(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009420
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G09F 13/20 20060101AFI20240116BHJP
G09F 13/18 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G09F13/20 L
G09F13/18 Q
G09F13/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110917
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】大湊 寛之
(72)【発明者】
【氏名】茂木 万梨子
【テーマコード(参考)】
5C096
【Fターム(参考)】
5C096AA04
5C096BA01
5C096CG12
5C096FA12
5C096FA17
(57)【要約】
【課題】表示面と光源の光軸がずれている構成において、表示面での光ムラを抑えることを目的とする。
【解決手段】画像形成装置1は、本体筐体11と、光源33と、プリズム4と、拡散点灯表示部品5とを備える。光源33は、光を出射する。プリズム4は、光源33からの光を屈折させる。拡散点灯表示部品5は、本体筐体11から露出した第1表示面F11を有する。拡散点灯表示部品5は、光源33からプリズム4を介して入射された光を拡散して第1表示面F11を点灯させる。第1表示面F11は、光源33の光軸である光源光軸X1に対して第1方向にずれている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筐体と、
光を出射する光源と、
前記光源からの光を屈折させるプリズムと、
前記本体筐体から露出した第1表示面を有し、前記光源から前記プリズムを介して入射された光を拡散して前記第1表示面を点灯させる拡散点灯表示部品であって、前記光源の光軸である光源光軸に対して前記第1表示面が第1方向にずれている拡散点灯表示部品と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1表示面は、前記第1方向における長さが、前記第1方向と直交する第2方向における長さよりも長い面であり、
前記プリズムの入射面および出射面のうち少なくとも1つの面は、前記第1方向に直交する断面において、正の屈折パワーを有する面であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プリズムの前記入射面および前記出射面は、ともに、前記第1方向に直交する断面において、正の屈折パワーを有する面であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プリズムの前記出射面は、前記第2方向に直交する断面において、正の屈折パワーを有する面であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記拡散点灯表示部品は、前記第1表示面を有する第1部位を有し、
前記第1表示面に直交する方向における前記第1部位の大きさである第1厚さは、前記光源光軸から前記第1方向に離れるほど小さいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記拡散点灯表示部品は、
前記本体筐体から露出した第2表示面であって、前記第1方向において前記光源光軸から遠い側の前記第1表示面の端から、前記第1表示面と交差する方向に延びる第2表示面と、
前記第2表示面の一部を有する第2部位と、を有し、
前記第2表示面に直交する方向における前記第2部位の大きさである第2厚さは、前記第1厚さの最小値よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記本体筐体の開口を開閉するカバーを備え、
前記第2表示面は、前記カバーが開いた状態で外部に露出し、前記カバーが閉じた状態で前記カバーによって覆われることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記拡散点灯表示部品は、前記プリズムを、前記光源光軸に沿った方向に移動可能に支持することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記光源および画像形成装置の電源スイッチを有する電子基板と、
前記本体筐体から露出したキーであって、前記本体筐体に対して移動可能であり、前記電源スイッチを押圧可能なキーと、
