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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093954
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/23 20240101AFI20240702BHJP
   G02B 27/01 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B60K35/00 A
G02B27/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210622
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下田 望
【テーマコード(参考)】
2H199
3D344
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA05
2H199DA12
2H199DA15
2H199DA33
3D344AA14
3D344AB01
3D344AC25
3D344AD05
3D344AD13
(57)【要約】
【課題】乗り物への設置方法を変えることで、複数種類の乗り物でハードウェアを共用可能なヘッドアップディスプレイ装置において、誤って使用される可能性を低減する。また、持続可能な開発目標の「3.すべての人に健康と福祉を」に貢献する。
【解決手段】メモリ17は、複数種類の乗り物にそれぞれ対応する複数種類の制御ソフトウェア25の中のいずれかである対象の制御ソフトウェア25と、対象の制御ソフトウェア25の種類を特定するソフトウェア識別情報30と、を記憶する。ヘッドアップディスプレイ装置の起動時に、ソフトウェア識別情報30、乗り物へのヘッドアップディスプレイ装置の設置方法を表す設置識別情報31、および乗り物の種類を表す車両種別情報の中の少なくとも一部を互いに比較し、比較結果に基づいて通常動作へ移行するか否かを判定する。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の乗り物でハードウェアを共用可能なヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記複数種類の乗り物にそれぞれ対応する複数種類の制御ソフトウェアの中のいずれかである対象の制御ソフトウェアと、前記対象の制御ソフトウェアの種類を特定するソフトウェア識別情報と、を記憶する記憶部と、
映像を表示し、表示した映像の映像光を出射する映像表示部と、
前記映像表示部から出射された前記映像光を表示領域に投射することで、投射された前記映像光を虚像として視認させる映像光投射部と、
を備え、
前記乗り物に前記ヘッドアップディスプレイ装置が設置された際に、用いた設置方法を表す設置識別情報が、予め登録され、
前記ヘッドアップディスプレイ装置の起動時に、前記ソフトウェア識別情報と前記設置識別情報とを比較し、一致した場合には通常動作へ移行し、不一致であった場合には前記通常動作へ移行せずにエラーを出力する、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
前記設置識別情報は、前記記憶部に格納される、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
さらに、前記設置識別情報を登録するための機械スイッチを備える、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
前記ヘッドアップディスプレイ装置は、前記乗り物の種類に応じて、前記映像表示部からの前記映像光の出射方向が、前記乗り物の座標軸で第1の方向となるように設置されるか、または前記第1の方向とは逆の方向である第2の方向となるように設置される、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項5】
請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
前記複数種類の制御ソフトウェアは、種類毎に、少なくとも、前記映像表示部に表示させる前記映像の向きの仕様と、前記映像に対する歪補正の処理内容とが異なっている、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項6】
請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、さらに、
前記映像表示部の表示を制御する制御部と、
ディスプレイを有する外部装置に接続可能な通信インタフェースと、
を備え、
前記制御部は、前記通信インタフェースを介して前記外部装置に前記エラーを出力する、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項7】
複数種類の乗り物でハードウェアを共用可能なヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記複数種類の乗り物にそれぞれ対応する複数種類の制御ソフトウェアの中のいずれかである対象の制御ソフトウェアと、前記対象の制御ソフトウェアの種類を特定するソフトウェア識別情報と、を記憶する記憶部と、
映像を表示し、表示した映像の映像光を出射する映像表示部と、
前記映像表示部から出射された前記映像光を表示領域に投射することで、投射された前記映像光を虚像として視認させる映像光投射部と、
外部との通信によって前記乗り物の種類を表す車種識別情報を取得する情報取得部と、
を備え、
前記ヘッドアップディスプレイ装置の起動時に、前記情報取得部により取得された車種識別情報と前記ソフトウェア識別情報とを比較し、一致した場合には通常動作へ移行し、不一致であった場合には前記通常動作へ移行せずにエラーを出力する、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
前記乗り物に前記ヘッドアップディスプレイ装置が設置された際に、用いた設置方法を表す設置識別情報が、読み出し可能な状態で予め登録され、
前記車種識別情報と前記ソフトウェア識別情報とが一致し、かつ、前記車種識別情報と前記設置識別情報とが不一致であった場合には、前記通常動作へ移行した上でエラーを出力する、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項9】
請求項8に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
前記設置識別情報は、前記記憶部に格納される、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項10】
請求項8に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
さらに、前記設置識別情報を登録するための機械スイッチを備える、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項11】
請求項7に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
前記ヘッドアップディスプレイ装置は、前記乗り物の種類に応じて、前記映像表示部からの前記映像光の出射方向が、前記乗り物の座標軸で第1の方向となるように設置されるか、または前記第1の方向とは逆の方向である第2の方向となるように設置される、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項12】
