特開 2024-93941 カラオケ用プログラム、及び、カラオケ装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024093941

(43)【公開日】2024-07-09

(54)【発明の名称】カラオケ用プログラム、及び、カラオケ装置

(51)【国際特許分類】

   G10K 15/04 20060101AFI20240702BHJP

【ＦＩ】

G10K15/04 302D

【審査請求】有

【請求項の数】15

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022210602

(22)【出願日】2022-12-27

(71)【出願人】

【識別番号】000005267

【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100157118

【弁理士】

【氏名又は名称】南 義明

(72)【発明者】

【氏名】阿瀬見 典昭

(72)【発明者】

【氏名】牛山 建太郎

(72)【発明者】

【氏名】金礪 愛

【テーマコード（参考）】

5D208

【Ｆターム（参考）】

5D208CA08

5D208CA09

5D208CA11

5D208CC02

5D208CC12

5D208CG05

(57)【要約】

【課題】複数の端末装置間でカラオケを行う際、好適な音量環境を提供する。
【解決手段】本発明に係るカラオケ用プログラムは、ネットワークを介して互いに通信接続され、オンライン上で形成されるカラオケルームに参加し、音を入力するための入力部と音を再生する再生部とを備える端末装置で実行されるカラオケ用プログラムであって、カラオケルームに参加する複数の他の端末装置それぞれから音声データを受信する音声受信処理と、受信した音声データを再生する音声再生処理と、複数の他の端末装置から受信されて端末装置で再生される音声データについて、他の端末装置毎に個別に音量制御する個別音量制御処理と、を実行する。
【選択図】図１１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

ネットワークを介して互いに通信接続され、オンライン上で形成されるカラオケルームに参加し、音を入力するための入力部と音を再生する再生部とを備える端末装置で実行されるカラオケ用プログラムであって、
前記カラオケルームに参加する複数の他の端末装置それぞれから音声データを受信する音声受信処理と、
受信した前記音声データを再生する音声再生処理と、
複数の前記他の端末装置から受信されて前記端末装置で再生される前記音声データについて、前記他の端末装置毎に個別に音量制御する個別音量制御処理と、を実行する
カラオケ用プログラム。

【請求項2】

伴奏データに基づき、カラオケ楽曲の伴奏を再生する伴奏再生処理と、
再生される伴奏の音量を制御する伴奏音量制御処理と、を実行する
請求項１に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項3】

入力される自音声データを再生するフィードバック再生処理と、
前記フィードバック再生処理で再生される前記自音声データの音量を制御するフィードバック音量制御処理と、を実行する
請求項１に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項4】

前記端末装置は、画像を表示する表示部を備え、
前記カラオケルームに参加する複数の前記他の端末装置それぞれに対応する参加者領域を含んで形成されるメイン画像を表示するメイン表示処理と、
前記参加者領域が選択された場合に、前記参加者領域に対応する前記他の端末装置について、音量調整操作子を表示する第１表示処理と、を実行し、
前記個別音量制御処理は、前記音量調整操作子の操作に基づき、対応する前記他の端末装置から受信された前記音声データの音量を制御する
請求項１に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項5】

前記端末装置は、撮像することで撮像画像を生成する撮像部、を備え、
前記カラオケルームに参加する複数の前記他の端末装置それぞれから撮像画像を受信する撮像画像受信処理、を実行し、
前記参加者領域は、複数の前記他の端末装置から受信された撮像画像が表示される領域である
請求項４に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項6】

前記参加者領域のサイズは可変である
請求項４に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項7】

前記端末装置の状態を、歌唱モードまたは聴取モードのいずれかの状態に設定するモード設定処理、を実行し、
前記メイン画面内で、歌唱モードに設定された前記他の端末装置に対応する前記参加者領域は、聴取モードに設定された前記他の端末装置に対応する前記参加者領域よりも大きい
請求項４に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項8】

伴奏データに基づき、カラオケ楽曲の伴奏を再生する伴奏再生処理と、
複数の前記他の端末装置それぞれの前記音量調整操作子と、伴奏音量調整操作子とを表示する第２表示処理と、
前記伴奏音量調節操作子の操作に基づき、再生される前記伴奏の音量を制御する伴奏音量制御手段と、をさらに実行することを特徴とする
請求項４に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項9】

前記第１表示処理は、選択された前記参加者領域に重なる位置に、前記音量調整操作子を表示する
請求項４に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項10】

前記メイン画像に重ねて、カラオケ楽曲の歌詞を表示する歌詞表示処理を実行し、
前記第１表示処理は、表示される歌詞に重ならない位置に、前記音量調整操作子を表示する
請求項４に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項11】

前記メイン画像に重ねて、カラオケ楽曲の演奏開始を指示する再生操作子を表示する再生操作子表示処理を実行し、
前記第１表示処理は、前記再生操作子に重ならない位置に、前記音量調整操作子を表示する
請求項４に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項12】

前記第１表示処理は、複数の前記参加者領域を選択可能とし、選択された複数の前記参加者領域に対応する複数の前記他の端末装置について、前記音量調整操作子を表示し、
前記個別音量制御処理は、前記音量調整操作子の操作に基づき、選択された複数の前記他の端末装置から受信された前記音声データの音量を制御する
請求項４に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項13】

前記端末装置の状態を、歌唱モードまたは聴取モードのいずれかの状態に設定するモード設定処理を実行し、
前記個別音量制御処理において、歌唱モードの音量制御と、聴取モードの音量制御とは、区別して行われる
請求項１に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項14】

伴奏データに基づき、カラオケ楽曲の伴奏を再生する伴奏再生処理を実行し、
前記個別音量制御における前記他の端末装置から受信された前記音声データの音量は、伴奏の開始あるいは終了に対応するタイミングでリセットされる
請求項１に記載のカラオケ用プログラム。

【請求項15】

ネットワークを介して互いに通信接続され、オンライン上で形成されるカラオケルームに参加し、音を入力するための入力部と音を再生する再生部とを備えるカラオケ装置であって、
前記カラオケルームに参加する複数の前記他のカラオケ装置それぞれから音声データを受信する音声受信処理と、
受信した前記音声データを再生する音声再生処理と、
複数の前記他のカラオケ装置から受信されて前記カラオケ装置で再生される前記音声データについて、前記他のカラオケ装置毎に個別に音量制御する個別音量制御処理と、を実行する
カラオケ装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、端末装置で実行可能なカラオケ用プログラム、及び、カラオケ装置に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、伴奏に合わせて歌唱を楽しむカラオケが社交の場等で行われている。一方、カラオケを好むユーザの中には、オンラインによるＷｅｂ会議を利用してカラオケを楽しむ者もいる。Ｗｅｂ会議を利用したカラオケでは、ユーザが所持するパーソナルコンピュータを使用してＷｅｂ会議を開催するＷｅｂ会議サーバに通信接続し、ダウンロードした楽曲を再生して歌唱を楽しむことになる。

