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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094166
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】充電装置及び充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240702BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240702BHJP
   H01M 10/6235 20140101ALI20240702BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20240702BHJP
   H01M 10/6566 20140101ALI20240702BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H01M10/613
H01M10/6235
H01M10/6563
H01M10/6566
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210948
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(72)【発明者】
【氏名】溝口 利夫
(72)【発明者】
【氏名】中野 恭嗣
【テーマコード(参考)】
5G503
5H031
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BB01
5G503CB11
5G503FA03
5H031AA09
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】冷却用の開口が設けられていない電池パックを冷却可能な充電装置及び充電システムを提供する。
【解決手段】充電装置1において、電池パック装着部10の表面のうち電池パック装着部10に装着された電池パック100と対向する位置に冷却風路画成部22が設けられる。冷却風路画成部22は、電池パック100を電池パック装着部10に装着した状態で吸気口17及び電池パック100のスロット部103に連なる冷却風路を画成する。ファン14は、電池パック100の水抜き穴106及びスロット部103と、充電装置1の冷却風路画成部22とを介して電池パック100内の空気を引き込むように構成される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池側端子部と前記電池側端子部を露出するスロット部とを有する電池パックが装着可能な充電装置であって、
前記電池パックを装着可能な電池パック装着部と、
前記電池パック装着部に設けられ、前記電池側端子部に接続可能な充電装置側端子部と、
を備え、
前記電池パック装着部の前記電池パックと対向する位置に、前記電池パックを前記電池パック装着部に装着した状態で前記スロット部に連なる冷却風路を画成する冷却風路画成部を設けた、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
電池側端子部と前記電池側端子部を露出するスロット部とを有する電池パックが装着可能な充電装置であって、
前記電池パックを装着可能な電池パック装着部と、
前記電池パック装着部に設けられ、前記電池側端子部に接続可能な充電装置側端子部と、
冷却風を発生するファンと、
前記電池パック装着部に設けられ、前記冷却風が通る貫通孔と、
を備え、
前記電池パック装着部の前記電池パックと対向する位置に、前記貫通孔に連なる冷却風路を画成する冷却風路画成部を設けた、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の充電装置であって、
前記冷却風路画成部は、前記電池パック装着部の表面の凹部として形成される、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項4】
請求項1に記載の充電装置であって、
冷却風を発生するファンと、
前記冷却風路画成部と前記充電装置の内部とを連通し、前記冷却風が通る貫通孔と、
を備える、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項5】
請求項4に記載の充電装置であって、
前記スロット部及び前記冷却風路画成部を介して前記電池パック内の空気を引き込むように構成した、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項6】
請求項4に記載の充電装置であって、
前記冷却風路画成部及び前記スロット部を介して前記電池パック内に空気を送る込むように構成した、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の充電装置であって、
前記電池パック装着部は、前記電池パックの装着を案内する一対のガイドレールを有し、
前記冷却風路画成部は前記一対のガイドレールの間に設けられる、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項8】
