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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093927
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】土壌浄化方法
(51)【国際特許分類】
   B09C 1/00 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
B09C1/00 ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210585
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】590002482
【氏名又は名称】株式会社NIPPO
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関野 英男
(72)【発明者】
【氏名】大橋 貴志
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA41
4D004AC07
4D004CA12
4D004CC02
(57)【要約】
【課題】汚染土壌から効率よく汚染物質を回収する手法を提供する。
【解決手段】施工区域に、送気用のスパージング井戸と、地下水を吸引する吸引装置を設置可能な揚水井戸とを設け、スパージング井戸を通じて地下水面より深い第1深度で送気するエアスパージング工程と、吸引装置によって、第1深度より浅く地下水面の位置より深い第2深度から地下水を汲み上げる揚水工程と、第2深度より浅い第3深度で地下水を汲み上げる回収工程と、を含み、回収工程を、エアスパージング工程および揚水工程の後に行う、土壌浄化方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工区域に、送気用のスパージング井戸と、地下水を吸引する吸引装置を設置可能な揚水井戸とを設け、
前記スパージング井戸を通じて地下水面より深い第1深度で送気するエアスパージング工程と、
前記吸引装置によって、前記第1深度より浅く地下水面の位置より深い第2深度から地下水を汲み上げる揚水工程と、
前記第2深度より浅い第3深度で地下水を汲み上げる回収工程と、
を含み、
前記回収工程を、前記エアスパージング工程および前記揚水工程の後に行う、
土壌浄化方法。
【請求項2】
前記吸引装置を、前記揚水井戸の内部で異なる深さに移動可能であり、
前記揚水工程を行った後、前記揚水井戸の内部で前記吸引装置を前記第3深度に移動させて、前記回収工程を実行する、
請求項1に記載の土壌浄化方法。
【請求項3】
前記吸引装置は、気体と液体とを分離する気液分離装置を通じて、負圧を発生する負圧発生装置に接続され、
前記回収工程において、前記吸引装置を前記揚水井戸の内部で地下水面の近傍に位置させる、
請求項2に記載の土壌浄化方法。
【請求項4】
前記揚水工程を行った後、前記揚水井戸の内部で前記吸引装置を地下水面よりも高い位置まで上昇させて、前記揚水井戸を通じて気体を回収する揚水後ガス回収工程を実行する、
請求項2に記載の土壌浄化方法。
【請求項5】
前記スパージング井戸および前記揚水井戸とは異なるガス回収井戸を設け、
前記ガス回収井戸を通じて地下水面より高い位置で気体を回収するガス回収工程を行う、請求項1から4のいずれかに記載の土壌浄化方法。
【請求項6】
前記エアスパージング工程で送気を行う間、前記揚水工程および前記回収工程を行わない、請求項1から請求項4のいずれかに記載の土壌浄化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、土壌浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機化合物等により汚染された土壌を浄化する種々の手法が提案されている。例えば、特許文献1には、汚染地盤に造成した地盤改良用の砂利杭を利用して、汚染物質の回収を行う技術が開示されている。特許文献1の技術によれば、地下水を汲み上げて地下水位を汚染層よりも低い位置まで低下させてから、汚染層に圧縮空気を注入し、汚染物質を圧縮空気とともに砂利杭を通じて地上に回収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-13129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術は、地下水位以下の地盤中に汚染層が存在する場合に、地下水位が汚染層より低くなるように揚水することを必要とする。このため、汚染層が深い位置にある場合や、汚染が広い面積に及ぶ場合には、揚水される地下水の量が非常に多くなってしまうという課題があった。
