(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093875
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】トイレ案内システム、トイレ案内方法
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20240702BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240702BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240702BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240702BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
H04M11/00 302
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210504
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000155333
【氏名又は名称】株式会社木村技研
(71)【出願人】
【識別番号】391007460
【氏名又は名称】中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 朝映
(72)【発明者】
【氏名】矢▲崎▼ 賢一
(72)【発明者】
【氏名】熊▲崎▼ 隆行
(72)【発明者】
【氏名】森下 卓哉
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5K201
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA04
5C086CA06
5C086CB21
5C086DA40
5C086FA01
5C086FA06
5C086FA07
5C087AA05
5C087AA31
5C087AA37
5C087AA40
5C087AA44
5C087DD03
5C087DD49
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5C087FF02
5C087FF04
5K201AA05
5K201BA19
5K201CC10
5K201DC02
5K201EC06
5K201ED04
5K201ED09
5K201EF08
5L049CC17
5L050CC17
(57)【要約】
【課題】視覚障害者がより簡易にトイレを利用できる技術を提供する。
【解決手段】トイレ施設とユーザが有し信号を送信する通信装置と管理装置とを備え、トイレ施設は、トイレ設備と、トイレ施設の内側に設置される内側通信部と、トイレ施設の外側に設置される外側通信部と、トイレ設備の近傍に設置され、トイレ設備の位置の通知を出力する通知部とを備え、内側通信部及び外側通信部は、それぞれ、通信装置が送信する信号を受信し当該信号の受信強度を測定し、管理装置は、内側通信部が測定した受信強度を内側通信部から取得し、外側通信部が測定した受信強度を外側通信部から取得し、外側通信部が測定した受信強度が、内側通信部が測定した受信強度未満である場合、通知部にトイレ設備の位置の通知を出力を指示する指示信号を送信し、通知部は、指示信号を受信した場合、トイレ設備の位置の通知を出力する、トイレ案内システムとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ施設と、ユーザが有し、信号を送信する通信装置と、管理装置とを備えるトイレ案内システムであって、
前記トイレ施設は、
前記ユーザが使用する第1トイレ設備と、
前記トイレ施設の内側に設置される内側通信部と、
前記トイレ施設の外側に設置される外側通信部と、
前記第1トイレ設備の近傍に設置され、前記第1トイレ設備の位置の通知を出力する第1通知部とを備え、
前記内側通信部は、前記通信装置が送信する信号を受信し、当該信号の受信強度を測定し、
前記外側通信部は、前記通信装置が送信する信号を受信し、当該信号の受信強度を測定し、
前記管理装置は、前記内側通信部が測定した受信強度を前記内側通信部から取得し、前記外側通信部が測定した受信強度を前記外側通信部から取得し、前記外側通信部が測定した受信強度が、前記内側通信部が測定した受信強度未満である場合、前記第1通知部に、前記第1トイレ設備の位置の通知を出力を指示する第1指示信号を送信し、
前記第1通知部は、前記第1指示信号を受信した場合、前記第1トイレ設備の位置の通知を出力する、
トイレ案内システム。
【請求項2】
前記トイレ施設は、
前記ユーザが使用する第2トイレ設備と、
前記第2トイレ設備の近傍に設置され、前記第2トイレ設備の位置の通知を出力する第2通知部とを備え、
前記管理装置は、前記第2通知部に、前記第2トイレ設備の位置の通知を出力を指示する第2指示信号を送信し、
前記第2通知部は、前記第2指示信号を受信した場合、前記第2トイレ設備の位置の通知を出力する、
請求項1に記載のトイレ案内システム。
【請求項3】
前記第1通知部が出力する通知と、前記第2通知部が出力する通知は、互いに異なる効果音である、
請求項2に記載のトイレ案内システム。
【請求項4】
トイレ施設と、ユーザが有し、信号を送信する通信装置と、管理装置とを備えるトイレ案内システムによるトイレ案内方法であって、
前記トイレ施設は、前記ユーザが使用する第1トイレ設備と、前記トイレ施設の内側に設置される内側通信部と、前記トイレ施設の外側に設置される外側通信部と、前記第1トイレ設備の近傍に設置され、前記第1トイレ設備の位置の通知を出力する第1通知部とを備え、
前記内側通信部は、前記通信装置が送信する信号を受信し、当該信号の受信強度を測定し、
前記外側通信部は、前記通信装置が送信する信号を受信し、当該信号の受信強度を測定し、
前記管理装置は、前記内側通信部が測定した受信強度を前記内側通信部から取得し、前記外側通信部が測定した受信強度を前記外側通信部から取得し、前記外側通信部が測定した受信強度が、前記内側通信部が測定した受信強度未満である場合、前記第1通知部に、前記第1トイレ設備の位置の通知を出力を指示する第1指示信号を送信し、
前記第1通知部は、前記第1指示信号を受信した場合、前記第1トイレ設備の位置の通知を出力する、
