(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094123
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】電動作業車
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20240702BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210894
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 大輔
(72)【発明者】
【氏名】今和泉 誠
【テーマコード(参考)】
3D235
【Fターム(参考)】
3D235AA14
3D235BB20
3D235CC12
3D235CC13
3D235CC15
3D235DD11
3D235DD17
3D235DD33
3D235FF02
3D235HH02
3D235HH41
(57)【要約】
【課題】支持部材にモータが取り付けられる際に、取り付け作業をスムーズに行うことができ、且つ、モータの位置決めが可能であり、且つ、モータの表面に傷ができてしまうことを回避しやすい電動作業車を提供する。
【解決手段】モータ40の前部とインバータとを接続するハーネスを備え、モータ40及び支持部材50のうちの一方に設けられた第1ガイド部71と、モータ40及び支持部材50のうちの他方に設けられた第2ガイド部72と、を有すると共に、第1ガイド部71と第2ガイド部72との互いの接当によって、前後方向視においてモータ40を支持部材50に対して位置決めする位置決め機構7を備え、位置決め機構7は、支持部材50にモータ40が取り付けられる際に、突出部45が支持前面51よりも前側に位置している状態で第1ガイド部71と第2ガイド部72とが互いに接当可能に構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
支持部材に支持されると共に前記バッテリから供給される電力により駆動するモータと、
前記バッテリからの直流電力を交流電力に変換して前記モータへ供給するインバータと、
前記モータの前部と前記インバータとを接続するハーネスと、を備え、
前記インバータから前記ハーネスを介して前記モータへ電力が供給され、
前記モータは、前記モータの出力軸が前記支持部材を貫通して後方へ延びる状態で、前記支持部材に支持されており、
前記支持部材の前面である支持前面に、後方へ凹入する凹部が形成されており、
前記モータは、前記支持前面に接当する接当面と、前記接当面よりも後方へ突出すると共に前記凹部に嵌合する突出部と、を有しており、
前記突出部は第1材料から成り、
前記支持部材は前記第1材料よりも高い硬度を有する第2材料から成り、
前記モータ及び前記支持部材のうちの一方に設けられた第1ガイド部と、前記モータ及び前記支持部材のうちの他方に設けられた第2ガイド部と、を有すると共に、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部との互いの接当によって、前後方向視において前記モータを前記支持部材に対して位置決めする位置決め機構を備え、
前記位置決め機構は、前記支持部材に前記モータが取り付けられる際に、前記突出部が前記支持前面よりも前側に位置している状態で前記第1ガイド部と前記第2ガイド部とが互いに接当可能に構成されている電動作業車。
【請求項2】
前記第1ガイド部は前後方向に延びるピンであり、
前記第2ガイド部は前記ピンに嵌合する穴部であり、
前記位置決め機構は、複数の位置決め部を有しており、
各前記位置決め部は、それぞれ、互いに対応する一つの前記第1ガイド部及び一つの前記第2ガイド部を含んでいる請求項1に記載の電動作業車。
【請求項3】
前記位置決め機構は、三つ以上の前記位置決め部を有している請求項2に記載の電動作業車。
【請求項4】
前記位置決め機構は、三つの前記位置決め部を有しており、
前後方向視において、前記三つの位置決め部の各位置を頂点とする三角形が正三角形でないように、前記三つの位置決め部が配置されている請求項2または3に記載の電動作業車。
【請求項5】
前記複数の位置決め部は、前記出力軸の軸芯に対して上下に振り分け配置されている請求項2または3に記載の電動作業車。
【請求項6】
前記複数の位置決め部のうち、前記軸芯よりも上側に配置された前記位置決め部の個数は、前記軸芯よりも下側に配置された前記位置決め部の個数よりも多い請求項5に記載の電動作業車。
【請求項7】
前記ピンは、前記支持前面及び前記接当面のうちの一方であるピン取付面に取り付けられていると共に、前記ピン取付面から前方または後方へ突出しており、
前記ピン取付面から前記ピンの突出端までの長さは、前記突出部の突出長さよりも長い請求項2または3に記載の電動作業車。
【請求項8】
前記ピンにおける突出端部に、先細り部が形成されており、
前記ピン取付面から前記先細り部の基端までの長さは、前記突出部の突出長さよりも長い請求項7に記載の電動作業車。
【請求項9】
前記ピンは、前記モータに取り付けられており、
前記穴部は、前記支持部材に設けられている請求項2または3に記載の電動作業車。
【請求項10】
前記モータは、締結具によって前記支持部材に締結されており、
