(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093860
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】蓄電システム及び発電システム
(51)【国際特許分類】
F03B 13/18 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
F03B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210474
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】522504318
【氏名又は名称】中本 一馬
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】中本 一馬
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA02
3H074BB07
3H074BB10
3H074CC03
(57)【要約】
【課題】
建設及び運用における環境負荷が小さい蓄電システムを提供する。
【解決手段】
海面Bが海底Aを基準に上下することを利用する、蓄電システムX1であって、海面Bに浮いて配置される浮体1と、海底Aに設置される基準部2と、浮体1に設けられる蓄電ユニット3と、を備え、蓄電ユニット3は、ブロック31と、変換ユニット32と、を有し、変換ユニット32は、基準部2に対して上下して生じる力学的仕事でブロック31を上昇させる蓄電モードM1で駆動可能である、蓄電システムX1を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面が水底を基準に上下することを利用する、蓄電システムであって、
前記水面に浮いて配置される浮体と、前記水底に設置される基準部と、前記浮体に設けられる蓄電ユニットと、を備え、
前記蓄電ユニットは、ブロックと、変換ユニットと、を有し、
前記変換ユニットは、前記基準部に対して上下して生じる力学的仕事で前記ブロックを上昇させる蓄電モードで駆動可能である、蓄電システム。
【請求項2】
前記基準部は、ラックギアを有し、
前記変換ユニットは、前記ラックギアに噛み合わされるピニオンギアを含む、請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項3】
前記変換ユニットは、前記浮体に固定されるプーリと、前記プーリを経由して前記ブロックを吊り下げるワイヤーと、前記ワイヤーが巻かれるリールと、をさらに含むとともに、前記ピニオンギアが回転することで前記リールが回転するように構成されている、請求項2に記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記浮体は、前記蓄電ユニットを収容する蓄電室を有する、請求項3に記載の蓄電システム。
【請求項5】
前記浮体は、少なくとも一つの前記ブロックを囲うようにして設置されるガイドレールを有する、請求項3に記載の蓄電システム。
【請求項6】
前記リールは、前記ブロックが上昇するような向きに回転を制限するラチェットが搭載されるとともに、前記ラチェットを解除可能に構成される、請求項3に記載の蓄電システム。
【請求項7】
前記ブロックは、複数あり、
前記リールは、各々の前記ブロックに対応するようにして複数あり、
前記蓄電モードは、少なくとも一部の各々の前記ブロックに対応するようにして複数ある、請求項3に記載の蓄電システム。
【請求項8】
前記変換ユニットは、複数の前記蓄電モードを切り替える切替部をさらに有し、
前記切替部は、前記蓄電モードにおいて、前記ピニオンギアの回転を前記リールの回転に伝達可能に構成される、請求項7に記載の蓄電システム。
【請求項9】
複数の前記ブロックは、第一ブロックと、第二ブロックと、を含むように分類され、
前記変換ユニットは、前記第一ブロックを下降させて生じる力学的仕事で前記第二ブロックを上昇させる重心調整モードで駆動可能である、請求項7に記載の蓄電システム。
【請求項10】
前記変換ユニットは、前記蓄電モード及び前記重心調整モードを切り替える切替部をさらに有し、
前記切替部は、前記蓄電モードにおいて、前記ピニオンギアの回転を前記リールの回転に伝達可能に構成されるとともに、前記重心調整モードにおいて、前記第一ブロックに対応する前記リールの回転を前記第二ブロックに対応する前記リールの回転に伝達可能に構成される、請求項9に記載の蓄電システム。
【請求項11】
前記変換ユニットを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記浮体を基準とする前記ブロックの高さを含むブロックデータを取得する位置取得部と、少なくとも前記ブロックデータに基づき、前記変換ユニットを制御する処理部と、を有する、請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項12】
前記制御手段は、外部情報を含む外部データを取得する外部情報取得部をさらに有し、
