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  • 特開-スカート 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094069
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】スカート
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/12 20060101AFI20240702BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
A41D13/12 136
A61F13/47 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210800
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000206473
【氏名又は名称】大倉工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304028346
【氏名又は名称】国立大学法人 香川大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】大西 有樹
(72)【発明者】
【氏名】村上 陽咲子
(72)【発明者】
【氏名】安藤 銘
(72)【発明者】
【氏名】小原 英幹
(72)【発明者】
【氏名】西山 典子
【テーマコード(参考)】
3B011
3B200
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AA05
3B011AB09
3B200AA09
3B211AA05
3B211AB09
(57)【要約】
【課題】着用容易で、かつ着用者の移動時に排泄物等が周囲に飛散することを防止するスカートを実現する。
【解決手段】スカート(1)は、検査または介護の際に一時的に着用されるものであって、腹部(91)側を覆う前側部(2)と、臀部(92)側を覆う後側部(3)と、を少なくとも含み、後側部(3)には、股間を覆う形状の舌状部(4)が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査または介護の際に一時的に着用されるスカートであって、
腹部側を覆う前側部と、
臀部側を覆う後側部と、を少なくとも含み、
前記後側部には、股間を覆う形状の舌状部が設けられていることを特徴とするスカート。
【請求項2】
前記舌状部の形状が、山型であることを特徴とする、請求項1に記載のスカート。
【請求項3】
前記後側部には、前記スカートの外側から検査器具を挿入するための穴が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のスカート。
【請求項4】
前記スカートの内側に吸水シートが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のスカート。
【請求項5】
前記後側部には、前記スカートの外側から検査器具を挿入するための穴が形成されているとともに、
前記後側部の内側において、前記穴に対して左側となる第1部位、および前記穴に対して右側となる第2部位のそれぞれに、吸水シートが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のスカート。
【請求項6】
前記第1部位に設けられる吸水シートが、前記第2部位に設けられる吸水シートよりも大きいことを特徴とする、請求項5に記載のスカート。
【請求項7】
前記舌状部を前記前側部に貼付する第1貼付手段と、
前記スカートにおける右下端部を左下端部に貼付する第2貼付手段と、を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のスカート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスカートに関する。
【背景技術】
【0002】
大腸内視鏡検査は、肛門からスコープ管を挿入して大腸内部の状況を調べる検査であり、大腸内に排泄物があると正確な状況を調べることができないため、前処理として患者が下剤または腸管洗浄剤を服用して大腸内の排泄物を出してから行う。
【0003】
この大腸内視鏡検査では、大腸内の状況の把握が容易になるように、またスコープ管をスムーズに動かすことができるように若干の空気または洗浄水を送りながら行われる。
【0004】
ここで、前処理が不十分な患者、下血等で緊急を要する患者の場合には、大腸内に排泄物が残置されていることがあるので、検査中に大腸内に送り込まれる空気等と一緒に大腸内の排泄物、血液、ガス等(以下、排泄物等と称する)が勢いよく体外に漏出することがある。
【0005】
また、大腸内視鏡検査前の前処理後から検査時まで(例えば検査前日から移動中を含む)に排泄物等が体外に漏出することもある。排泄物等が患者の身体と検査用パンツとの間の空間に流出すると患者にとって不快を感じる。大腸内視鏡検査前では着衣または移動中の車内の周囲環境汚染が問題であった。
【0006】
一方、大腸内視鏡検査中では、検査用パンツのスリットから検査台の上に流出・飛散した排泄物等が臀部周囲のみならずパンツに覆われていない背中にまで付着することがあり、不快感を訴える患者も多い。また、大腸内視鏡検査中では排泄物等が検査台、検査周辺機器、および医師・看護師にまで付着することもあり周囲環境汚染が問題であった。
