(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094033
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置を制御するための方法、及び、端末装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240702BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240702BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06F3/12 303
G06F3/12 326
G06F3/12 373
B41J29/00 Z
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210733
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寛恭
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CL10
2C061HK11
2C061HK16
5C062AA05
5C062AB38
5C062AC38
5C062AF07
5C062AF08
(57)【要約】
【課題】印刷に関する所定サービスに関する適切な処理を実行し得る端末装置を実現するための技術を開示すること。
【解決手段】端末装置のためのコンピュータプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、印刷に関する所定サービスの登録が完了している第1の印刷装置に印刷を実行させるための印刷指示をユーザから受け付ける受付部と、第1の印刷装置が所定サービスに関する所定条件を満たす状況において、印刷指示が受け付けられる場合に、印刷指示に従った印刷を第1の印刷装置に実行させる第1の印刷制御部と、第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、印刷指示が受け付けられる場合に、印刷指示に従った印刷を第2の印刷装置に実行させる第2の印刷制御部であって、第2の印刷装置は、所定サービスの登録が完了していない印刷装置である、第2の印刷制御部と、として機能させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
印刷に関する所定サービスの登録が完了している第1の印刷装置に印刷を実行させるための印刷指示をユーザから受け付ける受付部と、
前記第1の印刷装置が前記所定サービスに関する所定条件を満たす状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第1の印刷装置に実行させる第1の印刷制御部と、
前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を第2の印刷装置に実行させる第2の印刷制御部であって、前記第2の印刷装置は、前記所定サービスの登録が完了していない印刷装置である、前記第2の印刷制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記所定サービスは、所定量以下の消耗品を使用した印刷を所定額で許容するサービスであり、
前記第1の印刷装置における前記消耗品の現在の使用量と前記所定量との差分である第1の差分が第1の閾値以上である場合に、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たし、
前記第1の差分が前記第1の閾値未満である場合に、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記第1の印刷装置と前記所定サービスに関するサーバとの間で通信可能である場合に、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たし、
前記第1の印刷装置と前記サーバとの間で通信不可能である場合に、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、第1の問合画面を前記端末装置の表示部に表示させる第1の表示制御部であって、前記第1の問合画面は、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させるのかを前記ユーザに問い合わせるための画面である、前記第1の表示制御部として機能させ、
前記第2の印刷制御部は、
前記第1の問合画面において、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させるべきことが前記ユーザによって選択される場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させ、
前記第1の問合画面において、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させるべきでないことが前記ユーザによって選択される場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させない、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられ、かつ、前記第1の印刷装置とは異なる第3の印刷装置であって、前記所定サービスの登録が完了している前記第3の印刷装置が前記端末装置の周囲に存在する場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させる第3の印刷制御部として機能させ、
前記第2の印刷制御部は、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられ、かつ、前記第3の印刷装置が前記端末装置の周囲に存在しない場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられ、かつ、前記第3の印刷装置が前記端末装置の周囲に存在する場合に、第2の問合画面を前記端末装置の表示部に表示させる第2の表示制御部であって、前記第2の問合画面は、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させるのかを前記ユーザに問い合わせるための画面である、前記第2の表示制御部として機能させ、
前記第3の印刷制御部は、
