(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093937
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】人力駆動車用の制御装置
(51)【国際特許分類】
B62M 6/45 20100101AFI20240702BHJP
B62J 43/13 20200101ALI20240702BHJP
B62J 50/21 20200101ALI20240702BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20240702BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B62M6/45
B62J43/13
B62J50/21
B60L3/00 N
B60L15/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210598
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】土澤 康弘
(72)【発明者】
【氏名】野田 慎一朗
(72)【発明者】
【氏名】中村 一良
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA18
5H125AB03
5H125AC12
5H125BA00
5H125BC09
5H125CA01
5H125CD02
5H125EE08
5H125EE09
5H125EE22
5H125EE23
5H125EE25
5H125EE27
5H125EE29
5H125EE51
(57)【要約】
【課題】モータを好適に制御できる人力駆動車用の制御装置を提供する。
【解決手段】人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータを、第1制御状態、および、第2制御状態のいずれかにおいて制御するように構成される制御部を備え、前記制御部は、前記第2制御状態において、前記モータの出力に関する上限値が、前記第1制御状態における前記上限値よりも大きくなるように前記モータを制御するように構成され、操作装置の操作情報以外の予め定める情報に基づいて、前記第2制御状態の継続可能時間、前記第2制御状態への変更可能回数、および、前記第2制御状態における前記上限値の少なくとも1つを制限するように構成され、前記上限値は、前記モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対する前記モータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータを、第1制御状態、および、第2制御状態のいずれかにおいて制御するように構成される制御部を備え、
前記制御部は、
前記第2制御状態において、前記モータの出力に関する上限値が、前記第1制御状態における前記上限値よりも大きくなるように前記モータを制御するように構成され、
操作装置の操作情報以外の予め定める情報に基づいて、前記第2制御状態の継続可能時間、前記第2制御状態への変更可能回数、および、前記第2制御状態における前記上限値の少なくとも1つを制限するように構成され、
前記上限値は、前記モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対する前記モータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを含む、制御装置。
【請求項2】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータを、第1制御状態、および、第2制御状態のいずれかにおいて制御するように構成される制御部を備え、
前記制御部は、
前記第2制御状態において、前記モータの出力に関する上限値が、前記第1制御状態における前記上限値よりも大きくなるように前記モータを制御するように構成され、
予め定める情報に基づいて、前記第2制御状態への変更可能回数を制限するように構成され、
前記上限値は、前記モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対する前記モータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを含む、制御装置。
【請求項3】
前記第1上限値は、前記モータのトルクの上限値、前記モータの仕事率の上限値、および、前記モータの回転速度の上限値の少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記予め定める情報は、前記人力駆動車に関する情報を含む、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記人力駆動車に関する情報は、前記人力駆動車に加えられる人力駆動力の積算値、前記モータの使用時間の積算値、前記人力駆動車に搭載されるコンポーネントの振動、前記コンポーネントから生じる音、および、前記コンポーネントの劣化状態の少なくとも1つを含む、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記コンポーネントは、前記モータが設けられるドライブユニットを含む、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記人力駆動車に加えられる人力駆動力の積算値、前記モータの使用時間の積算値、前記ドライブユニットの振動、および、前記ドライブユニットから生じる音の少なくとも1つに応じて、前記ドライブユニットの劣化状態を判定するように構成される、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
第1報知部をさらに備え、
前記制御部は、前記ドライブユニットの劣化状態をユーザに報知するように、前記第1報知部を制御するように構成される、請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記人力駆動車に関する情報は、前記モータに電力を供給するバッテリに関する情報を含む、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記バッテリに関する情報は、前記バッテリの電流値、前記バッテリの電圧値、前記バッテリの放電時間の積算値、前記バッテリの温度、前記バッテリの給電可能残量、および、前記バッテリの劣化状態の少なくとも1つを含む、請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記電流値、および、前記温度に基づいて、前記バッテリの劣化状態を判定するように構成される、請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記バッテリの劣化状態は、前記バッテリの許容放電量に関する、請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
第2報知部をさらに備え、
前記制御部は、前記バッテリの劣化状態をユーザに報知するように、前記第2報知部を制御するように構成される、請求項11に記載の制御装置。
【請求項14】
前記ドライブユニットは、前記モータの駆動力、および、前記人力駆動車に加えられる人力駆動力の少なくとも1つを受ける動力部品をさらに含み、
前記ドライブユニットの振動は、前記モータの振動、および、前記動力部品の振動の少なくとも1つを含む、請求項7に記載の制御装置。
【請求項15】
前記ドライブユニットから生じる音は、前記モータの音、および、前記動力部品の音の少なくとも1つを含む、請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
前記ドライブユニットの劣化状態は、前記モータの劣化状態、および、前記動力部品の劣化状態の少なくとも1つを含む、請求項14に記載の制御装置。
【請求項17】
前記動力部品は、歯車、ベルト、プーリ、ベアリング、および、ワンウェイクラッチの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の制御装置。
【請求項18】
記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、前記予め定める情報と、前記第2制御状態の継続可能時間、および、前記第2制御状態への変更可能回数の少なくとも1つとを対応づけた情報を記憶可能に構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記人力駆動車の加速抵抗に応じて、制御状態を前記第1制御状態から前記第2制御状態に切り替えるように構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項20】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータを制御するように構成される制御部を備え、
前記制御部は、前記モータが設けられるドライブユニットの状態、および、前記モータに電力を供給するバッテリの劣化状態の少なくとも1つに応じて、前記モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対する前記モータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを変更するように構成される、制御装置。
【請求項21】
前記ドライブユニットの状態は、前記ドライブユニットの振動、前記ドライブユニットから生じる音、および、前記ドライブユニットの劣化状態の少なくとも1つを含む、請求項20に記載の制御装置。
【請求項22】
前記ドライブユニットは、前記モータの駆動力、および、前記人力駆動車に加えられる人力駆動力の少なくとも1つを受ける動力部品をさらに含み、
前記ドライブユニットの振動は、前記モータの振動、および、前記動力部品の振動の少なくとも1つを含む、請求項21に記載の制御装置。
【請求項23】
前記ドライブユニットから生じる音は、前記モータの音、および、前記動力部品の音の少なくとも1つを含む、請求項22に記載の制御装置。
【請求項24】
前記ドライブユニットの劣化状態は、前記モータの劣化状態、および、前記動力部品の劣化状態の少なくとも1つを含む、請求項22に記載の制御装置。
【請求項25】
前記動力部品は、歯車、ベルト、プーリ、ベアリング、および、ワンウェイクラッチの少なくとも1つを含む、請求項22に記載の制御装置。
【請求項26】
前記第1上限値は、前記モータのトルクの上限値、前記モータの仕事率の上限値、および、前記モータの回転速度の上限値の少なくとも1つを含む、請求項20に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるモータは、人力駆動車に推進力を付与するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、モータを好適に制御できる人力駆動車用の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータを、第1制御状態、および、第2制御状態のいずれかにおいて制御するように構成される制御部を備え、前記制御部は、前記第2制御状態において、前記モータの出力に関する上限値が、前記第1制御状態における前記上限値よりも大きくなるように前記モータを制御するように構成され、操作装置の操作情報以外の予め定める情報に基づいて、前記第2制御状態の継続可能時間、前記第2制御状態への変更可能回数、および、前記第2制御状態における前記上限値の少なくとも1つを制限するように構成され、前記上限値は、前記モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対する前記モータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを含む。
第1側面の制御装置によれば、制御部は、操作装置の操作情報以外の予め定める情報に基づいて、第2制御状態の継続可能時間、第2制御状態への変更可能回数、および、第2制御状態におけるモータの出力に関する上限値の少なくとも1つを制限する。したがって、制御装置は、モータを好適に制御できる。
【0006】
本開示の第2側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータを、第1制御状態、および、第2制御状態のいずれかにおいて制御するように構成される制御部を備え、前記制御部は、前記第2制御状態において、前記モータの出力に関する上限値が、前記第1制御状態における前記上限値よりも大きくなるように前記モータを制御するように構成され、予め定める情報に基づいて、前記第2制御状態への変更可能回数を制限するように構成され、前記上限値は、前記モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対する前記モータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを含む。
第2側面の制御装置によれば、制御部は、予め定める情報に基づいて、第2制御状態への変更可能回数を制限する。したがって、制御装置は、モータを好適に制御できる。
【0007】
本開示の第1または第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記第1上限値は、前記モータのトルクの上限値、前記モータの仕事率の上限値、および、前記モータの回転速度の上限値の少なくとも1つを含む。
第3側面の制御装置によれば、制御部は、第2制御状態において、モータのトルクの上限値が、第1制御状態のモータのトルクの上限値よりも大きくなるように、モータを制御できる。第3側面の制御装置によれば、制御部は、第2制御状態において、モータの仕事率の上限値が、第1制御状態のモータの仕事率の上限値よりも大きくなるように、モータを制御できる。第3側面の制御装置によれば、制御部は、第2制御状態において、モータの回転速度の上限値が、第1制御状態のモータの回転速度の上限値よりも大きくなるように、モータを制御できる。
