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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093904
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】調光装置および調光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1345 20060101AFI20240702BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20240702BHJP
   G02F 1/1347 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G02F1/1345
G02F1/13 101
G02F1/13 505
G02F1/1347
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210547
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀井 義史
(72)【発明者】
【氏名】今関 佳克
(72)【発明者】
【氏名】上條 陽一
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 光一
(72)【発明者】
【氏名】大澤 修一
【テーマコード(参考)】
2H088
2H092
2H189
【Fターム(参考)】
2H088EA33
2H088FA00
2H088HA02
2H088HA05
2H088MA20
2H092GA03
2H092GA14
2H092GA33
2H092GA44
2H092GA48
2H092GA58
2H092NA25
2H092PA04
2H092RA10
2H189AA32
2H189AA35
2H189HA16
2H189LA03
2H189LA04
2H189LA07
2H189MA15
(57)【要約】
【課題】基板の端子に接続される外部接続用配線の数を抑制することが可能な調光装置および調光装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】調光装置は、調光パネルが複数積層されるパネルユニットと、パネルユニットにおけるY方向の端部に設けられる導電部材と、それぞれの調光パネルにおける第1基板と第2基板との間であって、且つ、Z方向から見て、接続用端子と重畳して配置される封止部材と、を備える。導電部材は、Z方向に繋がって延びる本体部と、本体部からY方向に突出して、それぞれの調光パネルにおける第1基板と第2基板との間に挿入し、且つ、接続用端子に電気的に接続される挿入部と、を有し、挿入部の先端は、封止部材に当接する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子を有する第1基板と前記第1基板に重畳し且つ第2端子を有する第2基板とを有する調光パネルが、第1方向に複数積層されるパネルユニットと、
前記パネルユニットにおける前記第1方向に交差する第2方向の端部に設けられ且つ前記第1方向に延びる導電部材と、
それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間であって、且つ、前記第1方向から見て、前記第1端子および前記第2端子を含む接続用端子と重畳して配置される封止部材と、
を備え、
前記導電部材は、
前記第1方向に繋がって延びる本体部と、
当該本体部から前記第2方向に突出して、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間に挿入し、且つ、前記接続用端子に電気的に接続される挿入部と、を有し、
前記挿入部の先端は、前記封止部材に当接する、
調光装置。
【請求項2】
第1端子を有する第1基板と前記第1基板に重畳し且つ第2端子を有する第2基板とを有する調光パネルが、第1方向に複数積層されるパネルユニットと、前記パネルユニットにおける前記第1方向に交差する第2方向の端部に設けられ且つ前記第1方向に延びる導電部材と、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間であって、且つ、前記第1方向から見て、前記第1端子および前記第2端子を含む接続用端子と重畳して配置される封止部材と、を備え、前記導電部材は、前記第1方向に繋がって延びる本体部と、当該本体部から前記第2方向に突出して、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間に挿入し、且つ、前記接続用端子に電気的に接続される挿入部と、を有し、前記挿入部の先端が前記封止部材に当接する調光装置を、
紫外線の遮蔽率が第1遮蔽率以上である紫外線遮蔽部材と、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化樹脂と、を用いて製造する、
調光装置の製造方法であって、
前記パネルユニットにおける前記第2方向の端部のうち、前記第1方向から見た場合に、前記接続用端子と重畳する部位を第1部位とした場合、
前記紫外線硬化樹脂と、前記第2方向から見た場合に前記第1基板および前記第2基板に重畳する前記紫外線遮蔽部材とを、前記第1部位に前記第1方向に沿って設け、前記紫外線硬化樹脂の一部である挿入樹脂部を、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間に挿入する第1ステップと、
前記第1ステップの後に、前記紫外線硬化樹脂に対して前記第2方向から紫外線を照射し、前記紫外線硬化樹脂を硬化させる第2ステップと、
前記第2ステップの後に、前記挿入樹脂部における先端側の一部を前記封止部材として残した状態で、前記紫外線硬化樹脂および前記紫外線遮蔽部材を前記パネルユニットから取り出す第3ステップと、
前記第3ステップの後に、前記導電部材を前記パネルユニットにおける前記第1部位に前記第1方向に沿って設け、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間に、前記導電部材の一部である前記挿入部の先端を前記封止部材に当接させ、且つ、前記挿入部を前記接続用端子に電気的に接続させる第4ステップと、を含む、
調光装置の製造方法。
【請求項3】
