(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094135
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】投射光学系
(51)【国際特許分類】
G02B 13/08 20060101AFI20240702BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20240702BHJP
G02B 13/00 20060101ALI20240702BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20240702BHJP
G02B 13/16 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G02B13/08
G02B13/18
G02B13/00
G03B21/14 D
G02B13/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210907
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】514052472
【氏名又は名称】日精テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129883
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 稔
(72)【発明者】
【氏名】大津 卓也
【テーマコード(参考)】
2H087
2K203
【Fターム(参考)】
2H087KA06
2H087KA07
2H087LA01
2H087LA28
2H087PA06
2H087PA17
2H087PB06
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA12
2H087QA17
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA06
2H087RA07
2H087RA08
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA45
2H087UA01
2K203FA82
2K203GC03
2K203HA62
2K203MA32
2K203MA35
(57)【要約】
【課題】斜め投射の超短焦点プロジェクタに好適に用いられ、全長が短くコンパクトで、且つ斜め方向から画像を投射する場合に、投影面において縦・横方向での画像表示素子の解像度が維持される投射光学系を提供すること。
【解決手段】射光学系の光軸を投射面に対して斜めに配置してなる斜め投射の投射光学系であって、第1の投射光学系及び第2の投射光学系が以下の条件式(1)を満足するように各々配置し、
0.03<COSθ
1-COSθ
2<0.19 (1)
第1の投射光学系及び第2の投射光学系は、投射面側から順に、投影面における投射像のアスペクト比を変換するアナモフィックレンズを有する前群と、結像作用を有する後群と、をそれぞれ備え、以下の条件式(2)及び(3)を満足することを特徴とする投射光学系。
1.3<EFLY1/EFLX1<1.9 (2)
1.6<EFLY2/EFLX2<2.5 (3)
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示素子で形成される画像を投射面に投射する投射光学系において、
前記投射光学系は、第1の投射光学系及び第2の投射光学系を有し、
各投射光学系の光軸を投射面に対して斜めに配置してなる斜め投射の投射光学系であって、
前記第1の投射光学系及び第2の投射光学系から投射される第1の投射画像及び第2の投射画像を、投射面における奥行方向に連続して張り合わされるように、それぞれの投射条件が以下の条件式(1)を満足するように各々配置し、
0.03<COSθ1-COSθ2<0.19 (1)
前記第1の投射光学系及び前記第2の投射光学系は、投射面側から順に、投影面における投射像のアスペクト比を変換するアナモフィックレンズを有する前群と、結像作用を有する後群と、をそれぞれ備え、
前記前群が、投射面側から順に、第1のアナモフィックレンズと、第2のアナモフィックレンズとからなり、
前記第1の投射光学系及び前記第2の投射光学系の前記後群が同一の光学構成を有し、
以下の条件式(2)及び(3)を満足することを特徴とする投射光学系。
1.3<EFLY1/EFLX1<1.9 (2)
1.6<EFLY2/EFLX2<2.5 (3)
ここで、
θ1は、第1の投射光学系の光軸方向と、投射面の法線との成す角、θ2は、第2の投射光学系の光軸方向と、投射面の法線との成す角、
また、
投射光学系の光軸方向をZ軸方向とし、Z軸方向に直交する平面内において、水平方向をX軸方向及び垂直方向をY軸方向としたときに、
EFLY1は第1の投射光学系のY軸方向の焦点距離、
EFLX1は第1の投射光学系のX軸方向の焦点距離、
EFLY2は第2の投射光学系のY軸方向の焦点距離、
EFLX2は第2の投射光学系のX軸方向の焦点距離、
である。
【請求項2】
前記後群は、投射面側から順に、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズと、からなる請求項1に記載の投射光学系。
【請求項3】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項2に記載の投射光学系。
-0.2<EFLY1/f1Y1<0.1 (4)
0.6<EFLY1/f3<1.2 (5)
ここで、
f1Y1は、第1の投射光学系の第1のアナモフィックレンズのY軸方向の焦点距離、
f3は、第3レンズの焦点距離
である。
【請求項4】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の投射光学系。
0.5<(f12Y1/EFLY1)/(f12Y2/EFLY2)<1.1 (6)
0.9<(f12X1/EFLX1)/(f12X2/EFLX2)<1.2 (7)
ここで、
f12Y1は、第1の投射光学系における前群のY軸方向の合成焦点距離、
f12Y2は、第2の投射光学系における前群のY軸方向の合成焦点距離、
f12X1は、第1の投射光学系における前群のX軸方向の合成焦点距離、
f12X2は、第2の投射光学系における前群のX軸方向の合繊焦点距離、
である。
【請求項5】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の投射光学系。
2<L2r2X1/L2r2Y1<10 (8)
1.5<L2r2X2/L2r2Y2<5 (9)
ここで、
L2r2X1は、第1の投射光学系における第2のアナモフィックレンズのX軸方向における画像表示素子側の面の曲率半径、
L2r2Y1は、第1の投射光学系における第2のアナモフィックレンズのY軸方向における画像表示素子側の面の曲率半径、
L2r2X2は、第2の投射光学系における第2のアナモフィックレンズのX軸方向における画像表示素子側の面の曲率半径、
L2r2Y2は、第2の投射光学系における第2のアナモフィックレンズのY軸方向における画像表示素子側の面の曲率半径、
である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示素子の画像や3次元測定装置等の光源像を拡大投影する投射光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からLCD(Liquid Crystal Display)等の画像表示素子に高輝度LED(Light Emitting Diode)素子を光源に用いた携帯可能なモバイルプロジェクタが実用化されている。このようなモバイルプロジェクタに搭載され、画像を拡大投影する投射光学系として、光学系の全長を抑えた小型の投射光学系が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、短い投射距離で大画面表示できる超短投射型のプロジェクタとして、複数のレンズと反射ミラーを組み合わせたものが多数提案されており(例えば、特許文献2)、更に、これら反射ミラーを備えた超短投射型のプロジェクタにおいて、アナモフィック光学系を加える事で投射像のアスペクト比を変換することができる投射装置が知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-81072号公報