【0007】
一般に、大腸内視鏡検査に際して、検査用着衣として、患者は不織布タイプの吸収性のない素材で構成されたトランクス型のパンツを着用する。このパンツには、肛門に対応する箇所に大腸内視鏡のスコープ管を挿入するため、例えば20~40cm程度の大きさのスリット(切れ込み)が形成されている。このため、スリットから排泄物等がパンツの外部に飛散することがあり、周囲環境汚染問題を考慮した検査用着衣が求められており、たとえば特許文献1や特許文献2に開示されたものが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014-237913号公報
【特許文献2】実開平1-102109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示の大腸内視鏡検査用パンツでは検査中には周囲環境汚染の問題がないものの、検査前の前処理時に排泄物等が体外に漏出することもあった。このため、検査当日の病院への移動時に排泄物等が体外に排出されてもズボンや車等を汚すなどの問題があった。
【0010】
また、特許文献2には検査用着衣として病人用の保護衣が開示されており、検査時には着脱が容易、かつ検査の処置を円滑に行わせることができるが、前処理時から検査時までの間の排泄物等の漏出まで意識した検査用着衣は存在しなかった。
【0011】
本発明の一態様は、着用容易で、かつ着用者の移動時に排泄物等が周囲に飛散することを防止するスカートを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るスカートは、検査または介護の際に一時的に着用されるスカートであって、腹部側を覆う前側部と、臀部側を覆う後側部と、を少なくとも含み、前記後側部には、股間を覆う形状の舌状部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、着用容易で、かつ着用者の移動時に排泄物等が周囲に飛散することを防止するスカートを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るスカートの全体構成を示す図である。
図2図1に示すスカートの着用手順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図1および2を参照して詳細に説明する。
【0016】
<スカートの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係るスカート1の全体構成を示す図である。図1(a)は、スカート1の正面図である。図1(b)は、スカート1の左側面図である。図1(c)は、スカート1の背面図である。
【0017】
スカート1は、検査または介護の際に性別関係なく一時的に着用されるものである。たとえば、スカート1は大腸内視鏡検査において着用されるものであり、着色されている。これにより、大腸内視鏡検査において着用者9の下腹部をスカート1により覆い隠すことができる。
【0018】
スカート1は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)製の黒色に着色されたスパンボンド不織布である。スカート1の上端部11の幅W1は約350mmであり、下端部12の幅W2は約700mmである。スカート1の上端部11と下端部12との間の寸法L1は約400mmである。スカート1の目付量は、スカート1が透視できない程度が好ましく、例えば50g/mである。
【0019】
図1に示すように、スカート1は、着用者9の腹部91側(図2参照)を覆う前側部2と、臀部92側(図2参照)を覆う後側部3と、を少なくとも含む。なお、本明細書において、前側部2を着用者9の腹部91に当て、後側部3を臀部92に当てるようにスカート1を着用した際における、着用者9の上半身側を上側と定義し、着用者9の下半身側を下側と定義し、着用者9の左半身側を左側と定義し、着用者9の右半身側を右側と定義する。
【0020】
<後側部の構成>
図1(c)に示すように、後側部3の下側には、山型の舌状部4が設けられている。この舌状部4を、後述する一対の第1貼付手段7(マジックテープ(登録商標)7A・7B)を用いて前側部2に貼り合せることで、着用者9の股間を覆っている状態を維持できる。なお、舌状部4の形状は、山型に限定されるものではなく、着用者9の股間の少なくとも一部を覆う形状であれば、例えば帯状であってもよい。舌状部4は、底面部41と頂上部42とを有し、底面部41と頂上部42とにおける上下方向の寸法L3は約200mmである。
【0021】
後側部3には、スカート1の外側からスコープ管などの検査器具を挿入するための穴31が形成されている。これにより、後側部3が臀部92側を覆った状態において穴31から検査器具を挿入することができる。本実施形態では穴31はスリット状である。これにより、大腸内視鏡検査時に肛門の位置を視認することができる。穴31の上下方向における寸法L2は、約150mmである。
【0022】
穴31は、後側部3において、スカート1の上端部11および下端部12の略中央を結ぶ軸線Z上に形成されている。このため、着用者9がスカート1を着用したときに、穴31は着用者9の左半身および右半身の間の股間(仙骨近傍)に位置するように構成される。
【0023】
<第1吸水シートおよび第2吸水シートの構成>
図1に示すように、スカート1の内側には、第1吸水シート5および第2吸水シート6が設けられている。これにより、体外に漏出した排泄物等を確実に捕捉できる。
