(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093848
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】用紙切断機構、印刷機構、及びサーマルプリンタ
(51)【国際特許分類】
B26D 1/08 20060101AFI20240702BHJP
B41J 11/70 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B26D1/08
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210442
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】504123421
【氏名又は名称】日本プリメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100188156
【弁理士】
【氏名又は名称】望月 義時
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】勝俣 誠一
【テーマコード(参考)】
2C058
3C027
【Fターム(参考)】
2C058AB02
2C058AC06
2C058AE04
2C058AF51
2C058LA03
2C058LA13
2C058LB09
2C058LB17
2C058LB36
3C027JJ10
3C027JJ12
(57)【要約】
【課題】高トルクの駆動力をカッター刃に伝達し、かつ、小型化にも有利な用紙切断機構等を提供する。
【解決手段】この用紙切断機構130は、モータMと、モータMからの動力を伝達するギア列140と、モータM及びギア列140を支持するメインフレーム101と、ギア列140によって伝達された動力によりカッター刃131を進退移動させる移動機構160と、を備え、ギア列140は、モータMに接続された遊星ギアユニット141と、遊星ギアユニット141の出力軸145に設けられた先端ギア145aと噛み合うベベルギア151と、を有し、先端ギア145aの回転がベベルギア151を介して移動機構160に伝達されることで、移動機構160がカッター刃131を移動させるように構成されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に対してカッター刃を進行させて前記用紙を切断する用紙切断機構であって、
モータと、
前記モータからの動力を伝達するギア列と、
前記モータ及び前記ギア列を支持するメインフレームと、
前記ギア列によって伝達された動力により前記カッター刃を進退移動させる移動機構と、
を備え、
前記ギア列は、
前記モータに接続された遊星ギアユニットと、
前記遊星ギアユニットの出力軸に設けられた先端ギアと噛み合うベベルギアと、
を有し、
前記先端ギアの回転が前記ベベルギアを介して前記移動機構に伝達されることで、前記移動機構が前記カッター刃を移動させるように構成されている、
用紙切断機構。
【請求項2】
前記移動機構は、
前記ベベルギアの回転が伝達される第1カッターギアであって、当該ギアの回転軸から半径方向に離れた位置にピンが形成されている第1カッターギアと、
前記第1カッターギアと噛み合う第2カッターギアであって、当該ギアの回転軸から半径方向に離れた位置にピンが形成されている第2カッターギアと、
を有し、
前記カッター刃には、第1カッターギア及び前記第2カッターギアの各ピンが通される開口部が形成され、
前記第1カッターギア及び前記第2カッターギアが同時に回転することで、各ピンが前記カッター刃に対して、前記カッター刃を進出又は退避させる方向の力を加え、これにより前記カッター刃が進退移動するように構成されている、
請求項1に記載の用紙切断機構。
【請求項3】
前記遊星ギアユニットの出力軸の外周を支持する支承部が形成されたブラケットをさらに備え、
前記支承部は、断面形状が円弧の一部を含む形状に形成されている、
請求項1又は2に記載の用紙切断機構。
【請求項4】
前記ベベルギアに対向するように配置され、前記遊星ギアユニットの出力軸に設けられた前記先端ギアと噛み合うベベルギア部が形成されたエマージェンシーギアをさらに備え、
前記先端ギアは、前記ベベルギアと前記エマージェンシーギアとによって挟まれている、
請求項1又は2に記載の用紙切断機構。
【請求項5】
前記エマージェンシーギアは、前記ベベルギア部よりも大きな直径に形成された円盤状の操作部を有し、
ユーザが前記操作部に触れることができるように、前記操作部の少なくとも一部が前記エマージェンシーギアを収容する前記メインフレームから外部に突出している、
請求項4に記載の用紙切断機構。
【請求項6】
前記メインフレームは、第1面と第2面とを有し、
前記第1面に、前記モータと、前記ギア列と、前記移動機構とが配置され、
前記第2面に、前記カッター刃が配置されている、
請求項1又は2に記載の用紙切断機構。
【請求項7】
前記請求項1又は2に記載の前記用紙切断機構と、
