(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009399
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】収納具
(51)【国際特許分類】
A47G 29/00 20060101AFI20240116BHJP
A45C 7/00 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A47G29/00 B
A45C7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110894
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】扶川 祥平
(72)【発明者】
【氏名】三本 宏樹
【テーマコード(参考)】
3B045
3K100
【Fターム(参考)】
3B045CB05
3B045CE07
3B045FA01
3K100AA02
3K100AA17
3K100AC01
3K100AD01
3K100AE01
3K100AF07
3K100AJ03
(57)【要約】
【課題】開口部の外観を変えることなく物品を好適に収納し得る収納具を提供する。
【解決手段】物品を収納し得る第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3が設けられるとともに当該各収納空間S1、S2、S3と外部空間との間を連通し得る第一、第二、第三開口部K1、K2、K3が設けられてなる収納具本体Aを有した収納具であり、収納具本体Aが、第一の収納姿勢(F)と、第一の収納姿勢(F)とは異なる第二の収納姿勢とを選択的に採り得るように構成されたものであり、K1、K2、K3開口部が、第一の収納姿勢(F)及び第二の収納姿勢の何れにおいても同一の大きさをなしている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納し得る収納空間が設けられるとともに当該収納空間と外部空間との間を連通し得る開口部が設けられてなる収納具本体を有した収納具であって、
前記収納具本体が、第一の収納姿勢と、この第一の収納姿勢とは異なる第二の収納姿勢とを選択的に採り得るように構成されたものであり、
前記開口部が、前記第一、第二の収納姿勢の何れにおいても同一の大きさをなしている収納具。
【請求項2】
前記第二の収納姿勢が、前記第一の収納姿勢よりも前記収納空間の容積が大きくなるように構成されたものである請求項1記載の収納具。
【請求項3】
前記開口部が、前方に開放されたものである請求項1記載の収納具。
【請求項4】
前記収納具本体が、前記開口部を上下方向に一定の間隔を空けて複数配設したものであり、これら複数の開口部に対応させて前記収納空間が複数設けられている請求項3記載の収納具。
【請求項5】
前記収納具本体が、起立姿勢をなす後壁と、起立姿勢をなし前記開口部が設けられた前壁とを備えたものであり、
前記第二の収納姿勢における前記後壁と前記前壁との間の離間距離が、前記第一の収納姿勢における前記後壁と前記前壁との間の離間距離よりも長くなるように構成されている請求項1記載の収納具。
【請求項6】
前記後壁と前記前壁との間に介設され前記収納空間の上下を区画する複数の仕切板を備えている請求項5記載の収納具。
【請求項7】
前記後壁と前記前壁との間又は前記後壁と前記仕切板との間に介設され前記第二の収納姿勢を保持し得る連結部を備えている請求項5記載の収納具。
【請求項8】
前記収納具本体を前記第一の収納姿勢に保持させる姿勢保持手段が設けられている請求項5記載の収納具。
【請求項9】
前記姿勢保持手段が、基端部が前記後壁又はその近傍に支持されるとともに先端部が前記第一の収納姿勢における前記前壁に係合し得るフック状のものである請求項8記載の収納具。
【請求項10】
前記収納具本体が、前記後壁に取り付けられた吊下げ部材を介して、吊下げ支持されるものである請求項5記載の収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の物品を収納し得る収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品を収納し得る収納空間が設けられるとともに当該収納空間と外部空間との間を連通し得る開口部が設けられた種々の収納具が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この種の収納具は、収納されるべき物品の大きさに比例するように開口部の大きさが大きくなるように構成されている。
【0004】
