(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093910
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】修正用粘着テープ
(51)【国際特許分類】
B43L 19/00 20060101AFI20240702BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20240702BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20240702BHJP
B32B 27/20 20060101ALI20240702BHJP
B32B 27/36 20060101ALI20240702BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20240702BHJP
B32B 7/06 20190101ALI20240702BHJP
【FI】
B43L19/00 H
C09J7/38
B32B27/00 L
B32B27/00 M
B32B27/20 A
B32B27/36
B32B27/40
B32B7/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210557
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000237237
【氏名又は名称】フジコピアン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】勝呂 登
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
【Fターム(参考)】
4F100AA20B
4F100AA20C
4F100AA21B
4F100AB10B
4F100AK04C
4F100AK09C
4F100AK12C
4F100AK41B
4F100AK42A
4F100AK51B
4F100AL09C
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA10C
4F100BA10D
4F100CA13B
4F100CA16C
4F100CB05D
4F100DE01B
4F100DE01C
4F100GB71
4F100JA05
4F100JA07
4F100JB16C
4F100JK06
4F100JL10B
4F100JL13D
4F100JL14C
4F100JN02B
4F100YY00C
4J004AA10
4J004AB01
4J004CA06
4J004CB03
4J004CC02
4J004FA08
(57)【要約】
【課題】書類等の被着体へ貼り付け後の当該修正用粘着テープを含む被着体表面への筆記性が良好で、且つ、修正用粘着テープ貼付具に収納するために、パンケーキ状とする際に粘着面を覆うセパレータを用いなくても、ブロッキングが発生することがない修正用粘着テープの提供である。
【解決手段】被着体に貼り付けて使用する修正用粘着テープにおいて、基材の一方の面上に白色隠蔽層、離型層が前記基材側からこの順で積層され、前記基材の他方の面上に粘着層が設けられ、前記白色隠蔽層が少なくともポリエステルポリウレタンからなるバインダーと白色顔料を含有し、前記離型層が熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂からなるバインダー中にポリエチレン粒子を含有し、前記離型層の厚みが0.1μm以上5.0μm以下であることを特徴とする修正用粘着テープ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体に貼り付けて使用する修正用粘着テープにおいて、基材の一方の面上に白色隠蔽層、離型層が前記基材側からこの順で積層され、前記基材の他方の面上に粘着層が設けられ、前記白色隠蔽層が少なくともポリエステルポリウレタンからなるバインダーと白色顔料を含有し、前記離型層が熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂からなるバインダー中にポリエチレン粒子を含有し、前記離型層の厚みが0.1μm以上5.0μm以下であることを特徴とする修正用粘着テープ。
【請求項2】
前記離型層の厚みが0.5μm以上3.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の修正用粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文章を書いた書類等の文字等を修正するために、書類等の被着体に貼り付ける修正用粘着テープに関する発明であり、詳しくは、書類等に貼り付け後、自らの表面に文字を書き込むことが可能な修正用粘着テープに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来から、このような修正用粘着テープとして、さまざまなテープが提案されてきた。例えば、特許文献1では、紙製の紙基材シート(2)と、この紙基材シート(2)の裏面に粘着樹脂でコーティングした粘着樹脂層(3)とで修正テープ本体(1)を構成していることを特徴とする修正テープが提案されている。特許文献1の修正テープは、修正テープ自体を紙製とすることで、紙と同様の筆記性を実現している。
【0003】