前記処理部は、少なくとも前記ブロックデータと前記外部データに基づき、前記変換ユニットを制御する、請求項11に記載の蓄電システム。
【請求項13】
前記外部データは、前記水面の上下の予測情報を含む、請求項12に記載の蓄電システム。
【請求項14】
前記水面は、海面であり、
前記水底は、海底であり、
前記基準部に対して上下して生じる力学的仕事は、潮汐で生じる、請求項1~13の何れかに記載の蓄電システム。
【請求項15】
発電機を利用する、発電システムであって、
請求項1~13の何れかに記載の蓄電システムと、前記蓄電システムと前記発電機とを接続する発電機接続手段と、を備え、
前記変換ユニットは、前記ブロックを下降させて生じる力学的仕事で、前記発電機接続手段を介して前記発電機を駆動させる発電モードで駆動可能である、発電システム。
【請求項16】
発電機を利用する、発電システムであって、
請求項8又は10に記載の蓄電システムと、前記蓄電システムと前記発電機とを接続する発電機接続手段と、を備え、
前記変換ユニットは、前記ブロックを下降させて生じる力学的仕事で、前記発電機接続手段を介して前記発電機を駆動させる発電モードで駆動可能であり、
前記切替部は、さらに前記発電モードを切り替えるとともに、前記発電モードにおいて、前記リールの回転を前記発電機接続手段に伝達可能に構成される、発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水面の上下を利用した蓄電システム及び発電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エネルギー問題及び環境問題の深刻化により、再生可能エネルギーへの技術的関心が世界的に高まっている。
しかし、再生可能エネルギーのうち、潮汐をエネルギー源とするものは、技術開発及び実用化の両面において発展の途上にあるといえる。
【0003】
潮汐を利用した発電において、従来のもの(例えば、特許文献1)は、海水の取水及び放水が可能な堰止機構を備える湾構造を採用している。
このようなシステムでは、満潮時に海水を取水し、干潮時に海水を放水して水力発電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このようなシステムでは、建設が大規模になるにもかかわらず、それに対する発電効率が高いとはいえない。すなわち、環境負荷が大きいものとなっている。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑み、建設及び運用における環境負荷が小さい蓄電システムを提供することを課題とし、これを解決しようとするものである。
また、本発明は、建設及び運用における環境負荷が小さい発電システムを提供することを発展的課題とし、これを解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つは、水面が水底を基準に上下することを利用する、蓄電システムであって、上記課題を解決するために、
水面に浮いて配置される浮体と、水底に設置される基準部と、浮体に設けられる蓄電ユニットと、を備え、
蓄電ユニットは、ブロックと、変換ユニットと、を有し、
変換ユニットは、基準部に対して上下して生じる力学的仕事でブロックを上昇させる蓄電モードで駆動可能である。
【0008】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、変換ユニットが基準部に対して上下して生じる力学的仕事でブロックを上昇させることで、ブロックの位置エネルギーとして蓄電することができる。
また、メガフロートの例のように、浮体の設置に伴う環境負荷は小さいため、このような蓄電システムの建設及び運用における環境負荷も小さくなっている。
【0009】
この本発明の好ましい形態では、
基準部は、ラックギアを有し、
変換ユニットは、ラックギアに噛み合わされるピニオンギアを含む。
【0010】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、変換ユニットが基準部に対して上下して生じる力学的仕事で、ピニオンギアを回転させることで、ブロックを上昇させることができる。
【0011】
この本発明の好ましい形態では、
変換ユニットは、浮体に固定されるプーリと、プーリを経由してブロックを吊り下げるワイヤーと、ワイヤーが巻かれるリールと、をさらに含むとともに、ピニオンギアが回転することでリールが回転するように構成されている。
【0012】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、変換ユニットが基準部に対して上下して生じる力学的仕事で、ピニオンギアを回転させ、リールを回転させてワイヤーを巻き取ることで、プーリを介してブロックを上昇させることができる。
【0013】
この本発明の好ましい形態では、
浮体は、蓄電ユニットを収容する蓄電室を有する。
【0014】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、蓄電ユニットを風雨や波浪などから保護することができる。
【0015】
この本発明の好ましい形態では、
