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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094147
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】出力装置及び出力プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20240702BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240702BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240702BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G06T7/70 A
G06T7/00 350B
H04N23/60
H04N7/18 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210924
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】512032777
【氏名又は名称】株式会社mmガード
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和清
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
5L096
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054CE01
5C054DA07
5C054FE09
5C054FE14
5C054HA19
5C122DA11
5C122DA16
5C122EA01
5C122EA63
5C122FH10
5C122FH11
5C122FH14
5C122FK34
5C122FK35
5C122FK41
5C122GC07
5C122GC52
5C122GD01
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA75
5C122HA82
5C122HA90
5C122HB01
5C122HB05
5L096AA06
5L096BA03
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA69
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】検査対象が周期性を有する場合であっても、当該検査対象に発生している異常の位置を把握できる。
【解決手段】出力装置10は、カメラが撮影した撮影画像を取得する取得部10Aと、撮影画像から、周期性を有する検査対象が撮影された対象画像を切り出す切り出し部10Bと、対象画像から、検査対象に発生した異常を検出する検出部10Cと、カメラが異常を撮影した位置を、地図に対応付けて視覚的に出力する出力部10Dと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラが撮影した撮影画像を取得する取得部と、
前記撮影画像から、周期性を有する検査対象が撮影された対象画像を切り出す切り出し部と、
前記対象画像から、前記検査対象に発生した異常を検出する検出部と、
前記カメラが前記異常を撮影した位置を、地図に対応付けて視覚的に出力する出力部と、
を備えた出力装置。
【請求項2】
前記切り出し部は、前記検査対象が撮影された学習画像と当該検査対象の属性を示す属性情報との組を教師データとして学習された教師ありモデルに、前記撮影画像を入力することで、前記対象画像を切り出す、
請求項1に記載の出力装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記異常が発生していない前記検査対象である良品が撮影された良品画像を用いて、当該良品画像は前記良品が撮影された画像であると判定するように学習された教師なしモデルに、前記対象画像を入力することで、前記異常を検出する、
請求項1に記載の出力装置。
【請求項4】
前記教師なしモデルは、
前記良品画像から分割された複数の分割画像のうち、一部の前記分割画像を前記良品が撮影された画像であると判定するように学習されたモデルであって、
前記複数の分割画像のうち残りの前記分割画像が入力されると、当該残りの分割画像は前記異常が発生している前記検査対象が撮影された画像であると出力する場合にはパラメータを変更することによって学習されたモデルである、
請求項3に記載の出力装置。
【請求項5】
カメラが撮影した撮影画像を取得し、
前記撮影画像から、周期性を有する検査対象が撮影された対象画像を切り出し、
前記対象画像から、前記検査対象に発生した異常を検出し、
前記カメラが前記異常を撮影した位置を、地図に対応付けて視覚的に出力する、
処理をコンピュータに実行させる、
出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力装置及び出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、異常診断方法が開示されている。この異常診断方法では、それぞれが複数の太陽電池セルを含み、相互に接続されている状態で電圧を出力する複数の太陽電池モジュールの1つを、電圧値及び電流値を検出する検出回路に接続させる。そして、この異常診断方法では、検出回路が検出した電圧値及び電流値に基づき、検出回路に接続されている太陽電池モジュールについて出力異常があるか否かを判定する。