また、従来から、このような修正用粘着テープの貼付具として、特許文献2などの修正用粘着テープの貼付具が提案されている。特許文献2のような修正用粘着テープの貼付具では、書類等の被着体へ修正用粘着テープを貼り付ける貼付部まで、修正用粘着テープを連続して繰り出す必要があるため、貼付具の内部に長尺の修正用粘着テープを繰り出し可能に収納する必要があった。このため、特許文献2などの修正用粘着テープ貼付具では、修正用粘着テープをコア(巻き芯)に巻きつけたパンケーキ(ロール)状としている。
【0004】
また、特許文献2の修正用粘着テープの貼付具では、被着体へ貼り付けるための層である粘着層を覆うセパレータを使用していない。セパレータを使用すると、修正用粘着テープの貼付具に粘着層からセパレータを剥がす機構や、剥がした後のセパレータを排出、又は収納する機構が必要となり、修正用粘着テープの貼付具が必要以上に大型化するので、好ましくないからである。また、セパレータ自体、使用後は廃棄物となるものであるから、セパレータを使用しないことが好ましい。
【0005】
しかしながら、修正用粘着テープ貼付具に収納するために、セパレータを使用しないで、特許文献1のような修正テープをパンケーキ状にしようとすると、紙基材シート(2)と粘着樹脂層(3)が向き合う状態で、修正テープをコアに巻きつけなければならない。このように、特許文献1の修正テープを、セパレータを使用しないでパンケーキ状にすると、紙面と粘着樹脂層(3)が向き合った状態となるため、粘着樹脂層(3)が紙面に貼りつく。このため、パンケーキから修正テープを巻き出そうとすると、修正テープがパンケーキから、巻き出し不能となるおそれがあった。また、パンケーキから修正テープを巻きだすことができたとしても、粘着樹脂層が紙面側に剥ぎ取られて、修正用粘着テープが被転写面に貼り付かなくなることや、紙面が粘着樹脂層側に剥ぎ取られて紙面が破れる(以下、これらの現象をブロッキングと表現する。)ために、修正用粘着テープとして、十分な状態で使用できなくなるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-103757号公報
【特許文献2】特開2015-142981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みて為されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、書類等の被着体へ貼り付け後の当該修正用粘着テープを含む被着体表面への筆記性が良好で、且つ、修正用粘着テープ貼付具に収納するために、パンケーキ状とする際に粘着面を覆うセパレータを用いなくても、ブロッキングが発生することがない修正用粘着テープの提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明は、被着体に貼り付けて使用する修正用粘着テープにおいて、基材の一方の面上に白色隠蔽層、離型層が前記基材側からこの順で積層され、前記基材の他方の面上に粘着層が設けられ、前記白色隠蔽層が少なくともポリエステルポリウレタンからなるバインダーと白色顔料を含有し、前記離型層が熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂からなるバインダー中にポリエチレン粒子を含有し、前記離型層の厚みが0.1μm以上5.0μm以下であることを特徴とする修正用粘着テープである。
【0009】
第2発明は、前記離型層の厚みが0.5μm以上3.0μm以下であることを特徴とする第1発明に記載の修正用粘着テープである。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、被着体に貼り付けて使用する修正用粘着テープにおいて、基材の一方の面上に白色隠蔽層、離型層を基材側からこの順で積層し、基材の他方の面上に粘着層を設け、
白色隠蔽層が少なくともポリエステルポリウレタンからなるバインダーと白色顔料を含有し、離型層が熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂からなるバインダー中にポリエチレン粒子を含有し、離型層厚みを0.1μm以上5.0μm以下とすることによって、書類等の被着体へ貼り付け後の、当該修正用粘着テープを含む被着体表面への良好な筆記性を確保するとともに、修正用粘着テープ貼付具に収納するために、粘着面を覆うセパレータを用いずにパンケーキ状としてもブロッキングが発生することがない修正用粘着テープを提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の修正用粘着テープの一例である修正用粘着テープAの層構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の修正用粘着テープを、さらに詳しく説明する。
【0013】
本発明の修正用粘着テープは、
図1に示すように、基材(1)の一方の面上に少なくとも、白色隠蔽層(2)、離型層(3)が基材(1)側からこの順で積層され、基材(1)のもう一方の面上に粘着層(4)が積層された修正用粘着テープである。本発明の修正用粘着テープは、白色隠蔽層(2)と基材(1)間、及び粘着層(4)と基材(1)間にアンカー層等を設けることもでき、白色隠蔽層(2)、離型層(3)、粘着層(4)を複数の層を積層した層としてもよい。
【0014】
(基材)