浮体は、少なくとも一つのブロックを囲うようにして設置されるガイドレールを有する。
【0016】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、風雨や波浪などでブロックが大きく揺れることを防ぐことができる。
【0017】
この本発明の好ましい形態では、
リールは、ブロックが上昇するような向きに回転を制限するラチェットが搭載されるとともに、ラチェットを解除可能に構成される。
【0018】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、ブロックが下降することを防ぎ、蓄電が効率的となる。
【0019】
この本発明の好ましい形態では、
ブロックは、複数あり、
リールは、各々のブロックに対応するようにして複数あり、
蓄電モードは、少なくとも一部の各々のブロックに対応するようにして複数ある。
【0020】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、蓄電を大容量化することができる。
【0021】
この本発明の好ましい形態では、
変換ユニットは、複数の蓄電モードを切り替える切替部をさらに有し、
切替部は、蓄電モードにおいて、ピニオンギアの回転をリールの回転に伝達可能に構成される。
【0022】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、上昇させるブロックを常に選択することができる。
【0023】
この本発明の好ましい形態では、
複数のブロックは、第一ブロックと、第二ブロックと、に分類され、
変換ユニットは、第一ブロックを下降させて生じる力学的仕事で第二ブロックを上昇させる重心調整モードで駆動可能である。
【0024】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、全体の重心のバランスをとりながら蓄電することができる。
【0025】
この本発明の好ましい形態では、
変換ユニットは、蓄電モード及び重心調整モードを切り替える切替部をさらに有し、
切替部は、蓄電モードにおいて、ピニオンギアの回転をリールの回転に伝達可能に構成されるとともに、重心調整モードにおいて、第一ブロックに対応するリールの回転を第二ブロックに対応するリールの回転に伝達可能に構成される。
【0026】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、全体の重心のバランスをとるために、上昇させるブロックを常に選択することができる。
【0027】
この本発明の好ましい形態では、
変換ユニットを制御する制御手段をさらに備え、
制御手段は、浮体を基準とするブロックの高さを含むブロックデータを取得する位置取得部と、少なくともブロックデータに基づき、変換ユニットを制御する処理部と、を有する。
【0028】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、全体の重心のバランスを常に制御しながら蓄電することができる。
【0029】
この本発明の好ましい形態では、
制御手段は、外部情報を含む外部データを取得する外部情報取得部をさらに有し、
処理部は、少なくともブロックデータと外部データに基づき、変換ユニットを制御する。
【0030】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、外部情報の変化に対応しながら蓄電することができる。
【0031】
この本発明の好ましい形態では、
外部データは、水面の上下の予測情報を含む。
【0032】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、水面の切り替わりに対応しながら蓄電することができる。
【0033】
この本発明の好ましい形態では、
水面は、海面であり、
水底は、海底であり、
基準部に対して上下して生じる力学的仕事は、潮汐で生じる。
【0034】
このような蓄電システムは、上記の構成によって、蓄電システムを海洋上に展開し、潮汐を利用して蓄電することができる。
【0035】
また、本発明の一つは、発電機を利用する、発電システムであって、上記課題を解決するために、
上記の蓄電システムと、蓄電システムと発電機とを接続する発電機接続手段と、を備え、
変換ユニットは、ブロックを下降させて生じる力学的仕事で、発電機接続手段を介して発電機を駆動させる発電モードで駆動可能である。
【0036】
このような発電システムは、上記の構成によって、変換ユニットが基準部に対して上下して生じる力学的仕事でブロックを上昇させることで、ブロックの位置エネルギーとして蓄電することができるとともに、このブロックの位置エネルギーで発電することができる。
また、上記の蓄電システムを採用していることで、このような発電システムの建設及び運用における環境負荷も小さくなっている。
【0037】
また、本発明の一つは、発電機を利用する、発電システムであって、上記課題を解決するために、
上記の蓄電システムと、蓄電システムと発電機とを接続する発電機接続手段と、を備え、
