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特開2024-94帳票データ生成装置、帳票データ生成方法、および帳票データ生成プログラム
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  • 特開-帳票データ生成装置、帳票データ生成方法、および帳票データ生成プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000094
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】帳票データ生成装置、帳票データ生成方法、および帳票データ生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20231225BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098645
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 真一
(72)【発明者】
【氏名】野見山 真成
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】業務効率化の運用を妨げることなく、帳票の分割を実施することができる帳票データ生成装置、帳票データ生成方法、および帳票データ生成プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態では、分割キーマスタから、起動された納品書ジョブの識別情報に紐付く分割キー項目と優先順位の組み合わせを取得し、納品書規定の項目の並び順を、当該取得した分割キー項目が優先順位に従って優先された状態のものに変更し、売上データのレコードを、当該変更後の並び順で並び替え、当該取得した分割キー項目の値別に集約し、所定のレイアウトの納品書を含む納品書PDFファイルを出力する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える帳票データ生成装置であって、
項目別に各項目の項目値を保持している取引データと、
帳票出力を実行する帳票ジョブの識別情報と前記取引データが有する項目とが紐付けられているジョブ・項目紐付けデータと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記ジョブ・項目紐付けデータから、起動された帳票ジョブに紐付く項目を取得する取得手段と、
前記取引データに基づいて、前記取得手段で取得した項目の項目値別に、所定のレイアウトの帳票データを生成する生成手段と、
を備えること、
を特徴とする帳票データ生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記取得手段で取得した項目が優先されるように、前記取引データの並び順を変更する変更手段
をさらに備え、
前記生成手段は、前記変更手段で変更した後の並び順に従って前記取引データを並び替え、並び替え後の前記取引データに基づいて、前記帳票データを生成すること、
を特徴とする請求項1に記載の帳票データ生成装置。
【請求項3】
項目別に各項目の項目値を保持している取引データと、帳票出力を実行する帳票ジョブの識別情報と前記取引データが有する項目とが紐付けられているジョブ・項目紐付けデータと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置で実行される帳票データ生成方法であって、
前記制御部で実行される、
前記ジョブ・項目紐付けデータから、起動された帳票ジョブに紐付く項目を取得する取得ステップと、
前記取引データに基づいて、前記取得ステップで取得した項目の項目値別に、所定のレイアウトの帳票データを生成する生成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする帳票データ生成方法。
【請求項4】
項目別に各項目の項目値を保持している取引データと、帳票出力を実行する帳票ジョブの識別情報と前記取引データが有する項目とが紐付けられているジョブ・項目紐付けデータと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置に実行させるための帳票データ生成プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
前記ジョブ・項目紐付けデータから、起動された帳票ジョブに紐付く項目を取得する取得ステップと、
前記取引データに基づいて、前記取得ステップで取得した項目の項目値別に、所定のレイアウトの帳票データを生成する生成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする帳票データ生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票データ生成装置、帳票データ生成方法、および帳票データ生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のフォームを含む帳票データに対して、フォーム別に異なる出力形態で出力することができる帳票作成装置等について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-173652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、帳票の分割という処理を、伝票のメール配信またはFAX送信などの場面で任意の条件で実施したい場合、帳票毎に分割キーを定め、プログラム(帳票ジョブ)毎に集計項目および並び順の制御を追加(導入)し、運用変更時に当該制御の内容を変更する、といった手法が考えられる。
