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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093836
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/00 20060101AFI20240702BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20240702BHJP
【FI】
B60N3/00 Z
B60N2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210426
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大城 究人
【テーマコード(参考)】
3B087
3B088
【Fターム(参考)】
3B087CB14
3B087CB19
3B087CE10
3B087DE02
3B088LB07
(57)【要約】
【課題】乗員に使用される部分を容易に展開させる。
【解決手段】車両用シート10は、乗員の臀部を下方側から支持すると共に、シート上方側が開放された格納凹部28が形成されたシートクッション本体部16と、シートクッション本体部16から展開される展開部18と、展開部18に固定されたバンド22と、を備えている。展開部18は、格納凹部28内に格納された状態で乗員の臀部を下方側から支持する乗員支持部30と、乗員支持部30に対して乗員を支持する側とは反対側に設けられかつ格納凹部28から展開された状態で物を収納する及び物を置くことの少なくとも一方を行うことができる第1収納部32と、を備えている。バンド22は、帯状に形成されており、乗員支持部30において乗員を支持する面に沿って設けられた引張部22Aを備えている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員の臀部を下方側から支持すると共に、シート上方側が開放された格納凹部が形成されたシートクッション本体部と、
前記格納凹部内に格納された状態で乗員の臀部を下方側から支持する乗員支持部と、前記乗員支持部に対して乗員を支持する側とは反対側に設けられかつ前記格納凹部から展開された状態で物を収納する及び物を置くことの少なくとも一方を行うことができる使用部と、を有する展開部と、
帯状に形成されていると共に前記展開部に固定され、前記乗員支持部において乗員を支持する面に沿って設けられた引張部を有するバンドと、
を備えた車両用シート。
【請求項2】
前記展開部には、前記バンドと接続された第1係止部が設けられており、
前記シートクッション本体部側には、前記第1係止部が係止されることで前記展開部が前記格納凹部内に格納された状態が保たれる第2係止部が設けられ、
前記展開部が前記格納凹部内に格納された状態で、前記引張部を前記格納凹部とは反対側へ引くことで、前記第1係止部が前記第2係止部から外れる方向へ変位する請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記格納凹部は、前記シートクッション本体部におけるシート前方側の端部に形成されていると共にシート上方側及びシート前方側が開放された形状に形成され、
前記展開部は、前記シートクッション本体部のシート前方側の端部にシート左右方向を軸方向として回転可能に支持され、
前記展開部を前記格納凹部から引き出しながら回転させることで、前記展開部が前記シートクッション本体部に対してシート前方側へ展開する請求項2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記シートクッション本体部側には、物を収納する及び物を置くことの少なくとも一方を行うことができると共に前記展開部によって開閉される第2使用部が設けられている請求項3に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、シートクッションに設けられた凹部内に収容される格納状態と、テーブルや収納部として使用可能な展開状態との間で回転可能に配置されたテーブルユニットを有する車両用シートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5802699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載された車両用シートでは、車両の乗員が格納状態のテーブルユニットとシートクッションとの間に指を入れなければ、テーブルユニットを格納状態から展開状態へ回転させることできない構成となっている。