(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093920
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】給紙装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/06 20060101AFI20240702BHJP
B65H 3/52 20060101ALI20240702BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B65H3/06 340G
B65H3/52 330F
G03G15/00 405
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210572
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 裕章
【テーマコード(参考)】
2H072
3F343
【Fターム(参考)】
2H072BA03
2H072BA12
2H072BA17
2H072JA02
3F343FA02
3F343FB02
3F343FC11
3F343GA03
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343JA16
3F343JA17
3F343JD02
3F343JD09
3F343JD22
3F343JD35
3F343JD40
3F343KB04
3F343KB05
3F343KB17
3F343LD29
(57)【要約】
【課題】用紙の複数箇所を挟持して、用紙の斜行を防ぎつつ搬送することができる給紙装置を提供する。
【解決手段】給紙装置18は、回転駆動する給紙ローラ41と分離ローラ43とで挟持した用紙を給紙し、画像形成部へ搬送しており、駆動源に接続され、給紙ローラ41が取り付けられた給紙軸42と、給紙軸42に取り付けられた複数の給紙補助ローラ44と、給紙補助ローラ44に当接する従動ローラ45とを備える。給紙補助ローラ44と従動ローラ45とで用紙を挟持して搬送し、従動ローラ45が給紙補助ローラ44を押圧する押圧力は、分離ローラ43が給紙ローラ41を押圧する押圧力より大きい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動する給紙ローラと分離ローラとで挟持した用紙を給紙し、画像形成部へ搬送する給紙装置であって、
駆動源に接続され、前記給紙ローラが取り付けられた給紙軸と、
前記給紙軸に取り付けられた複数の給紙補助ローラと、
前記給紙補助ローラに当接する従動ローラとを備え、
前記給紙補助ローラと前記従動ローラとで用紙を挟持して搬送し、
前記従動ローラが前記給紙補助ローラを押圧する押圧力は、前記分離ローラが前記給紙ローラを押圧する押圧力より大きいこと
を特徴とする給紙装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給紙装置であって、
前記従動ローラが前記給紙補助ローラを押圧する位置は、前記分離ローラが前記給紙ローラを押圧する位置よりも、用紙を前記画像形成部へ搬送する方向で下流にあること
を特徴とする給紙装置。
【請求項3】
請求項1に記載の給紙装置であって、
前記給紙ローラに当接して用紙を挟持する当接ローラを備えること
を特徴とする給紙装置。
【請求項4】
請求項1に記載の給紙装置であって、
前記給紙軸は、用紙の幅方向に沿って延び、
前記給紙ローラは、前記幅方向において、前記給紙軸の中央に設けられ、
前記給紙補助ローラは、前記幅方向において、前記給紙ローラを間に挟む2箇所に設けられていること
を特徴とする給紙装置。
【請求項5】
請求項1に記載の給紙装置であって、
前記給紙補助ローラは、ワンウェイクラッチを介して前記給紙軸に取り付けられ、
前記ワンウェイクラッチは、用紙を前記画像形成部へ搬送する方向へ前記給紙軸が回転する際、前記給紙補助ローラに力を伝達すること
を特徴とする給紙装置。
【請求項6】
請求項1に記載の給紙装置であって、
前記給紙軸の軸回りに沿った円周方向において、前記給紙軸と前記分離ローラの中心とを通る直線と、前記給紙軸と前記従動ローラの中心とを通る直線とでなす角度は、90度以上であること
を特徴とする給紙装置。
【請求項7】
請求項1に記載の給紙装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、挟持した用紙を給紙する給紙装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置では、複数の用紙を収容可能な給紙部(給紙装置)を設けることで、用紙を補充する回数を削減し、ユーザの手間を減らすようにしている。近年、画像形成装置は、小型化が図られており、ローラ等の部品点数を削減した給紙装置が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の給紙装置は、用紙を収納する給紙カセットと、給紙カセットに収納された用紙に接する給紙ローラと、給紙ローラの近傍に配置された複数の従動コロと、用紙を案内する案内手段とを有する。
