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特開2024-93990画面共有方法、画面共有システム及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093990
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】画面共有方法、画面共有システム及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20240702BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240702BHJP
【FI】
H04L67/02
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210675
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】518431200
【氏名又は名称】ウィズデスク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】田口 湧都
(72)【発明者】
【氏名】君島 隆朗
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA61
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC04
5E555BD07
5E555CA12
5E555CB11
5E555CB49
5E555CC01
5E555DB51
5E555DC09
5E555DC14
5E555DC61
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】2つの端末のブラウザ間でウェブページの画面共有を実現する画面共有方法において、ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを送受信でき、視覚的な情報伝達を促進することができる画面共有方法を提供する。
【解決手段】第1端末に、ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを当該ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示するためのガイド設定データを第2端末へ送信する処理を実行させ、第2端末に、第1端末から送信されたガイド設定データを受信し、受信したガイド設定データに基づいて、メッセージをウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示する処理を実行させる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末と第2端末との間でウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを送受信させることによって、前記第2端末のブラウザに表示される前記ウェブページを、前記第1端末のブラウザに表示する画面共有方法であって、
前記第1端末に、
前記ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを該ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示するためのガイド設定データを前記第2端末へ送信する処理を実行させ、
前記第2端末に、
前記第1端末から送信された前記ガイド設定データを受信し、
受信した前記ガイド設定データに基づいて、前記メッセージを前記ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示する
処理を実行させる画面共有方法。
【請求項2】
前記メッセージを前記要素又はテキストに関連付けて表示する処理は、
前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストに関連付けて吹き出し画像を表示し、
吹き出し画像に前記メッセージを表示する
処理を含む請求項1に記載の画面共有方法。
【請求項3】
前記ガイド設定データは、
前記第2端末が、前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストの文字列を強調表示する強調表示処理の要否を示す設定情報と、
前記第2端末が、前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストの文字列をブラウザの表示領域の所定位置に表示するようにブラウザにおける前記ウェブページのスクロール量を調整する自動スクロール処理の要否を示す設定情報と、
前記第2端末が、前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストの文字列以外の要素及びテキストを所定要素で覆う遮蔽処理の要否を示す設定情報と
の少なくとも一つを含み、
前記第2端末に、
前記ガイド設定データに含まれる前記設定情報に応じて、
前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストの文字列を強調表示する強調表示処理、
前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストの文字列がブラウザの表示領域の前記所定位置に表示されるようにブラウザにおける前記ウェブページのスクロール量を調整する自動スクロール処理、又は
前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストの文字列以外の要素及びテキストを前記所定要素で覆う遮蔽処理
を実行させる請求項1又は請求項2に記載の画面共有方法。
【請求項4】
予め用意した前記ガイド設定データを前記ウェブページの要素及びテキストに関連付けて記憶しておき、
前記第1端末に、
予め用意された前記ガイド設定データを前記第2端末へ送信させる
請求項1に記載の画面共有方法。
【請求項5】
ウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを送受信する第1端末及び第2端末を備え、前記第1端末及び前記第2端末は、前記構造データを送受信することによって、前記第2端末のブラウザに表示される前記ウェブページを、前記第1端末のブラウザに表示する画面共有システムであって、
前記第1端末は、
前記ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを該ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示するためのガイド設定データを前記第2端末へ送信し、
前記第2端末は、
前記第1端末から送信された前記ガイド設定データを受信し、
受信した前記ガイド設定データに基づいて、前記メッセージを前記ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示する
画面共有システム。
【請求項6】
第1端末及び第2端末がウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを送受信することによって、前記第2端末のブラウザに表示される前記ウェブページを前記第1端末のブラウザに表示する画面共有を行うために、ブラウザに表示されている前記ウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを、前記第1端末へ送信する処理を前記第2端末のコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記第1端末から送信された、前記ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを該ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示するためのガイド設定データを受信し、
受信した前記ガイド設定データに基づいて、前記メッセージを前記ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示する
処理を前記第2端末のコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項7】
第1端末及び第2端末がウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを送受信することによって、前記第2端末のブラウザに表示される前記ウェブページを前記第1端末のブラウザに表示する画面共有を行うために、ブラウザに表示されている前記ウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを受信し、受信した構造データに基づいて前記ウェブページを表示する処理を前記第1端末のコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを該ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示するためのガイド設定データを前記第2端末へ送信する
処理を前記第1端末のコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面共有方法、画面共有システム及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲスト端末のブラウザに表示される画面及びマウスカーソル操作を、エージェント端末のブラウザを通じて共有することにより、エージェント端末を操作するユーザと、ゲスト端末を操作するユーザとの情報伝達を視覚的に促進することを可能にする画面共有システムがある(例えば、特許文献1)。以下、ゲスト端末を操作するユーザをゲスト、ゲスト端末のブラウザをゲストブラウザと呼ぶ。また、エージェント端末を操作するユーザをエージェント、エージェント端末のブラウザをエージェントブラウザと呼ぶ。エージェントは、例えば、ウェブサイトの操作をゲストに案内する者である。
【0003】
画面共有システムは、ウェブページを表示するゲストブラウザと、エージェントブラウザと、通信網を介して各ブラウザに接続される中継サーバとを備える。ゲストブラウザ及びエージェントブラウザは、ウェブページのHTML構造データを、中継サーバを介して送受信し、エージェントブラウザは、ゲストブラウザに表示されているウェブページを再構成することにより画面共有を実現している。また、ゲストブラウザ及びエージェントブラウザは、マウスカーソルの座標を示すマウスカーソルデータを送受信し、通信相手方のブラウザに表示されているマウスカーソルを再現することによって、マウス操作の内容を共有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-177403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、エージェントは、ゲストのウェブサイトの操作方法を案内する者であるが、電話などの音声による情報伝達ではなく、いわゆるチャットツールなどを利用して、文字による情報伝達を画面共有と同時に行うことがある。そのような場合、一般的にはチャットツールが提供している画面上での情報伝達となるため、例えば、エージェントからゲストに対して操作を促したい要素の説明や操作方法を正確に表現することが困難であり、情報伝達に支障が生ずるおそれがある。
