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特開2024-94112プログラム、方法、情報処理装置、システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094112
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240702BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210882
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小林 健史
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 惠美
(72)【発明者】
【氏名】亀尾 航平
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】デバイスの費用を抑えつつ、移動体を用い、圃場の作物を簡易に確認する。
【解決手段】プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、飛行体に搭載したRGBカメラにより圃場を撮影した画像を取得するステップと、圃場と同一環境下でRGBカメラにより撮影された、分析内容と対応関係を有するカラーチャートの画像を取得するステップと、圃場の画像に含まれる色と、カラーチャートの画像に含まれる色とに基づき、植生指数を算出するステップと、カラーチャートの色に基づいて算出された植生指数と、圃場の色に基づいて算出された植生指数とから、圃場における植生を推定するステップとを実行させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
飛行体に搭載したRGBカメラにより圃場を撮影した画像を取得するステップと、
前記圃場と同一環境下で前記RGBカメラにより撮影された、分析内容と対応関係を有するカラーチャートの画像を取得するステップと、
前記圃場の画像に含まれる色と、前記カラーチャートの画像に含まれる色とに基づき、植生指数を算出するステップと、
前記カラーチャートの色に基づいて算出された植生指数と、前記圃場の色に基づいて算出された植生指数とから、前記圃場における植生を推定するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記カラーチャートは、葉色濃度に対応した複数の色を含む請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記葉色濃度に対応した複数の色は、水稲の葉色と対応している請求項2記載のプログラム。
【請求項4】
前記推定するステップにおいて、GRVI(Green-Red Vegetation Index)に基づいて前記圃場における植生を推定する請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
前記推定するステップにおいて、前記カラーチャートにおける所定の色に基づいて算出された植生指数よりも低い植生指数が算出された前記圃場の領域を注目領域と推定する請求項1記載のプログラム。
【請求項6】
前記推定するステップにおいて、前記カラーチャートに含まれるいずれかの色を基準とし、当該色に基づく植生指数を前記注目領域の推定に用い、前記基準としての色は品種、地域、診断時期によって異なる請求項5記載のプログラム。
【請求項7】
前記注目領域に対し、施肥することを提案するステップを前記プロセッサに実行させる請求項5記載のプログラム。
【請求項8】
前記圃場と前記カラーチャートとは同時に撮影される請求項1記載のプログラム。
【請求項9】
前記圃場と前記カラーチャートとについての前記画像は、前記飛行体に搭載した前記RGBカメラにより、50m乃至100m程度の上空から圃場を撮影した画像であり、
前記カラーチャートは、少なくとも一方向に数m程度の大きさである請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
前記カラーチャートが撮影された後、前記圃場が撮影される請求項1記載のプログラム。
【請求項11】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、
飛行体に搭載したRGBカメラにより圃場を撮影した画像を取得するステップと、
前記圃場と同一環境下で前記RGBカメラにより撮影された、分析内容と対応関係を有するカラーチャートの画像を取得するステップと、
前記圃場の画像に含まれる色と、前記カラーチャートの画像に含まれる色とに基づき、植生指数を算出するステップと、
前記カラーチャートの色に基づいて算出された植生指数と、前記圃場の色に基づいて算出された植生指数とから、前記圃場における植生を推定するステップと
を実行する方法。
【請求項12】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、
飛行体に搭載したRGBカメラにより圃場を撮影した画像を取得するステップと、
前記圃場と同一環境下で前記RGBカメラにより撮影された、分析内容と対応関係を有するカラーチャートの画像を取得するステップと、
前記圃場の画像に含まれる色と、前記カラーチャートの画像に含まれる色とに基づき、植生指数を算出するステップと、
前記カラーチャートの色に基づいて算出された植生指数と、前記圃場の色に基づいて算出された植生指数とから、前記圃場における植生を推定するステップと
を実行する情報処理装置。
【請求項13】
飛行体に搭載したRGBカメラにより圃場を撮影した画像を取得する手段と、
前記圃場と同一環境下で前記RGBカメラにより撮影された、分析内容と対応関係を有するカラーチャートの画像を取得する手段と、
前記圃場の画像に含まれる色と、前記カラーチャートの画像に含まれる色とに基づき、植生指数を算出する手段と、
前記カラーチャートの色に基づいて算出された植生指数と、前記圃場の色に基づいて算出された植生指数とから、前記圃場における植生を推定する手段と
を具備するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラで上空から撮影した圃場のデータに基づき、NDVI(Normalized Difference Vegetation Index)を算出し、算出したNDVIを圃場の作物の生育指標として用いる技術がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-149201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
NDVIを算出するには、マルチスペクトルカメラを利用する必要がある。しかしながら、マルチスペクトルカメラは高価であり、また、扱いが難しい。
【0005】
本開示の目的は、デバイスの費用を抑えつつ、移動体を用い、圃場の作物を簡易に確認することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、飛行体に搭載したRGBカメラにより圃場を撮影した画像を取得するステップと、圃場と同一環境下でRGBカメラにより撮影された、分析内容と対応関係を有するカラーチャートの画像を取得するステップと、圃場の画像に含まれる色と、カラーチャートの画像に含まれる色とに基づき、植生指数を算出するステップと、カラーチャートの色に基づいて算出された植生指数と、圃場の色に基づいて算出された植生指数とから、圃場における植生を推定するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、デバイスの費用を抑えつつ、移動体を用い、圃場の作物を簡易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
