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特開2024-94182人材評価システム、人材評価方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094182
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】人材評価システム、人材評価方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20240702BHJP
【FI】
G06Q10/0639
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210980
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】500256691
【氏名又は名称】株式会社武蔵野
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】小山 昇
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA08
5L049AA08
(57)【要約】
【課題】組織の人材に関する検査における被検者が、組織で活躍できる可能性を示唆可能とする。
【解決手段】人材評価システム1は、組織の人材に関する検査における被検者の回答に基づき、被検者を評価するシステムであって、回答に基づく一次評価を取得する一次評価取得手段20と、一次評価を参照して、所定条件に基づき、二次評価を決定する二次評価決定手段30と、を備え、二次評価決定手段30は、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を含む二次評価を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織の人材に関する検査における被検者の回答に基づき、被検者を評価する人材評価システムであって、
前記回答に基づく一次評価を取得する一次評価取得手段と、
前記一次評価を参照して、所定条件に基づき、二次評価を決定する二次評価決定手段と、を備え、
前記二次評価決定手段は、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を含む前記二次評価を決定することを特徴とする人材評価システム。
【請求項2】
前記一次評価取得手段は、前記一次評価として、複数種類の項目の評価を取得し、
前記二次評価決定手段は、前記複数種類の項目の評価を参照して、前記二次評価を決定することを特徴とする請求項1に記載の人材評価システム。
【請求項3】
前記一次評価取得手段は、前記一次評価として、1つの項目について、複数回分の評価を取得し、
前記二次評価決定手段は、前記複数回分の評価を参照して、前記二次評価を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の人材評価システム。
【請求項4】
前記一次評価取得手段は、前記一次評価として、
被検者の事務処理能力に対する評価である処理能力評価と、
被検者の性格に対する評価である基本性格評価と、
被検者が自分の業務、自分が所属する部署、自分が所属する組織において、それぞれ重視している項目に対する評価である重視基準評価と、を取得し、
前記二次評価決定手段は、前記処理能力評価、前記基本性格評価又は前記重視基準評価のいずれかを参照して、前記二次評価を決定することを特徴とする請求項1に記載の人材評価システム。
【請求項5】
前記一次評価取得手段は、前記一次評価として、
被検者の事務処理能力に対する評価である処理能力評価と、
被検者の性格に対する評価である基本性格評価と、
被検者が自分の業務、自分が所属する部署、自分が所属する組織において、それぞれ重視している項目に対する評価である重視基準評価と、を取得し、
前記二次評価決定手段は、前記処理能力評価、前記基本性格評価又は前記重視基準評価のうち、少なくとも2つを参照して、前記二次評価を決定することを特徴とする請求項1に記載の人材評価システム。
【請求項6】
組織の人材に関する検査における被検者の回答に基づき、被検者を評価する人材評価システムが実行する方法であって、
前記回答に基づく一次評価を取得するステップと、
前記一次評価を参照して、所定条件に基づき、二次評価を決定するステップと、を含み、
前記二次評価を決定するステップでは、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を含む前記二次評価を決定することを特徴とする人材評価方法。
【請求項7】
組織の人材に関する検査における被検者の回答に基づき、被検者を評価する人材評価システムを、
前記回答に基づく一次評価を取得する一次評価取得手段、
前記一次評価を参照して、所定条件に基づき、二次評価を決定する二次評価決定手段、として機能させ、
前記二次評価決定手段は、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を含む前記二次評価を決定することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織の人材に関する検査における被検者の回答に基づき、被検者を評価する人材評価システム、人材評価方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、組織(例えば、会社や、所定の目的を有する団体等)で働く者(例えば、従業員等)や、組織に所属することを望む者(例えば、会社への入社希望者等)に対して、検査を行うことで、検査を受けた被検者の能力等を評価することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、求職者の適正検査を行う検査手段と、この検査手段における検査結果データを記録する求職者データベースと、この求職者データベースを検索して特定条件の求職者を記録した求職者リストを作成する求職者リスト作成手段とを備え、これらの検査結果はデータベースにそれぞれ記録され、求職者データベースから特定条件、例えば、英語の成績が良いという条件、論理的思考ができるという条件に適合する求職者のリストを作成する求人支援システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-297160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、被検者の検査結果から、直接的に、英語の成績が良い、論理的思考ができる、ということが分かったとしても、これらの能力を有する被検者が、組織で活躍できるかを判断するのは困難である。