【0006】
本開示の目的は、2つの端末のブラウザ間でウェブページの画面共有を実現する画面共有方法において、ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを送受信でき、視覚的な情報伝達を促進することができる画面共有方法、画面共有システム及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る画面共有方法は、第1端末と第2端末との間でウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを送受信させることによって、前記第2端末のブラウザに表示される前記ウェブページを、前記第1端末のブラウザに表示する画面共有方法であって、前記第1端末に、前記ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを該ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示するためのガイド設定データを前記第2端末へ送信する処理を実行させ、前記第2端末に、前記第1端末から送信された前記ガイド設定データを受信し、受信した前記ガイド設定データに基づいて、前記メッセージを前記ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示する処理を実行させる。
【0008】
本開示の一態様に係る画面共有システムは、ウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを送受信する第1端末及び第2端末を備え、前記第1端末及び前記第2端末は、前記構造データを送受信することによって、前記第2端末のブラウザに表示される前記ウェブページを、前記第1端末のブラウザに表示する画面共有システムであって、前記第1端末は、前記ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを該ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示するためのガイド設定データを前記第2端末へ送信し、前記第2端末は、前記第1端末から送信された前記ガイド設定データを受信し、受信した前記ガイド設定データに基づいて、前記メッセージを前記ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示する。
【0009】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、第1端末及び第2端末がウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを送受信することによって、前記第2端末のブラウザに表示される前記ウェブページを前記第1端末のブラウザに表示する画面共有を行うために、ブラウザに表示されている前記ウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを、前記第1端末へ送信する処理を前記第2端末のコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記第1端末から送信された、前記ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを該ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示するためのガイド設定データを受信し、受信した前記ガイド設定データに基づいて、前記メッセージを前記ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示する処理を前記第2端末のコンピュータに実行させる。
【0010】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、第1端末及び第2端末がウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを送受信することによって、前記第2端末のブラウザに表示される前記ウェブページを前記第1端末のブラウザに表示する画面共有を行うために、ブラウザに表示されている前記ウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを受信し、受信した構造データに基づいて前記ウェブページを表示する処理を前記第1端末のコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを該ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示するためのガイド設定データを前記第2端末へ送信する処理を前記第1端末のコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、2つの端末のブラウザ間でウェブページの画面共有を実現する画面共有方法において、ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを送受信でき、視覚的な情報伝達を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1に係る画面共有システムの構成例を説明する模式図である。
図2】実施形態1に係る画面共有システムの構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係る画面共有システムの機能ブロック図である。
図4】実施形態1に係る画面共有処理手順を示すシーケンス図である。
図5】ガイド表示の処理手順を示すフローチャートである。
図6】ガイド表示の処理手順を示すフローチャートである。
図7】ガイド設定開始処理を示す説明図である。
図8】ガイド設定画面の一例を示す説明図である。
図9】ガイド表示及びハイライト処理の方法を示す説明図である。
図10】スポットライト処理及びハイライト処理の方法を示す説明図である。
図11】エージェントブラウザにおけるガイド表示モードの終了処理手順を示すフローチャートである。
図12】ゲストブラウザにおけるガイド表示モードの終了処理手順を示すフローチャートである。
図13】実施形態2に係るホットスポット要素の作成処理手順を示すフローチャートである。
図14】実施形態2に係るホットスポット要素を示す説明図である。
図15】実施形態2に係るガイド表示の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施形態に係る画面共有方法、画面共有システム及びコンピュータプログラムを、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0014】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る画面共有システムの構成例を説明する模式図である。本実施形態に係る画面共有システムは、情報処理装置1と、エージェント端末(第1端末)2と、ゲスト端末(第2端末)3と、ウェブサーバ(外部サーバ)4とを備える。各種端末及びサーバは、通信網Nを介して情報処理装置1に接続されている。
【0015】
エージェント端末2を操作するユーザ(以下、エージェントと呼ぶ)は、例えばゲスト端末3を操作するユーザ(以下、ゲストと呼ぶ)のウェブサイトの操作方法を案内する者である。なお、エージェント及びゲストは、本実施形態に係る情報処理装置1のユーザの一例であり、両者の関係は特に限定されるものでは無い。
【0016】
図2は、実施形態1に係る画面共有システムの構成例を示すブロック図である。情報処理装置1は、処理部11、記憶部12、通信部13を備えたコンピュータである。なお、情報処理装置1は、複数台のコンピュータで構成し分散処理する構成でもよいし、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されていてもよいし、クラウドサーバを用いて実現されていてもよいし、一部を量子コンピュータで構成してもよい。
【0017】
処理部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)等の演算処理装置を有し、記憶部12に記憶されたコンピュータプログラムP1を読み出して実行することにより、本実施形態に係る画面共有処理を実行する。
【0018】
記憶部12は、ハードディスク、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部12は、処理部11が、ゲスト端末3と、エージェント端末2との間で、それぞれのウェブブラウザに表示されるウェブページの内容及び操作内容を共有するために必要なコンピュータプログラムP1、エージェントプログラムP2及びゲストプログラムP3を記憶している。エージェントプログラムP2及びゲストプログラムP3は、例えばJavaScript(登録商標)で記述されたプログラムであり、情報処理装置1は、エージェントプログラムP2をエージェント端末2へ送信し、ゲストプログラムP3をゲスト端末3へ送信する。エージェント端末2で動作するウェブブラウザ(以下、エージェントブラウザB2と呼ぶ)は、エージェントプログラムP2を実行することにより、画面共有に必要な処理を実行する。ゲスト端末3で動作するウェブブラウザ(以下、ゲストブラウザB3と呼ぶ)は、ゲストプログラムP3を実行することにより、画面共有に必要な処理を実行する。
なお、各種プログラムは、記録媒体5にコンピュータ読み取り可能に記録されている態様でも良い。記憶部12は、図示しない読出装置によって記録媒体5から読み出されたコンピュータプログラムP1、エージェントプログラムP2及びゲストプログラムP3を記憶する。記録媒体5はフラッシュメモリ等の半導体メモリ、光ディスク、磁気ディスク、磁気光ディスク等である。また、通信網Nに接続されている図示しない外部サーバから本実施形態に係る各種プログラムをダウンロードし、記憶部12に記憶させる態様であってもよい。
【0019】
通信部13は、通信に関する処理を行うための処理回路、通信回路等を含み、エージェント端末2、ゲスト端末3及びウェブサーバ4との間で情報の送受信を行う。
【0020】
エージェント端末2は、処理部(第1端末処理部)21、記憶部22、通信部23、操作部24及び表示部25を備えたコンピュータである。処理部21、記憶部22及び通信部23の基本的な構成は、情報処理装置1と同様である。記憶部22は、少なくともエージェントブラウザB2に係るプログラムを記憶している。エージェントブラウザB2は、ウェブページを構成する要素を参照及び制御するプログラムであるDOM(Document Object Model)を実装しており、情報処理装置1から送信されたエージェントプログラムP2を実行することができる。操作部24は、キーボード、マウス等であり、エージェントの操作及び入力を受け付ける。表示部25は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置であり、処理部21から与えられた情報を描画する。
【0021】