前記第2の問合画面において、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させるべきことが前記ユーザによって選択される場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させ、
前記第2の問合画面において、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させるべきでないことが前記ユーザによって選択される場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させない、請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記第3の印刷制御部は、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられ、かつ、前記第3の印刷装置が前記端末装置の周囲に存在し、かつ、前記第3の印刷装置における消耗品の現在の使用量と所定量との差分である第2の差分が第2の閾値以上である場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させ、
前記第2の印刷制御部は、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられ、かつ、前記第3の印刷装置が前記端末装置の周囲に存在し、かつ、前記第2の差分が前記第2の閾値未満である場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させる、請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
端末装置を制御するための方法であって、
印刷に関する所定サービスの登録が完了している第1の印刷装置に印刷を実行させるための印刷指示をユーザから受け付ける受付工程と、
前記第1の印刷装置が前記所定サービスに関する所定条件を満たす状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第1の印刷装置に実行させる第1の印刷制御工程と、
前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を第2の印刷装置に実行させる第2の印刷制御工程であって、前記第2の印刷装置は、前記所定サービスの登録が完了していない印刷装置である、前記第2の印刷制御工程と、
を備える、方法。
【請求項9】
端末装置であって、
印刷に関する所定サービスの登録が完了している第1の印刷装置に印刷を実行させるための印刷指示をユーザから受け付ける受付部と、
前記第1の印刷装置が前記所定サービスに関する所定条件を満たす状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第1の印刷装置に実行させる第1の印刷制御部と、
前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を第2の印刷装置に実行させる第2の印刷制御部であって、前記第2の印刷装置は、前記所定サービスの登録が完了していない印刷装置である、前記第2の印刷制御部と、
を備える、端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、印刷装置に印刷を実行させる端末装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、固定料金という料金プランで運用されるプリントシステムが開示されている。この技術では、固定料金を超過したプリンタに印刷させる場合に、固定料金を超過していない代替プリンタをユーザに推奨し、代替プリンタに印刷させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、適切な印刷装置に印刷を実行させ得る端末装置を実現するための技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、端末装置のためのコンピュータプログラムを開示する。コンピュータプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、印刷に関する所定サービスの登録が完了している第1の印刷装置に印刷を実行させるための印刷指示をユーザから受け付ける受付部と、前記第1の印刷装置が前記所定サービスに関する所定条件を満たす状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第1の印刷装置に実行させる第1の印刷制御部と、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を第2の印刷装置に実行させる第2の印刷制御部であって、前記第2の印刷装置は、前記所定サービスの登録が完了していない印刷装置である、前記第2の印刷制御部と、として機能させてもよい。
【0006】
上記の構成によると、端末装置は、印刷に関する所定サービスの登録が完了している第1の印刷装置が所定条件を満たす状況において、印刷指示を受け付ける場合に、印刷指示に従った印刷を第1の印刷装置に実行させる。一方、端末装置は、第1の印刷装置が所定条件を満たさない状況において、印刷指示を受け付ける場合に、印刷指示に従った印刷を所定サービスの登録が完了していない第2の印刷装置に実行させる。このように、端末装置は、第1の印刷装置が所定条件を満たすのか否かに応じて、適切な印刷装置に印刷を実行させ得る。
【0007】
上記のコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、端末装置を制御するための方法、及び、上記のコンピュータプログラムによって実現される端末装置そのものも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】アプリによって実行される処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(通信システム2の構成;
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、端末10と複数個のプリンタ100A~100Cとサーバ200とを備える。端末10及び各プリンタ100A~100Cは、Local Area Network(LAN)4に接続されている。端末10及び各プリンタ100A~100Cは、LAN4を介して相互に通信可能である。LAN4は、有線LANであってもよいし無線LANであってもよい。
