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特開2024-94144容器、キャップ付き容器、栓機構、及びキャップ付き栓機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094144
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】容器、キャップ付き容器、栓機構、及びキャップ付き栓機構
(51)【国際特許分類】
   B65D 39/08 20060101AFI20240702BHJP
   B65D 35/44 20060101ALI20240702BHJP
   B65D 35/38 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B65D39/08
B65D35/44
B65D35/38 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210919
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】内山 雄也
【テーマコード(参考)】
3E065
3E084
【Fターム(参考)】
3E065AA02
3E065BA01
3E065BA05
3E065BA11
3E065DA06
3E065DA14
3E065DB05
3E065FA20
3E084AA03
3E084AA15
3E084AA24
3E084AA33
3E084AA39
3E084AB06
3E084AB09
3E084AB10
3E084BA02
3E084EA03
3E084EB02
3E084EC03
3E084EC04
3E084EC05
3E084FA09
3E084FB01
3E084FD20
3E084GA01
3E084GB01
3E084KA20
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】容器の上端が非円形であっても、内容物を最後まで使い切ることができる。
【解決手段】
上端開口部が上面視で非円形である収容部1と、収容部1の上端の内側に固定され内側面に部分的な雌ねじ26A、26Bが形成された口部部材2とを有する容器本体3と、中央に貫通孔50が形成され口部部材2と嵌合する肩部アダプター5と、上方に突出するノズル41と該ノズルの下側で肩部アダプター5の貫通孔50に挿通される挿通筒43と該挿通筒43の下側に位置する係合筒47とを有するノズル栓体4と、を備える容器10であって、ノズル栓体4の係合筒47の外周には、口部部材2の部分的な雌ねじ26A、26Bと係合可能な螺旋突起48が形成され、容器本体3に対して、ノズル栓体4を回転させることで、肩部アダプター5をノズル栓体4とともに、容器本体3の口部部材2から取り外し可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端開口部が上面視で非円形である収容部と、収容部の上端の内側に固定され、内側面に部分的な雌ねじが形成された口部部材とを有する容器本体と、
中央に貫通孔が形成され、前記口部部材と嵌合する肩部アダプターと、
上方に突出するノズルと、該ノズルの下側で前記肩部アダプターの前記貫通孔に挿通される挿通筒と、該挿通筒の下側に位置する係合筒と、を有するノズル栓体と、を備える容器であって、
前記ノズル栓体の前記係合筒の外周には、前記口部部材の部分的な雌ねじと係合可能な螺旋突起が形成され、
前記容器本体に対して、前記ノズル栓体を回転させることで、前記肩部アダプターを前記ノズル栓体とともに、前記容器本体の口部部材から取り外し可能である
容器。
【請求項2】
前記収容部の上端開口部は、上面視で長径部と短径部を有し角部がない形状であり、
前記口部部材の下部には、短径部の頂点を通る側縁部の内側に上面視で厚みを有する、対向する2つの長径厚肉領域を備え、前記長径厚肉領域の内側平面の中央は部分的に上面視で円弧状に凹む弧状凹面であり、前記部分的な雌ねじは前記弧状凹面に形成されており、
前記ノズル栓体の前記係合筒は、前記肩部アダプターの下部の一部から外側に突出して、前記係合筒の前記螺旋突起が前記口部部材の部分的な雌ねじと係合する
請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記肩部アダプターは、前記容器本体の上面を塞ぐ上部閉塞板と、前記口部部材の内側面に嵌まり込む補強部が設けられ、
前記補強部は、前記長径部の中央で分断され、上下に延びる板で取り囲まれた2つの枠部を有し、各枠部における分断面は前記係合筒を取り囲む内側円弧板であり、外側面は、前記口部部材の前記内側平面の一部と対向する外側平面板を含んで下面視で前記上部閉塞板よりも小さく、
組み立て状態において、前記ノズル栓体の前記係合筒の一部は、前記肩部アダプターの前記補強部の前記2つの枠部の、外側平面板の間から短軸方向の外側に突出して、前記係合筒の螺旋突起と、前記口部部材の部分的な雌ねじとが係合する
請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記肩部アダプターは前記補強部の上側に、前記補強部の内側円弧よりも小径の中筒を有し、
前記中筒の内周面には内側環状突起が設けられ、
前記ノズル栓体は、前記係合筒の上側に、前記係合筒よりも径方向に分厚い厚肉筒を有し、
取り付け状態において、前記中筒の内側環状突起は、前記厚肉筒の外側面と当接する
請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記ノズル栓体の前記挿通筒の下端には、外径側にフランジ状に広がり、前記厚肉筒の上面となる環状閉塞板が設けられ、
前記肩部アダプターの、前記上部閉塞板と前記補強部の間に、密着部が設けられ、
前記貫通孔は、前記上部閉塞板と前記密着部を上下方向に貫通するように形成され、前記貫通孔を規定する内壁として、前記中筒と、前記中筒よりも上側で内径が小さい上部筒が設けられ、前記中筒と前記上部筒との境界は環状の段差面であり、
前記肩部アダプターと前記ノズル栓体を前記容器本体の口部部材から取り外す際、まず前記ノズル栓体が前記容器本体の前記口部部材に対して回転して前記口部部材に対して、所定量上昇すると、前記ノズル栓体の前記環状閉塞板が前記肩部アダプターの前記環状の段差面にぶつかり、
その後、前記容器本体に対して、前記ノズル栓体を回転させることで、前記肩部アダプターも前記ノズル栓体とともに、前記容器本体の口部部材に対して上昇して取り外される
請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記収容部の上端開口部の、上面視で長径部と短径部を有し角部がない形状は、楕円形であり、
前記口部部材の下部の内側面は、上面視で、楕円の長軸と平行な方向にIカットされた、楕円の長軸と平行な2つの弦と、長軸を通る2つの弧を有する略長円形状であり、
前記肩部アダプターの前記補強部の各枠部の外側面は、前記外側平面板である楕円の長軸方向に延びる円弧が平行にIカットされた2つの弦板と、各枠部で2つの弦板の長軸方向外側端と接続された楕円小径側円弧板である
請求項3に記載の容器。
【請求項7】
前記肩部アダプターの前記補強部は、楕円の長軸を通って、前記内側円弧板と前記楕円小径側円弧板の間を架橋する長軸補強板をさらに有する