変換ユニットは、ブロックを下降させて生じる力学的仕事で、発電機接続手段を介して発電機を駆動させる発電モードで駆動可能であり、
切替部は、さらに発電モードを切り替えるとともに、発電モードにおいて、リールの回転を発電機接続手段に伝達可能に構成される。
【0038】
このような発電システムは、上記の構成によって、変換ユニットが基準部に対して上下して生じる力学的仕事でブロックを上昇させることで、ブロックの位置エネルギーとして蓄電することができるとともに、このブロックの位置エネルギーで発電することができ、このとき、上昇下降させるブロックを常に選択することができる。
また、上記の蓄電システムを採用していることで、このような発電システムの建設及び運用における環境負荷も小さくなっている。
【発明の効果】
【0039】
本発明は、建設及び運用において環境負荷が小さい蓄電システム及び発電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明の一実施形態に係る蓄電システムの全体の概略斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る蓄電システムの全体の概略立面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る蓄電システムの全体の概略平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る蓄電システムの全体の概略平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る蓄電システムを構成する制御手段の機能図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る蓄電システムの蓄電運用の説明図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る発電システムの発電運用の説明図である。
【
図8】本発明の一実施形態の第一の変更例に係る蓄電システムの重心調整の説明図である。
【
図9】本発明の一実施形態の第二の変更例に係る蓄電システムのガイドレールの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書では、発電機に接続可能な蓄電システムを、発電システムと定義する。この発電機は、発電システムの構成内であってもよく、発電システムの構成外であってもよい。
【0042】
以下では、本発明の一実施形態に係る発電システム及び蓄電システムについて、図面を用いながら説明する。なお、本発明は、他の実施形態においても実施可能である。
【0043】
以下、符号Xは、本実施形態に係る発電システムを、符号X1は、本実施形態に係る蓄電システムを、符号Aは、蓄電システムX1の構成が設置される海底を、符号Bは、蓄電システムX1の駆動エネルギーを提供する海水の海面を、それぞれ表すものとする。
【0044】
本実施形態は、蓄電システムX1としても、発電システムXとしても、提供され得る。
【0045】
図1~3に示すように、蓄電システムX1は、浮体1と、基準部2と、蓄電ユニット3と、制御手段4(非図示)と、を備える。
【0046】
蓄電システムX1は、海洋上に限られず、海底A(図中、点線黒透過)の代わりとなる水底と、海面B(図中、点線黒透過)の代わりとなる水面が上下する自然的又は人工的な機構と、が存在する環境であれば、運用することができる。このような環境としては、例えば、ダムや運河、これらに類似する構造などがあり得る。
【0047】
浮体1は、浮体本体11と、蓄電室12と、を有する。
【0048】
浮体本体11は、海面Bに浮いて配置される。
浮体本体11は、一辺が100メートル程度の長方形の土地を形成する。この土地の面積及び形状はこれらに制限されず、設計要求などに基づいて選択可能である。
浮体本体11は、メガフロートや大型船舶と同様、鋼などの耐食性材料が用いられた殻構造となっている。
浮体本体11は、海底Aや海岸に設置された繋留具などによって繋留されていることが、好ましい。
【0049】
蓄電室12は、浮体本体11が形成する土地上に建設される。
蓄電室12は、通常の建造物と同様、壁面121(図中、一部略)及び天井面122(図中、一部略)を含み構成される。
蓄電室12は、浮体1が転覆しない程度に、浮体本体11の大きさに対して低く形成される。例えば、浮体本体11が100メートル四方の土地を形成する場合、蓄電室12の高さは100メートル以内であることが、好ましい。
【0050】
壁面121は、周方向を塞ぐように形成され、風雨や波浪などが蓄電室12の内部に侵入することを抑制する。ただし、建造コストの削減のため、少なくとも一部の壁面121を省略し、多少の風雨や波浪の侵入を許す構成としてもよい。
【0051】
天井面122は、壁面121を支えとして形成される。ただし、蓄電室12の内部に支柱が設けられ、壁面121と協働して天井面122の支えとする構成としてもよい。
天井面122は、浮体本体11が形成する土地に対して略平行になるように形成されることが、好ましい。
【0052】