前記拡散点灯表示部品と前記キーとの間に位置する壁と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体筐体から露出した表示面を点灯させる部品を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、LEDの光を本体筐体の外に導くインジケータ用導光体を備えたものが知られている(特許文献1参照)。インジケータ導光体は、表示面を有する導光先端部と、LEDの光を導光先端部に導く導光基端部とを有する。
【0003】
導光先端部内には、光を拡散させる光拡散材が分散されている。導光基端部は、導光先端部に向けて凸となるレンズ面を有し、LEDからの光を拡散して導光先端部に案内する。LEDの光軸および導光基端部のレンズ面の光軸は、導光先端部の表示面の中心と一致している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、LEDの光軸が表示面からずれた配置となる場合には、表示面における光ムラが大きくなるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、表示面と光源の光軸がずれている構成において、表示面での光ムラを抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、本体筐体と、光源と、プリズムと、拡散点灯表示部品と、を備える。
光源は、光を出射する。
プリズムは、光源からの光を屈折させる。
拡散点灯表示部品は、本体筐体から露出した第1表示面を有する。拡散点灯表示部品は、光源からプリズムを介して入射された光を拡散して第1表示面を点灯させる。第1表示面は、光源の光軸である光源光軸に対して第1方向にずれている。
【0008】
この構成によれば、第1表示面と光源光軸がずれていても、プリズムによって光源の光を屈折させることで、第1表示面での光ムラを抑えることができる。
【0009】
また、第1表示面は、第1方向における長さが、第1方向と直交する第2方向における長さよりも長い面であり、プリズムの入射面および出射面のうち少なくとも1つの面は、第1方向に直交する断面において、正の屈折パワーを有する面であってもよい。
【0010】
この構成によれば、プリズムから出射される光の一部が、第1表示面の第2方向の外側に外れてしまうのを抑制することができるので、第1表示面の発光強度を大きくすることができる。
【0011】
また、プリズムの入射面および出射面は、ともに、第1方向に直交する断面において、正の屈折パワーを有する面であってもよい。
【0012】
また、プリズムの出射面は、第2方向に直交する断面において、正の屈折パワーを有する面であってもよい。
【0013】
また、拡散点灯表示部品は、第1表示面を有する第1部位を有し、第1表示面に直交する方向における第1部位の大きさである第1厚さは、光源光軸から第1方向に離れるほど小さくてもよい。
【0014】
この構成によれば、プリズムを通過して第1表示面に向かう光束の減衰量の差を、第1部位で小さくすることができるので、第1表示面での光ムラを抑えることができる。
【0015】
また、拡散点灯表示部品は、本体筐体から露出した第2表示面と、第2表示面の一部を有する第2部位と、を有していてもよい。この場合、第2表示面は、第1方向において光源光軸から遠い側の第1表示面の端から、第1表示面と交差する方向に延びていてもよい。第2表示面に直交する方向における第2部位の大きさである第2厚さは、第1厚さの最小値よりも小さくてもよい。
【0016】
この構成によれば、プリズムを通過して第1表示面および第2表示面に向かう光束の減衰量の差を、第1部位および第2部位で小さくすることができるので、第1表示面および第2表示面での光ムラを抑えることができる。
【0017】
また、画像形成装置は、本体筐体の開口を開閉するカバーを備え、第2表示面は、カバーが開いた状態で外部に露出し、カバーが閉じた状態でカバーによって覆われていてもよい。
【0018】
この構成によれば、カバーが開いた状態では、第1表示面と第2表示面の両方の点灯をユーザに視認させることができる。
【0019】
また、拡散点灯表示部品は、プリズムを、光源光軸に沿った方向に移動可能に支持していてもよい。
【0020】
この構成によれば、光源に対して拡散点灯表示部品およびプリズムを配置する際において、寸法公差によりプリズムが光源に光源光軸の方向で接触しても、プリズムが拡散点灯表示部品に対して相対的に移動するので、プリズムや光源が破損するのを抑制することができる。
【0021】
また、画像形成装置は、光源および画像形成装置の電源スイッチを有する電子基板と、本体筐体から露出したキーであって、本体筐体に対して移動可能であり、電源スイッチを押圧可能なキーと、拡散点灯表示部品とキーとの間に位置する壁と、を備えていてもよい。
