(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094204
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】ボウル、基板処理装置及びボウルの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
H01L21/304 643Z
H01L21/304 643A
H01L21/304 648K
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069982
(22)【出願日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0186275
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハン,サン フ
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB23
5F157BB45
5F157BB66
5F157CF04
5F157CF16
5F157CF38
5F157CF66
5F157CF92
5F157DA43
5F157DC31
5F157DC84
(57)【要約】
【課題】ボウルが熱変形することを防止するボウル、基板処理装置及びボウルの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のボウルは、回収ラインが連結される回収孔が形成された本体部と、上記本体部の上部から上方延長された後、側方向に延長されたガイド部と、上記本体部の内部及び上記ガイド部の内部にわたって設置された連結フレームと、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収ラインが連結される回収孔が形成された本体部と、
前記本体部の上部から上方へ延長された後、側方向に延長されたガイド部と、
前記本体部の内部及び前記ガイド部の内部にわたって設置された連結フレームと、を含む、ボウル。
【請求項2】
前記連結フレームは、
前記本体部及び前記ガイド部にわたって配置され、互いに離隔配置された複数個の第1部分と、
複数個の前記第1部分を連結する複数個の第2部分と、を含み、
複数個の前記第2部分のうち一部が前記本体部に配置され、複数個の前記第2部分のうち残りが前記ガイド部に配置された、請求項1に記載のボウル。
【請求項3】
複数個の前記第2部分のうち一部は複数個の前記第1部分の一端部を連結し、複数個の前記第2部分のうち残りは複数個の前記第1部分の他端部を連結する、請求項2に記載のボウル。
【請求項4】
前記本体部には、複数個の排気孔が互いに離隔して形成され、
前記第1部分は、複数個の前記排気孔の間に配置された、請求項2に記載のボウル。
【請求項5】
前記連結フレームは管構造であって、内部に冷媒が流動する、請求項1に記載のボウル。
【請求項6】
前記連結フレームは、一端部が冷媒供給管と連結され、他端部が冷媒回収管と連結される、請求項5に記載のボウル。
【請求項7】
前記本体部と前記ガイド部とは一体型に形成された、請求項1に記載のボウル。
【請求項8】
前記ガイド部は、前記本体部よりも厚くなるように内側に突出した拡張部が形成された、請求項1に記載のボウル。
【請求項9】
前記ガイド部の内周面にはリング状の補強部材が設置された、請求項1に記載のボウル。
【請求項10】
工程チャンバと、
前記工程チャンバ内に設置され、基板を処理する処理空間を有する処理容器と、
前記処理空間で前記基板を支持する支持ユニットと、
前記基板に液を吐出するノズルユニットと、を含み、
前記処理容器は、前記支持ユニットの周りに配置された複数個のボウルを含み、
前記複数個のボウルのうち少なくとも一つのボウルは、
円筒形構造であり、回収ラインが連結される回収孔が形成された本体部と、
前記本体部の上部から上方へ延長された後、側方向に延長されたガイド部と、
前記本体部の内部及び前記ガイド部の内部にわたって設置された連結フレームと、を含む、基板処理装置。
【請求項11】
前記連結フレームは、
前記本体部及び前記ガイド部にわたって配置され、互いに離隔配置された複数個の第1部分と、
複数個の前記第1部分を連結する複数個の第2部分と、を含み、
複数個の前記第2部分のうち一部が前記本体部に配置され、複数個の前記第2部分のうち残りが前記ガイド部に配置された、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
複数個の前記第2部分のうち一部は複数個の前記第1部分の一端部を連結し、複数個の前記第2部分のうち残りは複数個の前記第1部分の他端部を連結する、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記本体部には、複数個の排気孔が互いに離隔して形成され、