基準部2は、柱状に形成され、海底Aに固設される。このとき、基準部2の一端は、重量体が設けられることで海底Aに沈められてもよく、海底Aに埋設されてもよい。
基準部2は、海底Aから浮体1に向かって伸び、そのまま浮体本体11を貫通し、蓄電室12の内部に到達するように設けられている。このとき、基準部2の他端は、蓄電室12の内部にあってもよく、蓄電室12を貫通してその上方にあってもよい。
基準部2であって、蓄電室12の内部にある部分の少なくとも一部には、ラックギア21が設けられる。
【0053】
ラックギア21は、想定される海面Bの上下する距離より十分長く、基準部2の側面の上下に渡って設けられる。
ラックギア21は、潮汐に伴う不規則な力に対応するため、それぞれの歯がある程度大型になるように形成されることが、好ましい。
【0054】
蓄電ユニット3は、ブロック31と、変換ユニット32(図中、一部略)と、を有し、蓄電室12の内部に収容される。
【0055】
ブロック31は、コンクリートを素材とし、略直方体に形成される。この素材及び形状は、十分な重量を備えるようなものであればこれらに制限されず、設計要求などに基づいて選択可能である。
ブロック31は、複数設けられ、蓄電室12の内部で整列している。この個数及び配置はこれらに制限されず、設計要求などに基づいて選択可能である。例えば、
図4に示すように、ブロック31の個数を1~数個として、蓄電システムX1を小規模としてもよい。この小規模な蓄電システムX1においては、浮体本体11が形成する土地を、一辺が5~10メートル程度の長方形とすることが、好ましく、この小規模な蓄電システムX1を複数並列させて運用することが、さらに好ましい。
【0056】
変換ユニット32は、ピニオンギア321と、リール322と、ワイヤー323と、プーリ324と、切替部325と、を含む。
【0057】
ピニオンギア321は、ラックギア21に噛み合わされるようにして配置されている。
ピニオンギア321は、ラックギア21のそれぞれの歯の大きさに合わせ、それぞれの歯がある程度大型になるように形成されることが、好ましい。
ピニオンギア321は、基準部2の周囲であって、ラックギア21が設けられる部分であれば、複数設けられてもよい。
【0058】
リール322と、ワイヤー323と、プーリ324と、のセットは、ブロック31のそれぞれに対応して設けられ、協働して、対応するブロック31を吊り下げる。
詳述すれば、プーリ324は、蓄電室12の天井面122に整列して固定される。また、ワイヤー323は、プーリ324に掛けられるとともに、一端はブロック31に連結され、他端はリール322に固定される。ワイヤー323は、ブロック31に直接連結されてもよいし、ブロック31を載置する台が別途設けられ、その台に連結されてもよい。
これによって、リール322の回転に伴い、ワイヤー323がリール322に巻かれることで、ブロック31がプーリ324から吊り下がりつつ持ち上がることとなる。
【0059】
切替部325は、複数のギアから構成されるとともに、ギアのそれぞれを動かすことでギアの噛み合わせを変更可能に構成される。
切替部325のギアは、ピニオンギア321のそれぞれに対応して噛み合わされる第一ギアg1と、リール322のそれぞれに対応する第二ギアg2と、を含む。
【0060】
リール322は、対応する第二ギアg2の回転に伴って回転可能な構成を含む。この構成としては、例えば、第二ギアg2に噛み合わされるギア構造や、機関車の車輪にみられるような、第二ギアg2に連結されるための連結棒などがあり得る。
リール322又はそれに対応する第二ギアg2には、ブロック31が持ち上がるような向きの回転のみを許すようなラチェットが搭載される。
【0061】
切替部325のギアの噛み合わせに基づき、変換ユニット32の駆動モードが定義される。この駆動モードは、蓄電モードM1を含む。
【0062】
蓄電モードM1は、リール322を回転させてブロック31を持ち上げるために、ピニオンギア321とリール322とを連動させるように、切替部325のギアを噛み合わせるモードである。
蓄電モードM1は、第一ギアg1と第二ギアg2との組合せのすべてに対応して定義される。ただし、切替部325の構造の簡略化のために、この組合せの一部は省略されてもよい。
蓄電モードM1は、第一ギアg1の回転の向きに対する第二ギアg2の回転の向き、すなわち順向きと逆向きの両方に対応して定義されることが、好ましい。
【0063】
制御手段4は、変換ユニット32を制御可能に構成される。制御手段4に係る電気回路などの配置は、浮体1上であれば特段の制限はないが、制御盤や制御室など、風雨や波浪などの侵入を防ぐ構造に収容されることが、好ましい。
【0064】
制御手段4は、変換ユニット32の切替部325を制御することで、変換ユニット32で実行される駆動モードを変更する。この駆動モードは、同時に複数実行されることが、好ましい。
詳述すれば、切替部325は、複数の蓄電モードM1を同時に実行可能に構成され、制御手段4は、実行する複数の蓄電モードM1を、第一ギアg1と第二ギアg2との組合せが干渉しないように選択することが、好ましい。
【0065】
図5に示すように、制御手段4は、位置取得部41と、外部情報取得部42と、処理部43と、を有することが、好ましい。また、処理部43は、計算部431と、判断部432と、を含むことが、好ましい。