【0003】

特許文献１には、同じルームに参加登録した複数のユーザに対して、あたかもカラオケボックスでカラオケを利用しているようにカラオケサービスを提供可能なカラオケサービスシステムが開示されている。このカラオケサービスシステムでは、カラオケ楽曲に併せて歌唱したユーザの音声データを、ネットワークを介してストリーミング配信し、ルームに参加しているユーザの端末装置においてカラオケ楽曲と音声データに基づく歌声とを再生出力させている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０１０－１９７４９９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

通常、カラオケボックスでは、カラオケボックスに集ったユーザの中には、歌唱するユーザである歌唱者と聴取するユーザである聴取者とが存在する。歌唱者は、伴奏に合わせて歌唱を行うことになるが、聴取者は合いの手を入れる、あるいは、拍手する等で歌唱の場を盛り上げるとともに、聴取者自身もカラオケに参加している感じを味わうことになる。

【0006】

特許文献１に記載されるカラオケサービスシステムでは、歌唱者の音声データを配信、及び再生出力することが記載されているが、同じルームに参加するユーザの音声については何ら考慮されるものではない。したがって、聴取者の合いの手、及び拍手などを他のユーザに伝えることはできず、通常のカラオケボックスにおけるカラオケよりも盛り上がりに欠けることが考えられる。

【0007】

Ｗｅｂ会議と同様、参加するユーザの音声を全て再生可能とする形態も考えられるが、歌唱者、及び聴取者の音声を隔てなく再生した場合、聴取者の音量が大きい、あるいは、聴取者が歌唱の妨げを行うといったときに、隔てなく音量を下げてしまうと、本来目的とする歌唱者の音量も小さくなり、歌唱を十分に楽しめないことが考えられる。

【0008】

本発明は、このような状況を鑑みたものであって、端末装置間で通信を行い、カラオケを楽しむ際、良好な音響環境を提供することを１つの目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0009】

そのため、本発明に係るカラオケ用プログラムは以下の構成を採用するものである。
ネットワークを介して互いに通信接続され、オンライン上で形成されるカラオケルームに参加し、音を入力するための入力部と音を再生する再生部とを備える端末装置で実行されるカラオケ用プログラムであって、
前記カラオケルームに参加する複数の他の端末装置それぞれから音声データを受信する音声受信処理と、
受信した前記音声データを再生する音声再生処理と、
複数の前記他の端末装置から受信されて前記端末装置で再生される前記音声データについて、前記他の端末装置毎に個別に音量制御する個別音量制御処理と、を実行する。

【0010】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムは、
伴奏データに基づき、カラオケ楽曲の伴奏を再生する伴奏再生処理と、
再生される伴奏の音量を制御する伴奏音量制御処理と、を実行する。

【0011】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムは、
入力される自音声データを再生するフィードバック再生処理と、
前記フィードバック再生処理で再生される前記自音声データの音量を制御するフィードバック音量制御処理と、を実行する。

【0012】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムは、
前記端末装置は、画像を表示する表示部を備え、
前記カラオケルームに参加する複数の前記他の端末装置それぞれに対応する参加者領域を含んで形成されるメイン画像を表示するメイン表示処理と、
前記参加者領域が選択された場合に、前記参加者領域に対応する前記他の端末装置について、音量調整操作子を表示する第１表示処理と、を実行し、
前記個別音量制御処理は、前記音量調整操作子の操作に基づき、対応する前記他の端末装置から受信された前記音声データの音量を制御する。

【0013】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムにおいて、
前記端末装置は、撮像することで撮像画像を生成する撮像部、を備え、
前記カラオケルームに参加する複数の前記他の端末装置それぞれから撮像画像を受信する撮像画像受信処理、を実行し、
前記参加者領域は、複数の前記他の端末装置から受信された撮像画像が表示される領域である。

【0014】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムにおいて、
前記参加者領域のサイズは可変である。

【0015】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムは、
前記端末装置の状態を、歌唱モードまたは聴取モードのいずれかの状態に設定するモード設定処理、を実行し、
前記メイン画面内で、歌唱モードに設定された前記他の端末装置に対応する前記参加者領域は、聴取モードに設定された前記他の端末装置に対応する前記参加者領域よりも大きい。

【0016】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムは、
伴奏データに基づき、カラオケ楽曲の伴奏を再生する伴奏再生処理と、
複数の前記他の端末装置それぞれの前記音量調整操作子と、伴奏音量調整操作子とを表示する第２表示処理と、
前記伴奏音量調節操作子の操作に基づき、再生される前記伴奏の音量を制御する伴奏音量制御手段と、をさらに実行する。

【0017】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムにおいて、
前記第１表示処理は、選択された前記参加者領域に重なる位置に、前記音量調整操作子を表示する。

【0018】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムは、
前記メイン画像に重ねて、カラオケ楽曲の歌詞を表示する歌詞表示処理を実行し、
前記第１表示処理は、表示される歌詞に重ならない位置に、前記音量調整操作子を表示する。

【0019】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムは、
前記メイン画像に重ねて、カラオケ楽曲の演奏開始を指示する再生操作子を表示する再生操作子表示処理を実行し、
前記第１表示処理は、前記再生操作子に重ならない位置に、前記音量調整操作子を表示する。

【0020】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムにおいて、
前記第１表示処理は、複数の前記参加者領域を選択可能とし、選択された複数の前記参加者領域に対応する複数の前記他の端末装置について、前記音量調整操作子を表示し、
前記個別音量制御処理は、前記音量調整操作子の操作に基づき、選択された複数の前記他の端末装置から受信された前記音声データの音量を制御する。

【0021】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムは、
前記端末装置の状態を、歌唱モードまたは聴取モードのいずれかの状態に設定するモード設定処理を実行し、
前記個別音量制御処理において、歌唱モードの音量制御と、聴取モードの音量制御とは、区別して行われる。