請求項7に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
前記複数種類の制御ソフトウェアは、種類毎に、少なくとも、前記映像表示部に表示させる前記映像の向きの仕様と、前記映像に対する歪補正の処理内容とが異なっている、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項13】
請求項7に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、さらに、
前記映像表示部の表示を制御する制御部と、
ディスプレイを有する外部装置に接続可能な通信インタフェースと、
を備え、
前記制御部は、前記通信インタフェースを介して前記外部装置に前記エラーを出力する、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項14】
複数種類の乗り物でハードウェアを共用可能なヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記複数種類の乗り物にそれぞれ対応する複数種類の制御ソフトウェアを記憶する記憶部と、
映像を表示し、表示した映像の映像光を出射する映像表示部と、
前記映像表示部から出射された前記映像光を表示領域に投射することで、投射された前記映像光を虚像として視認させる映像光投射部と、
前記複数種類の制御ソフトウェアの中のいずれかを動作モードの設定情報に基づいて選択し、選択した制御ソフトウェアを実行することで、前記映像表示部を含めた前記ヘッドアップディスプレイ装置全体を制御する制御部と、
外部との通信によって前記乗り物の種類を表す車種識別情報を取得する情報取得部と、
を備え、
前記乗り物に前記ヘッドアップディスプレイ装置が設置された際に、用いた設置方法を表す設置識別情報が、予め登録され、
前記制御部は、前記ヘッドアップディスプレイ装置の少なくとも初回起動時に、前記車種識別情報と前記設置識別情報とを比較し、一致した場合には、一致した識別情報に該当する前記動作モードを設定して通常動作へ移行し、不一致であった場合には前記通常動作へ移行せずにエラーを出力する、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項15】
請求項14に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
前記制御部は、前記動作モードの設定情報を不揮発性の記憶領域に格納し、前記ヘッドアップディスプレイ装置の2回目以降の起動時には、前記車種識別情報と前記設置識別情報との比較を行うことなく、前記不揮発性の記憶領域に格納された前記動作モードの設定情報に基づいて前記通常動作へ移行する、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項16】
請求項14に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
前記設置識別情報は、前記記憶部に格納される、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項17】
請求項14に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
さらに、前記設置識別情報を登録するための機械スイッチを備える、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項18】
請求項14に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
前記ヘッドアップディスプレイ装置は、前記乗り物の種類に応じて、前記映像表示部からの前記映像光の出射方向が、前記乗り物の座標軸で第1の方向となるように設置されるか、または前記第1の方向とは逆の方向である第2の方向となるように設置される、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項19】
請求項14に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
前記複数種類の制御ソフトウェアは、種類毎に、少なくとも、前記映像表示部に表示させる前記映像の向きの仕様と、前記映像に対する歪補正の処理内容とが異なっている、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項20】
請求項14に記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
さらに、ディスプレイを有する外部装置に接続可能な通信インタフェースを備え、
前記制御部は、前記通信インタフェースを介して前記外部装置に前記エラーを出力する、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筐体を含む複数種類の部材を右ハンドル車両と左ハンドル車両との間にて共用可能にするヘッドアップディスプレイ装置が示される。具体的には、当該ヘッドアップディスプレイ装置は、筐体内に、表示器と、表示器からの光を反射する平面鏡と、平面鏡からの光をウィンドシールドに反射する凹面鏡とを備え、筐体の内部における主光路の形状が基準面に対して面対称に設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-124868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヘッドアップディスプレイ装置の構造の一つとして、乗り物への設置方法、例えば設置する向き等を変えることで、複数種類の乗り物でハードウェアを共用可能にする構造が考えられる。このような構造を用いる場合、乗り物の種類に応じて制御ソフトウェアを変更することで、複数種類の乗り物に対応することができる。明細書では、ヘッドアップディスプレイ装置を、HUD装置とも呼ぶ。
【0005】
このようなHUD装置は、例えば、乗り物の種類A用の制御ソフトウェアが実装されたのち、種類A用のHUD装置として出荷され、種類Aの乗り物に設置される。ここで、HUD装置を正しく使用するためには、種類A用のHUD装置を、種類Aの乗り物に、種類A用の設置方法を用いて正しく設置されることが必要となる。しかしながら、特に、HUD装置を乗り物に手動で設置する場合には、人為的な設置ミス等によって、HUD装置が誤って使用されるおそれがあった。
【0006】
本発明は、このようなことに鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、乗り物への設置方法を変えることで、複数種類の乗り物でハードウェアを共用可能なヘッドアップディスプレイ装置において、誤って使用される可能性を低減することにある。
【0007】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0009】
代表的なヘッドアップディスプレイ装置は、複数種類の乗り物でハードウェアを共用可能なものとなっており、記憶部と、映像表示部と、映像光投射部と、を備える。記憶部は、複数種類の乗り物にそれぞれ対応する複数種類の制御ソフトウェアの中のいずれかである対象の制御ソフトウェアと、対象の制御ソフトウェアの種類を特定するソフトウェア識別情報と、を記憶する。映像表示部は、映像を表示し、表示した映像の映像光を出射する。映像光投射部は、映像表示部から出射された映像光を表示領域に投射することで、投射された映像光を虚像として視認させる。対象の制御ソフトウェアを実行するため、ヘッドアップディスプレイ装置の起動時に、ソフトウェア識別情報、乗り物へのヘッドアップディスプレイ装置の設置方法を表す設置識別情報、および乗り物の種類を表す車両種別情報の中の少なくとも一部を互いに比較し、比較結果に基づいて通常動作へ移行するか否かを判定する。