【0003】
特許文献2には、複数の太陽光発電パネルの内、物理的破損を生じている太陽光発電パネルを特定可能な太陽光発電パネルの破損検査装置が開示されている。この破損検査装置は、複数の太陽光発電パネルを備える太陽光発電装置を上空から撮像した撮像画像を記憶する記憶部と、撮像画像から、複数の太陽光発電パネルのそれぞれの外形特徴を抽出する外形特徴抽出部と、を備える。また、この破損検査装置は、撮像画像から、破損していない太陽光発電パネルから得られる外形特徴である理想外形を抽出する理想外形抽出部を備える。また、この破損検査装置は、外形特徴と理想外形とを比較する比較部と、比較部での比較に基づいて、外形特徴を有する太陽光発電パネルの構造状態での物理的破損を検出する検出部と、を備える。
【0004】
特許文献3には、状態判定システムが開示されている。この状態判定システムは、飛行体から赤外線画像を受信する画像受信部と、赤外線画像から撮像対象または所定数の撮像対象群を特定する特定部と、特定した撮像対象ごとまたは撮像対象群ごとに赤外線情報に基づく温度情報を求める温度情報取得部と、を備える。また、この状態判定システムは、温度情報取得部により求められた温度情報に基づき、特定した撮像対象ごとまたは撮像対象群ごとに異常判定をする判定部を備える。
【0005】
特許文献4には、プロセッサ実装方法が開示されている。このプロセッサ実装方法は、1つまたは複数のインフラストラクチャにおける1つまたは複数のアセットを検査する無人航空機(UAV)の初期位置を推定するステップを含む。また、このプロセッサ実装方法は、UAVと統合された複数のセンサーを使用して、磁気干渉の存在下でのUAVの配向および方向に関する情報を決定するステップを含む。また、このプロセッサ実装方法は、磁気干渉の存在下で1つまたは複数のアセットにわたってUAVを動的に補正された飛行経路を通してナビゲートすることによって、1つまたは複数のアセットの1つまたは複数の部分に関係するデータを収集するステップを含む。また、このプロセッサ実装方法は、1つまたは複数のドメイン知識駆動型機械学習技法を使用して、複数のセグメント化された関心領域(ROI)画像を取得するために、1つまたは複数のアセットの1つまたは複数の部分におけるROIを識別するステップを含む。また、このプロセッサ実装方法は、1つまたは複数のアセットにおける異常を検出するために、複数のセグメント化されたROI画像の各々から複数の特徴を抽出するステップを含む。また、このプロセッサ実装方法は、1つまたは複数のアセットの障害を予測するために、検出された異常を潜在的異常または非潜在的異常のうちの1つとして分類するステップを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-124090号公報
【特許文献2】特開2022-074434号公報
【特許文献3】特開2021-085812号公報
【特許文献4】特開2019-215863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
検査対象に発生している異常を撮影できても、当該検査対象が周期性を有する場合、例えば、検査対象の全体形状において、同様の部分形状が周期的に表れる場合、どの位置に当該異常が発生しているのか把握できない課題があった。
【0008】
本開示は、検査対象が周期性を有する場合であっても、当該検査対象に発生している異常の位置を把握できる出力装置及び出力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1態様に係る出力装置は、カメラが撮影した撮影画像を取得する取得部と、前記撮影画像から、周期性を有する検査対象が撮影された対象画像を切り出す切り出し部と、前記対象画像から、前記検査対象に発生した異常を検出する検出部と、前記カメラが前記異常を撮影した位置を、地図に対応付けて視覚的に出力する出力部と、を備える。
【0010】
また、第2態様に係る出力装置は、第1態様に係る出力装置において、前記切り出し部は、前記検査対象が撮影された学習画像と当該検査対象の属性を示す属性情報との組を教師データとして学習された教師ありモデルに、前記撮影画像を入力することで、前記対象画像を切り出す。
【0011】
また、第3態様に係る出力装置は、第1態様又は第2態様に係る出力装置において、前記検出部は、前記異常が発生していない前記検査対象である良品が撮影された良品画像を用いて、当該良品画像は前記良品が撮影された画像であると判定するように学習された教師なしモデルに、前記対象画像を入力することで、前記異常を検出する。
【0012】
また、第4態様に係る出力装置は、第1態様から第3態様のうち何れか1態様に係る出力装置において、前記教師なしモデルは、前記良品画像から分割された複数の分割画像のうち、一部の前記分割画像を前記良品が撮影された画像であると判定するように学習されたモデルであって、前記複数の分割画像のうち残りの前記分割画像が入力されると、当該残りの分割画像は前記異常が発生している前記検査対象が撮影された画像であると出力する場合にはパラメータを変更することによって学習されたモデルである。
