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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093939
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】人力駆動車用の制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/45 20100101AFI20240702BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20240702BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240702BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20240702BHJP
【FI】
B62M6/45
B62J45/00
B60L3/00 S
B60L58/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210600
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】木谷 哲也
(72)【発明者】
【氏名】阿部 佑亮
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA18
5H125AB03
5H125AC12
5H125BC06
5H125BC25
5H125EE27
(57)【要約】
【課題】人力駆動車用コンポーネントを好適に制御できる人力駆動車用の制御装置を提供する。
【解決手段】人力駆動車用の制御装置であって、人力駆動車用の制御装置であって、共通のバッテリから電力が供給される複数の人力駆動車用コンポーネントのうちの少なくとも1つの消費電力を制御する制御部を備え、複数の人力駆動車用コンポーネントは、第1コンポーネントおよび第2コンポーネントを含み、制御部は、バッテリの残量が第1閾値以下の場合、第1コンポーネントの消費電力を減少させ、バッテリの残量が第1閾値以下の状態において第2コンポーネントが動作した動作時間の測定結果に応じて、動作時間が予め定める時間以上になるように、第1閾値と、バッテリの残量が第1閾値以下の状態における第1コンポーネントおよび第2コンポーネントの少なくとも1つの消費電力と、の少なくとも1つを変更可能に構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
共通のバッテリから電力が供給される複数の人力駆動車用コンポーネントのうちの少なくとも1つの消費電力を制御する制御部を備え、
前記複数の人力駆動車用コンポーネントは、第1コンポーネントおよび第2コンポーネントを含み、
前記制御部は、
前記バッテリの残量が第1閾値以下の場合、前記第1コンポーネントの消費電力を減少させ、
前記バッテリの残量が第1閾値以下の状態において前記第2コンポーネントが動作した動作時間の測定結果に応じて、前記動作時間が予め定める時間以上になるように、前記第1閾値と、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下の状態における前記第1コンポーネントおよび前記第2コンポーネントの少なくとも1つの消費電力と、の少なくとも1つを変更可能に構成される、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記動作時間が、前記予め定める時間よりも短い場合、前記第1閾値を増加するように構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記動作時間が、前記予め定める時間よりも短い場合、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下の状態における前記第1コンポーネントおよび前記第2コンポーネントの少なくとも1つの消費電力を減少させるように構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2コンポーネントが動作している状態において、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下になった場合、前記動作時間の測定を開始する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第2コンポーネントは、前記バッテリの残量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値以下になると、動作を停止し、
前記動作時間は、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下になった時から、前記バッテリの残量が前記第2閾値以下になるまでの時間である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第2コンポーネントは、前記バッテリの残量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値以下になると、動作を停止し、
前記制御部は、
前記第2コンポーネントが動作している状態において、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下になった場合、前記動作時間の測定を開始し、
前記バッテリの残量が前記第1閾値以下になった後、前記バッテリの残量が前記第2閾値以下になる前に前記第2コンポーネントの動作が停止される場合、前記第1閾値を変更しない、請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記動作時間を測定するカウンタ、および、リアルタイムクロック回路の少なくとも1つをさらに備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、外部装置からの入力情報に応じて前記第1閾値を変更するように構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2コンポーネントの識別情報を取得可能に構成され、前記識別情報に応じて前記第1閾値を変更するように構成される、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下になると、前記第1コンポーネントの少なくとも一部の機能を停止させる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項11】