そのため、上記特許文献1に記載された車両用シートには、テーブルユニット等の乗員に使用される部分を容易に展開させるという観点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、乗員に使用される部分を容易に展開させることができる車両用シートを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の車両用シートは、乗員の臀部を下方側から支持すると共に、シート上方側が開放された格納凹部が形成されたシートクッション本体部と、前記格納凹部内に格納された状態で乗員の臀部を下方側から支持する乗員支持部と、前記乗員支持部に対して乗員を支持する側とは反対側に設けられかつ前記格納凹部から展開された状態で物を収納する及び物を置くことの少なくとも一方を行うことができる使用部と、を有する展開部と、帯状に形成されていると共に前記展開部に固定され、前記乗員支持部において乗員を支持する面に沿って設けられた引張部を有するバンドと、を備えている。
【0007】
第1の態様の車両用シートによれば、展開部がシートクッション本体部の格納凹部内に格納されている状態では、乗員の臀部をシートクッション本体部及び展開部の乗員支持部によってシート下方側から支持することができる。ここで、展開部がシートクッション本体部の格納凹部内に格納されている状態では、バンドの引張部が乗員支持部において乗員を支持する面に沿って設けられている。そのため、車両の乗員は、バンドの引張部に手をかけて展開部を格納凹部から展開させることができる。これにより、車両の乗員は、展開部の使用部を使用することができる。すなわち、車両の乗員は、展開部の使用部に物を収納する及び物を置くことの少なくとも一方を行うことができる。このように、第1の態様の車両用シートによれば、車両の乗員は、展開部とシートクッション本体部との間に手を入れることなく、使用部を有する展開部を容易に展開させることができる。
【0008】
第2の態様の車両用シートは、第1の態様の車両用シートにおいて、前記展開部には、前記バンドと接続された第1係止部が設けられており、前記シートクッション本体部側には、前記第1係止部が係止されることで前記展開部が前記格納凹部内に格納された状態が保たれる第2係止部が設けられ、前記展開部が前記格納凹部内に格納された状態で、前記引張部を前記格納凹部とは反対側へ引くことで、前記第1係止部が前記第2係止部から外れる方向へ変位する。
【0009】
第2の態様の車両用シートによれば、車両の乗員がバンドの引張部を格納凹部とは反対側へ引くと、第1係止部が第2係止部から外れる方向へ変位する。これにより、展開部が格納凹部内に格納された状態から展開可能となる。また、車両の乗員がバンドの引張部を格納凹部とは反対側へさらに引くことで、展開部を格納凹部から展開させることができる。
【0010】
第3の態様の車両用シートは、第2の態様の車両用シートにおいて、前記格納凹部は、前記シートクッション本体部におけるシート前方側の端部に形成されていると共にシート上方側及びシート前方側が開放された形状に形成され、前記展開部は、前記シートクッション本体部のシート前方側の端部にシート左右方向を軸方向として回転可能に支持され、前記展開部を前記格納凹部から引き出しながら回転させることで、前記展開部が前記シートクッション本体部に対してシート前方側へ展開する。
【0011】
第3の態様の車両用シートによれば、車両の乗員が、バンドの引張部を格納凹部とは反対側へ引いて、展開部を格納凹部から引き出しながら回転させる。これにより、展開部をシートクッション本体部に対してシート前方側へ展開させることができる。
【0012】
第4の態様の車両用シートは、第1の態様~第3の態様のいずれか1つの態様の車両用シートにおいて、前記シートクッション本体部側には、物を収納する及び物を置くことの少なくとも一方を行うことができると共に前記展開部によって開閉される第2使用部が設けられている。
【0013】
第4の態様の車両用シートによれば、車両の乗員が展開部を変位させることにより、第2使用部を開閉することができる。また、第4の態様の車両用シートによれば、車両の乗員は、展開部に設けられた使用部に加えてシートクッション本体部側に設けられた第2使用部を使用することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る車両用シートは、乗員に使用される部分を容易に展開させることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態の車両用シートを示す側面図である。
図2】シートクッションを上方側から見た平面図である。
