(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093835
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】ケラチン含有粉体を用いた製造方法および製造システム、ケラチン含有粉体製造方法ならびに熱硬化成形体
(51)【国際特許分類】
C08J 3/12 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
C08J3/12 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210425
(22)【出願日】2022-12-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】521426545
【氏名又は名称】株式会社リファインバースグループ
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】黒石 景友
(72)【発明者】
【氏名】山本 傑
(72)【発明者】
【氏名】木村 陸
【テーマコード(参考)】
4F070
【Fターム(参考)】
4F070AA62
4F070DA41
4F070DA45
(57)【要約】
【課題】ケラチン含有成形体の生産性を向上させること。
【解決手段】羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水またはアルカリ水によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、を含む製造方法を用いてケラチン含有成形体を製造する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または加熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給装置と、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕装置と、
前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する成形装置と、
を備えた製造システム。
【請求項2】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または加熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法。
【請求項3】
前記ケラチン含有粉体に水を混合する混合ステップをさらに有し、
前記生成ステップは、前記混合ステップで水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱圧縮して、熱硬化成形体を生成する請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記混合ステップでは、水を混合した前記ケラチン含有粉体に、さらに木質チップ、木質粉、卵殻および化学繊維から選択された物質を混合し、
前記生成ステップでは、前記混合ステップで前記物質および水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱圧縮して、複合成形体を生成する請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記ケラチン含有粉体にプラスチックまたはゴムを混合する混合ステップをさらに有し、
前記生成ステップは、前記混合ステップでプラスチックまたはゴムを混合した前記ケラチン含有粉体を溶融混練して、複合難燃成形体を生成する請求項2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記生成ステップは、
前記ケラチン含有粉体を対象物に付着させて造粒する造粒ステップと、
前記造粒ステップで製造された粒状材をスチーム加熱して、生分解性被覆物質を生成する生分解性被覆物質生成ステップと、
を含む請求項2に記載の製造方法。
【請求項7】
カプセル
前記生成ステップにおいて、前記成形体として、カプセル形状の成形体を生成し、前記カプセル形状の成形体の内部に対象物を収容して、生分解性被覆物質を生成する請求項2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記対象物は顆粒状に造粒された肥料であって、前記生成ステップは、生分解性被覆肥料を生成する請求項6または7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記供給ステップは、羽毛を加圧蒸製し、乾燥させたフェザーミールを前記小片材料として供給するステップである請求項2に記載の製造方法。
【請求項10】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または加熱水蒸気によって前処理を行う前処理ステップと、
前記前処理を経た材料を高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、50~300μmのケラチン含有粉体を製造する微粉砕ステップと、
を含むケラチン含有粉体製造方法。
【請求項11】
前記微粉砕ステップの前後どちらかで、添加物を加えて流動性を上げるステップを更に含む請求項10に記載のケラチン含有粉体製造方法。
【請求項12】
前記ケラチン含有粉体に対して過酸化水素水を用いて洗浄を行う洗浄ステップをさらに備えた請求項10に記載のケラチン含有粉体製造方法。
【請求項13】
請求項2に記載の製造方法で製造された熱硬化成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン含有粉体を用いた製造方法および製造システム、ケラチン含有粉体製造方法ならびに熱硬化成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1、2には、羽毛などを用いて成形体を製造する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6252944号公報
【特許文献2】特許第6494985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、羽毛等に前処理を行わずに機械力で500μm以下に粉砕していた。前処理を行わないため、粉砕が困難でありボールミルまたはジェットミルを用いる必要があり、生産効率が低かった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るシステムは、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または加熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給装置と、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕装置と、