請求項7に記載の充電装置であって、
前記充電装置側端子部は、前記電池パック装着部の表面から上方に突出する複数の突出部と、前記複数の突出部にそれぞれ支持され前記電池側端子部に接続される複数の端子と、を有し、
前記複数の突出部は、前記一対のガイドレールが離間する方向で離間部を挟んで互いに離間して設けられ、
前記冷却風路画成部は、前記離間部と連なるよう形成される、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の充電装置と、
前記電池パック装着部に装着可能で前記充電装置によって充電可能な電池パックと、
を備えたことを特徴とする充電システム。
【請求項10】
請求項2又は4に記載の充電装置と、
前記電池パック装着部に装着可能で前記充電装置によって充電可能な電池パックと、
を備えた充電システムであって、
前記電池パックは、前記スロット部から内部に浸入した水を排水する排水口を備え、
前記排水口から前記電池パック内に空気を引き込み、前記スロット部、前記冷却風路画成部、前記貫通孔を介して前記電池パック内の空気を前記充電装置内に引き込むよう構成した、
ことを特徴とする充電システム。
【請求項11】
請求項2又は4に記載の充電装置と、
前記電池パック装着部に装着可能で前記充電装置によって充電可能な電池パックと、
を備えた充電システムであって、
前記電池パックは、前記スロット部から内部に浸入した水を排水する排水口を備え、
前記貫通孔、前記冷却風路画成部、前記スロット部を介して前記充電装置内から前記電池パック内に空気を送り込み、前記排水口から前記電池パック外に空気を排出するよう構成した、
ことを特徴とする充電システム。
【請求項12】
請求項9に記載の充電システムであって、
前記電池パックの電力で駆動可能な負荷部を有する電気機器本体を備える、
ことを特徴とする充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置及び充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電動作業機等の電気機器の電源として電池パックが広く使用されている。電池パックは電気機器から取り外して充電装置で充電可能に構成される。下記特許文献1の充電装置は、自身の有するファンの風を排気又は吸気するために電池パックの開口と対向するように風窓を有し、風窓を介して電池パックを冷却するように構成されている。一方、下記特許文献2に示されるように、内部を冷却するための開口を有さない電池パックも存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-019535号公報
【特許文献2】国際公開第2020/066901号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば高出力の電気機器で電池パックを使用すると、電池パックの発熱が大きい。高温となった電池パックを充電装置に装着すると、高温待機状態となり、すぐに充電を開始できない。また、充電による発熱で電池パックが高温になると、高温待機状態となり、充電を中断する。高温待機状態の時間が長いと、充電完了までの時間が長くなってしまう。
【0005】
本発明の目的は、下記の第1、第2の課題の少なくとも一方を解決することである。
・第1の課題…冷却用の開口が設けられていない電池パックを冷却可能な充電装置及び充電システムを提供すること。
・第2の課題…充電時間を短縮可能な充電装置及び充電システム提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、充電装置である。この充電装置は、
電池側端子部と前記電池側端子部を露出するスロット部とを有する電池パックが装着可能な充電装置であって、
前記電池パックを装着可能な電池パック装着部と、
前記電池パック装着部に設けられ、前記電池側端子部に接続可能な充電装置側端子部と、
を備え、
前記電池パック装着部の前記電池パックと対向する位置に、前記電池パックを前記電池パック装着部に装着した状態で前記スロット部に連なる冷却風路を画成する冷却風路画成部を設けた、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の別の態様は、充電装置である。この充電装置は、
電池側端子部と前記電池側端子部を露出するスロット部とを有する電池パックが装着可能な充電装置であって、
前記電池パックを装着可能な電池パック装着部と、
前記電池パック装着部に設けられ、前記電池側端子部に接続可能な充電装置側端子部と、
冷却風を発生するファンと、
前記電池パック装着部に設けられ、前記冷却風が通る貫通孔と、
を備え、
前記電池パック装着部の前記電池パックと対向する位置に、前記貫通孔に連なる冷却風路を画成する冷却風路画成部を設けた、
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の別の態様は、充電システムである。この充電システムは、
前記充電装置と、