前記用紙に印字するサーマルヘッドと、
前記用紙を前記サーマルヘッドに押圧するとともに前記用紙を排出するためのプラテンローラと、
を備える印刷機構。
【請求項8】
用紙に対してカッター刃を進行させて前記用紙を切断する用紙切断機構と、
用紙に対して印字を行うサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドとの間に前記用紙を挟み込んで紙送りするプラテンローラと、
前記用紙切断機構を支持する内面支持部、及び、外面支持部を有するメインフレームと、
前記用紙が引き出されるロールを保持する保持部と、
を備え、
前記用紙切断機構は、モータと、前記モータからの動力を伝達するギア列と、前記ギア列によって伝達された動力により前記カッター刃を進退移動させる移動機構と、を有し、
前記モータ、前記ギア列及び前記移動機構は前記内面支持部に配置されており、
前記ギア列は、
前記モータに接続された遊星ギアユニットと、
前記遊星ギアユニットの出力軸に設けられた先端ギアと噛み合うベベルギアと、
を有し、
前記先端ギアの回転が前記ベベルギアを介して前記移動機構に伝達されることで、前記移動機構が前記カッター刃を移動させるように構成されている、
サーマルプリンタ。
【請求項9】
前記カッター刃が前記外面支持部に設けられている、請求項8に記載のサーマルプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙切断機構、印刷機構、及びサーマルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロールから引き出された記録紙に印字を行い、カッター刃を移動させてその記録紙を切断する装置が知られている。この種の装置は、例えばチケットやレシートを印刷するのに利用される。特許文献1には、モータの駆動ギアを回転させることで、その駆動ギアと噛み合う一対のギアが回転し、それに伴ってカッター刃が進退するように構成された装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、高トルクの駆動力をカッター刃に伝達し、かつ、小型化も実現するという点で改善の余地があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、高トルクの駆動力をカッター刃に伝達し、かつ、小型化にも有利な用紙切断機構、印刷機構、及びサーマルプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態の用紙切断機構は、用紙に対してカッター刃を進行させて前記用紙を切断する用紙切断機構であって、モータと、前記モータからの動力を伝達するギア列と、前記モータ及び前記ギア列を支持するメインフレームと、前記ギア列によって伝達された動力により前記カッター刃を進退移動させる移動機構と、を備え、前記ギア列は、前記モータに接続された遊星ギアユニットと、前記遊星ギアユニットの出力軸に設けられた先端ギアと噛み合うベベルギアと、を有し、前記先端ギアの回転が前記ベベルギアを介して前記移動機構に伝達されることで、前記移動機構が前記カッター刃を移動させるように構成されている。
【0007】
前記移動機構は、前記ベベルギアの回転が伝達される第1カッターギアであって、当該ギアの回転軸から半径方向に離れた位置にピンが形成されている第1カッターギアと、前記第1カッターギアと噛み合う第2カッターギアであって、当該ギアの回転軸から半径方向に離れた位置にピンが形成されている第2カッターギアと、を有し、前記カッター刃には、第1カッターギア及び前記第2カッターギアの各ピンが通される開口部が形成され、前記第1カッターギア及び前記第2カッターギアが同時に回転することで、各ピンが前記カッター刃に対して、前記カッター刃を進出又は退避させる方向の力を加え、これにより前記カッター刃が進退移動するように構成されていてもよい。
【0008】
前記遊星ギアユニットの出力軸の外周を支持する支承部が形成されたブラケットをさらに備え、前記支承部は、断面形状が円弧の一部を含む形状に形成されていてもよい。
【0009】
前記ベベルギアに対向するように配置され、前記遊星ギアユニットの出力軸に設けられた前記先端ギアと噛み合うベベルギア部が形成されたエマージェンシーギアをさらに備え、前記先端ギアは、前記ベベルギアと前記エマージェンシーギアとによって挟まれていてもよい。
【0010】
前記エマージェンシーギアは、前記ベベルギア部よりも大きな直径に形成された円盤状の操作部を有し、ユーザが前記操作部に触れることができるように、前記操作部の少なくとも一部が前記エマージェンシーギアを収容する前記メインフレームから外部に突出していてもよい。
【0011】
前記メインフレームは、第1面と第2面とを有し、前記第1面に、前記モータと、前記ギア列と、前記移動機構とが配置され、前記第2面に、前記カッター刃が配置されていてもよい。
【0012】