ゲスト端末3は、処理部(第2端末処理部)31、記憶部32、通信部33、操作部34及び表示部35を備えたコンピュータである。処理部31、記憶部32及び通信部33の基本的な構成は、情報処理装置1と同様である。記憶部32は、少なくともゲストブラウザB3に係るプログラムを記憶している。ゲストブラウザB3は、ウェブページを構成する要素を参照及び制御するプログラムであるDOMを実装しており、情報処理装置1から送信されたゲストプログラムP3を実行することができる。操作部34は、キーボード、マウス等であり、ゲストの操作及び入力を受け付ける。表示部35は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置であり、処理部31から与えられた情報を描画する。
【0022】
ウェブサーバ4は、少なくともゲストブラウザB3からのリクエストに応じて、ウェブページの文書ファイルと、ウェブページを構成するアセットファイルをゲストブラウザB3へ送信するサーバである。また、ウェブサーバ4は、少なくとも情報処理装置1からのリクエストに応じて、ウェブページを構成するアセットファイルを情報処理装置1へ送信するサーバである。本実施形態においては、ゲストブラウザB3は、ウェブサーバ4にアクセスして、ウェブページを表示する。
【0023】
図3は、実施形態1に係る画面共有システムの機能ブロック図である。エージェント端末2は、機能部としてエージェントブラウザB2を有し、情報処理装置1から送信されるエージェントプログラムP2を実行することができる。なお、エージェントプログラムP2は、エージェントブラウザB2が情報処理装置1にアクセスして管理画面を読み込む際、情報処理装置1からエージェント端末2へ送信される。管理画面は、ウェブページの画面共有処理を実行するための画面である。
【0024】
ゲスト端末3は、機能部としてゲストブラウザB3を有し、情報処理装置1から送信されるゲストプログラムP3を実行することができる。なお、ゲストプログラムP3は、画面共有対象であるウェブページを読み込む際、情報処理装置1からゲスト端末3へ送信される。
【0025】
情報処理装置1は、API処理部11a、ソケット処理部11b及びファイル処理部11cを備える。また、情報処理装置1は、アカウント管理データベース12a、画面共有管理データベース12b、画面共有データ中継ストア12c、プログラムファイルストレージ12d及びアセットファイルストレージ12eを備える。
【0026】
API処理部11aは、画面共有システムの各種設定データをアカウント管理データベース12aから取得し、配信する処理等を実行する機能部である。
【0027】
ソケット処理部11bは、ウェブソケットによりエージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3との通信を確立し、双方向通信を可能にする機能部である。ソケット処理部11bは、画面共有処理のセッションを識別するためのセッションIDの発行、エージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3との間で画面共有中の各種データの送受信等の処理を実行する。なお、ウェブソケットは通信接続方法の一例であり、ソケット処理部11bは、ロングポーリングによって、エージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3との間で擬似的に双方向通信を実現するように構成してもよい。
【0028】
ファイル処理部11cは、画面共有対象であるウェブページを構成するアセットファイルを、ウェブサーバ4にリクエストして取得し、一時的に保存する処理を実行する機能部である。アセットファイルは、例えばCSS(Cascading Style Sheets)ファイル、画像ファイル、フォントファイル等である。
【0029】
アカウント管理データベース12aは、画面共有システムの各種設定データを保存するデータベースである。設定データは、ウェブページ上の共有不可項目の情報、ウェブページ上に表示される各種ボタンのレイアウトの情報等を含むデータである。
画面共有管理データベース12bは、画面共有処理のセッションを識別するためのセッションID等を保存するデータベースである。
画面共有データ中継ストア12cは、エージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3との間で送受信される画面共有中の各種データを中継する中継サーバである。
プログラムファイルストレージ12dは、エージェントブラウザB2に表示される管理画面を構成するHTMLファイル、CSSファイル、画像ファイル、エージェントプログラムP2、ゲストプログラムP3等を保存するストレージである。
アセットファイルストレージ12eは、画面共有対象であるウェブページを構成するアセットファイルのファイル処理に使用するセッション情報、取得したアセットファイル等を一時的に保存するストレージである。
【0030】
図4は、実施形態1に係る画面共有処理手順を示すシーケンス図である。情報処理装置1のソケット処理部11bは、ウェブソケットにて、エージェント端末2と、ゲスト端末3との通信を確立する(ステップS11)。通信確立の手順は特に限定されるものでは無い。エージェント端末2及びゲスト端末3は、情報処理装置1と双方向通信が可能になる。また、エージェント端末2及びゲスト端末3は、情報処理装置1を介して、ウェブページの画面共有に必要なデータを送受信することが可能になる。情報処理装置1は、画面共有処理の開始時にセッションIDを発行し、発行したセッションIDを適宜のタイミングでエージェント端末2及びゲスト端末3へ送信する。エージェント端末2及びゲスト端末3はセッションIDを受信し、記憶する。エージェント端末2及びゲスト端末3間の画面共有に係る一連の処理は、セッションIDによって管理される。ここでは、ゲストブラウザB3は、ウェブサーバ4にアクセスしてウェブページを表示しているものとする。なお、図4で示すステップS11からステップS19は、ゲストブラウザB3が、表示しているウェブページを更新、又は異なるウェブページに遷移する都度、画面共有処理のセッションが終了するまで繰り返し処理される。
【0031】
エージェント側の画面共有処理の実行主体は、エージェント端末2、処理部21又はエージェントブラウザB2と捉えることができるが、以下の説明では、エージェントプログラムP2を実行するエージェントブラウザB2が実行主体であるとして説明する。同様に、ゲスト側の画面共有処理の実行主体は、ゲスト端末3、処理部31又はゲストブラウザB3と捉えることができるが、以下の説明では、ゲストプログラムP3を実行するゲストブラウザB3が実行主体であるとして説明する。
【0032】
<画面共有及び操作共有>
エージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3は、画面共有対象であるウェブページの内容及び操作内容を共有するための情報を、情報処理装置1を介して送受信する。例えば、エージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3は、ページサイズデータ、HTMLデータ、エージェント操作データ、ゲスト操作データ等を、情報処理装置1を介して送受信する。なお、エージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3は、情報を暗号化及び復号化するための共通鍵を事前に生成し、生成した共通鍵を用いて、送信前の情報の暗号化処理及び受信後の情報の復号化処理を実行してもよい。
【0033】
ページサイズデータは、画面共有対象のウェブページにおける画面上の表示領域の高さと幅を示す情報を含むデータである。
HTMLデータは、画面共有対象のウェブページのHTML構造を示す情報であり、JSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)形式で生成された入れ子構造のデータである。具体的には、HTMLデータは、ウェブページを構成するノード(Node)の情報であり、ノードを特定するための一意な識別子(以下、nodeIDと呼ぶ)、ノードの種類(以下、nodeTypeと呼ぶ)、要素の名前(以下、tagNameと呼ぶ)、プロパティの値(以下、propertyと呼ぶ)、子ノードの情報(以下、childNodesと呼ぶ)等を含む。nodeIDは、ウェブページを構成するノードに対して一意な識別子を割り振ったものである。nodeTypeは、ノードの種類を表す整数のコードであり、例えば、要素ノード(ELEMENT_NODE)であれば「1」、テキストノード(TEXT_NODE)であれば「3」、コメントノード(COMMENT_NODE)であれば「8」のように表される。tagNameは、ノードの要素の名前であり、nodeTypeが「1」の場合のみ存在し、例えば、段落を表す要素であれば「P」、画像を表す要素であれば「IMG」のように表される。propertyは、id、class等といったHTML上で定義されている属性(attributes)に加え、tagNameの種類によって異なるデータを持ち、例えば、tagNameが「INPUT」の場合、入力値(value)、チェック状態(checked)等が存在する。そのため、tagNameの値に応じて取得するpropertyを予め定めておく必要がある。childNodesは、当該ノードの子に該当するノードの情報であり、子のノードが存在する限り繰り返される。
エージェント操作データ及びゲスト操作データ、すなわち操作データは、マウス又はタッチスクリーンによる操作(クリック、タッチ、ホバー、スワイプ、スクロール又はカーソル移動等)、又はキーボードによる操作(キー入力等)等、ウェブブラウザを通じて実現可能な操作イベントの情報を含むデータである。操作データは、操作イベントの名称及び操作イベントの内容によって構成される。操作イベントの内容は、例えば、マウスカーソルの移動操作イベントの場合、マウスカーソルの座標を示す情報(以下、マウスカーソルデータと呼ぶ)を含み、スクロール操作イベントの場合、ウェブページのスクロール量を示す情報(以下、スクロールデータと呼ぶ)を含む。
具体的には、マウスカーソルデータは、ゲストブラウザB3に表示されているウェブページにおけるマウスカーソルの座標を示すデータ、又はエージェントブラウザB2の画面共有表示領域7(図7参照)におけるマウスカーソルの座標を示すデータである。また、スクロールデータは、ゲストブラウザB3に表示されているウェブページの現在のスクロール量を示すデータ、又はエージェントブラウザB2の画面共有表示領域7の現在のスクロール量を示すデータであり、垂直方向のスクロール量及び水平方向のスクロール量を示すデータを含む。なお、スクロールデータが、垂直方向のスクロール量を示すデータを含み、水平方向のスクロール量を示すデータを含まない構成も本発明に含まれる。
【0034】