本開示は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、汚染土壌から効率よく汚染物質を回収する手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様は、施工区域に、送気用のスパージング井戸と、吸引装置を設置可能な揚水井戸とを設け、前記スパージング井戸を通じて地下水面より深い第1深度で送気するエアスパージング工程と、前記吸引装置によって、前記第1深度より浅く地下水面の位置より深い第2深度から地下水を汲み上げる揚水工程と、前記第2深度より浅い第3深度で地下水を汲み上げる回収工程と、を含み、前記回収工程を、前記エアスパージング工程および前記揚水工程の後に行う、土壌浄化方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、エアスパージングによって地下水中の汚染物質を地下水面に向けて上昇させ、かつ、地下水を汲み上げることによって地下水面の勾配を発生させた上で、地下水を回収する。これにより、地下水に混入した汚染物質を効率よく回収できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】土壌浄化システムおよび土壌浄化方法の概要を示す図である。
図2】土壌浄化方法を示すフローチャートである。
図3】土壌浄化システムの適用例を示す図である。
図4】地下水位の変化の一態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明を適用した実施形態としての土壌浄化システム1、及び、土壌浄化システム1による土壌浄化方法の概要を示す図であり、汚染物質を含む浄化対象の地盤に揚水井戸10、スパージング井戸20、及びガス回収井戸30を設置した状態を示す。図1には、揚水井戸10、スパージング井戸20、及びガス回収井戸30及び地盤の断面を模式的に示している。図1の例では、説明の便宜のために、1つの揚水井戸10と、2つのスパージング井戸20と、2つのガス回収井戸30とを浄化対象の地盤に設けた例を示しているが、各井戸の数および配置は制限されない。また、理解の便宜のため、図1における縦方向と横方向の長さの比率等は実際の構成とは一致しない。
【0009】
揚水井戸10、スパージング井戸20及びガス回収井戸30が配置される領域を、施工区域とする。施工区域では、地表面からの汚染物質の放出を抑制するため、地表面をシートにより被覆してもよい。このシートは、止水性を有し、ガス化した汚染物質を透過させないシートであることが好ましい。揚水井戸10、スパージング井戸20、及びガス回収井戸30とシートが干渉する位置ではシートを開口させ、漏れのないよう開口端を封止すればよい。
【0010】
図1の地盤は地下水を含む。以下では不飽和層と飽和層の境界を地下水位と呼び、地下水の水面を地下水面WL1、WL2として示す。図中の地下水面WL1は土壌浄化方法を実行する前の水位を示し、地下水面WL2は、後述する揚水工程で地下水を汲み上げた後の水位を示す。施工区域の内外における地下水の流動を抑制するため、施工区域を地中壁によって囲んでもよい。この地中壁は、例えば、コンクリート製の地中連続壁、或いは鋼矢板を用いた止水壁を採用できる。
【0011】
揚水井戸10は、直管部11及び透水管12を有し、地中の所定深さに透水管12が設置され、その上部に直管部11が連結されている。直管部11及び透水管12は金属製または合成樹脂製の管である。直管部11は揚水井戸10の上部に配置され、通気性および透水性を有しない管である。直管部11は、回収しようとする汚染物質に対して耐用性を有する材料で構成され、例えばステンレス鋼管である。透水管12は直管部11の下端に連結され、通気性および透水性を有する。透水管12は、回収しようとする汚染物質に対して耐用性を有する材料で構成される。透水管12には、例えば、ステンレス製の巻き線ストレーナ管、或いは、ステンレスパンチング管を用いることができる。直管部11及び透水管12のサイズは任意に変更可能であり、例えばφ20mm-φ150mmの範囲で選択され、典型的にはφ50mmである。
【0012】
直管部11及び透水管12の内部空間は連通しており、この空間に吸引装置13が配置される。吸引装置13は、気体および液体を吸い込むヘッドであり、例えばフィルタを有する。吸引装置13には吸引ヘッダ管14が連結され、吸引ヘッダ管14の負圧により吸引装置13を通じて気体や液体が吸引される。直管部11の上端には上蓋16が配置され、吸引ヘッダ管14は上蓋16を貫通して直管部11の外に引き出される。上蓋16は、吸引ヘッダ管14と直管部11との間を隙間無く閉塞する。これにより、吸引ヘッダ管14から吸引が行われたときに揚水井戸10の内部が負圧となる。吸引装置13及び吸引ヘッダ管14は、後述するように直管部11及び透水管12の内部で移動可能であり、吸引装置13が位置する深さを変更できる。
【0013】