本発明の修正用粘着テープに使用する基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、アラミドフィルムその他この種の粘着テープの基材用フィルムとして一般に使用されている各種のプラスチックフィルムが使用できる。また、コンデンサーペーパーのような高密度の薄い紙も使用できる。本発明の修正用粘着テープは被着体への貼付け時に、被着体面との段差が少ない方が好ましく、修正用粘着テープ全体の厚みは薄いことが好ましい。このため、これらの例示した材料の中でも、薄くした場合にも十分な機械強度が得られる点で、ポリエステルフィルムが好ましく、ポリエステルフィルムの中でもポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)がより好ましい。基材の厚さは通常は5.0μm以上40.0μm以下が好ましく、より好ましくは10.0μm以上15.0μm以下である。基材の厚みが5.0μmを下回ると、修正用粘着テープの貼付け時に皺が発生し易くなる。一方、基材厚みが40.0μmを超えると、被着体に貼り付けた修正用粘着テープ表面と被着体表面の段差が大きくなって、筆記性が低下する。
【0015】
(白色隠蔽層)
本発明の修正用粘着テープでは、後述する離型層を被着体への貼り付け後の最表層とし、離型層に直接接する層として、離型層と基材間に白色隠蔽層を設けることが好ましい。離型層上に筆記されたインクが白色隠蔽層に吸収され定着するので、離型層と白色隠蔽層を直接接するように設けることで、修正用粘着テープの筆記性を向上することができる。
【0016】
白色隠蔽層は、少なくとも、バインダー、白色顔料から構成される。白色隠蔽層には、白色体質顔料、及び/又はシリカを使用することもできる。白色隠蔽層のバインダーとしては、ポリエステルポリウレタンが好ましい。この種の白色隠蔽層のバインダーとしては、
ウレタン系、ビニル系、オレフィン系、ゴム系の樹脂等を単体、もしくは2種以上組み合わせたものが従来から用いられている。しかしながら、後述する本発明の離型層に対して、これらの従来から使用されてきたバインダーで構成された白色隠蔽層を組み合わせると、ほとんどのバインダーで、離型層の離型性が低下し、後述する粘着層の離型層へのブロッキングを防止することができなかった。しかしながら、本発明者が鋭意努力した結果、これら従来のバインダーの中でも、白色隠蔽層のバインダーとして、ポリエステルポリウレタンを使用すれば、後述する本発明の離型層との組み合わせによって、修正用粘着テープに要求される他の性能を維持しつつ、後述する粘着層の離型層へのブロッキングを防止できることが、判明した。
【0017】
ポリエステルポリウレタンの白色隠蔽層固形分中の含有割合としては、15重量%以上45重量%以下が好ましい。ポリエステルポリウレタンの含有割合が15重量%未満になると、白色隠蔽層の層強度弱くなり、基材等の下層との密着力が低下するので、修正用粘着テープ上に筆記した際に白色隠蔽層に破れが生じ易くなる。ポリエステルポリウレタンの含有割合が45重量%を超えると、白色隠蔽層に含有できる白色顔料の含有割合が不足し、白色隠蔽層の白色度が低下して、白色隠蔽層の隠蔽力が低下し、被貼着面を十分に隠蔽できなくなるおそれがある。
【0018】
白色隠蔽層が含有する白色顔料としては、白色隠蔽層に必要とされる隠蔽力を確保できる白色の顔料であれば、特に限定されずいずれも使用でき、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。なかでも、少量の添加でテープの白色度を高くできる点で、酸化チタンが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0019】
白色隠蔽層固形分中の白色顔料の含有割合は、50重量%以上80重量%以下が好ましい。含有割合が50重量%未満になると、白色隠蔽層の白色度が低下して、白色隠蔽層の隠蔽力が低下して、被貼着面を十分に隠蔽できなくなるおそれがある。含有割合が80重量%を超えると、白色隠蔽層中のポリエステルポリウレタンの含有割合が不足して、白色隠蔽層の層強度弱くなり、基材等の下層との密着力が低下するので、修正用粘着テープ上に筆記した際に白色隠蔽層に破れが生じ易くなる。
【0020】
白色顔料の粒径としては、特に限定されないが、白色隠蔽層が良好な隠蔽力を有しうる点で、例えば0.2~0.3μm、好ましくは0.23~0.27μmが挙げられる。
【0021】
本発明における白色隠蔽層は、上記白色顔料に加え、白色体質顔料、及び/又はシリカを含有してもよい。白色体質顔料としては、特に限定されずいずれも使用でき、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化アルミニウム、シリカ、セライト、タルク、クレー等が挙げられる。なかでも炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。シリカとしては湿式シリカが好ましい。白色体質顔料とシリカは併用することもできる。
【0022】
白色隠蔽層は、バインダー樹脂、白色顔料、白色体質顔料(及び/又はシリカ)の他に
白色隠蔽層に要求される各種の機能を阻害しない範囲内であれば、各種の添加剤を含有しても良い。前記添加剤としては、可塑剤、消泡剤、界面活性剤、酸化防止剤、分散剤、粘着付与剤などがあげられる。例えば、分散剤としては、有機溶剤中に酸化チタン等の白色顔料を分散することのできるものであれば、特に限定されず、公知のものを適宜使用できる。また、他の添加剤としては、例えば、誤字等の隠蔽、修正後に水性インクを使用する筆記具にて筆記する際に、該水性インクの浸透性を向上する目的で、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールランダムコポリマー、又はポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等が選択できる。これらの他の成分の含有量としては、特に限定されず、目的に応じて適宜設計すればよい。
