(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094185
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】気液分散装置及び、この気液分散装置を有する活性汚泥処理設備
(51)【国際特許分類】
C02F 3/22 20230101AFI20240702BHJP
B01F 23/231 20220101ALI20240702BHJP
B01F 23/233 20220101ALI20240702BHJP
B01F 35/53 20220101ALI20240702BHJP
B01F 27/80 20220101ALI20240702BHJP
C02F 3/12 20230101ALI20240702BHJP
【FI】
C02F3/22 Z
B01F23/231
B01F23/233
B01F35/53
B01F27/80
C02F3/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210984
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000101042
【氏名又は名称】アクアス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000171919
【氏名又は名称】佐竹マルチミクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102749
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 紀一
(74)【代理人】
【識別番号】100081787
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 輝晃
(72)【発明者】
【氏名】加藤 好一
(72)【発明者】
【氏名】根本 孝宏
(72)【発明者】
【氏名】吾郷 健一
(72)【発明者】
【氏名】上野 浩史
(72)【発明者】
【氏名】市川 真治
(72)【発明者】
【氏名】今村 憲史
【テーマコード(参考)】
4D028
4D029
4G035
4G037
4G078
【Fターム(参考)】
4D028BC24
4D028BC26
4D028CA06
4D029AA01
4D029AA09
4D029AB05
4D029CC07
4G035AB10
4G037EA04
4G078AA07
4G078BA05
4G078CA06
4G078DA19
4G078EA10
(57)【要約】
【課題】従来のドラフトチューブを用いた気液
分散装置は、供給したAirが再循環してしまうためインペラの回転数を増加させる必要があり、そのため、動力が増加してしまう問題があった。
【解決手段】本発明の気液
分散装置は、曝気槽と、該曝気槽内に設けたドラフトチューブと、該ドラフトチューブ内に設けた散気手段と、該散気手段から放出された気泡を、前記ドラフトチューブ内において下降させる下降手段と、上昇してきた、前記曝気槽とドラフトチューブとの間の上部開口からの液体を、下方に移動させて、該下方に移動した液体を、前記ドラフトチューブ内に導入する液体下方迂回手段とよりなることを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
曝気槽と、
該曝気槽内に設けたドラフトチューブと、
該ドラフトチューブ内に設けた散気手段と、
該散気手段から放出された気泡を、前記ドラフトチューブ内において下降させる下降手段と、
上昇してきた、前記曝気槽とドラフトチューブとの間の上部開口からの液体を、下方に移動させて、該下方に移動した液体を、前記ドラフトチューブ内に導入する液体下方迂回手段と
よりなることを特徴とする気液分散装置。
【請求項2】
前記液体下方迂回手段は、
前記曝気槽とドラフトチューブとの間の上部開口に設けた、該上部開口からの液体を、所望の高さまで上昇させた後に、下方に越流させる、前記所望の高さに形成された越流壁部と、
該越流壁部から下方に越流した液体を貯留する貯留槽部と、
該貯留槽部内の前記所望の高さより低い位置の液体を、前記ドラフトチューブ内に導入する導入管と