図1には1つの揚水井戸10における異なる位置に吸引装置13を図示しているが、この図は吸引装置13を異なる深さ位置に移動可能であることを示しており、1本の揚水井戸10に複数の吸引装置13を設置することを意味しない。すなわち、1つの揚水井戸10の内部に、1本の吸引ヘッダ管14に接続された1つの吸引装置13を設置し、吸引装置13を揚水井戸10の内部で移動可能な構成である。
【0014】
直管部11の外周はセメンテーション層18で囲まれることが好ましい。また、直管部11の外周のセメンテーション層18はセメントであることが好ましい。また、透水管12の外周は珪砂19で囲まれることが好ましい。透水管12の外周の一部を珪砂19にしても良い。これらの構成は、例えば、地盤を円柱状に掘削して透水管12及び直管部11を配置した後に、透水管12の周囲に珪砂を充填し、直管部11の周囲をセメンテーションさせることにより構築できる。透水管12の下端は底蓋15によって閉塞される。
【0015】
揚水井戸10の内部を負圧にする場合の圧力は適宜に設定可能であり、吸引装置13により吸引を行うことが可能な構成であればよい。また、吸引ヘッダ管14によって強く吸引を行い、揚水井戸10から真空で吸引を行う場合には、土壌中に液体の状態で滞留する汚染物質を気化させて、ガスとして回収することができる。また、汚染物質の吸引量を増加させる効果が期待できる。
【0016】
スパージング井戸20は、直管部21及び通気管22を有し、地中の所定深さに通気管22が設置され、その上部に直管部21が連結されている。直管部21及び通気管22は金属製または合成樹脂製の管である。直管部21はスパージング井戸20の上部に配置され、通気性および透水性を有しない管である。直管部21は、回収しようとする汚染物質に対して耐用性を有する材料で構成され、例えばステンレス鋼管である。通気管22は直管部21の下端に連結され、通気性を有する。通気管22は回収しようとする汚染物質に対して耐用性を有する材料で構成される。通気管22には、例えば、ステンレス製の巻き線ストレーナ管、或いは、ステンレスパンチング管を用いることができる。直管部21及び通気管22のサイズは任意に変更可能であり、例えばφ15mm-φ70mmの範囲で選択され、典型的にはφ20mmのステンレス鋼管を用いることができる。
【0017】
直管部21及び通気管22の内部空間は連通しており、直管部21の下端は底蓋24により塞がれ、直管部21の上端には上蓋25が配置される。直管部21には、上蓋25を貫通する送気ヘッダ管23が設けられる。送気ヘッダ管23は、後述するコンプレッサ110から圧縮空気をスパージング井戸20に供給する。上蓋25は、送気ヘッダ管23と直管部21との間を隙間無く閉塞する。このため、送気ヘッダ管23から圧縮空気が送り込まれると、スパージング井戸20の内部が陽圧となり、通気管22の側面から地中に圧縮空気が噴出する。
【0018】
直管部21の外周はセメンテーション層26で囲まれることが好ましい。また、直管部11の外周のセメンテーション層18はセメントであることが好ましい。また、通気管22の外周は珪砂27で囲まれることが好ましい。セメンテーション層26及び珪砂27は、例えば、上述したセメンテーション層18及び珪砂19と同様に構築できる。
【0019】
ガス回収井戸30は、直管部31及び通気管32を有し、地中の所定深さに通気管32が設置され、その上部に直管部31が連結されている。直管部31及び通気管32は金属製または合成樹脂製の管である。直管部31はガス回収井戸30の上部に配置され、通気性および透水性を有しない管である。直管部31は、回収しようとする汚染物質に対して耐用性を有する材料で構成され、例えばステンレス鋼管である。通気管32は直管部31の下端に連結され、通気性及び透水性を有する。通気管32は回収しようとする汚染物質に対して耐用性を有する材料で構成される。通気管32には、例えば、ステンレス製の巻き線ストレーナ管、或いは、ステンレスパンチング管を用いることができる。直管部31及び通気管32のサイズは任意に変更可能であり、例えばφ20mm-φ150mmであり、典型的にはφ50mmである。
【0020】
直管部31及び通気管32の内部空間は連通しており、直管部31の下端は底蓋34により塞がれ、直管部31の上端には上蓋35が配置される。直管部31には、上蓋35を貫通する回収ヘッダ管33が設けられる。回収ヘッダ管33は、後述するブロワ106に接続され、ガス回収井戸30から気体を吸引する。上蓋35は、回収ヘッダ管33と直管部31との間を隙間無く閉塞する。このため、回収ヘッダ管33による吸引が行われると、ガス回収井戸30の内部が負圧となり、通気管32から地中の気体や液体が吸引される。回収ヘッダ管33の下端の位置は制限されない。例えば、回収ヘッダ管33を地下水面WL2よりも深い位置まで配置することにより、回収ヘッダ管33を通じて地下水を回収することができる。また、例えば、回収ヘッダ管33の下端を地下水面WL1または地下水面WL2の上方に位置させて、地中のガスを回収ヘッダ管33により回収できる。