前記第2コンポーネントには、前記第1コンポーネントを介して前記バッテリの電力が供給される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1コンポーネントに設けられる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項13】
前記第2コンポーネントは、ランプを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車に推進力を付与するモータを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車用の制御装置は、共通のバッテリから電力が供給される複数の人力駆動車用コンポーネントの消費電力を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-323694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人力駆動車用コンポーネントの消費電力は、個体差および状態等によって他の人力駆動車用コンポーネントと異なっていたり、または、変化したりする。特許文献1の制御装置は、人力駆動車用コンポーネントの個体差による消費電力、および、消費電力の変化については何ら検討していない。
【0005】
本開示の目的の1つは、人力駆動車用コンポーネントを好適に制御できる人力駆動車用の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、共通のバッテリから電力が供給される複数の人力駆動車用コンポーネントのうちの少なくとも1つの消費電力を制御する制御部を備え、前記複数の人力駆動車用コンポーネントは、第1コンポーネントおよび第2コンポーネントを含み、前記制御部は、前記バッテリの残量が第1閾値以下の場合、前記第1コンポーネントの消費電力を減少させ、前記バッテリの残量が第1閾値以下の状態において前記第2コンポーネントが動作した動作時間の測定結果に応じて、前記動作時間が予め定める時間以上になるように、前記第1閾値と、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下の状態における前記第1コンポーネントおよび前記第2コンポーネントの少なくとも1つの消費電力と、の少なくとも1つを変更可能に構成される。
第1側面の制御装置によれば、バッテリの残量が第1閾値以下の状態において第2コンポーネントが動作した動作時間の測定結果に応じて、動作時間が予め定める時間以上になるように、第1閾値と、バッテリの残量が第1閾値以下の状態における第1コンポーネントおよび第2コンポーネントの少なくとも1つの消費電力と、の少なくとも1つを変更できる。したがって、制御部は、実際の測定結果に応じて第2コンポーネントの動作時間を予め定める時間以上にできるため、人力駆動車用コンポーネントを好適に制御できる。
【0007】
本開示の第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記制御部は、前記動作時間が、前記予め定める時間よりも短い場合、前記第1閾値を増加するように構成される。
第2側面の制御装置によれば、動作時間が予め定める時間よりも短い場合、第1閾値が増加するため、制御部は、早期に第1コンポーネントの消費電力を減少させることができるため、動作時間が確保されやすい。
【0008】
本開示の第1または第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記制御部は、前記動作時間が、前記予め定める時間よりも短い場合、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下の状態における前記第1コンポーネントおよび前記第2コンポーネントの少なくとも1つの消費電力を減少させるように構成される。
第3側面の制御装置によれば、動作時間が予め定める時間よりも短い場合、第1コンポーネントおよび第2コンポーネントの少なくとも1つの消費電力を減少させるため、動作時間が確保されやすい。
【0009】
本開示の第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面の制御装置において、前記制御部は、前記第2コンポーネントが動作している状態において、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下になった場合、前記動作時間の測定を開始する。
第4側面の制御装置によれば、第2コンポーネントが動作している状態において、バッテリの残量が第1閾値以下になった場合、動作時間の測定を開始するため、動作時間を正確に測定できる。
【0010】
本開示の第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面の制御装置において、前記第2コンポーネントは、前記バッテリの残量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値以下になると、動作を停止し、前記動作時間は、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下になった時から、前記バッテリの残量が前記第2閾値以下になるまでの時間である。
第5側面の制御装置によれば、バッテリの残量が第1閾値以下になった時から、バッテリの残量が第2閾値以下になるまでの時間の測定結果に応じて、第1閾値と、バッテリの残量が第1閾値以下の状態における第1コンポーネントおよび第2コンポーネントの少なくとも1つの消費電力と、の少なくとも1つを変更できる。
【0011】