前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する成形装置と、
を備えた製造システムである。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または加熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法である。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る他の方法は、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または加熱水蒸気によって前処理を行う前処理ステップと、
前記前処理を経た材料を高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、50~300μmのケラチン含有粉体を製造する微粉砕ステップと、
を含むケラチン含有粉体製造方法である。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る熱硬化成形体は、上記のシステムまたは方法を用いて製造された熱硬化成形体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ケラチン含有成形体の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る製造方法の流れを示すフローチャートである。
【
図2】第2実施形態に係る製造システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】第2実施形態に係る製造方法の流れを示すフローチャートである。
【
図4】第3実施形態に係る製造方法の流れを示すフローチャートである。
【
図5】第4実施形態に係る製造方法の流れを示すフローチャートである。
【
図6】第5実施形態に係る製造方法の流れを示すフローチャートである。
【
図7】第6実施形態に係る製造方法の流れを示すフローチャートである。
【
図8】第7実施形態に係る製造方法の流れを示すフローチャートである。
【
図9】第8実施形態に係る製造方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての製造方法について、
図1を用いて説明する。本実施形態の製造法は、材料供給ステップS101と、微粉砕ステップS102と、生成ステップS103とを含む。
【0014】
材料供給ステップS101では、羽根、羽毛、羊毛または獣毛111に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理112を行った上で回転型剪断粉砕機113を用いて粗粉砕された小片材料114を供給する。
【0015】
微粉砕ステップS102では、供給された小片材料114を、さらに、高速微粉砕機121を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体122を製造する。
【0016】
生成ステップS103では、ケラチン含有粉体122を加熱して、成形体131を生成する。
【0017】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について、
図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る製造システム200の概略を説明するための図である。
【0018】
製造システム200は、養鶏業などにおいて排出される羽毛・羽根を原料とするバイオプラスチックを製造する。製造結果物は、羽毛の主成分である"天然高子ケラチン"を特定条件下で加工したケラチン樹脂であり、合成樹脂を全く含まない。従来の熱硬化性合成樹脂の代替となるものである。鶏羽由来のケラチン樹脂は、水を架橋剤として利用するクリーンな樹脂化機構を有し、VOC(揮発性有機化合物)フリーで、リサイクル可能な熱硬化性樹脂となる。また、ケラチンに由来する難燃性、生分解性を有している。なお、鶏羽毛以外の様々な廃棄物(羊毛繊維くず、布団ダウンジャケットなど)を原料としても同様にケラチン樹脂を生成することができる。
【0019】
実際には、年間100,000t以上の鶏羽が食肉加工場で脱毛、回収されている。このうち、レンダリング工場で加圧蒸製・乾燥・粉砕・分級されてフェザーミールとして肥料用途および飼料用途で利用されているのは、20,000t程度である。
【0020】
一方、羽毛布団(国内販売量:年間400万枚、羽毛換算約4,000t)等の羽毛製品に使用される羽毛(フェザー、スモールフェザー、ダウン)のうち、フェザーは廃棄、焼却処分されている。
【0021】
本実施形態では、
図2に示すように、鶏羽210、または、廃棄フェザー220を原料とするフェザーミールを微粉砕して得られた小片材料230を製造システム200で加熱加工する。これにより、ケラチンに由来する難燃性、生分解性を備えた熱硬化性樹脂成形体(バイオプラスチック)240を製造する。
【0022】
製造システム200は、供給装置201と、粉砕装置202と、成形装置203とを備える。
【0023】
供給装置201は、羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水またはアルカリ水によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機(フェザーミル)を用いて粗粉砕された小片材料230を粉砕装置202に供給する。
【0024】
粉砕装置202は、小片材料230を、さらに、回転する円盤に設けられた複数のピンにぶつかる衝撃で粉砕するピンミルまたは、ローラーによる圧力で粉砕するローラーミル等の高速微粉砕機を用いて微粉砕し、5~300μmのケラチン含有粉体を製造する。高速微粉砕機により200kg/時の処理が可能となる。ピンミル&ローラーミルは、装置のサイズにより、さらに処理量の増大が可能である。一方で、特許文献に記載されたジェットミルは、最大のサイズでも、200kg/hは処理できない。その他の粉砕方法として、ボールミルやビーズミル、マスコロイダー(石臼式粉砕機)があるが、処理能力不足や、湿式の粉砕方法のため、追加で乾燥工程が必要になってしまう。
【0025】
成形装置203は、ケラチン含有粉体を加熱して、ケラチン樹脂の成形体240を生成する。
【0026】
供給装置201が供給する小片材料は、鶏由来(ブロイラー・地鶏・採卵鶏)、水鳥由来、使用済み羽毛製品由来のフェザーミールでもよい。
【0027】
粉砕装置202としては、例えば、竪型ローラミルを用いることもできる。
【0028】
成形装置203は、ケラチン含有粉体に水を混合して、圧縮成形機等により加熱圧縮(1MPa以上、90℃~180℃、2分以上)して熱硬化成形体を生成してもよい。成形装置203は、例えば90℃、22MPa、5分で成形することもできるし、または120℃、5MPa、15分で成形を行ってもよい。
