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  • 特開-水切り材 図1
  • 特開-水切り材 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009396
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】水切り材
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/64 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
E04B1/64 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110887
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】390004145
【氏名又は名称】城東テクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】吉冨 賢治
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DA03
2E001FA21
2E001FA35
2E001GA13
2E001HB01
2E001NA07
2E001NB01
2E001NC01
2E001ND01
(57)【要約】
【課題】見付が目立つのを抑制しつつ水切り材の変形を抑制する。
【解決手段】水切り材1は、1枚の鋼板からなる板金製であり、建物躯体100へ取り付けられる取付面部11と、取付面部11の下端で折り曲げられて前方下方へ傾斜して延出する水切り面部12と、水切り面部12の前端から後方へ折り曲げられた折返し面部13とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の金属板からなる板金製の水切り材において、
建物躯体へ取り付けられる取付面部と、
前記取付面部の下端で折り曲げられて前方下方へ傾斜して延出する水切り面部と、
前記水切り面部の前端から後方へ折り曲げられた折返し面部と、を有することを特徴とする水切り材。
【請求項2】
1枚の金属板からなる板金製の水切り材において、
建物躯体へ取り付けられる取付面部と、
前記取付面部の下端で折り曲げられて前方下方へ傾斜して延出する水切り面部と、
前記水切り面部の前端から当該水切り面部の下面に沿って二重になるよう後方へ折り返された折返し面部と、を有することを特徴とする水切り材。
【請求項3】
前記水切り面部の下方且つ前記折返し面部の後端で折り曲げられて下方へ延び、通気孔が設けられた通気面部を、さらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の水切り材。
【請求項4】
前記通気孔は、前記通気面部の上部に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の水切り材。
【請求項5】
前記通気孔は、前記通気面部の下部領域を除く領域に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の水切り材。
【請求項6】
前記通気面部の下端で折り曲げられて横方向に延出する下面部を、さらに有することを特徴とする請求項3に記載の水切り材。
【請求項7】
前記下面部の端部で上方へ折り曲げられて延出する立上り面部を、さらに有することを特徴とする請求項6に記載の水切り材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、土台水切り、オーバーハング等の建物の水切り材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物の外周には、基礎と土台との間の屋外側を覆うように水切り材が設けられている。この種の水切り材として、建築物(建物躯体)の土台に固定される背面部(取付面部)と、背面部の下端から前側斜め下方へ突出させた水切り面部と、水切り面部の前端から下方へ屈曲させた前面部と、前面部の下方から後方へ延在させられ複数の通気孔が形成された下面部と、を有する水切り材がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-17753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の水切り材においては、見付として、鉛直方向に比較的幅のある前面部を有している。このため、デザイン性が付与された外壁材と化粧モルタルが塗布された基礎との間に、水切り材が配置された際には、この前面部(見付)が建物の屋外側から目立ち、見栄えが低下する問題がある。
【0005】
そこで、本発明者らは、水切り材の存在(特に前面部)が目立たないようにしてデザイン性を向上させるために、水切り材の前面部を無くす(すなわち、前面部を無くすために下面部も無くす)ことを検討した。しかしながら、前面部などを無くした水切り材の水切り面部は背面部から前方に突出した片持ち梁状となり、剛性が低下する。このため、水切り材を土台などに固定した後の施工中又は施工後に、当該水切り材の水切り面部に、作業者が接触したり、他の取付部材などが少し接触しただけでも、水切り材に変形等が生じやすくなる。この結果、外観を損ねる虞がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、見付が目立つのを抑制しつつ水切り材の変形を抑制することが可能な水切り材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の水切り材は、第1の観点では、1枚の金属板からなる板金製の水切り材において、建物躯体へ取り付けられる取付面部と、前記取付面部の下端で折り曲げられて前方下方へ傾斜して延出する水切り面部と、前記水切り面部の前端から後方へ折り曲げられた折返し面部と、を有する。