図2図1に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。
図3】サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。
図4図1に示す移動体30の構成例を表すブロック図である。
図5】農家情報テーブル2021のデータ構造を示す図である。
図6】作物情報テーブル2022のデータ構造を示す図である。
図7】葉色情報テーブル2023のデータ構造を示す図である。
図8】本実施形態に係る移動体30が圃場を撮影する際の例を表す模式図である。
図9】サーバ20が作物の生育状態を推定する際の動作を表すフローチャートの例である。
図10】ディスプレイ141の表示例を表す模式図である。
図11】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<概略>
本実施形態に係るシステムでは、飛行体に搭載したRGBカメラにより、上空から圃場を撮影する。圃場には、分析内容と対応関係を有するカラーチャートを置いている。システムは、カラーチャートを圃場と共に撮影する。システムは、撮影した画像の色を判別し、カラーチャートにおける所定の色と対応する色が判別された領域を注目領域と推定する。
【0011】
<1 システム全体の構成図>
図1は、システム1の全体構成の例を示すブロック図である。図1に示すシステム1は、例えば、端末装置10、サーバ20、移動体30、及び操作装置40を含む。端末装置10、サーバ20、移動体30、及び操作装置40は、例えば、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0012】
図1において、システム1が端末装置10を1台含む例を示しているが、システム1に含まれる端末装置10の数は、1台に限定されない。システム1に含まれる端末装置10は、2台以上であってもよい。
【0013】
本実施形態において、複数の装置の集合体を1つのサーバとしてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るサーバ20を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はサーバ20に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。また、サーバ20は、有する機能に応じ、複数のサーバから構成されていてもよい。
【0014】
図1において、システム1が一組の移動体30と、操作装置40とを含む例を示しているが、システム1に含まれる移動体30と、操作装置40との数は、一組に限定されない。システム1に含まれる移動体30と、操作装置40とは、二組以上であってもよい。また、移動体30は、自律して移動してもよいし、操作装置40による操作に応じて移動してもよい。移動体30が自律して移動する場合、操作装置40はシステム1に含まれていなくてもよい。
【0015】
図1に示す端末装置10は、例えば、圃場を管理する農家(農場管理者)が所持する情報処理装置である。圃場は例えば、田圃及び畑等を含む。端末装置10は、ユーザから操作指示、情報の入力を受け付け、サーバ20へ所定の情報を送信する。所定の情報は、例えば、ユーザが関わる圃場に関する情報、又は、作物の作付けに関する情報等を含む。また、端末装置10は、サーバ20から送信される情報、及び移動体30から送信される情報を受信し、ユーザに提示する。サーバ20から送信される情報は、例えば、作物の生育に関する情報等を含む。移動体30から送信される情報は、例えば、移動体30の位置(緯度、経度、高さ)に関する情報、散布物の貯留量に関する情報、電池残量に関する情報、カメラ映像等を含む。
【0016】
端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末により実現される。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。端末装置10は、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
【0017】
端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0018】
サーバ20は、例えば、ユーザから入力される情報、移動体30から送信される情報、又は、外部から取得される環境に関する情報等に基づき、圃場における注目領域を推定する情報処理装置である。
【0019】
サーバ20は、例えば、ネットワーク80に接続されたコンピュータにより実現される。図1に示すように、サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対して情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0020】
移動体30は、地上、又は空中を移動するデバイスである。移動体30は、例えば、タイヤ、又はクローラーにより地上を移動するトラクター、又は車両等を含む。また、移動体30は、例えば、プロペラを有して空中を移動するマルチコプター型ドローン、又は固定翼により空中を移動する固定翼ドローンを含む。移動体30は、操作装置40からの操作に応じて動作する。また、移動体30は、サーバ20で設定された移動方法に基づき、自律して動作してもよい。
【0021】
移動体30は、例えば、圃場の上空を移動し、上空から圃場に作付けされている作物を撮影する。移動体30は、例えば、50m~100m程度の高さを飛行し、圃場を撮影する。移動体30により撮影される範囲内には、カラーチャートが載置されている。
【0022】
カラーチャートは、例えば、分析内容と対応関係を有する色彩を有している。具体的には、例えば、カラーチャートは、葉色濃度に応じた濃さの緑色で塗られた複数の領域を有する。カラーチャートで表される葉色濃度は、例えば、分析対象となる作物に対応する葉色濃度になっている。具体的には、カラーチャートで表される葉色濃度は、水稲の葉色に対応する葉色濃度になっている。
【0023】
カラーチャートには、例えば、葉色濃度の低い、黄緑色に近い色彩で塗られた領域から、葉色濃度の高い、深緑色で塗られた領域まで、濃度を変えながら複数種類の緑色で塗られた領域が並べられている。カラーチャートは、例えば、7種類の緑色が塗られた領域が、緑色の濃い順に並べられている。
【0024】
カラーチャートは、例えば、長手方向を有する長方形形状をしている。カラーチャートは、例えば、短手方向に0.5m~1m程度の長さを有し、長手方向に数m(2~4m)程度の長さを有する。緑色の領域は、例えば、長手方向に並べられるように塗られている。
【0025】
操作装置40は、ユーザからの操作に基づき、移動体30の動作を制御する情報処理装置である。また、操作装置40は、サーバ20、又は移動体30から送信される情報を受信し、ユーザに提示する。
【0026】
操作装置40は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末により実現される。操作装置40は、移動体30を操作するための専用機器であってもよい。操作装置40は、ユーザからの操作を受け付けるための入力部、ユーザへ情報を提示するための出力部(ディスプレイ、スピーカー等)を有する。