前記出力軸の径方向において、前記位置決め部は、前記締結具よりも内周側に位置している請求項2または3に記載の電動作業車。
【請求項11】
前記モータは、前記支持部材に片持ち状に支持されている請求項1から3の何れか一項に記載の電動作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリとモータとを備える電動作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような電動作業車として、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この電動作業車(特許文献1では「トラクタ」)におけるモータは、バッテリ(特許文献1では「走行用バッテリ」)から供給される電力により駆動する。
【0003】
この電動作業車は、バッテリからの直流電力を交流電力に変換してモータへ供給するインバータを備えている。
【0004】
このモータは、前部支持フレーム及び支持部材(特許文献1では「後部支持フレーム」)によって支持されている。より具体的には、前部支持フレームは、モータの前部を下方から支持している。また、支持部材は、モータの後端部に接していると共に、モータの後部を支持している。
【0005】
また、このモータの出力軸は、支持部材を貫通して後方へ延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の電動作業車において、前部支持フレームを備えない構成とすることが考えられる。この場合、モータは、支持部材に片持ち状に支持されることとなる。そのような構成において、支持部材の前面に、後方へ凹入する凹部が形成されており、且つ、モータの後端部に、当該凹部に嵌合する突出部が形成されていれば、モータを支持部材に取り付ける際、当該凹部と当該突出部との嵌合により、前後方向視における支持部材に対するモータの位置決めを行うことができる。
【0008】
しかしながら、このような凹部と突出部とを備える構成において、支持部材が比較的高い硬度を有する材料(例えば鉄)から成る場合、凹部と突出部とを嵌合させる際に、突出部が凹部やその周辺に接当することにより、突出部の表面に傷ができてしまう事態が想定される。
【0009】
また、特許文献1に記載の電動作業車において、モータとインバータとを接続するハーネスを設ける場合、モータにおけるハーネスの接続部や、ハーネス自体が、支持部材へのモータの取り付け作業の妨げになる事態が想定される。その結果、支持部材へのモータの取り付け作業をスムーズに行うことができない事態が想定される。
【0010】
本発明の目的は、支持部材にモータが取り付けられる際に、取り付け作業をスムーズに行うことができ、且つ、モータの位置決めが可能であり、且つ、モータの表面に傷ができてしまうことを回避しやすい電動作業車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の特徴は、バッテリと、支持部材に支持されると共に前記バッテリから供給される電力により駆動するモータと、前記バッテリからの直流電力を交流電力に変換して前記モータへ供給するインバータと、前記モータの前部と前記インバータとを接続するハーネスと、を備え、前記インバータから前記ハーネスを介して前記モータへ電力が供給され、前記モータは、前記モータの出力軸が前記支持部材を貫通して後方へ延びる状態で、前記支持部材に支持されており、前記支持部材の前面である支持前面に、後方へ凹入する凹部が形成されており、前記モータは、前記支持前面に接当する接当面と、前記接当面よりも後方へ突出すると共に前記凹部に嵌合する突出部と、を有しており、前記突出部は第1材料から成り、前記支持部材は前記第1材料よりも高い硬度を有する第2材料から成り、前記モータ及び前記支持部材のうちの一方に設けられた第1ガイド部と、前記モータ及び前記支持部材のうちの他方に設けられた第2ガイド部と、を有すると共に、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部との互いの接当によって、前後方向視において前記モータを前記支持部材に対して位置決めする位置決め機構を備え、前記位置決め機構は、前記支持部材に前記モータが取り付けられる際に、前記突出部が前記支持前面よりも前側に位置している状態で前記第1ガイド部と前記第2ガイド部とが互いに接当可能に構成されていることにある。
【0012】
本構成によれば、支持部材にモータが取り付けられる際、突出部が凹部に嵌合する前に、第1ガイド部と第2ガイド部とが互いに接当する。これにより、モータの位置決めが可能である。さらに、第1ガイド部と第2ガイド部とを互いに接当させたままでモータを後方へ移動させることにより、前後方向視において支持部材に対してモータが位置決めされた状態で、突出部を凹部に嵌合させることができる。これにより、前後方向視において支持部材に対してモータが位置決めされていない状態(前後方向視において支持部材に対してモータを自由に動かせる状態)で突出部を凹部に嵌合させる場合に比べて、突出部の表面に傷ができにくい。
【0013】
しかも、本構成によれば、モータは支持部材に対して前方から取り付けられると共に、モータとインバータとを接続するハーネスは、モータの前部に接続される。そのため、ハーネスがモータの後部に接続される場合に比べて、モータにおけるハーネスの接続部や、ハーネス自体が、支持部材へのモータの取り付け作業の妨げになりにくい。