【0008】
本開示の第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面の制御装置において、前記予め定める情報は、前記人力駆動車に関する情報を含む。
第4側面の制御装置によれば、制御部は、人力駆動車に関する情報に基づいて、第2制御状態に関する制限を実行できる。
【0009】
本開示の第4側面に従う第5側面の制御装置において、前記人力駆動車に関する情報は、前記人力駆動車に加えられる人力駆動力の積算値、前記モータの使用時間の積算値、前記人力駆動車に搭載されるコンポーネントの振動、前記コンポーネントから生じる音、および、前記コンポーネントの劣化状態の少なくとも1つを含む。
第5側面の制御装置によれば、制御部は、人力駆動車に加えられる人力駆動力の積算値、モータの使用時間の積算値、人力駆動車に搭載されるコンポーネントの振動、コンポーネントから生じる音、および、コンポーネントの劣化状態の少なくとも1つに基づいて、第2制御状態に関する制限を実行できる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面の制御装置において、前記コンポーネントは、前記モータが設けられるドライブユニットを含む。
第6側面の制御装置によれば、制御部は、人力駆動車に加えられる人力駆動力の積算値、モータの使用時間の積算値、ドライブユニットの振動、ドライブユニットから生じる音、および、ドライブユニットの劣化状態の少なくとも1つに基づいて、第2制御状態に関する制限を実行できる。
【0011】
本開示の第6側面に従う第7側面の制御装置において、前記制御部は、前記人力駆動車に加えられる人力駆動力の積算値、前記モータの使用時間の積算値、前記ドライブユニットの振動、および、前記ドライブユニットから生じる音の少なくとも1つに応じて、前記ドライブユニットの劣化状態を判定するように構成される。
第7側面の制御装置によれば、制御部は、人力駆動車に加えられる人力駆動力の積算値、モータの使用時間の積算値、ドライブユニットの振動、および、ドライブユニットから生じる音の少なくとも1つに応じて、ドライブユニットの劣化状態を判定できる。
【0012】
本開示の第7側面に従う第8側面の制御装置において、第1報知部をさらに備え、前記制御部は、前記ドライブユニットの劣化状態をユーザに報知するように、前記第1報知部を制御するように構成される。
第8側面の制御装置によれば、ユーザが第1報知部によってドライブユニットの劣化状態を把握できるため、制御装置はユーザビリティに貢献できる。
【0013】
本開示の第4から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の制御装置において、前記人力駆動車に関する情報は、前記モータに電力を供給するバッテリに関する情報を含む。
第9側面の制御装置によれば、制御部は、バッテリに関する情報に基づいて、第2制御状態に関する制限を実行できる。
【0014】
本開示の第9側面に従う第10側面の制御装置において、前記バッテリに関する情報は、前記バッテリの電流値、前記バッテリの電圧値、前記バッテリの放電時間の積算値、前記バッテリの温度、前記バッテリの給電可能残量、および、前記バッテリの劣化状態の少なくとも1つを含む。
第10側面の制御装置によれば、制御部は、バッテリに関する情報は、バッテリの電流値、バッテリの電圧値、バッテリの放電時間の積算値、バッテリの温度、バッテリの給電可能残量、および、バッテリの劣化状態の少なくとも1つに基づいて、第2制御状態を制限できる。
【0015】
本開示の第10側面に従う第11側面の制御装置において、前記制御部は、前記電流値、および、前記温度に基づいて、前記バッテリの劣化状態を判定するように構成される。
第11側面の制御装置によれば、制御部は、バッテリの電流値、および、バッテリの温度に基づいて、バッテリの劣化状態を判定できる。
【0016】
本開示の第11側面に従う第12側面の制御装置において、前記バッテリの劣化状態は、前記バッテリの許容放電量に関する。
第12側面の制御装置によれば、制御部は、バッテリの許容放電量に基づくバッテリの劣化状態を判定できる。
【0017】
本開示の第11または第12側面に従う第13側面の制御装置において、第2報知部をさらに備え、前記制御部は、前記バッテリの劣化状態をユーザに報知するように、前記第2報知部を制御するように構成される。
第13側面の制御装置によれば、ユーザが第2報知部によってバッテリの劣化状態を把握できるため、制御装置はユーザビリティに貢献できる。
【0018】
本開示の第7または第8側面に従う第14側面の制御装置において、前記ドライブユニットは、前記モータの駆動力、および、前記人力駆動車に加えられる人力駆動力の少なくとも1つを受ける動力部品をさらに含み、前記ドライブユニットの振動は、前記モータの振動、および、前記動力部品の振動の少なくとも1つを含む。
第14側面の制御装置によれば、制御部は、モータの振動、および、動力部品の振動の少なくとも1つに基づいて、ドライブユニットの劣化状態を判定できる。
【0019】
本開示の第14側面に従う第15側面の制御装置において、前記ドライブユニットから生じる音は、前記モータの音、および、前記動力部品の音の少なくとも1つを含む。
第15側面の制御装置によれば、制御部は、モータの音、および、動力部品の音の少なくとも1つに基づいて、ドライブユニットの劣化状態を判定できる。
【0020】
本開示の第14または15側面に従う第16側面の制御装置において、前記ドライブユニットの劣化状態は、前記モータの劣化状態、および、前記動力部品の劣化状態の少なくとも1つを含む。
第16側面の制御装置によれば、制御部は、人力駆動車に加えられる人力駆動力の積算値、モータの使用時間の積算値、ドライブユニットの振動、および、ドライブユニットから生じる音の少なくとも1つに応じて、モータの劣化状態、および、動力部品の劣化状態の少なくとも1つを判定できる。
【0021】
本開示の第14から第16側面のいずれか1つに従う第17側面の制御装置において、前記動力部品は、歯車、ベルト、プーリ、ベアリング、および、ワンウェイクラッチの少なくとも1つを含む。
第17側面の制御装置によれば、制御部は、歯車、ベルト、プーリ、ベアリング、および、ワンウェイクラッチの少なくとも1つの状態に基づいて、ドライブユニットの劣化状態を判定できる。
【0022】
本開示の第1から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の制御装置において、記憶部をさらに備え、前記記憶部は、前記予め定める情報と、前記第2制御状態の継続可能時間、および、前記第2制御状態への変更可能回数の少なくとも1つとを対応づけた情報を記憶可能に構成される。
第18側面の制御装置によれば、制御部は、予め定める情報と、第2制御状態の継続可能時間、および、第2制御状態への変更可能回数の少なくとも1つとを対応づけた情報に基づいて、第2制御状態の継続可能時間、および、第2制御状態への変更可能回数の少なくとも1つを制限できる。
【0023】
本開示の第1から第18側面のいずれか1つに従う第19側面の制御装置において、前記制御部は、前記人力駆動車の加速抵抗に応じて、制御状態を前記第1制御状態から前記第2制御状態に切り替えるように構成される。
第19側面の制御装置によれば、制御部は、加速抵抗に応じて、モータの出力の上限値を大きくできる。
【0024】
本開示の第20側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータを制御するように構成される制御部を備え、前記制御部は、前記モータが設けられるドライブユニットの状態、および、前記モータに電力を供給するバッテリの劣化状態の少なくとも1つに応じて、前記モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対する前記モータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを変更するように構成される。
第20側面の制御装置によれば、制御部は、ドライブユニットの状態、および、バッテリの劣化状態の少なくとも1つに応じて、モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対するモータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを変更する。したがって、制御装置は、モータを好適に制御できる。
【0025】
本開示の第20側面に従う第21側面の制御装置において、前記ドライブユニットの状態は、前記ドライブユニットの振動、前記ドライブユニットから生じる音、および、前記ドライブユニットの劣化状態の少なくとも1つを含む。
第21側面の制御装置によれば、制御部は、ドライブユニットの振動、ドライブユニットから生じる音、および、ドライブユニットの劣化状態の少なくとも1つに応じて、モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対するモータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを変更できる。
【0026】
本開示の第21側面に従う第22側面の制御装置において、前記ドライブユニットは、前記モータの駆動力、および、前記人力駆動車に加えられる人力駆動力の少なくとも1つを受ける動力部品をさらに含み、前記ドライブユニットの振動は、前記モータの振動、および、前記動力部品の振動の少なくとも1つを含む。
第22側面の制御装置によれば、制御部は、モータの振動、および、動力部品の振動の少なくとも1つに応じて、モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対するモータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを変更できる。
【0027】
本開示の第22側面に従う第23側面の制御装置において、前記ドライブユニットから生じる音は、前記モータの音、および、前記動力部品の音の少なくとも1つを含む。
第23側面の制御装置によれば、制御部は、モータの音、および、動力部品の音の少なくとも1つに応じて、モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対するモータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを変更できる。
【0028】
本開示の第22または第23側面に従う第24側面の制御装置において、前記ドライブユニットの劣化状態は、前記モータの劣化状態、および、前記動力部品の劣化状態の少なくとも1つを含む。
第24側面の制御装置によれば、制御部は、モータの劣化状態、および、動力部品の劣化状態の少なくとも1つに応じて、モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対するモータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを変更できる。
【0029】
本開示の第22から第24側面のいずれか1つに従う第25側面の制御装置において、前記動力部品は、歯車、ベルト、プーリ、ベアリング、および、ワンウェイクラッチの少なくとも1つを含む。
第25側面の制御装置によれば、制御部は、歯車、ベルト、プーリ、ベアリング、および、ワンウェイクラッチの少なくとも1つの状態に応じて、モータの出力の第1上限値、および、人力駆動力に対するモータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを変更できる。
【0030】
本開示の第20から第25側面のいずれか1つに従う第26側面の制御装置において、前記第1上限値は、前記モータのトルクの上限値、前記モータの仕事率の上限値、および、前記モータの回転速度の上限値の少なくとも1つを含む。
第26側面の制御装置によれば、制御部は、ドライブユニットの状態、および、バッテリの劣化状態の少なくとも1つに応じて、モータのトルクの上限値、モータの仕事率の上限値、モータの回転速度の上限値、および、人力駆動力に対するモータの出力の比率の第2上限値の少なくとも1つを変更できる。
【発明の効果】
【0031】
本開示の人力駆動車用の制御装置は、モータを好適に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】第1実施形態の人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の側面図である。
【
図2】
図1の人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1の人力駆動車用のドライブユニットの断面図である。
【
図4】
図2の制御部によって実行され、制限状態を設定する処理のフローチャートである。
【
図5】
図2の制御部によって実行され、モータを制御する処理のフローチャートである。
【
図6】第2実施形態の人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図7】第2実施形態の制御部によって実行され、制限状態を設定する処理のフローチャートである。
【
図8】第3実施形態の制御部によって実行され、モータを制御する処理のフローチャートである。
【
図9】第1変更例の制御部によって実行され、制限状態を設定する処理のフローチャートである。
【
図10】第2変更例の制御部によって実行され、制限状態を設定する処理のフローチャートである。
【
図11】第3変更例の制御部によって実行され、制限状態を設定する処理のフローチャートである。