【0008】
これによると、庇のように突出する水切り面部の前端から後方へ折り返された折返し面部を有することで、見付としての前面部を実質的に無くした構造とすることが可能となる。このため、見付が目立つのを抑制することができる。また、折返し面部を有することで、水切り面部の剛性も向上する。このため、施工中又は施工後に水切り材の変形を抑制することが可能となる。また、折返し面部が水切り面部の前端から後方へ折り返されてなるため、水切り面部の前端に折り曲げ部が形成される。このため、水切り面部の前端に触れて怪我をすることを防止することができる。
【0009】
また、本発明の水切り材は、第2の観点では、1枚の金属板からなる板金製の水切り材において、建物躯体へ取り付けられる取付面部と、前記取付面部の下端で折り曲げられて前方下方へ傾斜して延出する水切り面部と、前記水切り面部の前端から当該水切り面部の下面に沿って二重になるよう後方へ折り返された折返し面部と、を有する。
【0010】
これによると、庇のように突出する水切り面部の前端から後方へ折り返された折返し面部を有することで、見付としての前面部を実質的に無くした構造とすることが可能となる。このため、見付が目立つのを抑制することができる。また、水切り面部と折返し面部とで二重構造とすることで、水切り面部の剛性も向上する。このため、施工中又は施工後に水切り材の変形を抑制することが可能となる。また、折返し面部が水切り面部の前端から後方へ折り返されてなるため、水切り面部の前端に折り曲げ部が形成される。このため、水切り面部の前端に触れて怪我をすることを防止することができる。
【0011】
本発明において、前記水切り面部の下方且つ前記折返し面部の後端で折り曲げられて下方へ延び、通気孔が設けられた通気面部を、さらに有することが好ましい。これにより、水切り面部が垂れ下がりにくくなる。
【0012】
また、本発明において、前記通気孔は、前記通気面部の上部に形成されていることが好ましい。これにより、屋外側から折返し面部の下面に沿う空気の流れを有効に屋内側へ取り込むことができる。特に、折返し面部の後端の折り曲げ位置に掛かるように通気孔を設けた場合には、通気性能をより向上できるとともに、折返し面部の後端の折り曲げをより容易に行うことができる。また、基礎に塗布された化粧モルタルで通気孔が塞がれるのを抑制することができる。
【0013】
また、本発明において、前記通気孔は、前記通気面部の下部領域を除く領域に形成されていることが好ましい。これにより、通気孔の形成位置が高くなり、通気孔を介して水が浸入することを抑制することが可能となる。また、通気孔が屋外側から見えにくくなる。このため、見栄えが向上する。
【0014】
また、本発明において、前記通気面部の下端で折り曲げられて横方向に延出する下面部を、さらに有することが好ましい。これにより、下面部を基礎に塗布される化粧モルタルの定規として利用することが可能となる。
【0015】
また、本発明において、前記下面部の端部で上方へ折り曲げられて延出する立上り面部を、さらに有することが好ましい。これにより、水の浸入を抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の水切り部材の第1の観点によると、庇のように突出する水切り面部の前端から後方へ折り返された折返し面部を有することで、見付としての前面部を実質的に無くした構造とすることが可能となる。このため、見付が目立つのを抑制することができる。また、折返し面部を有することで、水切り面部の剛性も向上する。このため、施工中又は施工後に水切り材の変形を抑制することが可能となる。また、折返し面部が水切り面部の前端から後方へ折り返されてなるため、水切り面部の前端に折り曲げ部が形成される。このため、水切り面部の前端に触れて怪我をすることを防止することができる。
本発明の水切り部材の第2の観点によると、庇のように突出する水切り面部の前端から後方へ折り返された折返し面部を有することで、見付としての前面部を実質的に無くした構造とすることが可能となる。このため、見付が目立つのを抑制することができる。また、水切り面部と折返し面部とで二重構造とすることで、水切り面部の剛性も向上する。このため、施工中又は施工後に水切り材の変形を抑制することが可能となる。また、折返し面部が水切り面部の前端から後方へ折り返されてなるため、水切り面部の前端に折り曲げ部が形成される。このため、水切り面部の前端に触れて怪我をすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る水切り材を建物躯体に取り付けた状態を示す概略断面図である。
図2図1に示す水切り材を前方左斜め上から見たときの斜視図である。
図3図1に示す水切り材を前方右斜め下から見たときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る水切り材1を図1図3を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る水切り材を建物躯体の一部である土台に取り付けた状態を示している。本実施形態における建物躯体100は、基礎101、基礎パッキン102及び土台103などを有する。