【0022】

さらに本発明に係るカラオケ用プログラムは、
伴奏データに基づき、カラオケ楽曲の伴奏を再生する伴奏再生処理を実行し、
前記個別音量制御における前記他の端末装置から受信された前記音声データの音量は、伴奏の開始あるいは終了に対応するタイミングでリセットされる。

【0023】

また本発明に係るカラオケ装置は、
ネットワークを介して互いに通信接続され、オンライン上で形成されるカラオケルームに参加し、音を入力するための入力部と音を再生する再生部とを備えるカラオケ装置であって、
前記カラオケルームに参加する複数の前記他のカラオケ装置それぞれから音声データを受信する音声受信処理と、
受信した前記音声データを再生する音声再生処理と、
複数の前記他のカラオケ装置から受信されて前記カラオケ装置で再生される前記音声データについて、前記他のカラオケ装置毎に個別に音量制御する個別音量制御処理と、を実行する。

【発明の効果】

【0024】

本発明に係るカラオケ用プログラム、カラオケ装置によれば、複数の端末装置（カラオケ装置）間でカラオケを行う際、他の端末装置からの音声データの音量を個別に制御することが可能となり、ユーザは好適な環境下でカラオケを楽しむことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【0025】

【図1】本実施形態のシステム構成を示す図

【図2】本実施形態の携帯端末の外観図

【図3】本実施形態の携帯端末の構成を示すブロック図

【図4】本実施形態のルーム処理を示すフロー図

【図5】本実施形態の予約処理を示すフロー図

【図6】本実施形態の携帯端末間処理を示すフロー図

【図7】本実施形態の携帯端末における各種画面を示す図

【図8】本実施形態の携帯端末における各種画面を示す図

【図9】本実施形態の携帯端末における各種画面を示す図

【図10】本実施形態の携帯端末における各種画面を示す図

【図11】本実施形態の携帯端末における各種画面を示す図

【発明を実施するための形態】

【0026】

図１は、本実施形態のシステム構成を示す図である。本実施形態で、携帯端末６間で通信を行い、カラオケを行うことが可能なシステムである。図１は、携帯端末６間の通信形態の各種例を示したものである。例えば、個人宅の場合、インターネットに通信接続されたルータ１２ａが設けられ、ルータ１２ａには無線ルータ１２ｂが接続されている。携帯端末６は、無線ルータ１２ｂを介してインターネットに通信接続することが可能である。

【0027】

このような通信形態以外に、携帯通信網を使用してインターネットとの通信を行うことも可能である。携帯通信網は、携帯端末６と無線基地局１３との間で無線通信を行うことで、携帯端末６をインターネットに通信接続させる通信形態である。

【0028】

このような各種通信形態を使用することで、携帯端末６は、インターネットに通信接続することが可能である。また、インターネットには、カラオケシステムを管理するための管理サーバ１１が通信接続されている。カラオケ用プログラムがインストールされ、インターネットに通信接続した携帯端末６は、この管理サーバ１１と通信を行うことで、携帯端末６間でカラオケを行うことが可能となっている。

【0029】

以上、本実施形態では、端末装置として携帯端末６を使用してカラオケを行う形態について説明を行う。なお、端末装置としては、携帯端末６の他、家庭用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、あるいは、カラオケ専用のカラオケ装置を使用することとしてもよい。また、カラオケ用プログラムがインストールされた端末装置は、カラオケ装置として機能することになる。

【0030】

図２は、本発明の実施形態に係る携帯端末６の外観（正面図）を示す図であり、図３は、本発明の実施形態に係る携帯端末６の構成を示すブロック図である。この携帯端末６としては、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話などを採用することが可能である。この携帯端末６に、カラオケ用プログラムをインストールすることで、携帯端末６間においてカラオケを行うことが可能となる。

【0031】

本実施形態の携帯端末６は、ＣＰＵ６１、ＲＡＭ６２、記憶部６３、画像処理部６４、音響処理部６６を含んで構成された制御手段を有している。記憶部６３には、ＮＡＮＤ型フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶手段を採用することが可能である。この記憶部６３には、本実施形態のプログラム、そして、プログラムで使用する各種データが記憶される。

【0032】

ＣＰＵ６１は、携帯端末６全体を統括して制御する手段であり、記憶部６３に記憶されたプログラム、データに基づいて各種制御を実行する。ＲＡＭ６２には、ＣＰＵ６１の制御によって生成されたデータを一時的に格納する。

【0033】

音響処理部６６は、携帯端末６の音響関係の入出力を行う手段である。ＣＰＵ６１の制御によりスピーカ６７ａから放音させる。また、音響処理部６６は、マイクロホン６７ｂと接続され、マイクロホン６７ｂから通話音声や、周囲の音声を取り込み可能としている。スピーカ６７ａ及びマイクロホン６７ｂについては、ヘッドセットなど外部機器を用いてもよい。

【0034】

タッチパネル表示部６８は、画像を表示する表示部６８ｍとその表面あるいは裏面に配設されるタッチパネル６８ｎを有して構成されている。タッチパネル６８ｎには、静電容量方式などユーザのタッチ位置を認識可能とする各種タイプを採用することが可能である。ＣＰＵ６１は、表示部６８ｍに表示を行うとともに、タッチパネル６８ｎからのタッチ入力にて、表示させている画像中のどの部分にタッチ入力されたかを判定することが可能である。

【0035】

画像処理部６４は、携帯端末６の画像関係の入出力を行う手段である。画像処理部６４は、ＣＰＵ６１で形成された画像を表示部６８ｍに表示出力する。そして、携帯端末６の前面（タッチパネル表示部６８側）に配置されたフロントカメラ６５Ｆ、もしくは、携帯端末６の背面に配置されたリアカメラ６５Ｒから画像、又は、映像であれば動画を取り込み、画像、又は、動画情報として、記憶部６３に記憶する機能を有する。

【0036】

本実施形態の携帯端末６は、外部と通信するための通信手段として第１通信部６９ａ、第２通信部６９ｂを備える。第１通信部６９ａは、携帯通信網接続用の通信手段であって、携帯基地局１４０に無線接続することで、携帯通信網の通信回線でインターネット網を介した各通信を行うことが可能である。第２通信部６９ｂは、Ｗｉｆｉ接続用の通信手段である。携帯端末６は第２通信部６９ｂを使用して、アクセスポイント１１０に無線接続し、アクセスポイント１１０が参加するローカルエリアネットワークに通信接続することが可能である。なお、携帯端末６の通信手段としては、第１通信部６９ａ、第２通信部６９ｂ以外に、赤外線通信部、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）といった近距離通信手段等を設けることとしてもよい。