本開示の第1から第3側面のいずれか1つに従う第6側面の制御装置において、前記第2コンポーネントは、前記バッテリの残量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値以下になると、動作を停止し、前記制御部は、前記第2コンポーネントが動作している状態において、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下になった場合、前記動作時間の測定を開始し、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下になった後、前記バッテリの残量が前記第2閾値以下になる前に前記第2コンポーネントの動作が停止される場合、前記第1閾値を変更しない。
第6側面の制御装置によれば、バッテリの残量が第1閾値以下になった後、バッテリの残量が第2閾値以下になる前に第2コンポーネントの動作が停止される場合、第1閾値を変更しないため、動作時間を正確に測定できる。
【0012】
本開示の第1から第6側面のいずれか1つに従う第7側面の制御装置において、前記動作時間を測定するカウンタ、および、リアルタイムクロック回路の少なくとも1つをさらに備える。
第7側面の制御装置によれば、カウンタ、および、リアルタイムクロック回路の少なくとも1つによって、動作時間を測定できる。
【0013】
本開示の第1から第7側面のいずれか1つに従う第8側面の制御装置において、前記制御部は、外部装置からの入力情報に応じて前記第1閾値を変更するように構成される。
第8側面の制御装置によれば、制御部は、外部装置からの入力情報に応じて、第1閾値を好適な値に変更できる。
【0014】
本開示の第8側面に従う第9側面の制御装置において、前記制御部は、前記第2コンポーネントの識別情報を取得可能に構成され、前記識別情報に応じて前記第1閾値を変更するように構成される。
第9側面の制御装置によれば、識別情報に応じて第1閾値を変更できるため、制御部は、第2コンポーネントの種類に適した第1閾値を設定できる。
【0015】
本開示の第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の制御装置において、前記制御部は、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下になると、前記第1コンポーネントの少なくとも一部の機能を停止させる。
第10側面の制御装置によれば、バッテリの残量が第1閾値以下になると、第1コンポーネントの少なくとも一部の機能を停止させるため、第1コンポーネントが消費電力を好適に低減できる。
【0016】
本開示の第1から第10側面のいずれか1つに従う第11側面の制御装置において、前記第2コンポーネントには、前記第1コンポーネントを介して前記バッテリの電力が供給される。
第11側面の制御装置によれば、第2コンポーネントには、第1コンポーネントを介してバッテリの電力が供給されるため、電力供給のための配線を簡便化できる。
【0017】
本開示の第1から第11側面のいずれか1つに従う第12側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1コンポーネントに設けられる。
第12側面の制御装置によれば、制御部を第1コンポーネントに設けることができる。
【0018】
本開示の第1から第12側面のいずれか1つに従う第13側面の制御装置において、前記第2コンポーネントは、ランプを含む。
第13側面の制御装置によれば、測定結果に応じてランプの動作時間を予め定める時間以上にできる。
【0019】
本開示の第1から第13側面のいずれか1つに従う第14側面の制御装置において、前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車に推進力を付与するモータを含む。
第14側面の制御装置によれば、バッテリの残量が第1閾値以下の場合、モータの消費電力を減少させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示の人力駆動車用の制御装置は、人力駆動車用コンポーネントを好適に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態の人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図である。
図2図1の制御部によって実行され、人力駆動車用コンポーネントを制御する処理のフローチャートである。
図3図1の制御部によって実行され、外部装置からの入力情報に応じて第1閾値を変更する処理のフローチャートである。
図4図1の制御部によって実行され、第2コンポーネントの識別情報に応じて第1閾値を変更する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態>
図1および図2を参照して、人力駆動車用の制御装置30が説明される。人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えば、マウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば、1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車は、電動アシスト自転車として説明される。
【0023】
人力駆動車10は、複数の人力駆動車用のコンポーネント12を含む。複数の人力駆動車用のコンポーネント12には、共通のバッテリ18から電力が供給される。複数の人力駆動車用コンポーネント12は、第1コンポーネント14および第2コンポーネント16を含む。第1コンポーネント14は、例えば、第2コンポーネント16と機能が異なる。第1コンポーネント14は、例えば、第2コンポーネント16よりも瞬間的な最大消費電力が大きい。第2コンポーネント16は、例えば、長時間にわたって継続して動作する。
【0024】
人力駆動車10は、バッテリ18を含む。バッテリ18は、人力駆動車10に設けられる。バッテリ18は、例えば、人力駆動車10のフレームに設けられる。バッテリ18は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。バッテリ18は、例えば、制御装置30の制御部32に電力を供給するように構成される。バッテリ18は、例えば、制御部32と有線または無線によって通信可能に接続される。バッテリ18は、例えば、電力線通信(PLC;Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって制御部32と通信可能である。