【発明の効果】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、乗り物への設置方法を変えることで、複数種類の乗り物でハードウェアを共用可能なヘッドアップディスプレイ装置において、誤って使用される可能性を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1によるヘッドアップディスプレイ装置を搭載した車両の構成例を示す概略図である。
図2A図1に示されるHUD装置において、制御を担う制御系の主要部の構成例を示すブロック図である。
図2B図1に示されるHUD装置において、制御を担う制御系の図2Aとは異なる主要部の構成例を示すブロック図である。
図3図2Aおよび図2Bにおいて、制御ユニットに関わる箇所の構成例を示すブロック図である。
図4A図1におけるHUD装置の主要部の構造例、および車両への設置方法の一例を示す概略図である。
図4B図1におけるHUD装置の主要部の構造例、および図4Aとは異なる車両への設置方法の一例を示す概略図である。
図5A図4Aに示されるHUD装置において、メモリの記憶内容の一例を示す図である。
図5B図4Bに示されるHUD装置において、メモリの記憶内容の一例を示す図である。
図6A図2Aにおける制御部の処理内容の一例を示す模式図である。
図6B図6Aにおける設置識別情報およびソフトウェア識別情報の具体例を示す図である。
図7図2Aにおける制御部の処理内容の一例を示すフロー図である。
図8A図7におけるステップS12~S14での処理内容の具体例を示す図である。
図8B図8Aとは異なる具体例を示す図である。
図8C図8Aとは更に異なる具体例を示す図である。
図9A】実施の形態2によるヘッドアップディスプレイ装置において、図2Aにおける制御部の処理内容の一例を示す模式図である。
図9B図9Aにおけるメモリの記憶内容の一例を示す図である。
図10】実施の形態2によるヘッドアップディスプレイ装置において、図2Aにおける制御部の起動時の処理内容の一例を示すフロー図である。
図11A】実施の形態2によるヘッドアップディスプレイ装置において、図2Aにおける制御部の通常動作時の処理内容の一例を示すフロー図である。
図11B図11Aにおける表示処理(ステップS34)での処理内容の一例を示すフロー図である。
図12A図11Bにおける一部の処理内容を説明するための補足図である。
図12B図11Bにおける一部の処理内容を説明するための補足図である。
図13】実施の形態3によるヘッドアップディスプレイ装置を含めたシステムの構成例を示す概略図である。
図14図13において、外部装置のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
(実施の形態1)
<HUD装置の概要>
図1は、実施の形態1によるヘッドアップディスプレイ装置を搭載した車両の構成例を示す概略図である。図1に示されるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置1は、乗り物の一つである車両2に搭載される。車両2は、代表的には、自動車であるが、必ずしもこれに限定されず、鉄道車両等であってもよい。また、乗り物は、車両に限らず、航空機等であってもよい。車両2には、例えば、ECU(Electronic Control Unit)と呼ばれる制御ユニット21が搭載される。
【0014】
制御ユニット21は、例えば、車両2の各部に設置された各種センサや、加えて、ナビゲーション装置等から車両情報4を取得する。各種センサは、例えば、車両2で生じた各種イベントを検知し、また、走行状況に関する各種パラメータ値を検知する。HUD装置1は、制御ユニット21によって取得された車両情報4を、例えばCAN(Controller Area Network)通信等を用いて取得する。
【0015】
車両情報4には、例えば、車両2の速度情報、ギア情報、ハンドル操舵角情報、ランプ点灯情報、外光情報、距離情報、赤外線情報、エンジンON/OFF情報、車内外のカメラ映像情報、加速度ジャイロ情報、GPS(Global Positioning System)情報、ナビゲーション情報、車車間通信情報、および路車間通信情報等が含まれる。GPS情報の中には、現在時刻等の情報も含まれる。また、車両情報4には、各種警告情報も含まれる。HUD装置1は、このような車両情報4に基づいて、ウィンドシールド3などの表示領域に映像光を投射する。これにより、HUD装置1は、運転者等の利用者に、表示領域に投射された映像光を虚像として、詳細には車両2の前方の風景に重畳された虚像として視認させる。
【0016】
図2Aは、図1に示されるHUD装置において、主要部の構成例を示すブロック図である。図2Aに示されるHUD装置1は、互いにバス13で接続されるミラー駆動部14、表示駆動部15、通信部16、記憶部17および制御部20を備える。また、表示駆動部15は映像表示部11を駆動し、ミラー駆動部14はミラーM1を駆動する。映像表示部11は、例えば、光源と、表示パネルとを備えた液晶ディスプレイ等である。表示パネルは、光源から照射されたバックライトを、画素毎に映像データに基づいて変調することで映像を表示する。この場合、表示駆動部15は、LCDドライバ回路等によって実現され得る。以下、記憶部17を、メモリとして説明する。
【0017】
ミラーM1は、映像表示部11から出射された映像光をウィンドシールド3上の表示領域に投射することで、投射された映像光を利用者に虚像として視認させる映像光投射部として機能する。通信部16は、通信インタフェース回路等によって実現される。通信部16は、制御ユニット21との間で、CAN通信等を用いて各種情報を受信または送信する。つまり、制御ユニット21と通信部16との間は双方向で受送信できる。その一機能として、通信部16は、制御ユニット21から、乗り物に関する情報、すなわち車両情報4を取得または受信する情報取得部として機能する。通信部16は、取得した車両情報4を、バス13を介して制御部20またはメモリ17に送信する。
【0018】
メモリ17は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリの組み合わせで構成される。メモリ17は、例えば、制御部20で用いられる制御プログラム、言い換えれば制御ソフトウェアや、データ等を記憶する。制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサによって実現される。制御部20は、メモリ17が記憶している制御ソフトウェアを実行することで、映像表示部11での表示内容を含めてHUD装置1全体を制御する。
【0019】
その制御の一つとして、制御部20は、バス13を介してミラー駆動部14および表示駆動部15を制御する。ミラー駆動部14は、制御部20からの信号または命令に応じて、ミラーM1の設置角度を調整する。ミラー駆動部14は、ミラーM1の設置角度を調整するためのモータや、当該モータを駆動するモータドライバ回路等によって実現され得る。また、制御部20は、取得した車両情報4等に基づく映像データを生成し、当該映像データをメモリ17に格納する。表示駆動部15は、メモリ17に格納された映像データを、バス13を介して読み出し、当該映像データに基づいて映像表示部11を駆動する。