例えば、英語の成績が良い被検者を、例えば、英語圏への営業職に従事させたとしても、愛想が無ければ、この被検者が、この職責で活躍するのは困難である。
【0006】
被検者の能力や人格や性格等を知りたい者(例えば、会社における人事担当者等)には、被検者の検査結果から直接的に分かる能力等だけでなく、この被検者が、組織で活躍できる可能性の示唆を得たいという要望がある。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、組織の人材に関する検査における被検者が、組織で活躍できる可能性を示唆可能な人材評価システム、人材評価方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 組織の人材に関する検査における被検者の回答に基づき、被検者を評価する人材評価システムであって、
前記回答に基づく一次評価を取得する一次評価取得手段と、
前記一次評価を参照して、所定条件に基づき、二次評価を決定する二次評価決定手段と、を備え、
前記二次評価決定手段は、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を含む前記二次評価を決定することを特徴とする人材評価システム。
【0009】
(1)の発明では、人材評価システムは、一次評価取得手段と、二次評価決定手段と、を備え、組織の人材に関する検査における被検者の回答に基づき、被検者を評価する。
一次評価取得手段は、回答に基づく一次評価を取得する。
二次評価決定手段は、一次評価を参照して、所定条件に基づき、二次評価を決定する。
そして、二次評価決定手段は、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を含む二次評価を決定する。
【0010】
(1)の発明によれば、組織の人材に関する検査における被検者の回答に基づく一次評価を取得し、この一次評価を参照して、所定条件に基づき、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を含む二次評価を決定する。
これにより、例えば、所定条件を、人材判断の経験が豊富な者の思想や、組織の代表者の思想を反映させた設定で構築した場合、被検者の検査結果からの直接的な評価である一次評価を参照して、上記の思想から導かれた、当該被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を提示することが可能となる。
したがって、組織の人材に関する検査における被検者が、組織で活躍できる可能性を示唆可能な人材評価システムを提供できる。
【0011】
(2) 前記一次評価取得手段は、前記一次評価として、複数種類の項目の評価を取得し、
前記二次評価決定手段は、前記複数種類の項目の評価を参照して、前記二次評価を決定することを特徴とする(1)に記載の人材評価システム。
【0012】
(2)の発明によれば、一次評価の複数種類の項目の評価を参照して、二次評価を決定するので、1つの項目だけで二次評価を決定する場合に比べて、多面的な評価をすることが可能となる。
【0013】
(3) 前記一次評価取得手段は、前記一次評価として、1つの項目について、複数回分の評価を取得し、
前記二次評価決定手段は、前記複数回分の評価を参照して、前記二次評価を決定することを特徴とする(1)又は(2)に記載の人材評価システム。
【0014】
(3)の発明によれば、一次評価における1つの項目について、複数回分の評価を参照して、二次評価を決定するので、一次評価における1回分の評価だけで二次評価を決定する場合に比べて、より精度の高い評価をすることが可能となる。
【0015】
(4) 前記一次評価取得手段は、前記一次評価として、
被検者の事務処理能力に対する評価である処理能力評価と、
被検者の性格に対する評価である基本性格評価と、
被検者が自分の業務、自分が所属する部署、自分が所属する組織において、それぞれ重視している項目に対する評価である重視基準評価と、を取得し、
前記二次評価決定手段は、前記処理能力評価、前記基本性格評価又は前記重視基準評価のいずれかを参照して、前記二次評価を決定することを特徴とする(1)に記載の人材評価システム。
【0016】
(4)の発明では、二次評価決定手段は、被検者の事務処理能力に対する評価である処理能力評価、被検者の性格に対する評価である基本性格評価、又は、被検者が自分の業務、自分が所属する部署、自分が所属する組織において、それぞれ重視している項目に対する評価である重視基準評価のいずれかを参照して、二次評価を決定する。
【0017】
これにより、事務処理能力や、性格や、自分の業務、部署、組織において重視している点を参照して、二次評価を決定することで、被検者の能力、性格又は考え方から、被検者を評価できるので、より細やかな評価が可能となる。
【0018】
(5) 前記一次評価取得手段は、前記一次評価として、
被検者の事務処理能力に対する評価である処理能力評価と、
被検者の性格に対する評価である基本性格評価と、