【0022】
この構成によれば、拡散点灯表示部品から漏れた光が、キーと本体筐体の隙間から漏れるのを壁によって抑制することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、表示面と光源の光軸がずれている構成において、表示面での光ムラを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図(a)と、
図1(a)の破線の円で囲う部分を拡大して示す拡大斜視図(b)である。
【
図2】カバーが開いた状態の画像形成装置を示す斜視図(a)と、
図2(a)の破線の円で囲う部分を拡大して示す拡大斜視図(b)である。
【
図3】点灯表示ユニット等を分解して示す分解斜視図である。
【
図4】画像形成装置の点灯表示ユニット周りの構造の一部を破断して示す斜視図である。
【
図5】プリズムを示す斜視図(a)と、プリズムを第2方向の一方側から見た側面図(b)と、プリズムを第1方向の一方側から見た正面図(c)である。
【
図6】拡散点灯表示部品を示す斜視図(a)と、拡散点灯表示部品を第3方向の一方側から見た底面図(b)と、拡散点灯表示部品を第2方向の一方側から見た側面図(c)である。
【
図7】点灯表示ユニットを第2方向に直交する面で切った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)に示すように、画像形成装置1は、シートに画像を形成するプリンタである。画像形成装置1は、本体筐体11と、カバー12と、キー13と、点灯表示ユニット2とを備えている。
【0026】
図2(a)に示すように、本体筐体11は、図示せぬカートリッジが通過可能な開口11Aを有する。カートリッジは、開口11Aを通して本体筐体11に着脱可能となっている。
【0027】
カバー12は、本体筐体11の開口11Aを開閉するカバーである。
キー13は、画像形成装置1の電源をONまたはOFFにするためのキーである。キー13は、本体筐体11から露出し、ユーザによって操作可能となっている。キー13は、本体筐体11に対して移動可能となっている。
【0028】
図3に示すように、点灯表示ユニット2は、電子基板3と、プリズム4と、拡散点灯表示部品5と、ホルダ6とを備える。本実施形態では、画像形成装置1の前後方向を「第1方向」とし、前後方向に直交する左右方向を「第2方向」とし、前後方向および左右方向に直交する上下方向を「第3方向」として説明する。また、図面における各方向を示す矢印は、各方向における「一方側」を指すこととする。
【0029】
ホルダ6は、電子基板3を支持するとともに、キー13を第3方向に移動可能に支持している。ホルダ6は、電子基板3を支持する支持面6Aを有している。ホルダ6と電子基板3は、ネジSCによって、本体筐体11に共締めされている。
図3および
図4に示すように、ホルダ6は、第1方向において、拡散点灯表示部品5とキー13との間に位置する壁61を有している。
【0030】
電子基板3は、基板31と、電源スイッチ32と、光源33とを有する。基板31は、プリズム4および拡散点灯表示部品5を第3方向の一方側から支持している。電源スイッチ32は、画像形成装置1の電源をONまたはOFFにするためのスイッチである。キー13は、電源スイッチ32を押圧可能となっている。
【0031】
光源33は、例えば発光ダイオードである。光源33は、光源33の光軸である光源光軸X1を中心に光を出射する。光源光軸X1は、第3方向と平行である。
【0032】
プリズム4は、光源33からの光を屈折させる部材である。プリズム4は、透明な部材、例えばアクリル樹脂(PMMA)やポリカーボネート(PC)などからなる。
図5(a)に示すように、プリズム4は、本体部41と、2つの突起42とを有する。
図5(b)に示すように、本体部41は、三角形状のベース部41Aと、ベース部41Aから第3方向の一方側に向けて突出する脚部41Bと、本体部41の第2方向の両端に位置する2つの側壁部41C(
図3も参照)とを有する。
【0033】
ベース部41Aは、入射面F1と、出射面F2と、面F3とを有する。
図7に示すように、入射面F1は、光源33から光が入射される面である。入射面F1は、光源光軸X1と重なっている。詳しくは、入射面F1は、第3方向から見て、光源33と重なっている。
【0034】
入射面F1は、第2方向に直交する断面において、直線となる面である。入射面F1は、光源光軸X1に対して傾斜している。詳しくは、入射面F1は、第3方向の他方側に向かうにつれて第1方向の一方側に位置するように傾斜している。
【0035】