【0013】
また、第5態様に係る出力プログラムは、カメラが撮影した撮影画像を取得し、前記撮影画像から、周期性を有する検査対象が撮影された対象画像を切り出し、前記対象画像から、前記検査対象に発生した異常を検出し、前記カメラが前記異常を撮影した位置を、地図に対応付けて視覚的に出力する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
第1態様、及び第5態様によれば、検査対象が周期性を有する場合であっても、当該検査対象に発生している異常の位置を把握できる。
【0015】
第2態様によれば、教師ありモデルに撮影画像を入力しない場合に比較して、高精度に対象画像を切り出すことができる。
【0016】
第3態様によれば、対象画像を入力するモデルを教師あり学習によって構築する場合に比較して、短時間でモデルを構築することができる。
【0017】
第4態様によれば、良品画像から分割された複数の分割画像を用いずに教師なしモデルを学習する場合に比較して、当該教師なしモデルの学習のために用意する画像を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る出力システムのハードウェア構成の一例を示す模式図である。
図2】実施形態に係る出力装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る出力装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る出力処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】実施形態に係る異常画面の一例を示す模式図である。
図6】実施形態に係る学習処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係る出力システム100は、出力装置10と、飛行体20とを有している。
【0021】
出力装置10と、飛行体20とは、通信手段Nを介して相互に通信可能とされている。本実施形態では、通信手段Nとしてインターネット、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)等の通信回線を適用している。また、本実施形態では、通信手段Nとして無線の通信回線を適用している。しかし、この例に限られない。通信手段Nとして、有線の通信回線を適用してもよいし、有線及び無線の各通信回線を組み合わせて適用してもよい。
【0022】
また、本実施形態では、飛行体20として無人飛行体の一種であるドローン(drone)を適用している。しかし、この例に限られない。例えば、飛行体20としてラジオコントロール(radio control)又は有人飛行体等を適用してもよい。
【0023】
図1に示すように、飛行体20は、測位装置24、カメラ25、及び通信I/F(Interface)27の各構成を有する。
【0024】
測位装置24は飛行体20の位置情報を測定する装置である。位置情報とは、例えば経度及び緯度の組合せである。本実施形態では、測位装置24はRTK(Real time kinematic)-GNSS(Global Navigation Satellite System)により飛行体20の位置情報を測定する。具体的に、測位装置24はGNSS衛星から信号を受信すると共に、予め位置が確認されている基準局から補正信号を受信することで、飛行体20の位置情報を測定する。しかし、この例に限られない。測位装置24は、RTK-GNSS以外の相対測位法であるD-GNSS(Differential-GNSS)、又は単独測位法等により飛行体20の位置情報を測定してもよい。
【0025】
カメラ25は、周期性を有する検査対象を撮影する撮影装置である。本実施形態では、検査対象として、複数の太陽光パネルが周期的に並んだ太陽光パネル群を適用している。しかし、この例に限られない。検査対象として、線路、送電線、又は橋梁等の周期性を有する如何なる対象を適用してもよい。ここで、周期性を有する対象とは、例えば、全体形状において、同様の部分形状が周期的に表れる対象を示す。また、本実施形態では、カメラ25として、可視光画像及び赤外線画像を同時に、又は同期して撮影可能なカメラを適用している。しかし、この例に限られない。カメラ25として、如何なる撮影装置を適用してもよい。例えば、カメラ25として、可視光画像又は赤外線画像のみを撮影可能な撮影装置を適用してもよい。また、カメラ25の撮影方向は検査対象に対して垂直方向とは限らず、水平方向でもよいし、斜め方向であってもよい。
【0026】
通信I/F27は、出力装置10等の他の装置と通信するためのインタフェースである。
【0027】
また、本実施形態では、出力装置10としてパーソナルコンピュータ、又はモバイル端末(例えば、スマートホン、携帯電話、又はタブレット端末等)を適用する。しかし、この例に限られない。例えば、出力装置10としてサーバを適用してもよい。
【0028】
図2に示すように、出力装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、表示部16、及び通信I/F17の各構成を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。CPU11は、本実施形態に係るコンピュータに相当する。