被検者が自分の業務、自分が所属する部署、自分が所属する組織において、それぞれ重視している項目に対する評価である重視基準評価と、を取得し、
前記二次評価決定手段は、前記処理能力評価、前記基本性格評価又は前記重視基準評価のうち、少なくとも2つを参照して、前記二次評価を決定することを特徴とする(1)に記載の人材評価システム。
【0019】
(5)の発明では、二次評価決定手段は、被検者の事務処理能力に対する評価である処理能力評価、被検者の性格に対する評価である基本性格評価、又は、被検者が自分の業務、自分が所属する部署、自分が所属する組織において、それぞれ重視している項目に対する評価である重視基準評価のうち、少なくとも2つを参照して、二次評価を決定する。
【0020】
ここで、事務処理能力が優れていても、性格や、自分の業務、部署、組織において重視している点に問題があれば、組織の一員としての業務の障害になる。
【0021】
(5)の発明によれば、処理能力評価、基本性格評価又は重視基準評価のうち、少なくとも2つを参照して、二次評価を決定するので、被検者を、能力面だけでなく、性格や考え方も考慮した評価ができるので、より優れた人材を見出すことが可能となる。
【0022】
(6) 組織の人材に関する検査における被検者の回答に基づき、被検者を評価する人材評価システムが実行する方法であって、
前記回答に基づく一次評価を取得するステップと、
前記一次評価を参照して、所定条件に基づき、二次評価を決定するステップと、を含み、
前記二次評価を決定するステップでは、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を含む前記二次評価を決定することを特徴とする人材評価方法。
【0023】
(7) 組織の人材に関する検査における被検者の回答に基づき、被検者を評価する人材評価システムを、
前記回答に基づく一次評価を取得する一次評価取得手段、
前記一次評価を参照して、所定条件に基づき、二次評価を決定する二次評価決定手段、として機能させ、
前記二次評価決定手段は、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を含む前記二次評価を決定することを特徴とするプログラム。
【0024】
(6)及び(7)の発明によれば、(1)の発明と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、組織の人材に関する検査における被検者が、組織で活躍できる可能性を示唆可能な人材評価システム、人材評価方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係る人材評価システムの概要を説明する図である。
図2】本発明の実施形態に係る人材評価システムの機能構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける処理能力検査画面の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける基本性格アンケート画面の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける重視基準アンケート画面の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る人材評価システムにおけるアドバイステーブルの一例を説明する図である。
図7】本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける適職判定テーブルの一例を説明する図である。
図8】本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける所属希望者二次評価決定手段の処理について説明する図である。
図9】本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける採用重視項目評価テーブルの一例を説明する図である。
図10】本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける採用可否判定テーブルの一例を説明する図である。
図11】本発明の実施形態に係る人材評価システムが実行する人材評価処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0028】
(基本概念/基本構成)
図1は、本発明の実施形態に係る人材評価システムの概要を説明する図である。
人材評価システム1は、組織の人材に関する検査における被検者の回答に基づき、被検者を評価する。
【0029】
本実施形態において、「組織」とは、会社や、所定の目的を有する団体等である。また、「組織の人材」とは、会社の従業員や、団体のメンバー等の組織に所属する所属者に加え、組織に所属することを希望する所属希望者(例えば、入社希望者等)も含まれる。「組織の人材に関する検査」とは、会社の社内試験や、入社試験等である。
【0030】
人材評価システム1は、被検者の回答に基づく、当該被検者に対する評価である一次評価を取得する。詳しくは後述するが、一次評価には、被検者の事務処理能力に対する評価である処理能力評価と、被検者の性格に対する評価である基本性格評価と、被検者が自分の業務、自分が所属する部署、自分が所属する組織において、それぞれ重視している項目に対する評価である重視基準評価が含まれる。
【0031】
そして、人材評価システム1は、このような一次評価を参照して、所定条件に基づき、二次評価を決定する。本実施形態において「所定条件」とは、人材判断の経験が豊富な者の思想や、組織の代表者の思想を反映させた設定である。具体的には、人材判断の経験が豊富な者が、一次評価に基づき二次評価を決定するときの思考の流れを、コンピュータで処理可能な条件式としたものである。
【0032】