【0014】
即ち、本構成によれば、支持部材にモータが取り付けられる際に、取り付け作業をスムーズに行うことができ、且つ、モータの位置決めが可能であり、且つ、モータの表面に傷ができてしまうことを回避しやすい電動作業車を実現できる。
【0015】
さらに、本発明において、前記第1ガイド部は前後方向に延びるピンであり、前記第2ガイド部は前記ピンに嵌合する穴部であり、前記位置決め機構は、複数の位置決め部を有しており、各前記位置決め部は、それぞれ、互いに対応する一つの前記第1ガイド部及び一つの前記第2ガイド部を含んでいると好適である。
【0016】
本構成によれば、前後方向視においてモータを支持部材に対して位置決めする位置決め機構を、比較的簡素な構成により実現できる。しかも、複数組のピン及び穴部が互いに嵌合することにより、モータの取り付け作業中に、前後方向視においてモータが支持部材に対して回転してしまうことを防止できる。そのため、位置決め機構の有するピン及び穴部が一組のみである場合に比べて、支持部材に対してモータを取り付ける作業が容易になりやすい。
【0017】
さらに、本発明において、前記位置決め機構は、三つ以上の前記位置決め部を有していると好適である。
【0018】
位置決め機構の有する位置決め部が二つのみである場合、例えば、モータの出力軸の軸芯の左方と右方とに位置決め部を一つずつ配置することが考えられる。この場合、前後方向視において、二つの位置決め部を結ぶ直線上に出力軸の軸芯が位置しており、且つ、出力軸の軸芯から各位置決め部までの距離が等しい場合、支持部材にモータを取り付ける作業者が誤ってモータを上下反転させた姿勢で取り付けてしまう事態が想定される。
【0019】
ここで、本構成によれば、位置決め機構の有する位置決め部が二つのみである場合に比べて、支持部材にモータを取り付ける作業者がピンと穴部との配置を見たときに、ピンと穴部との対応関係を正確に把握しやすい。そのため、支持部材にモータを取り付ける作業者が誤ってモータを上下反転させた姿勢で取り付けようとしてしまう事態が起こりにくい。
【0020】
さらに、本発明において、前記位置決め機構は、三つの前記位置決め部を有しており、前後方向視において、前記三つの位置決め部の各位置を頂点とする三角形が正三角形でないように、前記三つの位置決め部が配置されていると好適である。
【0021】
位置決め機構の有する位置決め部が三つのみである場合、例えば、三つの位置決め部の各位置を頂点とする三角形が正三角形となるように、各位置決め部を配置することが考えられる。この構成において、前後方向視で、出力軸の軸芯から各位置決め部までの距離が等しい場合、支持部材にモータを取り付ける作業者がモータを正しい姿勢から左または右に120度回転させた姿勢で取り付けてしまう事態が想定される。
【0022】
ここで、本構成によれば、三つの位置決め部の各位置を頂点とする三角形が正三角形でないように、三つの位置決め部が配置されている。これにより、前後方向視においてモータが正しい姿勢である場合にのみ、全てのピンを穴部に嵌合させることが可能となる。そのため、支持部材にモータを取り付ける作業者が上述のようにモータを正しい姿勢から左または右に120度回転させた姿勢で取り付けてしまう事態を防止できる。
【0023】
さらに、本発明において、前記複数の位置決め部は、前記出力軸の軸芯に対して上下に振り分け配置されていると好適である。
【0024】
複数の位置決め部が出力軸の軸芯に対して上側または下側に集中的に配置されている場合、各ピンが対応する穴部に嵌合した状態において、モータの重さ等により、モータからピンに比較的大きな応力が加わりがちである。そのため、この応力によってピンが破損することを防ぐため、ピンを、強度の比較的高い素材から形成する等の必要が生じる。これにより、製造コストが増大しがちである。
【0025】
ここで、本構成によれば、複数の位置決め部が出力軸の軸芯に対して上側または下側に集中的に配置されている場合に比べて、モータからピンに比較的大きな応力が加わりにくい。従って、ピンが破損することを防ぐために製造コストが増大してしまうことを回避できる。
【0026】
さらに、本発明において、前記複数の位置決め部のうち、前記軸芯よりも上側に配置された前記位置決め部の個数は、前記軸芯よりも下側に配置された前記位置決め部の個数よりも多いと好適である。
【0027】
各ピンが対応する穴部に嵌合した状態において、モータの重さ等により、各ピンにモータから応力が加わる。ここで、位置決め機構に含まれる複数のピンのうち、軸芯よりも上側に配置された各ピンにモータから加わる応力の合計は、軸芯よりも下側に配置された各ピンにモータから加わる応力の合計よりも大きくなりがちである。そのため、軸芯よりも上側に配置されたピンの個数が比較的少ない場合、軸芯よりも上側に配置された各ピンに比較的大きな応力が加わりがちである。そのため、この応力によってピンが破損することを防ぐため、ピンを、強度の比較的高い素材から形成する等の必要が生じる。これにより、製造コストが増大しがちである。
【0028】
ここで、本構成によれば、軸芯よりも上側に配置されたピンの個数が比較的多くなる。そのため、軸芯よりも上側に配置された各ピンに比較的大きな応力が加わりにくい。従って、ピンが破損することを防ぐために製造コストが増大してしまうことを回避できる。
【0029】