【
図12】第4変更例の制御部によって実行され、制限状態を設定する処理のフローチャートである。
【
図13】第5変更例の制御部によって実行され、制限状態を設定する処理のフローチャートである。
【
図14】第6変更例の制御部によって実行され、制限状態を設定する処理のフローチャートである。
【
図15】第7変更例の制御部によって実行され、制限状態を設定する処理のフローチャートである。
【
図16】第8変更例の制御部によって実行され、制限状態を設定する処理のフローチャートである。
【
図17】第9変更例の制御部によって実行され、制限状態を設定する処理のフローチャートである。
【
図18】第10変更例の制御部によって実行され、制限状態を設定する処理のフローチャートである。
【
図19】第11変更例の人力駆動車用のドライブユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
<第1実施形態>
図1から
図5を参照して、人力駆動車用の制御装置80が説明される。人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えば、マウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば、1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車は、電動アシスト自転車として説明される。
【0034】
人力駆動車10は、例えば、少なくとも1つの車輪12と、車体14と、を含む。少なくとも1つの車輪12は、例えば、前輪12F、および、後輪12Rを含む。車体14は、例えば、フレーム16を含む。フレーム16には、例えば、サドルが取り付けられる。
【0035】
人力駆動車10は、例えば、人力駆動力が入力されるクランク18をさらに含む。クランク18は、例えば、フレーム16に対して回転可能なクランク軸20と、クランクアーム22とを含む。クランクアーム22は、例えば、第1クランクアーム22A、および、第2クランクアーム22Bを含む。第1クランクアーム22A、および、第2クランクアーム22Bは、例えば、クランク軸20の軸方向の両方の端部にそれぞれ設けられる。
【0036】
クランクアーム22には、例えば、ペダル24が連結される。ペダル24は、例えば、第1ペダル24A、および、第2ペダル24Bを含む。第1クランクアーム22Aには、例えば、第1ペダル24Aが連結される。第2クランクアーム22Bには、例えば、第2ペダル24Bが連結される。フレーム16には、例えば、フロントフォーク26が接続される。フロントフォーク26には、例えば、前輪12Fが取り付けられる。フロントフォーク26には、例えば、ハンドルバー28がステム30を介して連結される。後輪12Rは、例えば、フレーム16に支持される。
【0037】
本実施形態では、クランク18は、駆動機構32によって後輪12Rと連結される。後輪12Rは、例えば、クランク軸20が回転することによって駆動される。前輪12Fおよび後輪12Rの少なくとも1つは、駆動機構32によってクランク18に連結されてもよい。駆動機構32は、例えば、クランク軸20に連結される少なくとも1つの第1回転体34を含む。少なくとも1つの第1回転体34は、例えば、フロントスプロケットを含む。少なくとも1つの第1回転体34は、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。クランク軸20は、フロントスプロケットと、ワンウェイクラッチを介して連結されてもよい。
【0038】
駆動機構32は、例えば、少なくとも1つの第2回転体36および伝達体38をさらに含む。伝達体38は、例えば、少なくとも1つの第1回転体34の回転力を少なくとも1つの第2回転体36に伝達するように構成される。伝達体38は、例えば、チェーンを含む。伝達体38は、ベルト、または、シャフトを含んでいてもよい。少なくとも1つの第2回転体36は、例えば、リアスプロケットを含む。少なくとも1つの第2回転体36は、プーリ、または、ベベルギアを含んでもよい。チェーンは、例えば、フロントスプロケットおよびリアスプロケットに巻き掛けられる。少なくとも1つの第2回転体36は、例えば、後輪12Rに連結される。後輪12Rは、例えば、少なくとも1つの第2回転体36の回転にともなって回転するように構成される。
【0039】
人力駆動車10は、例えば、バッテリ40をさらに含む。バッテリ40は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。バッテリ40は、例えば、制御装置80の制御部82に電力を供給するように構成される。バッテリ40は、例えば、制御部82と有線または無線によって通信可能に接続される。バッテリ40は、例えば、電力線通信(PLC;Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって制御部82と通信可能である。
【0040】
バッテリ40は、例えば、バッテリ40の温度を検出する温度検出部40Aをさらに含む。温度検出部40Aは、例えば、制御部82と有線または無線によって通信可能に接続される。温度検出部40Aは、例えば、サーミスタ、または、感温ダイオードを含む。
【0041】
人力駆動車10は、コンポーネント42を含む。コンポーネント42は、例えば、ドライブユニット44、電動変速機、電動アジャスタブルシートポスト、および、電動サスペンションの少なくとも1つを含む。本実施形態では、コンポーネント42は、例えば、ドライブユニット44を含む。
【0042】
ドライブユニット44には、例えば、モータ46が設けられる。モータ46は、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。モータ46は、例えば、伝達体38を駆動するように構成される。モータ46は、例えば、人力駆動力に応じて、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。モータ46は、例えば、第1ペダル24A、および、第2ペダル24Bから、少なくとも1つの第2回転体36までの人力駆動力の伝達経路に含まれる部材の少なくとも1つに、回転力を伝達するように構成される。モータ46は、例えば、フレーム16に設けられ、少なくとも1つの第1回転体34に回転力を伝達するように構成される。モータ46は、人力駆動車10のハブに設けられ、少なくとも1つの第2回転体36に回転力を伝達するように構成されてもよい。
【0043】
モータ46は、例えば、1または複数の電気モータを含む。モータ46は、例えば、ロータおよびステータを含む。モータ46は、例えば、インナロータ型のモータである。モータ46は、アウタロータ型のモータであってもよく、アキシャルギャップ型のモータであってもよい。
【0044】
モータ46は、例えば、出力軸48を含む。出力軸48は、例えば、第1ペダル24A、および、第2ペダル24Bから、少なくとも1つの第2回転体36までの人力駆動力の伝達経路に含まれる部材の少なくとも1つに、モータ46の回転力を伝達する。出力軸48は、例えば、ロータに接続され、ロータと一体に回転するように構成される。出力軸48は、例えば、クランク軸20と実質的に平行に、ハウジング50の内部空間に配置される。
【0045】
ドライブユニット44は、例えば、ハウジング50をさらに含む。ハウジング50は、フレーム16に取り付けられる。ハウジング50は、クランク軸20を回転可能に支持する。モータ46の少なくとも一部は、例えば、ハウジング50の内部空間に収容される。ハウジング50は、例えば、第1ハウジング50A、および、第2ハウジング50Bを含む。モータ46は、例えば、第2ハウジング50Bに設けられる。モータ46は、ハウジング50とは別体に形成されるモータハウジングを有し、モータハウジングがハウジング50に取り付けられることによってハウジング50に設けられてもよい。
【0046】
ドライブユニット44は、例えば、出力部52をさらに含む。出力部52と、クランク軸20とは、例えば、同軸に配置される。出力部52は、例えば、人力駆動力とモータ46の出力とが伝達されるように構成される。出力部52は、例えば、クランク軸20の回転力とモータ46の出力とが伝達されるように構成される。出力部52は、例えば、筒状に形成される。出力部52は、例えば、クランク軸20の回転中心軸心C1まわりにおいて、クランク軸20の外周部に設けられる。少なくとも1つの第1回転体34は、例えば、出力部52と一体回転するように出力部52の第1端部52Aに連結される。
【0047】
ドライブユニット44は、例えば、モータ46の駆動力、および、人力駆動車10に加えられる人力駆動力の少なくとも1つを受ける動力部品54をさらに含む。動力部品54は、例えば、モータ46の駆動力および人力駆動力の少なくとも1つを受ける部品である。動力部品54は、例えば、モータ46の駆動力および人力駆動力の少なくとも1つを伝達するための動力伝達部品、および、動力伝達部品を支持する支持部品の少なくとも1つを含む。動力部品54は、例えば、歯車56、ベルト58、プーリ60、ベアリング62、および、ワンウェイクラッチ64の少なくとも1つを含む。歯車56、ベルト58、プーリ60、および、ワンウェイクラッチ64は、例えば、動力伝達部品である。ベアリング62は、例えば、支持部品である。
【0048】
歯車56は、例えば、第1歯車56A、第2歯車56B、第3歯車56C、第4歯車56D、第5歯車56E、および、第6歯車56Fを含む。ベアリング62は、例えば、第1ベアリング62A、第2ベアリング62B、第3ベアリング62C、第4ベアリング62D、および、第5ベアリング62Eを含む。ワンウェイクラッチ64は、例えば、第1ワンウェイクラッチ64A、および、第2ワンウェイクラッチ64Bを含む。本実施形態では、動力部品54は、第1歯車56A、第2歯車56B、第3歯車56C、第4歯車56D、第5歯車56E、第6歯車56F、第1ベアリング62A、第2ベアリング62B、第3ベアリング62C、第4ベアリング62D、第5ベアリング62E、第6ベアリング62F、第1ワンウェイクラッチ64A、および、第2ワンウェイクラッチ64Bを含む。
【0049】
ドライブユニット44は、例えば、減速機66をさらに含む。減速機66は、例えば、モータ46と人力駆動力の伝達経路との間に設けられる。減速機66は、例えば、少なくとも1つの減速部分を含む。少なくとも1つの減速部分は、例えば、第1減速部分66Aと、第2減速部分66Bと、第3減速部分66Cとを含む。減速機66は、1つ、2つ、または、4つ以上の減速部分を含んでいてもよい。
【0050】
第1減速部分66Aは、例えば、モータ46の回転トルクが伝達される。第1減速部分66Aは、例えば、第1歯車56A、および、第2歯車56Bを含む。第1歯車56A、および、第2歯車56Bは、互いに噛み合う。第1減速部分66Aは、第1歯車56A、および、第2歯車56Bに代えて、スプロケットおよびチェーンを含んでもよい。
【0051】
第2減速部分66Bは、例えば、第1減速部分66Aを介してモータ46の回転トルクが伝達される。第2減速部分66Bは、例えば、第3歯車56C、および、第4歯車56Dを含む。第3歯車56C、および、第4歯車56Dは、互いに噛み合う。第2減速部分66Bは、歯車56に代えて、スプロケットおよびチェーンを含んでもよい。
【0052】
第3減速部分66Cは、例えば、第2減速部分66Bを介してモータ46の回転トルクが伝達される。第3減速部分66Cは、例えば、出力部52にモータ46の回転トルクを伝達する。第3減速部分66Cは、例えば、第5歯車56E、および、第6歯車56Fを含む。第5歯車56E、および、第6歯車56Fは、互いに噛み合う。第3減速部分66Cは、第5歯車56E、および、第6歯車56Fに代えて、スプロケットおよびチェーンを含んでもよい。
【0053】
第1歯車56Aは、例えば、出力軸48と一体に形成される。第1歯車56Aは、出力軸48と相対回転不能に出力軸48に設けられてもよい。第1歯車56Aは、例えば、出力軸48のうちのモータ46のロータとは反対側の部分に設けられる。
【0054】
ドライブユニット44は、例えば、第1ベアリング62A、および、第2ベアリング62Bをさらに含む。第1ベアリング62Aは、例えば、第1ハウジング50Aに設けられる。第2ベアリング62Bは、例えば、第2ハウジング50Bに設けられる。第1ベアリング62A、および、第2ベアリング62Bは、例えば、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0055】
減速機66は、例えば、第1回転軸66Dをさらに含む。第1回転軸66Dは、例えば、第1ベアリング62A、および、第2ベアリング62Bによって、ハウジング50に対して回転可能にハウジング50に支持される。第2歯車56B、および、第3歯車56Cは、例えば、第1回転軸66Dに設けられる。第2歯車56Bは、例えば、第1回転軸66Dのうちの、第3歯車56Cよりも第1ベアリング62Aに近い部分に配置される。第3歯車56Cは、例えば、第1回転軸66Dのうちの、第2歯車56Bよりも第2ベアリング62Bに近い部分に配置される。
【0056】
第2歯車56Bは、例えば、第1回転軸66Dと相対回転不能に第1回転軸66Dに設けられる。第2歯車56Bは、第1回転軸66Dと一体に形成されてもよい。第3歯車56Cは、例えば、第1回転軸66Dと一体に形成される。第3歯車56Cは、第1回転軸66Dと相対回転不能に第1回転軸66Dに設けられてもよい。
【0057】
ドライブユニット44は、例えば、第3ベアリング62C、および、第4ベアリング62Dをさらに含む。第3ベアリング62Cは、例えば、第1ハウジング50Aに設けられる。第4ベアリング62Dは、例えば、第2ハウジング50Bに設けられる。第3ベアリング62C、および、第4ベアリング62Dは、例えば、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0058】