本発明の一形態の印刷機構は、上記記載の前記用紙切断機構と、前記用紙に印字するサーマルヘッドと、前記用紙を前記サーマルヘッドに押圧するとともに前記用紙を排出するためのプラテンローラと、を備える。
【0013】
本発明の一形態のサーマルプリンタは、用紙に対してカッター刃を進行させて前記用紙を切断する用紙切断機構と、用紙に対して印字を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドとの間に前記用紙を挟み込んで紙送りするプラテンローラと、前記用紙切断機構を支持する内面支持部、及び、外面支持部を有するメインフレームと、前記用紙が引き出されるロールを保持する保持部と、を備え、前記用紙切断機構は、モータと、前記モータからの動力を伝達するギア列と、前記ギア列によって伝達された動力により前記カッター刃を進退移動させる移動機構と、を有し、前記モータ、前記ギア列及び前記移動機構は前記内面支持部に配置されており、前記ギア列は、前記モータに接続された遊星ギアユニットと、前記遊星ギアユニットの出力軸に設けられた先端ギアと噛み合うベベルギアと、を有し、前記先端ギアの回転が前記ベベルギアを介して前記移動機構に伝達されることで、前記移動機構が前記カッター刃を移動させるように構成されている。
【0014】
前記カッター刃が前記外面支持部に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高トルクの駆動力をカッター刃に伝達し、かつ、小型化にも有利な用紙切断機構、印刷機構、及びサーマルプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一形態のサーマルプリンタを示す斜視図である。
【
図2】サーマルプリンタの主要な構成を示すブロック図である。
【
図3】用紙切断機構を内蔵する印刷機構の斜視図である。
【
図4】印刷機構の部品の一部を省略して示す印刷機構の斜視図である。
【
図5】印刷機構の部品の他の一部を省略して示す印刷機構の斜視図である。
【
図6】用紙切断機構の主要な構成を示すブロック図である。
【
図7】メインフレームに配置されたモータ及びギア列を示す斜視図である。
【
図8】
図7の状態からエマージェンシーギアやブラケットなど幾つかの部品を追加した斜視図である。
【
図9】モータ及びギア列などを正面側から見た図である。
【
図10】モータ及び遊星ギアユニット等を示す斜視図である。
【
図11】ギア列及びブラケットを説明するための斜視図である。
【
図12】ギア列及びブラケットを説明するための他の斜視図である。
【
図13】移動機構及びギア列の詳細な構造を示す図である。
【
図14】メインフレームをカッター刃が配置される側から見た図である。
【
図15】エマージェンシーギア及びその周辺構造を説明するための図である。
【
図16】カット性能評価試験の結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一形態のサーマルプリンタを示す斜視図である。
図2は、サーマルプリンタの主要な構成を示すブロック図である。
図3は、用紙切断機構を内蔵する印刷機構の斜視図である。
図4は、印刷機構の部品の一部を省略して示す印刷機構の斜視図である。
図5は、印刷機構の部品の他の一部を省略して示す印刷機構の斜視図である。
【0018】
以下の説明では、図面に示されている対象物の向きに応じて上、下、左、右、前及び後といった向きを示す語句を用いるが、これらの向きは本発明を限定する意図で用いられるものではない。
【0019】
本実施形態のサーマルプリンタS1は、
図1に示すように、印刷機構100と、ロール保持部材200とを備えている。サーマルプリンタS1は、ロールから引き出された用紙Shに印字を行うとともに、印字が行われた用紙Shを切断する装置である。サーマルプリンタS1は、例えばレシートやチケット等に印字を行う装置である。
【0020】
印刷機構100は、
図2に示すように、主要な構成要素として、用紙に印字を行うためのサーマルヘッド110と、用紙を搬送する搬送機構120と、用紙を切断する用紙切断機構130と、制御部190とを有している。印刷機構100は、また、印刷機構100の各種部品が取り付けられるメインフレーム101(
図1)を有している。
【0021】
本実施形態のサーマルプリンタS1においては、
図1に示すように、ロール保持部材200に、用紙のロール(不図示)を保持するロール保持部201aが設けられている。ロールから引き出された用紙Sh(単に「用紙」ともいう)は、印刷機構100の用紙導入部105に挿入され、印刷機構100によって所定の情報が印字され、用紙排出部106から排出される。詳細は後述するが、本実施形態の印刷機構100では、用紙Shに対してカッター刃を進行させることにより、用紙Shが切断される。用紙は、感熱紙又は記録紙等であってもよい。
【0022】
なお、ロール保持部材200のロール保持部201aは
図1に示すような構成に限定されるものではなく、種々変更可能である。
【0023】
サーマルヘッド110は、