【0037】

本実施形態の携帯端末６は、入力手段としてタッチパネル６８ｎ以外に入力スイッチ７０を備えて構成されている。この入力スイッチ７０（図２の入力スイッチ７０ａ、７０ｂ等）には、電源スイッチ、音量調整スイッチ、プログラムに応じて入力用途が変更されるスイッチなど、各種スイッチを設けることが可能である。

【0038】

さらに本実施形態の携帯端末６は、携帯端末６を所持するユーザに各種通知を行うため、振動部７２、ＬＥＤ７３を有する。振動部７２は、モータの軸に偏心させたウェイトを取り付けて構成される部材である。モータを回転駆動することでユーザに感知可能な振動を伝えることが可能である。ＬＥＤ７３は、図２に示すように携帯端末６の正面上方に配置され、明滅することでユーザに各種通知を行うことができる。

【0039】

本実施形態では、このような携帯端末６にカラオケ用プログラムをインストールすることで、携帯端末６間においてカラオケを行うことが可能とするものである。では、携帯端末６を用いてカラオケを行う際の各種処理の詳細を説明する。

【0040】

図４は、本実施形態のルーム処理を示すフロー図である。ここでは、携帯端末６ａ、６ｂを使用してカラオケを行う場合について説明を行う。本実施形態では、ユーザは仮想的に形成されたカラオケルーム（以下、「ルーム」と略する）に集い、同じルームに集うユーザが音声（映像を含むものであってもよい）を共有することでカラオケを行うことが可能である。

【0041】

ここでは、携帯端末６ａを使用するユーザがルームを作成し、携帯端末６ｂを使用するユーザが当該ルームに参加する場合について説明する。携帯端末６ａ、６ｂを使用するユーザは、管理サーバ１１に対するアカウントを予め有しているものとする。なお、アカウントを有していないユーザは、管理サーバ１１にアクセスして新規アカウントを作成することが可能である。

【0042】

携帯端末６ａは、まず、管理サーバ１１に対してログイン指示（Ｓ１１）を行う。ログイン指示は、アカウント情報（ユーザＩＤ、パスワード等）を入力することで行われる。ログイン指示（Ｓ１１）を受信した管理サーバ１１は、ログイン処理（Ｓ２１）を実行する。ログイン処理では、アカウント情報に基づく認証が行われ、認証が適正な場合、ユーザは、カラオケ用プログラムの各種機能を使用することが可能となる。

【0043】

図７（Ａ）には、ログイン後に表示されるルーム選択画面が示されている。ルーム選択画面では、ルーム選択欄６８ａ、新規ルーム作成ボタン６８ｂが表示される。ルーム選択欄６８ａは、既に作成されたルームであって、当該ルームに関する状況が示されている。ルーム選択欄には、ルーム名、ルームに参加しているユーザのアイコン、ルームの開催状況（「ＯＰＥＮ」、「準備中」）、ルームの開催日等が表示されている。また、左上に鍵のマークが表示されたルーム選択欄６８ａは、パスワードが必要なルーム、あるいは、予め招待されたユーザのみが参加できるルームであることを示している。

【0044】

ユーザはルーム選択欄６８ａを操作することでルームに参加することが可能である。また、新規ルーム作成ボタン６８ｂは、新たにルームを作成するためのボタンである。新規ルーム作成ボタン６８ｂを操作することで、携帯端末６ａは、管理サーバ１１に対してルーム作成指示（Ｓ１２）を行うことが可能である。管理サーバ１１は、ルーム作成指示（Ｓ１２）に基づき、ルーム作成処理（Ｓ２２）を実行する。ルーム作成処理（Ｓ２２）が完了すると、図７（Ａ）に示されるルーム選択欄６８ａが表示される。

【0045】

一方、ルームに参加する携帯端末６ｂでは、まず、アカウント情報の入力によるログイン指示（Ｓ１１）を管理サーバ１１に対して行う。管理サーバ１１では、携帯端末６ａの場合と同様、アカウント情報に基づく認証を行い、認証が適正な場合、携帯端末６ｂをログインさせる。ユーザは、図７（Ａ）に示されるルーム選択画面を参照し、入りたいルーム選択欄６８ａの選択操作によるルーム参加指示を行う（Ｓ１３）。図４の例では、携帯端末６ａのユーザが作成したルームに参加する場合であって、管理サーバ１１は、携帯端末６ａのユーザが作成したルームに、携帯端末６ｂのユーザを参加させるユーザ追加処理（Ｓ２３）を実行する。

【0046】

携帯端末６ａ、６ｂのユーザが同じルームに入ったことで、携帯端末６ａ、６ｂ間でカラオケ処理（Ｓ１２）を実行することが可能となる。

【0047】

カラオケ処理（Ｓ１２）は、主に予約処理と、楽曲再生処理を含んで構成されている。予約処理は、歌唱する楽曲の予約を行う処理であり、楽曲再生処理は、予約処理に基づき、予約リストに登録された楽曲を順に再生する処理である。

【0048】

図５は、本実施形態の予約処理を示すフロー図である。予約処理では、楽曲の検索を行い、歌唱する楽曲を選択することで、管理サーバ１１で管理する予約リストに楽曲を追加することが可能である。楽曲を予約したいユーザは、図７（Ｂ）に示される楽曲検索画面を使用して楽曲の検索を行う（Ｓ１０１）。

【0049】

楽曲検索画面には、検索カテゴリー選択欄６８ｃ、楽曲選択欄６８ｄが設けられている。検索カテゴリー選択欄には、「お気に入り」、「曲」、「アーティスト」、「アルバム」といった検索カテゴリーが設けられ、ユーザはこれら検索カテゴリーを選択することで、選択した検索カテゴリーに応じた楽曲検索を行うことが可能である。図７（Ｂ）の状態は、検索カテゴリーとして「曲」が選択されている場合であり、あいうえお順、アルファベット順に楽曲選択欄６８ｄが表示されている。

【0050】

楽曲選択欄６８ｄは、楽曲毎に、アイコン（ジャケットアート等）、楽曲名、アーティスト名が表示されている。ユーザが、希望する楽曲選択欄６８ｄを選択した場合（Ｓ１０２：Ｙｅｓ）、当該楽曲について楽曲確認画面（図示せず）が表示される（Ｓ１０３）。ユーザは、この楽曲確認画面に表示される予約ボタンを操作する等、予約に関する確認操作を行う（Ｓ１０４：Ｙｅｓ）ことで、楽曲の予約を実行する。予約が行われると予約情報が管理サーバ１１に送信される。予約情報は、予約したユーザを示すユーザＩＤ、そして、楽曲を示す楽曲ＩＤを含んで構成されている。管理サーバ１１は、受信した予約情報を予約リストに登録する。