【特許文献2】特開2019-164176号公報
【特許文献3】特開2015-114609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、卓上をスクリーンに用いる場合など、限られた投影範囲を、より短い投射距離で投射する小型卓上プロジェクタなどの用途では光学系の小型化が必要となり反射ミラーを廃し光学系の光軸を投射面に対して斜めに配置して、上方向又は下方向から斜めに投射面を投射する投影光学系の実現が望まれる。
【0006】
ところで、投影面に対して正面から画像を投射する正面投射方式のプロジェクタでは、画像表示素子における画像表示面の縦・横方向の長さ(画素ピッチ)と、光学系で拡大され投射面に投射される画像の縦・横方向の長さ(投影ピッチ)は相似形となり、縦・横方向での画像表示素子の解像度は投影面においても維持される。
【0007】
しかしながら、従来の正面投射に最適化された投射光学系を用いて画像を斜め投射した場合、投射面に投射される画像は、縦方向の投影ピッチが長くなるため、正面投射した場合と同様の投影画像の縦・横比率を得る為には、画像表示素子の画素の利用範囲を縦方向に少なくする必要があり、縦方向に解像度が悪化するという課題がある。
【0008】
従って、投射光学系を所定の角度で斜めに配置して投影面を斜め方向から投射した場合でも、画像表示素子の縦・横方向の画像ピッチと、該画像表示素子に対応して投影面に投影される投影画像の縦・横方向の投影ピッチが相似するように、投射光学系が構成されることが望まれる。
【0009】
このような斜め投射のプロジェクタにおいて、投射領域を拡大したいと言うニーズに対しては、複数の投射光学系を、一方の投射光学系の投射領域と、他方の投射光学系の投射領域とを連続して張り合わせてタイリング画像が形成するように、並列して配置することが考えられる。
【0010】
この場合、投射面における奥行方向に連続してタイリング画像が形成されるように斜め方向から投射面を投射した場合には、一方の投射光学系と他方の投射光学系とでは、それぞれ投射面に対する投射角度が異なる事から、一方の投射光学系と他方の投射光学系とで最適な投影画像の縦・横比率が異なり、従って、それぞれの投射光学系のレンズ構成は異なるものが要求されることになる。
【0011】
一方で、これら複数の投射光学系として、完全に異なるレンズ構成とした場合には、コストが高くなるという問題がある。特に、高い光学性能が求められる場合には、複数のレンズを使用する必要があり、よりコストの問題が顕著となる。
【0012】
本発明は上記従来における問題点を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、斜め投射の超短焦点プロジェクタであって、複数の投射光学系を備えることで、一方の投射光学系と他方の投射光学系の投射領域を投射面における奥行方向に連続して張り合わせてタイリング画像を形成し、投影領域を拡大した超短焦点プロジェクタに好適に用いられ、反射ミラーを用いることなく全長が短くコンパクトで、且つ斜め方向から画像を投射する場合でも投影面において縦・横方向での画像表示素子の解像度が維持され、かつ光学システム全体として低コスト化を可能とする投射光学系を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、本発明の投射光学系は、画像表示素子で形成される画像を投射面に投射する投射光学系において、前記投射光学系は、第1の投射光学系及び第2の投射光学系を有し、各投射光学系の光軸を投射面に対して斜めに配置してなる斜め投射の投射光学系であって、前記第1の投射光学系及び第2の投射光学系から投射される第1の投射画像及び第2の投射画像を、投射面における奥行方向に連続して張り合わされるように、それぞれの投射条件が以下の条件式(1)を満足するように各々配置し、
0.03<COSθ1-COSθ2<0.19 (1)
前記第1の投射光学系及び前記第2の投射光学系は、投射面側から順に、投影面における投射像のアスペクト比を変換するアナモフィックレンズを有する前群と、結像作用を有する後群と、をそれぞれ備え、前記前群が、投射面側から順に、第1のアナモフィックレンズと、第2のアナモフィックレンズとからなり、前記第1の投射光学系及び前記第2の投射光学系の前記後群がそれぞれ同一の光学構成を有し、
以下の条件式(2)及び(3)を満足することを特徴とする投射光学系。
1.3<EFLY1/EFLX1<1.9 (2)
1.6<EFLY2/EFLX2<2.5 (3)
ここで、
θ1は、第1の投射光学系の光軸方向と、投射面の法線との成す角、θ2は、第2の投射光学系の光軸方向と、投射面の法線との成す角、
また、
投射光学系の光軸方向をZ軸方向とし、Z軸方向に直交する平面内において、水平方向をX軸方向及び垂直方向をY軸方向としたときに、
EFLY1は第1の投射光学系のY軸方向の焦点距離、
EFLX1は第1の投射光学系のX軸方向の焦点距離、
EFLY2は第2の投射光学系のY軸方向の焦点距離、
EFLX2は第2の投射光学系のX軸方向の焦点距離、
である。
【0014】
また、本発明の投射光学系は、 前記後群は、投射面側から順に、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズと、から構成されてなることが好ましい。
【0015】
また、本発明の投射光学系において、以下の条件式を満足することが好ましい。
-0.2<EFLY1/f1Y1<0.1 (4)
0.6<EFLY1/f3<1.2 (5)
ここで、
f1Y1は、第1の投射光学系の第1のアナモフィックレンズのY軸方向の焦点距離、
f3は、第3レンズの焦点距離
である。
【0016】
また、本発明の投射光学系において、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.5<(f12Y1/EFLY1)/(f12Y2/EFLY2)<1.1 (6)
0.9<(f12X1/EFLX1)/(f12X2/EFLX2)<1.2 (7)
ここで、
f12Y1は、第1の投射光学系における前群のY軸方向の合成焦点距離、
f12Y2は、第2の投射光学系における前群のY軸方向の合成焦点距離、
f12X1は、第1の投射光学系における前群のX軸方向の合成焦点距離、
f12X2は、第2の投射光学系における前群のX軸方向の合繊焦点距離、
である。
【0017】
また、本発明の投射光学系において、以下の条件式を満足することが好ましい。
2<L2r2X1/L2r2Y1<10 (8)
1.5<L2r2X2/L2r2Y2<5 (9)
ここで、
L2r2X1は、第1の投射光学系における第2のアナモフィックレンズのX軸方向における画像表示素子側の面の曲率半径、
L2r2Y1は、第1の投射光学系における第2のアナモフィックレンズのY軸方向における画像表示素子側の面の曲率半径、
L2r2X2は、第2の投射光学系における第2のアナモフィックレンズのX軸方向における画像表示素子側の面の曲率半径、
L2r2Y2は、第2の投射光学系における第2のアナモフィックレンズのY軸方向における画像表示素子側の面の曲率半径、
である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、斜め投射の超短焦点プロジェクタであって、複数の投射光学系を備えることで、一方の投射光学系と他方の投射光学系の投射領域を投射面における奥行方向に連続して張り合わせてタイリング画像を形成し、投影領域を拡大した、超短焦点プロジェクタに好適に用いられ、反射ミラーを用いることなく全長が短くコンパクトで、且つ斜め方向から画像を投射する場合でも投影面において縦・横方向での画像表示素子の解像度が維持され、かつ光学システム全体として低コスト化を可能とする投射光学系を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の投射光学系の構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図2】本発明の実施例1にかかる第1の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図3】本発明の実施例1にかかる第1の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【