第1端子を有する第1基板と前記第1基板に重畳し且つ第2端子を有する第2基板とを有する調光パネルが、第1方向に複数積層されるパネルユニットと、前記パネルユニットにおける前記第1方向に交差する第2方向の端部に設けられ且つ前記第1方向に延びる導電部材と、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間であって、且つ、前記第1方向から見て、前記第1端子および前記第2端子を含む接続用端子と重畳して配置される封止部材と、を備え、前記導電部材は、前記第1方向に繋がって延びる本体部と、当該本体部から前記第2方向に突出して、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間に挿入し、且つ、前記接続用端子に電気的に接続される挿入部と、を有し、前記挿入部の先端は前記封止部材に当接する調光装置を、
紫外線の遮蔽率が第1遮蔽率以上である紫外線遮蔽部材と、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化樹脂と、を用いて製造する、
調光装置の製造方法であって、
前記パネルユニットにおける前記第2方向の端部のうち、前記第1方向から見た場合に、前記接続用端子と重畳する部位を第1部位とした場合、
前記第1方向から見て、前記第1部位とは非重畳となる状態で、前記紫外線遮蔽部材を前記パネルユニットにおける前記第1方向の端部に設け、
前記パネルユニットの前記第1部位に対して、紫外線硬化樹脂を前記第1方向に沿って設け、前記紫外線硬化樹脂の一部である挿入樹脂部を、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間に挿入する第1ステップと、
前記第1ステップの後に、前記紫外線硬化樹脂に対して前記第1方向から紫外線を照射して前記紫外線硬化樹脂を硬化させる第2ステップと、
前記第2ステップの後に、前記挿入樹脂部における先端側の一部を前記封止部材として残した状態で、前記紫外線硬化樹脂を前記パネルユニットから取り出す第3ステップと、
前記第3ステップの後に、前記導電部材を前記パネルユニットにおける前記第1部位に前記第1方向に沿って設け、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間に、前記導電部材の一部である前記挿入部の先端を前記封止部材に当接させ、且つ、前記挿入部を前記第1端子および前記第2端子に電気的に接続させる第4ステップと、を含む、
調光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、調光装置および調光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の調光装置は、積層された複数の調光パネルを備える。調光パネルは、例えば、第1基板および第2基板と、これらの基板の間に封入した液晶層と、を有する。入射光が調光パネルに入ると、当該調光パネルにおいて入射光の光透過率が調整され、この調整された透過光が調光装置から出る。調光パネルにおいては、下側の第1基板と上側の第2基板とが上下に積層される。また、第1基板および第2基板のそれぞれには、端子が設けられる。フレキシブルプリント基板などの外部接続用配線は、1つの調光パネルにおける第1基板の端子と第2基板の端子とにそれぞれ接続される。即ち、外部接続用配線は、1つの調光パネルに2つずつ接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-333567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
調光装置に使用される外部接続用配線の数をより少なくすることが望まれる。
【0005】
本開示は、前記に鑑みてなされたものであり、基板の端子に接続される外部接続用配線の数を抑制することが可能な調光装置および調光装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る調光装置は、第1端子を有する第1基板と前記第1基板に重畳し且つ第2端子を有する第2基板とを有する調光パネルが、第1方向に複数積層されるパネルユニットと、前記パネルユニットにおける前記第1方向に交差する第2方向の端部に設けられ且つ前記第1方向に延びる導電部材と、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間であって、且つ、前記第1方向から見て、前記第1端子および前記第2端子を含む接続用端子と重畳して配置される封止部材と、を備え、前記導電部材は、前記第1方向に繋がって延びる本体部と、当該本体部から前記第2方向に突出して、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間に挿入し、且つ、前記接続用端子に電気的に接続される挿入部と、を有し、前記挿入部の先端は、前記封止部材に当接する。
【0007】
本開示の一態様に係る調光装置の製造方法は、第1端子を有する第1基板と前記第1基板に重畳し且つ第2端子を有する第2基板とを有する調光パネルが、第1方向に複数積層されるパネルユニットと、前記パネルユニットにおける前記第1方向に交差する第2方向の端部に設けられ且つ前記第1方向に延びる導電部材と、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間であって、且つ、前記第1方向から見て、前記第1端子および前記第2端子を含む接続用端子と重畳して配置される封止部材と、を備え、前記導電部材は、前記第1方向に繋がって延びる本体部と、当該本体部から前記第2方向に突出して、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間に挿入し、且つ、前記接続用端子に電気的に接続される挿入部と、を有し、前記挿入部の先端が前記封止部材に当接する調光装置を、紫外線の遮蔽率が第1遮蔽率以上である紫外線遮蔽部材と、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化樹脂と、を用いて製造する、調光装置の製造方法であって、前記パネルユニットにおける前記第2方向の端部のうち、前記第1方向から見た場合に、前記接続用端子と重畳する部位を第1部位とした場合、前記紫外線硬化樹脂と、前記第2方向から見た場合に前記第1基板および前記第2基板に重畳する前記紫外