ドライブユニット44は、例えば、第1ワンウェイクラッチ64Aをさらに含む。第1ワンウェイクラッチ64Aは、例えば、モータ46から少なくとも1つの第1回転体34までの動力伝達経路の間に設けられる。第1ワンウェイクラッチ64Aは、例えば、モータ46の回転力を出力部52に伝達するように構成される。第1ワンウェイクラッチ64Aは、例えば、クランク軸20が前転する場合に、クランク軸20の回転力がモータ46に伝達されることを抑制するように構成される。第1ワンウェイクラッチ64Aは、例えば、ローラクラッチ、スプラグクラッチ、および、ラチェットクラッチの少なくとも1つを含む。
【0059】
減速機66は、例えば、第2回転軸66Eをさらに含む。第2回転軸66Eは、例えば、第3ベアリング62C、および、第4ベアリング62Dによって、ハウジング50に対して回転可能にハウジング50に支持される。第4歯車56D、および、第5歯車56Eは、例えば、第2回転軸66Eに設けられる。第4歯車56Dは、例えば、第2回転軸66Eのうちの、第5歯車56Eよりも第3ベアリング62Cに近い部分に配置される。第5歯車56Eは、例えば、第2回転軸66Eのうちの、第4歯車56Dよりも第4ベアリング62Dに近い部分に配置される。
【0060】
第4歯車56Dは、例えば、第1ワンウェイクラッチ64Aを介して第2回転軸66Eに設けられる。第5歯車56Eは、例えば、第2回転軸66Eと一体に形成される。第5歯車56Eは、第2回転軸66Eと相対回転不能に第2回転軸66Eに設けられてもよい。
【0061】
第6歯車56Fは、例えば、出力部52に設けられる。第6歯車56Fは、例えば、出力部52と一体に形成される。第6歯車56Fは、出力部52に、出力部52と相対回転不能に出力部52に設けられてもよい。第6歯車56Fは、例えば、出力部52の第2端部52Bに設けられる。
【0062】
ドライブユニット44は、例えば、第5ベアリング62Eをさらに含む。クランク軸20は、例えば、第5ベアリング62Eによって、ハウジング50に対して回転可能にハウジング50に支持される。第5ベアリング62Eは、例えば、第1ハウジング50Aに設けられる。第5ベアリング62Eは、例えば、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0063】
ドライブユニット44は、例えば、第6ベアリング62Fをさらに含む。出力部52は、例えば、第6ベアリング62Fによって、ハウジング50に対して回転可能にハウジング50に支持される。第6ベアリング62Fは、例えば、第2ハウジング50Bに設けられる。第6ベアリング62Fは、例えば、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0064】
ドライブユニット44は、例えば、第2ワンウェイクラッチ64Bをさらに含む。第2ワンウェイクラッチ64Bは、例えば、クランク軸20から少なくとも1つの第1回転体34までの動力伝達経路の間に設けられる。第2ワンウェイクラッチ64Bは、例えば、クランク軸20と出力部52との間に設けられる。
【0065】
第2ワンウェイクラッチ64Bは、例えば、クランク軸20が前転する場合に、少なくとも1つの第1回転体34を前転させる。第2ワンウェイクラッチ64Bは、例えば、クランク軸20が後転する場合に、クランク軸20と少なくとも1つの第1回転体34との相対回転を許容するように構成される。第2ワンウェイクラッチ64Bは、例えば、ローラクラッチ、スプラグクラッチ、および、ラチェットクラッチの少なくとも1つを含む。
【0066】
ドライブユニット44は、例えば、ドライブユニット44を操作可能に構成される操作装置68をさらに含む。操作装置68は、例えば、制御部82と有線または無線によって通信可能に接続される。操作装置68は、例えば、ハンドルバー28に設けられる。操作装置68は、ドライブユニット44のハウジング50に設けられてもよい。操作装置68は、例えば、制御部82の制御状態を切り替える操作信号を、制御部82に送信するように構成される。
【0067】
ドライブユニット44は、振動検出部44Aをさらに含む。振動検出部44Aは、例えば、制御部82と有線または無線によって通信可能に接続される。振動検出部44Aは、例えば、ドライブユニット44の振動のレベルを検出するように構成される。振動のレベルは、例えば、振幅の大きさ、および、周波数の少なくとも1つを含む。振動検出部44Aは、例えば、モータ46の振動のレベルを検出するように構成される。振動検出部44Aは、モータ46に設けられてもよい。振動検出部44Aは、例えば、加速度センサ、および、ジャイロセンサの少なくとも1つを含む。
【0068】
振動検出部44Aは、ドライブユニット44以外のコンポーネント42に設けられてもよい。振動検出部44Aがドライブユニット44以外のコンポーネント42に設けられる場合、振動検出部44Aは、例えば、振動検出部44Aが設けられるコンポーネント42の振動のレベルを検出するように構成される。
【0069】
ドライブユニット44は、例えば、音検出部44Bをさらに含む。音検出部44Bは、例えば、制御部82と有線または無線によって通信可能に接続される。音検出部44Bは、例えば、ドライブユニット44から生じる音を検出するように構成される。音検出部44Bは、例えば、モータ46から生じる音を検出するように構成される。音検出部44Bは、モータ46に設けられてもよい。音検出部44Bは、例えば、マイク、音波センサ、および、超音波センサの少なくとも1つを含む。
【0070】
音検出部44Bは、ドライブユニット44以外のコンポーネント42に設けられてもよい。音検出部44Bがドライブユニット44以外のコンポーネント42に設けられる場合、音検出部44Bは、例えば、音検出部44Bが設けられるコンポーネント42から生じる音を検出するように構成される。
【0071】
人力駆動車10は、例えば、クランク回転状態検出部70をさらに含む。クランク回転状態検出部70は、例えば、ドライブユニット44に設けられる。クランク回転状態検出部70は、例えば、制御部82と有線または無線によって通信可能に接続される。
【0072】
クランク回転状態検出部70は、例えば、クランク軸20、および、少なくとも1つの第1回転体34の少なくとも1つの回転量を検出するように構成される。クランク回転状態検出部70は、例えば、クランク軸20の回転速度に応じた情報、および、少なくとも1つの第1回転体34の回転速度に応じた情報の少なくとも1つを検出するように構成される。クランク軸20の回転速度に応じた情報は、例えば、クランク軸20の角加速度を含む。少なくとも1つの第1回転体34の回転速度に応じた情報は、例えば、少なくとも1つの第1回転体34の角加速度を含む。
【0073】
クランク回転状態検出部70は、例えば、クランク軸20の回転速度に応じた信号、および、少なくとも1つの第1回転体34の回転速度に応じた信号の少なくとも1つを出力するように構成される。クランク回転状態検出部70は、例えば、クランク軸20、および、少なくとも1つの第1回転体34の少なくとも1つが1回転する間に、クランク軸20の回転角度に対応する検出信号、および、少なくとも1つの第1回転体34の回転角度に対応する検出信号の少なくとも1つを出力するように構成される。
【0074】
クランク回転状態検出部70は、例えば、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含む。クランク回転状態検出部70は、例えば、周方向に複数の磁極が並ぶ環状の磁石を含む。環状の磁石は、例えば、クランク軸20に設けられる。環状の磁石は、例えば、1つのS極と、1つのN極とを含む。1つのS極と、1つのN極とは、クランク軸20の回転中心軸心C1の周方向に、それぞれ180°連続して延びる。クランク回転状態検出部70は、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、または、トルクセンサなどを含んでいてもよい。
【0075】
クランク回転状態検出部70は、少なくとも1つの第2回転体36の回転量を検出するように構成されてもよい。クランク回転状態検出部70は、少なくとも1つの第2回転体36の回転速度に応じた情報を検出するように構成されてもよい。少なくとも1つの第2回転体36の回転速度に応じた情報は、例えば、少なくとも1つの第2回転体36の角加速度を含む。クランク回転状態検出部70は、少なくとも1つの第2回転体36の回転速度に応じた信号を出力するように構成されてもよい。
【0076】
クランク回転状態検出部70は、人力駆動車10のうちのドライブユニット44とは異なる部分に設けられてもよい。人力駆動車10のうちのドライブユニット44とは異なる部分は、例えば、フレーム16を含む。クランク回転状態検出部70がフレーム16に設けられる場合、クランク回転状態検出部70は、車速センサを含んで構成されていてもよい。クランク回転状態検出部70が車速センサを含む場合、制御部82は、車速センサによって検出される車速と、変速比とに応じてクランク軸20の回転速度を算出するように構成されてもよい。変速比は、例えば、クランク軸20の回転速度に対する少なくとも1つの車輪12の回転速度の比率である。
【0077】
人力駆動車10は、例えば、人力駆動力検出部72をさらに含む。人力駆動力検出部72は、例えば、制御部82と有線または無線によって通信可能に接続される。人力駆動力検出部72は、例えば、人力駆動力によってクランク軸20に与えられるトルクに応じた信号を出力するように構成される。人力駆動力によってクランク軸20に与えられるトルクに応じた信号は、人力駆動車10に入力される人力駆動力に関する情報を含む。
【0078】
人力駆動力検出部72は、例えば、ドライブユニット44に設けられる。人力駆動力検出部72は、人力駆動力の伝達経路に含まれる部材または人力駆動力の伝達経路に含まれる部材の近傍に含まれる部材に設けられてもよい。人力駆動力検出部72は、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。人力駆動力検出部72は、人力駆動力に関する情報を取得できればどのような構成であってもよい。
【0079】
人力駆動力検出部72は、例えば、第1クランクアーム22A、第2クランクアーム22B、第1ペダル24A、および、第2ペダル24Bの少なくとも1つに設けられてもよい。人力駆動力検出部72が第1ペダル24A、および、第2ペダル24Bの少なくとも1つに設けられる場合、人力駆動力検出部72は、第1ペダル24A、および、第2ペダル24Bの少なくとも1つに与えられる圧力を検出するセンサを含んでいてもよい。人力駆動力検出部72は、伝達体38に含まれるチェーンに設けられてもよい。人力駆動力検出部72がチェーンに設けられる場合、人力駆動力検出部72は、チェーンの張力を検出するセンサを含んでいてもよい。
【0080】
人力駆動車10は、例えば、車速検出部74をさらに含む。車速検出部74は、例えば、制御部82と有線または無線によって通信可能に接続される。車速検出部74は、例えば、人力駆動車10の車速に関する情報を検出するように構成される。車速検出部74は、例えば、車輪12の回転速度に関する情報を検出するように構成される。車速検出部74は、例えば、前輪12Fおよび後輪12Rの少なくとも1つに設けられる磁石を検出するように構成される。
【0081】
車速検出部74は、例えば、車輪12が1回転する間に、予め定める回数の検出信号を出力するように構成される。予め定める回数は、例えば、1である。車速検出部74は、例えば、車輪12の回転速度に応じた信号を出力する。制御部82は、車輪12の回転速度に応じた信号と、車輪12の周長に関する情報とに基づいて人力駆動車10の車速を算出できる。記憶部84には、例えば、車輪12の周長に関する情報が記憶される。
【0082】
人力駆動車10は、例えば、加速度検出部76を含む。加速度検出部76は、例えば、制御部82と有線または無線によって通信可能に接続される。加速度検出部76は、人力駆動車10が前進する方向における加速度に関する情報を検出するように構成される。加速度検出部76は、例えば、加速度センサを含む。加速度検出部76は、車速センサを含んでいてもよい。加速度検出部76が車速センサを含む場合、制御部82は、例えば、車速を微分することによって人力駆動車10が前進する方向における加速度を算出するように構成される。
【0083】
人力駆動車用の制御装置80は、例えば、ドライブユニット44に設けられる。制御装置80は、ドライブユニット44とは異なるコンポーネントに設けられてもよい。制御装置80は、人力駆動車10の外部に設けられてもよい。ドライブユニット44は制御装置80とは異なる制御装置を含み、人力駆動車10の外部に設けられる制御装置80と通信可能に構成されてもよい。
【0084】
人力駆動車用の制御装置80は、制御部82を備える。制御部82は、例えば、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。制御部82に含まれる演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部82は、例えば、時間を計るためのタイマを含む。
【0085】
制御部82に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。演算処理装置の一部は、人力駆動車10に設けられ、演算処理装置の他の一部は、インターネットに接続されるサーバに設けられてもよい。演算処理装置が、相互に離れた複数の場所に設けられる場合、演算処理装置の各部分は、無線通信装置を介して相互に通信可能に接続される。制御部82は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0086】