図4】本発明の実施例1にかかる第2の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図5】本発明の実施例1にかかる第2の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【
図6】実施例1にかかる第1の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲、(B)Y方向での像面湾曲を示す図である。
【
図7】実施例1にかかる第2の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲、(B)Y方向での像面湾曲を示す図である。
【
図8】本発明の実施例2にかかる第1の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図9】本発明の実施例2にかかる第1の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【
図10】本発明の実施例2にかかる第2の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図11】本発明の実施例2にかかる第2の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【
図12】実施例2にかかる第1の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲、(B)Y方向での像面湾曲を示す図である。
【
図13】実施例2にかかる第2の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲、(B)Y方向での像面湾曲を示す図である。
【
図14】本発明の実施例3にかかる第1の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図15】本発明の実施例3にかかる第1の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【
図16】本発明の実施例3にかかる第2の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図17】本発明の実施例3にかかる第2の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【
図18】実施例3にかかる第1の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲、(B)Y方向での像面湾曲を示す図である。
【
図19】実施例3にかかる第2の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲、(B)Y方向での像面湾曲を示す図である。
【
図20】本発明の実施例4にかかる第1の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図21】本発明の実施例4にかかる第1の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【
図22】本発明の実施例4にかかる第2の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図23】本発明の実施例4にかかる第2の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【
図24】実施例4にかかる第1の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲、(B)Y方向での像面湾曲を示す図である。
【
図25】実施例4にかかる第2の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲、(B)Y方向での像面湾曲を示す図である。
【
図26】本発明の実施例5にかかる第1の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図27】本発明の実施例5にかかる第1の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【
図28】本発明の実施例5にかかる第2の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図29】本発明の実施例5にかかる第2の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【
図30】実施例5にかかる第1の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲、(B)Y方向での像面湾曲を示す図である。
【
図31】実施例5にかかる第2の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲、(B)Y方向での像面湾曲を示す図である。
【
図32】本発明の実施例6にかかる第1の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図33】本発明の実施例6にかかる第1の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【
図34】本発明の実施例6にかかる第2の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【
図35】本発明の実施例6にかかる第2の投射光学系の光学構成を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【
図36】実施例6にかかる第1の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲、(B)Y方向での像面湾曲を示す図である。
【
図37】実施例6にかかる第2の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲、(B)Y方向での像面湾曲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る投射光学系の構成を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
【0021】
図1に示すように、本発明の投射光学系は、投射光学系PUの第1の投射光学系POU1が、高さh1から斜め下方に所定の投射領域Pi1(本実施の形態では卓上面)を投射するように、投射光学系POU1の光軸AX1と投射平面PSの法線NLとの成す角がθ1となるように第1の投射光学系POU1を配置してなる。また、投射光学系PUの第2の投射光学系POU2が、投射光学系POU1の上方であって、高さh2から斜め下方に所定の投射領域Pi2を投射すると共に、第1の投射光学系POU1の投射領域Pi1と第2の投射光学系POU2の投射領域Pi2とがオーバーラップ領域PiОVをもって連続して張り合わせてタイリング画像を形成するように、投射光学系POU2の光軸AX2と投射面PSの法線NLとの成す角がθ2となるように第2の投射光学系POU2を配置してなる。
【0022】
なお、本発明の投射光学系としては、上述のオーバーラップ領域PiОVは必ずしも必要ではなく、各投射領域Pi1及びPi2が連続してつなぎ合わされていればよい。また、投射方向についても、この例に限られずに、例えば、壁面を投射面として、下方から斜め上方の壁面を照射するように配置してもよい。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態に係る第1の投射光学系POU1の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