請求項6に記載の容器。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の容器と、
キャップと、を備える
キャップ付き容器。
【請求項9】
前記キャップには、内側面に係止リブが形成された、径方向に移動可能な操作部が側面に設けられ、
前記ノズル栓体の前記挿通筒の上端の外周面には、外側に突出する係止突起が設けられ、
前記キャップの前記操作部に外側から力がかかることで、前記係止リブが、前記径方向において前記ノズルの係止突起と干渉する位置に到達し、
前記係止突起と前記係止リブとが干渉する位置で、前記容器本体に対して前記キャップを回転させることで、前記肩部アダプター及び前記ノズル栓体を前記キャップとともに、前記容器本体の前記口部部材から取り外し可能である
請求項8に記載のキャップ付き容器。
【請求項10】
前記ノズル栓体において、前記係止突起は、前記挿通筒の上端の外周面に設けられ、
前記肩部アダプターは、前記貫通孔の上端から内側に延びだす内向きフランジを有し、
前記係止突起の下端は、前記内向きフランジよりも上側に位置する
請求項9に記載のキャップ付き容器。
【請求項11】
容器の容器本体の上端開口部が上面視で非円形である口部に装着される栓機構であって、
中央に貫通孔が形成され、前記口部と嵌合する肩部アダプターと、
前記肩部アダプターの貫通孔に回転可能に挿通されるノズルと、前記ノズルの下側に位置する係合筒と、を有するノズル栓体と、を備え、
前記ノズル栓体の前記係合筒の外周には、前記口部に形成された部分的な雌ねじと係合可能な螺旋突起が形成され、
前記容器本体に対して、前記ノズル栓体を回転させることで、前記肩部アダプターを前記ノズル栓体とともに、前記容器本体の口部から取り外し可能である
栓機構。
【請求項12】
請求項11の栓機構と、
前記栓機構の前記ノズルと係合可能なキャップとを備える
キャップ付き栓機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を最後まで使い切ることができる容器、該容器を備えるキャップ付き容器、該容器の容器本体と係合可能な栓機構、及び該栓機構を備えるキャップ付き栓機構に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、持続可能な社会をつくるための「SDGs(Sustainable Development Goals)」の認知度が急激に上がっており、化粧品の分野においても、内容物を最後まで使い切れる容器が注目されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、栓体を押さえつけるリングがチューブ容器の広口の口部に対してネジ係合することで、栓体を着脱自在にして、チューブに残留した化粧料を、栓体を外して無駄なく最後まで使い切る構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-254769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の構成では、チューブの円形の広口部と、栓体を押さえる筒状のリングの内周面がネジ係合するため、チューブ容器の口部は円形に限られ、楕円形など非円形の場合には、適用できなかった。
【0006】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、容器の上端が非円形であっても、内容物を最後まで使い切ることができる、容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様では、
上端開口部が上面視で非円形である収容部と、収容部の上端の内側に固定され、内側面に部分的な雌ねじが形成された口部部材とを有する容器本体と、
中央に貫通孔が形成され、前記口部部材と嵌合する肩部アダプターと、
上方に突出するノズルと、該ノズルの下側で前記肩部アダプターの前記貫通孔に挿通される挿通筒と、前記挿通筒の下側に位置する係合筒と、を有するノズル栓体と、を備える容器であって、
前記ノズル栓体の前記係合筒の外周には、前記口部部材の部分的な雌ねじと係合可能な螺旋突起が形成され、
前記容器本体に対して、前記ノズル栓体を回転させることで、前記肩部アダプターを前記ノズル栓体とともに、前記容器本体の口部部材から取り外し可能である、
容器、を提供する。
【発明の効果】
【0008】
一態様の容器は、容器の上端が非円形であっても、内容物を最後まで使い切ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第1実施形態のキャップ付き容器の容器本体と、キャップ付き栓機構を分解した説明図。
図2図1の第1実施形態のキャップ付き容器の部品分解図。
図3】第1実施形態の容器の口部近傍と、キャップの一部断面説明図。
図4】第1実施形態の容器本体の上面斜視図。
図5】肩部アダプターとノズル栓体の状態別の断面斜視説明図。
図6】第1実施形態の栓機構の下面斜視図。
図7】第1実施形態の容器の口部近傍の断面斜視図。
図8】第1実施形態のキャップと係合した容器の口部近傍の一部断面説明図。
図9】第1実施形態の外キャップと、内キャップ筒と、ノズル栓体の分解説明図。
図10】第1実施形態の容器本体に対するキャップ及び栓機構の着脱の動作説明図。
図11】第1実施形態のキャップの下部と栓機構の状態別の断面説明図。
図12】第1実施形態の容器本体から取り外された、キャップ付き栓機構の載置状態を示す説明図。
図13】第2実施形態の容器本体の上面斜視図と、栓機構の下面斜視図。
図14】第3実施形態の容器本体の上面斜視図と、栓機構の下面斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。下記、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0011】
本発明は、容器、キャップ付き容器、栓機構、及びキャップ付き栓機構に関する。容器は、例えば、樹脂製、金属膜製、紙製などの可撓性のあるチューブ容器である。あるいは容器は、自立可能な容器であってもよい。
【0012】
本発明の容器に納められる内容物は、化粧料、歯磨きペースト、調味料等の1回使い切りではなく、何回かに分けて使用される粘性物質であると好ましい。本明細書において、粘性物質とは、粘性を有する、美容液、クリーム、ヘアワックス、軟膏、歯磨きペースト等の、粘性化粧料、粘性薬品、粘性石鹸等である。
【0013】
<第1実施形態>
まず、図1図3を用いて、本開示の第1実施形態のキャップ付き容器の構成の概略について説明する。図1は、本開示の第1実施形態のキャップ付き容器の容器本体と、キャップ付き栓機構を分解した説明図である。図2は、第1実施形態のキャップ付き容器の部品分解図である。図3は、第1実施形態の容器の口部近傍とキャップの一部断面説明図である。
【0014】
図1図2を参照して、キャップ付き容器100は、容器10とキャップ9とを有する。容器(チューブ容器)10は、収容部1と、口部部材2と、ノズル栓体4と、肩部アダプター5とを備える。キャップ9は、内キャップ筒7と、外キャップ8と備える。
【0015】
