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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094130
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】歩行型管理機
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/08 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A01B33/08 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210901
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】安原 拓人
(72)【発明者】
【氏名】瀬崎 恵一
(72)【発明者】
【氏名】平田 智也
【テーマコード(参考)】
2B033
【Fターム(参考)】
2B033AA06
2B033AB01
2B033AB11
2B033AC04
2B033BD04
2B033BD05
2B033CA12
(57)【要約】
【課題】爪軸部が正向き姿勢及び逆向き姿勢に変更可能に構成された耕耘装置を装備した歩行型管理機において、ダッシングの発生を回避する。
【解決手段】正転方向S12に駆動軸11が回転駆動される動力を駆動軸11に伝達する正転位置、及び駆動軸11への動力を遮断する停止位置に操作可能な伝動装置が備えられる。爪軸部は正向き姿勢と逆向き姿勢とに駆動軸11に取付可能である。爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸11に取り付けられ且つ伝動装置が正転位置に操作された状態の発生を阻止する牽制部45,46,50を備えている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置により支持された機体と、
前記機体の後部に左右方向に沿って支持された駆動軸と、
前記駆動軸に取り付けられる爪軸部と、前記爪軸部に取り付けられた耕耘爪とを有し、前記駆動軸により駆動される耕耘装置と、
前記耕耘爪が、前記爪軸部に対して上側から前側を通過して地面に突入し、地面の土を後方に向けて押し出す正転方向に前記駆動軸が回転駆動される動力を、前記駆動軸に伝達する正転位置、及び、前記駆動軸への動力を遮断する停止位置に操作可能な伝動装置と、
前記爪軸部は、前記耕耘爪における前記爪軸部から半径方向外方の部分ほど、前記正転方向の上手側に位置する正向き姿勢と、前記耕耘爪における前記爪軸部から半径方向外方の部分ほど、前記正転方向の下手側に位置する逆向き姿勢とに、前記駆動軸に取付可能であり、
前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられ且つ前記伝動装置が前記正転位置に操作された状態の発生を阻止する牽制部を備えている歩行型管理機。
【請求項2】
前記牽制部は、
前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられたことを検出する姿勢検出部と、
前記姿勢検出部により前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられたことが検出されると、前記伝動装置の前記正転位置への操作を阻止する正転牽制部とを有している請求項1に記載の歩行型管理機。
【請求項3】
前記耕耘装置は、前記駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けられる第1の前記爪軸部と、前記駆動軸の右部及び左部の他方に取り付けられる第2の前記爪軸部とを有し、
前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸の右部に取り付けられたことを検出する右の前記姿勢検出部と、
前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸の左部に取り付けられたことを検出する左の前記姿勢検出部とが備えられ、
前記正転牽制部は、右の前記姿勢検出部により前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸の右部に取り付けられたことが検出されること、及び、左の前記姿勢検出部により前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸の左部に取り付けられたことが検出されたことの少なくとも一方により、前記伝動装置の前記正転位置への操作を阻止する請求項2に記載の歩行型管理機。
【請求項4】
第1の前記爪軸部及び第2の前記爪軸部は、前記耕耘爪が背面視で前記耕耘装置の左右中央部側に向く内向き姿勢と、前記耕耘爪が背面視で前記耕耘装置の左右中央部に対して外方に向く外向き姿勢とに、前記駆動軸に取付可能であり、
前記姿勢検出部は、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記内向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられたことを検出し、且つ、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記外向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられたことを検出する請求項3に記載の歩行型管理機。
【請求項5】
前記牽制部は、
前記伝動装置が前記正転位置に操作されたことを検出する正転検出部と、
前記正転検出部により前記伝動装置が前記正転位置に操作されたことが検出されると、前記爪軸部の前記逆向き姿勢での前記駆動軸への取り付けを阻止する爪軸牽制部とを有している請求項1に記載の歩行型管理機。
【請求項6】
前記耕耘装置は、前記駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けられる第1の前記爪軸部と、前記駆動軸の右部及び左部の他方に取り付けられる第2の前記爪軸部とを有し、
前記爪軸牽制部は、前記正転検出部により前記伝動装置が前記正転位置に操作されたことが検出されると、前記爪軸部の前記逆向き姿勢での前記駆動軸の右部への取り付けを阻止し、且つ、前記爪軸部の前記逆向き姿勢での前記駆動軸の左部への取り付けを阻止する請求項5に記載の歩行型管理機。
【請求項7】
前記牽制部は、
前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられたことを検出する姿勢検出部と、
前記伝動装置が前記正転位置に操作されたことを検出する正転検出部と、
前記姿勢検出部により前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられたことが検出されると、前記伝動装置の前記正転位置への操作を阻止する正転牽制部と、
前記正転検出部により前記伝動装置が前記正転位置に操作されたことが検出されると、前記爪軸部の前記逆向き姿勢での前記駆動軸への取り付けを阻止する爪軸牽制部とを有している請求項1に記載の歩行型管理機。
【請求項8】
前記爪軸部の前記駆動軸への取り付けを阻止する取付阻止位置、及び、前記爪軸部の前記駆動軸への取り付けを許容する取付許容位置に操作可能な爪軸阻止部材と、
前記爪軸部に設けられ、前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記爪軸阻止部材に当たることにより、前記爪軸阻止部材を前記取付許容位置に操作可能な操作部と、
前記伝動装置の前記正転位置への操作を阻止する正転阻止位置、及び、前記伝動装置の前記正転位置への操作を許容し且つ前記伝動装置が前記正転位置に操作されると前記正転阻止位置への操作が阻止される正転許容位置に操作可能な正転阻止部材と、
前記正転阻止部材と前記爪軸阻止部材とに亘って接続された連係部材とが備えられ、
前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記操作部により前記爪軸阻止部材が前記取付許容位置に操作され、且つ、前記連係部材を介して、前記正転阻止部材が前記正転阻止位置に操作され、
前記正転阻止部材が前記正転許容位置に操作されると、前記連係部材を介して、前記爪軸阻止部材が前記取付阻止位置に操作され、前記伝動装置が前記正転位置に操作されると、前記正転阻止部材及び前記連係部材を介して、前記爪軸阻止部材が前記取付阻止位置に保持され、
前記爪軸阻止部材は、前記姿勢検出部であり、且つ、前記爪軸牽制部であり、
前記正転阻止部材は、前記正転検出部であり、且つ、前記正転牽制部である請求項7に記載の歩行型管理機。
【請求項9】
前記操作部は、前記爪軸部の円周方向の全周に亘って設けられ、前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸の回転方向のどの位相で取り付けられても、前記爪軸阻止部材に当たる請求項8に記載の歩行型管理機。
【請求項10】
前記耕耘装置は、前記駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けられる第1の前記爪軸部と、前記駆動軸の右部及び左部の他方に取り付けられる第2の前記爪軸部とを有し、
前記爪軸部の前記駆動軸の右部への取り付けを阻止する前記取付阻止位置、及び、前記爪軸部の前記駆動軸の右部への取り付けを許容する前記取付許容位置に操作可能な右の前記爪軸阻止部材と、
前記爪軸部の前記駆動軸の左部への取り付けを阻止する前記取付阻止位置、及び、前記爪軸部の前記駆動軸の左部への取り付けを許容する前記取付許容位置に操作可能な左の前記爪軸阻止部材とが備えられ、
右の前記爪軸阻止部材が前記取付許容位置に操作されること、及び、左の前記爪軸阻止部材が前記取付許容位置に操作されることの少なくとも一方により、前記連係部材を介して、前記正転阻止部材が前記正転阻止位置に操作される請求項8に記載の歩行型管理機。
【請求項11】
前記伝動装置が前記正転位置に操作されると、前記正転阻止部材及び前記連係部材を介して、右の前記爪軸阻止部材及び左の前記爪軸阻止部材が前記取付阻止位置に保持される請求項10に記載の歩行型管理機。
【請求項12】
前記耕耘装置は、前記駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けられる第1の前記爪軸部と、前記駆動軸の右部及び左部の他方に取り付けられる第2の前記爪軸部とを有し、
第1の前記爪軸部及び第2の前記爪軸部は、前記耕耘爪が背面視で前記耕耘装置の左右中央部側に向く内向き姿勢と、前記耕耘爪が背面視で前記耕耘装置の左右中央部に対して外方に向く外向き姿勢とに、前記駆動軸に取付可能であり、
前記操作部は、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記内向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記爪軸阻止部材に当たることにより、前記爪軸阻止部材を前記取付許容位置に操作可能、且つ、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記外向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記爪軸阻止部材に当たることにより、前記爪軸阻止部材を前記取付許容位置に操作可能であり、
前記操作部に設けられ、前記爪軸部が前記正向き姿勢及び前記内向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記操作部が前記爪軸阻止部材に当たることを回避させ、且つ、前記爪軸部が前記正向き姿勢及び前記外向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記操作部が前記爪軸阻止部材に当たることを回避させる回避部が備えられ、