前記電池パック装着部に装着可能で前記充電装置によって充電可能な電池パックと、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の「充電装置」は「充電器」等と表現されてもよく、そのように表現されたものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、上記の第1、第2の課題の少なくとも一方を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態1に係る充電システムであって、充電装置1、電池パック100、及び電気機器本体150からなる充電システムの構成図。
図2】(A)は、電池パック100の平面図。(B)は、図2(A)のF-F断面図。
図3】電池パック100を装着した充電装置1の斜視図。
図4】充電装置1の上ケース11及び下ケース12を互いに開いた展開図。
図5】電池パック100を装着した充電装置1の平面図。
図6】(A)は、図5のA-A断面図であって、ファン14の発生する気流の流れを示す断面図。(B)は、図5のB-B要部断面図であって、ファン14の発生する気流の流れを示す断面図。
図7】(A)は、充電装置1の要部平面図。(B)は、図7(A)のC-C断面図。
図8】(A)は、本発明の実施形態2に係る充電装置2の要部平面図。(B)は、図8(A)のD-D断面図。
図9】(A)は、図8(B)において充電装置2に電池パック100を装着した断面図であって、ファン14の発生する気流の流れを示す断面図。(B)は、電池パック100を装着した充電装置2の正断面図であって、ファン14の発生する気流の流れを示す断面図。
図10】本発明の実施形態3に係る充電装置3の要部平面図。
図11】(A)は、本発明の実施形態4に係る充電装置4の要部平面図。(B)は、図11(A)のE-E断面図。
図12図11(B)において充電装置4に電池パック100を装着した断面図であって、ファン14の発生する気流の流れを示す断面図。
図13】本発明の実施形態5に係る充電装置5の要部平面図。
図14】(A)は、本発明の実施形態6に係る充電装置6の要部平面図。(B)は、図14(A)のG-G断面図。
図15図14(B)において充電装置6に電池パック100を装着した断面図であって、ファン14の発生する気流の流れを示す断面図。
図16】本発明の実施形態7に係る充電装置7の要部平面図。
図17】本発明の実施形態8に係る充電システムの側断面図であって、ファン14の発生する気流の流れを示す断面図。
図18】(A)は、本発明の実施形態9に係る充電システムの側断面図であって、ファン14Aの発生する気流の流れを示す断面図。(B)は、実施形態9に係る充電システムの正断面図であって、ファン14Aの発生する気流の流れを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
図1図7は、本発明の実施形態1に関する。本実施形態は、充電装置1、充電装置1と電池パック100からなる充電システム(図3)、並びに、充電装置1と電池パック100と電気機器本体150とからなる充電システム(図1)に関する。なお、充電システムにおいて、充電装置1は、他の実施形態の充電装置に置換されてもよい。図7(A),(B)により、充電装置1における互いに直交する前後、上下、左右方向を定義する。
【0013】
充電装置1は、電池パック100を装着し、電池パック100を充電できる。図1に示すように、電気機器本体150は、電池パック100を着脱可能に装着する電池パック装着部151と、電池パック100の電力で駆動可能な負荷部としてのモータ152と、を有する。電気機器本体150は、図示の例ではドライバドリルであるが、他の任意の種類の電気機器本体に置換されてもよい。電池パック100は、冷却用の開口、すなわち図7(A)に現れる充電装置1の吸気口17に対面し連通する開口を有さない。
【0014】
図2(A),(B)に示すように、電池パック100は、上ケース101及び下ケース102を有する。上ケース101及び下ケース102は、例えば樹脂成形体であり、ねじ止め等により互いに組み合わされ、電池パック100のケース(電池側ハウジング)を構成する。
【0015】
上ケース101は、スロット部103と左右一対の電池側レール部108を有する。電池パック100は、スロット部103から外方に臨む電池側端子104を有する。すなわち、電池側端子104はスロット部103から電池側ハウジングの外に露出する。図示の例では、スロット部103及び電池側端子104はそれぞれ5つである。各スロット部103に電池側端子104が収容される。電池側レール部108は、図7(A)に現れる充電装置側レール部21と係合し、充電装置1に対する電池パック100の装着時のガイドとなる。
【0016】
図5等に示すように、下ケース102は水抜き穴106を有する。水抜き穴106は、スロット部103からケース内部に浸入した水を排水する排水口であり、図示の例では4個設けられる。
【0017】
電池パック100は、上ケース101及び下ケース102の内部に、電池セル105と電池側基板107とを有する。電池側基板107には電池側端子104や図示しない保護IC等が搭載される。
【0018】
図3等に示すように、充電装置1は、上ケース11及び下ケース12を有する。上ケース11及び下ケース12は、例えば樹脂成形体であり、ねじ止め等により互いに組み合わされ、充電装置1のケース(充電装置側ハウジング)を構成する。上ケース11及び下ケース12は、それぞれ右側面部に排気口13を有する。