ことを実行するトイレ案内方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ案内システム、トイレ案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公共施設や商業ビルなどには、不特定多数の利用者に利用される公共トイレ(トイレ施設)が設置されている。公共トイレの利用者には、視覚障害者も含まれる。視覚障害者が公共トイレを利用する場合、公共トイレの入口付近に設置される点字の案内図等が使用される。視覚障害者は、点字の案内図等によって公共トイレの配置を把握して、公共トイレを利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、視覚障害者が、点字の案内図によって、公共トイレの配置を把握することは難しい。より簡易に、公共トイレを利用できるようにすることが求められる。
【0005】
開示の構成は、視覚障害者がより簡易にトイレを利用できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、
トイレ施設と、ユーザが有し、信号を送信する通信装置と、管理装置とを備えるトイレ案内システムであって、
前記トイレ施設は、
前記ユーザが使用する第1トイレ設備と、
前記トイレ施設の内側に設置される内側通信部と、
前記トイレ施設の外側に設置される外側通信部と、
前記トイレ設備の近傍に設置され、前記第1トイレ設備の位置の通知を出力する第1通知部とを備え、
前記内側通信部は、前記通信装置が送信する信号を受信し、当該信号の受信強度を測定し、
前記外側通信部は、前記通信装置が送信する信号を受信し、当該信号の受信強度を測定し、
前記管理装置は、前記内側通信部が測定した受信強度を前記内側通信部から取得し、前記外側通信部が測定した受信強度を前記外側通信部から取得し、前記外側通信部が測定した受信強度が、前記内側通信部が測定した受信強度未満である場合、前記通知部に、前記第1トイレ設備の位置の通知を出力を指示する指示信号を前記通知に送信し、
前記通知部は、前記指示信号を受信した場合、前記トイレ設備の位置の通知を出力する、
トイレ案内システムである。
【0007】
また、本発明は、トイレ案内システムが実行するトイレ案内方法であっても、トイレ案内方法をコンピュータに実行させるためのトイレ案内プログラムであってもよい。更に、トイレ案内プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録されていてもよ
い。
【0008】
ここで、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記憶媒体をいう。このような記憶媒体の内コンピュータから取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD(登録商標)、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記憶媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、視覚障害者がより簡易にトイレを利用できる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態のトイレ案内システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、大便器位置通知ユニット200の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、ペーパーホルダ位置通知ユニット300の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、内側ユニット400の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、外側ユニット500の構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、管理装置600の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、通信装置710の構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、トイレ案内システム10の管理装置600の動作フローの例を示す図である。
【
図10】
図10は、変形例のトイレ案内システムの構成例を示す図である。
【
図11】
図11は、トイレ案内システム20の管理装置600の動作フローの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施形態は本発明の一例であり、本発明の構成は以下の例には限られない。
【0012】
〈実施形態〉
(構成例)
図1は、本実施形態のトイレ案内システムの構成例を示す図である。本実施形態のトイレ案内システム10は、トイレブース100、大便器位置通知ユニット200、ペーパーホルダ位置通知ユニット300、内側ユニット400、外側ユニット500、管理装置600、ユーザが有する白杖700を含む。トイレブース100は、大便器110、ペーパーホルダ120、ドア130、ドア制御装置140、ドア開閉ボタン150を含む。本実施形態のトイレ案内システム10は、白杖700を有するユーザにトイレブース100の大便器110の位置を通知し、ユーザがトイレブース100に入った際、トイレブース100のドア130を閉じ、ユーザにペーパーホルダ120の位置を通知する。トイレブース100は、トイレ施設の例である。大便器110、ペーパーホルダ120、ドア130、ドア制御装置140、ドア開閉ボタン150は、トイレ設備の例である。内側ユニット400、外側ユニット500は、それぞれ、内側通信部、外側通信部の例である。大便器位置通知ユニット200、ペーパーホルダ位置通知ユニット300は通知部の例である
【0013】
トイレブース100は、例えば、公共施設や商業ビルなどにおける、不特定多数の利用者(公衆)が利用する公衆トイレ(トイレ施設)に設置されるトイレブースである。ここ
で、トイレブース100は、ドアや壁等で囲まれた通常同時に1人が用を足すための大便器110、ペーパーホルダ120等のトイレ設備が設けられた空間(部屋)である。
【0014】