【0021】
直管部31の外周はセメンテーション層37で囲まれることが好ましい。また、直管部31の外周のセメンテーション層37はセメントであることが好ましい。また、通気管32の外周は珪砂36で囲まれることが好ましい。セメンテーション層37及び珪砂36は、例えば、上述したセメンテーション層18及び珪砂19と同様に構築できる。
【0022】
揚水井戸10、スパージング井戸20、及びガス回収井戸30は、地上設備100に接続される。地上設備100は、施工区域内、或いはその外側の地上に設置される各種設備を含む。
【0023】
図1に示す地上設備100は、セパレータタンク102、タンク103、気液分離機104、活性炭槽105、ブロワ106、及び、コンプレッサ110を含む。
【0024】
セパレータタンク102は、吸引管101により吸引ヘッダ管14及び回収ヘッダ管33に連結される。セパレータタンク102には、吸引管101から気体および液体が流入する。セパレータタンク102は、気体と液体とを分離するタンクであり、セパレータタンク102の内部に貯まる液体は不図示のポンプによりタンク103に送られて、タンク103に貯留される。セパレータタンク102の内部の気体は、ブロワ106の負圧により気液分離機104に送られる。
【0025】
気液分離機104は、セパレータタンク102から流入する流体に含まれる液体を除去あるいは分離し、気体のみを活性炭槽105に通過させる装置である。活性炭槽105は、活性炭を収容した容器である。気液分離機104から活性炭槽105に流入する気体に含まれるVOC(Volatile Organic Compounds)等の有機物、及び、金属蒸気等の無機物は、活性炭槽105において活性炭に吸着される。活性炭槽105にはブロワ106が接続され、ブロワ106は、活性炭槽105を通じて吸引を行う。ブロワ106の吸引力によって、吸引管101からセパレータタンク102、気液分離機104、及び活性炭槽105を通る気流が発生する。
セパレータタンク102及び気液分離機104の各々、或いはこれらの組合せは、本発明の気液分離装置の一例に対応する。ブロワ106は負圧発生装置の一例に対応する。
【0026】
コンプレッサ110は、圧縮空気を送気管111に供給する。送気管111は、スパージング井戸20の送気ヘッダ管23に接続される。
【0027】
図1には、揚水井戸10とガス回収井戸30とが共通の吸引管101を通じて地上設備100に接続される構成を例示したが、これは一例である。例えば、揚水井戸10が接続される地上設備100と、ガス回収井戸30が接続される地上設備とを別に設置してもよい。この場合、ガス回収井戸30が接続される地上設備は、ガス回収井戸30を通じて気体を回収できればよく、液体を分離する設備は不要である。具体的には、ガス回収井戸30が接続される地上設備は、気液分離機104、活性炭槽105、及びブロワ106と同様の構成を備え、セパレータタンク102及びタンク103に相当する構成を持たなくてもよい。
【0028】
揚水井戸10、スパージング井戸20、及びガス回収井戸30を利用する土壌浄化方法は、エアスパージング工程、揚水工程、回収工程、揚水後ガス回収工程、及び、ガス回収工程を含む。これらについて順に説明する。
【0029】
エアスパージング工程は、スパージング井戸20により圧縮空気を地中に吹き込む工程である。圧縮空気が地中に吹き込まれる深度はスパージング井戸20の下端に配置された通気管22の深さである。通気管22の位置を第1深度D1とする。第1深度D1は、地下水面WL1よりも深い位置である。また、揚水工程で地下水面WL1が低下することを考慮して、第1深度D1は地下水面WL1よりも十分に深いことが好ましい。
さらに好ましくは、通気管22から圧縮空気が45°上方へ拡散するように、圧縮空気の噴出圧力が調整される。
【0030】
通気管22の下端には底蓋24があるため、圧縮空気は通気管22の側面から側方に向けて噴出する。これにより、第1深度D1において地中に圧縮空気が拡散し、地上に向けて上昇する。圧縮空気が地下水中を上昇することにより、地下水に混入しているVOC等の汚染物質が、地上に向けて押し上げられる。すなわち、水に溶解せず地下水中を浮遊している汚染物質は、上昇する気泡に接触し、或いは、気泡の動きに伴う上昇方向の水流とともに、地下水中を上昇する。また、地下水に溶解した揮発性の汚染物質は、気泡に接触して揮発し、或いは水から分離され、気泡とともに上昇する。従って、図に矢印UFで示すように、エアスパージングによって汚染物質を上昇させることができる。
【0031】
なお、図1では、第1深度D1を、通気管22の高さ方向における中央の位置として示している。後述する第2深度D2、第3深度D3、第4深度D4、及び、第5深度D5についても、吸引装置13、通気管22、通気管32の高さ方向における中央を図示する。