【0027】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。端末装置10、サーバ20、操作装置40のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0028】
<1.1 端末装置の構成>
図2は、図1に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、通信部120と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカー172と、カメラ160と、位置情報センサ150と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0029】
通信部120は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部120は、制御部190で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、サーバ20、移動体30、又は操作装置40)へ送信する。通信部120は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
【0030】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、又は情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス131等により実現される。端末装置10がPC等である場合には、入力装置13は、リーダー、キーボード、マウス等により実現されてもよい。入力装置13は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0031】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0032】
音声処理部17は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカー172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカー172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0033】
カメラ160は、受光素子により光を受光し、撮影信号として出力するためのデバイスである。
【0034】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。位置情報センサ150は、端末装置10が接続する無線基地局の位置から、端末装置10の現在の位置を検出してもよい。
【0035】
記憶部180は、例えば、メモリ15、及びストレージ16等により実現され、端末装置10が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部180は、例えば、農家情報181を記憶する。
【0036】
農家情報181は、例えば、端末装置10を使用する農家についての情報を含む。農家についての情報には、例えば、農家を構成する人員の氏名、住所、連絡先(電話番号、emailアドレス等)、圃場情報等が含まれる。
【0037】
制御部190は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部191と、送受信部192と、提示制御部193と、としての機能を発揮する。
【0038】
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示、又は情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131等から入力される指示、又は情報を受け付ける。
【0039】
また、操作受付部191は、カメラ160により撮影された画像を入力指示として受け付けてもよい。具体的には、例えば、操作受付部191は、カメラ160により撮影された画像信号を受信し、所定の入力として受け付ける。
【0040】
また、操作受付部191は、マイク171により集音された音を入力指示として受け付けてもよい。具体的には、例えば、操作受付部191は、マイク171から入力され、音声処理部17でデジタル信号に変換された音声信号を受信し、所定の入力として受け付ける。
【0041】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20、移動体30、操作装置40等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部192は、ユーザから入力された、農家(圃場)に関する情報、又は作物の作付に関する情報等をサーバ20へ送信する。また、送受信部192は、作物の生育に関する情報等を、サーバ20から受信する。
【0042】
提示制御部193は、所定の情報をユーザに対して提示するため、出力装置14を制御する。具体的には、例えば、提示制御部193は、農家に関する情報、作物の作付に関する情報等をユーザに入力させるための情報をユーザに提示する。また、提示制御部193は、サーバ20で作成された、作物の生育に関する情報等をユーザに提示する。
【0043】
<1.2 サーバの機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0044】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0045】
記憶部202は、例えば、農家情報テーブル2021と、作物情報テーブル2022と、葉色情報テーブル2023等とを有する。
【0046】
農家情報テーブル2021は、農家に関する情報を記憶するテーブルである。詳細は後述する。
【0047】
作物情報テーブル2022は、農家が作付けした作物に関する情報を記憶するテーブルである。詳細は後述する。
【0048】
葉色情報テーブル2023は、葉色に関する情報を記憶するテーブルである。詳細は後述する。
【0049】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、プログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、解析モジュール2033、推定モジュール2034、提案モジュール2035、提示制御モジュール2036として示す機能を発揮する。
【0050】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。例えば、受信制御モジュール2031は、移動体30から送信される画像信号を受信する。
【0051】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。例えば、送信制御モジュール2032は、作物の生育に関する情報を端末装置10へ送信する。
【0052】
解析モジュール2033は、移動体30により撮影された画像を解析し、画像内に含まれる作物等の植生指数を算出する。具体的には、解析モジュール2033は、例えば、画像内に含まれる画素(ピクセル)の色に基づき、画素毎に植生指数を算出する。本実施形態において、解析モジュール2033は、植生指数として、GRVI(Green-Red Vegetation Index)を用いる。GRVIは、葉色濃度に対応する色の強度を表す指数であり、画素における緑色成分の強度Greenと、赤色成分の強度Redとを用い、以下のように算出される。なお、GRVIは、一例であり、葉色濃度に対応する色の強度を表す指数であれば、他の植生指数が用いられてもよい。GRVI以外にも、例えば、RGBVI等を植生指数としてもよい。
GRVI=(Green-Red)/(Green+Red)