【0029】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛の粉砕されにくさは、主成分であるタンパク質ケラチン中の硫黄結合(ジスルフィド結合:ーS-Sー)に由来する。そこで、前処理としての高温高圧水またはアルカリ水を用いた加水分解工程でジスルフィド結合を切断することで、その後の微粉砕を容易にする。すなわち、供給装置201で供給される小片材料は、前処理としての脱硫処理を経たものである。脱硫処理を経た材料を用いることにより、ピンミル、ローラミル、ハンマーミルなどの簡易な微粉砕機を利用して粒径を0.1mm以下にする微粉砕工程が可能となり、前処理をしない場合に比べ、最終的にケラチン樹脂の生産性が顕著に高くなる。具体的には、羽根、羽毛、羊毛または獣毛を100℃~150℃、時間:10分~24時間で水分量10%未満まで乾燥(減圧)させる。例えば、羽根を130℃で減圧乾燥し、水分量5%以下にしたり、110℃で16時間乾燥させるなどの方法がある。
【0030】
乾燥した鶏羽は、回転型剪断粉砕機(フェザーミル)を用いて粗粉砕され、φ10mm以下に分級される。あるいは、φ2~3mmのスクリーンで分級してもよい。
【0031】
図3は、フェザーミールを用いた場合の処理の流れを説明するフローチャートである。ステップS301において製造システム200に脱硫処理を経たフェザーミールを供給する。フェザーミールは、空気輸送、コンベヤ等を用いて製造システムに供給される。例えば、粉砕機が200kg/時の容量を持つ場合、空気輸送・コンベヤはそれと同等もしくはそれ以上の搬送容量を持ったものが選定されるが、空気輸送、コンベヤから微粉砕機に供給する間に、貯留設備を設けて、搬送容量を200kg/時以下としてもよい。もしくは、フレコン等の容器に貯蔵したフェザーミールを、フォークリフトなどの重機によって、システム200に供給してもよい。その場合、重機の作業負荷を低減するために、粉砕機の容量に応じて貯留設備を設け、その貯留設備から空気輸送やコンベヤ等により粉砕機に供給する設備を設けてもよい。
【0032】
ステップS301において、フェザーミールの脱臭処理を行ってもよい。具体的には、過酸化水素水・次亜塩素酸ナトリウムなど酸化剤となる水溶液を噴霧する、もしくはこれらの水溶液にフェザーミールを浸漬し、脱臭する。なお、脱臭されたフェザーミールを、空気、加熱空気、乾燥空気、過熱水蒸気などにより乾燥してもよい。
【0033】
次にステップS303において、ローラミル、ピンミル、ハンマミルなどを用いて微粉砕および分級を行う。分級は、500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは100μm以下のケラチン含有粉体を抽出する。
【0034】
次に、ステップS305において、ケラチン含有粉体100質量部に対し、純水を5~150質量部添加する。また、必要に応じ、ケラチン含有粉体100質量部に対し、10質量部以下の界面活性剤または親水化剤を添加する。好ましくは、ケラチン含有粉体100質量部に対し、水5~100質量部を添加する。水分量が少ないと、成形時の硬化が進行せず、多すぎると成形体の外観が悪くなる。界面活性剤または親水化剤の添加により、ケラチン含有粉体と水の親和性が向上し、硬化が進行しやすくなる。
【0035】
次にステップS307において、成形を行う。成形方法としては、圧縮成形、トランスファー成形などを採用できる。90~180℃において、1MPa~30MPaの圧力を2分以上加えることにより高品質な成形体を製造できる。好ましくは、90℃~150℃の温度で、1MPa~22MPaの圧力を5分~30分加えて、圧縮成形を行う。
【0036】
ケラチン含有粉体内のシスチンが、水存在下で加熱されることで水熱反応を生じ、反応性の高いデヒドロアラニンを生成し、デヒドロアラニンがケラチン中で他のアミノ酸残基と架橋反応を生じ、硬化が進行する。その後、室温~180℃で乾燥させて、成形体が完成する。
【0037】
ステップS307では、ステップS305を経たケラチン含有粉体を還元剤および可塑剤と共に、押出機にて熱処理して可塑化してもよい。押出成形や射出成形の加工方法が適用可能である。成形物は、土壌・海洋での生分解性を保有する。ここで添加剤の種類や成形条件により着色を抑制することが可能(着色はたんぱく質の分解、変性に由来)となる。
【0038】
以上、本実施形態によれば、生産性の高いケラチン樹脂成形体を得ることができる。本実施の形態によって製造されたケラチン樹脂成形体は、熱硬化性樹脂としての硬度、機械強度、難燃性、生分解性、高いリサイクル性などを実現する。特に原料としてフェザーミールを選択したことにより、生産効率の向上を図ることができる。
【0039】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る製造方法について、
図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態に係る製造方法を説明するためのフローチャートである。本実施形態に係る製造方法は、上記第2実施形態と比べると、添加物を配合して成形する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0040】
ステップS405において、スラリー調製を行う。具体的には、ケラチン含有粉体100質量部に対し、純水を150質量部以上加え、さらに界面活性剤および防腐剤をそれぞれ10質量部以下となるように添加し、遊星ボールミル、湿式ビーズミル、マスコロイダー、ホモミキサー、ホモジナイザーなどを用いて混合する。好ましくは、ケラチン含有粉体100質量部に対し、200~670質量部の水と、3.2質量部の界面活性剤と、2.3質量部の防腐剤とを添加し、遊星ボールミルで5分間混合すればよい。同様の組成(ケラチン有粉体、水、添加剤量)で、ペイントミキサ―あるいは撹拌羽根で混合してもよい。
【0041】
このように、ステップS405で添加物を加えた場合、ステップS407では、90℃-180℃、1MPa~30MPaにおいて2分以上圧縮成形またはトランスファー成形を行うことが好ましい。あるいは、120℃~150℃、5~22MPaにおいて5~15分の圧縮成形を行うことがより好ましい。これにより、ケラチン樹脂を含む複合成形体が実現できる。
【0042】
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態に係る製造方法について、
図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態に係る製造方法を説明するためのフローチャートである。本実施形態に係る製造方法は、上記第2実施形態と比べると、フィラーまたは繊維を混合して成形する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0043】
