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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093871
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A01C11/02 351B
A01C11/02 322B
A01C11/02 322C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210498
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 亘樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 之人
(72)【発明者】
【氏名】福島 茂雄
【テーマコード(参考)】
2B062
2B064
【Fターム(参考)】
2B062AA08
2B062AB01
2B062BA06
2B062BA14
2B062BA18
2B062BA22
2B062BA68
2B062CA14
2B062CA15
2B064AA02
2B064AA05
2B064AA07
2B064AB01
2B064AC01
2B064EA02
2B064EA06
2B064EA30
2B064EC20
(57)【要約】
【課題】作業装置が横送り機構における左右いずれかの端部に到達したことを検出する端部検出部を備えた作業機を提供する。
【解決手段】作業装置20の横送り機構3に、横送り軸30と移動体31とが備えられ、移動体31が作業装置20に連結され、移動体31及び作業装置20と一体に横移動する被検出部51が設けられ、被検出部51の横移動方向における位置を検出するセンサ52が、作業装置20に対して停止している支持部材21に設けられ、センサ52が、作業装置20の横移動に伴って被検出部51と接触する接触子52aを備え、被検出部51と接触子52aの接触に伴って発生する検出情報に基づいて、作業装置20が横送り機構3における左右いずれかの端部に到達したことを検出する端部検出部を備えた。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
機体後方に連結された作業部と、を備え、
前記作業部は横送り機構により左右方向に往復移動自在な作業装置を備え、
前記横送り機構に、左右に延出した横送り軸と前記横送り軸上を往復移動する移動体とが備えられ、
前記移動体が前記作業装置に連結されるとともに、前記移動体及び前記作業装置と一体に横移動する被検出部が設けられ、
前記被検出部の横移動方向における位置を検出するセンサが、前記作業部のうち前記作業装置に対して停止している支持部材に設けられ、
前記センサが、前記作業装置の横移動に伴って前記被検出部と接触する接触子を備え、
前記被検出部と前記接触子の接触に伴って発生する検出情報に基づいて、前記作業装置が前記横送り機構における左右いずれかの端部に到達したことを検出する端部検出部を備えた作業機。
【請求項2】
前記横送り軸は駆動回転され、
前記支持部材は前記作業装置を支持し、
前記センサは前記作業装置の横移動範囲における端部に配置されている請求項1記載の作業機。
【請求項3】
前記端部検出部による検知から前記接触子の移動量に基づき、前記横送り機構の横送り速度を算出する横送り算出部を備えた請求項1記載の作業機。
【請求項4】
前記作業装置は苗載せ台であり、前記支持部材は前記苗載せ台を支持する苗載せ台支持部材である請求項1記載の作業機。
【請求項5】
苗載せ台を左右方向に往復横移動させる横送り機構と、
前記苗載せ台に搭載された苗を取り出して圃場に植え付ける苗植付機構と、
前記横送り機構の作動を制御する苗載せ台制御部と、が備えられ、
前記横送り機構に、駆動回転される横送り軸と、前記横送り軸の回転に伴って前記横送り軸上を往復駆動される移動体と、が備えられ、
前記移動体が前記苗載せ台に連結されるとともに、前記移動体及び前記苗載せ台と一体に横移動する被検出部が設けられ、
前記被検出部の横移動方向における位置を検出するセンサが、前記苗載せ台を支持する苗載せ台支持部材に設けられ、
前記センサが、前記苗載せ台の横移動に伴って前記被検出部と接触する接触子を備え、
前記接触子が、前記苗載せ台の横移動範囲における端部近くで、かつ前記端部よりも当該横移動範囲の中央側へ寄った箇所である端部近接位置から前記横移動範囲の端部である端部位置にわたる検出領域で接触移動可能に構成され、
前記検出領域における前記接触子での検出情報に基づいて、前記苗載せ台制御部から前記横送り機構に対して前記苗載せ台の停止指令が出力されるようにしてある作業機。
【請求項6】
前記センサはポテンショメータであり、前記検出領域における前記接触子の回転量の検出結果に基づいて前記停止指令を出力するようにしてある請求項5記載の作業機。
【請求項7】
前記センサはポテンショメータであり、前記検出領域における前記接触子の角速度の検出結果に基づいて前記停止指令を出力するようにしてある請求項5記載の作業機。
【請求項8】
前記センサは、前記横移動範囲の一方の端部を検出する箇所に設けられている請求項5記載の作業機。
