IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社シマノの特許一覧

<>
  • 特開-人力駆動車用のドライブユニット 図1
  • 特開-人力駆動車用のドライブユニット 図2
  • 特開-人力駆動車用のドライブユニット 図3
  • 特開-人力駆動車用のドライブユニット 図4
  • 特開-人力駆動車用のドライブユニット 図5
  • 特開-人力駆動車用のドライブユニット 図6
  • 特開-人力駆動車用のドライブユニット 図7
  • 特開-人力駆動車用のドライブユニット 図8
  • 特開-人力駆動車用のドライブユニット 図9
  • 特開-人力駆動車用のドライブユニット 図10
  • 特開-人力駆動車用のドライブユニット 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094155
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】人力駆動車用のドライブユニット
(51)【国際特許分類】
   B62M 11/14 20060101AFI20240702BHJP
   B62M 6/55 20100101ALI20240702BHJP
【FI】
B62M11/14
B62M6/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210933
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】酒井 正憲
(57)【要約】
【課題】好適に増速できる人力駆動車用のドライブユニットを提供する。
【解決手段】ドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、ハウジングと、前記ハウジングに設けられ、人力駆動力が入力されるように構成される入力回転部と、前記ハウジングに設けられ、前記人力駆動車に前記人力駆動力を出力するように構成される出力回転部と、前記ハウジングに設けられ、前記入力回転部および前記出力回転部の間において、前記入力回転部の回転速度に対する前記出力回転部の回転速度の第1比率を変更するように構成される変速機と、を備え、前記変速機は、前記第1比率の最小値が、1.5以上、かつ、30以下であるように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のドライブユニットであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、人力駆動力が入力されるように構成される入力回転部と、
前記ハウジングに設けられ、前記人力駆動車に前記人力駆動力を出力するように構成される出力回転部と、
前記ハウジングに設けられ、前記入力回転部および前記出力回転部の間において、前記入力回転部の回転速度に対する前記出力回転部の回転速度の第1比率を変更するように構成される変速機と、を備え、
前記変速機は、前記第1比率の最小値が、1.5以上、かつ、30以下であるように構成される、ドライブユニット。
【請求項2】
前記最小値は、2以上、かつ、20以下である、請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項3】
前記最小値は、3以上、かつ、15以下である、請求項2に記載のドライブユニット。
【請求項4】
前記最小値は、5以上、かつ、10以下である、請求項3に記載のドライブユニット。
【請求項5】
前記変速機は、前記第1比率を段階的に変更するように構成される、請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項6】
前記第1比率の前記最小値に対する前記第1比率の最大値の第2比率は、1.2以上、かつ、8以下である、請求項5に記載のドライブユニット。
【請求項7】
前記第2比率は、1.7以上、かつ、7以下である、請求項6に記載のドライブユニット。
【請求項8】
前記第2比率は、2.4以上、かつ、6以下である、請求項7に記載のドライブユニット。
【請求項9】
前記変速機は、それぞれが前記第1比率を変更するように構成される複数の変速部を含む、請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項10】
前記複数の変速部は、前記入力回転部から人力駆動力が入力されるように構成される第1変速部と、前記第1変速部を介して前記人力駆動力が入力され、前記出力回転部に前記人力駆動力を出力するように構成される第2変速部と、を含む、請求項9に記載のドライブユニット。
【請求項11】
前記変速機は、少なくとも1つの遊星歯車機構を含む、請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項12】
前記変速機は、それぞれが前記第1比率を変更するように構成される複数の変速部を含み、
前記複数の変速部は、それぞれが少なくとも1つの遊星歯車機構を含む、請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項13】
前記第1変速部は、少なくとも1つの第1遊星歯車機構を含み、
前記第2変速部は、少なくとも1つの第2遊星歯車機構を含む、請求項10に記載のドライブユニット。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1遊星歯車機構は、第1回転中心軸心を有し、
前記少なくとも1つの第2遊星歯車機構は、第2回転中心軸心を有し、
前記第1回転中心軸心は、前記第2回転中心軸心と平行に配置される、請求項13に記載のドライブユニット。
【請求項15】
前記第1回転中心軸心は、前記第2回転中心軸心と実質的に一致する、請求項14に記載のドライブユニット。
【請求項16】
前記第1変速部は、前記第1比率を第1数の段階に変更可能に構成され、
前記第2変速部は、前記第1比率を第2数の段階に変更可能に構成され、
前記第2数は、前記第1数よりも大きい、請求項13に記載のドライブユニット。
【請求項17】
前記第1数は、2以上、かつ、5以下であり、
前記第2数は、3以上、かつ、10以下である、請求項16に記載のドライブユニット。
【請求項18】
前記複数の変速部の全ては、増速機構である、請求項9に記載のドライブユニット。
【請求項19】
前記入力回転部は、前記人力駆動車のクランク軸を含み、
前記変速機は、予め定める回転中心軸心を有し、
前記予め定める回転中心軸心は、前記クランク軸の回転中心軸心と実質的に一致する、請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項20】
前記ハウジングに設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するモータをさらに備える、請求項1から19のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項21】
前記ハウジングに設けられ、前記モータの駆動力が入力され、前記モータの駆動力を前記人力駆動力の伝達経路に出力するモータ減速機をさらに備え、