さらに、本発明において、前記ピンは、前記支持前面及び前記接当面のうちの一方であるピン取付面に取り付けられていると共に、前記ピン取付面から前方または後方へ突出しており、前記ピン取付面から前記ピンの突出端までの長さは、前記突出部の突出長さよりも長いと好適である。
【0030】
本構成によれば、支持部材にモータが取り付けられる際に、突出部が支持前面よりも前側に位置している状態でピンと穴部とが互いに接当可能な構成を確実に実現しやすい。即ち、本構成によれば、支持部材にモータが取り付けられる際に、モータの位置決めが可能であり、且つ、モータの表面に傷ができてしまうことを回避しやすい電動作業車を確実に実現しやすい。
【0031】
さらに、本発明において、前記ピンにおける突出端部に、先細り部が形成されており、前記ピン取付面から前記先細り部の基端までの長さは、前記突出部の突出長さよりも長いと好適である。
【0032】
本構成によれば、ピンにおける突出端部に先細り部が形成されているため、支持部材にモータが取り付けられる際、作業者が、穴部にピンを挿入しやすい。
【0033】
また、先細り部の先端が穴部に入り始めてから、先細り部の基端が穴部に入るまでの間は、先細り部が穴部に深く入るほど、前後方向視におけるモータの位置決め精度が高まっていく。そして、本構成によれば、突出部が支持前面よりも前側に位置している状態で、先細り部の先端から基端までの全体を穴部に入れることができる。これにより、支持部材にモータが取り付けられる際、突出部が凹部に嵌合する前に、精度の良い位置決めが実現される。
【0034】
さらに、本発明において、前記ピンは、前記モータに取り付けられており、前記穴部は、前記支持部材に設けられていると好適である。
【0035】
ピンが支持部材に取り付けられており、穴部がモータに設けられている場合、ピンと穴部とを嵌合させる際に、ピンが穴部やその周辺に接当することにより、モータにおける穴部の周辺に傷ができてしまう事態が想定される。
【0036】
ここで、本構成によれば、ピンはモータに取り付けられており、穴部は支持部材に設けられている。そのため、上述のようにモータに傷ができてしまう事態を回避できる。
【0037】
さらに、本発明において、前記モータは、締結具によって前記支持部材に締結されており、前記出力軸の径方向において、前記位置決め部は、前記締結具よりも内周側に位置していると好適である。
【0038】
位置決め部が締結具よりも外周側に位置している場合、モータ及び支持部材のうち、穴部が設けられる方の前後方向視における外周に近い位置に穴部が形成されがちである。その結果、穴部の周辺の強度が低くなってしまう事態が想定される。そのため、穴部の周辺を補強する等の工夫が必要になりがちである。これにより、製造コストが増大しがちである。
【0039】
ここで、本構成によれば、穴部は、締結具よりも内周側に形成されることとなる。そのため、上述のように穴部の周辺の強度が低くなってしまう事態を回避しやすい。従って、穴部の周辺を補強する等の工夫が必要になりにくい。これにより、製造コストが増大してしまうことを回避しやすい。
【0040】
さらに、本発明において、前記モータは、前記支持部材に片持ち状に支持されていると好適である。
【0041】
本構成によれば、モータの支持構造が片持ち状でない場合(例えば両持ち状である場合)に比べて、モータの支持構造がシンプルになりやすい。これにより、製造コストの増大を抑制しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図2】モータ等の構成を示す一部破断平面図である。
【
図5】モータ等の構成を示す一部破断左側面図である。
【
図6】その他の実施形態(10)におけるモータ等の構成を示す一部破断左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、図中の矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図中の矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0044】
〔トラクタの全体構成〕
以下では、本実施形態のトラクタ1(本発明に係る「電動作業車」に相当)について説明する。
図1に示すように、トラクタ1は、左右の前車輪10、左右の後車輪11、カバー部材12を備えている。
【0045】
また、トラクタ1は、機体フレーム2及び運転部3を備えている。機体フレーム2は、左右の前車輪10及び左右の後車輪11に支持されている。
【0046】
カバー部材12は、機体前部に配置されている。そして、運転部3は、カバー部材12の後方に設けられている。言い換えれば、カバー部材12は、運転部3の前方に配置されている。
【0047】
運転部3は、保護フレーム30、運転座席31、ステアリングホイール32を有している。作業者は、運転座席31に着座可能である。これにより、作業者は、運転部3に搭乗可能である。ステアリングホイール32の操作によって、左右の前車輪10は操向操作される。作業者は、運転部3において、各種の運転操作を行うことができる。
【0048】
トラクタ1は、バッテリ4を備えている。また、カバー部材12は、機体左右方向に沿う開閉軸芯Q周りに揺動可能に構成されている。これにより、カバー部材12は、開閉可能に構成されている。カバー部材12が閉状態であるとき、バッテリ4は、カバー部材12に覆われている。