【0053】
解析モジュール2033は、画像に含まれるカラーチャートについて算出されるGRVIと、作物が作付けされている領域について算出されるGRVIとを判別する。具体的には、例えば、解析モジュール2033は、カラーチャートを検出する。解析モジュール2033は、検出したカラーチャート内のGRVIを算出する。より具体的には、カラーチャートは、例えば、所定の色、又は模様等の枠部を有している。解析モジュール2033は、例えば、所定の色、又は模様等に基づき枠部を検出する。解析モジュール2033は、枠で囲まれた領域の画素値に基づき、カラーチャート内の色を検出する。解析モジュール2033は、検出した色毎にGRVIを算出する。解析モジュール2033は、ここで算出したGRVIを、カラーチャートに含まれる色毎のGRVIと判断する。解析モジュール2033は、枠で囲まれた領域以外の領域で算出されたGRVIを、作物が栽培されている領域について算出されるGRVIと判断する。
【0054】
推定モジュール2034は、作物の生育状態を推定する。具体的には、例えば、推定モジュール2034は、カラーチャートに含まれる色毎のGRVIと、作物が作付けされている領域について算出されるGRVIとに基づき、作物の生育状態を推定する。より具体的には、例えば、推定モジュール2034は、圃場で作付けされている作物について、生育が不十分だと見なされる、カラーチャート上の葉色濃度を設定する。ここで設定した葉色濃度が、生育状態を判定する際の閾値(基準)として扱われる。推定モジュール2034は、設定された葉色濃度と対応するカラーチャート上の領域(画素)のGRVIを取得する。推定モジュール2034は、取得したGRVIよりもGRVIが低い画素の領域を、注目領域であると推定する。注目領域は、例えば、作物の生育状態が想定より良くない領域を表す。
【0055】
推定モジュール2034は、カラーチャートに含まれる色毎のGRVIと、作物が作付けされている領域について算出されるGRVIとの差を算出し、作物が作付けされている領域の葉色を、カラーチャートにおけるいずれかの色にカテゴライズしてもよい。また、推定モジュール2034は、カテゴライズした葉色の番号を所定の数式に入力することで、SPAD値を算出してもよい。
【0056】
提案モジュール2035は、推定された領域に対する処理を提案する。具体的には、例えば、提案モジュール2035は、注目領域に対する追肥(施肥)を提案する。施肥は、例えば、肥料を移動体30により散布することにより実施される。また、例えば、提案モジュール2035は、注目領域に対し、病害虫の予防、病気の治療、害虫の駆除等を目的とした農薬の散布を提案してもよい。
【0057】
提示制御モジュール2036は、作物の生育に関する情報等をユーザに提示する。具体的には、例えば、提示制御モジュール2036は、注目領域であると推定された領域をユーザに提示する。また、提示制御モジュール2036は、カテゴライズした葉色、又は葉色に基づいて算出したSPAD値をユーザに提示する。提示制御モジュール2036は、ユーザからの指示に応じ、葉色とSPAD値とを切り替えてユーザに提示するようにしてもよい。また、提示制御モジュール2036は、注目領域に対して提案する処理をユーザに提示する。
【0058】
<1.3 移動体の構成>
図4は、図1に示す移動体30の構成例を表すブロック図である。図4に示すように、移動体30は、通信部301と、入力装置302と、出力装置303と、駆動装置304と、散布装置305と、カメラ306と、センサ307と、記憶部308と、制御部309とを備える。移動体30に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0059】
通信部301は、移動体30が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部301は、制御部309で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、端末装置10、サーバ20、又は操作装置40)へ送信する。通信部301は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部390へ出力する。
【0060】
入力装置302は、移動体30を使用するユーザが指示等を入力するための装置である。入力装置302は、例えば、スイッチ等により実現される。
【0061】
出力装置303は、移動体30を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置303は、例えば、LED、警告灯、又はディスプレイ等の表示手段により実現される。また、出力装置303は、ブザー又はスピーカー等の発音手段により実現されてもよい。
【0062】
駆動装置304は、移動体30を移動させるための装置である。移動体30が地上を移動するデバイスである場合、駆動装置304は、例えば、モーター、及びタイヤ等を有する。また、移動体30が空中を移動するデバイスである場合、駆動装置304は、例えば、モーター、及びプロペラ等を有する。
【0063】
散布装置305は、散布物を散布するための装置である。散布装置305は、例えば、散布物を保管するためのタンク、散布物を散布するノズル、タンクに保管されている散布物を吸引してノズルから散布させるためのポンプ等を有する。散布装置305は、タンク内の散布物の量を測定するセンサ等を有し、タンク内の散布物の残量を監視してもよい。
【0064】
カメラ306は、受光素子により光を受光し、撮影信号として出力するためのデバイスである。カメラ306は、例えば、可視光を受光するカメラ(RGBカメラ)により実現される。カメラ306は、例えば、4Kカメラのような高解像度のカメラであってもよい。
【0065】
センサ307は、移動体30の移動の際に利用する情報を取得するためのセンサである。センサ307は、例えば、互いに直交する3方向の加速度を測定する6軸ジャイロセンサ、地磁気を測定することで移動体30の方向を測定する地磁気センサ、気圧を測定する気圧センサ、レーザー光又は超音波等により移動体30の高度を測定する高度センサ、移動体30の位置を検出する位置情報センサを含む。位置情報センサは、例えば、GPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。なお、移動体30が備えるセンサはこれに限定されない。これらのセンサのうちいずれかが有されていなくてもよいし、異なるセンサを有していてもよい。例えば、機体の傾きを測定するための角速度センサ、風力を測定するための風力センサ等を有していてもよい。
【0066】
記憶部308は、例えば、メモリ、及びストレージ等により実現され、移動体30が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部308は、例えば、サーバ20で設定された移動方法3081を記憶する。
【0067】
制御部309は、プロセッサが記憶部308に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部309は、移動体30の動作を制御する。制御部309は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部3091と、送受信部3092と、移動制御部3093と、撮影制御部3094と、散布制御部3095としての機能を発揮する。
【0068】
操作受付部3091は、入力装置302から入力される指示、又は情報を受け付けるための処理を行う。
【0069】