人材評価システム1は、一次評価を参照して、このような所定条件に基づき処理することで、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を含む二次評価を決定する。詳しくは後述するが、活躍情報には、被検者の現状状態を示す情報と現状状態を改善する情報が含まれるアドバイス情報と、被検者の長所と短所を示す二次基本性格評価情報(人材診断情報)と、被検者に適した職務を示す適職情報と、が含まれる。
【0033】
このような人材評価システム1によれば、所定条件を、人材判断の経験が豊富な者の思想や、組織の代表者の思想を反映させた設定で構築することで、被検者の検査結果からの直接的な評価である一次評価を参照して、上記の思想から導かれた、当該被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を提示することが可能となる。
したがって、組織の人材に関する検査における被検者が、組織で活躍できる可能性を示唆可能な人材評価システムを提供できる。
【0034】
(機能構成)
図2は、本発明の実施形態に係る人材評価システムの機能構成を示す図である。
人材評価システム1は、検査実行手段10と、一次評価取得手段20と、二次評価決定手段30と、出力手段40と、記憶手段50と、を備える。
【0035】
検査実行手段10は、被検者端末100とネットワークを介して接続され、組織の人材に関する検査を実行する。具体的には、検査実行手段10は、検査を受験する被検者が操作する被検者端末100に、問題を表示させ、この問題に対する回答を受け付け、被検者毎にこの回答を記憶手段50に記憶する。
【0036】
本実施形態において、被検者に操作される被検者端末100は、タッチパネルを備えるスマートフォンやタブレット等の端末で構成されているのが望ましい。
【0037】
検査実行手段10は、被検者の事務処理能力に対する検査である処理能力検査と、被検者の性格に対する評価をするための基本性格アンケートと、被検者が自分の業務、自分が所属する部署、自分が所属する組織において、それぞれ重視している項目に対する評価をするための重視基準アンケートと、を実行する。
【0038】
図3は、本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける処理能力検査画面の一例を示す図である。
検査実行手段10は、処理能力検査において、被検者端末100に処理能力検査画面を表示させる。検査実行手段10は、処理能力検査画面において、問題部と、被検者の回答の入力操作を受け付ける回答入力部と、を隣接させて一画面に表示させる。
【0039】
ここで、検査画面をモニター等の表示手段に表示させ、被検者からの回答を、表示手段とは別に設けられたキーボード等の入力手段で受け付けた場合、入力手段をブラインドタッチで操作できる被検者は、表示手段に表示された問題を見ながら回答できる。一方で、入力手段をブラインドタッチで操作できない被検者は、表示手段に表示された問題を見て回答を覚えて、表示手段から目を離し、入力手段に回答することになり、入力手段をブラインドタッチで操作できる被検者に比べ、不利な条件で受験することになる。
【0040】
本実施形態によれば、検査実行手段10は、問題部と回答入力部を隣接させた検査画面を、タッチパネルで構成された表示手段を備える被検者端末100において、一画面で表示させる。これにより、入力手段の操作スキルによる優劣を除外して、検査したい能力について適正な評価をすることが可能となる。
【0041】
処理能力検査は、問題部に表示された1つの数字を、回答入力部のテンキーでタッチすることを所定時間内で複数回繰り返す基礎検査と、問題部に表示された2つの数字を足して、その答えの下一桁と同じ数字を、回答入力部のテンキーでタッチすることを所定時間内で複数回繰り返す応用検査と、が含まれる。基礎検査及び応用検査は、それぞれ複数回(例えば、3回等)繰り返される。図3に示す例は、応用検査の検査画面の一例である。
【0042】
検査実行手段10は、複数回(例えば、3回等)の基礎検査及び応用検査の結果をそれぞれ記憶手段50に記憶する。詳細には、検査実行手段10は、複数回の基礎検査及び応用検査における、回答数、失敗数、ある問に対する回答から次の問に対する回答までの時間(以下、「テンポ」ともいう。)を数値で、それぞれ記憶手段50に記憶する。
【0043】
図4は、本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける基本性格アンケート画面の一例を示す図である。
検査実行手段10は、基本性格アンケートにおいて、被検者端末100に基本性格アンケート画面を表示させる。検査実行手段10は、基本性格アンケート画面において、アンケート部と、自分を表現する複数種類の言葉にチェックボックスが対応付けられ、このチェックボックスを被検者が選択可能な回答入力部と、を隣接させて一画面に表示させる。
【0044】
検査実行手段10は、基本性格アンケートの結果を記憶手段50に記憶する。詳細には、検査実行手段10は、回答入力部において、選択されたチェックボックスに対応付けられた言葉を示す情報や、選択された言葉の数を、記憶手段50に記憶する。
【0045】
図5は、本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける重視基準アンケート画面の一例を示す図である。
検査実行手段10は、重視基準アンケートにおいて、被検者端末100に重視基準アンケート画面を表示させる。検査実行手段10は、基本性格アンケート画面において、アンケート部と、自分の環境のことを表現する複数種類の言葉にチェックボックスが対応付けられ、このチェックボックスを被検者が選択可能な回答入力部と、を隣接させて一画面に表示させる。
【0046】
重視基準アンケートは、複数(例えば、3つ)の環境項目(被検者の業務、部署、組織(例えば、会社等))に対してそれぞれ実行される。図5に示す例は、業務対しての重視基準アンケート画面の一例である。
【0047】