よりなることを特徴とする請求項1に記載の気液分散装置。
【請求項3】
前記貯留槽部は、前記曝気槽の外側に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の気液分散装置。
【請求項4】
前記貯留槽部は、前記曝気槽内に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の気液分散装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1に記載の気液分散装置よりなる高効率高負荷塔と、
該高効率高負荷塔からの処理水を処理する再処理槽と、
該再処理槽で処理された排水を前記高効率高負荷塔に流入させる手段とを有することを特徴とする活性汚泥処理設備。
【請求項6】
前記高効率高負荷塔は、BOD容積負荷が、10kg/m3/d以上であることを特徴とする請求項5に記載の活性汚泥処理設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気液分散装置、特に、ドラフトチューブを用いた気液分散装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下水処理等のために、活性汚泥法における生物処理を行う場合がある。該処理においては、槽内に容れられた下水等の液体(原水)に空気を供給し、好気性微生物により有機物を分解させる。このような曝気槽(好気槽)としては、供給した空気を効率的に消費させるために、ドラフトチューブを用いた気液分散装置がある。
【0003】
(1.1.従来の気液分散装置の構成の説明)
【0004】
図8及び
図9は、従来のドラフトチューブを用いた気液分散装置を示し、1は、例えば、有底の円筒状よりなる曝気槽、2は、前記曝気槽1内中央の液面より下方に垂設した、上下端が開口した筒状のドラフトチューブを示す。
【0005】
該ドラフトチューブ2は、例えば、上下方向において同一径の円筒状に形成された本体部2aと、該本体部2aの上端に連なる、上方に向かうに従って径が拡大したコーン状(円錐台状)に形成されたコーン状部2bとにより構成される。
【0006】
なお、前記コーン状部2bは、設けられない場合もある。
【0007】
また、3は、前記ドラフトチューブ2内の上部に設けられた、下降流を形成させる撹拌インペラ(撹拌翼)を示す。該インペラ3は、例えば、前記曝気槽1の天井板1aを貫通して垂設された回転軸3aの下端に固定される。また、前記回転軸3aは、例えば、前記ドラフトチューブ2の軸と一致し、前記インペラ3の翼端は、例えば、前記ドラフトチューブ2の内周面に近接するように形成する。
【0008】
また、4は、前記ドラフトチューブ2内にAir(空気)を供給するための散気手段を示す。該散気手段4の散気ノズル(スパージャー)4aは、前記インペラ3より下方に設けられ、ブロワー4bによりAirが供給される。
【0009】
なお、前記散気ノズル4aは、例えば、メンブレンやセラミック多孔質体よりなり、該多孔質体の表面から微細な気泡が放出される。
【0010】
また、5は、前記曝気槽1の上部に設けられたオーバーフロー管(排出管)を示し、該オーバーフロー管5から、オーバーフローした液体や、液面から上方(気中)に放出されたAirが槽外に排出されるようになる。
【0011】
また、6は、例えば、前記曝気槽1の上方に設けられ、前記ドラフトチューブ2内に原水が供給されるように配置された原水供給管を示す。
【0012】
また、7は、前記ドラフトチューブ2の上部内周面に固定された板状のバッフルを示す。該バッフル7は、例えば、半径方向中心に向かって延びると共に、前記ドラフトチューブ2の上端よりも上方に突出して延びて形成され、例えば、前記曝気槽1内に容れられた液体の液面を超える高さまで延びて形成される。また、該バッフル7は、例えば、周方向に、所望の距離離間にして、4つ固定される。
【0013】
なお、前記バッフル7は、設けられない場合もある。
【0014】
(1.2.従来の気液分散装置の作用の説明)
【0015】
前記従来のドラフトチューブ式の分散装置においては、
