(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094100
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20240702BHJP
【FI】
G06Q40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210852
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】520049282
【氏名又は名称】株式会社SMILELIFE project
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】藤原 未来
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB57
5L055BB57
(57)【要約】
【課題】独立系ファイナンシャルプランナーに好適な情報を提供する。
【解決手段】スタート時の金融資産の合計額に関する情報と、将来の所定のフェーズの各年に設定される積立額に関する情報と、所定のフェーズの各年に予想される特別支出の額に関する情報と、所定のフェーズの各年に設定される運用利回りに関する情報と、所定のフェーズの各年に設定されるキャッシュリザーブの額に関する情報と、を含むユーザ入力情報を取得する情報取得手段と、ユーザ入力情報に基づいて、所定のフェーズの各年について、金融資産の合計額と、所定のフェーズの残存期間の各年の特別支出の額の合計であるゴール資金の額と、運用に回すことが可能な長期資産の額と、を算出する算出手段と、キャッシュリザーブの額と、ゴール資金の額と、長期資金の額と、の各々の額についてグラフで出力させる出力制御手段とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタート時の金融資産の合計額に関する情報と、将来の所定のフェーズの各年に設定される積立額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年の予想される特別支出の額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定される運用利回りに関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定されるキャッシュリザーブの額に関する情報と、を含むユーザ入力情報を取得する情報取得手段と、
前記ユーザ入力情報に基づいて、前記所定のフェーズの各年について、金融資産の合計額と、前記所定のフェーズの残存期間の各年の前記特別支出の額の合計であるゴール資金の額と、運用に回すことが可能な長期資金の額と、を算出する算出手段と、
前記キャッシュリザーブの額と、前記ゴール資金の額と、前記長期資金の額と、の各々の額についてグラフで出力させる出力制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記グラフは、前記所定のフェーズの単年における各々の額の割合を表現する円グラフである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記グラフは、前記所定のフェーズの各年の推移を表現する折れ線グラフである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置を制御する情報処理方法であって、
スタート時の金融資産の合計額に関する情報と、将来の所定のフェーズの各年に設定される積立額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年の予想される特別支出の額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定される運用利回りに関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定されるキャッシュリザーブの額に関する情報と、を含むユーザ入力情報を取得するステップと、
前記ユーザ入力情報に基づいて、前記所定のフェーズの各年について、金融資産の合計額と、前記所定のフェーズの残存期間の各年の前記特別支出の額の合計であるゴール資金の額と、運用に回すことが可能な長期資金の額と、を算出するステップと、
前記キャッシュリザーブの額と、前記ゴール資金の額と、前記長期資金の額と、の各々の額についてグラフで出力させるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項5】
情報処理装置を制御するコンピュータに、
スタート時の金融資産の合計額に関する情報と、将来の所定のフェーズの各年に設定される積立額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年の予想される特別支出の額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定される運用利回りに関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定されるキャッシュリザーブの額に関する情報と、を含むユーザ入力情報を取得するステップと、
前記ユーザ入力情報に基づいて、前記所定のフェーズの各年について、金融資産の合計額と、前記所定のフェーズの残存期間の各年の前記特別支出の額の合計であるゴール資金の額と、運用に回すことが可能な長期資金の額と、を算出するステップと、