【請求項9】
前記センサは、前記横移動範囲の両方の端部を検出する箇所に設けられている請求項5記載の作業機。
【請求項10】
前記センサは、前記苗載せ台支持部材におけるツールバーに対して、上向きに取り付けらえた取付ステーを介して取り付けられている請求項5~9のいずれか一項記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体後方に作業部を連結した作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業機の一例としてエンジンを搭載した走行機体と、当該エンジンから伝達される動力により駆動する苗植付装置と、を備える田植機が記載されている。苗植付装置は、マット状苗が載置される苗載せ台を備え、苗載せ台は左右方向に往復横移動可能に構成されている。
この種の作業機では、苗載せ台にマット状苗を載置する際に、苗載せ台を予め左右いずれか一方の端部に移動させる端寄せ作業を行う場合がある。この特許文献1に示される田植機では、苗載せ台が左右いずれかの端部に到達したことを検出する端寄せスイッチを備えており、その端寄せスイッチが作動したときに端寄せ作業を自動的に終了するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-196155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業機では、無段変速機構で変速されたエンジン動力が、PTO軸を介して苗植付装置における伝動ケースに入力することにより、各植付け装置の駆動、および苗載せ台の左右方向への横送り機構等の駆動を行うように構成されている。そして、端寄せ作業時における苗載せ台の停止位置は、特定位置に固定された端部スイッチによって、苗載せ台の横移動範囲の端部に相当する一箇所で検出される。
このため、例えばエンジン速度が必要以上に高くなったり、逆に遅くなりすぎたりして、苗載せ台の横送り速度が想定よりも大きく変化した場合などに、苗載せ台の移動慣性が大きく変化する虞がある。この場合に、端部位置の検出後における実際の停止位置が、予定された停止位置からずれてしまうことが考えられる。そうすると以後の植え付け作業時における苗取り量に過不足が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、作業装置が横送り機構における左右いずれかの端部に到達したことを検出する端部検出部を備えた作業機を提供しようするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の作業機は、
機体と、
機体後方に連結された作業部と、を備え、
前記作業部は横送り機構により左右方向に往復移動自在な作業装置を備え、
前記横送り機構に、左右に延出した横送り軸と前記横送り軸上を往復移動する移動体とが備えられ、
前記移動体が前記作業装置に連結されるとともに、前記移動体及び前記作業装置と一体に横移動する被検出部が設けられ、
前記被検出部の横移動方向における位置を検出するセンサが、前記作業部のうち前記作業装置に対して停止している支持部材に設けられ、
前記センサが、前記作業装置の横移動に伴って前記被検出部と接触する接触子を備え、
前記被検出部と前記接触子の接触に伴って発生する検出情報に基づいて、前記作業装置が前記横送り機構における左右いずれかの端部に到達したことを検出する端部検出部を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、センサが、被検出部と接触子の接触に伴って発生する検出情報に基づいて、作業装置が横送り機構における左右いずれかの端部に到達したことを検出し得る。
【0008】
本発明の好適な実施形態の1つでは、
前記横送り軸は駆動回転され、
前記支持部材は前記作業装置を支持し、
前記センサは前記作業装置の横移動範囲における端部に配置されている。
【0009】
この手段によると、作業装置の横移動範囲における端部を検出し得る。
【0010】
本発明の好適な実施形態の1つでは、
前記端部検出部による検知から前記接触子の移動量に基づき、前記横送り機構の横送り速度を算出する横送り算出部を備えた。
【0011】
この手段によると、横送り機構の横送り速度を算出し得る。
【0012】
本発明の好適な実施形態の1つでは、
前記作業装置は苗載せ台であり、前記支持部材は前記苗載せ台を支持する苗載せ台支持部材である。
【0013】
この手段によると、苗載せ台の端部を検出し得る。
【0014】
本発明の作業機は、
苗載せ台を左右方向に往復横移動させる横送り機構と、
前記苗載せ台に搭載された苗を取り出して圃場に植え付ける苗植付機構と、
前記横送り機構の作動を制御する苗載せ台制御部と、が備えられ、
前記横送り機構に、駆動回転される横送り軸と、前記横送り軸の回転に伴って前記横送り軸上を往復駆動される移動体と、が備えられ、
前記移動体が前記苗載せ台に連結されるとともに、前記移動体及び前記苗載せ台と一体に横移動する被検出部が設けられ、
前記被検出部の横移動方向における位置を検出するセンサが、前記苗載せ台を支持する苗載せ台支持部材に設けられ、
前記センサが、前記苗載せ台の横移動に伴って前記被検出部と接触する接触子を備え、