検査実行手段10は、重視基準アンケートの結果を記憶手段50に記憶する。詳細には、検査実行手段10は、業務、部署及び組織のそれぞれの重視基準アンケート画面の回答入力部において、選択されたチェックボックスに対応付けられた言葉を示す情報や、選択された言葉の数を、業務、部署及び組織毎に記憶手段50に記憶する。
【0048】
図2に戻って、一次評価取得手段20は、検査実行手段10による検査結果から、一次評価を取得する。具体的には、一次評価取得手段20は、検査実行手段10による検査結果から、一次評価の各項目の評価値を算出し、記憶手段50に記憶する。
【0049】
詳細には、一次評価取得手段20は、処理能力評価取得手段21と、基本性格評価取得手段22と、重視基準評価取得手段23と、を備え、被検者の回答に基づく一次評価を取得する。具体的には、一次評価取得手段20は、記憶手段50に記憶された被検者の回答を読み出す。
【0050】
処理能力評価取得手段21は、基礎検査及び応用検査の結果を、記憶手段50から読み込む。以下の説明において、1回目の基礎検査を「基礎1」、2回目の基礎検査を「基礎2」、3回目の基礎検査を「基礎3」、1回目の応用検査を「応用1」、2回目の応用検査を「応用2」、3回目の応用検査を「応用3」ともいう。
【0051】
処理能力評価取得手段21は、基礎1~3及び応用1~3の回答数、失敗数、テンポとの数値に基づき、複数(例えば、6つ)の処理能力項目の評価値を算出する。
【0052】
本実施形態において、処理能力項目には、基礎検査における回答数である基礎、応用検査における回答数である応用、基礎検査の失敗数である失敗、応用検査の失敗数である失敗数、各応用検査における回答数に対する失敗数の割合である失敗率、応用1~3における回答数やある問に対するテンポに基づき算出される発揮度、応用1~3におけるテンポに基づき算出される安定度が含まれる。
【0053】
このような処理能力評価取得手段21により算出された処理能力項目の数値は、出力手段40により、図1に示す被検者毎の評価シートに、例えば、表形式で配置される。
【0054】
基本性格評価取得手段22は、基本性格アンケートの結果を、記憶手段50から読み込む。詳細には、基本性格評価取得手段22は、基本性格アンケートの結果から、複数(例えば、7つ)の基本性格項目(例えば、誠実さ、野望、感性、愛想、面倒見、物静か、フットワーク)のそれぞれの評価値を算出する。
【0055】
このような基本性格評価取得手段22により算出された基本性格項目の評価値は、出力手段40により、図1に示す被検者毎の評価シートに、例えば、表形式及びレーダーチャート形式で配置される。
【0056】
重視基準評価取得手段23は、重視基準アンケートの結果を、記憶手段50から読み込む。詳細には、重視基準評価取得手段23は、重視基準アンケートの結果から、複数(例えば、3つ)の環境項目(例えば、被検者の業務、部署、組織(例えば、会社等))に対してそれぞれ、複数(例えば、7つ)の重視基準項目(例えば、夢、忠誠心、肉体労働、気分、安心感、快楽、お金)のそれぞれの評価値を算出する。
【0057】
このような重視基準評価取得手段23により算出された、3つの環境項目(業務、部署、組織)に対する、それぞれの7つの重視基準項目(例えば、夢、忠誠心、肉体労働、気分、安心感、快楽、お金)のそれぞれの評価値は、出力手段40により、図1に示す被検者毎の評価シートに、例えば、表形式及びレーダーチャート形式で配置される。なお、図1に示す例では、レーダーチャート形式において、3つの環境項目の7つの重視基準項目の評価値を線でつないだグラフが、色違いで重ねて配置されている。
【0058】
二次評価決定手段30は、一次評価取得手段20が取得した一次評価を参照して、所定条件に基づき、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を含む二次評価を決定する。また、二次評価決定手段30は、複数種類の項目の評価(処理能力評価、基本性格評価、重視基準評価)を参照して、二次評価を決定する。
【0059】
例えば、二次評価決定手段30は、二次評価の項目に応じて、以下のように二次評価を決定する。
二次評価決定手段30は、複数種類の項目の評価値の対比により、二次評価を決定する。
二次評価決定手段30は、ある項目の評価値と、他の項目の評価値と、の差分に基づき、二次評価を決定する。
二次評価決定手段30は、ある項目の評価値の平均値と、他の項目の評価値や評価値の平均値と、に基づき、二次評価を決定する。
二次評価決定手段30は、ある項目の複数回の評価値の変化と、他の項目の複数回の評価値の変化と、に基づき、二次評価を決定する。
二次評価決定手段30は、ある項目の評価値が所定値以下であっても、他の項目の評価値が所定値以上の場合を例外として、二次評価を決定する。
二次評価決定手段30は、最も評価値が大きい項目と、他の項目に基づく評価値と、に基づき、二次評価を決定する。
【0060】
また、二次評価決定手段30は、1つの項目において、複数回分の評価(基礎1~3の評価、応用1~3の評価)を参照して、二次評価を決定する。
【0061】
例えば、二次評価決定手段30は、二次評価の項目に応じて、以下のようにも二次評価を決定する。
二次評価決定手段30は、1つの項目における複数回の評価値の対比により、二次評価を決定する。
二次評価決定手段30は、1つの項目における複数回の評価値と、評価値の平均値と、の差分に基づき、二次評価を決定する。
二次評価決定手段30は、1つの項目における複数回の評価値の増減により、二次評価を決定する。
【0062】
次に、二次評価決定手段30の構成を詳細に説明する。
二次評価決定手段30は、処理能力評価取得手段21が取得した処理能力評価(処理能力項目の数値)、基本性格評価取得手段22が取得した基本性格評価(基本性格項目の評価値)又は重視基準評価(重視基準項目の評価値)のいずれかを参照して、二次評価を決定する。また、二次評価決定手段30は、処理能力評価取得手段21が取得した処理能力評価(処理能力項目の数値)、基本性格評価取得手段22が取得した基本性格評価(基本性格項目の評価値)又は重視基準評価(重視基準項目の評価値)のうち、少なくとも2つを参照して、二次評価を決定する。