出射面F2は、ベース部41Aを通った光が出射される面である。出射面F2は、第2方向に直交する断面において、正の屈折パワーを有する面となっている。本実施形態では、出射面F2は、第2方向に直交する断面において、円弧となる曲面である。詳しくは、出射面F2は、第3方向の他方側に向けて凸となる曲面となっている。出射面F2の第1方向の一方側の端は、入射面F1の第1方向の一方側の端に繋がっている。ベース部41Aのうち入射面F1と出射面F2の間の部分の、第3方向における大きさは、第1方向の他方側に向かうほど大きい。
【0036】
面F3は、出射面F2の第1方向の他方側の端から入射面F1に近づくように、光源光軸X1に対して傾斜して延びている。面F3の第1方向の一方側の端と、入射面F1の第1方向の他方側の端は、脚部41Bに接続されている。
【0037】
図5(c)に示すように、入射面F1および出射面F2は、ともに、第1方向から見て、言い換えると、第1方向に直交する断面において、正の屈折パワーを有する面となっている。本実施形態では、入射面F1および出射面F2は、第1方向に直交する断面において、円弧となる曲面である。詳しくは、入射面F1は、第3方向の一方側に向けて凸となる曲面となっている。出射面F2は、第3方向の他方側に向けて凸となる曲面となっている。つまり、本実施形態では、入射面F1は、シリンドリカル面であり、出射面F2は、トロイダル面である。なお、第1方向から見た入射面F1における凸の頂点位置と、光源33の光源光軸X1とは、第2方向において同じ位置である。
【0038】
図5(b)に示すように、入射面F1の光軸である入射光軸X2は、出射面F2の光軸である出射光軸X3に対して傾いている。出射面F2のうち出射光軸X3が通る部分Pは、
図7に示すように、後述する第1表示面F11の第1方向における中央C1に対して第1方向の一方側にずれている。詳しくは、プリズム4は、第1表示面F11の第1方向における中央C1に対して第1方向の一方側にずれている。脚部41Bの第3方向における一方側の端は、基板31に接触する。
【0039】
図5(b)に示すように、側壁部41Cは、面F3から第3方向の一方側に向けて突出するとともに、脚部41Bから第1方向の他方側に向けて突出している。2つの側壁部41Cは、第2方向に間隔を空けて並んでいる(
図3参照)。
【0040】
突起42は、側壁部41Cの第1方向の他方側の端部のうち第3方向の他方側の部分に位置する。
図5(a)に示すように、突起42は、各側壁部41Cから第2方向に突出している。
【0041】
図6(a)に示すように、拡散点灯表示部品5は、光源33からプリズム4を介して入射された光を拡散して、後述する第1表示面F11および第2表示面F12を点灯させる部品である。拡散点灯表示部品5は、光を拡散する材料を有する。光を拡散する材料としては、例えば、乳白剤材料などが挙げられる。
【0042】
拡散点灯表示部品5は、プリズム4の本体部41を収容する収容部51と、プリズム4から出射された光が通る導光部52と、収容部51から第2方向の両側および第1方向の一方側に延出する延出部53とを有する。
【0043】
収容部51は、第3方向の一方側に開口する箱状に形成されている。
図6(b)に示すように、収容部51は、底壁51Aと、2つの第1側壁51Bと、2つの第2側壁51Cとを有する。第1側壁51Bは、底壁51Aの第1方向における各端部から第3方向の一方側に向けて延びる。
【0044】
第2側壁51Cは、底壁51Aの第2方向における各端部から第3方向の一方側に向けて延びる。
図6(b),(c)に示すように、第2側壁51Cは、プリズム4の突起42を第3方向、つまり光源光軸X1に沿った方向に移動可能に支持するスリットSLを有する(
図4も参照)。
【0045】
図6(a)に示すように、導光部52は、収容部51の底壁51Aと第1方向の他方側の第1側壁51Bに一体に形成されている。導光部52は、底壁51Aから第3方向の他方側に向けて突出するとともに、第1方向の他方側の第1側壁51Bから第1方向の他方側に向けて突出する。
【0046】
導光部52は、第1表示面F11と、第2表示面F12とを有する。第1表示面F11は、第3方向の他方側を向いている。第1表示面F11は、第1方向における長さが第2方向における長さよりも長い略長方形状の面である。
【0047】
第2表示面F12は、第1方向の他方側を向いている。第2表示面F12は、第3方向における長さが第2方向における長さよりも長い略長方形状の面である。第1表示面F11と第2表示面F12の第2方向における長さは、同じである。第1表示面F11と第2表示面F12の第2方向における長さは、プリズム4の入射面F1および出射面F2の第2方向における長さより短い。
【0048】