前記モータ減速機の変速比は、0.125以上である、請求項20に記載のドライブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用のドライブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、変速機を備える人力駆動車用のドライブユニットの一例を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-136002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、好適に増速できる人力駆動車用のドライブユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、ハウジングと、前記ハウジングに設けられ、人力駆動力が入力されるように構成される入力回転部と、前記ハウジングに設けられ、前記人力駆動車に前記人力駆動力を出力するように構成される出力回転部と、前記ハウジングに設けられ、前記入力回転部および前記出力回転部の間において、前記入力回転部の回転速度に対する前記出力回転部の回転速度の第1比率を変更するように構成される変速機と、を備え、前記変速機は、前記第1比率の最小値が、1.5以上、かつ、30以下であるように構成される。
第1側面のドライブユニットによれば、変速機の第1比率の最小値を1.5以上、かつ、30以下にできる。第1比率が最小値であっても、第1比率が1.5以上、かつ、30以下であるため、ドライブユニットは、変速機によって好適に増速できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面のドライブユニットにおいて、前記最小値は、2以上、かつ、20以下である。
第2側面のドライブユニットによれば、第1比率の最小値を2以上、かつ、20以下にできる。
【0007】
本開示の第2側面に従う第3側面のドライブユニットにおいて、前記最小値は、3以上、かつ、15以下である。
第3側面のドライブユニットによれば、第1比率の最小値を3以上、かつ、15以下にできる。
【0008】
本開示の第3側面に従う第4側面のドライブユニットにおいて、前記最小値は、5以上、かつ、10以下である。
第4側面のドライブユニットによれば、第1比率の最小値を5以上、かつ、10以下にできる。
【0009】
本開示の第1から4側面のいずれか1つに従う第5側面のドライブユニットにおいて、前記変速機は、前記第1比率を段階的に変更するように構成される。
第5側面のドライブユニットによれば、第1比率を、第1比率の最小値から段階的に大きくできる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面のドライブユニットにおいて、前記第1比率の前記最小値に対する前記第1比率の最大値の第2比率は、1.2以上、かつ、8以下である。
第6側面のドライブユニットによれば、第1比率の最大値を、第1比率の最小値の1.2倍以上、かつ、8倍以下にできる。
【0011】
本開示の第6側面に従う第7側面のドライブユニットにおいて、前記第2比率は、1.7以上、かつ、7以下である。
第7側面のドライブユニットによれば、第1比率の範囲を、選択できる第1比率の最大値を、第1比率の最小値の1.7倍以上、かつ、7倍以下にできる。
【0012】
本開示の第7側面に従う第8側面のドライブユニットにおいて、前記第2比率は、2.4以上、かつ、6以下である。
第8側面のドライブユニットによれば、第1比率の最大値を、第1比率の最小値の2.4倍以上、かつ、6倍以下にできる。
【0013】
本開示の第1から7側面のいずれか1つに従う第9側面のドライブユニットにおいて、前記変速機は、それぞれが前記第1比率を変更するように構成される複数の変速部を含む。
第9側面のドライブユニットによれば、複数の変速部によって第1比率を好適に変更すことができる。
【0014】
本開示の第9側面に従う第10側面のドライブユニットにおいて、前記複数の変速部は、前記入力回転部から人力駆動力が入力されるように構成される第1変速部と、前記第1変速部を介して前記人力駆動力が入力され、前記出力回転部に前記人力駆動力を出力するように構成される第2変速部と、を含む。
第10側面のドライブユニットによれば、第1変速部および第2変速部によって、2つ以上の変速段階を実現できる。
【0015】
本開示の第1から8側面のいずれか1つに従う第11側面のドライブユニットにおいて、前記変速機は、少なくとも1つの遊星歯車機構を含む。
第11側面のドライブユニットによれば、少なくとも1つの遊星歯車機構によって変速できる。
【0016】
本開示の第1から8側面のいずれか1つに従う第12側面のドライブユニットにおいて、前記変速機は、それぞれが前記第1比率を変更するように構成される複数の変速部を含み、前記複数の変速部は、それぞれが少なくとも1つの遊星歯車機構を含む。
第12側面のドライブユニットによれば、複数の変速部のそれぞれにおいて変速できるため、変速段数を増やすことができる。
【0017】
本開示の第10側面に従う第13側面のドライブユニットにおいて、前記第1変速部は、少なくとも1つの第1遊星歯車機構を含み、前記第2変速部は、少なくとも1つの第2遊星歯車機構を含む。
第13側面のドライブユニットによれば、少なくとも1つの第1遊星歯車機構および少なくとも1つの第2遊星歯車機構によって変速できる。
【0018】
本開示の第13側面に従う第14側面のドライブユニットにおいて、前記少なくとも1つの第1遊星歯車機構は、第1回転中心軸心を有し、前記少なくとも1つの第2遊星歯車機構は、第2回転中心軸心を有し、前記第1回転中心軸心は、前記第2回転中心軸心と平行に配置される。
第14側面のドライブユニットによれば、第1回転中心軸心が第2回転中心軸心に平行に配置されるため、少なくとも1つの第1遊星歯車機構と、少なくとも1つの第2遊星歯車機構との間において、人力駆動力を好適に伝達できる。
【0019】
本開示の第14側面に従う第15側面のドライブユニットにおいて、前記第1回転中心軸心は、前記第2回転中心軸心と実質的に一致する。
第15側面のドライブユニットによれば、第1回転中心軸心が第2回転中心軸心と実質的に一致するため、第1回転中心軸心に対する径方向におけるドライブユニットのサイズの大型化を抑制できる。
【0020】
本開示の第10、および、13から15側面のいずれか1つに従う第16側面のドライブユニットにおいて、前記第1変速部は、前記第1比率を第1数の段階に変更可能に構成され、前記第2変速部は、前記第1比率を第2数の段階に変更可能に構成され、前記第2数は、前記第1数よりも大きい。
第16側面のドライブユニットによれば、第2数が第1数よりも大きいため、第1変速部によって変速された後に、第2変速部によって細かく第1比率を変更できる。
【0021】
本開示の第16側面に従う第17側面のドライブユニットにおいて、前記第1数は、2以上、かつ、5以下であり、前記第2数は、3以上、かつ、10以下である。
第17側面のドライブユニットによれば、6以上、かつ、50以下の数に、第1比率を変更できる。
【0022】
本開示の第9、10、および、12から17側面のいずれか1つに従う第18側面のドライブユニットにおいて、前記複数の変速部の全ては、増速機構である。
第18側面のドライブユニットによれば、複数の変速部によって、段階的に増速できる。
【0023】
本開示の第1から18側面のいずれか1つに従う第19側面のドライブユニットにおいて、前記入力回転部は、前記人力駆動車のクランク軸を含み、前記変速機は、予め定める回転中心軸心を有し、前記予め定める回転中心軸心は、前記クランク軸の回転中心軸心と実質的に一致する。