前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記内向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記操作部により前記爪軸阻止部材が前記取付許容位置に操作され、且つ、前記連係部材を介して、前記正転阻止部材が前記正転阻止位置に操作され、
前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記外向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記操作部により前記爪軸阻止部材が前記取付許容位置に操作され、且つ、前記連係部材を介して、前記正転阻止部材が前記正転阻止位置に操作される請求項8に記載の歩行型管理機。
【請求項13】
前記操作部は、前記爪軸部の円周方向の全周に亘って設けられ、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記内向き姿勢で前記駆動軸の回転方向のどの位相で取り付けられても、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記外向き姿勢で前記駆動軸の回転方向のどの位相で前記駆動軸に取り付けられても、前記爪軸阻止部材に当たり、
前記回避部は、前記操作部の円周方向の全周に亘って設けられ、前記爪軸部が前記正向き姿勢及び前記内向き姿勢で前記駆動軸の回転方向のどの位相で取り付けられても、前記爪軸部が前記正向き姿勢及び前記外向き姿勢で前記駆動軸の回転方向のどの位相で前記駆動軸に取り付けられても、前記操作部が前記爪軸阻止部材に当たることを回避させる請求項12に記載の歩行型管理機。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行装置により支持された機体の後部に耕耘装置が設けられた歩行型管理機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、耕耘装置は、機体の駆動軸に取り付けられる爪軸部と、爪軸部に取り付けられた耕耘爪とを有している。耕耘装置において、爪軸部(駆動軸)は、耕耘爪が爪軸部に対して上側から前側を通過して地面に突入し、地面の土を後方に向けて押し出す正転方向に回転駆動される(特許文献1の図1のR1を参照)。
【0003】
爪軸部は、耕耘爪における爪軸部から半径方向外方の部分ほど、正転方向の上手側に位置する正向き姿勢(特許文献1の図1の30(28)を参照)で、駆動軸に取り付けられる。これにより、歩行型管理機において、爪軸部が正向き姿勢で駆動軸に取り付けられ、爪軸部が正転方向に回転駆動される状態が、通常の耕耘状態である。
【0004】
耕耘装置では、前述の正向き姿勢に対して、耕耘爪における爪軸部から半径方向外方の部分ほど、正転方向の下手側に位置する逆向き姿勢で、爪軸部が駆動軸に取付可能に構成され、爪軸部が正向き姿勢及び逆向き姿勢に変更可能に構成されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-10384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
耕耘装置において、爪軸部が、逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられて、正転方向に回転駆動されると、耕耘爪の中間部よりも先に耕耘爪の先端部が地面に突入することになるので、地面からの大きな反力により、耕耘装置を前方に強く押し出す力が発生する。
これにより、耕耘装置を前方に強く押し出す力によって、歩行型管理機が前方に押し出される状態(以下、ダッシングと称する)が発生することがある。
【0007】
本発明は、爪軸部が正向き姿勢及び逆向き姿勢に変更可能に構成された耕耘装置を装備した歩行型管理機において、ダッシングの発生を回避することができるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の歩行型管理機は、走行装置により支持された機体と、前記機体の後部に左右方向に沿って支持された駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられる爪軸部と、前記爪軸部に取り付けられた耕耘爪とを有し、前記駆動軸により駆動される耕耘装置と、前記耕耘爪が、前記爪軸部に対して上側から前側を通過して地面に突入し、地面の土を後方に向けて押し出す正転方向に前記駆動軸が回転駆動される動力を、前記駆動軸に伝達する正転位置、及び、前記駆動軸への動力を遮断する停止位置に操作可能な伝動装置と、前記爪軸部は、前記耕耘爪における前記爪軸部から半径方向外方の部分ほど、前記正転方向の上手側に位置する正向き姿勢と、前記耕耘爪における前記爪軸部から半径方向外方の部分ほど、前記正転方向の下手側に位置する逆向き姿勢とに、前記駆動軸に取付可能であり、前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられ且つ前記伝動装置が前記正転位置に操作された状態の発生を阻止する牽制部を備えている。
【0009】
本発明によると、爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられ且つ爪軸部(駆動軸)が正転方向に回転駆動される状態を、牽制部よって回避することができるので、爪軸部が正向き姿勢及び逆向き姿勢に変更可能に構成された耕耘装置を装備した歩行型管理機において、ダッシングが回避され易くなる。
【0010】
本発明において、前記牽制部は、前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられたことを検出する姿勢検出部と、前記姿勢検出部により前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられたことが検出されると、前記伝動装置の前記正転位置への操作を阻止する正転牽制部とを有していると好適である。
【0011】
本発明によると、耕耘装置において爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられると、このことが姿勢検出部により検出される。
前述の状態で、作業者が伝動装置を正転位置に操作しようとしても、姿勢検出部の検出に基づいて、正転牽制部により伝動装置の正転位置への操作が阻止されるので、作業者は爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられていることを認識することができる。
これにより、作業者は、耕耘装置において爪軸部を正向き姿勢で駆動軸に取り付ければよく、この後に伝動装置を正転位置に操作することができる。
【0012】
本発明において、前記耕耘装置は、前記駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けられる第1の前記爪軸部と、前記駆動軸の右部及び左部の他方に取り付けられる第2の前記爪軸部とを有し、前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸の右部に取り付けられたことを検出する右の前記姿勢検出部と、前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸の左部に取り付けられたことを検出する左の前記姿勢検出部とが備えられ、前記正転牽制部は、右の前記姿勢検出部により前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸の右部に取り付けられたことが検出されること、及び、左の前記姿勢検出部により前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸の左部に取り付けられたことが検出されたことの少なくとも一方により、前記伝動装置の前記正転位置への操作を阻止すると好適である。
【0013】
耕耘装置では、駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けられる第1の爪軸部と、駆動軸の右部及び左部の他方に取り付けられる第2の爪軸部とを有したものがある。
本発明によると、右の姿勢検出部と左の姿勢検出部とが備えられており、第1の爪駆動軸及び第2の爪駆動軸の一方でも逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられると、正転牽制部が機能するので、歩行型管理機のダッシングの回避の面で有利である。
【0014】
本発明において、第1の前記爪軸部及び第2の前記爪軸部は、前記耕耘爪が背面視で前記耕耘装置の左右中央部側に向く内向き姿勢と、前記耕耘爪が背面視で前記耕耘装置の左右中央部に対して外方に向く外向き姿勢とに、前記駆動軸に取付可能であり、前記姿勢検出部は、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記内向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられたことを検出し、且つ、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記外向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられたことを検出すると好適である。
【0015】
耕耘装置では、第1の爪軸部及び第2の爪軸部が設けられた場合、第1の爪軸部を駆動軸の右部に取り付け、第2の爪軸部を駆動軸の左部に取り付けたり、逆に第1の爪軸部を駆動軸の左部に取り付け、第2の爪軸部を駆動軸の右部に取り付けたりすることができるように構成されることがある。
これにより、爪軸部を内向き姿勢で駆動軸に取り付けることができ、爪軸部を外向き姿勢で駆動軸に取り付けることができる。
【0016】
本発明によると、爪軸部が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸に取り付けられても、爪軸部が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸に取り付けられても、このことが姿勢検出部により検出される。
これにより、爪軸部が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸に取り付けられても、爪軸部が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸に取り付けられても、正転牽制部が機能するので、歩行型管理機でのダッシングの回避の面で有利である。
【0017】
本発明において、前記牽制部は、前記伝動装置が前記正転位置に操作されたことを検出する正転検出部と、前記正転検出部により前記伝動装置が前記正転位置に操作されたことが検出されると、前記爪軸部の前記逆向き姿勢での前記駆動軸への取り付けを阻止する爪軸牽制部とを有していると好適である。
【0018】
本発明によると、伝動装置が正転位置に操作されると、このことが正転検出部により検出される。
前述の状態で、作業者が爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸に取り付けようとしても、正転検出部の検出に基づいて、爪軸牽制部により爪軸部の逆向き姿勢での駆動軸への取り付けが阻止されるので、作業者は爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸に取り付けようとしたことを認識することができる。
これにより、作業者は、爪軸部を正向き姿勢で駆動軸に取り付ければよい。
【0019】
