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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094125
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】電動作業車
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20240702BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20240702BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240702BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20240702BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L58/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210896
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 大輔
(72)【発明者】
【氏名】今和泉 誠
【テーマコード(参考)】
3D235
5H125
【Fターム(参考)】
3D235AA11
3D235BB12
3D235BB43
3D235CC12
3D235CC14
3D235DD33
3D235FF43
3D235HH02
3D235HH09
3D235HH61
5H125AA20
5H125AC12
5H125FF01
5H125FF04
(57)【要約】
【課題】モータに接続されるハーネスのコネクタに対してロック部材を設けた場合、ロック部材が解除位置に操作されることを防止する。
【解決手段】バッテリからの電力をモータ15に供給するハーネス52と、ハーネス52の端部に設けられ、モータ15に接続されるコネクタ54とが備えられる。コネクタ54とモータ15との接続を保持する保持位置A1と、コネクタ54のモータ15からの分離を許容する解除位置A2とに亘って、人為的に操作可能なロック部材59が備えられる。保持位置A1と解除位置A2とに亘るロック部材59の操作経路に設けられることにより保持位置A1から解除位置A2へのロック部材59の操作を阻止する規制部材60が備えられ、規制部材60が取り外し可能である。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを収容するボンネットと、
前記ボンネットの外部に設けられたモータと、
前記モータにより駆動される走行装置と、
前記バッテリからの電力を前記モータに供給するハーネスと、
前記ハーネスの端部に設けられ、前記モータに接続されるコネクタと、
前記コネクタと前記モータとの接続を保持する保持位置と前記コネクタの前記モータからの分離を許容する解除位置とに亘って人為的に操作可能なロック部材と、
前記保持位置と前記解除位置とに亘る前記ロック部材の操作経路に設けられることにより、前記保持位置から前記解除位置への前記ロック部材の操作を阻止する規制部材とが備えられ、
前記規制部材が取り外し可能である電動作業車。
【請求項2】
前記規制部材を取り付ける固定具が備えられ、
工具により前記固定具が取り外されることにより、前記規制部材が取り外し可能となる請求項1に記載の電動作業車。
【請求項3】
前記解除位置が、前記保持位置よりも前記コネクタから離れた位置に設けられている請求項1に記載の電動作業車。
【請求項4】
前記規制部材が、前記保持位置に操作された前記ロック部材の全幅に亘って設けられる請求項1に記載の電動作業車。
【請求項5】
前記規制部材に、水平方向に沿って延出される第1部分と、前記第1部分の一方の端部及び他方の端部から上下方向に沿って同じ方向に向けて延出される一対の第2部分とが設けられ、
前記第1部分が前記コネクタに対して上側又は下側に設けられ、前記第2部分が前記コネクタに対して横外側に設けられる請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の電動作業車。
【請求項6】
前記ハーネス及び前記コネクタを覆うカバーが、前記ハーネス及び前記コネクタに対して下側に設けられ、
前記ロック部材が、前記コネクタに対して上側に設けられ、
前記第1部分が前記コネクタに対して上側に設けられ、前記第2部分の下部が前記カバーに取り付けられる請求項5に記載の電動作業車。
【請求項7】
掃除点検用の開口部が、前記カバーに設けられ、
前記カバーに取り付けられることにより前記開口部を塞く蓋部が設けられ、
前記蓋部が前記カバーから取り外し可能である請求項6に記載の電動作業車。
【請求項8】
前後方向に沿った左右の主フレームが設けられ、
前記コネクタ及び前記ロック部材が、側面視で前記左右の主フレームと重複するように前記左右の主フレームの間に設けられ、
前記規制部材が前記左右の主フレームに亘って取り付けられる請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の電動作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータにより走行装置が駆動されるように構成された電動作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
電動作業車では、例えば特許文献1に開示されているように、バッテリが主フレームに支持され、走行装置を駆動するモータが、バッテリに対して下側に設けられて主フレームに支持されたものがある。