ステップS505においては、平均粒径100μm以下に粉砕したケラチン含有粉体と水を混合したスラリーに、さらにフィラーまたは繊維を混合する。この場合、5質量部以上のケラチン含有粉体に対して、95質量部以下の繊維またはフィラーを混合する。好ましくは、固形分30wt%のケラチン含有粉体スラリー6.7g(ケラチン含有粉体として2g)に対して、廃棄カーペットタイルから抽出したリサイクルプラスチック繊維または木質チップまたは木粉などを8g加え、遊星ボールミルまたは乳鉢にて混合する。その他、リサイクル繊維羽毛粉および界面活性剤を含む水分散体(スラリー)を調製し、木質チップ(>0.3mm)、木質粉(<0.3mm)、卵殻、化学繊維などと混合の上、加熱加圧下で成形してもよい。これにより難燃性の高い木質ボードなどを実現できる。
フィラーとして、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、金属粉、金属繊維、金属箔などを用いれば、導電性の高い成形体を実現できる。フィラーとして、ガラス繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウムを用いれば、強度の高い成形体を実現できる。フィラーとして、各種磁性材料、各種フェライト系、磁性酸化鉄を用いれば、磁性の高い成形体を実現できる。フィラーとして、Al2O3(アルミナ)、AlN、BN、BeOを用いれば、熱伝導性の高い成形体を実現できる。フィラーとして、マイカ、黒鉛、炭素繊維、フェライトを用いれば、制振性の高い成形体を実現できる。フィラーとして、鉄粉、鉛粉、硫酸バリウムを用いれば、遮音性の高い成形体を実現できる。フィラーとして、黒鉛、六方晶BN、硫化モリブデン、テフロン(登録商標)粉、タルクを用いれば、摺動性の高い成形体を実現できる。
【0044】
フィラーとして、ガラスバルーン、シラスバルーンなどのバルーン系を用いれば、断熱性軽量性の高い成形体を実現できる。フィラーとして、酸化チタン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、アルミ粉、マイカを用いれば、光反射、光散乱の高い成形体を実現できる。フィラーとして、酸化アンチモン、水酸化アルミ、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛を用いれば、難燃性の高い成形体を実現できる。フィラーとして、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄を用いれば、紫外線耐性の高い成形体を実現できる。フィラーとして、高分子ゲル、酸化カルシウム、酸化マグネシウムを用いれば、吸水性の高い成形体を実現できる。また、シランカップリング剤等のオルガノシロキサンを添加することにより、耐水性や摺動性の向上が実現できる。なお、他の実施形態において、耐水性、摺動性を向上させるためシランカップリング剤の添加を行ってもよい。
【0045】
[第5実施形態]
次に本発明の第5実施形態に係る製造方法について、
図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態に係る製造方法を説明するためのフローチャートである。本実施形態に係る製造方法は、上記第2実施形態と比べると、プラスチックまたはゴムを混合して成形する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0046】
ステップS605においては、平均粒径100μm以下に粉砕したケラチン含有粉体と水を混合したスラリーに、さらにプラスチックまたはゴムを混合する。この場合、5質量部以上のケラチン含有粉体に対して、95質量部以下のプラスチックまたはゴムを混合する。ステップS607で、溶融混練して、複合難燃成形体を生成する。ケラチンは、硫黄を含むアミノ酸シスチンを含有するため、加硫ゴムに対して、補強効果を発現する。その場合は、添加量は0.1質量部以上となる。
【0047】
[第6実施形態]
次に本発明の第6実施形態に係る製造方法について、
図7を用いて説明する。
図7は、本実施形態に係る製造方法を説明するためのフローチャートである。本実施形態に係る製造方法は、上記第2実施形態と比べると、ケラチン含有粉体を生分解性被覆材として使用する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0048】
ステップS705においては、ケラチン含有粉体を対象物に付着させて造粒造粒する。そしてステップS707において、造粒ステップで製造された粒状材をスチーム加熱して、生分解性被覆物質を生成する。
【0049】
本実施形態によれば、非常に生産性の高い生分解性被覆物質を提供することができる。
【0050】
[第7実施形態]
次に本発明の第7実施形態に係る製造方法について、
図8を用いて説明する。
図8は、本実施形態に係る製造方法を説明するためのフローチャートである。本実施形態に係る製造方法は、上記第2実施形態と比べると、ケラチン含有粉体をカプセル化する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0051】
ステップS807において、成形体として、カプセル形状の成形体を生成し、ステップS809において、カプセル形状のケラチン含有成形体の内部に対象物を収容して、生分解性被覆物質を生成する。例えば、カプセル形状のケラチン含有成形体の内部に肥料(例えば顆粒状に造粒された肥料)を収容すれば、生分解性被覆肥料を製造することが可能となる。
【0052】
[第8実施形態]
次に本発明の第8実施形態に係る製造方法について、
図9を用いて説明する。
図9は、本実施形態に係る製造方法を説明するためのフローチャートである。本実施形態に係る製造方法は、上記第2実施形態と比べると、羽毛自体を原料とする点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0053】
図9に示すように、食肉処理工場における脱毛工程で排出された羽根および羽毛や、羽毛布団やダウンジャケットなどから取り出した羽毛や獣毛などを供給し(S901)、高温高圧水(好ましくは亜臨界水)またはアルカリ水で前処理し(S903)、乾燥後に(S905)粗粉砕・分級を行う(S907、S909)。粗粉砕は、軽量な羽毛や獣毛といったケラチン素材を、サイクロンで吸引しながら、せん断により粉砕する機構を持った粉砕機によってによって行い、10mm以下の小片にする。
【0054】
前処理で加熱水蒸気及び重曹を使えば、ステップS907,909なしで、微粉砕可能である。つまり、その場合には、前処理ステップと微粉砕ステップのみのケラチン含有粉体製造方法が本発明の概念に含まれる。具体的には、前処理ステップで、羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、加熱水蒸気及び重曹を用いて前処理を行う。具体的には、5%の重曹水溶液を調整し、羽毛に噴霧あるいは浸漬させた。続いて、過熱水蒸気により180℃で20分間処理することで、前処理を行った。重曹以外でも弱アルカリ性の溶液の利用が可能である。
【0055】
そして、微粉砕ステップでは、前処理を経た材料を高速微粉砕機(ピンミル(ピンがついたものが回転→衝撃で粉砕)またはローラーミル(圧力で粉砕))を用いて微粉砕し、50~300μmのケラチン含有粉体を製造する
【0056】