図10に示すように、前記曝気槽1内に、前記ドラフトチューブ2の上端よりも高い所望量の液体が容れられる。そして、前記撹拌インペラ3を回転させることによりドラフトチューブ2内に、下降流が発生する。
【0016】
また、同時に、前記散気ノズル4aからAir(空気)を、前記液体内に通気し、該Airは、前記インペラ3による下降流により、下方に押し込まれ(下降し)、前記ドラフトチューブ2の下端開口から、前記曝気槽1の底部に放出される。そして、該Airを含む液体は、前記槽1底部を半径方向外方に流れ、該槽1内周面に当接し、前記ドラフトチューブ2と前記槽1との間を上昇する上昇流を形成するようになる。
【0017】
このように、前記ドラフトチューブ式の分散装置においては、通気したAirを、インペラにより槽底部まで押し込む(下降させる)ことにより、前記曝気槽1内の容積負荷(ガス吸収効率)を向上させることができるようになる。
【0018】
また、容れられた液体の上部まで上昇した、Airを含む液体は、上方に向かうに従って径が広がるコーン状部2bの気液分離機能により、消費されなかったAirは、液面から気中に放出され、また、前記液体は、前記ドラフトチューブ2(コーン状部2b)の上端開口から、前記ドラフトチューブ2内に入り込み、下方に流れ、槽1内を循環するようになる。
【0019】
なお、
図11は、撹拌インペラを用いない気液分散装置の例を示す。該気液分散装置においては、前記ドラフトチューブ2内の上部に、下方に高圧エアーを吐出(放出)させて通気する、高圧ノズル8aなどの散気手段8を設け、該散気手段8の吐出作用により、前記ドラフトチューブ2内において下降流を形成させて、液体を前記槽1内で循環させるようにする。
【0020】
例えば、ドラフトチューブを用いた気液分散装置としては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、前記従来の気液分散装置においては、前記ドラフトチューブ2の下端開口から槽底部に放出され、ドラフトチューブ2と曝気槽1間を上昇したAirの一部が、
図10に示すように、液面から上方に放出されずに、再度、前記ドラフトチューブ2の上端開口から内部に入り込んでしまうことがある。
【0023】
そして、該再循環されたAirは、
図12に示すように、前記インペラ3に絡み付き(フラッディング)、前記インペラ3の吐出能力を低下させ、これにより、前記散気ノズル4aから放出したAirが、下方に押し込まれず、ドラフトチューブ2内の上端から上方に噴き出してしまうので、これを抑制するため、インペラ3の回転数を増加させる必要があり、消費動力が増加してしまう問題があった。
【0024】
また、撹拌インペラを用いない気液分散装置においては、ブロワー消費動力が膨大となる欠点があった。
【0025】
本発明においては、動力の増加を防ぐために、通気したAirの再循環を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
前記の目的を達成すべく、本発明の気液分散装置は、曝気槽と、該曝気槽内に設けたドラフトチューブと、該ドラフトチューブ内に設けた散気手段と、該散気手段から放出された気泡を、前記ドラフトチューブ内において下降させる下降手段と、上昇してきた、前記曝気槽とドラフトチューブとの間の上部開口からの液体を、下方に移動させて、該下方に移動した液体を、前記ドラフトチューブ内に導入する液体下方迂回手段とよりなることを特徴とする。
【0027】
また、前記液体下方迂回手段は、前記液体下方迂回手段は、前記曝気槽とドラフトチューブとの間の上部開口に設けた、該上部開口からの液体を、所望の高さまで上昇させた後に、下方に越流させる、前記所望の高さに形成された越流壁部と、該越流壁部から下方に越流した液体を貯留する貯留槽部と、該貯留槽部内の前記所望の高さより低い位置の液体を、前記ドラフトチューブ内に導入する導入管とよりなることを特徴とする。
【0028】
また、前記貯留槽部は、前記曝気槽の外側に設けられたことを特徴とする。
【0029】
また、前記貯留槽部は、前記曝気槽内に設けられたことを特徴とする。
【0030】
また、本発明の活性汚泥処理設備は、気液分散装置よりなる高効率高負荷塔と、該高効率高負荷塔からの処理水を処理する再処理槽と、該再処理槽で処理された排水を前記高効率高負荷塔に流入させる手段とを有することを特徴とする。