【0010】
サーバ200は、インターネット6を介してLAN4に接続されている。端末10及び各プリンタ100A~100Cは、LAN4及びインターネット6を介して、サーバ200と通信可能である。なお、サーバ200は、単一のサーバによって実現されていてもよいし、複数のサーバが協働することによって実現されていてもよい。また、サーバ200は、物理サーバであってもよいし、仮想サーバであってもよい。また、サーバ200はインターネット6上に設置されていなくてもよく、例えば、LAN4内に設置されていてもよい。
【0011】
(サーバ200の構成)
サーバ200は、定額制の印刷サービスを提供する。定額制の印刷サービスは、所定の期間(例えば1か月)毎に、予め設定された所定枚数(例えば200枚)以下の印刷媒体に対する印刷を定額で許容する。また、ユーザは、所定枚数を超過して印刷媒体に対する印刷を実行する場合には、超過分に単価(例えば10円)を乗じた値を追加料金として支払う。
【0012】
定額制の印刷サービスを利用した印刷では、当該印刷サービスのための専用の色材カートリッジが利用される。以下では、当該カートリッジのことを「専用カートリッジ」と記載する。サーバ200は、定額制の印刷サービスの登録が完了しているプリンタに装着された専用カートリッジ内の色材(例えばインク、トナー)の残量を管理する。サーバ200は、プリンタに装着された専用カートリッジ内の色材が少なくなると、新品の専用カートリッジを当該プリンタのユーザ宛てに発送するための処理を実行する。このように、定額制の印刷サービスでは、利用される印刷媒体の枚数が所定枚数以下であれば、どれだけ色材が利用されても定額で済む。
【0013】
(端末10の構成)
端末10は、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレットPC等の可搬型の端末装置である。変形例では、端末10は、据置型のPC、ラップトップPC等であってもよい。端末10は、操作部12と表示部14と通信インターフェース16と制御部30とを備える。各部12~30は、バス線に接続されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0014】
操作部12は、ユーザが様々な情報を端末10に対して入力することを可能とするI/Fであり、例えばタッチスクリーン、ボタンを備える。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。通信I/F16は、LANI/Fと、BluetoothI/Fと、を備える。LANI/Fは、LAN(例えばLAN4)に接続するためのI/Fであり、BluetoothI/FはBluetooth規格に従った信号を送受信するためのI/Fである。なお、Bluetoothは、Bluetooth SIGの登録商標である。
【0015】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。メモリ34は、OSプログラム36とアプリケーションプログラム38とを記憶する。CPU32は、メモリ34に記憶されているOSプログラム36及びアプリケーションプログラム38に従って様々な処理を実行する。メモリ34は、例えばROM、RAMである。以下では、OSプログラムのことを「OS」と記載する。また、アプリケーションプログラムのことを「アプリ」と記載する。
【0016】
OS36は、端末10の基本的な動作を制御する。アプリ38は、各プリンタ100A~100Cに印刷を実行させる。アプリ38は、例えば、プリンタ100A~100Cのベンダによって提供されるインターネット6上のサーバからダウンロードされ、端末10にインストールされるいわゆるネイティブアプリである。なお、変形例では、アプリ38はネイティブアプリでなくてもよく、例えばウェブアプリであってもよいし、クラウドアプリであってもよいし、ネイティブアプリとウェブアプリとクラウドアプリとの少なくとも2個の組合せによって実現されるアプリであってもよい。ここで、「少なくとも2個の組合せ」とは、ネイティブアプリとウェブアプリとの組合せ(いわゆるハイブリッドアプリ)、ネイティブアプリとクラウドアプリとの組合せ、ウェブアプリとクラウドアプリとの組合せ、又は、ネイティブアプリとウェブアプリとクラウドアプリとの組合せを意味する。
【0017】
(プリンタ100Aの構成)
プリンタ100Aは、印刷機能を実行可能な周辺装置、例えば端末10の周辺装置、である。変形例では、プリンタ100Aは、印刷機能に加えて、スキャン機能、ファクシミリ機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ100Aは、プリンタID「AAA」を有する。また、プリンタ100Aは登録済みプリンタである。「登録済みプリンタ」とは、定額制の印刷サービスの登録が完了しているプリンタを意味する。また、「登録が完了している」とは、定額制の印刷サービスを受けるために必要な情報がサーバ200に登録済みであることを意味する。当該情報は、例えば、プリンタ100Aの識別情報(例えばプリンタID「AAA」)、プリンタ100Aのユーザ情報(例えば氏名、住所、クレジットカード情報)等を含む。
【0018】
プリンタ100Aは、操作部112Aと表示部114Aと通信I/F116Aと印刷実行部120Aと制御部130Aとを備える。各部112A~130Aは、バス線に接続されている。
【0019】
操作部112Aは、ユーザが様々な情報をプリンタ100Aに対して入力することを可能とするI/Fであり、例えばタッチスクリーン、ボタンを備える。表示部114Aは、様々な情報を表示するためのディスプレイである。通信I/F116Aは、LANI/Fと、BluetoothI/Fと、を備える。印刷実行部120Aは、インクジェット方式の印刷機構を備える。なお、変形例では、印刷実行部120Aは、インクジェット方式とは異なる印刷機構、例えばレーザ方式の印刷機構、サーマル方式の印刷機構を備えてもよい。
【0020】