【0025】
例えば、第2コンポーネント16には、第1コンポーネント14を介してバッテリ18の電力が供給される。第1コンポーネント14と、第2コンポーネント16とは、例えば、電力線通信(PLC)によって接続される。第1コンポーネント14は、電力線通信によって、第2コンポーネント16に電力を供給する。第1コンポーネント14から、第2コンポーネント16に供給される電力の電圧は、例えば、バッテリ18から第1コンポーネント14に供給される電力の電圧よりも低い。
【0026】
第1コンポーネント14は、例えば、人力駆動車10に推進力を付与するモータ20を含む。第1コンポーネント14は、例えば、モータ20が設けられるハウジングを含む。モータ20は、例えば、1または複数の電気モータを含む。モータ20は、例えば、ペダルから、車輪までの人力駆動力の伝達経路に含まれる部材の少なくとも1つに、モータ20の回転力を伝達する。モータ20は、例えば、クランク軸に設けられる。モータ20は、前輪および後輪の少なくとも1つに設けられてもよい。
【0027】
第2コンポーネント16は、例えば、ランプ22を含む。ランプ22は、例えば、前ランプおよび後ランプの少なくとも1つを含む。前ランプは、例えば、人力駆動車10の前方を照らすように、人力駆動車10の車体に取り付けられる。後ランプは、例えば、人力駆動車10の後方を照らすように、人力駆動車10の車体に取り付けられる。
【0028】
人力駆動車用の制御装置30は、制御部32を備える。制御部32は、例えば、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。制御部32に含まれる演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。
【0029】
本実施形態では、制御部32は、第1コンポーネント14に設けられる。制御部32に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。演算処理装置の一部は、人力駆動車10に設けられ、演算処理装置の他の一部は、インターネットに接続されるサーバに設けられてもよい。演算処理装置が、相互に離れた複数の場所に設けられる場合、演算処理装置の各部分は、無線通信装置を介して相互に通信可能に接続される。制御部32は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0030】
制御装置30は、例えば、記憶部34をさらに備える。記憶部34は、例えば、制御部32と有線または無線によって通信可能に接続される。記憶部34には、例えば、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部34は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0031】
制御装置30は、モータ20の駆動回路をさらに備えていてもよい。制御部32と、駆動回路とは、例えば、ドライブユニットのハウジングに設けられる。制御部32と、駆動回路とは、同一の回路基板に設けられてもよい。駆動回路は、例えば、制御部32と有線または無線によって通信可能に接続される。駆動回路は、例えば、制御部32からの制御信号に応じてモータ20を駆動させる。
【0032】
駆動回路は、例えば、モータ20に電気的に接続される。駆動回路は、例えば、バッテリ18からモータ20への電力の供給を制御する。駆動回路は、例えば、インバータ回路を含む。インバータ回路は、例えば、複数のトランジスタを含む。インバータ回路は、例えば、直列に接続される一対のトランジスタからなる複数のインバータ部が並列に接続される構成を含む。
【0033】
制御装置30は、例えば、動作時間を測定するカウンタ36、および、リアルタイムクロック回路38の少なくとも1つをさらに備える。カウンタ36、および、リアルタイムクロック回路38は、例えば、制御部32に含まれる。
【0034】
制御部32は、例えば、モータ20を制御するように構成される。制御部32は、例えば、人力駆動車10の状態に応じてモータ20を制御するように構成される。制御部32は、例えば、人力駆動車10に加えられる人力駆動力に応じてモータ20の出力を変更するように、モータ20を制御するように構成される。制御部32は、例えば、人力駆動力に応じて推進力を変更するように、モータ20を制御するように構成される。制御部32は、例えば、人力駆動力検出部26によって検出される人力駆動力に応じて、モータ20を制御するように構成される。
【0035】
人力駆動車10は、例えば、クランク回転状態検出部24をさらに含む。クランク回転状態検出部24は、例えば、第1コンポーネント14に設けられる。クランク回転状態検出部24は、例えば、制御部32と有線または無線によって通信可能に接続される。
【0036】
クランク回転状態検出部24は、例えば、クランク軸、および、第1回転体の回転量を検出するように構成される。第1回転体は、例えば、フロントスプロケットまたはフロントプーリを含む。クランク回転状態検出部24は、例えば、クランク軸の回転速度に応じた情報、および、第1回転体の回転速度に応じた情報の少なくとも1つを検出するように構成される。クランク軸の回転速度に応じた情報は、例えば、クランク軸の角加速度を含む。第1回転体の回転速度に応じた情報は、例えば、第1回転体の角加速度を含む。
【0037】
クランク回転状態検出部24は、例えば、クランク軸の回転速度に応じた信号、および、第1回転体の回転速度に応じた信号の少なくとも1つを出力するように構成される。クランク回転状態検出部24は、例えば、クランク軸、および、第1回転体が1回転する間に、クランク軸の回転角度に対応する検出信号、および、第1回転体の回転角度に対応する検出信号の少なくとも1つを出力するように構成される。
【0038】