本発明において、前記耕耘装置は、前記駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けられる第1の前記爪軸部と、前記駆動軸の右部及び左部の他方に取り付けられる第2の前記爪軸部とを有し、前記爪軸牽制部は、前記正転検出部により前記伝動装置が前記正転位置に操作されたことが検出されると、前記爪軸部の前記逆向き姿勢での前記駆動軸の右部への取り付けを阻止し、且つ、前記爪軸部の前記逆向き姿勢での前記駆動軸の左部への取り付けを阻止すると好適である。
【0020】
耕耘装置では、駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けられる第1の爪軸部と、駆動軸の右部及び左部の他方に取り付けられる第2の爪軸部とを有したものがある。
本発明によると、伝動装置が正転位置に操作されて、このことが正転検出部により検出されると、作業者が爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸の右部に取り付けようとしても、爪軸牽制部により爪軸部の逆向き姿勢での駆動軸の右部への取り付けが阻止される。同様に、作業者が爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸の左部に取り付けようとしても、爪軸牽制部により爪軸部の逆向き姿勢での駆動軸の左部への取り付けが阻止される。
【0021】
これにより、作業者は、爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けようとした早期の段階で、爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸に取り付けようとしたことを認識することができる。
【0022】
本発明において、前記牽制部は、前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられたことを検出する姿勢検出部と、前記伝動装置が前記正転位置に操作されたことを検出する正転検出部と、前記姿勢検出部により前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられたことが検出されると、前記伝動装置の前記正転位置への操作を阻止する正転牽制部と、前記正転検出部により前記伝動装置が前記正転位置に操作されたことが検出されると、前記爪軸部の前記逆向き姿勢での前記駆動軸への取り付けを阻止する爪軸牽制部とを有していると好適である。
【0023】
本発明によると、耕耘装置において爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられると、このことが姿勢検出部により検出される。
前述の状態で、作業者が伝動装置を正転位置に操作しようとしても、姿勢検出部の検出に基づいて、正転牽制部により伝動装置の正転位置への操作が阻止されるので、作業者は爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられていることを認識することができる。
これにより、作業者は、耕耘装置において爪軸部を正向き姿勢で駆動軸に取り付ければよく、この後に伝動装置を正転位置に操作することができる。
【0024】
本発明によると、伝動装置が正転位置に操作されると、このことが正転検出部により検出される。
前述の状態で、作業者が爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸に取り付けようとしても、正転検出部の検出に基づいて、爪軸牽制部により爪軸部の逆向き姿勢での駆動軸への取り付けが阻止されるので、作業者は爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸に取り付けようとしたことを認識することができる。
これにより、作業者は、爪軸部を正向き姿勢で駆動軸に取り付ければよい。
【0025】
以上のように、本発明によると、爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられて、爪軸部(駆動軸)が正転方向に回転駆動される状態を回避することができるので、歩行型管理機のダッシングの回避の面で有利である。
【0026】
本発明において、前記爪軸部の前記駆動軸への取り付けを阻止する取付阻止位置、及び、前記爪軸部の前記駆動軸への取り付けを許容する取付許容位置に操作可能な爪軸阻止部材と、前記爪軸部に設けられ、前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記爪軸阻止部材に当たることにより、前記爪軸阻止部材を前記取付許容位置に操作可能な操作部と、前記伝動装置の前記正転位置への操作を阻止する正転阻止位置、及び、前記伝動装置の前記正転位置への操作を許容し且つ前記伝動装置が前記正転位置に操作されると前記正転阻止位置への操作が阻止される正転許容位置に操作可能な正転阻止部材と、前記正転阻止部材と前記爪軸阻止部材とに亘って接続された連係部材とが備えられ、前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記操作部により前記爪軸阻止部材が前記取付許容位置に操作され、且つ、前記連係部材を介して、前記正転阻止部材が前記正転阻止位置に操作され、前記正転阻止部材が前記正転許容位置に操作されると、前記連係部材を介して、前記爪軸阻止部材が前記取付阻止位置に操作され、前記伝動装置が前記正転位置に操作されると、前記正転阻止部材及び前記連係部材を介して、前記爪軸阻止部材が前記取付阻止位置に保持され、前記爪軸阻止部材は、前記姿勢検出部であり、且つ、前記爪軸牽制部であり、前記正転阻止部材は、前記正転検出部であり、且つ、前記正転牽制部であると好適である。
【0027】
本発明によると、正転阻止部材と爪軸阻止部材とが設けられ、正転阻止部材と爪軸阻止部材とが連係部材を介して接続される。爪軸阻止部材が取付許容位置に操作されると、連係部材を介して正転阻止部材が正転阻止位置に操作され、正転阻止部材が正転許容位置に操作されると、連係部材を介して爪軸阻止部材が取付阻止位置に操作される。
【0028】
本発明によると、伝動装置が正転位置に操作されていない状態で、爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられると、爪軸部の操作部が爪軸阻止部材に当たり、爪軸部の操作部により爪軸阻止部材が取付許容位置に操作される。爪軸阻止部材が取付許容位置に操作されると、この操作が連係部材を介して正転阻止部材に伝達され、正転阻止部材が前進阻止位置に操作される。
これにより、作業者は、伝動装置を正転位置に操作しようとしても、正転阻止位置に操作された正転阻止部材により、伝動装置を正転位置に操作することができない。
【0029】
本発明によると、爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられていない状態(爪軸阻止部材が取付阻止位置に操作されている状態)で、伝動装置が正転位置に操作されると、正転阻止部材は正転阻止位置に移動することができずに正転許容位置に保持されるので、正転阻止部材及び連係部材を介して、爪軸阻止部材が取付阻止位置に保持される。
これにより、作業者は、爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸に取り付けようとしても、取付阻止位置に保持された爪軸阻止部材に爪軸部の操作部が当たることにより、爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸に取り付けることができない。
【0030】
以上のように、本発明によると、正転阻止部材及び爪軸阻止部材を設けた場合、正転阻止部材と爪軸阻止部材とを、連係部材を介して機械的に接続するという簡素な構成によって、爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられて、爪軸部(駆動軸)が正転方向に回転駆動される状態を回避することができるので、構造の簡素化を図ることができる。
【0031】
本発明によると、爪軸阻止部材は、爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられたことを検出する姿勢検出部の機能と、爪軸部の逆向き姿勢での駆動軸への取り付けを阻止する爪軸牽制部の機能とを備えているので、機能の兼用化により、構造の簡素化を図ることができる。
【0032】
本発明によると、正転阻止部材は、伝動装置が正転位置に操作されたことを検出する正転検出部の機能と、伝動装置の正転位置への操作を阻止する正転牽制部の機能とを備えているので、機能の兼用化により、構造の簡素化を図ることができる。
【0033】
本発明において、前記操作部は、前記爪軸部の円周方向の全周に亘って設けられ、前記爪軸部が前記逆向き姿勢で前記駆動軸の回転方向のどの位相で取り付けられても、前記爪軸阻止部材に当たると好適である。
【0034】
耕耘装置において、駆動軸を停止させてから爪軸部を駆動軸に取り付ける場合、駆動軸はどの回転位相で停止するか分からないので、爪軸部が駆動軸の回転方向のどの位相で駆動軸に取り付けられるかは分からない。
【0035】
本発明によると、操作部が爪軸部の円周方向の全周に亘って設けられており、爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸の回転方向のどの位相で取り付けられても、操作部は爪軸阻止部材に当たる。
これにより、爪軸部が逆向き姿勢で駆動軸の回転方向のどの位相で取り付けられても(取り付けられようとしても)、爪軸阻止部材は姿勢検出部として機能し爪軸牽制部として機能することができるので、歩行型管理機でのダッシングの回避の面で有利である。
【0036】
本発明において、前記耕耘装置は、前記駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けられる第1の前記爪軸部と、前記駆動軸の右部及び左部の他方に取り付けられる第2の前記爪軸部とを有し、前記爪軸部の前記駆動軸の右部への取り付けを阻止する前記取付阻止位置、及び、前記爪軸部の前記駆動軸の右部への取り付けを許容する前記取付許容位置に操作可能な右の前記爪軸阻止部材と、前記爪軸部の前記駆動軸の左部への取り付けを阻止する前記取付阻止位置、及び、前記爪軸部の前記駆動軸の左部への取り付けを許容する前記取付許容位置に操作可能な左の前記爪軸阻止部材とが備えられ、右の前記爪軸阻止部材が前記取付許容位置に操作されること、及び、左の前記爪軸阻止部材が前記取付許容位置に操作されることの少なくとも一方により、前記連係部材を介して、前記正転阻止部材が前記正転阻止位置に操作されると好適である。
【0037】
耕耘装置では、駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けられる第1の爪軸部と、駆動軸の右部及び左部の他方に取り付けられる第2の爪軸部とを有したものがある。
本発明によると、右の爪軸阻止部材と左の爪軸阻止部材とが備えられており、第1の爪駆動軸及び第2の爪駆動軸の一方でも逆向き姿勢で駆動軸に取り付けられると、正転阻止部材が正転牽制部として機能するので、歩行型管理機のダッシングの回避の面で有利である。
【0038】
本発明において、前記伝動装置が前記正転位置に操作されると、前記正転阻止部材及び前記連係部材を介して、右の前記爪軸阻止部材及び左の前記爪軸阻止部材が前記取付阻止位置に保持されると好適である。
【0039】
本発明によると、伝動装置が正転位置に操作されて、正転阻止部材が正転許容位置に保持されると、正転阻止部材及び連係部材を介して、右の爪軸阻止部材及び左の爪軸阻止部材が取付阻止位置に保持される。
作業者が爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸の右部に取り付けようとしても、右の爪軸阻止部材により爪軸部の逆向き姿勢での駆動軸の右部への取り付けが阻止される。同様に、作業者が爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸の左部に取り付けようとしても、左の爪軸阻止部材により爪軸部の逆向き姿勢での駆動軸の左部への取り付けが阻止される。