【0024】
なお、本明細書において第1吸水シート5および第2吸水シート6を総称して吸水シートと称することもある。吸水シートは、吸水材を表面材と背面材と結合材とにより被覆した構成である。表面材はポリオレフィン系不織布であり、背面材はポリエチレンフィルムであり、結合材はホットメルトである。吸水材は、線状パルプ、吸水紙、高分子吸収剤で構成されている。
【0025】
第1吸水シート5は、後側部3の内側において穴31に対して左側(着用者9の左半身側)となる第1部位32に設けられ、第2吸水シート6は、後側部3の内側において穴31に対して右側(着用者9の右半身側)となる第2部位33に設けられている。これにより、排泄物等が股間から体外に漏出したときに、穴31に対して左右両方向に漏出した排泄物等がスカートの外部に漏出することを防止できる。また、単一の吸水シートを穴31が形成されるように分割する必要がなく、第1吸水シート5および第2吸水シート6の吸水材が吸水シートの外部に漏れることを防止できる。
【0026】
本実施形態では、第1吸水シート5は、穴31に対して第2吸水シート6に近接するように設けられている。また、吸水シートは、穴31よりも下側まで配置されている。これにより、穴31近傍に付着した排泄物等を吸水シートにより捕捉することができる。
【0027】
なお、吸水シートはスカート1の内側の全面に設けられていてもよい。これにより、体外に漏出した排泄物等をより確実に捕捉できる。特に、スカート1が介護の際に使用される場合には、スカート1に穴31が形成されていない状態が好ましいため、吸水シートはスカート1の内側の全面に設けられていることが想定される。
【0028】
ここで、大腸内視鏡検査における一般的な体位は、仰向けの状態で足上または足組、または左側臥位である。図1(c)に示すように、後方向から視て、第1吸水シート5は第2吸水シート6よりも大きい。これにより、左側臥位で大腸内視鏡検査を行った場合であっても、第1吸水シート5が排泄物等を捕捉する可能性を上げることができる。
【0029】
図1(a)に示すように、第1吸水シート5は前側部2における左側にも設けられている。このため、舌状部4が右側となるように着用者9がスカート1を着用した場合であっても、第1吸水シート5はスカート1の内側において着用者9の肛門と対向する位置にも設けられている。これにより、肛門から体外に漏出した排泄物等を第1吸水シート5により捕捉することができる。さらに、この場合、着用者9の右半身側に穴31が位置しているため、排泄物等が穴31から漏出することを防止できる。
【0030】
<第1貼付手段および第2貼付手段の構成>
さらに、スカート1は、第1貼付手段7と、第2貼付手段8と、を備えている。第1貼付手段7は、舌状部4を前側部2に貼付するものであり、一対のマジックテープ7A・7Bにより構成される。マジックテープ7Aは、軸線Z上において前側部2における略中央に設けられており、マジックテープ7Bは軸線Z上において舌状部4の頂上部42に設けられている。これにより、着用者9が舌状部4を把持してマジックテープ7Bをマジックテープ7Aに貼付すれば、簡易に舌状部4により股間を覆うことができる。
【0031】
第2貼付手段8は、スカート1における右下端部を左下端部に貼付するものであり、一対のマジックテープ8A・8Bにより構成される。マジックテープ8Aは、前側部2の内側における右下端部に設けられており、マジックテープ8Bは後側部3の内側における左下端部に設けられている。
【0032】
マジックテープ7A・7B・8A・8Bとしては、左右方向の寸法が約20mmで、上下方向の寸法が約40mmのものを用いればよい。なお、第1貼付手段7および第2貼付手段8はマジックテープに限られず、ボタンまたはファスナーであってもよい。また、第2貼付手段8は、スカート1における左下端部を右下端部に貼付するものであってもよい。
【0033】
<スカートの着用手順>
図2は、図1に示すスカート1の着用手順を説明する図である。図2(a)は、舌状部4が着用者9の右半身側に位置している状態を示す図である。図2(b)および(c)は舌状部4が着用者9の臀部92側に位置している状態を示す図である。図2(d)~(f)は、舌状部4が着用者9の股間を覆っている状態を示す図である。
【0034】
図2(a)に示すように、舌状部4および穴31(図1参照)は着用者9の右半身側に位置しているため、例えば大腸内視鏡検査前における車移動の際に肛門から排泄物等が体外に漏出した場合であっても、穴31から排泄物等が漏出することを防止できる。このため、着用者9は車移動の際に車が汚れない、およびズボン等の着衣が汚れないという安心感を得ることができる。
【0035】
また、スカート1は、一対のマジックテープ8A・8Bを互いに貼り合せることにより、パンツとしても機能している。これにより、着用者9がスカート1の外側にズボン等(不図示)を履いても、舌状部4がめくれるなどが防止され、スカート1の上から自然に衣類を着用できる。
【0036】
次に、検査開始前に着用者9は一対のマジックテープ8A・8Bを離して、スカート1を時計回り方向Xに回す。すると、図2(b)に示すように、舌状部4が臀部92側に位置する。そして、図2(c)に示す状態において、着用者9はスカート1の内部に履いているパンツを脱ぐ。このような状態においては、スカート1はズボンとして機能していないため、パンツを容易に脱ぐことができる。さらに、スカート1により着用者9の下半身が覆われているため、パンツを脱ぐ際の恥ずかしさを低減できる。なお、着用者9がパンツを脱ぐタイミングは図2(a)または(b)の段階であってもよく、着用者9がパンツをあらかじめ履かずにスカート1のみ着用していてもよい。