クランク回転状態検出部24は、例えば、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含む。クランク回転状態検出部24は、例えば、周方向に複数の磁極が並ぶ環状の磁石を含む。環状の磁石は、例えば、クランク軸に設けられる。環状の磁石は、例えば、1つのS極と、1つのN極とを含む。1つのS極と、1つのN極とは、クランク軸の回転中心軸心の周方向に、それぞれ180°連続して延びる。クランク回転状態検出部24は、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、または、トルクセンサなどを含んでいてもよい。
【0039】
クランク回転状態検出部24は、第2回転体の回転量を検出するように構成されてもよい。第2回転体は、例えば、リアスプロケットまたはリアプーリを含む。クランク回転状態検出部24は、第2回転体の回転速度に応じた情報を検出するように構成されてもよい。第2回転体の回転速度に応じた情報は、例えば、第2回転体の角加速度を含む。クランク回転状態検出部24は、第2回転体の回転速度に応じた信号を出力するように構成されてもよい。
【0040】
クランク回転状態検出部24は、車速センサを含んで構成されていてもよい。クランク回転状態検出部24が車速センサを含む場合、制御部32は、車速センサによって検出される車速と、変速比とに応じてクランク軸の回転速度を算出するように構成されてもよい。変速比は、例えば、クランク軸の回転速度に対する車輪の回転速度の比率である。
【0041】
人力駆動車10は、例えば、人力駆動力検出部26をさらに含む。人力駆動力検出部26は、例えば、制御部32と有線または無線によって通信可能に接続される。人力駆動力検出部26は、例えば、人力駆動力によってクランク軸に与えられるトルクに応じた信号を出力するように構成される。人力駆動力によってクランク軸に与えられるトルクに応じた信号は、人力駆動車10に入力される人力駆動力に関する情報を含む。
【0042】
人力駆動力検出部26は、例えば、人力駆動力の伝達経路に含まれる部材または人力駆動力の伝達経路に含まれる部材の近傍に含まれる部材に設けられる。人力駆動力検出部26は、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。人力駆動力検出部26は、人力駆動力に関する情報を取得できればどのような構成であってもよい。
【0043】
人力駆動力検出部26は、例えば、クランクアームおよびペダルの少なくとも1つに設けられてもよい。人力駆動力検出部26がペダルに設けられる場合、人力駆動力検出部26は、ペダルに与えられる圧力を検出するセンサを含んでいてもよい。人力駆動力検出部26は、チェーンに設けられてもよい。人力駆動力検出部26がチェーンに設けられる場合、人力駆動力検出部26は、チェーンの張力を検出するセンサを含んでいてもよい。
【0044】
人力駆動車10は、例えば、車速検出部28をさらに含む。車速検出部28は、例えば、制御部32と有線または無線によって通信可能に接続される。車速検出部28は、例えば、人力駆動車10の車速に関する情報を検出するように構成される。車速検出部28は、例えば、車輪の回転速度に関する情報を検出するように構成される。車速検出部28は、例えば、前輪および後輪の少なくとも1つに設けられる磁石を検出するように構成される。
【0045】
車速検出部28は、例えば、車輪が1回転する間に、予め定める回数の検出信号を出力するように構成される。予め定める回数は、例えば、1である。車速検出部28は、例えば、車輪の回転速度に応じた信号を出力する。制御部32は、車輪の回転速度に応じた信号と、車輪の周長に関する情報とに基づいて人力駆動車10の車速を算出できる。記憶部34には、例えば、車輪の周長に関する情報が記憶される。
【0046】
制御部32は、例えば、クランク回転状態検出部24によって検出されるクランク軸の回転速度および第1回転体の回転速度の少なくとも1つに応じて、モータ20を制御するように構成される。制御部32は、例えば、車速検出部28によって検出される人力駆動車10の車速に応じて、モータ20を制御するように構成される。
【0047】
制御部32は、例えば、人力駆動車10の車速が予め定める車速より小さい場合、人力駆動力またはクランク軸の回転速度の少なくとも1つに応じて、人力駆動車10に推進力を付与するようにモータ20を駆動するように構成される。予め定める車速は、例えば、国ごとに法令によって規定される速度である。予め定める車速は、例えば、24km/h、25km/h、30km/h、32km/h、または、45km/hである。
【0048】
制御部32は、例えば、モータ20によるアシスト力が、予め定めるアシスト力になるようにモータ20を制御するように構成される。アシスト力は、例えば、人力駆動車10に入力される人力駆動力に対するモータ20の出力の比率、および、モータ20の出力の上限値の少なくとも1つを含む。制御部32は、例えば、人力駆動力に対するアシスト力の比率が予め定める比率になるように、モータ20を制御するように構成される。
【0049】
人力駆動力は、例えば、トルクおよび仕事率の少なくとも1つによって表される。人力駆動力がトルクによって表される場合、例えば、人力駆動力は人力トルクと記載される。人力駆動力が仕事率によって表される場合、例えば、人力駆動力は人力仕事率と記載される。人力仕事率は、例えば、クランク軸に与えられるトルクとクランク軸の回転速度との積である。
【0050】
アシスト力は、例えば、トルクおよび仕事率の少なくとも1つによって表される。アシスト力がトルクによって表される場合、例えば、アシスト力はアシストトルクと記載される。アシスト力が仕事率によって表される場合、例えば、アシスト力はアシスト仕事率と記載される。人力駆動力に対するアシスト力の比率は、人力トルクに対するアシストトルクの比率であってもよく、人力仕事率に対するアシスト仕事率の比率であってもよい。
【0051】
制御部32は、例えば、複数の人力駆動車用コンポーネント12のうちの少なくとも1つの消費電力を制御する。制御部32は、例えば、バッテリ18の残量が第1閾値以下の場合、第1コンポーネント14の消費電力を減少させる。制御部32は、バッテリ18の残量が第1閾値以下になると、例えば、第1コンポーネント14の少なくとも一部の機能を停止させる。制御部32は、バッテリ18の残量が第1閾値以下になると、例えば、モータ20の駆動を禁止する。制御部32は、モータ20が駆動している場合に、バッテリ18の残量が第1閾値以下になると、例えば、モータ20を停止させる。