なお、微粉砕ステップの前後どちらかで、添加物(油脂やシリカ)を加えてもよい。これにより、ケラチン含有粉体の流動性が向上し、粉砕機内での粉体の固着防止や、成形時の粉体流動性が向上する。
【0057】
更には、ケラチン含有粉体に対して過酸化水素水を用いて洗浄を行う洗浄ステップをさらに行っても良い。これにより、粉体の脱臭が可能となる。
【0058】
その後の処理S303~S307は、第2実施形態で説明した通りである。前処理を行うため、生産性の高いケラチン含有成形体を得ることが可能となる。
【0059】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0060】
例えば、粉砕フェザーミールに添加剤を配合して接着剤を生成し、その接着剤を用いて木質繊維複合板や複合吸音材を製造してもよい。VOCフリー、リサイクル性、難燃性、天然由来などの性質を持った木質繊維複合板や複合吸音材を提供できる。
【0061】
また例えば、粉砕フェザーミールに添加剤を配合して発泡体を生成し、発泡断熱材や発泡吸音材を製造してもよい。VOCフリー、リサイクル性、難燃性、調湿性、天然由来などの性質を持った発泡断熱材や発泡吸音材を提供できる。
【0062】
また、粉砕フェザーミールから、紡糸プロセスを経て安価なタンパク質フィラメントを製造することもできる。アパレル製品、不織布といった利用方法が可能である。
【0063】
さらに、粉砕フェザーミールに特殊処理を施して、押出成形により熱可塑性樹脂(ペレット)を製造してもよい。生分解性、熱可塑性を特徴とする天然由来の樹脂材料を提供できる。この天然由来の樹脂材料は、射出成形や押出成形といった従来の熱可塑性樹脂の成形加工プロセスで成形することが可能である。
【0064】
粉砕フェザーミールを分散処理し、可溶化して溶液スラリーを生成することもでき、ひいては塗料や紙を製造することができる。天然由来の撥水性・生分解性のある塗料や紙を提供することが可能となる。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体に、さらに木質チップ、木質粉、卵殻および化学繊維から選択された物質を混合する混合ステップと、
前記混合ステップで前記物質および水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱圧縮して、複合成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法。
【請求項2】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、さらにプラスチックまたはゴムを混合する混合ステップと、
前記混合ステップでプラスチックまたはゴムを混合した前記ケラチン含有粉体を溶融混練して、複合成形体を生成する生成ステップとを含む製造方法。
【請求項3】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、さらに顆粒状に造粒された肥料に付着させて造粒する造粒ステップと、
前記造粒ステップで製造された粒状材をスチーム加熱して、生分解性被覆物質を生成する生分解性被覆物質生成ステップと、
を含む製造方法。
【請求項4】
前記生成ステップにおいて、成形体として、カプセル形状の成形体を生成し、前記カプセル形状の成形体の内部に肥料を収容して、生分解性被覆肥料を生成する請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記供給ステップは、羽毛を加圧蒸製し、乾燥させたフェザーミールを前記小片材料として供給するステップである請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行う前処理ステップと、
前記前処理を経た材料を高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、50~300μmのケラチン含有粉体を製造する微粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体に、さらに木質チップ、木質粉、卵殻および化学繊維から選択された物質を混合する混合ステップと、
前記混合ステップで前記物質および水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱圧縮して、複合成形体を生成する生成ステップと、
を含むケラチン含有粉体製造方法。
【請求項7】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行う前処理ステップと、
前記前処理を経た材料を高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、50~300μmのケラチン含有粉体を製造する微粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、さらにプラスチックまたはゴムを混合する混合ステップと、
前記混合ステップでプラスチックまたはゴムを混合した前記ケラチン含有粉体を溶融混練して、複合成形体を生成する生成ステップとを含む製造方法。
【請求項8】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行う前処理ステップと、
前記前処理を経た材料を高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、50~300μmのケラチン含有粉体を製造する微粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、顆粒状に造粒された肥料に付着させて造粒する造粒ステップと、
前記造粒ステップで製造された粒状材をスチーム加熱して、生分解性被覆物質を生成する生分解性被覆物質生成ステップと、
を含む製造方法。
【請求項9】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給装置と、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕装置と、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体に、さらに木質チップ、木質粉、卵殻および化学繊維から選択された物質を混合する混合装置と、
前記混合装置で前記物質および水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱圧縮して、複合成形体を生成する生成装置と、
を備えた製造システム。
【請求項10】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給装置と、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕装置と、
前記ケラチン含有粉体にプラスチックまたはゴムを混合する混合装置と、
前記混合装置でプラスチックまたはゴムを混合した前記ケラチン含有粉体を溶融混練して、複合成形体を成形する成形装置と、
を備えた製造システム。