制御部82は、例えば、電流検出部82Aをさらに含む。電流検出部82Aは、例えば、バッテリ40の電流値を検出するように構成される。制御部82は、例えば、電圧検出部82Bをさらに含む。電圧検出部82Bは、例えば、バッテリ40の電圧値を検出するように構成される。制御部82は、例えば、バッテリ40の電流値、および、バッテリ40の電圧値の少なくとも1つに応じて、バッテリ40の給電可能残量を推定可能に構成される。電流検出部82A、および、電圧検出部82Bは、バッテリ40に含まれていてもよい。
【0087】
制御装置80は、例えば、記憶部84をさらに備える。記憶部84は、例えば、制御部82と有線または無線によって通信可能に接続される。記憶部84には、例えば、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部84は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0088】
制御装置80は、モータ46の駆動回路をさらに備えていてもよい。制御部82と、駆動回路とは、例えば、ハウジング50に設けられる。制御部82と、駆動回路とは、同一の回路基板に設けられてもよい。駆動回路は、例えば、制御部82と有線または無線によって通信可能に接続される。駆動回路は、例えば、制御部82からの制御信号に応じてモータ46を駆動させる。
【0089】
駆動回路は、例えば、モータ46に電気的に接続される。駆動回路は、例えば、バッテリ40からモータ46への電力の供給を制御する。駆動回路は、例えば、インバータ回路を含む。インバータ回路は、例えば、複数のトランジスタを含む。インバータ回路は、例えば、直列に接続される一対のトランジスタからなる複数のインバータ部が並列に接続される構成を含む。インバータ回路は、インバータ回路に流れる電流を検出する電流センサを有してもよい。電流センサは、例えば、制御部82と有線または無線によって通信可能に接続される。
【0090】
制御部82は、例えば、モータ46を制御するように構成される。制御部82は、例えば、人力駆動車10の状態に応じてモータ46を制御するように構成される。制御部82は、例えば、人力駆動車10に加えられる人力駆動力に応じてモータ46の出力を変更するように、モータ46を制御するように構成される。制御部82は、例えば、人力駆動力に応じて推進力を変更するように、モータ46を制御するように構成される。制御部82は、例えば、人力駆動力検出部72によって検出される人力駆動力に応じて、モータ46を制御するように構成される。
【0091】
制御部82は、例えば、クランク回転状態検出部70によって検出される、クランク軸20の回転速度と、少なくとも1つの第1回転体34の回転速度との少なくとも1つに応じて、モータ46を制御するように構成される。制御部82は、例えば、車速検出部74によって検出される人力駆動車10の車速に応じて、モータ46を制御するように構成される。
【0092】
制御部82は、例えば、人力駆動車10の車速が予め定める車速よりも小さい場合、人力駆動力またはクランク軸20の回転速度の少なくとも1つに応じて、人力駆動車10に推進力を付与するようにモータ46を駆動するように構成される。予め定める車速は、例えば、国ごとに法令によって規定される速度である。予め定める車速は、例えば、24km/h、25km/h、30km/h、32km/h、または、45km/hである。
【0093】
制御部82は、例えば、モータ46によるアシスト力が、予め定めるアシスト力になるようにモータ46を制御するように構成される。アシスト力は、例えば、人力駆動車10に入力される人力駆動力に対するモータ46の出力の比率、および、モータ46の出力の上限値Nの少なくとも1つを含む。
【0094】
制御部82は、例えば、人力駆動力に対するアシスト力の比率が予め定める比率になるように、モータ46を制御するように構成される。制御部82は、例えば、アシストモードおよびアシスト停止モードを選択可能に構成される。
【0095】
アシスト力は、例えば、モータ46の出力に応じて少なくとも1つの第1回転体34に入力される駆動力を含む。アシスト力は、例えば、モータ46の回転によって発生する人力駆動車10の推進力に対応する。ドライブユニット44が減速機66を含む場合、例えば、アシスト力は、減速機66の出力に対応する。予め定める比率は、一定ではなく、人力駆動力、クランク軸20の回転速度、少なくとも1つの第1回転体34の回転速度、および、車速の少なくとも1つに応じて変化してもよい。予め定める比率は、一定ではなく、人力駆動力、クランク軸20の回転速度、および、少なくとも1つの第1回転体34の回転速度の少なくとも1つと、車速と、に応じて変化してもよい。
【0096】
人力駆動力は、例えば、ユーザがクランク軸20を回転させることによって発生する人力駆動車10の推進力に対応する。人力駆動力は、例えば、ユーザがクランク軸20を回転させることによって、少なくとも1つの第1回転体34に入力される駆動力に対応する。人力駆動力は、例えば、トルクおよび仕事率の少なくとも1つによって表される。人力駆動力がトルクによって表される場合、例えば、人力駆動力は人力トルクと記載される。人力駆動力が仕事率によって表される場合、例えば、人力駆動力は人力仕事率と記載される。人力仕事率は、例えば、クランク軸20に与えられるトルクとクランク軸20の回転速度との積である。
【0097】
アシスト力は、例えば、トルクおよび仕事率の少なくとも1つによって表される。アシスト力がトルクによって表される場合、例えば、アシスト力はアシストトルクと記載される。アシスト力が仕事率によって表される場合、例えば、アシスト力はアシスト仕事率と記載される。アシスト仕事率は、例えば、減速機66の出力トルクと減速機66の出力軸の回転速度との積である。人力駆動力に対するアシスト力の比率は、人力トルクに対するアシストトルクの比率であってもよく、人力仕事率に対するアシスト仕事率の比率であってもよい。
【0098】
制御部82は、例えば、人力駆動力に対するアシストトルクの応答速度が予め定める値になるようにモータ46を制御するように構成される。制御部82は、例えば、人力駆動力が減少する場合の応答速度が、人力駆動力が増加する場合の応答速度よりも遅くなるように、モータ46を制御するように構成される。制御部82は、例えば、人力駆動力が減少する場合、フィルタ処理することによって応答速度を遅くする。フィルタは、例えば、時定数を含む。
【0099】
制御部82は、例えば、アシスト力がモータ46の出力に関する上限値N以下になるようにモータ46を制御するように構成される。モータ46の出力に関する上限値Nは、例えば、制御部82の制御状態に応じて設定される。モータ46の出力に関する上限値Nは、モータ46の出力特性に応じて設定されてもよい。
【0100】
制御部82は、モータ46を、第1制御状態、および、第2制御状態のいずれかにおいて制御するように構成される。制御部82は、例えば、アシストモードの場合、第1制御状態、および、第2制御状態のいずれかにおいてモータ46を制御するように構成される。制御部82は、例えば、モータ46の出力に関する上限値Nを、第1制御状態、および、第2制御状態のいずれかにおいて制御するように構成される。制御部82は、第2制御状態において、モータ46の出力に関する上限値Nが、第1制御状態における上限値Nよりも大きくなるようにモータ46を制御するように構成される。
【0101】
上限値Nは、モータ46の出力の第1上限値N1、および、人力駆動力に対するモータ46の出力の比率の第2上限値N2の少なくとも1つを含む。第1上限値N1は、例えば、モータ46のトルクの上限値、モータ46の仕事率の上限値、および、モータ46の回転速度の上限値の少なくとも1つを含む。第1上限値N1は、例えば、アシストトルクの上限値、アシスト仕事率の上限値、および、モータ46の回転速度の上限値の少なくとも1つを含む。第2上限値N2は、例えば、人力トルクに対するアシストトルクの比率の上限値、および、人力仕事率に対するアシスト仕事率の比率の上限値の少なくとも1つを含む。
【0102】
制御部82は、例えば、人力駆動車10の加速抵抗に応じて、制御状態を切り替えるように構成される。制御部82は、例えば、加速度検出部76によって検出される加速度に基づいて、加速抵抗を算出する。制御部82は、人力駆動車10の状態に関連するパラメータPに応じて加速抵抗を算出するように構成されてもよい。パラメータPは、例えば、クランク軸20の回転速度、少なくとも1つの第1回転体34の回転速度、人力駆動車10の車速、および、人力駆動力の少なくとも1つを含む。
【0103】
制御部82は、例えば、人力駆動車10の加速抵抗に応じて、制御状態を第1制御状態から第2制御状態に切り替えるように構成される。加速抵抗は、例えば、人力駆動車10の加速度に比例して大きくなる。制御部82は、例えば、加速抵抗が予め定める閾値以上の場合、制御状態を第1制御状態から第2制御状態に切り替えるように構成される。制御部82は、第1制御状態において、予め定める第1期間にわたり加速抵抗が予め定める閾値以上に維持される場合、制御状態を第1制御状態から第2制御状態に切り替えるように構成されてもよい。制御部82は、例えば、人力駆動車10の加速抵抗に応じて、制御状態を第1制御状態から第2制御状態に切り替えた後、第2制御状態への切替条件が満たされると、第2制御状態から第1制御状態に切り替えてもよい。第2制御状態への切替条件は、例えば、予め定める第2期間にわたり加速抵抗が予め定める閾値以上に維持される場合、および、加速抵抗が減少する場合の少なくとも1つを含む。
【0104】
制御部82は、操作装置68の操作情報以外の予め定める情報に基づいて、第2制御状態の継続可能時間、第2制御状態への変更可能回数、および、第2制御状態における上限値Nの少なくとも1つを制限するように構成される。制御部82は、例えば、予め定める情報に基づいて、第2制御状態に関する制限状態においてモータ46を制御するように構成される。制御部82が制限状態を設定する場合、例えば、第2制御状態の継続可能時間、第2制御状態への変更可能回数、および、第2制御状態における上限値Nの少なくとも1つが制限される。
【0105】
制御部82は、予め定める情報に加えて、操作装置68の操作情報に基づいて第2制御状態の継続可能時間、第2制御状態への変更可能回数、および、第2制御状態における上限値Nの少なくとも1つを制限するように構成されてもよい。操作装置68の操作情報は、例えば、ユーザまたは作業者が操作装置68を操作することによって、操作装置68から送信される、第2制御状態の継続可能時間、第2制御状態への変更可能回数、および、第2制御状態における上限値Nの少なくとも1つを変更するための指令を含む。操作装置68は、外部装置であってもよい。外部装置は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、および、スマートフォンの少なくとも1つを含む。予め定める情報は、例えば、ユーザおよび作業者による操作装置68の操作情報を含まない。予め定める情報は、例えば、人力駆動車10に設けられる人力駆動車10の状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つを検出する検出部によって検出される情報である。
【0106】
記憶部84は、例えば、予め定める情報と、第2制御状態の継続可能時間、および、第2制御状態への変更可能回数の少なくとも1つとを対応づけた情報を記憶可能に構成される。制御部82は、例えば、記憶部84に記憶される予め定める情報と、第2制御状態の継続可能時間とを対応づけた情報に基づいて、制限状態における、第2制御状態の継続可能時間を決定するように構成される。制御部82は、例えば、記憶部84に記憶される予め定める情報と、第2制御状態への変更可能回数とを対応づけた情報に基づいて、制限状態における、第2制御状態への変更可能回数を決定するように構成される。
【0107】
制御部82は、例えば、制限状態である場合、加速抵抗が予め定める閾値以上になると、制限状態と対応するモータ46の制御を実行するように構成される。制御部82は、例えば、制限状態である場合、加速抵抗が予め定める閾値以上になると、非制限状態と対応するモータ46の制御を実行するように構成される。例えば、制限状態と、非制限状態とは、排反の関係である。
【0108】
制御部82は、例えば、制限状態において、第2制御状態の継続可能時間を制限する場合、第2制御状態の継続可能時間を、非制限状態における第2制御状態の継続可能時間よりも短くする。非制限状態における第2制御状態の継続可能時間は、例えば、無制限である。制御部82は、第2制御状態に切り替えられてからの時間をカウントし、かつ、第2制御状態に切り替えられてからの時間が第2制御状態の継続可能時間を超えると、第2制御状態から第1制御状態に切り替える。
【0109】
制御部82は、例えば、制限状態において、第2制御状態への変更可能回数を制限する場合、第2制御状態への変更可能回数を、非制限状態における第2制御状態への変更可能回数よりも少なくする。非制限状態における第2制御状態への変更可能回数は、例えば、無制限である。制限状態における第2制御状態への変更可能回数は、ゼロであってもよい。第2制御状態への変更可能回数は、例えば、第2制御状態へ変更されるごとにカウントダウンされる。第2制御状態への変更可能回数がゼロの場合、制御部82は、第2制御状態への切替条件が成立しても、第2制御状態に切り替えない。制御部82は、第2制御状態へ変更される回数をカウントし、かつ、第2制御状態の変更回数が第2制御状態への変更可能回数を超えると、第2制御状態への切替条件が成立しても、第2制御状態に切り替えないようにしてもよい。
【0110】
制御部82は、例えば、制限状態において、第2制御状態における上限値Nの少なくとも1つを制限する場合、上限値Nを、第1制御状態の上限値Nよりも大きく、かつ、非制限状態における第2制御状態の上限値Nよりも小さくする。
【0111】
予め定める情報は、例えば、人力駆動車10に関する情報を含む。人力駆動車10に関する情報は、例えば、人力駆動車10に加えられる人力駆動力の積算値、モータ46の使用時間の積算値、人力駆動車10に搭載されるコンポーネント42の振動、コンポーネント42から生じる音、および、コンポーネント42の劣化状態の少なくとも1つを含む。人力駆動車10に関する情報は、人力駆動車10の総走行距離を含んでいてもよい。