ところが、従来の収納具は、開口部の大きさが収納されるべき物品の大きさや数量に応じて広狭可変することになるため、開口部の外観が損なわれやすいだけでなく収納された物品の姿勢が安定し難いものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたものであり、少なくとも、開口部の外観を変えることなく物品を好適に収納し得る収納具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0008】
請求項1に記載の発明は、物品を収納し得る収納空間が設けられるとともに当該収納空間と外部空間との間を連通し得る開口部が設けられてなる収納具本体を有した収納具であって、前記収納具本体が、第一の収納姿勢と、この第一の収納姿勢とは異なる第二の収納姿勢とを選択的に採り得るように構成されたものであり、前記開口部が、前記第一、第二の収納姿勢の何れにおいても同一の大きさをなしている収納具である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記第二の収納姿勢が、前記第一の収納姿勢よりも前記収納空間の容積が大きくなるように構成されたものである請求項1記載の収納具である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記開口部が、前方に開放されたものである請求項1記載の収納具である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記収納具本体が、前記開口部を上下方向に一定の間隔を空けて複数配設したものであり、これら複数の開口部に対応させて前記収納空間が複数設けられている請求項3記載の収納具である。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記収納具本体が、起立姿勢をなす後壁と、起立姿勢をなし前記開口部が設けられた前壁とを備えたものであり、前記第二の収納姿勢における前記後壁と前記前壁との間の離間距離が、前記第一の収納姿勢における前記後壁と前記前壁との間の離間距離よりも長くなるように構成されている請求項1記載の収納具である。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記後壁と前記前壁との間に介設され前記収納空間の上下を区画する複数の仕切板を備えている請求項5記載の収納具である。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記後壁と前記前壁との間又は前記後壁と前記仕切板との間に介設され前記第二の収納姿勢を保持し得る連結部を備えている請求項5記載の収納具である。
【0015】
請求項8に記載の発明は、前記収納具本体を前記第一の収納姿勢に保持させる姿勢保持手段が設けられている請求項5記載の収納具である。
【0016】
請求項9に記載の発明は、前記姿勢保持手段が、基端部が前記後壁又はその近傍に支持されるとともに先端部が前記第一の収納姿勢における前記前壁に係合し得るフック状のものである請求項8記載の収納具である。
【0017】
請求項10に記載の発明は、前記収納具本体が、前記後壁に取り付けられた吊下げ部材を介して、吊下げ支持されるものである請求項5記載の収納具である。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、開口部の外観を変えることなく物品を好適に収納し得る収納具を提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図(第一の収納姿勢)。
【
図2】同実施形態における正面図(第一の収納姿勢)。
【
図3】同実施形態における背面図(第一の収納姿勢)。
【
図4】同実施形態における左側面図(第一の収納姿勢)。
【
図6】同実施形態における斜視図(第二の収納姿勢)。
【
図7】同実施形態における正面図(第二の収納姿勢)。
【
図8】同実施形態における背面図(第二の収納姿勢)。
【
図9】同実施形態における左側面図(第二の収納姿勢)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、
図1~11を参照して説明する。
【0021】
この実施形態は、本発明を、建物や家具等の構造物に掛けて使用される壁掛け用の収納具(以下、単に「収納具」という。)に適用したものである。
【0022】
収納具は、物品Bを収納し得る複数の収納空間である第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3が設けられるとともに当該第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3と外部空間との間を連通し得る開口部である第一、第二、第三開口部K1、K2、K3が設けられてなる収納具本体Aを備えている。
【0023】
収納具本体Aは、第一の収納姿勢(F)と当該第一の収納姿勢(F)とは異なる第二の収納姿勢(G)とを選択的に採り得るように構成されている。
【0024】