図2において、XYZ座標系は、投射光学系の中心を通る光軸と一致する方向をZ軸方向としたときに、Z軸方向に直交する平面内において、画像表示素子の表示面を基準とする水平方向をX軸方向及び垂直方向をY軸方向とする。図中、Z軸を含むY-Z平面を光軸に沿うX方向視とし、Z軸を含むX-Z平面を光軸に沿うY方向視とする(以下、各実施の形態における座標系は同様とする。)。
図3は、
図2と同一の本発明の実施の形態に係る第1の投射光学系POU1において、光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0024】
図4は、本発明の実施の形態に係る第2の投射光学系POU2の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。
図5は、
図4と同一の本発明の実施の形態に係る第2の投射光学系POU2において、光軸に沿うY方向視の断面図である。
ここで、
図2乃至
図5の光学構成は、本発明の第1の実施例における第1の投射光学系POU1及び第2の投射光学系POU2の光学構成に対応している。
【0025】
図2乃至
図5に示すように、本発明の投射光学系は、投射面側から順に、投影面における投射像のアスペクト比を変換する2枚以上のアナモフィックレンズ前群GFと、結像作用を有する4枚のレンズを備えた後群GRとからなる2群構成の光学系である。また前群GF及び後群GRとの間には開口絞りSが配置される。なお、以下、全ての実施例において、光学構成断面図中、CGはカバーガラス、Dは投射光学系の縮小側に配置される画像表示素子の表示面を示す。
【0026】
本発明の投射光学系における表示面Dには、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(ОLED)、デジタルミラーデバイス(DMD)やマイクロLEDディスプレイなどの画像を形成する画像表示素子等が配置される(図示せず)。
【0027】
本発明の投射光学系では、前群GFは、2枚のアナモフィックレンズL1及びL2から構成される。アナモフィックレンズL1及びL2は、それぞれ、画像素子側の面又は投射面側の面におけるX方向及びY方向の曲率半径が異なるトロイダルな形状を有するレンズである。これにより投射光学系全系でのX方向及びY方向の焦点距離を異ならせている。
【0028】
本発明の実施の形態に係る投射光学系では、後群GRは、それぞれ、回転対称な第3レンズL3から第6レンズL6の4枚構成とされ、全体で結像作用を有している。第3レンズL3から第6レンズL6は、それぞれ非球面プラスチックレンズである。
【0029】
図1に示すように、投射面に対して斜め方向から投影像を投射した場合には、投射面に対して正面(例えば直上)から投影像を投影した場合に比べて、投射面に投射される投影像の縦方向(奥行方向)の投影ピッチが長くなるため、画像表示素子上で表示される画像の縦・横比率(例えば、正方形)と相似形の投影画像(例えば、正方形)を得る為には、従来の回転対称な投射光学系を用いた場合、画像表示素子の画素の利用範囲を縦方向に少なく(縦方向に短く)する必要があり、正面投射に対して、縦方向で解像度が悪化することとなる。
【0030】
本発明の投射光学系は、斜め投射の光学系であって、前群GFを構成するアナモフィックレンズにより変換される投影像の前記アスペクト比が、画像表示素子上の画像表示面に対応する縦・横方向の画素ピッチと、投射面に投影される前記画像表示面に対応する画像の縦・横方向の投影ピッチと、が相似形となるようにアナモルフィックレンズL1及びL2の各レンズ面の曲率半径が構成されてなる。
【0031】
即ち、本発明の実施の形態に係る投射光学系は、アナモフィックレンズL1及びL2の各レンズ面の曲率半径が投射光学系全系としては、X方向の焦点距離に対してY方向の焦点距離が長くなるように構成されているので、斜め投射の投射光学系であっても、画像表示素子の画素の利用範囲を縦方向に少なくする必要がなく、縦・横方向で解像度に差異が生じる事がなくなる。
【0032】
また、本発明の実施の形態に係る投射光学系は、以下の条件式を満足するものである。
0.03<COSθ1-COSθ2<0.19 (1)
ここで、
θ1は、第1の投射光学系の光軸方向と、投射面の法線との成す角、θ2は、第2の投射光学系の光軸方向と、投射面の法線との成す角である。
【0033】
条件式(1)は、投射光学系PUの高さを抑えてコンパクト化にすると共に、第1の投射光学系POU1の投射領域Pi1と第2の投射光学系POU2の投射領域Pi2とをオーバーラップ領域PiОVをもって連続して張り合わせてタイリング画像を形成しつつ、例えば、卓上をスクリーンに用いる場合など、限られた投影範囲を、より短い投射距離で投射する小型プロジェクタなどの用途として用いる場合に好適な条件式である。
【0034】
また、本発明の実施の形態に係る投射光学系は、以下の条件式を満足するものである。
1.3<EFLY1/EFLX1<1.9 (2)
1.6<EFLY2/EFLX2<2.5 (3)
ここで、
投射光学系の光軸方向をZ軸方向とし、Z軸方向に直交する平面内において、水平方向をX軸方向及び垂直方向をY軸方向としたときに、
EFLY1は第1の投射光学系のY軸方向の焦点距離、
EFLX1は第1の投射光学系のX軸方向の焦点距離、
EFLY2は第2の投射光学系のY軸方向の焦点距離、
EFLX2は第2の投射光学系のX軸方向の焦点距離、
である。
【0035】
条件式(2)及び(3)は、投影像の縦・横方向での解像度の差異を最小にする条件式であり、この範囲を外れると投影面画におけるピクセルの縦横のアスペクト比に差が出るため好ましくない。
【0036】
本発明の投射光学系は、第1の投射光学系及び第2の投射光学系における後群GRがそれぞれ同一の光学構成を有している。従って、光学システム全体として低コスト化を可能とする投射光学系を実現できる。
【0037】
また、本発明の実施の形態に係る投射光学系の後群GRは、投射面側から順に、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズと、からなる。
【0038】
また、本発明の実施の形態に係る投射光学系は、以下の条件式を満足するものである。
-0.2<EFLY1/f1Y1<0.1 (4)
0.6<EFLY1/f3<1.2 (5)
ここで、
f1Y1は、第1の投射光学系の第1のアナモフィックレンズのY軸方向の焦点距離、
f3は、第3レンズの焦点距離
である。
【0039】
また、本発明の実施の形態に係る投射光学系は、以下の条件式を満足するものである。
0.5<(f12Y1/EFLY1)/(f12Y2/EFLY2)<1.1 (6)
0.9<(f12X1/EFLX1)/(f12X2/EFLX2)<1.2 (7)
ここで、
f12Y1は、第1の投射光学系における前群のY軸方向の合成焦点距離、
f12Y2は、第2の投射光学系における前群のY軸方向の合成焦点距離、
f12X1は、第1の投射光学系における前群のX軸方向の合成焦点距離、
f12X2は、第2の投射光学系における前群のX軸方向の合繊焦点距離、
である。
【0040】
本発明の投射光学系では、投射面における奥行方向に連続してタイリング画像が形成されるように斜め方向から投射面を投射した場合には、第1の投射光学系と第2の投射光学系とでは、それぞれ投射面に対する投射角度が異なる事から、それぞれの投射光学系で最適な投影画像の縦・横比率が異なり、通常はそれぞれの投射光学系全体のレンズ構成は異なるものが要求されることになる。一方で、これら複数の投射光学系として、完全に異なるレンズ構成とした場合には、コストが高くなるという問題がある。特に、高い光学性能が求められる場合には、複数のレンズを使用する必要があり、よりコストの問題が顕著となる。
【0041】
条件式(4)では、第1の投射光学系の第1のアナモフィックレンズⅬ1のパワーを抑えることで、第1の投射光学系の後群GRでの像面湾曲を補正するための負荷を少なくし、第1の投射光学系及び第2の投射光学系の後群GRの共有化を図っても像面湾曲の補正を容易にするための条件式である。
【0042】
条件式(5)では、投射光学系の第3レンズⅬ3のパワーを抑えることで、第1の投射光学系の後群GRでの球面収差を補正するための負荷を少なくし、第1の投射光学系及び第2の投射光学系の後群GRと共有化を図っても球面収差の補正を容易にするための条件式である。
【0043】
また、条件式(6)及び条件式(7)は、第1の投射光学系と第2の投射光学系とで、前群GFのパワー差を小さくすることにより、後群GRの共有化を図っても像面湾曲及び歪曲収差の補正を容易にするための条件式である。
