(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094116
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】作業車両の操作装置、及び作業車両
(51)【国際特許分類】
G05G 1/04 20060101AFI20240702BHJP
E02F 9/24 20060101ALI20240702BHJP
G05G 9/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G05G1/04 Z
E02F9/24 J
G05G9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210887
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】綿谷 亮
【テーマコード(参考)】
2D015
3J070
【Fターム(参考)】
2D015GA03
3J070AA04
3J070BA51
3J070BA71
3J070CA44
3J070CA47
3J070CB38
3J070CC71
3J070DA21
3J070DA24
3J070EA15
(57)【要約】
【課題】作業車両が備える機能の操作性を向上させる。
【解決手段】作業車両の操作装置は、作業車両の種々の機能を操作するための操作レバーと、操作レバーの操作モードを選択操作するための選択具と、を備え、操作レバーは、選択具によって選択操作された操作モードに応じて、操作指示を受け付ける作業車両の機能を変更する。また、操作レバーは、揺動操作自在に支持されており、選択具によって選択操作された操作モードに応じて、揺動操作によって操作指示を受け付ける作業車両の機能を変更する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両の種々の機能を操作するための操作レバーと、
前記操作レバーの操作モードを選択操作するための選択具と、
を備え、
前記操作レバーは、前記選択具によって選択操作された前記操作モードに応じて、操作指示を受け付ける前記作業車両の機能を変更する作業車両の操作装置。
【請求項2】
前記操作レバーは、揺動操作自在に支持されており、前記選択具によって選択操作された前記操作モードに応じて、前記揺動操作によって操作指示を受け付ける前記作業車両の機能を変更する請求項1に記載の作業車両の操作装置。
【請求項3】
複数の前記操作モードは、前記作業車両の機能のうち、少なくとも作業に関する作業機能を操作するための第1モードと、前記作業車両の機能のうち、少なくとも走行に関する走行機能を操作するための第2モードを含んでおり、
前記第1モードにおいて、前記操作レバーは、前記揺動操作によって前記作業機能の操作指示を受け付け、
前記第2モードにおいて、前記操作レバーは、前記揺動操作によって前記走行機能の操作指示を受け付ける請求項2に記載の作業車両の操作装置。
【請求項4】
前記操作レバーは、一又は複数の操作スイッチを有し、前記選択具の選択操作によって切り換えられた前記操作モードに応じて、前記操作スイッチの操作によって操作指示を受け付ける前記作業車両の機能を変更する請求項3に記載の作業車両の操作装置。
【請求項5】
複数の前記操作モードは、前記走行機能及び前記作業機能の操作をするための第3モードを含んでおり、
前記操作レバーは、前記第3モードにおいて、前記揺動操作によって前記走行機能の操作指示を受け付け、
前記第3モードにおいて、前記操作スイッチの操作によって操作指示を受け付ける前記作業車両の機能は、前記第2モードにおいて前記操作スイッチの操作によって操作指示を受け付ける前記作業車両の機能と異なっている請求項4に記載の作業車両の操作装置。
【請求項6】
複数の前記操作モードは、第4モードを含んでおり、
前記第4モードにおいて、前記操作レバーは、
前記揺動操作によって前記作業車両の機能の操作指示を受け付けず、
前記操作スイッチの操作によって前記作業車両の機能の操作指示を受け付ける請求項5に記載の作業車両の操作装置。
【請求項7】
前記選択具の操作によって選択操作された前記操作モードに応じて、表示形態を変更する表示部を備えている請求項1に記載の作業車両の操作装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記操作レバーに設けられている請求項7に記載の作業車両の操作装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記選択具の操作によって選択操作された前記操作モードに応じて、色彩を変更するランプである請求項7に記載の作業車両の操作装置。
【請求項10】
前記選択具は、物理的なスイッチである請求項1に記載の作業車両の操作装置。
【請求項11】
前記選択具は、表示画面に表示され、且つ操作を受け付ける表示画像である請求項1に記載の作業車両の操作装置。
【請求項12】
車体と、
前記車体に設けられた運転席と、
請求項1~11のいずれか1項に記載され、且つ前記運転席の周囲に設けられた操作装置と、
を備えている作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の操作装置、及び当該操作装置を備える作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された作業車両は、走行機体に搭載されたエンジンからの動力を、ミッション部にて変速して走行部や作業部に伝達するように構成されている作業車両であって、作業部(ローダ)を操作する作業部操作レバーと、ミッション部を操作するレバー(副変速レバー)と、を備え、作業部操作レバーには、バルブ操作スイッチ及びモード切換スイッチが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業車両の操作性を向上すべく、当該作業車両が備える機能に対応するスイッチを作業部操作レバーや副変速レバーに設けようとすると、レバーに多数のスイッチを設けることとなり、かえって操作性が悪化したり、レバーが巨大化したりする虞がある。また、特許文献1の発明のように、作業部と走行部とをレバーで操作する場合、それぞれ個別のレバーを設ける必要があり、レバーを設置するスペースを確保しなければならないという問題が生じたり、レバーを持ち替える必要が生じたりして、操作性も悪化する恐れがある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、作業車両が備える機能の操作性を向上させることができる作業車両の操作装置、及び作業車両の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る作業車両の操作装置は、作業車両の種々の機能を操作するための操作レバーと、前記操作レバーの操作モードを選択操作するための選択具と、を備え、前記操作レバーは、前記選択具によって選択操作された前記操作モードに応じて、操作指示を受け付ける前記作業車両の機能を変更する。
【0007】
前記操作レバーは、揺動操作自在に支持されており、前記選択具によって選択操作された前記操作モードに応じて、前記揺動操作によって操作指示を受け付ける前記作業車両の機能を変更してもよい。
【0008】
複数の前記操作モードは、前記作業車両の機能のうち、少なくとも作業に関する作業機能を操作するための第1モードと、前記作業車両の機能のうち、少なくとも走行に関する走行機能を操作するための第2モードを含んでおり、前記第1モードにおいて、前記操作レバーは、前記揺動操作によって前記作業機能の操作指示を受け付け、前記第2モードにおいて、前記操作レバーは、前記揺動操作によって前記走行機能の操作指示を受け付けてもよい。
【0009】
前記操作レバーは、一又は複数の操作スイッチを有し、前記選択具の選択操作によって切り換えられた前記操作モードに応じて、前記操作スイッチの操作によって操作指示を受け付ける前記作業車両の機能を変更してもよい。
【0010】
複数の前記操作モードは、前記走行機能及び前記作業機能の操作をするための第3モードを含んでおり、前記操作レバーは、前記第3モードにおいて、前記揺動操作によって前記走行機能の操作指示を受け付け、前記第3モードにおいて、前記操作スイッチの操作によって操作指示を受け付ける前記作業車両の機能は、前記第2モードにおいて前記操作スイッチの操作によって操作指示を受け付ける前記作業車両の機能と異なっていてもよい。
【0011】
複数の前記操作モードは、第4モードを含んでおり、前記第4モードにおいて、前記操作レバーは、前記揺動操作によって前記作業車両の機能の操作指示を受け付けず、前記操作スイッチの操作によって前記作業車両の機能の操作指示を受け付けてもよい。
【0012】
作業車両の操作装置は、前記選択具の操作によって選択操作された前記操作モードに応じて、表示形態を変更する表示部を備えていてもよい。
【0013】
前記表示部は、前記操作レバーに設けられていてもよい。
【0014】
前記表示部は、前記選択具の操作によって選択操作された前記操作モードに応じて、色彩を変更するランプであってもよい。
【0015】
前記選択具は、物理的なスイッチであってもよい。
【0016】
前記選択具は、表示画面に表示され、且つ操作を受け付ける表示画像であってもよい。
【0017】
作業車両は、車体と、前記車体に設けられた運転席と、前記運転席の周囲に設けられた操作装置と、を備えている。
【発明の効果】
【0018】
上記作業車両の操作装置、及び作業車両によれば、作業車両が備える機能の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】フロントローダが取り付けられた作業車両の側面図である。
【
図4】メータパネル内に設けられた表示装置を示す図である。
【
図5】運転席の周囲のアームレスト等の配置を示す平面図である。
【
図7】操作レバーの把持部付近を左上後方から見た斜視図である。
【
図8】第1ダイヤル及び第2ダイヤルを左上後方から見た斜視図である。
【
図12A】操作レバーの把持部付近を右上前方から見た斜視図である。
【
図12B】変形例において、操作レバーの把持部付近を右上前方から見た斜視図である。
【
図13】操作表示画面及び情報表示画面の一例を示す図である。
【
図17】第3変更画面及び情報表示画面の一例を示す図である。
【
図18】第4変更画面及び情報表示画面の一例を示す図である。
【
図20】変形例における操作レバーを運転席から見た図である。
【
図21】変形例における作業車両のシステムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、作業車両1の側面図である。作業車両1は、農作業を行うための車両であり、本実施形態の場合はトラクタである。以下、作業車両1がトラクタであるとして説明する。ただし、作業車両1は、トラクタに限定されず、コンバインや移植機等の農業機械(農業車両)であってもよいし、ローダ作業機等の建設機械(建設車両)等であってもよい。
【0022】
以下の説明において、作業車両1の運転席4に着座した作業者が向く方向(
図1、
図3等の矢印A1方向)を前方、その反対方向(
図1、
図3等の矢印A2方向)を後方という。また、作業者の左側(
図1の手前側、
図2等の矢印B1方向)を左方、作業者の右側(
図1の奥側、
図3等の矢印B2方向)を右方という。また、前後方向に直交する方向である水平方向を車体幅方向(
図3、
図4等参照)という。
【0023】
図1に示すように、作業車両1は、車体2と、変速装置20と、連結部30と、を備えている。
【0024】
車体2は、走行装置3を有していて走行可能である。また、車体2には、運転席4と、当該運転席4を囲うキャビン5が搭載されている。走行装置3は、前輪3F及び後輪3Rを有する装置である。前輪3Fは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪3Rも、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。
【0025】
車体2には、原動機6が設けられている。原動機6は、ディーゼルエンジン、電動モータ等であって、この実施形態ではディーゼルエンジンで構成されている。
【0026】
変速装置20は、変速によって走行装置3の推進力を切換可能であると共に、走行装置3の前進及び後進の切換が可能である。
図2は、作業車両1のシステムを説明する図である。
図2に示すように、変速装置20は、主軸(推進軸)20aと、主変速部20bと、副変速部20cと、シャトル部20dと、PTO動力伝達部20eと、前変速部20fと、を備えている。推進軸20aは、原動機6のクランク軸からの動力が伝達される。主変速部20bは、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有し、推進軸20aから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
【0027】
副変速部20cは、主変速部20bと同様に、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有し、主変速部20bから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
【0028】
シャトル部20dは、油圧クラッチが動力の伝達を切り換えることによって、副変速部20cから出力された動力の回転方向を切り換え、即ち走行装置3の前進及び後進に切り換えることができる。シャトル部20dは、後輪3Rを回転自在に支持する後輪デフ装置21Rに接続されている。なお、シャトル部20dの油圧クラッチは、中立位置に切り換えることで、動力の伝達を遮断することができる。
【0029】
PTO動力伝達部20eは、油圧クラッチの入切によって、推進軸20aの動力をPTO軸22に伝達する状態と、推進軸20aの動力をPTO軸22に伝達しない状態とに切り換える。
【0030】
前変速部20fは、油圧クラッチである第1クラッチ20f1及び第2クラッチ20f2を有し、推進軸20aからの動力が伝達可能であって、例えば、シャトル部20dの動力が、ギア及び伝動軸を介して伝達される。第1クラッチ20f1及び第2クラッチ20f2からの動力は、前輪3Fを回転自在に支持する前輪デフ装置21Fに伝達される。
【0031】
第1クラッチ20f1が切断状態で且つ第2クラッチ20f2が接続状態である場合、第2クラッチ20f2を通じてシャトル部20dの動力が前輪3Fに伝達される。これにより、前輪3F及び後輪3Rが動力によって駆動する四輪駆動(4WD)で且つ前輪3Fと後輪3Rとの回転速度が略同じとなる(4WD等速状態)。
【0032】
一方、第1クラッチ20f1が接続状態で且つ第2クラッチ20f2が切断状態である場合、第1クラッチ20f1を通じてシャトル部20dの動力が前輪3Fに伝達される。このとき、四輪駆動になり且つ前輪3Fの回転速度が後輪3Rの回転速度に比べて速くなる(4WD増速状態)。
【0033】
また、第1クラッチ20f1及び第2クラッチ20f2が切断状態である場合、シャトル部20dの動力が前輪3Fに伝達されないため、後輪3Rが動力によって駆動する二輪駆動(2WD)となる。
【0034】
なお、変速装置20が有する油圧クラッチには、それぞれ油路が接続され、当該油路には油圧ポンプ(図示略)から吐出した作動油が供給される制御弁(図示略)に接続されている。油圧ポンプは、原動機6が発生させた駆動力によって作動油を吐出する。制御弁は、例えば、電磁弁付き二位置切換弁であって、後述の制御装置80から出力された制御信号によって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、接続状態又は切断状態に切り換わる。
【0035】
なお、上述した変速装置20は、複数のギアの接続を変更することで変速を行う歯車式を採用しているが、変速装置20として、ベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)等を採用してもよいし、その構成は歯車式に限定されない。
【0036】
また、車体2の前部には、圃場、路面等からの衝撃や振動を緩衝し、且つ作業車両1の前部の高さ調整及び傾動等を行うサスペンション機構23が設けられている。サスペンション機構23は、前輪デフ装置21Fを収容する前車軸ケース(図示略)及び車体2とともにサスペンション装置を構成する。サスペンション機構23は、車体幅方向に一対設けられたサスペンションシリンダ23aを有している。
【0037】
一対のサスペンションシリンダ23aは、作動油を供給することにより伸縮自在である。詳しくは、一対のサスペンションシリンダ23aは、同時に伸長することで、前車軸ケースを下方へ移動させて、相対的に車体2の前部を上昇することができる。一方、一対のサスペンションシリンダ23aは、同時に収縮することで、前車軸ケースを上方に移動させて、相対的に車体2の前部を下降することができる。
【0038】
サスペンションシリンダ23aは、制御弁(図示略)を介して油圧ポンプと接続されている。制御弁は、例えば、電磁弁付き二位置切換弁であって、後述の制御装置80から出力された制御信号によって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、サスペンションシリンダ23aを伸縮させる。
【0039】
連結部30は、車体2の後部に設けられている。連結部30は、圃場(農地)等に対して作業を行う作業装置(対地作業機)10を作業車両1の後部に連結するための部分である。作業装置10は、例えばPTO軸22から伝達される駆動力によって駆動する。また、作業装置10は、油圧アタッチメント10aを有し、当該油圧アタッチメント10aが作動油によって駆動してもよい。具体的には、作業装置10は、耕耘機、散布機、播種機等であるが、これらに限定はされない。
【0040】
図3は、連結部30の斜視図である。連結部30は、油圧シリンダ等のアクチュエータにより駆動して作業装置10を上昇又は下降させる昇降装置30である(以下、「昇降装置30」ともいう)。本実施形態の場合、昇降装置30は、3点リンク機構である。
【0041】
図3に示すように、昇降装置30は、リフトアーム30a、ロアリンク30b、トップリンク30c、リフトロッド30d、及びリフトシリンダ30eを有している。リフトアーム30aの前端部は、変速装置20の後上部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。リフトアーム30aは、リフトシリンダ30eの駆動によって揺動(昇降)する。リフトシリンダ30eは、油圧シリンダから構成されている。リフトシリンダ30eは、制御弁(図示略)を介して油圧ポンプと接続されている。制御弁は、例えば、電磁弁付き二位置切換弁であって、後述の制御装置80から出力された制御信号によって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、リフトシリンダ30eを伸縮させる。
【0042】
ロアリンク30bの前端部は、変速装置20の後下部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。トップリンク30cの前端部は、ロアリンク30bよりも上方において、変速装置20の後部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。リフトロッド30dは、リフトアーム30aとロアリンク30bとを連結している。ロアリンク30bの後部及びトップリンク30cの後部には、作業装置10が連結される。
【0043】
リフトシリンダ30eが駆動(伸縮)すると、リフトアーム30aが昇降するとともに、リフトロッド30dを介してリフトアーム30aと連結されたロアリンク30bが昇降する。これにより、作業装置10がロアリンク30bの前部を支点として、上方又は下方に揺動(昇降)する。
【0044】
なお、車体2の後部には、作業装置10を水平に維持するための水平制御装置(モンロー)31が設けられていてもよい。水平制御装置31は、車体2に装着された作業装置10の姿勢を変更する装置である。水平制御装置31は、変更シリンダ31aを有しており、変更シリンダ31aは、一対のリフトロッド30dのうち、片方のリフトロッド30dに代えて、リフトアーム30aとロアリンク30bとを連結している。変更シリンダ31aは、油圧シリンダから構成されている。変更シリンダ31aは、制御弁(図示略)を介して油圧ポンプと接続されている。制御弁は、電磁弁等であって、変更シリンダ31aを伸縮させる。変更シリンダ31aは、制御弁を介して油圧ポンプと接続されている。制御弁は、例えば、電磁弁付き二位置切換弁であって、後述の制御装置80から出力された制御信号によって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、リフトシリンダ30eを伸縮させる。
【0045】
図2に示すように、作業車両1は、複数の補助弁32を有している。複数の補助弁32は、油圧ポンプと接続されている電磁弁付き二位置切換弁である。複数の補助弁32は、出力ポートを有しており、任意の出力ポートに油圧ホース等が接続可能である。補助弁32の任意の出力ポートに接続した油圧ホースを、作業装置10の油圧アタッチメント10aに接続し、補助弁32は、後述の制御装置80から出力された制御信号によって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、作業装置10に装着された様々な油圧アタッチメント10aを作動させる。
【0046】
なお、本実施形態においては、複数の補助弁32は、車体2のうち、昇降装置30の上方に配置されている。また、本実施形態において、複数の補助弁32の数は、4つである。以下、作業車両1が備える複数の補助弁32のことをそれぞれ第1補助弁32a、第2補助弁32b、第3補助弁32c、及び第4補助弁32dということがある。
【0047】
図1に示すように、車体2の前部には、フロントローダ35が取り付けられる。フロントローダ35は、取付フレーム35aと、ブーム35bと、作業具(バケット)35cと、ブームシリンダ35dと、バケットシリンダ35eと、を有している。尚、フロントローダ35は、ブーム35bおよび作業具35cを有するものであれば、本実施形態に限定されない。また、作業具35cは、バケットに限定されず、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノーブロア等、他の種類の作業具であってもよい。
【0048】
図1に示すように、取付フレーム35aは、車体2の左側および右側に着脱可能に取り付けられる。フロントローダ35は、取付フレーム35aを介して車体2に装着される。
【0049】
ブーム35bは、車体2に上下揺動可能に設けられる。ブーム35bは、取付フレーム35aに設けられた枢軸36回りに揺動可能に連結支持されている。
【0050】
バケット35cは、ブーム35bの前部に装着される。バケット35cは、主として車体2の前方の作業場の土砂等を掬ったり、前方へ押したりするのに用いられるものであって、バケット35cの後部に設けられた連結ブラケット35c1にて、ブーム35bの前端部に設けられた枢軸37回りに揺動可能に連結支持されている。
【0051】
ブームシリンダ35d及びバケットシリンダ35eは、それぞれ制御弁(図示略)を介して油圧ポンプと接続されている。制御弁は、例えば、電磁弁付き二位置切換弁であって、後述の制御装置80から出力された制御信号によって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、ブームシリンダ35d及びバケットシリンダ35eのそれぞれを伸縮させる。
【0052】
ブームシリンダ35dは、ブーム35bの下面側にそれぞれ設けられ、取付フレーム35aとブーム35bとを連結している。ブームシリンダ35dの一端部は、取付フレーム35aに回動可能に枢支されている。ブームシリンダ35dの他端部は、ブーム35bの前後方向の中間部に回動可能に枢支されている。
【0053】
ブームシリンダ35dは、油圧シリンダにより構成されており、伸長することによってブーム35bを枢軸36回りに上方へ揺動させ、収縮することによってブーム35bを枢軸36回りに下方へ揺動させる。
【0054】
バケットシリンダ35eは、ブーム35bの上面側にそれぞれ設けられ、バケット35cとブーム35bとを連結している。バケットシリンダ35eの一端部は、バケット35c後部の連結ブラケット35c1に回動可能に枢支されている。バケットシリンダ35eの他端部は、ブーム35bの前後方向の中間部に回動可能に枢支されている。