【0049】
トラクタ1は、インバータ14及びモータ40を備えている。モータ40は、バッテリ4の下方に位置している。また、モータ40は、インバータ14の後方に位置している。
【0050】
バッテリ4は、インバータ14へ電力を供給する。インバータ14は、バッテリ4からの直流電力を交流電力に変換してモータ40へ供給する。そして、モータ40は、インバータ14から供給される交流電力により駆動する。
【0051】
即ち、トラクタ1は、バッテリ4からの直流電力を交流電力に変換してモータ40へ供給するインバータ14を備えている。
【0052】
図1に示すように、トラクタ1は、ハーネス13を備えている。また、モータ40は、接続部41を有している。接続部41は、モータ40の前部に位置している。ハーネス13は、接続部41と、インバータ14の前部における下端部と、を接続している。即ち、トラクタ1は、モータ40の前部とインバータ14とを接続するハーネス13を備えている。インバータ14からハーネス13を介してモータ40へ電力が供給される。
【0053】
トラクタ1は、静油圧式無段変速機15及びトランスミッション16を備えている。モータ40から出力された駆動力は、静油圧式無段変速機15と、作業装置19と、に分配される。静油圧式無段変速機15は、モータ40から受け取った駆動力を変速して、トランスミッション16へ伝達する。
【0054】
静油圧式無段変速機15は、油圧ポンプ及び油圧モータを含んでおり、変速比を無段階に変更可能に構成されている。このような静油圧式無段変速機15の構成は公知であるため、静油圧式無段変速機15に関する詳細な説明は省略する。
【0055】
トランスミッション16に伝達された駆動力は、トランスミッション16の有するギヤ式変速機構によって変速され、左右の前車輪10及び左右の後車輪11へ分配される。これにより、左右の前車輪10及び左右の後車輪11が駆動する。
【0056】
作業装置19は、モータ40からの駆動力によって駆動する。本実施形態において、作業装置19は、具体的には草刈装置である。ただし、本発明はこれに限定されず、作業装置19は例えば耕耘装置や施肥装置等であっても良い。
【0057】
図1に示すように、機体フレーム2は、左右の主フレーム20と、支持部材50と、を含んでいる。左右の主フレーム20は、前後方向に延びている。支持部材50は、板状の部材である。支持部材50は、前後方向に対して垂直の姿勢で配置されている。支持部材50の前面が、左右の主フレーム20の後端に接当している。支持部材50は、左右の主フレーム20の後端に連結している。特に限定されないが、支持部材50は、例えば溶接によって、左右の主フレーム20の後端に連結されていても良い。
【0058】
モータ40は、支持部材50に支持されている。即ち、トラクタ1は、支持部材50に支持されると共にバッテリ4から供給される電力により駆動するモータ40を備えている。尚、
図5に示すように、バッテリ4は、支持フレーム35により支持されている。支持フレーム35は、機体フレーム2に支持されている。
【0059】
〔オイルポンプ〕
図2に示すように、トラクタ1は、オイルポンプ60を備えている。オイルポンプ60は、機体右側部に設けられている。オイルポンプ60は、モータ40からの駆動力により駆動する。そして、オイルポンプ60は、機体の各部へ作動油を供給する。
【0060】
オイルポンプ60への駆動力の伝達構造について詳述する。
図2及び
図5に示すように、モータ40は、モータ40の後端部が支持部材50に支持された状態で、支持部材50に片持ち状に支持されている。モータ40の出力軸42は、支持部材50を貫通して後方へ延びている。即ち、モータ40は、モータ40の出力軸42が支持部材50を貫通して後方へ延びる状態で、支持部材50に片持ち状に支持されている。
【0061】
図2に示すように、支持部材50の後方に、ギヤケース61が設けられている。また、モータ40の後端部に、出力軸42の径方向外側へ延びるフランジ部43が形成されている。そして、複数の締結具62によって、フランジ部43と支持部材50とギヤケース61とが共締めされている。即ち、モータ40は、締結具62によって支持部材50に締結されている。
【0062】
本実施形態では、
図3に示すように、締結具62の設けられる個数は六つである。ただし、本発明はこれに限定されず、締結具62の設けられる個数は五つ以下でも良いし、七つ以上でも良い。
【0063】
また、本実施形態における締結具62は、具体的にはボルトである。しかしながら、本発明はこれに限定されない。締結具62は、例えばボルト及びナットにより構成されていても良いし、リベット等であっても良い。
【0064】
図2に示すように、出力軸42に、前後方向に延びる筒状部材63が取り付けられている。出力軸42は、筒状部材63に挿入されている。筒状部材63は、支持部材50及びギヤケース61を貫通する状態で配置されている。
【0065】
筒状部材63に、入力ギヤ64が固定されている。尚、入力ギヤ64は、筒状部材63と一体的に形成されていても良いし、筒状部材63とは別体であっても良い。
【0066】
筒状部材63は、出力軸42と一体的に回転するように構成されている。これにより、出力軸42からの駆動力が、筒状部材63を介して、入力ギヤ64に伝達される。
【0067】