【0051】

図６は、本実施形態の携帯端末間処理を示すフロー図である。ここでは同じルームに入室している２台の携帯端末６ａ、６ｂを例に取って説明する。実際には、ルームに入室する携帯端末６の台数は、２台以上とすることが可能である。

【0052】

まず、携帯端末６ａが予約処理（Ｓ１００）を実行し、所望の楽曲の予約を行う。予約処理（Ｓ１００）については、図５で説明したとおりであって、携帯端末６ａは、管理サーバ１１に対して予約情報を送信する。予約情報を受信した管理サーバ１１は、予約情報を予約リストに登録する（Ｓ２０１）。その際、本実施形態では、予約操作に伴い、ルームに入室している全ての携帯端末６ａ、６ｂにシステムコメントを表示することとしている（Ｓ１０１、Ｓ１５１）。

【0053】

予約情報を受信した管理サーバ１１は、予約を行ったユーザが入室しているルームの全ての携帯端末６ａ、６ｂに対してシステムコメントの送信を行い（Ｓ２０２）、受信した携帯端末６ａ、６ｂは、システムコメントの表示を行う（Ｓ１０１、Ｓ１５１）。このような構成に基づき、離れた状態でカラオケを行うユーザ間において、楽曲再生処理に関する操作（この場合、予約処理）を各ユーザに通知することが可能となる。したがって、各ユーザは、誰がどのような操作を行っているかを知ることが可能となり、円滑なコミュニケーションを行える。

【0054】

管理サーバ１１は、予約リストの確認を行い（Ｓ２０３）、次に再生する楽曲がある場合（Ｓ２０４：ＹＥＳ）、当該楽曲について、図６の破線で囲まれる楽曲再生処理を実行する。楽曲再生処理では、まず、予約情報に含まれるユーザＩＤに基づき、予約を行ったユーザを歌唱者として特定する（Ｓ２０５）。そして、歌唱者に特定されたユーザが使用する携帯端末６ａに対して、歌唱モードへの変更指示を行う（Ｓ２０８）。変更指示を受けた携帯端末６ａは、歌唱モードに変更される（Ｓ１０２）。

【0055】

一方、管理サーバ１１は、同じルームに入室している歌唱者以外のユーザを、聴取者として特定し、聴取者に特定されたユーザが使用する携帯端末６ｂに対して、聴取モードへの変更指示を行う（Ｓ２０７）。変更指示を受けた携帯端末６ｂは、聴取モードに変更される（Ｓ１５２）。

【0056】

ここで、歌唱モード、及び聴取モードについて説明する。歌唱モードに設定された携帯端末６では、マイクロホン６７ｂがオフとなっている場合、オンの状態に変更する。また、マイクロホン６７ｂの音量が下がっている場合、設定値まで音量を上げ、ユーザの歌唱音声データを取り込み易くする。また、歌唱モードに設定された携帯端末６では、聴取モード時の通信処理よりも低遅延な第１の通信モードに設定される。このような通信モードとすることで、歌唱モードに設定された携帯端末６での歌唱音声データは遅延を抑えた状態で、他の携帯端末６に送信されることになる。

【0057】

一方、聴取モードに設定された携帯端末６では、歌唱モードとは異なる第２の通信モードに設定される。第２の通信モードは、第１の通信モードよりも遅延の大きい（遅延の可能性の大きい）モードである。ユーザ間の会話、歌唱に対する声援等、聴取モードに設定された携帯端末６のマイクロホン６７ｂで集音された音声データは、第２の通信モードを使用して、他の携帯端末６に送信される。

【0058】

歌唱モード、聴取モードに設定された携帯端末６のどちらにおいても楽曲データに基づく楽曲再生は行われる。本実施形態の楽曲データは、伴奏データ、歌詞データを含んで構成されている。また、楽曲データによっては、歌唱を補助するガイドデータを含んだものを有する。このように歌唱モード、聴取モードにおいて、それぞれに適した環境を形成することが可能となる。

【0059】

図６のフロー図において、歌唱モード、聴取モードの設定が完了（Ｓ１０２、Ｓ１５２）すると、管理サーバ１１は、各携帯端末６ａ、６ｂに対して楽曲送信を開始する（Ｓ２０８）。本実施形態では、ストリーム再生による楽曲送信としているが、携帯端末６ａ、６ｂに予め楽曲情報を記憶して再生を行う蓄積タイプとすることも可能である。どちらにおいても、各携帯端末６ａ、６ｂにおいて、楽曲再生の同期が取られることになる。

【0060】

各携帯端末６ａ、６ｂでは、楽曲データに基づく楽曲再生が行われる（Ｓ１０３、Ｓ１５３）。そして、歌唱モードに設定されている携帯端末６ａでは、マイクロホン６７ｂによる歌唱音声データの集音が行われる（Ｓ１０４）。集音された歌唱音声データは、管理サーバ１１に送信され、管理サーバ１１は、同じルームに入室している他の携帯端末６に対して転送を行う（Ｓ２０９）。歌唱音声データを受信した携帯端末６ｂは、受信した歌唱音声データを再生し、スピーカ６７ａから楽曲再生音とともに放音する。

【0061】

また、聴取モードに設定されている携帯端末６ｂでは、マイクロホン６７ｂによる音声データの集音が行われる（Ｓ１５４）。集音された音声データは、管理サーバ１１に送信され、同じルームに入室している他の携帯端末６に対して転送を行される（Ｓ２１０）。管理サーバ１１は、同じルームに入室している他の携帯端末６に対して転送を行う（Ｓ２１０）。音声データを受信した携帯端末６は、受信した音声データを再生し、スピーカ６７ａから放音する。

【0062】

管理サーバ１１では、楽曲送信が完了（Ｓ２１１：Ｙｅｓ）すると、次の楽曲の再生のため、予約リストの確認を行う（Ｓ２０３）。また、楽曲再生送信の終了に伴い、各携帯端末６ａ、６ｂでは、楽曲の再生を終了する（Ｓ１０５：Ｙｅｓ、Ｓ１５５：Ｙｅｓ）。