【0019】
基礎101は、地面から上方に立ち上がって形成されており、図1中紙面垂直方向Aに長尺に延在している。基礎101の屋外側の側面には、化粧モルタル101aが形成されている。基礎パッキン102は、方向Aに沿って長尺に形成されており、基礎101上に設置されている。また、基礎パッキン102には、屋外側と屋内側とを連通させるための複数の通気孔102aが形成されている。複数の通気孔102aは、方向Aに沿って互いに離隔して形成されている。
【0020】
土台103も、方向Aに沿って長尺に形成されており、基礎パッキン102上に設置されている。土台103の屋外側の側面103aには、雨水などの浸入を防ぐための複数の水切り材1が、方向Aに沿って並べて取り付けられている。各水切り材1は、下面部15(後述する)を基礎101上に当接させた状態で土台103に取り付けられている。
【0021】
本実施形態における水切り材1は、1枚の鋼板(金属板)を折り曲げて製造される。水切り材1は、、図1図3に示すように、取付面部11と、水切り面部12と、折返し面部13と、通気面部14と、下面部15と、立上り面部16とを有しており、いずれも方向Aに長尺に形成されている。水切り材1を構成する鋼板としては、ステンレス鋼板、ガルタイト(登録商標)鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)などを用いることができる。そして、1枚の鋼板から打ち抜いた、折り曲げ前の鋼板を折り曲げて、図1図3に示すような水切り材1が製造される。また、水切り材1については、その屋外側を前方とし、屋内側を後方として以下に説明する。また、方向Aは、水平方向であって前後方向Bと直交する左右方向である。
【0022】
取付面部11は、図1に示すように、上下方向Cに沿って垂直平面状に形成された板状部である。取付面部11は、その上端部が外側に折り返された折返し板部11aを有する。折返し板部11aは、ヘミング加工により形成されているが、必ず形成する必要はない。取付面部11は、その上端を土台103の側面103aに描かれた罫書きに沿わせた状態で土台103に釘などで取り付けられる。
【0023】
水切り面部12は、図1に示すように、取付面部11の下端で折り曲げられて前方側斜め下方へ傾斜して延出された板状部である。これにより、土台103の側面103a側に形成される外壁材(不図示)から水切り面部12上に落下してきた雨水を前方へと案内することができる。
【0024】
折返し面部13は、図1図3に示すように、水切り面部12の前端から水切り面部12の下面に沿って後方に折り返されてなる板状部である。折返し面部13は、水切り面部12と上下方向Cに沿って重ねられることで二重になるように配置されている。また、折返し面部13は、180度曲げ或いはヘミング加工により形成されている。また、折返し面部13は、図1に示すように、前後方向Bにおいて、その後端が水切り面部12の中央よりもやや後方に位置している。また、折返し面部13は、水切り面部12の下面に沿って配置されているため、水切り面部12と同様に、屋内側から屋外側に向かって斜め下方に傾斜している。
【0025】
通気面部14は、図1に示すように、折返し面部13の後端で折り曲げられて前方側斜め下方へ傾斜して延出された板状部である。このような通気面部14を有していることで、水切り面部12が垂れ下がりにくくなる。また、通気面部14は、その全体が水切り面部12の下方に位置している。また、通気面部14は、当該通気面部14と折返し面部13とでなす鋭角θ1が通気面部14と下面部15とでなす鋭角θ2よりも小さくなるように水平方向に対して傾斜して配置されている。
【0026】
また、通気面部14には、図1図3に示すように、厚み方向に貫通する通気孔14aが形成されている。通気孔14aは、図2及び図3に示すように、方向Aに沿って通気面部14に複数形成されている。これら通気孔14aは、方向Aにおいて、互いに離隔して配置されている。また、各通気孔14aは、通気面部14のみならず、折返し面部13の後端部にも形成されている。つまり、各通気孔14aは、折返し面部13の後端部から通気面部14の上下方向Cの中央近傍に亘って、通気面部14に沿って延在した長孔形状を有している。このように複数の通気孔14aが折返し面部13と通気面部14とでなす角部分にまで形成されているため、鋼板を折り曲げて通気面部14を形成する際に、鋼板を容易に折り曲げることが可能となる。また、通気孔14aが通気面部14の上部に形成されているため、屋外側から折返し面部13の下面に沿う空気の流れを屋内側へ効果的に取り込むことが可能となる。さらに通気孔14aが、上述のように折返し面部13の後端であって通気面部14を形成するために折り曲げる折り曲げ位置に形成されていることで、通気性能をより向上させることができる。
【0027】
また、通気孔14aは、図1に示すように、上下方向において、その下端位置が水切り面部12の前端位置と同じ又はほぼ同じ位置に配置されている。これにより、水切り材1を屋外側から見たときに、通気孔14aが水切り面部12によってその全体が隠れやすくなり、見えにくくなる。この結果、見栄えが向上する(すなわち、デザイン性が向上する)。また、通気孔14aは、上述のようにその下端が通気面部14の上下方向Cの中央近傍に形成される。このため、通気孔14aは、通気面部14の下部領域を除く領域(すなわち、上下方向Cにおいて、通気面部14の中央近傍領域及びこれよりも上方の上部領域)に形成される。したがって、通気孔14aの形成位置が高くなり、通気孔14aを介して水が屋内側に浸入することを抑制することが可能となる。また、化粧モルタル101aを基礎101に塗布する際に、当該化粧モルタル101aが通気孔14aに付着して通気孔14aが塞がれるのを抑制することができる。