【0032】
揚水工程は、揚水井戸10により地下水を汲み上げる工程である。揚水井戸10において、透水管12の下端は地下水面WL1よりも深い位置にある。浄化対象の地盤の地下水面WL1の位置は、土壌浄化方法の施工前のボーリング調査等により予め知ることができる。透水管12の上端の位置に制限はないが、後述する揚水後ガス回収工程を実行するため、地下水面WL1よりも深度の浅い位置まで透水管12が設けられていることが好ましい。
【0033】
揚水工程では、吸引装置13を地下水面WL1よりも深い位置に配置して、吸引ヘッダ管14から吸引が行われる。このときの吸引装置13の位置を第2深度D2とする。第2深度D2は、地下水面WL1よりも深い。また、揚水により地下水面WL1が低下することを考慮して、第2深度D2は地下水面WL1よりも十分に深いことが好ましい。また、エアスパージングにより汚染物質を上昇させる効果をより高めるため、第1深度D1は第2深度D2よりも深い位置であることが好ましい。
【0034】
揚水工程で地下水が汲み上げられることにより、地下水面WL1が地下水面WL2へ降下する。地下水面WL2には、揚水井戸10を中心とする地下水位の勾配が形成されている。地下水位の勾配が形成されることにより、揚水井戸10に向けて、矢印FLで示すように地下水の水平方向における流れが発生する。この地下水の流れは、揚水井戸10から離れた位置の汚染物質を揚水井戸10に向けて輸送する効果を生じるので、広い範囲の汚染物質を揚水井戸10から回収できる。
さらに、揚水井戸10の内部を負圧にして真空で吸引装置13から吸引を行うことによって、より広範囲から汚染物質を回収できる。
【0035】
回収工程は、地下水を、地下水面WL2の近傍において汲み上げる工程である。回収工程では揚水井戸10が使用される。回収工程に先立ち、揚水井戸10において吸引装置13が第3深度D3に移動される。第3深度D3は第2深度D2と同じ位置であってもよいし、第2深度D2よりも浅い位置であってもよい。回収工程では、地下水面WL2の近傍において地下水を汲み上げる。地下水面WL2の近傍の水中には、エアスパージングにより浮上した汚染物質が多く含まれる。このため、回収工程では、効率よく多くの汚染物質を回収できる。エアスパージングによって、汚染物質は地下水面WL2に近い位置まで浮上しているため、第3深度D3が、揚水工程で低下した地下水面WL2の近傍であれば、より効率よく汚染物質を回収できる。揚水工程において地下水面WL2が十分に低下した場合など、第3深度D3が地下水面WL2に近い場合には、第2深度D2と同じ位置であってもよい。さらに、地下水面WL2に近い位置では、地下水面WL2の勾配によって生じる矢印FL方向の水流が速いと推定される。吸引装置13が地下水面WL2に近いほど、矢印FL方向の水流による回収効果を効率的に利用できるため、回収効率をより一層、高めることができる。回収工程において、吸引装置13の上端が地下水面WL2の上にあってもよい。この場合、吸引ヘッダ管14を通じて地下水と地中のガスとが吸引される。地上設備100にはセパレータタンク102及び気液分離機104が設置されているため、吸引ヘッダ管14により地下水と地中のガスとが混ざって吸引されても回収に支障はない。
【0036】
揚水後ガス回収工程、及び、ガス回収工程は、地中のガスを吸引し回収する工程である。このうち揚水後ガス回収工程は揚水井戸10を利用してガスを回収し、ガス回収工程はガス回収井戸30を利用してガスを回収する工程である。
【0037】
揚水後ガス回収工程に先立ち、揚水井戸10において吸引装置13が第4深度D4に移動される。第4深度D4は第3深度D3よりも浅い位置であり、地下水面WL2よりも浅い。エアスパージングにより地中に送気された圧縮空気は、地下水中において気泡となって汚染物質を上昇させた後、さらに、地下水面WL2から地中に移動する。エアスパージング工程で地中に吹き込まれる空気の容積が、揚水工程や回収工程で吸引される地下水やガスの容積よりも大きければ、より速やかに、圧縮空気が地下水面WL2から上方に移動する。地下水面WL2から上昇する空気は地下水に溶解していた汚染物質を含んでいるので、エアスパージング工程の後に、吸引装置13によりガスを吸引することによって、ガス化した汚染物質を効率よく回収できる。地中から気体が揚水井戸10に流入する位置は、通気管22において地下水面WL2よりも上の部分である。揚水井戸10の上端は上蓋16に塞がれているため、吸引装置13の位置に関わらず、吸引装置13から吸引を行うことによって揚水井戸10に気体が流入する。従って、第4深度D4は、地下水面WL2よりも浅い位置であればよい。
【0038】
