(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093931
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】鞍乗型車両の収納ボックス
(51)【国際特許分類】
B62J 9/12 20200101AFI20240702BHJP
【FI】
B62J9/12
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210591
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206760
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 惇
(72)【発明者】
【氏名】篠原 彰弥
(72)【発明者】
【氏名】直井 創
(57)【要約】
【課題】収納ボックスに収納される携帯情報端末を容易に保持できる鞍乗型車両の収納ボックスの提供。
【解決手段】鞍乗型車両の収納ボックスは、収納部と、蓋部と、弾性部材と、蓋部を回動可能に支持する軸部とを備える。収納部は、開口と、内側側壁と、内側側壁と対向する規制部とを含む。収納部は、内側側壁と少なくとも1つの規制部との間で携帯情報端末を立てた状態で収納する。蓋部は、開口を閉じる閉状態と、開口を開く開状態とに移行可能である。弾性部材は、閉状態において、蓋部又は内側側壁との間で携帯情報端末を携帯情報端末の厚さ方向に押圧して携帯情報端末を収納部に保持する。内側側壁は、略車両上下方向、又は下方から上方に向かって規制部に近づく方向に延びている。規制部は、閉状態において携帯情報端末から離れ、蓋部が閉状態から開状態に移行したときに、携帯情報端末に接触して携帯情報端末の移動を規制する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯情報端末を収納する鞍乗型車両の収納ボックスであって、
前記携帯情報端末を出し入れする開口と、内側側壁と、前記内側側壁と対向する少なくとも1つの規制部とを含み、前記内側側壁と前記少なくとも1つの規制部との間で前記携帯情報端末を立てた状態で収納する収納部と、
前記開口を閉じる閉状態と、前記開口を開く開状態とに移行可能であり、前記閉状態において前記内側側壁と対向する蓋部と、
前記蓋部又は前記内側側壁の少なくとも一方に配置され、前記閉状態において、前記蓋部又は前記内側側壁との間で前記携帯情報端末を前記携帯情報端末の厚さ方向に押圧して前記携帯情報端末を前記収納部に保持する少なくとも1つの弾性部材と、
前記蓋部を回動可能に支持する軸部と、
を備え、
前記内側側壁は、略車両上下方向、又は下方から上方に向かって前記少なくとも1つの規制部に近づく方向に延びており、
前記内側側壁と前記少なくとも1つの規制部との間には、前記開状態のときに、前記携帯情報端末が前記少なくとも1つの規制部に向けて傾くことを許容する空間が形成されており、
前記少なくとも1つの規制部は、前記閉状態において前記携帯情報端末から離れ、前記蓋部が前記閉状態から前記開状態に移行したときに、前記携帯情報端末の前面側又は背面側に接触して前記携帯情報端末の移動を規制する、
鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記閉状態において、車両上下方向における前記内側側壁の中心と同じ高さに少なくとも一部が配置されている、
請求項1に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記閉状態かつ前記収納部に前記携帯情報端末が収納された状態において、前記携帯情報端末の長手方向に延びている、
請求項2に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記蓋部に配置されている、
請求項1に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの規制部は、前記閉状態において、前記少なくとも1つの弾性部材の下方に配置されている、
請求項4に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項6】
前記収納部は、車両上下方向と交差する方向に延びる底面部をさらに含み、
前記少なくとも1つの規制部は、前記底面部から上方に延びており、
前記少なくとも1つの規制部の高さは、前記閉状態のときの前記底面部から前記少なくとも1つの弾性部材までの寸法の半分以上である、
請求項5に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの規制部は、前記底面部から前記少なくとも1つの弾性部材に近接する位置まで延びている、
請求項6に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの規制部の車両上下方向の寸法は、前記内側側壁の車両上下方向の寸法の4分の1以上かつ4分の3以下である、
請求項6に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記蓋部に配置される第1弾性部材と、前記収納部の前記内側側壁に配置される第2弾性部材とを含む、
請求項1に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項10】
前記収納部の車両前後方向の寸法は、前記収納部の車両上下方向の寸法及び前記収納部の車幅方向の寸法よりも大きい、
請求項1から9のいずれか1項に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項11】
少なくとも1つの規制部は、前記内側側壁と車幅方向に対向し、
前記少なくとも1つの規制部の車両前後方向の寸法は、前記収納部の車両前後方向の寸法よりも小さい、
請求項10に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項12】
前記収納部は、車両上下方向と交差する方向に延びる底面部をさらに含み、