【0063】

図８、図９は、本実施形態の携帯端末６における各種画面を示す図であって、歌唱者の利用時について説明するための画面である。図８（Ｃ）は、楽曲再生が行われていないときの携帯端末６の画面である。画面には、自ユーザ表示領域６８ｅ、他ユーザ表示領域６８ｆ、各種設定欄６８ｇが設けられている。なお、本実施形態では、自ユーザ表示領域６８ｅと他ユーザ表示領域６８ｆに表示される画像によりメイン画像を形成している。

【0064】

自ユーザ表示領域６８ｅは、携帯端末６を使用するユーザに関する情報が表示される領域であって、フロントカメラ６５Ｆ、あるいはリアカメラ６５Ｒ（以下、カメラ６５と称する）を使用して撮像された撮像画像を表示することが可能である。また、他ユーザ表示領域６８ｆは、同じルームに入室している他のユーザに関する領域であって、他のユーザの携帯端末６のカメラ６５で撮像された撮像画像が表示される領域である。

【0065】

図８（Ｃ）以降の例では、ルームに４名のユーザが参加している状態が示されており、画面は、自ユーザ表示領域６８ｅと、３つの他ユーザ表示領域６８ｆに分割された状態で表示されている。本実施形態では、自ユーザ表示領域６８ｅを最も上に表示し、他ユーザ表示領域６８ｆをその下に順に表示する形態としている。他ユーザ表示領域６８ｆの並びは、ルームに参加した順で表示する等、各種形態を採用することができる。なお、自ユーザ表示領域６８ｅ、他ユーザ表示領域６８ｆの分割形態は、本実施形態のように、縦方向に分割する分割形態のみならず、横方向、あるいは、マス目状に分割する等、各種形態を採用することができる。また、自ユーザ表示領域６８ｅ、他ユーザ表示領域６８ｆの並び順についても、適宜形態を採用することが可能であり、ユーザの操作によって並び順を変更できるようにしてもよい。

【0066】

カメラ６５は、オン、オフ設定を行うことが可能となっており、オフに設定され、撮像を行わない場合、撮像画像に代えてユーザアイコン６８１が表示され、どのユーザの表示領域であるかが判別可能となっている。図８～図１１に示される携帯端末６の画面では、全てのユーザのカメラ６５はオフ設定となっており、自ユーザ表示領域６８ｅ、他ユーザ表示領域６８ｆには、撮像画像に代えてユーザアイコン６８１が表示された状態が示されている。

【0067】

各種設定欄６８ｇには、ルーム設定アイコン６８２、予約アイコン６８３、設定アイコン６８４、コメント入力欄６８５、送信ボタン６８６、メッセージアイコン選択ボタン６８７が設けられている。ルーム設定アイコン６８２は、ルームを変更する等、図７（Ａ）で説明したルーム選択画面に移動する際に操作されるアイコンである。予約アイコン６８３は、歌唱する楽曲の選択時に使用されるアイコンであって、予約アイコン６８３が選択された場合、図７（Ｂ）で説明した楽曲検索画面に移動する。設定アイコン６８４は、カラオケ用アプリに関する各種設定を行うアイコンであって、操作された場合、設定画面（図示せず）に移動する。

【0068】

コメント入力欄６８５は、同じルームに参加している他の参加者に対するコメント文を入力する欄である。このコメント入力欄６８５が操作された場合、ソフトウエアキーボードが表示され、ユーザは、コメント入力欄６８５にコメント文を入力することが可能となる。コメント文の入力後、送信ボタン６８６を操作することで、入力されたコメント文は、他の携帯端末６に送信され、画面に表示される。また、メッセージアイコン選択ボタン６８７が操作された場合、複数のメッセージアイコンが選択可能に表示され、ユーザがメッセージアイコンを選択操作することで、他の携帯端末６においてメッセージアイコンが表示される。

【0069】

携帯端末６の画面右側には、各種設定を行うためのボタン（カメラ反転ボタン６８８、カメラ設定ボタン６８９、モード設定ボタン６９０、設定ボタン６９１）が設けられており、入室しているルームに関する各種設定を行うことが可能である。カメラ設定ボタン６８９は、カメラ６５のオン／オフを設定することが可能である。カメラ６５がオン状態の場合、カメラ反転ボタン６８８を操作することで、フロントカメラ６５Ｆ、リアカメラ６５Ｒを切り換えることが可能である。

【0070】

モード設定ボタン６９０は、歌唱モードと聴取モードを手動で切り換えるためのボタンである。図６のフロー図で説明したように、楽曲の予約を行った携帯端末６ａは、予約した楽曲の再生時、歌唱モードに自動設定される。一方、それ以外の携帯端末６ｂは、聴取モードに自動設定される。例えば、聴取モードに設定された携帯端末６ｂでも歌唱を行いたい場合、このモード設定ボタン６９０を操作することで、聴取モードから歌唱モードに変更することが可能である。また、歌唱モードに設定されている場合、モード設定ボタン６９０を操作することで、歌唱モードから聴取モードに変更することも可能である。

【0071】

なお、聴取モード時、モード設定ボタン６９０は、図８（Ｃ）に示されるようにスタンドマイクのアイコンで表示され、歌唱モード時、モード設定ボタン６９０は、図９（Ｅ）に示されているように手持ちマイクのアイコンで表示される。このように、モード設定ボタン６９０の表示状態によって、ユーザは、聴取モード、歌唱モードのどちらに設定されているかを確認することが可能となっている。

【0072】

設定ボタン６９１は、カラオケルーム利用時における各種音量を設定することが可能である。この設定ボタン６９１が操作された場合、図１１（Ｋ）に示される各種音量設定欄６８ｋが表示され、マイクロホン６７ｂの音量（マイク）等、各種音量の調整を行うことが可能である。

【0073】

図８（Ｄ）は、楽曲の予約を行ったユーザについて、当該楽曲の再生開始前に表示される画面である。図６で説明したように、楽曲を予約した携帯端末６は歌唱モードに設定（Ｓ１０２）され、モード設定ボタン６９０は、スタンドマイクの形状から手持ちマイクの形状に変更されている。また、画面には、ユーザからの開始指示を受け付けるため、楽曲開始欄６８ｈが表示される。楽曲開始欄６８ｈには、予約した楽曲についての楽曲名、アーティスト名、ジャケットアート６９２が表示されている。ユーザは、楽曲開始欄６８ｈに表示されている再生開始ボタン６９３を操作することで、予約した楽曲の再生を開始することが可能となっている。