【0023】
白色隠蔽層の厚みは、15μm以上30μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以上25μm以下である。15μm未満であると隠蔽力が不十分となるおそれがあり、30μmを超えると、修正用粘着テープ全体の厚みが厚くなることで、誤字等を隠蔽、修正した修正用粘着テープ端部と周囲との段差が大きくなるために、修正用粘着テープによる隠蔽、修正部分を含む筆記面に筆記した際に筆記具先端が前記段差に引っかかることや、コピーをとった時に前記段差が影となって写るといった不具合が生じるおそれがある。
【0024】
白色隠蔽層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材上に塗工して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
【0025】
(離型層)
本発明の修正用粘着テープでは、白色隠蔽層上に離型層を設ける。本発明の離型層は、熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂からなるバインダー中にポリエチレン粒子を含有する層である。バインダーとは、塗工により形成された各層の成分であり、前記各層に含有する粒子、着色剤、及び添加剤等の成分を、前記各層中に保持するため使用する成分である。離型層を、熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂からなるバインダー中にポリエチレン粒子を含有する層とすることで、後述する粘着層の離型層へのブロッキングの防止と、被貼着面への貼り付け後の表面層となる離型層への良好な筆記性が両立できる。
【0026】
離型層のバインダー中に熱可塑性エラストマーを使用することにより、ポリエチレン粒子を凝集することなく離型層中に広く分散した状態で保持することができるので、離型層に良好な離型性を付与することができる。また、離型層のバインダー中に熱可塑性エラストマーを使用することにより、離型層と白色隠蔽層等の下層とを強く密着させることができるので、離型層上への筆記よる離型層の剥がれや破れが生じることがなく、離型層への良好な筆記性が確保できる。前記熱可塑性エラストマーとしてはウレタンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、環化ゴム、スチレン系エラストマー樹脂などが挙げられるが、中でもスチレン系エラストマー樹脂が好ましい。スチレン系エラストマーは、熱可塑性エラストマーの中でも、優れた強度と柔軟性を兼ね備えているため、スチレン系エラストマーを離型層に使用することで、特に良好は離型性と筆記性を両立することができる。スチレン系エラストマーとしては、例えばスチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンブロック共重合体(SBC)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を混合して用いる。また、前記粘着付与樹脂としては、ロジン、ロジンフェノール樹脂、およびそれらのエステル化合物、金属塩などのロジン系樹脂や、テルペン重合体、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂などのテルペン系樹脂、スチレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂などが挙げられる。
【0027】
離型層のバインダーとして熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂の両方を使用することで、離型層を薄い層としても、離型層を確実に製膜することができるとともに、多くのポリエチレン粒子を離型層に保持することができる。このように、離型層を薄く、多くのポリエチレン粒子を含有する層とすることで、非常に良好な離型層表面への筆記性、具体的に非常に良好なインク吸収性を実現するとともに、後述する粘着層の離型層へのブロッキングを確実に防止することができる。
【0028】
離型層のバインダー固形分中の熱可塑性エラストマーの含有割合は、40重量%以上60重量%以下が好ましい。熱可塑性エラストマーの含有割合が40重量%未満になると、離型層の製膜性が低下し、特に薄い層とした場合には、多くのポリエチレン粒子を離型層に含有することができなくなる。一方、熱可塑性エラストマーの含有割合が60重量%を超える場合には、バインダー成分自体のポリエチレン粒子の保持性能が低下し、多くのポリエチレン粒子を保持できなくなるので、熱可塑性エラストマーの含有割合が40%未満でも60%を超えても、後述する粘着層の離型層へのブロッキングの防止性能が低下する。
【0029】
離型層のバインダー固形分中の粘着付与樹脂の含有割合は、40重量%以上60重量%以下が好ましい。粘着付与樹脂の含有割合が40重量%未満になると、バインダー成分のポリエチレン粒子の保持性能が低下し、多くのポリエチレン粒子を保持することができなくなる。一方、粘着付与樹脂の含有割合が60重量%を超えると、離型層の製膜性が低下し、特に薄い層とした場合には、多くのポリエチレン粒子を離型層に含有することができなくなるので、粘着付与樹脂の含有割合が40%未満でも60%を超えても、後述する粘着層の離型層へのブロッキングの防止性能が低下する。
【0030】