【0020】
なお、図2Aに示される通信部16、メモリ17および制御部20は、例えば、マイクロコントローラ等に搭載され得る。ただし、HUD装置1の実装形態は、このようなマイクロコントローラを用いた形態に限らず、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を適宜組み合わせた形態であってもよい。
【0021】
図2Bは、図1に示されるHUD装置において、図2Aとは異なる主要部の構成例を示すブロック図である。図2Bに示されるHUD装置1は、図2Aに示した構成例と異なり、制御部20が設けられず、代わりに通信処理部16aを備える。この場合、例えば、制御ユニット21は、図2Aに示した制御部20に代わって映像データを作成し、作成した映像データを、通信処理部16aを介してメモリ17に格納する。
【0022】
なお、図2Bに示した構成例の場合、図2Aで述べた制御部20の機能、例えば、ミラー駆動部14の制御機能等を、通信処理部16aが備えてよい。または、図2Aで述べた制御部20の機能を、制御ユニット21と通信処理部16aとで適宜分担してもよい。通信処理部16aは、図2Aに示した通信部16と異なり、制御ユニット21から、CAN通信等を用いて乗り物に関する情報を受信し、受信した情報を処理し、処理した結果を、ミラー駆動部14や表示駆動部15に通知する。図2Bの通信処理部16aと制御ユニット21との間は双方向で受送信できる。
【0023】
図3は、図2Aおよび図2Bにおいて、制御ユニットに関わる箇所の構成例を示すブロック図である。制御ユニット21は、主に、図1で述べたように車両情報4を取得する。車両情報4は、図3に示されるように、制御ユニット21に接続される各種センサ等の情報取得デバイスによって生成される。図3には、当該情報取得デバイスの一例が示される。
【0024】
図3において、例えば、車速センサ101は、図1の車両2の速度を検知し、検知結果となる速度情報を生成する。シフトポジションセンサ102は、現在のギアを検知し、検知結果となるギア情報を生成する。ハンドル操舵角センサ103は、現在のハンドル操舵角を検知し、検知結果となるハンドル操舵角情報を生成する。ヘッドライトセンサ104は、ヘッドライトのON/OFFを検知し、検知結果となるランプ点灯情報を生成する。照度センサ105および色度センサ106は、外光を検知し、検知結果となる外光情報を生成する。
【0025】
測距センサ107は、車両2と外部の物体との間の距離を検知し、検知結果となる距離情報を生成する。赤外線センサ108は、車両2の近距離における物体の有無や距離等を検知し、検知結果となる赤外線情報を生成する。エンジン始動センサ109は、エンジンのON/OFFを検知し、検知結果となるON/OFF情報を生成する。加速度センサ110およびジャイロセンサ111は、車両2の加速度および角速度をそれぞれ検知し、検知結果として、車両2の姿勢や挙動を表す加速度ジャイロ情報を生成する。温度センサ112は、車内外の温度を検知し、検知結果となる温度情報を生成する。
【0026】
路車間通信用無線受信機113は、車両2と、道路、標識、信号機等との間の路車間通信によって路車間通信情報を生成する。車車間通信用無線受信機114は、車両2と周辺の他の車両との間の車車間通信によって車車間通信情報を生成する。車内用カメラ115および車外用カメラ116は、それぞれ、車内および車外を撮影することで車内のカメラ映像情報および車外のカメラ映像情報を生成する。車内用カメラ115は、例えば、利用者、すなわち運転者の姿勢や、眼の位置、動き等を撮影するDMS(Driver Monitoring System)用のカメラ等である。この場合、撮像された映像を解析することで、運転者の疲労状況や視線の位置等が把握できる。
【0027】
一方、車外用カメラ116は、例えば、車両2の前方や後方といった周囲の状況を撮影する。この場合、撮像された映像を解析することで、周辺に存在する他の車両や人などの障害物の有無、建物や地形、雨や積雪、凍結、凹凸等といった路面状況、および道路標識等を把握することが可能になる。また、車外用カメラ116には、例えば、走行中の状況を映像で記録するドライブレコーダ等も含まれ得る。
【0028】
GPS受信機117は、GPS信号を受信することで得られるGPS情報を生成する。例えば、GPS受信機117によって、現在時刻を取得することが可能である。VICS(Vehicle Information and Communication System、登録商標)受信機118は、VICS信号を受信することで得られるVICS情報を生成する。GPS受信機117やVICS受信機118は、ナビゲーション装置の一部として設けられてもよい。
【0029】
なお、図3に示される各種情報取得デバイスに関しては、適宜、削除することや、他の種類のデバイスを追加することや、他の種類のデバイスに置き換えることが可能である。また、制御ユニット21は、図3に示したような各種情報取得デバイスからの車両情報4に加えて、車両2の車種の情報、例えば、トラック、乗用車、ワンボックスカー等の情報を取得できる場合がある。
【0030】
<HUD装置の構造および設置方法について>
実施の形態によるHUD装置1は、乗り物、例えば車両2への設置方法または設置状態を変えることで、複数種類の車両2でハードウェアを共用可能なものとなっている。図4Aは、図1におけるHUD装置の主要部の構造例、および車両への設置方法の一例を示す概略図である。図4等では車両2の運転者に対して、水平方向は、左右方向、車両の横方向または車両の幅方向であり、鉛直方向は、車両の上下方向、縦方向であり、車両の横方向に対し直交する水平方向は、車両の前後方向または車両の進行方向である。
【0031】
図4Bは、図1におけるHUD装置の主要部の構造例、および図4Aとは異なる車両への設置方法の一例を示す概略図である。図4Aには、例えば、トラックやワンボックスカーや鉄道の一部車両等のように、水平面を基準としたウィンドシールド3の傾きが大きい車種への設置方法が示される。一方、図4Bには、例えば、乗用車等のように、水平面を基準としたウィンドシールド3の傾きが図4Aのトラック等に比べて小さい車種への設置方法が示される。
【0032】
図4Aおよび図4Bに示されるHUD装置1は、共に、筐体12内に収容された映像表示部11、レンズLS、ミラーM1、およびミラー駆動部14等を備える。映像表示部11は、全てが筐体12に収納されなくてもよく、表示パネルだけが収納されてもよい。映像表示部11は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ、またはプロジェクタ等であり、入力された映像データに基づく映像を表示し、表示した映像の映像光をミラーM1に向けて出射する。
【0033】
レンズLS、言い換えれば光学素子は、映像表示部11からミラーM1までの光路上に挿入され、例えば、映像光の広がりを調整する。レンズLSは、必ずしも配置されなくてもよい。ミラーM1は、前述したように、映像光投射部として機能する。実施の形態における映像光投射部であるミラーM1は、映像表示部11から出射され、レンズLSを介して入射した映像光を、筐体12に設けられる開口部7およびダッシュボード10に設けられる開口部を介してウィンドシールド3上の表示領域5に投射する。これにより、映像光投射部は、投射された映像光を、虚像として利用者6に視認させる。
【0034】