ガス回収工程では、ガス回収井戸30から回収ヘッダ管33を通じて吸引が行われる。ガス回収工程では地中から気体を吸引することにより、地盤に浸透して揮発した汚染物質、及び、エアスパージングにより地中を上昇した汚染物質を回収する。地中からガス回収井戸30に気体が流入する位置は、通気管32において地下水面WL2よりも上の部分である。ガス回収井戸30の上端は上蓋35に塞がれているため、回収ヘッダ管33がガス回収井戸30の内部から気体を吸引できる構造であれば、汚染物質を回収できる。このため、ガス回収井戸30の内部では、回収ヘッダ管33が開口していればよい。
【0039】
地上設備100において、吸引管101と吸引ヘッダ管14との間、および、吸引管101と複数の回収ヘッダ管33との間の各々を開閉する弁を設けてもよい。この場合、ブロワ106を稼働させることにより、吸引ヘッダ管14および各々の回収ヘッダ管33から、選択的に吸引を開始および停止させることができる。このため、揚水工程、回収工程、揚水後ガス回収工程、及び、ガス回収工程を、1つの地上設備100により選択的に実行できる。
【0040】
図2は、土壌浄化システム1による土壌浄化方法を示すフローチャートである。
土壌浄化方法では、揚水井戸10、スパージング井戸20、及びガス回収井戸30を施工区域に設置する(ステップS1)。ステップS1は土壌浄化方法の事前の準備としてもよい。
【0041】
最初に、スパージング井戸20を用いてエアスパージング工程が行われる(ステップS2)。エアスパージング工程の後、揚水井戸10において吸引装置13が第2深度D2に移動され(ステップS3)、揚水工程が実行される(ステップS4)。
【0042】
揚水工程の実行後、揚水井戸10において吸引装置13が第3深度D3に移動され(ステップS5)、回収工程が実行される(ステップS6)。第2深度D2と第3深度D3が同じ深度であってもよく、この場合、ステップS5の移動を省略してもよい。
【0043】
回収工程の後、揚水井戸10において吸引装置13が第4深度D4に移動され(ステップS7)、揚水後ガス回収工程が実行される(ステップS8)。
【0044】
また、エアスパージング工程(ステップS2)の後、ガス回収井戸30を利用してガス回収工程が実行される(ステップS9)。ガス回収工程は、揚水工程、回収工程、及び揚水後ガス回収工程の実行中であるか否かにかかわらず実行可能である。
【0045】
本実施形態の土壌浄化方法においては、ステップS2のエアスパージング工程の実行中は、回収工程(ステップS6)、揚水後ガス回収工程(ステップS8)、及びガス回収工程(ステップS9)は実行されない。すなわち、スパージング井戸20から圧縮空気を送気している間は、揚水井戸10及びガス回収井戸30からの吸引を行わない。地中に圧縮空気が送り込まれている間に、揚水井戸10から吸引を行うと、地中から揚水井戸10への液体や気体の流入速度が高くなる。このため、地中の砂礫や粒子が、透水管12を構成する巻き線ストレーナ管やステンレスパンチング管の開口を通過し、揚水井戸10に入り込む事象が発生する可能性がある。ガス回収井戸30から吸引を行う場合も同様である。この事象は、例えば、施工区域の地盤に、サンドコンパクションパイル工法で利用される砂などの微細な土壌粒子が含まれる場合に発生が懸念される。そこで、エアスパージング工程(ステップS2)の後に回収工程(ステップS6)、揚水後ガス回収工程(ステップS8)、或いはガス回収工程(ステップS9)を開始する場合、エアスパージングが停止してから、吸引を開始する。このように、エアスパージング工程と、回収工程、揚水後ガス回収工程、及びガス回収工程との実行タイミングを分離することによって、揚水井戸10やガス回収井戸30のメンテナンスの頻度を抑えることができ、施工の効率を向上させることができる。
【0046】
本実施形態の土壌浄化方法は一例であり、例えば、ステップS2のエアスパージング工程と並行して、揚水工程(ステップS4)、回収工程(ステップS6)、揚水後ガス回収工程(ステップS8)、及びガス回収工程(ステップS9)のいずれか1以上を実行してもよい。この方法は、揚水井戸10への砂礫や粒子の流入の懸念が小さい場合や、これらの流入による工事への影響が小さい場合に有効である。エアスパージング工程の実行中に揚水やガス回収を行うと、土壌中から地中から揚水井戸10に向けて、液体や気体の高速の流れを生じさせることができる。これにより、施工区域の土壌におけるより広い範囲から、より効率よく、揚水井戸10に汚染物質を集めることができ、回収効率を高める効果が期待できる。
【0047】
揚水後ガス回収工程(ステップS8)を完了した後、及び、ガス回収工程(ステップS9)を完了した後は、ステップS2に戻ってエアスパージング工程を実行できる。つまり、ステップS2~S9からなる施工サイクルを繰り返し実行できる。
【0048】
また、吸引装置13の移動(ステップS7)及び揚水後ガス回収工程(ステップS8)を行わず、回収工程を所定時間、実行した後、ステップS2に戻ってエアスパージング工程を実行してもよい。つまり、ステップS7~S8は必須の工程ではなく、例えば、ステップS2~S6からなる施工サイクル及びステップS9を繰り返し実行してもよい。