前記少なくとも1つの規制部は、前記底面部から上方に延びる第1規制部と、前記第1規制部から車両前後方向に離れて配置される第2規制部とを含む、
請求項10に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項13】
前記収納部は、前記鞍乗型車両のシートよりも前方に配置され、前記鞍乗型車両のステアリング装置とともに回動しない部材に固定されている、
請求項1から9のいずれか1項に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項14】
前記収納部は、前記鞍乗型車両のステアリング装置の側方に配置されている、
請求項1から9のいずれか1項に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項15】
前記軸部は、前記収納部の下方に配置されている、
請求項1から9のいずれか1項に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項16】
前記蓋部と一体回動可能に前記蓋部の外側に固定される蓋カバーをさらに備え、
前記蓋カバーは、前記鞍乗型車両の外装カバーの一部を構成するように配置されている、
請求項1から9のいずれか1項に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項17】
前記開口は、上方かつ車幅方向外側に向けて開口している、
請求項1から9のいずれか1項に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【請求項18】
前記収納部は、
前記鞍乗型車両のシートよりも前方に配置され、
前記少なくとも1つの規制部よりも後方に配置され前記開口の一部を画定する後面部をさらに含み、
前記後面部は、車幅方向外側かつ下方に延びる縁部を含む、
請求項17に記載の鞍乗型車両の収納ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両の収納ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タンクシュラウド内に設けられる収納ボックスを備えた鞍乗型車両が知られている(特許文献1参照)。収納ボックスは、携帯情報端末等の電子機器を収納可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
収納ボックスに携帯情報端末を収納する場合、鞍乗型車両は車両が軽量であるため、携帯情報端末が地面からの影響や加減速の影響を受けやすい。このため、携帯情報端末は、収納ボックス内で保持されることが好ましい。しかしながら、例えば、収納ボックスに携帯情報端末を収納した後で、携帯情報端末にバンドを装着して保持する構造では、携帯情報端末にバンドを装着する手間がかかる。
【0005】
本発明の目的は、収納ボックスに収納される携帯情報端末を容易に保持できる鞍乗型車両の収納ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る鞍乗型車両の収納ボックスは、携帯情報端末を収納する。収納ボックスは、収納部と、蓋部と、少なくとも1つの弾性部材と、軸部とを備える。収納部は、携帯情報端末を出し入れする開口と、内側側壁と、内側側壁と対向する少なくとも1つの規制部とを含む。収納部は、内側側壁と少なくとも1つの規制部との間で携帯情報端末を立てた状態で収納する。蓋部は、開口を閉じる閉状態と、開口を開く開状態とに移行可能である。蓋部は、閉状態において内側側壁と対向する。少なくとも1つの弾性部材は、蓋部又は内壁側壁の少なくとも一方に配置され、閉状態において、蓋部又は内壁側壁との間で携帯情報端末を携帯情報端末の厚さ方向に押圧して携帯情報端末を収納部に保持する。軸部は、蓋部を回動可能に支持する。内側側壁は、略車両上下方向、又は下方から上方に向かって少なくとも1つの規制部に近づく方向に延びている。内側側壁と少なくとも1つの規制部との間には、蓋部が開かれた開状態のときに、携帯情報端末が少なくとも1つの規制部に向けて傾くことを許容する空間が形成されている。少なくとも1つの規制部は、閉状態において携帯情報端末から離れ、蓋部が閉状態から開状態に移行したときに、携帯情報端末の前面側又は背面側に接触して携帯情報端末の移動を規制する。
【0007】
本態様に係る鞍乗型車両の収納ボックスでは、収納ボックスの蓋部を閉じた状態において、収納ボックスの収納部に収納される携帯情報端末は、少なくとも1つの弾性部材によって携帯情報端末の厚さ方向に押圧されて収納部に保持される。これにより、収納ボックスの蓋部を回動させるだけの簡単な操作で携帯情報端末を保持できるので、例えば、車両に乗車した状態において、車両のバランスを取りながら収納ボックスに収納される携帯情報端末を容易に保持できる。
【0008】
携帯情報端末は、内側側壁と少なくとも1つの規制部との間で立てた状態で収納され、内側側壁と少なくとも1つの規制部との間には、蓋部を開いた状態のときに、携帯情報端末が少なくとも1つの規制部に向けて傾くことを許容する空間が形成されている。このため、例えば、車両に乗車した状態で収納部への携帯情報端末の出し入れが容易になる。
【0009】
収納部の内側側壁は、略車両上下方向、又は下方から上方に向かって規制部に近づく方向に延びている。このため、例えば、収納部の内側側壁が略車両上下方向に延びている場合、蓋部が閉状態から開状態に移行したときに、携帯情報端末を押圧する少なくとも1つの弾性部材の押圧力が開放される反動によって、携帯情報端末を少なくとも1つの規制部まで移動させることが可能になる。このため、例えば、車両に乗車した状態で蓋部を開けたときに、携帯情報端末を収納部から取り出しやすい。
【0010】
少なくとも1つの弾性部材は、閉状態において、車両上下方向における内側側壁の中心と同じ高さに少なくとも一部が配置されてもよい。この場合は、閉状態において、携帯情報端末を収納部に安定して保持できる。具体的には、携帯情報端末の幅方向の寸法は、機種による違いが少ないので、例えば、上下方向における内側側壁の中心が一般的な携帯情報端末の幅方向中心位置付近となるように設定することで、閉状態において、携帯情報端末を収納部で安定して保持できる。