制御部130Aは、CPU132Aとメモリ134Aとを備える。CPU132Aは、メモリ134Aに記憶されているプログラム136Aに従って、様々な処理を実行する。メモリ134Aは、例えばROM、RAMである。メモリ134Aは、さらに、プリンタID「AAA」と、登録済みプリンタであることを示す情報と、ステータス情報と、を記憶する。ステータス情報は、サーバ200との通信状況を示す情報を含む。当該情報は、サーバ200と通信可能であることを意味する「オンライン」及びサーバ200と通信不可能であることを意味する「オフライン」のいずれか一方を示す。サーバ200との通信状況を示す情報が「オフライン」を示す状況は、例えば、サーバ200がダウンしている場合、インターネット6に通信障害が発生している場合、LAN4とインターネット6との間に通信障害が発生している場合、に生じる。プリンタ100Aは、サーバ200との通信状況を示す情報が「オンライン」を示す状況において、サーバ200と所定時間以上通信を実行できない場合(例えば、サーバ200からの通信が所定時間以上途絶えた場合、サーバ200に信号を送信してから所定時間以上経過しても応答を受信しない場合等)に、当該情報を「オンライン」から「オフライン」へ更新する。なお、本実施例では、サーバ200との通信状況を示す情報が「オフライン」を示す状況では、登録済みプリンタにおける印刷が制限(例えば少ない枚数の印刷媒体のみに印刷が許容)される。ステータス情報は、さらに、プリンタ100Aが所定の期間内に定額で印刷可能な印刷媒体の残り枚数(以下「残枚数」と記載する)を示す情報を含む。なお、ステータス情報は、残枚数に代えて、プリンタ100Aが所定の期間内において定額制の印刷サービスを利用して印刷を実行した印刷媒体の総枚数を示す情報を含んでいてもよい。ステータス情報は、さらに、プリンタ100Aに装着されている専用カートリッジ内のインク残量を示す情報を含む。
【0021】
(プリンタ100Bの構成)
プリンタ100Bは、プリンタID「BBB」を記憶している点を除くと、プリンタ100Aの構成と同様である。プリンタ100Bは登録済みプリンタである。
【0022】
(プリンタ100Cの構成)
プリンタ100Cは、プリンタID「CCC」を記憶している点、及び、定額制の印刷サービスの登録が完了していない未登録プリンタである点を除くと、プリンタ100Aの構成と同様である。即ち、プリンタ100Cのメモリは、未登録プリンタであることを示す情報を記憶する。特に、プリンタ100Cが未登録プリンタであるので、プリンタ100Cに記憶されるステータス情報は、定額制の印刷サービスに関連する情報(例えばサーバ200との通信状況、残枚数)を含まない。
【0023】
(アプリ38の処理;
図2)
続いて、
図2を参照して、CPU32がアプリ38を実行することによって実現される処理を説明する。ユーザから、印刷対象の画像の選択と、LAN4に接続されている各プリンタ100A~100Cの中から印刷を実行すべき1個のプリンタの選択と、が受け付けられる場合に、
図2の処理が開始される。ここで、本実施例では、ユーザによって登録済みプリンタ(例えば100A)が選択される例を説明する。以下では、ユーザによって選択された登録済みプリンタのことを「対象プリンタ」と記載する。
【0024】
なお、
図2の処理が開始される初期段階では、アプリ38は、LAN4内の各プリンタ100A~100Cのステータス情報を記憶している。各プリンタ100A~100Cのステータス情報は、アプリ38が各プリンタ100A~100Cから過去に受信した情報であってもよいし、最新の情報であってもよい。当該最新の情報は、例えば、アプリ38の起動時に、アプリ38がステータス情報の送信を要求する信号を各プリンタ100A~100Cに送信することによって、各プリンタ100A~100Cから受信される。
【0025】
CPU32は、S10において、対象プリンタがオンラインであるのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、対象プリンタのステータス情報から、サーバ200との通信状況を示す情報を特定する。CPU32は、当該情報が「オンライン」を示す場合に、S10でYESと判断してS12に進む。一方、CPU32は、当該情報が「オフライン」を示す場合に、S10でNOと判断してS40に進む。
【0026】
CPU32は、S12において、残枚数が印刷枚数以上であるのかを判断する。具体的には、CPU32は、対象プリンタのステータス情報から残枚数を特定する。次いで、CPU32は、今回の印刷対象の画像の印刷に利用される印刷媒体の総数(以下では「総印刷枚数」と記載する)を算出する。具体的には、CPU32は、印刷対象の画像の総ページ数(即ち1部当たりのページ数)に印刷部数を乗じることによって、総印刷枚数を算出する。CPU32は、残枚数が総印刷枚数以上である場合に、S12でYESと判断してS50に進み、残枚数が総印刷枚数未満である場合に、S12でNOと判断してS14に進む。ここで、残枚数が総印刷枚数以上である状況は、定額の範囲内で印刷が完了することを意味する。残枚数が総印刷枚数未満である状況は、定額の範囲内で印刷が完了しないこと、即ち追加料金が発生すること、を意味する。なお、変形例では、アプリ38は、S12において、残枚数が予め決められた閾値(例えば5枚)以上であるのかを判断してもよい。また、別の変形例では、アプリ38は、S12において、現在の残枚数から印刷枚数を減じた値が閾値以上であるのかを判断してもよい。
【0027】
CPU32は、S14において、代替の登録済みプリンタがLAN4内に存在するのかを判断する。具体的には、CPU32は、対象プリンタとは異なるプリンタ(例えば100B)のステータス情報を特定する。そして、CPU32は、特定済みのステータス情報がサーバ200との通信状況を示す情報を含み、かつ、当該情報が「オンライン」を示す場合に、上記の異なるプリンタを代替の登録済みプリンタとして特定する。一方、CPU32は、特定済みのステータス情報がサーバ200との通信状況を示す情報を含まない場合、又は、特定済みのステータス情報がサーバ200との通信状況を示す情報を含み、かつ、当該情報が「オフライン」を示す場合には、他のステータス情報を利用して同様の処理を実行する。CPU32は、1個以上の代替の登録済みプリンタを特定できた場合には、S14でYESと判断してS16に進む。CPU32は、1個の代替の登録済みプリンタも特定できなかった場合には、S14でNOと判断してS30に進む。
【0028】
CPU32は、S16において、1個以上の代替の登録済みプリンタのうちの1個の登録済みプリンタ(例えば100B)について、残枚数が印刷枚数以上であるのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、当該1個の登録済みプリンタのステータス情報に含まれる残枚数を特定し、当該残枚数が総印刷枚数以上である場合に、S16でYESと判断してS20に進む。一方、CPU32は、当該残枚数が総印刷枚数未満である場合に、代替の登録済みプリンタについて同様の処理を実行する。CPU32は、いずれの登録済みプリンタの残枚数も総印刷枚数未満である場合に、S16でNOと判断して、S30に進む。