線遮蔽部材とを、前記第1部位に前記第1方向に沿って設け、前記紫外線硬化樹脂の一部である挿入樹脂部を、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間に挿入する第1ステップと、前記第1ステップの後に、前記紫外線硬化樹脂に対して前記第2方向から紫外線を照射し、前記紫外線硬化樹脂を硬化させる第2ステップと、前記第2ステップの後に、前記挿入樹脂部における先端側の一部を前記封止部材として残した状態で、前記紫外線硬化樹脂および前記紫外線遮蔽部材を前記パネルユニットから取り出す第3ステップと、前記第3ステップの後に、前記導電部材を前記パネルユニットにおける前記第1部位に前記第1方向に沿って設け、それぞれの前記調光パネルにおける前記第1基板と前記第2基板との間に、前記導電部材の一部である前記挿入部の先端を前記封止部材に当接させ、且つ、前記挿入部を前記接続用端子に電気的に接続させる第4ステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る調光装置を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、図1のII-II線による断面図である。
図3図3は、図2の一部の拡大図である。
図4図4は、図2に示す上側から1番目と2番目の調光パネルにおける第1基板の平面図である。
図5図5は、図2に示す上側から1番目と2番目の調光パネルにおける第2基板の平面図である。
図6図6は、図2に示す上側から3番目と4番目の調光パネルにおける第1基板の平面図である。
図7図7は、図2に示す上側から3番目と4番目の調光パネルにおける第2基板の平面図である。
図8図8は、パネルユニットを模式的に示す斜視図である。
図9図9は、図8のパネルユニットの上面の一部を拡大した模式図である。
図10図10は、パネルユニットの側面に、紫外線遮蔽部材および紫外線硬化樹脂を設けた状態を示す断面図である。
図11図11は、紫外線硬化樹脂に対してY方向から紫外線を照射する状態を示す断面図である。
図12図12は、紫外線硬化樹脂および紫外線遮蔽部材をパネルユニットから取り出す状態を示す断面図である。
図13図13は、第1実施形態に係る方法によって完成した調光装置の断面図である。
図14図14は、第1実施形態の変形例を示す図であり、紫外線硬化樹脂に対してY方向から紫外線を照射する状態を示す断面図である。
図15図15は、紫外線硬化樹脂および紫外線遮蔽部材をパネルユニットから取り出す状態を示す断面図である。
図16図16は、第1実施形態の変形例に係る製造方法によって完成した調光装置の断面図である。
図17図17は、第2実施形態において、パネルユニットに対してZ方向から紫外線を照射する状態を示す斜視図である。
図18図18は、紫外線硬化樹脂および紫外線遮蔽部材を設けたパネルユニットの断面図である。
図19図19は、図18の一部の拡大図である。
図20図20は、紫外線硬化樹脂をパネルユニットから取り出す状態を示す断面図である。
図21図21は、第2実施形態に係る製造方法によって完成した調光装置の断面図である。
図22図22は、第3実施形態において、紫外線硬化樹脂および紫外線遮蔽部材を設けたパネルユニットの断面図である。
図23図23は、図22の一部の拡大図である。
図24図24は、紫外線硬化樹脂のうち紫外線遮蔽部材よりもY方向の外側部分を除去した状態を示す断面図である。
図25図25は、図24のパネルユニットの側面に対してY方向から紫外線を照射する状態を示す断面図である。
図26図26は、パネルユニットの側面に導電部材を設ける状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0010】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
[第1実施形態]
(調光装置の構成)
まず、第1実施形態に係る調光装置の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る調光装置を模式的に示す斜視図である。図2は、図1のII-II線による断面図である。図3は、図2の一部の拡大図である。
【0012】
なお、図に示すXYZ座標において、X方向は、前後方向であり、X1側はX2側の反対である。X1側は前側とも称し、X2側は後側とも称する。Y方向は、左右方向であり、Y1側はY2側の反対である。Y1側は左側とも称し、Y2側は右側とも称する。Z方向は、上下方向(積層方向)である。Z1側はZ2側の反対である。Z1側は上側とも称し、Z2側は下側とも称する。なお、Z方向は第1方向とも称せられ、Y方向は第2方向とも称せられる。
【0013】
図1および図2に示すように、第1実施形態に係る調光装置100は、パネルユニット110と、導電部材500と、封止部材650と、外部接続用配線43と、を備える。外部接続用配線400は、例えば導線である。
【0014】
図1および図2に示すように、本実施形態では、パネルユニット110は、Z方向(第1方向)に複数(実施形態では4つ)の調光パネル1を積層させて形成される。上下方向で隣接する調光パネル1同士は、透光性接着剤42を介して接合される。調光パネル1は、本実施形態では、正方形であるが、本発明はこれに限定されず、5角形などの多角形も含む。
【0015】
具体的には、図2に示すように、4つの調光パネル1は、上側から順に、調光パネル1A、1B、1C、1Dが積層される。それぞれの調光パネル1は、下側(Z2側)に配置される第1基板2と、上側(Z1側)に配置される第2基板3と、第1基板2および第2基板3の間に設けられるシール41と、シール41の内側に充填される液晶層4と、第1端子201および第2端子202と、を備える。
【0016】
Z方向から見た場合に、第1基板2および第2基板3の大きさは同一である。第1基板2の表面2aと第2基板3の表面3aとは、液晶層4を挟んで対面する。即ち、第1基板2の表面2aと第2基板3の表面3aとは、Z方向で離隔して空間が形成され、当該空間に液晶層4が充填される。液晶層4は、環状のシール41の内側に配置される。シール41の内側は、有効領域である。第1基板2の裏面2bは、表面2aの反対側の面である。第2基板3の裏面3bは、表面3aの反対側の面である。第1基板2には、第1端子201が設けられる。第2基板3には、第2端子202が設けられる。第1基板2の上側には、第2基板3が重なる。第1端子201と第2端子202とを含めて接続用端子200と称する。