前記接触子が、前記苗載せ台の横移動範囲における端部近くで、かつ前記端部よりも当該横移動範囲の中央側へ寄った箇所である端部近接位置から前記横移動範囲の端部である端部位置にわたる検出領域で接触移動可能に構成され、
前記検出領域における前記接触子での検出情報に基づいて、前記苗載せ台制御部から前記横送り機構に対して前記苗載せ台の停止指令が出力されるようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、センサの接触子が、苗載せ台の横移動範囲における端部位置のみで被検出部と接触するのではなく、接触子が、苗載せ台の横移動範囲における端部近くで、かつ端部よりも当該横移動範囲の中央側へ寄った箇所である端部近接位置から横移動範囲の端部である端部位置にわたる検出領域で接触移動可能に構成されている。
したがって、接触子よる検出領域が、端部位置のみで検出する場合に比べて広くなる。そして、その広い検出領域における接触子での検出情報に基づいて、苗載せ台制御部から横送り機構に対して苗載せ台の停止指令が出力されるので、苗載せ台が端部で停止する位置を予測しながら精度良く停止させ易い、という利点がある。
【0016】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記センサはポテンショメータであり、前記検出領域における前記接触子の回転量の検出結果に基づいて前記停止指令を出力するようにしてある。
【0017】
この手段によると、ポテンショメータにより検出領域における接触子の回転量を検出し、その検出結果に基づいて苗載せ台が端部で停止する位置を予測しながら精度良く停止させ易い。
【0018】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記センサはポテンショメータであり、前記検出領域における前記接触子の角速度の検出結果に基づいて前記停止指令を出力するようにしてある。
【0019】
この手段によると、ポテンショメータにより検出領域における接触子の回転量を検出し、その検出結果に基づいて苗載せ台が端部で停止する位置を予測しながら迅速に精度良く停止させ易い。
【0020】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記センサは、前記横移動範囲の一方の端部を検出する箇所に設けられている。
【0021】
この手段によると、苗載せ台の横移動範囲の一方の端部を基準にして、苗載せ台を端部に精度良く停止させ易い。
【0022】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記センサは、前記横移動範囲の両方の端部を検出する箇所に設けられている。
【0023】
この手段によると、苗載せ台の横移動範囲の両方の端部を基準にして、苗載せ台を端部に精度良く停止させ易い。
【0024】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記センサは、前記苗載せ台支持部材におけるツールバーに対して、上向きに取り付けらえた取付ステーを介して取り付けられている。
【0025】
この手段によると、ツールバーをセンサの取付手段に利用して、センサ取付構造の簡素化を図っている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】乗用型田植機の左側面図である。
図2】苗植付装置における動力伝達系を示す平面図である。
図3】苗植付装置における動力伝達箇所を示す拡大正面図である。
図4】苗植付装置における動力伝達箇所を示す拡大側面図である。
図5】苗植付装置における動力伝達箇所を示す斜視図である。
図6】センサの動作形態を示す説明図である。
図7】制御系統を示すブロック図である。
図8】第二実施形態における制御系統を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明にかかる作業機の実施形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した作業機の一例である乗用型田植機の走行時における前進側の進行方向(図1における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。
【0028】
〔全体構成〕
乗用型田植機の全体構成について説明する。
図1に示すように、乗用型田植機は、右及び左の前輪1F、右及び左の後輪1Rで支持された走行機体1を備え、この走行機体1の後部に、6条植え型式の苗植付装置2が配置されている。苗植付装置2は、走行機体1の後部に設けたリンク機構16、及び昇降作動用の油圧シリンダ17を介して上下昇降移動可能に支持されている。
【0029】
走行機体1の前部にエンジン10が備えられている。エンジン10の動力は、ベルト伝動機構11を介して静油圧式無段変速装置からなる主変速装置12に伝達される。主変速装置12で変速された動力は、伝動下手側に配置されたミッションケース13内のギア式の副変速装置(図示せず)、及び他のギア式の伝動機構等を介して、走行装置としての前輪1F及び後輪1Rに伝達される。同時に、ミッションケース13から出力された動力は、植付伝動軸14を介して、苗植付装置2にも駆動力が伝達される。