図5に示すように、印刷機構100の幅方向(用紙Shの幅方向と同一方向)に延在している。サーマルヘッド110は、この種の印刷機構100において使用される従来公知の構成のものを利用できる。サーマルヘッド110は、制御部190(
図2)によって制御される。サーマルヘッド110は、具体的には、制御部190が送信した制御信号に応じて複数の発熱素子(不図示)を発熱させることで、用紙に所定の情報を印字する。
【0024】
搬送機構120は、
図4に示すように、プラテンローラ121と、ギア列123とを有し、さらに不図示のモータを有している。プラテンローラ121は、ゴム等の弾性を有する材質で形成されたローラであり、用紙の印字面をサーマルヘッド110に向けて押圧するとともに用紙を排出する(搬送する)機能を有する。プラテンローラ121は、サーマルヘッド110に対向する位置に配置されている。プラテンローラ121は、ガイド板125に沿って案内された用紙をサーマルヘッド110側に押し付ける。
【0025】
ギア列123は、複数のギアで構成され、プラテンローラ121の中心軸の片端に設けられている。ギア列123は、搬送機構120における駆動源である不図示のモータからの動力を伝達する。ギア列123によって伝達された動力によって、プラテンローラ121が回転し、プラテンローラ121の回転に応じて用紙が搬送される。
【0026】
なお、本実施形態においては、
図4に示すレバーLを動かすと一対の爪122が移動し、これによりプラテンローラ121を印刷機構100から取り外すことができるようになっている。このような構造自体は公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0027】
(用紙切断機構130)
用紙切断機構130は、用紙を切断する機構である。
図6は、用紙切断機構130の主要な構成を示すブロック図である。用紙切断機構130は、
図6に示すように、モータMと、ギア列140と、移動機構160と、カッター刃131とを有している。これらモータM、ギア列140、移動機構160、及びカッター刃131はいずれも、メインフレーム101によって支持されている。
【0028】
ギア列140は、詳細は後述するが、複数のギアを含み、モータMからの動力を伝達する。移動機構160は、ギア列140によって伝達された動力によりカッター刃131を固定刃138(
図3)に対して進退移動させる機構である。
【0029】
図7から
図12を参照しながら、用紙切断機構130の詳細な構造について説明する。
図7は、メインフレーム101に配置されたモータM及びギア列140を示す斜視図である。
図8は、
図7の状態からエマージェンシーギアやブラケットなど幾つかの部品を追加した斜視図である。
図9は、モータM及びギア列140などを正面側から見た図である。
図10は、モータM及び遊星ギアユニット等を示す斜視図である。
図11は、ギア列140及びブラケット170を説明するための斜視図である。
図12は、ギア列140及びブラケット170を説明するための他の斜視図である。
【0030】
用紙切断機構130の筐体であるメインフレーム101について説明すると、メインフレーム101は、各種部品が配置される部材であり、本実施形態では一例として、
図7に示すように略箱形の形状を有する。メインフレーム101は、例えば板金をプレス加工して形成された部材である。
【0031】
メインフレーム101は、平板状の支持部101aと、第1側面101bと、第2側面101cと、第3側面101dとを有している。支持部101aは、具体的には、第1面である内面101a-1と、第2面である外面101a-2とを有する。
【0032】
第1面である内面101a-1に、モータMと、ギア列140と、移動機構160を構成する一対のギア161、162とが配置されている。また、第2面である外面101a-2に、カッター刃131(
図5)等が配置されている。第1面は、本発明における内面支持部の一例であり、第2面は外面支持部の一例である。なお、メインフレーム101は必ずしも略箱形に限定されるものではない。本実施形態のように、モータMやギア列140等とカッター刃131等とが支持部101aの両面に分けて配置されていることで、部品が効率的に配置される。
【0033】
(ギア列140)
ギア列140は、
図7に示すように、遊星ギアユニット141、ベベルギア151、及び中間ギア153を有している。本実施形態の構成では、モータMに接続された遊星ギアユニット141が設けられ、遊星ギアユニット141の出力軸145の傘状の歯部を有する先端ギア145aの回転が、ベベルギア151を含むギア列140を介して移動機構160に伝達される。これにより、移動機構160が回転してカッター刃131を移動させる。
【0034】
遊星ギアユニット141は、
図10に示すように、太陽ギアMb、ギアハウジング部材141-1、サイドプレート141-2、キャリアプレート141-3、複数の遊星ギア143、回転部材144、及び出力軸145を有する。
【0035】