【0005】
上述した給紙装置では、用紙の幅方向での中央に対応する位置に、給送ローラ(給紙ローラ)が1つだけ設けられており、用紙の幅方向での両端を押さえる部材が設けられていない。そのため、搬送する際の用紙への荷重の偏りなどによって、用紙が斜行する虞がある。
【0006】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、用紙の複数箇所を挟持することで、用紙の斜行を防ぎつつ搬送することができる給紙装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る給紙装置は、回転駆動する給紙ローラと分離ローラとで挟持した用紙を給紙し、画像形成部へ搬送する給紙装置であって、駆動源に接続され、前記給紙ローラが取り付けられた給紙軸と、前記給紙軸に取り付けられた複数の給紙補助ローラと、前記給紙補助ローラに当接する従動ローラとを備え、前記給紙補助ローラと前記従動ローラとで用紙を挟持して搬送し、前記従動ローラが前記給紙補助ローラを押圧する押圧力は、前記分離ローラが前記給紙ローラを押圧する押圧力より大きいことを特徴とする。
【0008】
本開示に係る給紙装置では、前記従動ローラが前記給紙補助ローラを押圧する位置は、前記分離ローラが前記給紙ローラを押圧する位置よりも、用紙を前記画像形成部へ搬送する方向で下流にある構成としてもよい。
【0009】
本開示に係る給紙装置は、前記給紙ローラに当接して用紙を挟持する当接ローラを備える構成としてもよい。
【0010】
本開示に係る給紙装置では、前記給紙軸は、用紙の幅方向に沿って延び、前記給紙ローラは、前記幅方向において、前記給紙軸の中央に設けられ、前記給紙補助ローラは、前記幅方向において、前記給紙ローラを間に挟む2箇所に設けられている構成としてもよい。
【0011】
本開示に係る給紙装置では、前記給紙補助ローラは、ワンウェイクラッチを介して前記給紙軸に取り付けられ、前記ワンウェイクラッチは、用紙を前記画像形成部へ搬送する方向へ前記給紙軸が回転する際、前記給紙補助ローラに力を伝達する構成としてもよい。
【0012】
本開示に係る給紙装置は、前記給紙軸の軸回りに沿った円周方向において、前記給紙軸と前記分離ローラの中心とを通る直線と、前記給紙軸と前記従動ローラの中心とを通る直線とでなす角度は、90度以上である構成としてもよい。
【0013】
本開示に係る画像形成装置は、本開示に係る給紙装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本開示によると、給紙補助ローラと従動ローラとで用紙の複数箇所を挟持することで、用紙の斜行を防ぎつつ搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【
図2】給紙ローラの周辺の構造を示す模式斜視図である。
【
図3】給紙ローラ周辺の構造を示す模式側面図である。
【
図4】本開示の第2実施形態に係る画像形成装置において、給紙ローラの周辺の構造を示す模式斜視図である。
【
図5】本開示の第3実施形態に係る画像形成装置において、給紙ローラの周辺の構造を示す模式斜視図である。
【
図6】本開示の第3実施形態に係る画像形成装置において、給紙ローラ周辺の構造を示す模式側面図(その1)である。
【
図7】本開示の第3実施形態に係る画像形成装置において、給紙ローラ周辺の構造を示す模式側面図(その2)である。
【
図8】本開示の第3実施形態に係る画像形成装置において、給紙ローラ周辺の構造を示す模式側面図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本開示の第1実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本開示の第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【0018】
本開示の第1実施形態に係る画像形成装置1は、露光装置11、現像装置12、感光体ドラム13(トナー像担持体の一例)、クリーニング装置14、帯電器15、中間転写ベルト装置16、定着装置17、給紙装置18、排紙トレイ19、および用紙搬送経路Sを備える構成とされており、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙に対して多色および単色の画像を形成する。
【0019】
画像形成装置1において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像装置12、感光体ドラム13、帯電器15、クリーニング装置14は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションFa、Fb、Fc、Fdが構成されている。
【0020】