詳細には、ミラーM1は、例えば、凹面鏡、すなわち拡大鏡であり、入射した映像光を反射および拡大し、開口部7を介して表示領域5に投射する。表示領域5に投射された映像光は、表示領域5で反射され、利用者6の眼に入射する。その結果、利用者6は、表示領域5に投射された映像光を、透明のウィンドシールド3の先に存在する虚像9として、車外の風景(道路や建物、人など)に重畳される形で視認する。虚像9が表す情報の中には、例えば、道路標識や、自車の現速度や、風景上の物体に付加される各種情報、すなわちAR(Augmented Reality)情報等、車両情報4に基づく様々なものが含まれる。
【0035】
なお、ミラーM1は、例えば、自由曲面ミラーや光軸非対称の形状を有するミラー等であってよい。また、ミラーM1には、ミラー駆動部14が設置される。ミラー駆動部14は、ミラーM1の設置角度を可変調整する。詳細には、ミラー駆動部14は、例えば、モータを含み、モータの回転動作によってミラーM1を回転させる。ミラーM1の設置角度を可変調整することで、ウィンドシールド3上の表示領域5の位置、すなわち、利用者6が視認する虚像の上下方向の位置を調整できる。
【0036】
さらに、ミラーM1の設置角度を可変調整することで、映像表示部11を太陽光から保護することが可能になる。具体的には、太陽光は、映像光の光路を逆方向に進んで映像表示部11に入射し得る。例えば、図2Aに示した制御部20は、太陽光の入射によって、映像表示部11の破損が生じる可能性が高いと判定した場合には、太陽光が映像表示部11に到達しないように、ミラー駆動部14を介してミラーM1の設置角度を変更すればよい。
【0037】
ここで、図4Aに示されるトラック等の車種では、HUD装置1は、映像表示部11からの映像光の出射方向が、車両の座標軸で第1の方向、この例では後退方向となるように設置される。一方、図4Bに示される乗用車等の車種では、HUD装置1は、映像表示部11からの映像光の出射方向が、車両の座標軸で第1の方向とは逆の方向である第2の方向、この例では前進方向となるように設置される。このように、実施の形態によるHUD装置1は、車両への設置方法、例えば、設置方向を変えることで、複数種類の車両でハードウェアを共用可能となっている。
【0038】
図5Aは、図4Aに示されるHUD装置において、メモリの記憶内容の一例を示す図である。図5Bは、図4Bに示されるHUD装置において、メモリの記憶内容の一例を示す図である。図5Aに示されるHUD装置1は、メモリ17にトラック用の制御ソフトウェア25aを記憶している。一方、図5Bに示されるHUD装置1は、メモリ17に乗用車用の制御ソフトウェア25bを記憶している。
【0039】
このように、図4Aおよび図4Bに示したHUD装置1は、車両2への設置方法を変えると共に、車種に応じて制御ソフトウェアを変更することで、ハードウェアを共用した上で、複数種類の車両2に対応している。これにより、HUD装置1の製造コスト等を低減すること等が可能になる。
【0040】
一方、このようなHUD装置1は、例えば、図5Aおよび図5Bに示したような車種毎の制御ソフトウェア25a,25bが実装された状態で出荷され、例えば、車両2の生産工程等において、対応する車両に、図4Aおよび図4Bに示したような設置方法で設置される。ただし、特に、車両2の生産工程等において、HUD装置1を車両2に手動で設置する場合には、人為的な設置ミスが生じ得る。その結果、HUD装置1が誤って使用されるおそれがあった。
【0041】
具体例として、HUD装置1は、図4Aに示したようなトラックに、図4Bに示したような向き、すなわち誤った向きに設置され得る。この際に、HUD装置1には、乗用車用の制御ソフトウェア25aが実装されている場合も、トラック用の制御ソフトウェア25bが実装されている場合もある。すなわち、HUD装置1の設置方法が誤っており、かつ、制御ソフトウェアが正しいまたは誤っている状況が生じ得る。または、図5Aに示したようなトラック用の制御ソフトウェア25aを備えたHUD装置1は、乗用車に対して、図4Bに示したような向きに設置され得る。すなわち、HUD装置1の設置方法は正しいが、制御ソフトウェアが誤っている状況が生じ得る。
【0042】
<制御部の詳細>
そこで、制御部20は、一例として、次のような処理を実行する。図6Aは、図2Aにおける制御部の処理内容の一例を示す模式図である。図6Bは、図6Aにおける設置識別情報およびソフトウェア識別情報の具体例を示す図である。まず、前提として、車両2の生産工程内で車両2にHUD装置1が設置された際に、用いた設置方法または設置状態、例えば設置方向、を表す設置識別情報31が、予め登録されている。設置識別情報31はHUD装置1に内蔵されてもよいし、作業者等の手動により別途登録されてもよい。設置識別情報31は、制御部20または車両の制御ユニット21から読み出し可能な状態である。また、識別情報に関する信号の送り先によって図2Aの制御部20または図2Bの通信処理部16aで比較して判断するか、車両の制御ユニット21で比較して判断するか以外の具体的な処理は同じである。以下は制御部20から読み出し可能な設置識別情報31を用いて説明する。
【0043】
図6Aに示される例では、設置識別情報31は、メモリ17またはメモリ17にマッピングされたレジスタに格納されている。ただし、設置識別情報31は、制御部20から読み出し可能な状態で登録されればよく、必ずしも、メモリ17に格納される必要はない。例えば、HUD装置1内に、設置識別情報31を登録するための機械スイッチ、詳細にはDIPスイッチ等を設け、機械スイッチの状態を機械スイッチに接続された制御部20から読み出すような方式であってもよい。
【0044】
また、メモリ17は、前述したように、制御ソフトウェア25を記憶している。明細書では、ソフトウェアをSWとも呼ぶ。制御ソフトウェア25は、トラック用、乗用車用といった複数種類の制御ソフトウェア25の中から、自身の種類を特定するSW識別情報30を含んでいる。制御部20は、HUD装置1の起動時に、メモリ17に記憶されたSW識別情報30と設置識別情報31とを比較し、一致した場合には通常動作へ移行し、不一致であった場合には通常動作へ移行せずにエラーを出力する。
【0045】
SW識別情報30および設置識別情報31は、図6Bに示されるように、車種が2種類の場合には、最低1ビットのサイズを有する。この例では、SW識別情報30は、制御ソフトウェア25がトラック用である場合には“0”であり、乗用車用である場合には“1”である。また、設置識別情報31には、HUD装置1を図4Aに示した向きに設置した場合には“0”が登録され、図4Bに示した向きに設置した場合には“1”が登録される。
【0046】
なお、ここでは、2種類の車種を区別するために、各識別情報を1ビットで表した。ただし、例えば、設置識別情報31が未登録である状態、すなわち、作業者が設置識別情報31の登録を忘れている状態を加えた3種類を区別するために、各識別情報を2ビット等で表してもよい。
【0047】
図7は、図2Aにおける制御部の処理内容の一例を示すフロー図である。図8A図8Bおよび図8Cは、図7におけるステップS12~S14での処理内容の具体例を示す図である。図7において、HUD装置1が起動されると、制御部20は、まず、通信部16等を介して、HUD装置1外部との通信を確立する(ステップS11)。続いて、制御部20は、各種識別情報を取得する(ステップS12)。そして、制御部20は、取得した各種識別情報を比較し(ステップS13)、比較結果に応じたアクションを実行する(ステップS14)。
【0048】