【0005】
しかし、この手法だと、導入時にはプログラム毎の開発が必要となり、運用変更時にはプログラム毎の改修が必要となるため、開発および改修のコストおよび期間を要することとなり、その結果、業務効率化の運用が妨げられる虞があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、業務効率化の運用を妨げることなく、帳票の分割を実施することができる帳票データ生成装置、帳票データ生成方法、および帳票データ生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る帳票データ生成装置は、制御部を備える帳票データ生成装置であって、項目別に各項目の項目値を保持している取引データと、帳票出力を実行する帳票ジョブの識別情報と前記取引データが有する項目とが紐付けられているジョブ・項目紐付けデータと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記ジョブ・項目紐付けデータから、起動された帳票ジョブに紐付く項目を取得する取得手段と、前記取引データに基づいて、前記取得手段で取得した項目の項目値別に、所定のレイアウトの帳票データを生成する生成手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
なお、本発明に係る帳票データ生成装置において、前記制御部は、前記取得手段で取得した項目が優先されるように、前記取引データの並び順を変更する変更手段をさらに備えてもよく、前記生成手段は、前記変更手段で変更した後の並び順に従って前記取引データを並び替え、並び替え後の前記取引データに基づいて、前記帳票データを生成してもよい。
【0009】
また、本発明に係る帳票データ生成方法は、項目別に各項目の項目値を保持している取引データと、帳票出力を実行する帳票ジョブの識別情報と前記取引データが有する項目とが紐付けられているジョブ・項目紐付けデータと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置で実行される帳票データ生成方法であって、前記制御部で実行される、前記ジョブ・項目紐付けデータから、起動された帳票ジョブに紐付く項目を取得する取得ステップと、前記取引データに基づいて、前記取得ステップで取得した項目の項目値別に、所定のレイアウトの帳票データを生成する生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る帳票データ生成プログラムは、項目別に各項目の項目値を保持している取引データと、帳票出力を実行する帳票ジョブの識別情報と前記取引データが有する項目とが紐付けられているジョブ・項目紐付けデータと、にアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置に実行させるための帳票データ生成プログラムであって、前記制御部に実行させるための、前記ジョブ・項目紐付けデータから、起動された帳票ジョブに紐付く項目を取得する取得ステップと、前記取引データに基づいて、前記取得ステップで取得した項目の項目値別に、所定のレイアウトの帳票データを生成する生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、業務効率化の運用を妨げることなく、帳票の分割を実施することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、帳票データ生成装置100の構成の一例を示す図である。
図2図2は、売上データ106aの一例を示す図である。
図3図3は、分割キーマスタ106bの一例を示す図である。
図4図4は、帳票データ生成装置100で実行される処理の一例を示す図である。
図5図5は、帳票データ生成装置100で実行される処理の一例を示す図である。
図6図6は、帳票データ生成装置100で実行される処理の一例を示す図である。
図7図7は、帳票データ生成装置100で実行される処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る帳票データ生成装置、帳票データ生成方法、および帳票データ生成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0014】
[1.構成]
本実施形態に係る帳票データ生成装置100の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、帳票データ生成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
帳票データ生成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、帳票データ生成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0016】