遊星ギアユニット141は、モータMに取り付けられ、減速装置として機能する。遊星ギアユニット141は、複数のギアからなる減速装置と比較し、少ないギア数で大きな減速比を得ることができる。また、入力軸と出力軸を同軸上に配置可能であるため、コンパクトな構成とすることができる。
【0036】
太陽ギアMbは、モータMの出力軸Maに固定されている。ギアハウジング部材141-1及びサイドプレート141-2は、太陽ギアMb及び遊星ギア143が収容されるギアハウジングの一部を構成する。また、キャリアプレート141-3もギアハウジング内に収容される。ギアハウジング部材141-1の内周面には、複数の遊星ギア143が噛み合うインターナルギア141gが形成されている。
【0037】
組立て状態では、太陽ギアMbはギアハウジング部材141-1の内部空間の中心に位置する。太陽ギアMbの径方向外側であってインターナルギア141gの内側には、本実施形態では、3つの遊星ギア143が配置される。3つの遊星ギア143は、一例として、周方向に互いに等間隔で配置される。太陽ギアMbがモータMの出力軸Maを中心として回転すると、3つの遊星ギア143もそれに併せて回転する。なお、この例では遊星ギア143は3つであるが、4つの(複数の)遊星ギア143が設けられていてもよい。
【0038】
回転部材144は3つのピン144aを有し、各ピン144aは、遊星ギア143の中心の孔に挿入され、ギアハウジング部材141-1に支持される。回転部材144には、また、出力軸145が設けられている。出力軸145の先端には先端ギア145aが設けられている。
【0039】
遊星ギアユニット141は上記のように構成されていることで、モータMからの出力が遊星ギアユニット141によって伝達される。具体的には、モータMの出力軸Maに固定された太陽ギアMbが回転すると、それに伴ってギアハウジング部材141-1内で複数の遊星ギア143が公転するように出力軸Ma周りに回転する。そして、複数の遊星ギア143の回転に応じて、出力軸145及びそれに固定された先端ギア145aが回転する。
【0040】
図11及び
図12を参照する。ベベルギア151は、先端ギア145aと噛み合う傘状の歯部を有するギアである。ベベルギア151は、その回転軸が、遊星ギアユニット141の出力軸145の軸線と直交する向きで配置されている。これにより、モータMからの出力方向が90度変更される。
【0041】
中間ギア153は、ベベルギア151の一部(下段)に形成された歯部151g(
図13)と噛み合い、ベベルギア151の回転に応じて回転する。中間ギア153は、後述する第1カッターギア161と噛み合っており、中間ギア153が回転することによって第1カッターギア161が回転する。中間ギア153は、具体的には、
図13に示されているように大径歯部153aと、大径歯部153aの下段に設けられた小径歯部153bとを有している。大径歯部153aの歯数は、ベベルギア151の歯部151gの歯数よりも多い。歯部151gが中間ギア153の大径歯部153aに噛み合い、小径歯部153bが第1カッターギア161に噛み合う。ベベルギア151の歯部151gが直接に第1カッターギア161又は第2カッターギア162に噛み合う構成であってもよいが、本実施形態のような構成によれば、中間ギア153を介して所望のギア比で回転力を第1カッターギア161に伝達することができる。
【0042】
(移動機構160)
本実施形態の印刷機構100においては、印字された用紙をカッター刃131で切断できる。モータMからの出力を利用してカッター刃131を移動させる機構としては種々の構成が考えられるが、本実施形態では、第1カッターギア161及び第2カッターギア162を略半回転させ、それに伴って円弧状に移動するピンを利用してカッター刃131が移動させられる。以下、具体的に説明する。
【0043】
移動機構160は、カッター刃131を移動させる機構であり、例えば
図7、
図8及び
図9に示すように、第1カッターギア161と、第2カッターギア162とを有する。
【0044】
第1カッターギア161及び第2カッターギア162は、いずれも、メインフレーム101の内側に配置されている。第1カッターギア161は、シャフト155aに支持され、第2カッターギア162はシャフト155bに支持されている。第1カッターギア161は、具体的には、その回転軸がメインフレーム101の支持部101aに対して垂直に延在するように配置されている。同様に、第2カッターギア162も、その回転軸がメインフレーム101の支持部101aに対して垂直に延在するように配置されている。なお、ここでの「回転軸」は、シャフト155a及びシャフト155bのそれぞれの中心軸に相当する。
【0045】
第1カッターギア161は、モータMの出力軸145の軸方向において、モータMから離れた側に配置され、第2カッターギア162は、モータMに近い側に配置されている。第1カッターギア161は、中間ギア153と噛み合う歯部を有し、中間ギア153の回転に応じて回転する。第2カッターギア162は、第1カッターギア161の歯部と同形状の歯部を有し、第1カッターギア161と噛み合う。
【0046】