特許文献1では、バッテリを覆うボンネットが設けられている。モータが側面視でボンネットの下端部よりも下側に設けられており、モータがボンネットの外部に設けられた状態となっている。
【0003】
電動作業車では、バッテリからの電力が供給されるハーネスにおいて、ハーネスのコネクタに対して、ロック部材が設けられることがある。
ハーネスのコネクタをモータに接続した後、ロック部材を保持位置に操作することにより、ハーネスのコネクタがモータから外れないようにすることができる。ロック部材を解除位置に操作することにより、ハーネスのコネクタをモータから取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の電動作業車において、不整地を走行した場合、植物の枝等がモータ付近に接触することがあり、植物の枝等がロック部材に接触すると、ロック部材が保持位置から解除位置に操作される可能性が懸念される。また、走行時の振動により、ロック部材が保持位置から次第に解除位置に移動する可能性も懸念される。
【0006】
本発明は、電動作業車において、モータに接続されるハーネスのコネクタに対してロック部材を設けた場合、ロック部材が解除位置に操作されることを防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電動作業車は、バッテリを収容するボンネットと、前記ボンネットの外部に設けられたモータと、前記モータにより駆動される走行装置と、前記バッテリからの電力を前記モータに供給するハーネスと、前記ハーネスの端部に設けられ、前記モータに接続されるコネクタと、前記コネクタと前記モータとの接続を保持する保持位置と前記コネクタの前記モータからの分離を許容する解除位置とに亘って人為的に操作可能なロック部材と、前記保持位置と前記解除位置とに亘る前記ロック部材の操作経路に設けられることにより、前記保持位置から前記解除位置への前記ロック部材の操作を阻止する規制部材とが備えられ、前記規制部材が取り外し可能である。
【0008】
本発明によると、作業者は、ハーネスのコネクタをモータに接続し、ロック部材を保持位置に操作した後、規制部材をロック部材の操作経路に設ければよい。
これにより、ロック部材が保持位置から解除位置に移動しようとしても、ロック部材が規制部材に当たることによって、ロック部材の移動が止められるのであり、ロック部材は解除位置に移動することができない。
【0009】
本発明によると、走行時に植物の枝等がロック部材に接触することにより、ロック部材が保持位置から解除位置に操作されることを防止することができ、走行時の振動によりロック部材が保持位置から次第に解除位置に移動することを防止することができて、ハーネスのコネクタがモータから外れることを防止することができる。
【0010】
本発明によると、メンテナンス作業等の為にハーネスのコネクタをモータから取り外す場合、作業者は、規制部材を取り外すことにより、ロック部材を保持位置から解除位置に操作することができる。これにより、作業者は、ハーネスのコネクタをモータから無理なく取り外すことができるのであり、メンテナンス作業等を支障なく行うことができる。
【0011】
本発明において、前記規制部材を取り付ける固定具が備えられ、工具により前記固定具が取り外されることにより、前記規制部材が取り外し可能となると好適である。
【0012】
本発明によると、規制部材は固定具により取り付けられるので、規制部材の取り付けが強固なものとなる。
メンテナンス作業等の為にハーネスのコネクタをモータから取り外す場合、作業者は、工具を使用して固定具を取り外すことによって、規制部材を取り外すことができるのであり、メンテナンス作業等を支障なく行うことができる。
【0013】
本発明において、前記解除位置が、前記保持位置よりも前記コネクタから離れた位置に設けられていると好適である。
【0014】
本発明によると、ロック部材において、解除位置が保持位置よりもハーネスのコネクタから離れた位置に設定されており、解除位置に操作されたロック部材がハーネスのコネクタから外方に向けて延出されるような状態となるので、作業者はロック部材が解除位置に操作されていることに気付き易い。
作業者がロック部材が解除位置に操作されていることに気付き易いことにより、作業者は、規制部材の取り付けを忘れること無く行うことができる。
【0015】
ロック部材において、解除位置が保持位置よりもハーネスのコネクタから離れた位置に設定されていることについて言い換えると、保持位置はハーネスのコネクタに接近した位置に設定されている。
【0016】
これにより、本発明によると、規制部材もハーネスのコネクタに接近した位置に設けることができるので、ハーネスのコネクタ、保持位置に操作されたロック部材及び規制部材が、コンパクトに配置される。
保持位置に操作されたロック部材がハーネスのコネクタに接近した位置に配置されることにより、保持位置に操作されたロック部材がハーネスのコネクタから外方に向けて延出されるような状態ではなくなり、走行時に植物の枝等がロック部材に接触する可能性が小さくなるので、ロック部材が保持位置から解除位置に操作されることを防止するという面で有利である。
【0017】
本発明において、前記規制部材が、前記保持位置に操作された前記ロック部材の全幅に亘って設けられると好適である。
【0018】
本発明によると、規制部材が保持位置に操作されたロック部材の全幅に亘って設けられるので、ロック部材が保持位置から解除位置に移動しようとした際、規制部材がロック部材の広い範囲に亘って当たることになり、規制部材によりロック部材の解除位置への移動が安定して止められる。これにより、ロック部材が保持位置から解除位置に操作されることを防止するという面で有利である。
【0019】