【0030】
走行機体1上には、前記エンジン10の後方側に、操縦部15が設けられている。操縦部15には、ステアリングハンドル15a、運転座席15b、及び主変速レバー15c、の他、各種の操作具が配設されている。
【0031】
〔苗植付装置〕
苗植付装置2は、植付け用のマット状苗を載置する苗載せ台20と、その苗載せ台20を支持する植付主フレーム21(苗載せ台支持部材に相当する)を備えている。植付主フレーム21に、走行機体1側の動力が植付伝動軸14を介して伝達されるフィードケース22が一体に取り付けられている。
苗載せ台支持部材である植付主フレーム21は、図2及び図4に示されるように、左右方向に長いツールバー23と、前後方向に長い複数個(この実施形態では3個)の植付伝動ケース24とを備えている。具体的には、ツールバー23の後部に植付伝動ケース24の前端部が溶接固定されて一体化された植付主フレーム21を構成している。
【0032】
ツールバー23の後部から後方に向けて延設された植付伝動ケース24の後部には、苗載せ台20の下端から1株ずつ苗を取り出して圃場に植え付ける苗植付機構25の複数個(この実施形態では6個)が設けられている。この苗植付機構25は、左右方向の回転軸心まわりで回動する回転アーム25aの両端部に植付爪25bを備えた周知のロータリ植付爪型式に構成されたものである。植付主フレーム21の下方には、田面を整地するフロート26等が備えられている。
【0033】
フィードケース22は、植付主フレーム21の左右方向での中央箇所に設けられ、リンク機構16の後部に備えた前後方向の軸芯(図示せず)周りでローリング自在に支持されている。
フィードケース22に入力されたエンジン10側からの駆動力は、苗載せ台20を横送りする横送り機構3、及び苗載せ台20に載置されているマット状苗を苗取出口20b側へ縦送りする縦送りベルト40を駆動する縦送り駆動機構4に分配される。
フィードケース22内に、横送り機構3及び縦送り駆動機構4に対する動力伝達を断続するための植付クラッチ27が装備されている。
【0034】
図3に示すように、苗載せ台20には、左右方向に並ぶ6個の苗載置部20aが備えられている。苗載せ台20は、下端部が、摺動レール28等を介して複数の植付伝動ケース24に支持されている。苗載せ台20の上部は、植付主フレーム21から立設された支柱及び支柱の上部に設けたガイドレール(図示せず)に支持されて、左右方向で横移動可能に構成されている。苗載せ台20の下端部及び前記摺動レール28には、植付爪25bによって一株分の苗を取り出すための苗取出口20bが形成されている。
【0035】
〔横送り機構〕
図2及び図3に示すように、横送り機構3は、フィードケース22と苗載せ台20とにわたって設けられている。
すなわち、図2に示されるように、フィードケース22から左横外方へ向けて横送り軸30が延出されている。
前記横送り軸30は、フィードケース22の外部に突出する延出軸部に周知の無端螺旋溝30aが刻設されている。そして、この無端螺旋溝30aに係合して延出軸部に沿って案内される駒部材31(移動体に相当する)を備え、この駒部材31が苗載せ台20における苗載置部20aの背面側(機体進行方向の前面側)に固定の連動部材29に対して、連結ボルト29aを介して着脱可能に連結されている。
【0036】
つまり、上記の横送り軸30、及び駒部材31によって横送り機構3が構成されている。この横送り機構3における横送り軸30の駆動回転にともなって、無端螺旋溝30aに係合している駒部材31を、一定ストロークで左右方向に往復駆動させる。これにより、駒部材31に連結されている苗載せ台20も一定ストロークで左右方向に往復駆動させるものである。
横送り軸30の延出端部は、ツールバー23上に固定されている支脚部材23aによって回転自在に支持されている。
【0037】
〔縦送り駆動機構〕
図2及び図4に示すように、フィードケース22の右側方には、苗載せ台20の苗載置部20aの夫々に備えられている縦送り装置としての縦送りベルト40を駆動するための縦送り駆動機構4が設けられている。
縦送り駆動機構4は、前記横送り軸30の延出方向とは逆の右横外方へ向けて延出された縦送り駆動軸41を備えている。この縦送り駆動軸41には、苗載せ台20の横移動時の一定ストロークに相当する間隔を隔てて縦送りアーム42が設けられている。縦送り駆動軸41の延出端部も、ツールバー23上に固定されている支脚部材23bによって回転自在に支持されている。
【0038】
苗載せ台20側には、縦送りベルト40の回転軸40aと一体回動する被操作アーム(図示せず)が設けられている。この被操作アームは、苗載せ台20の左右往復移動に連動して苗載せ台20とともに同量だけ左右方向に往復移動する。
この構造を備えていることにより、苗載せ台20が左右往復移動範囲の何れかの端部に達した時点で、被操作アームが縦送り駆動軸41の縦送りアーム42に蹴り上げられる。これに伴って被操作アームと一体の回転軸40aが所定量だけ回転駆動され、縦送りベルト40がマット状苗の一株分に相当する所定量だけ縦送りされる。
【0039】
〔端寄せ装置の第一実施形態〕