【0074】

図９（Ｅ）は、楽曲再生時における携帯端末６の画面を示す図である。歌唱を行うユーザのユーザ表示領域（この場合、自ユーザ表示領域６８ｅ）は、縦方向に拡大して表示される。その際、他のユーザ（この場合、他ユーザ表示領域６８ｆ）は、自ユーザ表示領域の拡大に伴い、縮小して表示される。また、楽曲再生時、歌詞再生処理で再生される歌詞データは、自ユーザ表示領域６８ｅに表示される。ユーザは、自ユーザ表示領域６８ｅに表示された歌詞を視認しながら、演奏される伴奏データに併せて歌唱を行うことが可能となる。

【0075】

楽曲の再生時、マイクロホン６７ｂから入力される歌唱音声データは、同じルームに参加する他の携帯端末６に送信、再生されることになるが、歌唱を行っている携帯端末６で再生させる（フィードバック再生）を行うこととしている。ユーザは、再生される自己の歌唱音声データを聴いて確認しつつ歌唱を行うことで、良好に歌唱を行うことが可能である。

【0076】

本実施形態では、同じルームに参加する他の携帯端末６のマイクロホン６７ｂから入力された音声データが再生される。したがって、他のユーザとの音声によるチャット、あるいは、歌唱時における声援等の再生を行うことが可能となっている。しかしながら、このような他のユーザによる音声の音量が大きいことで歌唱中のユーザが気になってしまう、あるいは、音量が小さいことで聞き取りづらい状況が発生することがある。

【0077】

本実施形態では、このような状況を鑑み、同じルームに参加する他の参加者からの音声データについて、音量調整を行うことを可能としている。また、他のユーザについて、個別に音量制御可能とすることで、ルームにおける音環境を良好に調整することが可能となっている。

【0078】

図９（Ｆ）は、他のユーザ（この場合、「ぴろり」）について、音量調整が行われている画面を示す図である。図９（Ｅ）において、自身の携帯端末６で再生される他のユーザ（この場合、「ぴろり」）の音声データの音量を調整したい場合、ユーザは、他のユーザ（この場合、「ぴろり」）の他ユーザ表示領域６８ｆをタッチ操作する。タッチ操作が行われると、図９（Ｆ）に示されるように、他ユーザ音量設定欄６８ｉが表示され、他のユーザ（この場合、「ぴろり」）の音量調整を行うことが可能となる。その際、他ユーザ音量設定欄６８ｉは、自ユーザ表示領域６８ｅに表示される歌詞の視認を妨げない位置に表示される。

【0079】

他ユーザ音量設定欄６８ｉには、音量調整の対象となる他のユーザ（この場合、「ぴろり」）の対象ユーザアイコン６９４、音量調整操作子６９５が表示されている。ユーザは、音量調整操作子６９５を操作することで、自身の携帯端末６で再生される他のユーザ（この場合、「ぴろり」）の音声データの音量を調整することが可能である。

【0080】

先述以外の他のユーザについても同様であって、音量調整したいユーザの他ユーザ表示領域６８ｆをタッチ操作することで、当該ユーザについての他ユーザ音量設定欄６８ｉが表示される。このように、本実施形態では、同じルームに参加している他の参加者について、ユーザ毎に音量データの音量調整を行うことが可能となっている。また、他ユーザ表示領域６８ｆを操作することで、容易、かつ、分かり易く音量調整を行うことが可能となっている。

【0081】

図１０、図１１は、本実施形態の携帯端末６における各種画面を示す図である。図８、図９では、歌唱者の利用時に表示される画面について説明したが、図１０、図１１は、聴取者の利用時について説明するための画面である。なお、図８、図９と共通な点については、その説明を省略している。

【0082】

図１０（Ｈ）は、図８（Ｃ）と同様、楽曲再生が行われていないときの携帯端末６の画面である。図１０（Ｈ）において、携帯端末６を使用しているユーザは、「もんきち」であり、画面上部に表示される自ユーザ表示領域６８ｅには、「もんきち」のユーザアイコン６８１が表示されている。また、他ユーザ表示領域６８ｆには、その他のユーザについてユーザアイコン６８１が表示されている。図１０～図１１において、ルームに参加している参加者は、図８、図９と同じ参加者である。

【0083】

図１０（Ｉ）は、他のユーザが歌唱している際の画面である。図１０（Ｉ）の例は、図９（Ｅ）で説明した、ユーザ（ＪＯＹ）が歌唱しているときの状態である。この場合、歌唱しているユーザの他ユーザ表示領域６８ｆ（「ＪＯＹ」の他ユーザ表示領域６８ｆ）が縦方向に拡大表示され、その他の他ユーザ表示領域６８ｆ、及び、自ユーザ表示領域６８ｅが縦方向に縮小表示される。このように歌唱している他ユーザ表示領域６８ｆが拡大表示されることで、歌唱しているユーザに関する情報、並びに、表示される歌詞の視認性の向上が図られている。

【0084】

また、歌唱を聴取しているユーザについても他ユーザの音量を調整することが可能である。この場合、他ユーザ表示領域６８ｆをタッチ操作が行われると、図９（Ｆ）の場合と同様、図１１（Ｊ）に示されるように、他ユーザ音量設定欄６８ｉが表示され、他のユーザ（この場合、「次郎」）の音量調整を行うことが可能となる。その際、他ユーザ音量設定欄６８ｉは、他ユーザ表示領域６８ｆに表示される歌詞の視認を妨げない位置に表示される。

【0085】

他ユーザ音量設定欄６８ｉには、音量調整の対象となる他のユーザ（この場合、「次郎」）の対象ユーザアイコン６９４、音量調整操作子６９５が表示されている。ユーザは、音量調整操作子６９５を操作することで、他のユーザ（この場合、「次郎」）の音声データの音量を調整することが可能である。なお、聴取時の携帯端末６においては、歌唱している他のユーザ（図１１の例では、「ＪＯＹ」）の歌唱音声データの音量についても調整することが可能である。この場合も、歌唱している他のユーザの他ユーザ表示領域６８ｆを操作することで、他ユーザ音量設定欄６８ｉが表示され、歌唱音量データの音量を調整することが可能である。

【0086】

また、ユーザは画面に表示される設定ボタン６９１を操作することで、各種音量を調整することが可能である。設定ボタン６９１が操作された場合、図１１（Ｋ）に示されるように各種音量設定欄６８ｋが表示される。各種音量設定欄６８ｋは、他ユーザ表示領域６８ｆ（歌唱している場合、自ユーザ表示領域６８ｅ）に表示される歌詞の視認を妨げない位置に表示される。