感光体ドラム13は、画像形成装置1の略中央に配置されている。帯電器15は、感光体ドラム13の表面(周面)を所定の電位に均一に帯電させる。露光装置11は、感光体ドラム13の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置12は、感光体ドラム13の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム13の表面にトナー像を形成する。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム13の表面に各色のトナー像が形成される。クリーニング装置14は、現像および画像転写の後に感光体ドラム13の表面の残留トナーを除去および回収する。なお、感光体ドラム13の周辺の構造については、後述する
図2を参照して、詳細に説明する。
【0021】
中間転写ベルト装置16は、感光体ドラム13の上側に配置され、中間転写ベルト21、中間転写ベルト駆動ローラ22、中間転写ベルト従動ローラ23、中間転写ローラ24、および中間転写ベルトクリーニング装置25を備えている。なお、中間転写ローラ24は、YMCK用の各色の画像ステーションに対応して4本設けられている。
【0022】
中間転写ベルト駆動ローラ22、中間転写ベルト従動ローラ23、および中間転写ローラ24は、中間転写ベルト21を張架して、中間転写ベルト21の表面を所定方向(図中矢符C方向)に移動させるように構成されている。
【0023】
中間転写ベルト21は、矢符Cの方向へ周回移動し、中間転写ベルトクリーニング装置25によって残留トナーを除去および回収され、各感光体ドラム13の表面に形成された各色のトナー像が順次転写して重ね合わされて、中間転写ベルト21の表面にカラーのトナー像が形成される。
【0024】
画像形成装置1は、転写ローラ26aを含む2次転写装置26をさらに備えている。転写ローラ26aは、中間転写ベルト21との間にニップ域が形成されており、用紙搬送経路Sを通じて搬送されて来た用紙をニップ域に挟み込んで搬送する。用紙は、ニップ域を通過する際に、中間転写ベルト21の表面のトナー像が転写される。
【0025】
給紙装置18は、露光装置11の下側に設けられており、画像形成に使用する用紙が積載される積載板18aを有している。露光装置11の下側に設けられている。また、排紙トレイ19は、画像形成装置1の上側に設けられており、画像形成済みの用紙を載置するためのトレイである。
【0026】
用紙搬送経路Sは、S字状に設けられた主経路S1と、主経路S1の途中で分岐して再合流する反転経路S2とを備え、主経路S1に沿って、給紙ローラ41、レジスト前ローラ33、レジストローラ32、2次転写装置26、定着装置17、および排紙ローラ34が配置されている。反転経路S2は、定着装置17と排紙ローラ34との間から分岐し、複数の搬送ローラ35を経由してレジスト前ローラ33とレジストローラ32との間に再合流する。
【0027】
給紙ローラ41は、積載板18aの端部近傍に備えられ、積載板18aから用紙を1枚ずつ用紙搬送経路Sに供給する呼び込みローラである。積載板18aは、積載された用紙を持ち上げ、最上段の用紙を給紙ローラ41に当接させる。レジストローラ32は、給紙トレイ18から搬送されている用紙を一旦保持し、感光体ドラム13上のトナー像の先端と用紙の先端とを合わせるタイミングで用紙を転写ローラ26aに搬送する。レジスト前ローラ33は、用紙の搬送を促進補助するための小型のローラである。なお、給紙ローラ41の周辺の構造については、後述する
図2および
図3を参照して説明する。
【0028】
定着装置17は、ベルト定着方式とされており、2つのローラにベルトが巻き掛けられ、ベルトを介して押圧するローラがさらに設けられている。定着装置17では、未定着のトナー像が形成された用紙を受け取り、ベルトを介したローラとローラとの間に、用紙を挟み込んで搬送する。定着後の用紙は、排紙ローラ34によって排紙トレイ19上に排出される。
【0029】
また、用紙の表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、用紙を排紙ローラ34から反転経路S2へと逆方向に搬送して、用紙の表裏を反転させ、用紙をレジストローラ32へと再度導き、表面と同様にして裏面に画像形成を行い、用紙を排紙トレイ19へと搬出する。
【0030】
次に、給紙ローラ41の周辺の構造について、
図2および
図3を参照して説明する。
【0031】
図2は、給紙ローラの周辺の構造を示す模式斜視図であって、
図3は、給紙ローラ周辺の構造を示す模式側面図である。
【0032】
給紙装置18は、回転駆動する給紙ローラ41と分離ローラ43とで挟持した用紙を給紙し、画像形成部へ搬送する構造とされている。本実施の形態において、画像形成部は、転写ローラ26aと中間転写ベルト21との間のニップ域に対応する。給紙装置18には、駆動源(図示しない)に接続された給紙軸42が設けられており、給紙軸42に給紙ローラ41が取り付けられている。給紙軸42は、用紙Pの幅方向Wに沿って延びており、給紙ローラ41は、幅方向Wにおいて、給紙軸42の中央に設けられている。つまり、給紙ローラ41および分離ローラ43は、用紙Pの幅方向Wでの中央を挟持する位置に設けられている。分離ローラ43は、分離付勢部材43aによって給紙ローラ41を押圧するように付勢されている。