【0011】
少なくとも1つの弾性部材は、閉状態かつ収納部に携帯情報端末が収納された状態において、携帯情報端末の長手方向に延びていてもよい。この場合は、閉状態において、携帯情報端末を収納部で安定して保持できる。
【0012】
少なくとも1つの弾性部材は、蓋部に配置されてもよい。この場合は、蓋部が開状態から閉状態に移行するときに、携帯情報端末が規制部に接触するまで携帯情報端末を弾性部材で支持できる。
【0013】
少なくとも1つの規制部は、閉状態において、少なくとも1つの弾性部材の下方に配置されてもよい。この場合は、収納部から携帯情報端末を取り出すときに少なくとも1つの規制部が邪魔になりにくい。また、少なくとも1つの弾性部材を少なくとも1つの規制部に近い位置に配置できるので、携帯情報端末が収納部に収納された状態で蓋部を開けたときに、携帯情報端末が規制部に接触するまで携帯情報端末を少なくとも1つの弾性部材で支持し続けることができる。
【0014】
収納部は、車両上下方向と交差する方向に延びる底面部をさらに含んでもよい。少なくとも1つの規制部は、底面部から上方に延びてもよい。少なくとも1つの規制部の高さは、閉状態のときの底面部から少なくとも1つの弾性部材までの寸法の半分以上であってもよい。この場合は、開状態において、携帯情報端末の移動を安定して規制できる。
【0015】
少なくとも1つの規制部は、底面部から少なくとも1つの弾性部材に近接する位置まで延びてもよい。この場合は、開状態において、携帯情報端末の移動をさらに安定して規制できる。
【0016】
少なくとも1つの規制部の車両上下方向の寸法は、内側側壁の車両上下方向の寸法の4分の1以上かつ4分の3以下であってもよい。この場合は、携帯情報端末の移動を安定して規制できるとともに、収納部への携帯情報端末の出し入れが容易になる。
【0017】
少なくとも1つの弾性部材は、蓋部に配置される第1弾性部材と、収納部の内側側壁に配置される第2弾性部材とを含んでもよい。この場合は、帯情報端末が収納部に収納された状態で蓋部を開けたときに、携帯情報端末が規制部に接触するまで携帯情報端末を第1弾性部材で支持できる。また、第2弾性部材の押圧力が開放される反動によって携帯情報端末が少なくとも1つの規制部まで移動し易くなる。携帯情報端末Tに車両からの振動が伝わることを第1弾性部材と第2弾性部材とによって効果的に抑制できる。
【0018】
収納部の車両前後方向の寸法は、収納部の車両上下方向の寸法及び収納部の車幅方向の寸法よりも大きくてもよい。この場合は、車両が車幅方向へ大きくなることを抑制しつつ、車両前後方向において収納部のスペースを確保できるので、蓋部を閉じていない状態でも携帯情報端末を収納部に安定して載置できる。
【0019】
少なくとも1つの規制部は、内側側壁と車幅方向に対向してもよい。少なくとも1つの規制部の車両前後方向の寸法は、収納部の車両前後方向の寸法よりも小さくてもよい。この場合は、収納部への携帯情報端末の出し入れが容易になる。
【0020】
収納部は、車両上下方向と交差する方向に延びる底面部をさらに含んでもよい。少なくとも1つの規制部は、底面部から上方に延びる第1規制部と、第1規制部から車両前後方向に離れて配置される第2規制部とを含んでもよい。この場合は、携帯情報端末の移動を安定して規制できる。
【0021】
収納部は、鞍乗型車両のシートよりも前方に配置され、鞍乗型車両のステアリング装置とともに回動しない部材に固定されてもよい。この場合は、車両に乗車した状態において、車両のバランスを取りながら収納ボックスに収納される携帯情報端末を容易に保持できる。携帯情報端末がステアリング装置の回動による影響を受けにくい。
【0022】
収納部は、鞍乗型車両のステアリング装置の側方に配置されてもよい。この場合は、車両に乗車した状態において、車両のバランスを取りながら収納ボックスに収納される携帯情報端末を容易に保持できる。
【0023】
軸部は、収納部の下方に配置されてもよい。この場合は、蓋部の開閉時において蓋部の上方への移動量を抑制することができる。
【0024】
収納ボックスは、蓋部と一体回動可能に蓋部の外側に固定される蓋カバーをさらに備えてもよい。蓋カバーは、鞍乗型車両の外装カバーの一部を構成するように配置されてもよい。この場合は、この場合は、収納ボックスが第三者から認識されにくいので、防犯性が高まるとともに、外観の向上を図ることができる。また、蓋カバーによって蓋部を保護できる。
【0025】
開口は、上方かつ車幅方向外側に向けて開口してもよい。この場合は、収納部への携帯情報端末の出し入れが容易になる。
【0026】
収納部は、鞍乗型車両のシートよりも前方に配置されてもよい。収納部は、少なくとも1つの規制部よりも後方に配置され開口の一部を画定する後面部をさらに含んでもよい。後面部は、車幅方向外側かつ下方に延びる縁部を含んでもよい。この場合は、車両に乗車した状態において、車両のバランスを取りながら収納部に容易にアクセスできる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、収納ボックスに収納される携帯情報端末を容易に保持できる鞍乗型車両の収納ボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図8】閉状態から開状態に移行したとの携帯情報端末の状態を説明するための図である。
【
図9】内側側壁の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して実施形態係る鞍乗型車両の収納ボックスについて説明する。
図1は、実施形態に係る収納ボックス30を備える鞍乗型車両1の側面図である。