【0055】
バケットシリンダ35eは、油圧シリンダにより構成されており、伸長することによってバケット35cを枢軸37回りに下方へ揺動(ダンプ動作)させ、収縮することによってバケット35cを枢軸37回りに上方へ揺動(スクイ動作)させる。
【0056】
なお、
図1では、車体2の前部にフロントローダ35を取り付けている状態を示しているが、作業車両1が備える機能によっては、作業車両1にフロントローダ35が取り付けられていなくてもよい。
【0057】
図1に示すように、運転席4の前方には、ステアリングホイール11が設けられている。ステアリングホイール11は、ステアリングシャフトによって回転可能に支持されている。ステアリングホイール11は、キャビン5の室内に配置された操縦台12の上部に設けられている。
【0058】
図2に示すように、作業車両1は、操作装置40と、検出装置70と、制御装置80と、表示装置90と、を備えている。なお、以下の説明において、操作装置40、制御装置80、及び表示装置90を含む構成(本実施形態においては、後述の記憶装置81を含む構成)を作業車両1の支援装置100という場合がある。また、作業車両1には、CAN、LIN、又はFlexRayなどの車載ネットワークNが構築されている。操作装置40、検出装置70、制御装置80、及び表示装置90を含む作業車両1に搭載された機器は、当該車載ネットワークNを介して、電気的に接続されている。
【0059】
操作装置40は、運転席4の周囲に設けられており、作業車両1の種々の機能を操作するための装置である。操作装置40は、例えば、作業車両1の種々の機能のうち、走行に関する走行機能や、作業に関する作業機能を操作するための装置である。操作装置40は、操作されることで操作指示を受け付け、当該操作に基づく操作信号を出力する。
【0060】
検出装置70は、作業車両1の状態を検出し、検出信号として出力する装置である。検出装置70は、例えば、原動機回転センサ(回転センサ)70a、アクセルペダルセンサ70b、ブレーキペダルセンサ70c、操舵角センサ70d、第1角度センサ70e、第2角度センサ70f、第3角度センサ70g、及び車速センサ70h等を含んでいる。
【0061】
原動機回転センサ70aは、原動機6の回転数を検出し、アクセルペダルセンサ70bは、アクセルペダルの操作量を検出する。ブレーキペダルセンサ70cは、ブレーキペダルの操作を検出し、操舵角センサ70dは、ステアリングホイール11の操舵角を検出する。第1角度センサ70eは、リフトアーム30aの角度を検出し、第2角度センサ70fは、ブーム35bの角度を検出する。第3角度センサ70gは、バケット35cの角度を検出し、車速センサ70hは、車速を検出する。
【0062】
なお、上述した検出装置70は一例であり、上述したセンサのみに限定されず、作業車両1の機能に応じて適宜、追加、削除、又は変更してもよい。
【0063】
制御装置80は、電気・電子回路、CPU、メモリ等に格納されたプログラム等から構成された装置であり、作業車両1が有する車載ネットワークNに接続された様々な機器を制御する。また、制御装置80には、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)、HDD(ハードディスクドライブ)等の記憶装置81が接続されており、制御装置80は、当該記憶装置81に記憶されたプログラムに基づいて所定の制御を実行する。
【0064】
より具体的には、制御装置80は、操作装置40から出力された操作信号や、検出装置70の検出信号等に基づいて作業車両1の走行機能や作業機能等の制御を行う。例えば、制御装置80は、操作装置40から出力された操作信号に基づく変速装置20の変速(増速又は変速)に関する制御や、操作装置40から出力された操作信号に基づく昇降装置30の昇降に関する制御、フロントローダ35の動作に関する制御、アクセルペダルセンサ70bからの検出信号に基づく原動機6の回転数の制御等を実行する。
【0065】
表示装置90は、様々な情報を表示可能な装置である。表示装置90は、液晶パネル、タッチパネル、その他のパネルのいずれかを有している。例えば、表示装置90は、運転席4の前方に設けられたメータパネル15内に設けられた第1表示装置(モニタ)90Aである。
図4は、メータパネル15内に設けられた第1表示装置90Aを示す図である。メータパネル15は、操縦台12のコラムカバーの上部であってステアリングホイール11の前方に配置される。メータパネル15には、原動機6の回転数を表示するエンジン回転計15a、水温計15b、燃料計15c、及び第1表示装置90Aが設けられている。図示例では、第1表示装置90Aの左方にエンジン回転計15aが配置され、第1表示装置90Aの右方に水温計15bと燃料計15cが配置されているが、その配置は変更してもよい。第1表示装置90Aは、車載ネットワークNを介して、制御装置80等に接続されている。第1表示装置90Aは、車載ネットワークNに接続された制御装置80、検出装置70等の機器から様々な情報を取得して、当該情報を表示することが可能である。
【0066】
なお、表示装置90は、情報を表示することができればよく、上述したようにメータパネル15内に設けられた第1表示装置90Aに限定されない。つまり、表示装置90は、作業車両1に搭乗する作業者の周囲に設けられた第2表示装置(ターミナル表示装置)90Bであってもよいし、作業車両1に搭乗して当該作業車両1を操作する作業者が所持する携帯端末であってもよい。携帯端末は、PCや比較的演算能力の高いスマートフォン(多機能携帯電話)等で構成されている。斯かる場合において、携帯端末は、車載ネットワークNと直接通信及び間接通信のいずれかを行う装置を有し、当該装置を介して車載ネットワークNに接続された機器から様々な情報を取得して、当該情報を表示することが可能である。
【0067】
制御装置80は、作業車両1に関する複数の機能を制御(実行)できる。制御装置80は、操作装置40から出力された操作信号及び/又は検出装置70から出力された検出信号に基づいて、作業車両1が備える機器を制御し、様々な種類の機能を実行させる。作業車両1に関する複数の機能は、所定の条件によって、それぞれ関連するカテゴリに分類できる。本実施形態において、複数の機能は、第1~第9カテゴリに分類することができる。なお、複数の機能を実行するために必要な制御プログラム、及び制御パラメータ等は、記憶装置81に記憶されている。
【0068】
第1カテゴリは、変速装置20の変速段の切換に関連する分類である。第1カテゴリには、変速装置20を制御する機能が分類される。制御装置80は、第1カテゴリに分類される機能として、走行機能である第1~第8機能を制御できる。第1機能は、車速センサ70hが検出した車速と、予め定義された制御マップと、に基づいて、主変速部20bのシフタ及び/又は副変速部20cのシフタを制御して、変速装置20の変速段を変更する。
【0069】
第2機能は、第1機能の制御対象(主変速部20bのシフタ及び/又は副変速部20cのシフタ)や、参照する制御マップを変更する機能である。制御装置80は、第2機能として、例えば第1機能の制御対象を変更し、第1機能において主変速部20bのシフタ及び副変速部20cのシフタを制御するモードと、第1機能において主変速部20bのシフタを制御するモードと、に切り換える。また、記憶装置81は、制御マップを複数記憶しており、制御装置80は、第2機能として、第1機能で参照する制御マップを適宜選択する。
【0070】
第3機能は、作業者の操作に基づいて第1機能の制御マップを変更する機能である。制御装置80は、第3機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、第1機能の制御マップを変更し、変速装置20の変速段を変更する車速の条件を変更する。
【0071】
第4機能は、作業者の操作に基づいて主変速部20bのシフタ及び/又は副変速部20cのシフタを制御して、変速装置20の変速段を上げる機能である。制御装置80は、第4機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、主変速部20bのシフタ及び/又は副変速部20cのシフタを制御し、変速段を上げる。
【0072】
第5機能は、作業者の操作に基づいて主変速部20bのシフタ及び/又は副変速部20cのシフタを制御して、変速装置20の変速段を下げる機能である。制御装置80は、第5機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、主変速部20bのシフタ及び/又は副変速部20cのシフタを制御し、変速段を下げる。
【0073】
第6機能は、作業者の操作に基づいて副変速部20cから出力された動力の回転方向の切換速度を変更する機能である。制御装置80は、第6機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、シャトル部20dの油圧クラッチの切換速度を変更、言い換えると走行装置3の前進及び後進の切換の感度を変更する。
【0074】
第7機能は、ブレーキペダルが操作され、車速が所定未満になった場合に、シャトル部20dの油圧クラッチを中立位置に切り換えて、走行装置3への動力の伝達を遮断する機能である。制御装置80は、ブレーキペダルセンサ70cが検出したブレーキペダルの操作と、車速センサ70hが検出した車速と、に基づいて、ブレーキペダルが操作され、車速が所定未満になったか否かを判断し、第7機能を制御する。
【0075】
第8機能は、原動機6の負荷に基づいて、変速装置20の制御を変更する機能である。制御装置80は、第8機能として、原動機回転センサ70aが検出した原動機6の回転数に基づく原動機6の負荷等を検出し、当該負荷が大きい場合、負荷が小さい場合に比べて、シャトル部20dの油圧クラッチの切換速度を早くする。
【0076】
なお、第1カテゴリに分類される機能として、変速装置20に関連する機能を説明したが、変速装置20の種類等によって、作業車両1に採用する機能を追加、削除、又は変更してもよい。例えば、変速装置20が無段変速機である場合、第1カテゴリに分類される機能として、制御装置80が車速を一定に制御する機能(クルーズコントロール)や、当該クルーズコントロールの車速を変更する機能、車速を制限するモード(走行モード)に切り換える機能等を採用してもよい。斯かる場合、クルーズコントロールの機能における車速を変更する機能を採用してもよい。
【0077】
第2カテゴリは、変速装置20の主変速部20bに伝達される動力に関する分類である。第2カテゴリには、原動機6及び/又はシャトル部20dを制御する機能が分類される。制御装置80は、第2カテゴリに分類される機能として、走行機能である第9~第16機能を制御できる。第9機能は、原動機6の回転数をアクセルペダルの操作によらず、予め定義された第1原動機回転数に制御する機能である。第1原動機回転数の値は、記憶装置81に予め記憶されている。
【0078】
第10機能は、作業者の操作に基づいて第1原動機回転数を変更する機能である。制御装置80は、第10機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、記憶装置81に記憶された第1原動機回転数の値を変更する。
【0079】
第11機能は、原動機6の回転数をアクセルペダルの操作によらず、予め定義された第2原動機回転数に制御する機能である。第2原動機回転数の値は、第1原動機回転数と異なる回転数であり、記憶装置81に予め記憶されている。
【0080】
第12機能は、作業者の操作に基づいて第2原動機回転数を変更する機能である。制御装置80は、第12機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、記憶装置81に記憶された第2原動機回転数の値を変更する。
【0081】
第13機能は、車速及び原動機6の負荷に基づいて、原動機6の回転数を制御する機能である。制御装置80は、第13機能として、車速センサ70hが検出した車速と、原動機回転センサ70aが検出した原動機6の回転数に基づく原動機6の負荷と、に基づいて、車速が一定であって且つ原動機6の負荷が所定以上である場合に、原動機6の回転数を上昇させる。
【0082】
第14機能は、作業者の操作に基づいてシャトル部20dを制御して、シャトル部20dから伝達される動力を遮断する機能である。制御装置80は、第14機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、シャトル部20dの油圧クラッチを中立位置に切り換える。
【0083】
第15機能は、作業者の操作に基づいてシャトル部20dを制御して、副変速部20cから出力された動力の回転方向を前進に切り換える機能である。制御装置80は、第15機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、シャトル部20dの油圧クラッチを制御し、副変速部20cから出力された動力の回転方向を前進に切り換える。
【0084】
第16機能は、作業者の操作に基づいてシャトル部20dを制御して、副変速部20cから出力された動力の回転方向を後進に切り換える機能である。制御装置80は、第16機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、シャトル部20dの油圧クラッチを制御し、副変速部20cから出力された動力の回転方向を後進に切り換える。
【0085】
なお、第2カテゴリに分類される機能として、変速装置20の主変速部20bに伝達される動力に関する機能を説明したが、上述した機能は一例であり、第2カテゴリに分類される機能として、制御装置80が制御する原動機6の回転数の上限値を変更する機能等を採用してもよい。
【0086】
第3カテゴリは、作業車両1の運転性に関する分類である。第3カテゴリには、前変速部20f、後輪デフ装置21R、及びサスペンション機構23の少なくともいずれかを制御する機能が分類される。制御装置80は、第3カテゴリに分類される機能として、走行機能である第17~第23機能を制御できる。第17機能は、作業者の操作に基づいて前変速部20fを制御して、4WD等速状態への切換を行う機能である。制御装置80は、第17機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、第1クラッチ20f1を切断状態に切り換え、第2クラッチ20f2を接続状態に切り換える(4WD等速状態)。
【0087】
第18機能は、車速及び操舵装置の操舵角に基づいて前変速部20fを制御して、2WDと、4WD等速状態と、の切換を行う機能である。制御装置80は、第18機能として、車速センサ70hが検出した車速及び操舵角センサ70dが検出した操舵角に基づいて、車速が所定未満であり、且つ操舵角が所定未満である場合に、第1クラッチ20f1を切断状態に切り換え、第2クラッチ20f2を接続状態に切り換える(4WD等速状態)。一方、制御装置80は、第14機能として、車速が所定以上、又は操舵角が所定以上である場合に、前変速部20fの第1クラッチ20f1及び第2クラッチ20f2を切断状態に切り換える(2WD)。
【0088】
第19機能は、作業者の操作に基づいて前変速部20fを制御して、4WD増速状態への切換を行う機能である。制御装置80は、第19機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、第1クラッチ20f1を接続状態に切り換え、第2クラッチ20f2を切断状態に切り換える(4WD増速状態)。
【0089】
第20機能は、作業者の操作に基づいて後輪デフ装置21Rを固定(直結)する機能である。制御装置80は、第20機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、後輪デフ装置21Rを制御して、デフロックを行う。
【0090】
第21機能は、作業者の操作に基づいてサスペンションシリンダ23aを収縮して、相対的に車体2の前部を下降する機能である。制御装置80は、第21機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて制御弁を制御し、サスペンションシリンダ23aを収縮させて、車体2の前部を下降させる。なお、制御装置80は、第21機能において、車速センサ70hが検出した車速が所定以上である場合、制御弁を制御して、サスペンションシリンダ23aを所定の初期長さに戻すことで、車体2の前部の高さを所定の初期位置に戻す。
【0091】
第22機能は、作業者の操作に基づいてサスペンションシリンダ23aを伸長して、相対的に車体2の前部を上昇する機能である。制御装置80は、第22機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて制御弁を制御し、サスペンションシリンダ23aを伸長させて、車体2の前部を上昇させる。なお、制御装置80は、第22機能において、車速センサ70hが検出した車速が所定以上である場合、制御弁を制御して、サスペンションシリンダ23aを所定の初期長さに戻すことで、車体2の前部の高さを所定の初期位置に戻す。
【0092】
第23機能は、車速が所定未満である場合に、サスペンションシリンダ23aを最も収縮させる機能である。制御装置80は、車速センサ70hが検出した車速が所定未満である場合、第23機能として制御弁を制御し、サスペンションをストロークエンドまで収縮させて、車体2の前部を下降させる。一方、制御装置80は、車速センサ70hが検出した車速が所定以上である場合、第23機能として制御弁を制御して、サスペンションシリンダ23aを所定の初期長さに戻すことで、車体2の前部の高さを所定の初期位置に戻す。
【0093】
なお、第3カテゴリに分類される機能として、作業車両1の運転性に関する機能を説明したが、上述した機能は一例であり、第3カテゴリに分類される機能として、オートデフロック機能、スリップ率に応じて車速を制御する機能、当該機能の制御マップを変更する機能(スリップ感度の変更機能)等を採用してもよい。
【0094】
第4カテゴリは、PTO軸22の回転に関する分類である。第4カテゴリには、PTO動力伝達部20eを制御する機能が分類される。制御装置80は、第4カテゴリに分類される機能として、作業機能である第24機能を制御できる。第24機能は、作業装置10の高さに応じて、PTO動力伝達部20eを制御して、PTO軸22への動力伝達を切り換える機能である。制御装置80は、第24機能として、第1角度センサ70eが検出した検出信号から作業装置10の高さを演算し、当該作業装置10の高さが所定未満である場合に、PTO動力伝達部20eの油圧クラッチを制御して、推進軸20aの動力をPTO軸22に伝達する状態に切り換える。一方、制御装置80は、第24機能として、第1角度センサ70eが検出した検出信号から作業装置10の高さを演算し、当該作業装置10の高さが所定以上である場合に、PTO動力伝達部20eの油圧クラッチを制御して、推進軸20aの動力をPTO軸22に伝達しない状態に切り換える。
【0095】
なお、第4カテゴリに分類される機能として、PTO軸22の回転に関する機能を説明したが、上述した機能は一例であり、第4カテゴリに分類される機能として、作業者の操作に応じて、制御装置80がPTO動力伝達部20eを制御して、PTO軸22への動力伝達を切り換える機能等を採用してもよい。
【0096】
第5カテゴリは、昇降装置30に関する分類である。第5カテゴリには、リフトシリンダ30e及び/又は変更シリンダ31aを制御する機能が分類される。制御装置80は、第5カテゴリに分類される機能として、作業機能である第25~第31機能を制御できる。第25機能は、作業者の操作に基づいてリフトシリンダ30eを伸長して、昇降装置30に連結された作業装置10を上昇する機能である。制御装置80は、第25機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて制御弁を制御し、リフトシリンダ30eを伸長させて、作業装置10を上昇させる。
【0097】
第26機能は、作業者の操作に基づいてリフトシリンダ30eを収縮して、昇降装置30に連結された作業装置10を下降する機能である。制御装置80は、第26機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて制御弁を制御し、リフトシリンダ30eを収縮させて、作業装置10を下降させる。
【0098】
第27機能は、作業者の操作に基づいて、昇降装置30に連結された作業装置10の高さの上限値を変更する機能である。制御装置80は、第27機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、記憶装置81に記憶された作業装置10の高さの上限値を変更する。なお、制御装置80は、第1角度センサ70eが検出した検出信号から作業装置10の高さを演算し、検出した作業装置10の高さが記憶装置81に記憶されている作業装置10の高さの上限値を超えないように制限する。
【0099】
第28機能は、作業者の操作に基づいて、昇降装置30に連結された作業装置10の高さの下限値を変更する機能である。制御装置80は、第28機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、記憶装置81に記憶された作業装置10の高さの下限値を変更する。なお、制御装置80は、第1角度センサ70eが検出した検出信号から作業装置10の高さを演算し、検出した作業装置10の高さが記憶装置81に記憶されている作業装置10の高さの下限値を下回らないように制限する。
【0100】
第29機能は、作業者の操作に基づいて変更シリンダ31aを収縮して、昇降装置30に連結された作業装置10の姿勢を変更する機能である。制御装置80は、第29機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて制御弁を制御し、変更シリンダ31aを収縮させて、作業装置10の幅方向の他方側(右側)を上昇させ、作業装置10の幅方向の一方側(左側)を下降させる。
【0101】
第30機能は、作業者の操作に基づいて変更シリンダ31aを伸長して、昇降装置30に連結された作業装置10の姿勢を変更する機能である。制御装置80は、第30機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて制御弁を制御し、変更シリンダ31aを伸長させて、作業装置10の幅方向の他方側(右側)を下降させ、作業装置10の幅方向の一方側(左側)を上昇させる。
【0102】
第31機能は、作業者の操作に基づいて変更シリンダ31aを所定の初期長さに戻し、昇降装置30に連結された作業装置10の姿勢を所定の初期状態に戻す機能である。制御装置80は、第31機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて制御弁を制御し、変更シリンダ31aを所定の初期長さに戻して、車体2に対する作業装置10の姿勢を平行にする。
【0103】
なお、第5カテゴリに分類される機能として昇降装置30に関する機能を説明したが、上述した機能は一例であり、第5カテゴリに分類される機能として、制御装置80が変更シリンダ31aを制御して、車体2に対する作業装置10の姿勢の角度を変更する機能や、制御装置80が制御弁を制御して、リフトシリンダ30eが収縮する速度、即ち作業装置10を下降する速度を変更する機能、昇降装置30の駆動及び自然落下を制限(ロック)する機能等を採用してもよい。
【0104】
第6カテゴリは、油圧アタッチメント10aを有する作業装置10に関する分類である。第6カテゴリは、作業装置10を制御する機能が分類される。制御装置80は、第6カテゴリに分類される機能として、作業機能である第32~第33機能を制御できる。第32機能は、作業者の操作に基づいて油圧アタッチメント10aに供給する作動油の流量を調整する機能である。制御装置80は、第32機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、複数の補助弁32のうち、所定の補助弁32(第1補助弁32a、第2補助弁32b、第3補助弁32c、及び第4補助弁32dのうちいずれか)を制御し、油圧アタッチメント10aに供給する作動油の流量を増加させ、当該作動油の流速を速くする。
【0105】
第33機能は、作業者の操作に基づいて油圧アタッチメント10aに供給する作動油の流量を調整する機能である。制御装置80は、第33機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、複数の補助弁32のうち、所定の補助弁32(第1補助弁32a、第2補助弁32b、第3補助弁32c、及び第4補助弁32dのうちいずれか)を制御し、油圧アタッチメント10aに供給する作動油の流量を減少させ、当該作動油の流速を遅くする。