図8Aに示される例では、制御部20は、各種識別情報として、図6Aおよび図6Bに示したようなSW識別情報30と設置識別情報31とを取得する(ステップS12)。そして、制御部20は、SW識別情報30と設置識別情報31とが一致した場合には(ステップS13)、エラーを出力せずに通常動作へ移行する(ステップS14、図8AにおけるNo.1)。SW識別情報30と設置識別情報31とが一致した場合、正しい制御ソフトウェア25を実装したHUD装置1が正しい方法で設置された可能性が高い。そこで、この場合には、通常動作へ移行することで、例えば映像表示部11への車両情報4の表示等が行われる。
【0049】
一方、制御部20は、SW識別情報30と設置識別情報31とが不一致であった場合には(ステップS13)、通常動作へ移行せずに、当該2個の識別情報が不一致であることを表すエラー[1]を出力する(ステップS14、図8AにおけるNo.2)。具体的には、制御部20は、例えば、エラー[1]を、通信部16を介してお知らせメッセージまたは音声等にて制御ユニット21等の外部へ通知したり、または、エラーログとしてメモリ17に格納する。
【0050】
SW識別情報30と設置識別情報31とが不一致であった場合、HUD装置1に誤った制御ソフトウェア25が実装されている可能性や、HUD装置1が誤った方法で設置されている可能性が高い。その結果、HUD装置1が誤って使用される可能性が高くなる。そこで、この場合には、通常動作への移行は行われない。
【0051】
図8Bに示される例では、制御部20は、各種識別情報として、トラック、乗用車といった車両2の種類を表す車種識別情報と、SW識別情報30とを取得する(ステップS12)。そして、制御部20は、車種識別情報とSW識別情報30とが一致した場合には(ステップS13)、エラーを出力せずに通常動作へ移行する(ステップS14、図8BにおけるNo.1)。
【0052】
このように、HUD装置1は、外部との通信によって車種識別情報を取得できる場合がある。具体的には、HUD装置1は、車種識別情報を、通信部16を介して制御ユニット21から取得できる場合や、または、別途設けた有線通信部または無線通信部を介して外部のモバイル端末、例えばスマートフォン等から取得できる場合がある。有線通信部または無線通信部は、例えば、USBインタフェースや、無線LANインタフェースや、Bluetooth(登録商標)インタフェース等である。通信部16、有線通信部または無線通信部は、車種識別情報を取得する情報取得部として機能する。
【0053】
このようにしてHUD装置1の外部から取得された車種識別情報は、正しい情報とみなすことができる。したがって、車種識別情報とSW識別情報30とが一致した場合には、少なくとも、車両2とHUD装置1の製品自体との組み合わせは、正しいと判断できる。そこで、この場合には、通常動作への移行が行われる。
【0054】
一方、制御部20は、車種識別情報とSW識別情報30とが不一致であった場合には(ステップS13)、通常動作へ移行せずに、当該2個の識別情報が不一致であることを表すエラー[2]を出力する(ステップS14、図8BにおけるNo.2)。車種識別情報とSW識別情報30とが不一致であった場合、車両2とHUD装置1の製品自体との組み合わせが誤っていると判断できる。そこで、この場合には、通常動作への移行は行われない。
【0055】
図8Cに示される例では、制御部20は、各種識別情報として、車種識別情報と、SW識別情報30と、設置識別情報31とを取得する(ステップS12)。そして、制御部20は、当該3個の識別情報が共に一致した場合には(ステップS13)、エラーを出力せずに通常動作へ移行する(ステップS14、図8CにおけるNo.1)。
【0056】
また、制御部20は、車種識別情報とSW識別情報30とが一致し、かつ、車種識別情報と設置識別情報31とが不一致であった場合には(ステップS13)、通常動作へ移行した上で、設置識別情報31のみが不一致であったことを表すエラー[3]を出力する(ステップS14、図8CにおけるNo.2)。すなわち、この場合、前述したように、少なくとも、車両2とHUD装置1の製品自体との組み合わせは、正しいと判断できる。ただし、設置方法が間違っている可能性や、または、作業者が設置識別情報31の登録自体を誤った可能性がある。そこで、この場合には、通常動作へ移行した上でエラー出力が行われる。
【0057】
また、制御部20は、車種識別情報とSW識別情報30とが不一致であった場合には(ステップS13)、設置識別情報31に関わらず、図8Bの場合と同様に、通常動作へ移行せずにエラーを出力する(ステップS14、図8CにおけるNo.3,No.4)。この際に、制御部20は、車種識別情報と設置識別情報31とが一致した場合には、その旨を表すエラー[4]を出力し(図8CにおけるNo.3)、車種識別情報と設置識別情報31とが不一致であった場合には、その旨を表すエラー[5]を出力する(図8CにおけるNo.4)。
【0058】
図8Cに示されるように、車種識別情報とSW識別情報30との比較に加えて、車種識別情報と設置識別情報31との比較を行うことで、図8Bの場合と異なり、設置方法を含めて、HUD装置1を正しく使用できる状況か否かを検証することができる。その結果、図8Cにおいて、3個の識別情報が全て一致した場合は、図8Bにおいて、2個の識別情報が一致した場合と比べて、HUD装置1を正しく使用できることへの確実性がより高まる。
【0059】
<実施の形態1の主要な効果>
以上、実施の形態1の方式では、乗り物への設置方法を変えることで、複数種類の乗り物でハードウェアを共用可能なHUD装置1を前提として、SW識別情報30、設置識別情報31、車種識別情報の中の少なくとも一部を互いに比較することで、制御ソフトウェア25および/または設置方法の正しさを検証することができる。そして、比較結果に基づいて、制御ソフトウェア25および/または設置方法が正しいと推定される場合に、通常動作への移行が行われる。その結果、HUD装置1が誤って使用される可能性を低減することが可能になる。
【0060】
(実施の形態2)
<制御部の詳細>
図9Aは、実施の形態2によるヘッドアップディスプレイ装置において、図2Aにおける制御部の処理内容の一例を示す模式図である。図9Bは、図9Aにおけるメモリの記憶内容の一例を示す図である。図9Aに示されるHUD装置1では、実施の形態1の場合と異なり、メモリ17は、複数種類の車両2にそれぞれ対応する複数種類の制御ソフトウェアを、共用制御ソフトウェア25cとして記憶している。
【0061】
共用制御ソフトウェア25cは、車種に依存しない共通部分35と、車種毎の専用部分、ここではトラック専用部分36aおよび乗用車専用部分36bとを備える。トラック専用部分36aと乗用車専用部分36bのいずれを実行するかは、動作モード37によって選択される。すなわち、制御部20は、複数種類の制御ソフトウェアの中のいずれかを動作モード37の設定情報に基づいて選択し、選択した制御ソフトウェアを実行することで、HUD装置1全体を制御する。このような共用制御ソフトウェア25cを用いることで、HUD装置1を、ハードウェアのみならずソフトウェアを含めて複数の車種で共用でき、製品コスト等をさらに低減できる。
【0062】
また、メモリ17は、図9Bに示されるように、共用制御ソフトウェア25cに加えて、図6Aおよび図6Bで述べたような設置識別情報31を記憶している。共用制御ソフトウェア25cは、図6Aの場合と異なり、SW識別情報30を含まない。ここで、制御部20は、概略的には、HUD装置1の起動時、望ましくは初回起動時に、図8Bで述べた車種識別情報と設置識別情報31とを比較する。そして、制御部20は、当該2個の識別情報が一致した場合には、一致した識別情報に該当する動作モード37を設定して通常動作へ移行し、不一致であった場合には通常動作へ移行せずにエラーを出力する。
【0063】