前記第1部分は複数個の前記排気孔の間に配置された、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記連結フレームは管構造であって、内部に冷媒が流動する、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記連結フレームは、一端部が冷媒供給管と連結され、他端部が冷媒回収管と連結される、請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記冷媒供給管と前記冷媒回収管は循環ポンプによって連結され、前記冷媒供給管には熱交換器が設置された、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記本体部と前記ガイド部とは一体型に形成された、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項18】
本体部と前記本体部の一端部に連結されたガイド部のそれぞれと対応する第1空間と第2空間とが互いに繋がるように形成された金型を設ける金型準備段階と、
前記第1空間及び前記第2空間にわたって連結フレームを配置させるフレーム配置段階と、
前記第1空間及び前記第2空間に溶融材料を射出して、前記本体部と前記ガイド部を前記連結フレームに固定させながら一体型に成形するボウル射出成形段階と、を含む、ボウルの製造方法。
【請求項19】
前記フレーム配置段階において、
前記連結フレームの複数個の第1部分のそれぞれを前記第1空間及び前記第2空間にわたって配置させ、複数個の前記第1部分を連結する前記連結フレームの複数個の第2部分のうち一部を前記第1空間に配置させ、複数個の前記第2部分のうち残りを前記第2空間に配置させ、
前記第1部分と前記第2部分とを交互に互いに繋がるように配置する、請求項18に記載のボウルの製造方法。
【請求項20】
前記フレーム配置段階において、
前記連結フレームとして冷媒が内部で流動可能な管を使用する、請求項18に記載のボウルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に吐出された液を回収するボウル、基板処理装置及びボウルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、基板上に形成された膜を除去又は洗浄するために、様々な液が使用される。このような液は回転する基板に提供され、基板に提供された液は基板の一側に配置されたボウルによって回収される。その後、液はボウルに連結された配管を介して外部に排出される。
【0003】
上記ボウルは組立体であって、複数個の部品によって組み立てられて形成されるが、液が高温である場合、部品の変形により、部品間の組み立て部分が元の位置から離脱するため、組み立て不良が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2021-0112754号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたものであって、ボウルが熱変形することを防止するボウル、基板処理装置、及びボウルの製造方法を提供することにその目的がある。
【0006】
上記のような目的を達成するために、本発明の第1実施形態によるボウルは、回収ラインが連結される回収孔が形成された本体部と、上記本体部の上部から上方へ延長された後、側方向に延長されたガイド部と、上記本体部の内部及び上記ガイド部の内部にわたって設置された連結フレームと、を含む。
【0007】
上記連結フレームは、上記本体部及び上記ガイド部にわたって配置され、互いに離隔配置された複数個の第1部分と、複数個の上記第1部分を連結する複数個の第2部分と、を含み、複数個の上記第2部分のうち一部が上記本体部に配置され、複数個の上記第2部分のうち残りが上記ガイド部に配置されることができる。
【0008】
複数個の上記第2部分のうち一部は、複数個の上記第1部分の一端部を連結し、複数個の上記第2部分のうち残りは、複数個の上記第1部分の他端部を連結することができる。
【0009】
上記本体部には、複数個の排気孔が互いに離隔して形成され、上記第1部分は、複数個の上記排気孔の間に配置されることができる。
【0010】
上記連結フレームは管構造であって、内部に冷媒が流動することができる。
【0011】
上記連結フレームは、一端部が冷媒供給管と連結され、他端部が冷媒回収管と連結されることができる。
【0012】
上記本体部と上記ガイド部は一体型に形成されることができる。
【0013】
本発明の第2実施形態によれば、上記ガイド部は、上記本体部よりも厚くなるように内側に突出した拡張部が形成されることができる。
【0014】
本発明の第3実施形態によれば、上記ガイド部の内周面にはリング状の補強部材が設置されることができる。
【0015】
本発明の他の側面によれば、工程チャンバと、上記工程チャンバ内に設置され、基板を処理する処理空間を有する処理容器と、上記処理空間で上記基板を支持する支持ユニットと、上記基板に液を吐出するノズルユニットと、を含み、上記処理容器は、上記支持ユニットの周りに配置された複数個のボウルを含み、上記ボウルは、回収ラインが連結される回収孔が形成された本体部と、上記本体部の上部から上方へ延長された後、側方向に延長されたガイド部と、上記本体部の内部及び上記ガイド部の内部にわたって設置された連結フレームと、を含む基板処理装置が提供されることができる。
