデルを、加工後対象建築物の3Dモデル(例えば図12(A)の計画建築物61a等)として表示させる制御を実行し、
前記第3表示制御手段(例えば図3の天空率算定部204等)は、前記加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)に対応する部分が加工された前記対象建築物の天空率を加工後対象天空率として、前記基準天空率と前記加工後対象天空率との差分を加工後差分天空率(例えば図13(A)の天空率算定画面65の破線66の領域(測定点「7」の「計-適」欄の数値「0.869」、「判定」欄の記号「〇」等))として表示させる制御を実行する。
このように、ユーザ端末(例えば図3のユーザ端末2等)に、指標建築物の3Dモデル(例えば図9の指標建築物64等)と、当該所定土地に建築される対象の対象建築物の3Dモデル(例えば図9の計画建築物61等)とを重畳させて表示させて、天空図(例えば図9の天空図71等)に対して、指標建築物が占める指標領域(例えば図9の領域73等)と、対象建築物が占める対象領域(例えば図9の領域72等)とを重畳表示させる制御を実行し、対象建築物の天空率を対象天空率として、基準天空率と対象天空率の差分を差分天空率として表示させる制御を実行する。そして、ユーザ端末の画面に表示されている対象領域(例えば図10の領域72等)の中から、天空率を変更(増加又は減少)させるための加工の候補となる領域を加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)として指定する操作が受け付けられた場合、対象建築物に対して、加工候補領域に対応する部分が加工された3Dモデルを、加工後対象建築物の3Dモデル(例えば図12(A)の計画建築物61a等)として表示させる制御を実行し、加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)に対応する部分が加工された対象建築物の天空率を加工後対象天空率として、基準天空率と加工後対象天空率との差分を加工後差分天空率(例えば図13(A)の天空率算定画面65の破線66の領域等)として表示させる制御を実行するので、ユーザは、加工後対象天空率の値が良くなるように天空図上で加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)を指定操作することで、天空率の基準(指標)に適合する対象建築物(例えば計画建築物等)を容易に計画(設計)することができる。
即ち、建築物の3Dモデルに対する天空図から加工候補領域を指定可能とし、指定された加工候補領域の加工(削る、盛る等をして修正したか所)を3Dモデルに反映する機能を提供することができる。
【0062】
上記情報処理装置(例えば図3のサーバ1等)において、
前記加工候補受付手段(例えば図3の受付部201等)は、前記加工候補領域として、前記対象領域(例えば図10の領域72等)の中から切削領域(例えば図10の切削領域74等)の指定を受け付け、
前記第1表示制御手段(例えば図3の3Dモデル作成部202等)は、前記対象建築物に対して、前記切削領域(例えば図10の切削領域74等)に対応する部分が削られた3Dモデルを、切削後対象建築物の3Dモデル(例えば図12の計画建築物61a等)として表示させる制御を実行し、
前記第3表示制御手段(例えば図3の天空率算定部204等)は、前記切削領域(例えば図10の切削領域74等)に対応する部分が削られた前記対象建築物の天空率を切削後対象天空率として、前記基準天空率から前記切削後対象天空率を減算した比率を切削後差分天空率(例えば図13(A)の天空率算定画面65の破線66の領域(測定点「7」の「計-適」欄の数値「0.869」等))として表示させる制御を実行する。
このように、ユーザは、加工後対象天空率の値が良くなるように天空図上で切削領域を指定操作するだけで、天空率の基準に適合する対象建築物(例えば計画建築物等)を容易に計画(設計)することができる。
【0063】
本発明の一態様の情報処理方法は、
情報処理装置(例えば図3のサーバ1等)が実行する情報処理方法において、
所定土地で斜線制限に適合する指標建築物の3Dモデル(例えば図9の指標建築物64等)と、当該所定土地に建築される対象の対象建築物の3Dモデル(例えば図9の計画建築物61等)とを重畳させて表示させる制御を実行する第1表示制御ステップ(例えば図4の第1表示制御ステップS11等)と、
天空図(例えば図9の天空図71等)に対して、前記指標建築物が占める指標領域(例えば図9の領域73等)と、前記対象建築物が占める対象領域(例えば図9の領域72等)とを重畳表示させる制御を実行する第2表示制御ステップ(例えば図4の第2表示制御ステップS12等)と、
前記指標建築物の天空率を基準天空率とし、前記対象建築物の天空率を対象天空率として、前記基準天空率と前記対象天空率の差分を差分天空率(例えば図8の天空率算定画面の測定点「7」の「計-適」欄の数値「-0.055」、「判定」欄の記号「×」等)として表示させる制御を実行する第3表示制御ステップ(例えば図4の第3表示制御ステップS13等)と、
前記第2表示制御ステップ(例えば図4の第2表示制御ステップS12等)における制御により表示されている前記対象領域(例えば図10の領域72等)の中から、天空率を変更させるための加工の候補となる領域を加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)として指定する操作を受け付ける加工候補受付ステップ(例えば図4の加工候補受付ステップS14等)と、