制御手段4は、位置取得ステップS1と、外部情報取得ステップS2と、重心計算ステップS3と、駆動決定ステップS4と、を含む一連のステップで、変換ユニット32を制御することが、好ましい。
【0066】
位置取得ステップS1では、位置取得部41が、ブロック31の現在の高さの情報を含むブロックデータd1を取得する。
ブロック31の現在の高さの情報は、対応する第二ギアg2、リール322やプーリ324の回転量から取得してもよいし、ワイヤー323に目盛などのマークを別途施し、そのマークの位置から取得してもよいし、蓄電室12に光センサやカメラなどの位置センサを別途設置し、その測定データから取得してもよい。
【0067】
外部情報取得ステップS2では、外部情報取得部42が、蓄電システムX1の運用に関わる外部情報を含む外部データd2を取得する。外部情報取得部42は、外部のネットワークに接続するための無線又は有線の手段を有する。
蓄電システムX1の運用に関わる外部情報としては、例えば、潮汐情報、天候情報や地震情報及びこれらの予測情報などがある。
【0068】
重心計算ステップS3では、計算部431が、ブロックデータd1に基づき、浮体1及び浮体1上の構成の現在の重心の位置を計算し、この計算結果を含む重心データd3を作成する。このとき、ブロック31であって、持ち上げることによる重心の位置の移動が、浮体1が転覆しない程度に留まるようなブロック31のリストを、重心データd3に含めてもよい。
【0069】
駆動決定ステップS4では、判断部432が、ブロックデータd1と重心データd3に基づき、持ち上げるブロック31を決定する。これによって、処理部43は、このブロック31に対応する蓄電モードM1を選択し、変換ユニット32に実行させる。
【0070】
駆動決定ステップS4では、判断部432が、さらに外部データd2にも基づくことが、好ましい。
詳述すれば、潮汐情報に基づき、ブロック31が持ち上がるような向きでリール322を回転させることが可能な蓄電モードM1のみを選択可能とすることが、好ましい。また、天候情報や地震情報に基づき、蓄電システムX1の運用に支障をきたすレベルの悪天候や地震においては、切替部325のギアの少なくとも一部を切り離すことで、蓄電システムX1の構成を保護可能とすることが、好ましい。
【0071】
図6に示すように、蓄電システムX1は、次のようにして蓄電運用可能である。
蓄電運用において、制御手段4は、位置取得ステップS1と、外部情報取得ステップS2と、重心計算ステップS3と、駆動決定ステップS4と、によって、変換ユニット32の駆動モードを経時的に選択する。
【0072】
潮汐によって海面Bが上昇する場合、蓄電室12に対し、基準部2が下降する。これより、ピニオンギア321に対し、ラックギア21が下降するため、ピニオンギア321が回転する。ただし、通常、海面Bには波が発生しているため、これらの実際の運動は振動的となる。
ピニオンギア321が回転すると、切替部325(図中、ギアの一部を開示)の第一ギアg1が回転する。これより、制御手段4が選択した蓄電モードM1に基づく切替部325のギアの噛み合わせによって、対応する第二ギアg2が回転する。
第二ギアg2が回転すると、対応するリール322が回転する。これより、ワイヤー323が巻き取られ、プーリ324の位置を介して、ブロック31が持ち上がる。ここで、リール322又は対応する第二ギアg2にはラチェットが搭載されているため、海面Bの波に起因する振動的な運動のうち、ブロック31が落下するような向きのものは、ワイヤー323に伝達されない。
この間、制御手段4は、ブロック31が完全に持ち上がるときには、ブロック31がプーリ324に衝突しないように切替部325のギアの回転を制御し、そのまま変換ユニット32の対応する蓄電モードM1を終了させることが、好ましい。
以上の流れで、ブロック31の浮体1に対する位置エネルギーが効率的に蓄えられることとなる。
【0073】
潮汐によって海面Bが下降する場合、制御手段4が潮汐情報に基づき、第一ギアg1の回転の向きに対する第二ギアg2の回転の向きが逆転するように、蓄電モードM1を選択する。
そのため、上記と同様の流れで、ブロック31の浮体1に対する位置エネルギーが効率的に蓄えられることとなる。
【0074】
発電システムXは、蓄電システムX1に加え、発電機接続手段5を備える。
発電システムXは、発電機接続手段5が接続可能な発電機6をさらに備えてもよい。
【0075】
発電システムXにおいて、蓄電システムX1は、次のように変更される。
【0076】
発電システムXにおいて、切替部325のギアは、発電機接続手段5に対応する第三ギアg3をさらに含む。
【0077】
発電機接続手段5は、外部の発電機又は発電機6の回転駆動軸を駆動可能に構成されている。この構成としては、例えば、互いに噛み合わされるギア構造や、機関車の車輪にみられるような、回転駆動軸に連結されるための連結棒などがあり得る。
発電機接続手段5は、対応する第三ギアg3の回転に伴って回転可能な構成を含むことが、好ましい。この構成としては、例えば、第三ギアg3に噛み合わされるギア構造や、機関車の車輪にみられるような、第三ギアg3に連結されるための連結棒などがあり得る。