本発明において、前記規制部材に、水平方向に沿って延出される第1部分と、前記第1部分の一方の端部及び他方の端部から上下方向に沿って同じ方向に向けて延出される一対の第2部分とが設けられ、前記第1部分が前記コネクタに対して上側又は下側に設けられ、前記第2部分が前記コネクタに対して横外側に設けられると好適である。
【0020】
本発明によると、規制部材がハーネスのコネクタ及びロック部材を取り囲むような状態となり、規制部材によりロック部材の解除位置への移動が安定して止められるので、ロック部材が保持位置から解除位置に操作されることを防止するという面で有利である。
【0021】
本発明において、前記ハーネス及び前記コネクタを覆うカバーが、前記ハーネス及び前記コネクタに対して下側に設けられ、前記ロック部材が、前記コネクタに対して上側に設けられ、前記第1部分が前記コネクタに対して上側に設けられ、前記第2部分の下部が前記カバーに取り付けられると好適である。
【0022】
本発明によると、ハーネス及びコネクタの下方がカバーにより覆われているので、跳ね飛ばされた小石等がハーネス及びコネクタに当たることを防止することができる。
本発明によると、ロック部材がハーネスのコネクタに対して上側に設けられている。前述のように第1部分及び第2部分を有する規制部材において、規制部材の第1部分がハーネスのコネクタに対して上側に設けられ、規制部材の第2部分の下部がカバーに取り付けられる。
ハーネス及びコネクタの下方を覆うカバーを有効に利用して、規制部材を取り付けることにより、カバーがハーネス及びコネクタの保護機能と規制部材の支持機能とを備えることになるので、機能の兼用化によって構造の簡素化を図ることができる。
【0023】
本発明において、掃除点検用の開口部が、前記カバーに設けられ、前記カバーに取り付けられることにより前記開口部を塞く蓋部が設けられ、前記蓋部が前記カバーから取り外し可能であると好適である。
【0024】
本発明によると、蓋部を取り外すことにより、カバーの開口部からハーネス及びコネクタを目視して点検することができる。カバーに土等が堆積しても、蓋部を取り外すことにより、カバーに堆積した土等をカバーの開口部から取り出すことができる。
【0025】
本発明において、前後方向に沿った左右の主フレームが設けられ、前記コネクタ及び前記ロック部材が、側面視で前記左右の主フレームと重複するように前記左右の主フレームの間に設けられ、前記規制部材が前記左右の主フレームに亘って取り付けられると好適である。
【0026】
本発明によると、ハーネス及びコネクタが右及び左の主フレームの間に設けられた場合に、規制部材が右及び左の主フレームに亘って取り付けられるので、主フレームが規制部材の支持機能を備えることになり、機能の兼用化によって構造の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】トラクタの左側面図である。
図2】トラクタの平面図である。
図3】モータから前輪及び後輪への伝動系を示す概略図である。
図4】ボンネットの内部を示す左側面図である。
図5】インバータ及びモータの付近の左側面図である。
図6】支持フレーム及びインバータの付近の縦断正面図である。
図7】モータの付近の縦断正面図である。
図8】支持フレーム及びモータの分解斜視図である。
図9】支持フレームの平面図である。
図10】支持フレームの左側面図である。
図11】支持フレームの正面図である。
図12】モータの端子及びコネクタ、規制部材の付近の平面図である。
図13】モータの端子及びコネクタ、規制部材の付近の縦断左側面図である。
図14】発明の実施の第6別形態において、モータの端子及びコネクタ、規制部材の付近の縦断左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1図14に、電動作業車の一例であるトラクタが示されており、図1図14において、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示し、Rは右方向を示し、Lは左方向を示している。
【0029】
(トラクタの全体構成)
図1及び図2に示すように、右及び左の前輪1(走行装置に相当)、右及び左の後輪2(走行装置に相当)により、機体3が支持されている。機体3の前部にボンネット4が設けられ、機体3の後部に運転部5が設けられている。運転部5に、前輪1を操向操作する操縦ハンドル6、運転座席7、フロア部8及びロプスフレーム9が設けられている。
【0030】
機体3は、右及び左の主フレーム10、無段変速ケース11及びミッションケース12等を有して構成されている。ミッションケース12の前部に無段変速ケース11が連結され、右及び左の主フレーム10が、無段変速ケース11及びミッションケース12に連結されて、前後方向に沿って設けられている。前輪1が主フレーム10に支持され、後輪2がミッションケース12に支持されている。
以上の構成により、前輪1(走行装置)及び後輪2(走行装置)と、前輪1(走行装置)を支持する主フレーム10とが備えられている。
【0031】
(機体の前部の構成)
図1に示すように、バッテリ13、インバータ14及びモータ15が、主フレーム10に支持されている。
【0032】
図4に示すように、接続部16が、バッテリ13の前部の左部に設けられており、外部電源(図示せず)の充電器(図示せず)が接続部16に接続されて、外部電源の電力が接続部16からバッテリ13に充電される。バッテリ13の電力がインバータ14に供給され、インバータ14において、バッテリ13の直流電力が交流電力に変換されてモータ15に供給され、モータ15が駆動される。
【0033】