図3】シートクッションを斜め前方側から見た斜視図である。
図4】シートクッションを斜め前方側から見た斜視図であり、展開部が展開している状態を示している。
図5図2に示された5-5線に沿って切断したシートクッションの断面を示す断面図である。
図6図5に対応する断面図であり、展開部が展開している状態を示している。
図7】ストッパ機構を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図6を用いて、本発明の実施形態に係る車両用シート10について説明する。なお、図中に示す矢印FR、矢印UP、矢印RH及び矢印LHは、車両用シート10に着座した乗員から見たシート前方側、上方側、右側及び左側をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、シート前後方向の前後、シート上下方向の上下、シート左右方向の左右を示すものとする。また、シート左右方向は、シート幅方向と一致している。
【0017】
図1に示されるように、本実施形態の車両用シート10は、乗員の臀部を下方側から支持するシートクッション12と、乗員の背部を後方側から支持するシートバック14と、を備えている。
【0018】
図2図4に示されるように、シートクッション12は、シートクッション本体部16と、シートクッション本体部16に支持された展開部18と、シートクッション本体部16に固定された第2使用部としての第2収納部20と、を備えている。また、シートクッション12は、展開部18に固定されたバンド22を備えている。
【0019】
図2図3及び図5に示されるように、シートクッション本体部16は、表皮材に覆われたクッションパッド24がシートクッション12の骨格を構成するクッションフレーム26に取り付けられた構成となっている。クッションパッド24は、当該クッションパッド24の左右方向の中央部を構成するメイン部24Aを備えている。また、クッションパッド24は、当該クッションパッド24の左右方向の両側部分を構成する左右一対のサイドサポート部24Bを備えている。左右一対のサイドサポート部24Bは、メイン部24Aに対して上方側へ向けて突出している。メイン部24Aの前端部には、上方側及び前方側が開放された凹形状の格納凹部28が形成されている。この格納凹部28には、展開部18が格納されるようになっている。
【0020】
図4図5及び図6に示されるように、展開部18は、格納凹部28内に格納された状態で乗員の臀部を下方側から支持する乗員支持部30と、使用部としての第1収納部32と、を備えている。
【0021】
乗員支持部30は、クッションパッド24と同様の素材を用いて形成された部材が表皮材に覆われた構成となっている。図5に示されるように、乗員支持部30は、展開部18が格納凹部28内に格納された状態において前後方向及び左右方向に延在する第1延在部30Aと、第1延在部30Aの前端から下方側へ向けて延在する第2延在部30Bと、を備えている。この乗員支持部30は、第1延在部30A及び第2延在部30Bがそれぞれ後述する第1収納部32の底壁部32A及び後壁部32Dに沿って配置された状態で第1収納部32に固定されている。
【0022】
図4に示されるように、第1収納部32は、展開部18が格納凹部28から展開された状態で上方側(乗員支持部30とは反対側)が開放された箱状に形成されている。この第1収納部32には、車両の乗員が物を収納したり置いたりすることが可能となっている。なお、第1収納部32の各部の説明においては、展開部18が格納凹部28から展開された状態になっているものとして説明する。図4及び図6に示されるように、第1収納部32は、当該第1収納部32の底を形成すると共に前方側へ向かうにつれて上方側へ傾斜している底壁部32Aと、底壁部32Aの左右方向の両端から上方側へ向けて突出する左右一対の側壁部32Bと、を備えている。また、第1収納部32は、底壁部32Aの前端から上方側へ向けて突出すると共に左右方向の両端が左右一対の側壁部32Bに接続された前壁部32Cを備えている。さらに、第1収納部32は、底壁部32Aの後端から上方側へ向けて突出すると共に左右方向の両端が左右一対の側壁部32Bに接続された後壁部32Dを備えている。また、第1収納部32は、前壁部32Cの左右方向の中間部から前方側へ延出する第1係止部32Eを備えている。この第1係止部32Eの一部分には、前方側へ突出する係止凸部32Fが形成されている。
【0023】