【0106】
なお、第6カテゴリに分類される機能として油圧アタッチメント10aを有する作業装置10を制御する機能を説明したが、上述した機能は一例であり、第6カテゴリに分類される機能として、制御装置80が補助弁32を制御して、速度を変更する機能等を採用してもよい。
【0107】
第7カテゴリは、フロントローダ35に関する分類である。第7カテゴリは、ブームシリンダ35d及び/又はバケットシリンダ35eを制御する機能が分類される。制御装置80は、第7カテゴリに分類される機能として、作業機能である第34~第41機能を制御できる。第34機能は、作業者の操作に基づいてブームシリンダ35dを伸長して、ブーム35bを上方へ揺動する機能である。制御装置80は、第34機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて制御弁を制御し、ブームシリンダ35dを伸長させて、ブーム35bを上方へ揺動させる。
【0108】
第35機能は、作業者の操作に基づいてブームシリンダ35dを収縮して、ブーム35bを下方へ揺動する機能である。制御装置80は、第35機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて制御弁を制御し、ブームシリンダ35dを収縮させて、ブーム35bを下方へ揺動させる。
【0109】
第36機能は、作業者の操作に基づいてバケットシリンダ35eを収縮して、バケット35cを上方へ揺動(スクイ動作)する機能である。制御装置80は、第36機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて制御弁を制御し、バケットシリンダ35eを収縮させて、スクイ動作させる。
【0110】
第37機能は、作業者の操作に基づいてバケットシリンダ35eを伸長して、バケット35cを下方へ揺動(ダンプ動作)する機能である。制御装置80は、第37機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて制御弁を制御し、バケットシリンダ35eを伸長させて、ダンプ動作させる。
【0111】
第38機能は、バケット35cを揺らすことで、当該バケット35cから積載物をなくす機能である。制御装置80は、第38機能として、ブームシリンダ35d及びバケットシリンダ35eのそれぞれに接続された制御弁を制御し、バケット35cを下方に向けつつ、当該バケット35cを複数回揺動させる。
【0112】
第39機能は、バケット35cの積載物の質量を演算する機能である。制御装置80は、第39機能として、ブームシリンダ35d及びバケットシリンダ35eに接続された油路を流れる作動油の圧力や、ブーム35bの角度等に基づいて、積載物の質量を演算し、当該質量を表示装置90に表示させる。なお、制御装置80は、第39機能として積載物の質量を演算することができればよく、その演算方法は、上述した方法に限定されない。
【0113】
第40機能は、作業者の操作に基づいてフロントローダ35の動作速度を変更する機能である。制御装置80は、第40機能として、操作装置40から出力された操作信号に基づいて、フロントローダ35を動作させる際のブームシリンダ35dの制御弁及びバケットシリンダ35eの制御弁の開度を調整し、ブームシリンダ35d及びバケットシリンダ35eに供給する作動油の流量を変更する。
【0114】
第41機能は、フロントローダ35(バケット35c)の動作位置を所定位置に移動させる機能である。制御装置80は、第41機能として、記憶装置81に記憶されている位置情報、第2角度センサ70fが検出したブーム35bの角度、及び第3角度センサ70gが検出したバケット35cの角度等に基づいて、ブームシリンダ35dの制御弁及びバケットシリンダ35eの制御弁を制御し、バケット35cの動作位置を所定位置に移動させる。
【0115】
なお、第7カテゴリに分類される機能としてフロントローダ35に関する機能を説明したが、上述した機能は一例であり、第7カテゴリに分類される機能として、制御装置80がブームシリンダ35dの制御弁及びバケットシリンダ35eの制御弁を制御して、バケット35cの水平状態を維持する機能(水平制御)等を採用してもよい。
【0116】
第8カテゴリは、作業装置10の精密作業に関する分類である。第8カテゴリは、作業装置10の精密作業を実行する機能が分類される。制御装置80は、第8カテゴリに分類される機能として、作業機能である第42~第43機能を制御できる。第42機能は、作業車両1が予め定義された一連の動作を実行する機能である。一連の動作の内容及び順序等の情報は、記憶装置81に記憶されている。記憶装置81には、例えば作業車両1が圃場のうち枕地の内側の作業領域から枕地領域へ移動する場合に行う動作(退出動作)や、作業車両1が枕地領域から作業領域へ移動する場合に行う一連の動作(侵入動作)が記憶されている。
【0117】
具体的には、制御装置80は、第42機能として、記憶装置81から退出動作を読み出すと、制御弁を制御して作業装置10を上昇させ、PTO動力伝達部20eの油圧クラッチを制御して推進軸20aの動力をPTO軸22に伝達しない状態に切り換える。さらに、制御装置80は、後輪デフ装置21Rを制御してデフロックを解除し、前変速部20fを制御して2WDへ切り換える。
【0118】
また、制御装置80は、第42機能として、記憶装置81から侵入動作を読み出すと、前変速部20fを制御して4WD等速状態へ切り換え、後輪デフ装置21Rを制御してデフロックを行う。制御装置80は、制御弁を制御して作業装置10を下降させ、PTO動力伝達部20eの油圧クラッチを制御して推進軸20aの動力をPTO軸22に伝達する状態に切り換える。
【0119】
なお、第42機能において作業車両1が実行する一連の動作は、退出動作及び侵入動作に限定されず、作業車両1が行う一連の動作であればよく、その動作内容は、上述した例に限定されない。
【0120】
第43機能は、作業装置10が制御装置80と通信可能に接続されている場合に、作業装置10が制御装置80を介して、作業車両1を制御する機能である。制御装置80は、作業装置10に設けられ、且つ電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成された制御部10bからの指示に基づいて、例えば第17~第20機能、第25機能、及び第26機能等を制御する。
【0121】
なお、第8カテゴリに分類される機能として作業装置10の精密作業に関する機能を説明したが、上述した機能は一例であり、第8カテゴリに分類される機能として、制御装置80が自動操舵機構を制御し、所定の走行ラインに基づいて、車体2の操舵を制御する機能(自動操舵)等を採用してもよい。
【0122】
第9カテゴリは、その他の機器に関する分類である。第9カテゴリは、作業車両1に設けられたスピーカの音量調整を実行する機能(第44機能)や、操作装置40の操作感度を調整する機能(第45機能)等が分類される。
【0123】
なお、上述した複数の機能(第1~第45機能)及びそのカテゴリ(第1~第9カテゴリ)は、一例に過ぎず、その機能の種類、及び分類方法は限定されず、作業車両1の機能として、これらの機能のうち一部のみを採用してもよいし、他の機能を追加、又は変更してもよい。また、詳細な説明は省略するが、制御装置80は、第9機能の第1原動機回転数を変更する第10機能や、第11機能の第2原動機回転数を変更する第12機能等のように、それぞれの機能のパラメータを変更する機能を実行できてもよい。
【0124】
図2に示すように、操作装置40は、操作レバー41と、ダイヤル44と、操作具49と、を有している。
図5は、運転席4の周囲のアームレスト16等の配置を示す平面図である。
図5に示すように、運転席4の車体幅方向の他方(右方)には、アームレスト16が設けられており、操作装置40は、アームレスト16に設けられている。
図6は、アームレスト16の平面図である。
図5、
図6に示すように、アームレスト16は、長手方向が前後方向を向き、短手方向が車体幅方向を向いて配置されている。
【0125】
操作レバー41は、作業車両1の種々の機能を操作するためのレバーである。また、操作レバー41は、揺動操作自在に支持されており、少なくとも一方向に揺動操作が可能である。操作レバー41は、アームレスト16の前部の上面に形成された第1領域16aに、上方に突出して設けられている。操作装置40は、一又は複数の操作レバー41を有しており、本実施形態においては、1つの操作レバー41を有している。
【0126】
なお、操作装置40が備えている操作レバー41の数は、1つに限定されず、2つであってもよいし、3つであってもよく、その数は限定されない。また、操作レバー41の操作方向は、前後方向及び車体幅方向に限定されず、操作方向の数、及びその方向も上述した例に限定されない。
【0127】
図7は、操作レバー41の把持部41b付近を左上後方から見た斜視図である。
図7に示すように、操作レバー41は、基端部(揺動体)41aと、把持部(グリップ)41bと、を有している。基端部41aは、第1領域16aの上面、言い換えると作業車両1の運転席4の周囲に揺動自在に支持されている。具体的には、基端部41aは、第1領域16aに挿通された軸体を含み、操作レバー41の揺動軸(揺動する軸)を構成する。基端部41aは、例えば前後方向及び車体幅方向に揺動可能である。
【0128】
図7に示すように、把持部41bは、基端部41aの上部(先端部)に設けられている。把持部41bは、握り部41b1と、操作部41b2と、を有している。操作レバー41の握り部41b1と操作部41b2とは、上下方向に並んで配置されており、本実施形態においては、握り部41b1の上部に操作部41b2が配置されている。
【0129】
握り部41b1は、運転席4に着座した作業者が片手(右手)で握る部分である。操作部41b2は、握り部41b1を握った作業者が指を伸ばして操作を行う部分である。
【0130】
また、
図2、
図7に示すように、操作レバー41は、一又は複数の操作スイッチ42を有している。操作スイッチ42は、作業車両1の種々の機能を操作するためのスイッチである。本実施形態において、操作スイッチ42は、操作レバー41に複数設けられている。また、操作スイッチ42は、操作面42aが押圧により操作される押しボタンスイッチ(タクタイルスイッチ)や、操作面42aがスライド操作されるスライドスイッチ、複数の切換位置を有したセレクタスイッチ等のダイヤル状のスイッチ(ダイヤルスイッチ)等である。
図7に示すように、操作スイッチ42は、操作レバー41の操作部41b2の後面に配置されている。即ち、複数の操作スイッチ42は、把持部41bのうち、運転席4を向いた面に配置されている。
【0131】
本実施形態において、複数の操作スイッチ42の数は、13個である。操作スイッチ42は、第1操作スイッチ42A、第2操作スイッチ42B、第3操作スイッチ42C、第4操作スイッチ42D、第5操作スイッチ42E、第6操作スイッチ42F、第7操作スイッチ42G、第8操作スイッチ42H、第9操作スイッチ42I、第10操作スイッチ42J、第11操作スイッチ42K、第12操作スイッチ42L、及び第13操作スイッチ42Mを含んでいる。
【0132】
図7に示すように、本実施形態で示す例においては、第1操作スイッチ42A、第2操作スイッチ42B、第3操作スイッチ42C、第4操作スイッチ42D、第5操作スイッチ42E、第6操作スイッチ42F、第7操作スイッチ42G、第10操作スイッチ42J、第11操作スイッチ42K、及び第12操作スイッチ42Lは、タクタイルスイッチである。第8操作スイッチ42H及び第9操作スイッチ42Iは、スライドスイッチである。また、第13操作スイッチ42Mは、ダイヤルスイッチである。
【0133】
なお、操作スイッチ42の数は、13個に限定されず、1個でもよいし、2個でもよいし、その数は限定されず、その種類も限定されない。
【0134】
ダイヤル44は、複数の切換位置を有したセレクタスイッチ等のダイヤルスイッチである。
図2、
図5、
図6に示すように、操作装置40は、複数のダイヤル44を有しており、少なくとも第1ダイヤル(第1機能操作具)45と、第2ダイヤル(第2機能操作具)46と、を有している。
図8は、第1ダイヤル45及び第2ダイヤル46を左上後方から見た斜視図である。
図5、
図6、
図8に示すように、ダイヤル44は、アームレスト16の前部の上面に形成された第2領域16bに設けられている。第2領域16bは、第1領域16aの後方に配置された領域であり、第1領域16aと前後方向に並んで配置されている。
【0135】
なお、操作装置40は、ダイヤル44として、第1ダイヤル45及び第2ダイヤル46に加えて、他のダイヤル44を有していてもよい。例えば、操作装置40は、第3ダイヤル47を有していてもよい。第3ダイヤル47は、一方向(時計回り)に回転操作されることで、第25機能の操作指示を受け付け、他方向(反時計回り)に回転操作されることで、第26機能の操作指示を受け付ける。
【0136】
また、操作装置40は、表示装置90を操作する第4ダイヤル48を有していてもよい。第4ダイヤル48は、回転操作及び押圧操作が可能である。第4ダイヤル48は、一方向(時計回り)又は他方向(反時計回り)に回転操作されることで、表示装置90に表示された項目の選択を受け付ける。また、第4ダイヤル48は、押圧操作されることで選択された項目の決定(確定)を受け付ける。
【0137】
操作具49は、複数の機能のうち、所定の機能の操作をするためのスイッチである。本実施形態において、操作装置40は、複数の操作具49を有している。また、操作具49は、押圧により操作される押しボタンスイッチ(タクタイルスイッチ)である。
図9は、複数の操作具49の平面図である。操作具49の操作面49aは、平面視において略矩形状である。
図5、
図6、
図9に示すように、操作具49の数は、10個である。操作具49は、第1操作具49A、第2操作具49B、第3操作具49C、第4操作具49D、第5操作具49E、第6操作具49F、第7操作具49G、第8操作具49H、第9操作具49I、及び第10操作具49Jを含んでいる。
図5、
図6、
図9に示す例においては、第1操作具49A、第2操作具49B、第3操作具49C、第4操作具49D、及び第5操作具49Eが車体幅方向に並んで配置され、列(第1列)を形成している。また、第6操作具49F、第7操作具49G、第8操作具49H、第9操作具49I、及び第10操作具49Jが車体幅方向に配置され、列(第2列)を形成している。第1列及び第2列は、前後方向に並んで配置されている。
【0138】
なお、操作具49の数は、10個に限定されず、1個でもよいし、2個でもよいし、その数は限定されない。
【0139】
図5、
図6に示すように、操作具49は、アームレスト16の前部の上面に形成された第3領域16cに設けられている。第3領域16cは、第2領域16bの後方に配置された領域であり、第2領域16bと前後方向に並んで配置されている。
【0140】
なお、上述した実施形態において、操作装置40が操作レバー41、ダイヤル44、及び操作具49を有している場合を例に説明したが、操作装置40は、少なくとも操作レバー41、ダイヤル44、及び操作具49のいずれかを有していればよく、操作レバー41、ダイヤル44、及び操作具49のいずれかに加えて他の操作部材を有していてもよい。例えば、
図2に示すように、操作装置40は、揺動操作される一又は複数の揺動操作部材50を有していてもよい。揺動操作部材50は、一方(前方)へ揺動操作されることで、第32機能の操作指示を受け付け、他方(後方)へ揺動操作されることで、第33機能の操作指示を受け付ける。
【0141】
図5、
図6に示すように、揺動操作部材50は、アームレスト16の前部の上面に形成された第4領域16dに設けられている。第4領域16dは、第3領域16cの後方に配置された領域であり、第3領域16cと前後方向に並んで配置されている。より詳しくは、第4領域16dは、アームレスト16の後部に設けられ、且つ運転席4に着座した作業者が肘を置く肘置き部16eの前方に配置されている。
【0142】
操作装置40は、補助弁32の数に対応する数の揺動操作部材50を有していることが好ましい。即ち、本実施形態において、補助弁32は、4つであるため、操作装置40は、揺動操作部材50を4つ有している。4つの揺動操作部材50は、車体幅方向に隣接して配置され、略車体幅方向に延びる軸心回りに揺動操作できる。
【0143】
図2、
図5、
図6に示すように、操作装置40は、選択具51を備えており、操作レバー41の操作モードを選択操作することができる。選択具51は、第1領域16aにおいて、操作レバー41の近傍に配置されている。選択具51は、例えば物理的なスイッチであって、押圧により操作される押しボタンスイッチ(タクタイルスイッチ)や、複数の切換位置を有したセレクタスイッチ等のダイヤル状のスイッチ等である。本実施形態において、選択具51は、タクタイルスイッチである。操作レバー41は、当該タクタイルスイッチの操作に応じて、順次操作モードを切り換える。なお、上述した例において、選択具51は、第1領域16aに配置されたタクタイルスイッチを例に説明したが、タクタイルスイッチに限定されず、その位置も第1領域16aに限定されない。例えば、選択具51は、表示装置90等の表示画面に表示され、操作を受け付ける表示画像であってもよい。
【0144】
操作レバー41は、選択具51によって選択操作された操作モードに応じて、操作指示を受け付ける機能を変更する。これにより、操作レバー41は、作業車両1の様々な機能を操作することができ、作業者は、作業車両1が走行する環境や、作業内容が変わる都度、操作レバー41を持ち替える必要がなく、誤ったレバーやスイッチを操作することを抑制できる。さらに、作業車両1の機能の種類に応じて操作レバー41を増やす必要がないため、操作装置40上の操作部材を減らすことができ、操作装置40全体の操作性を向上できるだけなく、操作レバー41が作業者の視界を妨げることを抑制できる。
【0145】
操作レバー41は、例えば、制御装置80が操作レバー41から出力された操作信号に対応する機能を変更することで、操作指示を受け付ける機能を間接的に変更する。具体的には、記憶装置81は、操作レバー41の操作信号と機能とを関連付けたテーブル(標準テーブル)を操作モードに応じて複数記憶している。制御装置80は、記憶装置81から操作モードに対応する標準テーブルを取得して、操作レバー41から出力された操作信号に対応する機能を変更する。
【0146】
なお、操作レバー41は、操作モードに応じて、操作指示を受け付ける機能を変更できればよく、操作レバー41自体が操作モードを変更し、且つ操作モードに応じて制御装置80に出力する操作信号を異ならせることで、操作指示を受け付ける機能を変更するようにしてもよい。斯かる場合、操作レバー41は、電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成された操作制御部(図示略)を有し、当該操作制御部で操作モードを切り換え、操作に対する操作信号を異ならせる。また、操作制御部に接続された記憶媒体(図示略)は、操作と操作信号とを関連付けた標準テーブルを操作モードに応じて複数記憶しており、操作制御部は、記憶媒体から操作モードに対応する標準テーブルを取得して、操作に対応する操作信号を異ならせる。
【0147】
操作レバー41は、選択具51によって選択操作された操作モードに基づいて、揺動操作による機能の操作指示を受け付ける。言い換えると、操作レバー41は、揺動操作された場合に、操作モードに応じて異なる機能の操作指示を受け付ける。また、これに代えて、又は加えて、操作レバー41は、操作モードに基づいて、操作スイッチ42の操作による機能の操作指示を受け付けてもよい。言い換えると、操作レバー41は、操作スイッチ42が操作された場合に、操作モードに応じて異なる機能の操作指示を受け付けてもよい。
【0148】
操作レバー41の操作モードは、複数のモードを含んでいる。本実施形態において、操作モードは、第1~第4モードを含んでいる。つまり、本実施形態において、記憶装置81は、それぞれ第1~第4モードに対応する4つの標準テーブル(以下、第1~第4標準テーブルということがある)を記憶している。
図10は、標準テーブルの一例を示す図である。以下、
図10を用いて、第1~第4モード、及びそれぞれの操作モードにおける操作レバー41の操作の種類と、当該操作で受け付ける機能の操作指示との関係を説明する。
【0149】
第1モードは、作業車両1の機能のうち、少なくとも作業に関する作業機能を操作するためのモードである。第1モードにおいて、操作レバー41は、揺動操作によって作業機能の操作指示を受け付ける。第1標準テーブルにおいて、揺動操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、作業機能と、が対応付けられている。言い換えると、第1モードにおいて、操作レバー41は、揺動操作によって走行機能の操作指示を受け付けない。
【0150】
具体的には、第1モードにおいて、操作レバー41は、前方に揺動操作されると第35機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、前方に揺動操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第35機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、操作レバー41が前方に揺動操作されると、制御装置80は、制御弁を制御し、ブームシリンダ35dを収縮させて、ブーム35bを下方に揺動させる。
【0151】
第1モードにおいて、操作レバー41は、後方に揺動操作されると第36機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、後方に揺動操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第36機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、操作レバー41が後方に揺動操作されると、制御装置80は、制御弁を制御し、ブームシリンダ35dを伸長させて、ブーム35bを上方に揺動させる。
【0152】
第1モードにおいて、操作レバー41は、右方に揺動操作されると第37機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、右方に揺動操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第37機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、操作レバー41が右方に揺動操作されると、制御装置80は、制御弁を制御し、バケットシリンダ35eを伸長させて、バケット35cをダンプ動作させる。
【0153】
第1モードにおいて、操作レバー41は、左方に揺動操作されると第38機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、左方に揺動操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第38機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、操作レバー41が左方に揺動操作されると、制御装置80は、制御弁を制御し、バケットシリンダ35eを収縮させて、バケット35cをスクイ動作させる。
【0154】
また、第1モードにおいて、操作レバー41は、複数の操作スイッチ42の操作によって、作業機能を含む複数の機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、少なくとも一以上の作業機能が、操作スイッチ42が操作された際に操作レバー41が出力する操作信号に対応付けられている。
【0155】
具体的には、第1モードにおいて、操作レバー41は、第1操作スイッチ42Aが操作されると第1機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第1操作スイッチ42Aが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第1機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、第1操作スイッチ42Aが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて第1機能の有効と無効とを切り換え、第1機能を有効にした場合、車速センサ70hが検出した車速と、予め定義された制御マップと、に基づいて、主変速部20bのシフタ及び/又は副変速部20cのシフタを制御して、変速装置20の変速段を変更する。