収容部1は、内容物を収容する。収容部1は、例えば、チューブ等の可撓性のある収容体である。口部部材(口部)2は、該収容部の上端に密着固定される広口の変形楕円筒状リングである。製造後の流通過程では、収容部1と口部部材2は、インサート成形、熱溶着、接着等によって密着しており、栓機構6を外したときにも、分離しない容器本体(チューブ容器本体)3となる。
【0016】
本例では、収容部1は、上端開口部が楕円形であるチューブであって、図2の状態で上から、チューブ上部11、胴部12、及び尾部13を有している。チューブ上部11は、口部部材2が内側から密着する領域である。本実施形態では、収容部1のチューブ上部11及び胴部12は内径が楕円形状である。なお、楕円形状はどちらか一方が長い、長径部と短径部を有し、角部がない形状の一例であって、収容部1のチューブ及び胴部12を含む上端開口部は、楕円形状に加えて、上面視で長径部と短径部を有し、角部がない他の形状(角丸長方形、湾曲C型など)であってもよい(図13図14参照)。
【0017】
収容部1がチューブである場合、収容部1は、例えば、柔軟な可撓性を有する薄肉の樹脂膜、金属膜(例えばアルミ)、樹脂膜と金属膜との積層膜、樹脂膜に無機物質を蒸着させた膜、合成ゴム、紙等、柔軟な可撓性を有する素材によって形成されている。
【0018】
なお、収容部1は、尾部13が線状に閉塞するチューブに限られず、例えば、円筒形や外形角柱形等の有底の可撓性の容器、例えばパウチ容器等であってもよい。あるいは、収容部1は、剛性のある容器に、可撓性のある内袋が収容された二重容器であってもよい。
【0019】
口部部材2は、中央に孔部20が形成された楕円筒状の部材である。図1図4に示すように、口部部材2は、収容部1の上端の内側に固定され、内側面に部分的な雌ねじ26A、26B(図4参照)が形成されている。口部部材2は、外側が楕円筒21であって、上端に外側に延び出す上端フランジ22が設けられている。口部部材2の内側の詳細は、図4とともに後述する。口部部材2は、例えば、収容部1よりも剛性を有する樹脂で形成されている。
【0020】
ノズル栓体4は、上側にノズル41が形成され、下側に取付部が形成された栓部材(ノズル中栓)である。ノズル41は上方に突出しており、頂点に内容物が外に絞り出される小孔40が形成されている。
【0021】
詳しくは、ノズル41において、上側は径が小さくなる縮径筒で先端ノズル41Tであり、先端ノズル41Tの下側は、筒状ノズル41Hである。筒状ノズル41Hの外周面には、嵌合突起であるポッチ突起42が設けられている。
【0022】
筒状ノズル41Hの下側は、挿通筒43となっている。挿通筒43の上端の外側には、キャップ9に対する係止突起である複数の板状リブ44が設けられている。
【0023】
また、ノズル栓体4の下部では、挿通筒43の下端からフランジ状に環状閉塞板45が設けられている。そして、環状閉塞板45の外縁から垂下するように、取付のための筒部が設けられ、その筒部の上部が厚肉筒46であり、下部が厚肉筒46よりも外径側が薄肉の係合筒47となっている。
【0024】
そして、係合筒47の外周面には、ネジ突起(螺旋突起、雄ネジ)48が設けられている。図1図3に示すように、ノズル栓体4の下部の係合筒47は、肩部アダプター5の下部の一部である切り欠きNA、NB(図5(a)参照)から短軸方向の外側に突出して、係合筒47の螺旋突起48が、口部部材2の部分的な雌ねじ26A、26Bと係合する。係合の詳細は後述する。
【0025】
肩部アダプター5は、ノズル栓体4を、容器本体3に取り付けるための装着部材であって、口部部材2と接触して嵌合する。肩部アダプター5の上部中央には貫通孔50が形成され、貫通孔50を取り囲むように、肩部となる上部閉塞板51が設けられている。
【0026】
上部閉塞板51の上面は、二段形状であり、中央が中央口部51Iで、外側が、外側肩部51Oである。中央口部51Iも、外側肩部51Oもいずれも上面視で外形が楕円形である。上部閉塞板51の下には、孔空き楕円柱形状の密着部53が設けられている。肩部アダプター5の密着部53の下には、補強部58が設けられている。補強部58の詳細構造は、図6図7とともに後述する。
【0027】
次に、図4を参照して、容器本体3の構造の詳細について説明する。図4は、第1実施形態の容器本体の上面斜視図である。
【0028】
図2図3図4を参照して、口部部材2は、中央に孔部20が形成された楕円筒状の口部部材である。図4に示すように、広口の口部部材2の孔部20は、使用者が指Fを挿入して内容物を拭い取ることが可能な程度の内径を有している。
【0029】
口部部材2の外側が楕円筒21であって、上端に外側に延び出す上端フランジ22が設けられている。そして、口部部材2の内側の上部は、周方向全域が薄肉楕円部23である。図3に示すように、容器10の状態では、密着部53の楕円柱の外周面が、口部部材2の上部の薄肉楕円部23の内周面に接触するように肩部アダプター5は口部部材2に嵌め込まれる。
【0030】
口部部材2の内側の下部には、楕円の短軸(短径部の頂点)を通る円弧状の側縁部の内側に上面視で弓形に厚みを有する、対向する2つの弓形厚肉領域(長径厚肉領域)24A、24Bが設けられている。そして、弓形厚肉領域24A、24Bの内側の弦面である内側平面の中央は、部分的に上面視で円弧状に凹む、弧状凹面25A、25Bである。この弧状凹面25A、25Bには、部分的な螺旋突起である雌ネジ26A、26Bが形成されている。また、口部部材2の内側下部で、弓形厚肉領域24A、24Bが設けられていない部分は、楕円小径側円弧部27A、27Bとなり、薄肉楕円部23よりも若干厚肉の領域となる。
【0031】
このような構造により、口部部材2の下部の内側面は、上面視で、楕円の長軸と平行な方向にIカットネジの断面のようにカットされた、楕円の長軸と平行な2つの弦と、長軸を通る2つの弧を略長円形、即ち陸上トラック形状をつぶしたような形である。
【0032】
また、図1図4に示すように、口部部材2の下部に位置する楕円筒21の外側には、チューブ上部11が、密着して取り付けられている。
【0033】
次に、図3図6を参照して、栓機構の構造の詳細と係合について説明する。図5は、肩部アダプターとノズル栓体の状態別の断面斜視説明図である。図6は、第1実施形態の栓機構の下面斜視図である。
【0034】
図5(a)は、栓機構6の組み立ての前であってノズル栓体4と肩部アダプター5が離れている状態を示す。図5(b)は容器本体3に組み付けられているときの栓機構6の状態であって、ノズル栓体4と肩部アダプター5で気密がとれている通常使用時の状態を示す。図5(c)はノズル栓体4と肩部アダプター5で気密が解除された栓機構6取り外し時の状態を示す。なお、ノズル栓体4の板状リブ44周辺の詳細説明のため、図5(a)のノズル栓体4の切断面は、図5(b)、図5(c)のノズル栓体4の断面から少しオフセットした断面を示している。
【0035】
上述のように、肩部アダプター5は、上部閉塞板51の下に孔空き楕円柱形状の密着部53が設けられ、その下に補強部58が設けられている。そして、図5(a)に示すように、肩部アダプター5の補強部58の上側、即ち、上部閉塞板51及び密着部53の中央を貫通するように、貫通孔50が設けられている。
【0036】
中央の貫通孔50は、上側よりも下側の方が、内径が大きく、貫通孔50を規定する内壁の筒部として、上部が上部筒54であり、下部が中筒56である。上部筒54の上端には内向きフランジ55が設けられている。また中筒56の内周面には、内側環状突起57が設けられている。中筒56と上部筒54との境界は環状の段差面56Sとなっている。