【0033】
また、給紙軸42には、給紙ローラ41と外形が同じ給紙補助ローラ44が複数取り付けられている。給紙補助ローラ44に面して従動ローラ45が設けられており、従動ローラ45は、給紙補助ローラ44に当接している。本開示の形態において、給紙補助ローラ44は、幅方向Wにおいて、給紙ローラ41を間に挟む2箇所に設けられている。換言すると、給紙補助ローラ44および従動ローラ45は、幅方向Wにおいて、給紙軸42の両端部にそれぞれ設けられている。つまり、給紙補助ローラ44および従動ローラ45は、用紙Pの幅方向Wでの両端部を挟持する位置に設けられている。従動ローラ45は、従動付勢部材45aによって給紙補助ローラ44を押圧するように付勢されている。このように、給紙補助ローラ44と従動ローラ45とで用紙Pの複数箇所を挟持することで、用紙Pの斜行を防ぎつつ搬送することができる。
【0034】
上述したように、幅方向Wにおいて、給紙軸42の中央には、給紙ローラ41が設けられており、給紙ローラ41を間に挟む2箇所に給紙補助ローラ44が設けられている。このように、給紙ローラ41によって用紙Pの中央を挟持しつつ、給紙補助ローラ44によって用紙Pの両端を挟持するので、用紙Pの斜行をより確実に防ぐことができる。
【0035】
従動ローラ45が給紙補助ローラ44を押圧する押圧力は、分離ローラ43が給紙ローラ41を押圧する押圧力より大きくなるように設定されている。
【0036】
小型複合機においては、給紙部のスペースの問題で給紙ローラ41(ピックアップローラ)に分離ローラ43を当接させて、用紙Pをピックアップしながら分離も行い、給紙ローラ41と分離ローラ43とに挟んで、給紙ローラ41の回転で以降のローラ(例えば、レジスト前ローラ33)まで搬送する。
【0037】
しかしながら、小型複合機では、コストやスペースの関係で、給紙ローラ41とレジスト前ローラ33との間に他の搬送ローラを設けることが難しい。そして、給紙ローラ41と分離ローラ43との押圧力は、用紙分離に最適な押圧力とするため、環境条件によっては搬送時に用紙滑りが発生したりして、給紙後に以降のローラまでの搬送が遅延して画像形成に間に合わなかったり、高速搬送をしたくても出来ないといった問題がある。
【0038】
本開示に係る給紙装置18では、分離ローラ43よりも押圧力の高い従動ローラ45を設けることで、搬送時の用紙滑りを抑制し、確実にレジスト前ローラ33まで用紙Pを搬送できる。
【0039】
図3は、給紙軸42に沿う方向で給紙ローラ41近傍を見た状態を示している。
図3に示すように、給紙軸42の軸回りに沿った円周方向Rにおいて、分離ローラ43は、上昇させた状態の積載板18aの先端近傍に設けられている。つまり、積載板18aによって押し上げられた用紙Pは、先端が給紙ローラ41および分離ローラ43に挟持されて呼び込まれる。
【0040】
給紙補助ローラ44には、従動ローラ45が当接しており、用紙Pを搬送する搬送方向において、分離ローラ43より下流側になるように従動ローラ45が配置されている。換言すると、従動ローラ45は、給紙装置18から用紙Pが搬送される際、給紙ローラ41と分離ローラ43との挟持部を経てから、給紙補助ローラ44と従動ローラ45との挟持部に到達する位置に配置されている。
【0041】
図3に示す第1補助線SL1は、給紙軸42と分離ローラ43の中心とを通る直線を示しており、第2補助線SL2は、給紙軸42と従動ローラ45の中心とを通る直線を示している。本開示の形態において、第1補助線SL1と第2補助線SL2とでなす角度は、90度以上とされている。上述したように、分離ローラ43が給紙軸42を押圧する向きと、従動ローラ45が給紙軸42を押圧する向きとが異なっているので、給紙軸42が一方向に大きく押圧されることを避けられ、給紙軸42が撓んで用紙の搬送に支障をきたすことを防止できる。また、分離ローラ43と従動ローラ45との間の角度が90度以上になっているので、両者からの力が強め合うことを避けられる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。なお、第2実施形態に係る画像形成装置については、
図1ないし
図3に示す第1実施形態と略同様であるので、同様の符号を付して説明および図面を省略する。
【0043】
図4は、本開示の第2実施形態に係る画像形成装置において、給紙ローラの周辺の構造を示す模式斜視図である。
【0044】
第2実施形態では、第1実施形態に対し、当接ローラ46が設けられている点が異なる。当接ローラ46は、給紙ローラ41に当接して設けられており、給紙ローラ41と併せて用紙を挟持する。当接ローラ46は、