【0019】
図4等に示すように、充電装置1は、上ケース11及び下ケース12の内部に、ファン14と充電装置側基板15を有する。ファン14は、電池パック100を冷却する冷却風を発生する。充電装置側基板15は、電池パック100の充電に必要な回路部品を搭載する。下ケース12の後部から電源コード18が延出する。電源コード18は、商用電源等の外部交流電源に接続される。充電装置1は、外部交流電源からの供給電力により電池パック100を充電する。
【0020】
図7(A),(B)に示すように、上ケース11の上面右部は、電池パック100を装着可能な電池パック装着部10である。充電装置1は、電池パック装着部10に4つの充電装置側端子16を有する。充電装置側端子16は、電池側端子104に接続され、充電電流や通信信号等の経路となる。
【0021】
電池パック装着部10は、吸気口17、5つの突出部19、左右方向に離間した一対の充電装置側レール部21を有する。吸気口17は、ファン14の発生する冷却風が通る貫通孔である。突出部19は、電池パック装着部10の表面から上方に突出し、充電装置側端子16を保持する。充電装置側レール部21は、電池パック100の装着を案内するガイドレールである。左右一対の充電装置側レール部21間に、5つの突出部19が離間部20を挟んで左右方向に互いに離間して並ぶ。
【0022】
電池パック装着部10の表面のうち電池パック装着部10に装着された電池パック100と対向する位置に、冷却風路画成部22が設けられる。冷却風路画成部22は、電池パック100を電池パック装着部10に装着した状態で吸気口17及びスロット部103に連なる冷却風路を画成する。吸気口17により、冷却風路画成部22と上ケース11及び下ケース12(充電装置側ハウジング)の内部とが連通する。冷却風路画成部22は、一対の充電装置側レール部21間に位置する。冷却風路画成部22は、離間部20と連なる。冷却風路画成部22は、充電装置側端子16の前方まで延在する範囲であってもよい。
【0023】
図6(A),(B)は、ファン14の発生する冷却風の流れを示す。ファン14は、スロット部103及び冷却風路画成部22を介して電池パック100内の空気を引き込むように構成される。冷却風は、電池パック100の水抜き穴106から電池パック100内(上ケース101及び下ケース102の内部)に入り、電池セル105及び電池側基板107を冷却しながらスロット部103に向かって流れ、電池側端子104を冷却しながらスロット部103から電池パック100外(上ケース101及び下ケース102の外部)に出る。
【0024】
スロット部103から電池パック100外に出た冷却風は、電池パック装着部10の表面(冷却風路画成部22)とそれに対向する電池パック100の面(上ケース101の表面)との間を通って吸気口17に向かって流れ、吸気口17から充電装置1内(上ケース11及び下ケース12の内部)に入る。吸気口17から充電装置1内に入った冷却風は、ファン14に吸い込まれ、排気口13から充電装置1外(上ケース11及び下ケース12の外部)に排気される。
【0025】
一部の冷却風は、突出部19の前方側から、突出部19とそれに対向する電池パック100の面との間、あるいは離間部20を通り、スロット部103から電池パック100外に出た冷却風と合流し、吸気口17から充電装置1内に入る。
【0026】
本実施形態は、下記の作用効果を奏する。
【0027】
(1) 充電装置1は、電池パック100を電池パック装着部10に装着した状態で吸気口17及びスロット部103に連なる冷却風路を画成する冷却風路画成部22を有する。よって、ファン14の発生する冷却風路として、吸気口17、冷却風路画成部22、スロット部103を通る冷却風路が形成される。このため、冷却用の開口が設けられていない電池パック100を冷却できる。
【0028】
(2) 冷却用の開口が設けられていない電池パック100を冷却できるため、電池パック100を冷却できない場合と比較して、高温となった電池パック100を装着した場合の高温待機状態の時間が短縮される。また、充電による発熱で電池パック100が高温になった場合の高温待機状態の時間も短縮される。このように高温待機状態の時間が短縮されることで、充電完了までの時間が短縮され、使い勝手が良い。
【0029】
(3) 冷却用の開口が設けられていない電池パック100に対して冷却しながら充電が可能なため、充電電流を大きくでき、充電速度が高められる。
【0030】
(実施形態2)
図8及び図9は、本発明の実施形態2に係る充電装置2に関する。充電装置2は、実施形態1の充電装置1の冷却風路画成部22を、電池パック装着部10の表面の凹部として形成された冷却風路画成部22Aに替えたものである。冷却風路画成部22Aに吸気口17が開口する。冷却風路画成部22Aは、左右方向において一対の充電装置側レール部21の内側に位置し、かつ5つの突出部19よりも左右方向において外側まで延在する。図9(A)に示すように、冷却風路画成部22Aは、前後方向において、電池パック装着部10に装着された電池パック100のスロット部103より前方まで延在する。
【0031】