また、離型層固形分中の熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂を合わせたバインダーの含有割合は、14重量%以上45重量%以下が好ましい。バインダーの含有割合が14重量%未満になると、多くのポリエチレン粒子を保持することができなくなり、後述する粘着層の離型層へのブロッキングの防止性能が低下するとともに、基材などの下層との密着力が低下し、下層から剥がれやすくなる。一方、バインダーの含有割合が45重量%を超えると、ポリエチレン粒子の含有割合が低下するため、後述する粘着層の離型層へのブロッキングの防止性能が低下する。
【0031】
離型層に含有するポリエチレン粒子は、重量平均分子量が1,500以上10,000以下であり、Tgが90℃以上140℃以下、かつ、個数平均粒子径が1.0μm以上8.0μm以下が好ましい。重量平均分子量とTgに関しては、上記範囲が好ましい理由は明確ではないが、個数平均粒子径が1.0μm未満になると、後述する粘着層の離型層へのブロッキングの防止性能が低下する。一方。個数平均粒子径が8.0μmを超えると離型層でのポリエチレン粒子の保持が困難となり、離型層からポリエチレン粒子が脱落するので、この場合にも、後述する粘着層の離型層へのブロッキングの防止性能が低下する。
【0032】
本発明のポリエチレン粒子の個数平均粒子径は下記の測定方法で測定した個数平均粒子径である。
(個数平均粒子径の測定方法)
ポリエチレン粒子の個数平均粒子径は、湿式フロー式粒子径・形状分析装置(シスメックス株式会社製「FPIA(登録商標)-3000」)で得られる画像における、一次粒子の円相当径の個数平均値である。円相当径は、ポリエチレン粒子の投影面積と同一の面積を有する円の直径を示す。
【0033】
離型層固形分中のポリエチレン粒子の含有割合は、40重量%以上70重量%以下が好ましい。含有割合が40重量%未満になると、後述する粘着層の離型層へのブロッキングの防止性能が低下する。一方、含有割合が70重量%を超えると、離型層でポリエチレン粒子を保持できなくなるので、後述する粘着層と離型層が重なるようにして、修正用粘着テープをロール状にすると、粘着層にポリエチレン粒子が付着し、粘着層の粘着力が低下する。このため、離型層固形分中のポリエチレン粒子の含有割合が70重量%を超えると、修正用粘着テープの被貼着面へ貼着不良が発生するおそれがある。
【0034】
離型層の厚みは、0.1μm以上5.0μm以下が好ましく、0.5μm以上3.0μm以下がより好ましい。離型層の厚みが0.1μm未満になると、後述する粘着層の離型層に対するブロッキングを防止する耐ブロッキング性能が低下し、粘着層が離型層にブロッキングするおそれがある。一方、離型層の厚みが5.0μmを超えると、離型層上への筆記性のうち、油性ボールペンで記載した文字の濃度再現性が低下し、離型層上に記載した文字が薄くなって、読み取れなくなるおそれがある。離型層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材上又は下層上に塗工して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
【0035】
離型層には、離型層に要求される各種の機能を阻害しない範囲内であれば、各種の添加剤を含有しても良い。前記添加剤としては、可塑剤、消泡剤、界面活性剤、酸化防止剤、分散剤、体質顔料などがあげられる。特に、ポリエチレン粒子に加えて、離型層に体質顔料を含有すると、さらに離型層の筆記性が向上する。
【0036】
(粘着層)
本発明の修正用粘着テープは、白色隠蔽層、離型層を設けた基材のもう一方の面に粘着層を設ける。粘着層は、修正用粘着テープを被着体(被貼着面)へ貼り付ける際に、被着体に貼り付いて、修正用粘着テープを被着体に接着する層である。
【0037】
本発明の粘着層は、粘着力が0.2N/25mm幅以上1.0N/25mm幅以下が好ましい。本発明における粘着力は、厚さ12μmのPETフィルム上に前記粘着層のみを積層したフィルムを幅25mm×長さ300mmにカットして粘着力測定試験片を準備したのち、前記試験片の粘着層側を所定のステンレス試験板と貼り合せて、JIS Z 0237に準拠した方法で180°引きはがし粘着力を測定する。粘着層の粘着力が0.2N/25mm幅未満になると、被着体への十分な接着力が得られず、被着体への貼付け後に、修正用粘着テープが被着体から浮きあがるおそれや、剥がれるおそれがある。一方、粘着層の粘着力が1.0N/25mm幅を超えると、粘着層が離型層にブロッキングするおそれがある。
【0038】
本発明における粘着層に用いる粘着剤としては、たとえばアクリル樹脂系、ロジン系、ゴム系、ビニルエーテル樹脂系、ポリイソブチレン系などの粘着剤が使用できるが、これらの中でも粘着層の粘着力の調整が容易であるという点において、アクリル樹脂系であるアクリル系粘着剤が好ましい。また、アクリル系粘着剤の中でも、再剥離性のアクリル系粘着剤が好ましい。再剥離性とは、一度被着体へ粘着した後に、被着体に粘着剤を殆ど残さないで容易に剥離できる性質であり、剥離した際に被着体に仮に粘着剤が残ったとしても、剥離した粘着層を再び確実に被着体へ貼着できる程度に、少量の粘着剤しか被着体に残さず剥離できる性質である。
【0039】
再剥離性のアクリル系粘着剤を使用することにより、被着体表面への定着性と耐ブロッキング性の両立が容易に実現できる。また、再剥離性のアクリル系粘着剤を使用することにより、被着体への貼付け直後であれば、被着体から容易に剥がすことができるとともに、再度、被着体へ貼着することもできるので、貼り間違いを容易に修正することができる。さらには、再剥離性のアクリル系粘着剤を使用するにより、被着体への貼り付け後の時間の経過により、粘着層の被着体に対する接着力が上昇するので、被着体に対する十分な定着性も確保することができる。再剥離性のアクリル系粘着剤としては、アクリル系モノマーを含むモノマー成分を乳化重合して得られるエマルションを主成分とする粘着剤が例示できるが、これに限定するものではなく、粘着層の粘着力が、0.2N/25mm幅以上1.0N/25mm幅以下の範囲内となる再剥離性アクリル系粘着剤であれば、粘着層に好適に用いることができる。