図2及び図4に示すように、DC-DCコンバータ17、バッテリ18、ラジエータ19及びウォーターポンプ20等が、主フレーム10の前部に設けられている。ボンネット4により、バッテリ13、インバータ14、接続部16、DC-DCコンバータ17、バッテリ18及びラジエータ19等が覆われている。
以上の構成により、バッテリ13と、バッテリ13を収容するボンネットとが備えられている。
【0034】
バッテリ13の電力がDC-DCコンバータ17に供給され、DC-DCコンバータ17において12Vに減圧さる。12Vに減圧された電力が、バッテリ13に供給され、バッテリ13からバッテリ18に供給される。トラクタに装備された各種の機器(図示せず)が、バッテリ18の12Vの電力により作動する。
【0035】
ウォーターポンプ20が作動することにより、ラジエータ19で生成された冷却水が、パイプ21を介してウォーターポンプ20に供給されて、ウォーターポンプ20からインバータ14に供給される。インバータ14の内部を通過した冷却水は、パイプ22を介してモータ15に供給され、モータ15の内部を通過した冷却水は、DC-DCコンバータ17に供給され、DC-DCコンバータ17からパイプ23を介してラジエータ19に戻る。
【0036】
(前輪及び後輪への伝動系の構成)
図1及び図3に示すように、静油圧式の無段変速装置24が、無段変速ケース11の内部に収容されており、モータ15の動力が伝動軸25を介して無段変速装置24に伝達される。無段変速装置24は前進側及び後進側に無段階に変速可能であり、フロア部8に設けられた変速ペダル26(図2参照)により操作される。
【0037】
副変速装置27、後輪デフ装置28、前輪変速装置29、右及び左のブレーキ30が、ミッションケース12の内部に収容されている。無段変速装置24の動力が、副変速装置27に伝達され、副変速装置27から後輪デフ装置28を介して後輪2に伝達される。
【0038】
副変速装置27と後輪デフ装置28との間から分岐した動力が、前輪変速装置29に伝達され、前輪変速装置29から伝動軸31を介して前輪デフ装置32に伝達され、前輪デフ装置32から前輪1に伝達される。
【0039】
前輪1が直進位置から右及び左の設定角度の範囲内に操作されていると、前輪変速装置29により前輪1及び後輪2が同じ速度で駆動される。前輪1が右及び左の設定角度を越えて右又は左に操向操作されると、前輪変速装置29により、前輪1が後輪2よりも高速で駆動される。
【0040】
以上の構成により、バッテリ13からの電力により作動し、前輪1(走行装置)及び後輪2(走行装置)を駆動するモータ15が備えられ、モータ15により駆動される前輪1(走行装置)及び後輪2(走行装置)が備えられる。
【0041】
後輪デフ装置28から右の後輪2への伝動系に、右のブレーキ30が設けられ、後輪デフ装置28から左の後輪2への伝動系に、左のブレーキ30が設けられている。右のブレーキ30を操作可能な右のブレーキペダル33、及び、左のブレーキ30を操作可能な左のブレーキペダル33が、フロア部8の左前部8bに設けられている(図2参照)。
右旋回時(左旋回時)に旋回中心側である右(左)のブレーキペダル33を踏み操作して、右(左)のブレーキ30を制動操作することにより、小回り旋回が可能になる。
【0042】
(バッテリを支持する支持フレームの構成)
図4図7に示すように、支持フレーム34が、主フレーム10に取り付けられ、バッテリ13が、支持フレーム34載置されて連結されている。
【0043】
図8図11に示すように、支持フレーム34は、前後フレーム35,36(ベース部に相当)、左右フレーム37,38,39(ベース部に相当)、右及び左の脚部40、右及び左の連結板41、右及び左のブラケット42、立ち上がり部45,46等を有している。
【0044】
前後方向に沿ったアングル状の前後フレーム35,36と、左右方向に沿った平板状の左右フレーム37及びアングル状の左右フレーム38,39とにおいて、前後フレーム35,36が左右方向で互いに間隔を空け、左右フレーム37,38,39が前後方向で互いに間隔を空けて、前後フレーム35,36と左右フレーム37,38,39とが連結されて、支持フレーム34(前後フレーム35,36及び左右フレーム37,38,39)が平面視で格子状に構成されている。
【0045】
チャンネル状の2個の脚部40が、右の前後フレーム36の前部に連結されており、前後方向に沿った連結板41が2個の脚部40の下部に亘って連結されている。チャンネル状の2個の脚部40が、左の前後フレーム36の前部に連結されており、前後方向に沿った連結板41が2個の脚部40の下部に亘って連結されている。ブラケット42が、右の前後フレーム36の後部に連結され、左の前後フレーム36の後部に連結されている。
【0046】
平板状の立ち上がり部45が、左右フレーム37にボルト連結されており、左右フレーム37から上方に向けて立ち上がっている。平板状の立ち上がり部46が、右及び左の前後フレーム36にボルト連結されており、前後フレーム36から上方に向けて立ち上がっている。
【0047】
(主フレームにおける支持フレームの支持構造)
図4図7に示すように、右及び左の平板状の支持部材43が、右及び左の主フレーム10の前部の上部に前後方向に沿って連結されている。ギヤケース44が、右及び左の主フレーム10に亘って左右方向に沿って連結されている。
【0048】
支持フレーム34の右の脚部40及び連結板41が、右の支持部材43にボルト連結され、支持フレーム34の左の脚部40及び連結板41が、左の支持部材43にボルト連結されている。支持フレーム34の右のブラケット42が、ギヤケース44の右部にボルト連結され、支持フレーム34の左のブラケット42が、ギヤケース44の左部にボルト連結されている。
【0049】
以上のように、支持フレーム34が主フレーム10に取り付けられており、支持フレーム34の前後フレーム36が、主フレーム10の上端部から上方に少し離れた位置に位置している。