【0049】
このように、本開示の土壌浄化方法によれば、汚染物質を含む地盤において、地下水中の汚染物質を地下水とともに回収し、地下水面より上方に存在する汚染物質をガスの状態で回収できる。回収可能な汚染物質は地下水に溶解するものに限らず、溶解度が低く地下水中に混入あるいは浮遊するものであってもよい。例えば、ベンゼン、トルエン、その他の有機溶剤や、いわゆるVOCに含まれる各種の物質を対象として、回収を行える。このうち、水よりも比重の軽い物質や揮発性を有する物質を回収する場合に、本開示の土壌浄化方法は特に効果的である。
【0050】
図3は、土壌浄化システム1の適用例を示す図であり、施工区域5の平面図である。
図3の例では、施工区域5に、汚染度の高い汚染範囲51、及び、汚染範囲52が存在する。このため、汚染範囲51に対応する第1工区A1、及び、汚染範囲52に対応する第2工区A2を設け、第1工区A1及び第2工区A2の各々に土壌浄化システム1を設置して、土壌浄化方法を実行する。
【0051】
第1工区A1には、複数の揚水井戸10が円を描くように配置される。これら複数の揚水井戸10で囲まれる領域を処理領域A11とする。処理領域A11、及び、処理領域A11の外に、複数のスパージング井戸20が配置される。
また、第2工区A2には複数の揚水井戸10が円を描くように配置される。これらの揚水井戸10で囲まれる領域を処理領域A21とする。処理領域A21、及び、処理領域A21の外に、複数のスパージング井戸20が配置される。
【0052】
また、第1工区A1には処理領域A11の内外に複数のガス回収井戸30が設置され、第2工区A2には処理領域A21の内外に複数のガス回収井戸30が設置されるが、ガス回収井戸30の位置については図示を省略する。
【0053】
第1工区A1及び第2工区A2において上述した土壌浄化方法を実施することにより、汚染物質が回収される。
また、処理領域A11では、複数の揚水井戸10で揚水工程を実行することにより、地下水位が顕著に低下する。処理領域A21においても同様である。
【0054】
図4は、地下水位の変化の一態様を示す図であり、処理領域A11における地下水位の変化を示す。図4に示すように、揚水工程によって、揚水井戸10を中心として地下水位が低下し、処理領域A11では、複数の揚水井戸10の間で地下水位が図中一点鎖線で示すように低下する。最終的に、処理領域A11では、図に示すように、地下水面WL2が処理領域A11の外よりも低い状態となる。
【0055】
図4に示すように地下水面WL2が低下した状態では、処理領域A11の外から処理領域A11に向けて、矢印FL方向の水流が発生し、汚染物質が処理領域A11に集められる。また、処理領域A11では、土壌浄化方法の施工前に処理領域A11に存在していた地下水が、処理領域A11の外よりも多く汲み上げられる。このため、汚染物質を多く含む地下水を揚水工程で回収し、さらに、処理領域A11の外の汚染物質を複数の揚水井戸10により効率よく回収できる。この効果は処理領域A21においても同様である。従って、施工区域5において汚染物質が特に多く分布している汚染範囲51、52を複数の揚水井戸10で囲むように、揚水井戸10を配置することにより、汚染物質を効率よく回収できる。
【0056】
(他の実施形態)
上記実施形態は本発明を適用した一具体例を示すものであり、発明が適用される形態を限定するものではない。
【0057】
上記実施形態では、揚水井戸10において吸引装置13を深さ方向に移動可能とし、揚水工程、回収工程、及び、揚水後ガス回収工程で揚水井戸10を用いる例を示したが、これは一例である。例えば、揚水井戸10の内部に複数の吸引装置13を配置し、各々の吸引装置13の位置を、第2深度D2、第3深度D3、及び、第4深度D4としてもよい。この場合、揚水工程では第2深度D2に配置した吸引装置13を用い、回収工程では第3深度D3に配置した吸引装置13を用い、揚水後ガス回収工程では第4深度D4に配置した吸引装置13を用いてもよい。この場合、各々の吸引装置13に接続される吸引ヘッダ管14を、吸引管101に切り替えて接続できる構成とし、吸引装置13を選択して吸引を実行可能な構成としてもよい。
【0058】
また、1つの揚水井戸10に代えて、複数の井戸を設けてもよい。具体的には、第2深度D2で揚水を行う揚水井戸10と、第3深度D3で回収工程を行う揚水井戸10と、第4深度D4で揚水後ガス回収工程を行う揚水井戸10とを、施工区域に設けてもよい。揚水後ガス回収工程を行うための揚水井戸10は、実質的にガス回収井戸30と同様に機能するので、ガス回収井戸30を揚水井戸10の近傍に設けることで代替してもよい。第2深度D2で揚水を行う揚水井戸10と第3深度D3で回収を行う揚水井戸10とが近ければ、揚水工程で生じる地下水面WL2の勾配を利用することが可能であるため、同様の効果が得られる。