【0016】
上記連結フレームは管構造であって、内部に冷媒が流動し、上記連結フレームは一端部が冷媒供給管と連結され、他端部が冷媒回収管と連結され、上記冷媒供給管と上記冷媒回収管は循環ポンプにより連結され、上記冷媒供給管には熱交換器が設置されることができる。
【0017】
上記本体部と上記ガイド部は一体型に形成されることができる。
【0018】
本発明のさらに他の側面によれば、本体部と上記本体部の一端部に連結されたガイド部のそれぞれと対応する第1空間と第2空間とが互いに繋がるように形成された金型を設ける金型準備段階と、上記第1空間及び上記第2空間にわたって連結フレームを配置させるフレーム配置段階と、上記第1空間及び上記第2空間に溶融材料を射出して、上記本体部と上記ガイド部を上記連結フレームに固定させながら一体型に成形するボウル射出成形段階と、を含むボウルの製造方法が提供されることができる。
【0019】
上記フレーム配置段階において、上記連結フレームの複数個の上記第1部分のそれぞれを上記第1空間及び上記第2空間にわたって配置させ、複数個の上記第1部分を連結する上記連結フレームの複数個の上記第2部分のうち一部を上記第1空間に配置させ、複数個の上記第2部分のうち残りを上記第2空間に配置させ、上記第1部分と上記第2部分とが交互に互いに繋がるように配置することができる。
【0020】
上記フレーム配置段階において、上記連結フレームとして冷媒が内部で流動可能な管を使用することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、内蔵された連結フレームによりボウルの本体部とガイド部が固定されることで、ガイド部が高温の液によって熱変形することを防止し、本体部から離脱することを防止できるという効果を有する。
【0022】
さらに、本発明は、本体部とガイド部が一体型に形成されることにより、本体部とガイド部が熱変形することを防止できるという利点を有する。
【0023】
また、本発明は、連結フレームが冷媒の流動する管構造をとることにより、本体部とガイド部を冷却させることで本体部とガイド部の熱変形を防止できるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】本発明による基板処理装置を示す平面図である。
【
図4】
図2の基板処理装置において複数個のボウルを示す図である。
【
図5】
図4の複数個のボウルのうち内側ボウルである、本発明の第1実施形態によるボウルを示す図である。
【
図6】
図4のボウルにおいて連結フレームを示す図である。
【
図7】本発明の第2実施形態によるボウルを示す図である。
【
図8】本発明の第3実施形態によるボウルを示す図である。
【
図9】
図4の複数個のボウルのうち第1ボウルに、本発明が適用されたことを示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるボウルの製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように好ましい実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明するに当たり、関連する公知の機能又は構成に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不必要に不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。また、類似の機能及び作用をする部分については、図面全体にわたって同じ符号を用いる。なお、本明細書において、「上」、「上部」、「上面」、「下」、「下部」、「下面」、「側面」等の用語は図面を基準としたものであり、実際には構成要素が配置される方向によって異なることがある。
【0026】
さらに、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されていると言うとき、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の構成要素を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある構成要素を「含む」とは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0027】
【0028】
図面を参照すると、従来技術によるボウル10は、基板を支持する支持ユニットの周りに複数個が離隔して配置される。複数個のボウル10は、支持ユニット側から外側に第1ボウルB1、第2ボウルB2、及び第3ボウルB3が順次に多段配置されることができる。このとき、ボウル10は、第1ボウルB1、第2ボウルB2、及び第3ボウルB3のうち一つであってもよく、第1ボウルB1の内側に形成された内側ボウルIBであってもよい。