【0050】
(支持フレームにおけるバッテリの支持状態)
図4図7に示すように、バッテリ13が支持フレーム34の前後フレーム35,36及び左右フレーム37,38,39に載置されることにより、バッテリ13の下部の外周部が支持フレーム34の立ち上がり部45,46により囲まれる。
【0051】
バッテリ13の下部の前部が立ち上がり部45にボルト連結され、バッテリ13の下部の右部及び左部が立ち上がり部46にボルト連結され、バッテリ13の下部の後部が左右フレーム39にボルト連結されることによって、バッテリ13が支持フレーム34に連結される。
【0052】
以上の構成により、主フレーム10に取り付けられ、バッテリ13が載置されることにより、バッテリ13を主フレーム10に支持する支持フレーム34が備えられる。
支持フレーム34に、前後方向に沿って延び、互いに左右方向に間隔を空けて設けられた複数の前後フレーム35,36と、左右方向に沿って延び、互いに前後方向に間隔を空けて設けられた複数の左右フレーム37,38,39とが設けられる。
【0053】
支持フレーム34に、バッテリが載置される前後フレーム35,36(ベース部)及び左右フレーム37,38,39(ベース部)と、前後フレーム35,36(ベース部)及び左右フレーム37,38,39(ベース部)から立ち上がり、バッテリ13の下部の外周部を囲む立ち上がり部45,46とが設けられる。
【0054】
(モータの支持構造)
図8,9,10に示すように、支持フレーム34の前後フレーム35の後部(左右フレーム38と左右フレーム39との間)に、連結部47が設けられている。
【0055】
連結部47は、板材がチャンネル状に折り曲げられて構成されており、支持フレーム34の前後フレーム35の下面部に連結されて、支持フレーム34の前後フレーム35から下方に向けて突出するように、支持フレーム34に設けられている。
【0056】
連結ボルト48が連結部47の開口部に挿入されるのであり、支持フレーム34の前後フレーム35において連結部47の上方の部分に、開口部35aが開口されている。作業者は、レンチ等の工具を前後フレーム35の開口部35aに挿入することにより、レンチ等の工具により連結ボルト48の締め付け操作及び取り外し操作を行うことができる。
【0057】
図4,5,7~10に示すように、モータ15が、支持フレーム34の前後フレーム35の後部(左右フレーム38,39の間)に対して下側に設けられており、右及び左の主フレーム10の間に設けられている。連結ボルト48によりモータ15と連結部47とが連結されており、モータ15の後部がギヤケース44にボルト連結されている。
【0058】
以上の構成により、支持フレーム34に、下方に向けて突出し、モータ15が連結される連結部47が設けられており、モータ15が支持フレーム34に吊り下げ支持されている。支持フレーム34における連結部47の上方の部分に、連結部47を上方に露出させる開口部35aが設けられており、開口部35aは支持フレーム34の前後フレーム35に設けられている。
【0059】
モータ15の上部が、支持フレーム34(連結部47)に連結されている。モータ15の後部が、ギヤケース44を介して主フレーム10に連結されており、モータ15の後部が、ギヤケース44を介して無段変速ケース11及びミッションケース12に連結されている。
【0060】
モータ15は、側面視(図1及び図4参照)でボンネット4の下端部及び支持フレーム34(前後フレーム36)よりも下側に位置しており、ボンネット4の下端部及び支持フレーム34(前後フレーム36)と主フレーム10の上端部との間の隙間から、モータ15が目視される。
以上の構成により、ボンネット4の外部に設けられたモータ15が備えられている。
【0061】
(インバータの支持構造)
図4,5,6に示すように、インバータ14は、右及び左の支持部材43にボルト連結されて主フレーム10に支持されており、モータ15と前後方向で隣り合う位置に設けられ、支持フレーム34の前部(左右フレーム37,38の間)に対して下側に設けられている。
【0062】
図8及び図11に示すように、立ち上がり部45(支持フレーム34におけるインバータ14に隣接する部分に相当)の下部45aが、上方に向けて凹む形状に構成されて、立ち上がり部45が正面視で門型に形成されている。
【0063】
図6に示すように、DC-DCコンバータ17、バッテリ18及びラジエータ19等が取り外されると、作業者は、立ち上がり部45の下部45aに対して下側の領域を通して正面からインバータ14を目視することができる。
【0064】
DC-DCコンバータ17、バッテリ18及びラジエータ19等が取り外された状態において、作業者は、インバータ14と支持部材43とのボルト連結を外し、インバータ14を水平方向に沿って前方に向けて移動させ、立ち上がり部45の下部45aに対して下側の領域を通すことによって、インバータ14を主フレーム10から取り外すことができる。
【0065】
インバータ14のメンテナンス作業等が終了した後、作業者は、インバータ14を、主フレーム10の前方の位置から水平方向に沿って後方に向けて移動させ、立ち上がり部45の下部45aに対して下側の領域を通すことにより、インバータ14を支持部材43に載置してボルト連結することができる。
【0066】
以上の構成により、バッテリ13からの電力をモータ15に供給するインバータ14が支持フレーム34に対して下側におけるモータ15の横隣に設けられる。
支持フレーム34におけるインバータ14に隣接する部分(立ち上がり部45)が、上方に向けて凹む形状に構成されており、インバータ14の水平方向に沿った移動を許容する形状に構成されている。