大便器110は、ユーザが着座して用を足すために使用する設備である。大便器110は、トイレブース100内に設置される。大便器110には、便座装置111が設けられる。便座装置111、ユーザが着座する座面を加温する機能、温水を吐出してユーザの肛門や局部を洗浄する機能、ユーザの使用後に大便器110に水を流して大便器110を洗浄する機能を有する。また、便座装置111は、ユーザが着座しているか否かを検出する着座センサ、吐出ボタン、洗浄ボタンを備える。便座装置111は、着座センサの検出結果に基づき、ユーザが着座しているときに温水の吐出ボタンが押されると温水を吐出し、ユーザが着座していないときに温水の吐出ボタンが押されても温水を吐出しないように、吐出の可否を制御する。また、着座センサの検出結果に基づき、利用者が着座していない場合には座面の温度を低くして省電力モードとする制御等を行ってもよい。便座装置111は、着座センサの検出結果に基づき、ユーザが着座していないときに洗浄ボタンが押されると大便器110を洗浄する水を流し、ユーザが着座していないときに洗浄ボタンが押されても大便器110を洗浄する水を流さないように、大便器110に流す水を制御する。便座装置111は、管理装置600と通信可能に接続される。便座装置111は、管理装置600と、無線により接続されても、有線により接続されてもよい。便座装置111は、着座センサがユーザの着座を検出すると、着座を示す着座信号を管理装置600に送信する。便座装置111は、ユーザによって洗浄ボタンが押されたことを検出すると、洗浄ボタンの押し下げを示す洗浄信号を管理装置600に送信する。
【0015】
ペーパーホルダ120は、大便器110を利用するユーザが使用するトイレットペーパーを保持する設備である。ペーパーホルダ120は、トイレブース100内に設置される。
【0016】
ドア130は、トイレブース100の内部と外部との間の開口部に設置され、ユーザによるトイレブース100の内部と外部との間の行き来を制限する。ドア130は、管理装置600により、開閉等が行われる。ドア130は、引き戸であっても、開き戸であってもよい。
【0017】
ドア制御装置140は、管理装置600による指示(制御)に基づいて、ドア130の開閉(開ける動作、閉める動作)、施錠、解錠等を実行する。また、ドア制御装置140は、周知のドア解錠、施錠装置、ドア開閉装置によって実現され得る。ドア制御装置140は、管理装置600と通信可能に接続される。ドア制御装置140は、管理装置600と、無線により接続されても、有線により接続されてもよい。
【0018】
ドア開閉ボタン150は、ドア130の開閉を指示するボタンである。ドア開閉ボタン150が押されると、管理装置600に通知される。管理装置600は、ドア130が開いているときに、ドア開閉ボタン150の押し下げが通知されると、ドア制御装置140にドア130を閉めて、施錠することを指示する。また、管理装置600は、ドア130が閉じているときに、ドア開閉ボタン150の押し下げが通知されると、ドア制御装置140にドア130を解錠して、開くことを指示する。
【0019】
大便器位置通知ユニット200は、ユーザに大便器110の位置をユーザに通知するユニットである。大便器位置通知ユニット200は、大便器110の近傍に設置される。
【0020】
図2は、大便器位置通知ユニット200の構成例を示す図である。大便器位置通知ユニット200は、通信部210、出力部220を備える。通信部210は、管理装置600と通信可能に接続され、管理装置600と通信を行う。通信部210は、管理装置600
と、無線により接続されても、有線により接続されてもよい。通信部210は、管理装置600と、ネットワークを介して接続されても、直接接続されてもよい。出力部220は、音声等を出力するスピーカである。
【0021】
ペーパーホルダ位置通知ユニット300は、ユーザにペーパーホルダ120の位置をユーザに通知するユニットである。ペーパーホルダ位置通知ユニット300は、ペーパーホルダ120の近傍に設置される。
【0022】
図3は、ペーパーホルダ位置通知ユニット300の構成例を示す図である。ペーパーホルダ位置通知ユニット300は、通信部310、出力部320を備える。通信部310は、管理装置600と通信可能に接続され、管理装置600と通信を行う。通信部310は、管理装置600と、無線により接続されても、有線により接続されてもよい。通信部310は、管理装置600と、ネットワークを介して接続されても、直接接続されてもよい。出力部320は、音声等を出力するスピーカである。
【0023】
内側ユニット400は、トイレブース100の内側に設置され、白杖700の通信装置710からの信号を受信する。内側ユニット400は、通信装置710から受信した信号の受信強度の情報を、管理装置600に送信する。
【0024】
図4は、内側ユニット400の構成例を示す図である。内側ユニット400は、通信部410、記憶部420を備える。通信部410は、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、無線LANといった無線通信規格に従って、通信装置710からの信号を受信する。また、通信部410は、管理装置600と通信可能に接続され、管理装置600と通信を行う。記憶部420は、通信装置710から受信した信号、当該信号の受信強度などを記憶する。
【0025】
外側ユニット500は、トイレブース100の外側に設置され、白杖700の通信装置710からの信号を受信する。外側ユニット500は、通信装置710から受信した信号の受信強度の情報を、管理装置600に送信する。
【0026】
図5は、外側ユニット500の構成例を示す図である。外側ユニット500は、通信部510、記憶部520を備える。通信部510は、例えば、Bluetooth、ZigBee、無線LANといった無線通信規格に従って、通信装置710からの信号を受信する。また、通信部510は、管理装置600と通信可能に接続され、管理装置600と通信を行う。記憶部520は、通信装置710から受信した信号、当該信号の受信強度などを記憶する。
【0027】
内側ユニット400、外側ユニット500は、ドア130、若しくは、ドア130の近傍に設置される。内側ユニット400、外側ユニット500が、ドア130、若しくは、ドア130の近傍に設置されることで、ユーザがトイレブース100の内側に存在するか否かを判定しやすくなる。
【0028】
管理装置600は、トイレ案内システム10を管理する装置である。管理装置600は、便座装置111、ドア制御装置140、大便器位置通知ユニット200、ペーパーホルダ位置通知ユニット300、内側ユニット400、外側ユニット500等と通信可能に接続される。管理装置600は、白杖700を有するユーザがトイレブース100に入ったことを検出し、ユーザに適切な通知を行う。
【0029】
図6は、管理装置600の構成例を示す図である。管理装置600は、通信部610、制御部620、記憶部630を備える。通信部610は、便座装置111等の他の装置と
通信可能に接続される。通信部510は、例えば、Bluetooth、ZigBee、無線LANといった無線通信規格に従って、他の装置と通信を行う。通信部610は、他の装置と優先により接続されてもよい。制御部620は、トイレ案内システム10の制御を行う。記憶部630は、他の装置から受信した信号などを記憶する。
【0030】