送受信部3092は、移動体30が、端末装置10、サーバ20、操作装置40等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部3092は、カメラ306により撮影された画像に関する情報を画像信号として端末装置10、又はサーバ20へ送信する。また、送受信部3092は、端末装置10、サーバ20から送信される移動方法に関する情報を受信し、記憶部308に記憶する。また、送受信部3092は、操作装置40から送信される操作信号を受信する。
【0070】
移動制御部3093は、移動体30の移動を制御する。具体的には、例えば、移動制御部3093は、センサ307から取得した情報に基づき、駆動装置304を制御する。
【0071】
撮影制御部3094は、カメラ306による撮影を制御する。具体的には、例えば、撮影制御部3094は、撮影の開始が指示されると、カメラ306による撮影を開始させる。撮影制御部3094は、撮影の終了が指示されると、撮影を終了させる。
【0072】
散布制御部3095は、散布装置305による散布物の散布を制御する。具体的には、例えば、散布制御部3095は、散布物の散布が指示されると、散布装置305により散布物を散布させる。散布制御部3095は、散布の終了が指示されると、散布を終了させる。
【0073】
<2 データ構造>
図5図7は、サーバ20が記憶するテーブルのデータ構造を示す図である。なお、図5図7は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。また、同一のテーブルに記載されるデータであっても、記憶部202において離れた記憶領域に記憶されていることもあり得る。
【0074】
図5は、農家情報テーブル2021のデータ構造を示す図である。図5に示す農家情報テーブル2021は、農家IDをキーとして、氏名、住所、連絡先、圃場情報等のカラムを有するテーブルである。
【0075】
農家IDは、農家を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。氏名は、農家を構成する人員の名前を記憶する項目である。記憶される氏名は一人に限定されない。住所は、農家の住所を記憶する項目である。連絡先は、農家の連絡先を記憶する項目である。圃場情報は、圃場に関する情報を記憶する項目である。圃場に関する情報は、例えば、圃場の住所、圃場の位置座標、圃場の高度、圃場の面積、圃場の土壌の質(例えば、窒素濃度、水はけ等)等を含む。圃場に関する情報は、例えば、圃場の地形に関する情報を含むと換言してもよい。
【0076】
農家情報テーブル2021におけるレコードは、例えば、サーバ20が提供するサービスに農家がユーザ登録すると作成される。レコード作成の際に農家IDが発行される。氏名、住所、連絡先、圃場情報等は、例えば、ユーザ登録の際に登録を希望する農家から入力される。圃場情報の入力は、住所の入力、又は地図を参照とした指定等が含まれる。
【0077】
図6は、作物情報テーブル2022のデータ構造を示す図である。図6に示す作物情報テーブル2022は、農家が作付けした作物を管理するためのテーブルであり、農家IDをキーとして、作物ID、作物名、作付日、作付エリア等のカラムを有するテーブルである。
【0078】
作物IDは、作物を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。作物名は、作物の名称を記憶する項目である。作付日は、作物を作付けした日を記憶する項目である。作付エリアは、作物を作付けした圃場、又は圃場中のエリア(区画)を記憶する項目である。
【0079】
作物情報テーブル2022におけるレコードは、例えば、農家が作物を作付けしたことが入力されると作成される。作物情報テーブル2022におけるレコードは、農家が作物を選択し、作付予定日を入力することで作成されてもよい。レコード作成の際に、農家により指定された作物について作物ID、作物名がレコードに記憶され、作付けした日が作付日に記憶される。なお、作付は播種と表してもよい。作付エリアの入力は、住所の入力、又は地図を参照とした指定等が含まれる。
【0080】
図7は、葉色情報テーブル2023のデータ構造を示す図である。図7に示す葉色情報テーブル2023は、作物の生育状態を表す葉色を管理するためのテーブルであり、地方ID、時期、品種、番号等のカラムを有するテーブルである。葉色情報テーブル2023は、例えば、カラーチャートと対応する作物毎に設けられる。図7に示す葉色情報テーブル2023は、例えば、水稲に対応したカラーチャートに対して設定されたテーブルである。
【0081】
地方IDは、圃場が存在する地方を識別するための識別子を記憶する項目である。項目「地方ID」には、例えば、沖縄地方、九州南部地方、九州北部地方、中国地方、四国地方、近畿地方、北陸地方、東海地方、関東甲信地方、東北地方、北海道地方等、例えば、気候等により区分可能な地方を識別するための識別子が記憶される。なお、地方の分け方はここに挙げた分け方に限定されない。より大きく分けてもよいし、小さく分けてもよい。例えば、県毎に分けてもよい。
【0082】
時期は、生育診断を実施する時期を記憶する項目である。品種は、所定の作物の品種を記憶する項目である。例えば、作物が水稲である場合、項目「品種」には、例えば、コシヒカリ(登録商標)、あきたこまち(登録商標)、ゆめぴりか(登録商標)等が記憶される。番号は、カラーチャートにおける葉色濃度の番号を記憶する項目である。項目「番号」は、生育状態に関する閾値を表す。例えば、項目「番号」で記憶される番号の葉色濃度よりも、作物の葉の色が薄い場合、その作物は、生育状態がよくないと判断される。
【0083】
圃場が位置する地方、栽培されている作物(品種)、作付日からの経過日数等に応じ、生育状態が良くないと判断される葉色濃度が異なる。例えば、同じ時期であっても、九州北部地方で生育状態が良くないと判断される葉色濃度と、北海道地方で生育状態が良くないと判断される葉色濃度とは異なる。また、同じ地方であっても、育てている品種によっては、生育状態が良くないと判断される葉色濃度は異なる。そのため、例えば、地方、時期、品種等毎に、生育の目安となる葉色濃度が予め設定されている。つまり、項目「番号」で記憶される番号は、例えば、地方、時期、品種等毎に異なる番号が設定されている。
【0084】
<3 動作>
移動体30により撮影された画像に基づき、作物の生育状態を推定する際のサーバ20の動作について説明する。
【0085】
図8は、本実施形態に係る移動体30が圃場を撮影する際の例を表す模式図である。以下の説明では、移動体30がドローンであり、作付けされている作物が水稲である場合を例に説明する。
【0086】
移動体30の操作者は、操作装置40を操作して移動体30を飛行させる。操作者は、例えば、動画による撮影をしながら移動体30を飛行させる。操作者は、例えば、所定の位置に到達したときに撮影を開始するように移動体30に対して指示を出してもよい。また、移動体30は、自動操縦で圃場上空を飛行し、圃場を撮影してもよい。
【0087】
移動体30は、例えば、50m~100m程度の高さから圃場を撮影する。圃場の、例えば、あぜ道には、カラーチャート50が載置されている。移動体30は、圃場と共に、あぜ道に載置されたカラーチャート50も撮影する。本実施形態では、圃場と一緒にカラーチャート50も撮影するようにしている。移動体30は、例えば、画角にカラーチャート50が含まれるように飛行し、圃場を撮影する。なお、どうしてもカラーチャート50が画角に含まれない場合には、カラーチャート50を移動させてもよい。
【0088】