第19側面のドライブユニットによれば、予め定める回転中心軸心がクランク軸の回転中心軸心と実質的に一致するため、クランク軸の回転中心軸心に対する径方向におけるドライブユニットのサイズの大型化を抑制できる。
【0024】
本開示の第1から19側面のいずれか1つに従う第20側面のドライブユニットにおいて、前記ハウジングに設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するモータをさらに備える。
第20側面のドライブユニットによれば、モータによって人力駆動力の推進をアシストできる。
【0025】
本開示の第20側面に従う第21側面のドライブユニットにおいて、前記ハウジングに設けられ、前記モータの駆動力が入力され、前記モータの駆動力を前記人力駆動力の伝達経路に出力するモータ減速機をさらに備え、前記モータ減速機の変速比は、0.125以上である。
第21側面のドライブユニットによれば、0.125倍以上に減速したモータの駆動力を人力駆動力の伝達経路に伝達できる。
【発明の効果】
【0026】
本開示の人力駆動車用のドライブユニットは、好適に増速できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態の人力駆動車の駆動機構の側面図である。
図2図1の人力駆動車の人力駆動力、および、モータの駆動力の伝達経路を示すブロック図である。
図3図2の人力駆動力、および、モータの駆動力の伝達経路のスケルトン図である。
図4】第1変更例の人力駆動力の伝達経路のスケルトン図である。
図5】第2変更例の人力駆動力、および、モータの駆動力の伝達経路のスケルトン図である。
図6】第3変更例の人力駆動力の伝達経路のスケルトン図である。
図7】第4変更例の人力駆動力、および、モータの駆動力の伝達経路の模式図である。
図8】第5変更例の人力駆動車の人力駆動力、および、モータの駆動力の伝達経路を示すブロック図である。
図9図8の人力駆動力、および、モータの駆動力の伝達経路のスケルトン図である。
図10】第6変更例の人力駆動車の駆動機構の側面図である。
図11図10の人力駆動車の人力駆動力、および、モータの駆動力の伝達経路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<実施形態>
図1から図3を参照して、実施形態の人力駆動車用のドライブユニット30を説明する。ドライブユニット30は、人力駆動車用のドライブユニット30である。
【0029】
人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において人力駆動車10を電動アシスト自転車として説明する。
【0030】
人力駆動車10は、クランク軸12を含む。クランク軸12は、一対のクランク14を介して人力駆動力が入力されるように構成される。一対のクランク14のそれぞれには、ペダル16が設けられる。クランク軸12は、回転中心軸心C1を有する。クランク軸12は、人力駆動力によって回転中心軸心C1まわりに回転する。
【0031】
例えば、人力駆動車10は、第1回転体18と、無端環状部材20と、第2回転体22と、リアハブ24とを含む。第1回転体18には、クランク軸12を介して人力駆動力が入力される。第1回転体18は、人力駆動力によって回転中心軸心C1まわりに回転するように構成される。無端環状部材20は、第1回転体18および第2回転体22を接続するように構成される。無端環状部材20は、第1回転体18から第2回転体22へ人力駆動力を回転として伝達する。第2回転体22は、リアハブ24を介して人力駆動車10の車輪に人力駆動力を出力するように構成される。例えば、第1回転体18は少なくとも1つのスプロケットを含み、無端環状部材20はチェーンを含み、第2回転体22は少なくとも1つのスプロケットを含む。第1回転体18がプーリを含み、無端環状部材20がベルトを含み、第2回転体22がプーリを含んでもよい。本実施形態では、第1回転体18はフロントスプロケットを含み、無端環状部材20はチェーンを含み、第2回転体22は、リアスプロケットを含む。
【0032】
人力駆動車10は、例えば、ドライブユニット30を含む。ドライブユニット30は、人力駆動車10のフレームに設けられる。ドライブユニット30は、ハウジング32と、入力回転部34と、出力回転部36と、変速機38と、を備える。ハウジング32は、例えば、人力駆動車10のフレームに取り付けられる。クランク軸12は、ハウジング32に対して回転中心軸心C1まわりに回転可能に、ハウジング32に設けられる。
【0033】
入力回転部34は、ハウジング32に設けられ、人力駆動力が入力されるように構成される。入力回転部34の少なくとも一部は、ハウジング32の内部空間に配置される。入力回転部34は、回転中心軸心C1まわりに回転可能にハウジング32に設けられる。例えば、入力回転部34は、人力駆動車10のクランク軸12を含む。入力回転部34は、例えば、クランク軸12である。ドライブユニット30は、例えば、第1入力伝達部34Aを含む。第1入力伝達部34Aは、例えば、変速機38に接続される。第1入力伝達部34Aは、例えば、筒状に形成される。第1入力伝達部34Aは、例えば、回転中心軸心C1まわりに回転可能にハウジング32に設けられる。例えば、第1入力伝達部34Aの内部に、クランク軸12が配置される。ドライブユニット30は、例えば、第1ワンウェイクラッチ40を備える。第1入力伝達部34Aは、例えば、第1ワンウェイクラッチ40を介して、クランク軸12に接続される。
【0034】
第1ワンウェイクラッチ40は、例えば、クランク軸12の外周面と第1入力伝達部34Aの内周面との間に設けられる。第1ワンウェイクラッチ40は、例えば、ローラクラッチおよび爪式クラッチの少なくとも1つを含む。第1ワンウェイクラッチ40は、例えば、内輪および外輪を含む。内輪は、クランク軸12と一体に形成されてもよく、クランク軸12と別体に形成され、かつ、クランク軸12と一体に回転するようにクランク軸12に取り付けられてもよい。内輪がクランク軸12と別体に形成される場合、内輪は、例えば、スプラインによってクランク軸12に取り付けられる。外輪は、第1入力伝達部34Aと一体に形成されてもよく、第1入力伝達部34Aと別体に形成され、かつ、第1入力伝達部34Aと一体に回転するように第1入力伝達部34Aに取り付けられてもよい。外輪が第1入力伝達部34Aと別体に形成される場合、外輪は、例えば、スプラインによって第1入力伝達部34Aに取り付けられる。
【0035】
第1ワンウェイクラッチ40は、クランク軸12が予め定める方向に回転し、かつ、クランク軸12の回転速度が第1入力伝達部34Aの回転速度よりも大きい場合、クランク軸12の回転を第1入力伝達部34Aに伝達するように構成される。第1ワンウェイクラッチ40は、クランク軸12が予め定める方向に回転し、かつ、クランク軸12の回転速度が第1入力伝達部34Aの回転速度よりも小さい場合、第1入力伝達部34Aとクランク軸12との相対回転を許容するように構成される。第1ワンウェイクラッチ40は、クランク軸12が予め定める方向と反対の方向に回転する場合、第1入力伝達部34Aとクランク軸12との相対回転を許容するように構成される。予め定める方向は、人力駆動車10が人力駆動力によって前進する場合に回転する方向に対応する。
【0036】