【0037】
また、図5(a)、図6を参照して、孔空き楕円柱形状の密着部53は、上部閉塞板51の外形の楕円よりも径が小さく、上部閉塞板51の外縁が楕円フランジ(フランジ)52となっている。
【0038】
図6に示すように、補強部58は、長径部(長軸)の中央で分断され、上下に延びる板で取り囲まれた2つの枠部を有する。2つの枠部は、分断面として内側円弧板583A、583Bを有し、外側面は、下面視で密着部53の外形よりも小さい形状である。
【0039】
詳しくは、一方の枠部は、分断面として内側円弧板583Aを有し、外側面として、2つの弦板(外側平面板)581A、581Cと、楕円小径側円弧板582Aを有する。他方の枠部は、分断面として内側円弧板583Aを有し、外側面として、2つの弦板(外側平面板)581B、581Dと、楕円小径側円弧板582Bを有する。
【0040】
4つの弦板581A、581B、581C、581Dは、楕円の長軸方向に延びる楕円大径側の円弧をカットした直線状即ち平面状の補強板(外側平面板)である。弦板581Aと581Bは同一直線状に延び、中央が切り欠き(中央空間)NAによって分断されている。弦板581Cと581Dは同一直線状に延び、長径方向の中央が切り欠き(中央空間)NBによって分断されている。
【0041】
2つの楕円小径側円弧板582A、582Bは、楕円の長軸を通る弧である、Rが小さい方の外側に近い円弧状の補強板である。一方の枠部において、楕円小径側円弧板582Aは弦板581A、581Cの長軸方向外側端と接続されており、他方の枠部において楕円小径側円弧板582Bは弦板581B、581Dの長軸方向外側端と接続されている。
【0042】
4つの弦板581A、581B、581C、581Dは、長径方向の直線の方向の中央で分断され、分断された部分に、2つの内側円弧板583A、583Bが位置する。2つの内側円弧板583A、583Bは、上記の中筒56よりも下側で、中筒56よりも少し径が大きい、内側の円弧状の補強板である。
【0043】
さらに本実施形態では、補強部58は、枠部を支える軸部として、楕円の長軸を通って、内側円弧板583A、583Bと楕円小径側円弧板582A、582Bの間を架橋する長軸補強板584A、584Bをさらに有する。なお、補強部58において軸部は設けられなくてもよい。
【0044】
一方、ノズル栓体4は、上述のように、上からポッチ突起42が設けられたノズル41、複数の板状リブ44が設けられた挿通筒43、環状閉塞板45、嵌まり込みの厚肉筒46、及び螺旋突起48が設けられた係合筒47を有している。
【0045】
また、図5(a)に示すように、挿通筒43に設けられる複数の板状リブ44の各リブにおいて、上部が上下で飛び出し長さが変化しない長方形リブ44Lであり、下部が、上端よりも下端の方が飛び出し長さが長くなる台形リブ44Tである。
【0046】
さらに、図5(a)に示すように、挿通筒43において、複数の板状リブ44が設けられる上端近傍、即ち、周方向において、隣接する板状リブ44それぞれの間で挟まれる領域は、薄肉筒43Nとなっている。また、挿通筒43において、板状リブ44よりも下の分は、薄肉筒43Nよりも外周側が分厚い厚肉筒部43Kとなっている。
【0047】
ここで、図5(a)、図5(b)に示すように、製造工程において、栓機構6を組み立てる際は、ノズル栓体4のノズル41に対して、肩部アダプター5の貫通孔50を挿通させるようにかぶせる。そして、肩部アダプター5の貫通孔50に対して、下からノズル栓体4のノズル41を押し込む。強く押し込む力が加わることで、ノズル栓体4の板状リブ44下部の台形リブ44Tが、肩部アダプター5の上部筒54の上端に設けられた内向きフランジ55を乗り越える。
【0048】
乗り上げの際、肩部アダプター5の内向きフランジ55の内周縁が広がる、又はノズル栓体4の台形リブ44Tが潰れる又は曲がるように弾性変形する。よって、ノズル栓体4と肩部アダプター5の少なくとも一方は、弾性変形する素材で構成されている。例えば、NBR(ニトリルゴム)等のゴムや、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、POM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタラート)等の樹脂で構成されると好適である。
【0049】
上記のように、ノズル栓体4の台形リブ44Tが肩部アダプター5の内向きフランジ55を乗り越えて栓機構6として組み立て状態になると、ノズル栓体4は、肩部アダプター5の下方向には抜けなくなり、ユーザーは分解できない、栓機構6として一体化する。よって、栓機構6として係合した状態で容器本体3に係合しているとともに、容器本体3から取り外される際も栓機構6として、係合状態にある。ただし、下記、図5(a)、図9では、説明のため、ノズル栓体4と肩部アダプター5とを分解して図示している。
【0050】
なお、栓機構6となった状態でも、ノズル栓体4と肩部アダプター5とは回転方向には固定されていないため、ノズル栓体4のノズル41及び挿通筒43は、肩部アダプター5の貫通孔50に回転可能に挿通されていることになる。
【0051】
ノズル栓体4と肩部アダプター5が栓機構6とした係合した状態では、外部からの力の掛かり方により、図5(b)の状態又は図5(b)の状態のいずれかになる。
【0052】
栓機構6を組み立て後、栓機構6を容器本体3に装着した組み立て状態では、図5(b)に示すように、内向きフランジ55の下側では、肩部アダプター5の中筒56の内側環状突起57が、ノズル栓体4の取付部の厚肉筒46の外側面と強く当接している。この内側環状突起57と厚肉筒46の外周面との当接により、ノズル栓体4と、肩部アダプター5とで気密状態となる。
【0053】
一方、栓機構6を容器本体3から取り外しの際は、図5(b)の状態から図5(c)の状態に移行して、ノズル栓体4が肩部アダプター5に対して上側に移動し、内側環状突起57と厚肉筒46との当接状態が解除される。その後ノズル栓体4の環状閉塞板45が、肩部アダプター5の中筒56と上部筒54との境界の環状の段差面56Sと接触する。図5(c)の状態になった後は、螺合係合解除によるノズル栓体4の容器本体3に対する上昇時に、環状閉塞板45が接触する段差面56Sを押し上げて、肩部アダプター5もノズル栓体4と一緒に、容器本体3から取り外すことができる。
【0054】
次に、図2図6図7を用いて、栓機構6と容器本体3との係合状態について説明する。図7は、第1実施形態の容器10の口部近傍の断面斜視図であって、図3の容器10のC面断面図である。
【0055】
図6に示した栓機構6の状態では、ノズル栓体4の取付部下部の係合筒47は、肩部アダプター5の補強部58の2つの枠部の、弦板(外側平面板)581Aと581Bの間の切り欠きNA、及び弦板(外側平面板)581Cと581Dの間の切り欠きNBから短軸方向の外側に露出し突出している。さらに、係合筒47は、円周方向において、内側円弧板583A、583Bの間から外周側に露出し突出している。
【0056】
よって、肩部アダプター5の弦板581Aと581Bの間、及び弦板581Cと581Dの間から短軸方向に外側に露出した、ノズル栓体4の下部の係合筒47に設けられた螺旋突起48は、図7に示すように、栓機構6を容器本体3に組み立てた状態では、口部部材2の部分的な雌ねじ26A、26Bと係合することができる。