カラーチャート50は、緑色の濃さがそれぞれ異なる複数の領域51~57を有する。領域51~57の色は、水稲の葉色濃度に対応している。カラーチャート50は、例えば、所定の模様、柄、色彩、又はこれらの組み合わせが表現される枠部58を有する。図8では、枠部58は、カラーチャートを囲むように設定されているが、必ずしも囲まなくてもよい。例えば、枠部58は、カラーチャート50の4隅に置かれていてもよい。また、枠部58の模様は、例えば、QRコード(登録商標)であってもよい。
【0089】
図9は、サーバ20が作物の生育状態を推定する際の動作を表すフローチャートの例である。
【0090】
ステップS11において、サーバ20は、移動体30から送信される画像信号を受信する。
【0091】
ステップS12において、サーバ20は、受信した画像信号に基づく画像を解析する。具体的には、例えば、サーバ20の制御部203は、解析モジュール2033により、画像に含まれる枠部58を検出する。解析モジュール2033は、枠部58により囲まれる領域における画素値に基づき、カラーチャート内の色を検出する。解析モジュール2033は、検出した色毎にGRVIを算出する。枠部58により囲まれる領域の画素について算出されたGRVIは、カラーチャート50に含まれる各色のGRVIである。解析モジュール2033は、枠部58により囲まれていない領域における画素について、GRVIを算出する。
【0092】
解析モジュール2033は、算出したGRVIに基づき、データの取捨を決定してもよい。例えば、空撮した画像には、植生の他、建物、土壌、道路も含まれる。例えば、建物、道路については、GRVI値が所定値に達しない確率が高い。解析モジュール2033は、GRVI値が所定値に達しない画素の情報をノーデータとする。本実施形態において、所定値は、例えば、0.1である。つまり、解析モジュール2033は、GRVI値が0.1未満の画素の情報をノーデータとする。GRVI値が所定値に達しない画素の情報をノーデータとすることで、推定モジュール2034での処理の精度が向上する。また、推定モジュール2034での処理負荷が軽くなる。また、植生に係らない領域、例えば、建物及び道路を追肥の対象から抜くことが可能となる。
【0093】
ステップS13において、サーバ20は、圃場で栽培されている作物(水稲)の生育状態を推定する。具体的には、例えば、サーバ20は、推定モジュール2034により、カラーチャートについて算出されるGRVIと、作物が栽培されている領域について算出されるGRVIとに基づき、作物の生育状態を推定する。より具体的には、例えば、推定モジュール2034は、生育診断を行っている地方、時期、生育診断の対象となっている水稲の品種等に基づき、生育が不十分だと見なされる葉色濃度を葉色情報テーブル2023から読み出す。推定モジュール2034は、例えば、このときの葉色濃度を「4」と設定する。カラーチャート50上の葉色濃度「4」は、例えば、領域54における葉色濃度を表す。
【0094】
推定モジュール2034は、領域54について算出されたGRVIよりもGRVIが低い画素の領域を抽出する。推定モジュール2034は、抽出した領域を注目領域であると推定する。図8によれば、推定モジュール2034は、領域54について算出されたGRVIよりもGRVIが低い画素の領域R1を、注目領域とする。
【0095】
推定モジュール2034は、カラーチャートに含まれる色毎のGRVIと、作物が作付けされている領域について算出されるGRVIとの差を算出し、作物が作付けされている領域の葉色を、カラーチャートにおけるいずれかの色にカテゴライズする。また、推定モジュール2034は、カテゴライズした葉色の番号を所定の数式に入力することで、SPAD値を算出する。
【0096】
ステップS14において、サーバ20は、推定された注目領域に対して実施するべき処理の内容を決定する。具体的には、例えば、制御部203は、提案モジュール2035により、注目領域に対し、追肥を実施するべきことを決定する。
【0097】
ステップS15において、サーバ20は、解析の結果、及び提案内容をユーザに提示する。具体的には、提示制御モジュール2036は、送信制御モジュール2032により、注目領域に関する情報を端末装置10へ送信する。また、提示制御モジュール2036は、送信制御モジュール2032により、カテゴライズした葉色、又は葉色に基づいて算出したSPAD値を端末装置10へ送信する。また、提示制御モジュール2036は、提案内容に関する情報を端末装置10へ送信する。
【0098】
端末装置10は、注目領域に関する情報を受信すると、ディスプレイ141に注目領域を表示させる。また、端末装置10は、提案内容に関する情報を受信すると、ディスプレイ141に提案内容を表示させる。
【0099】
図10は、ディスプレイ141の表示例を表す模式図である。図10では、水稲が栽培されている圃場の例を表している。提示制御部193は、圃場において、注目領域と判断された領域をユーザが識別可能に表示する。例えば、提示制御部193は、注目領域を指示子1411で囲む。また、提示制御部193は、提案内容に関する情報を注目領域と関連付けて表示する。例えば、提示制御部193は、指示子1411で囲まれた注目領域に対し、提案内容が記載されたテキストボックス1412を表示する。
【0100】
ユーザは、例えば、ディスプレイ141を確認し、注目領域に対し、追肥が必要か否かを判断する。追肥が必要であると判断すると、ユーザは、例えば、移動体30を操作し、注目領域に対し、追肥を行う。
【0101】
追肥は、サーバ20からの操作により自動で実施されてもよい。例えば、提示制御部193は、提案内容に承諾することをユーザが入力するための画面を表示する。提示制御部193は、提案内容が承諾されると、追肥を実施するスケジュールを調整するための画面を表示する。ユーザは、当該画面において、ユーザに関する情報、スケジュールに関する情報を入力する。情報を受け付けると送受信部192は、受け付けた情報をサーバ20へ送信する。
【0102】
サーバ20は、受け付けた情報をスケジュール管理テーブル(図示せず)に記憶する。サーバ20は、ユーザと関連付けられている圃場に関する情報に基づき、飛行経路を算出する。飛行経路は、例えば、移動体30の移動開始位置から、注目領域までの経路、注目領域において散布物を効率的に散布可能な経路等を含む。なお、飛行経路は、移動経路と換言してもよい。サーバ20は、スケジュール管理テーブルで管理されている日付になると、飛行経路に関する情報を端末装置10又は移動体30へ送信する。移動体30は、飛行経路に関する情報に基づいて飛行し、肥料を散布する。
【0103】
図9では、例えば、ステップS12において解析モジュール2033が算出した画素毎のGRVIを、ステップS13以降の推定で利用する場合を説明した。しかしながら、解析モジュール2033は、画素毎のGRVIに基づき、グリッド毎のGRVIを算出してもよい。具体的には、例えば、圃場が、所定の広さのグリッドボックスに分割されている。所定の広さは、例えば、4~5m四方の広さである。解析モジュール2033は、画素毎のGRVIを、グリッド単位で平均化し、グリッド毎のGRVIを算出する。
【0104】
以上のように、上記実施形態では、受信制御モジュール2031は、飛行体(移動体)30に搭載したRGBカメラにより圃場を撮影した画像を取得する。受信制御モジュール2031は、圃場と同一環境下でRGBカメラにより撮影された、分析内容と対応関係を有するカラーチャートの画像を取得する。解析モジュール2033は、圃場の画像に含まれる色と、カラーチャートの画像に含まれる色とに基づき、植生指数を算出する。推定モジュール2034は、カラーチャートの色に基づいて算出された植生指数と、圃場の色に基づいて算出された植生指数とから、圃場における植生を推定する。これにより、圃場に植えられている作物の状況を、RGBカメラを用いた上空からの撮影により高精度に把握することが可能となる。また、圃場内の生育ムラを高精度に評価することが可能となる。