変速機38は、ハウジング32に設けられ、入力回転部34および出力回転部36の間において、第1比率を変更するように構成される。第1比率は、入力回転部34の回転速度に対する出力回転部36の回転速度の比率である。変速機38は、例えば、ハウジング32の内部空間に配置される。変速機38は、人力駆動力の伝達経路において、入力回転部34よりも下流、かつ、出力回転部36よりも上流に位置する。例えば、変速機38は、予め定める回転中心軸心を有する。例えば、予め定める回転中心軸心は、クランク軸12の回転中心軸心C1と実質的に一致する。本明細書において、実質的に一致するという記載は、完全に一致する場合、または、完全には一致しないものの完全に一致するとみなせる場合を意味する。完全に一致するとみなせる場合は、例えば、一致しないことによって、ドライブユニット30の機能の発揮が、顕著な影響を受けない場合である。
【0037】
ドライブユニット30は、例えば、モータ42をさらに備える。モータ42は、例えば、ハウジング32に設けられ、人力駆動車10に推進力を付与する。モータ42は、人力駆動車10の推進をアシストするように構成される。モータ42は、電気モータを含む。本実施形態では、モータ42は、人力駆動力の伝達経路において、変速機38よりも下流に駆動力を出力するように構成される。モータ42の回転中心軸心は、例えば、クランク軸12の回転中心軸心C1と平行に配置される。モータ42は、出力軸42Aから、モータ42の駆動力を回転として出力する。
【0038】
ドライブユニット30は、例えば、モータ減速機44をさらに備える。モータ減速機44は、例えば、ハウジング32に設けられ、モータ42の駆動力が入力され、モータ42の駆動力を人力駆動力の伝達経路に出力する。モータ減速機44は、人力駆動力の伝達経路において、変速機38よりも下流にモータ42の駆動力を出力する。モータ減速機44には、モータ42の駆動力が回転として入力される。モータ減速機44は、回転速度が減速されたモータ42の回転を出力回転部36に出力する。モータ減速機44は、出力回転部36および出力軸42Aに接続される。
【0039】
ドライブユニット30は、例えば、第2ワンウェイクラッチ46を備える。第2ワンウェイクラッチ46は、例えば、ローラクラッチおよび爪式クラッチの少なくとも1つを含む。第2ワンウェイクラッチ46は、例えば、モータ減速機44に設けられる。第2ワンウェイクラッチ46は、出力回転部36の回転が、モータ42の出力軸42Aの回転よりも遅い場合に、出力回転部36とモータ42の出力軸42Aとの相対回転を許容するように構成される。
【0040】
モータ減速機44の変速比は、例えば、モータ減速機44に入力される回転の回転速度に対する、モータ減速機44から出力される回転の回転速度の比率である。モータ減速機44の変速比が小さくなるほど減速度合いが大きくなる。モータ減速機44の変速比は、例えば、1未満である。モータ減速機44の変速比は、モータ42の出力軸42Aの回転速度に対する出力回転部36の回転速度の比率である。例えば、モータ減速機44の変速比は、0.125以上である。モータ減速機44の変速比は、例えば、0.125以上、かつ、1未満である。モータ減速機44の変速比は、例えば、0.15以上、かつ、0.7未満である。モータ減速機44の変速比は、例えば、0.17以上、かつ、0.5未満である。モータ減速機44の変速比は、例えば、0.2以上、かつ、0.3未満である。モータ減速機44の変速比は、例えば、0.25である。
【0041】
出力回転部36は、ハウジング32に設けられ、人力駆動車10に人力駆動力を出力するように構成される。出力回転部36は、クランク軸12を介して、ハウジング32に設けられる。出力回転部36は、回転中心軸心C1まわりに回転可能にハウジング32に設けられる。出力回転部36は、例えば、円筒形状を有し、クランク軸12と同軸に配置される。回転中心軸心C1の延びる方向において、出力回転部36の一部は、ハウジング32から露出する。出力回転部36は、例えば、第1回転体18を取り付け可能に構成される。第1回転体18は、出力回転部36のうちハウジング32から露出する部分に取り付けられる。出力回転部36の回転力が第1回転体18に出力されれば、出力回転部36と第1回転体18とは、一体に構成されてもよい。ドライブユニット30は、例えば、第2支持部材82Bをさらに備える。第2支持部材82Bは、例えば、出力回転部36のうちハウジング32に収容される部分に設けられる。第2支持部材82Bは、例えば、出力回転部36と一体に回転するように構成される。第2支持部材82Bは、例えば、円筒形状を有し、クランク軸12と同軸に配置される。
【0042】
ドライブユニット30は、例えば、トルクセンサを備える。トルクセンサは、例えば、クランク軸12に入力される人力駆動力を検出できるように、クランク軸12または第1入力伝達部34Aに設けられる。トルクセンサは、例えば、歪みセンサを含む。ドライブユニット30は、例えば、制御部を備える。例えば、制御部は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。例えば、制御部に含まれる演算処理装置は、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部は、トルクセンサの検出結果に応じて、モータ42を制御するように構成される。
【0043】
人力駆動車10は、例えば、減速機48を含む。減速機48は、人力駆動力の伝達経路に設けられる。減速機48には、例えば、人力駆動力が入力される。減速機48には、変速機38を介して人力駆動力が入力される。本実施形態では、減速機48には、人力駆動力およびモータ42の駆動力が入力される。減速機48は、人力駆動力の伝達経路のうちの人力駆動力およびモータ42の駆動力が合わさった後の伝達経路に設けられる。減速機48は、例えば、人力駆動力、および、モータ42の駆動力を人力駆動車10の後輪に出力する。減速機48は、例えば、第1回転体18、無端環状部材20、および、第2回転体22を含む。減速機48は、例えば、リアハブ24に設けられてもよい。減速機48がハウジング32に設けられ、ドライブユニット30が減速機48を含んでもよい。減速機48が、第1回転体18、無端環状部材20、および、第2回転体22を含まない場合、第1回転体18の外径と第2回転体22の外径とは同じであってもよい。
【0044】
例えば、変速機38は、複数の変速部50を含む。複数の変速部50は、例えば、それぞれが第1比率を変更するように構成される。変速機38が複数の変速部50を含む場合、例えば、変速機38によって変更される第1比率は、それぞれの変速部50によって変更される第1比率の乗算値として表される。複数の変速部50は、例えば、2つの変速部50を含む。複数の変速部50は、第1変速部50Aと、第2変速部50Bと、を含む。複数の変速部50が3つ以上の変速部50を含んでもよい。変速機38は、1つの変速部50のみを含んでもよい。
【0045】
例えば、変速機38は、少なくとも1つの遊星歯車機構52を含む。例えば、複数の変速部50は、それぞれが少なくとも1つの遊星歯車機構52を含む。少なくとも1つの遊星歯車機構52は、複数の太陽歯車、複数のリングギア、複数の遊星ギア、および、複数のキャリアを含む。
【0046】
例えば、第1変速部50Aは、少なくとも1つの第1遊星歯車機構52Aを含む。例えば、第2変速部50Bは、少なくとも1つの第2遊星歯車機構52Bを含む。本実施形態では、第1変速部50Aは、1つの第1遊星歯車機構52Aを含み、第2変速部50Bは、1つの第2遊星歯車機構52Bを含む。複数の変速部50のうちの少なくとも1つは、2つ以上の遊星歯車機構52を含んでもよい。