【0040】
本発明の粘着層にアクリル系モノマーを含むモノマー成分を乳化重合して得られるエマルションを使用する場合には、エマルション中の重合体は、アクリル系モノマーの単独重合体、又はアクリル系モノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合体であることが好ましい。
【0041】
該エマルションを製造するために用いるアクリル系モノマーとしては、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル等を用いればよく、これらのモノマーを一種単独又は二種以上混合して用いることができる。アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソノニル等を例示でき、アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、アクリル酸2-メトキシエチル、アクリル酸2-エトキシエチル、アクリル酸2-ブトキシエチル等を例示できる。これらのアクリル系モノマーは、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0042】
また、モノマー成分として、上記したアクリル系モノマー以外に、必要に応じて、該アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーも用いることができる。アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーを用いることによって、樹脂成分のTgを調節することやエマルションの静置安定性、機械的安定性等を向上させることができる。
【0043】
粘着層の乾燥後の厚みは2.0μm以上6.0μm以下が好ましい。粘着層の乾燥後厚みが2.0μm未満になると被着体への十分な粘着力が得られず、被着体への貼付け後に、修正用粘着テープが被着体から浮きあがるおそれや、剥がれるおそれがある。一方、粘着層の乾燥後厚みが6.0μmを超えると、粘着層の粘着力が必要以上に上昇して、粘着層が離型層にブロッキングするおそれがある。
【0044】
粘着層は、粘着剤の有機溶剤溶液、有機溶剤分散液、水性溶液または水性分散液(エマルションを含む)を基材に直接又は他の層を介して、塗布、乾燥することによって形成できる。水性溶液または水性分散液の形態の場合は、湿潤剤または界面活性剤を配合してもよい。
【0045】
粘着層の形成は、粘着層を形成するための樹脂の有機溶剤溶液、有機溶剤分散液、水性溶液または水性分散液(エマルションを含む)を、ロールコーティング、バーコーティング、グラビアコーティング、エアーナイフコーティング、リバースコーティング等の通常のコーティング方法で、所定の厚みに塗工、乾燥することによって得ることができる。
【0046】
粘着層には、粘着層に要求される各種の機能を阻害しない範囲内であれば、各種の添加剤を含有しても良い。前記添加剤としては、可塑剤、消泡剤、界面活性剤、酸化防止剤、分散剤、粘着付与剤、無機/有機微粒子などがあげられる。
【0047】
(実施例)
本発明を、以下の実施例、比較例を用いて、更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。以下、各材料の配合量について、部と表示するものについては、特に断りがない限り、重量部を示すものとする。
【0048】
(離型層塗工液)
下記処方の材料を混練して作製した離型層塗工液1~3を準備した。
(離型層塗工液1)
スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンポリマー(固形分100.0%)1.55部
脂環族飽和炭化水素樹脂(固形分100.0%) 1.55部
シリカ(平均粒子径1.5μm 固形分16.42%) 2.00部
ポリエチレン粒子(平均粒子径4.0μm 重量平均分子量5000
Tg125℃ 固形分10.0%) 69.89部
溶剤系分散剤(固形分0.4%) 0.19部
トルエン 24.82部
(離型層塗工液2)
ポリエステルポリウレタン(固形分30.0%) 15.79部
ポリエチレン粒子(平均粒子径4.0μm 重量平均分子量5000
Tg125℃ 固形分10.0%) 84.21部
(離型層塗工液3)
シリコーン樹脂(固形分30.0%) 20.00部
白金触媒(固形分2.00%) 0.20部
トルエン 80.00部
【0049】
下記処方の材料を混練して作製した白色隠蔽層塗工液1~2を準備した。
(白色隠蔽層塗工液1)
ポリエステルポリウレタン(固形分30.0%) 41.67部
溶剤系分散剤(固形分20.0%) 2.82部
アルミニウムパウダー(固形分100.0%) 0.08部
酸化チタン (平均粒子径0.23μm 固形分100.0%) 23.60部
湿式シリカ(平均粒子径1.5μm 固形分100.0%) 3.78部
トルエン 22.39部
メチルエチルケトン 5.66部
(白色隠蔽層塗工液2)
スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンポリマー(固形分100.0%)5.53部