【0105】
従来のNDVIを用いた生育診断では、マルチスペクトルカメラを利用する必要がある。また、マルチスペクトルカメラは高価であり、扱いが難しい。本実施形態によれば、RGBカメラを用いて生育診断が可能となるため、デバイスの費用を抑えることが可能となる。また、デバイスの操作に注意を払う必要性が得る。
【0106】
また、従来のNDVIを用いた生育診断では、作物の育成する圃場毎に、NDVIと作物の生育量との関係を複数年分蓄積しないと十分な精度が出ない。そのため、導入しようとしても十分な精度が出るまで所定の期間が必要となる。本実施形態によれば、葉色濃度と生育状態との関係は、既に設定されているため、導入後すぐに十分な精度が期待できる。
【0107】
本実施形態では、カラーチャートが圃場と同じ画像に含まれているため、撮影時の環境がカラーチャートに反映される。例えば、日射量、日射方向等の状態を、圃場とカラーチャートとで合わせることが可能となる。そのため、カラーチャートにおける葉色濃度と、圃場で栽培される作物の葉色濃度とを同一の条件で比較することが可能となる。
【0108】
したがって、本実施形態に係るシステムによれば、デバイスの費用を抑えつつ、移動体30を用い、圃場の作物を簡易に確認できる。
【0109】
また、上記実施形態では、カラーチャートは、葉色濃度に対応した複数の色を含む。これにより、サーバ20は、生育状態を段階的に把握することが可能となる。
【0110】
また、上記実施形態では、葉色濃度に対応した複数の色は、水稲の葉色と対応している。これにより、サーバ20は、水稲の生育状態を高精度に診断することが可能となる。
【0111】
また、上記実施形態では、推定モジュール2034は、GRVI(Green-Red Vegetation Index)に基づいて圃場における植生を推定する。これにより、サーバ20は、カラーチャートの葉色濃度と、圃場の作物の葉色濃度とを高精度に比較することが可能となる。
【0112】
また、上記実施形態では、推定モジュール2034は、カラーチャートにおける所定の色に基づいて算出された植生指数よりも低い植生指数が算出された圃場の領域を注目領域と推定する。これにより、サーバ20は、カラーチャートを利用して、圃場の作物の生育状態を診断することが可能となる。
【0113】
また、上記実施形態では、推定モジュール2034は、カラーチャートに含まれるいずれかの色を基準とし、当該色に基づく植生指数を注目領域の推定に用い、基準としての色は品種、地域、診断時期によって異なる。これにより、サーバ20は、品種、地域、診断時期等に適した診断が可能となるため、生育診断の精度が向上することになる。
【0114】
また、上記実施形態では、提案モジュール2035は、注目領域に対し、追肥することを提案する。これにより、生育診断の結果に基づき、効率的に施肥することが可能となる。また、ピンポイントで施肥することが可能となるため、生育ムラを改善することが可能となる。また、施肥の必要な領域へ移動体30を自動で移動させることが可能となるため、局所的に全自動で肥料を散布することが可能となる。
【0115】
また、上記実施形態では、移動体30に搭載したRGBカメラにより、圃場とカラーチャートとが同時に撮影される。これにより、圃場とカラーチャートとが同一の環境において撮影されることになる。このため、圃場に植えられている作物の状況を、RGBカメラを用いた上空からの撮影により高精度に把握することが可能となる。
【0116】
また、上記実施形態では、画像は、移動体30に搭載したRGBカメラにより、50m乃至100m程度の上空から圃場を撮影した画像である。カラーチャートは、少なくとも一方向に数m程度の大きさである。これにより、移動体30は、撮影範囲の圃場を撮影することが可能となる。また、圃場に載置するカラーチャートは、少なくとも一方向に数m程度の大きさであれば良いため、圃場と一緒に撮影させるための労力は少ない。
【0117】
また、上記実施形態では、移動体30に搭載したRGBカメラにより、カラーチャートが撮影された後、圃場が撮影される。これにより、空撮の直前にカラーチャートが撮影されて、その後に圃場が撮影されることになるため、圃場とカラーチャートとが同一の環境において撮影されることになる。このため、圃場に植えられている作物の状況を、RGBカメラを用いた上空からの撮影により高精度に把握することが可能となる。
【0118】
<変形例>
上記実施形態では、サーバ20の解析モジュール2033が移動体30により撮影された画像を解析する場合を説明した。しかしながら、画像の解析は、サーバ20で実施されることに限られない。移動体30の制御部309が画像を解析してもよい。この場合、送受信部3092は、解析結果を端末装置10、又はサーバ20へ送信する。
【0119】
また、上記実施形態では、サーバ20が圃場で栽培される作物の生育状態を推定し、推定した生育状態に対応した提案内容を決定する場合を説明した。しかしながら、圃場で栽培される作物の生育状態を推定し、推定した生育状態に対応した提案内容を決定する処理は、サーバ20以外で実施されてもよい。例えば、端末装置10が、圃場で栽培される作物の生育状態を推定し、推定した生育状態に対応した提案内容を決定してもよい。この場合、端末装置10の制御部190が、例えば、解析モジュール2033、推定モジュール2034、提案モジュール2035と対応する機能を有することになる。
【0120】
また、上記実施形態では、画像にカラーチャートを含める場合を例に説明した。しかしながら、必ずしも画像にカラーチャートを含めなくてもよい。例えば、生育診断を開始したタイミングにおいて、圃場とカラーチャートとを含む画像を撮影し、このとき得られたカラーチャートを、続く生育診断において利用してもよい。または、例えば、生育診断を開始したタイミングにおいて、まずはカラーチャートのみを撮影し、このとき得られたカラーチャートを、続く生育診断において利用してもよい。つまり、例えば、生育診断を開始したタイミングにおいて、カラーチャートのみを撮影し、その直後、例えば、数分以内に圃場を空撮する。このように、空撮の前段においてカラーチャートのみを撮影することで、カラーチャートの大きさを抑えることが可能となる。
【0121】
また、例えば、撮影されたカラーチャートの画像を所定期間だけ利用し、所定期間が過ぎると新たに圃場及びカラーチャート、又は、カラーチャートを撮影するようにしてもよい。所定の期間は、周囲の環境が大きく変化しない時間が好ましく、例えば数10分程度の時間が想定される。また、例えば、移動体30、又は所定の位置に日照センサを配置し、日射量、日射方向の検出結果に基づき、新たに圃場とカラーチャートとを撮影するようにしてもよい。提示制御部193は、カラーチャートを含めた撮影を要するタイミングになると、例えば、「カラーチャートを撮影してください」のような、カラーチャートを撮影することを提案する表示をディスプレイ141に表示させる。
【0122】
また、上記実施形態では、解析モジュール2033がカラーチャートを自動で検出し、カラーチャート上の各色を自動で検出する場合を説明した。しかしながら、カラーチャート、及びカラーチャート上の各色の検出は自動に限定されない。解析モジュール2033は、カラーチャート上の色の指定をユーザから手動で受け付けてもよい。
【0123】
例えば、圃場とカラーチャートとが一緒に空撮される場合、空撮により得られた画像をユーザが参照し、画像に含まれるカラーチャートを指定する。ユーザは、指定したカラーチャート上で、各色(例えば、7段階の葉色)を指定する。
【0124】
また、上記実施形態では、
【0125】
<4 コンピュータの基本ハードウェア構成>