【0029】
CPU32は、S20において、通知画面SC1を表示部14に表示させる。通知画面SC1は、対象プリンタの残枚数が不足していることを示すメッセージと、代替の登録済みプリンタに印刷を実行させるのか否かをユーザに問い合わせるメッセージと、YESボタンと、NOボタンと、を含む。ユーザは、通知画面SC1を見ることによって、対象プリンタとは異なる登録済みプリンタに印刷を実行させるべきことを知ることができる。
【0030】
CPU32は、S22において、通知画面SC1内のYESボタンが選択されたのかNOボタンが選択されたのかを判断する。CPU32は、YESボタンが選択される場合(S22でYES)にS60に進み、NOボタンが選択される場合(S22でNO)にS50に進む。
【0031】
CPU32は、S30において、通知画面SC2を表示部14に表示させる。通知画面SC2は、対象プリンタの残枚数が不足していることを示すメッセージと、未登録プリンタ(例えば100C)に印刷を実行させるのか否かをユーザに問い合わせるメッセージと、YESボタンと、NOボタンと、を含む。ユーザは、通知画面SC2を見ることによって、未登録プリンタに印刷を実行させるべきことを知ることができる。
【0032】
CPU32は、S40において、通知画面SC3を表示部14に表示させる。通知画面SC3は、登録済みプリンタがオフラインであることを示すメッセージと、未登録プリンタに印刷を実行させるのか否かをユーザに問い合わせるメッセージと、YESボタンと、NOボタンと、を含む。ユーザは、通知画面SC3を見ることによって、未登録プリンタに印刷を実行させるべきことを知ることができる。
【0033】
CPU32は、S42において、通知画面SC2内又は通知画面SC3内のYESボタンが選択されたのか、NOボタンが選択されたのか、を判断する。CPU32は、YESボタンが選択される場合(S42でYES)にS70に進み、NOボタンが選択される場合(S42でNO)にS50に進む。
【0034】
CPU32は、S50において、通信I/F16を介して、印刷対象の画像を表わす印刷データを対象プリンタに送信する。具体的には、CPU32は、印刷対象の画像を変換して対象プリンタが解釈可能なデータ形式を有する印刷データを生成し、当該印刷データを対象プリンタに送信する。この結果、対象プリンタによって印刷対象の画像が印刷される。
【0035】
CPU32は、S60において、通信I/F16を介して、印刷データをS14で特定された登録済みプリンタに送信する。この結果、当該登録済みプリンタによって印刷対象の画像が印刷される。
【0036】
CPU32は、S70において、通信I/F16を介して、印刷データを未登録プリンタに送信する。この結果、当該未登録プリンタによって印刷対象の画像が印刷される。
【0037】
(ケースA;
図3)
続いて、
図2の処理によって実現される具体的なケースを説明する。まず、
図3を参照して、ケースAを説明する。ケースAの初期状態では、端末10は、プリンタ100A~100Cのそれぞれのステータス情報を記憶している。
【0038】
なお、以下では、各デバイス(例えば端末10、プリンタ100A)のCPU(例えば32,132A)が実行する処理について、理解の容易化の観点から、CPUを主体として記載せずに、各デバイスを処理の主体として記載する。また、端末10のCPU32によって実行される処理のうち、CPU32がアプリ38を実行することによって実現される処理を説明する際に、端末10を処理の主体として記載せずに、アプリ38を処理の主体として記載する。また、アプリ38は、OS36を介して、CPU32、メモリ34、表示部14、通信I/F16等へアクセスして各種処理を実行するが、これらの各種処理を説明する際には、OS36を介していることは省略して説明する。また、各デバイス間の通信は、通信I/F(例えば16,116A)を介して実行される。従って、以下の説明では、通信に関する説明をする際に、「通信I/Fを介して」という記載を省略する。
【0039】
端末10は、T10において、ユーザから、アプリ38を起動するためのアプリ起動操作を受け付ける。アプリ起動操作は、例えば、アプリ38のアイコンをタップする操作である。この場合、アプリ38は、T12において、トップ画面SC0を表示する。トップ画面SC0は、デフォルトのプリンタ100AのプリンタID「AAA」と、当該プリンタ100Aのステータス情報(即ち、「オンライン」、残枚数「10」、インク残量RA)と、印刷ボタンと、設定ボタンと、を含む。ここで、デフォルトのプリンタは、ユーザによって予め指定されているプリンタである。
【0040】
アプリ38は、T14において、トップ画面SC0内の印刷ボタンの選択を受け付ける。この場合、図示省略しているが、アプリ38は、印刷対象の画像を選択させるための画面を表示し、ユーザから、印刷対象の画像の選択を受け付ける。アプリ38は、ユーザから印刷対象の画像の選択を受け付けると、T16において、印刷プレビュー画面SC10を表示する。印刷プレビュー画面SC10は、印刷対象の画像を示すプレビュー画像と、印刷部数を選択するための部数選択欄と、印刷ボタンと、を含む。本ケースでは、印刷対象の画像は、2ページ分の画像である。印刷対象の画像は、文字「X」を含む1ページ目の画像と、文字「Y」を含む2ページ目の画像と、を含む。
【0041】
アプリ38は、T20において、ユーザから、部数「1」が指定されている状態において、印刷プレビュー画面SC10内の印刷ボタンの選択を受け付ける(
図2のトリガ)。ケースAでは、デフォルトのプリンタ100Aがオンラインであり(S10でYES)、かつ、残枚数「10」が総印刷枚数「2(=2(ページ)×1(部))」以上である(S12でYES)。このため、アプリ38は、T22において、印刷データをプリンタ100Aに送信する。
【0042】
プリンタ100Aは、T22において、端末10から印刷データを受信すると、T24において、受信済みの印刷データに従って印刷を実行する。このように、アプリ38は、デフォルトのプリンタ100Aにおいて定額の範囲内で印刷が完了する場合には、デフォルトのプリンタ100Aに印刷させる。このために、ユーザは、追加料金を支払う必要がない。
【0043】
(ケースB;
図4)
続いて、
図4を参照して、ケースBを説明する。
図4の初期状態は、
図3の初期状態と同様である。また、T110~T116の処理は、それぞれ、
図3のT10~T16の処理と同様である。