図13は、移動機構160及びギア列140の詳細な構造を示す図である。なお、
図13に描かれている構成は本発明の具体的な一例であり、ギアの歯数及びギアの直径の大小関係及び配置等は、図面から読み取れる範囲において、本出願の開示内容を構成する。
【0047】
図13に示すように、第1カッターギア161には、ベベルギア151の回転が中間ギア153を介して伝達されるように構成されている。第1カッターギア161には、このギアの回転軸Ax(シャフト155aの中心軸)から半径方向に離れた位置であって歯部より内側にピン161pが形成されている。第2カッターギア162にも、同様に、このギアの回転軸Ax(シャフト155bの中心軸)から半径方向に離れた位置であって歯部より内側にピン162pが形成されている。
【0048】
ピン161pは第1カッターギア161の厚み方向に沿って延びる円柱又は円筒状の構造部である。ピン162pも同様の構成を有する。
【0049】
第1カッターギア161は、
図13に示すように、ピン161pが位置P1aに位置する状態から、ピン161pが位置P1bに位置する状態まで、約180°回転するように構成されている。第2カッターギア162は、第1カッターギア161に回転に応じて、ピン162pが位置P2aに位置する状態から、ピン162pが位置P2bに位置する状態まで、約180°回転するように構成されている。第2カッターギア162のこのときの回転方向は、第1カッターギア161の回転方向とは逆である。なお、この例では約180°を例示したが、第1カッターギア161及び第2カッターギア162の回動範囲は任意に設定可能である。
【0050】
なお、第1カッターギア161及び第2カッターギア162の回転範囲は、一例として、第2カッターギア162の一部に当接するスイッチSw(
図8)及び制御部190(
図2)により規制される。具体的には、
図8に示すように、スイッチSwのレバーSwlと当接してON/OFF動作を切り替えるための複数の段部162tが第2カッターギア162に形成されている。
【0051】
複数の段部162tは、第2カッターギア162の円柱状の突出部の一部に形成された一方の段部162t-1と、当該段部162t-1に対して周方向に180°反対の位置に形成された他方の段部162t-2とを含む。段部162t-1、162t-2は、いずれも、一例として、ギアの厚み方向に延在する平面である。
【0052】
制御部190によるモータMの動作制御に関し、具体的には、第1カッターギア161及び第2カッターギア162が回転する範囲は、例えば、制御部190からステッピングモータであるモータMに与えられるパルス数によって決定される。制御部190からの制御信号に応じて、モータMの回転が開始し、レバーSwlがONになった位置がホームポジションとされる。このホームポジションから、用紙を切断するのに十分な所定のステップ数分だけモータMが回転する。これにより、第1カッターギア161及び第2カッターギア162が回転し、カッター刃131が前進して用紙を切断する。モータMは、切断位置よりオーバステップを刻み、レバーSwlがONの状態で停止する。その後、制御部190は、レバーSwlがONの状態でモータMを逆回転させる。これにより、第1カッターギア161及び第2カッターギア162が逆回転し、カッター刃131が後退する。その後、1カッターギア161及び第2カッターギア162が所定の位置まで回転すると、レバーSwlがOFFとなる。
【0053】
上記のような方式により、第1カッターギア161及び第2カッターギア162が、本実施形態では一例として、略180°の回転角度で回転するようになっている。なお、
図8ではレバーSwlが円柱状の突出部の大径部の側面に接するような状態で描かれているが、実際は、レバーSwlは円柱状の突出部の小径部のところに位置するように各部品が組み付けられている。
【0054】
図14は、メインフレーム101をカッター刃131(
図4)が配置される側から見た図である。
図14に示すように、メインフレーム101には、第1カッターギア161のピン161pが通される開口部101h-1、及び、第2カッターギア162のピン162pが通される開口部101h-2が形成されている。開口部101h-1及び開口部101h-2はいずれも円弧形状の孔である。開口部101h-1及び開口部101h-2は、
図14から理解されるように、左右対称な形状に設けられている。ピン161p及びピン162pは、開口部101h-1及び開口部101h-2を通り、メインフレーム101の外面101a-2から離れる側に突出する。ピン161p及びピン162pは、開口部101h-1及び開口部101h-2に沿って移動するように構成されている。
【0055】
続いて、再び
図5を参照すると、カッター刃131には、横方向に延在する開口部131h-1及び開口部131h-2が形成されている。一方の131h-1にはピン161pが通され、他方の開口部131h-2にはピン162pが通されている。
【0056】