ゲストブラウザB3は、図4に示すように、ゲストブラウザB3に表示されているウェブページに基づく初回画面共有データを作成し、情報処理装置1を介してエージェントブラウザB2へ送信する(ステップS12)。初回画面共有データは、ページサイズデータ、HTMLデータ、ゲスト操作データ等を含む。初回画面共有データに含まれるページサイズデータは、データ作成時点におけるウェブページの画面上の表示領域の高さと幅を示す情報を含む。初回画面共有データに含まれるHTMLデータは、データ作成時点におけるウェブページを構成するノードの情報(全体)を含む。初回画面共有データに含まれるゲスト操作データは、マウスカーソルの移動操作イベントが発生した場合と同様のデータ、すなわちデータ作成時点におけるマウスカーソルデータを含み、また、スクロール操作イベントが発生した場合と同様のデータ、すなわちデータ作成時点におけるスクロールデータを含む。
エージェントブラウザB2は、ゲストブラウザB3から送信された初回画面共有データを受信した場合、受信した初回画面共有データを解析し、ゲストブラウザB3に表示されているものと同様のウェブページを画面共有表示領域7に再構成し、ゲストの操作内容を再現する(ステップS13)。具体的には、エージェントブラウザB2は、画面共有表示領域7の高さと幅を、ページサイズデータが示す値に設定する。また、エージェントブラウザB2は、HTMLデータに基づいて、画面共有表示領域7上にノードを作成及び追加する。更に、エージェントブラウザB2は、画面共有表示領域7上に追加した、ゲストのマウスカーソルの座標を示すマウスカーソル要素70(図7参照)の位置を、ゲスト操作データに含まれるマウスカーソルデータが示す値に設定する。更に、エージェントブラウザB2は、画面共有表示領域7のスクロール量を、ゲスト操作データに含まれるスクロールデータが示す値に設定する。
【0035】
ゲストブラウザB3は、ステップS12以降、ウェブページの画面上の表示領域の高さと幅の監視を行い、変更を検知した場合、その都度、ページサイズデータを作成する。また、ゲストブラウザB3は、ウェブページのHTML構造の監視を行い、変更を検知した場合、その都度、HTMLデータ(変更前との差分、又は全体)を作成する。更に、ゲストブラウザB3は、ゲストの操作の監視を行い、操作を検知した場合、その都度、ゲスト操作データを作成する。なお、ゲストがクリック等の操作をした結果、ウェブページのHTML構造が書き換えられるケースもあり、その場合、ゲスト操作データ及びHTMLデータ(操作前との差分)の両方を作成する。ゲストブラウザB3は、作成されたページサイズデータ、HTMLデータ、ゲスト操作データ等を、情報処理装置1を介してエージェントブラウザB2へ都度送信する(ステップS14)。
エージェントブラウザB2は、ゲストブラウザB3から送信された各データを受信した場合、受信した各データを解析し、ゲストブラウザB3に表示されているウェブページと同様の変更内容を画面共有表示領域7に反映し、ゲストの操作内容を再現する(ステップS15)。具体的には、エージェントブラウザB2は、画面共有表示領域7の高さと幅を、ページサイズデータが示す値に設定する。また、エージェントブラウザB2は、HTMLデータに基づいて、画面共有表示領域7上のノードに変更を加える。更に、エージェントブラウザB2は、ゲスト操作データに基づいて、ゲスト操作と同様の操作イベントを画面共有表示領域7上で再現する。なお、エージェントブラウザB2は、ゲストブラウザB3に表示されているウェブページにおけるマウスカーソルの座標を示すマウスカーソル要素70を作成して画面共有表示領域7上に表示しており、ゲスト操作データに含まれるマウスカーソルデータが示す値に基づいて、マウスカーソル要素70の位置をリアルタイムで変更している。
【0036】
同様に、エージェントブラウザB2は、ステップS13以降、エージェントの操作の監視を行い、操作を検知した場合、その都度、エージェント操作データを作成する。なお、エージェントがクリック等の操作をした結果、画面共有表示領域7に再構成したウェブページのHTML構造が書き換えられるケースもあり、その場合、エージェント操作データ及びHTMLデータ(操作前との差分)の両方を作成する。エージェントブラウザB2は、作成されたHTMLデータ、エージェント操作データ等を、情報処理装置1を介してゲストブラウザB3へ都度送信する(ステップS16)。
ゲストブラウザB3は、エージェントブラウザB2から送信された各データを受信した場合、受信した各データを解析し、画面共有表示領域7と同様の変更内容をウェブページに反映し、エージェントの操作内容を再現する(ステップS17)。具体的には、ゲストブラウザB3は、HTMLデータに基づいて、ウェブページ上のノードに変更を加える。また、ゲストブラウザB3は、エージェント操作データに基づいて、エージェント操作と同様の操作イベントをウェブページ上で再現する。なお、ゲストブラウザB3は、エージェントブラウザB2の画面共有表示領域7におけるマウスカーソルの座標を示すマウスカーソル要素60(図7参照)を作成してウェブページ上に表示しており、エージェント操作データに含まれるマウスカーソルデータが示す値に基づいて、マウスカーソル要素60の位置をリアルタイムで変更している。
【0037】
ステップS13及びステップS15において、エージェントブラウザB2が受信したHTMLデータに、アセットファイルのURLを属性の一部として含む、特定の要素ノードの追加もしくは変更情報が含まれる場合、又はアセットファイルのURLをテキストコンテント(textContent)の一部として含む、特定のテキストノードの追加もしくは変更情報が含まれる場合、エージェントブラウザB2は、当該HTMLデータの内容を画面共有表示領域7に反映する際、情報処理装置1にアクセスし、該当のアセットファイルをリクエストする。なお、テキストコンテントは、ノードのpropertyである。情報処理装置1は、エージェントブラウザB2からアセットファイルのリクエストを受信した場合、アセットファイルのファイル処理を実行し、ウェブサーバ4から取得したアセットファイルをエージェントブラウザB2へ送信する(ステップS18)。エージェントブラウザB2は、情報処理装置1から送信されたアセットファイルを、画面共有表示領域7上の要素ノードの属性の一部、又はテキストノードのテキストコンテントの一部として展開する。
【0038】
エージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3並びに情報処理装置1は、ガイド表示モードの開始操作が行われた場合、本実施形態に係るガイド表示処理を実行する(ステップS19)。
【0039】
本実施形態に係るガイド表示処理は、エージェントがゲストに操作を促したいウェブページ上の要素(以下、ガイド対象要素61,71と呼ぶ)又はテキストがある場合、ガイド対象要素61,71又はテキストに対するガイドを表示するための要素(以下、ガイド要素9と呼ぶ)を作成することで、指定したガイド対象要素61,71又はテキストに対してガイドを表示し、説明や操作方法を視覚的にわかりやすく伝達することを実現するものである。ガイド要素9は、例えば、ガイド対象要素に隣接する吹き出しのような形状の要素であり、要素内にメッセージを表示することができる。なお、メッセージは、具体的には、テキスト、画像等が含まれており、ガイド要素9の子テキストノードや子要素ノードとして追加することで実現される。ガイド要素9は、エージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3上に、吹き出しのような形状の画像(吹き出し画像)として表示される。
【0040】
画面共有中、エージェントがゲストに操作を促したいウェブページ上のガイド対象要素61,71又はテキストがある場合、エージェントは、任意のタイミングでガイド表示モードの開始操作を行うことによって、ガイド対象要素61,71又はテキストに対するガイド要素9(図9参照)に係る設定を開始することができる。
以下、主にウェブページ上の要素に対してガイド要素9を表示する例を説明する。特定のテキストにガイド要素9を表示する処理は、ウェブページ上の特定の要素にガイド要素9を表示する処理と同様である。
【0041】
ガイド表示モードの開始操作は、例えば、ボタン操作である。例えば、エージェントブラウザB2は、ガイド要素9の設定開始用のボタン要素(以下、開始ボタン要素と呼ぶ)を管理画面又は画面共有表示領域7上に追加し、開始ボタン要素のクリック操作を監視する。エージェントブラウザB2は、エージェントによって開始ボタン要素がクリック操作されたことを検知した場合、ガイド要素9の設定に係る処理を開始する。
【0042】
なお、開始ボタン要素のクリック操作は開始操作の一例であり、エージェントブラウザB2は、ガイド対象要素71に対してダブルクリック等の操作がエージェントによって行われた場合、所定のショートカットキーの押下操作がエージェントによって行われた場合、その他、所定の開始操作を検知した場合、ガイド要素9の設定に係る処理を開始するように構成してもよい。
【0043】
<ガイド設定>
図5及び図6は、ガイド表示の処理手順を示すフローチャート、図7は、ガイド設定開始処理を示す説明図である。なお、エージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3は、中継装置として機能する情報処理装置1を介してデータを送受信しているが、情報処理装置1による中継処理を省略して説明する。また、ガイド表示処理を実行している場合においても、後述する一部の操作内容の共有を除き、前述した図4で示すステップS14からステップS18の処理は継続して実行される。
【0044】
ガイド要素9の設定処理が開始される前は、図7Aに示すように、エージェントブラウザB2と、ゲストブラウザB3との間でウェブページが共有されており、マウスカーソル位置もマウスカーソル要素70及びマウスカーソル要素60によって共有されている。
【0045】
エージェントブラウザB2は、エージェントによるウェブブラウザ上の操作を監視しており、開始操作を検知した場合、ガイド設定処理を開始し、一部の操作内容の共有を停止する(ステップS31)。具体的には、エージェントブラウザB2は、エージェント操作データに含まれるスクロールデータ、マウスカーソルデータ等をゲストブラウザB3へ送信する処理を停止させる。
【0046】
次いで、エージェントブラウザB2は、マウスカーソル要素70を非表示にする(ステップS32)。非表示にする方法は、例えば、当該マウスカーソル要素70を削除する、当該マウスカーソル要素70に適用されているCSSのdisplayプロパティの値をnoneに設定する等があるが、特に限定されるものでは無い。当該処理によって、エージェントブラウザB2には、ゲストのマウスカーソル位置を示す要素が表示されなくなる。
【0047】
そして、エージェントブラウザB2は、ガイド表示モードへの変更を通知するための通知データ(以下、ガイド表示モード開始データと呼ぶ)をゲストブラウザB3へ送信する(ステップS33)。
【0048】
ゲストブラウザB3は、エージェントブラウザB2から送信されたガイド表示モード開始データを受信する(ステップS34)。ガイド表示モード開始データを受信したゲストブラウザB3は、一部の操作内容の共有を停止する(ステップS35)。具体的には、ゲストブラウザB3は、ゲスト操作データに含まれるスクロールデータ、マウスカーソルデータ等をエージェントブラウザB2へ送信する処理を停止させる。
【0049】
次いで、ゲストブラウザB3は、マウスカーソル要素60を非表示にする(ステップS36)。非表示にする方法は、例えば、当該マウスカーソル要素60を削除する、当該マウスカーソル要素60に適用されているCSSのdisplayプロパティの値をnoneに設定する等があるが、特に限定されるものでは無い。当該処理によって、ゲストブラウザB3には、エージェントのマウスカーソル位置を示す要素が表示されなくなる。