【0052】
制御部32は、バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態において第2コンポーネント16が動作した動作時間の測定結果に応じて、動作時間が予め定める時間以上になるように、第1閾値と、バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態における第1コンポーネント14および第2コンポーネント16の少なくとも1つの消費電力と、の少なくとも1つを変更可能に構成される。予め定める時間は、例えば、記憶部34に記憶されている。第2コンポーネント16がランプ22を含む場合、予め定める時間は、例えば、法令によって定められるランプ22の連続点灯時間に基づいて設定される。予め定める時間は、例えば、法令によって定められるランプ22の連続点灯時間よりも長い。
【0053】
制御部32は、バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態において第2コンポーネント16が動作した動作時間の測定結果に応じて、動作時間が予め定める時間以上になるように、第1閾値のみを変更可能に構成されてもよい。制御部32は、バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態において第2コンポーネント16が動作した動作時間の測定結果に応じて、動作時間が予め定める時間以上になるように、バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態における第1コンポーネント14の消費電力のみを変更可能に構成されてもよい。制御部32は、バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態において第2コンポーネント16が動作した動作時間の測定結果に応じて、動作時間が予め定める時間以上になるように、バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態における第2コンポーネント16の消費電力のみを変更可能に構成されてもよい。
【0054】
バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態における第1コンポーネント14の消費電力を変更する場合、制御部32は、バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態において、第1コンポーネント14の消費電力が予め定める消費電力以下になるように、第1コンポーネント14を制御するように構成される。
【0055】
バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態における第1コンポーネント14の消費電力を変更する場合、制御部32は、例えば、第1コンポーネント14において停止する機能の数を変更することによって、第1コンポーネント14の消費電力を変更する。バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態における第1コンポーネント14の消費電力を変更する場合、かつ、第1コンポーネント14が消費電力が変化する第1電気部品を含む場合、制御部32は、例えば、第1電気部品の消費電力を低下させることによって、第1コンポーネント14の消費電力を変更する。第1電気部品は、例えば、モータ20を含む。バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態における第1コンポーネント14の消費電力を変更する場合、かつ、第1コンポーネント14がモータ20を含む場合、制御部32は、例えば、アシスト力、および、アシスト力の上限値を変更することによって、第1コンポーネント14の消費電力を変更する。
【0056】
バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態における第2コンポーネント16の消費電力を変更する場合、制御部32は、バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態において、第2コンポーネント16の消費電力が予め定める消費電力以下になるように、第2コンポーネント16を制御するように構成される。
【0057】
バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態における第2コンポーネント16の消費電力を変更する場合、制御部32は、例えば、第2コンポーネント16において停止する機能の数を変更することによって、第2コンポーネント16の消費電力を変更する。バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態における第2コンポーネント16の消費電力を変更する場合、かつ、第2コンポーネント16が消費電力が変化する第2電気部品を含む場合、制御部32は、例えば、第2電気部品の消費電力を低下させることによって、第2コンポーネント16の消費電力を変更する。第2電気部品は、例えば、ランプ22を含む。バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態における第2コンポーネント16の消費電力を変更する場合、かつ、第2コンポーネント16がランプ22を含む場合、制御部32は、例えば、ランプ22の光度を変更することによって、第2コンポーネント16の消費電力を変更する。
【0058】
制御部32は、例えば、動作時間が、予め定める時間よりも短い場合、第1閾値を増加するように構成される。制御部32は、例えば、動作時間が予め定める時間以上になるように、第1閾値を増加するように構成される。制御部32は、例えば、動作時間の測定結果と予め定める時間との差に応じて、第1閾値を変更する。
【0059】