上述したような構成により、第1カッターギア161及び第2カッターギア162が同時に回転することで、各ピン161p、162pが円弧軌道を描きながら移動し、カッター刃131に対して、
図5の上下方向のいずれかにカッター刃131を移動させる向きの力(カッター刃131を進出又は退避させる方向の力)を付与する。具体的には、カッター刃131を前進/後退方向をY軸方向(
図1の上下方向)とし、開口部131h-1、131h-2の延在方向をX軸(
図1の左右方向)とすると、各ピン161p、162pの円弧運動はY軸方向の力とX軸方向の力とに分解できる。そして、Y軸方向の力は、カッター刃131を移動させる力となり、X軸方向の力は各ピン161p、162pが開口部131h移動することにより解放される。
【0057】
なお、
図4のスライダ132は、カッター刃131の外側に配置され、カッター刃131をスムーズに移動させるようにする部材である。
図3のブレードスプリング133は、スライダ132及びカッター刃131を外側から押さえる部材であり、カッター刃131がスムーズに上下に移動できる程度のバネ圧を有する。
【0058】
(ブラケット170)
図11及び
図12を参照する。本実施形態の構成では、メインフレーム101内にブラケット170が設けられている。ブラケット170は、この例では、遊星ギアユニット141の出力軸145の外周を支持する支承部171を有している。支承部171は、具体的には出力軸145の一部を支持する。支承部171は、より具体的には、出力軸145の外周面のほぼ半分を支持するように、断面形状が略半円形状(円弧の一部を含む形状)となるように形成されている。ブラケット170は、この例では、メインフレーム101の内面101a-1に配置されている。これに限定されるものではないが、ブラケット170は一例として樹脂製の成形部品である。以上のように支承部171に出力軸145が支承される構成によれば、出力軸145の位置が安定し、軸ブレが抑えられ、先端ギア145aとベベルギア151との間で力を良好に伝達できる。なお、ブラケット170は金属製の部材であってもよく、具体的には、金属製の一体部品であってもよい。
【0059】
(エマージェンシーギア)
図15は、エマージェンシーギア157及びその周辺構造を説明するための図である。
図15(a)はエマージェンシーギア単体を示す図であり、
図15(b)はエマージェンシーギア157が配置されたメインフレーム101を示す図である。本実施形態の用紙切断機構130では、
図15に示すように、メインフレーム101内にエマージェンシーギア157が設けられている。
【0060】
エマージェンシーギア157は、
図15(a)に示すよう、操作部157aと、傘状のベベルギア部157bとを有している。エマージェンシーギア157は、一例として、操作部157aと、ベベルギア部157b等とが一体的に形成された部材である。操作部157aは、ベベルギア部157bよりも大きな直径に形成されている。操作部157aは、具体的には、一例として円盤状の形状を有する。ベベルギア部157bは、一例として、ベベルギア151の歯部と同様の形状を有していてもよい。
【0061】
エマージェンシーギア157は、ベベルギア部157bがベベルギア151(
図7)に対向して先端ギア145aと噛み合うように配置される(
図8も参照)。
図8に示すように、エマージェンシーギア157は、ベベルギア151を支持するシャフト155に支持されている。エマージェンシーギア157は、一例として、エマージェンシーギア157がシャフト155から抜けないよう、Eリングによってシャフト155に止められている。先端ギア145a(
図7)は、ベベルギア151とエマージェンシーギア157とによって挟まれた状態となっている。その結果、先端ギア145aとベベルギア151とを互いに安定的に噛み合わせることが可能となる。なお、
図7及び
図8では図示されていないが、シャフト155の上端は、印刷機構100を構成する部品の一部によって支持される。
【0062】
エマージェンシーギア157は、操作部157aがメインフレーム101に形成された開口部101sから部分的に突出するように配置されている。このような構成により、ユーザが操作部157aに外部から触れ、エマージェンシーギア157を回すことが可能となっている。
【0063】
開口部101sは、メインフレーム101に形成された閉じた1つの開口(貫通孔)として形成されていてもよいし、
図15(b)のように凹部状に形成されメインフレーム101が不図示の他の部材に固定された状態で1つの閉じた開口を形成するものであってもよい。
図15(b)のように、メインフレーム101の板材の端部(ここでは、第3側面101dの端部)から切り込まれた凹部状の開口部101sの場合、例えばプレス加工等で当該形状を形成しやすいという利点がある。
【0064】
エマージェンシーギア157を回すことにより、その回転力が先端ギア145a(
図7参照、