また、収納具は、収納具本体Aを吊下げ支持するための吊下げ部材Tと、収納具本体Aを第一の収納姿勢(F)に保持させる姿勢保持手段であるフックHを備えたものである。
【0025】
以下、この実施形態の収納具について詳述する。
【0026】
<収納具本体A>
収納具本体Aは、第一、第二、第三開口部K1、K2、K3を上下方向に一定の間隔を空けて配設したものである。収納具本体Aは、第一、第二、第三開口部K1、K2、K3に対応させて第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3が設けられている。
【0027】
収納具本体Aは、起立姿勢をなす後壁1と、起立姿勢をなし第一の収納姿勢(F)及び第二の収納姿勢(G)の何れにおいても同一の大きさをなしている前方に開放された第一、第二、第三開口部K1、K2、K3が設けられた前壁2と、後壁1と前壁2との間に側面視において斜め姿勢をなすように介設され第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3の上下を区画する複数の仕切板である第一、第二、第三、第四仕切板P1、P2、P3、P4と、後壁1と第一仕切板P1の前部との間に介設され第二の収納姿勢(G)を保持し得る連結部である上連結部3と、第四仕切板P4の下に配設され後壁1と前壁2との間を繋ぐ下連結部4とを備えている。
【0028】
[後壁1]
後壁1は、全体として上下方向に延びた起立姿勢をなしたものである。後壁1は、背面視において略矩形板状をなしている。後壁1の上端部には吊下げ部材Tが取り付けられている。
【0029】
後壁1は、上後壁部11と、左右方向に延びた折曲線13を介して上後壁部11の下に位置する下後壁部12とを備えている。上後壁部11の前面には、上連結部3の後端部が接続されている。下後壁部12の前面には、第一、第二、第三、第四仕切板P1、P2、P3、P4の後端部が溶接により接続されている。下後壁部12は左右両側部に設けられたリブEにより補強されている。
【0030】
なお、折曲線13は、上後壁部11と下後壁部12との相対姿勢を容易に変更させるためのものである。例えば、
図11に示すように、第二の収納姿勢(G)を採る収納具本体Aを壁面Vに取り付けた場合には、折曲線13が作用して、上後壁部11が壁面Vに対して傾いた姿勢を柔軟に採るとともに、主として下後壁部12が壁面Vに対して面的に接するようになっている。このとき、収納具本体Aは、下後壁部12の背面が壁面Vに対して面的に当接することになるため、各収納空間S1、S2、S3に対して、比較的多くの物品Bが収納された場合であっても、安定した姿勢を採り得るものとなっている。
【0031】
リブEは、下後壁部12の折れ曲がりを抑制するための略三角筒状をなしたものである。リブEは、下後壁部12の左右両側端部から外方に向かって一体に突設された突出片を折り曲げ及び溶着することにより形成されている。
【0032】
後壁1の背面は、収納具を吊下げ支持している図示しない構造物である建物の壁や、図示しない構造物である什器・家具の壁体を臨むものとなっている。
【0033】
[前壁2]
前壁2は、起立姿勢をなした略矩形板状部材に、上側から下側に向かって順に、第一、第二、第三開口部K1、K2、K3が穿設されてなるものである。第一、第二、第三開口部K1、K2、K3は、それぞれ略同じ大きさに設定されている。第一、第二、第三開口部K1、K2、K3は、常に大きさが同じもの(大きさが変わらないもの)となっている。
【0034】
前壁2は、その起立した姿勢を維持したまま、第一の収納姿勢(F)と第二の収納姿勢(G)との間の姿勢変更に伴って、後壁1に対して前後方向に移動し得るように構成されている。換言すれば、前壁2は、第一、第二、第三開口部K1、K2、K3が前方に向かって開放された状態を維持したまま、後壁1に対して前後方向に移動し得るように構成されている。
【0035】
第一の収納姿勢(F)における前壁2は、第二の収納姿勢(G)の場合と比較して、後壁1に対して近接して配設されるものとなっている。第一の収納姿勢(F)における前壁2の位置は、フックHにより保持されるものとなっている。
【0036】
第二の収納姿勢(G)における前壁2は、第一の収納姿勢(F)の場合と比較して、後壁1に対して離間して配設されるものとなっている。第二の収納姿勢(G)における前壁2の位置は、主として第一仕切板P1を介して連結された上連結部3により保持されるものとなっている。
【0037】
前壁2の上端部における左右方向中央部には、フックHに係合し得る係合部たる貫通孔21が設けられている。前壁2の貫通孔21には、収納具本体Aが第一の収納姿勢(F)を採る場合にのみ、フックHが係合し得るものとなっている。
【0038】
すなわち、前壁2の貫通孔21は、収納具本体Aを第一の収納姿勢(F)に保持させる姿勢保持手段であるフックHが係合し得る部位をなしている。
【0039】
