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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093958
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】梱包ケース
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/68 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
B65D85/68 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210628
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】児玉 健吾
【テーマコード(参考)】
3E037
【Fターム(参考)】
3E037AA20
3E037BA02
3E037BB04
3E037BB20
(57)【要約】
【課題】製品の転倒や損傷を抑えつつ、製品を起こす作業を容易にすることができる。
【解決手段】底面にキャスタ21が配置された、複写機・ファクシミリ・プリンタ・コンピュータ等の製品2を横倒しの状態で収容する梱包ケース1であって、梱包ケース1は、梱包状態において底面に対向して配置され、開梱時に外部の接地面(床面)にキャスタ21が接地するように製品2が起こされる際に、底面を支持しつつ接地面側に展開可能なストッパ部材15を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面にキャスタが配置された製品を横倒しの状態で収容する梱包ケースであって、
梱包状態において前記底面に対向して配置され、開梱時に外部の接地面に前記キャスタが接地するように前記製品が起こされる際に、前記底面を支持しつつ接地面側に展開可能なストッパ部材を備える
ことを特徴とする梱包ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品を梱包する梱包ケースに係り、特に、開梱時に製品の転倒や損傷を抑えつつ、製品を起こす作業を容易にすることができる梱包ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャスタ付きの製品を梱包する梱包ケースには、様々なものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、ベースシート上に固着する固着部分に、機器を横置きして寝かせた状態で載置する載置面とその載置面上の機器を滑らせて機器起立面上に案内する案内面を形成された梱包装置に関する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、事務機を支持する底ケースのキャスタと対応する所定部位に,キャスタと係合し得る係合孔を形成し, 横倒し状態の事務機を梱包ケースから立てて取り出す際に, キャスタが係合孔に係合することによりこのキャスタを中心として事務機を回転させる事務機用梱包ケースに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-36291号公報
【特許文献2】特開平8-143091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、複写機等の機器を接地させる際、キャスタから接地させると、キャスタが回転してしまい製品を起こせなかったり、滑って転倒したりするおそれがある。また、キャスタより先に製品本体の一部(底面や稜、キャスタ右側の角部)から接地させてしまうと、新品の製品本体を損傷するおそれがある。
【0007】
特許文献2に記載の技術では、事務機本体を接地させる際にキャスタが滑って移動し転倒するおそれがある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、開梱時に製品の転倒や損傷を抑えつつ、製品を起こす作業を容易にする梱包ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る梱包ケースの第1の特徴は、
底面にキャスタが配置された製品を横倒しの状態で収容する梱包ケースであって、
梱包状態において前記底面に対向して配置され、開梱時に外部の接地面に前記キャスタが接地するように前記製品が起こされる際に、前記底面を支持しつつ接地面側に展開可能なストッパ部材を備えることにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る梱包ケースの特徴によれば、開梱時に製品の転倒や損傷を抑えつつ、製品を起こす作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る梱包ケースの組み立て構成を示した斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る梱包ケースに製品を収納した収納状態を示した側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る梱包ケースが備えるストッパ部材の斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る梱包ケースにおいて、製品2を起立させる際の作業手順を説明した説明図である。
図5】(a),(b)は、本発明の変形例1に係る梱包ケースが備える製品保持部材25の斜視図である。
図6】本発明の変形例1に係る梱包ケースにおいて、製品を起立させる際の作業手順を説明した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0013】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0014】
<梱包ケースの機能構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る梱包ケース1の組み立て構成を示した斜視図である。
【0015】
図1に示すように、梱包ケース1は、製品2が横倒しの状態で収納する収納ケースである。
【0016】
製品2は、例えば、複写機・ファクシミリ・プリンタ・コンピュータ等の機器であり、下部には起立させた状態で移動するためのキャスタ21が設けられている。
【0017】
梱包ケース1は、パレット11と、底トレイ12と、下部緩衝材13a,13bと、下部側面緩衝材14と、ストッパ部材15とを有している。
【0018】
パレット11は、機器の運搬を容易とすべく用いる通常の荷役運搬用のもので、例えばフォークリフトなどのフォークを差し込んで持ち上げて走行し、任意の場所に製品2を運搬可能なものである。
【0019】
パレット11上には、底トレイ12が設けられている。底トレイ12は、製品梱包用として用いるもので、周囲四辺にフラップを突出して開閉自在に備え、パレット11上に接着等により固着されている。
【0020】
下部緩衝材13a,13bは、例えば、発泡スチロールなどで成形されており、製品2を横倒しした場合の底部を支持し、収納された製品2を搬送中に発生する振動を吸収する役目を有している。
【0021】