溶剤系分散剤(固形分40.0%) 2.01部
脂環族飽和炭化水素樹脂 (固形分100.0%) 4.53部
アルミニウムパウダー(固形分100.0%) 0.09部
酸化チタン (平均粒子径0.23μm 固形分100.0%) 20.73部
湿式シリカ(平均粒子径1.5μm 固形分100.0%) 8.25部
トルエン 58.86部
【0050】
下記処方の材料を混練して作製した粘着層塗工液1を準備した。
(粘着層塗工液1)
リカボンドAP-620(ジャパンコーティングレジン株式会社製) 50.00重量部
水 50.00重量部
【0051】
(実施例1)
(白色隠蔽層)
乾燥後の厚みが22.0μmになるように、基材として用いた厚さ12.0μmのPETフィルム上に白色隠蔽層塗工液1を塗工、乾燥させて白色隠蔽層を作製した。
【0052】
(離型層)
離型層塗工液1を、乾燥後の厚みが1.5μmになるように、白色隠蔽層上に塗工、乾燥させて離型層を作製した。
【0053】
(粘着層)
白色隠蔽層を設けた面とは反対側の基材面上に粘着層塗工液1を乾燥後の厚みが4.0μmになるように塗工し、乾燥させて粘着層を作製し、実施例1の修正用粘着テープの原反シートを作製した。
【0054】
実施例1の修正用粘着テープの原反シートを12mm幅の短冊状にカットしつつ、修正用粘着テープ用の原反シートの長手方向に40mN/mm幅の張力が作用した状態で、外径17mmのプラスチック製のコアに、粘着層を内側にして20mを巻き、実施例1の修正用粘着テープを得た。
【0055】
(実施例2~5、比較例1~5)
離型層、白色隠蔽層、粘着層の塗工液、及び厚みを、表1、表2に記載の塗工液と厚みに変更した以外は、実施例1の修正用粘着テープと同様の方法で、実施例2~5、比較例1~5の修正用粘着テープを得た。
【0056】
(評価)
各実施例、比較例で作製した修正用粘着テープについて、下記の評価を行った。
(1)筆記性評価1(インク吸収性)
まず、各実施例、比較例の修正用粘着テープを長さ200mmにカットし、修正用粘着テープの粘着層側をPPC用紙と重ね合せ、1000gfの荷重を10秒間負荷して、修正用粘着テープをPPC用紙へ貼り付ける。貼り付けた修正用粘着テープの離型層上に、先端のボール直径が0.5mmの水性ボールペン(PILOT社製Vcorn)を用いて筆記荷重160gfで螺旋を3本描き、筆記後5秒後に指で離型層上をなぞる。なぞった後の筆記した線の状態を目視観察し、次の基準により評価した。評価結果を表1と表2に示す。
劣 ×-○-◎ 優 ○以上が実用領域である。
◎:インクが吸収され、螺旋に汚れがない。
○:吸収されていないインクが僅かに残留し、螺旋に僅かな汚れ見られる。
×:吸収されていないインクが多く残留し、螺旋が明らかに汚れる。
【0057】
(2)筆記性評価2(段差感)
まず、各実施例、比較例の修正用粘着テープを長さ200mmにカットし、修正用粘着テープの粘着層側をPPC用紙と重ね合せ、1000gfの荷重を10秒間負荷して、修正用粘着テープをPPC用紙へ貼り付ける。PPC用紙の修正用粘着テープを貼り付けた面を、キヤノン株式会社製オフィス向け複合機C5240でコピーする。コピーする際のオフィス向け複合機の設定は、カラー選択:自動(カラー/白黒)、倍率:等倍、濃度:中央(標準)、原稿の種類:文字/写真とする。また、コピーに使用されるコピー用紙にもPPC用紙を使用する。コピーされたコピー用紙の修正用粘着テープの端部に相当する箇所の状態を目視観察し、次の基準により評価した。目視観察は、三波長型蛍光灯を用いた室内で、PPC用紙面上の照度が650~850ルクスになる状態で、PPC用紙から0.2m離れた位置から観察した。評価結果を表1と表2に示す。
劣 ×-○-◎ 優 ○以上が実用領域である。
◎:修正用粘着テープの端部に相当する部分が、目視で確認できない。
○:修正用粘着テープの端部に相当する部分がわずかに目視で確認できるが、最も太い
部分を拡大倍率10倍、最小測定目盛0.1mmの目盛り付きルーペで確認すると
、その幅は0.2mm未満である。
×:修正用粘着テープの端部に相当する部分がわずかに目視で確認でき、最も太い部分
を拡大倍率10倍、最小測定目盛0.1mmの目盛り付きルーペで確認すると、そ
の幅は0.2mm以上である。または、修正用粘着テープの端部に相当する部分が
、明らかな線となっていることが目視で確認できる。
【0058】
(3)筆記性評価3(シワ、破れ)
各実施例、比較例の修正用粘着テープを長さ200mmにカットし、修正用粘着テープの粘着層側をPPC用紙と重ね合せ、1000gfの荷重を10秒間負荷して、修正用粘着テープをPPC用紙へ貼り付ける。油性ボールペン三菱鉛筆製JET STREAMφ0.50を用いて、ペン先に500gfの荷重が負荷された状態で、修正用粘着テープの幅方向両端よりもはみ出した範囲(修正用粘着テープ幅よりも広い範囲)へ螺旋筆記を行う。螺旋筆記の際に、油性ボールペンのペン先が修正用粘着テープ端部を引っ掛けることにより発生する、修正用粘着テープのシワ、破れの有無を目視観察し、次の基準により評価した。評価結果を表1と表2に示す。
劣 ×-○-◎ 優 ○以上が実用領域である。
◎:修正用粘着テープのシワ、破れは確認できない。
○:修正用粘着テープの僅かにシワが発生する。
×:修正用粘着テープにシワ及び/又は破れが発生する。
【0059】
(4)濃度再現性