【0044】
アプリ38は、T120において、ユーザから、部数「10」の選択を受け付けた後に、印刷プレビュー画面SC10内の印刷ボタンの選択を受け付ける(
図2のトリガ)。ケースBでは、デフォルトのプリンタ100Aがオンラインであり(S10でYES)、かつ、残枚数「10」が総印刷枚数「20(=2(ページ)×10(部))」未満である(S12でNO)。この場合、アプリ38は、代替の登録済みプリンタであるプリンタ100Bを特定し(S14でYES)、かつ、プリンタ100Bの残枚数「100」が総印刷枚数「20」以上であると判断する(S16でYES)。このため、アプリ38は、T122において、通知画面SC1を表示する(S20)。
【0045】
アプリ38は、T124において、通知画面SC1内のOKボタンの選択を受け付ける(S22でYES)と、T126において、印刷データをプリンタ100Bに送信する(S60)。
【0046】
プリンタ100Bは、T126において、端末10から印刷データを受信すると、T128において、印刷対象の画像を印刷する。このように、アプリ38は、デフォルトのプリンタ100Aにおいて定額の範囲内で印刷対象の画像の印刷が完了しない場合に、代替の登録済みプリンタ100Bに印刷させる。このために、ユーザは、追加料金を支払う必要がない。
【0047】
(ケースC;
図5)
続いて、
図5を参照して、ケースCを説明する。
図5の初期状態では、例えば、プリンタ100BがLAN4に接続されていないことに起因して、プリンタ100Bのステータス情報が記憶されていない。T210~T216の処理は、それぞれ、
図3のT10~T16の処理と同様である。また、T220の処理は、
図4のT120の処理と同様である。
【0048】
ケースCでは、デフォルトのプリンタ100Aがオンラインであり(S10でYES)、かつ、残枚数「10」が総印刷枚数「20(=2(ページ)×10(部))」未満である(S12でNO)。アプリ38は、代替の登録済みプリンタを特定できないので(S14でNO)、T222において、通知画面SC2を表示する(S30)。
【0049】
アプリ38は、T224において、通知画面SC2内のOKボタンの選択を受け付ける(S42でYES)と、T226において、印刷データを未登録プリンタであるプリンタ100Cに送信する(S60)。
【0050】
プリンタ100Cは、T226において、端末10から印刷データを受信すると、T228において、印刷対象の画像を印刷する。このように、アプリ38は、デフォルトのプリンタ100Aにおいて定額の範囲内で印刷対象の画像の印刷が完了せず、かつ、代替の登録済みプリンタが存在しない場合に、未登録プリンタであるプリンタ100Cに印刷させる。このために、ユーザは、追加料金を支払う必要がない。
【0051】
(ケースD;
図6)
続いて、
図6を参照して、ケースDを説明する。
図6の初期状態では、プリンタ100Bのステータス情報に含まれる残枚数が「15」である。T310~T316の処理は、それぞれ、
図3のT10~T16の処理と同様である。また、T320の処理は、
図4のT120の処理と同様である。
【0052】
ケースDでは、デフォルトのプリンタ100Aがオンラインであり(S10でYES)、かつ、残枚数「10」が総印刷枚数「20(=2(ページ)×10(部))」未満である(S12でNO)。アプリ38は、代替の登録済みプリンタであるプリンタ100Bを特定し(S14でYES)、かつ、プリンタ100Bの残枚数「15」が総印刷枚数「20」未満であると判断する(S16でNO)。この場合、アプリ38は、T322において、通知画面SC2を表示する(S20)。
【0053】
アプリ38は、T324において、通知画面SC2内のOKボタンの選択を受け付ける(S42でYES)と、T326において、印刷データを未登録プリンタであるプリンタ100Cに送信する(S70)。
【0054】
プリンタ100Cは、T326において、端末10から印刷データを受信すると、T328において、印刷対象の画像を印刷する。このように、アプリ38は、デフォルトのプリンタ100Aにおいて定額の範囲内で印刷対象の画像の印刷が完了せず、かつ、代替の登録済みプリンタにおいても定額の範囲内で印刷対象の画像の印刷が完了しない場合に、未登録プリンタであるプリンタ100Cに印刷させる。このために、ユーザは、追加料金を支払う必要がない。
【0055】
(ケースE;
図7)
続いて、
図7を参照して、ケースEを説明する。
図7の初期状態では、各プリンタ100A,100Bとサーバ200との通信状況を示す情報が「オフライン」である。T410~T420の処理は、それぞれ、
図3のT10~T20の処理と同様である。
【0056】
ケースEでは、登録済みプリンタ100A,100Bがオフラインであるので(S10でNO)、アプリ38は、T422において、通知画面SC3を表示する(S70)。
【0057】
アプリ38は、T424において、通知画面S3内のOKボタンの選択を受け付ける(S42でYES)と、T426において、印刷データを未登録プリンタであるプリンタ100Cに送信する(S70)。このように、アプリ38は、登録済みプリンタ100A,100Bがオフラインである場合に、未登録プリンタであるプリンタ100Cに印刷させる。登録済みプリンタがオフラインである状況では、定額制の印刷サービスの提供を受けることができない可能性がある。例えば、登録済みプリンタがオフラインである状況では、登録済みプリンタにおける印刷が制限されたり(例えば少ない枚数の印刷媒体のみに印刷が許容される)、印刷が禁止されたりする可能性がある。本ケースでは、登録済みプリンタがオフラインである状況では、未登録プリンタに印刷を実行させるので、印刷が適切に実行されないという事象を抑制することができる。
【0058】
(対応関係)
端末10が、「端末装置」の一例である。プリンタ100A、プリンタ100C、プリンタ100Bが、それぞれ、「第1の印刷装置」、「第2の印刷装置」、「第3の印刷装置」の一例である。サーバ200が、「サーバ」の一例である。通知画面SC2(及び通知画面SC3)が、「第1の問合画面」の一例である。通知画面SC1が、「第2の問合画面」の一例である。定額制の印刷サービスが、「所定サービス」の一例である。印刷媒体が、「消耗品」の一例である。対象プリンタの残枚数が総印刷枚数以下であること、又は、対象プリンタがオンラインであることが、「所定条件を満たす」ことの一例である。残枚数、総印刷枚数が、それぞれ、「第1(及び第2)の差分」、「第1(及び第2)の閾値」の一例である。
【0059】