図11は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、通信IF99(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらはバスにより相互に電気的に接続される。
【0126】
プロセッサ91とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ91は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0127】
主記憶装置92とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0128】
補助記憶装置93とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0129】
通信IF99とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0130】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0131】
<コンピュータ90の基本機能構成>
図11に示すコンピュータ90の基本ハードウェア構成により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0132】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0133】
制御部は、プロセッサ91が補助記憶装置93に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置92に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0134】
記憶部は、主記憶装置92、補助記憶装置93により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置92または補助記憶装置93に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0135】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブルと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブルにはレコードを一意に特定するためのキーとなるカラムが設定されるが、カラムへのキーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶された特定のテーブルにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0136】
通信部は、通信IF99により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0137】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0138】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、飛行体に搭載したRGBカメラにより圃場を撮影した画像を取得するステップと、圃場と同一環境下でRGBカメラにより撮影された、分析内容と対応関係を有するカラーチャートの画像を取得するステップと、圃場の画像に含まれる色と、カラーチャートの画像に含まれる色とに基づき、植生指数を算出するステップと、カラーチャートの色に基づいて算出された植生指数と、圃場の色に基づいて算出された植生指数とから、圃場における植生を推定するステップとを実行させるプログラム。
(付記2)
カラーチャートは、葉色濃度に対応した複数の色を含む(付記1)に記載のプログラム。
(付記3)
葉色濃度に対応した複数の色は、水稲の葉色と対応している(付記2)に記載のプログラム。
(付記4)
推定するステップにおいて、GRVI(Green-Red Vegetation Index)に基づいて圃場における植生を推定する(付記1)から(付記3)のいずれかに記載のプログラム。
(付記5)
推定するステップにおいて、カラーチャートにおける所定の色に基づいて算出された植生指数よりも低い植生指数が算出された圃場の領域を注目領域と推定する(付記1)から(付記4)のいずれかに記載のプログラム。
(付記6)
推定するステップにおいて、カラーチャートに含まれるいずれかの色を基準とし、当該色に基づく植生指数を注目領域の推定に用い、基準としての色は品種、地域、診断時期によって異なる(付記5)に記載のプログラム。
(付記7)
注目領域に対し、施肥することを提案するステップをプロセッサに実行させる(付記5)に記載のプログラム。
(付記8)
圃場とカラーチャートとは同時に撮影される(付記1)から(付記7)のいずれかに記載のプログラム。
(付記9)
圃場とカラーチャートとについての画像は、飛行体に搭載したRGBカメラにより、50m乃至100m程度の上空から圃場を撮影した画像であり、カラーチャートは、少なくとも一方向に数m程度の大きさである(付記8)に記載のプログラム。
(付記10)
カラーチャートが撮影された後、圃場が撮影される(付記1)から(付記7)のいずれかに記載のプログラム。
(付記11)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、プロセッサが、飛行体に搭載したRGBカメラにより圃場を撮影した画像を取得するステップと、圃場と同一環境下でRGBカメラにより撮影された、分析内容と対応関係を有するカラーチャートの画像を取得するステップと、圃場の画像に含まれる色と、カラーチャートの画像に含まれる色とに基づき、植生指数を算出するステップと、カラーチャートの色に基づいて算出された植生指数と、圃場の色に基づいて算出された植生指数とから、圃場における植生を推定するステップとを実行する方法。
(付記12)
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、制御部が、飛行体に搭載したRGBカメラにより圃場を撮影した画像を取得するステップと、圃場と同一環境下でRGBカメラにより撮影された、分析内容と対応関係を有するカラーチャートの画像を取得するステップと、圃場の画像に含まれる色と、カラーチャートの画像に含まれる色とに基づき、植生指数を算出するステップと、カラーチャートの色に基づいて算出された植生指数と、圃場の色に基づいて算出された植生指数とから、圃場における植生を推定するステップと
を実行する情報処理装置。
(付記13)
飛行体に搭載したRGBカメラにより圃場を撮影した画像を取得する手段と、圃場と同一環境下でRGBカメラにより撮影された、分析内容と対応関係を有するカラーチャートの画像を取得する手段と、圃場の画像に含まれる色と、カラーチャートの画像に含まれる色とに基づき、植生指数を算出する手段と、カラーチャートの色に基づいて算出された植生指数と、圃場の色に基づいて算出された植生指数とから、圃場における植生を推定する手段とを具備するシステム。
【符号の説明】
【0139】
1…システム
10…端末装置
12…通信IF
120…通信部
13…入力装置
131…タッチ・センシティブ・デバイス
14…出力装置
141…ディスプレイ
15…メモリ
150…位置情報センサ
16…ストレージ
160…カメラ
17…音声処理部
171…マイク
172…スピーカー
180…記憶部
19…プロセッサ
190…制御部
20…サーバ
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