【0112】
人力駆動力の積算値は、例えば、人力駆動力検出部72によって検出される人力駆動力の積算値を含む。人力駆動力の積算値は、例えば、コンポーネント42の使用開始から人力駆動力検出部72によって検出される人力駆動力の積算値を含んでいてもよい。モータ46の使用時間は、例えば、制御部82に含まれるタイマによって計測され、モータ46の使用時間の積算値は記憶部84に記憶される。
【0113】
制御部82は、例えば、人力駆動車10に加えられる人力駆動力の積算値、モータ46の使用時間の積算値、コンポーネント42の振動、および、コンポーネント42から生じる音の少なくとも1つに応じて、コンポーネント42の劣化状態を判定するように構成される。制御部82は、例えば、人力駆動力の積算値が第1積算値以上、モータ46の使用時間の積算値が第2積算値以上、コンポーネント42の振動のレベルが第1レベル以上、および、コンポーネント42から生じる音の大きさが第1音量以上の少なくとも1つ場合、コンポーネント42が第1劣化状態であると判定するように構成される。制御部82は、例えば、コンポーネント42の劣化状態が第1劣化状態の場合、制限状態を設定するように構成される。
【0114】
制御装置80は、例えば、第1報知部86をさらに備える。第1報知部86は、例えば、LED(Light-Emitting Diode)等の発光部を含む。制御部82は、ドライブユニット44の劣化状態をユーザに報知するように、第1報知部86を制御するように構成される。第1報知部86が発光部を含む場合、制御部82は、例えば、発光部が発光するように第1報知部86を制御することによって、ユーザにコンポーネント42の劣化状態をユーザに報知するように構成される。
【0115】
第1報知部86は、ディスプレイを含んでいてもよい。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイを含む。ディスプレイは、セグメントディスプレイまたは有機ELディスプレイを含んでいてもよい。第1報知部86がディスプレイを含む場合、制御部82は、例えば、コンポーネント42の劣化状態に関連する報知情報をディスプレイに表示するように第1報知部86を制御することによって、ユーザにコンポーネント42の劣化状態をユーザに報知するように構成される。報知情報は、例えば、グラフ、数値、ゲージ、文字、および、光の少なくとも1つを含む。
【0116】
第1報知部86は、スピーカを含んでいてもよい。第1報知部86がスピーカを含む場合、制御部82は、例えば、コンポーネント42の劣化状態に関連する音声情報をスピーカから鳴らすように第1報知部86を制御することによって、ユーザにコンポーネント42の劣化状態をユーザに報知するように構成される。音声情報は、例えば、音声、メロディ、および、ビープ音等を含む。
【0117】
制御部82は、例えば、コンポーネント42の劣化状態が第2劣化状態の場合、ユーザにコンポーネント42の劣化状態をユーザに報知するように第1報知部86を制御するように構成される。制御部82は、例えば、コンポーネント42の劣化状態が第2劣化状態の場合、制限状態を設定するように構成される。制御部82は、例えば、コンポーネント42の劣化状態が第2劣化状態の場合、制限状態を設定し、かつ、ユーザにコンポーネント42の劣化状態をユーザに報知するように第1報知部86を制御するように構成される。
【0118】
第2劣化状態は、例えば、第1劣化状態よりもコンポーネント42が劣化した状態である。制御部82は、例えば、人力駆動力の積算値が第1積算値よりも大きい第3積算値以上、モータ46の使用時間の積算値が第2積算値よりも大きい第4積算値以上、コンポーネント42の振動のレベルが第1レベルよりも大きい第2レベル以上、および、コンポーネント42から生じる音の大きさが第1音量よりも大きい第2音量以上の少なくとも1つ場合、コンポーネント42が第2劣化状態であると判定するように構成される。
【0119】
コンポーネント42がドライブユニット44を含む場合、制御部82は、例えば、人力駆動車10に加えられる人力駆動力の積算値、モータ46の使用時間の積算値、ドライブユニット44の振動、および、ドライブユニット44から生じる音の少なくとも1つに応じて、ドライブユニット44の劣化状態を判定するように構成される。
【0120】
ドライブユニット44の振動は、例えば、モータ46の振動、および、動力部品54の振動の少なくとも1つを含む。ドライブユニット44から生じる音は、モータ46の音、および、動力部品54の音の少なくとも1つを含む。ドライブユニット44の劣化状態は、モータ46の劣化状態、および、動力部品54の劣化状態の少なくとも1つを含む。
【0121】
制御部82は、例えば、人力駆動力の積算値が第1積算値以上、モータ46の使用時間の積算値が第2積算値以上、ドライブユニット44の振動のレベルが第1レベル以上、および、ドライブユニット44から生じる音の大きさが第1音量以上の少なくとも1つ場合、ドライブユニット44が第1劣化状態であると判定するように構成される。制御部82は、例えば、人力駆動力の積算値が第1積算値よりも大きい第3積算値以上、モータ46の使用時間の積算値が第2積算値よりも大きい第4積算値以上、ドライブユニット44の振動のレベルが第1レベルよりも大きい第2レベル以上、および、ドライブユニット44から生じる音の大きさが第1音量よりも大きい第2音量以上の少なくとも1つ場合、ドライブユニット44が第2劣化状態であると判定するように構成される。
【0122】
図4を参照して、制御部82が制限状態を設定する処理が説明される。制御部82は、例えば、制御部82に電力が供給されると、処理を開始して
図4に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部82は、
図4のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0123】
制御部82は、ステップS11において、コンポーネント42の劣化状態が第1劣化状態か否かを判定する。制御部82は、コンポーネント42の劣化状態が第1劣化状態の場合、ステップS12に移行する。制御部82は、コンポーネント42の劣化状態が第1劣化状態でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS12において、コンポーネント42の劣化状態が第2劣化状態か否かを判定する。制御部82は、コンポーネント42の劣化状態が第2劣化状態の場合、ステップS13に移行する。制御部82は、コンポーネント42の劣化状態が第2劣化状態でない場合、ステップS14に移行する。
【0124】
制御部82は、ステップS13において、モータ46の劣化状態をユーザに報知するように第1報知部86を制御して、ステップS14に移行する。制御部82は、ステップS14において、制限状態を設定して処理を終了する。制御部82は、例えば、ステップS14において、制限状態と対応する制限フラグをオンにする。制御部82は、ステップS13を省略してもよい。制御部82は、ステップS13が省略される場合、ステップS12の後にステップS14に移行する。
【0125】
図5を参照して、制御部82がモータ46を制御する処理が説明される。制御部82は、例えば、制御部82に電力が供給されると、処理を開始して
図5に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部82は、
図5のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS21からの処理を繰り返す。
【0126】
制御部82は、ステップS21において、制御状態が第1制御状態か否かを判定する。制御部82は、制御状態が第1制御状態の場合、ステップS22に移行する。制御部82は、制御状態が第1制御状態でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS22において、加速抵抗が予め定める閾値以上か否かを判定する。制御部82は、加速抵抗が予め定める閾値以上の場合、ステップS23に移行する。制御部82は、加速抵抗が予め定める閾値以上でない場合、処理を終了する。
【0127】
制御部82は、ステップS23において、制限状態か否かを判定する。制御部82は、制御状態が制限状態の場合、ステップS24に移行する。制御部82は、例えば、ステップS23において、制限フラグがオンの場合、ステップS24に移行する。制御部82は、ステップS24において、制限状態に応じてモータ46を制御して処理を終了する。制御部82は、例えば、制限状態が、第2制御状態の継続可能時間、および、第2制御状態における上限値Nの少なくとも1つと対応する場合、制限状態と対応する第2制御状態の継続可能時間、および、第2制御状態における上限値Nの少なくとも1つに基づいて、モータ46を制御する。制御部82は、例えば、制限状態が第2制御状態への変更可能回数と対応する場合、かつ、第2制御状態への変更可能回数が1以上の場合、第2制御状態においてモータ46を制御する。制御部82は、例えば、制限状態が第2制御状態への変更可能回数と対応する場合、かつ、第2制御状態への変更可能回数が0の場合、第1制御状態でのモータ46の制御を継続する。
【0128】
制御部82は、ステップS23において、制御状態が制限状態でない場合、ステップS25に移行する。制御部82は、例えば、ステップS23において、制限フラグがオフの場合、ステップS25に移行する。制御部82は、ステップS25において、第2制御状態に応じてモータ46を制御して処理を終了する。
【0129】
<第2実施形態>
図1から
図4、
図6、および、
図7を参照して、第2実施形態の人力駆動車用の制御装置80が説明される。第2実施形態の人力駆動車用の制御装置80のうちの第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付して重複する説明が省略される。
【0130】
人力駆動車10に関する情報は、例えば、モータ46に電力を供給するバッテリ40に関する情報を含む。バッテリ40に関する情報は、バッテリ40の電流値、バッテリ40の電圧値、バッテリ40の放電時間の積算値、バッテリ40の温度、バッテリ40の給電可能残量、および、バッテリ40の劣化状態の少なくとも1つを含む。
【0131】
バッテリ40の放電時間は、例えば、バッテリ40の使用開始から制御部82に含まれるタイマによって計測され、バッテリ40の放電時間の積算値は記憶部84に記憶される。バッテリ40の温度は、例えば、バッテリ40が放電する場合のバッテリ40の温度である。制御部82は、例えば、温度検出部40Aの出力に応じてバッテリ40の温度を取得する。バッテリ40の給電可能残量は、例えば、バッテリ40の最大給電可能量に応じて、予め設定される。バッテリ40の給電可能残量は、例えば、バッテリ40に設けられるバッテリ記憶部に記憶される。
【0132】
第2実施形態の制御部82は、例えば、電流値、および、温度に基づいて、バッテリ40の劣化状態を判定するように構成される。制御部82は、例えば、電流検出部82Aの出力に応じて、バッテリ40の電流値を取得する。制御部82は、バッテリ40の、電流値、電圧値、放電時間の積算値、温度、および、給電可能残量の少なくとも1つに基づいて、バッテリ40の劣化状態を判定するように構成されてもよい。バッテリ40の劣化状態は、例えば、バッテリ40の許容放電量に関する。制御部82は、例えば、バッテリ40の劣化状態から、バッテリ40の許容放電量を推定するように構成される。
【0133】
バッテリ劣化状態は、第1バッテリ劣化状態および第2バッテリ劣化状態を含む。第2バッテリ劣化状態は、例えば、第1バッテリ劣化状態よりもバッテリ40が劣化した状態である。第2バッテリ劣化状態は、例えば、バッテリ40の交換が好ましい状態を含む。
【0134】
第2実施形態の制御部82は、例えば、電流値が第1電流値以下、および、温度が第1温度以上の少なくとも1つの場合、バッテリ40の劣化状態が第1バッテリ劣化状態であると判定するように構成される。制御部82は、電流値が第1電流値以下、電圧値が第1電圧値以下、放電時間の積算値が第1放電積算値以上、温度が第1温度以上、および、給電可能残量が第1給電可能残量以下の少なくとも1つの場合、バッテリ40の劣化状態が第1バッテリ劣化状態であると判定するように構成されてもよい。制御部82は、例えば、バッテリ40の劣化状態が第1バッテリ劣化状態の場合、制限状態を設定するように構成される。
【0135】
第2実施形態の制御部82は、例えば、電流値が第1電流値よりも小さい第2電流値以下、および、温度が第1温度よりも高い第2温度以上の少なくとも1つの場合、バッテリ40の劣化状態が第2バッテリ劣化状態であると判定するように構成される。制御部82は、電流値が第2電流値以下、電圧値が第1電圧値よりも小さい第2電圧値以下、放電時間の積算値が第1放電積算値よりも大きい第2放電積算値以上、温度が第2温度以上、および、給電可能残量が第1給電可能残量よりも少ない第2給電可能残量以下の少なくとも1つの場合、バッテリ40の劣化状態が第2バッテリ劣化状態であると判定するように構成されてもよい。
【0136】
制御装置80は、例えば、第2報知部88をさらに備える。第2報知部88は、例えば、第1報知部86と同様の構成を有する。第2報知部88は、第1報知部86と一体に構成されてもよい。第2実施形態の制御部82は、バッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように、第2報知部88を制御するように構成される。
【0137】