【0029】
このようなボウル10は、複数個の部品が組み立てられて形成されることができる。
【0030】
具体的な一例として、ボウル10が内側ボウルIBである場合、ボウル10は、下側部分である本体部11と上側部分であるガイド部12とを含むことができる。ここで、本体部11の上面には組立突起ライン11aが形成され、ガイド部12の下面には組立溝ライン12aが形成され、本体部11の組立突起ライン11aがガイド部12の組立溝ライン12aに挿入されることにより、本体部11及びガイド部12が組み立てられる。また、本体部11及びガイド部12のそれぞれにはピンホールgが形成され、このようなピンホールgに固定ピンpが挿入されることにより、本体部11及びガイド部12が組み立てられた状態で固定される。
【0031】
ところが、高温のSPM(Sulfuric Acid Hydrogen Peroxide Mixture)のように高温の液が基板に吐出されてボウル10に回収される場合、ボウル10が熱変形することがある。具体的に、ボウル10のガイド部12が高温の液により内側に熱変形する場合、固定ピンpが損傷したり抜けたりして、組立溝ライン12aが組立突起ライン11aから分離されて離脱することで、工程不良が発生するという問題点がある。
【0032】
図2は、本発明の第1実施形態による基板処理装置を示す平面図であり、
図3は、
図2の基板処理装置の内部を示す図である。
【0033】
図面を参照すると、本発明の基板処理装置1000は、液で基板Wに対する工程を行う工程チャンバ100を含む。このような工程チャンバ100内では、基板Wを水平に保持した状態で基板Wに対して工程を行う。上記工程は、基板W上に形成された窒化膜をエッチングする工程であってもよい。このとき、液はリン酸を含んでもよい。さらに、工程チャンバ100は、様々な液を使用して基板Wの表面に残留する異物及び膜質を除去する工程において使用されることができる。
【0034】
具体的に、上記工程チャンバ100は密閉された内部空間を提供し、上部にはファンフィルタユニット110が設置される。上記ファンフィルタユニット110は、工程チャンバ100の内部に垂直気流を発生させる。このようなファンフィルタユニット110は、フィルタと空気供給ファンが一つのユニットとしてモジュール化したものであって、清浄空気をフィルタリングして工程チャンバ100の内部に供給する。清浄空気はファンフィルタユニット110を通過した後、工程チャンバ100の内部に供給されて垂直気流を形成する。このような垂直気流は、基板Wの上部に均一な気流を提供し、処理流体によって基板Wの表面が処理される過程で発生する汚染物質(ヒューム)を空気と共に処理容器200の複数個のボウル210、220、230を介して回収ライン131、132、133に排出させて除去することにより、処理容器の内部の高清浄度を保持させる。
【0035】
工程チャンバ100は、水平隔壁101によって区画される工程領域100aとメンテナンス領域100bとを含む。上記水平隔壁101には、昇降ユニット290の駆動部材293と、ノズルユニット400の駆動部材490とが設置される。また、メンテナンス領域100bは、処理容器200と連結される回収ライン131、132、133、及び排気部材120が位置する空間であって、このようなメンテナンス領域100bは、基板Wの処理が行われる工程領域100aから隔離されることが好ましい。
【0036】
そして、本発明の基板処理装置1000は、工程チャンバ100内に処理容器200、支持ユニット300、及びノズルユニット400を含むことができる。上記処理容器200は工程チャンバ100の内部に設置され、上部が開口した円筒形状を有し、基板Wを処理するための処理空間を提供する。処理容器200の開口した上面は、基板Wの搬出及び搬入通路として提供される。ここで、上記処理空間には支持ユニット300が位置する。このとき、支持ユニット300は、工程の進行時に基板Wを支持し、基板Wを回転させる。
【0037】
また、処理容器200は、支持ユニット300のスピンヘッド310が位置する上部空間200aと、強制排気が行われるように、下部には排気ダクト250が連結された下部空間200bとを提供する。このような排気ダクト250は、工程チャンバ100の外部に延長された排気部材120と連結される。処理容器200の上部空間200aには、回転する基板W上から飛散する液と気体を回収及び吸入する環状の第1ボウル210、第2ボウル220、及び第3ボウル230が多段に配置される。上記第1ボウル210、第2ボウル220、及び第3ボウル230は、一つの共通した環状空間(処理容器の下部空間に該当)と通じる排気孔hを有する。
【0038】
ここで、複数個のボウル210、220、230は、基板Wから飛散した液及びヒュームが含まれた気流が流入する複数個の回収空間RS1、RS2、RS3を提供する。第1回収空間RS1は第1ボウル210によって区画されて形成され、第2回収空間RS2は第1ボウル210と第2ボウル220間の離隔空間で形成され、第3回収空間RS3は、第2ボウル220と第3ボウル230間の離隔空間で形成される。