なお、前壁2と、後壁1における下後壁部12は、略平行をなしている。
【0040】
[第一、第二、第三、第四仕切板P1、P2、P3、P4]
第一、第二、第三、第四仕切板P1、P2、P3、P4は、後壁1と前壁2との間を繋ぐ板状のものである。第一、第二、第三、第四仕切板P1、P2、P3、P4は、全体として前側が後側よりも上に位置するように傾斜した姿勢をなしており、互いに略平行をなすように配設されている。
【0041】
第一仕切板P1は、第一収納空間S1の上を仕切る天井部として機能し得るものである。第一仕切板P1の後端部は後壁1における下後壁部12の前面に溶着により取り付けられており、第一仕切板P1の前端部は、前壁2の第一開口部K1よりも上の背面に溶着により取り付けられている。
【0042】
第一仕切板P1の左右両側部には、補強用のリブRが設けられている。リブRは、第一仕切板P1の折れ曲がりを抑制するための略三角筒状をなしたものである。リブRは、第一仕切板P1の左右両側端部から外方に向かって一体に突設された突出片を折り曲げ及び溶着することにより形成されている。
【0043】
第二仕切板P2は、第一収納空間S1の下を仕切るとともに第一収納空間S1に収納された物品Bが載せ置かれる棚板部として機能し得るものである。また、第二仕切板P2は、第二収納空間S2の上を仕切る天井部として機能し得るものである。
【0044】
第二仕切板P2の後端部は後壁1における下後壁部12の前面に溶着により取り付けられており、第二仕切板P2の前端部は、前壁2の第二開口部K2よりも上の背面(前壁2の第一開口部K1よりも下の背面)に溶着により取り付けられている。
【0045】
第二仕切板P2の左右両側部には、補強用のリブRが設けられている。リブRは、第二仕切板P2の折れ曲がりを抑制するための略三角筒状をなしたものである。リブRは、第二仕切板P2の左右両側端部から外方に向かって一体に突設された突出片を折り曲げ及び溶着することにより形成されている。
【0046】
第三仕切板P3は、第二収納空間S2の下を仕切るとともに第二収納空間S2に収納された物品Bが載せ置かれる棚板部として機能し得るものである。また、第三仕切板P3は、第三収納空間S3の上を仕切る天井部として機能し得るものである。
【0047】
第三仕切板P3の後端部は後壁1における下後壁部12の前面に溶着により取り付けられており、第三仕切板P3の前端部は、前壁2の第三開口部K3よりも上の背面(前壁2の第二開口部K2よりも下の背面)に溶着により取り付けられている。
【0048】
第三仕切板P3の左右両側部には、補強用のリブRが設けられている。リブRは、第三仕切板P3の折れ曲がりを抑制するための略三角筒状をなしたものである。リブRは、第三仕切板P3の左右両側端部から外方に向かって一体に突設された突出片を折り曲げ及び溶着することにより形成されている。
【0049】
第四仕切板P4は、第三収納空間S3の下を仕切るとともに第三収納空間S2に収納された物品Bが載せ置かれる棚板部として機能し得るものである。
【0050】
第四仕切板P4の後端部は後壁1における下後壁部12の前面に溶着により取り付けられており、第四仕切板P4の前端部は、前壁2の第三開口部K3よりも下の背面に溶着により取り付けられている。
【0051】
第四仕切板P4の左右両側部には、補強用のリブRが設けられている。リブRは、第四仕切板P4の折れ曲がりを抑制するための略三角筒状をなしたものである。リブRは、第四仕切板P4の左右両側端部から外方に向かって一体に突設された突出片を折り曲げ及び溶着することにより形成されている。
第一、第二、第三、第四仕切板P1、P2、P3、P4は、それぞれが側面視において略平行をなす姿勢を支持したまま、第一の収納姿勢(F)と第二の収納姿勢(G)との間の姿勢変更に伴ってそれぞれの傾斜角度が変わることにより、互いの離間距離が増減し得るように構成されている。
【0052】
すなわち、第二の収納姿勢(G)における第一、第二、第三、第四仕切板P1、P2、P3、P4の直交する方向の離間距離w4は、第一の収納姿勢(F)における第一、第二、第三、第四仕切板P1、P2、P3、P4の直交する方向の離間距離w3よりも長くなるように構成されている。
【0053】
[上連結部3]
上連結部3は、後壁1における第一仕切板P1の後端部よりも上の前面すなわち上後壁部11の前面と第一仕切板P1における前部の上面との間を繋ぐ前後方向に延びたシート状をなしたものである。上連結部3は、第二の収納姿勢(G)における前壁2の位置を規定することにより第二の収納姿勢(G)を保持し得るものとなっている。
【0054】
上連結部3の前後方向中央部は、単数又は複数の折曲線を有する左右方向に延びた折り曲げ部31が設けられており、当該折り曲げ部31を中心にして折り曲げ可能に構成されている。上連結部3は、第一の収納姿勢(F)において前後方向中央部が側面視において略V字状をなすように大きく折り曲げられ、全体として前後方向に短いものとなっている。一方で、上連結部3は、第二の収納姿勢(G)において前後方向に伸張した姿勢をなし第一の収納姿勢(F)よりも全体として前後方向に長い姿勢をなしている。