図2は、鞍乗型車両1の正面図である。なお、以下の説明において、「前後」、「上下」、「左右」等の方向を示す用語は、鞍乗型車両1を運転する時の運転者から見た方向を基準として説明する。したがって、左右方向は、車幅方向と一致する。また、車幅方向外側とは、車幅方向において鞍乗型車両1の車幅方向の中心から遠い側を意味する。車幅方向内側とは、車幅方向において鞍乗型車両1の車幅方向の中心に近い側を意味する。
【0030】
本明細書において、車両前後方向(前方及び/又は後方)に延びるとは、車両上下方向及び車幅方向と直交する方向に延びることに限定されない。車両前後方向に延びるとは、車両上下方向及び/又は車幅方向に対して傾斜して延びる場合も含む。詳細には、車両前後方向とは、車両前後方向に近い方向も含む。車両前後方向に近い方向とは、例えば、車両前後方向とのなす角度のうち小さい方の角度が45度以下の方向である。車幅方向(左方/及び又は右方)及び車両上下方向(上方/及び又は下方)についても同様である。
【0031】
鞍乗型車両1は、車体フレーム2と、ステアリング装置3と、タンク状部材4と、シート5と、パワーユニット6と、前輪7と、後輪8とを含む。
【0032】
車体フレーム2は、ヘッドパイプ11と、メインフレーム12と、リアフレーム13とを含む。メインフレーム12は、ヘッドパイプ11に接続されている。メインフレーム12は、ヘッドパイプ11から後方へ延びている。リアフレーム13は、メインフレーム12に接続されている。リアフレーム13は、メインフレーム12から後方へ延びている。
【0033】
ステアリング装置3は、ヘッドパイプ11に回転可能に支持されている。ステアリング装置3は、前輪7を回転可能に支持している。ステアリング装置3は、ステアリングシャフト14と、ハンドル15と、右フロントフォーク16と、左フロントフォーク17と、アッパブラケット18とロアブラケット19を含む。
【0034】
ステアリングシャフト14は、ヘッドパイプ11に挿入されている。ハンドル15は、ヘッドパイプ11よりも上方に配置されている。ハンドル15は、ステアリングシャフト14に接続されている。ハンドル15は、左右方向に延びている。右フロントフォーク16及び左フロントフォーク17は、アッパブラケット18及びロアブラケット19を介してステアリングシャフト14に接続されている。右フロントフォーク16及び左フロントフォーク17は、前輪7を回転可能に支持している。
【0035】
タンク状部材4は、ヘッドパイプ11の後方に配置されている。タンク状部材4は、メインフレーム12に支持されている。本実施形態におけるタンク状部材4は、燃料タンクである。
図2では、タンク状部材4を模式的に示している。
【0036】
シート5は、タンク状部材4の後方に配置されている。シート5は、リアフレーム13の上方に配置されている。
【0037】
パワーユニット6は、タンク状部材4の下方に配置されている。パワーユニット6は、メインフレーム12に支持されている。パワーユニット6は、例えば内燃エンジンを含む。パワーユニット6は、駆動力を発生する。本実施形態では、パワーユニット6の駆動力は、後輪8に伝達される。
【0038】
後輪8は、メインフレーム12に支持されるスイングアーム9を介して、メインフレーム12に支持されている。後輪8は、スイングアーム9に回転可能に支持されている。後輪8は、パワーユニット6の駆動力によって駆動される。
【0039】
鞍乗型車両1は、ウィンドシールド20と、フロントカウル21と、右サイドカウル22と、左サイドカウル23と、右サイドカバー25(外装カバーの一例)と、左サイドカバー26とを含む。ウィンドシールド20は、フロントカウル21の上方に配置されている。
【0040】
フロントカウル21は、ヘッドパイプ11の前方に配置されている。右サイドカウル22は、ヘッドパイプ11の右方に配置されている。
図1に示すように、右サイドカウル22は、車両側面視で、右サイドカバー25から前方に延びている。右サイドカウル22は、車両側面視で、右サイドカバー25から下方に延びている。左サイドカウル23は、ヘッドパイプ11の左方に配置されている。左サイドカウル23は、車両側面視で、左サイドカバー26から前方に延びている。左サイドカウル23は、車両側面視で、左サイドカバー26から下方に延びている。
【0041】
右サイドカバー25は、右サイドカウル22に接続されている。右サイドカバー25は、右サイドカウル22の上方に配置されている。右サイドカバー25は、ヘッドパイプ11に対して車幅方向の一方側かつステアリング装置3の側方に配置されている。右サイドカバー25は、ヘッドパイプ11の右方に配置されている。右サイドカバー25は、車両側面視で、ヘッドパイプ11と重なる。右サイドカバー25は、ステアリング装置3から車幅方向に離れている。右サイドカバー25は、ステアリング装置3の右方に配置されている。右サイドカバー25は、車両側面視で、ステアリング装置3のステアリングシャフト14と重なる。右サイドカバー25は、図示しないブラケットを介して車体フレーム2に固定されている。右サイドカバー25は、タンク状部材4に固定されてもよい。
【0042】
右サイドカバー25は、車両前後方向に延びている。右サイドカバー25は、右サイドカウル22よりも後方に延びている。右サイドカバー25は、車両前後方向において、右サイドカウル22とタンク状部材4との間に配置されている。右サイドカバー25は、タンク状部材4の側方に配置されている。本実施形態では、右サイドカバー25の後部は、タンク状部材4の右側方に配置され、車両側面視でタンク状部材4と重なる。
【0043】
左サイドカバー26は、左サイドカウル23に接続されている。左サイドカバー26は、左サイドカウル23の上方に配置されている。左サイドカバー26は、ヘッドパイプ11に対して車幅方向の他方側かつステアリング装置3の側方に配置されている。左サイドカバー26は、ヘッドパイプ11の左方に配置されている。左サイドカバー26は、車両側面視で、ヘッドパイプ11と重なる。左サイドカバー26は、ステアリング装置3から車幅方向に離れている。左サイドカバー26は、ステアリング装置3の左方に配置されている。左サイドカバー26は、車両側面視で、ステアリング装置3のステアリングシャフト14と重なる。
【0044】