【0017】
また、パネルユニット110の側部(Y方向の端部)には、導電部材500が上下方向(Z方向)に沿って延びている。導電部材500は、例えば、銀(Ag)またはカーボン(C)などの導電材を含むペーストを塗布したのち硬化させて形成される。
【0018】
図3に示すように、シール41の外側には、封止部材650が設けられる。封止部材650は、第1面650aと、第2面650bと、第3面650cと、第4面650dと、を有する。第1面650aは、例えば、第2端子202の下側に配置される。具体的には、Z方向から見て、例えば、第1面650aは、第2端子202と重なる。第2面650bは、例えば、第1端子201の上側に配置される。具体的には、Z方向から見て、例えば、第2面650bは、第1端子201と重なる。第3面650cは、例えば、第1実施形態では、シール41の外側面に当接するが、シール41の外側面から離隔してもよい。第4面650dは、パネルユニット110におけるZ方向から見た中心部に向けて凹む凹面650eを有する。凹面650eは、図3において、Y1側に凹む円弧状の断面を有する。
【0019】
図3に示すように、導電部材500は、本体部510と、挿入部520とを備える。本体部510は、Z方向に繋がって延びる。挿入部520は、本体部510からY方向の内側に突出する。具体的には、挿入部520は、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に挿入し、且つ、接続用端子200に電気的に接続される。挿入部520は、第1面520aと、第2面520bと、第3面520cと、を備える。第1面520aは、第2端子202の下面に沿って延びる。第2面520bは、第1端子201の上面に沿って延びる。第3面520cは、凹面650eに当接する凸面である。つまり、第3面520cは、図3において、Y1側に凸の円弧状の断面を有する先端520dでもある。よって、挿入部520の先端520dは、封止部材650に当接する。
【0020】
なお、図2に示すように、導電部材500におけるZ1側の端部およびZ2側の端部は、屈曲部530である。そして、例えば、最も下側に位置する調光パネル1Dにおける第1基板2の下面には、端子200Aが設けられ、端子200Aに外部接続用配線43が電気的に接続される。
【0021】
図4は、図2に示す上側から1番目と2番目の調光パネルにおける第1基板の平面図である。図5は、図2に示す上側から1番目と2番目の調光パネルにおける第2基板の平面図である。図6は、図2に示す上側から3番目と4番目の調光パネルにおける第1基板の平面図である。図7は、図2に示す上側から3番目と4番目の調光パネルにおける第2基板の平面図である。
【0022】
図4に示すように、調光パネル1Aおよび調光パネル1Bの第1基板2は、第1端子210、220、230、240と、液晶駆動電極250と、を備える。第1辺21は、Y1側に位置する。第2辺22は、Y2側に位置する。第3辺23は、X1側に位置する。第4辺24は、X2側に位置する。
【0023】
第1端子210は、第2辺22に設けられる。第1端子210の端211は配線252に接続される。第1端子220は、直線部222、223、224、225を有する。直線部222は、第2辺22から端226まで延びる。直線部223は、端226から端227までに延びる。直線部224は、端227から端228まで延びる。直線部225は、端228から端229まで延びる。端229は、配線251に接続される。液晶駆動電極250は、配線251および配線252に接続される。
【0024】
第1端子230は、第2辺22に設けられる。第1端子230は、第1端子210よりもX2側に位置する。第1端子240は、第2辺22に設けられる。第1端子240は、直線部222よりもX1側に位置する。
【0025】
第1基板2の第2辺22において、X2側からX1側に向けて、第1端子230、第1端子210、第1端子220の直線部222および第1端子240が順に並んで配置される。
【0026】
図5に示すように、調光パネル1Aおよび調光パネル1Bの第2基板3は、第2端子310、320、330、340と、液晶駆動電極350と、を備える。第2基板3における第1辺31は、Y1側に位置する。第2辺32は、Y2側に位置する。第3辺33は、X1側に位置する。第4辺34は、X2側に位置する。
【0027】
第1辺31は、Y1側に位置する。第2辺32は、Y2側に位置する。第3辺33は、X1側に位置する。第4辺34は、X2側に位置する。第2端子310および第2端子320は、第2辺32に設けられる。第2端子310は、第2端子320よりもX2側に配置される。
【0028】
第2端子330は、直線部332、333、334を有する。直線部332は、第2辺32に沿って延びる。直線部333は、第4辺34に沿って延びる。直線部334は、端331を有し、端331は、配線352に接続される。
【0029】
第2端子340は、直線部342、343、344を有する。直線部342は、第2辺32に沿って延びる。直線部343は、第3辺33に沿って延びる。直線部344は、端341を有し、端341は、配線351に接続される。液晶駆動電極350は、配線351および配線352に接続される。
【0030】
次に、調光パネル1C、1Dについて説明する。調光パネル1C、1Dにおける第1基板の端子、配線および液晶駆動電極は、上側から見た状態で、調光パネル1Aおよび調光パネル1Bにおける第2基板の端子、配線および液晶駆動電極の位置と一致する。即ち、図6に示す第1基板2Aと図5に示す第2基板3について、端子、配線および液晶駆動電極の位置が同じである。また、図7に示す第2基板3Aと図4に示す第1基板2について、端子、配線および液晶駆動電極の位置が同じである。以下、具体的に説明する。
【0031】
図6に示すように、調光パネル1Cおよび調光パネル1Dの第1基板2Aは、第1端子210A、220A、230A、240Aと、液晶駆動電極250Aと、を備える。第1辺21は、Y1側に位置する。第2辺22は、Y2側に位置する。第3辺23は、X1側に位置する。第4辺24は、X2側に位置する。
【0032】
第1端子210Aは、直線部212A、213A、214Aを有する。直線部212Aは、第2辺22に沿って延びる。直線部213Aは、第4辺24に沿って延びる。直線部214Aは、端211Aを有し、端211Aは、配線251Aに接続される。