図3のT20の処理が、「受付部」によって実行される処理の一例である。
図2のS50の処理、S70の処理、S60の処理が、それぞれ、「第1の印刷制御部」、「第2の印刷制御部」、「第3の印刷制御部」によって実行される処理の一例である。
図2のS30の処理(及びS40の処理)が、「第1の表示制御部」によって実行される処理の一例である。
図2のS20の処理が、「第2の表示制御部」によって実行される処理の一例である。
【0060】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0061】
(変形例1)上記で説明した技術は、定額制の印刷サービスとは異なるサービスに対しても適用可能である。例えば、定額制の印刷サービスに代えて、プリペイド型の印刷サービスが採用されてもよい。プリペイド型のサービスでは、ユーザは、プリンタの使用前に、所定料金を予め支払う。ユーザは、プリンタを利用して、支払い済みの所定料金に応じた所定枚数の印刷媒体への印刷を実行することができる。印刷枚数が所定枚数を超過すると、超過分の枚数に応じた追加料金が課金される。本変形例では、プリペイド型のサービスが、「所定サービス」の一例である。また、別の変形例では、印刷媒体の枚数に応じた課金サービス(即ち定額制の印刷サービス、プリペイド型のサービス等)に代えて、色材(例えばインク)の使用量に応じた課金サービスが採用されてもよい。本変形例では、色材が「消耗品」の一例である。また、別の変形例では、「所定サービス」は、ユーザに料金を課金するサービスでなくてもよく、例えば、サーバ200においてプリンタ(例えばプリンタ100A)での印刷の履歴等を管理する印刷管理サービスであってもよい。一般的に言うと、「所定サービス」は、印刷に関連するサービスであればよい。
【0062】
(変形例3)アプリ38は、S10の処理を省略可能である。即ち、アプリ38は、
図2のS14において、LAN4内の他の登録済みプリンタが存在すると判断する場合に、当該他の登録済みプリンタの残枚数が閾値以上であるのか否かに関わらず、当該他の登録済みプリンタに印刷データを送信してもよい。
【0063】
(変形例4)アプリ38は、
図2のS30~S42の処理を省略可能である。例えば、アプリ38は、LAN4内に代替の登録済みプリンタがない場合(S14でNO)、又は、代替の登録済みプリンタの残枚数が総印刷枚数未満である場合(S16でNO)に、通知画面SC2を表示することなく、印刷データを未登録プリンタに送信してもよい(S70)。また、例えば、アプリ38は、対象プリンタがオフラインである(S10でNO)場合に、通知画面SC3を表示することなく、印刷データを未登録プリンタに送信してもよい(S70)。一般的に言うと、「第1の表示制御部」を省略可能である。
【0064】
(変形例5)アプリ38は、対象プリンタの残枚数が総印刷枚数未満である場合(S12でNO)に、S14及びS16の処理を省略してもよい。この場合、アプリ38は、LAN4内に存在するプリンタのうち対象プリンタとは異なる1個のプリンタに印刷データを送信してもよい。また、この場合、アプリ38は、LAN4内に存在するプリンタのうち対象プリンタとは異なるプリンタの一覧を示す画面を表示してもよい。そして、アプリ38は、当該画面において、ユーザから、1個のプリンタの選択を受け付ける場合に、当該1個のプリンタに印刷データを送信してもよい。
【0065】
(変形例6)アプリ38は、LAN4を利用することに代えて、例えば、BluetoothI/Fを介して、Bluetooth規格に従った信号を利用して、各プリンタ100A~100Cからステータス情報を受信してもよい。
【0066】
(変形例7)アプリ38は、代替の登録済みプリンタの残枚数が総印刷枚数以下である場合(S16でYES)に、通知画面SC1を表示することなく、当該代替の登録済みプリンタに印刷データを送信してもよい(S60)。一般的に言うと、「第2の表示制御部」を省略可能である。
【0067】
(変形例8)アプリ38は、S16の処理を省略可能である。即ち、アプリ38は、LAN4内に代替の登録済みプリンタが存在する場合(S14でYES)に、当該代替の登録済みプリンタの残枚数が総印刷枚数以上であるのか否かに関わらず、当該代替の登録済みプリンタに印刷データを送信してもよい。
【0068】
(変形例9)アプリ38は、対象プリンタがオフラインである場合(
図2のS10でNO)に、S14の処理を実行してもよい。
【0069】
(変形例10)上記の実施例では、
図2~
図7の各ステップの処理がソフトウェア(例えば、OS36、アプリ38、プログラム136)によって実現されるが、これらの各処理の少なくとも一つが、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0070】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0071】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
印刷に関する所定サービスの登録が完了している第1の印刷装置に印刷を実行させるための印刷指示をユーザから受け付ける受付部と、
前記第1の印刷装置が前記所定サービスに関する所定条件を満たす状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第1の印刷装置に実行させる第1の印刷制御部と、
前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を第2の印刷装置に実行させる第2の印刷制御部であって、前記第2の印刷装置は、前記所定サービスの登録が完了していない印刷装置である、前記第2の印刷制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目2)
前記所定サービスは、所定量以下の消耗品を使用した印刷を所定額で許容するサービスであり、
前記第1の印刷装置における前記消耗品の現在の使用量と前記所定量との差分である第1の差分が第1の閾値以上である場合に、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たし、
前記第1の差分が前記第1の閾値未満である場合に、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
(項目3)
前記第1の印刷装置と前記所定サービスに関するサーバとの間で通信可能である場合に、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たし、