【0044】
また、本発明の実施の形態に係る投射光学系は、以下の条件式を満足するものである。
2<L2r2X1/L2r2Y1<10 (8)
1.5<L2r2X2/L2r2Y2<5 (9)
ここで、
L2r2X1は、第1の投射光学系における第2のアナモフィックレンズのX軸方向における画像表示素子側の面の曲率半径、
L2r2Y1は、第1の投射光学系における第2のアナモフィックレンズのY軸方向における画像表示素子側の面の曲率半径、
L2r2X2は、第2の投射光学系における第2のアナモフィックレンズのX軸方向における画像表示素子側の面の曲率半径、
L2r2Y2は、第2の投射光学系における第2のアナモフィックレンズのY軸方向における画像表示素子側の面の曲率半径、
である。
【0045】
条件式(8)及び条件式(9)では、対角方向でのコマ収差の悪化を防ぎ、対角方向の性能を確保すると共に、投影像のアスペクト比が、画像表示素子上の画像表示面に対応する縦・横方向の画素ピッチと、投射面に投影される前記画像表示面に対応する画像の縦・横方向の投影ピッチとで相似形となるようにするための条件式である。更には、第1の投射光学系と第2の投射光学系とで後群GRの共有化を図っても、光学系全体として所望の光学性能を担保するための条件式である。
【実施例0046】
次に本発明の投射光学系の具体的な数値実施例を示す。各実施例において使用する記号は下記の通りである。
【0047】
EFLX:X軸方向の投射光学系全系の焦点距離
EFLY:Y軸方向の投射光学系全系の焦点距離
FnoX :X軸方向におけるFナンバー
FnoY :Y軸方向におけるFナンバー
f1X :第1レンズL1のX軸方向における焦点距離
f1Y :第1レンズL1のY軸方向における焦点距離
f2X :第2レンズL2のX軸方向における焦点距離
f2Y :第2レンズL2のY軸方向における焦点距離
f3~f6:第3レンズL3~第6レンズL6の焦点距離
r :近軸曲率半径
rX:X軸方向における近軸曲率半径
rY:Y軸方向における近軸曲率半径
d :光軸上のレンズの厚み又は空気間隔
nd :レンズ材料のd線に対する屈折率
νd :レンズ材料のアッベ数
COSθ:θは、投射光学系の光軸方向と投射面の法線との成す角
各実施例において、面番号1~13の各面番号の後に「*」が記載されている面が非球面形状を有する面である。また、各面番号の後に「+」が記載されている面がアナモフィック面形状を有する面である。また、これらの記号は後述の各実施例においても共通である。
【0048】
非球面形状は、光軸方向をz方向とし、z軸に直交する方向をyにとり、円錐係数をK、非球面係数をA4、A6、A8、A10・・としたとき、次の式(1)で表される。
z=(y2/r)/[1+{1-(1+K)(y/r)2}1/2]+A4y4+A6y6+A8y8+A10y10 ・・・(1)
【0049】
アナモフィック面形状は、光軸方向をz方向とし、z軸に直交する平面内であって水平方向をX軸方向及び垂直方向をY軸方向とし、水平方向の曲率半径をrX、垂直方向の曲率半径をrY、水平方向の円錐係数をKX、垂直方向の円錐係数をKYとしたとき、次の式(2)で表される。
z={(x2/rX)+(y2/rY)}/[1+{1-(1+KX)(x/rX)2-(1+KY)(y/rY)2}1/2]・・・(2)
【0050】
なお、非球面係数において、Eは10のべき乗数を示し、例えば、2.3×10-2は、2.3E-002と表すものとする。また、これら諸元値の記号は後述の実施例の数値データにおいても共通である。また、これら諸元値の記号は後述の実施例の数値データにおいても共通である。
【0051】
(実施例1)
次に、実施例1に係る投射光学系について説明する。
図2は、実施例1に係る第1の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。また、
図3は、実施例1に係る第1の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0052】
図4は、実施例1に係る第2の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。また、
図5は、実施例1に係る第2の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0053】
図6は、実施例1にかかる第1の投射光学系の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲(Field Curvature)、(B)Y方向での像面湾曲(Field Curvature)を示す図である。像面湾曲は、550nmの波長における数値を示している。
【0054】
図7は、実施例1にかかる第2の投射光学系の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲(Field Curvature)、(B)Y方向での像面湾曲(Field Curvature)を示す図である。像面湾曲は、550nmの波長における数値を示している。
【0055】
像面湾曲は、Sがサジタル像面、Tがタンジェンシャル像面を示している。また、図中X及びYは像高を示している。なお、収差図における記号は、後述の各実施例においても共通である。
【0056】
実施例1に係る第1の投射光学系及び第2の投射光学系は、
図2乃至
図5に示すように、投射面側から順に、投影面における投射像のアスペクト比を変換する前群GFと、結像作用を有する後群GRとからなる2群構成の光学系である。また前群GF及び後群GRとの間には開口絞りSが配置される。
【0057】
第1の投射光学系の前群GFは、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に正のパワーを有する第1レンズL1と、X軸方向に正のパワーを有すると共にY軸方向に負のパワーを有する第2レンズL2とからなる。また、第2の投射光学系の前群GFは、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に正のパワーを有する第1レンズL1と、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に負のパワーを有する第2レンズL2とからなる。
【0058】
第1の投射光学系及び第2の投射光学系の第1レンズL1及び第2レンズL2の投射面側の面形状は回転対称な非球面形状とされ、第1レンズL1及び第2レンズL2の画像表示素子側の面形状はトロイダル面とされる。
【0059】
第1の投射光学系及び第2の投射光学系の後群GRは共通の光学系とされ、共に第3レンズL3から第6レンズL6の4枚構成とされ、全体で結像作用を有している。第3レンズL3から第6レンズL6は、それぞれ回転対称な非球面プラスチックレンズである。
【0060】
実施例1の第1の投射光学系の全体諸元を以下に示す。
FnoX:1.15
FnoY:1.15
EFLX :2.280mm
EFLY :3.510mm
f1X:-15.977mm
f1Y:113.748mm
f2X:318.137mm
f2Y:-20.730mm
f3:3.418mm
f4:-2.850mm
f5:2.090mm
f6:-5.172mm
COSθ:0.555
【0061】
実施例1の第2の投射光学系の全体諸元を以下に示す。
FnoX:1.15
FnoY:1.14
EFLX :3.090mm
EFLY :5.200mm
f1X:-43.496mm
f1Y:26.535mm
f2X:54.201mm
f2Y:-10.662mm
f3:3.418mm
f4:-2.850mm
f5:2.090mm
f6:-5.172mm
COSθ:0.521
【0062】
実施例1の第1の投射光学系の面データを以下に示す(単位mm)。
【0063】
【0064】
実施例1の第2の投射光学系の面データを以下に示す(単位mm)。
【0065】
【0066】
実施例1の第1の投射光学系の非球面データを以下に示す。
【0067】
【0068】
実施例1の第2の投射光学系の非球面データを以下に示す。
【0069】
【0070】
実施例1の投射光学系の条件式(1)から(9)に対応する値を以下に示す。