【0057】
さらに、図7に示すように、肩部アダプター5の補強部58の枠部の一部である弦板581A、581B、581C、581Dは、口部部材2の弓形厚肉領域24A、24Bの内側弦面と接触又は近接する。また、補強部58の枠部の一部である2つの楕円小径側円弧板582A、582Bは、口部部材2の、楕円小径側円弧部27A、27Bの内側面と接触又は近接する。
【0058】
補強部58の2つの内側円弧板583A、583Bは、ノズル栓体4の下部の係合筒47に設けられた螺旋突起48の周囲を取り囲むように近接して設けられている。
【0059】
このように肩部アダプター5の補強部58が、長方形の短辺が外側に膨らんだ形状の口部部材2の下部の内側面と、面状に接触又は近接し、かつ、ノズル栓体4の取付筒下部の螺旋突起48が設けられた係合筒47の周囲を近接して取り込むように補強している。さらに、図2に示したように、補強部58の上側では、肩部アダプター5の密着部53の外周面は、口部部材2の薄肉楕円部23の内周面と密着している。
【0060】
このような肩部アダプター5の補強部58と密着部53の構成により、例えば、容器10として組み立てられた状態で、ノズル栓体4を横に曲げるような力がかかった場合も、ノズル栓体4及び肩部アダプター5が容器本体3に対してずれたり、外れたりすることを防ぐ。さらに、肩部アダプター5は、ノズル栓体4を口部部材2に対して締め込む際のガイドとしても機能する。
【0061】
また、容器10の状態では、ノズル栓体4の係合筒47の螺旋突起48と、口部部材2の部分的な雌ねじ26A、26Bとが係合していることで、容器本体3と栓機構6とは上下方向に固定され、例えば持ち上げ時に、ノズル栓体4のノズル41を持ったとしても、ノズル栓体4及び肩部アダプター5が容器本体3から抜け落ちることを防げる。
【0062】
一方、容器10において、容器本体3に対して、ノズル栓体4を回転させることで、肩部アダプター5をノズル栓体4とともに栓機構6の状態で、容器本体3の口部部材2に対して、取り付け及び取り外し可能である。
【0063】
さらに、図2に示すように、チューブ容器である容器10はキャップ9と係合可能である。キャップ9の構造と、容器10との係合について、図2図8図9を用いて説明する。
【0064】
図8は第1実施形態のキャップと係合した容器の口部近傍の一部断面説明図である。図9は、第1実施形態の外キャップ8と、内キャップ筒7と、ノズル栓体4の分解説明図である。
【0065】
上述のように、キャップ9は、内キャップ筒7と、外キャップ8を有している。図8図9を参照して、外キャップ8は、有天の二重筒形状であって天面81と、外側壁面である外壁82と、垂下筒85を有する。また、図9を参照して、楕円筒状の外壁82には、大径側円弧面に、短軸方向に対向するように、切り欠き83A、83Bが形成されている。また、外壁82の、小径側円弧面の下端近傍の内側面に内側傾斜凹部84A、84Bが設けられている。
【0066】
また、天面81から垂下する係合筒である垂下筒85の内側面には、環状凹部86と、環状凹部86のすぐ下に環状凸部87が設けられている。天面81の下面中央には、打栓突起88が形成されている。
【0067】
内キャップ筒7は、外キャップ8の内側に嵌め込まれるキャップ側の筒状係合部材である。内キャップ筒7は、楕円の大径側の円弧面71A、71Bと、楕円の長軸を通る対向する円弧がカットされた弦の部分である縦長の短冊状の縦長平面76A、76Bによって長方形の長辺2つが外側に膨らむ曲線に置き換わった形状の断面を有する略楕円筒部70で構成されている。
【0068】
内キャップ筒7の略楕円筒部70の円弧面71A、71Bには、円弧方向に延びるスリット72A、72Bが形成されている。スリット72A、72Bの下側では、円弧の中央には操作部73A、73Bが設けられ、操作部73Aの両側には断続円弧板74A、74Bが設けられ、操作部73Bの両側には、断続円弧板74C、74Dが設けられている。また、操作部73A、73Bが、断続円弧板74A、74B、74C、74Dよりも短軸方向外側に位置するように、操作部73A、73Bと、断続円弧板74A、74B、74C、74Dの間には、段差面75A(図11(a)参照)、75B、75C、75Dが設けられている。
【0069】
そして、2つの操作部(ボタン部)73A、73Bのそれぞれの内周面には、上下方向に延びる2本の係止リブ(731A、732A)、(731B、732B)が形成されている。
【0070】
また、内キャップ筒7の短冊状の縦長平面76A、76Bの内側面の下端近傍には、外側凸部77A、77Bが設けられている。
【0071】
外キャップ8と内キャップ筒7とのキャップ係合状態では、楕円の長軸を通る対向する面において、縦長平面76A、76Bの外側凸部77A、77Bが外キャップ8の内側傾斜凹部84A、84Bに入り込む。この係合により、キャップ9組み立て後は、外キャップ8と内キャップ筒7は、上下方向に抜け落ちないように固定される。
【0072】
内キャップ筒7は、外キャップ8と係合したときに、縦長平面76A、76Bと、円弧面71A、71Bのスリット72A、72Bよりも上の部分と、断続円弧板74A、74B、74C、74Dの部分が、外キャップ8の外壁82の内側に位置する。キャップ9組み立て状態では、円弧面71A、71Bは外キャップ8の外壁82と垂下筒85の間に位置し、図9に示すように、円弧面71A、71Bの内周面は短軸方向では垂下筒85と接触又は近接し、長軸方向では垂下筒85と離間している。
【0073】
一方、操作部73A、73Bは、スリット72の上側の円弧面71A、71B、及び、断続円弧板74A、74B、74C、74Dの部分よりも、短軸方向に外側に膨らんでおり、外キャップ8と係合したとき、切り欠き83A、83Bから外周側へ突出する領域である。
【0074】
ここで、図9に示したように、操作部73A、73Bの裏面に設けられる係止リブ(731A、732A)、(731B、732B)の内側先端面は、上部では操作部73A、73Bの裏面と平行で、下部では下側に向かって突出量が徐々に少なくなるように傾斜している。
【0075】
そして、図8に示すように、キャップ9が容器10と係合した状態では、操作部73Bの係止リブ732Bは、ノズル栓体4の複数の板状リブ44と上下方向において対向する位置にある。そして、係止リブ732Bの内側端面の形状は、上部が長方形リブ44Lに沿った形状であり、下部が台形リブ44Tである板状リブ44に沿った形状となっている。他の係止リブも同様の形状である。これにより、係止リブ(731A、732A)、(731B、732B)は上下方向全域において、複数の板状リブ44よりも、径方向外側に位置している。そのため、操作部73A、73Bが押されていない非操作状態にある場合は、係止リブ(731A、732A)、(731B、732B)は、複数の板状リブ44のいずれにも干渉しない。
【0076】
ここで、図2図8図9を参照して、第1実施形態の容器10に対するキャップ9の取り付け及び取り外しを説明する。
【0077】
本開示のキャップ付き容器100では、キャップ9取付け時、キャップ9の操作部73A、73Bに力を掛けずに、キャップ9を容器10に対して押し込むことで、キャップ9がノズル41に係合して、キャップ9は容器10と係合する(図2図8)。