左サイドカバー26は、車両前後方向に延びている。左サイドカバー26は、左サイドカウル23よりも後方に延びている。左サイドカバー26は、車両前後方向において、左サイドカウル23とタンク状部材4との間に配置されている。左サイドカバー26は、タンク状部材4の側方に配置されている。本実施形態では、左サイドカバー26の後部は、タンク状部材4の左側方に配置され、車両側面視でタンク状部材4と重なる。
【0045】
図4は、収納ボックス30の斜視図である。
図5は、収納ボックス30の断面図である。
図6及び
図7は、収納ボックス30の部分斜視図である。収納ボックス30は、携帯情報端末Tを収納する。携帯情報端末Tは、例えば、スマートフォンである。
【0046】
収納ボックス30は、シート5よりも前方に配置されている。収納ボックス30は、ハンドル15の回転軌跡の下方に配置されている。収納ボックス30は、ヘッドパイプ11よりも右側に配置されている。収納ボックス30は、ヘッドパイプ11の右側方に配置されている。収納ボックス30は、車両側面視で、ヘッドパイプ11と重なる。
【0047】
収納ボックス30は、ステアリング装置3の右方に配置されている。収納ボックス30は、車両側面視で、ステアリング装置3のステアリングシャフト14と重なる。収納ボックス30は、ロアブラケット19よりも上方に配置されている。収納ボックス30は、右サイドカバー25に配置されている。収納ボックス30は、タンク状部材4よりも前方に配置されている。収納ボックス30は、車両側面視で、タンク状部材4と重ならない。収納ボックス30は、車両正面視で、タンク状部材4と重なる。
【0048】
収納ボックス30は、収納部31と、蓋部32と、上面部33と、対向部34と、少なくとも1つの弾性部材35と、軸部36と、軸支持部37と、蓋カバー38とを含む。なお、
図4では、蓋カバー38の図示が省略されている。
【0049】
収納部31は、ステアリング装置3の右方に配置されている。収納部31は、ステアリング装置3とともに回動しない部材に固定されている。収納部31は、右サイドカバー25に固定されている。収納部31の車両前後方向の寸法は、収納部31の車両上下方向の寸法及び収納部31の車幅方向の寸法よりも大きい。収納部31の車両上下方向の寸法は、収納部31の車幅方向の寸法よりも大きい。
【0050】
収納部31は、開口41と、底面部42と、内側側壁43と、前面部44と、後面部45と、少なくとも1つの規制部46と、取付部47と、排水孔48(
図7参照)とを含む。
【0051】
開口41は、携帯情報端末Tを出し入れするための開口であり、上方かつ車幅方向外側に向けて開口している。開口41は、内側側壁43と前面部44と後面部45とによって画定されている。
【0052】
収納部31は、蓋部32が開かれた状態において、上方が開放されている。収納部31は、蓋部32が開かれた状態において、少なくとも1つの規制部46を除いて車幅方向外側が開放されている。なお、以下の説明において、蓋部32が開かれた状態を開状態と称し、蓋部32が閉じられた状態を閉状態と称する。すなわち、開状態とは、開口41が開かれた状態を意味し、閉状態とは、開口41が閉じられた状態を意味する。
図4は、開状態を示しており、
図5は、閉状態を示している。
【0053】
底面部42は、携帯情報端末Tが載置される部分である。携帯情報端末Tは、携帯情報端末Tの長手方向が車両前後方向となるように底面部42に載置される。携帯情報端末Tは、携帯情報端末Tの幅方向の側面が底面部42に載置される。底面部42は、ヘッドパイプ11の側方に配置されている。底面部42は、車両上下方向と交差する方向に延びている。底面部42は、略水平方向に延びている。底面部42の車両前後方向の寸法は、底面部42の車幅方向の寸法よりも大きい。底面部42は、前方に向かって下るように傾斜している。底面部42は、後方から前方に向かってヘッドパイプ11に近づく方向に延びている。底面部42は、後端よりも前端が車幅方向内側に位置する。底面部42の前端は、右サイドカバー25の前端よりも後方に位置する。底面部42の後端は、ヘッドパイプ11よりも後方に位置する。底面部42の後端は、右サイドカバー25の後端よりも前方に位置する。
【0054】
内側側壁43は、車幅方向と交差する方向に延びている。内側側壁43は、略車両上下方向及び車両前後方向に延びている。内側側壁43は、車両前後方向において、前面部44と後面部45との間に配置されている。内側側壁43は、底面部42と前面部44と後面部45とに接続されている。内側側壁43は、底面部42の車幅方向内側から上方に延びている。内側側壁43は、後方から前方に向かってヘッドパイプ11に近づく方向に延びている。内側側壁43は、後端よりも前端が車幅方向内側に位置する。内側側壁43は、閉状態において、蓋部32と車幅方向に対向する。
【0055】
前面部44は、車両前後方向と交差する方向に延びている。前面部44は、底面部42の前端から上方に延びている。前面部44は、内側側壁43の前端から車幅方向外側に延びている。
【0056】
後面部45は、車両前後方向と交差する方向に延びている。後面部45は、前面部44と車両前後方向に対向する。後面部45は、底面部42の後端から上方に延びている。後面部45は、内側側壁43の後端から車幅方向外側に延びている。後面部45は、ヘッドパイプ11よりも後方に位置する。後面部45は、右サイドカバー25の後端よりも前方に位置する。後面部45は、少なくとも1つの規制部46よりも後方に配置されている。後面部45は、開口41の一部を画定する。後面部45は、車幅方向外側かつ下方に延びる縁部45aを含む。縁部45aは、後面部45の車幅方向外側の上端に配置されている。縁部45aは、開口41の一部を画定する。
【0057】
少なくとも1つの規制部46は、底面部42に載置された携帯情報端末Tが車幅方向外側に移動することを規制する。内側側壁43と少なくとも1つの規制部46との間には、開状態のときに、携帯情報端末Tが少なくとも1つの規制部46に向けて傾くことを許容する空間が形成されている。
【0058】