本発明の苗植付装置2(作業部に相当する)には、苗載せ台20(作業装置に相当する)にマット状苗を載置する際に、苗載せ台20を左右いずれか一方の端部に移動させる作業(端寄せ作業)を行うための端寄せ装置5が備えられている。
この端寄せ装置5は、走行機体1の走行停止状態で、操縦部15の適所に設けてある端寄せスイッチ50を押し操作することにより、端寄せ作業を開始し、苗載せ台20を左右いずれか一方の端部に移動させて、その端部位置に自動停止させるようにしたものである。
【0040】
図3乃至図5に示されているように、端寄せ装置5は、前記端寄せスイッチ50とともに、左右に往復駆動される苗載せ台20と一体に横移動する被検出部51と、その被検出部51の位置を検出するセンサ52と、センサ52からの検出信号が入力される苗載せ台制御部53と、を備えている。
【0041】
被検出部51の横移動方向における位置を検出するセンサ52は、苗植付装置2のうち苗載せ台20に対して停止している植付主フレーム21(支持部材に相当する)に設けられている。センサ52は、苗載せ台20の横移動に伴って被検出部51の接触端51aと接触する接触子52aを備えている。
【0042】
苗載せ台制御部53には、図7に示すように、被検出部51と接触子52aの接触に伴って発生する検出情報、つまりセンサ52からの検出信号に基づいて、苗載せ台20が横送り機構3における左右いずれかの端部(実施形態では左側の端部)に到達したことを検出する端部検出部55Aが設けられている。さらに苗載せ台制御部53には、被検出部51と接触子52aの接触が、前記端部検出部55Aによって検知されてからの接触子52aの移動量に基づき、横送り機構3の横送り速度を算出する横送り算出部55Bが備えられている。
【0043】
前記被検出部51は、横送り軸30の回転に伴って横送り軸30上を往復駆動される移動体としての駒部材31にボルト止めされて、センサ52に対する接触端51aをセンサ52が存在する側へ向けた状態で、駒部材31と一体に横送り軸30上を往復横移動するように設けられている。
駒部材31には、連動部材29を介して苗載せ台20が連結されているので、この駒部材31と、苗載せ台20と、被検出部51とが、一体に連結された状態で、苗載せ台20の横移動方向に沿って移動する。
【0044】
センサ52は、苗載せ台20を支持する苗載せ台支持部材としてのツールバー23に対して着脱可能にボルト連結された取付ステー54に取り付けられている。
センサ52は、上下方向に沿う回転軸心P1周りで回動可能な接触子52aを備えたポテンショメータである。接触子52aは、駒部材31とともに横移動する被検出部51の横移動経路上に位置し、苗載せ台20の横移動方向に伴って被検出部51の接触端51aと接触する位置に配置されている。
【0045】
図6は、被検出部51の接触端51aとセンサ52の接触子52aとの関連動作を示している。
この図に示すように、苗載せ台20の横移動に連動して被検出部51が、端部近接位置a1に達すると、センサ52の接触子52aが、被検出部51の接触端51aの位置を検出する。この端部近接位置a1は苗載せ台20が横移動範囲の端部ではなく、前記端部よりも苗載せ台20の横移動範囲の中央寄りの位置に相当する。被検出部51の接触端51aがセンサ52の接触子52aと接触して、接触子52aが端部近接位置a1にあると、被検出部51の接触端51aの位置を、接触子52aが検出したことの検出情報として、接触子52aの角度とともに苗載せ台制御部53に送られ、その時点の情報として端部検出部55Aに記憶される。
【0046】
接触子52aが被検出部51の接触端51aに当接して、予め設定された回転角Θ1だけ回転し、中間位置a2に達すると、その検出角度の情報が、苗載せ台制御部53に送られ、その時点の情報とともに端部検出部55Aに電気信号として入力される。横送り算出部55Bでは、このような、被検出部51と接触子52aの接触が、前記端部検出部55Aによって検知されてからの接触子52aの移動量に基づき、横送り機構3の横送り速度を算出する。
つまり、被検出部51と接触子52aの接触に伴って発生する検出情報が端部検出部55Aで検出され、その端部検出部55による、被検出部51と接触子52aの接触が検知されてからの接触子52aの移動量が横送り算出部55Bで算出される。これに基づき、苗載せ台20が横送り機構3における左側の端部に到達した時点で停止させる停止指令を出力し、植付クラッチ27を停止させるようにすることができる。
【0047】
また、苗載せ台制御部53には、接触子52aが前記回転角Θ1よりも大きい回転角Θ2だけ回転した位置が、苗載せ台20が横移動範囲の端部に達した端部位置a3であることの情報が端部位置判別手段53Bとして予め電気信号として記憶されている。上記の回転角Θ2の範囲で接触子52aが回動するところの、端部近接位置a1から端部位置a3に至る範囲が、接触子52aの検出領域である。
この検出領域の大きさは、被検出部51とセンサ52との位置関係等で、適宜設定変更することは可能である。
この際に制御信号伝達から横送り機構3の停止までの制御遅れや、苗載せ台20の大きさ(重量)による横送り移動の慣性の影響も考慮してもよい。
【0048】