発電機接続手段5は、設計要求などに基づき、変速機、増速機や減速機を有することが、好ましい。
【0078】
発電システムXにおいて、変換ユニット32の駆動モードは、発電モードM2をさらに含む。
【0079】
発電モードM2は、ブロック31を落下させて外部の発電機又は発電機6を駆動させるために、リール322と発電機接続手段5とを連動させるように、切替部325のギアを噛み合わせるモードであり、第二ギアg2と第三ギアg3との組合せのすべてに対応して定義される。
【0080】
発電システムXにおいて、切替部325は、複数の蓄電モードM1と発電モードM2を同時に実行可能に構成され、制御手段4は、実行する複数の蓄電モードM1と発電モードM2を、第一ギアg1と第二ギアg2との組合せ及び第二ギアg2と第三ギアg3との組合せが干渉しないように選択することが、好ましい。
【0081】
発電システムXにおいて、制御手段4は、変換ユニット32のリール322又はそれに対応する第二ギアg2に搭載されるラチェットを解除するか否かを制御する。
【0082】
発電システムXにおいて、制御手段4は、発電決定部44をさらに有し、変換ユニット32を制御するためのステップは、発電判断ステップS5をさらに含んでもよい。
【0083】
発電判断ステップS5では、駆動決定ステップS4に先んじて、発電決定部44が、発電システムXが発電可能であるか否かを判断する。
発電システムXが発電可能であるか否かを判断するための情報は、発電機接続手段5に外部の発電機が接続されているか否かの情報であってもよいし、外部の発電機又は発電機6が送電線網に接続されているか否かの情報であってもよいし、スイッチ操作や遠隔操作による外部からの人為的な指令であってもよい。
【0084】
発電システムXにおいて、重心計算ステップS3では、ブロック31であって、落下させることによる重心の位置の移動が、浮体1が転覆しない程度に留まるようなブロック31のリストを、重心データd3にさらに含めてもよい。
【0085】
発電システムXにおいて、駆動決定ステップS4では、さらに、判断部432が、ブロックデータd1と重心データd3と、発電決定部44の判断に基づき、落下させるブロック31を決定する。これによって、処理部43は、このブロック31に対応する発電モードM2を選択し、変換ユニット32に実行させる。
【0086】
図7に示すように、発電システムXは、次のようにして発電運用可能である。
発電運用において、制御手段4は、位置取得ステップS1と、外部情報取得ステップS2と、重心計算ステップS3と、駆動決定ステップS4と、発電判断ステップS5と、によって、変換ユニット32の駆動モードを経時的に選択する。なお、変換ユニット32は同時に複数の駆動モードで実行可能であるため、発電運用と蓄電運用は同時に実施可能である。
【0087】
制御手段4は、少なくとも1つの発電モードM2を選択した場合、発電モードM2に基づく変換ユニット32のリール322又はそれに対応する第二ギアg2に搭載されるラチェットを解除する。これより、ブロック31が落下する。
ブロック31が落下すると、プーリ324の位置を介して、ワイヤー323が繰り出され、リール322が回転する。
リール322が回転すると、切替部325(図中、ギアの一部を開示)の第二ギアg2が回転する。これより、制御手段4が選択した発電モードM2に基づく切替部325のギアの噛み合わせによって、対応する第三ギアg3が回転する。
第三ギアg3が回転すると、発電機接続手段5を介して、外部の発電機又は発電機6の回転駆動軸が駆動される。
この間、制御手段4は、ブロック31が完全に落下するときには、ブロック31が浮体本体11に衝突しないように切替部325のギアの回転を制御し、そのまま変換ユニット32の対応する発電モードM2を終了させることが、好ましい。
以上の流れで、ブロック31の浮体1に対する位置エネルギーが電力量に変換されることとなる。
【0088】
本実施形態は、次のような第一の変更例においても実施可能である。
【0089】
ブロック31は、第一ブロック311と、第二ブロック312と、を含むように分類される。これに伴い、第二ギアg2は、第一ブロック311に対応する蓄電第二ギアg21と、第二ブロック312に対応する発電第二ギアg22と、に分類される。
【0090】
蓄電モードM1は、第一ギアg1と蓄電第二ギアg21との組合せのすべてに対応して定義される。第一ギアg1と発電第二ギアg22との組合せを含めて定義されてもよい。ただし、切替部325の構造の簡略化のために、この組合せの一部は省略されてもよい。
【0091】
発電モードM2は、発電第二ギアg22と第三ギアg3との組合せのすべてに対応して定義される。蓄電第二ギアg21と第三ギアg3との組合せを含めて定義されてもよい。
【0092】
変換ユニット32の駆動モードは、重心調整モードM3をさらに含む。
【0093】
重心調整モードM3は、第一ブロック311を落下させて第二ブロック312を持ち上げるために、第一ブロック311に対応するリール322と第二ブロック312に対応するリール322とを連動させるように、切替部325のギアを噛み合わせるモードである。