【請求項11】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給装置と、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕装置と、
前記ケラチン含有粉体を顆粒状に造粒された肥料に付着させて造粒する造粒装置と、
前記造粒装置で製造された粒状材をスチーム加熱して、生分解性被覆物質を生成する生分解性被覆物質生成装置と、
を備えた製造システム。
【請求項12】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法であって、
前記粉砕ステップの前後どちらかで、添加物を加えて流動性を上げるステップを更に含む製造方法。
【請求項13】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に対して過酸化水素水を用いて洗浄を行う洗浄ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水が混合された前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法。
【請求項14】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法であって、
前記生成ステップでは、前記ケラチン含有粉体と水とを混合したスラリーに、さらに、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、金属粉、金属繊維、金属箔、ガラス繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウム、磁性材料、フェライト、磁性酸化鉄、アルミナ、AlN、BN、BeO、マイカ、黒鉛、炭素繊維、フェライト、鉄粉、鉛粉、硫酸バリウム、黒鉛、六方晶BN、硫化モリブデン、テフロン(登録商標)粉、タルク、ガラスバルーン、シラスバルーン、酸化チタン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、アルミ粉、マイカ、酸化アンチモン、水酸化アルミ、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、高分子ゲル、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及びオルガノシロキサンから選ばれたフィラーを混合してから加熱して、前記成形体を生成する製造方法。
【請求項15】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水が混合された前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法であって、
前記生成ステップでは、前記ケラチン含有粉体を還元剤および可塑剤と共に、押出機にて熱処理して可塑化する製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体に、さらに木質チップ、木質粉、卵殻および化学繊維から選択された物質を混合する混合ステップと、
前記混合ステップで前記物質および水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱圧縮して、複合成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法。
【請求項2】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、さらにプラスチックまたはゴムを混合する混合ステップと、
前記混合ステップでプラスチックまたはゴムを混合した前記ケラチン含有粉体を溶融混練して、複合成形体を生成する生成ステップとを含む製造方法。
【請求項3】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、さらに顆粒状に造粒された肥料に付着させて造粒する造粒ステップと、
前記造粒ステップで製造された粒状材をスチーム加熱して、生分解性被覆物質を生成する生分解性被覆物質生成ステップと、
を含む製造方法。
【請求項4】
前記生成ステップにおいて、成形体として、カプセル形状の成形体を生成し、前記カプセル形状の成形体の内部に肥料を収容して、生分解性被覆肥料を生成する請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記供給ステップは、羽毛を加圧蒸製し、乾燥させたフェザーミールを前記小片材料として供給するステップである請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行う前処理ステップと、
前記前処理を経た材料を高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、50~300μmのケラチン含有粉体を製造する微粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体に、さらに木質チップ、木質粉、卵殻および化学繊維から選択された物質を混合する混合ステップと、
前記混合ステップで前記物質および水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱圧縮して、複合成形体を生成する生成ステップと、
を含むケラチン含有粉体製造方法。
【請求項7】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行う前処理ステップと、
前記前処理を経た材料を高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、50~300μmのケラチン含有粉体を製造する微粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、さらにプラスチックまたはゴムを混合する混合ステップと、
前記混合ステップでプラスチックまたはゴムを混合した前記ケラチン含有粉体を溶融混練して、複合成形体を生成する生成ステップとを含む製造方法。
【請求項8】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行う前処理ステップと、
前記前処理を経た材料を高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、50~300μmのケラチン含有粉体を製造する微粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、顆粒状に造粒された肥料に付着させて造粒する造粒ステップと、
前記造粒ステップで製造された粒状材をスチーム加熱して、生分解性被覆物質を生成する生分解性被覆物質生成ステップと、
を含む製造方法。