【0050】
また、ガイド表示モードの通知を行ったエージェントブラウザB2は、図7Bに示すように、ガイド設定画面8を表示する(ステップS37)。ガイド設定画面8の態様は、モーダルウィンドウのように画面共有表示領域7の上に別枠で表示する形式でもよいし、画面共有表示領域7とは異なる管理画面上の任意の位置に別枠で表示する形式でもよい。
【0051】
上記ステップS31~ステップS37の処理によって、図7Bに示すように、エージェントブラウザB2と、ゲストブラウザB3との間で一部の操作内容の共有が一時停止される。具体的には、マウスカーソルの位置、ウェブページのスクロール量等の共有が一時停止される。また、マウスカーソル要素70及びマウスカーソル要素60が非表示となる。そして、ガイド設定画面8がエージェントブラウザB2に表示される。
【0052】
なお、本実施形態では、ガイド要素9の設定を開始した際、エージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3は、画面上のスクロール操作、マウスカーソル操作等の操作の共有を停止する例を説明するが、視覚的な情報伝達に支障が無ければ当該操作の共有を停止しない構成であってもよい。
【0053】
ステップS37の処理を終えたエージェントブラウザB2は、エージェントによるウェブブラウザ上の操作を監視しており、画面共有表示領域7内の任意の要素に対するクリック操作が行われたか否かを判定する(ステップS38)。要素に対するクリック操作が行われていないと判定した場合(ステップS38:NO)、エージェントブラウザB2は、要素に対するクリック操作の監視を継続する。要素に対するクリック操作が行われたと判定した場合(ステップS38:YES)、エージェントブラウザB2は、選択された要素をガイド対象要素61,71として認識し、当該ガイド対象要素61,71に対して表示したいガイド要素9などの内容(以下、ガイド設定データと呼ぶ)を受け付ける(ステップS39)。吹き出しのような形状の要素であるガイド要素9に係る内容を示すガイド設定データは、ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを当該ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示するためのガイド設定データの一例である。
【0054】
このように、エージェントは、ガイド対象要素61,71を選択することができる。具体的には、ガイドの設定開始後、エージェントが、任意の要素に対するクリック操作等を行うことによって、ガイド対象要素61,71を選択できる。なお、要素に対するクリック操作の判定については、ステップS31の前に実施し、ガイド対象要素61,71が選択された後にガイドの設定を開始するように構成してもよい。
【0055】
なお、ガイドの設定開始操作として、ガイド対象要素61,71に対するダブルクリック等の操作を用いた場合、ガイド設定画面8を表示すると同時にガイド対象要素61,71が選択されるように構成してもよい。また、ガイド対象要素61,71が複数ある場合は、該当の要素全てを選択し、それぞれに対するガイドの設定を行えるように構成してもよい。例えば、選択された複数のガイド対象要素61,71それぞれに対して複数のガイド設定画面8を表示するように構成してもよい。
【0056】
図8は、ガイド設定画面8の一例を示す説明図である。ガイド設定画面8は、ガイド設定データ、すなわちゲストブラウザB3に表示したいガイドの内容を設定するための操作画面である。エージェントは、ガイド設定画面8からガイド設定データを設定する。
ガイド設定データの内容は、例えば、ガイド要素9の表示位置(以下、ポジションと呼ぶ)の設定、ガイド要素9内に表示するメッセージの設定、ガイド対象要素61,71の強調表示(以下、ハイライトと呼ぶ)の設定、ガイド対象要素61,71以外の要素に対する操作不可(以下、スポットライトと呼ぶ)の設定、ガイド対象要素61,71を画面の所定の位置まで移動させるスクロール調整(以下、自動スクロールと呼ぶ)の設定、要素の重なり順序の設定等である。
【0057】
ガイド設定画面8は、ガイド設定データを設定するためのメッセージ設定部81、ポジション設定部82、自動スクロール設定部83、ハイライト設定部84、スポットライト設定部85、及び重なり順序設定部86を有する。また、ガイド設定画面8は、ガイド設定データをゲストブラウザB3へ送信するための送信ボタン87、及びガイド要素9の設定を終了するための終了ボタン80を含む。
【0058】
メッセージ設定部81は、例えば、メッセージを受け付けるための入力欄として構成される要素である。メッセージは、エージェントがゲストに案内したいガイド対象要素61,71に係る説明や操作方法などを表したテキスト情報である。エージェントは、メッセージ設定部81の入力欄にテキスト情報を入力することによって、メッセージを設定する。なお、メッセージの内容は、特に限定されるものでない。
【0059】
なお、メッセージは、当該メッセージを表示するための構造化データとして構成し、文字サイズや文字色を選択できるように設定してもよいし、一部の文字を強調表示できるように設定してもよいし、リストなどを作成できるように設定してもよいし、画像、動画又はリンクなどを埋め込めるように設定してもよい。また、メッセージを表示するための構造化データは、HTML形式、又はマークダウン(Markdown)記法で記述してもよい。以下、ガイド要素9内に表示するメッセージの構造化データをメッセージ情報と呼ぶ。
【0060】
ポジション設定部82は、例えば、ガイド対象要素61,71に対するガイド要素9の表示位置を選択するためのチェックボックスとして構成される要素である。具体的には、ポジション設定部82は、上下左右を設定する4つのチェックボックスを含む。なお、チェックボックスは、ポジション設定部82の一例であり、ラジオボタン、その他、設定内容を受け付けることができる構成であれば特に限定されるものでは無い。その他の設定部も同様である。ポジションは、ガイド対象要素61,71の上下左右どの位置にガイド要素9を表示するかをエージェントが選択する形式で設定する。ポジションは、上下左右のいずれか一箇所のみを選択する形式でもよいし、上下左右のいずれかの組み合わせを選択する形式でもよい。上下左右のいずれかの組み合わせが選択された場合、ゲストブラウザB3は、当該ゲストブラウザB3上でのガイド要素9の作成後、ガイド対象要素61,71から上下左右それぞれの画面端部までの距離を計算し、選択された位置の中で最も距離が大きい位置を自動的に判定し、当該位置を選択してガイド要素9を表示する。なお、ポジションはJSON形式などの構造化データとして構成し、上下左右それぞれをキーとして、真又は偽(1又は0)を示す真偽値のデータを対応づけるようにしてもよい。具体的には、例えば、「上」のチェックボックスが選択され、「上」以外のチェックボックスが選択されていない場合は、「上」を示すキーに「1」が値として設定され、「下」、「左」、「右」を示すそれぞれのキーには「0」が値として設定される。以下、ガイド要素9のポジションの構造化データをポジション情報と呼ぶ。
【0061】
なお、ポジションは、エージェントに選択させず、ゲストプログラムP3が、特定の位置に固定でガイド要素9を表示するように構成してもよいし、ゲストブラウザB3上でのガイド要素9の作成後、ガイド対象要素61,71から上下左右それぞれの画面端部までの距離を計算し、全ての位置の中で最も距離が大きい位置を自動的に判定し、当該位置を選択してガイド要素9を表示するように構成してもよい。
【0062】
自動スクロール設定部83は、例えば、自動スクロール機能の要否を設定するためのチェックボックスとして構成された要素である。自動スクロール機能は、ガイド対象要素61,71を画面上の表示領域の所定の位置となるように、表示するウェブページのスクロール量を調整する機能である。所定位置は、例えば、画面中央である。なお、自動スクロール機能の設定は任意であり、当該機能が常に有効とするようにゲストプログラムP3を構成してもよいし、自動スクロールの設定を行わないように構成してもよい。以下、自動スクロール機能の使用有無を示す真偽値を含むデータを自動スクロール情報と呼ぶ。
【0063】
ハイライト設定部84は、例えば、ハイライト機能の要否を設定するためのチェックボックスとして構成された要素である。ハイライト機能は、ガイド対象要素61,71を囲み、当該ガイド対象要素61,71を強調するハイライト要素91を表示する機能である。なお、ガイド対象要素61,71へのハイライト機能の設定は任意であり、当該機能が常に有効とするようにゲストプログラムP3を構成してもよいし、ハイライトの設定を行わないように構成してもよい。以下、ハイライト機能の使用有無を示す真偽値を含むデータをハイライト情報と呼ぶ。
【0064】
スポットライト設定部85は、例えば、スポットライト機能の要否を設定するためのチェックボックスとして構成された要素である。スポットライト機能は、ゲストが、ガイド対象要素61,71以外の要素へのクリック操作又は入力操作等の操作をできないように制御する機能である。言い換えると、スポットライト機能は、ガイド対象要素61,71以外の要素を任意の所定要素で覆う遮蔽処理を行うことによって、ゲストによるガイド対象要素61,71以外の要素への操作を制限する機能である。具体的な制御の方法については後述する。ガイド対象要素61,71以外の要素への操作を制御する目的としては、ゲストがガイド対象要素61,71以外の要素を誤って操作してしまうことで、エージェントが本来操作を促したい内容が実現できず、円滑な情報伝達ができないことを防止するためである。なお、スポットライト機能の設定は任意であり、当該設定が常に有効とするようにゲストプログラムP3を構成してもよいし、スポットライトの設定を行わないように構成してもよい。以下、スポットライト機能の使用有無を示す真偽値を含むデータをスポットライト情報と呼ぶ。
【0065】
重なり順序設定部86は、ゲストブラウザB3上に表示するガイド要素9等と、ウェブページ上の他の要素との重なり順序を設定するための入力欄として構成された要素である。重なり順序設定部86は、例えば、数値を入力できる入力欄である。
重なり順序設定部86に重なり順序を示す数値が設定されると、ガイド要素9、ハイライト要素91、後述のスポットライト要素92(ウェブページ上のガイド対象要素61,71以外の領域を覆う所定要素)をゲストブラウザB3上に作成する際に、ウェブページ上の他の要素との重なり順序が調整される。要素の重なり順序は、ウェブページ上の他の要素と比較して数値が大きければ、より前面に該当の要素が表示される。以下、要素の重なり順序を示す数値を含むデータを要素の重なり順序情報と呼ぶ。
【0066】
要素の重なり順序が固定値で設定されており、その当該重なり順序がウェブページ上の他の要素よりも小さい場合、各要素(ガイド要素9、ハイライト要素91及びスポットライト要素92)が他の要素の背面に表示されてしまう。要素の重なり順序を設定する目的は、ゲストがガイドの表示や強調表示を視認することができなくなる、及びスポットライト要素92によってガイド対象要素61,71以外の要素への操作を制限することができなくなることを防止することにある。なお、要素の重なり順序の設定は任意であり、ゲストプログラムP3が十分に大きな固定値を設定するように構成してもよい。また、ゲストプログラムP3は、ウェブページを構成する各要素の重なり順序の値を抽出し、全ての要素の重なり順序よりも大きな値を、ガイド要素9等に設定するように構成してもよい。