【0055】
[下連結部4]
下連結部4は、第四仕切板P4の下側をカバーする前後方向に延びたシート状をなしたものである。下連結部4は、後壁1の下端部と前壁2の下端部との間に設けられている。
【0056】
[第一の収納姿勢(F)、第二の収納姿勢(G)]
収納具本体Aは、第二の収納姿勢(G)の場合と比較して第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3の容積の小さい第一の収納姿勢(F)と、第一の収納姿勢(F)よりも第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3の容積が大きい第二の収納姿勢(G)を選択的に採り得るものとなっている。
【0057】
すなわち、第二の収納姿勢(G)における後壁1と前壁2との間の前後方向の離間距離w2は、第一の収納姿勢(F)における後壁1と前壁2との間の前後方向の離間距離w1よりも長くなるように構成されている。
【0058】
また、第二の収納姿勢(G)における第一、第二、第三、第四仕切板P1、P2、P3、P4の直交する方向の離間距離w4は、第一の収納姿勢(F)における第一、第二、第三、第四仕切板P1、P2、P3、P4の直交する方向の離間距離w3よりも長くなるように構成されている。
【0059】
収納具本体Aにおける第一の収納姿勢(F)は、基端部が吊下げ部材Tに支持された姿勢保持手段であるフックHの先端部を前壁2の貫通孔21に係合させることにより保持されるものとなっている。
【0060】
<吊下げ部材T>
吊下げ部材Tは、収納具本体Aを懸吊支持するためのものである。
【0061】
吊下げ部材Tは、上部に設けられ建物や家具等の構造物に引っ掛け可能な引っ掛け部t1と、帯状をなし引っ掛け部t1と後壁1との間を繋ぐ帯状部t2とを備えたものである。
【0062】
吊下げ部材Tの帯状部t2には、収納具本体Aを第一の収納姿勢(F)に保持させる姿勢保持手段であるフックHが支持されている。
【0063】
<フックH(姿勢保持手段)>
フックHは、基端部が後壁1の近傍に位置する吊下げ部材Tの帯状部t2に支持されるとともに先端部が第一の収納姿勢(F)における前壁2の貫通孔21に係合し得るものである。
【0064】
以上説明したように、本実施形態に係る収納具は、物品Bを収納し得る収納空間である第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3が設けられるとともに当該第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3と外部空間との間を連通し得る開口部である第一、第二、第三開口部K1、K2、K3が設けられてなる収納具本体Aを有したものである。
【0065】
そして、収納具は、第一の収納姿勢(F)と、第一の収納姿勢(F)とは異なる第二の収納姿勢(G)とを選択的に採り得るように構成されたものである。収納具の第一、第二、第三開口部K1、K2、K3が、第一の収納姿勢(F)及び第二の収納姿勢(G)の何れにおいても同一の大きさをなしているもの、すなわち、姿勢変更に伴って大きさが変わらないものとなっている。
【0066】
このため、本実施形態の収納具であれば、第一、第二、第三開口部K1、K2、K3の外観が変わることなく、好適な外観を維持し得る収納具を提供することができるものとなる
また、収納具の第一、第二、第三開口部K1、K2、K3が、第一の収納姿勢(F)及び第二の収納姿勢(G)の何れにおいても同一の大きさをなしているものであるため、第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3に収納された物品Bを第一、第二、第三開口部K1、K2、K3に近接又は係わり合うようにして物品Bを安定した姿勢に収納し得る設計の自由度にも優れたものとなる。
【0067】
つまり、第一の収納姿勢(F)及び第二の収納姿勢(G)の何れにおいても第一、第二、第三開口部K1、K2、K3の大きさは変わらないものとなっている。そのため、第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3に収納された物品Bを第一、第二、第三開口部K1、K2、K3に近接又は係わり合わせ、物品Bの姿勢を安定させることができるものとなっている。
【0068】
第二の収納姿勢(G)が、第一の収納姿勢(F)よりも第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3の容積が大きくなるように構成されたものである。
【0069】