図10は、実施の形態2によるヘッドアップディスプレイ装置において、図2Aにおける制御部の起動時の処理内容の一例を示すフロー図である。図10において、制御部20は、HUD装置1の起動時、望ましくは初回起動時に、情報取得部、すなわち通信部16、または、図8Bで述べた有線通信部、無線通信部等を介して、HUD装置1外部との通信を確立する(ステップS21)。
【0064】
続いて、制御部20は、外部から車種識別情報を取得し(ステップS22)、さらに、メモリ17等から設置識別情報31を読み出す(ステップS23)。続いて、制御部20は、車種識別情報と設置識別情報31とが一致するか否かを判定する(ステップS24)。当該2個の識別情報が一致した場合(ステップS24:Yes)、制御部20は、一致した識別情報に該当する動作モード37を、共用制御ソフトウェア25cが参照する記憶領域に設定する(ステップS25)。その後、制御部20は、図11Aおよび図11Bに示される通常動作へ移行する。
【0065】
一方、車種識別情報と設置識別情報31とが不一致であった場合(ステップS24:No)、制御部20は、動作モード37を設定せずに、または動作モード37を設定できなかったことを表す情報を記憶領域に格納し、設置識別情報31が誤っていることを表すエラーを出力する(ステップS26)。この場合、制御部20は、通常動作への移行を行わない。
【0066】
なお、ステップS25において、制御部20は、動作モード37の設定情報を不揮発性の記憶領域、例えば、メモリ17に含まれる不揮発性メモリに格納することが望ましい。この場合、制御部20は、HUD装置1の2回目以降の起動時には、図10に示したフローを実行せずに、単に、共用制御ソフトウェア25cに、不揮発性の記憶領域に格納された動作モード37の設定情報を参照させればよい。このように、HUD装置1の2回目以降の起動時には、図10に示したフローを省略することで、HUD装置1の起動時間を短縮できる。
【0067】
また、図10に示した例では、制御部20は、車種識別情報と設置識別情報31とが一致した場合に、動作モード37を設定した。これに限らずに、制御部20は、例えば、車種識別情報のみに基づいて動作モード37を設定することも可能である。ただし、この場合、HUD装置1が必ずしも正しく設置されているとは限らないため、設置方法を含めて検証可能な図10に示したフローを用いることがより望ましい。
【0068】
さらに、制御部20は、設置識別情報31のみに基づいて動作モード37を設定することも可能である。例えば、車種識別情報を取得できないような場合には、このような方法が用いられてもよい。ただし、HUD装置1は必ずしも正しく設置されているとは限らず、さらに、設置識別情報31も、必ずしも正しく登録されているとは限らないため、車種識別情報を取得できる場合には、図10に示したフローを用いることがより望ましい。
【0069】
<制御部の通常動作>
図11Aは、実施の形態2によるヘッドアップディスプレイ装置において、図2Aにおける制御部の通常動作時の処理内容の一例を示すフロー図である。図11Bは、図11Aにおける表示処理(ステップS34)での処理内容の一例を示すフロー図である。図12Aおよび図12Bは、図11Bにおける一部の処理内容を説明するための補足図である。
【0070】
図11Aにおいて、制御部20は、まず、所定の記憶領域、望ましくは、不揮発性の記憶領域から動作モード37の設定情報を取得する(ステップS31)。ここで、図示は省略されるが、制御部20は、動作モード37の設定情報を取得できなかった、図10におけるステップS26の場合、ひいては動作モード37が設定されていなかった場合、処理を終了する。一方、制御部20は、動作モード37の設定情報を取得できた場合、表示終了要求が入力されるまで(ステップS35)、ステップS32~S34の処理を、所定の処理サイクル毎に繰り返し実行する。
【0071】
当該繰り返し処理において、制御部20は、まず、通信部16を介して制御ユニット21から車両情報4を取得する(ステップS32)。続いて、制御部20は、取得した車両情報4に基づいて、映像表示部11に表示させる表示コンテンツを決定し、決定した表示コンテンツに基づく映像データを作成する(ステップS33)。次いで、制御部20は、作成した映像データを用いて、表示処理を行う(ステップS34)。
【0072】
表示処理(ステップS34)では、図11Bに示されるように、制御部20は、まず、ステップS341で取得した動作モード37を判別し、トラックモードである場合には、ステップS342へ、乗用車モードである場合にはステップS346へ移行する。動作モード37がトラックモードである場合、制御部20は、作成した映像データがトラック向けであるか否かを判定する(ステップS342)。制御部20は、映像データがトラック向けである場合(ステップS342:Yes)、ステップS343へ移行し、乗用車向けである場合(ステップS342:No)、ステップS345を介してステップS343へ移行する。
【0073】
ステップS345において、制御部20は、表示内容の左右反転処理、または、加えて上下反転処理を行う。図12Aには、トラックに設置されたHUD装置1において、映像表示部11の表示内容と、利用者6が視認する表示内容との関係性の一例が示される。図12Bには、乗用車に設置されたHUD装置1において、映像表示部11の表示内容と、利用者6が視認する表示内容との関係性の一例が示される。
【0074】
例えば、図12Aに示される設置状態では、利用者6の眼に、映像表示部11の表示パネルの表示面が正対する関係となる、つまり、映像表示部11の表示パネルの表示面から出射する映像光の出射方向は車両2の前進方向と逆である。このため、利用者6は、映像表示部11の表示パネルの表示面に表示された映像を、そのままの向きで視認することができる。一方、図12Bに示される設置状態では、利用者6の眼に、映像表示部11の裏面が正対する関係となる。つまり、映像表示部11の表示パネルの表示面から出射する映像光の出射方向は、車両2の前進方向と同じである。このため、利用者6は、映像表示部11の表示面に表示された映像を、左右反対の向きで視認することになる。そこで、制御部20は、図12Bに示されるように、予め、左右を反転させた映像を映像表示部11に表示させる。
【0075】
このような関係性に基づいて、制御部20は、図11BでのステップS345において、表示内容の左右反転処理を行う。具体的には、制御部20は、表示駆動部15または映像表示部11に左右反転機構が設けられる場合にはそれを利用し、左右反転機構が設けられない場合には、左右が反転するように映像データを加工したのちメモリ17に格納する。
【0076】
続いて、ステップ343において、制御部20は、トラック向けの歪補正処理を行う。すなわち、利用者6が視認する映像には、トラックのウィンドシールド3の形状等に応じて、歪が発生し得る。制御部20は、このような歪を予め補正するように、映像データを加工する。その後、制御部20は、歪補正後の映像データを用いて、映像表示部11に表示内容を更新させる(ステップS344)。
【0077】
一方、動作モード37が乗用車モードである場合、トラックモードの場合と同様に、制御部20は、作成した映像データがトラック向けであるか否かを判定する(ステップS346)。制御部20は、映像データがトラック向けである場合(ステップS346:Yes)、表示内容の左右反転処理を行ったのちに(ステップS347)、ステップS348へ移行し、映像データが乗用車向けである場合(ステップS346:No)、そのままステップS348へ移行する。そして、制御部20は、乗用車のウィンドシールド3の形状等に基づく乗用車向けの歪補正処理を行ったのち(ステップS348)、映像表示部11に表示内容を更新させる(ステップS344)。