【0033】
第1端子220Aは、直線部222A、223A、224Aを有する。直線部222Aは、第2辺22に沿って延びる。直線部223Aは、第3辺23に沿って延びる。直線部224Aは、端221Aを有し、端221Aは、配線252Aに接続される。
【0034】
第1端子230A、240Aは、第2辺22に設けられる。第1端子230Aは、第1端子240AよりもX2側に位置する。配線251A、252Aは、液晶駆動電極250Aと接続される。
【0035】
図7に示すように、調光パネル1Cおよび調光パネル1Dの第2基板3Aは、第2端子310A、320A、330A、340Aと、液晶駆動電極350Aと、を備える。第2端子310Aおよび第2端子320Aは、第2辺32に設けられる。第2端子310Aは、第2端子320AよりもX2側に位置する。第2端子330Aは、第2辺32に設けられる。第2端子330Aは、配線352Aに接続される。
【0036】
第2端子340Aは、直線部342A、343A、344A、345Aを有する。直線部342Aは、第2辺32に設けられる。直線部343Aは、直線部342Aの先端からX1側に延びる。直線部344Aは、第3辺33に沿って延びる。直線部345Aは、X方向に延び、端341Aが配線351Aに接続される。配線351A、352Aは、液晶駆動電極350Aと接続される。
【0037】
(調光装置の製造方法)
次に、調光装置の製造方法を説明する。図8は、パネルユニットを模式的に示す斜視図である。図9は、図8のパネルユニットの上面の一部を拡大した模式図である。図10は、パネルユニットの側面に、紫外線遮蔽部材および紫外線硬化樹脂を設けた状態を示す断面図である。図11は、紫外線硬化樹脂に対してY方向から紫外線を照射する状態を示す断面図である。図12は、紫外線硬化樹脂および紫外線遮蔽部材をパネルユニットから取り出す状態を示す断面図である。図13は、第1実施形態に係る方法によって完成した調光装置の断面図である。
【0038】
まず、パネルユニット110の第1部位120について説明する。図8に示すように、第1部位120は、パネルユニット110におけるY2側の端部(Y方向の端部)のうち、Z方向(上側)から見た場合に、接続用端子200と重畳する部位である。パネルユニット110の最も上側には、調光パネル1Aの第2基板3(図5参照)が配置され、調光パネル1Aの第2基板3の下側には、調光パネル1Aの第1基板2(図4参照)が配置される。従って、図9に示すように、図5の第2基板3における第2端子320の下側には、図4の第1基板2における第1端子220の直線部222が重なる。このように、本明細書では、上側から見た場合に、第1端子201と第2端子202とに重なる部位として、第1部位120を設定する。つまり、図8に示すように、第1部位120は、Z方向に延びる直方体の形状を有する。図9では、第1部位120をハッチングで示す。第1部位120は、具体的に、第1部位120A、120B、120C、120Dを有する。図8に示すように、X1側からX2側に向けて、第1部位120A、120B、120C、120Dがこれらの順に並ぶ。
【0039】
第1実施形態に係る調光装置の製造方法は、第1ステップと、第2ステップと、第3ステップと、第4ステップと、を含む。
【0040】
第1ステップは、紫外線硬化樹脂600と紫外線遮蔽部材700とを、第1部位120に設ける工程である。具体的には、図10および図11に示すように、紫外線遮蔽部材700を、第1基板2および第2基板3におけるY2側の側面2c、3cに接着させる。つまり、Z方向において第1基板2と第2基板3との間以外の部位に、紫外線遮蔽部材700を接合する。換言すると、パネルユニット110をY方向から見た場合に、第1基板2および第2基板3のY2側の側面2c、3cに重畳する紫外線遮蔽部材700をパネルユニット110のY2側の側面に接着させる。なお、紫外線遮蔽部材700は、例えば、紫外線UVの遮蔽率が第1遮蔽率以上となるシート状の部材である。第1遮蔽率は、例えば、90%以上が好ましい。
【0041】
また、第1ステップでは、図10および図11に示すように、ペースト状の紫外線硬化樹脂600を、第1部位120にZ方向に沿って設け、紫外線硬化樹脂600の一部である挿入樹脂部620を、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に挿入する。紫外線硬化樹脂600は、本体部610と、挿入樹脂部620とを有する。本体部610は、紫外線遮蔽部材700の上に塗布される。挿入樹脂部620は、Y1側に突出して第1基板2と第2基板3との間に挿入され、第1端子201および第2端子202に挿入樹脂部620が当接される。
【0042】
第2ステップは、第1ステップの後に、紫外線硬化樹脂600に対してY方向から紫外線UVを照射し、紫外線硬化樹脂600を硬化させる工程である。図11に示すように、紫外線硬化樹脂600に対してY2側から紫外線UVを照射することにより、挿入樹脂部620を含む紫外線硬化樹脂600の全体を硬化させる。
【0043】
第3ステップは、第2ステップの後に、挿入樹脂部620における先端側の一部を封止部材650として残した状態で、紫外線硬化樹脂600および紫外線遮蔽部材700をパネルユニット110から取り出す工程である。図11に二点鎖線で示すように、挿入樹脂部620には、分離境界621が形成される。分離境界621は、例えば、Y1側に凸の円弧状である。紫外線UVを照射した後において、残存部622と挿入樹脂本体623とは、硬さに差異が生じる。従って、図12に示すように、紫外線硬化樹脂600および紫外線遮蔽部材700を矢印に示すようにY2側に向けてパネルユニット110から取り出すと、挿入樹脂部620は、分離境界621を境にして、残存部622と挿入樹脂本体623との間に亀裂が入り残存部622と挿入樹脂本体623とが分離する。従って、残存部622は、パネルユニット110に残り封止部材650となる。
【0044】
第4ステップでは、第3ステップの後に、導電部材500をパネルユニット110における第1部位120にZ方向に沿って設け、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に、導電部材500の一部である挿入部520の先端520dを封止部材650に当接させ、且つ、挿入部520を接続用端子200に電気的に接続させる。図13に示すように、導電部材500は、本体部510と、挿入部520とを有する。導電部材500は、ペースト状であるため、挿入部520の先端520dは封止部材650の凹面650eに押し付けられ、凹面650eに沿った形状となる。そして、ペースト状の導電部材500が硬化すると、本実施形態に係る調光装置100となる。