を含み、
前記加工候補受付ステップ(例えば図4の加工候補受付ステップS14等)において前記加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)の指定が受け付けられた場合のステップとして、
前記第1表示制御ステップ(例えば図4の第1表示制御ステップS11等)は、前記対象建築物に対して、前記加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)に対応する部分が加工された3Dモデルを、加工後対象建築物の3Dモデル(例えば図12(A)の計画建築物61a等)として表示させる制御を実行するステップ(例えば図4のステップS15等)を含み、
前記第3表示制御ステップ(例えば図4の第3表示制御ステップS13等)は、前記加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)に対応する部分が加工された前記対象建築物の天空率を加工後対象天空率として、前記基準天空率と前記加工後対象天空率との差分を加工後差分天空率(例えば図13(A)の天空率算定画面65の破線66の領域(測定点「7」の「計-適」欄の数値「0.869」、「判定」欄の記号「〇」等))として表示させる制御を実行するステップ(例えば図4のステップS16等)を含む。
これにより、ユーザは、加工後対象天空率の値が良くなるように天空図上で加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)を指定操作することで、天空率の基準(指標)に適合する対象建築物(例えば計画建築物等)を容易に計画(設計)することができる。
【0064】
本発明の一態様のプログラムは、
コンピュータに、
所定土地で斜線制限に適合する指標建築物の3Dモデル(例えば図9の指標建築物64等)と、当該所定土地に建築される対象の対象建築物の3Dモデル(例えば図9の計画建築物61等)とを重畳させて表示させる制御を実行する第1表示制御ステップ(例えば図4の第1表示制御ステップS11等)と、
天空図(例えば図9の天空図71等)に対して、前記指標建築物が占める指標領域(例えば図9の領域73等)と、前記対象建築物が占める対象領域(例えば図9の領域72等)とを重畳表示させる制御を実行する第2表示制御ステップ(例えば図4の第2表示制御ステップS12等)と、
前記指標建築物の天空率を基準天空率とし、前記対象建築物の天空率を対象天空率として、前記基準天空率と前記対象天空率の差分を差分天空率(例えば図8の天空率算定画面の測定点「7」の「計-適」欄の数値「-0.055」、「判定」欄の記号「×」等)として表示させる制御を実行する第3表示制御ステップ(例えば図4の第3表示制御ステップS13等)と、
前記第2表示制御ステップ(例えば図4の第2表示制御ステップS12等)における制御により表示されている前記対象領域(例えば図10の領域72等)の中から、天空率を変更させるための加工の候補となる領域を加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)として指定する操作を受け付ける加工候補受付ステップ(例えば図4の加工候補受付ステップS14等)と、
を含み、
前記加工候補受付ステップ(例えば図4の加工候補受付ステップS14等)において前記加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)の指定が受け付けられた場合のステップとして、
前記第1表示制御ステップ(例えば図4の第1表示制御ステップS11等)は、前記対象建築物に対して、前記加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)に対応する部分が加工された3Dモデルを、加工後対象建築物の3Dモデル(例えば図12(A)の計画建築物61a等)として表示させる制御を実行するステップ(例えば図4のステップS15等)を含み、
前記第3表示制御ステップ(例えば図4の第3表示制御ステップS13等)は、前記加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)に対応する部分が加工された前記対象建築物の天空率を加工後対象天空率として、前記基準天空率と前記加工後対象天空率との差分を加工後差分天空率(例えば図13(A)の天空率算定画面65の破線66の領域(測定点「7」の「計-適」欄の数値「0.869」、「判定」欄の記号「〇」等))として表示させる制御を実行するステップ(例えば図4のステップS16等)を含む制御処理を実行させる。
これにより、ユーザは、加工後対象天空率の値が良くなるように天空図上で加工候補領域(例えば図10の切削領域74等)を指定操作することで、天空率の基準(指標)に適合する対象建築物(例えば計画建築物等)を容易に計画(設計)することができる。
【符号の説明】
【0065】
1・・・サーバ、2・・・ユーザ端末、11・・・CPU、18・・・記憶部、19・・・通信部、201・・・受付部、202・・・3Dモデル作成部、203・・・天空図作成部、204・・・天空率算定部
図1
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