この実施形態では、センサ52は、フィードケース22から左横外方へ向けて延出された横送り軸30の延出端部近くのみに設けられ、フィードケース22に近い側の横送り軸30の端部近くには設けられていない。
したがって、横送り軸30上の駒部材31がセンサ52に近づく左方向にではなく、センサ52から離れる右方向に移動しようとする行程で端寄せスイッチ50が押し操作された場合には、駒部材31は、横送り軸30上での右側端部に達しても、そのことが検出されず、苗載せ台制御部53から植付クラッチ27を停止させる指令は出力されない。
このため、右側端部に達した駒部材31は端部位置に停止した状態とはならず、右側端部に達すると折り返して、センサ52が存在する左側端部へ向けて引き続き移動し、左側端部においてセンサ52に検出され、端部位置a3に停止される。つまり、端寄せスイッチ50が押し操作された端寄せ作業モードでは、苗載せ台20は常に左側の端部で自動停止することになる。端寄せスイッチ50が押し操作されていない通常の苗植付作業モードでは、苗載せ台20は端部位置a3でも停止せず、横送り軸30上を左右に往復移動して苗植付作業を続行する。
【0049】
この実施形態では苗載せ台20における左側の端部を検出するようにしたものを例示したが、これに限らず右側の端部を検出するようにしたものであっても差し支えない。その場合には、横送り算出部55Bで算出された横送り機構3の横送り速度に基づいて、苗載せ台20が右側の端部に到達したことを検出する。
【0050】
センサ52による検出情報を次のように利用しても良い。
苗載せ台20が左側端部に到達したことを検知してから次に左側端部に到達するまでの時間を計算する事で一つのセンサ52で横送り速度を正確に検出することが可能である。つまり、一往復する間の横送り回数は予め設定で決まっているので植付クラッチ27が入っている間の経過時間と一往復する間の横送り回数から横送り速度が算出できる。この情報を利用して端寄せで苗載せ台20を止める際に予め余裕をもって正確に(横送り速度が分かるため)指定位置で止め易い。このため、例えば、作業の途中で中断して端寄せを行う際などにも、横送り速度を参考に正確に止めるのに役立つ。また、横送り速度が高速でセンサ52の検知から停止までの時間が短すぎる場合は、横送り速度と植付クラッチ27が入っている経過時間から現在の苗載せ台20の位置が推測できるので、停止位置に近づいてきた段階で予め横送り速度を減速させて停止制御をしやすくしてもよい。これとは別に、本機から苗植付装置2に動力を伝える駆動軸の回転数から横送り速度を算出する方法も考えられる。
【0051】
〔端寄せ装置の第二実施形態〕
本発明の苗植付装置2には、苗載せ台20にマット状苗を載置する際に、苗載せ台20を左右いずれか一方の端部に移動させる作業(端寄せ作業)を行うための端寄せ装置5が備えられている。
この端寄せ装置5は、走行機体1の走行停止状態で、操縦部15の適所に設けてある端寄せスイッチ50を押し操作することにより、端寄せ作業を開始し、苗載せ台20を左右いずれか一方の端部に移動させて、その端部位置に自動停止させるようにしたものである。
【0052】
図3乃至図5に示されているように、端寄せ装置5は、前記端寄せスイッチ50とともに、左右に往復駆動される苗載せ台20と一体に横移動する被検出部51と、その被検出部51の位置を検出するセンサ52と、センサ52から入力される検出信号に基づいて横送り機構3に対して停止指令を出力する苗載せ台制御部53と、を備えている。
【0053】
前記被検出部51は、横送り軸30の回転に伴って横送り軸30上を往復駆動される移動体としての駒部材31にボルト止めされて、センサ52に対する接触端51aをセンサ52が存在する側へ向けた状態で、駒部材31と一体に横送り軸30上を往復横移動するように設けられている。
駒部材31には、連動部材29を介して苗載せ台20が連結されているので、この駒部材31と、苗載せ台20と、被検出部51とが、一体に連結された状態で、苗載せ台20の横移動方向に沿って移動する。
【0054】
センサ52は、苗載せ台20を支持する苗載せ台支持部材としてのツールバー23に対して着脱可能にボルト連結された取付ステー54に取り付けられている。
センサ52は、上下方向に沿う回転軸心P1周りで回動可能な接触子52aを備えたポテンショメータである。接触子52aは、駒部材31とともに横移動する被検出部51の横移動経路上に位置し、苗載せ台20の横移動方向に伴って被検出部51の接触端51aと接触する位置に配置されている。
【0055】
図8に示すように、苗載せ台制御部53には、センサ52からの検出信号に基づいて、苗載せ台20が横移動範囲の端部に達したことを判別する端部位置判別手段53Bと、苗載せ台20が前記端部よりも横移動範囲における中央寄りの位置に苗載せ台20が存在していることを判別する近接位置判別手段53Aと、が備えられている。
そして、苗載せ台制御部53からは、端部位置判別手段53Bと近接位置判別手段53Aとの判別結果に基づいて、横送り機構3に対する停止指令が出力される。つまり、端寄せスイッチ50が操作されてから、センサ52からの検出信号が苗載せ台制御部53に入力される。そして、入力された検出信号が端部位置判別手段53Bと近接位置判別手段53Aとで判別され、その判別結果に基づいて、苗載せ台20が横移動範囲の端部に達するタイミングで横送り機構3の駆動を停止するように、苗載せ台制御部53から植付クラッチ27の接続状態を断つための停止指令が出力される。