前記第1の印刷装置と前記サーバとの間で通信不可能である場合に、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない、項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、第1の問合画面を前記端末装置の表示部に表示させる第1の表示制御部であって、前記第1の問合画面は、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させるのかを前記ユーザに問い合わせるための画面である、前記第1の表示制御部として機能させ、
前記第2の印刷制御部は、
前記第1の問合画面において、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させるべきことが前記ユーザによって選択される場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させ、
前記第1の問合画面において、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させるべきでないことが前記ユーザによって選択される場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させない、項目1から3のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられ、かつ、前記第1の印刷装置とは異なる第3の印刷装置であって、前記所定サービスの登録が完了している前記第3の印刷装置が前記端末装置の周囲に存在する場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させる第3の印刷制御部として機能させ、
前記第2の印刷制御部は、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられ、かつ、前記第3の印刷装置が前記端末装置の周囲に存在しない場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させる、項目1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられ、かつ、前記第3の印刷装置が前記端末装置の周囲に存在する場合に、第2の問合画面を前記端末装置の表示部に表示させる第2の表示制御部であって、前記第2の問合画面は、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させるのかを前記ユーザに問い合わせるための画面である、前記第2の表示制御部として機能させ、
前記第3の印刷制御部は、
前記第2の問合画面において、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させるべきことが前記ユーザによって選択される場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させ、
前記第2の問合画面において、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させるべきでないことが前記ユーザによって選択される場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させない、項目5に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
前記第3の印刷制御部は、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられ、かつ、前記第3の印刷装置が前記端末装置の周囲に存在し、かつ、前記第3の印刷装置における消耗品の現在の使用量と所定量との差分である第2の差分が第2の閾値以上である場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第3の印刷装置に実行させ、
前記第2の印刷制御部は、前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられ、かつ、前記第3の印刷装置が前記端末装置の周囲に存在し、かつ、前記第2の差分が前記第2の閾値未満である場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第2の印刷装置に実行させる、項目5又は6に記載のコンピュータプログラム。
(項目8)
端末装置を制御するための方法であって、
印刷に関する所定サービスの登録が完了している第1の印刷装置に印刷を実行させるための印刷指示をユーザから受け付ける受付工程と、
前記第1の印刷装置が前記所定サービスに関する所定条件を満たす状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第1の印刷装置に実行させる第1の印刷制御工程と、
前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を第2の印刷装置に実行させる第2の印刷制御工程であって、前記第2の印刷装置は、前記所定サービスの登録が完了していない印刷装置である、前記第2の印刷制御工程と、
を備える、方法。
(項目9)
端末装置であって、
印刷に関する所定サービスの登録が完了している第1の印刷装置に印刷を実行させるための印刷指示をユーザから受け付ける受付部と、
前記第1の印刷装置が前記所定サービスに関する所定条件を満たす状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を前記第1の印刷装置に実行させる第1の印刷制御部と、
前記第1の印刷装置が前記所定条件を満たさない状況において、前記印刷指示が受け付けられる場合に、前記印刷指示に従った印刷を第2の印刷装置に実行させる第2の印刷制御部であって、前記第2の印刷装置は、前記所定サービスの登録が完了していない印刷装置である、前記第2の印刷制御部と、
を備える、端末装置。
【符号の説明】
【0072】
2:通信システム、4:LAN、6:インターネット、10:端末、12,112A:操作部、14,114A:表示部、16,116A:通信I/F、30,130A:制御部、32、132A:CPU、34,134A:メモリ、36:OSプログラム、38:アプリケーションプログラム、100A~100C:プリンタ、120A:印刷実行部、136A:プログラム、200:サーバ