【0156】
第1モードにおいて、操作レバー41は、第2操作スイッチ42Bが操作されると第45機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第2操作スイッチ42Bが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第45機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、第2操作スイッチ42Bが操作されると、制御装置80は、第2操作スイッチ42Bの操作に応じて操作装置40の操作感度を調整する。本実施形態においては、制御装置80は、第2操作スイッチ42Bの操作に応じて、操作レバー41の揺動操作の操作感度、例えば不感帯の調整等を行い、操作感度が低い状態から高い状態まで複数の段階(レベル)に切り換える。
【0157】
第1モードにおいて、操作レバー41は、第3操作スイッチ42Cが操作されると第9機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第3操作スイッチ42Cが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第9機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、第3操作スイッチ42Cが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて第9機能の有効と無効とを切り換え、第9機能を有効にした場合、原動機6の回転数をアクセルペダルの操作によらず、第1原動機回転数に制御する。
【0158】
第1モードにおいて、操作レバー41は、第4操作スイッチ42Dが操作されると第7機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第4操作スイッチ42Dが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第7機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、第4操作スイッチ42Dが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて第7機能の有効と無効とを切り換え、第7機能を有効にした場合、ブレーキペダルが操作され、車速が所定未満になった場合に、シャトル部20dの油圧クラッチを中立位置に切り換えて、走行装置3への動力の伝達を遮断する。
【0159】
第1モードにおいて、操作レバー41は、第5操作スイッチ42Eが操作されると第41機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第5操作スイッチ42Eが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第41機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、第5操作スイッチ42Eが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて、フロントローダ35(バケット35c)の動作位置を所定位置に移動させる。
【0160】
第1モードにおいて、操作レバー41は、第6操作スイッチ42Fが操作されると第25機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第6操作スイッチ42Fが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第25機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、第6操作スイッチ42Fが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて、リフトシリンダ30eを伸長して、昇降装置30に連結された作業装置10を上昇する。
【0161】
第1モードにおいて、操作レバー41は、第7操作スイッチ42Gが操作されると第26機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第7操作スイッチ42Gが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第26機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、第7操作スイッチ42Gが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて、リフトシリンダ30eを収縮して、昇降装置30に連結された作業装置10を下降する。
【0162】
第1モードにおいて、操作レバー41は、第8操作スイッチ42Hが操作されると第32機能又は第33機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第8操作スイッチ42Hが一方向にスライド操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第32機能と、が対応付けられ、第8操作スイッチ42Hが他方向にスライド操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第33機能と、が対応付けられている。なお、本実施形態においては、第1モードにおいて、第8操作スイッチ42Hが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて、第1補助弁32aを制御し、油圧アタッチメント10aに供給する作動油の流量を調整する。
【0163】
第1モードにおいて、操作レバー41は、第9操作スイッチ42Iが操作されると第32機能又は第33機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第9操作スイッチ42Iが一方向にスライド操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第32機能と、が対応付けられ、第9操作スイッチ42Iが他方向にスライド操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第33機能と、が対応付けられている。なお、本実施形態においては、第1モードにおいて、第9操作スイッチ42Iが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて、第2補助弁32bを制御し、油圧アタッチメント10aに供給する作動油の流量を調整する。
【0164】
第1モードにおいて、操作レバー41は、第10操作スイッチ42Jが操作されると第40機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第10操作スイッチ42Jが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第40機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、第10操作スイッチ42Jが操作されると、制御装置80は、フロントローダ35の動作速度を変更する機能である。本実施形態においては、制御装置80は、第10操作スイッチ42Jの操作に応じて、フロントローダ35の動作速度が遅い状態から早い状態まで複数の段階(レベル)に切り換える。
【0165】
第1モードにおいて、操作レバー41は、第11操作スイッチ42Kが操作されると第15機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第11操作スイッチ42Kが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第15機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、第11操作スイッチ42Kが操作されると、制御装置80は、シャトル部20dを制御して、副変速部20cから出力された動力の回転方向を前進に切り換える。
【0166】
第1モードにおいて、操作レバー41は、第12操作スイッチ42Lが操作されると第16機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第12操作スイッチ42Lが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第16機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、第12操作スイッチ42Lが操作されると、制御装置80は、シャトル部20dを制御して、副変速部20cから出力された動力の回転方向を後進に切り換える。
【0167】
第1モードにおいて、操作レバー41は、第13操作スイッチ42Mが操作されると第4機能又は第5機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1標準テーブルにおいて、第13操作スイッチ42Mが一方向に回転操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第4機能と、が対応付けられ、第13操作スイッチ42Mが他方向に回転操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第5機能と、が対応付けられている。このため、第1モードにおいて、第13操作スイッチ42Mが一方向に回転操作されると、制御装置80は、主変速部20bのシフタ及び/又は副変速部20cのシフタを制御して、変速装置20の変速段を上げる。また、第1モードにおいて、第13操作スイッチ42Mが他方向に回転操作されると、制御装置80は、主変速部20bのシフタ及び/又は副変速部20cのシフタを制御して、変速装置20の変速段を下げる。
【0168】
従って、第1モードにおける操作レバー41は、揺動操作、及び複数の操作スイッチ42の操作によって、受け付ける機能の操作指示は、走行機能に比べて、作業機能が多い。つまり、第1モードにおける操作レバー41は、走行機能に比べて、作業機能の操作指示を優先して受け付ける。
【0169】
第2モードは、作業車両1の機能のうち、少なくとも走行に関する走行機能を操作するためのモードである。第2モードにおいて、操作レバー41は、揺動操作によって走行機能の操作指示を受け付ける。第2標準テーブルにおいて、揺動操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、走行機能と、が対応付けられている。言い換えると、第2モードにおいて、操作レバー41は、揺動操作によって作業機能の操作指示を受け付けない。
【0170】
具体的には、第2モードにおいて、操作レバー41は、前方に揺動操作されると第4機能の操作指示を受け付ける。つまり、第2標準テーブルにおいて、前方に揺動操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第4機能と、が対応付けられている。このため、第2モードにおいて、操作レバー41が前方に揺動操作されると、制御装置80は、主変速部20bのシフタ及び/又は副変速部20cのシフタを制御して、変速装置20の変速段を上げる。
【0171】
第2モードにおいて、操作レバー41は、後方に揺動操作されると第5機能の操作指示を受け付ける。つまり、第2標準テーブルにおいて、後方に揺動操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第5機能と、が対応付けられている。このため、第2モードにおいて、操作レバー41が後方に揺動操作されると、制御装置80は、主変速部20bのシフタ及び/又は副変速部20cのシフタを制御して、変速装置20の変速段を下げる。
【0172】
なお、
図2等に示すように、操作レバー41にけん制スイッチ52が設けられている場合、操作レバー41は、けん制スイッチ52が操作されていない状態で、前方に揺動操作されると主変速部20bの変速段を上げる操作指示を受け付け、後方に揺動操作されると主変速部20bの変速段を下げる操作指示を受け付ける。一方、操作レバー41は、けん制スイッチ52が操作されている状態で、前方に揺動操作されると副変速部20cの変速段を上げる操作指示を受け付け、後方に揺動操作されると副変速部20cの変速段を下げる操作指示を受け付ける。
【0173】
第2モードにおいて、操作レバー41は、右方に揺動操作されると、第1機能の操作指示を受け付ける。つまり、第2標準テーブルにおいて、右方に揺動操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第1機能と、が対応付けられている。このため、第2モードにおいて、操作レバー41が右方に揺動操作されると、制御装置80は、当該揺動操作に応じて第1機能の有効と無効とを切り換え、第1機能を有効にした場合、車速センサ70hが検出した車速と、予め定義された制御マップと、に基づいて、主変速部20bのシフタ及び/又は副変速部20cのシフタを制御して、変速装置20の変速段を変更する。
【0174】
第2モードにおいて、操作レバー41は、左方に揺動操作されると、第15機能又は第16機能の操作指示を受け付ける。つまり、第2標準テーブルにおいて、左方に揺動操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第15機能又は第16機能と、が対応付けられている。このため、第2モードにおいて、操作レバー41が左方に揺動操作されると、制御装置80は、当該揺動操作される都度、第15機能と第16機能とを切り換え、副変速部20cから出力された動力の回転方向を前進又は後進に切り換える。
【0175】
また、第2モードにおいて、操作レバー41は、複数の操作スイッチ42の操作によって走行機能を含む機能の操作指示を受け付ける。つまり、第2標準テーブルにおいて、少なくとも一以上の走行機能が、操作スイッチ42が操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と対応付けられている。
【0176】
なお、本実施形態において、操作レバー41は、第2モードにおいて第5操作スイッチ42E及び第10操作スイッチ42J以外の操作スイッチ42が操作された場合、第1モードにおいて同一の操作スイッチ42が操作された場合に受け付ける機能の操作指示と同一の機能の操作指示を受け付ける。言い換えると、第1モードにおける第5操作スイッチ42E及び第10操作スイッチ42J以外の操作スイッチ42の操作と機能との割り当てと、第2モードにおける第5操作スイッチ42E及び第10操作スイッチ42J以外の操作スイッチ42の操作と機能との割り当てと、は共通である。
【0177】
従って、以下の説明においては、第2モードにおいて第5操作スイッチ42E及び第10操作スイッチ42J以外の操作スイッチ42が操作された場合に操作レバー41が受け付ける機能の操作指示の説明を省略する。
【0178】
第2モードにおいて、操作レバー41は、第5操作スイッチ42Eが操作されると第2機能の操作指示を受け付ける。つまり、第2標準テーブルにおいて、第5操作スイッチ42Eが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第2機能と、が対応付けられている。このため、第2モードにおいて、第5操作スイッチ42Eが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて第2機能のモードを切り換え、第1機能の制御対象等を変更する。
【0179】
第2モードにおいて、操作レバー41は、第10操作スイッチ42Jが操作されると第14機能の操作指示を受け付ける。つまり、第2標準テーブルにおいて、第10操作スイッチ42Jが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第14機能と、が対応付けられている。このため、第2モードにおいて、第10操作スイッチ42Jが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて、シャトル部20dを制御して、中立位置に切り換えることで、動力の伝達を遮断する。
【0180】
従って、第2モードにおける操作レバー41は、揺動操作、及び複数の操作スイッチ42の操作によって、受け付ける機能の操作指示は、作業機能に比べて、走行機能が多い。つまり、第2モードにおける操作レバー41は、作業機能に比べて、走行機能の操作指示を優先して受け付ける。
【0181】
第3モードは、走行機能及び作業機能の操作をするためのモードである。第3モードにおいて、操作レバー41は、揺動操作によって走行機能の操作指示を受け付ける。言い換えると、第3モードにおいて、操作レバー41は、揺動操作によって作業機能の操作指示を受け付けない。
【0182】
具体的には、操作レバー41は、第3モードにおいて所定方向に揺動操作された場合、第2モードにおいて同一方向に揺動操作された場合に受け付ける機能の操作指示と同一の機能の操作指示を受け付ける。言い換えると、第2モードにおける揺動操作と機能との割り当てと、第3モードにおける揺動操作と機能との割り当てと、は共通である。
【0183】
このため、第3モードにおいて、操作レバー41は、前方に揺動操作されると第4機能の操作指示を受け付け、後方に揺動操作されると第5機能の操作指示を受け付ける。また、第3モードにおいて、操作レバー41は、右方に揺動操作されると、第1機能の操作指示を受け付け、左方に揺動操作されると、揺動操作される都度、第15機能及び第16機能の操作指示を交互に受け付ける。
【0184】
また、第3モードにおいて、操作レバー41は、複数の操作スイッチ42の操作によって走行機能を含む複数の機能の操作指示を受け付ける。つまり、第3標準テーブルにおいて、少なくとも一以上の走行機能及び作業機能が、操作スイッチ42が操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と対応付けられている。
【0185】
操作レバー41は、第3モードにおいて、操作スイッチ42の操作によって操作指示を受け付ける作業車両1の機能は、第2モードにおいて操作スイッチ42の操作によって操作指示を受け付ける作業車両1の機能と異なっている。このため、第2モードと第3モードとの切り換えにおいては、切り換えの前後で継続して、操作レバー41の揺動操作による走行に関する制御を行うことができる一方で、第2モードと第3モードとの切り換えを行うことで、同一の操作スイッチ42で異なる動作を操作することができる。
【0186】
本実施形態において、操作レバー41は、第2モードにおいて第5操作スイッチ42E及び第10操作スイッチ42J以外の操作スイッチ42が操作された場合、第1モード及び第2モードにおいて同一の操作スイッチ42が操作された場合に受け付ける機能の操作指示と同一の機能の操作指示を受け付ける。言い換えると、第1モード及び第2モードにおける第5操作スイッチ42E及び第10操作スイッチ42J以外の操作スイッチ42の操作と機能との割り当てと、第3モードにおける第5操作スイッチ42E及び第10操作スイッチ42J以外の操作スイッチ42の操作と機能との割り当てと、は共通である。
【0187】
従って、以下の説明においては、第3モードにおいて第5操作スイッチ42E及び第10操作スイッチ42J以外の操作スイッチ42が操作された場合に操作レバー41が受け付ける機能の操作指示の説明を省略する。
【0188】
具体的には、第3モードにおいて、操作レバー41は、第5操作スイッチ42Eが操作されると第42機能の操作指示を受け付ける。つまり、第3標準テーブルにおいて、第5操作スイッチ42Eが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第42機能と、が対応付けられている。このため、第3モードにおいて、第5操作スイッチ42Eが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて、作業車両1が予め定義された一連の動作を実行する。特に、本実施形態においては、第3モードにおいて、第5操作スイッチ42Eが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて、侵入動作を実行する。
【0189】
第3モードにおいて、操作レバー41は、第10操作スイッチ42Jが操作されると第43機能の操作指示を受け付ける。つまり、第3標準テーブルにおいて、第10操作スイッチ42Jが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第43機能と、が対応付けられている。このため、第3モードにおいて、第10操作スイッチ42Jが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて第43機能の有効と無効とを切り換え、第43機能を有効にした場合、作業装置10から出力された指示信号に基づいて制御装置80を介して、作業車両1を制御する。
【0190】
従って、第3モードにおける操作レバー41は、揺動操作、及び複数の操作スイッチ42の操作によって、受け付ける機能の操作指示は、作業機能に比べて、走行機能が多い。つまり、第3モードにおける操作レバー41は、作業機能に比べて、走行機能の操作指示を優先して受け付ける。
【0191】
第4モードは、揺動操作によって作業車両1の機能の操作指示を受け付けず、操作スイッチ42の操作によって作業車両1の機能の操作指示を受け付けるモードである。つまり、操作レバー41は、第4モードにおいて揺動操作された場合、その操作方向及び操作量に拘わらず、操作指示を受け付けない。即ち、第4標準テーブルにおいて、操作レバー41の揺動操作には、機能が対応付けられていない。
【0192】
従って、制御装置80は、操作レバー41が第4モードである場合、操作レバー41から出力された操作信号に基づいて、機能の制御(実行)を行わない。このため、作業者が運転席4から離席したり、着席したりする場合等に、不意に操作レバー41に接触し、当該操作レバー41が揺動操作されても、意図せず作業車両1が走行及び/又は作業を行うことを抑制できる。
【0193】
なお、操作レバー41自体が操作モードを変更する場合に、第4モードの操作レバー41は、揺動操作された場合に制御装置80に操作信号を出力しない構成であってもよい。
【0194】
また、操作レバー41は、第4モードにおいて操作スイッチ42が操作された場合、第1モードにおいて同一の操作スイッチ42が操作された場合に受け付ける機能の操作指示と同一の機能の操作指示を受け付ける。言い換えると、第1モードにおける操作スイッチ42の操作と機能との割り当てと、第4モードにおける操作スイッチ42の操作と機能との割り当てと、は共通である。
【0195】
以上説明したように、操作レバー41は、第1~第4モードに切り換えることで、作業機能を操作する場合と、走行機能を操作する場合と、で操作レバー41を持ち替えることなく、操作レバー41を用いて連続して操作を行うことができる。
【0196】
なお、上述した操作モード(第1~第4モード)における、操作レバー41の揺動操作と機能との割り当て、及び操作スイッチ42の操作と機能との割り当ては、一例であって、上述した割り当てに限定されない。例えば、変速装置20が無段変速機である場合、操作レバー41は、第4操作スイッチ42Dが操作されるとクルーズコントロールを実行する操作指示を受け付けてもよい。
【0197】
また、上述した第1~第4モードに加えて、新たなモードを追加できてもよい。斯かる場合、作業者は、表示装置90(第2表示装置90B)を操作して、当該新たなモードの登録を行う。
【0198】
制御装置80は、選択具51によって、操作レバー41の操作モードが選択操作されると、当該選択操作された操作モードを作業者に報知する。
図2、
図7に示すように、操作装置40は、表示部43を備えている。表示部43は、操作レバー41に設けられている。表示部43は、選択具51の操作によって選択操作された操作モードに応じて、表示形態を変更する。これにより、表示部43は、作業者に操作モードを報知することができる。
【0199】