前記キャッシュリザーブの額と、前記ゴール資金の額と、前記長期資金の額と、の各々の額についてグラフで出力させるステップと、
を含んで実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、生涯で発生しうる事象が対象者の収支にどのように影響するかを可視化することができる情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の情報処理システムは、保険の担当者が、対象者に対して、可視化された生涯収支などのシミュレーションを基に保険設計を行う際に好適なものであり、保険会社から独立して業務を行うファイナンシャルプランナー(FP)が用いるには適していなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、独立系ファイナンシャルプランナーに好適な情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
スタート時の金融資産の合計額に関する情報と、将来の所定のフェーズの各年に設定される積立額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年の予想される特別支出の額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定される運用利回りに関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定されるキャッシュリザーブの額に関する情報と、を含むユーザ入力情報を取得する情報取得手段と、
前記ユーザ入力情報に基づいて、前記所定のフェーズの各年について、金融資産の合計額と、前記所定のフェーズの残存期間の各年の前記特別支出の額の合計であるゴール資金の額と、運用に回すことが可能な長期資金の額と、を算出する算出手段と、
前記キャッシュリザーブの額と、前記ゴール資金の額と、前記長期資金の額と、の各々の額についてグラフで出力させる出力制御手段と、
を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、独立系ファイナンシャルプランナーに好適な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システムの構成を示す概略図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】情報処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】(A)はスタート時のキャッシュリザーブ、ゴール資金、及び長期資金の各々の額の割合を表現する円グラフであり、(B)はスタート時のキャッシュリザーブ、ゴール資金、及び長期資金の各々の額を表示する表である。
【
図7】ユーザ入力情報及び算出結果の一覧表である。
【
図8】キャッシュリザーブ、ゴール資金、長期資金の各々の額、これらの合計額である金融資産の額の各年の推移を表現する折れ線グラフ、並びに、第1フェーズ及び第2フェーズの各々の最初の年及び最後の年における、キャッシュリザーブ、ゴール資金、及び長期資金の各々の額の割合を表現する円グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<概要>
本実施形態では、ファイナンシャルプランナー(FP)が利用し、クライアントの将来の収支予測を行うことができる情報処理装置について説明する。
本実施形態によれば、金融資産を適切な比率でキャッシュリザーブ、ゴール資金及び長期資金の3つの資金に分け、例えば10年毎にこれらの3つの資金を組み直すことにより、各クライアントに最適な資産運用を実現することを可能としている。
キャッシュリザーブとは、いざという時の緊急予備資金である。
ゴール資金とは、例えば10年毎に3つの資金を組み直す場合には、10年以内に使う資金(例えば、教育費、車購入費など)である。
長期資金とは、例えば10年毎に3つの資金を組み直す場合には、10年間使う予定のない資金であり、投資信託や株式、債券などへの長期投資が可能な資金である。
【0010】
<システム構成>
以下、図面を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1について詳細に説明する。
図1は、情報処理システム1の構成を示す概略を示す図である。本実施形態にかかる情報処理システム1は、処理を行う情報処理装置3とユーザが情報を入力するユーザ端末4とが、インターネット2の所定のネットワークを介して相互に接続されることで構成される。
【0011】
情報処理システム1は、インターネット2を利用したシステムである。この情報処理システム1は、具体的には、インターネット2と、情報処理装置3と、ユーザ端末4と、を備える。
【0012】
情報処理装置3は、運営業者又はその委託者によって管理されるサーバである。この情報処理装置3は、インターネット2に接続されており、ユーザ端末4との間で通信を行う。これにより、情報処理装置3は、ユーザ端末4へのデータの入力、及びユーザ端末4が出力したデータの受信が可能となる。
【0013】
ユーザ端末4は、ユーザが使用する端末であり、パソコン、タブレット等の一般的な通信端末である。このユーザ端末4は、インターネット2に接続されており、情報処理装置3との間で通信を行う。これにより、ユーザ端末4は、情報処理装置3へのデータの入力、及び情報処理装置3が出力したデータの受信が可能となる。
【0014】
<ハードウェア構成>
次に、
図2を用いて、情報処理装置3のハードウェア構成について説明する。