収納部31は、内側側壁43と少なくとも1つの規制部46との間で携帯情報端末Tを立てた状態で収納する。携帯情報端末Tを立てた状態とは、携帯情報端末Tの側面が底面部42に載置された状態を意味する。本実施形態では、収納部31は、携帯情報端末Tの幅方向の側面が底面部42に載置された状態で携帯情報端末Tを収納する。収納部31は、携帯情報端末Tの長手方向の側面が底面部42に載置された状態で携帯情報端末Tを収納する構成であってもよい。
【0059】
図5に示すように、少なくとも1つの規制部46は、閉状態において携帯情報端末Tから離れている。少なくとも1つの規制部46は、蓋部32が
図5に示す閉状態から
図4に示す開状態に移行したときに、携帯情報端末Tの前面側又は背面側に接触して携帯情報端末Tの移動を規制する。詳細には、
図8に模式的に示すように、蓋部32が閉状態から開状態に移行したときに、携帯情報端末Tは、少なくとも1つの弾性部材35の押圧力が開放される反動によって少なくとも1つの規制部46に向かって倒れて、少なくとも1つの規制部46まで移動する。そして、携帯情報端末Tの前面側又は背面側が少なくとも1つの規制部46に接触することで、携帯情報端末Tの移動が規制される。すなわち、開状態では、携帯情報端末Tは、少なくとも上部が内側側壁43から離れ、少なくとも1つの規制部46によって内側側壁43に対して傾いた状態で保持される。
【0060】
少なくとも1つの規制部46は、内側側壁43よりも車幅方向外側に配置されている。少なくとも1つの規制部46は、内側側壁43と車幅方向に対向する。少なくとも1つの規制部46の車両上下方向の寸法は、内側側壁43の車両上下方向の寸法の4分の1以上かつ4分の3以下であることが好ましい。少なくとも1つの規制部46の車両前後方向の寸法は、収納部31の車両前後方向の寸法よりも小さいことが好ましい。
【0061】
少なくとも1つの規制部46は、第1規制部46aと、第2規制部46bとを含む。第1規制部46aは、底面部42から上方に延びている。第1規制部46aは、内側側壁43の上端よりも下方に配置されている。第1規制部46aの車両上下方向の寸法は、内側側壁43の車両上下方向の寸法の4分の1以上かつ4分の3以下である。第1規制部46aの車両前後方向の寸法は、収納部31の車両前後方向の寸法よりも小さい。第1規制部46aの車両前後方向の寸法は、内側側壁43の車両前後方向の寸法よりも小さい
【0062】
第2規制部46bは、第1規制部46aから車両前後方向に離れて配置されている。第2規制部46bは、第1規制部46aよりも前方に配置されている。第2規制部46bは、底面部42から上方に延びて前面部44に接続されている。第2規制部46bの上縁は、後方かつ下方に延びている。第2規制部46bの車両上下方向の寸法は、内側側壁43の車両上下方向の寸法の4分の1以上かつ4分の3以下である。第2規制部46bの車両前後方向の寸法は、内側側壁43の車両前後方向の寸法よりも小さい
【0063】
取付部47は、図示しない電源供給装置を取り付けるための部分である。電源供給装置は、例えば、アクセサリーソケットとしての電源ソケットである。電源供給装置は、携帯情報端末Tと、鞍乗型車両1に搭載される電子機器とを相互にデータ通信可能に接続してもよい。取付部47は、内側側壁43の後部を車幅方向内側に膨出させて形成されている。取付部47は、電源供給装置が取り付けられる取付孔47aを含む。取付孔47aは、底面部42よりも車幅方向内側に配置されている。取付孔47aは、上面部33の下方に配置されている。
【0064】
図7に示すように、排水孔48は、底面部42に配置されている。排水孔48は、底面部42の車幅方向内側の前角部に形成されている。
【0065】
底面部42の上面、前面部44の後面、後面部45の前面及び蓋部32の内面のそれぞれには、それぞれクッション材50が配置されている。
【0066】
蓋部32は、開口41を開閉する。蓋部32は、閉状態と開状態とに移行可能である。蓋部32は、閉状態において、底面部42と、内側側壁43と、前面部44と、後面部45と、上面部33とを覆う。蓋部32は、軸部36に回動可能に支持されている。蓋部32は、
図4に示す開位置と、
図5に示す閉位置との間で回動可能である。蓋部32の回動範囲は、20°~30°程度に設定されている。なお、蓋部32の回動範囲は、45°以下であることが好ましい。蓋部32は、右サイドカバー25に対して回動可能である。
【0067】
蓋部32は、収納部31に対して車幅方向外側に開くように構成されている。蓋部32は、内側側壁43に対して車幅方向外側に開くように構成されている。蓋部32は、閉位置から開位置に移動するときに、車幅方向外側に開かれる。蓋部32は、閉状態から開状態に移行するときの携帯情報端末Tが倒れる方向に開くように構成されている。すなわち、蓋部32は、閉状態から開状態に移行したときに、内側側壁43に対して携帯情報端末Tと同じ方向に傾く。
図4及び
図5に示すように、開位置における蓋部32の上部は、閉位置における蓋部32の上部よりも車幅方向外側に位置する。蓋部32は、収納部31の下方に配置される図示しないヒンジばねによって開位置に向けて付勢されている。
【0068】
図5に示すように、蓋部32は、壁部32aと、庇部32bと、被係止部32cとを含む。壁部32aは、閉状態において、車幅方向と交差する方向に延びている。壁部32aは、閉状態において、内側側壁43と車幅方向に対向する。庇部32bは、壁部32aの上端から車幅方向内側に延びている。庇部32bは、閉状態において、上面部33を覆う。庇部32bの車幅方向内側の先端部321bは、閉状態において、内側側壁43よりも車幅方向内側に位置する。被係止部32cは、庇部32bの先端部321bの下面に形成されている。被係止部32cは、庇部32bの先端部321bの下面から下方に延びている。被係止部32cは、車幅方向外側から車幅方向内側に向かって凹む形状を有している。
【0069】