本実施形態によれば、冷却風路画成部22Aが凹部して形成されることで、冷却風路画成部22Aとそれに対向する電池パック100の面との間の風路断面積が大きくなる。これにより、冷却風路画成部22Aとそれに対向する電池パック100の面との間の風路抵抗が低減され、冷却風の風量が増大し、電池パック100に対する冷却性能が高められる。また、冷却風路画成部22Aが凹部して形成されることで、電池パック100の内部を通った冷却風や、電池パック装着部10と電池パック100との間(突出部19の間)を通った冷却風が、吸気口17に案内され易くできる。
【0032】
(実施形態3)
図10は、本発明の実施形態3に係る充電装置3の要部平面図である。充電装置3は、図8及び図9に示す実施形態2の充電装置2において冷却風路画成部22Aの周囲にガイド凸部23Aを追加したものである。ガイド凸部23Aは、冷却風路画成部22Aの外縁部のうち前縁部を除く部分に沿って延び、上方に突出する。ガイド凸部23Aは、突出部19の左右を通り過ぎて電池パック装着部10の表面の前端部まで延びる。電池パック100を電池パック装着部10に装着した際にガイド凸部23Aの上方端部が電池パック100の上面と接触するようにしてもよい。
【0033】
本実施形態によれば、冷却風路画成部22Aに対向する電池パック100の面に対してガイド凸部23Aが近接するように突出することで、電池パック100の冷却に寄与しない気流、例えば電池パック100の内部やスロット部103を通らずに吸気口17に左右方向あるいは後方向から吸い込まれる気流が抑制される。これにより、電池パック100の内部やスロット部103を通る冷却風の風量が増大し、電池パック100に対する冷却性能が高められる。また、冷却風が冷却風路画成部22Aから漏れることが抑制される。
【0034】
(実施形態4)
図11及び図12は、本発明の実施形態4に係る充電装置4に関する。充電装置4は、図8及び図9に示す実施形態2の充電装置2に吸気口24を追加し、冷却風路画成部22Aを冷却風路画成部22Bに替えたものである。
【0035】
吸気口24は、吸気口17より前方において電池パック装着部10に開口する。吸気口24は、ファン14の発生する冷却風が通る貫通孔である。吸気口24により、冷却風路画成部22Bと充電装置4内とが連通する。吸気口24は、一対の充電装置側レール部21間に位置する。
【0036】
冷却風路画成部22Bは、電池パック装着部10の表面の凹部として形成される。冷却風路画成部22Bは、図8及び図9に示す冷却風路画成部22Aのうち吸気口17の周囲において凹んだ部分を無くしたものに相当する。すなわち、冷却風路画成部22Bの存在範囲は、吸気口17よりも前方に限定される。
【0037】
図12に示すように、前後方向において、吸気口24の存在範囲と、電池パック装着部10に装着された電池パック100のスロット部103と存在範囲とが、少なくとも部分的に重複する。図示の例では、前後方向において、吸気口24の前部とスロット部103の後部の存在範囲が重複する。吸気口24はスロット部103より前方に延在する。
【0038】
図12に示すように、スロット部103から電池パック100外に出た冷却風は、冷却風路画成部22Bとそれに対向する電池パック100の面との間を通って吸気口17、24に向かって流れ、吸気口17、24から充電装置4内に入る。突出部19とそれに対向する電池パック100の面との間、あるいは離間部20を通って来た冷却風も同様である。前述のように冷却風路画成部22Bを成す凹部が吸気口17よりも前方にしか存在しないため、吸気口24を通る冷却風の風量のほうが吸気口17を通る冷却風の風量よりも大きくなる。吸気口17は、冷却風路画成部22Bを成す凹部の外側に位置するため、凹部内に位置する場合と比較して、対向する電池パックとの距離が近くなる。このため、吸気口17に対向し連通する排気口(冷却用の開口)を有する電池パック(図示省略)に対する冷却風の経路として好適に利用できる。
【0039】
本実施形態によれば、吸気口24が追加されたことで風路抵抗が低減され、冷却風の風量が増大し、電池パック100に対する冷却性能が高められる。
【0040】
(実施形態5)
図13は、本発明の実施形態5に係る充電装置5の要部平面図である。充電装置5は、図11及び図12に示す実施形態4の充電装置4において冷却風路画成部22Bの周囲にガイド凸部23Bを追加したものである。ガイド凸部23Bは、冷却風路画成部22Bの外縁部のうち前縁部を除く部分に沿って延び、上方に突出する。ガイド凸部23Bは、突出部19の左右を通り過ぎて電池パック装着部10の表面の前端部まで延びる。
【0041】
本実施形態によれば、冷却風路画成部22Bに対向する電池パック100の面に対してガイド凸部23Bが近接するように突出することで、電池パック100の冷却に寄与しない気流、例えば電池パック100の内部やスロット部103を通らずに吸気口24に左右方向あるいは後方向から吸い込まれる気流が抑制される。これにより、電池パック100の内部やスロット部103を通る冷却風の風量が増大し、電池パック100に対する冷却性能が高められる。
【0042】
(実施形態6)
図14及び図15は、本発明の実施形態6に係る充電装置6に関する。充電装置6は、図11及び図12に示す実施形態4の充電装置4において吸気口17を無くしたものである。充電装置4において吸気口17を通っていた冷却風は、図15に示すように充電装置6では吸気口24を通って流れる。本実施形態では、実施形態4と比較して吸気口17が無くなった分だけ風路抵抗は大きくなるが、実施形態4は冷却風の大部分が吸気口24を流れる構成のため、吸気口17が無くても十分な冷却風量を確保できる。