【0031】
また、前記高効率高負荷塔は、BOD容積負荷が、10kg/m3/d以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、通気したAirの再循環を抑制し、動力の低減を図ることができるようになる。
【0033】
更に、排水処理では、より多くのAirを吹き込めるため、10kg-BOD/m3・d以上の高いBOD容積負荷を実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の気液分散装置の実施例1の説明用縦断側面図である。
【
図4】本発明の気液分散装置の流れの説明用縦断側面図である。
【
図5】本発明の気液分散装置の流れの説明用横断面図である。
【
図6】本発明の他の気液分散装置の実施例2の説明用縦断側面図である。
【
図7】本発明の気液分散装置を組み合せた排水処理設備の概略図である。
【
図8】従来の気液分散装置の説明用縦断側面図である。
【
図10】従来の気液分散装置の槽内の流れを説明する説明図である。
【
図11】従来の他の気液分散装置の槽内の流れを説明する説明図である。
【
図12】従来の気液分散装置の槽内の気泡の流れを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明を実施するための形態の実施例を以下に示す。
【実施例0036】
本発明の実施例1を図によって説明する。なお、従来例と同じ部分には、同じ符号を付けて、その説明を省略する。
【0037】
また、説明を容易にするために、バッフル7の記載を省略する。
【0038】
(2.1.本発明の実施例1の説明)
【0039】
本発明においては、前記従来のドラフトチューブを有する気液分散装置のように、前記曝気槽とドラフトチューブとの間を上昇してきた液体を、該曝気槽とドラフトチューブとの間の上部開口から、直接、前記ドラフトチューブ内に導入する代わりに、前記曝気槽とドラフトチューブとの間の上部開口からの液体を、一旦、下方に移動させ、該下方に移動した液体を、前記ドラフトチューブ内に導入する液体下方迂回手段を設ける。
【0040】
なお、前記液体下方迂回手段の上部は、Air放出手段が設けられ、該Air放出手段により、消費されなかったAirが液面から上方の気中(気相部)に放出され、例えば、オーバーフロー管等から、曝気槽外に放出されるようになる。
【0041】
前記液体下方迂回手段を設けることにより、前記液体が、下方に移動中に、該液体中のAirが、上方に移動して、液面から気中に放出され、消費されなかったAirと液体とが分離され、そして、Airが抜けた下方に移動した液体が、前記ドラフトチューブ内に導入されるようになる。
【0042】
前記液体下方迂回手段としては、例えば、前記曝気槽1の上部に、越流導入装置9を設ける。
【0043】
該越流導入装置9は、例えば、
図1~
図3に示すように、前記曝気槽1とドラフトチューブ2との間の上部開口10に設けた、該上部開口10からの液体を、直接、前記ドラフトチューブ2内に導入させずに、所望の高さまで上昇させた後に、下方に越流させる越流壁部11と、該越流壁11から下方に越流した液体を貯留する貯留槽部12と、該貯留槽部12内の、前記越流壁11の上端より低い位置の液体を、前記ドラフトチューブ2内に導入する、例えば、断面矩形状の水平状に設けられた導入管13とよりなる。
【0044】
前記越流壁部11は、例えば、前記ドラフトチューブ2の上端に液密に形成した、上方に延びる、所望の高さの円筒状の内側壁11aと、前記曝気槽1の上端に液密に接続した、上方に延びる、前記内側壁11aより低い高さの円筒状の越流壁11bとよりなる。
【0045】
なお、前記曝気槽1とドラフトチューブ2の上部を越流壁部11とみなし、前記越流壁11bに相当する前記曝気槽1の上端を、前記内側壁11aに相当する前記ドラフトチューブ2の上端よりも低い高さに形成するようにしてもよい。
【0046】
また、貯留槽部12は、例えば、前記曝気槽1の上部の周壁を、外側において覆う、前記内側壁11aよりも高く形成された、円筒状の外壁12aと、該外壁12aの下端と前記曝気槽1の外周面とを塞ぐ円環状の底板12bとよりなる。