帳票データ生成装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。帳票データ生成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0017】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、帳票データ生成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、帳票データ生成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0018】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114(本発明の出力部に相当)が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0019】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0020】
記憶部106は、売上データ106a(本発明の取引データに相当)、分割キーマスタ106b(本発明のジョブ・項目紐付けデータに相当)、および帳票データ記憶部106cなどを含む。なお、記憶部106は、本発明の取引データに相当する、請求データや受注データを、さらに記憶してもよい。
【0021】
売上データ106aのデータ構造および売上データ106aで保持される情報(項目値)の具体例は、図2を参照されたい。
【0022】
分割キーマスタ106bのデータ構造および分割キーマスタ106bに設定される情報(項目値)の具体例は、図2を参照されたい。
【0023】
なお、項目「ジョブ」の項目値として、帳票ジョブ(帳票出力のためのプログラム)の識別情報が設定され、例えばジョブに割り当てられた名称またはIDなど(具体的には納品書ジョブであれば「納品書」、請求明細書ジョブであれば「請求明細書」など)が設定される。
【0024】
また、項目「分割キー」の項目値として、売上データ106aが有する項目の識別情報が設定され、例えば項目の名称またはIDなど(具体的には納品書ジョブであれば「得意先コード」や「得意先名」、請求明細書ジョブであれば「請求先コード」や「請求先名」、「請求日」など)が設定される。
【0025】
項目「優先順位」の項目値として、優先順位を意味する数字(例えば「1」、「2」、「3」など)が設定される。
【0026】
項目「分割キー」の項目値と項目「優先順位」の項目値の組み合わせは、帳票を分割する際の分割の単位(基準)を定義するものである。例えば、納品書ジョブにおいて、売上データ106aを基に得意先コード別得意先名別の帳票データを出力したいときは、例えば、分割キーマスタ106bにおいて、納品書ジョブに対し、分割キーと優先順位の組み合わせとして「得意先コード,1」と「得意先名,2」を設定しておけばよい。
【0027】
帳票データ記憶部106cは、後述する出力制御部102cにより生成された所定のレイアウトの帳票データ(例えば所定のレイアウトの納品書データまたは請求明細書データなど)を記憶するためのものである。なお、生成された帳票データは、オペレータ指定のディレクトリパスに出力されるため、帳票データ記憶部106cは、帳票データ生成装置100が備えなくてもよい。
【0028】
図1に戻り、制御部102は、帳票データ生成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0029】
制御部102は、機能概念的に、納品書出力部102a、請求明細書出力部102b、および出力制御部102c(本発明の取得手段、変更手段、および生成手段を含む)などを備える。なお、本実施形態では、納品書出力部102aと請求明細書出力部102bの2つの出力部が制御部102に備えられている例を挙げるが、その他の種類の帳票(例えば見積書など)に対応する出力部が制御部102にさらに備えられてよい。また、制御部102には、少なくとも出力制御部102cが備えられていればよい。
【0030】
納品書出力部102aは、納品書ジョブを実行する情報処理手段であり、オペレータの指示により納品書出力画面(例えば図4の画面MA図7の画面MAなど)をモニタ114に出力し、納品書出力画面においてオペレータにより出力実行が指示されると、出力制御部102cにジョブの識別情報(例えば、「納品書」という識別情報など)を渡す。
【0031】
請求明細書出力部102aは、請求明細書ジョブを実行する情報処理手段であり、オペレータの指示により起動されると請求明細書出力画面(図示せず)をモニタ114に出力し、請求明細書出力画面においてオペレータにより出力実行が指示されると、出力制御部102cにジョブの識別情報(例えば、「請求明細書」という識別情報)を渡す。
【0032】
出力制御部102cは、分割キーマスタ106bから、起動された帳票ジョブに紐付く項目を取得する。具体的には、出力制御部102cは、納品書出力部102aや請求明細書出力部102bなどの各帳票用の出力部から渡されたジョブの識別情報に紐づく項目「分割キー」の項目値と項目「優先順位」の項目値の組み合わせを、分割キーマスタ106bから取得する。
【0033】
出力制御部102cは、帳票ジョブに応じた取引データに基づいて、取得した項目の項目値別に、所定のレイアウトの帳票データ(例えば、PDF(Portable Document Format)などの所定の形式のファイルなど)を生成する。例えば、出力制御部102cは、納品書ジョブに応じた取引データである売上データ106aに基づいて、取得した項目の項目値別に、所定のレイアウトの納品書データを生成したり、請求明細書ジョブに応じた取引データである請求データに基づいて、取得した項目の項目値別に、所定のレイアウトの請求明細書データを生成したりする。なお、例えば、制御部102が、見積書ジョブを実行する見積書出力部をさらに備えている場合、出力制御部102cは、見積書ジョブに応じた取引データである受注データに基づいて、取得した項目の項目値別に、所定のレイアウトの見積書データを生成してもよい。