表示部43は、操作モードに応じて、発生させる光の色彩を変更するランプである。ランプは、光を発生させる光発生装置である。ランプは、一又は複数の光源(LED等)から構成されている。本実施形態において、表示部43は、操作部41b2の端部に配置されたバー形状のランプである。表示部43は、操作部41b2の上部において、略車体幅方向に延びて配置されている。
【0200】
表示部43は、制御装置80と通信可能に接続されており、当該制御装置80から出力された制御信号に基づいて、点灯及び消灯を行うことができ、また異なる色彩に点灯することができる。表示部43は、制御装置80から出力された制御信号に基づいて、例えば、オストワルト表色系の青、橙、緑、及び赤の光を発生させることができる。なお、以下の説明において、色彩について説明する場合は、いずれの色彩もオストワルト表色系で定義された色彩で説明する。また、表示部43は、制御装置80から出力された制御信号に基づいて、異なる色彩に点滅することもできる。
【0201】
選択具51によって第1モードが選択操作されると、制御装置80は、表示部43に制御信号を出力し、当該表示部43が発生させる光の色彩を青に変更させる。第2モードが選択操作されると、制御装置80は、表示部43に制御信号を出力し、当該表示部43が発生させる光の色彩を橙に変更させる。選択具51によって第3モードが選択操作されると、制御装置80は、表示部43に制御信号を出力し、当該表示部43が発生させる光の色彩を緑に変更させる。そして、選択具51によって第4モードが選択操作されると、制御装置80は、表示部43に制御信号を出力し、当該表示部43が発生させる光の色彩を赤に変更させる。これにより、作業者は、選択具51の操作によって切り換えられた現在の操作モードを簡単に把握することができる。
【0202】
なお、上述した操作モードと表示部43が発生させる光の色彩の組み合わせは、一例であって、上述した組み合わせに限定されない。また、上述した実施形態において、表示部43は、操作モードに応じて、発生させる光の色彩を変更するランプであるが、表示部43は、少なくとも選択具51の操作によって選択操作された操作モードに応じて、表示形態を変更すればよく、点灯する光源の数及び消灯する光源の数を変更して、表示形態を変更してもよい。
【0203】
また、上述した実施形態において、表示部43は、操作部41b2の端部に配置されているが、少なくとも運転席4の周囲(運転席4に着座した作業者が視認できる位置)に設けられていればよく、その位置は、操作レバー41に限定されない。例えば、表示部43は、アームレスト16のうち、第1領域16aに設けられていてもよいし、アームレスト16以外にもメータパネル15等に設けられていてもよい。
【0204】
また、制御装置80は、選択具51によって、操作レバー41の操作モードが選択操作されると、作業車両1に関する複数の機能のうち、所定の機能を制御(実行)したり、機能の有効と無効とを切り換えたりしてもよい。選択具51によって第1モード又は第4モードが選択操作されると、制御装置80は、例えば第2機能を実行して、変速装置20の制御マップを最適化してもよい。
【0205】
選択具51によって第2モードが選択操作されると、制御装置80は、例えば第2機能を実行して変速装置20の制御マップを最適化したり、第31機能及び第41機能を実行したり、第13機能及び第19機能を無効にしたりする。また、選択具51によって第3モードが選択操作されると、制御装置80は、第13機能、第19機能、第25機能、第26機能、第29機能、第30機能、及び第34~第37機能等の操作指示の受け付けを無効にしてもよい。
【0206】
選択具51によって第3モードが選択操作されると、制御装置80は、例えば第2機能を実行して変速装置20の制御マップを最適化したり、第13機能及び第19機能等を有効にしたりしてもよい。
【0207】
これにより、操作レバー41の操作モードの変更に応じて、作業車両1自体の操作性を向上させることができる。
【0208】
図2に示すように、操作装置40は、操作可能な切換具53を備えている。切換具53は、例えば押圧により操作される押しボタンスイッチ(タクタイルスイッチ)である。
図12Aは、操作レバー41の把持部41b付近を右上前方から見た斜視図である。
図7、
図12Aに示すように、切換具53は、把持部41bのうち、操作スイッチ42とは異なる面に配置され、例えば複数の操作スイッチ42が配置された面の裏面に配置されている。
【0209】
本実施形態においては、切換具53は、把持部41bのうち、操作部41b2の裏面に配置されている。このため、切換具53は、握り部41b1を握った作業者が人差し指や中指等を伸ばして操作を行う。従って、作業者は、操作スイッチ42と間違って、切換具53を操作することを抑制できる。これにより、作業者が意図せず第2操作を行うことを抑制できる。なお、切換具53は、把持部41bのうち、操作スイッチ42とは異なる面に配置されていればよく、複数の操作スイッチ42が配置された面の裏面ではなく、側面に配置されていてもよい。斯かる場合、
図12Bに示すように、切換具53は、把持部41bの上側の面(側面)に配置されることが好ましい。
【0210】
上述した操作モード(第1~第4モード)に対応する標準テーブル(第1~第4標準テーブル)に基づいて、操作レバー41が操作スイッチ42の操作で受け付ける操作指示の機能を「標準機能」とすると、操作レバー41は、切換具53の操作に応じて、当該標準機能に代えて操作スイッチ42の操作によって当該標準機能と異なる作業車両1の機能(拡張機能)の操作指示を受け付けることができる。
【0211】
即ち、操作レバー41は、操作スイッチ42の操作によって、機能のうち所定の標準機能の操作指示を受け付け、切換具53が操作されることで、標準機能に代えて、操作スイッチ42の操作によって当該標準機能と異なる作業車両1の拡張機能の操作指示を受け付ける。これにより、切換具53の操作に応じて、ひとつの操作スイッチ42が複数の機能の操作指示を受け付けることができる。このため、操作レバー41に、作業車両1の機能の数に対応する数の操作スイッチ42を設ける必要がなく、操作スイッチ42の操作が煩雑になることを抑制でき、当該操作レバー41の操作性をより向上させることができる。
【0212】
具体的には、操作レバー41は、切換具53が操作されていない期間において、操作スイッチ42の操作によって標準機能の操作指示を受け付け、切換具53が操作されている期間において、操作スイッチ42の操作によって拡張機能の操作指示を受け付ける。このため、操作スイッチ42は、切換具53が操作されている期間のみにおいて、拡張機能の操作指示を受け付けるため、作業者が誤って拡張機能の操作を行うことを抑制できる。
【0213】
なお、表示部43は、切換具53が操作されている場合、切換具53の当該操作を表示する。本実施形態においては、表示部(ランプ)43は、切換具53が操作されている期間において、点滅表示することで切換具53の操作を表示し、切換具53が操作されていない期間においては、点灯することで切換具53が操作されていないことを表示する。これにより、作業者は、現在操作スイッチ42が受け付ける操作指示の機能が標準機能であるか、拡張機能であるかを容易に把握することができる。これにより、作業者が切換具53の操作を誤った場合等に、意図せず標準機能又は拡張機能の操作を行うことを抑制できる。
【0214】
図2、
図7に示すように、操作スイッチ42は、操作面42aに設けられた点灯部42bを有していてもよい。操作スイッチ42のうち、タクタイルスイッチである操作スイッチ42(本実施形態においては、第1操作スイッチ42A、第2操作スイッチ42B、第3操作スイッチ42C、第4操作スイッチ42D、第5操作スイッチ42E、第6操作スイッチ42F、第7操作スイッチ42G、第10操作スイッチ42J、第11操作スイッチ42K、及び第12操作スイッチ42L)の操作面42aに点灯部42bが設けられている。点灯部42bは、切換具53が操作されていない場合と、切換具53が操作されている場合と、で表示形態を異ならせる。このため、作業者は、点灯部42bを確認することで、現在操作スイッチ42が受け付ける操作指示の機能が標準機能であるか、拡張機能であるかを容易に把握することができる。これにより、作業者が切換具53の操作を誤った場合等に、意図せず標準機能又は拡張機能の操作を行うことを抑制できる。
【0215】
具体的には、点灯部42bは、第1点灯部42b1と第2点灯部42b2とを含んでいる。第1点灯部42b1及び第2点灯部42b2は、光を発生させる光発生装置である。第1点灯部42b1及び第2点灯部42b2は、一又は複数の光源(LED等)から構成されている。第1点灯部42b1は、操作面42aの一方(操作面42aのうち左側の部分)に設けられ、標準機能を指し示す。第1点灯部42b1は、切換具53が操作されていない場合に点灯し、切換具53が操作されている場合に消灯する。
【0216】
第2点灯部42b2は、操作面42aの他方(操作面42aのうち右側の部分)に設けられ、拡張機能を指し示す。第2点灯部42b2は、第1点灯部42b1と操作面42aの左右方向に間隔を空けて配置されている。第2点灯部42b2は、切換具53が操作されていない場合に消灯し、切換具53が操作されている場合に点灯する。即ち、切換具53が操作されていない場合、第1点灯部42b1が点灯し、第2点灯部42b2が消灯し、切換具53が操作されている場合、第1点灯部42b1が消灯し、第2点灯部42b2が点灯する。
【0217】
このため、切換具53を操作していない状態から操作している状態に移行する場合、点灯部42bのうち、点灯している光源が第1点灯部42b1から第2点灯部42b2に移り変わるため、作業者は、第1点灯部42b1及び第2点灯部42b2で点灯している部分が操作面42aの一方(左方)から他方(右方)へ移動しているように認識する。
【0218】
また、切換具53を操作している状態から操作していない状態に移行する場合、点灯部42bのうち、点灯している光源が第2点灯部42b2から第1点灯部42b1に移り変わるため、作業者は、第1点灯部42b1及び第2点灯部42b2で点灯している部分が操作面42aの他方(右方)から一方(左方)へ移動しているように認識する。
【0219】
図7に示すように、第1点灯部42b1及び第2点灯部42b2は、操作面42aの内周に沿った形状に形成され、それぞれ操作面42aの内周の輪郭の一部又は全部を形成している。第1点灯部42b1は、操作面42aの上端部の左右方向の中央部から左方に延び、操作面42aの左端部を下方に延びたあと、操作面42aの下端部の左右方向の中央部に延びている。即ち、第1点灯部42b1は、略C字形状に形成されている。
【0220】
第2点灯部42b2は、操作面42aの上端部の左右方向の中央部から右方に延び、操作面42aの右端部を下方に延びたあと、操作面42aの下端部の左右方向の中央部に延びている。即ち、第2点灯部42b2は、略逆C字形状に形成されている。
【0221】
第1点灯部42b1及び第2点灯部42b2が点灯する色彩は、例えば白である。なお、第1点灯部42b1及び第2点灯部42b2は、色以外の他の色彩で点灯できてもよい。例えば、第1点灯部42b1及び第2点灯部42b2は、白に加えて、橙、黄、青、紫、緑等の色彩で点灯できてもよい。
【0222】
なお、
図7に示すように、タクタイルスイッチである操作スイッチ42の操作面42aには、それぞれ第1~第4モードのうち、所定の標準テーブルで定義されている機能(標準機能)を簡略化・省略化して表現したアイコン(標準アイコン)42a1が設けられていてもよい。本実施形態においては、操作スイッチ42の操作面42aには、少なくとも第3モードに対応する標準アイコン42a1が設けられている。
【0223】
また、第3操作スイッチ42Cや第5操作スイッチ42Eのように、操作スイッチ42の操作面42aに、標準アイコン42a1に加えて、当該第3モードにおける拡張機能を簡略化・省略化して表現したアイコン(拡張アイコン)42a2が設けられていてもよい。斯かる場合、標準アイコン42a1は、操作面42aの一方に設けられ、拡張アイコン42a2は、操作面42aの他方に設けられていることが好ましい。さらに、標準アイコン42a1は、第1点灯部42b1によって囲まれ、拡張アイコン42a2は、第2点灯部42b2によって囲まれていることが好ましい。
【0224】
また、上述した実施形態においては、タクタイルスイッチである操作スイッチ42に点灯部42bが設けられている場合を例に説明したが、タクタイルスイッチ以外の操作スイッチ42(第8操作スイッチ42H、第9操作スイッチ42I、及び第12操作スイッチ42L)にも点灯部42bを設けてもよい。
【0225】
記憶装置81は、操作信号と機能(拡張機能)とを関連付けた拡張テーブル(第1~第4拡張テーブル)を操作モードに応じて複数記憶しており、当該拡張テーブルには、少なくとも一以上の操作スイッチ42の操作に拡張機能が割り当てられている。言い換えると、拡張テーブルには、拡張機能が割り当てられていない操作スイッチ42の操作が含まれていてもよい。
【0226】
本実施形態において、拡張テーブルは、主に第3操作スイッチ42C、第5操作スイッチ42E、第8操作スイッチ42H、第9操作スイッチ42I、及び第10操作スイッチ42Jの操作に拡張機能が割り当てられている。
【0227】
制御装置80は、切換具53が操作されていない期間においては、操作レバー41の操作モードに応じて、記憶装置81から操作モードに対応する標準テーブルを取得し、切換具53が操作されている期間においては、操作レバー41の操作モードに応じて、記憶装置81から操作モードに対応する拡張テーブルを取得する。
【0228】
即ち、操作レバー41は、切換具53が操作されている期間に、第3操作スイッチ42C、第5操作スイッチ42E、第8操作スイッチ42H、第9操作スイッチ42I、及び第10操作スイッチ42Jが操作された場合には、標準機能に代えて、拡張機能の操作指示を受け付ける。
【0229】
なお、操作レバー41は、切換具53が操作されている期間において、拡張機能が割り当てられていない操作スイッチ42が操作(例えば、第1操作スイッチ42A、第2操作スイッチ42B、第4操作スイッチ42D、第6操作スイッチ42F、第7操作スイッチ42G、第11操作スイッチ42K、第12操作スイッチ42L、及び第13操作スイッチ42Mが操作)された場合には、拡張機能の操作指示を受け付けない。このため、制御装置80は、切換具53が操作されている期間において、拡張機能が割り当てられていない操作スイッチ42が操作されても、機能の制御(実行)を行わない。
【0230】
以下、切換具53が操作されており、操作レバー41が、操作スイッチ42の操作によって拡張機能の操作指示を受け付ける場合について説明する。
【0231】
操作レバー41が第1~第4モードである場合、制御装置80は、切換具53が操作されている期間において、操作モードに対応する拡張テーブルを取得して、操作レバー41から出力された操作信号に対応する機能を制御(実行)する。具体的には、第1~第4モードの操作レバー41は、切換具53が操作されている期間において、第3操作スイッチ42Cが操作されると第9機能(標準機能)に代えて、拡張機能として第11機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1~第4拡張テーブルにおいて、第3操作スイッチ42Cが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第11機能と、が対応付けられている。このため、第1~第4モードにおいて、切換具53が操作されている期間に第3操作スイッチ42Cが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて第11機能の有効と無効とを切り換え、第11機能を有効にした場合、原動機6の回転数をアクセルペダルの操作によらず、第2原動機回転数に制御する。
【0232】
第1~第4モードの操作レバー41は、切換具53が操作されている期間において、第8操作スイッチ42Hが操作されると第1補助弁32aの第32機能又は第33機能(標準機能)に代えて、拡張機能として第3補助弁32cの第32機能又は第33機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1~第4拡張テーブルにおいて、第8操作スイッチ42Hが一方向にスライド操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第3補助弁32cの第32機能と、が対応付けられ、第8操作スイッチ42Hが他方向にスライド操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第3補助弁32cの第33機能と、が対応付けられている。
【0233】
第1~第4モードの操作レバー41は、切換具53が操作されている期間において、第9操作スイッチ42Iが操作されると第2補助弁32bの第32機能又は第33機能(標準機能)に代えて、拡張機能として第4補助弁32dの第32機能又は第33機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1~第4拡張テーブルにおいて、第9操作スイッチ42Iが一方向にスライド操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第4補助弁32dの第32機能と、が対応付けられ、第9操作スイッチ42Iが他方向にスライド操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第4補助弁32dの第33機能と、が対応付けられている。
【0234】
第1モード及び第4モードの操作レバー41は、切換具53が操作されている期間において、第5操作スイッチ42Eが操作されると第41機能(標準機能)に代えて、拡張機能として第39機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1拡張テーブル及び第4拡張テーブルにおいて、第5操作スイッチ42Eが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第39機能と、が対応付けられている。このため、第1モード及び第4モードにおいて、切換具53が操作されている期間に第5操作スイッチ42Eが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じてバケット35cの積載物の質量を演算する。
【0235】
第1モード及び第4モードの操作レバー41は、切換具53が操作されている期間において、第10操作スイッチ42Jが操作されると第40機能(標準機能)に代えて、拡張機能として第38機能の操作指示を受け付ける。つまり、第1拡張テーブル及び第4拡張テーブルにおいて、第10操作スイッチ42Jが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、第38機能と、が対応付けられている。このため、第1モード及び第4モードにおいて、切換具53が操作されている期間に第10操作スイッチ42Jが操作されると、制御装置80は、バケット35cを揺らすことで、当該バケット35cから積載物をなくす動作を実行させる。
【0236】
第3モードの操作レバー41は、切換具53が操作されている期間において、第5操作スイッチ42Eが操作されると侵入動作を実行する第42機能(標準機能)に代えて、拡張機能として退出動作を実行する第42機能の操作指示を受け付ける。つまり、第3拡張テーブルにおいて、第5操作スイッチ42Eが操作された際に操作レバー41が出力する操作信号と、退出動作を実行する第42機能と、が対応付けられている。このため、第3モードにおいて、切換具53が操作されている期間に第5操作スイッチ42Eが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて、退出動作を実行する。
【0237】
なお、上述したそれぞれの操作モードにおける操作スイッチ42の操作と、拡張機能の操作指示と、の組み合わせは例示に過ぎず、他の組み合わせであってもよい。例えば、第3モードの操作レバー41は、切換具53が操作されている期間において、第5操作スイッチ42Eが操作されると第43機能(標準機能)に代えて、拡張機能として自動操舵の有効、及び無効を実行する操作指示を受け付けてもよい。
【0238】
従って、第1~4モードにおける操作レバー41は、複数の操作スイッチ42の操作によって、受け付ける拡張機能の操作指示は、走行機能に比べて、作業機能が多い。つまり、第1~4モードにおける操作レバー41は、切換具53が操作されている期間においては、走行機能に比べて、作業機能の操作指示を優先して受け付ける。
【0239】
また、上述した実施形態においては、切換具53が操作されている場合に、表示部43が当該切換具53の操作を表示したり、点灯部42bが表示形態を異ならせたりする場合を説明したが、表示装置90(本実施形態においては、第1表示装置90A)は、切換具53が操作されている場合、操作スイッチ42の操作と、当該操作スイッチ42の操作によって操作指示を受け付ける拡張機能の内容と、の対応関係をそれぞれ表示してもよい。これにより、作業者は、拡張機能の内容を簡単に把握することができ、さらに現在操作スイッチ42が受け付ける操作指示の機能が標準機能であるか、拡張機能であるかを容易に把握することができる。
【0240】
具体的には、第1表示装置90Aは、切換具53が操作されている場合、操作モードに対応する拡張テーブルを記憶装置81から取得し、操作表示画面M1を表示する。
【0241】
図13は、操作表示画面M1及び情報表示画面M2の一例を示す図である。
図13に示すように、操作表示画面M1は、操作スイッチ42を含む操作レバー41の概略
図110と、第1割り当て表示部111と、を表示する。第1割り当て表示部111は、操作スイッチ42に割り当てられている機能(標準機能及び拡張機能)を簡略化・省略化して表現したアイコンで表示する表示画像である。第1割り当て表示部111は、
図13に示す例においては、アイコン112aを表示する略矩形状の画像(第1アイコン表示部112)と、当該アイコン112aに対応する操作スイッチ42を指し示す第1矢印部113と、を有している。第1アイコン表示部112の外形を示し、アイコン112aを囲む外枠(第1カテゴリ表示枠112b)は、当該第1アイコン表示部112のアイコン112aに対応する機能が分類されるカテゴリに応じて異なる色彩で表示される。
【0242】
具体的には、第1カテゴリ表示枠112bの色彩は、橙、黄、青、紫、緑等で表示することができる。第1カテゴリ表示枠112bは、アイコン112aに対応する機能が第1~第3カテゴリである場合に橙で表示される。第1カテゴリ表示枠112bは、アイコン112aに対応する機能が第4カテゴリである場合に黄で表示される。第1カテゴリ表示枠112bは、アイコン112aに対応する機能が第5~第7カテゴリである場合に青で表示される。第1カテゴリ表示枠112bは、アイコン112aに対応する機能が第8カテゴリである場合に紫で表示される。そして、第1カテゴリ表示枠112bは、アイコン112aに対応する機能が第8カテゴリである場合に緑で表示される。
【0243】
アイコン112aに対応する機能が分類されるカテゴリによって、第1カテゴリ表示枠112bが異なる色彩で表示される場合を例に説明したが、これに加えて或いは代えて第1矢印部113も同様にカテゴリに応じて色彩を異ならせて表示してもよい。
【0244】
また、第1アイコン表示部112は、対応する操作スイッチ42がタクタイルスイッチ、スライドスイッチ、及びダイヤルスイッチ等のいずれの種類であるかを示す第1種類表示部114を有している。本実施形態においては、第1種類表示部114は、丸形の図形であり、第1アイコン表示部112の右上に表示される。第1種類表示部114は、対応する操作スイッチ42がタクタイルスイッチである場合、緑で表示され、対応する操作スイッチ42がスライドスイッチである場合、青で表示され、対応する操作スイッチ42がダイヤルスイッチである場合、黄で表示される。
【0245】
なお、拡張機能が割り当てられていない操作スイッチ42の第1割り当て表示部111には、アイコン112aが表示されない。
【0246】
また、上述した実施形態においては、第1表示装置90Aは、切換具53が操作されている期間において、操作表示画面M1を表示するが、所定の操作が行われることで、随時、操作表示画面M1を表示できてもよい。
【0247】
また、
図13に示す例においては、操作表示画面M1は、第1表示装置90Aが表示する画面のうち、一部の表示領域に表示され、他の表示領域には、変速装置20の変速段を表示する変速段表示部115、車速を表示する車速表示部116、及び作業車両1の稼働時間を示すアワメータ117等が表示されているが、その表示形態は、