図3に示すように、トラクタ1は、四つの伝達ギヤ65を備えている。出力軸42から入力ギヤ64に伝達された駆動力は、四つの伝達ギヤ65を介して、オイルポンプ60の入力軸66に伝達される。この構成により、オイルポンプ60は、出力軸42からの駆動力により駆動する。
【0068】
尚、入力ギヤ64及び各伝達ギヤ65は、支持部材50とギヤケース61とに囲まれた空間に収容されている。
【0069】
また、
図2に示すように、筒状部材63の後端部に、伝達軸67が連結されている。筒状部材63から伝達軸67に伝達された駆動力は、静油圧式無段変速機15(
図1参照)と、作業装置19(
図1参照)と、に分配される。
【0070】
〔凹部及び突出部〕
図2から
図4に示すように、支持前面51に、凹部52が形成されている。支持前面51は、支持部材50の前面である。凹部52は、後方へ凹入している。即ち、支持部材50の前面である支持前面51に、後方へ凹入する凹部52が形成されている。
【0071】
図3に示すように、凹部52は、支持部材50における孔(開口)を囲む状態で、リング状に形成されている。出力軸42が当該孔を貫通している。
【0072】
図2及び
図4に示すように、モータ40は、接当面44及び突出部45を有している。接当面44は、モータ40の後端部における垂直の面である。接当面44は、モータ40の後面である。モータ40が支持部材50に取り付けられた状態において、接当面44は、支持前面51に接当する。
【0073】
突出部45は、接当面44よりも後方へ突出している。また、突出部45は前後方向に延びる筒状(リング状)である。出力軸42は、突出部45の内側を通過している。そして、突出部45は、凹部52に嵌合する形状を有している。即ち、モータ40は、支持前面51に接当する接当面44と、接当面44よりも後方へ突出すると共に凹部52に嵌合する突出部45と、を有している。
【0074】
尚、
図2及び
図4に示すように、凹部52にはリング状のカラー68が取り付けられていても良い。モータ40が支持部材50に取り付けられた状態において、突出部45の後端がカラー68に接当していても良い。
【0075】
図2及び
図4に示すように、モータ40は、ハウジング46を有している。ハウジング46は、円柱状(略円柱状)に形成されている。フランジ部43、接当面44、突出部45は、ハウジング46に含まれている。
【0076】
ハウジング46は、所定の第1材料から成る。即ち、突出部45は第1材料から成る。特に限定されないが、第1材料は例えばアルミニウム合金であっても良いし、その他の金属であっても良い。
【0077】
支持部材50は、所定の第2材料から成る。第2材料は、第1材料よりも高い硬度を有する材料である。即ち、支持部材50は第1材料よりも高い硬度を有する第2材料から成る。特に限定されないが、第2材料は例えば鉄であっても良いし、その他の金属であっても良い。
【0078】
〔位置決め機構〕
図2に示すように、トラクタ1は、位置決め機構7を備えている。位置決め機構7は、前後方向視においてモータ40を支持部材50に対して位置決めする機構である。以下では、位置決め機構7について詳述する。
【0079】
図2に示すように、位置決め機構7は、複数の位置決め部70を有している。特に限定されないが、位置決め機構7は、三つ以上の位置決め部70を有していると好適である。本実施形態において、位置決め機構7は、三つの位置決め部70を有している。
【0080】
図3及び
図4に示すように、各位置決め部70は、それぞれ、互いに対応する一つの第1ガイド部71及び一つの第2ガイド部72を含んでいる。本実施形態において、第1ガイド部71は前後方向に延びるピン8である。また、第2ガイド部72はピン8に嵌合する穴部9である。尚、各位置決め部70は、互いに同一の構造を有している。
図4に示されている位置決め部70は、
図2及び
図3に示した三つの位置決め部70のうち、最も左側に位置する位置決め部70である。
【0081】
図4に示すように、ピン8は、モータ40に取り付けられている。また、穴部9は、支持部材50に設けられている。即ち、本実施形態において、第1ガイド部71はモータ40に設けられており、第2ガイド部72は支持部材50に設けられている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、第1ガイド部71(ピン8)が支持部材50に設けられており、第2ガイド部72(穴部9)がモータ40に設けられていても良い。
【0082】
位置決め機構7は、第1ガイド部71と第2ガイド部72との互いの接当によって、前後方向視においてモータ40を支持部材50に対して位置決めするように構成されている。より具体的には、位置決め機構7は、各ピン8と各穴部9との互いの嵌合によって、前後方向視においてモータ40を支持部材50に対して位置決めするように構成されている。尚、本明細書において、「嵌合」は、「接当」の具体例である。
【0083】
即ち、トラクタ1は、モータ40及び支持部材50のうちの一方に設けられた第1ガイド部71と、モータ40及び支持部材50のうちの他方に設けられた第2ガイド部72と、を有すると共に、第1ガイド部71と第2ガイド部72との互いの接当によって、前後方向視においてモータ40を支持部材50に対して位置決めする位置決め機構7を備えている。
【0084】
位置決め機構7による位置決めによって、