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置3は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0015】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上で必要なデータ等が適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0016】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ、プリンタ等で構成され、音声データ及びテキストデータ等の出力情報を出力する。出力部16が例えばプリンタ等であれば、出力情報を印刷することもできる。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置との間で相互に通信を行う。
【0017】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等によりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0018】
<機能構成>
次に、
図3を用いて、情報処理装置3の機能的構成について説明する。
図3は、情報処理装置3の機能的構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置3のCPU11においては、情報取得部31と、算出部32と、出力制御部33と、が機能する。
情報処理装置3の記憶部18の一領域には、取得情報DB41と、算出結果情報DB42と、が設けられている。
【0019】
情報取得部31は、ユーザ端末4からユーザ入力情報を取得する。この情報取得部31は、ユーザ端末4から取得したユーザ入力情報を取得情報DB41に入力する。
【0020】
ユーザ入力情報は、(例えば、第1フェーズの)スタート時の金融資産の合計額に関する情報と、将来の所定のフェーズの各年に設定される積立額に関する情報と、所定のフェーズの各年の予想される特別支出の額に関する情報と、所定のフェーズの各年に設定される運用利回りに関する情報と、所定のフェーズの各年に設定されるキャッシュリザーブの額に関する情報と、を含む。本実施形態においては、1つのフェーズを10年としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、異なる期間を1つのフェーズとしてもよい。また、本実施形態においては、資産運用の推移を1年単位で規定しているが、半年単位や2年単位で推移を示してもよい。
【0021】
算出部32は、取得情報DB41からユーザ入力情報を取得し、当該ユーザ入力情報に基づいて、所定のフェーズの各年について、金融資産の合計額と、所定のフェーズの残存期間の各年のゴール支出(特別支出)の額の合計額であるゴール資金の額と、運用に回すことが可能な長期資金の額と、を算出する。この算出部32は、算出結果の情報を算出結果情報DB42に入力する。
【0022】
金融資産の合計額は、「該当年の金融資産の合計額」から、「該当年に設定される積立額」を加算し、「該当年の予想される特別支出の額」を減算し、さらに、「該当年に設定される積立額」に「該当年に設定される運用利回り」を乗じた額を加算することで、翌年分が算出される。
【0023】
残存期間の各年の特別支出の額の合計であるゴール資金の額は、翌年以降の「各年の予想される特別支出の額」を積算することで算出される。
運用に回すことが可能な長期資金の額は、「該当年の金融資産の合計額」から、「該当年に設定されるキャッシュリザーブの額」を減算し、さらに、「該当年のゴール資金の額」を減算することで算出される。
【0024】
出力制御部33は、算出結果情報DB42から算出結果の情報を取得し、当該算出結果の情報に基づいて、ユーザ端末4に対し、キャッシュリザーブの額と、ゴール資金の額と、長期資金の額と、の各々の額についてグラフで出力させる。
グラフは、所定のフェーズの単年における各々の額の割合を表現する円グラフである。出力制御部33は、各年の資金の割合を円グラフにより示すことで、1つのフェーズ内における資金の割合の移り変わりを示すことができる。
また、グラフは、所定のフェーズの単年の各年の推移を表現する折れ線グラフである。
【0025】
取得情報DB41は、ユーザ端末4から情報取得部31が取得したユーザ入力情報を記憶する。ユーザ入力情報は、算出部32に利用される。
算出結果情報DB42は、算出部32が算出した算出結果の情報を記憶する。算出結果の情報は、出力制御部33に利用される。
【0026】
<処理内容>
図4は、本実施形態に係る情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4には、情報処理装置3の処理のうち、保有する金融資産をキャッシュリザーブ、ゴール資金及び長期資金に分類する流れがフローチャートにより示されている。
【0027】
ステップS1では、情報取得部31は、スタート時の金融資産の合計額に関する情報と、将来の所定のフェーズの各年に設定される積立額に関する情報と、所定のフェーズの各年の予想される特別支出の額に関する情報と、所定のフェーズの各年に設定される運用利回りに関する情報と、所定のフェーズの各年に設定されるキャッシュリザーブの額に関する情報と、をユーザ端末4から取得する。ここで取得した各情報は、取得情報DB41に記憶して管理される。
【0028】