【0078】
詳しくは、キャップ9を容器10に係合させる場合、キャップ9がノズル栓体4に対して下に押し込まれた際に、キャップ9の垂下筒85の内周側の環状凸部(嵌合部)87がノズル41のポッチ突起42(嵌合部)を乗り越えて、ポッチ突起42が環状凹部86に入り込むように、乗り上げ嵌合(スナップ係合)する。
【0079】
一方、キャップ9を容器10から取り外す場合は、キャップ9の切り欠き83A、83Bから突出した操作部73A、73B以外の外キャップ8の外壁82の部分を把持しながら、容器10に対してキャップ9を引き上げる。この引き上げにより、キャップ9の垂下筒85の環状凹部86のすぐ下の環状凸部87がノズル41のポッチ突起42を乗り越えてポッチ突起42の上側に移動し、キャップ9とノズル栓体4との係合が解除され、キャップ9が容器10から取り外される。
【0080】
また、上述のように、容器本体3に対して、ノズル栓体4を回転させることで、肩部アダプター5をノズル栓体4とともに栓機構6の状態で、容器本体3から取り外し可能である。
【0081】
ここで、キャップ9が、容器10に対して独立して回転するか、あるいは栓機構6とともに回転するかは、キャップ9の操作部73A、73Bの状態による。
【0082】
キャップ9と容器10との係合について、図9図10図11を用いて説明する。図10は、第1実施形態の容器本体3に対するキャップ9及び栓機構6の着脱の動作説明図である。図11は、第1実施形態のキャップ9の下部と栓機構6の状態別の断面説明図である。図11(a)は、図10(a)の状態のD面断面図に相当し、図11(b)、図11(c)は図10(b)の状態になる前の状態の断面図に相当する。
【0083】
上述のように、容器本体3の口部部材2の内周面には部分的な雌ネジ26A、26Bが設けられ、ノズル栓体4の下部の係合筒47の外周面には、螺旋突起48が設けられている。よって、通常使用状態では、口部部材2の螺旋突起26A、26Bとノズル栓体4の螺旋突起48とが係合することで、ノズル栓体4は、容器本体3と係合している。
【0084】
なお、ノズル栓体4の螺旋突起(ネジ突起)48は、図9に示すように、係合筒47の外周面に一周以上設けられており、螺旋突起48の一部が二重になるように形成されていると好適である。
【0085】
上述のように、内キャップ筒7の操作部73A、73Bは、円周方向の他の領域である断続円弧板74A、74B、74C、74Dの部分よりも外側に張り出す係合部分である。操作部73A、73Bの内側には対となる係止リブ(731A、732A)、(731B、732B)が設けられている。また、ノズル栓体4の挿通筒43の上端には、複数の板状リブ44が設けられている。
【0086】
ここで、キャップ9と容器10とが係合した状態において、操作部73A、73Bに対して力がかかっていない場合は、図11(a)に示すように、操作部73A、73Bの係止リブ対(731A、732A)、(731B、732B)は、ノズル栓体4の複数の板状リブ44のうちの2つを円周方向には挟み込んでいるが、径方向において干渉しない位置にある。そのため、この位置関係では、キャップ9はノズル栓体4から独立して回転することができる。
【0087】
よって、例えば、使用者が通常使用時に、キャップ9を容器10から取り外す際に、キャップ9の外壁82を把持して、キャップ9を回転する力をかけた場合、ポッチ突起42が環状凹部86に入り込んだキャップ9とノズル41との係合状態を維持したまま、キャップ9が空転する。そのため、間違って容器10に対してキャップ9を回転させた場合であっても、操作部73A、73Bを押さない限り、キャップ9につられて、栓機構6が供回りすることは発生しない。
【0088】
一方、キャップ9と容器10とが係合した状態において、操作部73A、73Bに外側から力がかかることで、図11(b)に示すように、操作部73A、73Bの係止リブ対(731A、732A)、(731B、732B)が、ノズル栓体4の複数の板状リブ44のいずれかを挟み込んで、径方向において干渉した位置に来る。
【0089】
詳しくは、操作部73A、73Bに力がかかることで、内キャップ筒7の、スリット72A、72Bによって上下に分断された円弧面71A、71Bの下部において、操作部73A、73Bを挟み込む、74A、74B、74C、74Dの部分が弾性変形することで、操作部73A、73Bが径方向の内側に移動する。これに伴い、操作部73A、73Bの係止リブ対(731A、732A)、(731B、732B)も、径方向内側に移動することで、ノズル栓体4の複数の板状リブ44のいずれかを挟み込んで、径方向において干渉する位置に来る。
【0090】
そして、図11(b)の押圧状態を維持しながら、キャップ9が少し回転すると、図11(c)に示すように、操作部73A、73Bの係止リブ(731A、732A)、(731B、732B)が、ノズル栓体4の複数の板状リブ44のうちの4つの板状リブ44と横から接触する。この状態になると、ノズル栓体4に対するキャップ9の回転が規制され、キャップ9と、ノズル栓体4とが、容器本体3に対して一緒に回転可能になる。
【0091】
なお、図11(c)では、ノズル栓体4の複数の板状リブ44の数は12つで、操作部73A、73Bを押した状態でキャップ9を回転させる際に、係止リブ(731A、732A)、(731B、732B)のすべてが4つの板状リブ44と接触する例を示した。本構成では、12個の板状リブ44が円周上に等間隔で並んでいることで、4つの係止リブ(731A、732A)、(731B、732B)が位置決め不要で引っ掛けやすくなる。しかし、ノズル栓体4の複数の板状リブ44の数は少なくとも短軸方向の延びる2つを含む2つ以上であればよい。板状リブ44が2つの場合は、操作部73Aに設けられた複数の係止リブ(731A、732A)のいずれか一方、操作部73Bに設けられた複数の係止リブ(731B、732B)のいずれか一方が、2つの板状リブ44に接触して回転する。
【0092】
このように、キャップ9の操作部73A、73Bが押された状態で、キャップ9と一緒にノズル栓体4を、口部部材2に対して回転させることで、ノズル栓体4の下部の係合筒47の螺旋突起48と、口部部材2の部分的な螺旋突起26A、26Bとの螺合係合が徐々に解除されながら、ノズル栓体4が口部部材2に対して、上方向に移動していく。この際、肩部アダプター5は口部部材2に嵌め合わされているため、口部部材2側に固定され、ノズル栓体4は肩部アダプター5に対しても相対的に上方向に移動し、ノズル栓体4の環状閉塞板45が、肩部アダプター5の段差面56Sに近づいていく。
【0093】
さらにノズル栓体4をキャップ9とともに回転させると、図10(b)の白矢印に示すように、ノズル栓体4の環状閉塞板45が、肩部アダプター5の段差面56Sに接触する位置まで到達する。この状態からさらに、ノズル栓体4をキャップ9とともに、口部部材2に対して回転させると、ノズル栓体4の口部に対する上方向に移動につられて、肩部アダプター5も口部部材2に対して上方向へ移動し始める。
【0094】
そして、ノズル栓体4の係合筒47の螺旋突起48と、口部部材2の部分的な螺旋突起26A、26Bとの螺合係合が完全に解除されるとほぼ同時に肩部アダプター5の密着部53の外周面と、口部部材2の薄肉楕円部23との密着領域が上下方向に離れることで、キャップ9と共に、栓機構6が、容器本体3の口部部材2から完全に取り外される。