重心調整モードM3は、蓄電第二ギアg21と発電第二ギアg22との組合せのすべてに対応して定義される。ただし、切替部325の構造の簡略化のために、この組合せの一部は省略されてもよい。
【0094】
切替部325は、複数の蓄電モードM1と発電モードM2と重心調整モードM3を同時に実行可能に構成され、制御手段4は、実行する複数の蓄電モードM1と発電モードM2と重心調整モードM3を、第一ギアg1と第二ギアg2との組合せ、第二ギアg2同士の組合せ及び第二ギアg2と第三ギアg3との組合せが干渉しないように選択することが、好ましい。
【0095】
駆動決定ステップS4では、さらに、判断部432が、ブロックデータd1と重心データd3に基づき、落下させる第一ブロック311と持ち上げる第二ブロック312の組合せを決定する。これによって、処理部43は、この組合せに対応する重心調整モードM3を選択し、変換ユニット32に実行させる。
【0096】
図8に示すように、蓄電システムX1は、次のようにして重心調整可能である。
重心調整において、制御手段4は、位置取得ステップS1と、外部情報取得ステップS2と、重心計算ステップS3と、駆動決定ステップS4と、によって、変換ユニット32の駆動モードを経時的に選択する。なお、変換ユニット32は同時に複数の駆動モードで実行可能であるため、重心調整は、蓄電運用や発電運用と同時に実施可能である。
【0097】
制御手段4は、少なくとも1つの重心調整モードM3を選択した場合、重心調整モードM3に基づく変換ユニット32のリール322又はそれに対応する蓄電第二ギアg21に搭載されるラチェットを解除する。これより、第一ブロック311が落下する。
第一ブロック311が落下すると、プーリ324の位置を介して、ワイヤー323が繰り出され、リール322が回転する。
リール322が回転すると、切替部325(図中、ギアの一部を開示)の蓄電第二ギアg21が回転する。これより、制御手段4が選択した重心調整モードM3に基づく切替部325のギアの噛み合わせによって、対応する発電第二ギアg22が回転する。
発電第二ギアg22が回転すると、対応するリール322が回転する。これより、ワイヤー323が巻き取られ、プーリ324の位置を介して、第二ブロック312が持ち上がる。
この間、制御手段4は、第一ブロック311が完全に落下するときや、第二ブロック312が完全に持ち上がるときには、第一ブロック311が浮体本体11に衝突したり、第二ブロック312がプーリ324に衝突したりしないように、切替部325のギアの回転を制御し、そのまま変換ユニット32の対応する重心調整モードM3を終了させることが、好ましい。
以上の流れで、第一ブロック311の浮体1に対する位置エネルギーが第二ブロック312の浮体1に対する位置エネルギーに変換されることとなり、重心調整が達成される。
【0098】
この重心調整においては、例えば、第一ブロック311が比較的大きく、第二ブロック312が比較的小さく形成されていることが、好ましい。
蓄電運用においては、少数の蓄電モードM1で蓄電が十分可能になるため、切替部325の構成が簡素になることが見込まれる。また、重心調整においては、中央近傍の第二ブロック312に対応する重心調整モードM3を優先的に選択することで、浮体1におけるモーメントの釣り合いを良好に維持することができ、転覆を抑制することができる。
【0099】
図9に示すように、本実施形態は、次のような第二の変更例においても実施可能である。
【0100】
浮体1は、ガイドレール13(図中、一部黒透過)をさらに有する。
【0101】
ガイドレール13は、少なくとも一つのブロック31の移動範囲を囲うようにして設置される。ガイドレール13による囲いは、ブロック31の移動範囲の全周であってもよいし、その一部であってもよい。
ガイドレール13は、トラス構造で形成される。この構造はこれに制限されず、設計要求などに基づいて選択可能である。
【0102】
これによって、ブロック31はガイドレール13に沿って上下するため、ブロック31の揺れを大幅に抑制することができる。このとき、ブロック31とガイドレール13との摩擦を低減するための車輪などの構成を、ブロック31とガイドレール13の少なくとも一方に配置してもよい。
【0103】
ガイドレール13が、プーリ324を設置可能な天井を含むように構成されれば、蓄電室12がなく、蓄電ユニット3がむき出しになってもよい。
【0104】
以上が本実施形態の説明であるが、この説明に含まれる各構成及びその寸法、形状、配置などの各要素については一例であって、これらは設計要求などに基づいて種々変更可能である。
【符号の説明】
【0105】
X 発電システム
X1 蓄電システム
1 浮体
11 浮体本体
12 蓄電室
13 ガイドレール
2 基準部
21 ラックギア
3 蓄電ユニット
31 ブロック
311 第一ブロック
312 第二ブロック
32 変換ユニット
321 ピニオンギア
322 リール
323 ワイヤー
324 プーリ
325 切替部
4 制御手段
41 位置取得部
42 外部情報取得部
43 処理部
5 発電機接続手段
6 発電機
A 海底
B 海面