白杖700は、視覚障害者であるユーザが有する杖である。ユーザは、白杖700を動かしながら歩行することにより、障害物や人を認識する。白杖700は、通信装置710を含む。通信装置710は、白杖700の代わりに、ユーザが携帯する他の物(例えば、携帯端末など)に含まれてもよい。
【0031】
図7は、通信装置710の構成例を示す図である。通信装置710は、通信部711、記憶部712を備える。通信装置710は、例えば、Bluetooth、ZigBee、無線LANといった無線通信規格に従って信号の送信や他の装置などとの通信を行う。通信部711は、常時、白杖700を有するユーザを識別する信号を送信する。通信部711は、ZigBee等の無線通信規格に基づいて、信号を送信する。記憶部712は、不揮発性メモリであり、例えば、マイクロプロセッサが有するフラッシュメモリのようなEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等によって実
現される。また、記憶部712は、予め定められた自身の識別情報などを格納する。
【0032】
管理装置600は、PC(Personal Computer)、ワークステーション(WS、Work Station)のような専用または汎用のコンピュータ、あるいは、コンピュータを搭載した電
子機器を使用して実現可能である。また、便座装置111、ドア制御装置140、大便器位置通知ユニット200、ペーパーホルダ位置通知ユニット300、内側ユニット400、外側ユニット500は、PC、スマートフォン、携帯電話、タブレット型端末、PDA(Personal Digital Assistant)のような専用または汎用のコンピュータ、あるいは、コンピュータを搭載した電子機器を使用して実現可能である。
【0033】
図8は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図8に示す情報処理装置は、一般的なコンピュータの構成を有している。便座装置111、大便器位置通知ユニット200、ペーパーホルダ位置通知ユニット300、内側ユニット400、外側ユニット500、管理装置600は、
図Cに示すような情報処理装置90によって実現される。
図8の情報処理装置90は、プロセッサ91、メモリ92、記憶部93、入力部94、出力部95、通信制御部96を有する。これらは、互いにバスによって接続される。メモリ92及び記憶部93は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。コンピュータのハードウェア構成は、
図8に示される例に限らず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。
【0034】
情報処理装置90は、プロセッサ91が記録媒体に記憶されたプログラムをメモリ92の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、所定の目的に合致した機能を実現することができる。
【0035】
プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)である。
【0036】
メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。メモリ92は、主記憶装置とも呼ばれる。
【0037】
記憶部93は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスク
ドライブ(HDD、Hard Disk Drive)である。また、記憶部93は、リムーバブルメデ
ィア、即ち可搬記録媒体を含むことができる。リムーバブルメディアは、例えば、USB
(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のようなディスク記録媒体である。記憶部93は、二次記憶装置とも呼ばれる。
【0038】
記憶部93は、各種のプログラム、各種のデータ及び各種のテーブルを読み書き自在に記録媒体に格納する。記憶部93には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。記憶部93に格納される情報は、メモリ92に格納されてもよい。また、メモリ92に格納される情報は、記憶部93に格納されてもよい。
【0039】
オペレーティングシステムは、ソフトウェアとハードウェアとの仲介、メモリ空間の管理、ファイル管理、プロセスやタスクの管理等を行うソフトウェアである。オペレーティングシステムは、通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、通信制御部96を介して接続される他の外部装置等とデータのやり取りを行うプログラムである。外部装置等には、例えば、他のコンピュータ、外部記憶装置等が含まれる。
【0040】
入力部94は、キーボード、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン、タッチパネル等を含む。また、入力部94は、カメラのような映像や画像の入力装置や、マイクロフォンのような音声の入力装置を含むことができる。
【0041】
出力部95は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electroluminescence)パ
ネル、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、PDP(Plasma Display Panel)等の表示装置、プリンタ等の出力装置を含む。また、出力部95は、スピーカのような音声の出力装置を含むことができる。
【0042】
通信制御部96は、他の装置と接続し、情報処理装置90と他の装置との間の通信を制御する。通信制御部96は、例えば、LAN(Local Area Network)インタフェースボード、無線通信のための無線通信回路、有線通信のための通信回路である。LANインタフェースボードや無線通信回路は、インターネット等のネットワークに接続される。
【0043】
便座装置111、ドア制御装置140、大便器位置通知ユニット200、ペーパーホルダ位置通知ユニット300、内側ユニット400、外側ユニット500、管理装置600を実現するコンピュータは、プロセッサが補助記憶装置に記憶されているプログラムを主記憶装置にロードして実行することによって、ここで説明される機能を含む所定の機能を実現する。
【0044】
(動作例)
本実施形態のトイレ案内システム10の動作例を説明する。
【0045】
図9は、トイレ案内システム10の管理装置600の動作フローの例を示す図である。ここでは、初期状態として、トイレブース100は、使用されておらず、ドア130は開けられた状態であるとする。ここでは、白杖700を有するユーザが、トイレブース100を使用する例について説明する。ここでは、管理装置600の動作と併せて、他の装置の動作についても説明する。