【0045】
[変形例]
次に、第1実施形態の変形例について説明する。図14は、第1実施形態の変形例を示す図であり、紫外線硬化樹脂に対してY方向から紫外線を照射する状態を示す断面図である。図15は、紫外線硬化樹脂および紫外線遮蔽部材をパネルユニットから取り出す状態を示す断面図である。図16は、第1実施形態の変形例に係る製造方法によって完成した調光装置の断面図である。
【0046】
変形例に係る調光装置の製造方法は、第1実施形態と比較すると、紫外線硬化樹脂600に対する紫外線遮蔽部材700の位置が異なる。以下、第1実施形態と異なる点を中心に簡単に説明する。
【0047】
第1実施形態では、図11に示すように、紫外線遮蔽部材700は、第1基板2および第2基板3におけるY2側の側面2c、3cに接着され、紫外線遮蔽部材700のY2側に紫外線硬化樹脂600が塗布される。これに対して、変形例では、図14に示すように、第1基板2および第2基板3におけるY2側の側面2c、3cに紫外線硬化樹脂600が塗布され、紫外線硬化樹脂600のY2側に紫外線遮蔽部材700が設けられる。このように、第1実施形態と変形例とでは、紫外線遮蔽部材700と紫外線硬化樹脂600との位置が逆となる。
【0048】
(調光装置の製造方法)
以下に、変形例に係る調光装置の製造方法を簡単に説明する。変形例に係る調光装置の製造方法は、第1実施形態と同様に、第1ステップと、第2ステップと、第3ステップと、第4ステップと、を含む。
【0049】
第1ステップにおいて、図14に示すように、ペースト状の紫外線硬化樹脂600を、第1基板2および第2基板3のY2側の側面2c、3cにZ方向に沿って塗布し、紫外線硬化樹脂600の一部である挿入樹脂部620を、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に挿入する。
【0050】
また、パネルユニット110をY方向から見た場合に、第1基板2および第2基板3のY2側の側面2c、3cに重畳する紫外線遮蔽部材700を、紫外線硬化樹脂600のY2側に設ける。
【0051】
第2ステップにおいて、図14に示すように、紫外線硬化樹脂600に対してY2側から紫外線UVを照射することにより、挿入樹脂部620を含む紫外線硬化樹脂600の全体を硬化させる。
【0052】
第3ステップにおいて、図15に示すように、紫外線硬化樹脂600および紫外線遮蔽部材700を矢印に示すようにY2側に向けてパネルユニット110から取り出すと、挿入樹脂部620は、分離境界621を境にして、残存部622と挿入樹脂本体623とが分離する。従って、残存部622は、パネルユニット110に残り封止部材650となる。
【0053】
第4ステップにおいて、図16に示すように、導電部材500をパネルユニット110における第1部位120にZ方向に沿って設け、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に、導電部材500の一部である挿入部520の先端520dを封止部材650に当接させ、且つ、挿入部520を接続用端子200に電気的に接続させる。
【0054】
以上説明したように、第1実施形態の調光装置100は、第1端子201を有する第1基板2と第1基板2に重畳し且つ第2端子202を有する第2基板3とを有する調光パネル1が、Z方向(第1方向)に複数積層されるパネルユニット110と、パネルユニット110におけるZ方向に交差するY方向(第2方向)の端部に設けられ且つZ方向に延びる導電部材500と、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間であって、且つ、Z方向から見て、第1端子201および第2端子202を含む接続用端子200と重畳して配置される封止部材650と、を備える。導電部材500は、Z方向に繋がって延びる本体部510と、本体部510からY方向に突出して、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に挿入し、且つ、接続用端子200に電気的に接続される挿入部520と、を有し、挿入部520の先端520dは、封止部材650に当接する。
【0055】
前述したように、特許文献1では、1つの調光パネルにおける第1基板の端子と第2基板の端子とのそれぞれに外部接続用配線を1つずつ接続するため、調光装置全体に用いる外部接続用配線の数が多くなる。しかし、本実施形態および変形例では、1つの導電部材500に1つずつ、合計4つの外部接続用配線を接続すればよいため、外部接続用配線の数を低減することができる。
【0056】
さらに、封止部材650を設けない場合は、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間の奥側に挿入部520が侵入しすぎて挿入部520の長さが長くなる。この場合、挿入部520の途中部分が破断する可能性がある。
【0057】
これに対して、本実施形態および変形例では、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に封止部材650を設け、導電部材500の挿入部520の先端520dが封止部材650に当接する。よって、第1基板2と第2基板3との間の奥側に挿入部520が侵入しすぎて挿入部520の長さが長くなりすぎることが抑制される。このため、挿入部520の途中部分の破断を抑制し、導電部材500と端子との電気的接続性をより高くすることができる。
【0058】
調光装置の製造方法は、紫外線硬化樹脂600と、Y方向から見た場合に第1基板2および第2基板3に重畳する紫外線遮蔽部材700とを、第1部位120にZ方向に沿って設け、紫外線硬化樹脂600の一部である挿入樹脂部620を、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に挿入する第1ステップと、第1ステップの後に、紫外線硬化樹脂600に対してY方向から紫外線UVを照射し、紫外線硬化樹脂600を硬化させる第2ステップと、第2ステップの後に、挿入樹脂部620における先端側の一部を封止部材650として残した状態で、紫外線硬化樹脂600および紫外線遮蔽部材700をパネルユニット110から取り出す第3ステップと、第3ステップの後に、導電部材500をパネルユニット110における第1部位120にZ方向に沿って設け、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に、導電部材500の一部である挿入部520の先端520dを封止部材650に当接させ、且つ、挿入部520を接続用端子200に電気的に接続させる第4ステップと、を含む。