下部側面緩衝材14は、下部緩衝材13aと組み合わされて用いられる。下部側面緩衝材14は、下部緩衝材13aと同様に、例えば、発泡スチロールなどで成形されており、製品2を横倒しした場合の側部を支持し、収納された製品2を搬送中に発生する振動を吸収する役目を有している。
【0022】
図2に示すように、製品2が梱包ケース1に収納される際、下部緩衝材13a,13bと、下部側面緩衝材14と、上部緩衝材17a,17bとで製品2を保持するように収納されている。
【0023】
ストッパ部材15も、図2に示すように梱包箱16の内部に収納されている。ストッパ部材15の底面部15cは、接着等により底トレイ12に固着されている。これにより、後述するように、製品2を起立させる際、製品2と共にストッパ部材15が動くことを防止できる。ストッパ部材15の底面部15c以外は、底トレイ12に固着されておらず、製品2の梱包状態において、折りたたまれて梱包箱16の内部に収納されている。
【0024】
このように、ストッパ部材15を別部品として追加しても良いが、例えば、図3に示すように、底トレイ12の一部を切り抜き、折り曲げ線15bを谷折りに折り曲げることにより、ストッパ部材15をB方向に起こすようにしてしてもよい。これにより、新たな部材を用いることなく、底トレイ12と一体的に形成することができる。その場合、底トレイ12の切り起こし部分が穴になるが、パレット11の上板に一枚板などを使用し全面を塞ぐようにすることで運搬する上で支障はない。
【0025】
また、ストッパ部材15の先端部のフラップ部15aには、作業者がフラップ部15aを把持し易いように手掛け穴15a1が設けられている。
【0026】
<ストッパ部材15を用いた製品2の起立作業>
次に、ストッパ部材15を用いた製品2の起立作業について説明する。
【0027】
図4は、本発明の一実施形態に係る梱包ケース1において、製品2を起立させる際の作業手順を説明した説明図である。
【0028】
図4(a)に示すように、梱包箱16、下部側面緩衝材14、および上部緩衝材17a,17bが取り除かれる。
【0029】
そして、梱包箱16の内部に収納されていたストッパ部材15を展開する。
【0030】
次に、図4(b)に示すように、作業者が製品2を下部緩衝材13a上で左にスライドさせ、製品2のキャスタ21が設けられている面をストッパ部材15に突き合わせる。
【0031】
図4(c)に示すように、作業者は、ストッパ部材15のフラップ部15aの手掛け穴15a1と製品2の角部2aとを把持して支えながら製品2をA方向に傾けて起こし、キャスタ21を外部の接地面(床面)に接地させる。
【0032】
図4(d)に示すように、作業者は、製品2を左に移動する。
【0033】
このように、本発明の一実施形態に係る梱包ケース1は、梱包状態において底面に対向して配置され、開梱時に外部の接地面にキャスタ21が接地するように製品2が起こされる際に、底面を支持しつつ接地面側に展開可能なストッパ部材15を備えている。
【0034】
これにより、開梱し製品2を取り出す際、キャスタ21が回転し製品2を起こせなかったり、滑って転倒したりすることを防止することができるので、製品2の転倒や損傷を抑えつつ、製品2を起こす作業を容易にすることができる。
【0035】
<変形例1>
本発明の一実施形態に係る梱包ケース1の変形例1について説明する。
【0036】
図5(a)は、本発明の変形例1に係る梱包ケース1が備える製品保持部材25の斜視図である。
【0037】
図5(a)に示すように、変形例1の梱包ケース1では、ストッパ部材15に重ね合わせ用いる製品保持部材25を有している。
【0038】
製品保持部材25は、キャスタ21との接触を避けるため、内側にd1だけ切込みが設けられた側面部材25cを有している。この側面部材25cが製品2の側面(製品2が起立したときの底面)に接触する。また、側面部材25cにはフラップ部25dが接続されており、フラップ部25dには、手掛け穴25d1が設けられている。
【0039】
これにより、キャスタ21と接触を回避することができ、また、作業者が製品2を傾けて起こす際、手掛け穴25d1を把持して持ち上げることができるので、より、製品2の転倒や損傷を抑えつつ、製品2を起こす作業を容易にすることができる。
【0040】
さらに、図5(b)に示すように、製品保持部材25は、側面部材25cに接続された上面部材25eを有するようにしてもよい。上面部材25eには、フラップ部25fが接続されており、このフラップ部25fは、線Cに示すように、対応するフラップ部25hに設けられた貫通孔25gを貫通させて、フラップ部25fとフラップ部25hとを重ね合わせることができるようになっている。これにより、フラップ部25fに設けられた手掛け穴25f1と、フラップ部25hに設けられた手掛け穴25h1とを重ね合わせることができる。
【0041】
そのため、作業者が製品2を傾けて起こす際、手掛け穴25d1を把持して持ち上げると共に、重ね合わせた手掛け穴25f1と手掛け穴25h1とを把持して持ち上げることができるので、より、製品2の転倒や損傷を抑えつつ、製品2を起こす作業を容易にすることができる。
【0042】
図6は、本発明の変形例1に係る梱包ケース1において、製品2を起立させる際の作業手順を説明した説明図である。ここでは、図5(a)に示した製品保持部材25を用いた例について説明する。
【0043】
図6(a)に示すように、梱包状態では、製品2は梱包ケース1内に収納されており、製品保持部材25は、製品2の側面および底面に接触して配置されている。梱包ケース1内に、製品2が収納されているので、梱包箱16を開梱し、下部側面緩衝材14、および上部緩衝材17a,17bが取り除かれる。
【0044】
そして、図6(b)に示すように、作業者は、ストッパ部材15の手掛け穴15a1と、製品保持部材25の手掛け穴25d1とを重ね合わせて把持すると共に、製品保持部材25の手掛け穴25h1を把持して支えながら製品2をA方向に傾けて起こし、キャスタ21を外部の接地面(床面)に接地させる。
【0045】
図6(c)に示すように、作業者は、製品保持部材25を取り外し、製品2を左に移動する。
【0046】
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
【0047】
(付記1)
底面にキャスタが配置された製品を横倒しの状態で収容する梱包ケースであって、
梱包状態において前記底面に対向して配置され、開梱時に外部の接地面に前記キャスタが接地するように前記製品が起こされる際に、前記底面を支持しつつ接地面側に展開可能なストッパ部材を備える
ことを特徴とする梱包ケース。
【0048】
これにより、開梱し製品を取り出す際、キャスタが回転し製品を起こせなかったり、滑って転倒したりすることを防止することができるので、製品の転倒や損傷を抑えつつ、製品を起こす作業を容易にすることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 梱包ケース
2 製品
11 パレット
12 底トレイ
13a 下部緩衝材
13b 下部緩衝材
14 下部側面緩衝材
15 ストッパ部材
17a 上部緩衝材
17b 上部緩衝材
21 キャスタ
25 製品保持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6