上面部33は、車両上下方向と交差する方向に延びている。上面部33は、収納部31から蓋部32が閉じる方向に延びている。上面部33は、収納部31から車幅方向内側に延びている。上面部33は、収納部31の内側側壁43の上端付近において、内側側壁43から車幅方向内側に延びている。上面部33は、内側側壁43の上端43aよりも下方に配置されている。上面部33は、内側側壁43の上端43aよりも下方に配置されている。内側側壁43の上端43aは、上面部33よりも上方に突出している。これにより、上面部33と内側側壁43との間には、段差が形成されている。上面部33は、閉状態において、庇部32bの下方に配置され、庇部32bに覆われる。
【0070】
上面部33は、貫通孔33aと、複数の排水孔33bとを含む。貫通孔33a及び複数の排水孔33bは、対向部34と収納部31との間に配置されている。貫通孔33a及び複数の排水孔33bは、対向部34と内側側壁43との間に配置されている。貫通孔33a及び複数の排水孔33bは、上面部33を車両上下方向に貫通する孔である。貫通孔33aは、車両前後方向における上面部33中央付近に形成されている。複数の排水孔33bは、貫通孔33aの前方及び後方に形成されている。
【0071】
対向部34は、上面部33に接続されている。対向部34は、上面部33から上方に延びている。対向部34は、複数の排水孔33bよりも車幅方向内側に配置されている。対向部34は、閉状態において、庇部32bの先端部321bに対向する。対向部34と庇部32bの先端部321bとの間には、閉状態において、対向部34と庇部32bの先端部321bとの隙間をシールするシール部材40が配置されている。シール部材40は、対向部34に固定されている。シール部材40は、庇部32bの先端部321bに固定されてもよい。
図7に示すように、対向部34の車幅方向内側には、上面部33と対向部34とに接続される複数のリブ51が形成されている。
【0072】
少なくとも1つの弾性部材35は、蓋部32又は内側側壁43の少なくとも一方に配置されている。少なくとも1つの弾性部材35は、閉状態において、蓋部32又は内側側壁43との間で携帯情報端末Tを携帯情報端末Tの厚さ方向に押圧して携帯情報端末Tを収納部31に保持する。本実施形態では、少なくとも1つの弾性部材35は、閉状態において、携帯情報端末Tを車幅方向に押圧する。少なくとも1つの弾性部材35は、例えば、ウレタン、ゴムなどの素材で形成されている。
【0073】
少なくとも1つの弾性部材35は、第1弾性部材35aと、第2弾性部材35bとを含む。第1弾性部材35aは、蓋部32に配置されている。第1弾性部材35aは、蓋部32の壁部32aの内面に固定されている。第1弾性部材35aは、閉状態において、第1規制部46aの上方に配置されている。第1弾性部材35aは、閉状態において、車両上下方向における内側側壁43の中心と同じ高さに少なくとも一部が配置されている。第1弾性部材35aは、閉状態において、車両側面視で、内側側壁43の高さ中心と重なる。第1弾性部材35aは、閉状態かつ収納部31に携帯情報端末Tが収納された状態において、携帯情報端末Tの長手方向に延びている。本実施形態では、第1弾性部材35aは、車両前後方向に延びている。
【0074】
ここで、
図5に示すように、第1規制部46aは、底面部42から第1弾性部材35aに近接する位置まで延びている。第1規制部46aは、閉状態において、第1弾性部材35aの下方に配置されている。第1規制部46aの高さは、閉状態のときの底面部42から第1弾性部材35aまでの寸法の半分以上である。第2規制部46bの一部は、第1弾性部材35aよりも上方に配置されている。
【0075】
第2弾性部材35bは、内側側壁43に配置されている。第2弾性部材35bは、内側側壁43の車幅方向外側の面に固定されている。第2弾性部材35bは、閉じた状態において、第1弾性部材35aと車幅方向に対向する。第2弾性部材35bは、車両上下方向における内側側壁43の中心と同じ高さに少なくとも一部が配置されている。第2弾性部材35bは、閉状態において、車両側面視で、内側側壁43の高さ中心と重なる。第2弾性部材35bは、収納部31に携帯情報端末Tが収納された状態において、携帯情報端末Tの長手方向に延びている。本実施形態では、第2弾性部材35bは、車両前後方向に延びている。
【0076】
軸部36は、蓋部32を回動可能に支持する。軸部36は、車両前後方向に延びている。本実施形態における軸部36は、車両上下方向及び車幅方向に対して傾斜して延びている。軸部36は、車両後方から車両前方に向かって車幅方向内側かつ下方に傾斜して延びている。なお、軸部36は、車両前後方向に平行に延びていてもよいし、車両上下方向及び車幅方向の一方に対して傾斜して延びていてもよい。
【0077】
軸部36は、収納部31の下方に配置されている。軸部36は、車両平面視で、収納部31と重なる。軸部36は、軸支持部37に支持されている。軸部36は、内側側壁43よりも車幅方向外側に配置されている。
【0078】
軸支持部37は、収納部31の下方に配置されている。軸支持部37は、底面部42の下部に形成されている。
【0079】
蓋カバー38は、蓋部32と一体回動可能に蓋部32の外側に固定されている。蓋カバー38は、例えば、蓋部32の内側から樹脂リベットを差し込むことで蓋部32に固定されている。蓋カバー38は、車両側面視で、右サイドカバー25の一部を構成するように配置されている。蓋カバー38は、例えば、右サイドカバー25との境界部分が右サイドカバー25と面一になるように配置されている。
【0080】
鞍乗型車両1は、
図5に示すように、開閉機構60と、操作部材62とを含む。開閉機構60は、蓋部32が閉位置に移動したときに、蓋部32を閉状態に維持する。開閉機構60は、操作部材62の操作に応じて閉状態を解除する。
【0081】
開閉機構60は、
図4及び
図5に示すように、係止突起60aを含む。係止突起60aは、貫通孔33aに対して進退可能に配置されている。係止突起60aは、図示しない付勢部材によって上方に向けて付勢されている。係止突起60aは、閉状態において、貫通孔33aから上方に突出し、蓋部32の被係止部32cに係合する。これにより、蓋部32の開位置への移動が規制され、蓋部32は、閉状態に維持される。一方、操作部材62が操作されると、係止突起60aは、貫通孔33aに引き込まれる。閉状態において操作部材62が操作されると、蓋部32の被係止部32cは、係止突起60aから解放される。これにより、蓋部32は、閉位置から開位置に移動する。