【0039】
これに加えて、上記処理容器200は、処理容器200の垂直位置を変更させる昇降ユニット290と結合される。昇降ユニット290は、処理容器200を上下方向に直線移動させる。処理容器200が上下に移動することによって、スピンヘッド310に対する処理容器200の相対高さが変更される。このような昇降ユニット290は、ブラケット291、昇降軸292、及び駆動部材293を有する。ブラケット291は処理容器200の外壁に固定設置され、ブラケット291には、駆動部材293によって上下方向に移動する昇降軸292が固定結合される。基板Wがスピンヘッド310にロードされるか、又はスピンヘッド310からアンロードされるとき、スピンヘッド310が処理容器200の上部に突出するように処理容器200は下降する。
【0040】
また、工程の進行時には、基板Wに供給された液の種類に応じて設定された(選択された)各ボウル210、220、230に液が流入できるように処理容器200の高さが調節される。これにより、処理容器200と基板W間の相対的な垂直位置が変更される。したがって、処理容器200は、各回収空間RS1、RS2、RS3ごとに回収される液と汚染ガスの種類を異ならせることができる。
【0041】
上記支持ユニット300は処理容器200の内側に設置される。支持ユニット300は、工程の進行中に基板Wを支持し、工程が行われる間、駆動部材330によって回転することができる。また、上記支持ユニット300は、円形の上部面を有するスピンヘッド310を有する。スピンヘッド310の上部面には、基板Wを支持する複数個の支持ピン311と複数個のチャッキングピン312とを有する。支持ピン311は、スピンヘッド310の上部面の縁部に一定間隔を離隔して一定の配列で複数個が配置され、スピンヘッド310から上側に突出するように備えられる。支持ピン311は基板Wの下面を支持し、基板Wがスピンヘッド310から上側の方向に離隔した状態で支持されるようにする。支持ピン311の外側には複数個のチャッキングピン312がそれぞれ配置され、このようなチャッキングピン312は上側に突出するように備えられる。複数個のチャッキングピン312は、複数個の支持ピン311によって支持された基板Wがスピンヘッド310上の定位置に載置されるように基板Wを整列する。工程の進行時に、複数個のチャッキングピン312は、基板Wの側部と接触して基板Wが定位置から離脱することを防止する。スピンヘッド310の下部には、スピンヘッド310を支持する支持軸320が連結され、支持軸320は、その下端に連結された駆動部材330によって回転する。このとき、駆動部材330はモータ等で構成され、このような駆動部材330により支持軸320が回転することで、スピンヘッド310及び基板Wが回転するようになる。
【0042】
一方、上記ノズルユニット400は、支持ユニット300に支持された基板Wに液を吐出する。このようなノズルユニット400は、移動ノズル機器400M又は固定ノズル機器400Fであってもよい。このとき、移動ノズル機器400Mは、処理容器200の外側に複数個が設置されてもよい。
【0043】
図4は、
図2の基板処理装置において複数個のボウルを示す図であり、
図5は、
図4の複数個のボウルのうち、本発明の第1実施形態によるボウルを示す図であり、
図6は、
図4のボウルにおいて連結フレームを示す図である。
【0044】
図面を参照すると、本発明の第1実施形態によるボウル210は一体型構造で形成されることができる。
【0045】
具体的に、ボウル210は、下側部分である本体部211及び上側部分であるガイド部212を含むことができる。
【0046】
上記本体部211は、円筒形の構造をとるが、内側には基板(
図3のW)を支持する支持ユニット(
図3の300)が配置される。このような本体部211は、下部に回収孔211aが形成されることができるが、このとき、回収孔211aには液を回収する回収ライン130が連結される。
【0047】
また、ガイド部212は、本体部211の上部から上方へ延長された後、側方向に延長される。すなわち、ガイド部212は、本体部211の上端部から上側に立てられた構造をなす。さらに、ガイド部212は、側方向に傾斜するように折り曲げ又は屈曲した構造をとる。ガイド部212は側方向に延長された構造をとることにより、ボウル210が液を回収するとき、基板から飛散する液を、回収ライン130の連結された本体部211側にガイドする役割を果たす。具体的に、ボウル210が第1ボウル(
図3のB1)、第2ボウル(
図3のB2)、又は第3ボウル(
図3のB3)である場合、ガイド部212は、本体部211から上方へ延長された後、内側の側方向に上方傾斜した構造をとり、ボウル210が第1ボウル(
図3のB1)の内側に配置された内側ボウル(
図3のIB)である場合、ガイド部212は、本体部211から上方延長された後、外側の側方向に下方傾斜した構造をとることができる。
図4~
図8では、内側ボウル(
図3のIB)に、本発明のボウル210の構造が適用されたことを示している。さらに、本発明のボウル210の構造が第1ボウル(