これにより、作業者は、爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けようとした早期の段階で、爪軸部を逆向き姿勢で駆動軸に取り付けようとしたことを認識することができる。
【0040】
本発明において、前記耕耘装置は、前記駆動軸の右部及び左部の一方に取り付けられる第1の前記爪軸部と、前記駆動軸の右部及び左部の他方に取り付けられる第2の前記爪軸部とを有し、第1の前記爪軸部及び第2の前記爪軸部は、前記耕耘爪が背面視で前記耕耘装置の左右中央部側に向く内向き姿勢と、前記耕耘爪が背面視で前記耕耘装置の左右中央部に対して外方に向く外向き姿勢とに、前記駆動軸に取付可能であり、前記操作部は、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記内向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記爪軸阻止部材に当たることにより、前記爪軸阻止部材を前記取付許容位置に操作可能、且つ、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記外向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記爪軸阻止部材に当たることにより、前記爪軸阻止部材を前記取付許容位置に操作可能であり、前記操作部に設けられ、前記爪軸部が前記正向き姿勢及び前記内向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記操作部が前記爪軸阻止部材に当たることを回避させ、且つ、前記爪軸部が前記正向き姿勢及び前記外向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記操作部が前記爪軸阻止部材に当たることを回避させる回避部が備えられ、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記内向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記操作部により前記爪軸阻止部材が前記取付許容位置に操作され、且つ、前記連係部材を介して、前記正転阻止部材が前記正転阻止位置に操作され、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記外向き姿勢で前記駆動軸に取り付けられると、前記操作部により前記爪軸阻止部材が前記取付許容位置に操作され、且つ、前記連係部材を介して、前記正転阻止部材が前記正転阻止位置に操作されると好適である。
【0041】
本発明によると、伝動装置が正転位置に操作されていない状態で、爪軸部が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸に取り付けられると(爪軸部が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸に取り付けられると)、爪軸阻止部材が取付許容位置に操作され、正転阻止部材が正転阻止位置に操作されるので、作業者は伝動装置を正転位置に操作することができない。
【0042】
本発明によると、伝動装置が正転位置に操作されて、正転阻止部材が正転許容位置に保持されると、作業者は、爪軸部を逆向き姿勢及び内向き姿勢(逆向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸に取り付けようとしても、爪軸部を逆向き姿勢及び内向き姿勢(逆向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸に取り付けることができない。
【0043】
これにより、爪軸部が逆向き姿勢及び内向き姿勢(逆向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸に取り付けられて、爪軸部(駆動軸)が正転方向に回転駆動される状態を回避することができるので、歩行型管理機のダッシングの回避の面で有利である。
【0044】
耕耘装置では、第1の爪軸部及び第2の爪軸部が設けられた場合、爪軸部が逆向き姿勢及び内向き姿勢(逆向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸に取り付けられることが可能であることに加えて、爪軸部が正向き姿勢及び内向き姿勢(正向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸に取り付けられることも可能である。
【0045】
本発明によると、爪軸部が正向き姿勢及び内向き姿勢(正向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸に取り付けられても、回避部により操作部が爪軸阻止部材に当たることはなく、爪軸阻止部材が取付許容位置に操作されることはないので、正転阻止部材が正転阻止位置に操作されることはない。
これにより、爪軸部が正向き姿勢及び内向き姿勢(正向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸に取り付けられた状態で、伝動装置が支障なく正転位置に操作可能になるので、歩行型管理機の作業性の低下を招くことはない。
【0046】
本発明によると、伝動装置が正転位置に操作されて、爪軸阻止部材が取付阻止位置に保持されても、爪軸部が正向き姿勢及び内向き姿勢(正向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸に取り付けられる際、回避部により操作部が爪軸阻止部材に当たることはない。
これにより、爪軸部が正向き姿勢及び内向き姿勢(正向き姿勢及び外向き姿勢)で支障なく駆動軸に取り付けられるので、歩行型管理機の作業性の低下を招くことはない。
【0047】
本発明において、前記操作部は、前記爪軸部の円周方向の全周に亘って設けられ、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記内向き姿勢で前記駆動軸の回転方向のどの位相で取り付けられても、前記爪軸部が前記逆向き姿勢及び前記外向き姿勢で前記駆動軸の回転方向のどの位相で前記駆動軸に取り付けられても、前記爪軸阻止部材に当たり、前記回避部は、前記操作部の円周方向の全周に亘って設けられ、前記爪軸部が前記正向き姿勢及び前記内向き姿勢で前記駆動軸の回転方向のどの位相で取り付けられても、前記爪軸部が前記正向き姿勢及び前記外向き姿勢で前記駆動軸の回転方向のどの位相で前記駆動軸に取り付けられても、前記操作部が前記爪軸阻止部材に当たることを回避させると好適である。
【0048】
耕耘装置において、駆動軸を停止させてから爪軸部を駆動軸に取り付ける場合、駆動軸はどの回転位相で停止するか分からないので、爪軸部が駆動軸の回転方向のどの位相で駆動軸に取り付けられるかは分からない。
【0049】
本発明によると、操作部が爪軸部の円周方向の全周に亘って設けられており、爪軸部が逆向き姿勢及び内向き姿勢(逆向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸の回転方向のどの位相で取り付けられても(取り付けられようとしても)、操作部は爪軸阻止部材に当たる。
これにより、爪軸部が逆向き姿勢及び内向き姿勢(逆向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸の回転方向のどの位相で取り付けられても(取り付けられようとしても)、爪軸阻止部材は姿勢検出部として機能し爪軸牽制部として機能することができるので、歩行型管理機でのダッシングの回避の面で有利である。
【0050】
本発明によると、回避部が操作部の円周方向の全周に亘って設けられており、爪軸部が逆向き姿勢及び内向き姿勢(逆向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸の回転方向のどの位相で取り付けられても(取り付けられようとしても)、回避部により操作部が爪軸阻止部材に当たることはない。
これにより、爪軸部が正向き姿勢及び内向き姿勢(正向き姿勢及び外向き姿勢)で支障なく駆動軸に取り付けられるので、歩行型管理機の作業性の低下を招くことはない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】歩行型管理機の右側面図である。
図2】伝動ケースの内部の伝動系を示す概略図である。
図3】レバーガイドの平面図である。
図4】耕耘装置における爪軸部及び耕耘爪の背面図である。
図5】伝動ケースの内部を示す左側面図である。
図6】正転阻止部材の付近の右側面図である。
図7】正転阻止部材の付近の正面図である。
図8】爪軸阻止部材及び駆動軸の付近の背面図である。
図9】爪軸阻止部材及び駆動軸の付近の平面図である。
図10】爪軸部が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸に取り付けられて、変速レバーを正転位置に操作できない状態を示す概略図である。
図11】爪軸部が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸に取り付けられて、変速レバーを正転位置に操作できない状態を示す概略図である。
図12】変速レバーが正転位置に操作されて、爪軸部を逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸に取り付けることができない状態を示す概略図である。
図13】変速レバーが正転位置に操作されて、爪軸部を逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸に取り付けることができない状態を示す概略図である。
図14】爪軸部が正向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸に取り付けられて、変速レバーが正転位置に操作可能な状態を示す概略図である。
図15】爪軸部が正向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸に取り付けられて、変速レバーが正転位置に操作可能な状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1図15に歩行型管理機が示されており、図1図15において、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示し、Rは右方向を示し、Lは左方向を示している。
【0053】
(歩行型管理機の全体構成)
図1に示すように、右及び左の走行用の車輪1(走行装置に相当)が、伝動ケース2(機体に相当)の下部に設けられて、伝動ケース2が車輪1により支持されている。支持フレーム3が伝動ケース2の前部に連結されて、エンジン4が支持フレーム3に支持されている。
【0054】
操縦ハンドル5が、伝動ケース2の上部に連結されて、伝動ケース2から斜め後方上方に向けて延出されており、変速レバー6が、伝動ケース2から斜め後方上方に向けて延出されている。ロータリ型式の耕耘装置7が、伝動ケース2の後部に設けられている。
【0055】
図2に示すように、入力軸8が、伝動ケース2の上部に左右方向に沿って支持されており、エンジン4の動力が伝動ベルト9を介して入力軸8に伝達されている。走行用の変速装置10が伝動ケース2の内部に設けられており、入力軸8の動力が、後述するように変速装置10により変速されて車輪1に伝達される。
【0056】
駆動軸11が、左右方向に沿って伝動ケース2の後部に支持されている。正逆転装置12(伝動装置に相当)が伝動ケース2の内部に設けられており、入力軸8の動力が、後述するように正逆転装置12からの正転動力及び逆転動力が駆動軸11に伝達され、駆動軸11が回転駆動されて、駆動軸11により耕耘装置7が駆動される。