制御部32は、例えば、動作時間が、予め定める時間よりも短い場合、バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態における第1コンポーネント14および第2コンポーネント16の少なくとも1つの消費電力を減少させるように構成される。制御部32は、例えば、動作時間が予め定める時間以上になるように、予め定める消費電力を減少させるように構成される。制御部32は、例えば、動作時間の測定結果と予め定める時間との差に応じて、予め定める消費電力を変更する。
【0060】
制御部32は、例えば、第2コンポーネント16が動作している状態において、バッテリ18の残量が第1閾値以下になった場合、動作時間の測定を開始する。第2コンポーネント16は、例えば、バッテリ18の残量が第1閾値よりも小さい第2閾値以下になると、動作を停止する。動作時間は、例えば、バッテリ18の残量が第1閾値以下になった時から、バッテリ18の残量が第2閾値以下になるまでの時間である。制御部32は、例えば、第2コンポーネント16が動作している状態において、バッテリ18の残量が第1閾値以下になってから、バッテリ18の残量が第2閾値以下になるまでの第1時間を測定する。第1時間は、動作時間の測定結果である。制御部32は、第2コンポーネント16が動作している状態において、バッテリ18の残量が第1閾値以下になってから、第2コンポーネント16が停止するまでの第2時間を測定してもよい。第2時間は、動作時間の測定結果である。
【0061】
制御部32は、例えば、バッテリ18の残量が第1閾値以下になった後、バッテリ18の残量が第2閾値以下になる前に第2コンポーネント16の動作が停止される場合、第1閾値を変更しない。制御部32は、例えば、バッテリ18の残量が第1閾値以下になった後、バッテリ18の残量が第2閾値以下になる前に第2コンポーネント16の動作が停止される場合、動作時間の測定を停止する。第2コンポーネント16は、例えば、ユーザが操作装置を操作することによって、動作が停止する。第2コンポーネント16は、例えば、人力駆動車10が停車すると、動作が停止する。制御部32は、動作時間の測定を停止した場合、測定結果を記憶部34に記憶させないように記憶部34を制御するように構成されてもよい。
【0062】
図2を参照して、制御部32が人力駆動車用コンポーネント12を制御する処理が説明される。制御部32は、例えば、制御部32に電力が供給されると、処理を開始して図2に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部32は、図2のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0063】
制御部32は、ステップS11において、バッテリ18の残量が第1閾値以下か否かを判定する。制御部32は、バッテリ18の残量が第1閾値以下ではない場合、処理を終了する。制御部32は、バッテリ18の残量が第1閾値以下の場合、ステップS12に移行する。
【0064】
制御部32は、ステップS12において、第1コンポーネント14の消費電量を減少させ、ステップS13に移行する。第1コンポーネント14がモータ20を含み、かつ、モータ20が駆動している場合、制御部32は、ステップS12において、例えば、モータ20の駆動を停止させる。第1コンポーネント14がモータ20を含み、かつ、モータ20が停止している場合、制御部32は、ステップS12において、例えば、モータ20が停止している状態を維持する。制御部32は、ステップS12以降において、第1コンポーネント14の消費電力が減少した状態を維持するように第1コンポーネント14を制御する。
【0065】
制御部32は、ステップS13において、第2コンポーネント16が動作中か否かを判定する。制御部32は、第2コンポーネント16が動作中ではない場合、処理を終了する。制御部32は、第2コンポーネント16が動作中の場合、ステップS14に移行する。
【0066】
制御部32は、ステップS14において、第2コンポーネント16の動作時間の測定を開始し、ステップS15に移行する。制御部32は、ステップS15において、バッテリ18の残量が第2閾値以下か否かを判定する。制御部32は、バッテリ18の残量が第2閾値以下の場合、ステップS16に移行する。
【0067】
制御部32は、ステップS16において、第2コンポーネント16の動作時間の測定を終了し、ステップS17に移行する。制御部32は、ステップS17において、動作時間が予め定める時間よりも短いか否かを判定する。制御部32は、動作時間が予め定める時間よりも短くない場合、処理を終了する。制御部32は、動作時間が予め定める時間よりも短い場合、ステップS18に移行する。
【0068】
制御部32は、ステップS18において、測定結果に応じて第1閾値および予め定める消費電力の1つを変更し、処理を終了する。
【0069】
制御部32は、ステップS15において、バッテリ18の残量が第2閾値以下ではない場合、ステップS19に移行する。制御部32は、ステップS19において、測定中止条件が成立しているか否かを判定する。制御部32は、例えば、第2コンポーネント16の動作が停止すると、測定中止条件が成立すると判定する。制御部32は、例えば、バッテリ18が充電されてバッテリ18の残量が増加すると、測定中止条件が成立すると判定する。制御部32は、測定中止条件が成立する場合、処理を終了する。制御部32は、測定中止条件が成立していない場合、ステップS15に移行する。
【0070】
制御部32は、例えば、外部装置40からの入力情報に応じて第1閾値を変更するように構成される。外部装置40は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、および、サイクルコンピュータの少なくとも1つを含む。作業者は、例えば、第1コンポーネント14、および、第2コンポーネント16、および、バッテリ18の少なくとも1つを交換すると、外部装置40の操作部を操作する。外部装置40は、交換された第1コンポーネント14、および、第2コンポーネント16、および、バッテリ18の少なくとも1つに基づく第1閾値を制御部32に送信する。制御部32は、受信した第1閾値に応じて、第1閾値を変更する。
【0071】
制御部32は、例えば、動作時間の測定結果に応じて第1閾値が変更されている場合、外部装置40からの入力情報に応じて第1閾値をデフォルト値にリセットするように構成されてもよい。
【0072】