制御部82は、例えば、バッテリ40の劣化状態が第2バッテリ劣化状態の場合、ユーザにバッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御するように構成される。第2実施形態の制御部82は、例えば、バッテリ40の劣化状態が第2バッテリ劣化状態の場合、制限状態を設定するように構成される。制御部82は、例えば、バッテリ40の劣化状態が第2バッテリ劣化状態の場合、制限状態を設定し、かつ、ユーザにバッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御するように構成される。
【0138】
図4および
図7を参照して、第2実施形態の制御部82が、制限状態を設定する処理が説明される。制御部82は、
図4のステップS11からステップS13に代えて、
図7のステップS31からステップS33を実行する。制御部82は、例えば、制御部82に電力が供給されると、処理を開始して
図7に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部82は、
図4および
図7のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS31からの処理を繰り返す。
【0139】
制御部82は、ステップS31において、バッテリ40の劣化状態が第1バッテリ劣化状態か否かを判定する。制御部82は、バッテリ40の劣化状態が第1バッテリ劣化状態の場合、ステップS32に移行する。制御部82は、バッテリ40の劣化状態が第1バッテリ劣化状態でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS32において、バッテリ40の劣化状態が第2バッテリ劣化状態か否かを判定する。制御部82は、バッテリ40の劣化状態が第2バッテリ劣化状態の場合、ステップS33に移行する。制御部82は、バッテリ40の劣化状態が第2バッテリ劣化状態でない場合、ステップS14に移行する。
【0140】
制御部82は、ステップS33において、バッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御して、ステップS14に移行する。制御部82は、ステップS33を省略してもよい。制御部82は、ステップS33が省略される場合、ステップS32の後にステップS14に移行する。
【0141】
<第3実施形態>
図1から
図3、および、
図8を参照して、第3実施形態の人力駆動車用の制御装置80が説明される。第3実施形態の人力駆動車用の制御装置80のうちの第1実施形態および第2実施形態と共通する構成については、第1実施形態および第2実施形態と同一の符号を付して重複する説明が省略される。
【0142】
第3実施形態の制御部82は、例えば、モータ46が設けられるドライブユニット44の状態、および、モータ46に電力を供給するバッテリ40の劣化状態の少なくとも1つに応じて、モータ46の出力の第1上限値N1、および、人力駆動力に対するモータ46の出力の比率の第2上限値N2の少なくとも1つを変更するように構成される。第3実施形態の制御部82は、例えば、モータ46が設けられるドライブユニット44の状態、および、モータ46に電力を供給するバッテリ40の劣化状態の少なくとも1つに応じて、モータ46の出力の第1上限値N1、および、人力駆動力に対するモータ46の出力の比率の第2上限値N2の少なくとも1つを低下させるように構成される。
【0143】
ドライブユニット44の状態は、ドライブユニット44の振動、ドライブユニット44から生じる音、および、ドライブユニット44の劣化状態の少なくとも1つを含む。
【0144】
第3実施形態の制御部82は、例えば、ドライブユニット44の劣化状態が第3劣化状態の場合、ドライブユニット44の振動のレベルが第3レベル以上の場合、ドライブユニット44から生じる音の大きさが第3音量以上の場合、および、バッテリ40の劣化状態が第3バッテリ劣化状態の場合の少なくとも1つの場合、モータ46の出力の第1上限値N1、および、人力駆動力に対するモータ46の出力の比率の第2上限値N2の少なくとも1つを変更するように構成される。第3実施形態の制御部82は、例えば、ドライブユニット44の振動のレベルが第3レベル以上の場合、および、ドライブユニット44から生じる音の大きさが第3音量以上の場合の少なくとも1つの場合、ドライブユニット44の劣化状態が第3劣化状態であると判定するように構成される。
【0145】
第3レベルは、例えば、第1レベルまたは第2レベルと同じであってもよく、異なっていてもよい。第3音量は、例えば、第1音量または第2音量と同じであってもよく、異なっていてもよい。第3劣化状態は、例えば、第1劣化状態または第2劣化状態と同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0146】
第3実施形態の制御部82は、電流値が第3電流値以下の場合、電圧値が第3電圧値以下の場合、放電時間の積算値が第3放電積算値以上の場合、温度が第3温度以上の場合、および、給電可能残量が第3給電可能残量以下の場合の少なくとも1つの場合、バッテリ40の劣化状態が第3バッテリ劣化状態であると判定するように構成されてもよい。
【0147】
第3電流値は、第1電流値または第2電流値と同じであってもよく、異なっていてもよい。第3電圧値は、第1電圧値または第2電圧値と同じであってもよく、異なっていてもよい。第3温度は、第1温度または第2温度と同じであってもよく、異なっていてもよい。第3給電可能残量は、第1給電可能残量または第2給電可能残量と同じであってもよく、異なっていてもよい。第3バッテリ劣化状態は、例えば、第1バッテリ劣化状態または第2バッテリ劣化状態と同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0148】
図8を参照して、制御部82がモータ46を制御する処理が説明される。制御部82は、例えば、制御部82に電力が供給されると、処理を開始して
図8に示すフローチャートのステップS41に移行する。制御部82は、
図8のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS41からの処理を繰り返す。
【0149】
制御部82は、ステップS41において、ドライブユニット44の劣化状態が第3劣化状態の場合、ドライブユニット44の振動のレベルが第3レベル以上の場合、ドライブユニット44から生じる音の大きさが第3音量以上の場合、および、バッテリ40の劣化状態が第3バッテリ劣化状態の場合の少なくとも1つの場合か否かを判定する。制御部82は、ドライブユニット44の劣化状態が第3劣化状態の場合、ドライブユニット44の振動のレベルが第3レベル以上の場合、ドライブユニット44から生じる音の大きさが第3音量以上の場合、および、バッテリ40の劣化状態が第3バッテリ劣化状態の場合の少なくとも1つの場合、ステップS42に移行する。制御部82は、ステップS42において、モータ46の出力の第1上限値N1、および、人力駆動力に対するモータ46の出力の比率の第2上限値N2の少なくとも1つを変更して、処理を終了する。
【0150】
制御部82は、ステップS41において、ドライブユニット44の劣化状態が第3劣化状態の場合、ドライブユニット44の振動のレベルが第3レベル以上の場合、ドライブユニット44から生じる音の大きさが第3音量以上の場合、および、バッテリ40の劣化状態が第3バッテリ劣化状態の場合の少なくとも1つでない場合、処理を終了する。
【0151】
<変更例>
各実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置は、例えば、以下に示される各実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明が省略される。
【0152】
・制御部82は、加速抵抗に代えてまたは加えて、加速抵抗とは異なるパラメータに応じて、制御状態を第1制御状態から第2制御状態に切り替えてもよい。加速抵抗とは異なるパラメータは、例えば、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つを含む。加速抵抗とは異なるパラメータは、例えば、走行抵抗、人力駆動力、および、路面勾配の少なくとも1つを含む。
【0153】
・制御部82は、操作装置68の操作情報を含む予め定める情報に基づいて、第2制御状態への変更可能回数を制限するように構成されてもよい。
【0154】
・第3実施形態の制御部82は、モータ46が設けられるドライブユニット44の状態、および、モータ46に電力を供給するバッテリ40の劣化状態の少なくとも1つに応じて、モータ46の出力の第1上限値N1、および、人力駆動力に対するモータ46の出力の比率の第2上限値N2の少なくとも1つを増加させるように構成されてもよい。制御部82は、例えば、ドライブユニット44の異音および振動の少なくとも1つが低減すると、モータ46の出力の第1上限値N1、および、人力駆動力に対するモータ46の出力の比率の第2上限値N2の少なくとも1つを増加させる。制御部82は、例えば、バッテリ40の劣化状態が改善すると、モータ46の出力の第1上限値N1、および、人力駆動力に対するモータ46の出力の比率の第2上限値N2の少なくとも1つを増加させる。
【0155】
・第1実施形態において、制御部82は、人力駆動力の積算値に基づいて、制限状態を設定するように構成されてもよい。制御部82は、例えば、人力駆動力の積算値が第1積算値以上の場合、制限状態を設定するように構成される。制御部82は、例えば、人力駆動力の積算値が第3積算値以上の場合、制限状態を設定し、かつ、コンポーネント42の劣化状態をユーザに報知するように第1報知部86を制御するように構成される。
図4および
図9を参照して、第1変更例の制御部82が制限状態を設定する処理が説明される。制御部82は、例えば、
図4のステップS11およびステップS12に代えて、
図9のステップS51およびステップS52の処理を実行する。制御部82は、ステップS51において、人力駆動力の積算値が第1積算値以上か否かを判定する。制御部82は、人力駆動力の積算値が第1積算値以上の場合、ステップS52に移行する。制御部82は、人力駆動力の積算値が第1積算値以上でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS52において、人力駆動力の積算値が第3積算値以上か否かを判定する。制御部82は、人力駆動力の積算値が第3積算値以上の場合、ステップS13に移行する。制御部82は、人力駆動力の積算値が第3積算値以上でない場合、ステップS14に移行する。
【0156】
・第1実施形態において、制御部82は、モータ46の使用時間の積算値に基づいて、制限状態を設定するように構成されてもよい。制御部82は、例えば、モータ46の使用時間の積算値が第2積算値以上の場合、制限状態を設定するように構成される。制御部82は、例えば、モータ46の使用時間の積算値が第4積算値以上の場合、制限状態を設定し、かつ、コンポーネント42の劣化状態をユーザに報知するように第1報知部86を制御するように構成される。
図4および
図10を参照して、第2変更例の制御部82が制限状態を設定する処理が説明される。制御部82は、例えば、
図4のステップS11およびステップS12に代えて、
図10のステップS61およびステップS62の処理を実行する。制御部82は、ステップS61において、モータ46の使用時間の積算値が第2積算値以上か否かを判定する。制御部82は、モータ46の使用時間の積算値が第2積算値以上の場合、ステップS62に移行する。制御部82は、モータ46の使用時間の積算値が第2積算値以上でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS62において、モータ46の使用時間の積算値が第4積算値以上か否かを判定する。制御部82は、モータ46の使用時間の積算値が第4積算値以上の場合、ステップS13に移行する。制御部82は、モータ46の使用時間の積算値が第4積算値以上でない場合、ステップS14に移行する。
【0157】
・第1実施形態において、制御部82は、コンポーネント42の振動のレベルに基づいて、制限状態を設定するように構成されてもよい。制御部82は、例えば、コンポーネント42の振動のレベルが第1レベル以上の場合、制限状態を設定するように構成される。制御部82は、例えば、コンポーネント42の振動のレベルが第2レベル以上の場合、制限状態を設定し、かつ、コンポーネント42の劣化状態をユーザに報知するように第1報知部86を制御するように構成される。
図4および
図11を参照して、第3変更例の制御部82が制限状態を設定する処理が説明される。制御部82は、例えば、
図4のステップS11およびステップS12に代えて、
図11のステップS71およびステップS72の処理を実行する。制御部82は、ステップS71において、コンポーネント42の振動のレベルが第1レベル以上か否かを判定する。制御部82は、コンポーネント42の振動のレベルが第1レベル以上の場合、ステップS72に移行する。制御部82は、コンポーネント42の振動のレベルが第1レベル以上でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS72において、コンポーネント42の振動のレベルが第2レベル以上か否かを判定する。制御部82は、コンポーネント42の振動のレベルが第2レベル以上の場合、ステップS13に移行する。制御部82は、コンポーネント42の振動のレベルが第2レベル以上でない場合、ステップS14に移行する。
【0158】
・第1実施形態において、制御部82は、コンポーネント42から生じる音に基づいて、制限状態を設定するように構成されてもよい。制御部82は、例えば、コンポーネント42から生じる音の大きさが第1音量以上の場合、制限状態を設定するように構成される。制御部82は、例えば、コンポーネント42から生じる音の大きさが第2音量以上の場合、制限状態を設定し、かつ、コンポーネント42の劣化状態をユーザに報知するように第1報知部86を制御するように構成される。
図4および
図12を参照して、第4変更例の制御部82が制限状態を設定する処理が説明される。制御部82は、例えば、