【0057】
以上の構成により、図1に示すように、走行装置(車輪1)により支持された機体(伝動ケース2)が備えられている。機体(伝動ケース2)の後部に左右方向に沿って支持された駆動軸11が備えられている。
【0058】
(変速装置の構成)
図2に示すように、変速装置10は、前進2段及び後進1段に変速可能に、以下の説明のように構成されており、変速レバー6により操作される。
【0059】
伝動軸13,14,15が、入力軸8と平行に伝動ケース2の内部に支持されている。シフトギヤ16が、スプライン構造により入力軸8と一体回転及びスライド可能に支持されており、シフトギヤ17が、伝動軸13に対して回転可能及びスライド可能に支持されている。伝動ギヤ18,19が伝動軸14に連結され、伝動ギヤ20が伝動軸15に連結されており、伝動ギヤ19と伝動ギヤ20とが咬合している。
【0060】
デフ装置21が伝動ケース2の下部に設けられており、伝動チェーン22が伝動軸15とデフ装置21とに亘って取り付けられている。右及び左の車軸23が、デフ装置21から右方及び左方に延出されており、車輪1が車軸23に取り付けられている。
【0061】
シフトギヤ16をスライド操作するシフトフォーク24が設けられている。シフトフォーク24によりシフトギヤ16は、伝動ギヤ18と咬合する位置、シフトギヤ17と咬合する位置、伝動ギヤ18及びシフトギヤ17と咬合しない位置の3位置に操作される。
【0062】
シフトギヤ17をスライド操作するシフトフォーク25が設けられている。シフトフォーク25によりシフトギヤ17は、伝動ギヤ18と咬合する位置、伝動ギヤ20と咬合する位置、伝動ギヤ18,20と咬合しない位置の3位置に操作される。
【0063】
(変速装置の変速操作)
図2及び図3に示すように、レバーガイド26が伝動ケース2の上部に取り付けられ、変速レバー6がレバーガイド26を通って斜め後方上方に向けて延出されている。変速レバー6により、シフトフォーク24及びシフトギヤ16と、シフトフォーク25及びシフトギヤ17とが、以下の説明のように操作される。
【0064】
図2及び図3に示す状態は、変速レバー6が中立位置N1に操作された状態であり、シフトギヤ16が伝動ギヤ18及びシフトギヤ17と咬合しない位置に操作され、シフトギヤ17が伝動ギヤ18,20と咬合しない位置に操作された状態である。この状態において、入力軸8の動力は車輪1に伝達されず、車輪1は停止する。
【0065】
変速レバー6が中立位置N1から前進1速位置F1に操作されると、変速レバー6によりシフトフォーク24が操作され、シフトギヤ16は伝動ギヤ18と咬合する位置に操作される。この状態において、入力軸8の動力は、シフトギヤ16、伝動ギヤ18、伝動軸14、伝動ギヤ19,20、伝動軸15及び伝動チェーン22を介して、前進1速状態で車輪1に伝達される。
【0066】
変速レバー6が中立位置N1から中継位置N2に操作されると、変速レバー6によりシフトフォーク24が操作され、シフトギヤ16がシフトギヤ17と咬合する位置に操作される。変速レバー6が中継位置N2から中継位置N3に操作されると、シフトギヤ16がシフトギヤ17と咬合する位置に保持された状態で、変速レバー6によりシフトフォーク25が操作可能になる。
【0067】
変速レバー6が中継位置N3から前進2速位置F2に操作されると、変速レバー6によりシフトフォーク25が操作され、シフトギヤ17は、シフトギヤ16と咬合する状態を維持しながら、伝動ギヤ20と咬合する位置に操作される。この状態において、入力軸8の動力は、シフトギヤ16,17、伝動ギヤ20、伝動軸15及び伝動チェーン22を介して、前進2速状態で車輪1に伝達される。
【0068】
変速レバー6が中継位置N3から後進位置R1に操作されると、変速レバー6によりシフトフォーク25が操作され、シフトギヤ17は、シフトギヤ16と咬合する状態を維持しながら、伝動ギヤ18と咬合する位置に操作される。この状態において、入力軸8の動力は、シフトギヤ16,17、伝動ギヤ18、伝動軸14、伝動ギヤ19,20、伝動軸15及び伝動チェーン22を介して、後進状態で車輪1に伝達される。
【0069】
(正逆転装置の構成及び操作)
図2に示すように、正逆転装置12は、正転動力及び逆転動力を駆動軸11に伝達するように、以下の説明のように構成されており、変速レバー6により操作される。
【0070】
伝動ギヤ27と伝動ギヤ28とが一体で回転するように連結され、伝動ギヤ27,28が伝動軸13に対して回転可能に支持されている。伝動ギヤ29と伝動ギヤ30とが一体で回転するように連結され、伝動ギヤ29,30が伝動軸14に対して回転可能に支持されており、伝動ギヤ28と伝動ギヤ30とが咬合している。
作業クラッチ31が、伝動軸13と伝動ギヤ27,28との間に設けられ、伝動チェーン32が、伝動軸13と駆動軸11とに亘って取り付けられている。
【0071】
シフトギヤ33が、スプライン構造により入力軸8と一体回転及びスライド可能に支持されており、シフトギヤ33をスライド操作するシフトフォーク34が設けられている。シフトフォーク34によりシフトギヤ33は、伝動ギヤ27と咬合する位置、伝動ギヤ29と咬合する位置、伝動ギヤ27,29と咬合しない位置の3位置に操作される。
【0072】
図2及び図3に示すように、変速レバー6が、中立位置N1から前進1速位置F1に操作され、前進1速位置F1から停止位置N4に操作されると、シフトギヤ16が伝動ギヤ18と咬合する位置に保持された状態で、変速レバー6によりシフトフォーク34が操作可能になる。
【0073】
変速レバー6が前進1速位置F1及び停止位置N4に操作された状態において、シフトギヤ33は伝動ギヤ27,29と咬合しない位置(停止位置N4)に操作されており、入力軸8の動力は駆動軸11に伝達されず、駆動軸11は停止する。
【0074】
変速レバー6が停止位置N4から正転位置S11に操作されると、変速レバー6によりシフトフォーク34が操作され、シフトギヤ33は伝動ギヤ29と咬合する位置に操作される。この状態において、入力軸8の動力は、シフトギヤ33、伝動ギヤ29,30、伝動ギヤ27,28、作業クラッチ31、伝動軸13及び伝動チェーン32を介して、正転状態で駆動軸11に伝達される。正転状態において、駆動軸11は図1の時計方向の正転方向S12に回転駆動される。
【0075】
変速レバー6が停止位置N4から逆転位置G11に操作されると、変速レバー6によりシフトフォーク34が操作され、シフトギヤ33は伝動ギヤ27と咬合する位置に操作される。この状態において、入力軸8の動力は、シフトギヤ33、伝動ギヤ27,28、作業クラッチ31、伝動軸13及び伝動チェーン32を介して、逆転状態で駆動軸11に伝達される。逆転状態において、駆動軸11は図1の反時計方向の逆転方向G12に回転駆動される。
【0076】
(耕耘装置の構成)
図1及び図4に示すように、耕耘装置7は、第1の爪軸部35、第1の耕耘爪36、第2の爪軸部37、第2の耕耘爪38等を有している。
【0077】
爪軸部35,37は、丸パイプ状に構成されており、2個の取付孔35a,35bが爪軸部35に径方向に沿って開口され、2個の取付孔37a,37bが爪軸部37に径方向に沿って開口されている。
【0078】
大径の円板状の操作部40及びカバー39が、爪軸部35,37の一方の端部に連結され、小径の円板状の操作部41及びカバー39が、爪軸部35,37の他方の端部に連結されている。
【0079】
爪軸部35において、耕耘爪36が、操作部40に向く姿勢で爪軸部35に取り付けられている。爪軸部37において、耕耘爪38が、操作部41に向く姿勢で爪軸部37に取り付けられている。
【0080】
駆動軸11において、取付孔11a,11bが、駆動軸11の右部及び左部に径方向に沿って開口されている。爪軸部35,37が駆動軸11の右部及び左部に挿入され、連結ピン42が、爪軸部35,37の取付孔35a,35b,37a,37bと、駆動軸11の取付孔11a,11bとに亘って挿入されることにより、爪軸部35,37が駆動軸11に連結される。
【0081】
以上の構成により、図1及び図4に示すように、駆動軸11に取り付けられる爪軸部35,37と、爪軸部35,37に取り付けられた耕耘爪36,38とを有し、駆動軸11により駆動される耕耘装置7が備えられている。耕耘装置7は、駆動軸11の右部及び左部の一方に取り付けられる第1の爪軸部35と、駆動軸11の右部及び左部の他方に取り付けられる第2の爪軸部37とを有している。
【0082】
図1及び図2に示すように、耕耘爪36,38が、爪軸部35,37に対して上側から前側を通過して地面に突入し、地面の土を後方に向けて押し出す正転方向S12に駆動軸11が回転駆動される動力を、駆動軸11に伝達する正転位置S11、及び、駆動軸11への動力を遮断する停止位置N4に操作可能な伝動装置(正逆転装置12)が備えられている。
【0083】
(耕耘装置の駆動軸への取付状態)―1
耕耘装置7において、爪軸部35,37は、以下の説明のように、逆向き姿勢及び内向き姿勢、逆向き姿勢及び外向き姿勢、正向き姿勢及び内向き姿勢、正向き姿勢及び外向き姿勢の4種類の取付姿勢を選択して、駆動軸11に取り付けることができる。
【0084】
図4及び図10に示すように、爪軸部35が操作部40の側から駆動軸11の右部に挿入され、爪軸部37が操作部41の側から駆動軸11の左部に挿入されて、連結ピン42が、爪軸部35,37の取付孔35a,37aと駆動軸11の取付孔11a,11bとに亘って挿入されることにより、爪軸部35,37が駆動軸11に連結されたとする。
【0085】
図10に示す状態は、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢で、駆動軸11に取り付けられた状態である。
逆向き姿勢とは、耕耘爪36,38における爪軸部35,37から半径方向外方の部分ほど、正転方向S12の下手側に位置する姿勢である。
内向き姿勢とは、耕耘爪36,38が背面視(正面視)で耕耘装置7の左右中央部側(伝動ケース2の側)に向く姿勢である。
【0086】
図4及び図11に示すように、爪軸部35が操作部41の側から駆動軸11の左部に挿入され、爪軸部37が操作部40の側から駆動軸11の右部に挿入されて、連結ピン42が、爪軸部35,37の取付孔35b,37bと駆動軸11の取付孔11a,11bとに亘って挿入されることにより、爪軸部35,37が駆動軸11に連結されたとする。
【0087】
図11に示す状態は、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11に取り付けられた状態である。
外向き姿勢とは、耕耘爪36,38が背面視(正面視)で耕耘装置7の左右中央部(伝動ケース2)に対して外方に向く姿勢である。
【0088】
図4及び図14に示すように、爪軸部35が操作部40の側から駆動軸11の左部に挿入され、爪軸部37が操作部41の側から駆動軸11の右部に挿入されて、連結ピン42が、爪軸部35,37の取付孔35a,37aと駆動軸11の取付孔11a,11bとに亘って挿入されることにより、爪軸部35,37が駆動軸11に連結されたとする。
【0089】
図14に示す状態は、爪軸部35,37が正向き姿勢及び内向き姿勢で、駆動軸11に取り付けられた状態である。
正向き姿勢とは、耕耘爪36,38における爪軸部35,37から半径方向外方の部分ほど、正転方向S12の上手側に位置する姿勢である。
【0090】
図4及び図15に示すように、爪軸部35が操作部41の側から駆動軸11の右部に挿入され、爪軸部37が操作部40の側から駆動軸11の左部に挿入されて、連結ピン42が、爪軸部35,37の取付孔35b,37bと駆動軸11の取付孔11a,11bとに亘って挿入されることにより、爪軸部35,37が駆動軸11に連結されたとする。
図15に示す状態は、爪軸部35,37が正向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11に取り付けられた状態である。
【0091】