【0047】
例えば、第1変速部50Aは、入力回転部34から人力駆動力が入力されるように構成される。例えば、少なくとも1つの第1遊星歯車機構52Aは、第1回転中心軸心A1を有する。第1遊星歯車機構52Aは、第1太陽ギア54A、第1リングギア54B、第1遊星ギア54C、第2太陽ギア56A、第2リングギア56B、第2遊星ギア56C、第1キャリア58A、および、第1支持部材58Bを含む。第1遊星歯車機構52Aは、第1キャリア58Aに人力駆動力が入力され、第1支持部材58Bから人力駆動力を出力するように構成される。第1キャリア58Aは、例えば、第1入力伝達部34Aと一体に回転するように第1入力伝達部34Aに設けられる。第1キャリア58Aは、第1入力伝達部34Aと一体に形成されてもよい。
【0048】
第1支持部材58Bは、第1回転中心軸心A1まわりに回転可能に構成される。第1支持部材58Bは、円筒形状を有し、クランク軸12と同軸に配置される。第1支持部材58Bは、クランク軸12の径方向の外側に配置される。第1支持部材58Bは、第1回転中心軸心A1まわりにクランク軸12と相対回転可能に、クランク軸12に支持される。クランク軸12の径方向において、第1支持部材58Bとクランク軸12との間には、スリーブおよびベアリングの少なくとも1つが設けられてもよい。第1太陽ギア54Aは、第1支持部材58Bと一体回転するように、第1支持部材58Bに設けられる。第1太陽ギア54Aは、第1支持部材58Bと一体に形成されてもよい。第1リングギア54Bは、第1太陽ギア54Aまわりに配置される。第1リングギア54Bは、ハウジング32と相対回転する許容状態と、ハウジング32に対する回転が規制される規制状態とを含む。第1遊星ギア54Cは、第1太陽ギア54Aおよび第1リングギア54Bと係合する。第1遊星歯車機構52Aは、第1回転中心軸心A1の周方向に離れて配置される複数の第1遊星ギア54Cを含む。第1遊星ギア54Cは、第1キャリア58Aによって、第1回転中心軸心A1まわりに公転可能、かつ、第1キャリア58Aのまわりを自転可能に支持される。
【0049】
第2太陽ギア56Aは、第1支持部材58Bと一体回転するように、第1支持部材58Bに設けられる。第2太陽ギア56Aは、第1支持部材58Bと一体に形成されてもよい。第2太陽ギア56Aは、第1太陽ギア54A、および、第1支持部材58Bと一体に形成されてもよい。第1太陽ギア54A、第2太陽ギア56A、および、第1支持部材58Bは、例えば、第1太陽ギア54Aおよび第2太陽ギア56Aを含む段付きギアである。第2リングギア56Bは、第2太陽ギア56Aまわりに配置される。第2リングギア56Bは、ハウジング32と相対回転する許容状態と、ハウジング32に対する回転が規制される規制状態とを含む。第2遊星ギア56Cは、第2太陽ギア56Aおよび第2リングギア56Bと係合する。第2遊星歯車機構52Bは、第1回転中心軸心A1の周方向に離れて配置される複数の第2遊星ギア56Cを含む。第2遊星ギア56Cは、第1キャリア58Aによって、第1回転中心軸心A1まわりに公転可能、かつ、第1キャリア58Aのまわりを自転可能に支持される。
【0050】
第2遊星ギア56Cは、第1外歯車60Aおよび第2外歯車60Bを含む。第1外歯車60Aは、第2太陽ギア56Aと係合する。第2外歯車60Bは、第2リングギア56Bと係合する。第1外歯車60Aのピッチ円直径は、第2外歯車60Bのピッチ円直径よりも大きい。第1外歯車60Aおよび第2外歯車60Bは、一体回転するように構成される。第2遊星ギア56Cは、例えば、第1外歯車60Aおよび第2外歯車60Bを含む段付きギアである。
【0051】
第1太陽ギア54Aのピッチ円直径は、第2太陽ギア56Aのピッチ円直径よりも大きい。第1リングギア54Bのピッチ円直径は、第2リングギア56Bのピッチ円直径と等しい。第1遊星ギア54Cのピッチ円直径は、第2遊星ギア56Cの第1外歯車60Aのピッチ円直径よりも小さく、第2遊星ギア56Cの第2外歯車60Bのピッチ円直径と等しい。
【0052】
第1キャリア58Aが第1回転中心軸心A1まわりに回転すると、第1遊星ギア54Cは、第1太陽ギア54Aのまわりを公転し、かつ、第2遊星ギア56Cは、第2太陽ギア56Aのまわりを公転する。
【0053】
第1変速部50Aは、例えば、第1クラッチ70Aおよび第2クラッチ70Bを含む。第1クラッチ70Aは、第1リングギア54Bの状態を、許容状態と、規制状態との間において切り替える。第1クラッチ70Aは、例えば、規制状態において、ハウジング32に対する第1リングギア54Bの回転を規制し、かつ、許容状態においてハウジング32に対する第1リングギア54Bの回転を許容する。第1クラッチ70Aは、例えば、ハウジング32および第1リングギア54Bの一方に設けられる係合部材と、ハウジング32および第1リングギア54Bの他方に設けられる凹部とを含む。係合部材は、例えば、爪部材を含む。爪部材は、凹部に係合する第1状態と、凹部から離れる第2状態とを切り替え可能に構成される。
【0054】
第2クラッチ70Bは、第2リングギア56Bの状態を、許容状態と、規制状態との間において切り替える。第2クラッチ70Bは、例えば、規制状態において、ハウジング32に対する第2リングギア56Bの回転を規制し、かつ、許容状態においてハウジング32に対する第2リングギア56Bの回転を許容する。第2クラッチ70Bは、例えば、ハウジング32および第2リングギア56Bの一方に設けられる係合部材と、ハウジング32および第2リングギア56Bの他方に設けられる凹部とを含む。係合部材は、例えば、爪部材を含む。爪部材は、凹部に係合する第1状態と、凹部から離れる第2状態とを切り替え可能に構成される。第1クラッチ70Aおよび第2クラッチ70Bとしては、例えば、特開2016-78618号公報に開示される変速機のクラッチを用いることができる。
【0055】
第1遊星歯車機構52Aは、例えば、複数の第1伝達経路を有する。複数の第1伝達経路は、人力駆動力の伝達経路の一部を構成する。第1キャリア58Aに入力された人力駆動力は、複数の第1伝達経路のうちの1つを経由して、第1支持部材58Bから出力される。複数の第1伝達経路は、第1経路および第2経路を含む。
【0056】
第1経路は、第1キャリア58Aに入力された人力駆動力が、第1キャリア58A、第1遊星ギア54C、第1太陽ギア54Aを経由して、第1支持部材58Bから出力される経路である。第2経路は、第1キャリア58Aに入力された人力駆動力が、第1キャリア58A、第2遊星ギア56C、第2太陽ギア56Aを経由して、第1支持部材58Bから出力される経路である。第1リングギア54Bが規制状態の場合、複数の第1伝達経路のうち、第1経路が選択される。第2リングギア56Bが規制状態の場合、複数の第1伝達経路のうち、第2経路が選択される。
【0057】
例えば、第2変速部50Bは、第1変速部50Aを介して人力駆動力が入力され、出力回転部36に人力駆動力を出力するように構成される。例えば、少なくとも1つの第2遊星歯車機構52Bは、第2回転中心軸心A2を有する。第2遊星歯車機構52Bは、第3太陽ギア72A、第3リングギア72B、第3遊星ギア72C、第4太陽ギア74A、第4リングギア74B、第4遊星ギア74C、第5太陽ギア76A、第5リングギア76B、第5遊星ギア76C、第6太陽ギア78A、第6リングギア78B、第6遊星ギア78C、第7太陽ギア80A、第7リングギア80B、第7遊星ギア80C、第2キャリア82A、および、第2支持部材82Bを含む。第2遊星歯車機構52Bは、第1遊星歯車機構52Aの第1支持部材58Bから人力駆動力が入力され、出力回転部36に人力駆動力を出力するように構成される。