【0078】
このように、共用制御ソフトウェア25cは、車両2の種類毎に、少なくとも、映像表示部11に表示させる映像の向きの仕様と、映像に対する歪補正の処理内容とが異なっている。そして、これらの違いは、図9Aに示したトラック専用部分36aおよび乗用車専用部分36bに反映されている。なお、共通部分35では、例えば、車両情報4に基づいて映像データを作成する際の処理内容等が定められる。
【0079】
<実施の形態2の主要な効果>
以上、実施の形態2の方式を用いることでも、実施の形態1で述べた各種効果と同様の効果が得られる。さらに、共用制御ソフトウェア25cを用いることで、製品コスト等の更なる低減が実現可能になる。
【0080】
(実施の形態3)
<エンジニアモードについて>
例えば、図8A図8B図8C、または図10に示したように、制御部20は、車種識別情報、SW識別情報30、設置識別情報31の間で不整合が生じた場合、基本的には、通常動作へ移行せずに、制御ユニット21等にエラーを出力する。一方、このような場合には、何らかの手段で、原因究明を含めたエラー解析や、エラー対策を行えるようにすることが望まれる。そこで、ここでは、制御部20が実行する解析用の動作モードとして、エンジニアモードが設けられる。詳細には、制御部20は、例えば、メモリ17に格納されたエンジニアモード用のプログラムを実行すること等で、エンジニアモードで動作する。
【0081】
制御部20は、エラーを出力する際に、併せてエンジニアモードに自動で遷移してもよく、エンジニアモードに遷移することを促すだけでもよい。または、制御部20は、解析者によって、車両2の操作キーを介した特殊な操作入力が行われた場合に、エンジニアモードに遷移してもよい。この際には、あるメニューを表示中に特殊な操作入力が行われた場合のみとった、限定条件が加えられてもよい。また、操作入力は、車両2の操作キーに限らず、例えば、音声によるものや、HUD装置1に別途接続された外部装置からの入力によるもの等であってもよい。
【0082】
制御部20は、エンジニアモードに遷移すると、例えば、以下のようなことを実行できる。
・通常動作への移行条件が成立しない場合であっても、強制的に通常動作を行う。
・所定の表示内容を映像表示部11に表示させる。または、HUD装置1に外部のディスプレイを接続した状態で、外部のディスプレイで所定の表示内容を確認できるように制御する。
・HUD装置1にUSBケーブルなどを介してコンピュータシステム等の外部装置を接続した状態で、外部装置とHUD装置1との間での情報または命令の通信を制御する。外部装置は、例えば、ディスプレイと、ユーザ操作を受け付けるユーザインタフェースとを有する。
・制御ソフトウェアの更新/ダウンロード/再インストールを制御する。
【0083】
具体例として、制御部20は、例えば、前述した外部装置との通信によって、図8A図8B図8C、または図10で述べたような、現象を含めたエラー、例えばメモリ17に格納されたエラーログを外部装置に出力する。または、制御部20は、このような制御ソフトウェアに伴うエラーに限らず、HUD装置1内の各種ハードウェアで生じたエラーを外部装置に出力してもよい。
【0084】
さらに、制御部20は、発生したエラーを解消する方法、すなわちエラー対策の内容を、外部装置等に提示してもよい。具体的には、HUD装置1の強制再起動、制御ソフトウェアの更新/ダウンロード/再インストール、ハードウェアの置き換え等が挙げられる。なお、制御部20は、例えば、解析者がエンジニアモードの終了操作を行った場合や、HUD装置1が再起動された場合や、制御ソフトウェアの更新/再インストールが完了した場合等で、エンジニアモードを終了する。
【0085】
図13は、実施の形態3によるヘッドアップディスプレイ装置を含めたシステムの構成例を示す概略図である。実施の形態3では、一つ以上の外部装置45を用いてヘッドアップディスプレイ装置を操作できることを説明する。つまり、有線または無線を介して一つ以上の外部装置45とヘッドアップディスプレイ装置とが連携する一例を説明する。図13に示されるHUD装置1は、例えば、図2A等に示した構成に加えて、有線用の通信インタフェース40、および/または、無線用の通信インタフェース41を備える。
【0086】
有線用の通信インタフェース40は、例えば、USBインタフェース等であり、USBケーブルを介して外部装置45aに接続される。無線用の通信インタフェース41は、例えば、無線LANインタフェースや、Bluetoothインタフェース等であり、必要に応じてネットワーク46を介して、外部装置45bに接続される。外部装置45a,45bは、例えばスマートフォンやタブレット端末等のモバイル装置であり、ディスプレイおよびユーザインタフェースを有する。
【0087】
ここでは、外部装置45を用いたヘッドアップディスプレイ装置のエンジニアモードの制御について説明する。操作者は、外部装置45a,45bを用いて、制御部20からの情報取得や、制御部20への信号/命令送信等が可能である。また、操作者は、外部装置45a,45bのユーザインタフェースを用いた操作入力によって、制御部20をエンジニアモードに遷移させることが可能である。また、制御部20は、前述した車種識別情報を、外部装置45a,45bから取得することも可能である。
【0088】
図14は、図13において、外部装置のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。この例では、制御部20は、エンジニアモードにおいて、外部装置45a,45bに、HUD装置1の再起動を促す画面を提供している。なお、制御部20は、ここでは、モバイル装置等の外部装置45a,45bに画面を提供したが、外部装置は、少なくともディスプレイを有するものであればよい。また、制御部20は、場合によっては、ウィンドシールド3の先に存在する虚像9として、このような画面を表示させることも可能である。
【0089】
<実施の形態3の主要な効果>
以上、実施の形態3の方式を用いることで、例えば、HUD装置1を正しく使用できない状況で、その原因等を容易に解析できるようになる。さらに、その原因等に応じて、対策を講じる、または対策内容を提供することが可能になる。有線または無線を介して外部装置とヘッドアップディスプレイ装置とが連携することにより、操作がより便利になる。
【0090】
なお、各実施の形態の方式を用いると、利用者6は、行き先、速度等を代表とする走行に必要な各種情報を、HUD装置1を正しく使用できる状況で、ウィンドシールド3越しの映像として視認できる。これにより、利用者6の視点移動を軽減して安全運転の支援に寄与するHUD装置1を提供できる。その結果、交通事故を防止することが可能となる。さらに、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「3.すべての人に健康と福祉を」に貢献することが可能になる。
【0091】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0092】
1…ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置、2…車両、4…車両情報、5…表示領域、11…映像表示部、16…通信部(情報取得部)、17…メモリ、20…制御部、25…制御ソフトウェア、30…SW識別情報、31…設置識別情報、37…動作モード、45a,45b…外部装置、M1…ミラー(映像光投射部)
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14