図3を参照して、制御部32が外部装置40からの入力情報に応じて第1閾値を変更する処理が説明される。制御部32は、例えば、制御部32に電力が供給されると、処理を開始して図3に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部32は、図3のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS21からの処理を繰り返す。
【0073】
制御部32は、ステップS21において、外部装置40から入力情報を受信したか否かを判定する。制御部32は、外部装置40から入力情報を受信していない場合、処理を終了する。制御部32は、外部装置40から入力情報を受信した場合、ステップS22に移行する。制御部32は、ステップS22において、入力情報に応じて第1閾値を変更し、処理を終了する。
【0074】
制御部32は、例えば、第2コンポーネント16の識別情報を取得可能に構成され、識別情報に応じて第1閾値を変更するように構成される。記憶部34は、例えば、複数の識別情報に対応する第1閾値のデフォルト値を記憶する。制御部32は、例えば、第2コンポーネント16が交換されることによって、取得する識別情報が変化すると、第1閾値を取得した識別情報と対応するデフォルト値に変更するように構成される。
【0075】
図4を参照して、制御部32が識別情報に応じて第1閾値を変更する処理が説明される。制御部32は、例えば、制御部32に電力が供給されると、処理を開始して図4に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部32は、図4のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS31からの処理を繰り返す。
【0076】
制御部32は、ステップS31において、第2コンポーネント16の識別情報を取得したか否かを判定する。制御部32は、第2コンポーネント16の識別情報を取得していない場合、処理を終了する。制御部32は、第2コンポーネント16の識別情報を取得した場合、ステップS32に移行する。制御部32は、ステップS31において、取得した第2コンポーネント16の識別情報が、前回取得した識別情報と異なる場合、ステップS32に移行するようにしてもよい。
【0077】
制御部32は、ステップS32において、識別情報に応じて第1閾値を変更し、処理を終了する。制御部32は、例えば、記憶部34に記憶される複数の識別情報に対応する第1閾値のデフォルト値から、取得した識別情報と対応する第1閾値のデフォルト値を、第1閾値として設定する。
【0078】
<変更例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置は、例えば、以下に示される実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、各実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明が省略される。
【0079】
・制御部32は、バッテリ18の残量が第1閾値以下になった後、バッテリ18の残量が第2閾値以下になる前に第2コンポーネント16の動作が停止される場合、動作時間の測定を停止せずに、一時停止してもよい。制御部32は、例えば、バッテリ18の残量が第1閾値以下の状態において、再び第2コンポーネント16が動作する場合、動作時間の測定を再開する。
【0080】
・第2コンポーネント16には、第1コンポーネント14を介さずにバッテリ18の電力が供給されてもよい。例えば、バッテリ18が、第1コンポーネント14および第2コンポーネント16のそれぞれに電気的に接続される。
【0081】
・制御部32は、例えば、バッテリ18の残量が第1閾値以下になると、モータ20の出力を制限するように構成されてもよい。制御部32は、例えば、バッテリ18の残量が第1閾値以下になると、アシスト力を低下させる。制御部32は、例えば、バッテリ18の残量が第1閾値以下になると、アシスト力を低下させる。
【0082】
・制御部32は、バッテリ18の残量が第1閾値以下になり、かつ、第2コンポーネント16が動作していない場合、制御部32は、第2コンポーネント16を動作させてから動作時間の測定を開始してもよい。
【0083】
・制御部32は、例えば、動作時間が、予め定める時間よりも長い場合、第1閾値を減少させるように構成されてもよい。制御部32は、例えば、動作時間が、予め定める時間よりも長い第3時間以上の場合、場合、第1閾値を減少させるように構成されてもよい。
【0084】
・制御部32は、例えば、動作時間が、予め定める時間よりも長い場合、予め定める消費電力を増加させるように構成されてもよい。制御部32は、例えば、動作時間が、予め定める時間よりも長い第4時間以上の場合、場合、予め定める消費電力を増加するように構成されてもよい。
【0085】
・第1コンポーネント14は、モータ20に代えてまたは加えて、電動変速機、電動シートポスト、電動ブレーキ、電動アジャスタブルシートポスト、電動サスペンション、サイクルコンピュータ、表示装置、および、センサの少なくとも1つを含んでもよい。
【0086】
・第2コンポーネント16は、ランプ22に代えてまたは加えて、電動変速機、電動シートポスト、電動ブレーキ、電動アジャスタブルシートポスト、電動サスペンション、サイクルコンピュータ、表示装置、および、センサの少なくとも1つを含んでもよい。
【0087】
・第1コンポーネント14が前ランプおよび後ランプの一方を含み、第2コンポーネント16が前ランプおよび後ランプの他方を含んでいてもよい。
【0088】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0089】
本明細書において使用される「第1、第2、および、第3」などの序数については、単に同一の名称を有する複数の部材を区別するために用いられ、特別な意味を持たない。
【符号の説明】
【0090】
10…人力駆動車、12…人力駆動車用コンポーネント、14…第1コンポーネント、16…第2コンポーネント、18…バッテリ、20…モータ、22…ランプ、30…制御装置、32…制御部、36…カウンタ、38…リアルタイムクロック回路、40…外部装置。
図1
図2
図3
図4