支持フレーム34におけるインバータ14に隣接する部分(立ち上がり部45)が、支持フレーム34におけるインバータ14に対してモータ15の反対側に位置する部分である。
【0067】
(支持フレームにおけるフロア部の支持構造)
図1及び図2に示すように、運転部5及び運転部5のフロア部8が、バッテリ13及び支持フレーム34に対して後側に設けられている。フロア部8の右前部8a及び左前部8bが、バッテリ13及び支持フレーム34の右後部及び左後部に隣接する位置まで、前方及び斜め上方に向けて延出されている。
【0068】
図8図11に示すように、右及び左のフロアフレーム49が設けられている。フロアフレーム49は、平板状の基板部49aに、チャンネル状の支持部49bが連結されて構成されている。
【0069】
右及び左のフロアフレーム49の基板部49aが、支持フレーム34(前後フレーム36)の右後部及び左後部に、ボルト50により連結される。図7に示すように、フロア部8の右前部8a及び左前部8bが、右及び左のフロアフレーム49の支持部49bに、防振部材51を介して支持される。ボルト50を取り外すことにより、フロアフレーム49を支持フレーム34(前後フレーム36)から取り外すことができる。
【0070】
以上の構成により、フロア部8の右前部8a及び左前部8bを支持可能な左右のフロアフレーム49が備えられ、左右のフロアフレーム49が、支持フレーム34の右後部及び左後部に着脱可能である。
【0071】
(インバータとモータとに亘って接続されるハーネスに関する構造)
図4及び図5に示すように、ハーネス52が設けられており、ハーネス52の前の端部にコネクタ53が設けられて、コネクタ53がインバータ14の前部の下部の端子14aに接続される。ハーネス52の後の端部にコネクタ54が設けられており、コネクタ54がモータ15の前部の端子15aに接続される。
【0072】
図5,6,7に示すように、ハーネス52及びコネクタ53,54、インバータ14の端子14a及びモータ15の端子15aが、側面視で右及び左の主フレーム10と重複するように、右及び左の主フレーム10の間に設けられている。平板状のカバー55が、右及び左の主フレーム10の下部に亘って連結されており、主フレーム10の前端部とモータ15の端子15aの下方の位置とに亘って設けられている。
【0073】
図1及び図4に示すように、前輪1を支持する前車軸ケース56がカバー55の前部に支持されており、伝動軸31(図3参照)が、カバー55に対して下側の位置を前方に向けて延出され、前車軸ケース56に収容された前輪デフ装置32(図3参照)に接続されている。前述のウォーターポンプ20が、カバー55の前部の上面部に取り付けられている。
【0074】
図5及び図7に示すように、掃除点検用の開口部55aが、カバー55におけるモータ15と前車軸ケース56との間の部分(コネクタ53,54の間の部分)に設けられている。平板状の蓋部57が設けられており、蓋部57がボルト58によりカバー55に取り付けられることにより、蓋部57によりカバー55の開口部55aが塞がれる。ボルト58を取り外すことにより、蓋部57がカバー55から取り外し可能となるのであり、カバー55の開口部55aを開放することができる。
【0075】
以上の構成により、バッテリ13の直流電力がインバータ14において交流電力に変換され、インバータ14からハーネス52を介してモータ15に供給される。これにより、
バッテリ13からの電力をモータ15に供給するハーネス52が備えられる。ハーネス52の端部に設けられ、モータ15に接続されるコネクタ54が備えられる。
【0076】
ハーネス52及びコネクタ53,54、インバータ14の端子14a及びモータ15の端子15aを覆うカバー55が、ハーネス52及びコネクタ53,54に対して下側に設けられている。
【0077】
掃除点検用の開口部55aが、カバー55に設けられる。カバー55に取り付けられることにより開口部55aを塞く蓋部57が設けられており、蓋部57がカバー55から取り外し可能である。
【0078】
(ハーネスのコネクタのロック部材に関する構成)
図12及び図13に示すように、ロック部材59が、コネクタ54に設けられており、コネクタ54に対して上側に設けられている。図5及び図7に示すように、作業者は、機体3の右及び左の横側方の上方の位置から斜め下方を視ることにより、ボンネット4の下端部と主フレーム10の上端部との間の隙間を通して、コネクタ54及びロック部材59を目視することができる。
【0079】
ロック部材59は、左右方向に沿った軸芯P1周りに揺動可能に、コネクタ54に支持されており、コネクタ54とモータ15の端子15aとの接続を保持する保持位置A1、及びコネクタ54のモータ15の端子15aからの分離を許容する解除位置A2に亘って人為的に操作可能である。
【0080】
保持位置A1は、コネクタ54の上部に略接触する位置に設定されており、解除位置A2よりもモータ15から前方に離れた位置に設定されている。解除位置A2は、保持位置A1よりもコネクタ54から上方に離れた位置に設定され、保持位置A1よりもモータ15に接近した位置に設定されている。
【0081】
作業者は、コネクタ54をモータ15の端子15aに接続する場合、ロック部材59を解除位置A2に操作した状態で、コネクタ54をモータ15の端子15aに接続し、この後にロック部材59を保持位置A1に操作する。
作業者は、コネクタ54をモータ15の端子15aから取り外す場合、ロック部材59を保持位置A1から解除位置A2に操作した後、コネクタ54をモータ15の端子15aから前方に向けて操作して取り外す。
【0082】