【請求項9】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給装置と、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕装置と、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体に、さらに木質チップ、木質粉、卵殻および化学繊維から選択された物質を混合する混合装置と、
前記混合装置で前記物質および水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱圧縮して、複合成形体を生成する生成装置と、
を備えた製造システム。
【請求項10】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給装置と、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕装置と、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体に、さらにプラスチックまたはゴムを混合する混合装置と、
前記混合装置で水及びプラスチックまたはゴムを混合した前記ケラチン含有粉体を溶融混練して、複合成形体を生成する生成装置と、
を備えた製造システム。
【請求項11】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給装置と、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕装置と、
前記ケラチン含有粉体を顆粒状に造粒された肥料に付着させて造粒する造粒装置と、
前記造粒装置で製造された粒状材をスチーム加熱して、生分解性被覆物質を生成する生分解性被覆物質生成装置と、
を備えた製造システム。
【請求項12】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法であって、
前記粉砕ステップの前後どちらかで、添加物を加えて流動性を上げるステップを更に含む製造方法。
【請求項13】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に対して過酸化水素水を用いて洗浄を行う洗浄ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水が混合された前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法。
【請求項14】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法であって、
前記生成ステップでは、前記ケラチン含有粉体と水とを混合したスラリーに、さらに、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、金属粉、金属繊維、金属箔、ガラス繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウム、磁性材料、フェライト、磁性酸化鉄、アルミナ、AlN、BN、BeO、マイカ、黒鉛、炭素繊維、フェライト、鉄粉、鉛粉、硫酸バリウム、黒鉛、六方晶BN、硫化モリブデン、テフロン(登録商標)粉、タルク、ガラスバルーン、シラスバルーン、酸化チタン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、アルミ粉、マイカ、酸化アンチモン、水酸化アルミ、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、高分子ゲル、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及びオルガノシロキサンから選ばれたフィラーを混合してから加熱して、前記成形体を生成する製造方法。
【請求項15】
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水が混合された前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法であって、
前記生成ステップでは、前記ケラチン含有粉体を還元剤および可塑剤と共に、押出機にて熱処理して可塑化する製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るシステムは、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給装置と、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕装置と、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体に、さらに木質チップ、木質粉、卵殻および化学繊維から選択された物質を混合する混合装置と、
前記混合装置で前記物質および水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱圧縮して、複合成形体を生成する生成装置と、
を備えた製造システムである。
上記目的を達成するため、本発明に係る他のシステムは、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給装置と、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕装置と、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体に、さらにプラスチックまたはゴムを混合する混合装置と、
前記混合装置で水及びプラスチックまたはゴムを混合した前記ケラチン含有粉体を溶融混練して、複合成形体を生成する生成装置と、
を備えた製造システムである。
上記目的を達成するため、本発明に係る他のシステムは、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給装置と、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕装置と、
前記ケラチン含有粉体を顆粒状に造粒された肥料に付着させて造粒する造粒装置と、
前記造粒装置で製造された粒状材をスチーム加熱して、生分解性被覆物質を生成する生分解性被覆物質生成装置と、
を備えた製造システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体に、さらに木質チップ、木質粉、卵殻および化学繊維から選択された物質を混合する混合ステップと、
前記混合ステップで前記物質および水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱圧縮して、複合成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る他の方法は、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、さらにプラスチックまたはゴムを混合する混合ステップと、