【0046】
S101では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、大便器位置通知ユニット200に、大便器110の位置を通知することを指示する信号を送信する。大便器位置通知ユニット200は、通信部210を介して、管理装置600からの指示を受信する。大便器位置通知ユニット200は、当該指示を受信すると、出力部220により、大便器110の位置を通知する出力を行う。大便器110の位置の通知は、例えば、
「大便器はこちらです」との音声、所定の効果音などの出力によって行われる。大便器位置通知ユニット200は、大便器110の近傍に設置されている。よって、当該通知を認識したユーザは、トイレブース100の大便器110の方向に向かうことができる。
【0047】
S102では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、内側ユニット400、外側ユニット500から、白杖700の通信装置710から受信した信号の受信強度を取得する。ユーザが有する白杖700の通信装置710の通信部711は、常時、白杖700を有するユーザを識別する信号を送信する。内側ユニット400は、通信部410によって受信した白杖700の通信装置710からの信号の受信強度を測定し、当該受信強度を通信装置710の識別情報ととともに記憶部420に格納する。内側ユニット400は、受信した信号に含まれる識別情報により通信装置710からの信号を識別することができる。内側ユニット400は、通信部410を介して、記憶部420に格納される識別情報と受信強度を管理装置600に送信する。外側ユニット500も、同様にして、通信装置710の識別情報と受信した通信装置710からの信号の信号強度とを管理装置600に送信する。管理装置600の制御部620は、内側ユニット400、外側ユニット500から取得した受信強度を、記憶部630に格納する。
【0048】
S103では、管理装置600の制御部620は、外側ユニット500で受信された通信装置710からの信号の受信強度が、内側ユニット400で受信された通信装置710からの信号の受信強度未満である否かを判定する。制御部620は、記憶部630に格納される、外側ユニット500で受信された通信装置710からの信号の受信強度、内側ユニット400で受信された通信装置710からの信号の受信強度を、抽出し、比較する。制御部620は、同一の通信装置710から送信される信号であることを、当該信号に含まれる識別情報によって認識できる。外側ユニット500で受信された通信装置710からの信号の受信強度が内側ユニット400で受信された通信装置710からの信号の受信強度未満である場合(S103;YES)、処理がS104に進む。同一の通信装置710から送信される信号の受信強度は、通信装置710までの距離が短いほど、大きくなる。よって、外側ユニット500で受信された通信装置710からの信号の受信強度が内側ユニット400で受信された通信装置710からの信号の受信強度未満である場合、通信装置710は外側ユニット500までの距離よりも内側ユニット400までの距離の方がより短いことを意味する。即ち、この場合、白杖700を有するユーザがトイレブース100の中に存在することを意味する。外側ユニット500で受信された通信装置710からの信号の受信強度が内側ユニット400で受信された通信装置710からの信号の受信強度以上である場合(S103;NO)、処理がS101に戻る。この場合、白杖700を有するユーザがトイレブース100の中に存在しないことを意味する。また、内側ユニット400が通信装置710からの信号を受信していない場合、S103の判定は「NO」であるとする。
【0049】
S104では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、大便器位置通知ユニット200に、トイレブース100のドア130を閉めることを通知することを指示する信号を送信する。大便器位置通知ユニット200は、通信部210を介して、管理装置600からの指示を受信する。大便器位置通知ユニット200は、当該指示を受信すると、出力部220により、トイレブース100のドア130を閉めることを通知する出力を行う。トイレブース100のドア130を閉めることの通知は、例えば、「まもなくドアを閉めます」等の音声、所定の効果音などの出力によって行われる。当該通知を認識したユーザは、トイレブース100のドア130が閉まることを認識する。
【0050】
S105では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、ドア制御装置140に、ドア130を閉めて、施錠することを指示する信号を送信する。ドア制御装置140は、管理装置600からの当該指示を受信すると、ドア130を閉めて施錠する
。これにより、人がトイレブース100の外側から内側に侵入することができなくなる。
【0051】
ここで、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、大便器位置通知ユニット200に、トイレブース100の使用方法を通知することを指示する信号を送信してもよい。このとき、大便器位置通知ユニット200は、通信部210を介して、管理装置600からの指示を受信する。大便器位置通知ユニット200は、当該指示を受信すると、出力部220により、トイレブース100の使用方法を通知する出力を行う。トイレブース100の使用方法の通知は、例えば、使用方法を説明する音声などの出力によって行われる。当該通知を認識したユーザは、トイレブース100の使用方法を認識することができる。
【0052】
ユーザは、トイレブース100のドア130が閉まると、トイレブース100の使用(用を足すこと)を開始することができる。ユーザは、使用する際に、大便器110に着座する。
【0053】
S106では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、便座装置111からユーザの着座を示す着座信号を受信したか否かを判定する。便座装置111は、ユーザが大便器110に着座しているか否かを検出する着座センサを備える。便座装置111は、着座センサがユーザの着座を検出すると、管理装置600に着座信号を送信する。管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、便座装置111からの着座信号を受信する。着座信号を受信した場合(S106;YES)、処理がS107に進む。着座信号を受信していない場合(S106;NO)、S106の処理を繰り返す。