図3に示すように、前後方向視において、出力軸42の軸芯42aが、凹部52に囲まれた孔(開口)の中心に位置決めされる。
【0085】
また、
図3には、三角形Tが示されている。三角形Tの三つの頂点は、前後方向視における三つの位置決め部70の各位置である。本実施形態においては、
図3に示すように、三角形Tは正三角形でない。即ち、前後方向視において、三つの位置決め部70の各位置を頂点とする三角形Tが正三角形でないように、三つの位置決め部70が配置されている。
【0086】
図3に示すように、三つの位置決め部70のうちの二つは、軸芯42aよりも上側に配置されている。三つの位置決め部70のうちの残りの一つは、軸芯42aよりも下側に配置されている。即ち、複数の位置決め部70は、出力軸42の軸芯42aに対して上下に振り分け配置されている。また、複数の位置決め部70のうち、軸芯42aよりも上側に配置された位置決め部70の個数は、軸芯42aよりも下側に配置された位置決め部70の個数よりも多い。
【0087】
また、
図3には、配置円Eが示されている。配置円Eは、前後方向視において軸芯42aを中心とする円である。各締結具62は、配置円E上に配置されている。そして、各位置決め部70は、何れも、配置円Eの内側に位置している。即ち、出力軸42の径方向において、位置決め部70は、締結具62よりも内周側に位置している。
【0088】
図4に示すように、ピン8は、支持前面51及び接当面44のうちの一方であるピン取付面Pに取り付けられている。本実施形態において、ピン取付面Pは、接当面44である。即ち、ピン8は、接当面44に取り付けられている。そして、ピン8は、ピン取付面Pから後方へ突出している。
【0089】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、ピン取付面Pは、支持前面51であっても良い。この場合、ピン8は、ピン取付面Pから前方へ突出する。また、この場合、穴部9がモータ40に設けられていても良い。
【0090】
即ち、ピン8は、支持前面51及び接当面44のうちの一方であるピン取付面Pに取り付けられていると共に、ピン取付面Pから前方または後方へ突出している。
【0091】
図4に示すように、ピン8は、先細り部81と本体部83とを有している。先細り部81は、ピン8における突出端部に形成されている。即ち、ピン8における突出端部に、先細り部81が形成されている。先細り部81は、先端側ほど径が小さくなるように形成されている。本体部83は、円柱状に形成されている。本体部83の径は、先細り部81の基端81aの径と同一である。また、本体部83の径は、穴部9の径と略同一である。本体部83の前端部(根本部)が、モータ40に埋め込まれた状態で固定されている。また、
図4には、第1長さL1、第2長さL2、第3長さL3が示されている。
【0092】
第1長さL1は、突出部45の突出長さである。言い換えれば、第1長さL1は、接当面44から突出部45の後端までの前後方向での長さである。
【0093】
第2長さL2は、ピン取付面Pから先細り部81の基端81aまでの前後方向での長さである。
【0094】
第3長さL3は、ピン取付面Pからピン8の突出端82までの前後方向での長さである。
【0095】
図4に示すように、第2長さL2は、第1長さL1よりも長い。第3長さL3は、第2長さL2よりも長い。即ち、第3長さL3は、第1長さL1よりも長い。
【0096】
即ち、ピン取付面Pからピン8の突出端82までの長さは、突出部45の突出長さよりも長い。また、ピン取付面Pから先細り部81の基端81aまでの長さは、突出部45の突出長さよりも長い。
【0097】
図4には、モータ40が支持部材50に取り付けられる際のモータ40が示されている。尚、
図4では、出力軸42は省略されている。また、
図4には、第1位置Q1及び第2位置Q2が示されている。第1位置Q1及び第2位置Q2は、何れも、支持前面51よりも前側の位置である。第1位置Q1は、第2位置Q2よりも前側の位置である。
【0098】
モータ40が支持部材50に取り付けられる際、突出部45の後端が第1位置Q1に位置しているとき、ピン8の突出端82の前後方向での位置は、支持前面51の前後方向での位置に一致している。即ち、モータ40が支持部材50に取り付けられる際、突出部45の後端が第1位置Q1に到達した時点で、ピン8は穴部9に入り込み始める。この時点で、突出部45の後端は、支持前面51よりも前側に位置している。即ち、この時点で、突出部45はまだ凹部52に嵌合し始めていない。
【0099】
そして、モータ40がさらに支持部材50へ近づくことにより、突出部45の後端が第1位置Q1よりも後側且つ第2位置Q2よりも前側に位置する状態となると、ピン8は穴部9に接当可能な状態となる。例えば、このとき、モータ40の左右方向での位置が適切な位置からずれた場合、ピン8が穴部9に接当する。その結果、モータ40の左右方向での位置ずれが大きくなることが防止される。
【0100】
また、このとき、突出部45の後端が支持前面51よりも前側に位置している状態でピン8と穴部9とが互いに接当可能である。即ち、位置決め機構7は、支持部材50にモータ40が取り付けられる際に、突出部45が支持前面51よりも前側に位置している状態で第1ガイド部71と第2ガイド部72とが互いに接当可能に構成されている。
【0101】
そして、モータ40がさらに支持部材50へ近づくことにより、突出部45の後端が第2位置Q2に到達したとき、