(1)COSθ1-COSθ2=0.034
(2)EFLY1/EFLX1=1.539
(3)EFLY2/EFLX2=1.683
(4)EFLY1/f1Y1=0.031
(5)EFLY1/f3=1.027
(6)(f12Y1/EFLY1)/(f12Y2/EFLY2)=0.945
(7)(f12X1/EFLX1)/(f12X2/EFLX2)=1.017
(8)L2r2X1/L2r2Y1=8.993
(9)L2r2X2/L2r2Y2=2.410
【0071】
(実施例2)
次に、実施例2に係る投射光学系について説明する。
図8は、実施例2に係る第1の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。また、
図9は、実施例2に係る第1の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0072】
図10は、実施例2に係る第2の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。また、
図11は、実施例2に係る第2の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0073】
図12は、実施例2にかかる第1の投射光学系の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲(Field Curvature)、(B)Y方向での像面湾曲(Field Curvature)を示す図である。像面湾曲は、550nmの波長における数値を示している。
【0074】
図13は、実施例2にかかる第2の投射光学系の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲(Field Curvature)、(B)Y方向での像面湾曲(Field Curvature)を示す図である。像面湾曲は、550nmの波長における数値を示している。
【0075】
実施例2に係る第1の投射光学系及び第2の投射光学系は、
図8乃至
図11に示すように、投射面側から順に、投影面における投射像のアスペクト比を変換する前群GFと、結像作用を有する後群GRとからなる2群構成の光学系である。また前群GF及び後群GRとの間には開口絞りSが配置される。
【0076】
第1の投射光学系の前群GFは、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に正のパワーを有する第1レンズL1と、X軸方向に正のパワーを有すると共にY軸方向に負のパワーを有する第2レンズL2とからなる。また、第2の投射光学系の前群GFは、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に正のパワーを有する第1レンズL1と、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に負のパワーを有する第2レンズL2とからなる。
【0077】
第1の投射光学系及び第2の投射光学系の第1レンズL1及び第2レンズL2の投射面側の面形状は回転対称な非球面形状とされ、第1レンズL1及び第2レンズL2の画像表示素子側の面形状はトロイダル面とされる。
【0078】
第1の投射光学系及び第2の投射光学系の後群GRは共通の光学系とされ、共に第3レンズL3から第6レンズL6の4枚構成とされ、全体で結像作用を有している。第3レンズL3から第6レンズL6は、それぞれ回転対称な非球面プラスチックレンズである。
【0079】
実施例2の第1の投射光学系の全体諸元を以下に示す。
FnoX:1.15
FnoY:1.15
EFLX :2.270mm
EFLY :3.510mm
f1X:-12.060mm
f1Y:224.440mm
f2X:48.226mm
f2Y:-25.877mm
f3:3.503mm
f4:-2.973mm
f5:1.903mm
f6:-3.419mm
COSθ:0.555
【0080】
実施例2の第2の投射光学系の全体諸元を以下に示す。
FnoX:1.15
FnoY:1.14
EFLX :3.520mm
EFLY :6.470mm
f1X:-67.054mm
f1Y:21.085mm
f2X:-51.929mm
f2Y:-8.778mm
f3:3.503mm
f4:-2.973mm
f5:1.903mm
f6:-3.419mm
COSθ:0.463
【0081】
実施例2の第1の投射光学系の面データを以下に示す(単位mm)。
【0082】
【0083】
実施例2の第2の投射光学系の面データを以下に示す(単位mm)。
【0084】
【0085】
実施例2の第1の投射光学系の非球面データを以下に示す。
【0086】
【0087】
実施例2の第2の投射光学系の非球面データを以下に示す。
【0088】
【0089】
実施例2の投射光学系の条件式(1)から(9)に対応する値を以下に示す。
(1)COSθ1-COSθ2=0.092
(2)EFLY1/EFLX1=1.546
(3)EFLY2/EFLX2=1.838
(4)EFLY1/f1Y1=0.016
(5)EFLY1/f3=1.002
(6)(f12Y1/EFLY1)/(f12Y2/EFLY2)=0.851
(7)(f12X1/EFLX1)/(f12X2/EFLX2)=1.007
(8)L2r2X1/L2r2Y1=2.728
(9)L2r2X2/L2r2Y2=2.605
【0090】
(実施例3)
次に、実施例3に係る投射光学系について説明する。
図14は、実施例3に係る第1の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。また、
図15は、実施例3に係る第1の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0091】
図16は、実施例3に係る第2の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。また、
図17は、実施例3に係る第2の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0092】
図18は、実施例3にかかる第1の投射光学系の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲(Field Curvature)、(B)Y方向での像面湾曲(Field Curvature)を示す図である。像面湾曲は、550nmの波長における数値を示している。
【0093】
図19は、実施例3にかかる第2の投射光学系の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲(Field Curvature)、(B)Y方向での像面湾曲(Field Curvature)を示す図である。像面湾曲は、550nmの波長における数値を示している。
【0094】
実施例3に係る第1の投射光学系及び第2の投射光学系は、
図14乃至
図17に示すように、投射面側から順に、投影面における投射像のアスペクト比を変換する前群GFと、結像作用を有する後群GRとからなる2群構成の光学系である。また前群GF及び後群GRとの間には開口絞りSが配置される。
【0095】
第1の投射光学系の前群GFは、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に負のパワーを有する第1レンズL1と、X軸方向に正のパワーを有すると共にY軸方向に正のパワーを有する第2レンズL2とからなる。また、第2の投射光学系の前群GFは、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に正のパワーを有する第1レンズL1と、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に負のパワーを有する第2レンズL2とからなる。
【0096】
第1の投射光学系及び第2の投射光学系の第1レンズL1及び第2レンズL2の投射面側の面形状は回転対称な非球面形状とされ、第1レンズL1及び第2レンズL2の画像表示素子側の面形状はトロイダル面とされる。
【0097】