図8では不図示)を介してベベルギア151に伝達され、ベベルギア151が回転する。ベベルギア151が回転することで、第1カッターギア161及び第2カッターギア162が回転する。このような構成によれば、ユーザは、エマージェンシーギア157を手動で動かすことで、モータMの動力によらず、第1カッターギア161及び第2カッターギア162を回転させてカッター刃131を進出又は退避方向に移動させることができる。
【0065】
(本実施形態の作用効果)
以上説明したように、本実施形態の用紙切断機構130によれば、遊星ギアユニット141と、遊星ギアユニット141の出力軸145に設けられた先端ギア145aと噛み合うベベルギア151とが設けられており、これらによってモータMの回転力がカッター刃131を移動させる移動機構160に伝達されるので、高トルクの駆動力をカッター刃に伝達できる。また、遊星ギアユニット141を用いる構成は、小型化にも有利である。
【0066】
また、本実施形態の構成では、ブラケット170の支承部171により遊星ギアユニット141の出力軸145の外周を安定的に支持することができ、その結果、先端ギア145aとベベルギア151とを精度良く噛み合わせることができる。これにより、効率良くモータMの駆動力が伝達される。
【0067】
また、本実施形態の構成では、先端ギア145aが、ベベルギア151とエマージェンシーギア157とによって挟まれている。エマージェンシーギア157はユーザが手動でカッター刃131を動かすための部品であり、その機能を果たす位置であれば、本来、どのような位置に設けられていてもよい。しかし、本実施形態のように先端ギア145aがベベルギア151とエマージェンシーギア157とによって挟まれる構成によれば、エマージェンシーギア157が設けられていない構成と比較して、先端ギア145aとベベルギア151とが互いに精度よく噛み合う。
【0068】
また、本実施形態の構成では、メインフレーム101の第1面である内面101a-1にモータMと、ギア列140と、移動機構160が配置され、第2面である内面101a-1にカッター刃131が配置されている。このようにメインフレーム101の一部の両面に各種部品が配置される構成によれば、各種部品が空間効率良く配置され、コンパクトに装置を構成することができる。
【0069】
(カット性能評価試験)
図16は、カット性能評価試験の結果を示す表である。本発明の一形態に係る用紙切断機構が用紙を切断する性能を評価した結果を
図16を参照しながら説明する。「実施例」は、遊星ギアユニット141及びベベルギア151等を備える用紙切断機構130を示し、「比較例」はそのような機構を備えない用紙切断機構を示している。比較例の用紙切断機構は、具体的には、モータの出力軸にウォームギアが設けられており、このウォームギアが一対のカッターギアのうちの一方(第2カッターギア162、
図9)に噛み合う構成である。このようにモータから出力を伝達する構成が異なる点を除き、その他の構成は共通である。
【0070】
「電圧」は、モータに供給される電圧の値を示している。紙の種類の「タイプ1」は、比較的薄い用紙であり、「タイプ2」はタイプ1より厚い用紙であり、「タイプ3」はタイプ2より厚い用紙である。このような条件のもと、各用紙切断機構で用紙を切断させたところ、実施例では、全てのタイプの用紙を切断できた。これに対して、比較例では、タイプ1は良好に切断できたものの、タイプ2及びタイプ3については良好に切断できなかった。
【0071】
このように、本発明の一形態に係る用紙切断機構130によればモータを同じ電圧で動作させた場合であっても、ウォームギアを備える比較例の構成と比べてより厚みのある用紙を良好に切断できることが確認された。
【0072】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0073】
100 印刷機構
101 メインフレーム
101a 支持部
101a-1 内面
101a-2 外面
101b 第1側面
101c 第2側面
101d 第3側面
101s 開口部
105 用紙導入部
106 用紙排出部
110 サーマルヘッド
120 搬送機構
121 プラテンローラ
122 爪
123 ギア列
125 ガイド板
130 用紙切断機構
131 カッター刃
132 スライダ
133 ブレードスプリング
138 固定刃
140 ギア列
141 遊星ギアユニット
141-1 ギアハウジング部材
141-2 サイドプレート
141-3 キャリアプレート
141g インターナルギア
143 遊星ギア
144 回転部材
144a ピン
145 出力軸
145a 先端ギア
151 ベベルギア
151g 歯部
153 中間ギア
153a 大径歯部
153b 小径歯部
155a シャフト
155b シャフト
157 エマージェンシーギア
157a 操作部
157b ベベルギア部
160 移動機構
161 第1カッターギア
162 第2カッターギア
162t 段部
170 ブラケット
171 支承部
190 制御部
200 ロール保持部材
201a ロール保持部
Ax 回転軸
L レバー
M モータ
Ma 出力軸
Mb 太陽ギア
S1 サーマルプリンタ
Sh 用紙
Sw スイッチ
Swl レバー