【0043】
(実施形態7)
図16は、本発明の実施形態7に係る充電装置7の要部平面図である。充電装置7は、図14及び図15に示す実施形態6の充電装置6において冷却風路画成部22Bの周囲にガイド凸部23Bを追加したものである。ガイド凸部23Bは、図13に示す実施形態5の充電装置5が有するガイド凸部23Bと同構成である。本実施形態も、実施形態5と同様に、ガイド凸部23Bにより電池パック100に対する冷却性能を高める効果がある。
【0044】
(実施形態8)
図17は、本発明の実施形態8に係る充電システムの側断面図であって、ファン14の発生する気流の流れを示す断面図である。この充電システムは、図11及び図12に示す実施形態4の充電装置4に、電池パック100に替えて電池パック100Aを装着したものである。電池パック100Aは、電池パック100から水抜き穴106を無くしたものである。
【0045】
ファン14の発生する冷却風は、突出部19の前方側から、突出部19とそれに対向する電池パック100Aの面との間、あるいは離間部20を通って後方に流れる。その後、冷却風の一部は、スロット部103から電池パック100A内に入って旋回して電池セル105を冷却し、スロット部103から電池パック100A外に出る。冷却風の残りは、スロット部103を通って電池側端子104を冷却し、電池パック100A内には入らずに冷却風の前述の一部と合流する。その後、冷却風は、冷却風路画成部22Bとそれに対向する電池パック100の面との間を通って吸気口17、24に向かって流れ、吸気口17、24から充電装置4内に入る。
【0046】
本実施形態によれば、水抜き穴106を有さない電池パック100Aも冷却できる。本実施形態において、充電装置4は、実施形態4以外の充電装置に置換されてもよい。
【0047】
(実施形態9)
図18は、本発明の実施形態9に係る充電システムに関する。この充電システムにおいて、充電装置4Aは、図11及び図12に示す実施形態4の充電装置4のファン14がファン14Aに替わったものである。ファン14Aは、ファン14の向きを反転させたものに相当する。充電装置4Aの吸気口13A及び排気口17A、24Aは、充電装置4の排気口13及び吸気口17、24に対応する構成で吸排気の機能が逆になったものである。
【0048】
本実施形態におけるファン14Aの発生する冷却風の流れは、図12に示す実施形態4におけるファン14の発生する冷却風の流れを反転したものである。ファン14Aは、冷却風路画成部22B及びスロット部103を介して電池パック100内に空気を送り込むように構成される。
【0049】
ファン14Aの発生する冷却風は、吸気口13Aから充電装置4A内に入り、ファン14Aに吸い込まれ、排気口17A、24Aから充電装置4A外に出る。充電装置4A外に出た冷却風は、電池パック100のスロット部103に向かって流れ、電池側端子104を冷却しながらスロット部103から電池パック100内に入る。電池パック100内に入った冷却風は、電池セル105及び電池側基板107を冷却しながら水抜き穴106に向かって流れ、水抜き穴106から電池パック100外に排気される。一部の冷却風は、電池パック100内に入らずに、突出部19とそれに対向する電池パック100の面との間、あるいは離間部20を通り、前方に流れる。
【0050】
本実施形態も実施形態4と同様の効果を奏する。本実施の形態において実施形態4に行った変更、すなわちファン14を向きが反対のファン14Aに替える変更は、実施形態4以外にも適用できる。
【0051】
以上、実施形態を例に本発明を説明したが、本発明は実施形態に限定されない。実施形態で具体的に説明した各事項には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能である。
【0052】
実施形態で具体的な数値として例示した充電装置側端子16や突出部19、スロット部103、電池側端子104、水抜き穴106の個数等は、発明の範囲を何ら限定するものではなく、要求される仕様に合わせて任意に変更できる。
【符号の説明】
【0053】
1~4、4A、5~7…充電装置、10…電池パック装着部、11…上ケース、12…下ケース、13…排気口、13A…吸気口、14、14A…ファン、15…充電装置側基板、16…充電装置側端子、17…吸気口、17A…排気口、18…電源コード、19…突出部、20…離間部、21…充電装置側レール部、22、22A、22B…冷却風路画成部、23A、23B…ガイド凸部、24…吸気口、24A…排気口、100、100A…電池パック、101…上ケース、102…下ケース、103…スロット部、104…電池側端子、105…電池セル、106…水抜き穴(排水口)、107…電池側基板、108…電池側レール部、150…電気機器本体、151…電池パック装着部、152…モータ(負荷部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12
図13
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図18