【0063】
詳細には、二次評価決定手段30は、組織に所属する被検者に対する二次評価を決定する所属者二次評価決定手段31と、組織に所属することを希望する被検者に対する二次評価を決定する所属希望者二次評価決定手段32と、を備える。
【0064】
所属者二次評価決定手段31は、アドバイス情報決定手段311と、二次基本性格評価情報決定手段312と、適職情報決定手段313と、を備える。
【0065】
アドバイス情報決定手段311は、所定条件としての決定処理を記憶したアドバイステーブルを参照して、二次評価として、活躍情報の一例であるアドバイス情報(図1に示す「アドバイス」の欄に配置された情報)を決定する。本実施形態において、アドバイス情報には、被検者の現状に対する考えや傾向を示す現状状態情報と、現状状態情報を改善するためのアドバイスとなる現状改善情報と、が含まれる。
【0066】
図6は、本発明の実施形態に係る人材評価システムにおけるアドバイステーブルの一例を説明する図である。
アドバイステーブルは、被検者の現状に対する考えや傾向を示す現状状態情報と、現状状態情報を改善するためのアドバイスとなる現状改善情報とに、アドバイス情報決定手段311が現状状態情報の決定処理を行う際の所定条件が対応付けられている。アドバイステーブルは、複数種類の現状状態情報に、それぞれ現状改善情報と決定処理(所定条件)が対応付けられている。
【0067】
例えば、アドバイス情報決定手段311は、一次評価取得手段20の重視基準評価取得手段23が算出した3つの環境項目(業務、部署、組織)の7つの重視基準項目(夢、忠誠心、肉体労働、気分、安心感、快楽、お金)の評価値の平均値をそれぞれ算出する。そして、環境項目(業務、部署、組織)の評価値の平均値の中で、組織の平均値が一番小さい場合、現状状態情報として「会社に不満がある」、現状改善情報として「会社の取り組みに積極的に参画させる。」を決定する。
【0068】
また、アドバイス情報決定手段311は、例えば、一次評価取得手段20の重視基準評価取得手段23が算出した7つの重視基準項目(夢、忠誠心、肉体労働、気分、安心感、快楽、お金)の評価値を比べ、重視基準項目「夢」の評価値が、7つの重視基準項目全体で何番目に大きいかを判定する。そして、アドバイス情報決定手段311は、3つの環境項目(業務、部署、組織)について、この判定を行い、3つの環境項目(業務、部署、組織)全てにおいて、重視基準項目「夢」の評価値が3位以内に入らなければ、この場合も、現状状態情報として「会社に不満がある」、現状改善情報として「会社の取り組みに積極的に参画させる。」を決定する。
【0069】
図2に戻って、二次基本性格評価情報決定手段312は、所定条件としての決定処理を記憶したアドバイステーブル(図6参照)を参照して、二次評価として、活躍情報の一例である二次基本性格評価情報(図1に示す「人材診断」の欄に配置された情報)を決定する。本実施形態において、二次基本性格評価情報には、被検者の長所を示す長所情報と、被検者の短所を示す短所情報と、が含まれる。
【0070】
アドバイステーブルでは、現状状態情報の内容に応じて、長所又は短所に振分けられており、二次基本性格評価情報決定手段312は、決定した現状状態情報が長所に振り分けられていれば、当該現状状態情報を長所情報に決定し、決定した現状状態情報が短所に振り分けられていれば、当該現状状態情報を短所情報に決定する。例えば、図6に示す例では、アドバイステーブルにおいて、長所に振り分けられている現状状態情報には現状改善情報にブランクが対応付けられ(例えば、現状状態情報「絶対に犯罪を犯さない」、「おとなしい理論派、自分の考えを大切にする」等)、短所に振り分けられている現状状態情報には現状改善情報が対応付けられている。二次基本性格評価情報決定手段312は、決定した現状状態情報にブランクが対応付けられていれば、当該現状状態情報を長所情報に決定し、決定した現状状態情報に現状改善情報が対応付けられていれば、当該現状状態情報を短所情報に決定する。
【0071】
適職情報決定手段313は、所定条件としての決定処理を記憶した適職判定テーブルを参照して、二次評価として、活躍情報の一例である適職情報(図1に示す「適職診断」の欄に配置された情報)を決定する。本実施形態において、適職情報は、被検者に適した職務と適さない職務を示す情報である。
【0072】
図7は、本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける適職判定テーブルの一例を説明する図である。
適職判定テーブルは、被検者に適した職務を示す適職情報に、適職情報決定手段313が適職情報の決定処理を行う際の所定条件が対応付けられている。適職判定テーブルは、複数種類の適職情報に、それぞれ決定処理(所定条件)が対応付けられている。
【0073】
例えば、適職情報決定手段313は、一次評価取得手段20の基本性格評価取得手段22が算出した基本性格項目(例えば、誠実さ、野望、感性、愛想、面倒見、物静か、フットワーク)の評価値のうち、基本性格項目「野望」と「感性」の評価値がともに、0.4以上であるか否かを判定し、0.4以上と判定した場合、適職情報として「営業(飛び込み)」を決定する。
【0074】
なお、図7の適職「営業(ルート営業)」の決定処理(所定条件)に示すように、二次評価決定手段30は、1つの二次評価(本例では適職「営業(ルート営業)」)を決定する際に、互いに異なる内容の複数の所定条件のいずれかを満たすか否かや、複数の所定条件の全てを満たすかで、二次評価を決定してもよい。
【0075】
図8は、本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける所属希望者二次評価決定手段の処理について説明する図である。