【0087】

本実施形態の各種音量設定欄６８ｋには、マイク、伴奏、ガイド、ユーザ音量について、音量調整操作子６９６ａ～６９６ｆが表示されている。マイクの音量調整操作子６９６ａを操作した場合、マイクロホン６７ｂから入力され、フィードバック再生される音声データの音量を調整することが可能である。伴奏の音量調整操作子６９６ｂを操作した場合、再生される伴奏データの音量を調整することが可能である。ガイドの音量調整操作子６０６ｃを操作した場合、ガイドデータに基づいて再生されるガイドメロディの音量を調整することが可能である。

【0088】

また、ユーザ音量については、ルームに参加している他の参加者について、ユーザ毎の音量調整操作子６９６ｄ～６９６ｆが表示されている。これら音量調整操作子６９６ｄ～６９６ｆを操作することで、図１１等で説明した音量調整操作子６９５と同様、他のユーザの音声データの音量を調整することが可能である。このように、本実施形態では各種音量設定欄６８ｋを表示させることで、ルームに参加している他の参加者の音量調整操作子６９６ｄ～６９６ｆをまとめて表示し、他のユーザの音量調整を行うことが可能となっている。また、各種音量設定欄６８ｋでは、フィードバック再生されるマイクロホン６７ｂからの自分の音声データの音量、再生される伴奏データ、ガイドメロディの音量も調整することが可能となっている。

【0089】

各種音量設定欄６８ｋについて、聴取している携帯端末６の画面で説明したが、歌唱している携帯端末６においても、設定ボタン６９１を操作することで、同様に各種音量設定欄６８ｋを表示させ、各種音量を調整することが可能である。

【0090】

［第１変形例］
次に、本発明に係るカラオケ用プログラムの変形例について説明する。前述の実施形態では、マイクロホン６７ｂから入力される音声データをフィードバック再生させることを説明した。このフィードバック再生される音声データ（あるいは歌唱音声データ）の音量は、図１１（Ｋ）で説明した各種音量設定欄６８ｋの音量調整操作子６９６ａを操作することで調整することが可能である。

【0091】

フィードバック再生される音声データの音量調整は、各種音量設定欄６８ｋのみならず、自ユーザ表示領域６８ｅをタッチ操作することで実行可能としてもよい。自ユーザ表示領域６８ｅがタッチ操作された場合、図１１（Ｊ）等で説明した他ユーザ音量設定欄６８ｉと同様の自ユーザ音量設定欄（図示せず）が表示され、自ユーザ音量設定欄に設けられた音量調整操作子を操作することで、このフィードバック再生される音声データ（あるいは歌唱音声データ）の音量を調整することが可能であればよい。

【0092】

［第２変形例］
前述の実施形態中、図９（Ｆ）で説明したように、他ユーザ音量設定欄６８ｉは、楽曲再生に伴って表示される歌詞の視認性を妨げない位置に重ねて表示している。このような形態のみならず、他ユーザ音量設定欄６８ｉを半透明の状態で画面に重ねて表示させ、少なくとも音量調整操作子６９５が、歌詞の表示位置に重ならないようにすることでもよい。音量調整操作子６９５を操作する際、指で画面の視認性が妨げられることになるが、音量調整操作子６９５を、歌詞の表示位置に重ねないことで、指で歌詞の視認性が妨げられることが抑制できる。また、他ユーザ音量設定欄６８ｉは、半透明で画面に表示されるため、歌詞の表示位置に重なった場合であっても、歌詞の視認性を確保することが可能となる。この場合、他ユーザ音量設定欄６８ｉを表示させる位置の自由度も高くなることが考えられる。

【0093】

以上、本実施形態のカラオケシステム、並びに、カラオケシステムで使用される携帯端末６（「カラオケ装置」に相当）について説明したが、本発明は、カラオケシステム、カラオケ装置に限られるものではなく、例えば、携帯端末６等の情報処理装置で実行され、情報処理装置をカラオケ装置として機能させるカラオケ用プログラムについてもその範疇に属する。

【0094】

［第３変形例］
前述の実施形態中、図１１（Ｋ）に示されるように、ユーザは各種音量設定欄６８ｋに表示されるユーザ音量を、個々の参加者毎の音量調整操作子６９６ｄ～６９６ｆを使用して調整することが可能であった。このような形態に加え、参加者の音量をまとめて調整する１つの音量調整操作子を設けることとしてもよい。参加者毎の音量調整操作子６９６ｄ～６９６ｆと、参加者の音量をまとめて調整する１つの音量調整操作子を併用することで、他の参加者の音量調整を容易に行うことが可能となる。

【符号の説明】

【0095】

６（６ａ、６ｂ）：携帯端末 ６８ｍ：表示部
１１：管理サーバ ６８ｎ：タッチパネル
１２ａ：ルータ ６９ａ：第１通信部
１２ｂ：無線ルータ ６９ｂ：第２通信部
１３：無線基地局 ７０（７０ａ、７０ｂ）：入力スイッチ
６１：ＣＰＵ ７２：振動部
６２：ＲＡＭ ７３：ＬＥＤ
６３：記憶部 １１０：アクセスポイント
６４：画像処理部 １４０：携帯基地局
６５：カメラ ６０６ｃ：音量調整操作子
６５Ｆ：フロントカメラ ６８１：ユーザアイコン
６５Ｒ：リアカメラ ６８２：ルーム設定アイコン
６６：音響処理部 ６８３：予約アイコン
６６ｂ：マイクロホン ６８４：設定アイコン
６７ａ：スピーカ ６８５：コメント入力欄
６７ｂ：マイクロホン ６８６：送信ボタン
６８：タッチパネル表示部 ６８７：メッセージアイコン選択ボタン
６８ａ：ルーム選択欄 ６８８：カメラ反転ボタン
６８ｂ：新規ルーム作成ボタン ６８９：カメラ設定ボタン
６８ｃ：検索カテゴリー選択欄 ６９０：モード設定ボタン
６８ｄ：楽曲選択欄 ６９１：設定ボタン
６８ｅ：自ユーザ表示領域 ６９２：ジャケットアート
６８ｆ：他ユーザ表示領域 ６９３：再生開始ボタン
６８ｇ：設定欄 ６９４：対象ユーザアイコン
６８ｈ：楽曲開始欄 ６９５：音量調整操作子
６８ｉ：他ユーザ音量設定欄 ６９６ａ～６９６ｆ：音量調整操作子
６８ｋ：音量設定欄

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】