【0058】
第2支持部材82Bは、第2回転中心軸心A2まわりに回転可能に構成される。第2支持部材82Bは、出力回転部36と一体に形成される。第2支持部材82Bは、出力回転部36と別体に形成され、セレーションによって連結されてもよい。第2支持部材82Bは、クランク軸12の径方向の外側に配置される。第2支持部材82Bは、第2回転中心軸心A2まわりにクランク軸12と相対回転可能に、クランク軸12に支持される。クランク軸12の径方向において、第2支持部材82Bとクランク軸12との間には、スリーブおよびベアリングの少なくとも1つが設けられてもよい。第3太陽ギア72Aは、第2支持部材82Bと一体回転するように、第2支持部材82Bに配置される。第3太陽ギア72Aは、第2支持部材82Bと一体に形成されてもよい。第3リングギア72Bは、第3太陽ギア72Aまわりに配置される。第3リングギア72Bは、ハウジング32と相対回転する許容状態と、ハウジング32に対する回転が規制される規制状態とを含む。第3遊星ギア72Cは、第3太陽ギア72Aおよび第3リングギア72Bと係合する。第2遊星歯車機構52Bは、第2回転中心軸心A2の周方向に離れて配置される複数の第3遊星ギア72Cを含む。第3遊星ギア72Cは、第2キャリア82Aによって、第2回転中心軸心A2まわりに公転可能、かつ、第2キャリア82Aのまわりを自転可能に支持される。
【0059】
第4太陽ギア74Aは、第2支持部材82Bと一体回転するように、第2支持部材82Bに配置される。第4太陽ギア74Aは、第2支持部材82Bと一体に形成されてもよい。第4リングギア74Bは、第4太陽ギア74Aまわりに配置される。第4リングギア74Bは、ハウジング32と相対回転する許容状態と、ハウジング32に対する回転が規制される規制状態とを含む。第4遊星ギア74Cは、第4太陽ギア74Aおよび第4リングギア74Bと係合する。第2遊星歯車機構52Bは、第2回転中心軸心A2の周方向に離れて配置される複数の第4遊星ギア74Cを含む。第4遊星ギア74Cは、第2キャリア82Aによって、第2回転中心軸心A2まわりに公転可能、かつ、第2キャリア82Aのまわりを自転可能に支持される。
【0060】
第5太陽ギア76Aは、第2支持部材82Bと一体回転するように、第2支持部材82Bに配置される。第5太陽ギア76Aは、第2支持部材82Bと一体に形成されてもよい。第5リングギア76Bは、第5太陽ギア76Aまわりに配置される。第5リングギア76Bは、ハウジング32と相対回転する許容状態と、ハウジング32に対する回転が規制される規制状態とを含む。第5遊星ギア76Cは、第5太陽ギア76Aおよび第5リングギア76Bと係合する。第2遊星歯車機構52Bは、第2回転中心軸心A2の周方向に離れて配置される複数の第5遊星ギア76Cを含む。第5遊星ギア76Cは、第2キャリア82Aによって、第2回転中心軸心A2まわりに公転可能、かつ、第2キャリア82Aのまわりを自転可能に支持される。
【0061】
第6太陽ギア78Aは、第2支持部材82Bと一体回転するように、第2支持部材82Bに配置される。第6太陽ギア78Aは、第2支持部材82Bと一体に形成されてもよい。第6リングギア78Bは、第6太陽ギア78Aまわりに配置される。第6リングギア78Bは、ハウジング32と相対回転する許容状態と、ハウジング32に対する回転が規制される規制状態とを含む。第6遊星ギア78Cは、第6太陽ギア78Aおよび第6リングギア78Bと係合する。第2遊星歯車機構52Bは、第2回転中心軸心A2の周方向に離れて配置される複数の第6遊星ギア78Cを含む。第6遊星ギア78Cは、第2キャリア82Aによって、第2回転中心軸心A2まわりに公転可能、かつ、第2キャリア82Aのまわりを自転可能に支持される。
【0062】
第7太陽ギア80Aは、第2支持部材82Bと一体回転するように、第2支持部材82Bに配置される。第7太陽ギア80Aは、第2支持部材82Bと一体に形成されてもよい。第3太陽ギア72Aは、第4太陽ギア74A、第5太陽ギア76A、第6太陽ギア78A、第7太陽ギア80A、および、第2支持部材82Bと一体に形成されてもよい。第3太陽ギア72A、第4太陽ギア74A、第5太陽ギア76A、第6太陽ギア78A、第7太陽ギア80A、および、第2支持部材82Bは、例えば、第3太陽ギア72A、第4太陽ギア74A、第5太陽ギア76A、第6太陽ギア78A、および、第7太陽ギア80Aを含む段付きギアである。第7リングギア80Bは、第7太陽ギア80Aまわりに配置される。第7リングギア80Bは、ハウジング32と相対回転する状態と、ハウジング32と一体回転する状態とを切り替え可能に構成される。第7遊星ギア80Cは、第7太陽ギア80Aおよび第7リングギア80Bと係合する。第2遊星歯車機構52Bは、第2回転中心軸心A2の周方向に離れて配置される複数の第7遊星ギア80Cを含む。第7遊星ギア80Cは、第2キャリア82Aによって、第2回転中心軸心A2まわりに公転可能、かつ、第2キャリア82Aのまわりを自転可能に支持される。
【0063】
第3太陽ギア72A、第4太陽ギア74A、第5太陽ギア76A、第6太陽ギア78A、および、第7太陽ギア80Aのピッチ円直径は、第3太陽ギア72A、第4太陽ギア74A、第5太陽ギア76A、第6太陽ギア78A、第7太陽ギア80Aの順に小さい。第3リングギア72B、第4リングギア74B、第5リングギア76B、第6リングギア78B、および、第7リングギア80Bのピッチ円直径は、第3リングギア72B、第4リングギア74B、第5リングギア76B、第6リングギア78B、第7リングギア80Bの順に大きい。第3遊星ギア72C、第4遊星ギア74C、第5遊星ギア76C、第6遊星ギア78C、および、第7遊星ギア80Cのピッチ円直径は、第3遊星ギア72C、第4遊星ギア74C、第5遊星ギア76C、第6遊星ギア78C、第7遊星ギア80Cの順に大きい。
【0064】
第2キャリア82Aが回転すると、第3遊星ギア72Cは第3太陽ギア72Aのまわりを公転し、第4遊星ギア74Cは第4太陽ギア74Aのまわりを公転し、第5遊星ギア76Cは第5太陽ギア76Aのまわりを公転し、第6遊星ギア78Cは第6太陽ギア78Aのまわりを公転し、かつ、第7遊星ギア80Cは第7太陽ギア80Aのまわりを公転する。第2キャリア82Aは、第1遊星歯車機構52Aの第1支持部材58Bに接続される。第2支持部材82Bは、出力回転部36に接続される。
【0065】
第2変速部50Bは、例えば、第3クラッチ70C、第4クラッチ70D、第5クラッチ70E、第6クラッチ70F、および、第7クラッチ70Gを含む。第3クラッチ70Cは、第3リングギア72Bの状態を、許容状態と、規制状態との間において切り替える。第3クラッチ70Cは、例えば、規制状態において、ハウジング32に対する第3リングギア72Bの回転を規制し、かつ、許容状態においてハウジング32に対する第3リングギア72Bの回転を許容する。第3クラッチ70Cは、例えば、ハウジング32および第3リングギア72Bの一方に設けられる係合部材と、ハウジング32および第3リングギア72Bの他方に設けられる凹部とを含む。係合部材は、例えば、爪部材を含む。爪部材は、凹部に係合する第1状態と、凹部から離れる第2状態とを切り替え可能に構成される。
【0066】