図3と同じ視点で見ると、円周方向Rにおいて、従動ローラ45と重なる位置に設けられている。つまり、給紙ローラ41は、分離ローラ43と併せて用紙Pを挟持して引き込み、先へ搬送すると、分離ローラ43と挟持した箇所よりも先の部分を、当接ローラ46と併せて用紙を挟持する。このように、用紙を挟持する当接ローラ46を追加することで、搬送力をより向上させることができる。
【0045】
なお、従動ローラ45の位置については、これに限定されず、分離ローラ43に干渉しない位置であれば、異なる位置に設けられていてもよく、従動ローラ45と重ならない位置に設けられていてもよい。なお、当接ローラ46については、分離ローラ43等と同様に、当接付勢部材46aによって給紙ローラ41を押圧するように付勢されている。
【0046】
(第3実施形態)
次に、本開示の第3実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。なお、第3実施形態に係る画像形成装置については、
図1ないし
図4に示す第1実施形態および第2実施形態と略同様であるので、同様の符号を付して説明および図面を省略する。
【0047】
図5は、本開示の第3実施形態に係る画像形成装置において、給紙ローラの周辺の構造を示す模式斜視図である。
【0048】
第3実施形態では、第1実施形態に対し、給紙補助ローラ44が、ワンウェイクラッチ47を介して給紙軸42に取り付けられている点が異なる。ワンウェイクラッチ47は、用紙Pを画像形成部へ搬送する搬送方向へ給紙軸42が回転する際、給紙補助ローラ44に力を伝達する。給紙装置18で用紙Pを搬送する際の給紙ローラ41および給紙補助ローラ44の動きについて、
図6ないし
図8を参照して説明する。
【0049】
図6は、本開示の第3実施形態に係る画像形成装置において、給紙ローラ周辺の構造を示す模式側面図(その1)である。
【0050】
上述したように、給紙開始指示がなされると、駆動部により給紙軸42が
図6での反時計回りに駆動するのに伴って、給紙軸42に固定されている給紙ローラ41が反時計回りに回転する。そして、積載板18aによって押し上げられ、給紙ローラ41に当接している用紙Pは、給紙ローラ41が反時計回りに回転することによって、
図6での右側に搬送され、給紙ローラ41および分離ローラ43によって、先端(用紙先端Pa)が挟持されて引き込まれ、給紙ローラ41および分離ローラ43によって用紙Pが搬送される。
【0051】
この際には、ワンウェイクラッチ47が給紙補助ローラ44へ回転を伝達する方向であるので、給紙補助ローラ44も反時計回りに回転している。
【0052】
図7は、本開示の第3実施形態に係る画像形成装置において、給紙ローラ周辺の構造を示す模式側面図(その2)である。
【0053】
図7は、
図6に示す状態から、給紙軸42が駆動部により反時計回りに駆動し、用紙Pを先へ搬送した状態を示している。
図6に示す状態から、用紙Pが先へ搬送されると、給紙補助ローラ44および従動ローラ45に到達した用紙先端Paが挟持され、回転駆動している給紙補助ローラ44によって用紙Pが搬送される。この状態において、給紙ローラ41および分離ローラ43は、用紙先端Paよりも少し後端側を挟持する。
【0054】
図8は、本開示の第3実施形態に係る画像形成装置において、給紙ローラ周辺の構造を示す模式側面図(その3)である。
【0055】
図8は、
図7に示す状態から、用紙Pをさらに先へ搬送した状態を示している。
図7に示す状態から、用紙Pが先へ搬送されると、用紙後端Pbは、給紙ローラ41および分離ローラ43を通過し、給紙補助ローラ44および従動ローラ45に用紙後端Pbの近傍が挟持される。また、先へ搬送された用紙Pの一部は、レジスト前ローラ33に到達している。
【0056】
用紙Pの一部が、レジスト前ローラ33に到達した状態では、レジスト前ローラ33を駆動させることで、用紙Pを搬送することができ、給紙軸42を停止させてもよい。
図8に示す状態において、先に搬送された用紙Pは、給紙ローラ41および分離ローラ43には挟持されていないが、給紙補助ローラ44および従動ローラ45には挟持されている。この状態で用紙Pを搬送すると、給紙ローラ41は回転しないが、給紙補助ローラ44は回転する。この際、給紙補助ローラ44は、ワンウェイクラッチ47を介して給紙軸42に取り付けられているので、給紙軸42が停止していても給紙補助ローラ44だけが回転し、用紙Pに負荷が掛からず、円滑に搬送することができる。また、給紙軸42を停止させており、給紙ローラ41が回転しないので、新たな用紙Pが引き込まれず、用紙Pを供給するタイミングを適切に制御することができる。
【0057】
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本開示の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1 画像形成装置
18 給紙装置
18a 積載板
41 給紙ローラ
42 給紙軸
43 分離ローラ
43a 分離付勢部材
44 給紙補助ローラ
45 従動ローラ
45a 従動付勢部材
46 当接ローラ
P 用紙
Pa 用紙先端
Pb 用紙後端
R 円周方向
W 幅方向