【0028】
下面部15は、図1に示すように、通気面部14の前端(下端)で折り曲げられて横方向へ延出された板状部である。より詳細には、下面部15は、通気面部14の前端から後方やや斜め上方へ傾斜して延出されている。下面部15は、水切り材1を土台103に取り付けたときに、基礎101上に配置される。このため、基礎101に化粧モルタル101aを塗布する際の定規として利用することが可能となる。つまり、化粧モルタル101aを塗布するためのコテを、下面部15に当接させながら化粧モルタル101aの上端部を均らして、形状を規定することができる。
【0029】
また、下面部15には、方向Aに沿って所定ピッチ離隔して1又は複数の貫通孔15aが形成されている。これにより、通気孔14aを介して下面部15上に浸入してきた雨水などの水を外部に排出することが可能となる。また、貫通孔15aは、下面部15の前端部に形成されている。下面部15は前方に近づくに連れて下方に傾斜している。このため、通気孔14aを介して下面部15上に浸入してきた雨水などの水を貫通孔15aから効果的に排出することが可能となる。
【0030】
立上り面部16は、図1図3に示すように、下面部15の後端で折り曲げられて前方斜め上方に延出された板状部である。このように立上り面部16が形成されていることで、通気孔14aから浸入してきた水が屋内側へとさらに浸入するのを抑制することができる。また、立上り面部16の上端は、図1に示すように、上下方向Cにおいて、通気孔14aの下端と同じ又はほぼ同じ位置に配置されている。これにより、水の浸入を抑制しつつも、通気の妨げとなるのを抑制することができる。
【0031】
続いて、水切り材1の建物躯体100への取り付け方法について、以下に説明する。図2に示す水切り材1を準備する。そして、図1に示すように、水切り材1の取付面部11を建物躯体100の土台103の側面103aに釘などで取り付ける。このとき、取付面部11の上端を、土台103の側面103aに描かれた罫書きに沿わせた状態で、水切り材1が土台103に取り付けられる。また、このとき、水切り材1は、下面部15を基礎101上に当接させた状態で土台103に取り付ける。こうして、水切り材1が建物躯体100に取り付けられる。
【0032】
以上に述べたように、本実施形態における水切り材1は、土台103から庇のように突出する水切り面部12の前端から後方へ折り返された折返し面部13を有することで、見付としての前面部を実質的に無くした構造、すなわち、これら面部12,13の折り曲げ部の幅(これら面部12,13の鋼板の合計板厚)程度とすることが可能となる。このため、見付が目立つのを抑制することができる。また、折返し面部13を有することで、水切り面部12の剛性も向上する。このため、施工中又は施工後に水切り材1の変形を抑制することが可能となる。また、折返し面部13が水切り面部12の前端から後方へ折り返されてなるため、水切り面部12の前端に折り曲げ部(アール部)が形成される。このため、水切り面部12の前端に触れて怪我をすることを防止することができる。
【0033】
また、水切り面部12と折返し面部13とで二重構造とすることで、水切り面部12の剛性も向上する。このため、施工中又は施工後に水切り材1の変形をより抑制することが可能となる。上述の実施形態においては、折返し面部13が、水切り面部12と近接し二重になるように折り返されているが、折返し面部が後端に近づくに連れて水切り面部12と離れるように折り返された板状部であってもよい。この変形例において、折返し面部は、上下方向Cにおいて、後端が前端位置以上の位置に配置されていることが好ましい。これにおいても、上述と同様に、見付としての前面部を実質的に無くした構造とすることが可能となる。このため、上述と同様な効果を得ることができる。また、水切り面部12上に落下してきた雨水の水切り位置が折返し面部13の前端又は前端近傍位置とすることが可能となる。
【0034】
また、別の変形例として、通気面部が折返し面部13の後端で折り曲げられて鉛直下方へ延出、又は後方側斜め下方へ傾斜して延出されていてもよい。この場合、下面部が、通気面部の下端で折り曲げられて前方(横方向)へ延出されていてもよい。このとき、下面部は、前方に延出されておればよく、水平方向に対して若干傾いていてもよい。なお、通気面部が鉛直下方に延出されている場合、下面部が後方へ延出されていてもよい。
【0035】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態における水切り材1は、通気面部14及び下面部15などを有しているが、水切り材が、取付面部11、水切り面部12及び折返し面部13から構成されていてもよい。これにおいて、上述と同様な効果を得ることができる。また、通気孔が、下面部15に形成されていてもよい。この場合、下面部15の前方部分に形成されていることが好ましい。これにより、通気孔が基礎101によって塞がれなくなる。
【符号の説明】
【0036】
1 水切り材
11 取付面部
12 水切り面部
13 折返し面部
14 通気面部
14a 通気孔
15 下面部
16 立上り面部
100 建物躯体
図1
図2
図3