第4クラッチ70Dは、第4リングギア74Bの状態を、許容状態と、規制状態との間において切り替える。第4クラッチ70Dは、例えば、規制状態において、ハウジング32に対する第4リングギア74Bの回転を規制し、かつ、許容状態においてハウジング32に対する第4リングギア74Bの回転を許容する。第4クラッチ70Dは、例えば、ハウジング32および第4リングギア74Bの一方に設けられる係合部材と、ハウジング32および第4リングギア74Bの他方に設けられる凹部とを含む。係合部材は、例えば、爪部材を含む。爪部材は、凹部に係合する第1状態と、凹部から離れる第2状態とを切り替え可能に構成される。
【0067】
第5クラッチ70Eは、第5リングギア76Bの状態を、許容状態と、規制状態との間において切り替える。第5クラッチ70Eは、例えば、規制状態において、ハウジング32に対する第5リングギア76Bの回転を規制し、かつ、許容状態においてハウジング32に対する第5リングギア76Bの回転を許容する。第5クラッチ70Eは、例えば、ハウジング32および第5リングギア76Bの一方に設けられる係合部材と、ハウジング32および第5リングギア76Bの他方に設けられる凹部とを含む。係合部材は、例えば、爪部材を含む。爪部材は、凹部に係合する第1状態と、凹部から離れる第2状態とを切り替え可能に構成される。
【0068】
第6クラッチ70Fは、第6リングギア78Bの状態を、許容状態と、規制状態との間において切り替える。第6クラッチ70Fは、例えば、規制状態において、ハウジング32に対する第6リングギア78Bの回転を規制し、かつ、許容状態においてハウジング32に対する第6リングギア78Bの回転を許容する。第6クラッチ70Fは、例えば、ハウジング32および第6リングギア78Bの一方に設けられる係合部材と、ハウジング32および第6リングギア78Bの他方に設けられる凹部とを含む。係合部材は、例えば、爪部材を含む。爪部材は、凹部に係合する第1状態と、凹部から離れる第2状態とを切り替え可能に構成される。
【0069】
第7クラッチ70Gは、第7リングギア80Bの状態を、許容状態と、規制状態との間において切り替える。第7クラッチ70Gは、例えば、規制状態において、ハウジング32に対する第7リングギア80Bの回転を規制し、かつ、許容状態においてハウジング32に対する第7リングギア80Bの回転を許容する。第7クラッチ70Gは、例えば、ハウジング32および第7リングギア80Bの一方に設けられる係合部材と、ハウジング32および第7リングギア80Bの他方に設けられる凹部とを含む。係合部材は、例えば、爪部材を含む。爪部材は、凹部に係合する第1状態と、凹部から離れる第2状態とを切り替え可能に構成される。
【0070】
第2遊星歯車機構52Bは、例えば、複数の第2伝達経路を有する。複数の第2伝達経路は、人力駆動力の伝達経路の一部を構成する。第2キャリア82Aに入力された人力駆動力は、複数の第2伝達経路のいずれか1つを経由して、第2支持部材82Bから出力される。複数の第2伝達経路は、第3経路、第4経路、第5経路、第6経路、および、第7経路を含む。
【0071】
第3経路は、第2キャリア82Aに入力された人力駆動力が、第2キャリア82A、第3遊星ギア72C、第3太陽ギア72Aを経由して、第2支持部材82Bから出力される経路である。第4経路は、第2キャリア82Aに入力された人力駆動力が、第2キャリア82A、第4遊星ギア74C、第4太陽ギア74Aを経由して、第2支持部材82Bから出力される経路である。第5経路は、第2キャリア82Aに入力された人力駆動力が、第2キャリア82A、第5遊星ギア76C、第5太陽ギア76Aを経由して、第2支持部材82Bから出力される経路である。第6経路は、第2キャリア82Aに入力された人力駆動力が、第2キャリア82A、第6遊星ギア78C、第6太陽ギア78Aを経由して、第2支持部材82Bから出力される経路である。第7経路は、第2キャリア82Aに入力された人力駆動力が、第2キャリア82A、第7遊星ギア80C、第7太陽ギア80Aを経由して、第2支持部材82Bから出力される経路である。第3リングギア72Bが規制状態の場合、複数の第2伝達経路のうち、第3経路が選択される。第4リングギア74Bが規制状態の場合、複数の第2伝達経路のうち、第4経路が選択される。第5リングギア76Bが規制状態の場合、複数の第2伝達経路のうち、第5経路が選択される。第6リングギア78Bが規制状態の場合、複数の第2伝達経路のうち、第6経路が選択される。第7リングギア80Bが規制状態の場合、複数の第2伝達経路のうち、第7経路が選択される。
【0072】
変速機38は、例えば、第1クラッチ70A、第2クラッチ70B、第3クラッチ70C、第4クラッチ70D、第5クラッチ70E、第6クラッチ70F、および、第7クラッチ70Gを制御する変速制御部を含む。変速制御部は、例えば、第1クラッチ70A、第2クラッチ70B、第3クラッチ70C、第4クラッチ70D、第5クラッチ70E、第6クラッチ70F、および、第7クラッチ70Gのそれぞれの爪部材を、第1状態と第2状態との間において切り替える。変速制御部は、第1リングギア54Bおよび第2リングギア56Bのいずれか1つのみが規制状態となり、かつ、第3リングギア72B、第4リングギア74B、第5リングギア76B、第6リングギア78B、および、第7リングギア80Bのいずれか1つのみが規制状態となるように、第1クラッチ70A、第2クラッチ70B、第3クラッチ70C、第4クラッチ70D、第5クラッチ70E、第6クラッチ70F、および、第7クラッチ70Gを制御する。変速制御部は、例えば、第1クラッチ70A、第2クラッチ70B、第3クラッチ70C、第4クラッチ70D、第5クラッチ70E、第6クラッチ70F、および、第7クラッチ70Gを制御するための電動アクチュエータを含む。変速制御部は、シフタと連結されるケーブルによって、第1クラッチ70A、第2クラッチ70B、第3クラッチ70C、第4クラッチ70D、第5クラッチ70E、第6クラッチ70F、および、第7クラッチ70Gを制御するように構成されてもよい。
【0073】
例えば、第1回転中心軸心A1は、第2回転中心軸心A2と平行に配置される。例えば、第1回転中心軸心A1は、第2回転中心軸心A2と実質的に一致する。例えば、第1回転中心軸心A1は、第2回転中心軸心A2と一致する。第1回転中心軸心A1は、回転中心軸心C1と一致し、第2回転中心軸心A2は、回転中心軸心C1と一致する。第1遊星歯車機構52Aおよび第2遊星歯車機構52Bは、回転中心軸心C1の軸方向において、入力回転部34と出力回転部36との間に配置される。第1遊星歯車機構52Aは、回転中心軸心C1の軸方向において、入力回転部34の隣に配置される。第2遊星歯車機構52Bは、回転中心軸心C1の軸方向において、第1遊星歯車機構52Aと出力回転部36との間に配置される。
【0074】
例えば、変速機38は、第1比率を段階的に変更するように構成される。例えば、第1変速部50Aは、第1比率を第1数の段階に変更可能に構成される。例えば、第1数は、2以上、かつ、5以下である。第1数は、例えば、2以上、かつ、3以下である。第1数は、例えば、2である。例えば、第2変速部50Bは、第1比率を第2数の段階に変更可能に構成される。第2数は、例えば、第1数とは異なる。例えば、第2数は、第1数よりも大きい。例えば、第2数は、3以上、かつ、10以下である。第2数は、例えば、4以上、かつ、7以下である。第2数は、例えば、5である。第1比率の段階の総数は、例えば、変速ステージの総数である。変速機38による第1比率の段階の総数は、例えば、変速部50の数、および、変速部50に含まれる遊星歯車機構52の数と対応する。変速機38による第1比率の段階の総数は、例えば、第1変速部50Aに含まれる第1遊星歯車機構52Aの数と、第2変速部50Bに含まれる第2遊星歯車機構52Bの数との乗算値である。本実施形態では、第1数は2であり、第2数は、5である。本実施形態では、変速機38による第1比率の段階の総数は、10である。