【0037】
そして、舌状部4が股間を覆うように方向Yに移動させてマジックテープ7Bをマジックテープ7A(図1参照)に貼付することにより、舌状部4を前側部2に貼付する。すると、図2(d)~(f)に示すように、スカート1がパンツとして機能する。これにより、舌状部4が股間を覆っている状態を維持できるため、大腸内視鏡検査前に排泄物等が周囲に飛散することを直前まで防止することができ、さらには大腸内視鏡検査時における恥ずかしさを低減できる。
【0038】
なお、スカート1が介護の際に使用される場合には、図2(a)の着用をせずに図2(b)において、前側部2と後側部3とにより形成される空間から着用者9の両足を挿入してスカート1が着用されてもよい。これにより、介護の負担を軽減でき、介護が必要な方に対しても着用が容易となる。
【0039】
<まとめ>
本発明の態様1に係るスカート1は、検査または介護の際に一時的に着用されるスカート1であって、腹部91側を覆う前側部2と、臀部92側を覆う後側部3と、を少なくとも含み、後側部3には、股間を覆う形状の舌状部4が設けられている。
【0040】
上記の構成によれば、着用者9は、前側部2と後側部3とにより形成される空間から着用者9両足をスカート1に挿入することができるため、着用が容易である。また、スカート1を着用した着用者9の移動時に、舌状部4が着用者9の股間を覆うことができる。つまり、本発明の態様1に係るスカート1によれば、着用容易で、かつ着用者9の移動時に排泄物等が周囲に飛散することを防止することができる。
【0041】
本発明の態様2に係るスカート1は、上記態様1において、舌状部4の形状が、山型である。上記の構成によれば、着用者9の股間を覆うことができる。
【0042】
本発明の態様3に係るスカート1は、上記態様1において、後側部3には、スカート1の外側から検査器具を挿入するための穴31が形成されている。上記の構成によれば、スカート1が腹部91側および臀部92側を覆った状態で穴31から検査器具を挿入することができる。
【0043】
本発明の態様4に係るスカート1は、上記態様1において、スカート1の内側に吸水シート(5、6)が設けられている。上記の構成によれば、体外に漏出した排泄物等を確実に捕捉できる。
【0044】
本発明の態様5に係るスカート1は、上記態様1において、後側部3には、スカート1の外側から検査器具を挿入するための穴31が形成されているとともに、後側部3の内側において、穴31に対して左側となる第1部位32、および穴31に対して右側となる第2部位33のそれぞれに、吸水シート(5、6)が設けられている。
【0045】
上記の構成によれば、排泄物等が股間から体外に漏出したときに、穴31に対して左右両方向に漏出した排泄物等がスカートの外部に漏出することを防止できる。また、単一の吸水シートを穴31が形成されるように分割する必要がなく、吸水シートの吸水材が吸水シートの外部に漏れることを防止できる。
【0046】
本発明の態様6に係るスカート1は、上記態様5において、第1部位32に設けられる第1吸水シート5が、第2部位33に設けられる第2吸水シート6よりも大きい。上記の構成によれば、左側臥位で大腸内視鏡検査を行った場合であっても、第1吸水シート5が排泄物等を捕捉する可能性を上げることができる。
【0047】
本発明の態様7に係るスカート1は、上記態様1において、舌状部4を前側部2に貼付する第1貼付手段(7A・7B)と、スカート1における右下端部を左下端部に貼付する第2貼付手段(8A・8B)と、を備えている。
【0048】
上記の構成によれば、例えば大腸内視鏡検査前においては、第2貼付手段(8A・8B)を互いに貼り合わせることによりスカート1をパンツとして機能させることができる。このため、着用者9がスカート1の外側にズボン等(不図示)を履いても、舌状部4がめくれるなどが防止され、スカート1の上から自然に衣類を着用できる。また、スカート1における右下端部が左下端部に貼付されている状態を解除して、舌状部4が臀部92側に位置するようにスカート1を回転させて第1貼付手段(7A・7B)を互いに貼り合わせることにより舌状部4が股間を覆っている状態を維持できる。このため、大腸内視鏡検査前に排泄物等が周囲に飛散することを直前まで防止することができ、さらには大腸内視鏡検査時における恥ずかしさを低減できる。
【0049】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0050】
たとえば、大腸内視鏡検査や介護のみならず、注腸バリウム検査(下部消化管造影検査)用にも使用することができる。また、大腸内視鏡検査時のスカートの穴の位置とは異なり、スカートの穴を着用者の腹部側に位置させることで泌尿器科・婦人科での検査用にも使用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 スカート、2 前側部、3 後側部、4 舌状部、5 第1吸水シート(吸水シート)、6 第2吸水シート(吸水シート)、7、7A、7B マジックテープ(第1貼付手段)、8、8A、8B マジックテープ(第2貼付手段)、9 着用者、11 上端部、12 下端部、31 穴、32 第1部位、33 第2部位、41 底面部、42 頂上部、91 腹部、92 臀部、W1 上端部の幅、W2 下端部の幅、L1 上端部と下端部との間の寸法、L2 穴の上下方向における寸法、L3 頂上部と底面部とにおける上下方向の寸法
図1
図2