図13に示す例に限定されない。なお、以下の説明において、他の表示領域に表示された変速段表示部115、車速表示部116、及びアワメータ117を含む画面を情報表示画面M2ということがある。つまり、第1表示装置90Aは、操作表示画面M1と、情報表示画面M2とともに表示する。
【0248】
また、拡張テーブルは、予め拡張機能が割り当てられていない操作スイッチ42に対して、任意の拡張機能を割り当てることができてもよい。さらに、拡張テーブルは、拡張機能が割り当てられている操作スイッチ42に対しても、他の拡張機能を割り当てることができてもよい。斯かる場合、表示装置90(本実施形態においては、第2表示装置90B)が
図14に示すような第1変更画面M3を表示して、拡張機能の割り当ての入力を受け付ける。
図14は、第1変更画面M3の一例を示す図である。
【0249】
また、
図2に示すように、制御装置80は、更新部80aを有している。更新部80aは、制御装置80に設けられた電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成されている。更新部80a(制御装置80)は、第2表示装置90Bが第1変更画面M3で入力を受け付けた拡張機能に基づいて、記憶装置81に記憶された拡張テーブルを更新(上書き保存)する。
【0250】
図14に示すように、第1変更画面M3は、操作スイッチ42を含む操作レバー41の概略
図12A0と、第2割り当て表示部121と、対象切換部125と、第1カテゴリ選択部126と、第1機能選択部128と、を表示する。第2割り当て表示部121は、操作スイッチ42に割り当てられている機能を簡略化・省略化して表現したアイコンで表示する表示画像である。
【0251】
第2割り当て表示部121は、
図14に示す例においては、アイコン122aを表示する略矩形状の画像(第2アイコン表示部122)と、当該アイコン122aに対応する操作スイッチ42を指し示す第2矢印部123と、を有している。第2アイコン表示部122の外形を示し、アイコン122aを囲む外枠(第2カテゴリ表示枠122b)は、第1カテゴリ表示枠112bと同様に、当該第2アイコン表示部122のアイコン122aに対応する機能が分類されるカテゴリに応じて異なる色彩で表示してもよい。また、これに加えて或いは代えて第2矢印部123も同様にカテゴリに応じて色彩を異ならせて表示してもよい。
【0252】
また、第2アイコン表示部122は、対応する操作スイッチ42がタクタイルスイッチ、スライドスイッチ、及びダイヤルスイッチ等のいずれの種類であるかを示す第2種類表示部124を有している。本実施形態においては、第2種類表示部124は、丸形の図形であり、第2アイコン表示部122の右上に表示される。第2種類表示部124は、対応する操作スイッチ42がタクタイルスイッチである場合、緑で表示され、対応する操作スイッチ42がスライドスイッチである場合、青で表示され、対応する操作スイッチ42がダイヤルスイッチである場合、黄で表示される。
【0253】
なお、拡張機能が割り当てられていない操作スイッチ42の第2割り当て表示部121には、アイコン122aが表示されない。作業者は、任意の第2アイコン表示部122を選択操作(例えば第4ダイヤル48で操作)することで、新たな拡張機能を割り当てたい操作スイッチ42を選択する。これにより、第2表示装置90Bは、複数の操作スイッチ42のうち、所定の操作スイッチ42の選択操作を受け付ける。
【0254】
対象切換部125は、更新部80aが更新を行う拡張テーブルの操作モードの選択操作を受け付ける。本実施形態において、対象切換部125は、第1~第4モードの選択操作を受け付ける。対象切換部125が第1~第4モードのいずれかの選択操作を受け付けると、第2表示装置90Bは、選択操作された操作モードに対応する拡張テーブルを記憶装置81から取得し、当該拡張テーブルに基づいて第2割り当て表示部121の表示を変更する。
【0255】
第1カテゴリ選択部126は、作業車両1に関する複数の機能を分類するカテゴリ(第1~第9カテゴリ)の選択を受け付ける表示画像である。第1カテゴリ選択部126は、それぞれのカテゴリをアイコン127aで示す略矩形状の画像(カテゴリ表示部127)を複数表示する。
図14に示すように、本実施形態において、第1カテゴリ選択部126は、複数のカテゴリ表示部127を画面の左右方向に並べて表示する。
【0256】
作業者は、任意のカテゴリ表示部127を選択操作(例えば第4ダイヤル48で操作)することで、割り当てたい機能が分類されているカテゴリを選択する。これにより、第2表示装置90Bは、複数のカテゴリのうち、所定のカテゴリの選択操作を受け付ける。
【0257】
第1機能選択部128は、第1カテゴリ選択部126が選択操作を受け付けたカテゴリに分類されている複数の機能のうち、所定の機能の選択を受け付ける表示画像である。第1機能選択部128は、それぞれの機能を簡略化・省略化して表現したアイコン129aで示す略矩形状の画像(第3アイコン表示部129)を複数表示する。
【0258】
図14に示すように、本実施形態において、第1機能選択部128は、複数の第3アイコン表示部129を画面の左右方向に並べて表示する。これにより、作業者は、任意の第3アイコン表示部129を選択操作(例えば第4ダイヤル48で操作)することで、割り当てたい第3アイコン表示部129を選択することができる。これにより、第2表示装置90Bは、複数の機能のうち、所定の機能を拡張機能として選択操作を受け付ける。更新部80aは、選択操作された第2アイコン表示部122に対応する操作スイッチ42に対して、選択操作された第3アイコン表示部129に対応する機能を拡張機能として割り当て、記憶装置81に記憶されている拡張テーブルを更新(上書き保存)する。
【0259】
なお、第3アイコン表示部129は、対応する機能がタクタイルスイッチ、スライドスイッチ、及びダイヤルスイッチ等のいずれの種類の操作スイッチ42で操作可能であるかを示す第3種類表示部130を有している。本実施形態においては、第3種類表示部130は、丸形の図形であり、第3アイコン表示部129の右上に表示される。第3種類表示部130は、第2種類表示部124と同様に、対応する機能がタクタイルスイッチで操作できる場合、緑で表示され、対応する機能がスライドスイッチで操作できる場合、青で表示され、対応する機能がダイヤルスイッチで操作できる場合、黄で表示される。
【0260】
また、対象切換部125が選択操作を受け付けたモードに対応する拡張テーブルにおいて、すでにいずれかの操作スイッチ42の操作に割り当てられている機能、即ちすでに拡張機能として割り当てられている機能を示す第3アイコン表示部129の第3種類表示部130には、チェックマークが付される。
【0261】
また、上述した実施形態において、更新部80aが拡張テーブルを更新することで、操作スイッチ42の操作に対する機能(拡張機能)の割り当てを変更する場合を例に説明したが、更新部80aは、標準テーブルを更新することで、操作スイッチ42の操作に対する機能(標準機能)の割り当てを変更してもよい。なお、制御装置80が標準テーブルを変更する場合は、対象切換部125が拡張テーブルと標準テーブルのいずれを更新するかの選択を受け付ける。
【0262】
なお、
図14で示す第1変更画面M3は、例示に過ぎず、その画面や拡張テーブルにおける拡張機能の割り当て、標準テーブルにおける標準機能の割り当ての方法は、上述した例に限定されない。
【0263】
また、操作モードに対応する標準テーブルが更新されている場合において、第1点灯部42b1が点灯する色彩は、割り当てが変更された機能が分類されるカテゴリに応じて変更される。また、操作モードに対応する拡張テーブルが更新されている場合において、第2点灯部42b2が点灯する色彩は、割り当てが変更された機能が分類されるカテゴリに応じて変更される。
【0264】
具体的には、操作モードに対応する標準テーブルが初期設定(所謂工場出荷時に定義された状態)から更新されていない場合、第1点灯部42b1が点灯する色彩は、白である。操作モードに対応する標準テーブルが初期設定から更新されると、制御装置80は、取得した標準テーブルに基づいて、第1点灯部42b1に出力する制御信号を変更し、切換具53が操作されておらず、当該第1点灯部42b1を点灯させる場合、更新後の標準機能が分類されるカテゴリに対応する色彩で点灯させる。
【0265】
詳しくは、制御装置80は、更新後の標準テーブルにおいて、第1点灯部42b1が設けられた操作スイッチ42に対応する機能が第1~第3カテゴリであって、切換具53が操作されていない場合には、当該第1点灯部42b1を橙で点灯させる。制御装置80は、更新後の標準テーブルにおいて、第1点灯部42b1が設けられた操作スイッチ42に対応する機能が第4カテゴリであって、切換具53が操作されていない場合には、当該第1点灯部42b1を黄で点灯させる。制御装置80は、更新後の標準テーブルにおいて、第1点灯部42b1が設けられた操作スイッチ42に対応する機能が第5~第7カテゴリであって、切換具53が操作されていない場合には、当該第1点灯部42b1を青で点灯させる。制御装置80は、更新後の標準テーブルにおいて、第1点灯部42b1が設けられた操作スイッチ42に対応する機能が第8カテゴリであって、切換具53が操作されていない場合には、当該第1点灯部42b1を紫で点灯させる。そして、制御装置80は、更新後の標準テーブルにおいて、第1点灯部42b1が設けられた操作スイッチ42に対応する機能が第8カテゴリであって、切換具53が操作されていない場合には、当該第1点灯部42b1を緑で点灯させる。
【0266】
また、操作モードに対応する拡張テーブルが初期設定から更新されていない場合、第2点灯部42b2が点灯する色彩は、白である。操作モードに対応する標準テーブルが初期設定から更新されると、制御装置80は、取得した標準テーブルに基づいて、第2点灯部42b2に出力する制御信号を変更し、切換具53が操作されておらず、当該第2点灯部42b2を点灯させる場合、更新後の拡張機能が分類されるカテゴリに対応する色彩で点灯させる。
【0267】
具体的には、制御装置80は、更新後の標準テーブルにおいて、第2点灯部42b2が設けられた操作スイッチ42に対応する機能が第1~第3カテゴリであって、切換具53が操作されている場合には、当該第2点灯部42b2を橙で点灯させる。制御装置80は、更新後の標準テーブルにおいて、第2点灯部42b2が設けられた操作スイッチ42に対応する機能が第4カテゴリであって、切換具53が操作されている場合には、当該第2点灯部42b2を黄で点灯させる。制御装置80は、更新後の標準テーブルにおいて、第2点灯部42b2が設けられた操作スイッチ42に対応する機能が第5~第7カテゴリであって、切換具53が操作されている場合には、当該第2点灯部42b2を青で点灯させる。制御装置80は、更新後の標準テーブルにおいて、第2点灯部42b2が設けられた操作スイッチ42に対応する機能が第8カテゴリであって、切換具53が操作されている場合には、当該第2点灯部42b2を紫で点灯させる。そして、制御装置80は、更新後の標準テーブルにおいて、第2点灯部42b2が設けられた操作スイッチ42に対応する機能が第8カテゴリであって、切換具53が操作されている場合には、当該第2点灯部42b2を緑で点灯させる。
【0268】
更新部80aは、操作具49に割り当てられた機能を、異なる機能に更新することができる。具体的には、
図15に示すように、記憶装置81は、操作スイッチ42の標準テーブル及び拡張テーブルと同様に、操作具49の操作信号と機能とを関連付けたテーブル(操作テーブル)を記憶しており、制御装置80は、記憶装置81から操作テーブルを取得して、操作具49から出力された操作信号と当該操作テーブルに基づいて機能を制御(実行)する。
図15は、操作テーブルの一例を示す図である。また、更新部80a(制御装置80)は、第2表示装置90Bが更新の入力を受け付けた機能に基づいて、記憶装置81に記憶された操作テーブルを更新(上書き保存)する。
【0269】
まず、
図15を用いて、更新部80aが更新する前の操作テーブル、即ち初期設定の操作テーブル(初期テーブル)におけるそれぞれの操作具49の操作に対する機能の割り当てについて説明する。以下の説明において、初期テーブルにおいて操作具49が出力する操作信号に割り当てられている機能のことを「初期機能」として説明し、更新部80aが更新した操作テーブルのうち、初期機能から更新された機能のことを「更新機能」として説明する。即ち、操作具49には、複数の機能のうち、予め所定の初期機能が割り当てられており、更新部80aは、操作具49に割り当てられた機能を、複数の機能のうち初期機能と異なる更新機能に更新する。
【0270】
具体的には、初期テーブルにおいて、第1操作具49Aが操作された際に第1操作具49Aが出力する操作信号と、第17機能と、が対応付けられており、第1操作具49Aは、操作されると第17機能の操作指示を受け付ける。このため、更新部80aが初期テーブルを更新していない場合、第1操作具49Aが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて前変速部20fを制御し、4WD等速状態への切換を行う。
【0271】
初期テーブルにおいて、第2操作具49Bが操作された際に第2操作具49Bが出力する操作信号と、第18機能と、が対応付けられており、第2操作具49Bは、操作されると第18機能の操作指示を受け付ける。このため、更新部80aが初期テーブルを更新していない場合、第2操作具49Bが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて第18機能の有効と無効とを切り換え、第18機能を有効にした場合、車速及び操舵装置の操舵角に基づいて前変速部20fを制御して、2WDと、4WD等速状態と、の切換を行う。
【0272】
初期テーブルにおいて、第3操作具49Cが操作された際に第3操作具49Cが出力する操作信号と、第20機能と、が対応付けられており、第3操作具49Cは、操作されると第20機能の操作指示を受け付ける。このため、更新部80aが初期テーブルを更新していない場合、第3操作具49Cが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて、作業者の操作に基づいて後輪デフ装置21Rを固定(直結)する。
【0273】
初期テーブルにおいて、第4操作具49Dが操作された際に第4操作具49Dが出力する操作信号と、第13機能と、が対応付けられており、第4操作具49Dは、操作されると第13機能の操作指示を受け付ける。このため、更新部80aが初期テーブルを更新していない場合、第4操作具49Dが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて第13機能の有効と無効とを切り換え、第13機能を有効にした場合、車速及び原動機6の負荷に基づいて、原動機6の回転数を制御する。
【0274】
初期テーブルにおいて、第5操作具49Eが操作された際に第5操作具49Eが出力する操作信号には、機能が対応付けられておらず、更新部80aによって操作テーブルが更新され、第5操作具49Eが出力する操作信号に機能が対応付けられるまで、第5操作具49Eは、操作されても機能の操作指示を受け付けない。第5操作具49Eは、更新部80aによって操作テーブルが更新され、第5操作具49Eが出力する操作信号に機能が対応付けられ、操作された場合に当該対応付けられた機能の操作指示を受け付ける。
【0275】
初期テーブルにおいて、第6操作具49Fが操作された際に第6操作具49Fが出力する操作信号と、第7機能と、が対応付けられており、第6操作具49Fは、操作されると第7機能の操作指示を受け付ける。このため、更新部80aが初期テーブルを更新していない場合、第7操作具49Gが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて第7機能の有効と無効とを切り換え、第7機能を有効にした場合、ブレーキペダルが操作され、車速が所定未満になると、シャトル部20dの油圧クラッチを中立位置に切り換えて、走行装置3への動力の伝達を遮断する。
【0276】
初期テーブルにおいて、第7操作具49Gが操作された際に第7操作具49Gが出力する操作信号と、第8機能と、が対応付けられており、第7操作具49Gは、操作されると第8機能の操作指示を受け付ける。このため、更新部80aが初期テーブルを更新していない場合、第8操作具49Hが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて第8機能の有効と無効とを切り換え、第8機能を有効にした場合、原動機6の負荷に基づいて、変速装置20の制御を変更する。
【0277】
初期テーブルにおいて、第8操作具49Hが操作された際に第8操作具49Hが出力する操作信号と、第24機能と、が対応付けられており、第8操作具49Hは、操作されると第24機能の操作指示を受け付ける。このため、更新部80aが初期テーブルを更新していない場合、第8操作具49Hが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて第24機能の有効と無効とを切り換え、第24機能を有効にした場合、作業装置10の高さに応じて、PTO動力伝達部20eを制御して、PTO軸22への動力伝達を切り換える。
【0278】
初期テーブルにおいて、第9操作具49Iが操作された際に第9操作具49Iが出力する操作信号と、第19機能と、が対応付けられており、第9操作具49Iは、操作されると第19機能の操作指示を受け付ける。このため、更新部80aが初期テーブルを更新していない場合、第9操作具49Iが操作されると、制御装置80は、当該操作に応じて前変速部20fを制御し、4WD増速状態への切換を行う。
【0279】
初期テーブルにおいて、第10操作具49Jが操作された際に第10操作具49Jが出力する操作信号には、機能が対応付けられておらず、更新部80aによって操作テーブルが更新され、第10操作具49Jが出力する操作信号に機能が対応付けられるまで、第10操作具49Jは、操作されても機能の操作指示を受け付けない。第10操作具49Jは、更新部80aによって操作テーブルが更新され、第10操作具49Jが出力する操作信号に機能が対応付けられ、操作された場合に当該対応付けられた機能の操作指示を受け付ける。
【0280】
表示装置90(本実施形態においては、第2表示装置90B)に所定の操作を行うと、第2表示装置90Bは、
図16に示すような第2変更画面M4を表示して、更新機能の割り当ての入力を受け付ける。
図16は、第2変更画面M4の一例を示す図である。
図16に示すように、第2変更画面M4は、操作具49の概略
図140と、第3割り当て表示部141と、第2カテゴリ選択部144と、第2機能選択部146と、を表示する。第3割り当て表示部141は、操作具49に割り当てられている機能を簡略化・省略化して表現したアイコンで表示する表示画像である。第3割り当て表示部141は、
図16に示す例においては、アイコン142aを表示する略矩形状の画像(第4アイコン表示部142)と、当該アイコン142aに対応する操作具49を指し示す第3矢印部143と、を有している。第4アイコン表示部142の外形を示し、アイコン142aを囲む外枠(第3カテゴリ表示枠142b)は、第1カテゴリ表示枠112bと同様に、当該第4アイコン表示部142のアイコン142aに対応する機能が分類されるカテゴリに応じて異なる色彩で表示してもよい。また、これに加えて或いは代えて第3矢印部143も同様にカテゴリに応じて色彩を異ならせて表示してもよい。
【0281】
なお、更新機能が割り当てられていない操作具49(例えば、第5操作具49E及び第10操作具49J)の第3割り当て表示部141には、アイコン142aが表示されない。作業者は、任意の第4アイコン表示部142を選択操作(例えば第4ダイヤル48で操作)することで、新たな機能(更新機能)を割り当てたい操作具49を選択する。これにより、第2表示装置90Bは、複数の操作具49のうち、所定の操作具49の選択操作を受け付ける。
【0282】
第2カテゴリ選択部144は、作業車両1に関する複数の機能を分類するカテゴリ(第1~第9カテゴリ)の選択を受け付ける表示画像である。第2カテゴリ選択部144は、それぞれのカテゴリをアイコン145aで示す略矩形状の画像(カテゴリ表示部145)を複数表示する。
図16に示すように、本実施形態において、第2カテゴリ選択部144は、複数のカテゴリ表示部145を画面の左右方向に並べて表示する。作業者は、任意のカテゴリ表示部145を選択操作(例えば第4ダイヤル48で操作)することで、割り当てたい機能が分類されているカテゴリを選択する。これにより、第2表示装置90Bは、複数のカテゴリのうち、所定のカテゴリの選択操作を受け付ける。
【0283】
第2機能選択部146は、第2カテゴリ選択部144が選択操作を受け付けたカテゴリに分類されている複数の機能のうち、所定の機能の選択を受け付ける表示画像である。第2機能選択部146は、それぞれの機能をアイコン147aで示す略矩形状の画像(第5アイコン表示部147)を複数表示する。
図16に示すように、本実施形態において、第2機能選択部146は、複数の第5アイコン表示部147を画面の左右方向に並べて表示する。
【0284】
なお、本実施形態において、操作具49は、タクタイルスイッチであるため、第2機能選択部146が表示する機能は、第2カテゴリ選択部144が選択操作を受け付けたカテゴリに分類されている複数の機能のうち、少なくともタクタイルスイッチで操作可能な機能を表示する。第2機能選択部146は、第2カテゴリ選択部144が選択操作を受け付けたカテゴリに分類されている複数の機能のうち、タクタイルスイッチで操作できない機能をブラックアウトして選択操作不能に表示したり、非表示にしたりする。
【0285】
なお、第5アイコン表示部147には、操作テーブルにおいて、すでにいずれかの操作具49の操作に割り当てられている機能、即ちすでに初期機能又は更新機能として割り当てられているか否かを示すマーク148が設けられている。マーク148は、丸形の図形であり、すでに初期機能又は更新機能として割り当てられている機能の第5アイコン表示部147には、チェックマークが付される。
【0286】
作業者は、任意の第5アイコン表示部147を選択操作(例えば第4ダイヤル48で操作)することで、割り当てたい機能の第5アイコン表示部147を選択する。これにより、第2表示装置90Bは、複数の機能のうち、所定の機能を更新機能として選択操作を受け付ける。更新部80aは、選択操作された第5アイコン表示部147に対応する操作具49に対して、選択操作された第5アイコン表示部147に対応する機能を更新機能として割り当て、記憶装置81に記憶されている操作テーブルを更新(上書き保存)する。
【0287】
なお、
図16で示す第2変更画面M4は、例示に過ぎず、その画面や操作テーブルにおける更新機能の割り当ての方法は、上述した例に限定されない。
【0288】
図9に示すように、操作具49には、初期機能を示すアイコン49a1が設けられている。具体的には、アイコン49a1は、初期機能を簡略化・省略化して表現した図形であって、操作具49の操作面49aの中央部に設けられている。また、
図2、
図9に示すように、操作具49は、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3を有している。
【0289】
第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3は、光を発生させる光発生装置である。第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3は、一又は複数の光源(LED等)から構成されている。本実施形態において、制御装置80は、操作指示の受付ができる期間、言い換えると作業車両1が起動している期間に第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3を点灯させる。なお、制御装置80は、操作具49に対応する機能にエラーが生じている場合や、操作レバー41の操作モードに応じて、機能の実行が制限されている場合に、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3を消灯させてもよい。
【0290】
以下、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3が点灯する色彩について説明する。
【0291】