【0056】
図6は、被検出部51の接触端51aとセンサ52の接触子52aとの関連動作を示している。
この図に示すように、苗載せ台20の横移動に連動して被検出部51が、端部近接位置a1に達すると、センサ52の接触子52aが、被検出部51の接触端51aの位置を検出する。この端部近接位置a1は苗載せ台20が横移動範囲の端部ではなく、前記端部よりも苗載せ台20の横移動範囲の中央寄りの位置に相当する。被検出部51の接触端51aがセンサ52の接触子52aと接触して、接触子52aが端部近接位置a1にあると、被検出部51の接触端51aの位置を、接触子52aが検出したことの検出情報が接触子52aの角度とともに苗載せ台制御部53に送られ、その時点の情報として記憶される。
【0057】
接触子52aが被検出部51の接触端51aに当接して、予め設定された回転角Θ1だけ回転し、中間位置a2に達すると、その検出角度の情報が、苗載せ台制御部53に送られ、その時点の情報とともに近接位置判別手段53Aに電気信号として記憶される。
苗載せ台制御部53には、接触子52aが前記回転角Θ1よりも大きい回転角Θ2だけ回転した位置が、苗載せ台20が横移動範囲の端部に達した端部位置a3であることの情報が端部位置判別手段53Bとして予め電気信号として記憶されている。上記の回転角Θ2の範囲で接触子52aが回動するところの、端部近接位置a1から端部位置a3に至る範囲が、接触子52aの検出領域である。
この検出領域の大きさは、被検出部51とセンサ52との位置関係等で、適宜設定変更することは可能である。
【0058】
そして、苗載せ台制御部53では、近接位置判別手段53A及び端部位置判別手段53Bの検出情報に基づいて、接触子52aが回転角Θ1を過ぎて回転角Θ2に到達すると予測されるタイミングで苗載せ台20の横移動が停止するように、停止装置としての植付クラッチ27に停止指令を出力する。
その結果、苗載せ台20が横移動範囲の端部に達した状態で自動的に苗載せ台20の横送りが停止し、端寄せ作業を完了する。
この際に制御信号伝達から機体停止までの制御遅れや、苗載せ台の大きさ(重量)による横送り移動の慣性の影響も考慮してもよい。
【0059】
この実施形態では、センサ52は、フィードケース22から左横外方へ向けて延出された横送り軸30の延出端部近くのみに設けられ、フィードケース22に近い側の横送り軸30の端部近くには設けられていない。
したがって、横送り軸30上の駒部材31がセンサ52に近づく左方向にではなく、センサ52から離れる右方向に移動しようとする行程で端寄せスイッチ50が押し操作された場合には、駒部材31は、横送り軸30上での右側端部に達しても、そのことが検出されず、苗載せ台制御部53から植付クラッチ27を停止させる指令は出力されない。
このため、右側端部に達した駒部材31は端部位置に停止した状態とはならず、右側端部に達すると折り返して、センサ52が存在する左側端部へ向けて引き続き移動し、左側端部においてセンサ52に検出され、端部位置a3に停止される。つまり、端寄せスイッチ50が押し操作された端寄せ作業モードでは、苗載せ台20は常に左側の端部で自動停止することになる。端寄せスイッチ50が押し操作されていない通常の苗植付作業モードでは、苗載せ台20は端部位置a3でも停止せず、横送り軸30上を左右に往復移動して苗植付作業を続行する。
【0060】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態について説明する。下記の各別実施形態は、矛盾が生じない限り、複数組み合わせて上記実施形態に適用してもよい。尚、本発明の範囲は、これらの実施形態の内容に限定されるものではない。
【0061】
(1)上述した実施形態では、所定時間内でのセンサ52の接触子52aの回転角Θ1の情報に基づいて苗載せ台制御部53からの停止指令を出力するようにした構成のものを例示したが、必ずしもこの構成に限られるものではない。例えば、所定時間内におけるセンサ52の接触子52aの回転角Θ1を微分して角速度を検出し、その角速度で接触子52aが移動した場合に、苗載せ台20が端部位置に到達するタイミングに応じて苗載せ台制御部53からの停止指令を出力するようにしてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0062】
(2)上述した実施形態では、端寄せスイッチ50が押し操作されると、苗載せ台20は常に一端側へのみ端寄せされるように構成したものを例示したが、必ずしもこの構造に限定されるものではない。
例えば、図示はしないが、横送り軸30の駆動中における回転を常時検出する回転検出センサを別途設けて、この回転検出センサの検出信号も苗載せ台制御部53に入力するようにする。
このように構成しておけば、苗載せ台20の横移動範囲、つまり苗載せ台20の横移動方向での寸法は、予め一定の寸法に定められているものであるから、演算して求めることができる。これにより、苗載せ台20が横移動範囲の端部としては、左右方向での一端側での端部位置a3が精度良く定まれば、他端側の端部位置a3は、横送り軸30の回転数から算出し、その端部位置a3に精度良く停止させることができる。