【0054】
S107では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、ペーパーホルダ位置通知ユニット300に、ペーパーホルダ120の位置を通知することを指示する信号を送信する。ペーパーホルダ位置通知ユニット300は、通信部310を介して、管理装置600からの指示を受信する。ペーパーホルダ位置通知ユニット300は、当該指示を受信すると、出力部320により、ペーパーホルダ120の位置を通知する出力を行う。ペーパーホルダ120の位置の通知は、例えば、「ペーパーホルダはこちらです」との音声、所定の効果音などの出力によって行われる。ペーパーホルダ位置通知ユニット300は、ペーパーホルダ120の近傍に設置されている。よって、当該通知を認識したユーザは、大便器110に着座した状態で、トイレブース100のペーパーホルダ120の位置を認識することができる。よって、ユーザは、ペーパーホルダ120に保持されるトイレットペーパーを容易に使用することができる。ペーパーホルダ位置通知ユニット300が出力する所定の効果音は、大便器位置通知ユニット200が出力する効果音と異なるものであってもよい。
【0055】
ユーザは、トイレブース100の使用(用を足すこと)を終了すると、便座装置111の洗浄ボタンを押して大便器110を洗浄する。
【0056】
S108では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、便座装置111から洗浄ボタンの押し下げを示す洗浄信号を受信したか否かを判定する。便座装置111は、洗浄ボタンの押し下げを検出すると、管理装置600に洗浄信号を送信する。管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、便座装置111からの洗浄信号を受信する。洗浄信号を受信した場合(S108;YES)、処理がS109に進む。着座信号を受信していない場合(S109;NO)、処理がS107に戻る。
【0057】
S109では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、大便器位置通知ユニット200に、トイレブース100のドア130を開ける方法を通知することを指示する信号を送信する。このとき、大便器位置通知ユニット200は、通信部210を
介して、管理装置600からの指示を受信する。大便器位置通知ユニット200は、当該指示を受信すると、出力部220により、トイレブース100のドアを開ける方法を通知する出力を行う。トイレブース100の使用方法の通知は、例えば、「ドア開閉ボタンはペーパーホルダの左側にあります。ドア開閉ボタンを押し下げるとドアが開きます」などの音声などの出力によって行われる。当該通知を認識したユーザは、トイレブース100のドア130を開ける方法を認識することができる。
【0058】
S110では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、ドア開閉ボタン150からドア開閉ボタン150の押し下げの通知を受信したか否かを判定する。ドア開閉ボタン150は、ユーザによるドア開閉ボタン150の押し下げを検知すると、管理装置600に通知する。管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、ドア開閉ボタン150の押し下げの通知を受信する。ドア開閉ボタン150の押し下げの通知を受信した場合(S110;YES)、処理がS111に進む。ドア開閉ボタン150の押し下げの通知を受信していない場合(S110;NO)、処理がS109に戻る。
【0059】
S111では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、ドア制御装置140に、ドア130を開錠して、開けることを指示する信号を送信する。ドア制御装置140は、管理装置600からの当該指示を受信すると、ドア130を解錠して、開あける。これにより、ユーザは、トイレブース100の外に出ることができる。また、別の人がトイレブース100を使用できるようになる。
【0060】
ドア開閉ボタン150の位置を通知する、ドア開閉ボタン位置通知ユニットが存在してもよい。このとき、ドア開閉ボタン位置通知ユニットは、大便器位置通知ユニット200、ペーパーホルダ位置通知ユニット300と同様の構成、機能を有する。このとき、S109において、S107と同様に、制御部620がドア開閉ボタン位置通知ユニットに通知の出力を指示し、ドア開閉ボタン位置通知ユニットがドア開閉ボタン150の位置の通知の出力をする。これにより、ユーザは、ドア開閉ボタン150の位置を容易に把握できる。
【0061】
便座装置111は、吐出ボタン、洗浄ボタン、ドア開閉ボタン150による操作の代替となる音声認識による操作をできるようにしてもよい。この場合、便座装置111は、ユーザの音声を取得するマイク、マイクで取得された音声を認識する制御部などの音声認識機能のための手段を有する。このとき、便座装置111は、トイレブース100の使用方法を通知として、音声認識による操作方法の通知をする。このとき、便座装置111は、当該操作方法に基づいてユーザが発声する所定の言葉を音声認識することにより、吐出ボタン、洗浄ボタン、ドア開閉ボタン150などが押し下げられたときと同じ動作をする。これにより、ユーザは、吐出ボタン等を押し下げなくても、所定の操作(洗浄、ドア開閉など)を行うことができる。
【0062】
(実施形態の作用、効果)
本実施形態のトイレ案内システム10は、通信装置710を備える白杖700を有するユーザにトイレブース100の大便器110の位置を通知する。これにより、ユーザは、大便器110の位置を認識することができる。また、トイレ案内システム10は、ユーザがトイレブース100に入った際、トイレブース100のドア130を閉じ、ユーザの着座を検出すると、ユーザにペーパーホルダ120の位置を通知する。これにより、ユーザは、着座後に、ペーパーホルダ120の位置を認識することができる。また、トイレ案内システム10は、ユーザがトイレの使用の終了後、ユーザにドア130を開ける操作方法を通知、当該操作がされた場合に、ドア130を開ける。これにより、ユーザは、トイレブース100から出ることができる。トイレ案内システム10によれば、ユーザは、使用したことのないトイレブース100であっても、迷うことなく使用することができる。
【0063】
〈変形例〉