所属希望者二次評価決定手段32は、採用重視項目評価決定手段321と、採用可否判定決定手段322と、を備える。
【0076】
採用重視項目評価決定手段321は、所定条件としての決定処理を記憶した採用重視項目評価テーブルを参照して、二次評価として、活躍情報の一例である採用重視項目評価情報(図8に示す採用重視項目(「基礎」、「応用」、「失敗数」、「失敗率」、「発揮度」、「初期動揺/疲労」、「集中力」、「ストレス耐性」、「ポテンシャル」、「トラブルリスク」、「責任感」、「志望度」、「労働意欲」)に対する評価情報(「問題なし」、「Aランク」、「Bランク」、「Cランク」、「絶対ダメ」))を決定する。
【0077】
図9は、本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける採用重視項目評価テーブルの一例を説明する図である。
採用重視項目評価テーブルは、採用重視項目(「基礎」、「応用」、「失敗数」、「失敗率」、「発揮度」、「初期動揺/疲労」、「集中力」、「ストレス耐性」、「ポテンシャル」、「トラブルリスク」、「責任感」、「志望度」、「労働意欲」)に、採用重視項目評価決定手段321が評価情報(「問題なし」、「Aランク」、「Bランク」、「Cランク」、「絶対ダメ」)の決定処理を行う際の所定条件と、評価の理由とが対応付けられている。採用重視項目評価テーブルは、複数種類の採用重視項目のそれぞれに、決定処理(所定条件)と、評価の理由とが対応付けられている。
【0078】
例えば、採用重視項目評価決定手段321は、採用重視項目「基礎」について、一次評価取得手段20の処理能力評価取得手段21が算出した基礎1~3の回答数に基づき、評価情報(「問題なし」、「Aランク」、「Bランク」、「Cランク」、「絶対ダメ」)を決定する。採用重視項目評価決定手段321は、基礎1~3の回答数が47以下の場合、評価情報を「Cランク」に決定し、基礎1~3の回答数が48~49の場合、評価情報を「Bランク」に決定し、基礎1~3の回答数が50以上の場合、評価情報を「問題なし」に決定する。
【0079】
なお、人材評価システム1は、例えば、本システムを運用して人材を採用する組織の要望に応じて、採用重視項目評価テーブルの決定処理(所定条件)で規定された各数値を調整可能な調整手段を備えてもよい。
【0080】
図8に戻って、採用可否判定決定手段322は、採用重視項目評価決定手段321に決定された採用重視項目評価情報に基づき、所定条件としての決定処理を記憶した採用可否判定テーブルを参照して、二次評価として、採用可否判定情報(図8に示す「不合格」)を決定する。
【0081】
図10は、本発明の実施形態に係る人材評価システムにおける採用可否判定テーブルの一例を説明する図である。
採用可否判定テーブルは、被検者の採用の可否を示す採用可否判定情報(「合格」、「要検討」、「不合格」)に、採用可否判定決定手段322が採用可否判定情報の決定処理を行う際の所定条件が対応付けられている。採用可否判定テーブルは、複数種類の採用可否判定情報に、それぞれ決定処理(所定条件)が対応付けられている。
【0082】
例えば、採用可否判定決定手段322は、採用重視項目評価決定手段321による採用重視項目評価情報(図8に示す採用重視項目(「基礎」、「応用」、「失敗数」、「失敗率」、「発揮度」、「初期動揺/疲労」、「集中力」、「ストレス耐性」、「ポテンシャル」、「トラブルリスク」、「責任感」、「志望度」、「労働意欲」)に対する評価情報(「問題なし」、「Aランク」、「Bランク」、「Cランク」、「絶対ダメ」))を参照し、採用重視項目評価情報の全てにおいて、評価情報「問題なし」であれば、採用可否判定情報「合格」を決定する。
【0083】
一方、採用可否判定決定手段322は、採用重視項目評価決定手段321による採用重視項目評価情報に対する評価情報を参照し、複数の採用重視項目評価情報のうち1つでも評価情報「絶対ダメ」があれば、採用可否判定情報「不合格」を決定する。図8に示す例では、重視項目評価情報の「応用」、「集中力」、「志望度」において、評価情報が「絶対ダメ」であるので、採用可否判定決定手段322は、採用可否判定情報を「不合格」に決定している。
【0084】
図2に戻って、出力手段40は、一次評価取得手段20が取得した一次評価及び二次評価決定手段30が決定した評価を、所定の形式で配置した出力情報を生成し、この出力情報を出力する。出力手段40は、出力情報を、例えば、ネットワークを介して接続された外部装置(例えば、被検者が所属する組織や、被検者が所属を希望する組織に管理されるコンピュータ等)に送信したり、ディスプレイ等の表示手段に表示したり、印刷したりする。
【0085】
具体的には、出力手段40は、一次評価取得手段20が算出した各項目の評価値及び所属者二次評価決定手段31が決定した二次評価の各項目を所定の形式で配置した出力情報として、図1に示す所属者評価シートを生成し、この所属者評価シートを出力する。
【0086】
また、出力手段40は、一次評価取得手段20が算出した各項目の評価値及び所属希望者二次評価決定手段32が決定した二次評価の各項目を所定の形式で配置した出力情報として、図8に示す所属希望者評価シートを生成し、この所属希望者評価シートを出力する。
【0087】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、1つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて1つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置や端末に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置(記憶手段)に格納されたコンピュータプログラム(例えば、基幹ソフトや上述の各種処理をCPUに実行させるアプリ等)を読み出し、CPUにより実行されたコンピュータプログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータプログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0088】