左右一対の側壁部32Bにおける後壁部32D側の端部は、シートクッション本体部16の前端部に左右方向を軸方向として回転可能に支持されている。これにより、第1収納部32が、左右方向を軸方向として回転可能となっている。すなわち、展開部18が、左右方向を軸方向として回転可能となっている。そして、図5及び図6に示されるように、展開部18が格納凹部28に格納された状態から当該展開部18を左側面視で反時計回りに回転させることにより、展開部18が格納凹部28から展開するようになっている。なお、格納凹部28から展開された状態の展開部18の姿勢は、当該展開部18の反時計回りへの回転を制限するストッパ機構34によって保持されるようになっている。図7に示されるように、ストッパ機構34は、展開部18と共に回転可能に設けられていると共にシート側面視で楕円形状に形成されたストッパ部36を備えている。このストッパ部36は、クッションフレーム26の一部26Aの下方側に配置されている。なお、クッションフレーム26の一部26Aには、上下方向に貫通している通過孔26Bが形成されている。そして、展開部18をシートクッション本体部16に取り付ける際に、ストッパ部36が通過孔26Bを上方側から下方側へ向けて通過するようになっている。また、展開部18が格納凹部28内に格納されている状態から当該展開部18を左側面視で反時計回りに回転させると、ストッパ部36が反時計回り(矢印C1方向)に回転して通過孔26Bの後縁部26B1に当接する。これにより、格納凹部28から展開された状態の展開部18の姿勢が保持されるようになっている。なお、展開部18が格納凹部28内に格納されている状態では、ストッパ部36は通過孔26Bの前縁部26B2に当接又は近接している。
【0024】
図4図5及び図6に示されるように、第2収納部20は、上方側が開放された箱状に形成されている。この第2収納部20は、クッションパッド24の格納凹部28に対して下方側に配置されている。これにより、第1収納部32が格納凹部28から展開された状態において、乗員が第2収納部20に物を収納したり置いたりすることが可能となっている。詳述すると、第2収納部20は、当該第2収納部20の底を形成する底壁部20Aと、底壁部20Aの左右方向の両端から上方側へ向けて突出する左右一対の側壁部20Bと、を備えている。また、第2収納部20は、底壁部20Aの前端から上方側へ向けて突出すると共に左右方向の両端が左右一対の側壁部20Bに接続された前壁部20Cを備えている。さらに、第2収納部20は、底壁部20Aの後端から上方側へ向けて突出すると共に左右方向の両端が左右一対の側壁部20Bに接続された後壁部20Dを備えている。また、第2収納部20は、後壁部20Dの上端から後方側へ向けて延出する第1後方延出部20Eと、第1後方延出部20Eの後端から下方側へ延出すると共にクッションフレーム26に係止される第2後方延出部20Fと、を備えている。第1後方延出部20Eの左右方向の中央部には、第2係止部20Gが形成されている。この第2係止部20Gは、上方側から見て縁部が矩形状の開口となっていると共に第1後方延出部20Eを上下方向に貫通している。そして、前述の第1係止部32Eの係止凸部32Fが第2係止部20Gの後縁部に形成されることで、展開部18が格納凹部28に格納された状態が保たれるようになっている。なお、本実施形態では、第2収納部20内の空間を分割するための仕切部材38が設けられている。この仕切部材38は第2収納部20に対して着脱可能となっている。
【0025】
図2図3及び図5において二点鎖線L1で示されるように、展開部18には、帯状に形成されたバンド22が固定されている。このバンド22の長手方向一方側の端部は、第1収納部32の第1係止部32Eにおける前壁部32Cとは反対側の端部に接続されている。また、バンド22の長手方向他方側の端部は、第1収納部32の後壁部32Dや乗員支持部30における後壁部32Dと隣接する部位に接続されている。さらに、バンド22の長手方向の中間部は、乗員支持部30における第1収納部32とは反対側の面に沿って配置されている。ここで、展開部18が格納凹部28内に格納されている状態では、バンド22の一部が、乗員支持部30において乗員を支持する面に沿ってシートクッション12上に露出している。なお、シートクッション12上に露出しているバンド22の一部を引張部22Aと呼ぶことにする。
【0026】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0027】
以上説明した本実施形態の車両用シート10によれば、図1図2図3及び図5に示されるように、展開部18がシートクッション本体部16の格納凹部28内に格納されている状態では、乗員の臀部をシートクッション本体部16及び展開部18の乗員支持部30によってシート下方側から支持することができる。
【0028】