【0034】
出力制御部102cは、取得した項目が優先されるように、帳票ジョブに応じた取引データの並び順を変更してもよい。この場合、出力制御部102cは、変更後の並び順に従って取引データを並び替え、並び替え後の取引データに基づいて、帳票データを生成してもよい。これにより、分割する上でデータ(ファイル)としてはまとめたい単位にまとまってデータ(ファイル)が生成される。
【0035】
出力制御部102cが実行する処理の具体例は、以下の[2.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0036】
[2.処理の具体例]
ここでは、帳票データ生成装置100で実行される処理の具体例を、図4-7などを参照して説明する。なお、本説明では、納品書のファイル出力に関する処理の具体例を説明するが、本発明は、これに限定されることなく、納品書以外の帳票(例えば請求明細書や見積書など)のファイル出力に関する処理にも適用可能である。また、本説明では、売上データ106aが図2に示すものであり、分割キーマスタ106bが図3に示すものであることを前提とする。
【0037】
まず、オペレータが納品書ジョブを起動させると、納品書出力部102aは、納品書出力画面MAをモニタ114に表示させる(図4)。
【0038】
つぎに、オペレータが納品書出力画面MAにおいて出力実行を指示すると、納品書出力部102aは、納品書ジョブの識別情報(具体的には「納品書」という識別情報)を出力制御部102cに渡す(図4)。
【0039】
つぎに、出力制御部102cは、分割キーマスタ106bから、受け取った「納品書」という識別情報に紐づく、分割キー項目と優先順位の組み合わせを取得する(図4)。なお、本説明では、組み合わせとして、「得意先コード,1」と「得意先名,2」が取得される。
【0040】
つぎに、出力制御部102cは、印刷ダイアログMBをモニタ114に表示させる(図4)。
【0041】
つぎに、オペレータが印刷ダイアログMBにおいてPDF出力を指示すると、出力制御部102cは、分割キー項目が取得されなかったときは、出力画面MC(パスワード設定が指定済みの初期状態のもの)をモニタ114に表示させ、分割キー項目が取得されたときは、出力画面MD(パスワード設定とファイル分割のそれぞれが指定済みの初期状態のもの)をモニタ114に表示させる(図4)。なお、本説明では、分割キー項目が取得されるので、チェックボックスが全てチェック済みの状態の出力画面MDが表示されることとなる(図4)。このように、本実施形態では、分割キー項目の取得状況に応じて、ファイルを分割するコントロール(具体的にはチェックボックス)の表示・非表示を切り替えることができる。具体的には、本実施形態では、FAX・メール連携等の自動出力時はファイル分割ありの出力が実行でき、紙面への手動印刷等といったファイル分割が不要なときはファイル分割なしのデフォルトの出力が実行できるよう、チェックボックスでの制御が追加されている。
【0042】
つぎに、オペレータが、出力画面MDにおいて、ファイル分割の指定を指定済みの状態に設定したり、出力ファイル名を含むディレクトリパスを設定したり、必要に応じてパスワードを設定したりした後、出力実行を指示すると、出力制御部102cは、予め設定された項目の並び順に対し、取得した優先順位「N」の昇順に、並び順変更処理(具体的には、優先順位「N」と紐付く取得した分割キー項目と同じ項目が並び順に含まれるときは、当該項目を並び順のN番目に移動し、優先順位「N」と紐付く取得した分割キー項目と同じ項目が並び順に含まれないときは、当該項目が並び順の先頭からN番目となるように並び順に追加するという処理)を実行する(図5)。例えば、予め設定された並び順が「部門コード>担当者コード>得意先コード>売上日>売上番号>売上明細表示行番号」であった場合、まず、優先順位「1」の分割キー項目「得意先コード」は並び順の先頭から3番目に含まれるので、得意先コードが並び順の先頭に移動され、つぎに、優先順位「2」の分割キー項目「得意先名」は並び順に含まれないので、得意先名が並び順の先頭から2番目となるように並び順に追加されることにより、予め設定された並び順が、「得意先コード>得意先名>部門コード>担当者コード>売上日>売上番号>売上明細表示行番号」という並び順に変更される(図5)。
【0043】
つぎに、出力制御部102cは、並び順変更処理が実行された後の並び順に従って、売上データ106aのレコードを並び替え、つぎに、優先順位「1」の分割キー項目「得意先コード」別かつ優先順位「2」の分割キー項目「得意先名」別に、売上データ106aのレコードを集約することにより、所定のレイアウトの納品書PDFファイルであって所定のファイル名設定ルールに従ってファイル名が設定されているもの、を生成する(図6)。なお、ファイル名の設定について、具体的には、出力制御部102cは、納品書PDFファイルのファイル名を、出力画面MDに設定されたディレクトリパスに含まれるファイル名(例えば「納品書」など)、優先順位「1」の分割キー項目「得意先コード」の値、優先順位「2」の分割キー項目「得意先名」の値の順に設定する(図7)。本説明では、所定のファイル名設定ルール(図7)に従って、所定のレイアウトの2枚の納品書MF、MFを含む、「納品書_A1_A1商店_20220430173010」というファイル名の納品書PDFファイルと、所定のレイアウトの1枚の納品書MGを含む、「納品書_B1_B1商店_20220430173011」というファイル名の納品書PDFファイルが、生成される(図6)。