(耕耘装置の駆動軸への取付状態)―2
以上の構成により、図10,11,14,15に示すように、耕耘装置7において、爪軸部35,37は、耕耘爪36,38における爪軸部35,37から半径方向外方の部分ほど、正転方向S12の上手側に位置する正向き姿勢と、耕耘爪36,38における爪軸部35,37から半径方向外方の部分ほど、正転方向S12の下手側に位置する逆向き姿勢とに、駆動軸11に取付可能である。
【0092】
第1の爪軸部35及び第2の爪軸部37は、耕耘爪36,38が背面視で耕耘装置7の左右中央部側に向く内向き姿勢と、耕耘爪36,38が背面視で耕耘装置7の左右中央部に対して外方に向く外向き姿勢とに、駆動軸11に取付可能である。
【0093】
(爪軸阻止部材の構成)
図5,8,9に示すように、支点軸43が、伝動ケース2の後部において、駆動軸11の上方の部分に設けられており、チャンネル状の操作部材44が、支点軸43に沿った軸芯P1周り揺動可能に支点軸43に支持されている。
【0094】
右の爪軸阻止部材45(牽制部、姿勢検出部及び爪軸牽制部に相当)が、左右方向に沿ってスライド可能に、伝動ケース2の後部の右部に支持されており、右の爪軸阻止部材45が操作部材44に接続されている。
【0095】
操作部材47が、軸芯P1周り揺動可能に支点軸43に支持されている。左の爪軸阻止部材46(牽制部、姿勢検出部及び爪軸牽制部に相当)が、左右方向に沿ってスライド可能に、伝動ケース2の後部の左部に支持されている。接続ピン48が、操作部材44,47及び左の爪軸阻止部材46に亘って取り付けられている。
【0096】
図8及び図9に示す状態は、右及び左の爪軸阻止部材45,46が、伝動ケース2から外方に向けて突出した取付阻止位置A11に位置している状態であり、右及び左の爪軸阻止部材45,46は、伝動ケース2の内部に入り込んだ取付許容位置A12に移動可能である。
【0097】
右及び左の爪軸阻止部材45,46は、操作部材44,47及び接続ピン48により接続されている。これにより、右及び左の爪軸阻止部材45,46の一方が取付阻止位置A11に操作されると、操作部材44,47及び接続ピン48を介して、右及び左の爪軸阻止部材45,46の他方が取付阻止位置A11に操作される。
【0098】
同様に、右及び左の爪軸阻止部材45,46の一方が取付許容位置A12に操作されると、操作部材44,47及び接続ピン48を介して、右及び左の爪軸阻止部材45,46の他方が取付許容位置A12に操作される。
【0099】
(爪軸阻止部材と爪軸部の操作部との関係)
図8及び図9に示すように、駆動軸11の軸芯P3から右の爪軸阻止部材45までの長さL1と、駆動軸11の軸芯P3から左の爪軸阻止部材46までの長さL2とにおいて、長さL1が長さL2よりも長くなるように、右及び左の爪軸阻止部材45,46が設けられている。
【0100】
図4に示すように、操作部40,41は、円板状であり、爪軸部35,37の円周方向の全周に亘って設けられている。
図8に示すように、円板状の操作部40,41において、操作部40の半径RR1(駆動軸11の軸芯P3から操作部40の外周部の端部までの長さ)は、長さL1,L2よりも大きなものに設定されている。
【0101】
操作部40において、爪軸部35,37の中心から長さL2の部分に、爪軸部35,37の左右中央部に向く凹部40a(回避部に相当)が、操作部40の全周に亘って設けられている。凹部40aは、リング状であり、操作部40の円周方向の全周に亘って形成されている。
【0102】
図8に示すように、操作部41の半径RR2(駆動軸11の軸芯P3から操作部41の外周部の端部までの長さ)は、長さL1よりも小さく、長さL2よりも大きなものに設定されている。これにより、操作部41の外周部が回避部となっており、操作部41の外周部(回避部)は、操作部41の円周方向の全周に亘って形成されている。
【0103】
爪軸部35,37が操作部40の側から駆動軸11の右部に挿入されると、操作部40の外周部が右の爪軸阻止部材45に当たり、右の爪軸阻止部材45が取付阻止位置A11から取付許容位置A12に操作される。
【0104】
爪軸部35,37が操作部41の側から駆動軸11の右部に挿入されると、操作部41の外周部が右の爪軸阻止部材45に対して下側に入り込むので、右の爪軸阻止部材45は取付許容位置A12に操作されない。
【0105】
爪軸部35,37が操作部40の側から駆動軸11の左部に挿入されると、操作部40の凹部40aに左の爪軸阻止部材46が入り込むので、左の爪軸阻止部材46は取付許容位置A12に操作されない。
【0106】
爪軸部35,37が操作部41の側から駆動軸11の左部に挿入されると、操作部41の外周部が左の爪軸阻止部材46に当たり、左の爪軸阻止部材46が取付阻止位置A11から取付許容位置A12に操作される。
【0107】
(変速レバーの正転位置及び逆転位置への操作の構成)
図5,6,7に示すように、シフト軸49が、伝動ケース2の前部の上部において、入力軸8の上方の部分に左右方向に沿って設けられており、シフトフォーク34(図2参照)が左右方向に沿ってスライド可能にシフト軸49に支持されている。
【0108】
係合部34aがシフトフォーク34から上方に向けて延出されている。変速レバー6が前進1速位置F1から停止位置N4(図3参照)に操作されると、変速レバー6の下部がシフトフォーク34の係合部34aに係合する。
【0109】
変速レバー6が停止位置N4から正転位置S11(図3参照)に操作されると、変速レバー6によりシフトフォーク34が図7の左方にスライド操作されて、シフトギヤ33は伝動ギヤ29と咬合する位置に操作される(図2参照)。
【0110】
変速レバー6が停止位置N4から逆転位置G11(図3参照)に操作されると、変速レバー6によりシフトフォーク34が図7の右方にスライド操作されて、シフトギヤ33は伝動ギヤ27と咬合する位置に操作される(図2参照)。
【0111】
(正転阻止部材の構成)
図5,6,7に示すように、軸状の正転阻止部材50(牽制部、正転検出部及び正転牽制部に相当)が、伝動ケース2の前部の上部において、シフトフォーク34の係合部34aの上方の部分に左右方向に沿って設けられており、左右方向に沿った軸芯P2周りに回転可能に支持されている。
【0112】
正転阻止部材50の右端部にアーム50aが連結され、正転阻止部材50の左端部にアーム50bが連結されている。図6及び図7に示す状態は、側面視で正転阻止部材50のアーム50aが、シフトフォーク34の係合部34aよりも上側に位置する正転許容位置B12に、正転阻止部材50が操作された状態である。
【0113】
変速レバー6(シフトフォーク34)が停止位置N4又は逆転位置G11に操作された状態において、正転阻止部材50が図6の時計方向に少し回転操作されることにより、正転阻止部材50は、側面視で正転阻止部材50のアーム50aが、シフトフォーク34の係合部34aと重複する正転阻止位置B11に操作可能である。バネ51が正転阻止部材50に取り付けられて、バネ51により正転阻止部材50が正転許容位置B12に付勢されている。
【0114】
正転阻止部材50が正転許容位置B12に操作された状態において、変速レバー6(シフトフォーク34)は正転位置S11(図3参照)に操作可能である。
正転阻止部材50が正転許容位置B12に操作された状態で、変速レバー6(シフトフォーク34)が正転位置S11に操作されると(図7の左方に操作されると)、シフトフォーク34の係合部34aが、正転許容位置B12の正転阻止部材50のアーム50aの下方に入り込む。
【0115】
前述の状態になると、正転阻止部材50が正転許容位置B12から正転阻止位置B11に操作されようとしても、正転阻止部材50のアーム50aがシフトフォーク34の係合部34aに当たる。これにより、正転阻止部材50は、正転許容位置B12から正転阻止位置B11に操作されないのであり、正転許容位置B12に保持される。
【0116】
変速レバー6(シフトフォーク34)が停止位置N4又は逆転位置G11に操作された状態で、正転阻止部材50が正転阻止位置B11に操作されると、変速レバー6(シフトフォーク34)が正転位置S11に操作されようとしても、シフトフォーク34の係合部34aが正転阻止部材50のアーム50aに当たる。
【0117】
これにより、正転阻止部材50は正転許容位置B12から正転阻止位置B11に操作できないのであり、変速レバー6(シフトフォーク34)は停止位置N4から正転位置S11に操作できない。
【0118】
(正転阻止部材と爪軸阻止部材とに亘って接続された連係部材の構成)―1
図5図9に示すように、棒状の連係部材52が、伝動ケース2の内部において、正転阻止部材50のアーム50bと、爪軸阻止部材45,46の操作部材47とに亘って接続されている。
【0119】
図6図9に示す状態は、バネ51により正転阻止部材50が正転許容位置B12に操作され、正転阻止部材50により連係部材52が前方(正転阻止部材50の側)に引き操作されて、爪軸阻止部材45,46が取付阻止位置A11に操作された状態である。
【0120】
後述するように爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢(逆向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸11に取り付けられると、爪軸部35,37の操作部40,41により、爪軸阻止部材45,46が取付阻止位置A11から取付許容位置A12に操作される。
【0121】
爪軸阻止部材45,46が取付阻止位置A11から取付許容位置A12に操作されることにより、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢(逆向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸11に取り付けられたことが、爪軸阻止部材45,46により検出されたことになる。
【0122】
図6図9に示す状態において、爪軸阻止部材45,46が取付阻止位置A11から取付許容位置A12に操作されると、連係部材52が後方(爪軸阻止部材45,46の側)に向けて引き操作され、正転阻止部材50が正転許容位置B12から正転阻止位置B11に操作される。
【0123】
図6図9に示す状態において、変速レバー6(シフトフォーク34)が正転位置S11に操作されると、シフトフォーク34の係合部34aが、正転許容位置B12の正転阻止部材50のアーム50aの下方に入り込み、正転阻止部材50は正転阻止位置B11に操作できない(正転阻止部材50は正転許容位置B12に保持される)。
【0124】
正転阻止部材50が正転許容位置B12から正転阻止位置B11に操作できないことにより、変速レバー6(シフトフォーク34)が正転位置S11に操作されたこと、及び、正逆転装置12が正転位置S11に操作されたことが、正転阻止部材50により検出されたことになる。
【0125】
正転阻止部材50が正転許容位置B12に保持されると、連係部材52を介して、爪軸阻止部材45,46が取付阻止位置A11に保持される。
爪軸阻止部材45,46が取付阻止位置A11に保持されると、後述するように、爪軸部35,37の逆向き姿勢及び内向き姿勢(逆向き姿勢及び外向き姿勢)での駆動軸11への取り付けが、爪軸阻止部材45,46によって阻止される。
【0126】
(正転阻止部材と爪軸阻止部材とに亘って接続された連係部材の構成)―2
以上の構成により、図5図9に示すように、爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11に取り付けられ且つ伝動装置(正逆転装置12)が正転位置S11に操作された状態の発生を阻止する牽制部(爪軸阻止部材45,46及び正転阻止部材50)が備えられている。
【0127】