【0059】
また、エアスパージング工程ではスパージング井戸20から気体を送気すればよく、送気される気体は圧縮空気に限定されない。例えば、スパージング工程において、汚染物質を土壌から剥離し易くする効果や、汚染物質を分解する効果を有する薬剤や気体を含む圧縮空気を用いることが挙げられる。
また、揚水井戸10、スパージング井戸20及びガス回収井戸30の数や配置、及び、地上設備100の構成等、土壌浄化システム1の細部については、施工の便宜等に応じて任意に変更可能である。
【0060】
(上記実施形態によりサポートされる構成)
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0061】
(構成1)施工区域に、送気用のスパージング井戸と、地下水を吸引する吸引装置を設置可能な揚水井戸とを設け、前記スパージング井戸を通じて地下水面より深い第1深度で送気するエアスパージング工程と、前記吸引装置によって、前記第1深度より浅く地下水面の位置より深い第2深度から地下水を汲み上げる揚水工程と、前記第2深度より浅い第3深度で地下水を汲み上げる回収工程と、を含み、前記回収工程を、前記エアスパージング工程および前記揚水工程の後に行う、土壌浄化方法。
構成1の土壌浄化方法によれば、エアスパージング工程で送気された気体により汚染物質を上昇させ、かつ、揚水工程により地下水位に勾配を生じさせて、地下水を回収することにより、地下水中の汚染物質を効率よく回収できる。
【0062】
(構成2)前記吸引装置を、前記揚水井戸の内部で異なる深さに移動可能であり、前記揚水工程を行った後、前記揚水井戸の内部で前記吸引装置を前記第3深度に移動させて、前記回収工程を実行する、構成1に記載の土壌浄化方法。
構成2の土壌浄化方法によれば、揚水井戸を利用して、地下水位に勾配を生じさせる揚水工程と、地下水と共に汚染物質を回収する回収工程とを実行できる。これにより、より効率よく汚染物質を回収できる。
【0063】
(構成3)前記吸引装置は、気体と液体とを分離する気液分離装置を通じて、負圧を発生する負圧発生装置に接続され、前記回収工程において、前記吸引装置を前記揚水井戸の内部で地下水面の近傍に位置させる、構成1または構成2に記載の土壌浄化方法。
構成3の土壌浄化方法によれば、揚水井戸から汲み上げた地下水に気体が混入しても、支障なく汲上を行うことができる。このため、地下水位に近い位置に吸引装置を配置して、回収工程を実行できる。エアスパージングによって汚染物質が地下水位の付近まで浮上し、地下水位及びその近傍には汚染物質が多く含まれるので、地下水位に近い位置で地下水を吸引して回収することによって、汚染物質をより効率よく回収できる。
【0064】
(構成4)前記揚水工程を行った後、前記揚水井戸の内部で前記吸引装置を地下水面よりも高い位置まで上昇させて、前記揚水井戸を通じて気体を回収する揚水後ガス回収工程を実行する、構成2または構成3に記載の土壌浄化方法。
構成4の土壌浄化方法によれば、エアスパージングにより地下水位よりも上に移動した汚染物質を、地中のガスとともに、揚水井戸を利用して回収できる。
【0065】
(構成5)前記スパージング井戸および前記揚水井戸とは異なるガス回収井戸を設け、前記ガス回収井戸を通じて地下水面より高い位置で気体を回収するガス回収工程を行う、構成1から4のいずれかに記載の土壌浄化方法。
構成5の土壌浄化方法によれば、エアスパージングにより地下水位よりも上に移動した汚染物質を、地中のガスとともに回収できる。揚水井戸とは異なるガス回収井戸を用いることにより、回収工程等と並行してガス回収工程を実行できる。
【0066】
(構成6)前記エアスパージング工程で送気を行う間、前記揚水工程および前記回収工程を行わない、構成1から構成5のいずれかに記載の土壌浄化方法。
構成6の土壌浄化方法によれば、地中の砂礫や粒子が揚水井戸に入り込むことを抑制できるので、揚水井戸のメンテナンスの頻度を抑えることができ、施工の効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0067】
1 土壌浄化システム
5 施工区域
10 揚水井戸
11 直管部
12 透水管
13 吸引装置
14 吸引ヘッダ管
15 底蓋
16 上蓋
20 スパージング井戸
21 直管部
22 通気管
23 送気ヘッダ管
24 底蓋
25 上蓋
30 ガス回収井戸
31 直管部
32 通気管
33 回収ヘッダ管
34 底蓋
35 上蓋
100 地上設備
101 吸引管
102 セパレータタンク(気液分離装置)
103 タンク
104 気液分離機(気液分離装置)
105 活性炭槽
106 ブロワ(負圧発生装置)
110 コンプレッサ
111 送気管
D1 第1深度
D2 第2深度
D3 第3深度
D4 第4深度
D5 第5深度
WL1 地下水面
WL2 地下水面
図1
図2
図3
図4