図7に示すように、第1表示面F11は、光源光軸X1に対して第1方向の他方側にずれている。言い換えると、第1表示面F11は、光源光軸X1と交差せず、光源光軸X1から第1方向の他方側に離れている。第2表示面F12は、第1方向において光源光軸X1から遠い側の第1表示面F11の端から、第1表示面F11と交差する方向に延びている。詳しくは、第2表示面F12は、第1表示面F11の第1方向における他方側の端から第3方向の一方側に向けて延びている。
【0049】
導光部52は、第1表示面F11を有する第1部位52Aと、第2表示面F12の一部を有する第2部位52Bとを有する。第2部位52Bは、第1部位52Aの第1方向における他方側の端部から第3方向の一方側に向けて突出する。第2部位52Bは、第2表示面F12のうち第3方向の一方側の部分を有する。第1部位52Aは、第2表示面F12のうち第3方向の他方側の部分を有する。
【0050】
第1表示面F11に直交する方向、詳しくは第3方向における第1部位52Aの大きさである第1厚さT1は、光源光軸X1から第1方向に離れるほど小さい。第2表示面F12に直交する方向、詳しくは第1方向における第2部位52Bの大きさである第2厚さT2は、第1厚さT1の最小値よりも小さい。
【0051】
図1(b)および
図2(b)に示すように、第1表示面F11は、カバー12の開閉状態に関わらず、本体筐体11から外部に露出している。第2表示面F12は、カバー12が開いた状態で本体筐体11から外部に露出し、カバー12が閉じた状態でカバー12によって覆われる。
【0052】
図6(a)に示すように、延出部53は、収容部51の第3方向における他方側の端部に位置する。延出部53は、第3方向の他方側に向けて開口する溝53Aを有する。溝53Aは、導光部52の第2方向の両側および第1方向の一方側を囲うようなU形状となっている。
【0053】
図4に示すように、本体筐体11は、拡散点灯表示部品5の溝53Aに入る本体壁111を有している。本体壁111は、第1方向において導光部52と壁61の間に位置する。
【0054】
次に、点灯表示ユニット2を本体筐体11に組み付ける方法について説明する。
図3に示すように、電子基板3をホルダ6の支持面6Aに載せた後、突起42がスリットSL(
図6参照)に組付けられた状態のプリズム4および拡散点灯表示部品5を基板31上に載せる。この際、
図7に示すように、プリズム4や光源33等の寸法公差により、プリズム4が光源33に接触する場合がある。このようにプリズム4が光源33に接触した場合には、光源33によってプリズム4の基板31側への移動が止められるが、突起42がスリットSLに入っていることで、プリズム4に対して拡散点灯表示部品5が移動するので、プリズム4や光源33に負荷をかけることなく、拡散点灯表示部品5を基板31まで移動させることができる。
【0055】
図3に戻って、その後、ホルダ6にキー13を組み付ける。そして、ネジSCによって、ホルダ6と電子基板3を本体筐体11に共締めする。これにより、本体筐体11と基板31との間で、プリズム4および拡散点灯表示部品5が保持される。また、本体筐体11とホルダ6との間で、キー13が保持される。
【0056】
次に、光源33が光を出射したときのプリズム4および拡散点灯表示部品5の作用効果について説明する。
図7に示すように、光源33が光を出射すると、光はプリズム4で導光部52に向けて屈折され、プリズム4の出射面F2から第1表示面F11または第2表示面F12に向けて出射される。この際、
図5(c)に示すように、入射面F1および出射面F2が第1方向に直交する断面において円弧となる曲面であるため、光源33から第2方向に発散するように入射面F1に入射した光束は、入射面F1によって正のパワーで屈折されるため、第1方向から見て光源光軸X1に対して、発散度合が弱い光束に変換される。その後、出射面F2によって、光束は正のパワーで屈折されるため、より発散度合が弱い光束に変換される。したがって、幅狭の第1表示面F11および第2表示面F12に向けて第2方向において、光束は、発散度合が弱く、光源光軸X1に対して略平行もしくは収束する。
【0057】
図7に示すように、プリズム4の光が通る部分の第3方向の大きさが第1方向の他方側に向かうほど大きいので、プリズム4を通過する光束は、第1方向の他方側に位置する光線ほど、減衰量が大きくなる。
【0058】
プリズム4を通過した光は、拡散点灯表示部品5の導光部52に入射され、導光部52内で拡散されて、第1表示面F11および第2表示面F12から外部に出射される。ここで、導光部52の第1厚さT1が第1方向の他方側に向かうほど小さく、第2厚さT2が第1厚さT1の最小値より小さいので、導光部52を通過する光束は、第1方向の他方側に位置する光線ほど、減衰量が小さくなる。そのため、プリズム4を通過した後の光束の減衰量の差が、導光部52を通過した後には小さくなるので、第1表示面F11および第2表示面F12で光ムラが抑制される。