(処理フロー)
図11は、本発明の実施形態に係る人材評価システムが実行する人材評価処理フローを示す図である。
【0089】
ステップS1において、検査実行手段10は、検査を受験する被検者が操作する被検者端末100に、問題を表示させ、この問題に対する回答を受け付け、被検者毎にこの回答を記憶手段50に記憶する。詳細には、検査実行手段10は、被検者の事務処理能力に対する検査である処理能力検査と、被検者の性格に対する評価をするための基本性格アンケートと、被検者が自分の業務、自分が所属する部署、自分が所属する組織において、それぞれ重視している項目に対する評価をするための重視基準アンケートと、を実行する。
【0090】
ステップS2において、一次評価取得手段20は、ステップS1の検査実行手段10による検査結果から、一次評価(処理能力評価や、基本性格評価や、業務、部署、組織に対する重視基準評価)の各項目の評価値を算出し、記憶手段50に記憶する。
【0091】
ステップS3において、二次評価決定手段30は、ステップS2で一次評価取得手段20が取得した一次評価を参照して、所定条件に基づき、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報(アドバイス情報、二次基本性格評価情報、適職情報、採用重視項目評価情報、採用可否判定情報)を含む二次評価を決定する。詳細には、二次評価決定手段30は、処理能力評価取得手段21が取得した処理能力評価(処理能力項目の数値)、基本性格評価取得手段22が取得した基本性格評価(基本性格項目の評価値)、重視基準評価(重視基準項目の評価値)を参照して、二次評価を決定する。
【0092】
ステップS4において、出力手段40は、ステップS2で一次評価取得手段20が取得した一次評価及びステップS3で二次評価決定手段30が決定した評価を、所定の形式で配置した出力情報を生成し、この出力情報を出力する。
【0093】
このような人材評価システム1によれば、組織の人材に関する検査における被検者の回答に基づく一次評価を取得し、この一次評価を参照して、所定条件に基づき、被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を含む二次評価を決定する。
これにより、例えば、所定条件を、人材判断の経験が豊富な者の思想や、組織の代表者の思想を反映させた設定で構築した場合、被検者の検査結果からの直接的な評価である一次評価を参照して、上記の思想から導かれた、当該被検者の組織での活躍の可能性を示す活躍情報を提示することが可能となる。
したがって、組織の人材に関する検査における被検者が、組織で活躍できる可能性を示唆可能な人材評価システムを提供できる。
【0094】
また、人材評価システム1によれば、一次評価の複数種類の項目の評価を参照して、二次評価を決定するので、1つの項目だけで二次評価を決定する場合に比べて、多面的な評価をすることが可能となる。
【0095】
また、人材評価システム1によれば、一次評価における1つの項目について、複数回分の評価を参照して、二次評価を決定するので、一次評価における1回分の評価だけで二次評価を決定する場合に比べて、より精度の高い評価をすることが可能となる。
【0096】
また、人材評価システム1によれば、二次評価決定手段30は、被検者の事務処理能力に対する評価である処理能力評価、被検者の性格に対する評価である基本性格評価、又は、被検者が自分の業務、自分が所属する部署、自分が所属する組織において、それぞれ重視している項目に対する評価である重視基準評価のいずれかを参照して、二次評価を決定する。
【0097】
これにより、事務処理能力や、性格や、自分の業務、部署、組織において重視している点を参照して、二次評価を決定することで、被検者の能力、性格又は考え方から、被検者を評価できるので、より細やかな評価が可能となる。
【0098】
また、人材評価システム1によれば、二次評価決定手段30は、被検者の事務処理能力に対する評価である処理能力評価、被検者の性格に対する評価である基本性格評価、又は、被検者が自分の業務、自分が所属する部署、自分が所属する組織において、それぞれ重視している項目に対する評価である重視基準評価のうち、少なくとも2つを参照して、二次評価を決定する。
【0099】
これにより、処理能力評価、基本性格評価又は重視基準評価のうち、少なくとも2つを参照して、二次評価を決定するので、被検者を、能力面だけでなく、性格や考え方も考慮した評価ができるので、より優れた人材を見出すことが可能となる。
【0100】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることは当業者に明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、人材評価システムについて説明したが、本発明において人材評価システムが実行する方法や、人材評価システムを各種部として機能させるプログラムの発明と捉えることもできる。
【符号の説明】
【0101】
1 人材評価システム
10 検査実行手段
20 一次評価取得手段
21 処理能力評価取得手段
22 基本性格評価取得手段
23 重視基準評価取得手段
30 二次評価決定手段
31 所属者二次評価決定手段
32 所属希望者二次評価決定手段
40 出力手段
100 被検者端末
311 アドバイス情報決定手段
312 二次基本性格評価情報決定手段
313 適職情報決定手段
321 採用重視項目評価決定手段
322 採用可否判定決定手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11