図3のB1)に適用される場合、
図9のように示すことができる。
【0048】
本発明の本体部211とガイド部212は、一体型として互いに繋がるように形成された構造をとる。
【0049】
従来技術によるボウル(
図1の10)は、本体部(
図1の11)とガイド部(
図1の212)とが互いに組み立てられる組立体構造をとっているのに対し、本発明のボウル210は、本体部211とガイド部212とが組み立てられる構造ではなく、一体型構造として製造される。
【0050】
一例として、本発明は、射出成形によって本体部211とガイド部212とが一体型に製造されることができる。具体的に、本体部211とガイド部212とは、後述する連結フレーム213が挿入されるインサート射出で成形されて一体型に形成されることができる。
【0051】
一方、一体型構造の本体部211及びガイド部212は、連結フレーム213によって強固に固定されることができる。
【0052】
具体的に、上記連結フレーム213は、本体部211の内部及びガイド部212の内部にわたって設置される。
【0053】
すなわち、連結フレーム213は、一定の部分が本体部211の内部に配置され、残りの部分がガイド部212の内部に設置されることができる。
【0054】
これにより、本発明のボウル210は、本体部211とガイド部212とが一体型に形成されるとともに、連結フレーム213により固定されることにより、ガイド部212が高温の液により熱変形することで、本体部211から離脱することを防止することができる。
【0055】
具体的に、連結フレーム213は、第1部分213aと第2部分213bとを含むことができる。
【0056】
上記第1部分213aは、本体部211及びガイド部212にわたって配置される。第1部分213aは、本体部211の内部及びガイド部212の内部にわたって配置される。このような第1部分213aは、下側の本体部211及び上側のガイド部212にわたって配置されるために、縦方向に形成される。
【0057】
さらに、第1部分213aは複数個が配置されるが、円筒形の第1ボウル210の円周方向に沿って互いに離隔して配置される。このような第1部分213aは、本体部211とガイド部212とを互いに強固に固定させる役割を果たす。
【0058】
より具体的に、本体部211には複数個の排気孔hが互いに離隔して形成されることができる。排気孔hは、ボウル210に液と共に回収された気体を排気する部分であるが、第1部分213aは、このような排気孔hと干渉しないように複数個の排気孔hの間に配置される。
【0059】
また、上記第2部分213bは、複数個の第1部分213aを連結するように複数個が配置される。このような複数個の第2部分213bのうち一部が本体部211に配置され、複数個の第2部分213bのうち残りがガイド部212に配置される。
【0060】
より具体的に、第2部分213bは、複数個の第2部分213bのうち一部が本体部211の内部に配置され、複数個の第2部分213bのうち残りがガイド部212の内部に配置される。このとき、複数個の第2部分213bのうち一部は、複数個の第1部分213aの一端部を連結し、複数個の第2部分213bのうち残りは、複数個の第1部分213aの他端部を連結する。
【0061】
このように連結フレーム213は、第1部分213aと第2部分213bとが交互に互いに繋がる構造をとることにより、本体部211とガイド部212の全体的な部分を強固に固定させることができる。
【0062】
さらに、上述した連結フレーム213はジグザグパターンで形成されるが、
図4~
図8に示すように、第1部分213aが垂直配置され、第2部分213bが水平配置された形状に形成されてもよく、
図9に示すように、第1部分213aが傾斜配置され、第2部分213bが屈曲配置された波のような形状に形成されてもよく、さらに、様々なジグザグパターンで形成されてもよい。
【0063】
そして、上記連結フレーム213は管構造であって、内部に冷媒が流動する。すなわち、連結フレーム213は、内部に冷媒が流動するルートが形成される管の形態をとる。言い換えれば、連結フレーム213としては冷媒管が使用されることができる。
【0064】
このように本発明は、連結フレーム213が冷媒の流動する管構造をとることにより、本体部211及びガイド部212を強固に固定させる役割に加え、本体部211及びガイド部212を冷却させることができる。基板に吐出された後に回収される高温の液により、本体部211及びガイド部212が熱変形することがあるが、連結フレーム213により本体部211及びガイド部212が冷却されることで、本体部211及びガイド部212の熱変形を防止することができる。
【0065】
このような連結フレーム213は、
図4に示すように、一端部が冷媒供給管910と連結され、他端部が冷媒回収管920と連結されることができる。上記冷媒供給管910と冷媒回収管920は循環ポンプ930によって連結され、冷媒供給管910には熱交換器940が設置されることができる。これにより、連結フレーム213は、基板工程中に本体部211及びガイド部212に対する冷却役割を継続して安定的に行うことができる。