【0095】
このような栓機構6の取り外しの際の回転の持ち手は、ノズル栓体4の最大径である環状閉塞板45の外縁よりもさらに外径が大きい、キャップ9の操作部73A、73Bの外周面となる。そのため、キャップ9及び栓機構6の、口部部材2に対する回転時に、トルクが大きくなり、回しやすくなる。このように回転時のトルクが大きいことにより、使用者は軽い力で、栓機構6をキャップ9とともに、容器本体3から取り外すことができる。
【0096】
なお、図11(b)、図11(c)では、キャップ9に設けられた2つの操作部73A、73Bの両方ともが押し込まれた状態を示したが、いずれか1つの操作部73A、73Bを押圧するだけでも、係止リブ731A、732A、731B、732Bのうちの2つが、ノズル栓体4の複数の板状リブ44の2つと横から接触する。そのため、いずれか一方の操作部73A、73Bを押圧するだけで、栓機構6を容器本体3から取り外す動作を実現できる。
【0097】
一方、キャップ付き栓機構を、容器本体3に装着する際は、まず、図10(c)の黒矢印で示すように、肩部アダプター5を口部部材2の上から押し込んで嵌め込む。肩部アダプター5と下部の補強部58の枠部の外側面と、Iカット状の口部部材2の弓形厚肉領域24A、24B及び楕円小径側円弧部27A、27Bとの嵌め合いよりも、上部の密着部53と薄肉楕円部23との嵌合の方が、肩部アダプター5と口部部材2との密着度は高い。そのため、密着部53の下端が、薄肉楕円部23の上端に到達する位置までは、簡単な押し込みで肩部アダプター5を口部部材2に対して降下させることができる。この位置に到達すると、ノズル栓体4の螺旋突起48が口部部材2の部分的な雌ネジ26A、26Bの一部と対向する位置になる。
【0098】
その後、キャップ9を回転させることで、ノズル栓体4の螺旋突起48と口部部材2の部分的な雌ネジ26A、26Bとの螺合係合が始まり、ノズル栓体4と肩部アダプター5が一緒に、口部部材2に対して降下していく。
【0099】
この螺合係合が進むにつれ、肩部アダプター5もノズル栓体4と一緒に口部部材2に対して押し込まれていき、肩部アダプター5の楕円フランジ52の下端が口部部材の上端フランジ22に接触することで、肩部アダプター5の口部部材2に対する嵌め込みが終了する(図10(b))。
【0100】
さらにキャップ9を締める方向に回転させると、肩部アダプター5は固定されたまま、ノズル栓体4が口部部材2に対してさらに降下していく。そして、螺合係合が終了する状態では、肩部アダプター5の中筒56の内側環状突起57が、ノズル栓体4の取付部の厚肉筒46の外側面と強く当接するようになる(図10(a))。この内側環状突起57と厚肉筒46の外周面との当接により、ノズル栓体4と、肩部アダプター5とで気密状態となる。
【0101】
この図10(b)→図10(a)の装着動作では、回転中のノズル栓体4が肩部アダプター5に対して最小限しか接触しないため、気密部分である内側環状突起57と厚肉筒46のヘタレ少なくできる、という効果がある。
【0102】
また、図2図4に示したように、ノズル栓体4のノズル41及び挿通筒43の外形は上から下へ径が太くなる多段形状である。そして、図8に示すように、外キャップ8の垂下筒85の内周面は、キャップ係合状態において、筒状ノズル41Hの外周面と接触している又は近接している。この構成により、キャップ9と栓機構6を、口部部材2に対して回転させる場合や、容器10に対してキャップ9を着脱する場合に、キャップ9がノズル41に対して傾くことを防ぐ。
【0103】
上記のように、本開示のキャップ付き容器100では、キャップ9の着脱の際は、キャップ9の操作部73A、73B以外を把持した、上下移動動作を行う。一方、栓機構6の着脱の際は、キャップ9の操作部73A、73Bを押した状態での回転の係合動作である。そのため、使用者は、通常使用時のシンプルなキャップ動作に対して、残り少なくなって栓機構6を取り外す場合は、キャップ動作にボタン状の操作部73A、73Bの押圧動作が加わるため、用途に応じたキャップ9の動作の使い分けがわかりやすい。
【0104】
図12は、第1実施形態の容器本体から取り外された、キャップ付き栓機構の載置状態を示す説明図である。上述のように、本開示のキャップ付き容器では、キャップ9の操作部73A、73Bを押した状態で、キャップ9を口部部材2に対して回転させることで、キャップ9及び栓機構6を、容器本体3の口部部材2から取り外し可能となる。
【0105】
ノズル栓体4を、キャップ9と一緒に容器本体3から取り外すことで、使用者は、図4に示したように、容器本体3の収容部1(チューブ)内に指Fや綿棒等の部材を差し込むことができ、内容物を最後まで使用できる。これにより、容器本体3とともに、使用後に廃棄される内容物を削減することができる。
【0106】
この際、キャップ付き栓機構は、残量が少なくなって内容物を掬い取って使用する時にキャップ9を把持しながら置いたり持ち上げたりする動作ができるため、反対側の手が汚れることを防ぐ。また、キャップ付き栓機構は、図12に示すように、キャップ9と肩部アダプター5の上部を下にして栓機構6を傾けて載置する状態では、容器10係合状態で、口部部材2の内側に位置し内容物が付着する可能性がある肩部アダプター5の密着部53及び補強部58とノズル栓体4の係合筒47は上側に位置している。そのため、栓機構6を一時的に置く机や洗面台等の置き場が汚れることを防げ、衛生的である。
【0107】
また、置き場所の汚れを気にすることなくキャップ9とともに栓機構6を机等に載置できるため、使用者は両手が空き、残り少なくなった容器本体3について、一方の手で容器本体3を押さえながら、他方の手で内容物のぬぐい取ることができる。
【0108】
上述のように、容器本体3に対して、栓機構6は着脱することが可能であることから、栓機構6に対して、容器本体3はレフィルとして交換可能である。即ち、収容部1と口部部材2からなる容器本体3は、内容物である粘性物質ととともに交換可能な(外して差し替え可能な)レフィル(リフィルともいう)となる。一方、ノズル栓体4と肩部アダプター5から成る栓機構6とキャップ9は、レフィル交換後、再利用される。
【0109】
よって、空になった容器本体3を、同じ形状の新品のレフィルに付け替えて交換し、栓機構6及びキャップ9を、繰り返し使用することができる。これにより廃棄される樹脂量を削減することができる。
【0110】
付け替え用の、レフィルとして取り替え可能な容器本体3は、口部部材2の上を、フィルム、又は口部を取り囲むカバーで上面を覆うことができる。これにより、レフィルである容器本体3は、単体で流通することができる。
【0111】
なお、レフィルを何回も買い換えて使用するリピーターが、栓機構6やキャップ9に、看過できない汚れがついたり破損や劣化した場合に、繰り返し使用部の方を交換できるように、栓機構6やキャップ9が単独で流通してもよい。さらに、図12のように、栓機構6とキャップ9とが係合した状態のキャップ付き栓機構が、流通してもよい。
【0112】
上記の実施形態では、容器の上端が非円形である例として、容器の収容部の上端開口部が楕円形である例を説明したが、本発明の非円形の容器として他の形状であってもよい。
【0113】
<第2実施形態>
図13は、第2実施形態の容器本体3αの上面斜視図と、栓機構6αの下面斜視図である。本実施形態の容器本体3αの収容部1αの上端開口部は、上面視で角丸長方形である。