【0029】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12には、出力プログラム200、地図データ201、教師ありモデル202、及び教師なしモデル203が格納されている。
【0030】
地図データ201は、太陽光パネル群に含まれるn個の太陽光パネルA1、A2、・・・、Anの設置位置が掲載された地図である。なお、地図データ201には、太陽光パネルの設置位置が掲載されていなくてもよい。また、本実施形態に係る地図には、地球表面の一部又は全部を一定の割合で縮小し、記号及び文字等を用いて平面上に表した図に限られず、絵地図が含まれる。また、本実施形態に係る地図には、地形図、地質図、又は海図などの国土の状態を表す図以外の図が含まれる。
【0031】
教師ありモデル202は、教師あり学習によって構築されたモデルである。
【0032】
教師なしモデル203は、教師なし学習によって構築されたモデルである。
【0033】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0034】
表示部16は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。
【0035】
通信I/F17は、飛行体20等の他の装置と通信するためのインタフェースである。
【0036】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る出力装置10の機能的な構成を説明する。図3に示すように、本実施形態の出力装置10は、CPU11がROM12に記憶されている出力プログラム200を実行することで、取得部10A、切り出し部10B、検出部10C、出力部10D、及び学習部10Eとして機能する。
【0037】
取得部10Aは、飛行体20から、カメラ25が撮影した撮影画像を取得する。また、取得部10Aは、飛行体20から、撮影画像毎に、カメラ25が当該撮影画像を撮影した際の飛行体20の位置情報を取得する。なお、取得部10Aは、撮影画像と位置情報とを同時に取得してもよいし、異なるタイミングで取得してもよい。
【0038】
切り出し部10Bは、取得部10Aが取得した撮影画像から、太陽光パネル群が撮影された対象画像を切り出す。本実施形態では、切り出し部10Bは、ROM12に格納された教師ありモデル202に、撮影画像を入力することで対象画像を切り出す。教師ありモデル202は、後述する学習部10Eによって学習されている。この処理により、切り出し部10Bは、撮影画像に写り込んだ、例えば車両、マンホール、屋根、及び草等の太陽光パネル群以外を撮影画像から取り除き、撮影画像から対象画像を切り出すことができる。
【0039】
なお、切り出し部10Bが撮影画像から対象画像を切り出す方法は上述した方法に限定されない。例えば、切り出し部10Bは、撮影画像を二値化することで太陽光パネル群の枠線を抽出し、当該枠線を切り出すことで、撮影画像から対象画像を切り出してもよい。
【0040】
また、切り出し部10Bは、撮影画像からオルソ画像を生成せずに、直接対象画像を切り出す。しかし、この例に限られない。切り出し部10Bは、撮影画像からオルソ画像を生成し、当該オルソ画像から対象画像を切り出してもよい。
【0041】
検出部10Cは、切り出し部10Bが切り出した対象画像から、太陽光パネル群に発生した異常を検出する。異常とは、例えば、セル不良、クラスタ不良、若しくはストリング不良等の局所的な発熱、又はクラック(crack)、汚れ、若しくは剥離等の外観上の異常である。
【0042】
本実施形態では、検出部10Cは、ROM12に格納された教師なしモデル203に、対象画像を入力することで異常を検出する。教師なしモデル203は、後述する学習部10Eによって学習されている。例えば、検出部10Cは、オートエンコーダ(Autoencoder)のうち畳み込みオートエンコーダ(Convolutional Autoencoder:CAE)のアルゴリズムを用いて、対象画像から、太陽光パネル群に発生した異常を検出する。検出部10Cは、教師なしモデル203に入力した対象画像と、教師なしモデル203が出力した画像との誤差が予め定められた閾値以上の場合、異常が発生していると判定する。なお、上記予め定められた閾値は、出力装置10の管理人等により予め定められている。また、検出部10Cは、上記誤差が大きい順に順位が付与された対象画像のうち、1位から予め定められた順位までの対象画像を出力してもよい。この場合、上記予め定められた順位は、出力装置10の管理人等により予め定められている。
【0043】
出力部10Dは、カメラ25が異常を撮影した位置(以下、「異常撮影位置」という)を、地図に対応付けて視覚的に出力する。本実施形態では、出力部10Dは、異常撮影位置が地図に対応付けられた異常画面を表示部16に出力する。しかし、この例に限られない。出力装置10が表示部16を備えていない場合、例えば出力装置10がサーバの場合、出力部10Dは、異常画面を出力装置10以外の表示部を有する装置に出力してもよい。
【0044】
具体的に、出力部10Dは、取得部10Aが取得した位置情報の中から、検出部10Cが検出した異常をカメラ25が撮影した際の飛行体20の位置情報を特定する。そして、出力部10Dは、特定した位置情報を、ROM12に格納された地図データ201に対応付けて、異常画面として表示部16に出力する。