【0059】
以上、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
第1表示面F11と光源光軸X1がずれていても、プリズム4によって光源33の光を屈折させるので、第1表示面F11での光ムラを抑えることができる。
【0060】
プリズム4の入射面F1および出射面F2が第1方向に直交する断面において正の屈折パワーを有する面となることで、プリズム4から出射される光の一部が、第1表示面F11および第2表示面F12の第2方向の外側に外れてしまうのを抑制できるので、第1表示面F11および第2表示面F12の発光強度を大きくすることができる。
【0061】
第1部位52Aの第1厚さT1が光源光軸X1から第1方向に離れるほど小さいことで、プリズム4を通過して第1表示面F11に向かう光束の減衰量の差を、第1部位52Aで小さくすることができるので、第1表示面F11での光ムラを抑えることができる。
【0062】
第2部位52Bの第2厚さT2が第1厚さT1の最小値よりも小さいことで、プリズム4を通過して第1表示面F11および第2表示面F12に向かう光束の減衰量の差を、第1部位52Aおよび第2部位52Bで小さくすることができるので、第1表示面F11および第2表示面F12での光ムラを抑えることができる。
【0063】
カバー12が開いた状態では、第1表示面F11と第2表示面F12の両方が外部に露出するので、第1表示面F11と第2表示面F12の両方の点灯をユーザに視認させることができる。
【0064】
拡散点灯表示部品5がプリズム4を第3方向に移動可能に支持することで、光源33に対して拡散点灯表示部品5およびプリズム4を配置する際において、寸法公差によりプリズム4が光源33に光源光軸の方向で接触しても、プリズム4が拡散点灯表示部品5に対して相対的に移動するので、プリズム4や光源33が破損するのを抑制することができる。
【0065】
拡散点灯表示部品5とキー13との間に壁61が配置されるので、拡散点灯表示部品5から漏れた光が、キー13と本体筐体11の隙間から漏れるのを壁61によって抑制することができる。
【0066】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0067】
前記実施形態では、入射面と出射面の両方を、第1方向に直交する断面において、正の屈折パワーを有する面としたが、本発明はこれに限定されず、入射面および出射面のうち少なくとも1つの面が、第1方向に直交する断面において、正の屈折パワーを有する面であればよい。例えば、入射面および出射面のうち一方を、正の屈折パワーを有する曲面とし、他方を平面としてもよい。ここで、入射面が平面である場合、入射光軸は、平面に直交し、かつ、平面の中心を通る線であることとする。また、出射面が平面である場合、出射光軸は、平面に直交し、かつ、平面の中心を通る線であることとする。
【0068】
正の屈折パワーを有する面は、曲面に限らず、例えばフレネルレンズのようなレンズ面であってもよい。
【0069】
第1表示面および第2表示面は、長方形状に限らず、どのような形状であってもよい。例えば、第1表示面は、台形状であってもよい。この場合、台形の高さ方向を第1方向とし、台形の底辺に沿った方向を第2方向としてもよい。
【0070】
第1方向、第2方向および第3方向と、画像形成装置の前後方向、左右方向および上下方向との関係は、前記実施形態に限定されない。例えば、第1方向を左右方向とし、第2方向を前後方向とし、第3方向を上下方向としてもよい。
【0071】
前記実施形態では、プリズムに突起を設け、突起を移動可能に支持するスリットを拡散点灯表示部品に設けたが、本発明はこれに限定されない。例えば、拡散点灯表示部品に突起を設け、突起を移動可能に支持する溝をプリズムに設けてもよい。
【0072】
第2表示面は、カバーの開閉状態に関わらず、本体筐体から露出していてもよい。
【0073】
拡散点灯表示部品は、前記実施形態に限らず、例えば、光を通す透明な部材の点灯面に、光を拡散する拡散シートが貼り付けられたものであってもよい。
【0074】
前記実施形態では、プリンタに本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
【0075】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 画像形成装置
4 プリズム
5 拡散点灯表示部品
11 本体筐体
33 光源
F11 第1表示面
X1 光源光軸