ステップS2では、算出部32は、取得情報DB41から各情報を取得し、これらの情報に基づいて、所定のフェーズの各年について、金融資産の合計額と、所定のフェーズの残存期間の各年のゴール支出の額の合計額であるゴール資金の額と、運用に回すことが可能な長期資金の額と、を算出する。
具体的には、翌年分の金融資産の合計額は、「該当年の金融資産の合計額」に、「該当年に設定される積立額」を加算し、「該当年の予想される特別支出の額」を減算し、「該当年に設定される積立額」に「該当年に設定される運用利回り」を乗じた額を加算する。ゴール資金の額は、翌年以降の「各年の予想される特別支出の額」を積算する。長期資金の額は、「該当年の金融資産の合計額」から、「該当年に設定されるキャッシュリザーブの額」を減算し、「該当年のゴール資金の額」を減算する。これらの算出結果の情報は、算出結果情報DB42に記憶して管理される。
【0029】
ステップS3では、出力制御部33は、算出結果情報DB42から算出結果の情報を取得し、これらの情報に基づいて、キャッシュリザーブの額と、ゴール資金の額と、長期資金の額と、の各々の額についての円グラフ又は折れ線グラフをユーザ端末4に出力する。
【0030】
<具体例>
次に、
図5を用いて、ユーザ端末4の入力画面について説明する。
図5は、ユーザ端末4の入力画面を示す図である。
図5に示すユーザ端末4の入力画面は、ユーザ入力情報を入力する画面の一例である。この入力画面には、項目として、「基準年月」、「金融資産」、「キャッシュリザーブ」、「積立コミットメント」、「長期資金」、「万一の場合の対応」が表示されていると共に、各項目に対応して、適宜、テキストボックスやプルダウンメニュー等が配置されている。これにより、入力画面は、ユーザ入力情報の入力が可能となっている。以下、各項目について、具体的に説明する。
【0031】
「基準年月」は、本実施形態の金融資産の運用開始の年月を入力する。
「金融資産」は、本実施形態の金融資産の運用を行う世帯が保有する運用開始時の金融資産を入力する。保有資産の種別、金融機関/商品名、金額、対象者を入力することで、運用開始時の保有資産の合計を算出する。次いで、保有資産における各資産を、キャッシュリザーブ、ゴール資金又は長期資金のいずれに割り振るかを設定することで、運用開始時におけるキャッシュリザーブ、ゴール資金及び長期資金を算出する。
「キャッシュリザーブ」は、いざという時の緊急予備資金であることから、変動することは稀であるが、開始年からの期間によって変更することも可能である。また、このキャッシュリザーブの金額は、上記の金融資産の項の金額と連動させてもよい。
「積立コミットメント」は、通常時、世帯主死亡時、配偶者死亡時の設定があり、世帯主や配偶者が死亡した場合に備えた設定を行うことができる。
「長期資金」は、指定額及び利率を入力することで、フェーズ期間にわたる長期の資産運用を行った際の運用益を算出する。
「万一の場合の対応」は、世帯主又は配偶者がなくなった際の相続税や葬儀資金等の支出を予め算出する。
【0032】
また、入力画面には、前へボタン51と、次へボタン52と、確定ボタン53と、が配置されている。前へボタン51、次へボタン52、及び確定ボタン53は、それぞれ、カーソル(図示省略)が合わせられてからクリックされることで選択される。前へボタン51が選択されることで、当該入力画面の一つ前の入力画面(図示省略)に遷移する。次へボタン52が選択されることで、当該入力画面の一つ後の入力画面(図示省略)に遷移する。確定ボタン53が選択されることで、入力されたユーザ入力情報が確定し、送信確認画面(図示省略)に遷移する。
【0033】
次に、
図6を用いて、第1フェーズのスタート時のキャッシュリザーブ(CR)、ゴール資金及び長期資金の各々の額について説明する。
図6(A)は、スタート時のキャッシュリザーブ、ゴール資金、及び長期資金の各々の額の割合を表現する円グラフである。
図6(B)は、スタート時のキャッシュリザーブ、ゴール資金、及び長期資金の各々の額を表示する表である。
【0034】
図6(A)に示すように、スタート時において、キャッシュリザーブの額は100万円であり、ゴール資金の額は2,679万円であり、長期資金の額は721万円である。すなわち、スタート時において、金融資産の額は、これらの合計の額である3,500万円である。
【0035】
図6(B)に示すように、スタート時において、キャッシュリザーブの額は、プランが100万円、現状が100万円であり、その差額は0円である。また、スタート時において、ゴール資金の額は、プランが2,679万円、現状が2,300万円であり、その差額が379万円である。また、スタート時において、長期資金の額は、プランが721万円、現状が1,100万円であり、その差額-379万円である。すなわち、本実施形態によれば、長期資金の額を379万円減額し、ゴール資金を379万円増額することにより、最適な金融資産の運用が可能となる。
【0036】
次に、
図7を用いて、ユーザ入力情報及び算出結果の関係について説明する。
図7は、ユーザ入力情報及び算出結果の一覧表である。
【0037】
図7に示す一覧表は、第1フェーズの各年におけるユーザ入力情報及び算出結果の関係を示すマトリクス表である。この一覧表には、縦の項目として、「家族」、「収入」、「支出」、「年間収支」、「ゴール支出」、「積立コミットメント」、「金融資産(キャッシュリザーブ、ゴール資金、長期資金、金融資産、前年比、運用益、運用益累計、金融資産 運用なし、前年比)」等が表示される。この一覧表は、横方向に、第1フェーズにおける「経過年数」及び「年度」が展開される。