ここで、展開部18がシートクッション本体部16の格納凹部28内に格納されている状態では、バンド22の引張部22Aが乗員支持部30において乗員を支持する面に沿って設けられている。すなわち、バンド22の引張部22Aがシートクッション12上に露出している。そのため、車両の乗員は、バンド22の引張部22Aに手をかけて展開部18を格納凹部28から展開させることができる。
【0029】
詳述すると、図5に示されるように、車両の乗員がバンド22の引張部22Aを格納凹部28とは反対側である上方側へ向けて引くと、すなわち、車両の乗員がバンド22の引張部22Aを二点鎖線L1で示された状態から二点鎖線L2に示された状態となるように引くと、第1係止部32Eが前壁部32C側へ撓む。これにより、第1係止部32Eの係止凸部32Fが第2係止部20Gの後縁部から外れる方向へ変位して、展開部18が格納凹部28内に格納された状態から展開可能となる。
【0030】
また、車両の乗員が、バンド22の引張部22Aを格納凹部28とは反対側へさらに引くことで、展開部18を格納凹部28から引き出しながら回転させると、図6に示されるように、展開部18がシートクッション本体部16に対して前方側へ展開する。これにより、車両の乗員は、展開部18の第1収納部32を使用することができる。すなわち、車両の乗員は、展開部18の第1収納部32に物を収納したり物を置くことができる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の車両用シート10では、車両の乗員は、展開部18とシートクッション本体部16との間に手を入れることなく、第1収納部32を有する展開部18を容易に展開させることができる。
【0032】
また、本実施形態の車両用シート10では、図5及び図6に示されるように、車両の乗員が展開部18を変位させることにより、第2収納部20の上部が開閉される。図6に示されるように、展開部18がシートクッション本体部16に対して前方側へ展開した状態では、第2収納部20の上部が展開部18によって覆われていない状態となる。これにより、車両の乗員は、展開部18に設けられた第1収納部32に加えてシートクッション本体部16側に設けられた第2収納部20を使用することができる。
【0033】
なお、以上説明した本実施形態では、第2収納部20を設けた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、シートクッション12の上下方向への寸法を小さくすることが要求される車両用シートにおいては、第2収納部20を設けない構成としてもよい。
【0034】
また、以上説明した本実施形態では、展開部18が格納される格納凹部28の形状を上方側及び前方側が開放された形状とすると共に、展開部18を格納凹部28から引き出しながら回転させることで、展開部18がシートクッション本体部16に対して前方側へ展開するようにした例について説明したが、本発明はこれに限定されない。格納凹部28の形状や展開部18をシートクッション本体部16から展開させる際の移動軌跡は、第1収納部32と当該第1収納部32を使用する乗員との位置関係等を考慮して適宜設定すればよい。
【0035】
また、以上説明した本実施形態では、車両の乗員がバンド22の引張部22Aを引くことで、第1係止部32Eの係止凸部32Fが第2係止部20Gの後縁部から外れる方向へ変位するようにした例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、車両の乗員がバンド22とは別の箇所に設けられた操作部を操作することにより、第1係止部32Eの係止凸部32Fが第2係止部20Gの後縁部から外れる方向へ変位するようにしてもよい。
【0036】
また、以上説明した本実施形態では、第1係止部32Eを第2収納部20に形成された第2係止部20Gに係止させた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、シートクッション本体部16側の車体のフロアに第2係止部を形成し、この第2係止部に第1係止部32Eを係止させた構成としてもよい。
【0037】
また、以上説明した第1収納部32及び第2収納部20に代えて、物を収納する及び物を置くことの少なくとも一方を行うことができる他の構成の使用部及び第2使用部を設けた構成としてもよい。
【0038】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
10 車両用シート
16 シートクッション本体部
18 展開部
20 第2収納部(第2使用部)
20G 第2係止部
22 バンド
22A 引張部
28 格納凹部
30 乗員支持部
32 第1収納部(使用部)
32E 第1係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7