図4に仮想線で示すように、基端81aの前後方向での位置は、支持前面51の前後方向での位置に一致する。即ち、モータ40が支持部材50に取り付けられる際、突出部45の後端が第2位置Q2に到達した時点で、本体部83は穴部9に入り込み始める。言い換えれば、モータ40が支持部材50に取り付けられる際、突出部45の後端が第2位置Q2に到達した時点で、ピン8の本体部83が穴部9に嵌合し始める。この時点で、突出部45の後端は、支持前面51よりも前側に位置している。即ち、この時点で、突出部45はまだ凹部52に嵌合し始めていない。
【0102】
そして、モータ40がさらに支持部材50へ近づくことにより、突出部45が凹部52に嵌合することとなる。
【0103】
以上で説明した構成によれば、支持部材50にモータ40が取り付けられる際、突出部45が凹部52に嵌合する前に、第1ガイド部71と第2ガイド部72とが互いに接当する。これにより、モータ40の位置決めが可能である。さらに、第1ガイド部71と第2ガイド部72とを互いに接当させたままでモータ40を後方へ移動させることにより、前後方向視において支持部材50に対してモータ40が位置決めされた状態で、突出部45を凹部52に嵌合させることができる。これにより、前後方向視において支持部材50に対してモータ40が位置決めされていない状態(前後方向視において支持部材50に対してモータ40を自由に動かせる状態)で突出部45を凹部52に嵌合させる場合に比べて、突出部45の表面に傷ができにくい。
【0104】
しかも、以上で説明した構成によれば、モータ40は支持部材50に対して前方から取り付けられると共に、モータ40とインバータ14とを接続するハーネス13は、モータ40の前部に接続される。そのため、ハーネス13がモータ40の後部に接続される場合に比べて、モータ40におけるハーネス13の接続部41や、ハーネス13自体が、支持部材50へのモータ40の取り付け作業の妨げになりにくい。
【0105】
即ち、以上で説明した構成によれば、支持部材50にモータ40が取り付けられる際に、取り付け作業をスムーズに行うことができ、且つ、モータ40の位置決めが可能であり、且つ、モータ40の表面に傷ができてしまうことを回避しやすいトラクタ1を実現できる。
【0106】
〔その他の実施形態〕
(1)前後方向視における支持部材50に対するモータ40の位置決めが可能であれば、第1ガイド部71はピン8でなくても良いし、第2ガイド部72は穴部9でなくても良い。例えば、第1ガイド部71及び第2ガイド部72は、レール及び当該レールにガイドされるローラにより構成されていても良い。
【0107】
(2)位置決め機構7の有する位置決め部70の個数は、一つであっても良い。
【0108】
(3)三角形Tは正三角形であっても良い。
【0109】
(4)全ての位置決め部70が、軸芯42aよりも上側に配置されていても良いし、軸芯42aよりも下側に配置されていても良い。
【0110】
(5)複数の位置決め部70のうち、軸芯42aよりも上側に配置された位置決め部70の個数は、軸芯42aよりも下側に配置された位置決め部70の個数よりも少なくても良いし、軸芯42aよりも下側に配置された位置決め部70の個数に等しくても良い。
【0111】
(6)ピン8に先細り部81が形成されていなくても良い。
【0112】
(7)出力軸42の径方向において、位置決め部70は、締結具62よりも外周側に位置していても良い。
【0113】
(8)位置決め部70は、配置円E上に配置されていても良い。
【0114】
(9)突出部45及び凹部52の位置及び形状は適宜変更可能である。
【0115】
(10)
図6に示すように、モータ40の支持構造が片持ち状でない構成であっても良い。
図6に示す例では、連結部47及び連結ボルト48が設けられている。連結部47は、板材がチャンネル状に折り曲げられて構成されている。連結部47は、支持フレーム35の下面から下方へ突出する状態で、支持フレーム35の下面に連結されいる。連結部47の下面は、ハウジング46の上端部に接している。
【0116】
上下方向に延びる連結ボルト48により、連結部47とハウジング46の上端部とが連結されている。この構造により、モータ40は、連結部47と、支持部材50と、により支持されている。
【0117】
支持フレーム35のうち、連結ボルト48の上方に位置する部位に、開口部49が形成されている。作業者は、レンチ等の工具を開口部49に挿入することにより、レンチ等の工具により連結ボルト48の締め付け操作及び取り外し操作を行うことができる。
【0118】
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、トラクタだけではなく、コンバイン、田植機、建設作業機等の種々の電動作業車に利用可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 :トラクタ(電動作業車)
4 :バッテリ
7 :位置決め機構
8 :ピン
9 :穴部
13 :ハーネス
14 :インバータ
40 :モータ
42 :出力軸
42a :軸芯
44 :接当面
45 :突出部
50 :支持部材
51 :支持前面
52 :凹部
62 :締結具
70 :位置決め部
71 :第1ガイド部
72 :第2ガイド部
81 :先細り部
81a :基端
82 :突出端
P :ピン取付面
T :三角形