【0082】
係止突起60aは、傾斜面601aを含む。傾斜面601aは、係止突起60aの上面に形成されている。傾斜面601aは、車幅方向外側に向かって下方に傾斜している。蓋部32の開位置から閉位置に移動するときに、蓋部32の庇部32bの先端部321bは、車幅方向外側から傾斜面601aに接触する。これにより、係止突起60aは、下方に押圧されて貫通孔33aに引き込まれる。蓋部32の被係止部32cが係止突起60aを車幅方向内側に乗り越えると、係止突起60aは、蓋部32の被係止部32cに係合して、蓋部32の開位置への移動を規制する。
【0083】
操作部材62は、蓋部32を開動作させるための操作部材である。操作部材62は、係止突起60aを貫通孔33aに引き込むための操作部材である。操作部材62は、開閉機構60に連結されている。操作部材62は、押圧操作可能な操作部材である。操作部材62は、例えば、車幅方向内側から車幅方向外側に向かって押圧可能な押しボタンである。操作部材62は、収納部31の車幅方向内側の外面に配置されている。
【0084】
本態様に係る鞍乗型車両1の収納ボックス30では、収納ボックス30の蓋部32を閉じた状態において、収納ボックス30の収納部31に収納される携帯情報端末Tは、少なくとも1つの弾性部材35によって携帯情報端末Tの厚さ方向に押圧されて収納部31に保持される。これにより、収納ボックス30の蓋部32を回動させるだけの簡単な操作で携帯情報端末Tを保持できるので、例えば、車両に乗車した状態において、車両のバランスを取りながら収納ボックス30に収納される携帯情報端末Tを容易に保持できる。
【0085】
携帯情報端末Tは、内側側壁43と少なくとも1つの規制部46との間で立てた状態で収納され、内側側壁43と少なくとも1つの規制部46との間には、蓋部32を開いた状態のときに、携帯情報端末Tが少なくとも1つの規制部46に向けて傾くことを許容する空間が形成されている。このため、例えば、車両に乗車した状態で収納部31への携帯情報端末Tの出し入れが容易になる。
【0086】
内側側壁43は、略車両上下方向に延びているので、蓋部32が閉状態から開状態に移行したときに、携帯情報端末Tを押圧する少なくとも1つの弾性部材35の押圧力が開放される反動によって、携帯情報端末Tを少なくとも1つの規制部46まで移動させることが可能になる。このため、例えば、車両に乗車した状態で蓋部32を開けたときに、携帯情報端末Tを収納部31から取り出しやすい。
【0087】
第1弾性部材35aは、蓋部32に配置されているので、蓋部32が開状態から閉状態に移行するときに、携帯情報端末Tが少なくとも1つの規制部46に接触するまで携帯情報端末Tを第1弾性部材35aで支持できる。また、軸部36は、収納部31の下方に配置されているので、開状態において、携帯情報端末Tが収納部31から抜け落ちた場合でも、蓋部32によって携帯情報端末Tが収納ボックス30から脱落することを抑制できる。
【0088】
収納ボックス30は、ステアリング装置3とともに回動しない部材に固定されているので、車両に乗車した状態において、車両のバランスを取りながら収納ボックス30に収納される携帯情報端末Tを容易に保持できる。また、携帯情報端末Tがステアリング装置3の回動による影響を受けにくい。
【0089】
開口41は、上方かつ車幅方向外側に向けて開口しており、少なくとも1つの規制部46は、収納部31の車幅方向の全体に設けられていないので、収納部31において、携帯情報端末Tの出し入れが容易にできる。
【0090】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0091】
収納ボックス30の配置は、変更されてもよい。左サイドカバー26に配置されてもよい。収納部31の構成は変更されてもよい。開閉機構60及び操作部材62の構成は変更されてもよい。
【0092】
鞍乗型車両1は、電動式の鞍乗型車両であってもよい。この場合、パワーユニット6は、電動モータを含み、タンク状部材4は、バッテリを含んでもよい。バッテリは、タンク状部材4に収納されてもよい。
【0093】
鞍乗型車両1は、スクータ型の車両であってもよい。この場合、軸部36は車幅方向に延び、収納ボックス30の少なくとも一部は、例えば、シート5の前方に配置されるレッグシールドに配置されてもよい。
【0094】
蓋カバー38は、省略されてもよい。この場合、収納ボックス30の蓋部32は、車両側面視で右サイドカバー25の一部を構成するように配置されてもよい。
【0095】
第1弾性部材35a及び第2弾性部材35bの一方は、省略されてもよい。例えば、第1弾性部材35aが省略される場合、蓋部32の壁部32aの内面が携帯情報端末Tに接触するように構成されてもよい。
【0096】
図9に示すように、内側側壁43は、下方から上方に向かって少なくとも1つの規制部46に近づく方向に延びていてもよい。すなわち、収納ボックス30は、閉状態から開状態に移行したときに、内側側壁43の傾きによって携帯情報端末Tを少なくとも1つの規制部46まで移動させる構成であってもよい。内側側壁43の傾きは、第2弾性部材35bの厚みを変化させることで実現されてもよい。この場合は、閉状態から開状態に移行したときに、携帯情報端末Tを少なくとも1つの規制部46まで容易に移動させることができる。或いは、底面部42上面は、少なくとも1つの規制部46に近づくにつれて下方に傾斜していてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 鞍乗型車両
3 ステアリング装置
5 シート
25 右サイドカバー(外装カバーの一例)
30 収納ボックス
31 収納部
32 蓋部
34 内側側壁
35 弾性部材
36 軸部
38 蓋カバー
41 開口
42 底面部
45 後面部
45a 縁部
46 規制部
T 携帯情報端末