図4及び図5に示すように、コネクタ53においても、コネクタ54と同様にロック部材59が、コネクタ53に対して下側に設けられるように、コネクタ53に設けられている。図5に示す状態は、コネクタ53において、ロック部材59が保持位置A1に操作された状態であり、ロック部材59を下方前方に向けて操作することにより、ロック部材59を解除位置A2に操作することができる。
【0083】
以上の構成により、コネクタ54とモータ15との接続を保持する保持位置A1とコネクタ54のモータ15からの分離を許容する解除位置A2とに亘って人為的に操作可能なロック部材59が備えられる。
ロック部材59が、コネクタ54に対して上側に設けられており、解除位置A2が、保持位置A1よりもコネクタ54から離れた位置に設けられている。
【0084】
(モータの端子に接続されるコネクタに対する規制部材に関する構造)
図7,12,13に示すように、コネクタ54に対して、規制部材60が設けられている。規制部材60は、水平方向に沿って延出される第1部分60aと、第1部分60aの一方の端部及び他方の端部から上下方向に沿って同じ方向に向けて延出される一対の第2部分60bとを有している。
【0085】
図7,12,13に示す状態は、ボルト61(固定具に相当)により、規制部材60の第2部分60bの下部がカバー55に取り付けられた状態であり、規制部材60が規制位置B1に取り付けられた状態である。
【0086】
規制部材60が規制位置B1に取り付けられた状態において、規制部材60を覆うカバー55が、規制部材60に対して下側に設けられるのであり、規制部材60が、側面視で右及び左の主フレーム10と重複するように、右及び左の主フレーム10の間に設けられる。
【0087】
規制部材60が規制位置B1に取り付けられた状態において、規制部材60の第1部分60aが、コネクタ54及び保持位置A1に操作されたロック部材59に対して上側に左右方向に沿って設けられ、コネクタ54及び保持位置A1に操作されたロック部材59の全幅に亘って設けられる。規制部材60の第2部分60bが、コネクタ54及び保持位置A1に操作されたロック部材59に対して、右及び左の横外側に上下方向に沿って設けられる。
【0088】
規制部材60が規制位置B1に取り付けられた状態において、規制部材60の第1部分60aが、保持位置A1と解除位置A2とに亘るロック部材59の操作経路に位置している。これによって、ロック部材59が保持位置A1から解除位置A2に移動しようとしても、ロック部材59が規制部材60(第1部分60a)に当たることによって、ロック部材59の移動が止められるのであり、ロック部材59は解除位置A2に移動することができない。
【0089】
作業者は、レンチ等の工具(図示せず)によりボルト61を取り外すことによって、規制部材60をカバー55(規制位置B1)から取り外すことができる。作業者は、規制部材60をカバー55(規制位置B1)から取り外すことにより、ロック部材59を保持位置A1から解除位置A2に操作することができ、コネクタ54をモータ15の端子15aから取り外すことができる。
【0090】
以上の構成により、保持位置A1と解除位置A2とに亘るロック部材59の操作経路に設けられることにより、保持位置A1から解除位置A2へのロック部材59の操作を阻止する規制部材60が備えられ、規制部材60が取り外し可能である。規制部材60が、保持位置A1に操作されたロック部材59の全幅に亘って設けられる。規制部材60を取り付けるボルト61(固定具)が備えられ、工具によりボルト61(固定具)が取り外されることにより、規制部材60が取り外し可能となる。
【0091】
規制部材60に、水平方向に沿って延出される第1部分60aと、第1部分60aの一方の端部及び他方の端部から上下方向に沿って同じ方向に向けて延出される一対の第2部分60bとが設けられる。第1部分60aがコネクタ54に対して上側に設けられ、第2部分60bがコネクタ54に対して横外側に設けられ、第2部分60bの下部がカバー55に取り付けられる。
【0092】
(発明の実施の第1別形態)
支持フレーム34において、連結部47を前後フレーム36に設け,支持フレーム34の前後フレーム36における連結部47の上方の部分に、開口部35aを設けてもよい。
複数個の連結部47を、支持フレーム34の前後フレーム35,36及び左右フレーム37,38,39に設け、前後フレーム35,36及び左右フレーム37,38,39における連結部47の上方の部分に、開口部35aを設けてもよい。
以上の構成により、開口部35aは、複数の前後フレーム35,36及び複数の左右フレーム37,38,39のいずれかに設けられる。
【0093】
(発明の実施の第2別形態)
連結部47を廃止してもよい。
この構成では、支持フレーム34(前後フレーム35,36及び左右フレーム37,38,39)に、モータ15を連結ボルト48により直接に連結すればよい。支持フレーム34(前後フレーム35,36及び左右フレーム37,38,39)に、モータ15を吊り下げ部材(図示せず)により吊り下げ支持すればよい。
【0094】
(発明の実施の第3別形態)
右及び左の主フレーム10に連結されるギヤケース44を、モータ15に対して前側に設けることにより、モータ15の上部が連結部47に連結され、モータ15の前部がギヤケース44を介して主フレーム10に連結されるように構成してもよい。
【0095】
インバータ14及びモータ15の位置関係を逆転して、モータ15が支持フレーム34の前部に対して下側に設けられ、インバータ14が支持フレーム34の後部に対して下側に設けられるように構成してもよい。
【0096】
(発明の実施の第4別形態)
支持フレーム34において、立ち上がり部45,46を廃止してもよい。
この構成によると、バッテリ13が支持フレーム34に載置され、バッテリ13が支持フレーム34の前後フレーム35,36及び左右フレーム37,38,39にボルト連結されるように構成すればよい。