「家族」、「収入」、「支出」、「ゴール支出」、「積立コミットメント」、「キャッシュリザーブ」、及び「運用益」の算出に用いる「運用利回り」は、それぞれ、ユーザ入力情報に含まれる。他の項目は、算出結果に含まれる。
【0038】
例えば、経過年数1年、西暦2022年の場合で説明する。ただし、各々の額は、四捨五入をする関係上、概算値となる。
【0039】
「年間収支」の額は、該当年の「収入」の額から該当年の「支出」の額が減算されることで算出される。すなわち、「年間収支」の額は、式「1,404-747」で計算され、657(万円)と算出される。
【0040】
「金融資産」における「ゴール資金」の額は、第1フェーズの残存期間の各年の「ゴール支出合計」の額を積算することで算出される。すなわち、「ゴール資金」の額は、式「270+270+270+320+470+170+342+251+185+158」で計算され、2,409(万円)と算出される。
【0041】
「金融資産」における「長期資金」の額は、該当年の「金融資産」の額から該当年の「キャッシュリザーブ」の額を減算し、さらに、該当年の「ゴール資金」の額を減算することで算出される。すなわち、「長期資金」の額は、式「3,886-100-2,409」で計算され、1,377(万円)と計算される。
【0042】
また、「金融資産」における「長期資金」の額は、前年の「長期資金」の額に該当年の「積立コミットメント」の額を加算し、さらに、該当年の「運用益」の額を加算することで算出される。すなわち、「長期資金」の額は、式「721+627+29」で計算され、1,377(万円)と計算される。
【0043】
「金融資産」における「金融資産」の額は、前年の「金融資産」の額に該当年の「積立コミットメント」の額を加算し、該当年の「ゴール支出」の額を減算し、また、該当年の「運用益」の額を加算することで算出される。すなわち、「金融資産」の額は、式「3500+627-270+29」で計算され、3,886(万円)と算出される。
【0044】
「金融資産」における「前年比」の額は、該当年の「金融資産」の額から前年の「金融資産」の額を減算することで算出される。すなわち、「前年比」の額は、式「3,886-3,500」で計算され、386(万円)と算出される。
【0045】
「金融資産」における「運用益」の額は、前年の「長期資金」の額に該当年の「運用利回り」を乗じることで算出される。すなわち、「運用益」の額は、式「721×0.04」で計算され、29(万円)と算出される。
【0046】
「金融資産」における「運用益累計」の額は、該当年までの各年の「運用益」の額を積算することで算出される。すなわち、「運用益累計」の額は、式「29」で計算され、29(万円)と算出される。
【0047】
「金融資産」における「金融資産(運用なし)」の額は、前年の「金融資産」の額に該当年の「積立コミットメント」の額を加算し、さらに、該当年の「ゴール支出」の額を減算することで算出される。すなわち、「金融資産(運用なし)」の額は、式「3500+627-270」で計算され、3,857(万円)と算出される。
【0048】
「金融資産」における「前年比」の額は、該当年の「金融資産(運用なし)」の額から前年の「金融資産(運用なし)」の額を減算することで算出される。すなわち、「前年比」の額は、式「3,857-3,500」で計算され、357(万円)と算出される。
【0049】
次に、
図8を用いて、キャッシュリザーブ、ゴール資金、長期資金の各々の額、これらの合計額である金融資産の額の各年の推移について説明する。
図8は、キャッシュリザーブ、ゴール資金、長期資金の各々の額、これらの合計額である金融資産の額の各年の推移を表現する折れ線グラフ、並びに、第1フェーズ及び第2フェーズの各々の最初の年及び最後の年における、キャッシュリザーブ、ゴール資金、及び長期資金の各々の額の割合を表現する円グラフである。ここで示した円グラフによれば、各フェーズ内の最初と最後の年の各資金の割合の移り変わりが示されている。
【0050】
図8においては、折れ線グラフは、横軸に経過年数及び世帯主の年齢を示し、縦軸に金額を示す。L1はキャッシュリザーブの額を示し、L2はゴール資金の額を示し、L3は長期資金の額を示し、L4は金融資産の額を示す。
【0051】
キャッシュリザーブL1は、不測の事態が発生しない場合、利用されることなく、一定額で推移する。
ゴール資金L2は、第1フェーズの期間にわたって利用され、このフェーズの終わりには資金が無くなるように設定される。
長期資金L3は、途中(59歳の時点)、夫の退職金が加算されているために急上昇しているが、第1フェーズの期間にわたって無理のない運用によって増加する。このようにして、キャッシュリザーブL1、ゴール資金L2及び長期資金L3の総和である金融資産L4は、(63歳以降)緩やかに減っていくよう設計される。
【0052】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更及び変形が可能である。例えば、上記実施形態では、ユーザ端末4によってアクセスされる情報処理装置3が処理を実行する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、プログラムがインストールされたユーザ端末によって処理が完結するものであってもよい。
【0053】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、クライアントに適切な資産管理手法を用いたアドバイスを提供でき、そのサービス対価として毎年継続的にアドバイザリーフィーの支払いを受けることができる。また、保険会社や金融機関から独立し中立的な立場でアドバイス業務を行うファイナンシャルプランナーに対して好適な情報を提供することができる。