【0044】
つぎに、出力制御部102cは、出力画面MDに設定されたディレクトリパスで特定される記憶領域に、生成した2個の帳票PDFファイルを格納する。
【0045】
なお、1)出力画面MCが表示され、オペレータが、出力画面MCにおいて、出力ファイル名を含むディレクトリパスを設定したり、必要に応じてパスワードを設定したりした後、出力実行を指示した場合、または、2)出力画面MDが表示され、オペレータが、出力画面MDにおいて、ファイル分割の指定を未指定の状態に設定した後に、出力実行を指示した場合は、出力制御部102cは、予め設定された項目の並び順に従って、売上データ106aのレコードを並び替え、集約することにより、所定のレイアウトの3枚の納品書ME、ME、MEを含む、1個の納品書PDFファイルを生成する(図6)。つまり、これらの場合には、ファイル分割は実行されない。
【0046】
[3.本実施形態のまとめ]
伝票のメール配信・FAX送信など任意の条件で帳票分割(ファイル出力・ファイル保存)を実施する場合、各帳票毎に分割キーを定め集計項目・並び順の制御をプログラム毎に追加・変更する必要がある。その結果、導入時・運用変更時にプログラム毎の改修が必要となり、業務効率化の運用を妨げる結果となる。
【0047】
そこで、本実施形態では、帳票を分割するキーと集計項目・並び順に使用される項目の関係性に着目することで、分割キーをマスタ化し、分割キーマスタ106bから、帳票発行時の分割キー、集計項目、並び順をプログラムに渡して制御する機能を実装した。換言すると、本実施形態では、分割するキー項目を帳票ジョブ(プログラム)毎にマスタ制御可能とし、各帳票プログラムにて分割キーマスタ106bから帳票分割、集計、並び順の制御を実行する。具体的には、本実施形態では、各帳票プログラムの印刷実行のタイミングで分割キーマスタ106bから分割キー項目をファイル出力機能へ渡し、分割キー項目がない場合は帳票規定の並び順で分割処理なしの状態で印刷またはファイル出力を実行し、分割キー項目がある場合は、ファイル分割のチェックボックスを表示し、チェックがない場合は、分割キー項目がない場合と同様、帳票規定の並び順で分割処理なしの状態で印刷またはファイル出力を実行し、チェックがある場合は、分割キー項目を使用した並び順への変更とファイル分割の制御を実行する。より具体的には、本実施形態では、分割キーマスタ106bから、起動された納品書ジョブの識別情報に紐付く分割キー項目と優先順位の組み合わせを取得し、納品書規定の項目の並び順を、当該取得した分割キー項目が優先順位に従って優先された状態のものに変更し、売上データのレコードを、当該変更後の並び順で並び替え、当該取得した分割キー項目の値別に集約し、所定のレイアウトの納品書を含む納品書PDFファイルを出力する。
【0048】
これにより、プログラム開発が不要となり、改修コストの低減・改修期間が無くなることによる運用変更への対応期間の短縮が実現可能となる。
【0049】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0052】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0053】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0054】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0055】
また、帳票データ生成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0056】
例えば、帳票データ生成装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて帳票データ生成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0057】
また、このコンピュータプログラムは、帳票データ生成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0058】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0059】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0060】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0061】
また、帳票データ生成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、帳票データ生成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0062】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、小売業または卸売業など様々な業界において有用である。
【符号の説明】
【0064】
100 帳票データ生成装置
102 制御部
102a 納品書出力部
102b 請求明細書出力部
102c 出力制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 売上データ
106b 分割キーマスタ
106c 帳票データ記憶部
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7