【0045】
学習部10Eは、教師ありモデル202を学習する。具体的に、学習部10Eは、太陽光パネル群が撮影された学習画像と当該太陽光パネル群の属性を示す属性情報との組を教師データとして、教師ありモデル202を学習する。そして、学習部10Eは、学習した教師ありモデル202をROM12に格納する。
【0046】
また、学習部10Eは、教師なしモデル203を学習する。本実施形態では、学習部10Eは、良品が撮影された良品画像を用いて、当該良品画像は良品が撮影された画像であると判定するように教師なしモデル203を学習する。
【0047】
具体的に、学習部10Eは、良品画像を複数の分割画像に分割する。学習部10Eが良品画像を分割する数は、出力装置10の管理人等によって予め定められている。そして、学習部10Eは、上記複数の分割画像のうち、一部の分割画像を良品が撮影された画像であると判定するように教師なしモデル203を学習する。具体的に、学習部10Eは、上記一部の分割画像が入力されると、良品が撮影された画像であると出力するように教師なしモデル203のパラメータを設定する。
【0048】
そして、学習部10Eは、上記複数の分割画像のうち、残りの分割画像を、学習した教師なしモデル203に入力する。その結果、上記残りの分割画像は良品が撮影された画像であると教師なしモデル203が出力する場合、学習部10Eは、教師なしモデル203のパラメータを維持する。一方、上記残りの分割画像は異常が発生している太陽光パネル群が撮影された画像であると教師なしモデル203が出力する場合、学習部10Eは、教師なしモデル203のパラメータを変更する。具体的に、学習部10Eは、上記残りの分割画像は良品が撮影された画像であると出力するように教師なしモデル203を学習する。
【0049】
例えば、学習部10Eは、良品画像を100枚の分割画像に分割する。そして、学習部10Eは、100枚の分割画像のうち80枚の分割画像を良品が撮影された画像であると判定するように教師なしモデル203を学習する。そして、学習部10Eは、残りの20枚の分割画像を教師なしモデル203に入力する。その結果、上記残りの20枚の分割画像は良品が撮影された画像であると教師なしモデル203が出力する場合、学習部10Eは、教師なしモデル203のパラメータを維持する。一方、上記残りの20枚の分割画像は異常が発生している太陽光パネル群が撮影された画像であると教師なしモデル203が判定する場合、学習部10Eは、教師なしモデル203のパラメータを変更する。
【0050】
次に、本実施形態に係る出力装置10の作用について説明する。
【0051】
まず、出力装置10において実行される出力処理について説明する。出力処理は、CPU11が取得部10A、切り出し部10B、検出部10C、及び出力部10Dとして機能することにより実行される。なお、出力処理は、出力プログラム200がCPU11に実行させる処理に相当する。また、図4に示す出力処理のフローチャートでは、教師ありモデル202及び教師なしモデル203が後述する学習処理により予め学習されている場合について説明する。
【0052】
図4のステップS100において、CPU11は、飛行体20から、カメラ25が撮影した撮影画像を取得する。
【0053】
ステップS102において、CPU11は、飛行体20から、カメラ25が撮影画像を撮影した際の飛行体20の位置情報を取得する。
【0054】
ステップS104において、CPU11は、ステップS100において取得した撮影画像から、太陽光パネル群が撮影された対象画像を切り出す。具体的に、CPU11は、教師ありモデル202に、撮影画像を入力することで対象画像を切り出す。
【0055】
ステップS106において、CPU11は、対象画像から、太陽光パネル群に発生した異常を検出する。具体的に、CPU11は、教師なしモデル203に、対象画像を入力することで異常を検出する。
【0056】
ステップS108において、CPU11は、予め定められたフォーマットに従う異常画面を表示部16に表示し、本出力処理を終了する。
【0057】
図5に示すように、本実施形態に係る異常画面には、異常撮影位置16Aが対応付けられた地図データ201が表示されている。図5に示す例では、異常撮影位置16Aは黒丸で表されている。なお、異常画面には、CPU11が検出した異常の画像、及び異常撮影位置の住所等が表示されていてもよい。
【0058】
次に、出力装置10において実行される学習処理について説明する。学習処理は、CPU11が学習部10Eとして機能することにより実行される。
【0059】
図6のステップS200において、CPU11は、教師ありモデル202を学習する。具体的に、学習部10Eは、太陽光パネル群が撮影された学習画像と当該太陽光パネル群の属性を示す属性情報との組を教師データとして、教師ありモデル202を学習する。
【0060】
ステップS202において、CPU11は、良品画像を複数の分割画像に分割する。
【0061】
ステップS204において、CPU11は、分割した複数の分割画像のうち、一部の分割画像を良品が撮影された画像であると判定するように教師なしモデル203を学習する。具体的に、CPU11は、上記一部の分割画像が入力されると、良品が撮影された画像であると出力するように教師なしモデル203のパラメータを設定する。
【0062】