第1の投射光学系及び第2の投射光学系の後群GRは共通の光学系とされ、共に第3レンズL3から第6レンズL6の4枚構成とされ、全体で結像作用を有している。第3レンズL3から第6レンズL6は、それぞれ回転対称な非球面プラスチックレンズである。
【0098】
実施例3の第1の投射光学系の全体諸元を以下に示す。
FnoX:1.15
FnoY:1.15
EFLX :2.240mm
EFLY :3.500mm
f1X:-9.612mm
f1Y:-67.074mm
f2X:19.530mm
f2Y:236.788mm
f3:3.823mm
f4:-3.404mm
f5:1.973mm
f6:-3.448mm
COSθ:0.555
【0099】
実施例3の第2の投射光学系の全体諸元を以下に示す。
FnoX:1.16
FnoY:1.14
EFLX :3.950mm
EFLY :7.510mm
f1X:-116.876mm
f1Y:19.712mm
f2X:-238.205mm
f2Y:-9.261mm
f3:3.823mm
f4:-3.404mm
f5:1.973mm
f6:-3.448mm
COSθ:0.415
【0100】
実施例3の第1の投射光学系の面データを以下に示す(単位mm)。
【0101】
【0102】
実施例3の第2の投射光学系の面データを以下に示す(単位mm)。
【0103】
【0104】
実施例3の第1の投射光学系の非球面データを以下に示す。
【0105】
【0106】
実施例3の第2の投射光学系の非球面データを以下に示す。
【0107】
【0108】
実施例3の投射光学系の条件式(1)から(9)に対応する値を以下に示す。
(1)COSθ1-COSθ2=0.140
(2)EFLY1/EFLX1=1.563
(3)EFLY2/EFLX2=1.901
(4)EFLY1/f1Y1=-0.052
(5)EFLY1/f3=0.916
(6)(f12Y1/EFLY1)/(f12Y2/EFLY2)=0.555
(7)(f12X1/EFLX1)/(f12X2/EFLX2)=1.069
(8)L2r2X1/L2r2Y1=2.817
(9)L2r2X2/L2r2Y2=3.320
【0109】
(実施例4)
次に、実施例4に係る投射光学系について説明する。
図20は、実施例4に係る第1の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。また、
図21は、実施例4に係る第1の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0110】
図22は、実施例4に係る第2の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。また、
図23は、実施例4に係る第2の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0111】
図24は、実施例4にかかる第1の投射光学系の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲(Field Curvature)、(B)Y方向での像面湾曲(Field Curvature)を示す図である。像面湾曲は、550nmの波長における数値を示している。
【0112】
図25は、実施例4にかかる第2の投射光学系の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲(Field Curvature)、(B)Y方向での像面湾曲(Field Curvature)を示す図である。像面湾曲は、550nmの波長における数値を示している。
【0113】
実施例4に係る第1の投射光学系及び第2の投射光学系は、
図20乃至
図23に示すように、投射面側から順に、投影面における投射像のアスペクト比を変換する前群GFと、結像作用を有する後群GRとからなる2群構成の光学系である。また前群GF及び後群GRとの間には開口絞りSが配置される。
【0114】
第1の投射光学系の前群GFは、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に正のパワーを有する第1レンズL1と、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に負のパワーを有する第2レンズL2とからなる。また、第2の投射光学系の前群GFは、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に正のパワーを有する第1レンズL1と、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に負のパワーを有する第2レンズL2とからなる。
【0115】
第1の投射光学系及び第2の投射光学系の第1レンズL1及び第2レンズL2の投射面側の面形状は回転対称な非球面形状とされ、第1レンズL1及び第2レンズL2の画像表示素子側の面形状はトロイダル面とされる。
【0116】
第1の投射光学系及び第2の投射光学系の後群GRは共通の光学系とされ、共に第3レンズL3から第6レンズL6の4枚構成とされ、全体で結像作用を有している。第3レンズL3から第6レンズL6は、それぞれ回転対称な非球面プラスチックレンズである。
【0117】
実施例4の第1の投射光学系の全体諸元を以下に示す。
FnoX:1.15
FnoY:1.15
EFLX :2.210mm
EFLY :3.420mm
f1X:-12.879mm
f1Y:324.421mm
f2X:-176.947mm
f2Y:-16.816mm
f3:3.733mm
f4:-2.426mm
f5:1.980mm
f6:-5.729mm
COSθ:0.605
【0118】
実施例4の第2の投射光学系の全体諸元を以下に示す。
FnoX:1.15
FnoY:1.15
EFLX :3.040mm
EFLY :5.080mm
f1X:-43.707mm
f1Y:24.072mm
f2X:-26.500mm
f2Y:-8.457mm
f3:3.733mm
f4:-2.426mm
f5:1.980mm
f6:-5.729mm
COSθ:0.534
【0119】
実施例4の第1の投射光学系の面データを以下に示す(単位mm)。
【0120】
【0121】
実施例4の第2の投射光学系の面データを以下に示す(単位mm)。
【0122】
【0123】
実施例4の第1の投射光学系の非球面データを以下に示す。
【0124】
【0125】
実施例4の第2の投射光学系の非球面データを以下に示す。
【0126】
【0127】
実施例4の投射光学系の条件式(1)から(9)に対応する値を以下に示す。
(1)COSθ1-COSθ2=0.070
(2)EFLY1/EFLX1=1.548
(3)EFLY2/EFLX2=1.671
(4)EFLY1/f1Y1=0.011
(5)EFLY1/f3=0.916
(6)(f12Y1/EFLY1)/(f12Y2/EFLY2)=0.962
(7)(f12X1/EFLX1)/(f12X2/EFLX2)=1.007
(8)L2r2X1/L2r2Y1=2.405
(9)L2r2X2/L2r2Y2=2.001
【0128】
(実施例5)
次に、実施例5に係る投射光学系について説明する。
図26は、実施例5に係る第1の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。また、
図27は、実施例5に係る第1の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0129】
図28は、実施例5に係る第2の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。また、
図29は、実施例5に係る第2の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0130】
図30は、実施例5にかかる第1の投射光学系の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲(Field Curvature)、(B)Y方向での像面湾曲(Field Curvature)を示す図である。像面湾曲は、550nmの波長における数値を示している。
【0131】