【0097】
(発明の実施の第5別形態)
支持フレーム34において、立ち上がり部46の下部及び前後フレーム36の下部を上方に向けて凹む形状に構成してもよい。
【0098】
この構成によると、支持フレーム34におけるインバータ14に隣接する部分が、支持フレーム34の立ち上がり部46及び前後フレーム36となる。
DC-DCコンバータ17、バッテリ18及びラジエータ19等を取り外さず、支持フレーム34の右又は左の脚部40及び連結板41を取り外すことにより、インバータ14を水平方向に沿って右方又は左方に向けて移動させ、立ち上がり部46の下部及び前後フレーム36の下部に対して下側の領域を通すことにより、インバータ14を主フレーム10から取り外すことができる。
【0099】
(発明の実施の第6別形態)
図14に示すように、規制部材60を直線状の棒状に形成してもよい。
この構成によると、規制部材60の右の端部及び左の端部を、ボルト61により右及び左の主フレーム10に取り付けることによって、規制部材60が規制位置B1に取り付けられる。
【0100】
以上の構成によって、ハーネス52及びコネクタ53,54、インバータ14の端子14a及びモータ15の端子15aが、側面視で右及び左の主フレーム10と重複するように、右及び左の主フレーム10の間に設けられ、規制部材60が左右の主フレーム10に亘って取り付けられる。
【0101】
(発明の実施の第7別形態)
図7,12,13に示す規制部材60、(発明の実施の第6別形態)の規制部材60において、規制部材60をカバー55(主フレーム10)から完全に取り外すのではなく、以下のように構成してもよい。
【0102】
規制部材60の一方の端部(一方の第2部分60b)を取り外し、規制部材60の他方の端部(他方の第2部分60b)がカバー55(主フレーム10)に取り付けられた状態を維持しながら、規制部材60の姿勢を変更することにより、ロック部材59を保持位置A1から解除位置A2操作できるようにする。
【0103】
この構成によると、規制部材60の姿勢が規制位置B1から変更されることにより、規制部材60が規制位置B1から取り外された状態となる。規制部材60の他方の端部(他方の第2部分60b)がカバー55(主フレーム10)に取り付けられた状態で残されることにより、規制部材60を紛失することがない。
【0104】
(発明の実施の第8別形態)
図12及び図13に示すロック部材59において、保持位置A1及び解除位置A2の位置関係を逆転して、解除位置A2がコネクタ54の上部に略接触する位置に設定され、保持位置A1が解除位置A2よりもコネクタ54から上方に離れた位置に設定されるように構成してもよい。
【0105】
前述の構成によると、規制部材60が規制位置B1に取り付けられた場合、規制部材60が、コネクタ54と保持位置A1に操作されたロック部材59との間に位置するように構成すればよい。
これにより、ロック部材59が保持位置A1からコネクタ54に接近するように解除位置A2に移動しようとしても、ロック部材59が規制部材60に当たることによって、ロック部材59の移動が止められるのであり、ロック部材59は解除位置A2に移動することができない。
【0106】
(発明の実施の第9別形態)
図12及び図13に示すロック部材59をコネクタ54に対して下側に設けてもよい。(発明の実施の第6別形態)~(発明の実施の第8別形態)のロック部材59を、コネクタ54に対して下側に設けてもよい。
この構成によると、(発明の実施の第6別形態)及び図14に示すように、規制部材60を、コネクタ54及びロック部材59に対して下側に設けるとよい。
【0107】
(発明の実施の第10別形態)
図12及び図13に示すロック部材59を、モータ15に設けてもよい。(発明の実施の第6別形態)~(発明の実施の第9別形態)のロック部材59を、モータ15に設けてもよい。
この構成によると、コネクタ54がモータ15の端子15aから取り外された場合、ロック部材59はモータ15に残る。
【0108】
(発明の実施の第11別形態)
図12及び図13に示すロック部材59を、保持位置A1及び解除位置A2に亘って、水平方向に沿って又は上下方向に沿ってスライド操作されるように構成してもよい。(発明の実施の第6別形態)~(発明の実施の第10別形態)のロック部材59を、保持位置A1及び解除位置A2に亘って、水平方向に沿って又は上下方向に沿ってスライド操作されるように構成してもよい。
【0109】
(発明の実施の第12別形態)
図12及び図13に示すロック部材59の構成を、インバータ14の端子14aに接続されるコネクタ53のロック部材59(図5参照)に適用してもよい。(発明の実施の第6別形態)~(発明の実施の第11別形態)のロック部材59の構成をインバータ14の端子14aに接続されるコネクタ53のロック部材59(図5参照)に適用してもよい。
【0110】
(発明の実施の第13別形態)
後輪2に代えてクローラ走行装置(図示せず)を、走行装置として装備してもよい。
前輪1及び後輪2に代えてクローラ走行装置(図示せず)を、走行装置として装備してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、トラクタばかりではなく、電動カートや運搬車等の他の電動作業車にも適用できる。
【符号の説明】
【0112】
1 前輪(走行装置)
2 後輪(走行装置)
4 ボンネット
10 主フレーム
13 バッテリ
15 モータ
52 ハーネス
54 コネクタ
55 カバー
55a 開口部
57 蓋部
59 ロック部材
60 規制部材
60a 第1部分
60b 第2部分
61 ボルト(固定具)
A1 保持位置
A2 解除位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14