ここでは、トイレ案内システムの変形例を説明する。トイレ案内システムの変形例は、上記のトイレ案内システム10と共通点を有する。ここでは、主として、共通点についての説明を省略し、相違点について説明する。トイレ案内システム10は、トイレブース100を対象とするものであったが、変形例では、大便器110を含むトイレブース100、小便器、洗面器などを備えるトイレ施設を対象とする。トイレ施設は、例えば、公共施設や商業ビルなどに設置される。ここでは、上記のトイレ案内システム10と共通するものについては、同じ符号を採用する。
【0064】
(構成例)
図10は、変形例のトイレ案内システムの構成例を示す図である。変形例のトイレ案内システム20は、トイレ施設1000、洗面器位置通知ユニット1200、小便器位置通知ユニット1300、ブース位置通知ユニット1400、内側ユニット1500、外側ユニット1600、トイレ施設位置通知ユニット1700、管理装置600、ユーザが有する白杖700を含む。トイレ施設1000は、大便器110等を有するトイレブース100、洗面器1110、小便器1120等を含む。変形例のトイレ案内システム20は、白杖700を有するユーザに、トイレ施設1000の位置を通知し、ユーザがトイレ施設1000に入った際、トイレブース100、洗面器1110、小便器1120等のトイレ設備の位置を通知する。トイレブース100、洗面器1110、小便器1120は、それぞれ、複数、設置され得る。トイレブース100、洗面器1110、小便器1120は、トイレ設備の例である。内側ユニット1500、外側ユニット1600は、それぞれ、内側通信部、外側通信部の例である。洗面器位置通知ユニット1200、小便器位置通知ユニット1300、ブース位置通知ユニット1400、トイレ施設位置通知ユニット1700は、通知部の例である。
【0065】
洗面器1110は、用を足したユーザが手などを洗うための設備である。小便器1120は、ユーザが立ったまま用を足すために使用する設備である。トイレブース100は、上記のようにユーザが着席して用足すために使用する大便器110を備える設備である。
【0066】
洗面器位置通知ユニット1200は、ユーザに洗面器1110の位置をユーザに通知するユニットである。洗面器位置通知ユニット1200は、洗面器1110の近傍に設置される。小便器位置通知ユニット1300は、ユーザに小便器1120の位置をユーザに通知するユニットである。小便器位置通知ユニット1300は、小便器1120の近傍に設置される。ブース位置通知ユニット1400は、ユーザに大便器110を備えるトイレブース100の位置をユーザに通知するユニットである。ブース位置通知ユニット1400は、トイレブース100の近傍に設置される。トイレ施設位置通知ユニット1700は、ユーザにトイレ施設1000の位置をユーザに通知するユニットである。トイレ施設位置通知ユニット1700は、トイレ施設1000の外側であって、トイレ施設1000の出入口の近傍に設置される。洗面器位置通知ユニット1200、小便器位置通知ユニット1300、ブース位置通知ユニット1400、トイレ施設位置通知ユニット1700は、上記の大便器位置通知ユニット200、ペーパーホルダ位置通知ユニット300と同様の構成、機能を有する。
【0067】
内側ユニット1500は、トイレ施設1000の内側に設置され、白杖700の通信装置710からの信号を受信する。内側ユニット1500は、通信装置710から受信した信号の受信強度の情報を、管理装置600に送信する。外側ユニット1600は、トイレ施設1000の外側に設置され、白杖700の通信装置710からの信号を受信する。外側ユニット1600は、通信装置710から受信した信号の受信強度の情報を、管理装置600に送信する。内側ユニット1500、外側ユニット1600は、上記の内側ユニッ
ト400、外側ユニット500と同様の構成、機能を有する。
【0068】
内側ユニット1500、外側ユニット1600は、トイレ施設1000の出入口の近傍に設置される。内側ユニット400、外側ユニット500が、トイレ施設1000の出入口の近傍に設置されることで、ユーザがトイレ施設1000の内側に存在するか否かを判定しやすくなる。
【0069】
(動作例)
変形例のトイレ案内システム20の動作例を説明する。
【0070】
図11は、トイレ案内システム20の管理装置600の動作フローの例を示す図である。ここでは、初期状態として、トイレ施設1000の外側に白杖を有するユーザが存在しているとする。ここでは、管理装置600の動作と併せて、他の装置の動作についても説明する。
【0071】
S201では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、トイレ施設位置通知ユニット1700に、トイレ施設1000の位置を通知することを指示する信号を送信する。トイレ施設位置通知ユニット1700は、通信部を介して、管理装置600からの指示を受信する。トイレ施設位置通知ユニット1700は、当該指示を受信すると、出力部により、トイレ施設1000の位置を通知する出力を行う。トイレ施設1000の位置の通知は、例えば、「トイレ施設はこちらです」との音声、所定の効果音などの出力によって行われる。トイレ施設位置通知ユニット1700は、トイレ施設1000の出入口の近傍に設置されている。よって、当該通知を認識したユーザは、トイレ施設1000の方向に向かうことができる。
【0072】
S202では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、内側ユニット1500、外側ユニット1600から、白杖700の通信装置710から受信した信号の受信強度を取得する。ユーザが有する白杖700の通信装置710の通信部711は、常時、白杖700を有するユーザを識別する信号を送信する。内側ユニット1500は、通信部410によって受信した白杖700の通信装置710からの信号の受信強度を測定し、当該受信強度を通信装置710の識別情報ととともに記憶部に格納する。内側ユニット1500は、受信した信号に含まれる識別情報により通信装置710からの信号を識別することができる。内側ユニット1500は、通信部を介して、記憶部に格納される識別情報と受信強度を管理装置600に送信する。外側ユニット1600も、同様にして、通信装置710の識別情報と受信した通信装置710からの信号の信号強度とを管理装置600に送信する。管理装置600の制御部620は、内側ユニット1500、外側ユニット1600から取得した受信強度を、記憶部630に格納する。
【0073】