図31は、実施例5にかかる第2の投射光学系の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲(Field Curvature)、(B)Y方向での像面湾曲(Field Curvature)を示す図である。像面湾曲は、550nmの波長における数値を示している。
【0132】
実施例5に係る第1の投射光学系及び第2の投射光学系は、
図26乃至
図29に示すように、投射面側から順に、投影面における投射像のアスペクト比を変換する前群GFと、結像作用を有する後群GRとからなる2群構成の光学系である。また前群GF及び後群GRとの間には開口絞りSが配置される。
【0133】
第1の投射光学系の前群GFは、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に負のパワーを有する第1レンズL1と、X軸方向に正のパワーを有すると共にY軸方向に正のパワーを有する第2レンズL2とからなる。また、第2の投射光学系の前群GFは、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に正のパワーを有する第1レンズL1と、X軸方向に正のパワーを有すると共にY軸方向に負のパワーを有する第2レンズL2とからなる。
【0134】
第1の投射光学系及び第2の投射光学系の第1レンズL1及び第2レンズL2の投射面側の面形状は回転対称な非球面形状とされ、第1レンズL1及び第2レンズL2の画像表示素子側の面形状はトロイダル面とされる。
【0135】
第1の投射光学系及び第2の投射光学系の後群GRは共通の光学系とされ、共に第3レンズL3から第6レンズL6の4枚構成とされ、全体で結像作用を有している。第3レンズL3から第6レンズL6は、それぞれ回転対称な非球面プラスチックレンズである。
【0136】
実施例5の第1の投射光学系の全体諸元を以下に示す。
FnoX:1.15
FnoY:1.15
EFLX :1.871mm
EFLY :2.481mm
f1X:-6.827mm
f1Y:-14.101mm
f2X:18.516mm
f2Y:39.048mm
f3:3.698mm
f4:-4.290mm
f5:3.135mm
f6:-11.537mm
COSθ:0.651
【0137】
実施例5の第2の投射光学系の全体諸元を以下に示す。
FnoX:1.15
FnoY:1.13
EFLX :3.234mm
EFLY :5.970mm
f1X:-33.707mm
f1Y:25.597mm
f2X:389.099mm
f2Y:-12.072mm
f3:3.698mm
f4:-4.290mm
f5:3.135mm
f6:-11.537mm
COSθ:0.463
【0138】
実施例5の第1の投射光学系の面データを以下に示す(単位mm)。
【0139】
【0140】
実施例5の第2の投射光学系の面データを以下に示す(単位mm)。
【0141】
【0142】
実施例5の第1の投射光学系の非球面データを以下に示す。
【0143】
【0144】
実施例5の第2の投射光学系の非球面データを以下に示す。
【0145】
【0146】
実施例5の投射光学系の条件式(1)から(9)に対応する値を以下に示す。
(1)COSθ1-COSθ2=0.187
(2)EFLY1/EFLX1=1.326
(3)EFLY2/EFLX2=1.846
(4)EFLY1/f1Y1=-0.176
(5)EFLY1/f3=0.671
(6)(f12Y1/EFLY1)/(f12Y2/EFLY2)=0.705
(7)(f12X1/EFLX1)/(f12X2/EFLX2)=0.963
(8)L2r2X1/L2r2Y1=2.807
(9)L2r2X2/L2r2Y2=2.736
【0147】
(実施例6)
次に、実施例6に係る投射光学系について説明する。
図32は、実施例6に係る第1の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。また、
図33は、実施例6に係る第1の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0148】
図34は、実施例6に係る第2の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うX方向視の断面図である。また、
図35は、実施例6に係る第2の投射光学系の光学構成の一例を示す光軸に沿うY方向視の断面図である。
【0149】
図36は、実施例6にかかる第1の投射光学系の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲(Field Curvature)、(B)Y方向での像面湾曲(Field Curvature)を示す図である。像面湾曲は、550nmの波長における数値を示している。
【0150】
図37は、実施例6にかかる第2の投射光学系の投射光学系の合焦時における(A)X方向での像面湾曲(Field Curvature)、(B)Y方向での像面湾曲(Field Curvature)を示す図である。像面湾曲は、550nmの波長における数値を示している。
【0151】
実施例6に係る第1の投射光学系及び第2の投射光学系は、
図32乃至
図35に示すように、投射面側から順に、投影面における投射像のアスペクト比を変換する前群GFと、結像作用を有する後群GRとからなる2群構成の光学系である。また前群GF及び後群GRとの間には開口絞りSが配置される。
【0152】
第1の投射光学系の前群GFは、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に正のパワーを有する第1レンズL1と、X軸方向に正のパワーを有すると共にY軸方向に負のパワーを有する第2レンズL2とからなる。また、第2の投射光学系の前群GFは、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に正のパワーを有する第1レンズL1と、X軸方向に負のパワーを有すると共にY軸方向に負のパワーを有する第2レンズL2とからなる。
【0153】
第1の投射光学系及び第2の投射光学系の第1レンズL1及び第2レンズL2の投射面側の面形状は回転対称な非球面形状とされ、第1レンズL1及び第2レンズL2の画像表示素子側の面形状はトロイダル面とされる。
【0154】
第1の投射光学系及び第2の投射光学系の後群GRは共通の光学系とされ、共に第3レンズL3から第6レンズL6の4枚構成とされ、全体で結像作用を有している。第3レンズL3から第6レンズL6は、それぞれ回転対称な非球面プラスチックレンズである。
【0155】
実施例6の第1の投射光学系の全体諸元を以下に示す。
FnoX:1.16
FnoY:1.14
EFLX :2.378mm
EFLY :4.469mm
f1X:-12.626mm
f1Y:58.721mm
f2X:30.239mm
f2Y:-31.187mm
f3:3.840mm
f4:-3.551mm
f5:1.954mm
f6:-3.694mm
COSθ:0.479
【0156】
実施例6の第2の投射光学系の全体諸元を以下に示す。
FnoX:1.16
FnoY:1.15
EFLX :3.795mm
EFLY :9.373mm
f1X:-71.178mm
f1Y:19.088mm
f2X:-146.931mm
f2Y:-7.068mm
f3:3.840mm
f4:-3.551mm
f5:1.954mm
f6:-3.694mm
COSθ:0.375
【0157】
実施例6の第1の投射光学系の面データを以下に示す(単位mm)。
【0158】
【0159】
実施例6の第2の投射光学系の面データを以下に示す(単位mm)。
【0160】
【0161】
実施例6の第1の投射光学系の非球面データを以下に示す。
【0162】
【0163】
実施例6の第2の投射光学系の非球面データを以下に示す。
【0164】
【0165】
実施例6の投射光学系の条件式(1)から(9)に対応する値を以下に示す。
(1)COSθ1-COSθ2=0.104
(2)EFLY1/EFLX1=1.879
(3)EFLY2/EFLX2=2.470
(4)EFLY1/f1Y1=0.076
(5)EFLY1/f3=1.164
(6)(f12Y1/EFLY1)/(f12Y2/EFLY2)=1.029
(7)(f12X1/EFLX1)/(f12X2/EFLX2)=1.195
(8)L2r2X1/L2r2Y1=6.183
(9)L2r2X2/L2r2Y2=4.455
【0166】