ステップS206において、CPU11は、分割した複数の分割画像のうち、残りの分割画像をステップS204において学習した教師なしモデル203に入力する。
【0063】
ステップS208において、CPU11は、残りの分割画像は良品が撮影された画像であると教師なしモデル203が出力するか否かを判定する。CPU11は、残りの分割画像は良品が撮影された画像であると教師なしモデル203が出力する場合(ステップS208:YES)、ステップS210に移行する。一方、CPU11は、残りの分割画像は異常が発生している太陽光パネル群が撮影された画像であると教師なしモデル203が出力する場合(ステップS208:NO)、ステップS212に移行する。
【0064】
ステップS210において、CPU11は、教師なしモデル203のパラメータを維持し、本学習処理を終了する。
【0065】
ステップS212において、CPU11は、教師なしモデル203のパラメータを変更し、本学習処理を終了する。具体的に、CPU11は、残りの分割画像は良品が撮影された画像であると出力するように教師なしモデル203を学習し、本学習処理を終了する。
【0066】
なお、本実施形態では、学習処理において、CPU11は教師ありモデル202を学習した後に教師なしモデル203を学習していた。しかし、この例に限られない。CPU11は教師なしモデル203を学習した後に教師ありモデル202を学習してもよい。
【0067】
また、本実施形態では、教師ありモデル202及び教師なしモデル203が出力装置10によって学習されていた。しかし、この例に限られない。例えば、出力装置10とは別体で構成された装置によって教師ありモデル202及び教師なしモデル203が学習されていてもよい。
【0068】
また、本実施形態では、CPU11は、教師なしモデル203に、対象画像を入力することで異常を検出していた。しかし、この例に限られない。例えば、CPU11は、太陽光パネル群が撮影された画像と当該画像は良品が撮影された画像であるか否かを示す情報との組を教師データとして学習されたモデルに、対象画像を入力することで異常を検出してもよい。
【0069】
また、本実施形態では、出力装置10と飛行体20とが別体で構成されている場合について説明した。しかし、この例に限られない。例えば、飛行体20に出力装置10が内蔵されていてもよい。
【0070】
また、本実施形態では、出力装置10と、飛行体20とは、通信手段Nを介して相互に通信可能とされていた。しかし、この例に限られない。例えば、出力装置10と、飛行体20とは、通信手段Nを介して相互に通信可能とされていなくてもよい。この場合、例えば、飛行体20はメモリカード等の記憶装置にカメラ25が撮影した撮影画像を格納する。そして、出力装置10のCPU11は、出力装置10が備える入出力I/Fを介して、記憶装置からカメラ25が撮影した撮影画像を取得する。
【0071】
以上、実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0072】
また、上記実施の形態は、請求項にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0073】
また、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0074】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0075】
本実施形態では、プログラムがROMにインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本実施形態に係るプログラムを、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、本実施形態に係るプログラムを、CD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、本実施形態に係る出力プログラム200を、通信I/F17を介して外部の装置から取得するようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、出力装置10における処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、出力装置10における処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
【0077】
その他、上記実施形態で説明した出力装置10と、飛行体20と、の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0078】
また、上記実施の形態で説明した出力装置10における処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0079】
また、本開示は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0080】
10 出力装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
16 表示部
17 通信I/F
19 バス
20 飛行体
24 測位装置
25 カメラ
27 通信I/F
100 出力システム
200 出力プログラム
201 地図データ
202 教師ありモデル
203 教師なしモデル
図1
図2
図3
図4
図5
図6