このようにすれば、苗載せ台20を左側の端部のみならず、右側の端部にも精度良く停止させることができる。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0063】
(3)上述した実施形態では、被検出部51を検出するセンサ52を、苗載せ台20の横移動方向の一端部側にのみ設けた構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限定されるものではない。
例えば、前記センサ52を、苗載せ台20の横移動方向の両端部で被検出部51を検出できるように、横送り軸30の延出軸部において、フィードケース22に近い側と、フィードケース22から離れた側と、の二箇所に設けてもよい。
このようにすれば、苗載せ台20を左側の端部のみならず、右側の端部にも精度良く停止させることができる。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0064】
(4)上述した実施形態では、センサ52として一つの回転軸心P1回りに回動可能な接触子52aを備える構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限定されるものではない。
例えば、センサ52として、被検出部51に対する接触子52aが、直線的にスライド移動して、苗載せ台20の端部近接位置a1や端部位置a3を検出し得る構造のものを採用してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0065】
(5)上述した実施形態では、センサ52としてポテンショメータを採用した構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限定されるものではない。
例えば、センサ52として、単なる接触スイッチや、磁気センサを採用し、苗載せ台20の横移動方向の一端部側に複数個の接触スイッチ、あるいは複数個の磁気センサを設けて、苗載せ台20の端部近接位置a1や端部位置a3を検出し得る構造のものを採用してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0066】
(6)上述した実施形態では、横送り軸30上を移動する被検出部51の位置をセンサ52で検出する構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限定されるものではない。
例えば、植付伝動軸14に動力を伝えるPTO軸の回転から、横送り軸30の回転速度を推測して、植付クラッチ27を停止させ、苗載せ台20を端寄せするようにしたものであっても良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0067】
(7)上述した実施形態では、苗載せ台20が端部位置に到達するタイミングに応じて苗載せ台制御部53から植付クラッチ27を停止させる停止指令を出力するようにした構成のものを例示したが、必ずしもこの構成に限られるものではない。例えば、苗載せ台制御部53から必ずしも停止させる指令を出力するのではなく、何らかの検知結果を報知したり、何らかの連係装置に検知結果の信号を出力するなどしたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0068】
(8)上述した実施形態では、縦送り装置として、縦送りベルト57を採用した例を示したが、縦送りベルト57に代えて、縦送りホィールや縦送り爪を採用することも可能である。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0069】
(9)上述した実施形態では、6条植え形式の作業機に適用した例を示したが4条植え、5条植え、8条植えなど、6条植え以外に構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、苗のせ台に設けられた複数の苗載置台に載置された苗を植付機構によって取り出して圃場に植えるようにした作業機、つまり、田植機のみならず、イ草移植機や、マット状苗を使用する各種の作業機等に適用できる。
本発明は機体に取り付けられた作業装置とセンサが接触する事で確実に横移動の端部に到達したことを検知し適宜必要な制御を精密に行える事が主たる目的であり、その目的を達成できるのであれば作業装置とセンサのどちらか一方が横移動し、他方が固定されてもよい。
また、そのような作業装置の一例として苗載せ台で説明したが、これに限らずトラクタやインプルメントが装着される各種作業機、イ草移植機やポット式苗移植機等本発明を無理なく搭載可能な各種作業機に適用できる。
【符号の説明】
【0071】
3 横送り機構
20 苗載せ台
21 苗載せ台支持部材
25 苗植付機構
23 ツールバー
30 横送り軸
31 移動体
51 被検出部
52 センサ
52a 接触子
53 苗載せ台制御部
54 取付ステー
a1 端部検出位置
a3 端部位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8