【0067】
<ガイド要素作成>
図5に戻り、ガイド要素9等の作成方法を説明する。図9は、ガイド表示及びハイライト処理の方法を示す説明図、図10は、スポットライト処理及びハイライト処理の方法を示す説明図である。
【0068】
ガイド設定データを受け付けたエージェントブラウザB2は、ガイド設定データを含み、ガイド要素9を作成するためのガイド作成データを、情報処理装置1を経由してゲストブラウザB3へ送信する(ステップS40)。ゲストブラウザB3は、エージェントブラウザB2から送信されたガイド作成データを受信する(ステップS41)。ガイド作成データには、ガイド設定データと、ガイド対象要素61を識別するnodeIDとが含まれる。つまり、ガイド作成データには、ガイド対象要素61を識別するnodeIDと、メッセージ情報と、ポジション情報と、自動スクロール情報と、ハイライト情報と、スポットライト情報と、要素の重なり順序情報とが含まれる。
【0069】
ゲストブラウザB3は、受信したガイド作成データに基づいて、ガイド表示を行うガイド対象要素61を特定する(ステップS42)。具体的には、ゲストブラウザB3は、受信したガイド作成データに含まれるnodeIDに基づいて、ガイド要素9を表示するガイド対象要素61を特定する。また、ゲストブラウザB3は、特定されたガイド対象要素61の表示位置及び縦横寸法を検出し、ウェブページの現在のスクロール量を検出し、ウェブページの画面上の表示領域の高さと幅(以下、ページサイズと呼ぶ)等を検出する。
【0070】
次いで、ゲストブラウザB3は、受信したガイド作成データに基づいて、図9Aに示すように、ガイド要素9を作成する(ステップS43)。具体的には、ゲストブラウザB3は、ガイド要素9を作成し、ガイド作成データに含まれるポジション情報に基づいて、ガイド対象要素61に対するガイド要素9の表示位置を設定する。なお、ゲストブラウザB3は、ウェブページのスクロール量、ページサイズ及びガイド対象要素61の表示位置及び縦横寸法を監視しており、変更を検知した場合は、変更されたガイド対象要素61の表示位置に合わせて、ガイド要素9の表示位置を調整する。また、ガイド作成データに含まれる要素の重なり順序情報において要素の重なり順序の数値が指定されている場合、ゲストブラウザB3は、ガイド要素9に適用されるCSSのz-index(z-index)プロパティの値に要素の重なり順序情報で指定された値を適用する。後述するハイライト要素91、スポットライト要素92を作成する場合も同様にCSSのz-indexプロパティの値に要素の重なり順序情報で指定された値を適用する。
また、ゲストブラウザB3は、受信したガイド作成データに含まれるメッセージ情報に基づいて、ガイド要素9内にテキストノード又は要素ノードを追加することにより、図9Aに示すように、ガイド要素9内にメッセージを表示する。具体的には、受信したメッセージ情報に含まれる文字列の本体は、テキストノード又はテキストコンテントとして設定した要素ノードを作成し、追加する。また、受信したメッセージ情報に文字サイズや文字色が設定されていた場合は、ガイド要素9に対するCSSのプロパティ、例えば、font-size(font-size)プロパティやcolor(color)プロパティなどを指定された値に適用することによって実現する。さらに、一部の文字が強調表示されていた場合は、当該文字を囲むようにem要素など強調表示するための要素ノードを作成、追加することによって実現する。さらにまた、リストが含まれていた場合は、li要素などのリストを表現するための要素ノードを作成、追加することによって実現し、画像、動画又はリンクの埋め込みがあった場合は、それぞれを表現する要素ノードとして作成、追加することによって実現する。
さらに、ゲストブラウザB3は、ガイド要素9を作成する際、図9に示すように、ガイド要素9の表示を終了させるためのボタン要素(以下、終了ボタン要素90と呼ぶ)を作成する。終了ボタン要素90を作成する目的は、ガイドによる案内が不要となった場合に、当該終了ボタン要素90をクリック操作することで、ガイド要素9、ハイライト要素91、スポットライト要素92を削除し、元の画面共有の状態に戻すためである。なお、終了ボタン要素90は、ガイド要素9内の任意の位置に作成するように構成してもよいし、ウェブページ上の任意の位置に作成するように構成してもよい。また、エージェントブラウザB2も同様の方法で、終了ボタン要素90をガイド要素9内の任意の位置、又は管理画面上の任意の位置に作成する。
【0071】
次いで、ゲストブラウザB3は、作成したガイド要素9及び終了ボタン要素90をゲストブラウザB3が表示しているウェブページに追加し、表示する(ステップS44)。
【0072】
次いで、ゲストブラウザB3は、受信したガイド作成データに含まれるハイライト情報に基づいて、ハイライト機能の設定が有効であるか否かを判定する(ステップS45)。つまり、ハイライト機能を使用するか否かを判定する。
【0073】
ハイライト機能の設定が有効であると判定した場合(ステップS45:YES)、ゲストブラウザB3は、図9Bに示すように、ガイド対象要素61を強調して表示するためのハイライト要素91を作成し、当該ハイライト要素91の表示位置及び縦横寸法を、ガイド対象要素61の表示位置及び縦横寸法に合わせることによって、当該ガイド対象要素61を囲むようにハイライト要素91を表示する(ステップS46)。つまり、ゲストブラウザB3は、表示しているウェブページにハイライト要素91を表す要素を追加し、表示する。ハイライト要素91は、例えば、矩形の要素等である。
【0074】
なお、ゲストブラウザB3は、ウェブページのスクロール量、ページサイズ及びガイド対象要素61の表示位置及び縦横寸法を監視しており、変更を検知した場合は、変更されたガイド対象要素61の表示位置、縦横寸法に合わせて、ハイライト要素91の表示位置、縦横寸法を調整する。
【0075】
ステップS45においてハイライト機能の設定が無効であると判定した場合(ステップS45:NO)、又はステップS46の処理を終えた場合、ゲストブラウザB3は、受信したガイド作成データに含まれるスポットライト情報に基づいて、スポットライト機能が有効であるか否かを判定する(ステップS47)。
【0076】
ゲストブラウザB3は、スポットライト機能の設定が有効であると判定した場合(ステップS47:YES)、図10A又は図10Bに示すように、ウェブページ上のガイド対象要素61以外の領域を埋めるようにスポットライト要素92を作成し、表示する(ステップS48)。図10Aは、ハイライト要素91を表示せず、スポットライト要素92が表示された状態を示している。図10Bは、ハイライト要素91及びスポットライト要素92の双方が表示された状態を示している。
【0077】
具体的には、ガイド対象要素61の上下左右に矩形の要素をそれぞれ作成し、ガイド対象要素以外のウェブページの領域を覆い被せる大きさに設定する。また、各スポットライト要素92の重なり順序を、ウェブページ上の各要素の重なり順序よりも大きい値に指定することにより、ゲストは、ガイド対象要素以外のウェブページ上の他の要素に対してクリック操作や入力操作をしようとしても、スポットライト要素92にフォーカスが当たるため、操作ができない。これにより、ガイド対象要素以外のウェブページ上の他の要素への操作をさせないよう制御することができる。なお、ゲストブラウザB3は、ウェブページのスクロール量、ページサイズ及びガイド対象要素61の表示位置及び縦横寸法を監視しており、変更を検知した場合は、変更されたページサイズ及びガイド対象要素61の表示位置、縦横寸法に合わせて、各スポットライト要素92の表示位置、縦横寸法を調整する。
【0078】
ステップS47においてスポットライト機能の設定が無効であると判定した場合(ステップS47:NO)、又はステップS48の処理を終えた場合、ゲストブラウザB3は、受信したガイド作成データに含まれる自動スクロール情報に基づいて、自動スクロール機能の設定が有効であるか否かを判定する(ステップS49)。
【0079】
自動スクロール機能の設定が有効であると判定した場合(ステップS49:YES)、ゲストブラウザB3は、ガイド対象要素61が、画面上の表示領域の中央に位置するように、ウェブページのスクロール量を調整する(ステップS50)。なお、ガイド対象要素61を画面上の表示領域の中央に位置するかわりに、画面上の表示領域の任意の場所(例えば、画面上部や画面下部等)に位置するように、ウェブページのスクロール量を調整してもよい。
自動スクロール機能の設定が無効であると判定した場合(ステップS49:NO)、又はステップS50の処理を終えた場合、ステップS38で選択されたガイド対象要素61,71に対するガイドの表示処理が完了する。なお、便宜上、ガイド要素9の作成及び表示処理(ステップS43及びステップS44)、ハイライト処理(ステップS45及びステップS46)、スポットライト処理(ステップS47及びステップS48)、自動スクロール処理(ステップS49及びステップS50)は直列で行っているが、それぞれの処理を並列で行うように構成してもよいし、処理の順番を変更してもよい。また、複数のガイド対象要素61,71に対して、それぞれステップS37~ステップS50の処理を行うことによって、複数のガイドをそれぞれ表示することもできる。
【0080】
ステップS42~ステップS50の処理によって作成されたガイド要素9、ハイライト要素91、スポットライト要素92は、エージェントブラウザB2と画面共有されるため、エージェントブラウザB2にもそれぞれの要素が表示される。
【0081】
このように、ガイド要素9の作成やガイド要素9に係る各種設定を適用することによって、エージェントがゲストに対して操作を促したいガイド対象要素61,71の位置が視覚的にわかりやすくなるとともに、ガイド表示によって、説明や操作方法を直接的に伝達できるようになるため、視覚的な情報伝達を促進することができる。
【0082】
<ガイドの削除>
図11は、エージェントブラウザB2におけるガイド表示モードの終了処理手順を示すフローチャートである。エージェントブラウザB2は、終了ボタン要素90の操作状態を監視しており、当該終了ボタン要素90がクリック操作されたか否かを判定する(ステップS71)。終了ボタン要素90がクリック操作されていないと判定した場合(ステップS71:NO)、エージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3は、ガイド表示に係る処理を継続する。
【0083】
終了ボタン要素90がクリック操作されたと判定した場合(ステップS71:YES)、エージェントブラウザB2は、停止していた一部の操作内容の共有を再開し(ステップS72)、マウスカーソル要素70を表示する(ステップS73)。そして、エージェントブラウザB2は、ガイド表示モードの終了を通知するための通知データ(以下、ガイド表示モード終了データと呼ぶ)をゲストブラウザB3へ送信する(ステップS74)。
【0084】