牽制部(爪軸阻止部材45,46及び正転阻止部材50)は、爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11に取り付けられたことを検出する姿勢検出部(爪軸阻止部材45,46)と、姿勢検出部(爪軸阻止部材45,46)により爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11に取り付けられたことが検出されると、伝動装置(正逆転装置12)の正転位置S11への操作を阻止する正転牽制部(正転阻止部材50)とを有している。
【0128】
爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11の右部に取り付けられたことを検出する右の姿勢検出部(右の爪軸阻止部材45)と、爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11の左部に取り付けられたことを検出する左の姿勢検出部(左の爪軸阻止部材46)とが備えられている。
【0129】
牽制部(爪軸阻止部材45,46及び正転阻止部材50)は、伝動装置(正逆転装置12)が正転位置S11に操作されたことを検出する正転検出部(正転阻止部材50)と、正転検出部(正転阻止部材50)により伝動装置(正逆転装置12)が正転位置S11に操作されたことが検出されると、爪軸部35,37の逆向き姿勢での駆動軸11への取り付けを阻止する爪軸牽制部(爪軸阻止部材45,46)とを有している。
【0130】
爪軸牽制部(爪軸阻止部材45,46)は、正転検出部(正転阻止部材50)により伝動装置(正逆転装置12)が正転位置S11に操作されたことが検出されると、爪軸部35,37の逆向き姿勢での駆動軸11の右部への取り付けを阻止し、且つ、爪軸部35,37の逆向き姿勢での駆動軸11の左部への取り付けを阻止する。
【0131】
牽制部(爪軸阻止部材45,46及び正転阻止部材50)は、爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11に取り付けられたことを検出する姿勢検出部(爪軸阻止部材45,46)と、伝動装置(正逆転装置12)が正転位置S11に操作されたことを検出する正転検出部(正転阻止部材50)と、姿勢検出部(爪軸阻止部材45,46)により爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11に取り付けられたことが検出されると、伝動装置(正逆転装置12)の正転位置S11への操作を阻止する正転牽制部(正転阻止部材50)と、正転検出部(正転阻止部材50)により伝動装置(正逆転装置12)が正転位置S11に操作されたことが検出されると、爪軸部35,37の逆向き姿勢での駆動軸11への取り付けを阻止する爪軸牽制部(爪軸阻止部材45,46)とを有している。
【0132】
(正転阻止部材と爪軸阻止部材とに亘って接続された連係部材の構成)―3
以上の構成により、図5図9に示すように、爪軸部35,37の駆動軸11への取り付けを阻止する取付阻止位置A11、及び、爪軸部35,37の駆動軸11への取り付けを許容する取付許容位置A12に操作可能な爪軸阻止部材45,46が備えられている。
【0133】
伝動装置(正逆転装置12)の正転位置S11への操作を阻止する正転阻止位置B11、及び、伝動装置(正逆転装置12)の正転位置S11への操作を許容し且つ伝動装置(正逆転装置12)が正転位置S11に操作されると正転阻止位置B11への操作が阻止される正転許容位置B12に操作可能な正転阻止部材50が備えられている。
【0134】
爪軸部35,37に設けられ、爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11に取り付けられると、爪軸阻止部材45,46に当たることにより、爪軸阻止部材45,46を取付許容位置A12に操作可能な操作部40,41が備えられている。
【0135】
正転阻止部材50と爪軸阻止部材45,46とに亘って接続された連係部材52が備えられている。
爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11に取り付けられると、操作部40,41により爪軸阻止部材45,46が取付許容位置A12に操作され、且つ、連係部材52を介して、正転阻止部材50が正転阻止位置B11に操作される。
【0136】
正転阻止部材50が正転許容位置B12に操作されると、連係部材52を介して、爪軸阻止部材45,46が取付阻止位置A11に操作され、伝動装置(正逆転装置12)が正転位置S11に操作されると、正転阻止部材50及び連係部材52を介して、爪軸阻止部材45,46が取付阻止位置A11に保持される。
爪軸阻止部材45,46は、姿勢検出部であり、且つ、爪軸牽制部である。正転阻止部材50は、正転検出部であり、且つ、正転牽制部である。
【0137】
(耕耘装置において、爪軸部が逆向き姿勢及び内向き姿勢、逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸に取り付けられた後の状態)―1
図4,8,10に示すように、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11に取り付けられる場合、爪軸部35が操作部40の側から駆動軸11の右部に挿入されると、爪軸部35の操作部40が右の爪軸阻止部材45に当たり、右の爪軸阻止部材45が取付許容位置A12に操作され、これに連動して左の爪軸阻止部材46が取付許容位置A12に操作される。
【0138】
爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11に取り付けられる場合、爪軸部37が操作部41の側から駆動軸11の左部に挿入されると、爪軸部37の操作部41が左の爪軸阻止部材46に当たり、左の爪軸阻止部材46が取付許容位置A12に操作され、これに連動して右の爪軸阻止部材45が取付許容位置A12に操作される。
【0139】
図4,8,11に示すように、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11に取り付けられる場合、爪軸部35が操作部41の側から駆動軸11の左部に挿入されると、爪軸部35の操作部41が左の爪軸阻止部材46に当たり、左の爪軸阻止部材46が取付許容位置A12に操作され、これに連動して右の爪軸阻止部材45が取付許容位置A12に操作される。
【0140】
爪軸部35,37が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11に取り付けられる場合、爪軸部37が操作部40の側から駆動軸11の右部に挿入されると、爪軸部37の操作部40が右の爪軸阻止部材45に当たり、右の爪軸阻止部材45が取付許容位置A12に操作され、これに連動して左の爪軸阻止部材46が取付許容位置A12に操作される。
【0141】
操作部40,41は円板状に形成されているので、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11の回転方向のどの位相で取り付けられても、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11の回転方向のどの位相で駆動軸11に取り付けられても、操作部40,41が爪軸阻止部材45,46に当たる。
【0142】
前述のように、爪軸阻止部材45,46が取付許容位置A12に操作されると、連係部材52を介して正転阻止部材50が正転阻止位置B11に操作されるので、変速レバー6(シフトフォーク34)を正転位置S11に操作することはできず、正逆転装置12を正転位置S11に操作することができない。
この場合、変速レバー6(シフトフォーク34)を逆転位置G11に操作することは可能であり、正逆転装置12を逆転位置G11に操作することはできる。
【0143】
(耕耘装置において、爪軸部が逆向き姿勢及び内向き姿勢、逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸に取り付けられた後の状態)―2
以上の構成により、図4及び図8に示すように、操作部40,41は、爪軸部35,37の円周方向の全周に亘って設けられ、爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11の回転方向のどの位相で取り付けられても、爪軸阻止部材45,46に当たる。
【0144】
図10及び図11に示すように、操作部40,41は、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11に取り付けられると、爪軸阻止部材45,46に当たることにより、爪軸阻止部材45,46を取付許容位置A12に操作可能、且つ、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11に取り付けられると、爪軸阻止部材45,46に当たることにより、爪軸阻止部材45,46を取付許容位置A12に操作可能である。
【0145】
操作部40,41は、爪軸部35,37の円周方向の全周に亘って設けられ、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11の回転方向のどの位相で取り付けられても、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11の回転方向のどの位相で駆動軸11に取り付けられても、爪軸阻止部材45,46に当たる。
【0146】
姿勢検出部(爪軸阻止部材45,46)は、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11に取り付けられたことを検出し、且つ、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11に取り付けられたことを検出する。
【0147】
爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11に取り付けられると、操作部40,41により爪軸阻止部材45,46が取付許容位置A12に操作され、且つ、連係部材52を介して、正転阻止部材50が正転阻止位置B11に操作される。
爪軸部35,37が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11に取り付けられると、操作部40,41により爪軸阻止部材45,46が取付許容位置A12に操作され、且つ、連係部材52を介して、正転阻止部材50が正転阻止位置B11に操作される。
【0148】
正転牽制部(正転阻止部材50)は、右の姿勢検出部(右の爪軸阻止部材45)により爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11の右部に取り付けられたことが検出されること、及び、左の姿勢検出部(左の爪軸阻止部材46)により爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11の左部に取り付けられたことが検出されたことの少なくとも一方により、伝動装置(正逆転装置12)の正転位置S11への操作を阻止する。
【0149】
爪軸部35,37の駆動軸11の右部への取り付けを阻止する取付阻止位置A11、及び、爪軸部35,37の駆動軸11の右部への取り付けを許容する取付許容位置A12に操作可能な右の爪軸阻止部材45が備えられている。
爪軸部35,37の駆動軸11の左部への取り付けを阻止する取付阻止位置A11、及び、爪軸部35,37の駆動軸11の左部への取り付けを許容する取付許容位置A12に操作可能な左の爪軸阻止部材46が備えられている。
右の爪軸阻止部材45が取付許容位置A12に操作されること、及び、左の爪軸阻止部材46が取付許容位置A12に操作されることの少なくとも一方により、連係部材52を介して、正転阻止部材50が正転阻止位置B11に操作される。
【0150】
伝動装置(正逆転装置12)が正転位置S11に操作されると、正転阻止部材50及び連係部材52を介して、右の爪軸阻止部材45及び左の爪軸阻止部材46が取付阻止位置A11に保持される。
【0151】