第1表示ランプ49b1は、更新部80aが更新した機能(更新機能)が属するカテゴリに応じて表示形態を変更する。第1表示ランプ49b1は、更新部80aが更新した機能が属するカテゴリに応じて、異なる色彩に点灯する。このため、作業者は、更新部80aによって更新された機能の分類(カテゴリ)を簡単に把握することができる。これにより、操作具49が操作指示を受け付ける機能を更新した場合であっても、誤操作を抑制することができる。
【0292】
具体的には、記憶装置81に記憶されている操作テーブルの機能が更新されておらず、操作信号と初期機能とが対応付けられている操作具49の第1表示ランプ49b1が点灯する色彩は、白である。操作テーブルが更新されると、制御装置80は、取得した更新後の操作テーブルに基づいて、第1表示ランプ49b1に出力する制御信号を変更し、操作信号と更新機能とが対応付けられた操作具49の第1表示ランプ49b1を、更新後の標準機能が分類されるカテゴリに対応する色彩で点灯させる。
【0293】
詳しくは、制御装置80は、更新後の操作テーブルにおいて、第1表示ランプ49b1が設けられた操作具49に対応する更新機能が第1~第3カテゴリである場合には、当該第1表示ランプ49b1を橙で点灯させる。制御装置80は、更新後の操作テーブルにおいて、第1表示ランプ49b1が設けられた操作具49に対応する更新機能が第4カテゴリである場合には、当該第1表示ランプ49b1を黄で点灯させる。制御装置80は、更新後の操作テーブルにおいて、第1表示ランプ49b1が設けられた操作具49に対応する更新機能が第5~第7カテゴリである場合には、当該第1表示ランプ49b1を青で点灯させる。制御装置80は、更新後の操作テーブルにおいて、第1表示ランプ49b1が設けられた操作具49に対応する機能が第8カテゴリである場合には、当該第1表示ランプ49b1を紫で点灯させる。そして、制御装置80は、更新後の操作テーブルにおいて、第1表示ランプ49b1が設けられた操作具49に対応する更新機能が第8カテゴリである場合には、当該第1表示ランプ49b1を緑で点灯させる。
【0294】
第2表示ランプ49b2は、操作具49に割り当てられた機能が有効である場合と無効である場合とで表示形態を変更する。具体的には、制御装置80は、操作具49に割り当てられた機能が有効である場合と無効である場合とで、当該操作具49の第2表示ランプ49b2に出力する制御信号を変更する。本実施形態において、操作指示を受け付ける機能が無効である場合、第2表示ランプ49b2は、白に点灯する。一方、操作指示を受け付ける機能が有効である場合、第2表示ランプ49b2は、緑に点灯する。なお、当該操作具49の操作によらず、当該操作具49とは別の操作具49や別の操作部材(物理的なスイッチに限定されず、表示装置90に表示され且つ操作を受け付ける表示画像を含む)に同じ機能が割り当てられている場合に、別の操作具49等が操作されることで、この機能が有効になった際には、当該操作具49の第2表示ランプ49b2の表示形態を変更してもよい。
【0295】
第3表示ランプ49b3は、白に点灯する。本実施形態において、第3表示ランプ49b3は、操作具49に2つ設けられており、当該2つの第3表示ランプ49b3は、白以外の色彩に点灯しない。なお、制御装置80は、第3表示ランプ49b3が設けられた操作具49に対応する機能にエラーが生じている場合に、第3表示ランプ49b3を赤等に点灯したり点滅したりしてもよい。
【0296】
次に、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3の配置及び形状について説明する。第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3は、アイコン49a1を取り囲む位置に配置されている。また、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3は、操作具49の操作面49aの内周に沿った形状に形成され、それぞれ操作面49aの内周の輪郭の一部又は全部を形成している。これにより、作業者は、第2表示ランプ49b2を確認することで、機能の有効及び無効を簡単に把握できるだけでなく、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3によって、操作具49の位置をより簡単且つ確実に認識することができる。
【0297】
具体的には、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3は、操作面49aの角部に配置されている。第1表示ランプ49b1は、操作面49aの左前に配置され、第2表示ランプ49b2は、操作面49aの右前に配置されている。第3表示ランプ49b3は、操作面49aの左後及び右後に配置されている。
【0298】
第1表示ランプ49b1は、操作面49aの前端部の左右方向の中央部から左方に延び、操作面49aの左端部の前後方向の中央部に達している。即ち、第1表示ランプ49b1は、略逆L字形状に形成されている。
【0299】
第2表示ランプ49b2は、操作面49aの前端部の左右方向の中央部から右方に延び、操作面49aの右端部の前後方向の中央部に達している。即ち、第2表示ランプ49b2は、略L字形状に形成されている。
【0300】
操作面49aの左後に配置された第3表示ランプ49b3は、操作面49aの後端部の左右方向の中央部から左方に延び、操作面49aの左端部の前後方向の中央部に達している。即ち、操作面49aの左後に配置された第3表示ランプ49b3は、略L字形状に形成されている。
【0301】
操作面49aの右後に配置された第3表示ランプ49b3は、操作面49aの後端部の左右方向の中央部から右方に延び、操作面49aの右端部の前後方向の中央部に達している。即ち、操作面49aの右後に配置された第3表示ランプ49b3は、略逆L字形状に形成されている。
【0302】
本実施形態において、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3は、それぞれ間隔を空けて配置されている。具体的には、第1表示ランプ49b1の右端と、第2表示ランプ49b2の左端と、は左右方向に離間して配置されている。第1表示ランプ49b1の後端と、左後の第3表示ランプ49b3の前端と、は前後方向に離間して配置されている。第2表示ランプ49b2の後端と、右後の第3表示ランプ49b3の前端と、は前後方向に離間して配置されている。左後の第3表示ランプ49b3の右端と、右後の第3表示ランプ49b3の左端と、は左右方向に離間して配置されている。
【0303】
なお、上述した実施形態において、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3は、それぞれ間隔を空けて配置されているが、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3の表示(点灯及び消灯等)を区別することができればよく、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3は、接近して配置されていてもよい。
【0304】
また、ダイヤル44は、機能の制御パラメータの変更操作を受け付けることができる。言い換えると、ダイヤル44は、第9機能の第1原動機回転数を変更する第10機能や、第11機能の第2原動機回転数を変更する第12機能等のように、それぞれの機能のパラメータを変更する機能の操作指示を受け付けることができる。制御装置80は、ダイヤル44から出力された操作信号に基づいて、記憶装置81に記憶されている各機能の制御パラメータの変更を行う。
【0305】
第1ダイヤル(第1機能操作具)45は、回転操作によって複数の機能の選択操作をするための操作部材(本実施形態においては物理的なダイヤルスイッチ)である。第1ダイヤル45で選択操作することができる機能の選択肢(候補機能)は、予め記憶装置81に記憶されている。第1ダイヤル45が操作されると、制御装置80は当該第1ダイヤル45から出力された操作信号を取得し、
図17に示すように表示装置90(本実施形態においては、第1表示装置90A)に第3変更画面M5を表示させる。
図17は、第3変更画面M5及び情報表示画面M2の一例を示す図である。
図17に示すように、第1表示装置90Aは、操作表示画面M1と同様に、情報表示画面M2と共に第3変更画面M5を表示する。第3変更画面M5は、第1ダイヤル45で選択操作することができる機能を表示する。表示装置90は、第1ダイヤル45で選択操作された一の機能と、他の機能との表示形態を異ならせて表示する。
【0306】
図17に示すように、第3変更画面M5は、選択機能表示部150と、候補機能表示部151と、を表示する。選択機能表示部150は、第1ダイヤル45で選択操作された一の機能をアイコンとして表示する画像である。また、候補機能表示部151は、他の機能をアイコンとして表示する画像である。
図17に示す例においては、選択機能表示部150の左右方向の一方(左方)と他方(右方)とに候補機能表示部151が配置されている。第3変更画面M5は、第1ダイヤル45で選択操作することができる機能のうち、所定の機能を選択機能表示部150に表示し、第1ダイヤル45の操作に応じて、当該選択機能表示部150に表示している機能に代えて、候補機能表示部151が表示している機能を選択機能表示部150に表示する。即ち、第1ダイヤル45の操作に応じて、選択機能表示部150に表示される機能は、順次切り換わる。
図17に示す第3変更画面M5の例では、第27機能が選択操作されている状態を示している。
【0307】
なお、
図17に示す第3変更画面M5の例では、選択機能表示部150の左右方向の一方(左方)と他方(右方)とに候補機能表示部151が配置され、候補機能表示部151は、第1ダイヤル45で選択操作することができる機能のうち、選択機能表示部150が表示する一の機能以外の他の機能を全て表示しているが、少なくとも一以上の他の機能を表示できればよく、その表示形態も
図17で示す例に限定されない。
【0308】
第2ダイヤル(第2機能操作具)46は、回転操作によって第1ダイヤル45で選択操作された機能の制御パラメータを変更操作する操作部材(本実施形態においては物理的なダイヤルスイッチ)である。また、表示装置90(第1表示装置90A)は、第2ダイヤル46で変更操作した制御パラメータを表示することができる。具体的には、第1表示装置90Aが第3変更画面M5を表示している場合に、第2ダイヤル46が操作されると、制御装置80は、第1ダイヤル45の操作によって選択操作された一の機能を、パラメータを変更する対象の機能として確定する。パラメータを変更する対象の機能が確定されると、
図18に示すように、第1表示装置90Aは、第3変更画面M5から制御パラメータを示す第4変更画面M6に表示を遷移する。
図18は、第4変更画面M6及び情報表示画面M2の一例を示す図である。なお、
図18に示すように、第1表示装置90Aは、操作表示画面M1及び第3変更画面M5と同様に、情報表示画面M2と共に第4変更画面M6を表示する。
【0309】
図18に示すように、第4変更画面M6には、対象機能表示部160と、パラメータ表示部161と、を有している。対象機能表示部160は、パラメータを変更する対象の機能をアイコンで示す画像である。パラメータ表示部161は、第2ダイヤル46の操作に応じて、変更後のパラメータの候補(候補パラメータ)を表示する画像である。本実施形態において、パラメータ表示部161は、候補パラメータを数値で表示する。なお、パラメータ表示部161は、候補パラメータを表示することができればよく、その表示形態は数値に限定されず、例えば候補パラメータの大きさによって長さを変更するバー状のメータ形状等であってもよい。
【0310】
第2ダイヤル46を操作すると、パラメータ表示部161は、当該操作に応じて、候補パラメータの表示形態を変更する。
図18に示す例において、パラメータ表示部161は、第2ダイヤル46を一方向(時計回り)に回転操作することで、候補パラメータの数値を大きく表示し、他方向(反時計回り)に回転操作することで、候補パラメータの数値を小さく表示する。
【0311】
制御装置80は、第2ダイヤル46が操作されてから所定時間が経過した場合や、第1ダイヤル45を操作した場合等に、パラメータ表示部161が表示している候補パラメータを確定させる。制御装置80は、当該確定させた候補パラメータに基づいて、記憶装置81に記憶され、且つ対象機能表示部160に表示されている機能の制御パラメータを変更する。
【0312】
なお、パラメータ表示部161が表示している候補パラメータを確定する方法は、上述した方法に限定されず、例えば第2ダイヤル46が押圧操作を受け付ける場合には、制御装置80は、当該第2ダイヤル46の押圧操作に応じて、候補パラメータを確定させてもよい。また、操作装置40が第1ダイヤル45及び第2ダイヤル46以外の他の操作部材を備えている場合には、制御装置80は、当該操作部材の操作に応じて、候補パラメータを確定させてもよい。
【0313】
以上の構成によれば、作業者は、第1ダイヤル45と第2ダイヤル46とを使い分けることで、機能のパラメータを迅速に変更することができる。
【0314】
次に、第1ダイヤル45及び第2ダイヤル46の配置について説明する。
図6、
図8に示すように、第1ダイヤル45の回転軸L1の軸心方向は、第2ダイヤル46の回転軸L2の軸心方向と異なっている。また、第1ダイヤル45の回転軸L1の軸心方向は、第2ダイヤル46の回転軸L2の軸心方向に対して直交している。このため、作業者は、いずれのダイヤル44を操作すれば機能を選択操作できるのか、及びパラメータを操作できるのかを容易に区別することができる。これにより、作業車両1の機能のパラメータの迅速な操作を実現することができる。
【0315】
本実施形態においては、第1ダイヤル45の回転軸L1の軸心は、上下方向に伸びており、第2ダイヤル46の回転軸L2の軸心は、略車体幅方向に延びている。作業者は、第1ダイヤル45を上下方向の軸心回りに時計回り、又は反時計回りに回転操作することができる。また、作業者は、第2ダイヤル46を車体幅方向の軸心回りに、前方向又は後方向に回転操作することができる。
【0316】
また、第1ダイヤル45及び第2ダイヤル46は、前後方向に隣接して配置されている。このため、作業者は、第1ダイヤル45を操作した姿勢のまま、手首を動かすことで第2ダイヤル46を迅速に操作することができる。
【0317】
なお、第1ダイヤル45の回転軸L1の軸心方向及びその位置、並びに第2ダイヤル46の回転軸L2の軸心方向及びその位置は、上述した方向と位置に限定されない。例えば、第1ダイヤル45及び第2ダイヤル46は、車体幅方向に隣接して配置されていてもよい。
【0318】
また、制御装置80は、変更部80bを有していてもよい、変更部80bは、複数の機能のうち、第1ダイヤル45で選択操作することができる機能の選択肢(候補機能)を変更する。変更部80bは、制御装置80に設けられた電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成されている。更新部80a(制御装置80)は、表示装置90(本実施形態においては、第2表示装置90B)が第5変更画面M7で入力を受け付けた機能に基づいて、記憶装置81に記憶された候補機能を更新(上書き保存)する。
【0319】
表示装置90(本実施形態においては、第2表示装置90B)に所定の操作を行うと、第2表示装置90Bは、
図19に示すような第5変更画面M7を表示して、候補機能の選択入力を受け付ける。
図19は、第5変更画面M7の一例を示す図である。
図19に示すように、第5変更画面M7は、選択表示部170と、第3カテゴリ選択部173と、第3機能選択部175と、を表示する。選択表示部170は、候補機能として選択されている機能を、簡略化・省略化して表現したアイコン171aで表示する表示画像である。選択表示部170は、第5変更画面M7を表示する際に、まず選択機能表示部150に表示される候補機能と、候補機能表示部151に表示される候補機能と、でそれぞれ表示されており、
図19に示す例においては、アイコン171aを表示する略矩形状の画像(第6アイコン表示部171)を有している。第6アイコン表示部171の外形を示し、アイコン171aを囲む外枠(第4カテゴリ表示枠171b)は、第1カテゴリ表示枠112bと同様に、当該第6アイコン表示部171のアイコン171aに対応する機能が分類されるカテゴリに応じて異なる色彩で表示してもよい。
【0320】
なお、候補機能が選択入力されていない第6アイコン表示部171には、アイコン171aが表示されない。また、
図19に示す例において、第5変更画面M7は、選択表示部170が5つの第6アイコン表示部171を表示し、5つの候補機能の選択入力を受け付けることができるが、第5変更画面M7の追加ボタン172等を操作して、第6アイコン表示部171の数、即ち候補機能の数を適宜追加又は削除することができる。
【0321】
作業者は、任意の第6アイコン表示部171を選択操作(例えば第4ダイヤル48で操作)し、新たな候補機能に代えたい候補機能を選択する。
【0322】
第3カテゴリ選択部173は、作業車両1に関する複数の機能を分類するカテゴリ(第1~第9カテゴリ)の選択を受け付ける表示画像である。第3カテゴリ選択部173は、それぞれのカテゴリをアイコン174aで示す略矩形状の画像(カテゴリ表示部174)を複数表示する。
図19に示すように、本実施形態において、第3カテゴリ選択部173は、複数のカテゴリ表示部174を画面の左右方向に並べて表示する。作業者は、任意のカテゴリ表示部174を選択操作(例えば第4ダイヤル48で操作)することで、割り当てたい機能が分類されているカテゴリを選択する。これにより、第2表示装置90Bは、複数のカテゴリのうち、所定のカテゴリの選択操作を受け付ける。
【0323】
第3機能選択部175は、第3カテゴリ選択部173が選択操作を受け付けたカテゴリに分類されている複数の機能のうち、所定の機能の選択を受け付ける表示画像である。第3機能選択部175は、それぞれの機能をアイコン176aで示す略矩形状の画像(第7アイコン表示部176)を複数表示する。
図19に示すように、本実施形態において、第3機能選択部175は、複数の第7アイコン表示部176を画面の左右方向に並べて表示する。複数の第7アイコン表示部176は、第3機能、第6機能、第10機能、第12機能、第25~第28機能等をアイコン176aで表示する。
【0324】
作業者は、任意の第7アイコン表示部176を選択操作(例えば第4ダイヤル48で操作)することで、割り当てたい機能の第7アイコン表示部176を選択する。これにより、第2表示装置90Bは、複数の機能のうち、所定の機能を候補機能として選択操作を受け付ける。変更部80bは、選択操作された第6アイコン表示部171に対応する機能に代えて、選択操作された第7アイコン表示部176に対応する機能を候補機能として、記憶装置81に記憶された候補機能を更新(上書き保存)する。
【0325】
なお、
図19で示す第5変更画面M7は、例示に過ぎず、その画面や候補機能の割り当ての方法は、上述した例に限定されない。
【0326】
また、上述した実施形態においては、第1機能操作具45及び第2機能操作具46の両方が物理的なダイヤルスイッチである場合を例に説明したが、少なくとも第2機能操作具46がダイヤルスイッチであればよく、第1機能操作具45は、ダイヤルスイッチに限定されない。例えば、第1機能操作具45は、複数の機能の選択操作をする操作具であればよく、一又は複数のタクタイルスイッチ等で構成されていてもよいし、その他の操作具であってもよい。例えば、表示装置(表示画面)90がタッチパネルである場合、第1機能操作具45は、表示画面(表示装置)90に表示され、選択操作を受け付ける表示画像であってもよい。
【0327】
例えば、
図17に示す選択機能表示部150及び候補機能表示部151が第1機能操作具45を兼用する。選択機能表示部150(又はその近傍等)を左右方向のいずれか一方にスワイプ操作すると、第3変更画面M5は、当該スワイプ操作に応じて、選択機能表示部150に表示している機能に代えて、候補機能表示部151が表示している機能を選択機能表示部150に表示する。
【0328】
また、上述した実施形態においては、操作モードの切換を選択具51の操作で行う場合を例に説明したが、当該操作モードの切換は、選択具51による選択操作に限定されない。例えば、操作モードの切換は、選択具51の操作に代えて或いは加えて、操作レバー41を変形操作し、当該変形操作に基づいて操作モードを切り換えてもよい。これにより、単一の操作レバー41であっても、切換部55の形態を変更することで、作業車両1の様々な制御を行うことができる。このため、作業者は、作業車両1が走行する環境や、作業内容が変わる都度、操作レバー41を持ち替える必要がなく、誤ったスイッチやレバーを操作することを抑制できる。
【0329】
斯かる場合、
図20に示す変形例のように、操作レバー41は、切換部55を有している。
図20は、変形例における操作レバー41を運転席4から見た図である。
【0330】
図20に示すように、切換部55は、把持部41bと基端部41aとを連結する部材である。切換部55は、把持部41bの基端部41aに対する角度(例えば、
図20に示す基端部41aの延伸方向に伸びる基準線L3と、把持部41bの延伸方向に延びる基準線L4と、が形成する角度)を第1角度θ1にする第1形態55Aと、第1角度θ1と異なる第2角度θ2にする第2形態55Bと、に切り換える。第2角度θ2は、第1角度θ1よりも大きい角度である。また、切換部55が第1形態55Aである場合、把持部41bは、切換部55から基端部41aの延伸方向に沿って伸びている状態であり、操作レバー41は、略一直線状に延びている。一方、切換部55が第2形態55Bである場合、把持部41bは、切換部55から幅方向の内側又は外側に向かって伸びており、操作レバー41は、中途部で屈曲している。
【0331】
より詳しくは、
図20に示すように、切換部55は、第1ブラケット56と、第2ブラケット57と、回動軸58と、形態維持部59と、を有し、
図21に示すように、切換部55は、形態検出部60を有している。
【0332】
第1ブラケット56は、把持部41bの基端に設けられた部分である。第2ブラケット57は、基端部41aの先端に設けられた部分であり、回動軸58を介して第1ブラケット56を回動自在に支持する。回動軸58は、前後方向に延びている。第1ブラケット56及び第2ブラケット57には、回動軸58が挿通される挿通孔が形成されており、把持部41bが当該回動軸58周りに回動することで、把持部41bの基端部41aに対する角度を変更することができる。
【0333】
形態維持部59は、第1形態55A及び第2形態55Bの状態を維持する部材である。形態維持部59は、ロック部材59aを有しており、第2ブラケット57に取り付けられている。ロック部材59aは、ロックボールから構成されており、第1ブラケット56に形成されたロック凹部56aに係合することで、第1形態55Aの状態及び第2形態55Bの状態をそれぞれ維持させる。詳しくは、ロック凹部56aは、操作モードが第1形態55Aである場合に、第1ブラケット56においてロック部材59aが当接する箇所(第1凹部56a1)と、操作モードが第2形態55Bである場合に、第1ブラケット56においてロック部材59aが当接する箇所(第2凹部56a2)と、に形成されている。このため、作業者が操作レバー41を第1形態55Aに操作した場合、ロック部材59aが第1凹部56a1に係合される。また、作業者が把持部41bを回動軸58回りに回動させて、第1形態55Aから第2形態55Bに操作すると、ロック部材59aが第1凹部56a1から解除され、第2凹部56a2に係合される。これにより、形態維持部59は、第1形態55A及び第2形態55Bの状態をそれぞれ維持することができる。
【0334】
なお、形態維持部59は、第1形態55A及び第2形態55Bの状態をそれぞれ維持することができればよく、その構造は、上述した構造に限定されない。
【0335】
形態検出部60は、操作レバー41が第1形態55Aであるか第2形態55Bであるかを検出する検出センサである。形態検出部60は、例えばリミットスイッチから構成されており、基端部41aに対する把持部41bの位置を検出して、操作レバー41が第1形態55Aであるか第2形態55Bであるかを検出する。形態検出部60は、制御装置80と接続されており、検出信号を制御装置80に出力する。これにより、制御装置80は、操作レバー41が第1形態55Aである場合には、操作レバー41を第1モードに切り換え、操作レバー41が第2形態55Bである場合には、操作レバー41を第2モードに切り換える。これにより、操作レバー41は、切換部55が第1形態55Aである場合と、第2形態55Bである場合と、で操作指示を受け付ける作業車両1の機能を変更することができる。また、操作レバー41は、切換部55が第1形態55Aである場合と、第2形態55Bである場合と、で揺動操作によって操作指示を受け付ける作業車両1の機能を変更することができる。