ゲストブラウザB3は、エージェントブラウザB2から送信されたガイド表示モード終了データを受信する(ステップS75)。ガイド表示モード終了データを受信したゲストブラウザB3は、停止していた一部の操作内容の共有を再開し(ステップS76)、マウスカーソル要素60を表示する(ステップS77)。また、ゲストブラウザB3は、ガイド要素9、ハイライト要素91、スポットライト要素92を削除し(ステップS78)、処理を終える。
【0085】
ガイド表示モードは、ゲストの操作によっても終了させることができる。図12は、ゲストブラウザB3におけるガイド表示モードの終了処理手順を示すフローチャートである。ゲストブラウザB3は、終了ボタン要素90の操作状態を監視しており、当該終了ボタン要素90がクリック操作されたか否かを判定する(ステップS91)。終了ボタン要素90がクリック操作されていないと判定した場合(ステップS91:NO)、ゲストブラウザB3及びエージェントブラウザB2は、ガイド表示に係る処理を継続する。
【0086】
終了ボタン要素90がクリック操作されたと判定した場合(ステップS91:YES)、ゲストブラウザB3は、停止していた一部の操作内容の共有を再開し(ステップS92)、マウスカーソル要素60を表示する(ステップS93)。また、ゲストブラウザB3は、ガイド要素9、ハイライト要素91、スポットライト要素92を削除する(ステップS94)。
【0087】
そして、ゲストブラウザB3は、ガイド表示モード終了データをエージェントブラウザB2へ送信する(ステップS95)。
【0088】
エージェントブラウザB2は、ゲストブラウザB3から送信されたガイド表示モード終了データを受信する(ステップS96)。ガイド表示モード終了データを受信したエージェントブラウザB2は、停止していた一部の操作内容の共有を再開し(ステップS97)、マウスカーソル要素70を表示し(ステップS98)、処理を終える。
【0089】
図11及び図12の処理により、エージェント又はゲストは、終了ボタン要素90をクリック操作することでガイド要素9、ハイライト要素91、スポットライト要素92を削除することができる。
【0090】
なお、エージェントが、同じガイド対象要素61,71に対してガイドを再度表示したい場合、又は異なるガイド対象要素61,71に対するガイドを表示したい場合は、上記したステップS31~ステップS50、ステップS71~ステップS78、ステップS91~ステップS98の処理を繰り返し実施する。
【0091】
<作用効果>
以上の通り、本実施形態によれば、エージェントブラウザB2及びゲストブラウザB3間でウェブページの画面共有を実現する画面共有方法において、ウェブページの要素に関するメッセージを送受信でき、視覚的な情報伝達を促進することができる。
【0092】
例えば、エージェントが、ゲストのウェブサイトの操作方法を案内する際、画面共有を行いながら、特定のガイド対象要素61,71に関連付けてガイド要素9を表示し、伝えたいテキスト、画像、動画等のメッセージをガイド内に表示することができる。エージェントは、ゲストに対して操作を促したい要素の説明、操作方法等を正確に表現して、情報を伝達することができる。
【0093】
また、ガイド対象要素61,71に対して、ハイライト要素91を表示することによって、当該ガイド対象要素61,71を強調表示することができ、より効果的に視覚的な情報伝達を促進することができる。
【0094】
更に、ゲストブラウザB3におけるウェブページのスクロール量を調整することによって、ガイド対象要素61,71をウェブページの画面上の表示領域の視覚的にわかりやすい位置(例えば、中央の位置)に表示することができ、より効果的に視覚的な情報伝達を促進することができる。
【0095】
更にまた、ガイド対象要素61,71以外の要素を覆うスポットライト要素92を表示することによって、ガイド対象要素61,71以外のウェブページ上の他の要素に対する操作を制限することができ、円滑な情報伝達ができないことを防止することができる。
【0096】
なお、本実施形態では、ウェブページを構成する要素に対してガイド要素9を表示する例を説明したが、要素の代わりとして、選択された特定のテキストに対してガイドを表示するように構成してもよい。
【0097】
(実施形態2)
実施形態2に係る画面共有システムは、ガイド設定データを事前設定することができる点が実施形態1と異なる。画面共有システムのその他の構成は、実施形態1に係る画面共有システム等と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0098】
<ガイド事前設定データの事前作成>
本実施形態2では、ガイド要素9を作成するためのガイド設定データを含むガイド事前設定データを予め作成しておき、作成されたガイド事前設定データを情報処理装置1の記憶部12に保存する。ガイド事前設定データは、具体的には、情報処理装置1のアカウント管理データベース12aに保存されている画面共有システムの各種設定データに含む形式で保存される。
【0099】
ガイド事前設定データは、ホットスポット対象要素261,271が存在するウェブページのURL等の所在を示す情報(以下、ホットスポット対象所在情報と呼ぶ)、ホットスポット対象要素261,271を指し示すCSSセレクター、XPath等の情報(以下、ホットスポット対象要素情報と呼ぶ)、及びガイドを作成するために必要なガイド設定データ等を含む。ホットスポット対象要素261,271は、後述するホットスポット要素9aを隣接して作成及び表示する対象となる要素であり、当該要素に対応するガイド設定データが存在する。ガイド設定データの内容は実施形態1で説明した通りである。なお、ガイド事前設定データは、必要なガイドの数だけ、複数作成可能である。以下、ホットスポット対象所在情報及びホットスポット対象要素情報を含む、ホットスポットの各種設定を構造化したデータを、ホットスポット設定データと呼ぶ。
【0100】
ガイド事前設定データを予め作成して保存するためのインタフェースは特に限定されるものでは無いが、ガイド設定画面8を用いて、ガイド事前設定データの作成に必要な情報を受け付けるように構成するとよい。例えば、エージェントブラウザB2は、実施形態1で説明したガイド設定画面8に保存ボタン要素を設け、保存ボタンがクリック操作された場合、ガイド設定画面8に設定された各情報に基づいてガイド設定データを作成する。また、エージェントブラウザB2は、ガイド対象要素61,71をホットスポット対象要素261,271として扱い、該当要素を特定するためのホットスポット対象所在情報及びホットスポット対象要素情報を含むホットスポット設定データを同時に作成し、ガイド設定データと合わせたガイド事前設定データとして情報処理装置1へ送信する。情報処理装置1は、受信したガイド事前設定データを、アカウントに対応付けて記憶する。もちろん、複数のホットスポット対象要素261,271について、ガイド事前設定データを予め用意し、記憶部12に保存しておくように構成してもよい。
【0101】
<ガイド事前設定データの取得及びホットスポット要素の作成>
図13は、実施形態2に係るホットスポット要素9aの作成処理手順を示すフローチャート、図14は、実施形態2に係るホットスポット要素9aを示す説明図である。図14Aは、ホットスポット要素9aが表示されたエージェントブラウザB2を示し、図14Bは、ゲストブラウザB3を示している。
【0102】
画面共有開始前の状態において、ゲストブラウザB3は、画面共有対象であるウェブページを読み込んで表示する(ステップS211)。ゲストブラウザB3は、画面共有対象のウェブページを読み込む際、情報処理装置1からゲストプログラムP3を取得し(ステップS212)、取得したゲストプログラムP3を実行する(ステップS213)。ゲストプログラムP3に従って動作するゲストブラウザB3は、情報処理装置1のAPI処理部11aを通じて、アカウント管理データベース12aに保存されている画面共有システムの各種設定データを取得する(ステップS214)。各種設定データには、ガイド事前設定データが含まれる。
【0103】
ゲストブラウザB3は、情報処理装置1を経由してエージェントブラウザB2との間で画面共有処理のセッションを確立する(ステップS215)。ステップS215の処理は、実施形態1で説明したステップS11と同様の処理である。
【0104】
ゲストブラウザB3は、画面共有開始後、ゲストブラウザB3に表示されているウェブページに基づく初回画面共有データを作成する際に、各ガイド事前設定データのホットスポット設定データに含まれるホットスポット対象所在情報及びホットスポット対象要素情報に合致するホットスポット対象要素261が、現在表示しているウェブページに含まれるかを判定する(ステップS216)。具体的には、ゲストブラウザB3は、ゲストブラウザB3に表示されているウェブページのURLが、ホットスポット対象所在情報として指定されたURLの条件を満たし、かつホットスポット対象要素情報として指定されたCSSセレクターまたはXPath等の条件に該当する要素がある場合は、当該要素をホットスポット対象要素261として判定する。ゲストブラウザB3は、合致するホットスポット対象要素261がある場合は、ゲストブラウザB3に表示されているウェブページに基づく初回画面共有データを作成し、当該初回画面共有データと共に、該当するガイド事前設定データを、初回画面共有データに含まれるホットスポット対象要素261を示すHTMLデータと関連付けて、情報処理装置1を介してエージェントブラウザB2へ送信する(ステップS217)。合致するホットスポット対象要素261が無い場合、ゲストブラウザB3は、当該初回画面共有データを、情報処理装置1を介してエージェントブラウザB2へ送信する(ステップS217)。
【0105】
エージェントブラウザB2は、ゲストブラウザB3から送信された初回画面共有データを受信し(ステップS218)、受信した初回画面共有データを解析し、ゲストブラウザB3に表示されているものと同様のウェブページを画面共有表示領域7に再構成し、ゲストの操作内容を再現する(ステップS219)。
なお、ステップS217~ステップS219の処理は、実施形態1で説明したステップS12~ステップS13と同様の処理である。
【0106】
また、エージェントブラウザB2は、ゲストブラウザB3から送信されたガイド事前設定データを受信した場合、図14に示すように、受信したガイド事前設定データに基づいて、ガイドの設定を開始するために必要な要素(以下、ホットスポット要素9aと呼ぶ)を、ホットスポット対象要素271に隣接するように作成及び表示する(ステップS220)。ホットスポット要素9aは、例えば、丸形の要素などで構成される。エージェントブラウザB2は、当該ホットスポット要素9aに対するクリック操作を監視する。なお、ホットスポット対象要素271に該当するガイド事前設定データが存在しない場合、ホットスポット要素9aは作成しない。また、ホットスポット対象要素271に該当するガイド事前設定データの有無にかかわらず、ホットスポット要素9aを作成せず、ホットスポット要素9aのクリック操作以外の開始操作によってガイド要素9の設定を開始するようにしてもよい。
【0107】
ステップS217以降、ゲストブラウザB3は、実施形態1と同様にして、ウェブページを監視しており、検知した変更内容に応じて、ページサイズデータ、HTMLデータ(変更前との差分、又は全体)、ゲスト操作データを作成する。その際、ゲストブラウザB3は、書き換えられたウェブページの中に、各ガイド事前設定データのホットスポット設定データに含まれるホットスポット対象所在情報及びホットスポット対象要素情報に合致するホットスポット対象要素261が、含まれるかを判定する(ステップS221)。