各実施例、比較例の修正用粘着テープを長さ200mmにカットし、修正用粘着テープの粘着層側をPPC用紙と重ね合せ、1000gfの荷重を10秒間負荷して、修正用粘着テープをPPC用紙へ貼り付ける。修正用粘着テープは、1枚のPPC用紙に、修正用粘着テープ幅よりも少し広い間隔をあけて、平行に5本の修正用粘着テープを貼り付ける。油性ボールペン三菱鉛筆製JET STREAMφ0.50を用いて、5本の修正用粘着テープ上に、「12345」と筆記する。5本の修正用粘着テープ上の「12345」と記載した箇所の近傍のPPC用紙に直接、「12345」を5箇所に筆記する。修正用粘着テープ上に記載した文字と、PPC用紙上に記載した文字を目視で比較して、次の基準により評価した。評価結果を表1と表2に示す。
劣 ×-○-◎ 優 ○以上が実用領域である。
◎:5箇所とも、文字の濃度に優位差なし。
○:5箇所のうちの一部に、PPC用紙上の文字より修正用粘着テープ上の文字の方が薄い箇所がある。
×:5箇所すべてで、修正用粘着テープ上の文字が、PPC用紙上の文字よりも薄い。
【0060】
(5)再剥離性
各実施例、比較例の修正用粘着テープの原反シートを準備する。原反シートから修正用粘着テープを幅16mm×長さ50mmにカットしたのち、修正用粘着テープの粘着層側をPPC用紙と重ね合せ、1000gfの荷重を10秒間負荷して、修正用粘着テープをPPC用紙に圧着する。圧着直後に、修正用粘着テープを長手方向端部から10mm剥がして、ツマミを作る。前記ツマミを掴んで、修正用粘着テープを長手方向に、50cm/secの速さでPPC用紙から剥離させ、剥離後のPPC用紙の状態を目視観察し、次の基準により評価した。評価結果を表1と表2に示す。
劣 ×-○-◎ 優 ○以上が実用領域である。
◎:PPC用紙上に粘着層が残ることなく、修正用粘着テープが剥離した。
○:PPC用紙上に粘着層が残るが、紙剥けなく修正用粘着テープが剥離し、剥離した修正用粘着テープを再度PPC用紙に浮きなく貼り付けることができる。
×:紙剥けなく修正用粘着テープが剥離できるが、剥離した修正用粘着テープを再度P
PC用紙に貼り付けると、修正用粘着テープがPPC用紙に再接着できず、修正用
粘着テープがPPC用紙から浮き上がる部分がある。または、PPC用紙の紙剥け
が発生した。
【0061】
(6)紙への定着性
各実施例、比較例の修正用粘着テープの原反シートを準備する。原反シートから修正用粘着テープを幅16mm×長さ50mmにカットしたのち、修正用粘着テープの粘着層側を100mm(縦)×100mm(横)のPPC用紙と重ね合わせ、1000gfの荷重を10秒間負荷して、修正用粘着テープをPPC用紙に圧着する。修正用粘着テープを圧着(貼付)する位置は、PPC用紙の縦、横の中央部に修正用粘着テープの一端部を合わせ、PPC用紙の縦方向中央に沿って、修正用粘着テープを貼り付ける。圧着直後に、修正用粘着テープをPPC用紙の端部側から10mm剥がして、ツマミを作る。前記ツマミを掴んで、50mm/secの速度で重力の反対方向へ、50cm持ち上げる。修正用粘着テープのPPC用紙への接着状態を目視確認し、次の基準により評価した。評価結果を表1と表2に示す。
劣 ×-○-◎ 優 ○以上が実用領域である。
◎:修正用粘着テープとPPC用紙の貼付部分が剥れることなく、PPC用紙を持ち上
げることができる。
○:修正用粘着テープとPPC用紙の貼付部分に剥れが生じるものの、PPC用紙を持ち上げることができる。
×:所定の高さまでPPC用紙を持ち上げることができない。
【0062】
(7)紙への経時定着性
各実施例、比較例の修正用粘着テープの原反シートを準備する。原反シートから修正用粘着テープを幅16mm×長さ50mmにカットしたのち、修正用粘着テープの粘着層側をPPC用紙と重ね合せ、1000gfの荷重を10秒間負荷して、修正用粘着テープをPPC用紙に圧着する。圧着後、1週間放置した後、修正用粘着テープを長手方向端部から10mm剥がして、ツマミを作る。前記ツマミを掴んで、修正用粘着テープを長手方向に、50cm/secの速さでPPC用紙から剥離させ、剥離後のPPC用紙の状態を目視観察し、次の基準により評価した。評価結果を表1と表2に示す。
劣 ×-○-◎ 優 ○以上が実用領域である。
◎:PPC用紙が破けた。
○:PPC用紙の紙剥けが発生した。
×:PPC用紙の紙剥けなく、修正用粘着テープが剥離した。
【0063】
(8)耐ブロッキング評価
各実施例、比較例の修正用粘着テープを45℃・85%RH×4日の環境下に保存し、常温、常湿化で24時間放置した後、修正用粘着テープを巻きつけたプラスチック製のコアにブレーキトルクが負荷されない状態で、修正用粘着テープが巻かれてロール状となった外周部分の接線方向に、プラスチック製コアから修正用粘着テープを、6m/minの速度で、引き出した。修正用粘着テープを全長である20m引き出した後に、粘着層面と離型層の両面を修正用粘着テープ全長にわたり、目視及び触感で観察し、次の基準により評価した。評価結果を表1と表2に示す。
劣 ×-○-◎ 優 ○以上が実用領域である。
◎:粘着層の離型層へのブロッキングは、目視では確認できなかった。また、離型層上
にざらついた部分はなかった。
○:粘着層の離型層へのブロッキングは、目視では確認できなかったが、一部、離型層上にざらついた部分があった。
×:粘着層の離型層へのブロッキングは、目視で確認できた。
【0064】
(9)粘着層粘着力
厚さ12μmのPETフィルム上に前記粘着層のみを積層したフィルムを、幅25mm×長さ300mmにカットして、試験片を準備する。粘着力測定は、試験片の粘着層側をJIS Z 0237に規定する所定のステンレス試験板と貼り合せて、JIS Z 0237に準拠した方法で180°引きはがし粘着力を測定する。評価結果を表1と表2に示す。
【0065】
【0066】
【符号の説明】
【0067】
1…基材
2…白色隠蔽層
3…離型層
4…粘着層
A…修正用粘着テープ