【0075】
変速機38の第1比率は、複数の第1伝達経路および複数の第2伝達経路の組み合わせによって決定される。本実施形態では、第1比率の最小値は、第1伝達経路において第1経路が選択され、第2伝達経路において第3経路が選択される場合の第1比率である。本実施形態では、第1比率の最大値は、第1伝達経路において第2経路が選択され、第2伝達経路において第7経路が選択される場合の第1比率である。例えば、第1比率の最小値に対する第1比率の最大値の第2比率は、1.2以上、かつ、8以下である。例えば、第2比率は、1.7以上、かつ、7以下である。例えば、第2比率は、2.4以上、かつ、6以下である。第2比率は、例えば、4.5以上、かつ、5.5以下である。第2比率は、例えば、5である。第2比率が大きい程、変速機38によって実現できる第1比率の範囲を大きくすることができる。
【0076】
例えば、複数の変速部50の全ては、増速機構である。例えば、第1変速部50Aは増速機であり、かつ、第2変速部50Bは増速機である。例えば、第1変速部50Aによって変更される第1比率は1より大きく、かつ、第2変速部50Bによって変更される第1比率は1より大きい。変速機38は、第1比率の最小値が、1.5以上、かつ、30以下であるように構成される。例えば、第1比率の最小値は、2以上、かつ、20以下である。例えば、第1比率の最小値は、3以上、かつ、15以下である。例えば、第1比率の最小値は、5以上、かつ、10以下である。第1比率の最小値は、例えば、7.5である。
【0077】
本実施形態では、人力駆動力の伝達経路において、変速機38によって増速した後にモータ42の駆動力が伝達されるため、モータ減速機44による減速比を小さくできる。したがって、ドライブユニット30は、モータ減速機44を小型化できる。
【0078】
<変更例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用のドライブユニットが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用のドライブユニットは、例えば以下に示される実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0079】
図4に示されるように、ドライブユニット30は、モータ42およびモータ減速機44を含まなくてもよい。ドライブユニット30がモータ42およびモータ減速機44を含まない場合、モータ42およびモータ減速機44は、例えば、ドライブユニット30とは別に設けられる。ドライブユニット30がモータ42およびモータ減速機44を含まない場合、モータ42およびモータ減速機44は、例えば、ハブに設けられる。ドライブユニット30がモータ42およびモータ減速機44を含まない場合、モータ42およびモータ減速機44は、無端環状部材20にモータ42の駆動力を伝達するように構成されてもよい。
【0080】
・第2変速部50Bを、図5のように変更してもよい。図5の第3遊星ギア72Cおよび第4遊星ギア74Cは、段付きギアとして一体に形成される。図5の第2変速部50Bは、第4太陽ギア74Aが省略されている。図5の第4リングギア74Bのピッチ円直径は、第3リングギア72Bのピッチ円直径よりも小さい。図5の第4遊星ギア74Cのピッチ円直径は、第3遊星ギア72Cのピッチ円直径よりも小さい。図5の第5遊星ギア76C、第6遊星ギア78C、および、第7遊星ギア80Cは、段付きギアとして一体に形成される。図5の第2変速部50Bは、第6太陽ギア78Aおよび第7太陽ギア80Aが省略されている。図5の第6リングギア78Bのピッチ円直径は、第5リングギア76Bのピッチ円直径よりも小さく、かつ、第7リングギア80Bのピッチ円直径は、第6リングギア78Bのピッチ円直径よりも小さい。図5の第6遊星ギア78Cのピッチ円直径は、第5遊星ギア76Cのピッチ円直径よりも小さく、第7遊星ギア80Cのピッチ円直径は、第6遊星ギア78Cのピッチ円直径よりも小さい。
【0081】
図5のドライブユニット30は、図6のようにモータ42およびモータ減速機44を含まないように変更されてもよい。図6の変更例において、モータ42およびモータ減速機44は、例えば、ドライブユニット30とは別に設けられる。
【0082】
図7に示されるように、第1回転体18は、追加回転中心軸心C2まわりに回転するように構成されてもよい。追加回転中心軸心C2は、回転中心軸心C1と異なる軸心である。追加回転中心軸心C2は、回転中心軸心C1と平行に配置される。例えば、予め定める回転中心軸心は、追加回転中心軸心C2と実質的に一致する。第1回転中心軸心A1は、回転中心軸心C1と一致し、第2回転中心軸心A2は、回転中心軸心C1と一致する。
【0083】
図8および図9に示されるように、モータ42は、人力駆動力の伝達経路において、変速機38よりも上流に駆動力を出力するように構成されてもよい。図9のモータ減速機44は、人力駆動力の伝達経路において、変速機38よりも上流にモータ42の駆動力を出力する。
【0084】
図10および図11に示されるように、ドライブユニット30はリアハブ24に設けられてもよい。ドライブユニット30がリアハブ24に設けられる場合、ハウジング32は、例えば、リアハブ24のハブシェルを含む。例えば、入力回転部34は、第2回転体22を含み、出力回転部36はリアハブ24のハブシェルを含む。変速機38の予め定める回転中心軸心は、例えば、人力駆動車10の車輪の回転中心軸心C3と実質的に一致する。
【0085】
・第1遊星歯車機構52Aおよび第2遊星歯車機構52Bの少なくとも1つは、追加遊星歯車機構を含んでもよい。追加遊星歯車機構は、例えば、追加太陽ギア、追加リングギア、および、追加遊星ギアを含む。
【0086】
・変速部50は、遊星歯車機構52以外の機構を含んでいてもよい。例えば、変速部50は、無段変速機、および、クラッチ式のマニュアル変速機の少なくとも1つを含む。変速部50が遊星歯車機構52以外の機構を含む場合、変速部50は、遊星歯車機構52を含まなくてもよい。
【0087】
・変速機38の第1比率の最小値が1.5以上、かつ、30以下であれば、複数の変速部50の全てが増速機構でなくてもよい。変速機38の第1比率の最小値が1.5以上、かつ、30以下であれば、例えば、複数の変速部50が、第3変速部を含み、第3変速部によって変更される第1比率が1未満であってもよい。
【0088】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0089】
10…人力駆動車、12…クランク軸、30…ドライブユニット、32…ハウジング、34…入力回転部、36…出力回転部、38…変速機、42…モータ、44…モータ減速機、50…変速部、50A…第1変速部、50B…第2変速部、52…遊星歯車機構、52A…第1遊星歯車機構、52B…第2遊星歯車機構。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11