このため、第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3に収納される物品Bの大きさや量に応じて、収納具本体Aの収納姿勢を第一の収納姿勢(F)又は第二の収納姿勢(G)の何れかに選択し得るものとなっている。
【0070】
第一、第二、第三開口部K1、K2、K3が、前方に開放されたものである。このため、前方に開放された第一、第二、第三開口部K1、K2、K3を通じて第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3に物品Bを好適に収納し得るものとなっている。
【0071】
収納具本体Aが、複数の開口部である第一、第二、第三開口部K1、K2、K3を上下方向に一定の間隔を空けて配設したものである。そして、第一、第二、第三開口部K1、K2、K3に対応させて複数の収納空間である第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3が設けられている。
【0072】
このため、収納具本体Aは、使用者の任意で、第一開口部K1を通じて第一収納空間S1に物品Bを収納したり、第二開口部K2を通じて第二収納空間S2に物品Bを収納したり、第三開口部K3を通じて第三収納空間S3に物品Bを収納したりを柔軟に選択し得るものとなっている。
【0073】
収納具本体Aが、起立姿勢をなす後壁1と、起立姿勢をなし第一、第二、第三開口部K1、K2、K3が設けられた前壁2とを備えたものである。
【0074】
そして、第二の収納姿勢(G)における後壁1と前壁2との間の離間距離w2が、第一の収納姿勢(F)における後壁1と前壁2との間の離間距離w1よりも長くなるように構成されている。
【0075】
このため、収納具本体Aは、第二の収納姿勢(G)における第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3の容積が、第一の収納姿勢(F)における第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3の容積よりも大きくなる構成が好適に実現されたものとなっている。
【0076】
後壁1と前壁2との間に介設され第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3の上下を区画する複数の仕切板である第一、第二、第三、第四仕切板P1、P2、P3、P4を備えている。
【0077】
このため、後壁1と前壁2との間に、複数の収納空間である第一、第二、第三収納空間S1、S2、S3が好適に設けられたものとなっている。
【0078】
後壁1と仕切板である第一仕切板P1との間に介設され第二の収納姿勢(G)を保持し得る連結部である上連結部3を備えている。
【0079】
このため、上連結部3は、後壁1と第一の仕切板P1の前端部との離間距離を規定することにより、収納具本体Aにおける第二の収納姿勢(G)を好適に保持し得るものとなっている。
【0080】
収納具本体Aを第一の収納姿勢(F)に保持させる姿勢保持手段であるフックHが設けられている。フックHは、基端部が後壁1の近傍に支持されるとともに先端部が第一の収納姿勢(F)における前壁2に係合し得るものである。
【0081】
このため、フックHを用いることにより、収納具本体Aは第一の収納姿勢(F)を好適に採り得るものとなっている。
【0082】
収納具本体Aが、後壁1に取り付けられた吊下げ部材Tを介して、建物や家具等の構造物に対して吊下げ支持されるものである。
【0083】
このため、収納具は、いわゆる壁掛け収納具として、好適に用いられるものとなっている。
【0084】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0085】
収納具本体の第二の収納姿勢は、第一の収納姿勢とは異なるものであればよく、第一の収納姿勢と第二の収納姿勢で収納空間の容積が異なっていないものであってもよい。
【0086】
収納空間は、複数設けられていないものであってもよい。すなわち、収納具本体は、単一の開口部と収納空間のみを備えたものであってもよい。
【0087】
開口部の形状や仕切板の形状や連結部の形状は、適宜の形状に設定可能であることは言うまでもない。
【0088】
連結部が、後壁と前壁との間に介設されたものであってもよい。
【0089】
姿勢保持手段は、収納具本体を第一の収納姿勢に保持させるものであればよく、その具体的な構成は種々設定し得るものである。
【0090】
吊下げ部材は、種々の構造のものと適用可能であることはもちろんのことである。
【0091】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0092】
A…収納具本体
T…吊下げ部材
H…フック(姿勢保持手段)
1…後壁
2…前壁
P1…第一仕切板(仕切板)
P2…第二仕切板(仕切板)
P3…第三仕切板(仕切板)
P4…第四仕切板(仕切板)
3…上連結部(連結部)
4…下連結部