【0054】
(その他)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0055】
また、例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0056】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0057】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0058】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0059】
換言すると、本発明が適用される情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち、(1)本発明が適用される情報処理装置は、スタート時の金融資産の合計額に関する情報と、将来の所定のフェーズの各年に設定される積立額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年の予想される特別支出の額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定される運用利回りに関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定されるキャッシュリザーブの額に関する情報と、を含むユーザ入力情報を取得する情報取得手段(例えば、
図3の情報取得部31)と、前記ユーザ入力情報に基づいて、前記所定のフェーズの各年について、金融資産の合計額と、前記所定のフェーズの残存期間の各年の前記特別支出の額の合計であるゴール資金の額と、運用に回すことが可能な長期資金の額と、を算出する算出手段(例えば、
図3の算出部32)と、前記キャッシュリザーブの額と、前記ゴール資金の額と、前記長期資金の額と、の各々の額についてグラフで出力させる出力制御手段(例えば、
図3の出力制御部33)と、を備える。
これにより、独立系ファイナンシャルプランナーに好適な情報処理装置を提供することができる。
【0060】
また、(2)前記グラフは、前記所定のフェーズの単年における各々の額の割合を表現する円グラフとすることができる。
これにより、所定のフェーズの単年における各々の額の割合が明確に表現される。
【0061】
また、(3)前記グラフは、前記所定のフェーズの各年の推移を表現する折れ線グラフとすることができる。
これにより、所定のフェーズの各年の推移が明確に表現される。
【0062】
また、(4)本発明が適用される情報処理方法は、スタート時の金融資産の合計額に関する情報と、将来の所定のフェーズの各年に設定される積立額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年の予想される特別支出の額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定される運用利回りに関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定されるキャッシュリザーブの額に関する情報と、を含むユーザ入力情報を取得するステップ(例えば、
図4のステップS1)と、前記ユーザ入力情報に基づいて、前記所定のフェーズの各年について、金融資産の合計額と、前記所定のフェーズの残存期間の各年の前記特別支出の額の合計であるゴール資金の額と、運用に回すことが可能な長期資金の額と、を算出するステップ(例えば、
図4のステップS2)と、前記キャッシュリザーブの額と、前記ゴール資金の額と、前記長期資金の額と、の各々の額についてグラフで出力させるステップ(例えば、
図4のステップS3)と、を備える。
これにより、独立系ファイナンシャルプランナーに好適な情報処理装置を提供することができる。
【0063】
また、(5)本発明が適用されるプログラムは、スタート時の金融資産の合計額に関する情報と、将来の所定のフェーズの各年に設定される積立額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年の予想される特別支出の額に関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定される運用利回りに関する情報と、前記所定のフェーズの各年に設定されるキャッシュリザーブの額に関する情報と、を含むユーザ入力情報を取得するステップ(例えば、
図4のステップS1)と、前記ユーザ入力情報に基づいて、前記所定のフェーズの各年について、金融資産の合計額と、前記所定のフェーズの残存期間の各年の前記特別支出の額の合計であるゴール資金の額と、運用に回すことが可能な長期資金の額と、を算出するステップ(例えば、
図4のステップS2)と、前記キャッシュリザーブの額と、前記ゴール資金の額と、前記長期資金の額と、の各々の額についてグラフで出力させるステップ(例えば、
図4のステップS3)と、をコンピュータにより実行させる。
これにより、独立系ファイナンシャルプランナーに好適な情報処理装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
1:情報処理システム、2:インターネット、3:情報処理装置、4:ユーザ端末、11:CPU、18:記憶部、19:通信部、31:情報取得部、32:算出部、33:出力制御部、41:取得情報DB、42:算出結果情報DB、L1:キャッシュリザーブの額、L2:ゴール資金の額、L3:長期資金の額、L4:金融資産の額