【0059】
このように、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に封止部材650を設けるため、挿入部520が侵入しすぎて挿入部520の長さが長くなりすぎることが抑制される。
【0060】
また、第1基板2と第2基板3との間に紫外線硬化樹脂600の一部である挿入樹脂部620を挿入し紫外線硬化樹脂600に紫外線UVをY方向から照射することによって、封止部材650を形成することができる。このような簡単な方法によって、封止部材650を形成することができる。
【0061】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る調光装置の製造方法について説明する。図17は、第2実施形態において、パネルユニットに対してZ方向から紫外線を照射する状態を示す斜視図である。図18は、紫外線硬化樹脂および紫外線遮蔽部材を設けたパネルユニットの断面図である。図19は、図18の一部の拡大図である。図20は、紫外線硬化樹脂をパネルユニットから取り出す状態を示す断面図である。図21は、第2実施形態に係る製造方法によって完成した調光装置の断面図である。
【0062】
第2実施形態において、図17に示すように、紫外線遮蔽部材700Aは、パネルユニット110の上面(Z1側の端面)に接着され、紫外線硬化樹脂600は、第1部位120に塗布される。このように、第1実施形態と第2実施形態とでは、紫外線遮蔽部材700Aと紫外線硬化樹脂600との位置が異なる。なお、紫外線遮蔽部材700Aは、紫外線UVの遮蔽率が第1遮蔽率以上となるシート状の部材である。
【0063】
(調光装置の製造方法)
以下に、第2実施形態に係る調光装置の製造方法を簡単に説明する。第2実施形態に係る調光装置の製造方法は、第1実施形態と同様に、第1ステップと、第2ステップと、第3ステップと、第4ステップと、を含む。
【0064】
第1ステップにおいて、図17および図18に示すように、紫外線遮蔽部材700Aをパネルユニット110の上面(Z1側の端面)に接着する。紫外線遮蔽部材700Aは、第1部位120以外の部分を遮蔽する。このように、Z方向から見た場合に第1部位120とは非重畳となる状態で、紫外線遮蔽部材700Aをパネルユニット110におけるZ方向の端部に設ける。また、ペースト状の紫外線硬化樹脂600を、第1基板2および第2基板3のY2側の側面2c、3cにZ方向に沿って塗布し、図19に示すように、紫外線硬化樹脂600の一部である挿入樹脂部620を、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に挿入する。
【0065】
第2ステップにおいて、図17に示すように、紫外線硬化樹脂600に対してZ1側から紫外線UVを照射して紫外線硬化樹脂600を硬化させる。紫外線遮蔽部材700Aは、第1部位120以外の部分を遮蔽するため、第1部位120に対してZ1側から紫外線UVが照射される。即ち、第1実施形態とは、パネルユニット110に対して紫外線UVを照射する方向が異なる。
【0066】
第3ステップにおいて、図19および図20に示すように、挿入樹脂部620における先端側の一部を封止部材650として残した状態で、紫外線硬化樹脂600をパネルユニット110から取り出す。
【0067】
第4ステップにおいて、図21に示すように、導電部材500をパネルユニット110における第1部位120にZ方向に沿って設け、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に、導電部材500の一部である挿入部520の先端520dを封止部材650に当接させ、且つ、挿入部520を接続用端子200に電気的に接続させる。
【0068】
以上説明したように、第2実施形態に係る調光装置の製造方法は、パネルユニット110におけるZ方向の端部のうち、Z方向から見た場合に第1部位120とは非重畳となる部位に紫外線遮蔽部材700Aを設け、パネルユニット110の第1部位120に対して、紫外線硬化樹脂600をZ方向に沿って設け、紫外線硬化樹脂600の一部である挿入樹脂部620を、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に挿入する第1ステップと、第1ステップの後に、紫外線硬化樹脂600に対してZ方向から紫外線UVを照射して紫外線硬化樹脂600を硬化させる第2ステップと、第2ステップの後に、挿入樹脂部620における先端側の一部を封止部材650として残した状態で、紫外線硬化樹脂600をパネルユニット110から取り出す第3ステップと、第3ステップの後に、導電部材500をパネルユニット110における第1部位120にZ方向に沿って設け、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に、導電部材500の一部である挿入部520の先端520dを封止部材650に当接させ、且つ、挿入部520を第1端子201および第2端子202に電気的に接続させる第4ステップと、を含む。
【0069】
第1実施形態では、紫外線硬化樹脂600に対してY方向から紫外線UVを照射する。具体的には、図11に示すように、Y2側から紫外線硬化樹脂600の本体部610に対して紫外線UVを照射する。挿入樹脂部620は、本体部610に対してY1側に位置する。即ち、挿入樹脂部620は、本体部610に対して紫外線UVを照射する側の反対側に位置する。
【0070】
これに対して、第2実施形態では、パネルユニット110におけるZ方向の端部に紫外線遮蔽部材700Aを設け、紫外線硬化樹脂600に対してZ方向から紫外線UVを照射する。即ち、挿入樹脂部620に対して紫外線UVが上側から直接に照射される。従って、挿入樹脂部620をより硬く硬化させることができるため、封止部材650の形成がより容易になる。