【0114】
図13の口部部材2αの下部には、短径部の頂点を通る長方形長辺の側縁部の内側に上面視で弓形(2つの角が角丸の長方形型)の厚みを有する、対向する2つの長径厚肉領域24Aα、24Bα(不図示)を備えている。これにより、口部部材2αの下部の内側面は、略長方形形状である。そして、長径厚肉領域24Aα、24Bαの内側平面の中央は、部分的に上面視で円弧状に凹む、弧状凹面25A、25B(不図示)であり、部分的な雌ねじ26A、26B(不図示)は弧状凹面25A、25Bに形成されている。
【0115】
栓機構6αの肩部アダプター5αは、口部部材2αと係合可能に、下面視で外形が角丸長方形である。よって、肩部アダプター5αにおける、上部閉塞板(不図示)と上部閉塞板の下端外側に位置するフランジ52αの外形、及び密着部53αの外形は、角丸四角形である。
【0116】
そして、図13に示すように、補強部58は、長径部(長軸)の中央で分断され、上下に延びる板で取り囲まれた2つの枠部を有する。枠部の外側面は、下面視で密着部53αの外形よりも小さい形状である。一方の枠部は、分断面として内側円弧板583Aを有し、外側面として、2つの外側平面板(長辺板)581A、581Cと、短辺板585Aを有する。他方の枠部は、分断面として内側円弧板583Bを有し、外側面として、2つの外側平面板(長辺板)581B、581Dと、短辺板585Bを有する。即ち、補強部58αの各枠部の外側面は、外側平面板である分断された2つの長辺と、1つの短辺で構成される一辺を欠いた長方形形状である。
【0117】
また、肩部アダプター5αの密着部53αの孔部の内部形状とノズル栓体4の形状は第1実施形態と同様である。よって、組み立て状態において、ノズル栓体4の係合筒47の一部は、肩部アダプター5αの補強部58αの2つの枠部の外側平面板581Aと581Bの間の切り欠きNA、及び外側平面板581Cと581Dの間の切り欠きNBから短軸方向の外側に露出し突出している。そのため、肩部アダプター5α下部において、係合筒47の螺旋突起48と、口部部材2αの部分的な雌ねじ26A、26B(不図示)とが係合可能である。
【0118】
したがって、本実施形態においても容器本体に対して、ノズル栓体4を回転させることで、肩部アダプター5αをノズル栓体4とともに、容器本体3αの口部部材2αから取り外し可能である。したがって、本実施形態において、容器の上端が非円形である角丸長方形であっても、内容物を最後まで使い切ることができる。
【0119】
<第3実施形態>
図14は、第3実施形態の容器本体3αの上面斜視図と、栓機構6βの下面斜視図である。本実施形態の容器本体3βの収容部1βの上端開口部は、上面視で、湾曲C型である。
【0120】
図14の口部部材2βの下部には、短径部の頂点を通る側縁部の内側に上面視で弓形24Bβと、ひょうたんを半分に切断したような形状の厚みを有する24Aβの、対向する2つの長径厚肉領域を備えている。これにより、口部部材2βの長径厚肉領域24Aβ、24Bβは長さが異なっており、口部部材2βの下部の内側面は、つぶれた半円のような形形状である。
【0121】
そして、長径厚肉領域24Aβ、24Bβの内側平面の中央は、部分的に上面視で円弧状に凹む、弧状凹面25A、25Bであり、部分的な雌ねじ26A、26B(不図示)は弧状凹面25A、25Bに形成されている。
【0122】
栓機構6βの肩部アダプター5βは、口部部材2βと係合可能に、下面視で外形が角丸長方形である。よって、肩部アダプター5βにおける、上部閉塞板(不図示)と上部閉塞板の下端外側に位置するフランジ52βの外形、及び密着部53βの外形は、湾曲C型である。
【0123】
そして、図14に示すように、補強部58βは、長径部(長軸)の中央で分断され、上下に延びる板で取り囲まれた2つの枠部を有する。補強部58βの枠部の外側面は、下面視で密着部53βの外形よりも小さい形状である。一方の枠部は、分断面として内側円弧板583Aを有し、外側面として、長さが異なる2つの外側平面板581A、581Cと、1/4円弧板586Aを有する。他方の枠部は、分断面として内側円弧板583Bを有し、外側面として、長さが異なる2つの外側平面板581B、581Dと、1/4円弧板586Bを有する。
【0124】
また、肩部アダプター5αの密着部53αの孔部の内部形状とノズル栓体4の形状は第1実施形態と同様である。よって、組み立て状態において、ノズル栓体4の係合筒47の一部は、肩部アダプター5βの補強部58βの2つの枠部の、外側平面板581Aと581Bの間の切り欠きNA、及び外側平面板581Cと581Dの間の切り欠きNBから短軸方向の外側に露出し突出している。そのため、栓機構6βの下部のノズル栓体4の係合筒47の螺旋突起48と、口部部材2βの部分的な雌ねじ26A、26B(不図示)とが係合可能である。
【0125】
したがって、本実施形態においても容器本体に対して、ノズル栓体4を回転させることで、肩部アダプター5βをノズル栓体4とともに、容器本体3βの口部部材2βから取り外し可能である。したがって、本実施形態において、容器の上端が非円形である湾曲C型であっても、内容物を最後まで使い切ることができる。
【0126】
なお、容器本体の上端開口部の形状は、長径部(長軸)と短径部(短軸)をもつ連続的な図形であって、かつ角部が丸みを帯びていれば、例えば他にも、角丸菱形、角丸六角形、角丸八角形などの角丸偶数多角形などであってもよい。
【0127】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の実施形態の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0128】
1、1α、1β 収容部(チューブ)
2、2α、2β 口部部材(口部)
24A、24B 弓形厚肉領域(長径厚肉領域)
24Aα、24Bα 長径厚肉領域
24Aβ、24Bβ 長径厚肉領域
25A、25B 弧状凹面
26A、26B 雌ネジ(螺旋突起)
3、3α、3β 容器本体(チューブ容器本体、レフィル容器)
4 ノズル栓体
41 ノズル
42 ポッチ突起
43 挿通筒
44 複数の板状リブ(係止突起)
45 環状閉塞板
46 厚肉筒
47 係合筒
48 螺旋突起
5、5α、5β 肩部アダプター
50 貫通孔
51 上部閉塞板
52、52α、52β フランジ
53、53α、53β 密着部
54 上部筒
55 内向きフランジ
56 中筒
56S 段差面
57 内側環状突起57
58、58α、58β 補強部
581A、581B、581C、581D 弦板(外側平面板、外側面)
582A、582B 楕円小径側円弧板(外側面)
583A、583B 内側円弧板(分断面)
584A、584B 長軸補強板584A、584B
585A、585B 短辺板(外側面)
586A、586B 1/4円弧面(外側面)
6、6α、6β 栓機構
7 内キャップ筒
73A、73B 操作部
731A、732A、731B、732B 係止リブ(係止リブ対)
8 外キャップ
9 キャップ
10 容器
100 キャップ付き容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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図14