S203では、管理装置600の制御部620は、外側ユニット1600で受信された通信装置710からの信号の受信強度が、内側ユニット1500で受信された通信装置710からの信号の受信強度未満である否かを判定する。制御部620は、記憶部630に格納される、外側ユニット1600で受信された通信装置710からの信号の受信強度、内側ユニット1500で受信された通信装置710からの信号の受信強度を、抽出し、比較する。制御部620は、同一の通信装置710から送信される信号であることを、当該信号に含まれる識別情報によって認識できる。外側ユニット1600で受信された通信装置710からの信号の受信強度が内側ユニット1500で受信された通信装置710からの信号の受信強度未満である場合(S203;YES)、処理がS204に進む。同一の通信装置710から送信される信号の受信強度は、通信装置710までの距離が短いほど、大きくなる。よって、外側ユニット1600で受信された通信装置710からの信号の受信強度が内側ユニット1500で受信された通信装置710からの信号の受信強度未満
である場合、通信装置710は外側ユニット1600までの距離よりも内側ユニット1500までの距離の方がより短いことを意味する。即ち、この場合、白杖700を有するユーザがトイレ施設1000の中に存在することを意味する。外側ユニット1600で受信された通信装置710からの信号の受信強度が内側ユニット1500で受信された通信装置710からの信号の受信強度以上である場合(S203;NO)、処理がS201に戻る。この場合、白杖700を有するユーザがトイレ施設1000の中に存在しないことを意味する。また、内側ユニット1500が通信装置710からの信号を受信していない場合、S203の判定は「NO」であるとする。
【0074】
S204では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、洗面器位置通知ユニット1200に、洗面器1110の位置を通知することを指示する信号を送信する。洗面器位置通知ユニット1200は、通信部を介して、管理装置600からの指示を受信する。洗面器位置通知ユニット1200は、当該指示を受信すると、出力部により、洗面器1110の位置を通知する出力を行う。洗面器1110の位置の通知は、例えば、「洗面器はこちらです」との音声、所定の効果音などの出力によって行われる。洗面器位置通知ユニット1200は、洗面器1110の出入口の近傍に設置されている。よって、当該通知を認識したユーザは、洗面器1110の位置を把握ことができる。また、制御部620は、同様にして、小便器位置通知ユニット1300、ブース位置通知ユニット1400に対して、小便器1120、トイレブース100の位置を通知することを指示する信号を送信する。小便器位置通知ユニット1300、ブース位置通知ユニット1400は、同様にして、小便器1120、トイレブース100の位置を通知する出力を行う。小便器1120の位置の通知は、例えば、「小便器はこちらです」との音声、所定の効果音などの出力によって行われる。トイレブース100の位置の通知は、例えば、「トイレブースはこちらです」との音声、所定の効果音などの出力によって行われる。所定の効果音は、設備ごとに変更される。たとえば、洗面器1110に対して1回のビープ音、小便器1120に対して2回のビープ音、トイレブース100に対して3回のビープ音などである。これにより、ユーザは、所定の効果音により、各設備の位置を把握することができる。各通知は、出力のタイミングが重複しないように調整されてもよい。これにより、ユーザは、各設備の位置をより把握しやすくなる。
【0075】
S205では、管理装置600の制御部620は、通信部610を介して、内側ユニット1500、外側ユニット1600から、白杖700の通信装置710から受信した信号の受信強度を取得する。S205の動作は、S202の動作と同様である。
【0076】
S206では、管理装置600の制御部620は、外側ユニット1600で受信された通信装置710からの信号の受信強度が、内側ユニット1500で受信された通信装置710からの信号の受信強度未満である否かを判定する。S206の動作は、S203の動作と同様である。外側ユニット1600で受信された通信装置710からの信号の受信強度が内側ユニット1500で受信された通信装置710からの信号の受信強度未満である場合(S206;YES)、処理がS207に進む。この場合、白杖700を有するユーザが未だトイレ施設1000の中に存在することを意味する。外側ユニット1600で受信された通信装置710からの信号の受信強度が内側ユニット1500で受信された通信装置710からの信号の受信強度以上である場合(S206;NO)、処理が終了する。この場合、白杖700を有するユーザがトイレ施設1000から出たことを意味する。
【0077】
S207では、管理装置600の制御部620は、S204と同様に、通信部610を介して、洗面器位置通知ユニット1200、小便器位置通知ユニット1300、ブース位置通知ユニット1400に、洗面器1110、小便器1120、トイレブース100の位置を通知することを指示する信号を送信する。洗面器位置通知ユニット1200、小便器位置通知ユニット1300、ブース位置通知ユニット1400は、洗面器1110、小便
器1120、トイレブース100の位置を通知する出力を行う。このとき、各設備の位置の通知は、施設ごとの効果音の出力によって行われる。効果音で出力することにより、ユーザは、音声で出力されるよりも短時間で、各設備の位置を把握することができる。その後、処理がS205に戻る。
【0078】
これにより、トイレ案内システム20は、白杖700を有するユーザがトイレ施設1000に存在する際に、各設備の位置を通知する出力を行うことができる。
【0079】
〈その他〉
本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。上記の実施形態、変化例は、可能な限り組み合わされて実施され得る。
【符号の説明】
【0080】
10 :トイレ案内システム
20 :トイレ案内システム
90 :情報処理装置
91 :プロセッサ
92 :メモリ
93 :記憶部
94 :入力部
95 :出力部
96 :通信制御部
100 :トイレブース
110 :大便器
111 :便座装置
120 :ペーパーホルダ
130 :ドア
140 :ドア制御装置
150 :ドア開閉ボタン
200 :大便器位置通知ユニット
210 :通信部
220 :出力部
300 :ペーパーホルダ位置通知ユニット
310 :通信部
320 :出力部
400 :内側ユニット
410 :通信部
420 :記憶部
500 :外側ユニット
510 :通信部
520 :記憶部
600 :管理装置
610 :通信部
620 :制御部
630 :記憶部
700 :白杖
710 :通信装置
711 :通信部
712 :記憶部
1000 :トイレ施設
1110 :洗面器
1120 :小便器
1200 :洗面器位置通知ユニット
1300 :小便器位置通知ユニット
1400 :ブース位置通知ユニット
1500 :内側ユニット
1600 :外側ユニット
1700 :トイレ施設位置通知ユニット