【0071】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る調光装置の製造方法について説明する。図22は、第3実施形態において、紫外線硬化樹脂および紫外線遮蔽部材を設けたパネルユニットの断面図である。図23は、図22の一部の拡大図である。図24は、紫外線硬化樹脂のうち紫外線遮蔽部材よりもY方向の外側部分を除去した状態を示す断面図である。図25は、図24のパネルユニットの側面に対してY方向から紫外線を照射する状態を示す断面図である。図26は、パネルユニットの側面に導電部材を設ける状態を示す断面図である。
【0072】
第3実施形態に係る調光装置の製造方法は、第1ステップと、第2ステップと、第3ステップと、第4ステップと、第5ステップと、を含む。前述した第1および第2実施形態と相違する箇所を重点的に説明する。
【0073】
(調光装置の製造方法)
第1ステップにおいては、第1実施形態と同様に、図22および図23に示すように、第1基板2および第2基板3のY方向の端面に紫外線遮蔽部材700を設ける。
【0074】
第2ステップにおいては、図22および図23に示すように、紫外線遮蔽部材700上に紫外線硬化樹脂600を設け、紫外線硬化樹脂600の一部である挿入樹脂部620を、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に挿入する。
【0075】
第3ステップにおいては、図24に示すように、紫外線硬化樹脂600のうち、紫外線遮蔽部材700よりもY2側(Y方向の外側部分)を除去する。従って、調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間の部分のみに、紫外線硬化樹脂600が挿入された状態となる。
【0076】
第4ステップにおいて、図25に示すように、紫外線硬化樹脂600に対してY2側から紫外線UVを照射し、挿入樹脂部620におけるY2側の表層部622Aaを硬化させる。ここで、第3実施形態では、紫外線UVの紫外線強度を第1実施形態よりも小さく設定する。これにより、第1実施形態では、挿入樹脂部620の全体を硬化させるが、第3実施形態では、第1実施形態よりも紫外線強度が小さいため、挿入樹脂部620の表層部622Aaのみを硬化させることができる。
【0077】
第5ステップにおいて、図26に示すように、導電部材500をパネルユニット110におけるY方向の端部にZ方向に沿って設ける。このとき、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に導電部材500の一部を挿入し、この挿入した一部である挿入部520の先端520dを挿入樹脂部620の表層部622Aaに押し付ける。これにより、挿入樹脂部620を凹ませ、挿入樹脂部620を封止部材650に形成することができる。
【0078】
以上説明したように、第3実施形態に係る調光装置の製造方法は、紫外線硬化樹脂600と、Y方向から見た場合に第1基板2および第2基板3に重畳する紫外線遮蔽部材700とを、第1部位120にZ方向に沿って設け、紫外線硬化樹脂600の一部である挿入樹脂部620を、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に挿入する第1ステップと、第1ステップの後に、紫外線遮蔽部材700上に紫外線硬化樹脂600を設け、紫外線硬化樹脂600の一部である挿入樹脂部620を、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に挿入する第2ステップと、第2ステップの後に、紫外線硬化樹脂600のうち、紫外線遮蔽部材700よりもY方向の外側部分を除去する第3ステップと、第3ステップの後に、紫外線硬化樹脂600に対してY方向から紫外線UVを照射し、挿入樹脂部620におけるY方向の外側の表層部622Aaを硬化させる第4ステップと、第4ステップの後に、導電部材500をパネルユニット110におけるY方向の端部にZ方向に沿って設け、且つ、それぞれの調光パネル1における第1基板2と第2基板3との間に導電部材500の一部を挿入し、この挿入した一部である挿入部520の先端520dを挿入樹脂部620の残存部622Aの表層部622Aaに押し付けて残存部622Aを凹ませることにより、残存部622Aを封止部材650に形成する第5ステップと、を含む。
【0079】
このように、第3実施形態に係る調光装置の製造方法では、挿入樹脂部620におけるY方向の外側の表層部622Aaを硬化させ、挿入部520の先端520dを残存部622Aの表層部622Aaに押し付けて挿入樹脂部620を凹ませることにより、残存部622Aを封止部材650に形成する。
【0080】
第1および第2実施形態では、挿入樹脂部620における先端側の一部を破断させて封止部材650とするため、挿入樹脂部620において破断する部位にバラツキが生じ、封止部材650の大きさにバラツキが生じる可能性がある。これに対して、第3実施形態では、挿入樹脂部620を破断させずに挿入部520の先端520dを挿入樹脂部620の残存部622Aに押し当てて凹ませるため、封止部材650大きさにバラツキが生じにくくなる。
【符号の説明】
【0081】
1、1A、1B、1C、1D 調光パネル
2 第1基板
2a 表面
2b 裏面
2c 側面
3 第2基板
3a 表面
3b 裏面
3c 側面
4 液晶層
41 シール
42 透光性接着剤
43 外部接続用配線
100 調光装置
110 パネルユニット
120 第1部位
120A 第1部位
120B 第1部位
120C 第1部位
120D 第1部位
200 接続用端子
201 第1端子(接続用端子)
202 第2端子(接続用端子)
210、210A、220、220A、230、230A、240、240A 第1端子
250、250A 液晶駆動電極
310、310A、320、320A、330、330A、340、340A 第2端子
350、350A 液晶駆動電極
500 導電部材
510 本体部
520 挿入部
520a 第1面
520b 第2面
520c 第3面
520d 先端
530 屈曲部
600 紫外線硬化樹脂
610 本体部
620 挿入樹脂部
621 分離境界
622、622A 残存部(封止部材)
622Aa 表層部
623 挿入樹脂本体
650 封止部材
650a 第1面
650b 第2面
650c 第3面
650d 第4面
650e 凹面
700、700A 紫外線遮蔽部材
UV 紫外線
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