【0336】
なお、操作レバー41を変形操作し、当該変形操作に基づいて操作モードを切り換える場合、操作レバー41は、少なくとも第1モード及び第2モードに切り換えることができればよい。また、第1モード及び第2モードに加えて、第3モード又は第4モード等の他のモードに切り換える場合、選択具51によって、第1モードと第4モードとを切り換え、第2モードと第3モードとを切り換えることができる。
【0337】
つまり、操作レバー41が第1形態55Aである場合には、操作レバー41を第1モード又は第4モードに切り換えることができ、選択具51の操作に基づいて第1モードと第4モードとの切り換えを行う。一方、操作レバー41が第2形態55Bである場合には、操作レバー41を第2モード又は第3モードに切り換えることができ、選択具51の操作に基づいて第2モードと第3モードとの切り換えを行う。
【0338】
また、当該変形例において、操作レバー41が第1モード及び第2モードのみに切り換える場合、第2モードの標準マップ及び拡張マップとして、上述した実施形態の第3モードの標準マップ及び拡張マップを適用してもよい。
【0339】
従って、操作レバー41は、切換部55が第1形態55Aである場合と、切換部55が第2形態55Bである場合と、で操作スイッチ42の操作によって操作指示を受け付ける作業車両1の機能を変更することができる。また、表示部43は、上述したように、操作モードに応じて表示形態を変更するため、切換部55が第1形態55Aである場合と、切換部55が第2形態55Bである場合と、で表示形態を変更する。より詳しくは、表示部43は、切換部55が第1形態55Aである場合と、切換部55が第2形態55Bである場合と、で色彩を変更する。
【0340】
上記作業車両1の操作装置40、作業車両1の支援装置100、及び作業車両1によれば、以下の効果を奏する。
【0341】
作業車両1の操作装置40は、作業車両1の種々の機能を操作するための操作レバー41と、操作レバー41の操作モードを選択操作するための選択具51と、を備え、操作レバー41は、選択具51によって選択操作された操作モードに応じて、操作指示を受け付ける作業車両1の機能を変更する。上記構成によれば、単一の操作レバー41であっても選択具51を操作して操作モードを切り換えることで、作業車両1の様々な機能を操作することができる。これにより、作業者は、作業車両1が走行する環境や、作業内容が変わる都度、操作レバー41を持ち替える必要がなく、誤ったスイッチやレバーを操作することを抑制できる。さらに、作業車両1の機能の種類に応じて操作レバー41を増やす必要がないため、操作装置40上の操作部材を減らすことができ、操作装置40全体の操作性を向上できるだけなく、操作レバー41が作業者の視界を妨げることを抑制できる。
【0342】
また、操作レバー41は、揺動操作自在に支持されており、選択具51によって選択操作された操作モードに応じて、揺動操作によって操作指示を受け付ける作業車両1の機能を変更する。上記構成によれば、選択具51によって操作モードを選択操作することで、操作レバー41の揺動操作で操作指示を受け付ける機能を任意に変更することができる。これによって、操作装置40上の操作部材の数を減らすことができるため、操作レバー41の設置スペースを十分に確保できるだけでなく、操作部材が他の操作部材と干渉することを抑制でき、操作装置40全体の操作性を向上できる。
【0343】
また、複数の操作モードは、作業車両1の機能のうち、少なくとも作業に関する作業機能を操作するための第1モードと、作業車両1の機能のうち、少なくとも走行に関する走行機能を操作するための第2モードを含んでおり、第1モードにおいて、操作レバー41は、揺動操作によって作業機能の操作指示を受け付け、第2モードにおいて、操作レバー41は、揺動操作によって走行機能の操作指示を受け付ける。上記構成によれば、作業者は、作業機能を操作する場合と、走行機能を操作する場合と、で操作レバー41を持ち替えることなく、操作レバー41を用いて連続して操作を行うことができる。
【0344】
また、操作レバー41は、一又は複数の操作スイッチ42を有し、選択具51の選択操作によって切り換えられた操作モードに応じて、操作スイッチ42の操作によって操作指示を受け付ける作業車両1の機能を変更する。上記構成によれば、選択具51を操作して操作モードを切り換えることで、操作レバー41のうち、複数の操作スイッチ42で操作指示を受け付ける機能を任意に変更することができる。このため、操作レバー41に、作業車両1の機能の数に対応する数の操作スイッチ42を設ける必要がなく、当該操作レバー41の操作性をより向上させることができる。
【0345】
また、複数の操作モードは、走行機能及び作業機能の操作をするための第3モードを含んでおり、操作レバー41は、第3モードにおいて、揺動操作によって走行機能の操作指示を受け付け、第3モードにおいて、操作スイッチ42の操作によって操作指示を受け付ける作業車両1の機能は、第2モードにおいて操作スイッチ42の操作によって操作指示を受け付ける作業車両1の機能と異なっている。上記構成によれば、第2モードと第3モードとの切り換えにおいては、切り換えの前後で継続して、操作レバー41の揺動操作による走行に関する制御を行うことができる一方で、第2モードと第3モードとの切り換えを行うことで、同一の操作スイッチ42で異なる動作を操作することができる。このため、例えば、圃場内と圃場外を出入りする場合等、走行を継続しつつも、第2モードと第2モードとの切り換えによって、操作スイッチ42の操作に対応する作業及び又は走行に関する動作の内容を変更できるため、操作レバー41の汎用性を高めることができる。
【0346】
また、複数の操作モードは、第4モードを含んでおり、第4モードにおいて、操作レバー41は、揺動操作によって作業車両1の機能の操作指示を受け付けず、操作スイッチ42の操作によって作業車両1の機能の操作指示を受け付ける。上記構成によれば、作業者が運転席4から離席したり、着席したりする場合等に、不意に操作レバー41に接触し、当該操作レバー41が揺動操作されても、意図せず作業車両1が走行及び/又は作業を行うことを抑制できる。
【0347】
また、作業車両1の操作装置40は、選択具51の操作によって選択操作された操作モードに応じて、表示形態を変更する表示部43を備えている。上記構成によれば、作業者は、選択具51の操作によって切り換えられた現在の操作モードを簡単に把握することができる。
【0348】
また、表示部43は、操作レバー41に設けられている。上記構成によれば、作業者は、操作レバー41を操作する際に、簡単に表示部43を確認することができる。
【0349】
また、表示部43は、選択具51の操作によって選択操作された操作モードに応じて、色彩を変更するランプである。上記構成によれば、作業者は、選択具51の操作によって切り換えられた現在の操作モードを一目で把握することができる。
【0350】
また、選択具51は、物理的なスイッチである。上記構成によれば、作業者は、当該選択具51を目視しなくとも、その位置を把握して確実に操作することができる。
【0351】
また、選択具51は、表示画面(表示装置)90に表示され、且つ操作を受け付ける表示画像である。上記構成によれば、選択具51を新たに設けなくとも、既存に表示装置90に表示することで、上述した操作装置40により奏される優れた効果を得ることができる。
【0352】
また、作業車両1は、車体2と、車体2に設けられた運転席4と、運転席4の周囲に設けられた操作装置40と、を備えている。上記構成によれば、上述した操作装置40により奏される優れた効果を得ることができる作業車両1を実現することができる。
【0353】
また、作業車両1の操作装置40は、作業車両1の種々の機能を操作するための操作レバー41と、操作可能な切換具53と、を備え、操作レバー41は、一又は複数の操作スイッチ42を有し、且つ操作スイッチ42の操作によって機能のうち、所定の標準機能の操作指示を受け付け、切換具53が操作されると、標準機能に代えて、操作スイッチ42の操作によって当該標準機能と異なる作業車両1の拡張機能の操作指示を受け付ける。上記構成によれば、切換具53の操作に応じて、ひとつの操作スイッチ42が複数の機能の操作指示を受け付けることができる。このため、操作レバー41に、作業車両1の機能の数に対応する数の操作スイッチ42を設ける必要がなく、操作スイッチ42の操作が煩雑になることを抑制でき、当該操作レバー41の操作性をより向上させることができる。
【0354】
また、操作レバー41は、切換具53が操作されていない期間において、操作スイッチ42の操作によって標準機能の操作指示を受け付け、切換具53が操作されている期間において、操作スイッチ42の操作によって拡張機能の操作指示を受け付ける。上記構成によれば、操作スイッチ42は、切換具53が操作されている期間のみにおいて、拡張機能の操作指示を受け付けるため、作業者が誤って拡張機能の操作を行うことを抑制できる。
【0355】
また、操作スイッチ42は、操作面42aに設けられた点灯部42bを有し、点灯部42bは、切換具53が操作されていない場合と、切換具53が操作されている場合と、で表示形態を異ならせる。上記構成によれば、作業者は、点灯部42bを確認することで、現在操作スイッチ42が受け付ける操作指示の機能が標準機能であるか、拡張機能であるかを容易に把握することができる。これにより、作業者が切換具53の操作を誤った場合等に、意図せず標準機能又は拡張機能の操作を行うことを抑制できる。
【0356】
また、点灯部42bは、操作面42aの一方に設けられ、標準機能を指し示す第1点灯部42b1と、操作面42aの他方に設けられ、拡張機能を指し示す第2点灯部42b2と、を含み、切換具53が操作されていない場合、第1点灯部42b1が点灯し、第2点灯部42b2が消灯し、切換具53が操作されている場合、第1点灯部42b1が消灯し、第2点灯部42b2が点灯する。上記構成によれば、作業者は、現在操作スイッチ42が受け付ける操作指示が標準機能の操作指示であるか、拡張機能の操作指示であるかをより容易に把握することができる。
【0357】
また、第1点灯部42b1及び第2点灯部42b2は、操作面42aの内周に沿った形状に形成され、それぞれ操作面42aの内周の輪郭の一部又は全部を形成している。上記構成によれば、作業者は、第1点灯部42b1及び第2点灯部42b2の表示を確認することで、現在操作スイッチ42が受け付ける操作指示の機能が標準機能であるか、拡張機能であるかをより容易に把握できるだけでなく、第1点灯部42b1及び第2点灯部42b2によって、操作スイッチ42の位置をより簡単且つ確実に認識することができる。
【0358】
また、作業車両1の操作装置40は、切換具53が操作されている場合、切換具53の当該操作を表示する表示部43を備えている。上記構成によれば、作業者は、現在操作スイッチ42が受け付ける操作指示の機能が標準機能であるか、拡張機能であるかを容易に把握することができる。これにより、作業者が切換具53の操作を誤った場合等に、意図せず標準機能又は拡張機能の操作を行うことを抑制できる。
【0359】
また、表示部43は、点滅表示することで切換具53の操作を表示するランプである。上記構成によれば、作業者は、現在操作スイッチ42が受け付ける操作指示の機能が標準機能であるか、拡張機能であるかをより容易に把握することができる。
【0360】
また、操作レバー41は、作業車両1の運転席4の周囲に揺動自在に支持されている基端部41aと、基端部41aの先端部に設けられた把持部41bと、を備え、複数の操作スイッチ42は、把持部41bのうち、運転席4を向いた面に配置され、切換具53は、把持部41bのうち、操作スイッチ42とは異なる面に配置されている。上記構成によれば、作業者は、操作スイッチ42と間違って、切換具53を操作することを抑制できる。これにより、作業者が意図せず第2操作を行うことを抑制できる。
【0361】
また、切換具53は、複数の操作スイッチ42が配置された面の上側の面又は裏面に配置されている。上記構成によれば、作業者は、操作スイッチ42と間違って、切換具53を操作することを確実に抑制できる。
【0362】
また、作業車両1は、車体2と、車体2に設けられた運転席4と、運転席4の周囲に設けられた操作装置40と、を備えている。上記構成によれば、上述した操作装置40により奏される優れた効果を得ることができる作業車両1を実現することができる。
【0363】
また、作業車両1は、切換具53が操作されている場合、操作スイッチ42の操作と、当該操作スイッチ42の操作によって操作指示を受け付ける拡張機能の内容と、の対応関係をそれぞれ表示する表示装置90を備えている。上記構成によれば、作業者は、拡張機能の内容を簡単に把握することができ、さらに現在操作スイッチ42が受け付ける操作指示の機能が標準機能であるか、拡張機能であるかを容易に把握することができる。
【0364】
また、作業車両1の支援装置100は、作業車両1に関する複数の機能の制御を行う制御装置80と、複数の機能の選択操作をするための第1機能操作具45と、第1機能操作具45で選択操作された機能の制御パラメータを変更操作するための第2機能操作具46と、を備え、第2機能操作具46は、回転操作によって制御パラメータを変更するダイヤルスイッチである。上記構成によれば、作業者は、第1機能操作具45と第2機能操作具46とを使い分けることで、機能のパラメータを迅速に変更することができる。また、第2機能操作具46がダイヤルスイッチであるため、作業者は、作業車両1が走行している最中等であっても当該第2機能操作具46を目視することなく簡単に操作することができる。
【0365】
また、制御装置80は、複数の機能のうち、第1機能操作具45で選択操作することができる機能の選択肢を変更する変更部80bを有している。上記構成によれば、作業者は、第1機能操作具45で選択操作する機能の選択肢を任意に変更することができる。このため、作業者は、第1機能操作具45によって、速やかに機能を選択操作することができる。
【0366】
また、作業車両1の支援装置100は、複数の機能のうち、第1機能操作具45で選択操作することができる機能を表示する表示装置90を備え、表示装置90は、第1機能操作具45で選択操作された一の機能と、他の機能との表示形態を異ならせて表示する。上記構成によれば、作業者は、第1機能操作具45で選択操作している機能と、その他の選択可能な機能と、を簡単に把握することができる。
【0367】
また、作業車両1の支援装置100は、第2機能操作具46で変更操作した制御パラメータを表示する表示装置90を備えている。上記構成によれば、作業者は、表示装置90が表示する制御パラメータを確認することで、変更後の制限パラメータを簡単に把握できる。
【0368】
また、第1機能操作具45は、回転操作によって機能を選択するダイヤルスイッチである。上記構成によれば、作業者は、作業車両1が走行している最中等であっても当該第1機能操作具45を目視することなく簡単に操作することができる。
【0369】
また、第1機能操作具45の回転軸L1の軸心方向は、第2機能操作具46の回転軸L2の軸心方向と異なっている。上記構成によれば、作業者は、いずれの操作具45,46を操作すれば機能を選択操作できるのか、及びパラメータを操作できるのかを容易に区別することができる。これにより、作業車両1の機能のパラメータの迅速な操作を実現することができる。
【0370】
また、第1機能操作具45の回転軸L1の軸心方向は、第2機能操作具46の回転軸L2の軸心方向に対して直交している。上記構成によれば、作業者は、いずれの操作具45,46を操作すれば機能を選択操作できるのか、及びパラメータを操作できるのかをより確実に区別することができる。
【0371】
また、第1機能操作具45は、表示画面90に表示され、選択操作を受け付ける表示画像である。上記構成によれば、作業者は直感的に機能の選択肢を選択操作することができる。
【0372】
また、作業車両1は、車体2と、車体2に設けられた運転席4と、支援装置100と、を備えている。上記構成によれば、上述した支援装置100により奏される優れた効果を得ることができる作業車両1を実現することができる。
【0373】
また、作業車両1の支援装置100は、作業車両1に関する複数の機能の制御を行う制御装置80と、複数の機能のうち、所定の機能の操作をするための操作具49と、を備え、制御装置80は、操作具49に割り当てられた機能を異なる機能に更新する更新部80aを有し、操作具49は、更新部80aが更新した機能が属するカテゴリに応じて表示形態を変更する第1表示ランプ49b1を有している。上記構成によれば、作業者は、更新部80aによって更新された機能の分類(カテゴリ)を簡単に把握することができる。これにより、操作具49が操作指示を受け付ける機能を更新した場合であっても、誤操作を抑制することができる。
【0374】
また、第1表示ランプ49b1は、更新部80aが更新した機能が属するカテゴリに応じて、異なる色彩に点灯する。上記構成によれば、作業者は、更新部80aによって更新された機能のカテゴリを一目で把握することができる。
【0375】
また、操作具49には、複数の機能のうち、予め所定の初期機能が割り当てられており、更新部80aは、操作具49に割り当てられた機能を、複数の機能のうち初期機能と異なる更新機能に更新し、第1表示ランプ49b1は、更新部80aが更新した更新機能が属するカテゴリに応じて、表示形態を変更する。上記構成によれば、作業者は、第1表示ランプ49b1の表示を確認することで、操作具49が操作指示を受け付ける機能が更新部80aによって更新されているか否かを容易に把握することができる。
【0376】
また、操作具49には、初期機能を示すアイコンが設けられている。上記構成によれば、作業者は、第1表示ランプ49b1の表示及びアイコンを確認することで、操作具49が初期機能の操作を受け付ける場合、その機能の内容を容易に把握することができる。
【0377】
また、操作具49は、第1表示ランプ49b1とは別に第2表示ランプ49b2を有し、第2表示ランプ49b2は、操作具49に割り当てられた機能が有効である場合と無効である場合とで表示形態を変更する。上記構成によれば、作業者は、第2表示ランプ49b2を確認することで、機能の有効及び無効を簡単に把握できる
また、第1表示ランプ49b1及び第2表示ランプ49b2は、アイコンを取り囲む位置に配置されている。上記構成によれば、第1表示ランプ49b1及び第2表示ランプ49b2によって、操作具49の位置を容易に認識することができる。
【0378】
また、操作具49は、第1表示ランプ49b1及び第2表示ランプ49b2とは別に、点灯する第3ランプを有し、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3は、操作具49の操作面49aの内周に沿った形状に形成され、それぞれ操作面49aの内周の輪郭の一部又は全部を形成している。上記構成によれば、作業者は、第2表示ランプ49b2を確認することで、機能の有効及び無効を簡単に把握できるだけでなく、第1表示ランプ49b1、第2表示ランプ49b2、及び第3表示ランプ49b3によって、操作具49の位置をより簡単且つ確実に認識することができる。
【0379】
また、作業車両1は、車体2と、車体2に設けられた運転席4と、支援装置100と、を備え、操作具49は、運転席4の周辺に設けられている。上記構成によれば、上述した支援装置100により奏される優れた効果を得ることができる作業車両1を実現することができる。
【0380】
また、作業車両1の操作装置40は、作業車両1の種々の機能を操作するための操作レバー41を備え、操作レバー41は、作業車両1の運転席4の周囲に揺動自在に支持されている基端部41aと、基端部41aの先端部に設けられた把持部41bと、把持部41bと基端部41aとを連結し、且つ把持部41bの基端部41aに対する角度を第1角度θ1にする第1形態55Aと、第1角度θ1と異なる第2角度θ2にする第2形態55Bと、に切り換える切換部55を有し、切換部55が第1形態55Aである場合と、第2形態55Bである場合と、で操作指示を受け付ける作業車両1の機能を変更する。上記構成によれば、単一の操作レバー41であっても、切換部55の形態を変更することで、作業車両1の様々な制御を行うことができる。これにより、作業者は、作業車両1が走行する環境や、作業内容が変わる都度、操作レバー41を持ち替える必要がなく、誤ったレバーやスイッチを操作することを抑制できる。さらに、作業車両1の機能の種類に応じて操作レバー41を増やす必要がないため、操作装置40上の操作部材を減らすことができ、操作装置40全体の操作性を向上できるだけなく、操作レバー41が作業者の視界を妨げることを抑制できる。
【0381】
また、操作レバー41は、揺動操作自在に支持されており、切換部55が第1形態55Aである場合と、第2形態55Bである場合と、で揺動操作によって操作指示を受け付ける作業車両1の機能を変更する。上記構成によれば、操作レバー41の形態を変更することで、操作レバー41の揺動操作で操作指示を受け付ける機能を任意に変更することができる。このため、揺動操作が可能な操作レバー41は、比較的広い操作範囲を要するが、操作装置40上の操作部材の数を減らすことができ、操作部材が他の操作部材と干渉することを抑制でき、操作装置40全体の操作性を向上できる。
【0382】
また、操作レバー41は、切換部55が第1形態55Aである場合、作業車両1の機能のうち、少なくとも作業に関する作業機能を操作するための第1モードに切り換えられ、切換部55が第2形態55Bである場合、作業車両1の機能のうち、少なくとも走行に関する走行機能を操作するための第2モードに切り換えられ、第1モードにおいて、操作レバー41は、揺動操作によって作業機能の操作指示を受け付け、第2モードにおいて、操作レバー41は、揺動操作によって走行機能の操作指示を受け付ける。上記構成によれば、作業者は、作業機能を操作する場合と、走行機能を操作する場合と、で操作レバー41を持ち替えることなく、操作レバー41を用いて連続して操作を行うことができる。
【0383】
また、第2角度θ2は、第1角度θ1よりも大きく、切換部55が第1形態55Aである場合、把持部41bは、切換部55から基端部41aの延伸方向に沿って伸びており、切換部55が第2形態55Bである場合、把持部41bは、切換部55から幅方向の内側又は外側に向かって伸びている。上記構成によれば、作業者は、走行機能の操作を行う場合には、安定して把持部41bを把持することができ、作業機能の操作を行う場合には、手首を使った精密な動作を行うことができる。
【0384】
また、操作レバー41は、一又は複数の操作スイッチ42を有し、切換部55が第1形態55Aである場合と、切換部55が第2形態55Bである場合と、で操作スイッチ42の操作によって操作指示を受け付ける作業車両1の機能を変更する。上記構成によれば、操作レバー41の形態を変更することで、操作レバー41のうち、複数の操作スイッチ42で操作指示を受け付ける機能を任意に変更することができる。このため、操作レバー41に、作業車両1の機能の数に対応する数の操作スイッチ42を設ける必要がなく、当該操作レバー41の操作性をより向上させることができる。
【0385】
また、操作レバー41には、切換部55が第1形態55Aである場合と、切換部55が第2形態55Bである場合と、で表示形態を変更する表示部43が設けられている。上記構成によれば、作業者は、切換部55の形態に加えて表示部43によって操作レバー41の状態を簡単に把握することができる。
【0386】
表示部43は、切換部55が第1形態55Aである場合と、切換部55が第2形態55Bである場合と、で色彩を変更するランプである。上記構成によれば、作業者は、切換部55の形態に加えて表示部43によって操作レバー41の状態を一目で把握することができる。
【0387】
また、作業車両1は、車体2と、車体2に設けられた運転席4と、運転席4の周囲に設けられた操作装置40と、を備えている。上記構成によれば、上述した操作装置40により奏される優れた効果を得ることができる作業車両1を実現することができる。
【0388】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0389】
1 作業車両(トラクタ)
2 車体
4 運転席
40 操作装置
41 操作レバー
42 操作スイッチ
43 表示部
51 選択具