図4のステップS11およびステップS12に代えて、
図12のステップS81およびステップS82の処理を実行する。制御部82は、ステップS81において、コンポーネント42から生じる音の大きさが第1音量以上か否かを判定する。制御部82は、コンポーネント42から生じる音の大きさが第1音量以上の場合、ステップS82に移行する。制御部82は、コンポーネント42から生じる音の大きさが第1音量以上でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS82において、コンポーネント42から生じる音の大きさが第2音量以上か否かを判定する。制御部82は、コンポーネント42から生じる音の大きさが第2音量以上の場合、ステップS13に移行する。制御部82は、コンポーネント42から生じる音の大きさが第2音量以上でない場合、ステップS14に移行する。
【0159】
・第1実施形態において、制御部82は、人力駆動車10の総走行距離に基づいて、制限状態を設定するように構成されてもよい。制御部82は、例えば、人力駆動車10の総走行距離が第1走行距離以上の場合、制限状態を設定するように構成される。制御部82は、例えば、人力駆動車10の総走行距離が第2走行距離以上の場合、制限状態を設定し、かつ、コンポーネント42の劣化状態をユーザに報知するように第1報知部86を制御するように構成される。
図4および
図13を参照して、第5変更例の制御部82が制限状態を設定する処理が説明される。制御部82は、例えば、
図4のステップS11およびステップS12に代えて、
図13のステップS91およびステップS92の処理を実行する。制御部82は、ステップS91において、人力駆動車10の総走行距離が第1走行距離以上か否かを判定する。制御部82は、人力駆動車10の総走行距離が第1走行距離以上の場合、ステップS92に移行する。制御部82は、人力駆動車10の総走行距離が第1走行距離以上でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS92において、人力駆動車10の総走行距離が第2走行距離以上か否かを判定する。制御部82は、人力駆動車10の総走行距離が第2走行距離以上の場合、ステップS13に移行する。制御部82は、人力駆動車10の総走行距離が第2走行距離以上でない場合、ステップS14に移行する。
【0160】
・第2実施形態において、制御部82は、バッテリ40の電流値に基づいて、制限状態を設定するように構成されてもよい。制御部82は、例えば、バッテリ40の電流値が第1電流値以下の場合、制限状態を設定するように構成される。制御部82は、例えば、バッテリ40の電流値が第2電流値以下の場合、制限状態を設定し、かつ、バッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御するように構成される。
図4および
図14を参照して、第6変更例の制御部82が制限状態を設定する処理が説明される。制御部82は、例えば、
図7のステップS31からステップS33に代えて、
図14のステップS111からステップS113の処理を実行する。制御部82は、ステップS111において、バッテリ40の電流値が第1電流値以下か否かを判定する。制御部82は、バッテリ40の電流値が第1電流値以下の場合、ステップS112に移行する。制御部82は、バッテリ40の電流値が第1電流値以下でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS112において、バッテリ40の電流値が第2電流値以下か否かを判定する。制御部82は、バッテリ40の電流値が第2電流値以下の場合、ステップS113に移行する。制御部82は、ステップS113において、バッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御して、ステップS14に移行する。
【0161】
・第2実施形態において、制御部82は、バッテリ40の電圧値に基づいて、制限状態を設定するように構成されてもよい。制御部82は、例えば、バッテリ40の電圧値が第1電圧値以下の場合、制限状態を設定するように構成される。制御部82は、例えば、バッテリ40の電圧値が第2電圧値以下の場合、制限状態を設定し、かつ、バッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御するように構成される。
図4および
図15を参照して、第7変更例の制御部82が制限状態を設定する処理が説明される。制御部82は、例えば、
図7のステップS31からステップS33に代えて、
図15のステップS121からステップS123の処理を実行する。制御部82は、ステップS121において、バッテリ40の電圧値が第1電圧値以下か否かを判定する。制御部82は、バッテリ40の電圧値が第1電圧値以下の場合、ステップS122に移行する。制御部82は、バッテリ40の電圧値が第1電圧値以下でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS122において、バッテリ40の電圧値が第2電圧値以下か否かを判定する。制御部82は、バッテリ40の電圧値が第2電圧値以下の場合、ステップS123に移行する。制御部82は、ステップS123において、バッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御して、ステップS14に移行する。
【0162】
・第2実施形態において、制御部82は、バッテリ40の放電時間の積算値に基づいて、制限状態を設定するように構成されてもよい。制御部82は、例えば、バッテリ40の放電時間の積算値が第1放電積算値以上の場合、制限状態を設定するように構成される。制御部82は、例えば、バッテリ40の放電時間の積算値が第2放電積算値以上の場合、制限状態を設定し、かつ、バッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御するように構成される。
図4および
図16を参照して、第8変更例の制御部82が制限状態を設定する処理が説明される。制御部82は、例えば、
図7のステップS31からステップS33に代えて、
図16のステップS131からステップS133の処理を実行する。制御部82は、ステップS131において、バッテリ40の放電時間の積算値が第1放電積算値以上か否かを判定する。制御部82は、バッテリ40の放電時間の積算値が第1放電積算値以上の場合、ステップS132に移行する。制御部82は、バッテリ40の放電時間の積算値が第1放電積算値以上でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS132において、バッテリ40の放電時間の積算値が第2放電積算値以上か否かを判定する。制御部82は、バッテリ40の放電時間の積算値が第2放電積算値以上の場合、ステップS133に移行する。制御部82は、ステップS133において、バッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御して、ステップS14に移行する。
【0163】
・第2実施形態において、制御部82は、バッテリ40の温度に基づいて、制限状態を設定するように構成されてもよい。制御部82は、例えば、バッテリ40の温度が第1温度以上の場合、制限状態を設定するように構成される。制御部82は、例えば、バッテリ40の温度が第2温度以上の場合、制限状態を設定し、かつ、バッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御するように構成される。
図4および
図17を参照して、第9変更例の制御部82が制限状態を設定する処理が説明される。制御部82は、例えば、
図7のステップS31からステップS33に代えて、
図17のステップS141からステップS143の処理を実行する。制御部82は、ステップS141において、バッテリ40の温度が第1温度以上か否かを判定する。制御部82は、バッテリ40の温度が第1温度以上の場合、ステップS142に移行する。制御部82は、バッテリ40の温度が第1温度以上でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS142において、バッテリ40の温度が第2温度以上か否かを判定する。制御部82は、バッテリ40の温度が第2温度以上の場合、ステップS143に移行する。制御部82は、ステップS143において、バッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御して、ステップS14に移行する。
【0164】
・第2実施形態において、制御部82は、バッテリ40の給電可能残量に基づいて、制限状態を設定するように構成されてもよい。制御部82は、例えば、バッテリ40の給電可能残量が第1給電可能残量以下の場合、制限状態を設定するように構成される。制御部82は、例えば、バッテリ40の給電可能残量が第2給電可能残量以下の場合、制限状態を設定し、かつ、バッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御するように構成される。
図4および
図18を参照して、第10変更例の制御部82が制限状態を設定する処理が説明される。制御部82は、例えば、
図7のステップS31からステップS33に代えて、
図18のステップS151からステップS153の処理を実行する。制御部82は、ステップS151において、バッテリ40の給電可能残量が第1給電可能残量以下か否かを判定する。制御部82は、バッテリ40の給電可能残量が第1給電可能残量以下の場合、ステップS152に移行する。制御部82は、バッテリ40の給電可能残量が第1給電可能残量以下でない場合、処理を終了する。制御部82は、ステップS152において、バッテリ40の給電可能残量が第2給電可能残量以下か否かを判定する。制御部82は、バッテリ40の給電可能残量が第2給電可能残量以下の場合、ステップS153に移行する。制御部82は、ステップS153において、バッテリ40の劣化状態をユーザに報知するように第2報知部88を制御して、ステップS14に移行する。
【0165】
・減速機66は、歯車56に代えて、ベルト58およびプーリ60を含んでいてもよい。第11変更例のドライブユニット44は、
図19に示されるように、例えば、クランク軸20と、モータ46と、出力軸48と、ハウジング50と、第1ワンウェイクラッチ64Aと、減速機66とを含む。クランク軸20の両方の端部には、第1クランクアーム22Aおよび第2クランクアーム22Bが設けられる。減速機66は、第1減速部分66A、第2減速部分66B、および、第3減速部分66Cに加えて、第4減速部分66Fを含む。減速機66は、例えば、第1回転軸66D、および、第2回転軸66Eに代えて、第3回転軸66Gを含む。
第1減速部分66Aは、例えば、第1歯車56A、および、第2歯車56Bに代えて、第1ベルト58A、第1プーリ60A、および、第2プーリ60Bを含む。第1プーリ60Aは、例えば、モータ46の出力軸48に相対回転不能に設けられる。第2プーリ60Bは、例えば、第3回転軸66Gに相対回転不能に設けられる。第1プーリ60Aは、第1ベルト58Aを介して第2プーリ60Bに連結される。第1プーリ60Aは、例えば、第2プーリ60Bよりも小さい。第1ベルト58Aは、例えば、第1プーリ60Aおよび第2プーリ60Bに巻きかけられ、第1プーリ60Aの回転力を第2プーリ60Bに伝達する。
第2減速部分66Bは、例えば、第3歯車56C、および、第4歯車56Dに代えて、第2ベルト58B、第3プーリ60C、および、第4プーリ60Dを含む。第3プーリ60Cは、例えば、第3回転軸66Gに相対回転不能に設けられる。第4プーリ60Dは、例えば、クランク軸20に相対回転不能に設けられる。第3プーリ60Cは、第2ベルト58Bを介して第4プーリ60Dに連結される。第3プーリ60Cは、例えば、第4プーリ60Dよりも小さい。第2ベルト58Bは、例えば、第3プーリ60Cおよび第4プーリ60Dに巻きかけられ、第3プーリ60Cの回転力を第4プーリ60Dに伝達する。
第3減速部分66Cは、例えば、第5歯車56E、および、第6歯車56Fに代えて、第3ベルト58C、第5プーリ60E、および、第6プーリ60Fを含む。第5プーリ60Eは、例えば、クランク軸20に相対回転不能に設けられる。第6プーリ60Fは、例えば、第3回転軸66Gに相対回転不能に設けられる。第5プーリ60Eは、第3ベルト58Cを介して第6プーリ60Fに連結される。第5プーリ60Eは、例えば、第6プーリ60Fよりも小さい。第3ベルト58Cは、例えば、第5プーリ60Eおよび第6プーリ60Fに巻きかけられ、第5プーリ60Eの回転力を第6プーリ60Fに伝達する。
第4減速部分66Fは、例えば、第4ベルト58D、第7プーリ60G、および、第8プーリ60Hを含む。第7プーリ60Gは、例えば、第3回転軸66Gに相対回転不能に設けられる。第8プーリ60Hは、例えば、クランク軸20に相対回転不能に設けられる。第7プーリ60Gは、第4ベルト58Dを介して第8プーリ60Hに連結される。第7プーリ60Gは、例えば、第8プーリ60Hよりも小さい。第4ベルト58Dは、例えば、第7プーリ60Gおよび第8プーリ60Hに巻きかけられ、第7プーリ60Gの回転力を第8プーリ60Hに伝達する。
【0166】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0167】
本明細書において使用される「第1、第2、および、第3」などの序数については、単に同一の名称を有する複数の部材を区別するために用いられ、特別な意味を持たない。
【符号の説明】
【0168】
10…人力駆動車、40…バッテリ、42…コンポーネント、44…ドライブユニット、46…モータ、54…動力部品、56…歯車、58…ベルト、60…プーリ、62…ベアリング、64…ワンウェイクラッチ、68…操作装置、80…制御装置、82…制御部、84…記憶部、86…第1報知部、88…第2報知部。