【0108】
ゲストブラウザB3は、合致するホットスポット対象要素261がある場合、作成されたページサイズデータ、HTMLデータ、ゲスト操作データ等、画面共有変更データと共に、該当するガイド事前設定データを、ホットスポット対象要素261を示すHTMLデータと関連付けて、情報処理装置1を介してエージェントブラウザB2へ送信する(ステップS222)。合致するホットスポット対象要素261が無い場合、ゲストブラウザB3は、当該画面共有変更データを、情報処理装置1を介してエージェントブラウザB2へ送信する(ステップS222)。
【0109】
エージェントブラウザB2は、ゲストブラウザB3から送信された画面共有変更データを受信し(ステップS223)、受信した画面共有変更データを解析し、ゲストブラウザB3に表示されているウェブページと同様の変更内容を画面共有表示領域7に反映し、ゲストの操作内容を再現する(ステップS224)。
なお、ステップS222~ステップS224の処理は、実施形態1で説明したステップS14~ステップS15と同様の処理である。
【0110】
また、エージェントブラウザB2は、ゲストブラウザB3から送信されたガイド事前設定データを受信した場合、受信したガイド事前設定データに基づいて、ホットスポット要素9aをホットスポット対象要素271に隣接するように作成及び表示する(ステップS225)。
【0111】
なお、上記の例では、ゲストブラウザB3に表示されているウェブページの中に、ホットスポット設定データに該当するホットスポット対象要素261,271があるか否かをゲストブラウザB3が判定する例を説明したが、判定主体及び判定方法は特に限定されるものでは無い。例えば、該当するホットスポット対象要素261,271の判定は、ゲストブラウザB3で行う代わりに、エージェントブラウザB2で行ってもよい。その場合は、画面共有開始時に、ゲストブラウザB3が全てのガイド事前設定データをエージェントブラウザB2に送信する。そして、エージェントブラウザB2は、各ガイド事前設定データのホットスポット設定データに含まれるホットスポット対象所在情報、及びホットスポット対象要素情報に合致する要素が、送信された初回画面共有データ又は画面共有変更データに基づいて、作成又は変更された要素の中に含まれるか否かを判定する。また、ゲストブラウザB3は、表示しているウェブページのURLと各ガイド事前設定データのホットスポット設定データに含まれるホットスポット対象所在情報を画面共有開始前に事前に比較し、合致するホットスポット対象所在情報を含むガイド事前設定データのみを判定に使用してもよい。
【0112】
図15は、実施形態2に係るガイド表示の処理手順を示すフローチャートである。エージェントブラウザB2は、ホットスポット要素9aに対するクリック操作を監視しており、ホットスポット要素9aのクリック操作を検出した場合、実施形態1のステップS31~ステップS36と同様の処理を実行する。次いで、エージェントブラウザB2は、クリック操作されたホットスポット要素9aに対応する要素をガイド対象要素61,71とし、ガイド設定画面8を表示する(ステップS237)。そして、エージェントブラウザB2は、該当するガイド事前設定データに含まれるガイド設定データの各情報に基づいて、ガイド設定画面8の初期値を設定する(ステップS238)。
【0113】
以下、エージェントブラウザB2は、実施形態1のステップS39以降の処理を実行することによって、ガイド表示を行う。実施形態2においては、ガイド設定データの各情報に含まれるデータがガイド設定画面8の初期値として設定されるため、エージェントブラウザB2はステップS39において、主に、ガイド設定データの変更を受け付けることになる。
【0114】
なお、エージェントは、ガイド設定画面8の初期値から変更が無いと判断した場合、ガイド設定画面8の各設定部の内容を変更せずに送信ボタン87をクリック操作する。エージェントブラウザB2は、初期値として設定されたガイド設定データ、言い換えると予め設定されたガイド設定データを含むガイド作成データをゲストブラウザB3へ送信する。
【0115】
また、本実施形態2では、エージェントブラウザB2がステップS39において、ガイド設定データの変更を受け付ける例を説明したが、ステップS39を省略して、予め設定されたガイド設定データを含むガイド作成データをゲストブラウザB3へ送信するように構成してもよい。
【0116】
更に、本実施形態2では、主に、一つのホットスポット対象要素261,271に対して、一つのガイド事前設定データを対応付ける例を説明したが、同一のホットスポット対象要素261,271に対して、複数のガイド事前設定データを作成することも可能である。この場合、一つのホットスポット対象要素261,271に対して、複数のホットスポット要素9aを表示してもよいし、一つのホットスポット対象要素261,271に対して、一つのホットスポット要素9aを表示し、ステップS238において、複数のガイド事前設定データに含まれるガイド設定データに基づいて、ガイドに係る各設定情報の候補を複数表示してもよい。複数あるガイド設定データの候補の表示方法は、例えば、ホットスポット要素9aがクリック操作される都度、ガイド設定画面8に初期設定されるガイド設定データの内容を切り替えて表示するとよい。なお、複数あるガイド設定データの候補の表示方法は特に限定されるものでは無い。
また、一つのホットスポット対象要素261,271を示すホットスポット対象所在情報及びホットスポット対象要素情報に対して、複数のガイド設定データを紐付けてもよい。つまり、ガイド事前設定データは、一つのホットスポット対象要素261,271を示すホットスポット対象所在情報及びホットスポット対象要素情報と、当該対象要素に対して異なる複数のガイド設定データとを含むように構成してもよい。この場合、エージェントブラウザB2は、ステップS238において、複数のガイド設定データに基づいて、ガイドに係る各設定情報の候補を複数表示することができる。複数あるガイド設定データの候補の表示方法は、例えば、ホットスポット要素9aがクリック操作される都度、ガイド設定画面8に初期設定されるガイド設定データの内容を切り替えて表示するとよい。なお、複数あるガイド設定データの候補の表示方法は特に限定されるものでは無い。
【0117】
更に、本実施形態1に係るガイド表示処理と、実施形態2に係るガイド表示処理とを両方実行するように構成してもよい。具体的には、エージェントは、予め設定されたガイド設定データを用いてガイド表示を行いたい場合、ホットスポット要素9aをクリック操作する。予め設定された内容とは異なるガイドを表示したい場合、エージェントは、実施形態1と同様にしてガイド表示モードを開始し、任意の要素に対して、ガイド設定データを設定し、ガイド表示することができる。
【0118】
実施形態2に係る画面共有システムにおいては、ガイド設定データを予め作成しておき、ホットスポット要素9aをクリック操作するだけで、特定のホットスポット対象要素261,271に予め設定した内容に基づいてガイドを表示することができる。
【0119】
なお、本実施形態では、ウェブページを構成する要素に対してガイドを表示する例を説明したが、要素の代わりとして、選択された特定のテキストに対してガイドを表示するように構成してもよい。
【0120】
本開示の課題を解決するための手段を付記する。
(付記1)
第1端末と第2端末との間でウェブページを構成する要素及びテキストの情報を含む構造データを送受信させることによって、前記第2端末のブラウザに表示される前記ウェブページを、前記第1端末のブラウザに表示する画面共有方法であって、
前記第1端末に、
前記ウェブページの要素又はテキストに関するメッセージを該ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示するためのガイド設定データを前記第2端末へ送信する処理を実行させ、
前記第2端末に、
前記第1端末から送信された前記ガイド設定データを受信し、
受信した前記ガイド設定データに基づいて、前記メッセージを前記ウェブページの要素又はテキストに関連付けて表示する
処理を実行させる画面共有方法。
(付記2)
前記メッセージを前記要素又はテキストに関連付けて表示する処理は、
前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストに関連付けて吹き出し画像を表示し、
吹き出し画像に前記メッセージを表示する
処理を含む付記1に記載の画面共有方法。
(付記3)
前記ガイド設定データは、
前記第2端末が、前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストの文字列を強調表示する強調表示処理の要否を示す設定情報と、
前記第2端末が、前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストの文字列をブラウザの表示領域の所定位置に表示するようにブラウザにおける前記ウェブページのスクロール量を調整する自動スクロール処理の要否を示す設定情報と、
前記第2端末が、前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストの文字列以外の要素及びテキストを所定要素で覆う遮蔽処理の要否を示す設定情報と
の少なくとも一つを含み、
前記第2端末に、
前記ガイド設定データに含まれる前記設定情報に応じて、
前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストの文字列を強調表示する強調表示処理、
前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストの文字列がブラウザの表示領域の前記所定位置に表示されるようにブラウザにおける前記ウェブページのスクロール量を調整する自動スクロール処理、又は
前記メッセージに対応する前記ウェブページの要素又はテキストの文字列以外の要素及びテキストを前記所定要素で覆う遮蔽処理
を実行させる付記1又は付記2に記載の画面共有方法。
(付記4)
予め用意した前記ガイド設定データを前記ウェブページの要素及びテキストに関連付けて記憶しておき、
前記第1端末に、
予め用意された前記ガイド設定データを前記第2端末へ送信させる
付記1から付記3のいずれか1つに記載の画面共有方法。
【符号の説明】
【0121】
1 情報処理装置
2 エージェント端末
3 ゲスト端末
4 ウェブサーバ
5 記録媒体
8 ガイド設定画面
9 ガイド要素
9a ホットスポット要素
11a API処理部
11b ソケット処理部
11c ファイル処理部
12a アカウント管理データベース
12b 画面共有管理データベース
12c 画面共有データ中継ストア
12d プログラムファイルストレージ
12e アセットファイルストレージ
61,71 ガイド対象要素
91 ハイライト要素
92 スポットライト要素
90 終了ボタン要素
261,271 ホットスポット対象要素
B2 エージェントブラウザ
B3 ゲストブラウザ
P1 コンピュータプログラム
P2 エージェントプログラム
P3 ゲストプログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15