(耕耘装置において、正逆転装置が正転位置に操作された後の状態)
図12に示すように、正転阻止部材50が正転許容位置B12に操作された状態で、変速レバー6(シフトフォーク34)が正転位置S11に操作され、正逆転装置12が正転位置S11に操作されると、シフトフォーク34の係合部34aが、正転阻止部材50のアーム50aの下方に入り込む。
これにより、正転阻止部材50が正転許容位置B12に保持され、正転阻止部材50及び連係部材52を介して、爪軸阻止部材45,46が取付阻止位置A11に保持される。
【0152】
図4,8,12に示すように、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11に取り付けられる場合、爪軸部35が操作部40の側から駆動軸11の右部に挿入されると、爪軸部35の操作部40が右の爪軸阻止部材45に当たり、これ以上に爪軸部35を駆動軸11の右部に挿入できない。
【0153】
爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11に取り付けられる場合、爪軸部37が操作部41の側から駆動軸11の左部に挿入されると、爪軸部37の操作部41が左の爪軸阻止部材46に当たり、これ以上に爪軸部37を駆動軸11の左部に挿入できない。
【0154】
図4,8,13に示すように、爪軸部35,37が逆向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11に取り付けられる場合、爪軸部35が操作部41の側から駆動軸11の左部に挿入されると、爪軸部35の操作部41が左の爪軸阻止部材46に当たり、これ以上に爪軸部35を駆動軸11の左部に挿入できない。
【0155】
爪軸部35,37が逆向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11に取り付けられる場合、爪軸部37が操作部40の側から駆動軸11の右部に挿入されると、爪軸部37の操作部40が右の爪軸阻止部材45に当たり、これ以上に爪軸部37を駆動軸11の右部に挿入できない。
【0156】
前述のように、爪軸部35,37の操作部40,41が、取付阻止位置A11に保持された爪軸阻止部材45,46に当たっていると、図4に示す爪軸部35,37の取付孔35a,35b,37a,37bの位置と、駆動軸11の取付孔11a,11bの位置とが一致しない。
【0157】
これにより、連結ピン42を爪軸部35,37の取付孔35a,35b,37a,37bと駆動軸11の取付孔11a,11bとに亘って挿入することができず、爪軸部35,37を駆動軸11に連結することができない。
【0158】
(耕耘装置において、爪軸部が正向き姿勢及び内向き姿勢、正向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸に取り付けられる状態)―1
図4,8,14に示すように、爪軸部35が操作部40の側から駆動軸11の左部に挿入され、爪軸部37が操作部41の側から駆動軸11の右部に挿入されると、爪軸部35の操作部40の凹部40aに左の爪軸阻止部材46が入り込み、爪軸部37の操作部41の外周部が右の爪軸阻止部材45に対して下側に入り込む。
【0159】
これにより、図4に示す爪軸部35,37の35a,37aの位置と駆動軸11の取付孔11a,11bの位置とが一致するので、連結ピン42を、爪軸部35,37の35a,37aと駆動軸11の取付孔11a,11bとに亘って挿入することができ、爪軸部35,37を駆動軸11に連結することができる。この状態が、爪軸部35,37が正向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11に取り付けられた状態である。
【0160】
図4,8,15に示すように、爪軸部35が操作部41の側から駆動軸11の右部に挿入され、爪軸部37が操作部40の側から駆動軸11の左部に挿入されると、爪軸部35の操作部41の外周部が右の爪軸阻止部材45に対して下側に入り込み、爪軸部37の操作部40の凹部40aに左の爪軸阻止部材46が入り込む。
【0161】
これにより、爪軸部35,37の35b,37bの位置と駆動軸11の取付孔11a,11bの位置とが一致するので、連結ピン42を、爪軸部35,37の35b,37bと駆動軸11の取付孔11a,11bとに亘って挿入することができ、爪軸部35,37を駆動軸11に連結することができる。この状態が、爪軸部35,37が正向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11に取り付けられた状態である。
【0162】
爪軸部35,37が正向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11に取り付けられた場合、及び、爪軸部35,37が正向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11に取り付けられた場合、爪軸阻止部材45,46は取付許容位置A12に操作されない(取付阻止位置A11に残される)。
【0163】
これにより、正転阻止部材50は、正転阻止位置B11に操作されず、正転許容位置B12に残されるので、変速レバー6(シフトフォーク34)は正転位置S11に操作可能である。
【0164】
逆に変速レバー6(シフトフォーク34)に正転位置S11に操作され、正転阻止部材50が正転許容位置B12に保持され、爪軸阻止部材45,46が取付阻止位置A11に保持されていたとする。
【0165】
この状態において、前述のように爪軸部35,37が正向き姿勢及び内向き姿勢(正向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸11に取り付けられる場合、操作部40の凹部40aに左の爪軸阻止部材46が入り込み、操作部41の外周部が右の爪軸阻止部材45に対して下側に入り込むので、爪軸阻止部材45,46とは関係なく、爪軸部35,37が正向き姿勢及び内向き姿勢(正向き姿勢及び外向き姿勢)で駆動軸11に取り付けられる。
【0166】
操作部40の凹部40aは、リング状であり、操作部40の円周方向の全周に亘って形成されている。操作部41の外周部(回避部)は、操作部41の円周方向の全周に亘って形成されている。
【0167】
これにより、爪軸部35,37が正向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11の回転方向のどの位相で取り付けられても、爪軸部35,37が正向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11の回転方向のどの位相で駆動軸11に取り付けられても、操作部40,41が爪軸阻止部材45,46に当たることはない。
【0168】
(耕耘装置において、爪軸部が正向き姿勢及び内向き姿勢、正向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸に取り付けられる状態)―2
以上の構成により、図8,14,15に示すように、操作部40,41に設けられ、爪軸部35,37が正向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11に取り付けられると、操作部40,41が爪軸阻止部材45,46に当たることを回避させ、且つ、爪軸部35,37が正向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11に取り付けられると、操作部40,41が爪軸阻止部材45,46に当たることを回避させる回避部(凹部40a)が備えられている。
【0169】
回避部(凹部40a)は、操作部40,41の円周方向の全周に亘って設けられ、爪軸部35,37が正向き姿勢及び内向き姿勢で駆動軸11の回転方向のどの位相で取り付けられても、爪軸部35,37が正向き姿勢及び外向き姿勢で駆動軸11の回転方向のどの位相で駆動軸11に取り付けられても、操作部40,41が爪軸阻止部材45,46に当たることを回避させる。
【0170】
(発明の実施の第1別形態)
爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11に取り付けられたことを電気的に検出する姿勢検出センサー(図示せず)(姿勢検出部に相当)を備えてもよい。
前述の構成において、姿勢検出センサーにより爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11に取り付けられたことが検出されると、正逆転装置12(伝動装置)の正転位置S11への操作を阻止する正転牽制アクチュエータ(図示せず)(正転牽制部に相当)を備えればよい。
これにより、牽制部は、姿勢検出センサーと、正転牽制アクチュエータとを有する。
【0171】
(発明の実施の第2別形態)
正逆転装置12(伝動装置)が正転位置S11に操作されたことを電気的に検出する正転検出センサー(図示せず)(正転検出部に相当)を備えてもよい。
前述の構成において、正転検出センサーにより正逆転装置12(伝動装置)が正転位置S11に操作されたことが検出されると、爪軸部35,37の逆向き姿勢での駆動軸11への取り付けを阻止する爪軸牽制アクチュエータ(図示せず)(爪軸牽制部に相当)を備えればよい。
これにより、牽制部は、正転検出センサーと、爪軸牽制アクチュエータとを有する。
【0172】
(発明の実施の第3別形態)
爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11に取り付けられたことを電気的に検出する姿勢検出センサー(図示せず)(姿勢検出部に相当)を備え、正逆転装置12(伝動装置)が正転位置S11に操作されたことを電気的に検出する正転検出センサー(図示せず)(正転検出部に相当)を備えてもよい。
【0173】
前述の構成において、姿勢検出センサーにより爪軸部35,37が逆向き姿勢で駆動軸11に取り付けられたことが検出されると、正逆転装置12(伝動装置)の正転位置S11への操作を阻止する正転牽制アクチュエータ(図示せず)(正転牽制部に相当)を備えればよい。
【0174】
正転検出センサーにより正逆転装置12(伝動装置)が正転位置S11に操作されたことが検出されると、爪軸部35,37の逆向き姿勢での駆動軸11への取り付けを阻止する爪軸牽制アクチュエータ(図示せず)(爪軸牽制部に相当)を備えればよい。
これにより、牽制部は、姿勢検出センサーと、正転検出センサーと、正転牽制アクチュエータと、爪軸牽制アクチュエータとを有する。
【0175】
(発明の実施の第4別形態)
8個の耕耘爪36,38が爪軸部35,37に取り付けられてもよく、4個の耕耘爪36,38が爪軸部35,37に取り付けられてもよい。
車輪1に代えて、クローラ走行装置(図示せず)を走行装置として備えてもよい。
エンジン4に代えて電動モータ(図示せず)を原動部として備えてもよい。この場合、車輪1を駆動する電動モータと、耕耘装置7を駆動する電動モータとを、別々に備えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本発明は、走行装置により支持された機体の後部に耕耘装置が設けられた歩行型管理機に適用できる。
【符号の説明】
【0177】
1 車輪(走行装置)
2 伝動ケース(機体)
7 耕耘装置
11 駆動軸
12 正逆転装置(伝動装置)
35 爪軸部
36 耕耘爪
37 爪軸部
38 耕耘爪
40 操作部
40a 凹部(回避部)
41 操作部
45 爪軸阻止部材(牽制部)(姿勢検出部)(爪軸牽制部)
46 爪軸阻止部材(牽制部)(姿勢検出部)(爪軸牽制部)
50 正転阻止部材(牽制部)(正転検出部)(正転牽制部)
52 連係部材
A11 取付阻止位置
A12 取付許容位置
B11 正転阻止位置
B12 正転許容位置
N4 停止位置
S11 正転位置
S12 正転方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15