【0047】
なお、前記貯留槽部12の外壁12aは、矩形筒状であってもよい。
【0048】
また、前記導入管13は、例えば、前記越流壁11bを貫通し、先端部13aが前記貯留槽部12内に位置し、基部13bが、前記内側壁11aに形成した貫通孔11cに連結された、例えば、断面矩形状の管とよりなり、前記導入管13は、前記内側壁11aに、例えば、放射状に十字に、4つ設けられる。
【0049】
なお、オーバーフロー管5は、例えば、前記曝気槽1に設けられる代わりに、前記貯留槽部12の外壁12aの、前記内側壁11aよりも低い位置に設けられ、該オーバーフロー管5から、前記貯留槽部12のオーバーフローした液体や、前記越流壁11bと内側壁11aとの間の開口に形成された液面から放出したAirが、前記貯留槽部12外に排出されるように形成される。
【0050】
また、上昇する気泡が、前記ドラフトチューブ2内に再度吸い込まれるのを防ぐために、例えば、
図1に示すように、前記導入管13の先端部13aの他端開口を、上部が塞がれ、下部が開口するように形成し、または、例えば、
図4に示すように、前記先端部13aの他端開口を塞ぎ、前記導入管13の底部に開口部を設けるようにし、下から、液体が導入されるようにしてもよい。
【0051】
また、前記導入管13は、放射状に十字に4つ設ける以外に、3以下、又は、5以上の導入管を設けるようにしてもよい。
【0052】
なお、前記導入管13の液体を導入する開口部の大きさは、前記ドラフトチューブ2と曝気槽1間を上昇する気泡が、前記貯留槽部12に流入しても、再浮上して前記下向き開口部に入り込まない面積・流速であることが好ましく、各種条件に基づき実験や計算等により設定される。
【0053】
また、前記導入管13の液体を導入する開口部の大きさは、あまり小さくすると該導入管13の流通速度が速くなって気泡が余計に巻き込まれる恐れがあるため、各種条件に基づき実験や計算等により設定されるが、例えば、前記導入管13の開口部は、例えば、1m/sec以下の流速が好ましい。そして、前記導入管13の開口部は、例えば、角形で、下向きで、前記貯留槽部12の水深の1/2より低い位置となっている事が好ましい。
【0054】
なお、自然と液面に向かって上昇する気泡に対して、再循環されないようにするために、前記貯留槽部12の横断面形状は、例えば、前記ドラフトチューブ2の上端形状よりやや低い位置に外側に囲う様に張り出し、越流した液体(排水)が前記導入管13に自然に流入するように形成されることが好ましい。
【0055】
本発明の実施例1によれば、
図4及び
図5に示すように、曝気槽1とドラフトチューブ2との間を上昇するAirを含む液体は、前記越流壁11bの上端まで上昇し、前記越流壁を越えて、下方の貯留槽部12に移動するが、該Airは、そのまま上昇し、前記導入管13の開口へ到達する前に、前記貯留槽部12の液面上から気中に排出され、Airの再循環が抑制されるようになる。
【0056】
また、前記貯留槽部内に移動した液体は、前記越流導入装置9の導入管13の底部に形成された開口部を通過して、前記ドラフトチューブ2の上端開口に吸い込まれるようになる。
【0057】
これにより、液体(原水)のみが、ドラフトチューブ2内に再循環されるようになり、インペラにAirの絡み付きを防ぐ事ができる。そして、従来に比べ、インペラの吐出能力を向上させると共に、よりガス吸収効率を向上させることができるようになる。また、撹拌動力の低減を図ることができる。
【0058】
従来の外置き陸上ポンプ循環方式では、酸素溶解効率50%とした場合、通気流量はQ=37L/minで0.75kWとなるのに対し、本発明方式では、酸素溶解効率50%とした場合、ほぼ0.18kWとなり、大幅に動力を削減できた。
【0059】
(2.2.本発明の実施例2の説明)
即ち、実施例1における貯留槽部11の越流壁11bを、例えば、前記曝気槽1の上端よりも低い位置に、前記ドラフトチューブ2及び前記内側壁11aと、前記曝気槽1の周壁との間に設ける。
該第2の実施例においても、越流した液体が、貯留槽部内に、下方に越流し、下方の前記貫通孔11cから液体が、前記導入管13を介して、前記ドラフトチューブ内に移動するようになる。