【0066】
さらに、連結フレーム213は金属材質からなることができる。射出成形で加工される樹脂材質の本体部211とガイド部212のそれぞれの内部に配置される連結フレーム213が金属材質からなることにより、本体部211とガイド部212をさらに強固に固定させることができる。
【0067】
図7は、本発明の第2実施形態によるボウルを示す図であり、
図8は、本発明の第3実施形態によるボウルを示す図である。
【0068】
上記ガイド部212は、
図7に示すように、本体部211よりも厚くなるように内側に突出した拡張部212aが形成されるか、又は
図8に示すように、内周面にリング状の補強部材214が設置されることができる。
【0069】
高温のSPMのような液では、高温の液が基板に吐出された後、ボウル210に回収される過程で、高温の液が先に接触するガイド部212の熱変形が、本体部211よりも容易に発生する。
【0070】
そこで、本発明は、
図7に示す第2実施形態のように、ガイド部212が本体部211よりも厚さの側面においてより厚くなるように、内側に突出した拡張部212aが形成されることで、又は
図8に示す第3実施形態のように、ガイド部212の内周面にリング状の補強部材214が設置されることで、ガイド部212に対する熱変形を防止することができる。なお、
図7及び
図8に示した構成要素のうち、説明されていない構成要素は、
図4~
図6と同じ図面符号を有する構成要素と同一であるため、それに対する具体的な説明は省略する。
【0071】
図10は、本発明の一実施形態によるボウルの製造方法を示すフローチャートである。
【0072】
図4及び
図10を参照すると、本発明のボウルの製造方法は、金型準備段階S100、フレーム配置段階S200、及びボウル射出成形段階S300を含む。
【0073】
まず、金型準備段階S100は、第1空間と第2空間とが互いに繋がるように形成された金型(図示せず)を設ける段階である。すなわち、第1空間と第2空間とは互いに通じる空間であり、第1空間は円筒形構造の本体部211と対応する空間であり、第2空間は円筒形構造のガイド部212と対応する空間である。
【0074】
次に、フレーム配置段階S200は、第1空間及び第2空間にわたって連結フレーム213を配置させる段階である。すなわち、フレーム配置段階S200では、連結フレーム213を金型の内部に移動させて、連結フレーム213を第1空間及び第2空間にわたって配置させる。
【0075】
具体的に、フレーム配置段階S200では、連結フレーム213の複数個の第1部分213aのそれぞれを第1空間及び第2空間にわたって配置させ、そして複数個の第1部分213aを連結する連結フレーム213の複数個の第2部分213bのうち一部を上記第1空間に配置させ、複数個の第2部分213bのうち残りを第2空間に配置させる。さらに、このとき、第1部分213aと第2部分213bとを交互に互いに繋げる。
【0076】
また、フレーム配置段階S200では、連結フレーム213として、冷媒が内部で流動可能な管を用いることができる。すなわち、連結フレーム213として冷媒管を使用することができる。
【0077】
最後に、ボウル射出成形段階S300は、第1空間及び第2空間に溶融材料を射出して本体部211及びガイド部212を成形する段階である。フレーム配置段階S200により第1空間及び第2空間にわたって連結フレーム213が配置されていることによって、このようなボウル射出成形段階S300により本体部211及びガイド部212は連結フレーム213に固定され、一体型に成形される。
【0078】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施できるということを理解することができる。よって、上述した実施形態はすべての点で例示的なものであり、限定的なものではないものと理解すべきである。
【符号の説明】
【0079】
100:工程チャンバ
100a:工程領域
100b:メンテナンス領域
101:水平隔壁
110:ファンフィルタユニット
120:排気部材
130:回収ライン
131:第1回収ライン
132:第2回収ライン
133:第3回収ライン
200:処理容器
200a:上部空間
200b:下部空間
210:ボウル
211:本体部
211a:回収孔
212:ガイド部
212a:拡張部
213:連結フレーム
213a:第1部分
213b:第2部分
214:補強部材
250:排気ダクト
290:昇降ユニット
291:ブラケット
292:昇降軸
293:駆動部材
300:支持ユニット
310:スピンヘッド
320:支持軸
330:駆動部材
400:ノズルユニット
400M:移動ノズル機器
400F:固定ノズル機器
490:駆動部材
910:冷媒供給管
920:冷媒回収管
930:循環ポンプ
940:熱交換器
1000:基板処理装置
W:基板
B1:第1ボウル
B2:第2ボウル
B3:第3ボウル
IB:内側ボウル
h:排気ホール
S100:金型準備段階
S200:フレーム配置段階
S300:ボウル射出成形段階