前記混合ステップでプラスチックまたはゴムを混合した前記ケラチン含有粉体を溶融混練して、複合成形体を生成する生成ステップとを含む製造方法である。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の方法は、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、さらに顆粒状に造粒された肥料に付着させて造粒する造粒ステップと、
前記造粒ステップで製造された粒状材をスチーム加熱して、生分解性被覆物質を生成する生分解性被覆物質生成ステップと、
を含む製造方法である。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の方法は、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行う前処理ステップと、
前記前処理を経た材料を高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、50~300μmのケラチン含有粉体を製造する微粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体に、さらに木質チップ、木質粉、卵殻および化学繊維から選択された物質を混合する混合ステップと、
前記混合ステップで前記物質および水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱圧縮して、複合成形体を生成する生成ステップと、
を含むケラチン含有粉体製造方法である。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の方法は、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行う前処理ステップと、
前記前処理を経た材料を高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、50~300μmのケラチン含有粉体を製造する微粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、さらにプラスチックまたはゴムを混合する混合ステップと、
前記混合ステップでプラスチックまたはゴムを混合した前記ケラチン含有粉体を溶融混練して、複合成形体を生成する生成ステップとを含む製造方法である。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の方法は、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行う前処理ステップと、
前記前処理を経た材料を高速微粉砕機またはローラーミルを用いて微粉砕し、50~300μmのケラチン含有粉体を製造する微粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、顆粒状に造粒された肥料に付着させて造粒する造粒ステップと、
前記造粒ステップで製造された粒状材をスチーム加熱して、生分解性被覆物質を生成する生分解性被覆物質生成ステップと、
を含む製造方法である。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の方法は、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水を混合した前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法であって、
前記粉砕ステップの前後どちらかで、添加物を加えて流動性を上げるステップを更に含む製造方法である。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の方法は、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に対して過酸化水素水を用いて洗浄を行う洗浄ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水が混合された前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法である。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の方法は、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法であって、
前記生成ステップでは、前記ケラチン含有粉体と水とを混合したスラリーに、さらに、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、金属粉、金属繊維、金属箔、ガラス繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウム、磁性材料、フェライト、磁性酸化鉄、アルミナ、AlN、BN、BeO、マイカ、黒鉛、炭素繊維、フェライト、鉄粉、鉛粉、硫酸バリウム、黒鉛、六方晶BN、硫化モリブデン、テフロン(登録商標)粉、タルク、ガラスバルーン、シラスバルーン、酸化チタン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、アルミ粉、マイカ、酸化アンチモン、水酸化アルミ、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、高分子ゲル、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及びオルガノシロキサンから選ばれたフィラーを混合してから加熱して、前記成形体を生成する製造方法である。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の方法は、
羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、高温高圧水、アルカリ水または過熱水蒸気によって前処理を行った上で回転型剪断粉砕機を用いて粗粉砕された小片材料を供給する供給ステップと、
前記小片材料を、さらに、高速微粉砕機を用いて微粉砕し、ケラチン含有粉体を製造する粉砕ステップと、
前記ケラチン含有粉体に水を混合し、水が混合された前記ケラチン含有粉体を加熱して、成形体を生成する生成ステップと、
を含む製造方法であって、
前記生成ステップでは、前記ケラチン含有粉体を還元剤および可塑剤と共に、押出機にて熱処理して可塑化する製造方法である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
前処理で過熱水蒸気及び重曹を使えば、ステップS907,909なしで、微粉砕可能である。つまり、その場合には、前処理ステップと微粉砕ステップのみのケラチン含有粉体製造方法が本発明の概念に含まれる。具体的には、前処理ステップで、羽根、羽毛、羊毛または獣毛に対して、過熱水蒸気及び重曹を用いて前処理を行う。具体的には、5%の重曹水溶液を調整し、羽毛に噴霧あるいは浸漬させた。続いて、過熱水蒸気により180℃で20分間処理することで、前処理を行った。重曹以外でも弱アルカリ性の溶液の利用が可能である。